JP2012004283A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒化物半導体を用いた半導体装置で良好なトンネル接合が形成できるようにする。
【解決手段】III−V族窒化物半導体から成る第1導電型の第1半導体層101と、第1半導体層101の上に形成されたアンドープのIII−V族窒化物半導体から成る第2半導体層102と、第2半導体層102の上に形成されたIII−V族窒化物半導体から成る第2導電型の第3半導体層103とを少なくとも備える。加えて、第2半導体層102が、第1半導体層101と格子定数が異なる、また、第2半導体層102が、第1半導体層101とバンドギャップエネルギーが異なる、また、第2半導体層102が、第3半導体層103と格子定数が異なる、また、第2半導体層102が、第3半導体層103とバンドギャップエネルギーが異なる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III−V族窒化物半導体を用いた半導体装置に関するものである。
GaNをはじめとした窒化物半導体は、III族元素の混合比を変えることで、0.7〜6.2eVという広範な範囲のエネルギーギャップを有する材料を得ることができるという特徴を有している。このバンドギャップ範囲は、いわゆる可視光の領域を完全に含んでおり、こうした特徴を生かして発光ダイオード(LED)などの材料として用いられ、信号機や様々なディスプレイに応用されて広く一般に使われている。
また、窒化物半導体のエネルギーギャップ範囲は、太陽光のスペクトル(波長)をほぼ網羅しており、こうしたことから発電効率の高い太陽電池を実現し得る材料として注目されている。たとえば、非特許文献1では、単結晶Si系の太陽電池セルとInGaNで構成した太陽電池セルのタンデム化により、31%の発電効率が見込めると予測している。また、同文献では、単結晶Si系太陽電池セルに2つのInGaN太陽電池セルを組み合わせた3接合セルにおいて、InGaNのエネルギーギャップを適切に選ぶことで35%の発電効率が見込めると予測している。
また、非特許文献2においては、単結晶Si系太陽電池セルとInAlNで構成した太陽電池セルのタンデム化により、41%の発電効率が見込めると予測している。
L.Hsu and W.Walukiewicz, "Modeling of InGaN/Si tandem solar cells", Journal of Applied Physics, vol.104, 024507, 2008. R.E. Jones'r, et al. , "HIGH EFFICIENCY InAIN-BASED SOLAR CELLS", in 33rd IEEE Photovoltaic Specialist Conference, San Diego, California, USA (2008).
ところで、太陽電池セルの基本構造はダイオード構造であり、複数のセルを接合する場合、接合部分はpn接合となる。この通常のpn接合のバンド構造は、図9の(a)に示すように、n型半導体層からp型半導体層にかけて変化する。また、接合部の電流・電圧特性は、図9の(b)に示すような整流性を示す。
また、複数の太陽電池セルからなる多接合型太陽電池を形成する場合、各セル間でのエネルギー損失を避けるために、各セルの間の接合部分は十分低抵抗なオーミック性を示すことが重要となる。このためには、各セルの間を、トンネル接合を用いて接続させるのが一般的である。トンネル接合を形成するには、図10の(a)に示すように、セル1とセル2との間を、非常に高濃度にn型ドーピングした高濃度n型半導体層と、非常に高濃度にp型ドーピングした高濃度p型半導体層とで接続(接合)することが、一般的である。
このような高濃度n型半導体層と高濃度p型半導体層との接合部の電流・電圧特性は、図10の(b)に示すように良好なオーミック性を示す。これは、高濃度ドーピングによりn型層の伝導帯およびp型層の価電子帯が縮退し、各々のエネルギーがフェルミ準位を挟んで重なり合うことにより、キャリアのトンネル確率が増大し、トンネル電流が流れるようになるためである。
上述したように、多接合型太陽電池の形成には、トンネル接合の実現が非常に重要となる。このような、p型半導体とn型半導体との間のトンネル接合は、重要な技術であるが、III−V族窒化物半導体では、特にp型の高濃度層を形成することが容易ではなく、上述したような良好なトンネル接合が形成できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、窒化物半導体を用いた半導体装置で良好なトンネル接合が形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、III−V族窒化物半導体からなる第1導電型の第1半導体層と、この第1半導体層の上に形成されたアンドープのIII−V族窒化物半導体からなる第2半導体層と、この第2半導体層の上に形成されたIII−V族窒化物半導体からなる第2導電型の第3半導体層とを少なくとも備え、第2半導体層は、第1半導体層と格子定数が異なる第1条件、第2半導体層は、第1半導体層とバンドギャップエネルギーが異なる第2条件、第2半導体層は、第3半導体層と格子定数が異なる第3条件、および 第2半導体層は、第3半導体層とバンドギャップエネルギーが異なる第4条件、の少なくとも1つの条件が成立している。
上記半導体装置において、第1半導体層と第3半導体層とは、格子不整合度が0.1%以下とされ、第2半導体層の層厚は、臨界膜厚以下とされていればよい。また、第1半導体層および第3半導体層は、Inを含み、第2半導体層は、Alを含む構成とするとよい。また、第1半導体層および第3半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成し、第2半導体層は、InyAl1-yN(0≦y<1)から構成するとよい。また、第1半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成し、第2半導体層は、InyAlzGa1-y-zN(0≦y≦1、0<z≦1、0<y+z≦1)から構成し、第3半導体層は、InyAl1-yN(0<y≦1)から構成してもよい。また、第1半導体層,第2半導体層,および第3半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成してもよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、窒化物半導体を用いた半導体装置で良好なトンネル接合が形成できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を示す断面図である。 図2は、第1半導体層101と第3半導体層103とが直接接合している場合のバンド構造を示すバンド図である。 図3は、In0.4Ga0.6NとAlNとの接合におけるバンド構造を示すバンド図である。 図4は、第1半導体層101,第2半導体層102,および第3半導体層103を積層したバンド構造を示すバンド図である。 図5は、本発明の実施の形態2における半導体装置の構成を示す断面図である。 図6は、実施の形態2の半導体装置における第1太陽電池セルおよび第2太陽電池セルの部分のバンド構造を示すバンド図である。 図7は、本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を示す断面図である。 図8は、実施の形態3の半導体装置における第1太陽電池セルおよび第2太陽電池セルの部分のバンド構造を示すバンド図である。 図9は、通常のpn接合のバンド構造を説明する説明図である。 図10は、トンネル接合のバンド構造を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、III−V族窒化物半導体からなる第1導電型の第1半導体層101と、第1半導体層101の上に形成されたアンドープのIII−V族窒化物半導体からなる第2半導体層102と、第2半導体層102の上に形成されたIII−V族窒化物半導体からなる第2導電型の第3半導体層103とを少なくとも備える。なお、第1導電型がn型であり第2導電型がp型であってもよく、第1導電型がp型であり第2導電型がn型であってもよい。
また、この半導体装置は、次に示す第1〜第4の条件の4つの条件の少なくとも1つが成立している。
第1条件は、第2半導体層102が、第1半導体層101と格子定数が異なる。
第2条件は、第2半導体層102が、第1半導体層101とバンドギャップエネルギーが異なる。
第3条件は、第2半導体層102が、第3半導体層103と格子定数が異なる。
第4条件は、第2半導体層102が、第3半導体層103とバンドギャップエネルギーが異なる。
このように構成した本実施の形態における半導体装置によれば、III−V族窒化物半導体を用いた半導体装置で、n型の層とp型の層との間で、良好なトンネル接合が形成できるようになる。
以下、一例を挙げて、本実施の形態の半導体装置におけるトンネル接合について説明する。まず、第1半導体層101が、n型のIn0.4Ga0.6Nから構成され、第3半導体層103が、p型のIn0.4Ga0.6Nから構成され、第2半導体層102がAlNから構成されている場合を例にする。
まず、第1半導体層101と第3半導体層103とが直接接合している場合、このバンド構造は、図2に示すように通常のpn接合となる。窒化物半導体においては、p型の高濃度ドーピングは困難であり、一般にn型層の方がドーピング濃度は高くできる。これを反映し、上述したpn接合部に形成される空乏層は、第3半導体層103の側に大きく広がった状態となる。
次に、n型の第1半導体層101と挿入する第2半導体層102との関係について説明する。n型のIn0.4Ga0.6Nに対してAlNは、エネルギーギャップが大きくかつ格子定数は小さい。格子定数が異なることによる窒化物半導体のもつ大きな分極効果、および電子親和力の違いにより、第1半導体層101と第2半導体層102との界面には2次元電子ガスが形成され、また、バンド構造は、図3の(a)に示す構成となる。
次に、挿入する第2半導体層102とp型の第3半導体層103との関係について説明する。この関係においても、p型のIn0.4Ga0.6Nに対してAlNは、エネルギーギャップが大きくかつ格子定数は小さい。このため、前述同様の分極効果および電子親和力の違いにより、第2半導体層102と第3半導体層103との界面には、2次元正孔ガスが形成され、また、バンド構造は、図3の(b)に示す構成となる。
本実施の形態における半導体装置は、第1半導体層101,第2半導体層102,および第3半導体層103を積層しており、これら積層構造におけるバンド構造は、図3の(a)および(b)を組み合わせた状態となり、図4に示す構成となる。このため、本例の場合、第1半導体層101の伝導帯と第3半導体層103の価電子帯との間でトンネル電流が流れるトンネル接合が形成されるようになる。
上述の例では、InGaNから構成したpn接合に、AlNからなる挿入層を挿入する場合を例に説明したが、これに限るものではない。上述したトンネル接合の形成は、n型層と挿入層との界面に2次元電子ガスが形成される条件、およびp型層と挿入層との界面に2次元正孔ガスが形成される条件の少なくとも一方が得られていればよい。
ここで、n型層と挿入層との界面に2次元電子ガスが形成されるためには、n型層と挿入層とのバンドギャップエネルギーが異なっている第1条件、およびn型層と挿入層との格子定数が異なっている第2条件の少なくとも一方の条件が成立していればよい。
なお、結晶成長の成長面をC面として各層をエピタキシャル成長してn型層の上に挿入層を形成する場合、n型層に対して挿入層の方が格子定数が小さい条件、およびn型層に対して挿入層の方がバンドギャップエネルギーが大きい条件の少なくとも1つの条件とすることが重要となる。これは、言い換えると、n型層,挿入層,p型層の順にエピタキシャル成長する場合である。
一方、結晶成長の成長面をC面として各層をエピタキシャル成長して挿入層の上にn型層を形成する場合、n型層に対して挿入層の方が格子定数が大きい条件、およびn型層に対して挿入層の方がバンドギャップエネルギーが小さい条件の少なくとも1つの条件とすることが重要となる。これは、言い換えると、p型層,挿入層,n型層の順にエピタキシャル成長する場合である。以上のことは、c軸方向への結晶成長の場合の、III−V族窒化物半導体の特性である。
また、p型層の挿入層との界面に2次元正孔ガスが形成されるためには、p型層と挿入層とのバンドギャップエネルギーが異なっている第3条件、およびp型層と挿入層との格子定数が異なっている第4条件の少なくとも一方の条件が成立していればよい。
なお、結晶成長の成長面をC面として各層をエピタキシャル成長して挿入層の上にp型層を形成する場合、p型層に対して挿入層の方が格子定数が小さい条件、およびp型層に対して挿入層の方がバンドギャップエネルギーが大きい条件の少なくとも1つの条件とすることが重要となる。これは、言い換えると、n型層,挿入層,p型層の順にエピタキシャル成長する場合である。
一方、結晶成長の成長面をC面として各層をエピタキシャル成長してp型層の上に挿入層を形成する場合、p型層に対して挿入層の方が格子定数が大きい条件、およびp型層に対して挿入層の方がバンドギャップエネルギーが小さい条件の少なくとも1つの条件とすることが重要となる。これは、言い換えると、p型層,挿入層,n型層の順にエピタキシャル成長する場合である。以上のことは、c軸方向への結晶成長の場合の、III−V族窒化物半導体の特性である。
以上のことをまとめると、第1導電型の第1半導体層101,第2半導体層102,および第2導電型の第3半導体層103の積層構造において、「第2半導体層102が、第1半導体層101と格子定数が異なる」第1条件、「第2半導体層102が、第1半導体層101とバンドギャップエネルギーが異なる」第2条件、「第2半導体層102が、第3半導体層103と格子定数が異なる」第3条件、および「第2半導体層102が、第3半導体層103とバンドギャップエネルギーが異なる」第4条件、の少なくとも1つの条件が成立していれば、本実施の形態における半導体装置のトンネル接合が得られる。
ここで、たとえば、第1半導体層101および第3半導体層103をInGaNから構成し、第2半導体層102をAlNから構成した場合、「第2半導体層102は、第1半導体層101より格子定数が小さい(第1条件)」、「第2半導体層102は、第1半導体層101よりバンドギャップエネルギーが大きい(第2条件)」、「第2半導体層102は、第3半導体層103より格子定数が小さい(第3条件)」、および「第2半導体層102は、第3半導体層103よりバンドギャップエネルギーが大きい(第4条件)」の、第1〜第4条件の全ての条件を満たしていることになる。なお、これは、結晶成長の成長面をC面とし、第1導電型をn型として第1半導体層101、第2半導体層102、第3半導体層103の順に積層した場合である。
また、たとえば、第1半導体層101および第3半導体層103をInGaNから構成し、第2半導体層102をInNから構成した場合、「第2半導体層102は、第1半導体層101より格子定数が大きい(第1条件)」、「第2半導体層102は、第1半導体層101よりバンドギャップエネルギーが小さい(第2条件)」、「第2半導体層102は、第3半導体層103より格子定数が大きい(第3条件)」、および「第2半導体層102は、第3半導体層103よりバンドギャップエネルギーが小さい(第4条件)」の、第1〜第4条件の全ての条件を満たしていることになる。なお、これは、結晶成長の成長面をC面とし、第1導電型をp型として第1半導体層101、第2半導体層102、第3半導体層103の順に積層した場合である。
ところで、2次元電子ガスおよび2次元正孔ガスを、最も効果的に形成できる条件は、第2半導体層102がAlを含んだIII−V族窒化物半導体から構成され、第1半導体層101および第3半導体層103が、Inを含んだIII−V族窒化物半導体から構成されている場合である。これは、AlNおよびInNなどが備えている分極効果や電子親和力の違いによるものである。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図5は、本発明の実施の形態2における半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、p型のシリコン層501,n型のシリコン層502,アンドープAlNからなるバッファ層503,p型のIn0.6Ga0.4Nからなる第1p型層504,n型のIn0.6Ga0.4Nからなる第1n型層(第1半導体層)505,アンドープIn0.5Al0.5Nからなる挿入層(第2半導体層)506,p型のIn0.67Al0.33Nからなる第2p型層(第3半導体層)507,およびn型のIn0.67Ga0.33Nからなる第2n型層508を、これらの順に積層して備えている。
この半導体装置は、p型のシリコン層501およびn型のシリコン層502からなるSi太陽電池の上に、第1p型層504および第1n型層505からなる第1太陽電池セル、第2p型層507および第2n型層508からなる第2太陽電池セルを積層した、タンデム型太陽電池である。この実施の形態における半導体装置では、上述した第1太陽電池セルと第2太陽電池セルとの接合を、挿入層506を用いてトンネル接合としている。
なお、発明者らは、シリコン太陽電池の上に、バンドギャップエネルギーが1.4〜1.6eVとなるInGaNのpn接合(第1太陽電池セル)、およびバンドギャップエネルギーが1.88〜2.08eVとなるInAlNのpn接合(第2太陽電池セル)を積層し、InGaNの層は、AlNの層を介してシリコン層の上に形成することで、高い光電変換効率が得られるようにしたタンデム型太陽電池を提案している。
第1太陽電池セルでは、バンドギャップエネルギーが1.5eV程度のIn0.6Ga0.4Nを用い、第2太陽電池セルでは、In0.67Al0.33Nを用いている。In0.67Al0.33NおよびIn0.6Ga0.4Nは、ともに格子定数が0.340nmであり、格子整合している。また、挿入層506を構成しているIn0.5Al0.5Nは、In0.6Ga0.4NおよびIn0.67Al0.33Nのいずれに対しても格子定数が小さく、かつ、バンドギャップエネルギーが大きい。本実施の形態では、このIn0.5Al0.5Nからなる挿入層506を、臨界膜厚以下として用いている。なお、本実施の形態では、第1n型層(第1半導体層)505と第2p型層(第3半導体層)507とは、格子不整合度が0.1%以下となっている。
本実施の形態における半導体装置は、例えば、シリコン基板に、よく知られた不純物導入技術によりp型のシリコン層501およびn型のシリコン層502を形成し、このシリコン基板の上に、バッファ層503を介し、第1p型層504,第1n型層505,挿入層506,第2p型層507,および第2n型層508を順次にエピタキシャル成長することで形成できる。これらのIII−V族窒化物半導体による各層は、例えば、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)および分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)などの、半導体の結晶成長技術により形成することができる。
ここで、本実施の形態では、各結晶層の成長面をC面とし、挿入層506を中心としたトンネル接合部では、n型の第1n型層505の上に挿入層506を形成し、挿入層506の上にp型の第2p型層507を形成している。従って、第1n型層505に対して挿入層506の方が格子定数が小さい条件(第1条件)、第1n型層505に対して挿入層506の方がバンドギャップエネルギーが大きい条件(第2条件),第2p型層507に対して挿入層506の方が格子定数が小さい条件(第3条件),および第2p型層507に対して挿入層506の方がバンドギャップエネルギーが大きい条件(第4条件)の少なくとも1つの条件とすることが重要となる。この実施の形態では、これら4つの条件を全て満たしている。
図6は、本実施の形態の半導体装置における第1太陽電池セルおよび第2太陽電池セルの部分のバンド構造を示すバンド図である。挿入層506は、第1n型層505および第2p型層507に対し、格子定数が小さくバンドギャップエネルギーが大きい。このため、図3および図4を用いた説明と同様に、第1n型層505と挿入層506との界面には、2次元電子ガスが形成され、挿入層506と第2p型層507との界面には、2次元正孔ガスが形成され、第1n型層505の伝導帯と第2p型層507の価電子帯との間でトンネル電流が流れるトンネル接合が形成されるようになる。
ここで、挿入層(第2半導体層)506を臨界膜厚以下とし、また、第1n型層(第1半導体層)505と第2p型層(第3半導体層)507とを、格子不整合度が0.1%以下とすることについて説明する。本実施の形態では、トンネル接合を形成するために、格子定数の違いによる分極効果を発現させるようにしているが、このためには、つぎの2つの条件が重要となる。第1に、挿入する第2半導体層が、「第1半導体層の格子定数の影響を受けて格子歪みを内包ししている」ことが条件となる。この条件のために、第2半導体層を臨界膜厚以下としている。臨界膜厚を超えて厚くすると、たとえばミスフィット転位などが形成されるようになり、歪みが解放されてしまい分極効果が得られなくなる。
第2に、上述したように第1半導体層による影響で格子歪みを内包している第2半導体層の格子定数の影響を受け、「第3半導体層が格子歪みを内包している」ことが条件となる。この条件のためには、第3半導体層も上述同様に、臨界膜厚以下に形成すればよいことになる。しかしながら、実用性を考慮した場合、たとえば、太陽電池に適用する場合、第3半導体層は、太陽電池セルを構成する一部となり、より厚い膜厚で形成することが要求される。この要求に対し、第1半導体層と第3半導体層との格子不整合度を0.1%以下とすれば、たとえば、第3半導体層の厚さを200nm程度としても、「歪みを内包している」という上述した第2の条件が満たされるようになる。また、第3半導体層の厚さが200nm程度であれば、作製の容易性を含め、太陽電池セルとしての実用性を確保することができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、n型のシリコン層701,p型のシリコン層702,アンドープAlNからなるバッファ層703,n型のIn0.6Ga0.4Nからなる第1n型層704,p型のIn0.6Ga0.4Nからなる第1p型層(第1半導体層)705,アンドープIn0.8Al0.2Nからなる挿入層(第2半導体層)706,n型のIn0.4Al0.6Nからなる第2n型層(第3半導体層)708,およびp型のIn0.4Ga0.6Nからなる第2p型層709を、これらの順に積層して備えている。
また、本実施の形態では、格子不整合を緩和するために、挿入層706と第2n型層708との間に、挿入層706から第2n型層708にかけてInの組成比が0.6から0.4まで変化する、n型のInGaNからなる組成遷移層707を備えている。
この半導体装置は、n型のシリコン層701およびp型のシリコン層702からなるSi太陽電池の上に、第1n型層704および第1p型層705からなる第1太陽電池セル、第2p型層709および第2p型層709からなる第2太陽電池セルを積層した、タンデム型太陽電池である(非特許文献1参照)。この実施の形態における半導体装置では、上述した第1太陽電池セルと第2太陽電池セルとの接合を、挿入層706を用いてトンネル接合としている。
本実施の形態において、第1太陽電池セルでは、バンドギャップエネルギーが1.5eV程度のIn0.6Ga0.4Nを用い、第2太陽電池セルでは、バンドギャップエネルギーが1.95eV程度のIn0.4Al0.6Nを用いている。このように構成することで、発電効率35%が見込めるものとされている。
また、In0.6Ga0.4Nの格子定数は0.340nmであり、In0.4Ga0.6Nの格子定数は0.333nmであり、これらの間の格子不整合度は2%程度ある。これに対し、挿入層706を構成しているIn0.8Al0.2Nは、In0.6Ga0.4NおよびIn0.4Ga0.6Nのいずれに対しても格子定数が大きく、かつ、バンドギャップエネルギーが小さい。本実施の形態では、このIn0.8Al0.2Nからなる挿入層706を、臨界膜厚以下として用いている。また、上述したIn0.6Ga0.4NとIn0.4Ga0.6Nとの格子不整合が、挿入層706によるトンネル接合部の形成の阻害とならないように、第2n型層708にかけてIn組成が徐々に低減する組成遷移層707を用いている。
本実施の形態における半導体装置は、例えば、シリコン基板に、よく知られた不純物導入技術によりn型のシリコン層701およびp型のシリコン層702を形成し、このシリコン基板の上に、バッファ層703を介し、第1n型層704,第1p型層705,挿入層706,組成遷移層707,第2n型層708,および第2p型層709を順次にエピタキシャル成長することで形成できる。これらのIII−V族窒化物半導体による各層は、例えば、有機金属気相成長法および分子線エピタキシー法などの、半導体の結晶成長技術により形成することができる。
ここで、本実施の形態では、各結晶層の成長面をC面とし、挿入層706を中心としたトンネル接合部では、p型の第1p型層705の上に挿入層706を形成し、挿入層706の上にn型の第2n型層708(組成遷移層707)を形成している。従って、第1p型層705に対して挿入層706の方が格子定数が大きい条件(第1条件)、第1p型層705に対して挿入層706の方がバンドギャップエネルギーが小さい条件(第2条件),第2n型層708に対して挿入層706の方が格子定数が大きい条件(第3条件),および第2n型層708に対して挿入層706の方がバンドギャップエネルギーが小さい条件(第4条件)の少なくとも1つの条件とすることが重要となる。この実施の形態では、これら4つの条件を全て満たしている。
図8は、本実施の形態の半導体装置における第1太陽電池セルおよび第2太陽電池セルの部分のバンド構造を示すバンド図である。挿入層706は、第1p型層705および第2n型層708に対し、格子定数が大きくバンドギャップエネルギーが小さい。このため、本実施の形態では、第1p型層705と挿入層706との界面には、2次元正孔ガスが形成され、挿入層706と組成遷移層707(第2n型層708)との界面には、2次元電子ガスが形成され、第1p型層705の価電子帯と組成遷移層707(第2n型層708)の伝導帯との間でトンネル電流が流れるトンネル接合が形成されるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの組み合わせおよび変形が実施可能であることは明白である。たとえば、上述した実施の形態では、本発明の半導体装置を、太陽電池に適用した場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、本発明の半導体装置は、たとえば、トンネル接合ダイオードにも適用可能であることはいうまでもない。
また、第1半導体層および第3半導体層を、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成し、第2半導体層を、InyAl1-yN(0≦y<1)から構成すれば、第2半導体層を、第1半導体層および第3半導体層に対して、格子定数が大きく、バンドギャップエネルギーが小さいものとすることができる。
また、第1半導体層を、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成し、第2半導体層を、InyAlzGa1-y-zN(0≦y≦1、0<z≦1、0<y+z≦1)から構成し、第3半導体層は、InyAl1-yN(0<y≦1)から構成すれば、第2半導体層を、第1半導体層および第3半導体層に対して、格子定数が小さく、バンドギャップエネルギーが大きいものとすることができる。
また、第1半導体層,第2半導体層,および第3半導体層を、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成し、各層におけるInの組成比を適宜に設定することで、上述した第1〜第4の条件に適合させることができる。
101…第1半導体層、102…第2半導体層、103…第3半導体層。

Claims (6)

  1. III−V族窒化物半導体からなる第1導電型の第1半導体層と、
    この第1半導体層の上に形成されたアンドープのIII−V族窒化物半導体からなる第2半導体層と、
    この第2半導体層の上に形成されたIII−V族窒化物半導体からなる第2導電型の第3半導体層と
    を少なくとも備え、
    前記第2半導体層は、前記第1半導体層と格子定数が異なる第1条件、
    前記第2半導体層は、前記第1半導体層とバンドギャップエネルギーが異なる第2条件、
    前記第2半導体層は、前記第3半導体層と格子定数が異なる第3条件、
    および
    前記第2半導体層は、前記第3半導体層とバンドギャップエネルギーが異なる第4条件、
    の少なくとも1つの条件が成立していることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1半導体層と前記第3半導体層とは、格子不整合度が0.1%以下とされ、
    前記第2半導体層の層厚は、臨界膜厚以下とされている
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2記載の半導体装置において、
    前記第1半導体層および前記第3半導体層は、Inを含み、
    前記第2半導体層は、Alを含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1半導体層および前記第3半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成され、
    前記第2半導体層は、InyAl1-yN(0≦y<1)から構成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成され、
    前記第2半導体層は、InyAlzGa1-y-zN(0≦y≦1、0<z≦1、0<y+z≦1)から構成され、
    前記第3半導体層は、InyAl1-yN(0<y≦1)から構成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1半導体層,前記第2半導体層,および前記第3半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)から構成されていることを特徴とする半導体装置。
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