JP5668480B2 - 感熱記録材料及び画像記録方法 - Google Patents
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Description
例えば、保護層中に蛍光増白剤を0.1質量部〜10質量部含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献1参照)。また、保護層にナフタルイミド系カチオン性蛍光染料を含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの提案においては、保護層中の蛍光増白剤の含有量が少ないため、外観の白さの改善に効果が認められるものの、耐光性が充分でないという問題がある。
蛍光増白剤を含有させると耐光性が向上することは知られており、例えば、感熱発色層上に配される保護層中に、スチルベン系蛍光染料を乾燥重量が0.1〜0.5g/m2となるように含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献3参照)。
この提案によれば、耐光性が一定程度向上することが認められるものの、十分な耐光性を得られるには至ってはいない。即ち、耐光性を得るために、蛍光増白剤(蛍光染料)の付着量を増やすと、地肌が黄色化する問題が指摘されており、この提案の構成においては、蛍光増白剤の付着量をこれ以上増やすことが困難であるという問題がある。
また、この提案と同様に、耐光性を改良する目的で、保護層に蛍光増白剤を含有させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この提案では、同じく充分な耐光性が得られないという問題がある。
しかしながら、この実施例の蛍光増白剤の付着量では、画像部の耐光性が向上するものの、前記特許文献3に記載されるように、地肌が黄色化してしまい、満足できる地肌白色度が得られないという問題がある。
また、近赤外吸収材料を発色材として用いる感熱記録材料において、保護層に蛍光増白剤を含有させる他の方法(特許文献6参照)も提案されているが、外観の白さの向上が主な効果であり、耐光性の改良にまでは至っていないという問題がある。
したがって、これらの提案においては、耐光性の向上と地肌白色度の両立が困難であるという問題がある。
また、蛍光増白剤の含有量を増やすと、前記黄色化の問題に加え、蛍光増白剤が水溶性であるため、感熱記録材料としての耐水化が悪くなり、食品ラベル、チケットなど、水に濡れる可能性のある用途では、使える品質では無くなるという問題がある。
更に、蛍光増白剤の含有量を抑え、保護層の付着量を増やすことで、所定の蛍光増白剤の付着量を得ようとした場合、保護層の付着量を大幅に増やす必要があり、感熱発色層における発色性の低下を招くという問題がある。
しかしながら、紫外線吸収剤は、感熱発色層に入れると耐熱性等の保存性低下や発色性の低下を招き、また、保護層にいれるとスティッキングやヘッドカス付着などのヘッドマッチング性の悪化を招く問題がある。
したがって、耐光性、耐水性に優れ、かつ、白色度が高い感熱記録材料としては、充分なものが存在しないというのが現状である。
<1> 感熱発色層上に、蛍光増白剤及び水溶性樹脂を含む第1の保護層と、前記水溶性樹脂を含み前記蛍光増白剤を含まない第2の保護層と、をこの順で有し、前記蛍光増白剤の前記第1の保護層における、含有量が0.5g/m2〜1.5g/m2であり、かつ、含有率が20質量%以上であり、前記第1の保護層における前記蛍光増白剤の含有量と、前記第1の保護層及び前記第2の保護層における前記水溶性樹脂の含有量との総量に対する前記蛍光増白剤の含有率が55質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 蛍光増白剤が、スチルベン化合物である前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> 第1の保護層が、更に架橋剤を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<4> 第2の保護層が、更に架橋剤、無機フィラー、及び滑剤を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録材料に対して、サーマルヘッド及びレーザーのいずれかの画像記録手段により、画像を記録することを特徴とする画像記録方法である。
<6> レーザーが、9.3μm〜10.6μmの波長を有するCO2レーザーである前記<5>に記載の画像記録方法である。
本発明の感熱記録材料は、感熱発色層上に、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順で有し、必要に応じて、その他の層を有してなる。
前記第1の保護層は、蛍光増白剤及び水溶性樹脂を含み、必要に応じて、架橋剤を含んでなる。
前記蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた耐光性を有する観点から、スチルベン化合物が好ましい。
アミノ)−4’−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス〔6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチルアミノ)−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4−(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−4’−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4−(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−4’−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸二カリウム、4−(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−4’−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素カリウム、4−(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−4’−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素ナトリウム、4−(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−4’−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素二ナトリウム、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルホフェニルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルホフェノキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム塩、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルホフェノキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−フェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩又は二塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸二カリウム、4,4’−ビス(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素カリウム、4,4’−ビス(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩又は二塩、4,4’−ビス〔4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−フェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸二カリウム、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素カリウム、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素ナトリウム、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素二トリウム、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸カリウムナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−クロロアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−クロロアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−クロロアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素二トリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、四塩、五塩又は六塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルファモイルアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(m−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(m−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸カリウム塩(一塩、二塩、三塩、又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸カリウム塩(一塩、二塩、三塩、又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸六カリウム塩、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(p−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(m−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸カリウム塩(一塩、二塩、三塩又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトウム塩(一塩、二塩、三塩又は四塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸二カリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素カリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素二ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(7−フェニルアゾ−8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、四塩、五塩、又は六塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(7−フェニルアゾ−8−ヒドロキシ−2,5−ジスルホ−1−ナフチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、四塩、五塩、又は六塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(o−メチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸カルシウム、4,4’−ビス(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸水素ナトリウム、4,4’−ビス〔4−モルホリノ−6−(p−スルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−モルホリノ−6−(2−スルホエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸カウリム塩(一塩、二塩、三塩、又は四塩)、4,4’−ビス〔4−モルホリノ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−モルホリノ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸二カリウム、4,4’−ビス〔4−モルホリノ−6−(o−トルイジノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素カリウム、4−(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−4’−(4−メトキシ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸水素ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス(4,6−ジモルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸、4,4’−ビス〔4,6−ジモルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記含有量が、0.5g/m2未満であると、充分な耐光性が得られず、1.5g/m2を超えても、耐光性の程度は変わらず、逆に地肌の黄色化を防ぐために、保護層全体の付着量を増やす必要が生じ、また、発色性の低下を招くこととなる。
同時に、前記含有率が20質量%未満であると、所定の蛍光増白剤を得るために、第1の保護層の付着量を増やさなければならなくなり、感熱記録材料としての発色性の低下を招いてしまう。このような観点から、前記含有率としては、更に、30質量%以上が好ましい。
なお、前記含有率の上限としては、感熱記録材料の耐水化の点から、80質量%以下が好ましい。
また、前記第1の保護層における前記蛍光増白剤の含有量及び含有率は、前記感熱記録材料から前記第1の保護層を剥離し、該第1の保護層を溶媒に溶かした後、HPLC分析法、IR分析法、質量分析法等により、成分分析を行うことにより測定することができる。
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール又はその変性物、デンプン又はその誘導体、セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸、又はそれらのアルカリ塩、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそのアルカリ塩、(メタ)アクリルアミド系共重合体又はそのアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。
前記水溶性樹脂としては、水性エマルジョン樹脂を用いてもよい。該水性エマルジョン樹脂としては、例えばアクリル系共重合体、アクリル酸系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル(共)重合体、塩化ビニリデン(共)重合体、塩化ビニル(共)重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル共重合体等のラテックスなどが挙げられる。
これらの中でも、バリア性、ヘッドマッチング性、及び機械的強度の点から、ポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン等の多価アミン化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒド等の多価アルデヒド化合物、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン化合物、水溶性メチロール化合物(尿素、メラミン、フェノール)、多官能エポキシ化合物、多価金属塩(Al、Ti、Zr、Mg等)、乳酸チタン、ホウ酸などが挙げられる。
前記第2の保護層は、前記水溶性樹脂を含み、前記蛍光増白剤を含まず、必要に応じて、架橋剤、無機フィラー、及び滑剤等を含んでなる。
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の保護層に用いられる前記水溶性樹脂が挙げられる。ただし、前記第2の保護層の前記水溶性樹脂としては、前記第1の保護層に用いられる前記水溶性樹脂と、同じか又は異なるものを用いてもよい。
前記第2の保護層に用いられる前記水溶性樹脂としては、第1の保護層と同様、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の保護層に用いられる前記架橋剤が挙げられる。ただし、前記第2の保護層の前記架橋剤としては、前記第1の保護層に用いられる前記架橋剤と、同じか又は異なるものを用いてもよい。
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、アルミナ、クレーなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムが、長期にわたって印字を行った際のサーマルヘッドに対する耐磨耗性の点から特に好ましい。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸エステルワックス、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス等の各種ワックスが挙げられる。
前記含有量が、55質量%を超えると、感熱記録材料の耐水性が悪くなり、ハガレが生じることがある。
なお、前記含有量の下限としては、前記各保護層の総付着量の増加による発色性の低下の点から、20質量%以上が好ましい。
また、前記第1の保護層に含まれる前記蛍光増白剤と、前記第1の保護層及び前記第2の保護層に含まれる水溶性樹脂との総量における、前記蛍光増白剤の含有量は、前記感熱記録材料から前記第1の保護層及び第2の保護層を剥離し、各保護層を溶媒に溶かした後、HPLC分析法、IR分析法、質量分析法等により、成分分析を行うことで測定することができる。
前記感熱発色層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ロイコ染料及び顕色剤を含有することが好ましい。前記ロイコ染料は、電子供与性を示す化合物であり、単独で又は2種以上混合して適用されるが、それ自体無色或いは淡色の染料前駆体であり、従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物を用いることができる。
発色特性、耐湿熱光による画像部の褪色及び地肌部の地肌かぶりの品質を考慮すると、このような化合物の具体例としては、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ペンチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−ブロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピランなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記感熱発色層におけるロイコ染料の含有量は、5質量%〜20質量%が好ましく、10質量%〜15質量%がより好ましい。
前記顕色剤としては、例えば、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソプロピリンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドエロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2’−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサペンタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(o−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記結着剤としては、層の塗工性、結着性の向上のため必要に応じて用いられる。その具体例としては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビヤゴム、ポリビニルアルコール、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、エチレン/アクリル酸共重合体塩、スチレン/アクリル共重合体塩、スチレン/ブタジエン共重合体塩エマルジョンなどが挙げられる。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、アルミナ、クレー等の無機顔料、又は公知の有機顔料などが挙げられる。また、耐水性(耐水剥がれ性)を考慮すると酸性顔料(水溶液中で酸性を示すもの)であるシリカ、アルミナ、カオリンが好ましく、発色濃度の観点からシリカがより好ましい。
前記感熱発色層は、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、ロイコ染料や顕色剤を、それぞれ結着剤やその他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が1μm〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱発色層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって形成することができる。
前記感熱発色層の厚みは、感熱発色層の組成や感熱記録材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜20μmがより好ましい。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、アンダー層、バック層等が挙げられる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上質紙、古紙パルプからなる支持体(古紙パルプを50%以上使用)、合成紙、ポリエチレンフィルム、ラミネート紙等の何れも用いることができる。
前記感熱記録材料において、前記支持体と前記感熱発色層との間に中空粒子を含むアンダー層を設けることができる。これにより、高い断熱性及びヘッドとの密着性を向上させ発色感度が向上する。
前記アンダー層は、中空率80%以上の中空粒子と、バインダーとを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記数式で表されるものである。
前記体積平均粒子径(粒子外径)が2μmより小さいものは、任意の中空率にすることが難しいなどの生産上の問題があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。したがって、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが好ましい。
前記水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水性ポリマーエマルジョンとしては、例えばスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス;酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録材料は、前記支持体の感熱発色層を設ける側の面と反対側の面(裏面)に顔料、水溶性樹脂(結着樹脂)、架橋剤を含有するバック層を有することが好ましい。
前記バック層には、更に必要に応じて、フィラー、滑剤等の他の成分を含有させてもよい。
前記水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記架橋剤としては、前述した第2の保護層の場合と同様のものを用いることができる。
前記フィラーとしては、例えば無機フィラー又は有機フィラーを用いることができる。
前記無機フィラーとしては、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物などが挙げられる。前記有機フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード塗布法、ロール塗布法、ワイヤーバー塗布法、ダイ塗布法、カーテン塗工法などが挙げられる。
前記バック層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜5μmがより好ましい。
この感熱記録材料1においては、支持体2上に、感熱発色層3と、第1の保護層4と、第2の保護層5とがこの順に配されてなる。
ただし、この感熱記録材料1の層構成は、一例であり、支持体2と感熱発色層3との間にアンダー層を設けてもよく、また、支持体1の感熱発色層3を設ける側の面と反対側の面(裏面)にバック層を設けてもよい。
本発明の画像記録方法は、本発明の前記感熱記録材料に対して、サーマルヘッド及びレーザーのいずれかの画像記録手段により、画像を記録することとしてなる。
前記9.3μm〜10.6μmの波長を有するCO2レーザーを用いると、フタロシアニン系色素などの光熱変換剤を用いなくても十分なレーザー印字画像が得られる。
(1)感熱発色層塗布液の調製
[A液]
・2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン・・・20部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
[B液]
・4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン・・・20部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液・・・20部
・シリカ(水澤化学工業社製、ミズカシルP−527)・・・10部
・水・・・50部
上記組成からなる[A液]、[B液]のそれぞれを、含まれる粒子の平均粒径が1.0μm以下になるようにサンドミルを用いて分散し、染料分散液[A液]、顕色剤分散液[B液]を調製した。
続いて、[A液]と[B液]を1:3の割合で混合し、固形分を25%に調整し、攪拌して、感熱発色層塗布液[C液]を調製した。
[D液]
・ジアセトン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液・・・100部
・アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液・・・20部
・蛍光増白剤(スチルベン化合物、Tinopal UP(固形分45%)、CIBA社製)・・・13.3部(固形分6.0部)
・水・・・100部
上記組成の材料を混合し攪拌して第1の保護層形成用塗布液[D液]を調製した。
[E液]
・ジアセトン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液・・・100部
・アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液・・・20部
・水酸化アルミニウム分散液(固形分30%)・・・50部
・モンタン酸エステルワックス(固形分30%)・・・3.3部
・水・・・90部
上記組成の材料を混合し攪拌して第2の保護層形成用塗布液[E液]を調製した。
その上に、第1の保護層形成用塗布液[D液]、第2の保護層形成用塗布液[E液]を、乾燥後の付着量がそれぞれ1.5g/m2、2.0g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、感熱発色層上に、第1の保護層と第2の保護層をこの順で形成した後、スーパーキャレンダーにて表面処理を行い、実施例1の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の第1の保護層形成用塗布液[D液]の調製において、蛍光増白剤の添加量を固形分6.0部から9.5部に変更し、この第1の保護層形成用塗布液[D液]を、乾燥後の付着量が1.7g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第1の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の第1の保護層形成用塗布液[D液]の調製において、蛍光増白剤の添加量を固形分6.0部から18.0部に変更し、この第1の保護層形成用塗布液[D液]を、乾燥後の付着量が1.7g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第1の保護層を形成し、第1の保護層上に第2の保護層形成用塗布液[E液]を、乾燥後の付着量が1.0g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第2の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の第1の保護層形成用塗布液[D液]の調製において、蛍光増白剤の添加量を固形分6.0部から20.0部に変更し、この第1の保護層形成用塗布液[D液]を、乾燥後の付着量が2.4g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第1の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の第1の保護層形成用塗布液[D液]の調製において、蛍光増白剤を添加せず、この第1の保護層形成用塗布液[D液]を、乾燥後の付着量が2.0g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第1の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の第1の保護層形成用塗布液[D液]の調製において、蛍光増白剤の添加量を固形分6.0部から2.5部に変更し、この第1の保護層形成用塗布液[D液]を、乾燥後の付着量が1.2g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第1の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の第1の保護層形成用塗布液[D液]の調製において、蛍光増白剤の添加量を固形分6.0部から30.0部に変更し、この第1の保護層形成用塗布液[D液]を、乾燥後の付着量が2.4g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第1の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例3において、第1の保護層上に第2の保護層形成用塗布液[E液]を、乾燥後の付着量が0.5g/m2となるように一様に塗布して乾燥し、第2の保護層を形成した以外は、実施例3と同様にして、比較例4の感熱記録材料を作製した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の感熱記録材料に対して、松下電器部品社製の薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置により、ヘッド電力0.45W/ドット、1ライン記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mmの条件下で、1msec毎にパルス巾1.2msecにて、画像を印字記録した。
また、実施例2の感熱記録材料に対して、CO2レーザーマーカー装置(SUNX社製、LP−400 40W機)を用い、走査速度1,500mm/s、設定パワー11.5%の条件にて、画像を印字記録した。
耐光性試験装置(ATLAS社製、SUNTEST CPS+)を用いて、Xe光を15時間照射する前と後とにおける、画像記録部の画像濃度と、画像が記録されていない地肌部の画像の濃度とを、マクベス濃度計(GRETAG MACBETH社製、DensiEye700)で測定した。マクベス濃度計による測定の際、黒色測定用のフィルターにより、画像記録部の画像濃度を測定するとともに、黄色測定用のフィルターにより、地肌部の画像濃度を測定した。結果を表2に示す。
地肌白色度をISO2470に準じて、Datacolor社製 Elrepho3000にて測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の感熱記録材料を、水に30分間浸漬後、指で表面を10往復擦り、ハガレの有無を観察し、耐水性の測定及び評価を行った。結果を下記表2に示す。
また、比較例1及び2の感熱記録材料は、Xe光を15時間照射した後の地肌の画像濃度が、該光を照射する前の初期状態と比べて濃くなっているのに対し、実施例1〜4の感熱記録材料は、前記光の照射前後において地肌部の画像濃度の変化を低く抑えることができており、白色性を維持することができている。
また、比較例3及び4の感熱記録材料は、耐水性の測定において、表面部分にハガレがあり、ハガレのない実施例1〜4の感熱記録材料と比べて、耐水性に劣るものであった。
実施例1〜4の感熱記録材料は、白色性、耐光性、耐水性のいずれにおいても、優れた結果が得られており、白色性、耐光性、耐水性のそれぞれを両立させることができている。
また、実施例2の感熱記録材料に対し、サーマルヘッドとCO2レーザーとにより画像を印字記録した結果として、どちらの場合も、優れた白色性、耐光性、及び耐水性を得ることができている。
2 支持体
3 感熱発色層
4 第1の保護層
5 第2の保護層
Claims (6)
- 感熱発色層上に、蛍光増白剤及び水溶性樹脂を含む第1の保護層と、前記水溶性樹脂を含み前記蛍光増白剤を含まない第2の保護層と、をこの順で有し、
前記蛍光増白剤の前記第1の保護層における、含有量が0.5g/m2〜1.5g/m2であり、かつ、含有率が20質量%以上であり、
前記第1の保護層における前記蛍光増白剤の含有量と、前記第1の保護層及び前記第2の保護層における前記水溶性樹脂の含有量との総量に対する前記蛍光増白剤の含有率が55質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料。 - 蛍光増白剤が、スチルベン化合物である請求項1に記載の感熱記録材料。
- 第1の保護層が、更に架橋剤を含む請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 第2の保護層が、更に架橋剤、無機フィラー、及び滑剤を含む請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材料に対して、サーマルヘッド及びレーザーのいずれかの画像記録手段により、画像を記録することを特徴とする画像記録方法。
- レーザーが、9.3μm〜10.6μmの波長を有するCO2レーザーである請求項5に記載の画像記録方法。
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