(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、外枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。中枠3はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。なお、遊技盤20は枠体部(中枠3)に対して着脱自在に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。尚、このランプ類は本発明の電飾部材に相当する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5d(操作手段)や球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、始動口28、大入賞装置(特別電動役物)33、左入賞口34、35、右入賞口36、37、第1装飾装置50、第2装飾装置60等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。また、第1装飾装置50及び第2装飾装置60の裏面には、多数のLEDが配置されており、当該LEDが所定の態様で点灯制御されることで、第1装飾装置50及び第2装飾装置60が点灯制御されることとなる。尚、この第1装飾装置50及び第2装飾装置60は、本発明の電飾部材に相当する。
中央装置24は遊技領域21の略中央部に配置され、図柄表示装置25が設けられている。本実施例では、図柄表示装置25として液晶表示装置を用いており、図柄表示装置25の表示領域では、普通図柄と特別図柄(「図柄」又は「装飾図柄」ともいう)の表示(変動表示、停止表示)やその他の演出表示が行われる。また、図柄表示装置25の周囲には、中央装飾部材201(センター役物)が配置されており、当該中央装置部材201の内部には多数のLEDが配置されており、遊技状態や図柄表示装置25で実行される演出態様に合わせて、点灯制御される。また図柄表示装置25の上部には、上下動可能な可動部材202が配置されており、遊技状態や図柄表示装置25で実行される演出態様に合わせて駆動制御される。可動部材202は、通常の状態においては、液晶表示装置25の上部であって、中央装置部材201の内部に被覆された状態で固定されている。そして、当りの可能性の高い予告やリーチ演出が実行される場合に、被覆状態にある可動部材202が落下して、被覆状態から視認状態に変化する(図2に示す状態)。視認状態となった後は、変動表示を終了する前に、元の位置(被覆状態)に復帰する駆動制御がなされる。また、図柄表示装置25の表示領域上に表示される図柄(装飾図柄)の他に、例えば、第2装飾装置60のLEDを利用して当該図柄(装飾図柄)と変動表示の開始及び終了を同期して行う図柄(本図柄)を設けてもよい。この場合には、図柄の仮停止や再変動等の変動演出等(特にリーチ演出)は、装飾図柄で実行し、その間本図柄は、変動表示を継続した状態となっている。また、装飾図柄は、キャラクタや数字(アラビア数字、ローマ数字、漢数字)等を単独で又は組み合わせて構成されるが、本図柄は、LEDの点灯・点滅・消灯により(複数のLEDのうち確定点灯表示しているLEDにより)図柄を構成している。
尚、中央装置部材201は、本発明の電飾部材に相当する。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50、60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34、35がユニット化されており、第2装飾装置60には右入賞口36、37がユニット化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動表示を開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、2つの入球口28a、28bが上下方向に並んで配置されている。上側始動口28aは常時開口しており、下側始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部28cが開閉するように形成されている。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、翼片部28cが開いて下側始動口28bが開放される。つまり、下側始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の一対の翼片部28cが左右に開いた場合には、下段側入球口28cは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部28cが立設された場合には、下段側入球口28cは遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。遊技球が始動口28に入球することで、特別図柄が変動表示を開始する図柄変動遊技が行われる。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bとから主に構成されている。大入賞装置33の左斜め上方には、左入賞口34、35が設けられ、大入賞装置33の右斜め上方には、右入賞口36、37が設けられている。
図柄変動遊技の結果として、特別図柄が大当り図柄で停止表示されることで、大入賞装置33が作動する大当り遊技が開始される。大当り遊技では、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。そして、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。大入賞装置33の遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から開放終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の継続ラウンド数(例えば15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM、内蔵ROM等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。また、発射制御部250には、遊技者が発射ハンドルに接触していることを検知するタッチスイッチ8a、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ8b、発射ハンドルの操作量を検知する発射ボリュームスイッチ8c、遊技球を発射する発射装置250bが接続されている。そして、発射制御部250は、タッチスイッチ250bからの信号がオン(遊技者が接触していることを検知している状態)となっている状態で、且つ発射停止スイッチからの信号がオフ(発射停止スイッチが操作されていない)となっている状態で、発射ボリュームスイッチ250cによって、発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合には、その操作量に応じた強度で遊技球を遊技盤面に向けて発射する。
尚、このタッチスイッチ250bの操作状態(オンかオフか)は、発射制御部250、払出制御部230、を介して主制御部200に入力されている。このタッチスイッチ250bからの信号(操作状態)は、主制御部200からサブ制御部260に送信され、デモンストレーション画像の表示制御に用いられている。
主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aには内蔵ROMや内蔵RAMを備えるCPU260bが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示制御、スピーカ10a〜10dからの音声出力制御、図柄表示装置25による図柄表示等を用いた図柄表示制御を司るように構成されている。なお、スピーカ10a〜10dを「音声出力手段」ともいい、サブ制御部260を「音声出力制御手段」ともいう。
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、内蔵ROMや内蔵RAMを備えるCPU280b、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には図柄表示装置25が接続されている。
また、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されており、装飾駆動基板261によって各種LED・ランプ262が駆動される。サブ制御部260には、アンプ基板263を介してスピーカ10a〜10dが接続されており、アンプ基板263で増幅された音声がスピーカ10a〜10dから出力される。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に伴って、遊技興趣を向上させるための演出上の効果音が出力される。このような効果音は、例えば始動口28への遊技球入球(始動口入賞)に伴う特別図柄の変動表示中あるいは大当り遊技中等に出力される。尚、この各種LED・ランプ262は本発明の電飾部材に相当する。
また、サブ制御部260には、スピーカ10a〜10dからの出力音量(以下、「スピーカ音量」ともいう)を調整する音量調整スイッチ264と、現在の出力音量の表示を行う音量表示装置265とが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理等を行う。
図4は、サブ制御部260とその周辺構成を示すブロック図である。サブ制御部260のCPU260bは、音量調整スイッチ264が出力する音量信号を取得し、この音量信号が示す値に基づいて音量設定値を設定し、これらの値を内蔵RAMに記憶している。音量信号の値は音量調整スイッチ264の操作位置に対応する値であり、音量設定値はスピーカ10a〜10dから音声を出力する際に用いられる値(スピーカ音量)であり、これらは通常一致している。音量表示装置265は、音量設定値の値を表示するように構成されており、例えば7セグメント表示装置を用いることができる。
また、図4に示すように、サブ制御部260には、音源IC260cと音源ROM260dとが設けられている。音源ROM260dには、遊技の進行に伴って出力される効果音の音声データが記憶されている。スピーカ10a〜10dから音声を出力する際には、サブ制御部260のCPU260bから音源IC260cに、スピーカ10a〜10dから出力すべき音声データを指定するための音声指定信号と、その音声データを出力する際の音量設定値を示す音量指定信号が送信される。音源IC260cは、音源ROM260dに記憶されている音声データから音声指定信号で指定された音声データを読み出して再生するように構成されており、音源IC260cにより再生される音声データはスピーカ10a〜10dから出力される。
図5(a)は音量調整スイッチ264の正面図であり、図5(b)は音量調整スイッチ264の斜視図であり、図6は音量調整スイッチ264の操作位置と音量との関係を示す図表である。音量調整スイッチ264は、遊技盤20の裏面に配置されている。図5(a)に示すように、音量調整スイッチ264は、ロータリスイッチとして構成されており、ハウジング264aと操作部264bとを備えている。操作部264dは、ハウジング264aに対して時計回りまたは反時計回りに回転可能となっている。操作部264bを回転操作することで、操作部264bが回転操作された際の停止位置である操作位置に応じて、スピーカ音量を複数段階に調整することができる。また、詳しくは後述するが、この音量調整スイッチ264から出力される音量信号により、スピーカ音量を調整すると共に、遊技モードの設定を実行している。
本実施例の音量調整スイッチ264は、異なるスピーカ音量に対応する16段階の操作位置「0」〜「F」が設定されており、この16段階を、通常出力音量設定領域264cと省力出力音量設定領域264dの2つの出力音量設定領域に区分している。そして、通常出力音量設定領域264cにおいてスピーカ音量を8段階に調整することができるように構成され、省力出力音量設定領域264dにおいてスピーカ音量を8段階に調整することができるように構成されている。ロータリスイッチとして構成された音量調整スイッチ264は、操作部264bの操作位置「0」〜「F」が環状に配置され、これらの操作位置「0」〜「F」は時計回りに「0」、「1」・・・「7」「8」・・・「E」、「F」の順に並んでいる。そして、「0」〜「7」が通常出力音量設定領域264cとされ、「8」〜「F」が省力出力音量設定領域264dとされている。尚、通常出力音量設定領域264cが本発明の第1の出力音量設定領域に相当し、省力出力音量設定領域264dが本発明の第2の出力音量設定領域に相当する。
音量調整スイッチ264からサブ制御部260に、操作位置「0」〜「F」に対応する音量信号「0」〜「F」が出力される。そして、音量信号を受信したサブ制御部260は、音量信号が「0」〜「7」である場合は、遊技モードを通常モードに設定し、音量信号が「8」〜「F」である場合は、遊技モードを省力モードに設定する。本実施例の音量調整スイッチ264は、16段階(8段階+8段階)の音量信号をデジタル信号として出力するように構成されている。尚、音量信号に基づいて遊技モードを設定するサブ制御部260のCPU260bが本発明の「遊技モード設定手段」に相当する。
図6に示すように、本実施例のスピーカ音量は、通常出力音量設定領域264c及び省力出力音量設定領域264dのいずれの領域においても、最小音量「0」〜最大音量「100」の間で8段階に設定可能とされており、最小音量「0」は消音となっている。そして、音量調整スイッチ264の各操作位置「0」〜「7」、「8」〜「F」とスピーカ音量「0」〜「100」は、図6に示す対応関係となっており、音量調整スイッチ264の操作位置「0」及び「F」が最小音量「0」に対応する最小音量位置になっており、音量調整スイッチ264の操作位置「7」及び「8」が最大音量「100」に対応する最大音量位置となっている。すなわち、通常出力音量設定領域264cにおいても、省力出力音量設定領域264dのいずれの領域においても同様に、最小音量(
消音)から最大音量(100)まで任意の出力音量に設定可能とされている。
例えば、遊技機が通常モードの操作位置「5」(音量80)に設定されている場合において、同じ音量設定で遊技機を省力モードに変更したいときは、操作部264bを操作して操作位置を「5」から「B」に変更することとなる。この際、操作位置が「B」に変更された音量信号(操作信号)がサブ制御部260に入力され、サブ制御部260は、省力出力音量設定領域264cで出力音量が設定された(音量調整がされた)と判断し、遊技モードを通常モードから省力モードに切り換える制御を実行する。
サブ制御部260のCPU260bは、音量調整スイッチ264が最小音量位置「0」から時計回りに最大音量位置「7」までの操作範囲(通常出力音量設定領域264c)内で時計回り又は反時計回りに操作された場合には、出力音量を操作位置に対応する出力音量に設定すると共に、遊技モードを通常モードに設定する(遊技モードフラグはオフ)。そして、音量調整スイッチ264が最大音量位置「8」から時計回りに最小音量位置「F」までの操作範囲(通常出力音量設定領域264c)内で時計回り又は反時計回りに操作された場合には、出力音量を操作位置に対応する出力音量に設定すると共に、遊技モードを省力モードに設定する(遊技モードフラグはオン)。
例えば、音量設定値が「0」の状態で操作部264bが操作位置「1」に操作され、音量調整スイッチ264から音量信号「1」が出力された場合には、音量設定値を「0」から音量信号の値である「1」に変更する。このように、音量設定値が変更された結果、スピーカ音量が変化する。本実施例では、音量調整スイッチ264の操作部264bを、通常出力音量設定領域264cにおける最小音量位置「0」から最大音量位置「7」に向かう時計回りに回転操作することで、スピーカ音量が増大する。そして、更に時計回りに操作部264bを操作することで、省力出力音量設定領域264dにおける最大音量位置「8」をピークとして最小音量位置「F」に向けて、スピーカ音量が低下する。
図5(a)に示す通り、通常出力音量設定領域264cにおける最大音量位置「7」と省力出力音量設定領域264dにおける最大音量位置「8」とを隣接し、通常出力音量設定領域264cにおける最小音量位置「0」と省力出力音量設定領域264dにおける最小音量位置「F」とを隣接する配置とすることで、遊技モードの変更を効率よく実行することができる。通常、遊技モードを変更したい場合には、音量は維持しつつ遊技モードのみを変更する場合が多いと考えられる。従って、例えば、通常モードの最大音量位置「7」に設定されている状態から、音量は同じくして遊技モードを省力モードに変更したいと場合には、操作部264bを時計回りに一段階だけ移動させるだけで、所望の設定にすることができる。また通常モードにおける音量20(操作位置「2」)から遊技モードのみを変更したい場合には、操作部264bを反時計回りに5段階だけ移動させるだけで、所望の設定にすることができる。
また、通常出力音量設定領域264cの操作位置「0」を最小音量位置、操作位置「7」を最大音量位置とし、省力出力音量設定領域264dの操作位置「8」を最小音量位置、操作位置「F」を最大音量位置とした場合には、通常出力音量設定領域264cの最小音量位置と省力出力音量設定領域264dの最大音量位置とが隣接し、通常出力音量設定領域264cの最大音量位置と省力出力音量設定領域264dの最小音量位置とが隣接する構成となるので、例えば、通常モードにおける音量10(操作位置「1」)から遊技モードのみを変更したい場合には、操作部264bを180°回転させる必要がある点で非効率である。また、反時計回り又は時計回りのいずれの方向から省力モードにおける音量10(操作位置「E」)に設定しようとしても必ず最大音量位置を通過する必要があり、音量を大きくできない(大きくしたくない)事情があることから音量10(比較的低音量)に設定しているにもかかわらず、一時的に最大音量が出力される可能性があるため、望ましくない。これらを本実施例の構成により解決することができる。
尚、本実施例の音量調整スイッチ264は、操作位置「0」と「F」の間、「7」と「8」の間にはストッパ等はなく、操作位置「0」及び「7」のいずれの位置からも時計回り及び反時計回りに自由に回転操作可能な構造となっている。
ところで、効果音の出力中に音量調整スイッチ264が操作され、音量設定値が変更された場合には、出力中の効果音の音量が変化し、効果音の非出力中に音量調整スイッチ264が操作され、音量設定値が変更された場合には、音量設定値に応じた操作音がスピーカ10a〜10dから出力する。操作音は、音量調整スイッチ264が操作されたこと及び操作後(変更後)の音量がどの程度の音量かを操作者に示すために短時間のみ出力される。本実施例では、操作音として遊技の進行に伴って出力される効果音と同じ音声データ(例えば図柄変動中の音声や大当り遊技中の音声)を用いている。
次に、サブ制御部260が行う遊技モード及び音量設定処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。図7は、サブ制御部260の制御下で行われる音量設定処理を示すフローチャートであり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図7に示す遊技モード及び音量設定処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。
図7に示すように、まず、音量調整スイッチ264が操作されたか否かを判定する(S10)。この結果、音量調整スイッチ264が操作されていないと判定された場合には(S10:NO)、遊技モード及び音量設定処理を終了する。一方、音量調整スイッチ264が操作されたと判定された場合には(S10:YES)、音量調整スイッチ264から出力される音量信号の値(操作位置に応じた信号)を取得する(S11)。
次に、音量設定値(0〜F)を音量信号(0〜F)の値に変更する処理を実行する(S12)。次に、音量設定領域が通常出力音量設定領域264cかどうか、すなわち音量信号の値が操作位置「0」〜「7」に対応する値かどうかを判定する(S13)。この結果、音量設定領域が通常出力音量設定領域264cであると判定された場合には(S13:YES)、遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S14)。ちなみに、遊技モードが通常モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオフ(OFF)にされており、遊技モードが省力モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオン(ON)にされている。
一方、音量設定領域が通常出力音量設定領域264cでないと判定された場合(S13:NO)、すなわち音量設定領域が省力出力音量設定領域264d(操作位置が「8」〜「F」)であると判定された場合には、次に遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S16)。
S14において、遊技モードフラグがオンに設定されていると判定された場合には(S14:YES)、操作者が省力モードの設定から通常モードの設定に切り換えたものとして(音量調整と遊技モード変更とを合わせて、または遊技モード変更を単独で実行したものとして)、遊技モードフラグをオフに設定する処理を実行する(S15)。遊技モードフラグ設定処理を終了した後は遊技モード及び音量設定処理を終了する。一方、遊技モードフラグがオンに設定されていないと判定された場合には(S14:NO)、操作者は遊技モードの切り替えをすることなく、通常モードにおいて音量調整のみを実行したものとして、処理を終了する。
また、S16において、遊技モードフラグがオンに設定されていると判定された場合には(S16:YES)、操作者は遊技モードの切り換えをすることなく、省力モードにおいて音量調整のみを実行したものとして、処理を終了する。一方、遊技モードフラグがオンに設定されていないと判定された場合には(S16:NO)、操作者が通常モードの設定から省力モードの設定に切り換えたものとして(音量調整と遊技モード変更とを合わせて、または遊技モード変更を単独で実行したものとして)、遊技モードフラグをオンに設定する処理を実行する(S17)。遊技モードフラグ設定処理を終了した後は遊技モード及び音量設定処理を終了する。
次に遊技モードフラグによって設定される通常モード(遊技モードフラグOFF)と省力モード(遊技モードフラグON)について説明する。
通常モードと省力モードとでは、遊技機枠や遊技盤面に設けられたLED、液晶表示装置等の電飾部材の消費電力が異なる様に設定されている(省力モードでは通常モードよりも消費電力が低く設定されている)。
本実施例においては、所定の条件が成立した場合に実行されるデモンストレーション(デモ)を複数記憶するデモンストレーション記憶手段を備えており、当該記憶手段には、通常デモンストレーションと省力デモンストレーションとが記憶されている。デモンストレーションとは、遊技待ち(遊技者が遊技を実行していない)の遊技機において、実行されるもので、遊技機枠や遊技盤面に設けられているLED、ランプ、液晶表示装置を様々な態様で点灯制御・表示制御することで、遊技者を引き付けるために行われるものである。
このデモンストレーションを実行することによって、遊技機を装飾し、どの遊技機を遊技するか思案中の遊技者をデモ実行中の遊技機に引き付けることができる。しかしながら、遊技されていない遊技機であるにもかかわらず、LED等を点灯制御して派手な装飾(演出)を実行するため、この間、相当の電力を消費することにもなっている。そこで、本実施例の遊技機では、地域の電力がひっ迫した状態や、遊技店の事情により電力を節約したいと考える場合には、消費電力の少ない省力デモンストレーション(省力デモ)に設定することで遊技機を省電力の態様にすることができるようにしている。
省力モードに設定されている場合、遊技機枠や遊技盤面に設けられているLED、ランプ、液晶表示装置の制御態様が、通常モードと比較して省電力とされている。
具体的に、通常モードでは、サブ制御部260のCPU260aが、後述するデモ実行条件が成立したと判定した場合、デモンストレーションとして通常デモンストレーションが選択される。そして、遊技機枠に設けられたLED(枠ランプ)や遊技盤に設けられたLED(中央装飾部202LED、第1及び第2装飾装置50、60LED等)が、予め定められた態様の点灯制御が繰り返し実行される。例えば、多数のフルカラーLEDを順に又は同時に点灯させて可変表示したり、点滅表示したりする一連の制御が繰り返し実行される。また、液晶表示装置上では、所定の機種情報(キャラクタを表示したり、遊技方法を説明したり、機種のスペックを説明したり等)や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示される。
次に、遊技機が省力モードに設定されている場合において、サブ制御部260のCPU260aが、デモ実行条件が成立したと判定した場合、デモンストレーションとして省力デモンストレーションが選択される。この省力デモンストレーションでは、遊技待ちの遊技機の電力(待機中の電力)を極力省電力とすることを目的としているので、遊技機枠に設けられたLED(枠ランプ)や遊技盤に設けられたLED(中央装飾部202LED、第1及び第2装飾装置50、60LED等)が消灯する設定となっている。また液晶表示装置も消灯する設定となっている。
尚、省力デモンストレーションの他の態様として、省力デモンストレーションが実行されると直ちにLED等(ここでは、LED、ランプ、液晶表示装置等を含む)が消灯するのではなく、所定の態様(一連の点灯態様)を所定回数(1回以上)実行し、当該所定の態様が所定回数実行された場合には、点灯制御を終了し、消灯状態に切り換わることとしてもよい。尚、所定回数を実行する前にデモ終了条件が成立した場合(遊技者が遊技を開始したと判断した場合)には、もちろんその時点で省力デモは終了する。省力デモの終了により遊技が開始されるため、LED等では、当否判定の結果や、選択された演出に応じて所定の点灯態様が実行される。
また、通常モードでは、所定の点灯態様が、デモ終了条件が成立するまで(遊技者が遊技を開始したと判断するまで)繰り返し実行されるため、所定回数で所定の点灯態様を終了して消灯状態となる省力モードとは、消費電力が異なる設定とされている。
また、省力モードにおいても、遊技者が遊技を終了した後の一定期間は、所定のデモンストレーションが実行されるため、一定期間ではあるが遊技機が空台であることを遊技者に報知する(遊技者を引き付ける)ことが可能である。
また、この場合、通常デモで繰り返し実行されるLED等の点灯態様(所定の態様)と、省力デモで一定期間実行されるLEDの点灯態様(所定の態様)とは、同じものであっても異なるものであってもよい。
また他の態様として、省力モードにおいては、全てのLED等を消灯するのではなく、一部のLED等を消灯してもよい。すなわち省力デモンストレーションでは、通常デモンストレーションに比べて、点灯されるLED等の数が少ないものとしてもよい。
また、省力デモンストレーションの更に他の態様としてLEDと液晶表示装置とを備えている場合、LEDの一部又は全部を消灯し、液晶表示装置を点灯する態様としてもよい。この際、液晶表示装置で、省電力モードに設定されている旨を表示(報知)してもよい。例えば、表示画面上に『節電中』の文字を表示することができる。また、遊技者が、LED等が消灯されている遊技機について、「稼働できない遊技機である」と誤認しないように、表示画面上(他の表示装置でもよい)に、省力モードからLEDが点灯制御される通常モードへの復帰方法を表示してもよい。例えば、所定の方法で通常の状態(LEDが点灯した状態)に復帰すること、具体的には「操作ハンドルにタッチすることで通常の状態に復帰できます」等の表示をすることができる。本実施例においても、タッチセンサ8aからの信号が主制御部200に入力され、そしてタッチセンサ8aへの接触があるか否かの情報が、主制御部200からサブ制御部260に送信される。そして、タッチセンサ8aへの接触があった場合には、サブ制御部260のCPU260aは省力デモンストレーションを終了し、LED等の点灯制御を再開する。尚、サブ制御部260のCPU260aは、遊技が実行されているか否かを判断する本発明の「遊技実行判断手段」に相当する。また、タッチセンサ8aからの信号は主制御部200にも入力されているので、主制御部200のCPU200aを「遊技実行判断手段」とすることもできる。
また、省力デモンストレーションの更に他の態様として、デモンストレーションの際に点灯制御されるLED等のディーティ比を、通常デモンストレーション時に比べて低下させることとしてもよい。これにより、省電力とすることができる。
また、省力デモンストレーションの更に他の態様として、通常デモンストレーションにおいては、可動物材202が動作する態様が含まれており、省力デモンストレーションにおいては、可動部材202が動作する態様が含まれない(動作しない態様)とすることもできる。
次に、サブ制御部260が行うデモンストレーション実行処理(デモ実行処理)を図8のフローチャートに基づいて説明する。図8は、サブ制御部260の制御下で行われるデモンストレーションの実行処理を示すフローチャートであり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図8に示すデモンストレーション実行処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。
まず、現在デモンストレーションが実行中か否かを判定する(S20)。この結果、通常デモ又は省力デモの何れかのデモンストレーションを実行中であると判定した場合には(S20:YES)、処理を終了する。一方、何れのデモンストレーションも実行していないと判定した場合には(S20:NO)、予め設定されたデモンストレーション実行条件(デモ実行条件)が成立したか否かを判定する(S21)、この結果、デモンストレーション実行条件が成立していないと判定された場合には(S21:NO)、処理を終了する。一方、デモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合には(S21:YES)、遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S22)。
ここで、本実施例において、デモンストレーション実行条件は、電源投入後又は変動終了後において、特別図柄の変動がない状態で、且つタッチセンサ8aからの信号がない(遊技者の接触が検知されない)状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するものとしている。また、本実施例ではデモ実行条件としてこのような条件を設定したが、その他の例として、特別図柄の変動が終了してから所定時間を経過したとき(大当り遊技中を除く)としてもよいし、遊技盤面に発射される遊技球を検知する発射球検知手段を設け、特別図柄の変動が終了し且つ当該発射球検知手段が遊技球を検知しない状態が所定時間以上継続した場合に条件成立としもよい。
この結果、遊技モードフラグがオンであると判定した場合には(S22:YES)、遊技モードが省力モードに設定されているものとして、省力デモンストレーション(省力デモ)を実行する(S23)。省力デモンストレーションの実行態様は前述したとおりである。そして、省力デモンストレーションは、デモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立するまで継続される。一方、遊技モードフラグがオフであると判定した場合には(S22:NO)、通常デモンストレーション(通常デモ)が実行される(S24)。通常デモンストレーションの実行態様は前述したとおりである。そして、通常デモンストレーションは、デモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立するまで継続される。
次に、サブ制御部260が行うデモンストレーション実行処理(デモ実行処理)を図9のフローチャートに基づいて説明する。図9は、サブ制御部260の制御下で行われるデモンストレーションの終了処理を示すフローチャートであり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図9に示す処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。従って、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bは、デモンストレーションの実行開始及び終了を制御するデモンストレーション実行制御手段に相当する。
まず、現在デモンストレーションが実行中か否かを判定する(S30)。この結果、通常デモ又は省力デモの何れのデモンストレーションも実行していないと判定した場合には(S30:NO)、処理を終了する。一方、何れかのデモンストレーションを実行していると判定した場合には(S30:YES)、予め設定されたデモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立したか否かを判定する(S31)、この結果、デモンストレーション終了条件が成立していないと判定された場合には(S31:NO)、処理を終了する。一方、デモンストレーション終了条件が成立したと判定された場合には(S31:YES)、実行中のデモンストレーション(通常デモ又は省力デモ)を終了する(S32)。
ここで、本実施例における、デモンストレーション終了条件は、タッチセンサ8aからタッチ信号が入力されたこと、すなわち遊技者が発射ハンドル(タッチセンサ8a)に接触したことを条件としている。従って、デモンストレーションを実行中の遊技機において、遊技者がタッチセンサ8aに接触すると、実行中のデモンストレーションを終了し、LED等が所定の態様で点灯制御・表示制御される。
また、デモンストレーション終了条件の他の態様として、始動口28に遊技球が入球すること、すなわち特別図柄が変動表示を開始することをデモンストレーションの終了条件としてもよい。そして、前述したとおり、この遊技機に設定されたデモ終了条件を、省力モードの表示画面上に表示することで、省力デモンストレーションの解除方法を遊技者に報知することができる。
次に、操作者が音量調整スイッチ264を操作して、音量調整を行う際の音量調整用音出力処理について説明する。音量を調整する際(操作部264bを操作する際)には、音量調整用音出力処理が実行される。操作部264bが操作された場合、スピーカ10a〜10dから効果音を出力中であるか否かを判定し、この結果、何らかの効果音(大当り中の音、図柄の変動音等)を出力中であると判定された場合には、音量調整用処理を終了する。この場合は、出力中の効果音の音量が操作部264bの操作により設定変更された音量設定値の値に変更される。一方、効果音を出力中でないと判定された場合には、操作部264bの操作により設定変更された音量設定値に応じた操作音(音量調整用音)をスピーカ10a〜10dから出力する。これにより、操作者は、音が出力されていない状態であっても、音量調整スイッチ264の操作に伴って出力される操作音(音量調整用音)に基づいて、所望の音量に調整することができる。
また、音量信号の値が「0」である(音量調整スイッチ264の操作部264bが操作位置「0」又は「F」に操作された)と判定された場合には、実際には操作音が出力されない。また、音量設定値の値が「7」又は「8」であると判定された場合において、効果音が出力中でない場合には、これに対応する最大音量「100」の操作音がスピーカ10a〜10dから出力される。
以上説明した本実施例によれば、音量調整スイッチ264の操作部264bが、通常出力音量設定領域264cの最小音量位置「0」から最大音量位置「7」に向かう時計回りに操作された場合に、スピーカ音量を増大させるとともに、通常出力音量設定領域264cに隣接して配置された省力出力音量設定領域264dの最大音量位置「8」から最小音量位置「F」に向かう時計回りに操作された場合に、スピーカ音量を低下させる。つまり、本実施例では、ロータリスイッチとして構成された音量調整スイッチ264の操作部264bが「F」から時計回りに「0」に操作されることを構造的に許容しつつ、環状に設定された音量設定領域に、複数(2個)の音量設定領域を設定している。
また、通常出力音量設定領域264cの最大音量と省力出力音量設定領域264dの最大音量とを隣接して(隣り合わせて)配置し、通常出力音量設定領域264cの最小音量と省力出力音量設定領域264dの最小音量とを隣接して(隣り合わせて)配置することで、遊技モードを変更する操作を実行する際に、スピーカ10a〜10dから出力音量が最大音量「100」から最小音量「0」に変化することを防止している。これにより、スピーカ10a〜10dの出力音量が最大音量「100」から最小音量「0」に突然変化するといった不具合、最大音量を出力したくない状況で遊技モードの設定変更によって最大音量が出力してしまうことを避けることができる。
また、本実施例では、効果音の非出力中に音量調整スイッチ264の操作部264bが操作された場合に、操作部264bの操作位置に対応する音量の操作音をスピーカ10a〜10dから出力するように構成されている。これにより、音量の調整具合を見るためだけに、遊技球を発射させて又はガラス扉を開けて手入れにより、始動口28に遊技球を入球させて強制的に図柄変動遊技を開始させる等によって効果音を発生させる必要がなくなる。そして、操作部264bの操作によって変化するスピーカ音量を把握することができる。この結果、音量調整スイッチ264によってスピーカ音量を簡便に調整することが可能となる。
また、本実施例では、音量調整スイッチ264の操作部264bの操作に伴う操作音を遊技の進行に伴って出力される効果音と同一の音声データを用いて出力している。これにより、実際に調整したい効果音の音量が音量調整スイッチ264の操作部264bの操作によってどのように変化するかを確認しながら音量調整することができる。
(第2実施例)
本実施例では、音量調整スイッチ264をロータリー式スイッチとして説明したが、スライド式スイッチとすることもできる。
具体的には、図10に示す通り、第2実施例の音量調整スイッチ2640は、異なるスピーカ音量に対応する8段階の操作位置「0」〜「7」が設定されており、この8段階を、通常出力音量設定領域2640c(4段階)と省力出力音量設定領域2640d(4段階)の2つの出力音量設定領域に区分している。そして、通常出力音量設定領域2640cにおいてスピーカ音量を4段階に調整することができるように構成され、省力出力音量設定領域2640dにおいてスピーカ音量を4段階に調整することができるように構成されている。スライドスイッチとして構成された音量調整スイッチ2640は、操作部2640bの操作位置「0」〜「7」が直線上に配置され、これらの操作位置「0」〜「7」は、一端部から他端部に向けて「0」、「1」・・・「6」「7」の順に並んでいる。そして、「0」〜「3」が通常出力音量設定領域2640cとされ、「4」〜「7」が省力出力音量設定領域2640dとされている。尚、通常出力音量設定領域2640cを「第1の出力音量設定領域」ともいい、省力出力音量設定領域2640dを「第2の出力音量設定領域」ともいう。
音量調整スイッチ2640からサブ制御部260に、操作位置「0」〜「7」に対応する音量信号「0」〜「7」が出力される。そして、音量信号を受信したサブ制御部260は、音量信号が「0」〜「3」である場合は、遊技モードを通常モードに設定し、音量信号が「4」〜「7」である場合は、遊技モードを省力モードに設定する。本第2実施例の音量調整スイッチ2640は、8段階(4段階+4段階)の音量信号をデジタル信号として出力するように構成されている。
本第2実施例のスピーカ音量は、通常出力音量設定領域264c及び省力出力音量設定領域264dのいずれの領域においても、最小音量「0」〜最大音量「100」の間で4段階に設定可能とされており、最小音量「0」は消音となっている。そして、音量調整スイッチ264の操作位置「0」及び「7」が最小音量0(消音)に対応する最小音量位置、操作位置「1」及び「6」が音量30、操作位置「2」及び「5」が音量70、操作位置「3」及び「4」が最大音量100に対応する最大音量位置となっている。すなわち、通常出力音量設定領域2640cにおいても、省力出力音量設定領域2640dのいずれの領域においても同様に、最小音量(消音)から最大音量(100)まで任意の出力音量に設定可能とされている。その他、第1実施例とは音量調整の段階と音量調整スイッチの構造が異なるだけで、音量調整制御及び遊技モード変更制御等に関しては同様である
(第3実施例)
第1実施例では、遊技機が通常モードに設定されているか、又は省力モードに設定されているかで、遊技が実行されていない場合に実行されるデモンストレーションにおいて、異なる消費電力のデモンストレーション(通常デモ、省力デモ)を実行することをあげた。第3実施例では、これとは別に、又はこれに加えて、他の態様を実行することができる。
具体的に、遊技機が省力モードに設定されている場合であって、遊技が実行されている場合に実行される演出の消費電力を通常モードに比べて低くするものである。例えば、遊技モードが通常モードに設定されている場合には、特別図柄変動演出、リーチ演出、又は大当り遊技演出(以下、単に「遊技演出」ともいう)に合わせて、遊技盤面や枠部材に設けられたLED等を通常態様で点灯制御(点灯・点滅等の可変表示)するものとする。
対して遊技モードが省力モードに設定されている場合には、遊技演出に合わせて点灯制御されるLED等が、通常態様よりも省電力の態様(省電力態様)で制御される。例えば、省電力態様では、点灯制御されるLED等の数を通常態様よりも少なくされる。また、点灯制御されるLED等のデューティ比を低くしたり、点灯時間を短くしたりすることもできる。
LED等の点灯パターンは、遊技モード毎に記憶されている。具体的には、サブ制御部260のLED点灯パターン記憶手段に、複数のLED点灯パターンと、通常点灯パターン決定テーブルと、省力点灯パターン決定テーブルとが記憶されており、始動入賞に基づいて決定された遊技演出パターンと、遊技モードによって選択された点灯パターン決定テーブルとにより、LEDの点灯パターンを決定している。
これにより、非遊技中だけでなく、遊技中においても、省電力モードで遊技機を稼働することができる。
(第4実施例)
また通常モードと省力モードの他の態様として、遊技モードが通常モードに設定されている場合には、始動入賞に基づいて、可動部材202が所定の確率で動作することを決定される。対して、遊技モードが省力モードに設定されている場合には、可動部材202が動作する確率を通常モードよりも低い確率とすることもできる。例えば、省力モードにおいては可動部材202が動作しない態様としてもよいし、動作する確率を半分に減少させてもよい。また、通常モードでは、当否判定の結果が当りのとき及び外れのときの両方のときに動作させているところ、省力モードでは、当りのときに限り動作させるものとしてもよい。また、通常モードと省力モードとで、可動部材202の動作態様を変えてもよい。省力モードでは、通常モードよりも可動部材202の動き(移動距離、動作時間)を少なく(又は小さく)することで、消費電力を低くすることができる。また、図柄変動遊技に伴う可動部材202の動作を少なくすると、遊技者の興趣を低下させる可能性があるため、図柄変動遊技以外で実行される動作、例えば大当り遊技中の動作を少なくすることもできる。
(第5実施例)
また、第1〜4実施例では、音量調整スイッチの出力音量設定領域に、消費電力の異なる遊技モードを、夫々通常出力音量設定領域(通常モード)と省力出力音量設定領域(省力モード)とに対応させた。本第5実施例では、消費電力の異なる遊技モードではなく、リーチ確率の異なる遊技モード(第1の遊技モード、第2の遊技モード)を対応させることができる。すなわち、遊技モードが第1の遊技モードに設定されている場合には、リーチの発生確率が通常確率(例えば、1/40)に設定され、遊技モードが第2の遊技モードに設定されている場合には、リーチの発生確率が通常確率よりもリーチの発生する確率が高い高確率(例えば、1/30)に設定される。尚、この第1の遊技モード、第2の遊技モードが本発明の「第1の遊技モード」及び「第2の遊技モード」に相当する。
具体的に、図5(a)に基づいて説明すると、第5実施例の音量調整スイッチ264は、異なるスピーカ音量に対応する16段階の操作位置「0」〜「F」が設定されており、この16段階を、第1の遊技モード出力音量設定領域264c(8段階)と第2の遊技モード出力音量設定領域264d(8段階)の2つの出力音量設定領域に区分している。そして、第1の遊技モード出力音量設定領域264cにおいてスピーカ音量を8段階に調整することができるように構成され、第2の遊技モード出力音量設定領域2640dにおいてスピーカ音量を8段階に調整することができるように構成されている。
音量調整スイッチ2640からサブ制御部260に、操作位置「0」〜「F」に対応する音量信号「0」〜「F」が出力される。そして、音量信号を受信したサブ制御部260は、音量信号が「0」〜「7」である場合は、遊技モードを第1の遊技モードに設定し、音量信号が「8」〜「F」である場合は、遊技モードを第2の遊技モードに設定する。
これにより、1の音量調整スイッチに、音量調整機能と遊技モード変更機能とを兼用させることができる。
また、遊技モードによってリーチ確率を変更することを例示したが、遊技モードの設定はこの内容に限られない。具体的に、遊技モードによって、図柄表示装置25の表示領域に表示される図柄(装飾図柄)の種類を変更してもよい。例えば、第1の遊技モードでは、装飾図柄が漢数字とされ、第2の遊技モードでは、キャラクタとアラビア数字との組合せとされる。
また、遊技モードによって、当否判定の結果に基づき変動開始に際して選択される変動パターン(変動時間)の種類が遊技モードによって異なるものとしてもよい。具体的に、第1の遊技モードでは、第2の遊技モードと比べて変動時間が長い変動パターンが選択されやすいテーブルにより、変動パターンが選択され(例えば、外れ時の変動時間を、5s、10s、30s、60s、120s、180sからランダムに変動パターンを選択)、第2の遊技モードでは、第1の遊技モードと比べて変動時間が短い変動パターンが選択されやすいテーブルにより、変動パターンが選択される(例えば、外れ時の変動時間を5s、5s、10s、10s、60s、120s)。これにより、30s(30秒)以上の変動パターンをリーチ演出が発生するものと設定すると、第1の遊技モードでは、第2の遊技モードよりもリーチ演出の発生確率を高いものとすることができる。尚、当りの際(大当り遊技発生の際)は、遊技モードによらず、30s以上の変動パターンが選択され、遊技演出として必ずリーチ演出を発生するものとする。
但し、ここでは大当りとなる確率は遊技モードによって変化しないので、リーチ演出発生時の当り確率、すなわちリーチ演出発生に対する大当り信頼度は、第2の遊技モードの方が高いものとなる(所謂ガセリーチが発生しにくい)。
また、遊技モードによって、装飾図柄と共に表示される背景表示(背景絵柄、キャラクタの種類・色等)が異なったり、図柄(装飾図柄・本図柄)の変動表示に伴って出力される音楽(音声・楽曲)が異なったり、遊技盤面や枠部材に設定されるLEDの点灯パターン(点灯色)が異なったり、遊技盤面に設けられる可動部材の駆動態様(駆動確率、駆動パターン)が異なったり、リーチ演出の種類が異なったりすることが例示される。
(第6実施例)
上記した実施例では、遊技モードの設定を変更すると共に、遊技機の所定の設定を変更する「設定変更手段」として、遊技機から出力される音量を調整する音量調整スイッチ264を例示したが、これに限られない。すなわち、遊技モードの設定変更機能と出力音量の調整機能とを1のスイッチで兼用する構成について説明したが、この組合せに限られない。
具体的に、図12に示す通り、音量調整スイッチ264に加えて(又は音量調整スイッチに替えてでもよい)、発射強度の最大値の設定を変更可能な発射強度調整スイッチ2641を設けることができる。そして、発射強度調整スイッチ2640による発射強度の最大値の調整に伴い、遊技モードを設定できるようにしてもよい。これにより、遊技モードの設定変更機能と、発射強度の調整機能とを兼用することができる。尚、発射強度調整スイッチ2641が、本発明の「発射強度設定変更手段」に相当する。
この発射強度調整スイッチ2641は、発射ボリュームスイッチ8c(発射ハンドル8)とは別途に遊技機裏面側に設けられるものであり、その構造は、図13に示すもので、図5(a)及び(b)に示す音量調整スイッチ264の構造と同様の構造である。そして、遊技者は、発射強度調整スイッチ2641により定められる最大強度の範囲内において、遊技機全面側に設けられる発射ハンドル8を操作して、遊技盤面に発射される遊技球の強度を調整する。
図13は発射強度調整スイッチ2641の正面図であり、図14は発射強度調整スイッチ2641の操作位置と最大発射強度との関係を示す図表である。発射強度調整スイッチ2641は、遊技盤20の裏面に配置されている。図5(a)に示すように、発射強度調整スイッチ2641は、ロータリスイッチとして構成されており、ハウジング2641aと操作部2641bとを備えている。操作部2641dは、ハウジング2641aに対して時計回りまたは反時計回りに回転可能となっている。操作部2641bを回転操作することで、操作部2641bが回転操作された際の停止位置である操作位置に応じて、発射強度の最大値を複数段階に調整することができる。また、詳しくは後述するが、この発射強度調整スイッチ2641から出力される発射強度指定信号により、発射強度の最大値を調整すると共に、遊技モードの設定を実行している。
本実施例の発射強度調整スイッチ2641は、異なる発射強度(最大値)に対応する16段階の操作位置「0」〜「F」が設定されており、この16段階を、第1の発射強度設定領域2641cと第2の発射強度設定領域2641dの2つの発射強度設定領域に区分している。そして、第1の発射強度設定領域2641cにおいて発射強度(最大値)を8段階に調整することができるように構成され、第2の発射強度設定領域2641dにおいて発射強度(最大値)を8段階に調整することができるように構成されている。ロータリスイッチとして構成された発射強度調整スイッチ2641は、操作部2641bの操作位置「0」〜「F」が環状に配置され、これらの操作位置「0」〜「F」は時計回りに「0」、「1」・・・「7」「8」・・・「E」、「F」の順に並んでいる。そして、「0」〜「7」が第1の発射強度設定領域2641cとされ、「8」〜「F」が第2の発射強度設定領域2641dとされている。尚、第1の発射強度設定領域2641c及び第2の発射強度設定領域2641dは、本発明の「第1の発射強度設定領域」及び「第2の発射強度設定領域」に相当する。
発射強度調整スイッチ2641からサブ制御部260に、操作位置「0」〜「F」に対応する発射強度信号「0」〜「F」が出力される。そして、発射強度信号を受信したサブ制御部260は、発射強度信号が「0」〜「7」である場合は、遊技モードを第1の遊技モードに設定し、音量信号が「8」〜「F」である場合は、遊技モードを第2のモードに設定する。ここで、第1の遊技モードを実施例1の通常モード、第2の遊技モードを省力モードに設定することができる。もちろん、他の実施例で説明したモードに設定することもできる。
本実施例の発射強度調整スイッチ2641は、16段階(8段階+8段階)の発射強度信号をデジタル信号として出力するように構成されている。尚、発射強度信号に基づいて遊技モードを設定するサブ制御部260のCPU260bが本発明の「遊技モード設定手段」に相当する。
図14に示すように、本実施例の最大発射強度は、第1の発射強度設定領域2641c及び第2の発射強度設定領域2641dのいずれの領域においても、発射強度の最大値を、「0」〜「100」の間で8段階に設定可能とされており、発射強度の最大値が最小となる「0」は発射強度がゼロに設定されており、発射ハンドル8を回動操作しても、遊技球が発射されることはない。すなわち、発射強度を「0」に設定した場合には、遊技を実行することができないので、遊技機が稼働している場合には設定されることはない。遊技機の故障中、出荷時、調整中等に発射強度を「0」に設定することで、遊技球が誤って発射されないようにすることができる。
そして、発射強度調整スイッチ2641の各操作位置「0」〜「7」、「8」〜「F」と発射強度「0」〜「100」は、図14に示す対応関係となっており、発射強度調整スイッチ2641の操作位置「0」及び「F」が発射強度「0」に対応する最小発射強度になっており、発射強度調整スイッチ2641の操作位置「7」及び「8」が発射強度「100」に対応する最大発射強度となっている。すなわち、第1の発射強度設定領域2641cにおいても、第2の発射強度設定領域2641dのいずれの領域においても同様に、最小発射強度(ゼロ)から最大発射強度(100)まで任意の発射強度に設定可能とされている。
ここで、発射強度調整スイッチ2641を使用する状況について説明する。例えば、発射強度の最大値を80以上(操作位置;5〜7、8〜A)に設定した場合において、初めて、図柄表示装置の右側遊技領域に遊技球を打ち出す、所謂右打ちが可能となるものとすることができる。この場合には、発射強度の最大値を60以下に設定した場合(操作位置;1〜4、C〜E)、遊技球を遊技領域に向けて発射可能であるものの、発射ハンドル8を最大回動量まで操作しても、所謂右打ちをすることはできない。
従って、図柄表示装置の右側領域に入球口を設ける場合には、発射強度の最大値を80以上に設定する必要がある。また、所謂右打ちを必要としない機種においては、発射強度の最大値を60以下の適当な値に設定することで、遊技者が誤って右打ちを行い、無駄球が発生することを防止することができる。
また、適度な発射強度を設定していた場合においても、長期間の遊技機の使用により、発射強度が初期設定から変化してしまう場合がある。この場合に、発射強度調整スイッチ2641により、発射強度を調整し、適正な発射強度に設定することができる。
また、遊技機が第1の遊技モードの操作位置「5」(発射強度80)に設定されている場合において、同じ発射強度で遊技機を第2のモードに変更したいときは、操作部2641bを操作して操作位置を「5」から「A」に変更することとなる。この際、操作位置が「A」に変更された発射強度信号(操作信号)がサブ制御部260に入力され、サブ制御部260は、第2の発射強度設定領域2641cで発射強度が設定されたと判断し、遊技モードを第1の遊技モードから第2の遊技モードに切り換える制御を実行する。
サブ制御部260のCPU260bは、発射強度調整スイッチ2641が最小発射強度「0」から時計回りに最大発射強度「7」までの操作範囲(第1の発射強度設定領域2641c)内で時計回り又は反時計回りに操作された場合には、発射強度の最大値を操作位置に対応する発射強度に設定すると共に、遊技モードを第1の遊技モードに設定する(遊技モードフラグはオフ)。そして、発射強度調整スイッチ2641が最大音量位置「8」から時計回りに最小音量位置「F」までの操作範囲(第2の発射強度設定領域2641d)内で時計回り又は反時計回りに操作された場合には、出力音量を操作位置に対応する出力音量に設定すると共に、遊技モードを第2モードに設定する(遊技モードフラグはオン)。
図14(a)に示す通り、第1の発射強度設定領域2641cにおける最大発射強度位置「7」と第2の発射強度設定領域2641dにおける最大発射強度位置「8」とを隣接し、第1の発射強度設定領域2641cにおける最小発射強度位置「0」と第2の発射強度設定領域2641dにおける最小発射強度位置「F」とを隣接する配置とすることで、遊技モードの変更を効率よく実行することができる。通常、遊技モードを変更したい場合には、発射強度(最大値)は維持しつつ遊技モードのみを変更する場合が多いと考えられる。
従って、例えば、第1の遊技モードの発射強度位置「7」に設定されている状態から、発射強度は同じくして遊技モードを第2の遊技モードに変更したいと場合には、操作部2641bを時計回りに一段階だけ移動させるだけで、所望の設定にすることができる。また第1の遊技モードにおける発射強度20(操作位置「2」)から遊技モードのみを変更したい場合には、操作部2641bを反時計回りに5段階だけ移動させるだけで、所望の設定にすることができる。
また、第1の発射強度設定領域2641cの操作位置「0」を最小発射強度位置、操作位置「7」を最大発射強度位置とし、第2の発射強度設定領域2641dの操作位置「8」を最小発射強度位置、操作位置「F」を最大発射強度位置とした場合には、第1の発射強度設定領域2641cの最小発射強度位置と第2の発射強度設定領域2641dの最大発射強度位置とが隣接し、第1の発射強度設定領域2641cの最大発射強度位置と第2の発射強度設定領域2641dの最小発射強度位置とが隣接する構成となるので、例えば、第1の遊技モードにおける発射強度10(操作位置「1」)から遊技モードのみを変更したい場合には、操作部2641bを180°回転させる必要がある点で非効率である。
尚、本実施例の発射強度調整スイッチ2641は、操作位置「0」と「F」の間、「7」と「8」の間にはストッパ等はなく、操作位置「0」及び「7」のいずれの位置からも時計回り及び反時計回りに自由に回転操作可能な構造となっている。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施例では、音量調整スイッチ264の最小音量位置「0」に対応するスピーカ音量を「0」(消音)としたが、これに限らず、音量調整スイッチ264の最小音量位置「0」に対応するスピーカ音量を「0」(消音)より大きい音量としてもよい。
また、上記各実施例では、音量調整スイッチ264が複数段階のデジタル信号をサブ制御部260に出力するように構成したが、これに限らず、音量調整スイッチ264が複数段階のアナログ信号をサブ制御部260に出力するように構成してもよい。この場合には、図10に示すように、サブ制御部260にA/D変換部264eを設け、音量調整スイッチ264から出力されるアナログ信号をA/D変換部264eでデジタル信号に変換してサブ制御部260のCPU260bに入力するように構成すればよい。
また、上記各実施例では、音量調整スイッチ264の操作部264bが操作された際にスピーカ10a〜10dから出力される操作音として、遊技の進行に伴って出力される効果音と同一の音声データを用いるように構成したが、これに限らず、操作音として効果音と異なる音声データを用いてもよい。この場合、操作音の音声データを複数種類用意しておき、それらの音声データ中からランダムまたは順番に選択された音声データを用いることができる。
また、上記各実施例では、音量調整スイッチ264を、遊技盤裏面側に設けるものとしたが、遊技機の前面側、例えば上皿の一部に音量調整スイッチ264を配置し、遊技者が設定変更できるようにしてもよい。
また、上記各実施例では、設定変更手段を用いて設定変更する対象を、音量、発射強度としたが、これらに限られない。遊技機のあらゆる設定の変更が対象となる。例えば、液晶表示装置の輝度調整を行う液晶輝度調整手段としてもよい。