JP5666321B2 - スピンドル構造およびこれを備えたタイヤ試験機 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの性能試験を行うタイヤ試験機およびこれに設けられたスピンドル構造に関する。
タイヤの性能試験を行うタイヤ試験機においては、上スピンドルに固定された上リムと下スピンドルに固定された下リムとの間にタイヤがチャッキングされた後、タイヤの内部空間に空気が供給され、下スピンドル及び上スピンドルが回転されることで、タイヤを回転させて、各種の性能試験が行われる。
特許文献1には、ベースフレームである基部に固定された下チャックが有する回転可能な下スピンドルと、交差梁に取り付けられた上チャックが有する回転可能な上スピンドルとが、アキシアル荷重を受ける向きが互いに反対にされた一対の傾斜したコロ軸受(テーパローラベアリング)でそれぞれ支持されたタイヤ試験装置が開示されている。
また、特許文献2には、ベースフレームに支持された回転可能な固定側スピンドルと、スライドアームに軸支された回転可能な可動側スピンドルとが、それぞれ一対の軸受(コロ軸受、玉軸受等)で支持されたタイヤ試験機が開示されている。
また、特許文献3には、タイヤの内部空間に空気を供給した際にタイヤに生じる反力を受けるリム反力ロック装置を設けることで、スピンドルを支持するベアリングに対する負荷を軽減させたタイヤチャッキング装置が開示されている。
特許第4011632号公報 特開平9−126956号公報 特開平11−118655号公報
ところで、タイヤの内部空間に空気が供給された際に、上スピンドルを上方に、下スピンドルを下方にそれぞれ押圧して上下スピンドルを離隔させようとする分離力が働く。このとき、スピンドルを支持しており、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能であって、アキシアル荷重を受ける向きが互いに反対にされた一対のベアリングのうち、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのベアリングにおいては、加圧によりアウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも密着した状態になる。一方、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいては、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいて、スピンドルの回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。
この状態を抑制するためには、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングに予め予圧をかけておくことが考えられる。しかし、タイヤ試験機に発生する分離力は強大であり、これに見合う予圧をベアリングにかけ続けると、ベアリングの寿命が短くなるので、好ましくない。また、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングをアキシアル荷重が受けられるように配置することも考えられるが、タイヤ試験機はその試験終了後、リムからタイヤを剥ぎ取る必要があり、この時に分離力とは反対方向の力がスピンドルに負荷される。このため、ベアリングの荷重負荷方向を変えることができない。
本発明の目的は、ラジアル方向の回転振れを抑制することが可能なスピンドル構造およびこれを備えたタイヤ試験機を提供することである。
本発明におけるスピンドル構造は、タイヤ試験機に設けられ、タイヤを回転させるためのスピンドル構造であって、上下方向の中心軸まわりに回転可能であって、上下方向に係合される一対のスピンドルと、前記一対のスピンドルの各々に対して設けられて各スピンドルをそれぞれ支持しており、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能であって、アキシアル荷重を受ける向きが互いに反対にされて上下方向に離隔された一対のベアリングと、前記一対のスピンドルの各々に対して少なくとも1つずつ設けられて各スピンドルをそれぞれ支持しており、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受と、を有し、前記ラジアル軸受が、アキシアル荷重を受ける向きが、前記一対のスピンドルを離隔させようとする力が働く向きとは逆向きであるベアリングの近傍に配置され、前記一対のベアリングの各々は、テーパローラベアリングであり、前記一対のベアリングは、テーパローラの回転半径の小径側が向かい合うように配置されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、一対のスピンドルを離隔させようとする分離力が働いたときに、一対のベアリングのうち、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいては、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいて、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。
そこで、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受を、各スピンドルに少なくとも1つずつ設ける。これにより、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、スピンドルは、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのベアリングと、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを抑制することができる。また、一対のベアリングのうち、アキシアル荷重を受ける向きが、一対のスピンドルを離隔させようとする力(分離力)が働く向きとは逆向きであるベアリングは、分離力が働いた際に、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になり、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリング側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。そこで、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングの近傍に、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受を配置する。これにより、スピンドルは、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのベアリングと、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングの近傍に配置されてラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを効果的に抑制することができる。また、一般に、分離力を受けるベアリングをタイヤの近くに配置した方が、分離力を効果的に受けることができる。一対のテーパローラベアリングを、テーパローラの回転半径の小径側が向かい合うように配置することで、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリングが、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリングよりもタイヤ側に配置される。これにより、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリングで分離力を効果的に受けることができる。
また、本発明におけるスピンドル構造において、前記ラジアル軸受が深溝玉軸受であってよい。上記の構成によれば、分離力が働いたときに、深溝玉軸受のボールローラがベアリングレースに対して滑ることで、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、ボールローラの軸方向への移動が許容される。これにより、分離力が作用しても深溝玉軸受でラジアル方向の回転振れを抑制することができる。
また、本発明におけるスピンドル構造において、前記ラジアル軸受が円筒コロ軸受であってよい。上記の構成によれば、分離力が働いたときに、円筒コロ軸受の円筒コロがベアリングレースに対して滑ることで、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、円筒コロの軸方向への移動が許容される。これにより、分離力が作用しても円筒コロ軸受でラジアル方向の回転振れを抑制することができる。
また、本発明におけるスピンドル構造において、前記ラジアル軸受が、テーパ穴が軸中心に形成された複列円筒コロ軸受であってよい。上記の構成によれば、分離力が働いたときに、複列円筒コロ軸受の円筒コロがベアリングレースに対して滑ることで、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、円筒コロの軸方向への移動が許容される。これにより、分離力が作用しても複列円筒コロ軸受でラジアル方向の回転振れを抑制することができる。また、複列円筒コロ軸受のテーパ穴をスピンドルのテーパに嵌め込み、嵌合量を調節して、ラジアル方向の隙間をスピンドルの回転に好適な間隔にすることで、スピンドルの回転を安定させることができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機は、上記のスピンドル構造を有していることを特徴とする。
上記の構成によれば、一対のスピンドルを離隔させようとする分離力が働いて、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいて、ラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、スピンドルは、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのベアリングと、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを抑制することができる。
本発明のスピンドル構造およびこれを備えたタイヤ試験機によると、一対のスピンドルを離隔させようとする分離力が働いたときに、一対のベアリングのうち、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのベアリングにおいて、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。そこで、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受を、各スピンドルに少なくとも1つずつ設ける。これにより、スピンドルは、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのベアリングと、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを抑制することができる。
タイヤ試験機を示す側面図である。 テーパローラベアリングの説明図である。 複列円筒コロ軸受の説明図である。 図1の要部Bの拡大図である。 図1の要部Bの拡大図である。 図1の要部Bの拡大図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
(タイヤ試験機の構成)
本実施形態によるタイヤ試験機1は、図1に示すように、下フレーム20、鉛直方向に移動可能なビーム40、及び、下フレーム20とビーム40との間に設けられ、タイヤ10を回転させるためのスピンドル構造11を有する。
下フレーム20は、例えばH型、I型等の鋼材からなり、水平方向に延在している。ビーム40は、例えばH型、I型等の鋼材からなり、両端または片端が図示しない移動機構に接続されている。ビーム40は、移動機構により鉛直方向上方又は下方に移動される。ビーム40の鉛直方向に関する位置は、移動機構側の図示しない直線センサ(リニアセンサとも言う)により検出される。
(スピンドル構造の構成)
スピンドル構造11は、下フレーム20に取り付けられた下チャック25、及び、ビーム40に取り付けられ、下チャック25に係合する上チャック45を有する。上チャック45は、ビーム40の長手方向中央に取り付けられており、ビーム40に保持されつつ鉛直方向上方又は下方に移動する。また、上チャック45は、図示しないブレーキ機構により、ビーム40とともに鉛直方向に移動不能に固定される。即ち、ブレーキ機構は、分離力による上下チャック25,45の相対的移動(ビーム40の鉛直方向の移動)を禁止する。ここで、分離力とは、上チャック45と下チャック25とを離隔させようとする力である。
下チャック25は、下フレーム20の長手方向中央に配置されている。下チャック25は、下フレーム20に移動不能に固定された下ハウジング26、下ハウジング26内に配置された下スピンドル27、下スピンドル27内に配置されたプランジャ28、及び、下スピンドル27の上端に固定された下リム29を含む。
下スピンドル27は、図示しないモータの駆動により、上下方向の中心軸Aまわりに回転する。後述するように、中心軸Aは上スピンドル47の回転軸でもある。なお、本実施形態において、上下方向とは、鉛直方向だけでなく、鉛直方向に対して傾いた方向を含む。また、下スピンドル27は、下フレーム20に固定された下ハウジング26によって上下方向に固定されている。プランジャ28は、下スピンドル27とともに中心軸Aまわりに回転可能である。また、プランジャ28は、下スピンドル27が鉛直方向に伸縮不能であるのに対し、エアシリンダ28a,28bの駆動により鉛直方向に伸縮(下スピンドル27に対して相対移動)可能である。
プランジャ28は、鉛直方向に細長い棒部材であり、その鉛直方向上端は、外側面が鉛直方向に対して傾斜した傾斜面を含むテーパー形状の凸部28pとなっている。また、プランジャ28の内部には、鉛直方向に沿って、下端から上端近傍に亘って、空気供給穴28xが形成されている。空気供給穴28xは、プランジャ28の下端に配置されたロータリージョイント28yに接続されている。下リム29は、下スピンドル27の上端を囲むように配置されており、下スピンドル27とともに中心軸Aまわりに回転可能である。
上チャック45は、ビーム40に固定された上ハウジング46、上ハウジング46内に配置された上スピンドル47、及び、上スピンドル47の下端に固定された上リム49を含む。上スピンドル47の鉛直方向下端は、プランジャ28の上端の凸部28pと係合可能な凹部47pとなっている。即ち、この凹部47pの内側面は、鉛直方向に対してプランジャ28の凸部28pと同じ角度で傾斜した傾斜面である。
上スピンドル47は、下スピンドル27とともに中心軸Aまわりに回転可能である。また、上スピンドル47は、ビーム40によって上下方向に移動可能である。上リム49は、上スピンドル47の下端を囲むように配置されており、上スピンドル47とともに中心軸Aまわりに回転可能である。上チャック45の側方には、上リム49からタイヤ10を剥離するタイヤストリッパ48が設けられている。
上チャック45及び下チャック25は、下フレーム20の長手方向中心において、互いに鉛直方向に対向する位置に配置されている。即ち、下チャック25の下スピンドル27、プランジャ28、及び下リム29、並びに、上チャック45の上スピンドル47及び上リム49の回転軸である中心軸Aは、下フレーム20の長手方向中心と一致している。
また、スピンドル構造11は、下スピンドル27と下ハウジング26との間に設けられた一対のテーパローラベアリング51a,51b、および、複列円筒コロ軸受52を有している。下スピンドル27は、一対のテーパローラベアリング51a,51b、および、複列円筒コロ軸受52によって支持されている。一対のテーパローラベアリング51a,51bの各々は、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能である。そして、一対のテーパローラベアリング51a,51bは、アキシアル荷重を受ける向きが互いに反対にされて上下方向に離隔されている。なお、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能なベアリングであれば、テーパローラベアリング51a,51bに限定されない。
本実施形態の一対のテーパローラベアリング51a,51bは、テーパローラの回転半径の小径側が向かい合うように配置されている。具体的には、タイヤ10に近い方のテーパローラベアリング51aは、テーパローラの回転半径の小径側が下方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きである。このようなテーパローラベアリング51aにおいては、図2に示すように、矢印方向に分離力が働いた際に、加圧によりアウターレース55、テーパローラ54、および、インナーレース53が通常よりも密着した状態になる。このようなテーパローラベアリング51aをタイヤ10の近くに配置することで、分離力を効果的に受けることができる。
一方、図1に示すように、タイヤ10から遠い方のテーパローラベアリング51bは、テーパローラの回転半径の小径側が上方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きである。このようなテーパローラベアリング51bにおいては、図2に示すように、矢印方向に分離力が働いた際に、アウターレース55、テーパローラ54、および、インナーレース53が通常よりも離隔した状態になる。その結果、このテーパローラベアリング51bにおいては、下スピンドル27の回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。よって、下スピンドル27の回転時には、テーパローラベアリング51b側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。
複列円筒コロ軸受(ラジアル軸受)52は、ラジアル荷重を受けることが可能である。複列円筒コロ軸受52には、図3に示すように、テーパ穴56aが軸中心に形成されている。また、下スピンドル27にはテーパ27aが設けられており、このテーパ27aに複列円筒コロ軸受52のテーパ穴56aが嵌め込まれている。ここで、テーパ穴56aのテーパ27aへの嵌合により、インナーレース56がわずかに拡径する場合には、複列円筒コロ軸受52に予圧を付与することができる。そして、テーパ27aとテーパ穴56aとの嵌合量が調節されることで、ラジアル方向の隙間aが下スピンドル27の回転に好適な間隔にされている。これにより、下スピンドル27の回転が安定する。
また、複列円筒コロ軸受52においては、矢印方向に分離力が働いたときに、円筒コロ57がベアリングレース(アウターレース57およびインナーレース56)に対して滑る。これにより、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、円筒コロ57の軸方向への移動が許容される。よって、分離力が作用しても複列円筒コロ軸受52でラジアル方向の回転振れが抑制される。
このような複列円筒コロ軸受52は、図1に示すように、テーパローラベアリング51bの近傍に配置されている。具体的には、複列円筒コロ軸受52は、テーパローラベアリング51bの上方に隣接して配置されている。そのため、テーパローラベアリング51bにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、下スピンドル27は、タイヤ10に近いテーパローラベアリング51aと複列円筒コロ軸受52とでラジアル方向に支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。なお、複列円筒コロ軸受52は下スピンドル27に2個以上設けられていてもよい。
また、スピンドル構造11は、図1に示すように、上スピンドル47と上ハウジング46との間に設けられた一対のテーパローラベアリング61a,61b、および、複列円筒コロ軸受62を有している。上スピンドル47は、一対のテーパローラベアリング61a,61b、および、複列円筒コロ軸受62によって支持されている。一対のテーパローラベアリング61a,61bの各々は、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能である。そして、一対のテーパローラベアリング61a,61bは、アキシアル荷重を受ける向きが互いに反対にされて上下方向に離隔されている。なお、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能なベアリングであれば、テーパローラベアリング61a,61bに限定されない。
本実施形態の一対のテーパローラベアリング61a,61bは、テーパローラの回転半径の小径側が向かい合うように配置されている。具体的には、タイヤ10に近い方のテーパローラベアリング61aは、テーパローラの回転半径の小径側が上方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きである。このようなテーパローラベアリング61aにおいては、分離力が働いた際に、図2に示すテーパローラベアリング51aと同様に、加圧によりアウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも密着した状態になる。このようなテーパローラベアリング61aをタイヤ10の近くに配置することで、分離力を効果的に受けることができる。
一方、タイヤ10から遠い方のテーパローラベアリング61bは、テーパローラの回転半径の小径側が下方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きである。このようなテーパローラベアリング61bにおいては、分離力が働いた際に、図2に示すテーパローラベアリング51bと同様に、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、このテーパローラベアリング61bにおいては、上スピンドル47の回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。よって、上スピンドル47の回転時には、テーパローラベアリング61b側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。
複列円筒コロ軸受(ラジアル軸受)62は、上述した複列円筒コロ軸受52と同様に構成されている。このような複列円筒コロ軸受62は、図1に示すように、テーパローラベアリング61bの近傍に配置されている。具体的には、複列円筒コロ軸受62は、テーパローラベアリング61bの下方に隣接して配置されている。そのため、テーパローラベアリング61bにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、上スピンドル47は、タイヤ10に近いテーパローラベアリング61aと複列円筒コロ軸受62とでラジアル方向に支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。なお、複列円筒コロ軸受62は上スピンドル47に2個以上設けられていてもよい。
なお、複列円筒コロ軸受52,62の代わりに、深溝玉軸受や円筒コロ軸受、アンギュラ玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル軸受を用いてもよい。このような場合であっても、分離力が働いたときに、ローラがベアリングレースに対して滑ることで、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、ローラの軸方向への移動が許容される。これにより、分離力が作用してもラジアル軸受でラジアル方向の回転振れが抑制される。
(試験方法)
次に、図1を参照し、タイヤ試験機1によるタイヤ10の試験方法について説明する。なお、以下に述べるタイヤ試験機1各部の動作は、タイヤ試験機1を備えたタイヤ試験システムのコントローラ(図示せず)によって制御される。
先ず、タイヤ10は、図示しない入口コンベア上に導入され、入口コンベア上でビード部に潤滑剤が塗布される。その後タイヤ10は、入口コンベアから図示しないセンターコンベア上に受け渡され、センターコンベアにより下リム29の上方に搬送される。そして、タイヤ10を保持するセンターコンベアが下降されることで、タイヤ10が下チャック25の下リム29上に載置される。
ビーム40は、タイヤ10が入口コンベアからセンターコンベア上に送り出される間、上チャック45がタイヤ10に干渉しない待機位置にて、停止している。待機位置は、タイヤ10の幅に応じて、上リム49がタイヤ10に干渉しない程度のできるだけ下方の位置に、設定される。このような設定により、上チャック45の待機位置から後述の試験位置に向けての下降にかかる時間を短縮することができる。
ビーム40は、上述したセンターコンベアの下降開始と同時に、待機位置から下方への移動を開始する。これと同時に、プランジャ28がエアシリンダ28a,28bの駆動によって上方への延伸を開始する。ビーム40の移動は移動機構によるものである。また、移動機構側の直線センサによってビーム40の位置が監視されながら移動機構の駆動が制御される。そして、ビーム40の位置がプランジャ28の凸部28pと上スピンドル47の凹部47pとの係合位置に近づいたことを移動機構側の直線センサにより検知すると、移動機構がビーム40の移動を減速させるように制御される。
ビーム40は、係合位置に達した後、上チャック45によりプランジャ28を押し下げつつ、さらに下降する。ビーム40が係合位置から試験位置(リム29,49の間隔がタイヤ10に応じた規定のビード幅となる位置)に至ったことを、プランジャ28のガイド部材(図示せず)に設けられた図示しない直線センサ(リニアセンサとも言う)により検知すると、電磁ブレーキによりビーム40が鉛直方向に移動不能に固定される。これにより、下チャック25の軸心と上チャック45の軸心とが位置合わせされる。
なお、ビーム40(上チャック45)の鉛直方向の位置検出は、移動機構側の直線センサによる検出結果を用いて行ってもよいし、或いは、この直線センサに代えて、ビーム40(上チャック45)の鉛直方向に関する位置を検出するリミットスイッチのような検出手段による検出結果を用いて行ってもよい。直線センサやリミットスイッチは、検出結果としてビーム40が下限位置(例えば下限位置は、上記したような凸部28pと凹部47pとが係合する位置)に到達する直前にビーム40の速度を低下させるトリガーとなる信号を出力するように設けるだけでなく、ビーム40が上限位置に到達する直前にビーム40の速度を低下させるトリガーとなる信号を出力するように設けることが望ましい。
また、プランジャ28とともに移動している上チャック45の位置を検出し位置決めするための検出手段は、例えば、プランジャ28のガイド部材に取り付けられた直線センサの他、プランジャ28自体に取り付けられた直線センサ又はエアシリンダ28a,28bに内蔵された直線センサ等であってよい。いずれの場合も、検出手段により検出されるプランジャ28の延伸距離に基づいて、位置決めを行えばよい。
なお、上記の例では、移動機構側の直線センサの検出結果によって、ビーム40(上チャック45)の鉛直方向に関する位置の検出を行い、プランジャ28側の直線センサの検出結果によって、上チャック45を試験位置(リム29,49の間隔がタイヤ10に応じた規定のビード幅となる位置)に位置決めするようにした。しかし、移動機構側の直線センサの検出結果によって、ビーム40(上チャック45)の鉛直方向に関する位置の検出と、上チャック45の試験位置(リム29,49の間隔がタイヤ10に応じた規定のビード幅となる位置)への位置決めとを行うようにしてもよい。
この場合、ビーム40は、センターコンベアの下降開始と同時に、待機位置から下方への移動を開始する。ビーム40の移動は移動機構によるものであり、移動機構側の直線センサによってビーム40の位置が監視されながら移動機構の駆動が制御される。そして、上チャック45が試験位置に到達すると、電磁ブレーキによりビーム40が鉛直方向に移動不能に固定される。このときプランジャ28の凸部28pは図1に示す位置よりも下方に位置している。その後、プランジャ28がエアシリンダ28a,28bの駆動によって上方に延伸し、プランジャ28の凸部28pと上スピンドル47の凹部47pとが係合する。これにより、下チャック25の軸心と上チャック45の軸心とが位置合わせされる。
上記のようにして上チャック45が鉛直方向に関して位置合わせされた状態で移動不能に固定され、上下チャック25,45が上下方向に係合したとき、上下チャック25,45間に挟持されたタイヤ10の内部空間は封止されている。この状態において、ロータリージョイント28yにつながる電磁弁が駆動され、空気供給穴28xを介してタイヤ10の内部空間に圧縮空気が供給される。
タイヤ10の内部空間に圧縮空気が供給されると、タイヤ10の内圧によって下チャック25および上チャック45には両者を離隔させようとする分離力が作用する。この分離力によって、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいては、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる(図2参照)。そしてタイヤ10の空気圧が所定の圧力となったタイミングで、圧縮空気の供給が停止される。
その後、下スピンドル27を回転させるモータの駆動が開始され、下スピンドル27と共にプランジャ28及び下リム29並びに上チャック45の上スピンドル47及び上リム49が中心軸Aまわりに回転し、タイヤ10が回転する。これと同時に、図示しないドラムがタイヤ10の側方からタイヤ10に向かって前進し、タイヤ10の側面を押圧することにより、タイヤ10に荷重を付加する。
ここで、テーパローラベアリング51b,61bにおいては、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になることによって、上下スピンドル27,47の回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となっている。しかし、テーパローラベアリング51b,61bの近傍に配置された複列円筒コロ軸受52,62と、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aとで、上下スピンドル27,47が支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。
そして、タイヤ10の各種性能試験が終了すると、下スピンドル27を回転させるモータの駆動が停止され、下スピンドル27等の回転が停止する。その後、ロータリージョイント28yにつながる電磁弁が開放されることにより、タイヤ10の空気圧が減少する。そして電磁ブレーキが開放された後、タイヤストリッパ48の駆動によって上リム49からタイヤ10が剥離される。
その後、ビーム40が上チャック45とともに上昇を開始すると同時に、図示しないセンターコンベアも上昇を開始する。センターコンベアの上昇より、タイヤ10は下リム29から剥離され、センターコンベア上に載置される。その後タイヤ10は、センターコンベアにより図示しない出口コンベア上に受け渡され、出口コンベア上で適宜のマーキングが施される。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスピンドル構造11によると、一対のスピンドル27,47を離隔させようとする分離力が働いたときに、一対のテーパローラベアリング51a,51bおよび一対のテーパローラベアリング61a,61bのうち、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいては、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいて、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。そこで、ラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62を、各スピンドル27,47に少なくとも1つずつ設ける。これにより、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、スピンドル27,47は、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aと、ラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを抑制することができる。
また、分離力が働いたときに、複列円筒コロ軸受52,62の円筒コロがベアリングレースに対して滑ることで、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、円筒コロの軸方向への移動が許容される。これにより、分離力が作用しても複列円筒コロ軸受52,62でラジアル方向の回転振れを抑制することができる。また、複列円筒コロ軸受52,62のテーパ穴をスピンドル27,47のテーパに嵌め込み、嵌合量を調節して、ラジアル方向の隙間をスピンドル27,47の回転に好適な間隔にすることで、スピンドル27,47の回転を安定させることができる。
また、一対のテーパローラベアリング51a,51bおよび一対のテーパローラベアリング61a,61bのうち、アキシアル荷重を受ける向きが、一対のスピンドル27,47を離隔させようとする力(分離力)が働く向きとは逆向きであるテーパローラベアリング51b,61bは、分離力が働いた際に、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になり、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61b側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。そこで、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bの近傍に、ラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62を配置する。これにより、スピンドル27,47は、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aと、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bの近傍に配置されてラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを効果的に抑制することができる。
また、一般に、分離力を受けるベアリングをタイヤ10の近くに配置した方が、分離力を効果的に受けることができる。一対のテーパローラベアリング51a,51bおよび一対のテーパローラベアリング61a,61bを、テーパローラの回転半径の小径側が向かい合うように配置することで、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aが、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bよりもタイヤ10側に配置される。これにより、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aで分離力を効果的に受けることができる。
[第2実施形態]
(スピンドル構造の構成)
次に、本発明の第2実施形態に係るタイヤ試験機201について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。タイヤ試験機201が第1実施形態のタイヤ試験機1と異なる点は、図1の要部Bを拡大した図である図4に示すように、スピンドル構造211において、テーパローラベアリング51bの下方に複列円筒コロ軸受52が隣接配置され、テーパローラベアリング61bの上方に複列円筒コロ軸受62が隣接配置されている点である。
アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bは、分離力が働いたときに、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。そのため、テーパローラベアリング51b,61bにおいて、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になる。しかし、テーパローラベアリング51b,61bの近傍に配置された複列円筒コロ軸受52,62と、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aとで、上下スピンドル27,47が支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスピンドル構造211によると、第1実施形態のスピンドル構造11と同様の効果を奏する。
[第3実施形態]
(スピンドル構造の構成)
次に、本発明の第3実施形態に係るタイヤ試験機301について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。タイヤ試験機301が第1実施形態のタイヤ試験機1と異なる点は、図1の要部Bを拡大した図である図5に示すように、スピンドル構造311において、下スピンドル27を支持する一対のテーパローラベアリング51a,51bが、テーパローラの回転半径の大径側が向かい合うように配置されているとともに、上スピンドル47を支持する一対のテーパローラベアリング61a,61bが、テーパローラの回転半径の大径側が向かい合うように配置されている点である。
具体的には、一対のテーパローラベアリング51a,51bのうち、タイヤ10に近い方のテーパローラベアリング51bは、テーパローラの回転半径の大径側が下方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きである。このようなテーパローラベアリング51bにおいては、分離力が働いた際に、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、このテーパローラベアリング51bにおいては、下スピンドル27の回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。よって、下スピンドル27の回転時には、テーパローラベアリング51b側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。
一方、タイヤ10から遠い方のテーパローラベアリング51aは、テーパローラの回転半径の大径側が上方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きである。このようなテーパローラベアリング51aにおいては、分離力が働いた際に、加圧によりアウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも密着した状態になる。
複列円筒コロ軸受52は、テーパローラベアリング51bの下方に隣接して配置されている。そのため、テーパローラベアリング51bにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、下スピンドル27は、タイヤ10から遠いテーパローラベアリング51aと複列円筒コロ軸受52とでラジアル方向に支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。
また、一対のテーパローラベアリング61a,61bのうち、タイヤ10に近い方のテーパローラベアリング61bは、テーパローラの回転半径の大径側が上方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きである。このようなテーパローラベアリング61bにおいては、分離力が働いた際に、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、このテーパローラベアリング61bにおいては、上スピンドル47の回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。よって、上スピンドル47の回転時には、テーパローラベアリング61b側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。
一方、タイヤ10から遠い方のテーパローラベアリング61aは、テーパローラの回転半径の大径側が下方を向いており、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きである。このようなテーパローラベアリング61aにおいては、分離力が働いた際に、加圧によりアウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも密着した状態になる。
複列円筒コロ軸受62は、テーパローラベアリング61bの上方に隣接して配置されている。そのため、テーパローラベアリング61bにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、上スピンドル47は、タイヤ10から遠いテーパローラベアリング61aと複列円筒コロ軸受62とでラジアル方向に支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスピンドル構造311によると、一対のスピンドル27,47を離隔させようとする分離力が働いたときに、一対のテーパローラベアリング51a,51bおよび一対のテーパローラベアリング61a,61bのうち、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいては、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいて、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。そこで、ラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62を、各スピンドル27,47に少なくとも1つずつ設ける。これにより、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bにおいて、分離力によりラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になっても、スピンドル27,47は、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aと、ラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを抑制することができる。
また、分離力が働いたときに、複列円筒コロ軸受52,62の円筒コロがベアリングレースに対して滑ることで、ラジアル方向の接触状態が保たれたまま、円筒コロの軸方向への移動が許容される。これにより、分離力が作用しても複列円筒コロ軸受52,62でラジアル方向の回転振れを抑制することができる。また、複列円筒コロ軸受52,62のテーパ穴をスピンドル27,47のテーパに嵌め込み、嵌合量を調節して、ラジアル方向の隙間をスピンドル27,47の回転に好適な間隔にすることで、スピンドル27,47の回転を安定させることができる。
また、一対のテーパローラベアリング51a,51bおよび一対のテーパローラベアリング61a,61bのうち、アキシアル荷重を受ける向きが、一対のスピンドル27,47を離隔させようとする力(分離力)が働く向きとは逆向きであるテーパローラベアリング51b,61bは、分離力が働いた際に、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になり、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態となる。その結果、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61b側において、ラジアル方向の回転振れが大きくなる。そこで、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bの近傍に、ラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62を配置する。これにより、スピンドル27,47は、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aと、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bの近傍に配置されてラジアル荷重を受けることが可能な複列円筒コロ軸受52,62とでラジアル方向に支持される。よって、ラジアル方向の回転振れを効果的に抑制することができる。
[第4実施形態]
(スピンドル構造の構成)
次に、本発明の第4実施形態に係るタイヤ試験機401について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。タイヤ試験機401が第3実施形態のタイヤ試験機301と異なる点は、図1の要部Bを拡大した図である図6に示すように、スピンドル構造411において、テーパローラベアリング51bの上方に複列円筒コロ軸受52が隣接配置され、テーパローラベアリング61bの下方に複列円筒コロ軸受62が隣接配置されている点である。
アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きとは逆向きのテーパローラベアリング51b,61bは、分離力が働いたときに、アウターレース、テーパローラ、および、インナーレースが通常よりも離隔した状態になる。そのため、テーパローラベアリング51b,61bにおいて、回転時に回転軸に対してラジアル方向の回転振れを拘束する力が発揮され難い状態になる。しかし、テーパローラベアリング51b,61bの近傍に配置された複列円筒コロ軸受52,62と、アキシアル荷重を受ける向きが分離力が働く向きと同じ向きのテーパローラベアリング51a,61aとで、上下スピンドル27,47が支持される。これにより、ラジアル方向の回転振れが抑制される。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスピンドル構造411によると、第3実施形態のスピンドル構造311と同様の効果を奏する。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、一対のテーパローラベアリングおよび複列円筒コロ軸受の配置は、上記の配置に限定されない。そして、第1実施形態から第4実施形態の配置を適宜組み合わせてもよい。例えば、下スピンドル27を支持する一対のテーパローラベアリング51a,51bおよび複列円筒コロ軸受52の配置として、第1実施形態の配置を採用し、上スピンドル47を支持する一対のテーパローラベアリング61a,61bおよび複列円筒コロ軸受62の配置として、第3実施形態の配置を採用してもよい。
1,201,301,401 タイヤ試験機
10 タイヤ
11,211,311,411 スピンドル構造
20 下フレーム
25 下チャック
26 下ハウジング
27 下スピンドル
28 プランジャ
29 下リム
40 ビーム
45 上チャック
46 上ハウジング
47 上スピンドル
49 上リム
51a,51b,61a,61b テーパローラベアリング
52,62 複列円筒コロ軸受

Claims (5)

  1. タイヤ試験機に設けられ、タイヤを回転させるためのスピンドル構造であって、
    上下方向の中心軸まわりに回転可能であって、上下方向に係合される一対のスピンドルと、
    前記一対のスピンドルの各々に対して設けられて各スピンドルをそれぞれ支持しており、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を受けることが可能であって、アキシアル荷重を受ける向きが互いに反対にされて上下方向に離隔された一対のベアリングと、
    前記一対のスピンドルの各々に対して少なくとも1つずつ設けられて各スピンドルをそれぞれ支持しており、ラジアル荷重を受けることが可能なラジアル軸受と、
    を有し、
    前記ラジアル軸受が、アキシアル荷重を受ける向きが、前記一対のスピンドルを離隔させようとする力が働く向きとは逆向きであるベアリングの近傍に配置され、
    前記一対のベアリングの各々は、テーパローラベアリングであり、
    前記一対のベアリングは、テーパローラの回転半径の小径側が向かい合うように配置されていることを特徴とするスピンドル構造。
  2. 前記ラジアル軸受が深溝玉軸受であることを特徴とする請求項1に記載のスピンドル構造。
  3. 前記ラジアル軸受が円筒コロ軸受であることを特徴とする請求項1に記載のスピンドル構造。
  4. 前記ラジアル軸受が、テーパ穴が軸中心に形成された複列円筒コロ軸受であることを特徴とする請求項1に記載のスピンドル構造。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のスピンドル構造を有していることを特徴とするタイヤ試験機。
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