JP5666302B2 - 親水性コーティングを施した蒸気発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、親水性コーティングを施した蒸気室を含む蒸気発生装置に関する。本発明は、更に、蒸気発生装置の蒸気室に親水性コーティングを施す方法に関する。本発明は、特に、親水性コーティングを施した蒸気室を含む蒸気アイロンに関する。
水を1気圧で100℃以上に加熱することは、その水を蒸気に変換する。蒸気アイロンのような蒸気発生装置では、その蒸気を発生させるために、水が高温面に適用される。しかしながら、その蒸気は、その面とそれら水滴群との間に絶縁層を形成し、それによって、水の蒸発を事実上遅らせる場合がある。それら水滴群は、蒸気となって蒸発する代わりに、その面上で跳ね返る傾向がある。この現象は、ライデンフロスト現象と呼ばれ、概して、160℃以上で発生する。この現象は、例えば、蒸気アイロンにおいて観察される。
そのライデンフロスト現象を回避するために、その蒸気室に特別な構造(例えばリブである。)を提供することから、その蒸気室の表面におけるコーティングの使用まで、様々な方法が提案されている。適切な蒸発促進コーティングは、親水性で、且つ、適度に断熱性を有する。そのコーティングの、適度に断熱性である特性は、水が無い場合にはその表面温度を僅かに低下させ、また、その水が高温のアルミニウム基板に触れるのを防止する。一部の水がその面に触れると、その面は、事実上ライデンフロスト現象温度以下まで即座に冷却される。また好適には、そのような蒸発促進コーティングは、ある程度の多孔性を有する。その蒸発促進コーティングの親水性のおかげで、その導入された水は、その蒸気室の表面にわたって敏速に拡がる。適切な蒸発促進コーティングは、良好な湿潤、その多孔質構造への水の吸収、及び高い表面粗度の組み合わせをもたらす。
前文に記載されるこの種の蒸気発生装置は、米国特許第3499237号明細書により公知である。その公知の装置(蒸気アイロン)は、主にアルカリ金属ケイ酸塩化合物及びガラス粉で構成される、蒸発促進コーティング組成物を備える。特に、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)が用いられる。水ガラスは、硬いガラス質の層を形成するために乾燥させられ得る。その無機性のために、それは、耐熱性であり、且つ、蒸気アイロンにおける蒸発促進コーティングとして使用され得る。その高いpHのために、水ガラスは、そのアルミニウムのソールプレート基板をエッチングし、それによって、そのコーティング層のそのアルミニウムへの接着性を向上させる。水ガラスの主な欠点は、水での溶解性であり、その理由は、水ガラス内に存在する大量のアルカリである。水が蒸気アイロンの蒸気室に加えられると直ぐに、その公知の蒸発促進物質は、少なくとも部分的にその蒸気室を溶け、そして、その蒸気室からにじみ出る場合がある。この現象は、その蒸気室を水ですすぐことによってその蒸気室からカルシウムが除去されたときに、更にずっと顕著なものとなる。
米国特許第3499237号明細書
本発明の目的は、上述の問題を克服することである。特に、本発明の目的は、温暖で多湿な環境における溶解性を低減させた親水性コーティングを施した蒸気室を有する蒸気発生装置を提供することである。更なる目的は、ライデンフロスト現象に対する耐性がある蒸気室コーティングを提供することである。更なる目的は、蒸発を促進するために蒸気アイロンの蒸気室に親水性コーティング組成物を適用する方法を提供することである。
これらの及び他の目的は、アルカリ金属ケイ酸塩化合物を含む親水性コーティングを施した蒸気室を有する蒸気発生装置であり、そのコーティングが更にホウ素を含むところの蒸気発生装置によって実現される。好適には、アルカリ金属ケイ酸塩化合物を含む親水性コーティングを施した蒸気室を有する蒸気発生装置であり、そのコーティングが更に、金属元素とホウ素との塩(より好適にはホウ酸との塩)を含むところの蒸気発生装置が提供される。
本発明に従った蒸気アイロンを部分的に断面で示し部分的に立面で示す図である。
本発明に従って、親水性コーティングを施した蒸気室を有する蒸気発生装置が提供される。その親水性コーティング組成物は、アルカリ金属ケイ酸塩化合物、及び、ホウ素(好適には、金属元素とホウ素との塩)を含む。アルカリ金属ケイ酸塩化合物、及び、金属元素とホウ素との塩の併用は、硬化後に、優れた蒸発性能を備えたコーティングをもたらす。特に、本発明に係るコーティングは、蒸発促進コーティングの望ましい特徴群のほとんどを示す。そのコーティングは、ライデンフロスト現象をより高い温度にシフトさせ、良好な湿潤作用、及び、その多孔質構造への水の拡散を示すばかりでなく、そのコーティングの断熱及び剥離を防止し或いは少なくとも低減させる。本発明に従ったそのコーティング組成物の更なる有利点は、容易に噴霧可能なことである。
驚くべきことに、ホウ素(好適にはホウ酸塩)のその水ガラス(一般的にはアルカリ金属ケイ酸塩である。)への追加が、その溶解性を低下させることが判明した。そのホウ酸塩とそのアルカリとの反応が(部分的には)この有利な効果の原因であると思われる。ホウ酸塩をアルカリ金属ケイ酸塩(特に水ガラスである。)にSi:B:アルカリの一定の比率で混合することは、混合後であってもまだ水に溶解可能であるが乾燥後は溶解不能となる化合物をもたらす。ホウ酸塩を追加することが、おそらくそのアルカリ(の一部)と反応することによって、乾燥後におけるそのアルカリ金属ケイ酸塩の溶解性を効果的に低減させたようである。その結果物であるアルカリ性のホウケイ酸塩のコーティングは、アルミニウム基板への良好な接着性を示し、実質的に水に対して不溶性であり、更には、良好な蒸発性能をもたらし得る。ホウ酸塩は、例えば、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、ピロホウ酸塩等の様々な構造で存在し得ることが知られている。しかしながら、本発明は、これらの構造の何れかに限定されるものではない。便宜上、ホウ酸塩は、ホウ酸の形で、且つ/或いは、アルカリ金属元素とホウ酸との塩として、アルカリ金属ケイ酸塩に添加され得る。例えばB(OCHのようなホウ酸エステルを使用することも可能である。
本発明の好適な実施例において、その蒸気発生装置は、その金属元素がアルカリ金属元素である点で特徴付けられる。原理上は、任意のアルカリ金属元素が使用され得るが、好適な元素は、ナトリウム、リチウム、及びカリウムのグループから選ばれる。リチウムの使用は、その蒸発促進コーティング組成物の安定性が改善される必要がある場合に、特に好適である。カリウムの使用は、その蒸発促進コーティングの蒸発性能が改善される必要がある場合に、好適である。
有益な効果を生み出すために、その蒸発促進コーティング組成物におけるホウ酸塩の量は、好適には、乾燥させられたそのコーティング(そのコーティング組成物内の水は実質的に取り除かれている。)の全体構造の重量の1〜40%の間である。より好適には、ホウ酸塩の量は、重量で5〜30%の間であり、最も好適には、重量で8〜20%の間である。
そのコーティングの機械的特性(特にその強度)は、それに充填剤を添加することによって改善され得る。アルミナ及びシリカのような金属酸化物粒子、マイカ、カオリン等のような鉱物粒子、又はそれらの混合物を含め、当該技術分野で公知である任意の充填剤が採用され得る。本発明の別の好適な実施例では、その蒸気発生装置の親水性コーティングは、シリカ粒子を含む。これらの粒子は、おそらくは、それらがそのコーティングのアルカリ部分の一部を取り除き、例えばSi/アルカリ比が高められ、最終物質の溶解性を更に低減させるという事実によって、より良好なコーティングをもたらすものと思われる。コロイド状シリカ(例えばLudox(Degussa社)である。)が使用され得るが、より好適には、より粗いシリカが適用される。例としては、ヒュームドシリカ(例えばAerosil(Degussa社)である。)、又は、沈降シリカ(Sipernat(Degussa社))がある。
改善された機械的特性を備えたコーティングを作るために、その蒸発促進コーティング組成物における充填剤の量は、好適には、乾燥させられたそのコーティングの全体構造の重量の5〜60%である(用語“乾燥させられた”は、そのコーティング組成物における水が実質的に取り除かれることを意味する。)。より好適には、その充填剤の量は、重量で10〜40%の間であり、最も好適には、重量で15〜25%の間である。
また、本発明は、蒸気発生装置の蒸気室における親水性コーティングを作る方法に関する。その方法は、アルカリ金属ケイ酸塩化合物とホウ素及び金属元素の塩との混合物を準備する段階、その混合物をその蒸気室に導入する段階、並びに、親水性コーティングを形成するためにその混合物を高温で硬化する段階を含む。その混合物をその蒸気室に導入する段階は、好適には、噴霧によって実行される。
特に、その方法は、ホウ素(好適にはホウ酸である。)が水に溶かされ、それにアルカリ金属水酸化物が加えられる点で特徴付けられる。適切な金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、及び水酸化カリウムであり、水酸化カリウムが最も好適なアルカリ化合物である。この溶液は、その後、アルカリ金属ケイ酸塩化合物の溶液にかき混ぜながら入れられる。その結果物である(半透明の)溶液は、大抵は増大した粘度を有し、その後にアルミニウム基板に適用され、高温で硬化されて親水性コーティングとなる。実質的に不溶性である多孔質のホウケイ酸塩のコーティングが得られる。その得られたコーティングは、剥離及び/又は他の悪影響を発生させることなく、蒸気の形成を促進する。
本発明に従ったコーティングの更なる有利点は、適切なコーティングが広範囲の厚みで得られるという点にある。本発明に係るコーティング組成物の望ましいレオロジー(流動学)のおかげで(特に、その比較的低い粘度のおかげで)、かなり薄いコーティングが容易に適用され得る。それ故に、そのコーティング層の厚みは、使用される蒸発促進物質の特定のタイプに応じて調整され得る。厚い通気性のないコーティング層は、高温になるまでライデンフロスト現象を防止する。しかしながら、その層が厚すぎる場合、その層を通じた熱伝導は、蒸発速度を制限し過ぎることとなる。特に、低温で且つ高い水投与速度の場合、水がその蒸気発生装置から漏出し得る。その層が薄すぎる場合、低温での蒸発速度はより大きなものとなる。しかしながら、その蒸気発生装置は、この場合、ライデンフロスト現象をより引き起こし易くなり、そして、その表面に接触する水は跳ね返ることができ、高温でのその蒸気発生装置のスピッティングをもたらす。多孔質のコーティング層では、(より良好な拡散に起因する)低温、及び高温の双方において、高い蒸発速度が実現され得る。更に、層厚さは、そのコーティング物質の機械的特性によっても制限される場合がある。剥離は、コーティング層が一定の臨界厚さを超えたときに発生し得る。一般的に言えば、好適なコーティング層の厚さは、1〜100ミクロンの間で変化し、より好適には20〜80ミクロンの間で変化し、最も好適には30〜60ミクロンの間で変化する。
そのコーティングとそのアルミニウム基板との間の接着を改善するために、そのアルミニウムは、有機溶剤を用いたリンスによって、且つ/或いは、サンドブラスティングのような機械的な手段によって洗浄され得る。また、そのアルミニウム表面の湿潤は、そのコーティング混合物に界面活性剤を添加することによって改善され得る。
そのコーティング組成物の硬化は、高温で実施され、その特定の硬化温度(又は乾燥温度)は、そのコーティングの組成によって決まる。未硬化のコーティング組成物は、オーブンでの加熱によって、或いは、赤外線、超音波等のような他の任意の加熱源によって、その硬化温度にまで達せられ得る。しかしながら、その好適な硬化方法は、その蒸気室の表面自体を加熱することを含む。このようにして、そのコーティングは、その内面からその外面に向かって硬化され、そのことは、その製造されるコーティングの特性に有利な効果がある。その内面は、そのアルミニウム基板に最も近い面であり、その外面は、そのアルミニウム基板から最も遠い面である。そのコーティング組成物の速すぎる乾燥/硬化は、その硬化されたコーティングにおける沸騰によるマークをもたらす場合がある。それ故に、選択的に、そのコーティング組成物の適用前に、その蒸気室の表面をプレヒートしてもよい。
本発明はこれより添付図面及び以下の例を用いてより詳細に説明されるが、それらに限定されることはない。
図1で示される蒸気アイロンは、底面3にステンレス鋼の薄い層を備えたアルミニウムのソールプレート2によって底面が閉じられたハウジング1を含む。そのソールプレートは、その内側に直立リブ4を備え、そのリブの上にはアルミニウムプレート5が、ソールプレート2の内側とそのプレート5との間に蒸気室6が形成されるように、提供される。蒸気室6は、弾力性のあるシリコーンラバー7によって密封される。その蒸気アイロンは更に水リザーバ8を有する。ポンプ機構9によって、リザーバ8からの水は、アイロンがけされる布の上に直接噴霧され得る。ポンプ機構10によって、水は、リザーバ8から蒸気室6に注入され、このようにして蒸気出力を増大させる。この水は、プレート5にある開口を通過し、蒸気室6の底に至る。蒸気室6の底は、親水性蒸気室コーティング11が施されている。親水性コーティング11は以下の例で説明されるように製造され且つ提供される。
全ての例において、水性懸濁液が、単純混合によって、表示される含有物で作られた。このようにして得られたその懸濁液は、その後、蒸気室6の底に塗布され、そして、乾燥及び/又は硬化によって厚みが付けられた。このようにして、親水性蒸気室コーティング11(図1)が得られる。
例I−ホウ酸塩の量の影響
この一連の実験群では、硬化されたコーティングの溶解性に対するホウ酸塩の量の影響が解析された。表1で示されるように、様々な量のホウ酸が用いられた。20グラムの水ガラス(Aldrich)が、0.5、1、1.5、又は2グラムのホウ酸を溶かすために、それらホウ酸と追加の水と共に混合された。2グラムのホウ酸の追加の場合、55グラムの水が追加されても溶けなかったいくつかの沈殿物が生じた。結果として生じた物質は、アルミニウムのソールプレートに塗布され、220℃で硬化された。2分間の硬化の後、その加熱された物質上に短時間だけ水が滴下された。そのコーティングの完全性は、視覚的に観察された。ホウ酸が添加されない場合、その水ガラス層は溶解した。ホウ酸の量が増すと共に、その溶解性は低下した。Si:Bの比がおよそ2.8:1のときに、そのコーティング層は不溶性となった。
Figure 0005666302
例II−アルカリの量の影響
この一連の実験群では、そのコーティングの溶解性に対するアルカリの量の影響が解析された。水ガラスにおけるホウ酸の溶解性が限定的であるため、そのホウ酸を予め溶かし且つその結果として生じる溶液をその水ガラスに加えるために、追加のアルカリが使用された。これら実験群では、2グラムのホウ酸が、8グラムの水で、(表2及び表3で示されるように)一定量のアルカリ性水酸化物と共に混合された。そのホウ酸は溶解した。いくつかの例では、その結果として生じたホウ酸塩が再び沈殿した。
その結果として生じた溶液又はスラリーは、20グラムの水ガラスに加えられ、透明な溶液をもたらした。そのコーティング溶液は、蒸気アイロンの蒸気室に塗布され、220℃で硬化された。そのコーティングの溶解は、220℃で水を滴下しながら試験され、視覚的に確認された。
NaOHの場合(表2)、その溶解度は、0.8グラムより多いNaOHが加えられた場合に増大し始めた。ホウ素の量に正規化されると、これは、Si:Na:B=2.76:2.72:1の比に対応する。より少ない量のNaは、使用された水の量におけるそのホウ酸の不十分な溶解度をもたらした。
Figure 0005666302
LiOH(表3)についても、同様の結果が得られた。1グラムより多いLiOH.HOを加えた場合、滴下試験における部分的な溶解が観察された。ホウ素の量に正規化されると、これは、Si:(Na+Li):B=2.76:2.84:1の比に対応する。より少ない量のLiは、使用された水の量におけるそのホウ酸の不十分な溶解度をもたらした。
Figure 0005666302
KOH(表4)については、その溶解度が幾分増加し、アルカリはほとんど加えられなかった。1グラムより多いKOHの添加は、その滴下試験において部分的に溶解したコーティングをもたらした。ホウ素の量に正規化されると、これは、Si:(Na+K):B=2.76:2.65:1の比に対応する。より少ない量のKは、使用された水の量におけるそのホウ酸の不十分な溶解度をもたらした。
Figure 0005666302
ここに示された実験群は、完全なものではないが、所与の含有物の量において、加えられるべきアルカリの実用的な使用範囲がKからLiに向かって増加することを示す。
例III−充填剤の影響
機械的強度の更なる増大は、例えばシリカ又はアルミナとホウケイ酸塩との混合物を充填することによって実現され得る。また、コーティング業界における一般慣行に従って、他の充填剤が採用されてもよい。また、充填剤の添加は、そのコーティング層が塗布されたときの蒸発作用にとっても有益である。これらの実験群では、例えば微粒子径のシリカ粒子が使用されてもよい。それらは、Degussa社からAerosilとして、或いはGrace社からSyloidとして市販されている。アルミナ粒子は、例えば、Degussa社から例えばAlu-Cとして、或いはBaikowski社からBaikoloxとして入手され得る。
実施例において、2グラムのホウ酸は、1.4グラムのKOHと共に、8グラムの水に溶解された。結果として得られる溶液は、20グラムの水ガラスに加えられ、低粘度の透明溶液をもたらした。この溶液には、15グラムの水における2.8グラムのSyloid C809の分散が加えられた。結果として得られるスラリーは、蒸気アイロンの蒸気室に噴霧された。そのコーティングは、そのソールプレートを220℃まで直接加熱することによって硬化された。その白みがかった層は、良好な蒸発作用とそのアルミニウムのソールプレートに対する良好な接着性をもたらした。同量のDegussa社のAlu-C(アルミナ)を用いた場合にも、同様の結果が得られた。
コロイド状のシリカ粒子もまた、有利的に使用され得る。それらは、例えば、Ludox又はBindzilの商標名の下で市販されている。例えば、Ludox AS40の添加は、天然のホウケイ酸塩溶液の機械的強度を向上させる。
本発明に従った別の例において、2グラムの量のホウ酸は、8グラムの水に、0.5グラムのLiOH.HOと共に分散された。その混合物は、20グラムの水ガラスにかき混ぜながら入れられた。その後、Degussa社からの10.8グラムのシリカ分散(Aerodisp 1226、pH:9.55、粒子サイズ:0.25ミクロン)がその混合物に添加された。その結果として得られるコーティング組成物は、蒸気アイロンのソールプレートに噴霧され、220℃で2分間硬化された。そのコーティングに水を滴下させることは、蒸気の瞬間的な形成をもたらし、ライデンフロスト温度が220℃よりも大きいことを示した。
別の実施例において、2グラムのホウ酸が、8グラムの水に、0.5グラムのLiOH.HOと共に分散された。その混合物は、20グラムの水ガラスにかき混ぜながら入れられた。その後、7グラムのLudox AS40 (pH:9.5、20nm)と7グラムの水との混合物が、その混合物に添加された。このようにして得られたそのコーティング組成物は、ソールプレートに対して噴霧され、220℃で2分間硬化された。そのコーティングに水を滴下することは、蒸気の瞬間的な形成をもたらし、ライデンフロスト温度が220℃よりも大きいことを示した。
或いは、事前に分散された充填剤を用いる代わりに、充填剤は、ホウ酸塩溶液に直接的に分散されてもよい。
例えば、2グラムのホウ酸は、12グラムの水に、1.4グラムのKOHと共に溶解された。その後、2.8グラムのAerosil OX50が、かき混ぜながら添加され、滑らかな稠度を持つ粘着性物質をもたらした。その結果として得られる物質は、20グラムの水ガラスに加えられた。このようにして得られたそのコーティング組成物は、ソールプレートに対して噴霧され、220℃で2分間硬化された。そのコーティングに水を滴下することは、蒸気の瞬間的な形成をもたらし、ライデンフロスト温度が220℃よりも大きいことを示した。
実施例群で用いられた特定の量の含有物が、用いられた水ガラスの種類に応じて変わり得ることが強調された。水ガラスの商用グレードは、固形分及びSi/Na比において変化し得る。
本発明に従ったコーティング組成物は、ホースによってアイロンに接続される別体の蒸気室を有するシステムアイロンにも使用され得る。
本発明は、親水性コーティングを施した蒸気室を有する蒸気発生装置に関する。その親水性コーティングは、アルカリ金属ケイ酸塩化合物とホウ素(好適にはホウ素と金属元素との塩)とを含む。そのコーティングは、蒸発を促進し、且つ、剥離に対する耐性を示す。また、本発明は、蒸気発生装置の蒸気室において親水性コーティングを形成する方法、及びその蒸気発生装置を含むアイロンに関する。

Claims (10)

  1. アルカリ金属ケイ酸塩化合物を含む親水性コーティング組成物を施した蒸気室を有する蒸気発生装置であり、
    前記コーティング組成物は、ホウ素及び充填剤を更に含
    前記充填剤の量は、前記親水性コーティング組成物の重量の5乃至60%である、
    蒸気発生装置。
  2. 前記ホウ素は、ホウ素と金属元素との塩として前記親水性コーティング組成物に含まれる
    請求項1に記載の蒸気発生装置。
  3. 前記金属元素は、アルカリ金属元素である、
    請求項2に記載の蒸気発生装置。
  4. 前記アルカリ金属元素は、リチウム及び/又はカリウムである、
    請求項3に記載の蒸気発生装置。
  5. 前記アルカリ金属ケイ酸塩化合物は、ケイ酸ナトリウム化合物を含む、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の蒸気発生装置。
  6. 前記ホウ素と金属元素との塩の量は、好適には、乾燥させられた前記コーティングの重量全体の1〜40%の間である、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の蒸気発生装置。
  7. 前記親水性コーティングは、シリカ粒子を含む、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の蒸気発生装置。
  8. 蒸気発生装置の蒸気室における親水性コーティングを製造する方法であって、
    アルカリ金属ケイ酸塩化合物とホウ素及び金属元素の塩と充填剤との混合物を準備するステップ、
    前記混合物を前記蒸気室内に導入するステップ、並びに、
    耐酸性で親水性のコーティングを形成すべく高温で前記混合物を硬化させるステップ、
    を有する方法において、前記充填剤の量は、前記親水性コーティング組成物の重量の5乃至60%である方法。
  9. 前記混合物は、前記蒸気室の表面を加熱することによって、高温に移行させられる、
    請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の蒸気発生装置を有する蒸気アイロン。
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