本発明は、ごく一般的なレベルにおいて材料処理の利用に適用される放射移送技術に関する。
本発明は、特にファインプラズマの提供方法に向けられている独立方法クレームの前文に記載のファインプラズマの提供方法に関する。本発明は、冷間加工法に向けられている独立方法クレームの前文で規定される冷間加工法にも関する。本発明は、被覆方法に向けられている独立方法クレームの前文で規定される被覆方法にも関する。本発明は、真空アブレーション設備に向けられている独立クレームの前文で規定される真空アブレーション設備にも関する。本発明は、表面処理方法に向けられている独立方法クレームの前文で規定される表面処理方法にも関する。本発明は、被覆方法の使用に向けられている独立使用クレームで規定される被覆方法の特定の使用にも関する。
近年レーザー技術が大幅に進歩し、現在では、例えば冷間アブレーションにおいて用いることができるまずまずの効率を有するファイバーに主に基づく半導体レーザーシステムを製造することが可能である。
しかしながら、レーザービームを移送するためのファイバーレーザー中の光ファイバーは、高出力パルス圧縮レーザービームを加工スポットまで移送することには適さない。ファイバーは、高出力パルスの移送にまったく耐えられない。レーザービームの移送において、光ファイバーが導入される1つの理由は、加工スポットまでミラーにより何もない空間を通して、1箇所からもう1箇所へレーザービームを移送することはそれ自体極めて難しく、工業規模において正確に実施することはほとんど不可能だからである。更に、空気中の不純物、他方では空気の構成成分中の散乱および吸収機構が、レーザー出力における損失を引き起こす可能性があり、それは標的にて予測困難な方法でビーム出力に影響を及ぼす。当然、自由空間を伝搬するレーザービームも、重大な安全上のリスクを引き起こす。
全ファイバーベースのダイオード励起半導体レーザーと競合するのは、ランプ励起レーザー起源であり、そこではまずレーザービームがファイバーに伝導され、それから更に加工スポットに伝導される。本出願の優先日において出願人が入手可能な情報によれば、現在のところ、これらのファイバーベースのレーザーシステムが、工業規模においてレーザーアブレーションをベースとする製造を実現する唯一の方法である。
従って、今日のファイバーレーザーのファイバーおよび限定されるビーム出力は、材料が蒸発されうることに関して制限を課す。アルミニウムそれ自体は、妥当なパルス出力を用いて蒸発されうるのに対し、銅、タングステンなどのような蒸発させることがより難しい材料は、かなり高いパルス出力を必要とする。
同じことが、同じ従来技術を用いて新規な化合物を生成したい場合に当てはまる。記載すべき例は、例えば、炭素からダイヤモンドを直接的に製造すること、またはレーザーアブレーション後の状況における適当な条件における気相反応により、アルミニウムおよび酸素から酸化アルミニウムを直接的に製造することである。
ファイバーレーザー技術に関して、他の問題も存在する。例えば、大量のエネルギーを光ファイバーを通じて移送することはできず、大量のエネルギーを光ファイバーを通じて移送すると、ファイバーの溶融および/または破損につながり、あるいは移送される高出力のためにファイバーが変形して、レーザービームの品質が大きく損なわれることになる。既に10μJのパルス出力でさえも、ファイバーが些細な構造的または品質的弱点を有していると、ファイバーを損傷させる可能性がある。ファイバー技術において、特に損傷を受けやすい構成物は、例えば励起ダイオードなどといった複数の出力起源を一体に接続するファイバー光カプラである。
パルスが短いほど、パルス内のエネルギー量は大きく、従って、レーザーパルスが短くなるほど、この問題は一層深刻になる。ナノ秒パルスレーザーにおいて、問題は既に現れる。
新規な冷間アブレーションを用いる場合、被覆、薄膜製造および切削/溝切り/彫刻などに関連する品質および製造速度の双方に関する問題は、レーザー出力を増大させることおよび標的上のレーザービームのスポットサイズを縮小させることに注力することによって対処されてきた。しかしながら、出力増加のかなりの部分が雑音に消費されてしまう。品質および製造速度に関する問題は、幾つかのレーザー製造者がレーザー出力に関する問題を解決したものの、依然として存在したままである。被覆/薄膜および切削/溝切り/彫刻等の双方の典型的なサンプルを、低い繰り返し率、狭い走査幅および長い加工時間においてのみ製造することができ、それ自体が工業的な実現可能性から外れており、このことは大きな目的物に対して特に強調される。
フェムトまたは更にアト秒スケールまでパルス持続時間を更に短くすることは、問題を解決不可能にさせる。例えば、10〜15psのパルス持続時間を有するピコ秒レーザーシステムにおいて、レーザーの総出力が100Wであり、繰り返し率が20MHzである場合、パルエネルギーは10〜30μmのスポットに対して5μJである。そのようなパルスに耐えうるそのようなファイバーは、まさに優先日に本出願人が知る限りでは、本出願の優先日には入手できていない。
しかしながら、ファイバーレーザーの用途の重要な分野であるレーザーアブレーションにおいては、最大および最適なパルス出力およびパルスエネルギーを達成することが極めて重要である。パルス長が15psであり、パルス出力が5μJであり、総出力が1000Wである状況を考えると、そのパルスのエネルギーレベルは約400,000W(400kW)である。本出願の優先日において出願人が入手できる情報によれば、15psのパルス長を有する200kWのパルスでさえも、パルス形状を最適な状態に維持して移送するファイバーの製造に誰も成功していない。
そうではあるものの、任意の利用可能な物質でのプラズマ生成にあたり、機器を限定しないことを望む場合、パルスの出力レベルは、例えば200kWおよび80MWの間で自由に選択されなければならない。
しかしながら、今日のファイバーレーザーに関する問題はファイバーのみに限定されるわけではなく、得られるビームがただ1つのファイバーを通って加工スポットに導かれる、所望の総出力を達成するために、光カプラによって分離したダイオードポンプを結合させることにも関係する。
適用可能な光カプラもまた、高出力パルスを加工スポットへと運ぶ光ファイバーと同じ大きさの出力に耐えなくてはならない。更に、パルスの形状は、レーザービームの移送の全段階において最適に保たれなければならない。現在の出力値に耐えるだけの光カプラでさえ、極めて製造が高価であり、信頼性にかなり乏しく、消耗に晒されやすい部材を構成しており、それゆえ、それらは定期的な交換を必要とする。
製造速度は、または繰り返し率または繰り返し周波数に直接的に比例する。一方で、公知のミラーフィルムスキャナ(ガルバノスキャナまたは前後運動型スキャナ)は、前後運動を特徴とする方法でその負荷サイクルを実行し、負荷サイクルの両端におけるミラーの停止、ならびに転換点に関係する加速および減速ならびにそれに関係する瞬間的な停止が多少問題であり、それらすべてのことがミラーのスキャナとしての利用を制限するだけでなく、特に走査幅を制限する。繰り返し率を増大させることにより、製造速度を大きくさせようとするならば、放射が加速および/または減速しているミラーによって標的に衝突する場合、そのような加速および減速は走査範囲を狭くさせる、あるいは放射の分布、ひいてはプラズマの分布を不均一にさせる。
パルス繰り返し率を単に増大させることにより被覆/薄膜の製造速度を大きくさせようとするならば、上述の公知のスキャナは、制御不可能な方法で、既にkHz範囲の低いパルス繰り返し率における標的領域の重複スポットへとパルスを向ける。
同じ問題がナノ秒範囲のレーザーにも当てはまるが、高いエネルギーを有する長いパルスのせいで、問題は当然より深刻である。それゆえ、ナノ秒範囲のただ1つのパルスでさえも、標的材料を激しく浸食する。
レーザービームおよびアブレーションに基づく従来技術のハードウェアの解決法は、例えばスキャナに特に関連して、出力および品質に関する問題を抱えており、アブレーションの観点から、繰り返し周波数を、良好かつ一様な品質の製品の大規模大量生産を可能にできる水準まで高めることができない。更に、従来技術のスキャナは、蒸発ユニット(真空チャンバー)の外部に位置しており、従ってレーザービームを光学窓を介して真空チャンバーへと導かなければならず、このことが出力を常にある程度減少させる。
出願人が入手可能な情報によれば、本出願の優先日において公知の機器を使用するとき、アブレーションにおける有効出力は約10Wである。また、例えば繰り返し周波数は、レーザーにおいてわずかに4MHzのチョッピング周波数に制限されうる。パルス周波数をさらに高くしようと試みる場合、従来技術によるスキャナでは、レーザービームのパルスのかなり大きな部分が、レーザー装置の壁構造へと制御不能に向けられ、プラズマの形態でアブレーションされる材料へも向けられ、製造される表面の品質および製造速度が損なわれるという正味の効果を有している。更に、標的に衝突する放射フラックスが充分に一様でなく、これがプラズマの構造に悪影響を及ぼす可能性があり、したがって被覆対象の表面に衝突するとき、非一様な品質の表面を形成する可能性がある。
そして、標的が、その表面が成形される、機械加工される、加工されるその一片および/または部分である機械加工または加工において、切削効率および切削の品質の双方が影響を被ることが容易に生じる。更に、切削点の周囲の表面ならびに被覆される表面そのものに跳ねが載るという重大な危険がある。加えて、従来技術の技法においては、繰り返しの表面処理によって複数の層を達成することに時間がかかり、最終結果の品質が、必ずしも充分に一様でない。例えば、出願人は、プリンターで強固な3次元の目的物を製造するために用いることができる、本発明の優先日までに公表されたいずれの技術も知らない。
本出願の優先日において出願人が承知している公知のスキャナによれば、走査速度が約3m/sにとどまるばかりか、走査速度が真に一定ではなく、走査の最中に変化する。これは、従来技術によるスキャナが、走査距離の行程を終えたときに停止し、その後に反対方向に移動して走査手順を繰り返す、取り付けられた回転ミラーに基づいているからである。前後に動くミラーも知られているが、これらも運動の非一様性という同じ問題を抱えている。平面ミラーによって実現されたアブレーション技法が、米国特許6,372,103号明細書および米国特許第6,063,455号明細書に開示されている。走査速度の加速、減速、および停止ゆえに走査速度が一定でなく、プラズマの発生および品質は走査速度に完全に依存するため、加工スポットでの蒸発によって生成されるプラズマの発生も、標的の種々のスポットにおいて相違し、特に走査範囲の極端において相違する。ある意味で、従来技術の装置を使用するとき、エネルギーレベルおよび単位時間当たりのパルスの数が大になると、この欠点も大きくなることを、主たる法則と考えることができる。成功するアブレーションにおいては、物質が原子の粒子へと蒸発させられる。しかしながら、外乱が存在するとき、標的材料が、数マイクロメートルのサイズとなりうる破片として放出され/分離するようになり、当然ながら、アブレーションによって製造される表面の品質に影響を及ぼす。
今日のスキャナの速度は低いため、パルス周波数を高めることは、非常に高いエネルギーレベルをミラー構造へと向ける結果となり、レーザービームがスキャナへの到達前に拡大されないならば、今日のミラー構造を溶融/焼損させる結果となりうる。従って、別途の収集レンズ手段が、スキャナとアブレーションの標的との間に追加で必要とされる。
今日のスキャナの動作原理は、それらが軽量でなければならないように決定づけている。このことは、レーザービームのエネルギーを吸収するための質量が比較的小さいことを意味する。この事実が、現在のアブレーション用途における溶融/焼損の危険を更に高めている。
従来技術の技法では、標的は不規則に摩耗するばかりでなく、容易に砕け、プラズマの品質を劣化させる可能性もある。それゆえ、そのようなプラズマで被覆される表面は、プラズマの有害な影響、およびその中に異常をもたらすプラズマ中を飛行する破片を被る可能性もある。表面および切断線は破片を含む可能性があり、プラズマは均一に分布しないこともあって、そのような被覆などを形成する。精度に厳しい用途において、このことは問題であるが、欠陥が用途そのものの検出限界を下回っている場合、例えば、インク、塗料または装飾用の着色剤のような被覆においては、それほど重大な問題にはならない可能性がある。
今日の方法では、たった一度の使用で標的を摩耗させ、同じ標的を再び同じ表面で、更に使用するために利用することはできない。標的の新品の表面のみを利用することにより、標的材料および/またはビームスポットを適宜動かすことにより、この問題は対処されてきた。
加工もしくは作業関連の用途において、幾らかの破片を含む余剰物または残骸は、例えば、流量制御で穴を開ける場合のような場合、切断線を不均一にし、その結果、不適切にすることもある。表面はまた、放出される破片によってもたらされる不規則な凹凸のある外観を有するように形成される可能性もあり、これは例えば、ある種の半導体の製造に好ましくないことがある。
加えて、前後運動するミラーフィルムスキャナは慣性力を生じさせ、それは構造体そのものばかりでなく、ミラーが取り付けられるおよび/またはミラーを運動させるベアリングにも負荷を与える。特にそのようなミラーが操作可能な設置の末端部近くで動作する場合に、そのような慣性がミラーの取り付けを徐々に緩ませて、長期間のうちに、設置の移動を引き起こすことがあり、このことは製品品質の不安定性から理解される。動作の停止ならびに方向およびそれに関連する速度の変化のせいで、そのようなミラーフィルムスキャナは、アブレーションおよびプラズマ製造に用いる走査幅が非常に限定される。動作はどうみても非常に遅いが、有効負荷サイクルはサイクル全体に対して比較的短い。ミラーフィルムスキャナを使用するシステムの生産性を向上させるという観点から、プラズマ生成速度は必然的に遅く、走査幅は狭く、長期間のスケールにおいて動作は不安定であるばかりでなく、収率もプラズマ中への不要な粒子放射の影響を被る可能性が高く、結果的に、製品も加工および/または被覆を経て、プラズマによる影響を受ける。
従来技術の解決法における1つの問題は走査幅である。これらの解決法は、ミラーフィルムスキャナに線走査を用い、それによって理論的には、約70mmの名目上の走査線幅を達成できるが、実際には、走査幅は30mm前後であっても問題が残されていることがあり、それゆえ、走査領域のフリンジ領域は、品質が不均一および/または中央領域と異なる状態で残される可能性があることを、理解することができるだろう。巨大で幅広な目的物に対する表面処理用途において、現在のレーザー装置の使用が、工業的に実現不可能あるいは技術的に実行不可能であるという事実の一因は、このように小さい走査幅である。
図67は、図中で従来技術を参照するために、それ自体を識別する番号および局部的に用いられる参照番号を有して、従来技術による状況を図示する。ここでは、レーザービームは焦点から外れ、その結果、得られるプラズマはかなり低い品質になる。放出されるプラズマは、標的の破片116を含む可能性がある。同時に、蒸発させられるべき標的は、それ以上使用できなくなる程度まで損傷する可能性がある。材料母材114、即ち、厚すぎる標的を用いる場合、従来技術において、この状況は一般的である。焦点を最適に保つために、材料母材114が消費される程度と等しい距離、レーザービーム111の入射方向に、材料母材114をz方向の移動117のように動かさなければならない。しかしながら、たとえ材料母材114を焦点に戻すことができたとしても、材料母材114の表面構造および組成は既に変化しており、その変化の程度は標的114から蒸発させられた材料の量に比例するという問題は解決されない。従来技術による厚い標的の表面構造も、それが摩耗するにつれて変化するであろう。例えば、標的が化合物または合金である場合、この問題は容易に見られる。
従来技術による設備においては、アブレーションの最中にレーザービームの焦点が蒸発させられるべき材料に対して変化すると、材料の表面におけるパルスエネルギー密度が(通常は)低下して、プラズマの蒸発/生成がもはや完全でなくなるため、プラズマの品質はすぐに悪影響を受ける。これは、低エネルギーのプラズマ、不必要に大量の破片/粒子、ならびに表面の形態の変化につながり、被覆の付着および/または被覆の厚さの変化につながりうる。
焦点を調節することによって問題を軽減する試みがなされている。従来技術による機器において、レーザーパルス繰り返し周波数が例えば200kHz未満などと低く、走査速度がわずかに3m/s以下である場合、プラズマの強度の変化の速度は低く、したがって機器は、焦点を調節することによってプラズマの強度の変化に反応するための時間を有する。いわゆるリアルタイムのプラズマ強度測定システムを、a)表面の品質およびその一様性が重要でない場合、またはb)走査速度が小さい場合には、使用することが可能である。
そこで、本出願の優先日において出願人が知りうる情報によれば、従来技術の技法を使用して高品質のプラズマを生成することは不可能である。したがって、きわめて多くの被覆は、従来技術による高品質な製品として製造することが不可能である。
従来技術によるシステムは、それらにおいて使用しなければならない複雑な調節システムを含む。現時点で知られている方法において、材料母材は、通常は太い棒または厚いシートの形態である。材料母材が消費されるにつれて、ズーム焦点レンズを使用しなければならず、あるいは材料母材をレーザービームに向けて動かさなければならない。これを実行するための試みは、充分に信頼できる方法で何とか可能な場合でも、すでにきわめて困難かつ高価であり、その場合でも、品質が大きく変化するため精密な制御はほぼ不可能であり、厚い母材の製造が高価につき、以下同様である。
米国特許第6,372,103号は、現在の技法が、無作為な偏光の光としてではなく、主としてS偏光した光、または代わりに主としてP偏光した光あるいは円偏光した光としてのみ、レーザーパルスをアブレーション標的へと向けることができることを教示している。
本発明の態様の一般的な説明
本発明の1つの目的は、従来技術に関係する問題を解決でき、あるいは少なくともそれらを軽減できる手段により、表面処理装置を導入することである。本発明のもう1つの目的は、本出願の優先日に公知であった従来技術の技法を用いてなすことができるより、より効率的に目的物を被覆し、より高品質な表面を有するための方法、装置および/または構成を導入することである。本発明のもう1つの目的は、アブレーション領域から標的の制御されるアブレーション深さまでの標的材料を、アブレーションで用いられる光子放射によりプラズマ相に変化させることによって、標的から高品質なプラズマを生成することである。本発明の更にもう1つの目的は、本出願の優先日に公知であった従来技術の技法を用いてなすことができるより、より効率的に目的物を繰り返し被覆し、より高品質な表面を有するための表面処理装置の技術により実行可能な、3次元印刷ユニットを更に導入することである。目的物は以下の目的に関係する。
本発明の第1の目的は、標的材料がプラズマ中に粒子状破片を少しも形成しない、即ち、プラズマが純粋なプラズマであり、あるいは破片が存在するとしても滅多になく、その寸法は少なくとも、アブレーションにより該標的からプラズマを発生させるアブレーション深さよりも小さいように、実際にいずれの標的からも得られる高品質なファインプラズマをいかにして提供するかという問題を解決するための少なくとも新規な方法および/または関係する手段を提供することである。
本発明の第2の目的は、標的から該アブレーション深さまで材料を除去する冷間加工法において、高品質なファインプラズマを放射することにより優れた切削経路をいかにして提供するかという問題を解決する少なくとも新規な方法および/または関係する手段を提供することであり、その結果、冷間加工すべき標的は粒子状破片が少しもない状態を保ち、あるいは破片が存在するとしても滅多になく、その寸法は少なくとも、アブレーションにより該標的からプラズマを発生させるアブレーション深さよりも小さい。
本発明の第3の目的は、アブレーションにより該標的からプラズマを発生させるアブレーション深さよりも寸法が大きい粒子状破片が存在しないファインプラズマによって、被覆されるべき基材領域をいかにして被覆するか、即ち、実際にいずれの材料も起源となる純粋なプラズマによって、基材をいかにして被覆するかという問題を解決する少なくとも新規な方法および/または関係する手段を提供することである。
本発明の第4の目的は、粒子状破片の存在を制限し、あるいはそれらの寸法を該アブレーション深さよりも小さくすることによって、粒子状破片への運動エネルギーの浪費を抑制するようにして、該ファインプラズマによる基材への被覆の優れた接着性を提供することである。同時に、粒子状破片は、顕著な状態では 存在しないために、核生成および凝縮に関係する現象によりプラズマプルームの均一性に影響を与えうる冷却表面を形成しない。加えて、第4の目的によれば、好ましくは放射パルスの短パルスを用いることにより、即ち、ピコ秒範囲で、または時間的な持続時間においてそれより短いパルスで、2つの連続するパルスの間にピッチを有し、熱影響領域を最小化することにより、アブレーション事象における放射エネルギーをプラズマの運動エネルギーへと効率的に変換する。
本発明の第5の目的は、広い走査幅をファインプラズマ品質と同時にいかにして提供し、工業的な方法における大きな物体用の広い被覆幅を提供するかという問題を解決するために、少なくとも新規な方法および/または関係する手段を提供することである。
本発明の第6の目的は、先に記載した本発明の目的の少なくとも1つによる工業規模での用途を提供するために、用いられるべき高い繰り返し率をいかにして提供するかという問題を解決するために、少なくとも新規な方法および/または関係する方法を提供することである。
本発明の第7の目的は、必要とされるものと同じ品質の被覆/薄膜を提供する被覆段階において、用いられるべき標的材料を節約しながら、第1から第6の目的の少なくとも1つに沿った製品を製造するために、いかにして表面を被覆するためのファインプラズマを提供するかという問題を解決するために、少なくとも新規な方法および/または関係する手段を提供することである。
本発明の更なる目的は、目的物と一致する各種類の製品のために、いかにして表面を冷間加工および/または被覆するかという問題を解決するために、該第1、第2、第3、第4および/または第5の目的のうち少なくとも1つの目的に沿った方法および手段を使用することである。
ファインプラズマの先に記載した目的に沿い、本発明の態様に基づくファインプラズマを提供する方法は、ファインプラズマを提供する方法に向けられた独立方法クレームの特徴部分に記載していることを特徴とする。ファインプラズマの先に記載した目的に添い、本発明の1つの態様に基づく冷間加工法は、冷間加工法に向けられた独立方法クレームの特徴部分に記載していることを特徴とする。ファインプラズマの先に記載した目的に添い、本発明の1つの態様に基づく被覆方法は、被覆方法に向けられた独立方法クレームの特徴部分に記載していることを特徴とする。ファインプラズマの先に記載した目的に添い、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備は、真空アブレーション設備に向けられた独立クレームに記載していることを特徴とする。ファインプラズマの先に記載した目的に添い、本発明の1つの態様に基づく表面処理方法は、表面処理方法に向けられた独立方法クレームの特徴部分に記載していることを特徴とする。ファインプラズマの先に記載した目的に添い、本発明の1つの態様に基づく被覆方法の使用は、被覆方法の使用に向けられた独立使用クレームに記載していることを特徴とする。
本発明の他の態様を独立クレームに示す。
目的物および目的の調整における本発明の1つの態様によれば、アブレーション深さに対するアブレーション閾値を上回る光子放射フルエンスを有している望ましいアブレーション深さに対応するように、アブレーション領域上の光子放射のスポットサイズを調整することによって、アブレーション深さの制御を達成する。
本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく冷間加工法において、そのようなファインプラズマの生成は、標的を平滑かつ破片がない状態で残す。製造すべき製品が、冷間加工された表面特性を有する標的片そのものである場合、このことは特に都合がよい。被覆に用いる場合、そのようなファインプラズマの生成は、プラズマ相から基材に平滑できれいな被覆表面を提供する。
本発明の1つの態様によれば光子放射を用い、そのような光子放射は、該光子放射パルスを標的物体上のアブレーション領域のスポットへ走査させるように配置したタービンスキャナを有する光学経路を通って、パルス状の形態で、その起源からアブレーション標的へ向けられる。本発明の態様によれば、アブレーション深さはスポットサイズよりも小さく、アブレーションは、アブレーション深さまで除去されるべき標的領域の層において、標的材料の支配的な熱エネルギー移動機構の緩和時間と基本的に同じまたはそれより小さい持続時間を有するパルス内で起こる。本発明の1つの態様によれば、アブレーション深さよりも下にある熱影響領域が大きく形成されることを防ぐ別の機構および/またはアブレーション領域中の有効なものが存在するならば、その代わりにパルス持続時間は該緩和時間より長くてよい。
本発明の1つの態様によれば、ファインプラズマの概念のためのプラズマ品質の分類を規定するために、その目的を用いることができる。
本発明の1つの態様によれば、放射パルスを熱エネルギー移動の緩和時間よりも短く、中間ピッチをそれよりも長く選択すると、スポットにおける局所機構、表面材料の組成および/または構造の特定のエネルギー移動機構によって、少なくとも部分的に、基材物体の中へより深く熱エネルギーを伝導させないように保たれ、加工深さがアブレーション深さである用途において、アブレーション深さよりも下にある熱影響領域(HAZ)は最小化される。従って、アブレーションにおいて用いられる放射の熱エネルギーを、効率的にアブレーション深さまでの基材の層に著しく集中させて、その結果として、基材の構造を熱衝撃および/または伸張から守り、破砕といった重大な現象を防ぐ。
公知技術における程度の差はあれ無作為にあるいはさもなければ自由な方法において、熱的な伸張のために基材表面上の破砕が表面をでこぼこまたは不均一にさせるが、本発明の目的に基づき第1の基材スポットから作られるファインプラズマの生成は、隆起および/または窪みをもたらす破片を生むことなく、非常に平滑な表面を後に残し、それゆえ、ファインプラズマを生成するために、再び同じスポットを使用することができる。
本発明の態様に関して、アブレーションに使用する放射により照射される領域を意味するようにスポットを用いるが、スポットの形状を具体的にいずれかの円錐曲線に限定するようには意図しない。従って、1つの態様において、スポットは、輪、円形、楕円形または円錐形であってよく、しかし別の態様では、直線形または長方形であってよい。本発明の更なる態様によれば、スポットを、重複しないサブスポットの集合体とみなすことができる。本発明の1つの態様によれば、スポットは、アブレーション閾値を上回るサブスポットにおいて、アブレーションに用いられる回折パターンを含む。
想起されるほとんどの場合において、1つの放射ビームによりまたは種々の形状を有する複数の放射ビームを組み合わせることなく、アメーバ形の星状スポットまたはサブスポットを得ることは、全く不可能ではないにしても、難しい可能性がある。しかしながら、ある場合においては、本発明の局面により作られる、例えば装飾などのある態様において望ましいスポット形状を有するシェープロン(shaplone)または型板を用いることは、都合がよい。もちろん、望ましい深さおよび/または層厚さまで基材を加工する時間より長く、基材のアブレーションにおいて用いられる放射に、シェープロンまたは型板が耐える場合である。
1つの態様によれば、放射透過材料の導波材(wave guide)である型板基材の上に、標的材料が積層するように、型板を用いることができるが、被覆すべき基材を型板基材の上に設置し、アブレーション放射が型板基材の中に入射する場合、本質的に基材と接触してアブレーションを行なうことができるように、型板を配置する。
従って、型板基材が供給されて通過する放射出力に耐えるならば、巨視的なスケールにおいて、アブレーションリソグラフィー法等を用いることができる。型板基材の全領域の単一の閃光技法の代わりに、型板基材を多数のスポットにおいて連続しておよび/または並行して照射することができ、被覆すべき基材上に標的をアブレーションさせる。例えば、ホログラム製造はそのような技術の恩恵を受けることができる。1つの態様によれば、ホログラムのもう1つの種類として、格子ホログラムとして用いられる反対のモルホロジーを有する一片を形成するための形態として、更に用いるために、ホログラフのレジストを作ることができる。
本発明の別の態様によれば、単一の閃光は、マイクロまたはナノ構造の製造において好都合になりうる。標的材料を、マイクロまたはナノ構造のスケールでピン上に積層させることができ、ピンを標的と一緒に型板基材として用いる。ピンがアブレーションするまで放射を受ける場合、標的はアブレーションし、得られるプルームは標的に当たり、被覆すべき基材を被覆させる。
本発明の1つの態様によれば、数十年前の針式マトリックスライター中の針のような所定の方法でピンを連続しておよび/または並行して用いることができる。本発明の1つの態様によれば、隣の標的を被覆するために、ピンを再利用することができる。複数のピンまたはピンの群を用いて、それらの被覆および基材の被覆を改める場合、表面のマイクロまたはナノ加工を達成することができる。もちろん、マイクロ構造を彫刻するために用いられる標的の被覆を行なわずに、複数のピンまたは群を残すことができる。マイクロまたはナノスケールの使用における近接条件は、強い粘着力のせいで接することが好まれることがある。しかしながら、所定の描画方法のために、ピンと基材との間の距離を、例えばAFM顕微鏡により、手動でまたは本発明の1つの態様に沿って自動で測定および/または調整することができる。
本発明の1つの態様によれば、プラズマをその品質によれば分類する。
特定の被覆用途に対するプラズマの品質は、プラズマ構成物および/またはその特性ならびにプラズマが接着すると思われる基材によって決まる。
本発明の1つの態様によれば、プラズマおよび基材のセットの理論上の最高接着性に対する得られた接着性(a)に基づき、プラズマを5つのクラスに分類する。例えば、基材上で最大値の100〜80%の接着性を生じるプラズマを第1クラスプラズマと見なすことができ、最大値の80〜60%を生じるプラズマを第2クラスと見なすなどとなっており、被覆と基材との間で最大接着性の20〜0%を生じるプラズマは、第5クラスに存在する。この区分けは単なる例であり、他の区分けラインをプラズマの接着性を分類するために用いることができる。
本発明のもう1つの態様によれば、粒子の少なさの特性に基づき、プラズマ自体を分類することができる。例えば、下記の例示的な方法で行なう:粒子含有量(p)によりプラズマを5つのクラスに分類し、クラス1では、プラズマ層においてプラズマ構成物よりも大きな粒子を全く含まない純粋なプラズマが存在し、クラス2ではサイズ比率が107〜105である粒子のみ含み、クラス3ではサイズ比率105〜103を有する粒子を含み、クラス4ではサイズ比率103〜10を有する粒子を含み、クラス5ではサイズ比率10〜10ー1を有する粒子を含む。サイズ比率は、粒子の特性サイズに対するビームスポットの特性スポットサイズの比率を意味する。分類のためのこの区分けは単なる例で、他の区分けラインをプラズマの分類に用いることができる。
本発明のもう1つの態様によれば、アブレーション後に残る標的表面自体を、その平坦度率により分類することができる。平坦度率は、表面フォーメーションの特徴的な高さ/深さの比率に対するビームスポットの特徴的なスポットサイズを意味する。例えば、下記の例示的な方法による:高さ/深さにより標的平坦度を5つのクラスに分類し、クラス1では検出限界内で測定できる高さは全く存在せず、クラス2ではサイズ比率が107〜105である表面フォーメーションのみが存在し、クラス3ではサイズ比率が105〜103である表面フォーメーションのみが存在し、クラス4ではサイズ比率が103〜10である表面フォーメーションのみが存在し、クラス5ではサイズ比率が10〜10ー1である表面フォーメーションのみが存在する。この区分けは単なる例で、他の分割分類ラインをプラズマの接着性分類のために用いることができる。
1つの態様によれば、少なくとも一定条件における複数のプラズマを比較するために(a,p,s)分類を用いることができ、それは2つまたはそれより多くの同一条件間で、許容精度を有してよい。a、pおよびsのような要素を、プラズマの発生に対する各々の貢献度合いにより、態様に基づく被覆を含む装置および/またはシステムを分類するためにも用いることができる。本発明の態様によれば、(a,p,s)分類に基づく最も望ましいプラズマの生成は、先の例を考慮すると、ファインプラズマのための(1,1−2,1)または(1,1−2,2)であってよいが、記載したものに限定しない。
もう1つの態様によれば、被覆/加工厚さ、即ち、表面を利用するために被覆平坦度の観点から処理した表面の期待平坦度により、ファインプラズマを規定する。標的に関する分類の範囲内で示されるような平坦度を規定することができ、例えば、被覆された表面平坦度を高さ/深さに基づき5つのクラスに分類し、クラス1では検出限界で測定できる高さは全く存在せず、クラス2ではサイズ比率が107〜105である表面構造により主に特徴付けられ、クラス3ではサイズ比率が105〜103である表面構造により主に特徴付けられ、クラス4ではサイズ比率が103〜10である表面構造により主に特徴付けられ、クラス5ではサイズ比率が10〜10ー1である表面構造により主に特徴付けられる。従って、上記基準が単独で用いられる場合、例示部分と組み合わせることをも意味するが、被覆の期待される平坦度が、その目的のために被覆された際の表面の平坦度と同じまたはそれより小さい場合、そのプラズマは、本発明の1つの態様に基づくファインプラズマに分類されうる。即ち、ある場合では、クラス5でさえ、ファインプラズマとなりうる。従って、先の(a,p,s)分類において、それは、表面平坦度分類のパラメーター化によっては示されない。しかしながら、ある用途における表面平坦度に対して、分類は用途に依存してよく、それゆえ、例えば、特定の使用法のための表面に関するような被覆事象のより有益な部分を提供する。
先に示したようなプラズマ分類の概念を読み、理解する時、当該技術分野における当業者は、分類パラメーターa、pおよび/またはsの各々に対して、リニアスケールで示される要素を、底が2,e,10またはもう1つの数字となり得る対数スケールで表すことができることを理解する。各スケールパラメーターの尺度は桁を用い、桁の反対の種類も用いることができる。桁は、達成すべきクラス分類のために、対数またはリニアスケールに全く限定されない。逆のパラメーターも用いてよい。現在、a、pおよびsを種々の方法で区分けすることができる。先の例のように、リニアスケールが存在する。この例は5段階の分類であるが、表面処理に関する特定の用途向けのファインプラズマ概念ある粗いまたは細かい分類に、より数の少ない分類またはより数の多い分類を用いることができる。
本発明の1つの態様によれば、標的および放射源を互いに関して移動させる。本発明のもう1つの態様によれば、スキャナが存在し、それは、標的表面に関して移動させるために、放射源のビームを走査し、標的上にアブレーションスポットを形成させる。
本発明により具体化される放射源設備は、放射源から標的までの該経路中にタービンスキャナを含み、パルス状の高出力放射として放射ビームを導くように配置される放射移送の経路を含む。
本発明の1つの態様によれば、放射源設備は、放射を生成するように配置する放射源、および外部の光ファイバーまたは外部の光高出力コネクタを通して移送させることなく、該放射を加工標的の中に導くように配置する光学経路を含み、それによって本発明の目的を達成する。
本発明の1つの態様によれば、標的本体、および基材を包囲する被覆体積の中に注がれる材料の少なくとも一方から始まる物質の化学反応により表面上に被覆を構成するための、更なる構成物を選択することを更に含む。アブレーションのために第2標的材料表面を第2スポットから選択し、該第1スポットと該第2スポットとの間で、該第1スポットおよび該第2スポットとは異なるアブレーション経路上の第3スポットから、ファインプラズマを発生させることができる。該第3スポットは、該第1および第2スポットとは異なる経路上にあって、該第1および第2スポットとは異なる標的上にあっても良い。
適する箇所において、本発明の種々の態様を組み合わせることができる。
当該技術分野の当業者は、本発明を読み理解する場合、本発明の範囲から離れることなく、本発明の示される態様を変更する多くの方法を理解することができるが、本発明の態様の例として示される示した態様のみに限定しない。
移送ファイバーおよび/または光高出力ネクタを有さず、放射ビームを実際に加工標的へ向けることは、驚くべき結果である。この文脈における「有さず」なる用語は、例えば、拡大器は放射源と一体化してはいないが、放射源端部で必要とされ、放射ビームジオメトリを変更するおよび/または結合ビームのために種々の放射を結合させるような態様においては、そのような要素は絶対に必要であり、光学拡大器を除外しないように理解すべきである。
本発明の1つの態様によれば、光学経路は、放射移送のためにスキャナを含み、それは本発明の好ましい態様によれば、少なくとも1つのタービンスキャナを含む。本発明の1つの態様によれば、放射移送用の光学経路は、光学経路の放射源端部で光学拡大器を含む。本発明の1つの態様によれば、放射移送用の光学経路は、光学経路の加工標的端部で光学コントラクタを含む。
本発明の1つの態様によれば、放射源は、放射源と一体化しているような光学拡大器を含む。本発明の1つの態様によれば、放射源端部でおよび/または光学経路の加工標的端部で、光学経路は集束システムを含む。本発明の1つの態様によれば、光学経路は、放射源の複数のビームを結合させて結合放射ビームとするように配置される結合手段を含む。本発明の1つの態様によれば、ある段階において、パルス中で放射ビームを結合させるように、結合手段を配置する。
本発明の1つの態様によれば、放射源設備は、第1繰り返し率を有する第1放射源および第2繰り返し率を有する第2放射源を含み、本発明の1つの態様によれば、該放射源は結合要素と接続しており、ある態様の変化形によれば、該第1および第2放射源のパルスは組み合わされるが、別の態様の変化形によれば、少なくとも部分的に組み合わされない。従って、パルスの組み合わせは、標的の受信出力に影響を与える可能性があり、標的材料および/またはアブレーションの準備を最適化するために用いられうる。本発明の1つの態様によれば、少なくとも2つまたはそれより多くの放射源を一緒に結合させる手段を含むように、結合要素を配置する。
本発明の1つの態様によれば、各放射源は放射源の複数の局面を有し、放たれる放射の少なくとも1つの様式にエネルギーがかけられる場合、該放射は時間における波長、偏光および/またはパルス長ならびにパルス形状、ならびに内部パルス長を有する。各放射源は、更なる局面として、パルスの繰り返し率も有する。本発明の1つの態様によれば、該局面において全ての放射源が等しくなるように、個々の放射源を1つにまとめる結合要素を配置する。本発明の1つの態様によれば、全ての放射源が、各結合させられた放射源について必ずしも同じである必要はない、放射源の少なくとも1つの局面において異なるように、かかる結合部材が配置される。
本発明の1つの態様によれば、放射源設備は、加工標的で使用されるパルスを凝集させるために用いるための結合要素と結合させられる、種々の局面を有する種々の放射源を含んで成り、加工標的にてパルス形状、総エネルギーを最適化するおよび/または衝突スポットにて加工標的を準備する。ある態様によれば、個々のレーザー起源を第1の局面を有する放射源として機能するように配置し、もう1つのレーザー起源を第2の局面を有する放射源として機能するように配置する。1つの態様によれば、放射によるアブレーションの前および/または最中に、標的を加熱することにより標的を準備するために、該第1の局面を最適化し、該第2の局面を関係する条件でアブレーション用に最適化する。本発明の1つの態様によれば、アブレーション用に標的材料および/またはその一部を準備するように、放射源を配置する。
本発明の1つの態様によれば、加工標的において実際の放射ビームが形成されるように、放射源設備の放射源を変化させる。本発明の1つの態様によれば、各放射源は、本発明のこの態様に基づくそれ自体の光学経路を有し、好ましくは各経路の中にタービンスキャナを含む。
放射源を結合させる別の要素である拡大器が機能するように、結合要素を配置することができる。あるいは、1つの放射源に組み込まれるように拡大器を配置することができ、他の放射源が結合要素と結合できるようにする。本発明の1つの態様によれば、結合要素のある部分は放射源に組み込まれ、他の幾らかの部分はそうでないように、放射源の間で結合要素を部分的に変化させる。
放射源設備に関する本発明の1つの態様によれば、設備の放射源を放射源装置の中に配置する。1つの態様によれば、装置は、本発明の1つの態様に基づく光学経路またはその一部を含む。本発明の1つの態様によれば、真空アブレーション装置は、本発明の1つの態様に基づく放射源設備および/または本発明の1つの態様に基づく光学経路を含む。
本発明の1つの態様に基づく電磁気を導くための放射移送の経路は、放射ジオメトリにおいて、放射源から、例えばレーザービームパルスといったパルス状高出力放射として移送される放射の標的まで、該電磁気放射を導くように配置されるタービンスキャナを含む。
本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、少なくとも1つまたは複数のダイオード励起放射源を含み、各放射源は本発明の1つの態様に基づく光学経路を有する。本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、第1特徴および/または第2特徴を含み、それは以下の少なくとも1つである:
−(i)放射源に特有の波長、
−(ii)運転中のパルス長、
−(iii)2つの連続パルス間の運転していない期間の長さ、
−(iv)運転中に発生する繰り返し率、
−(v)放射強度、
−(vi)パルスあたりのエネルギーおよび/または出力、
−(vii)放射の偏光、ならびに
−特徴(i)〜(vii)の少なくとも2つまたはそれより多くの組み合わせ。
本発明の1つの態様によれば、該第1特徴は該第2特徴と異なる。本発明の1つの態様によれば、該特徴は放射源の局面とみなされる。
本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、波長が下記の少なくとも1つである範囲において、波長を有している放射を生成するように配置される少なくとも1つの放射源を有し、:
−電波波長と赤外線波長との間の波長
−赤外線の波長
−可視光の波長
−紫外線の波長、および
−X線の波長。
本発明のある態様によれば、少なくとも1つの標的を含む多数の標的に、少なくとも1つの放射ビームを向けるように配置する、少なくとも1つの放射源を含んでいる、多数の放射源のために、少なくとも1つの経路を含むように光学経路を配置する。
本発明の1つの態様によれば、放射はレーザー放射である。本発明の1つの態様によれば、レーザーはダイオード励起である。本発明の1つの態様によれば、レーザーは電球励起式である。本発明の1つの態様によれば、レーザーは別のレーザーにより励起される。本発明の1つの態様によれば、レーザーはパルス状の放射により励起される。本発明の1つの態様によれば、レーザーは、例えば別の使用を形成するような公知技術により励起される。本発明の1つの態様に基づく放射源の放射により、蒸発可能および/またはアブレーション可能となるように、本発明の1つの態様に基づく標的材料を配置する。
本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備は、本発明の1つの態様に基づく放射源設備を含み、該放射源設備は、基材の被覆で用いられる標的から材料をアブレーションするように配置される。
本発明の1つの態様に基づく標的材料ユニットは、フィルム経路の一方の端部において標的材料を放出するように配置される第1リールおよびフィルム経路の対向する端部において放出される標的材料を巻き取るように配置される第2リールを含む。
本発明の1つの態様に基づく標的材料ユニットは、標的材料をシートとして取り扱う手段を含む。本発明のそのような1つの態様において、標的材料ユニットは、標的材料の少なくとも1種類を含んで成る、標的材料の1つの塊からおよび/または多数の塊から標的材料のシートを選択する手段を有する。本発明のそのような態様において、標的材料ユニットは、標的材料ユニットの供給機から標的材料の使用済みシートを取り除き、その種類に応じて使用済みシートの塊にし、標的材料の少なくとも1種類を含むように調整された多数の塊にするような手段を有する。
先に記載した目的の少なくとも1つによれば、本発明の第1の局面は、本発明の少なくとも1つの態様を含む本発明の態様の集まりを規定しており、態様は被覆のような作業に利用され、標的からの材料は被覆すべき基材上へ向けることができるプルームとしてアブレーションさせられ、それは基材または製品を形成するものから誘導できるものである。製品、製品の使用および/またはそのような製品を製造するための前駆体の使用に関係する方法も、第1の局面に含まれるようにみなされる。
先に記載した目的の少なくとも1つによれば、本発明の第2の局面は、本発明の少なくとも1つの態様を含む本発明の態様の集まりを規定しており、態様は彫刻のような作業に利用され、標的からの材料は向けることが可能なプルームとしてアブレーションさせられ、それは標的または製品を形成するものから誘導できるものである。製品、製品の使用および/またはそのような製品を製造するための前駆体の使用に関係する方法も、第2の局面に含まれるようにみなされる。従って、そのような態様が第2の局面の範囲に属する場合、特定の標的材料は利用できないが、物体の表面は彫刻のような作業にさらされる。
先に記載した目的の少なくとも1つによれば、本発明の第3の局面は、本発明の少なくとも1つの態様を含む本発明の態様の集まりを、適する部分において第1の局面および/または第2の局面の組み合わせとして規定する。
本発明の態様の利用は、理論的には、標的にて放射出力を制限なく増大させることを助けるだけでなく、本発明の適切な局面に合うように、加工標的にて放射の複数の局面を調整する手段も提供する。従って、タービンスキャナを含む光学経路により加工標的へ導かれる放射のための放射源として、1つまたは複数のダイオード励起放射源を用いることにより、ファイバーがもたらす外部光学経路中での損失は基本的になく、このことを実現させることができる。
触媒表面および/または生物学または薬学の用途を作るために、本発明の第1の局面、第2の局面または第3の局面によれば、本発明の態様を用いて、被覆によって加工した表面を生成することができる。
本発明を読み、理解する場合、当該技術分野の当業者は、本発明の示した態様を、本発明の範囲を離れずに変更する多くの方法を理解することができ、それらは示した態様のみに限定されず、非限定的な方法で本発明の態様の例として示されている。
図1は、標的にて放射出力を形成するように配置されるような、モジュール式発振器出力増幅器(MOPA)タイプの放射システムの中にダイオード励起のファイバー放射源を含んで成る、本発明の1つの態様に基づく放射設備を図示する。
図2は、真空蒸発システムに含まれる、ダイオードポンプのような放射パルスの出力増幅器を含んで成る放射設備であって、そのシステムは、放射パルスに対して最小限の数だけの光ファイバーおよび/または光高出力コネクタを必要とする、本発明の1つの態様に基づく放射設備の一部を図示する。
図3は、光学経路を含み、それが放射ビームを導くタービンスキャナを更に含んでいる、本発明の1つの態様に基づく放射源設備の一部を図示する。
図4は、ダイオード励起の放射ビームが、補正光学器を通って、蒸発可能な材料の中へ向けられることが可能になるように配置されている、本発明の1つの態様に基づく放射源設備を図示する。
図5は、真空蒸発装置の放射源設備の中の放射ユニットのための例として具体化される、本発明の1つの態様に基づく放射源設備の一部を図示する。
図6は、本発明の1つの態様に基づく真空蒸発装置を図示する。
図7は、ダイオード励起の放射ビームがタービンスキャナにより指向され、補正光学器を通ってダイオード励起放射に組み込まれる、本発明の1つの態様に基づく、段階的−多角的−増幅−直接指向可能な(phased−diversified−amplified−directly−directable−)放射システム(PDADD放射システム)を図示する。
図8は、蒸発ユニットとして放射源ユニットを有する、本発明の1つの態様に基づく真空蒸発装置を図示する。
図9は、真空蒸発装置の内部に放射源ユニットを有する、本発明の1つの態様に基づく真空蒸発装置を図示する。
図10は、放射ビームの少なくとも1つまたは複数の集まりが、拡大器および/またはタービンスキャナを経由して蒸発標的へ向けられることが可能な、本発明の1つの態様に基づく放射源設備を図示する。
図11は、各ダイオードポンプが独自の拡大器を有している、本発明の1つの態様に基づくダイオード励起の放射源の集まりを図示する。
図12は、非対称な形状を有するような、本発明の1つの態様に基づく光パターン形成を図示する。
図13は、非対称な形状を有するような、本発明の1つの態様に基づく光パターン構造を図示する。
図14は、本発明の1つの態様に基づく標的材料の例を図示する。
図15は、本発明の1つの態様に基づく走査を図示する。
図16は、本発明の1つの態様に基づくもう1つの走査を図示する。
図17は、例えば薄片および/またはひものような平坦な形態の標的材料を取り扱うための機構を図示する。
図18は、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の一部としての、プルームおよび放射源の設備である、図17の機構を図示する。
図19は、本発明の1つの態様に基づく例を図示する。
図20は、本発明の1つの態様に基づく例を図示する。
図21は、図20に基づく態様の配線図である。
図22は、本発明の1つの態様に基づく被覆および/または材料製造のための標的材料の利用を図示する。
図23は、走査中、ライン部の標的材料が提供するプルームを図示する。
図24は、大理石などの表面を生成するように、石または石板被覆処理を制御するように配置された、1つの態様の制御ユニット画面から見た例として図示する。
図25は、製造条件の例に関して、本発明の態様に基づく標的、基材および/または物品を図示する。
図26は、本発明の態様に基づく面が少ないタービンスキャナの態様を図示する。
図27は、本発明の態様に基づく面が少ないタービンスキャナの態様を図示する。
図28は、本発明の態様に基づく面が多いタービンスキャナの態様を図示する。
図29は、本発明の態様に基づく面が多いタービンスキャナの態様を図示する。
図30は、本発明の態様に基づく面が多いタービンスキャナの態様を図示する。
図31は、面が傾斜しているタービンスキャを有する、走査中の放射経路を図示する。
図32は、別の面が傾斜しているタービンスキャナを有する、走査中の放射経路を図示する。
図33は、タービンスキャナの回転部および標的上の走査線を図示する。
図34は、基材上の層状構造の例を図示する。
図35〜52は、被覆の使用の更なる例を図示しており、それぞれ本発明の1つの態様により被覆されるまたは製造される基材を示す。
図53は、本発明の1つの態様の例を図示する。
図54は、本発明の1つの態様に基づく3Dプリンターを図示する。
図55は、本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機を図示する。
図56は、本発明の1つの態様に基づくレーザーシステムを図示する。
図57は、本発明の1つの態様に基づく放射源設備を図示する。
図58は、本発明の1つの態様に基づく標的材料ユニットを図示する。
図59は、本発明の1つの態様に基づく標的材料供給を図示する。
図60は、本発明の1つの態様に基づく表面処理方法を図示する。
図61は、本発明の付随的な態様により、任意でまたはタービンスキャナに追加して用いられるスキャナの態様を図示する。
図62は、公知技術の問題を図示する。
図63は、公知技術の問題を図示する。
図64は、公知技術の問題を図示する。
図65は、公知技術分野における問題を図示する。
図66は、公知技術分野における問題を図示する。
図67は、従来技術に基づき起こりうる状況を図示する。
図68は、1つの態様に基づくアブレーション経路に関する例を図示する。
図69は、アブレーション深さについてので本発明の1つの態様に基づく短パルスを図示する。
図70は、重複を有する重複パルスを図示する。
図71は、本発明の1つの態様に基づく被覆される製品を図示する。
図62〜67は公知技術を図示しているので、本発明の実施態様を下記の図(図)の参照を通じて下記に説明しており、本発明の実施態様に関する実施例を提供する。説明の一部を含んでいるため、図を出願書類に添付する。特に指示がなければ、含む(含んで成る、有する)なる用語を広い意味で用いた。
図の部分または細部は必ずしも尺度通りである必要はなく、従って、実例となる特徴のみを有する。種々の図において、特定箇所での使用として指示されているのでなければ、同様のパーツを指し示すために同じ参照番号を用いることができる。部分的なところは、1つの図ともう1つの図とで、必ずしも正確に同じである必要はなく、当該技術分野の当業者は、示された態様に関する状況および/または出願文書から潜在的な違いを理解することができる。「含む(含んで成る、有する)」なる用語を広い表現として用いた。「1つの態様」および「もう1つの態様(別の態様)」成る用語を、簡単な理由で、少なくとも1つの態様を意味するために用いており、示した特徴を有する態様の集まりそれのみ、または適する他の態様との組み合わせも含むことができる。
本発明の態様の詳細な説明
本発明の目的およびそれに関係する局面によれば、本発明の態様は、本発明の局面に基づき用いられるファインプラズマを製造するアブレーション技術に関する。
本発明の態様は放射源設備に関する。本発明の1つの態様によれば、放射は本質的にレーザー放射である。本発明の1つの態様に基づく放射源設備において、放射源から発する少なくとも1つまたはそれより多くの放射ビームは、本発明の1つの態様に基づく光学経路を介して標的に向けることが可能である。
本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、放射源としてレーザー源を含む。本発明の1つの態様によれば、放射源はダイオード励起放射源を含む。本発明の1つの態様によれば、放射源はランプ励起式放射源である。本発明の1つの態様によれば、放射源はパルス状放射源である。本発明の1つの態様によれば、放射源はパルス状放射源であり、パルス長は放射源の連続的なスイッチのオンおよびオフの時間により決定され、まさにその放射源のスイッチのオンおよびオフの瞬間の間で、連続的に操作可能な放射源の光源を含んで成る本発明の極端な態様の1つの態様として、パルス状放射を放射源設備の範囲に含む。
以下では、単なる例として単純な理由からレーザー光放射を用いており、放射源設備に適用可能な電磁気スペクトルから他の波長を限定するまたは除外するように意図することなく、位相のそろった放射および/またはその光源を図示する。
以下では、蒸発で用いられるエネルギーが、蒸発させるように配置した放射に晒される標的材料から大量のプラズマを生成させない場合、蒸発は液相および/または固体相から気相への相転移を意味する。しかしながら、極端な場合において、標的材料の相転移がプラズマ相をまさに生成しようとしているとき、標的材料の相転移はアブレーションとみなされるが、出願人である筆者は、イオン化した物質および純粋なプラズマを含む気相の間の明確な表示は、少なくとも幾つかの場合には得られないと考えている。
本発明の1つの態様によれば、標的は、蒸発可能/アブレーション可能な物質を含む/物質で作られている。非常に容易に蒸発可能なそのような物質は、例えば、有機化合物および/またはアルミニウムを蒸発させる温度のような低い温度で蒸発可能な金属を含む。本発明の態様は、各態様に基づく他の物質、要素および/またはその化合物が単独または複合したもの、1つの物質が単独または群となったもの、並列におよび直列に並んだ複数の物質であっても、そのアブレーションも促す。当然、アブレーションの最中、幾つかの化合物が化合物の構成要素の一部に入り込みうることが想定される。しかしながら、それは問題となっている構造および/または化合物の部分間の結合の強さ次第である。高い蒸発温度を有する物質の例は、多くの他の金属、その化合物および炭素のような物質であり、工業的に制御可能な条件において気相の状態にしておく場合、その後者はダイヤモンドを形成することができる。
従って、標的材料のアブレーションにおける本発明の1つの態様に基づく放射源設備の利用は、非常に自由に複数の材料を含むこと、そしてそれにより新規な化合物を製造することさえ助ける。種々の種類の表面を1回および/または複数回被覆するために、それらの物質を、非常に精製することができる、非常に精製されるように製造することができる、または被覆の適用の際に用いることができる。
本発明の1つの態様によれば、真空中において標的材料の蒸発を実施するように、放射源設備を配置する。真空は巨視的な体積として理解する必要があり、その中には、気体の形態で存在する幾つかの材料がある。しかしながら、当該技術分野の当業者は、真空が、天体空間内の空所の如き分子間の空所に関係する状態の条件から、周囲の標準状態と比較しうるほとんど加圧されていない条件下までの複数の種類の真空であると見なされうることを理解する。従って、雰囲気は、加圧下で所定の構成物の組成を有する真空を含む。しかしながら、特に雰囲気が製品の構成物を含む態様において、および/または相バランスが、気体でない形態の構成物に有利に向けられている態様においては、過剰に圧力をかけている雰囲気においては、本発明の幾つかの態様を実施することができる。
本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備は、本発明の1つの態様に基づくが、真空条件において標的材料を蒸発させるように配置される放射源設備を含む。
本発明の1つの態様によれば、真空アブレーション設備を装置として具体化する。そのような装置内に、本発明の態様に基づく経路、本発明の1つの態様に基づく放射源設備、本発明の1つの態様に基づく標的材料および/またはその処理機器を、真空チャンバーユニットと一緒に同じ閉鎖部内に含んで成る。装置は、ポンプ、出力起源、および/またはデータ収集機器などのような継続機器を含むこともできるが、継続機器の有無は、該機器のみに限定されない。
本発明の態様の集まりによれば、経路は少なくとも部分的に装置の外側にある。特に、放射ジオメトリおよび/または伝播方向を変化させる、装置の内部に個々に配置されるような物体は、装置の各態様を具体化する。装置の内部に配置される該物体の各組み合わせも、装置の各態様を規定する。
装置のチェース上で、装置の内部の基本的にまたは完全に外側に、強固に取り付けられる部分を同じカバー内の範囲に含める。
真空アブレーション設備に関する更なる態様を、実施例に向けられた段落内で、非限定の例により更に説明する。
本発明の1つの態様に基づく電磁気放射を導くための放射移送の経路(下記の適当な文脈において「経路」とも呼ぶ)は、該電磁気放射を、放射ジオメトリにおいて、放射源から放射の標的へ導くように配置されるタービンスキャナを含む。本発明の1つの態様によれば、放射をパルス状の高出力レーザービームパルスとして移送する。
本発明の1つの態様によれば、電磁気放射を導くための放射移送の経路は、ビーム拡大器を含むことができるが、放射源から発する放射の放射ジオメトリを変化させるためのそれに限定されない。本発明の1つの態様に基づく経路は、経路にてビームジオメトリを補正するように配置される補正光学手段を含むことができる。1つの態様では、拡大器および補正光学器は同じであるが、もう1つの態様では別である。本発明の1つの態様によれば、例えば、アブレーションされる標的上で、ある焦点ジオメトリを達成するために、ジオメトリを変更することができる。本発明の1つの態様によれば、標的材料により選択できるある距離までの標的材料の表面形成、放射源特性および/または標的片からの望ましいプルーム形成に関係する他のパラメーターのいずれかの点において、経路は、標的材料の上、内部またはそこの間のどこかに定められる焦点を導くことができる。本発明の1つの態様によれば、補正したジオメトリは、タービンスキャナ部に当たるようにビームを配置したジオメトリであってよい。
1つの態様によれば、タービンスキャナに当てるための放射用ジオメトリ、第1ジオメトリおよび/または標的に当てるための放射用ジオメトリ、第2ジオメトリも存在することが可能で、それらは必ずしも同じである必要はないが、標的から放射可能なプルームを最適化するために絶対に必要な補正光学により各々調節可能であってよい。本発明の1つの態様によれば、放射源から標的まで経路を配置し、該経路において放射ビームが、該放射により該標的から形成されるように調整される放射プルームとは別の方向へ向けられるようにする。
放射源設備のダイオードポンプに接続可能な拡大器部分は、1つの態様では一体化部分であってよいが、別の態様では出力ファイバーを介して接続可能である。
経路は、好適にはタービンスキャナを含む。そのようなタービンスキャナは、ある最高値の放射源設備の放射に耐え得る従来のタービンスキャナであってよい。動作中、そのようなスキャナは、本質的な損傷なく非常に高いパルス状放射出力に耐えることができ、論理上はレーザー出力の増加を促し、全く制限なくとまではいかないにしても、少なくとも非常に高いレベルまで促す。現在のところ具体化させた放射源設備は、本発明の1つの態様に基づく1つの経路においてまたは別の態様に基づく複数の経路において、複数のタービンスキャナを含んで成ることができる。従来のタービンスキャナは市販されており、速度は本出願の優先日において一般的には約5km/sでありうる。
本発明の1つの態様によれば、標的からの被覆プルームを受容するために、従来のタービンスキャナ部品を基材として存在するように配置することができ、真空アブレーション設備内でタービンスキャナを被覆することができる。その設備は、本発明の1つの態様に基づく放射源設備を含み、それ故に別の態様では運転中、タービンスキャナを含む経路を含んで成る。被覆材料を炭素に選択する場合、従来のタービンスキャナを少なくとも部分的にダイヤモンド被覆で被覆することにより、本発明に基づくタービンスキャナを作ることができ、その結果、動作温度は大幅に上昇し、その結果、ダイヤモンド被覆をドープさせるように用いられる適切なドーパントの選択により、熱伝導特性が非常に向上する。
本発明の1つの態様に基づくそのようなタービンスキャナは、従来のタービンスキャナよりも著しく高いレベルで放射に耐えることができる。このようにして、本発明の1つの態様に基づく改良した経路は、好適には本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナを含む。それに応じて、改良した放射源設備は、本発明の1つの態様に基づく改良した経路を含む。このようにして改良した態様を、本発明の1つの態様から適用できる物へ達成することができる。
本発明の1つの態様と同様に、本発明の改良した態様にもよれば、放射源設備からの放射を標的に向けることができる。そのような1つの態様において、適用できるまたは必要な場合、拡大器または補正光学器を用いることができ、標的にて放射ジオメトリを形成する。1つの態様によれば、放射源設備の各光源または光源の集まりは、それ自体の経路を有することができる。経路は、1つの態様によれば別々の標的に到ることができるが、もう1つの態様によれば同一の標的に到ることができる。それらの記載した標的は同一であってよいが、必ずしも同時である必要はない。本発明の1つの態様によれば、2つの経路は、時間に関して連続的であるだけでなく、表面領域において平行であり、同時にまたは少なくとも部分的に同時に、同一の標的に到ることができる。
放射源設備を、各態様に存在する放射源の種類により、種々の態様に具体化することができる。そこで、例えば1つの態様において設備は、マイクロおよび/またはナノ秒レーザーのような熱間加工レーザーを含むことができる。本発明のより好ましい態様によれば、設備はピコ、フェムトおよび/またはアト秒レーザーのような冷間加工レーザーを含む。1つの態様によれば、設備はスイッチオンおよびそれに続くスイッチオフの間でそのパルスを送るレーザーを含むことができ、従って、該スイッチのオンおよびオフの間で連続的に動作するレーザーも範囲に含む。本発明の態様は利点を有しており、例えば、放射源設備は完全ではなくても可能な限り多く、放射源設備部分における高出力コネクタの利用を避ける。コネクタの利用は、放射出力の増加、および更に標的への出力の移送を制限する。本出願の優先日において、光学範囲のファイバーの理論的な耐久性は、パルスあたり約5μJである。このようにして、本発明の1つの態様に基づく経路または改良した経路を用いることにより、大きな前進を達成することができる。従って、例えば、冷間加工レーザーと同様に具体化される放射源設備は、一定のパルスエネルギーにおいてより短いパルスを有して、パルスあたりの出力を増加させることができる。その結果、制限的なファイバーを省略することができるため、放射源の制限はもはやあまり重要ではない。このことは、より大きなパルス出力および標的上でのより高い加工温度をもたらし、それにより膨大な潜在力が、任意の材料からプラズマを生成することを容易にする。パルス長および/またはピッチが調整可能である場合、標的材料をより深い層からアブレーションさせることができる。このことは反射を防ぎ、標的における出力がよりよい収率でアブレーションさせることに寄与する。
例えば、1つの標的において高出力レーザーパルスを生成、走査および使用することができる。ダイオードポンプ、光レーザー光による光学使用における光学拡大器、スキャナおよび補正光学器は、同じ場所にあって、同じチェースの中に取り付けることが可能である。このようにして、標的にてレーザー光を生成する。しかしながら、放射波長は単に可視レーザー光に制限されず、電磁気スペクトルの他の波長もレーザー放射用に用いることができる。
高価なファイバーを省略することができ、その結果、資金を節約し、取り替えるべき部分が存在しないため取替時期を考慮しなくてすむ。例えば、可視放射用の光高出力コネクタは特に高価である。ファイバーレーザーの規模は、使用可能なファイバー長が制限されるという制約を受ける。1つの態様または改良した態様に基づく放射源設備は、はるかにより自由に規模を決定することができる。
図14は、標的材料の一片として、標的材料表面の構造を図示しており、それは基部構造上にフォーメーションを有する。発明者は、標的材料表面のフォーメーションが、条件を最適化するためのアブレーションプルームの形成に影響を与えるということに気付いた。種々のフォーメーションのジオメトリは、標的材料中のエネルギー分布、フォーメーションそれ自体およびアブレーション放射下のフォーメーション内部の熱的な条件に影響を与えうる。
本発明の1つの態様によれば、基部は薄くてよく(A、B、C、D、E、F、G、J、K、L、M、N、O、P)または厚くてよい(H、I)。フォーメーションは、基部とは異なる材料であってよいが、それのみに限定されない。同じ基部の上であっても、異なる材料の表面フォーメーションが存在してよく、アブレーションにおいて、異なる材料による被覆を一緒に行なうためにおよび/または段階的に行なうために利用できるように配置する。当該技術分野の当業者は、基部の一方の側にある表面フォーメーションのみを示しているが、基部の対向する側にあるもう一方の表面も、ある態様に基づく同様の表面フォーメーション、または別の態様に基づく異なる表面フォーメーションを有して存在することを、図14から理解することができる。
例えば、図14において要素Aは、表面構造の矩形状立方体の周期的構造を具体化しており、まさにその態様にとっての特徴的な形成要素として、立方体の側面を有する。Aにおけるもう1つの特徴的なフォーメーションのパラメーターはフォーメーションの間にあるピッチであり、フォーメーションは基部上に、所定の深さまでのピッチを有して作られる。要素Bにより示される図14の態様は、矩形のフォーメーションを薄い基部上に具体化しており、ピッチも矩形の頂上部の横方向の要素と比べて非常に小さいのに対して、長尺方向におけるフォーメーションの長さは横方向の要素よりも長い。深さはAと表示した例におけるものと同じであるように見えるが、それはそれらの寸法により示された例に限定されず、それは説明しやすい特徴のみを有するある例を具体化しているだけである。ピッチは、1つの方向および/または該方向に対する横方向の特性要素より更に大きくてよい。
要素Cの表面フォーメーションは、ピッチのような距離を有する穴である。穴は、標的材料のこの態様においては丸いが、別の態様では矩形、楕円形または多数の円錐形であってもよい。
要素Dにおける態様では、表面フォーメーションは切断したピラミッド状であるのに対して、要素Gにおいてピラミッドは鋭い錐体を有しており、多錐形の底面に関する例として、態様Dにおいてピラミッドの底面は長方形であるが、要素Gにおける底面は三角形である。Eの態様はBの態様と類似しているが、Eにおいて頂上部は三角形であり、一方Bにおいては矩形である。態様Eにおけるピッチはゼロのように見えるが、製図技術上の明瞭性の理由のためだけである。態様Eの変化形において、ピッチは長尺方向の頂上部の大きさと等しくてよく、あるいは頂上部の横方向の大きさと等しくてよい。1つの態様の集まりにおいて、ピッチは、表面フォーメーションの底面にて、また、巨視的な標的片の方向を限定することなく基部との接合部にて、連続する類似のフォーメーションのパーツの距離として規定される。別の態様の集まりにおいて、ピッチは、頂部の深さから基部の接合部までの表面フォーメーションの高さの中央にて規定される。更なる態様の集まりにおいて、ピッチは、基部のどこか他と平行な平面の高さにて規定される。Fの態様は、基部平面に垂直なそれらの軸を有する円筒形の表面フォーメーションに関する。しかしながら、本発明のもう1つの態様によれば、頂上部は互いに平行な軸を有するだけでなく、表面フォーメーションおよび基部の接合部により規定されるような基部表面も有する、細長い半円筒形であってよい。
Hの態様は、厚い基部を有する態様の例を示しており、基部の厚さは、基部から表面フォーメーションの高さより大きい。Hの表面フォーメーションはAのものと類似しており、Iの表面フォーメーションはBに類似しているが、示した例の説明しやすい特徴としてのみである。当該技術分野の当業者は、図14および関連する態様から、必ずしもすべてがアブレーションに好都合になるとは限らないが、どのような表面フォーメーションも厚い板を有するようにも具体化できることを理解する。
J〜Pの実施態様の例は、A〜Iの実施例により具体化されるような表面フォーメーションの基本構造に対する変更を図示する。変更は、方向の変更、フォーメーションのパーツの傾き、またはフォーメーション全体、直線上の2つの連続し隣り合うフォーメーションの間の距離であってよく、それらを周期的にまたは段階的な方法で変更することができる。変更は、1つの方向および/または横方向に湾曲するフォーメーションの形状であってよい。変更は、材料および/または材料構造の変更であってもよい。ある態様において、例えば、ある立方体を左回りに偏光する物質で作ることができるが、ある方向ではそれぞれ隣のものを右回りに偏光する物質で作ることができる。偏光度またはその方法は、1つの変更であってもよい。
態様Jにおいて、Aの立方体は記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。態様Kにおいて、Bの矩形の頂上部は記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。態様Lにおいて、Cの穴は記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。態様Mにおいて、Dの切断ピラミッドは記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。態様Nにおいて、Gの三角形のピラミッドは、記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。態様Oにおいて、Fの円筒形は、記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。態様Pにおいて、Eの三角形の頂上部は、記載したものの少なくとも1つの変更、または先に記載したものの適する組み合わせを有する。
A〜Iの形成物の方向および形成物J〜Pの向きは、本発明の1つの態様に基づくアブレーション用の設備/装置において用いられる種々の可能な方向で、標的材料の供給を図示する。
標的材料をフィルム状リボン1400として図14に示しており、一方の態様では一方の側面のみに標的材料を有することを示しているが、もう一方の態様では双方の側面である。第2の側面にある標的材料を点線により示す。本発明の1つの態様によれば、標的材料をフィルム側から用いる。本発明のもう1つの態様によれば、標的材料を標的材料リボンの端部から用いる。本発明の1つの態様によれば、標的材料を1本のワイヤーの形態に配置する。本発明の1つの態様によれば、そのワイヤーは複数のワイヤーを含んで成るサブ構造を有する。本発明の1つの態様によれば、プルームおよび/または被覆の組成に合致するように、サブ構造のサブワイヤーを配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料の粒子および/または潜在的な破片を捕まえるための静電気手段を有して成る標的材料ユニットに収まるように、標的材料を配置する。
図15は、本発明の1つの態様に基づく、放射経路において用いられるスキャナの動作を示す。スキャナは従来のタービンスキャナ、または本発明の1つの態様に基づく改良したタービンスキャナ1502である。図中の曲線の矢印により、回転方向を図示する。PDADシステムまたはいずれかの他の冷間アブレーション可能なレーザー(即ち、十分な出力レーザーを有するものであって、好ましくは総出力が100Wまたはそれより大きく、ピコ秒、フェムト秒またはアト秒のパルス長を有し、中間パルスピッチおよび20MHzより大きい、好適には50MHzより大きいパルス繰り返し率を有するもの)のダイオードポンプに基づき具体化されるレーザー源として、放射源1600(図15には示していないが、ビーム1510により実証される)を具体化することができる。波長は可視光領域であってよいが、それのみに限定されない。ちょうど1つだけ描いているが、同じ経路の中で並行してまたは連続して操作することができる2つまたはそれより多くの放射源があってもよく、それは類似する光源の態様にも、全て異なる光源を有する態様にも限定されない。
図15では、タービンスキャナ1502のミラー表面により、放射ビームを光学レンズ1501へ、標的1400へ、反射ビーム1503として反射させており、その標的は平滑な表面構造、任意で粗くさせた表面構造、または図14もしくは関連する文章により説明される表面構造を有することができる。Hおよびそれに関連する番号により標的のアブレーション点を図示し、標的の表面における走査も図示する。そこで、H1は、その製品および/または光学器1501により、ビーム1503Pがある偏光に偏光させられうる瞬間を規定する。少なくとも理論的には、一方でビームの偏光を、他方では、特定の組成により同じ偏光を有するように配置される標的の表面フォーメーションの特定のパターン、また、異なる組成および偏光によるものを、走査の間、アブレーションの特定の選択のために用いることができる。アブレーションしやすい材料およびアブレーションが非常に難しい材料を選択することにより、本発明の1つの態様について選択性を高めることができる。図15は、基材1400上の走査経路から一連の任意の地点を形成する走査点H1、H2、H3、H4およびH5を実証する。ある一定の配列における、放射源の正確な繰り返し頻度および/またはタービンスキャナ1502の回転速度に依存して、1つの態様によれば、走査経路は走査ミラー部の端部から次の端部まで連続的であるが、別の態様によれば不連続でありうる。中間点の時間T1、T2、T3、T4およびT5も示す。
1503Trはビーム部を図示しており、そのビームを、基材を通過させ、そうして等しい各個々のパルス強度の予測のために、そうして品質モニタリングのために用いることができる。図15において、放射源で形成されたビーム1510は、ビームを先細り形状に拡大させる拡大器1508に当たり、次にコリメータユニット1507に当たり、タービンスキャナ1502により屈折させられて、カーテンのように幅は広いが薄いくさび形の放射を形成しており、任意でまたは偏光操作に追加して補正光学器1501を通過して、ビーム1503PがH1においてアブレーション標的1400に当たる。
図16は、図15と類似の種類の周期を具体化する。ミラー1502はTurrentミラー、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナのミラー表面またはミラー部を有する他の回転可能なミラーであってよい。ビームが放射設備1602に当たり、その結果、不安定になることを避けるために、走査の有効範囲α2を示すように図で角度α1およびα2を具体化する。図には示していないが、放射源設備の第1表面改質ビームが材料ビーム、つまり標的からアブレーションされたプルームを通過しないように、光学経路を選択することも好適である。図16で表示する寸法は例のみであって、タービンスキャナのローターの寸法を、ちょうど記載したもののみに限定しない。
態様の1つの例では、第1ビームは20μmの直径を有する。ビームは1064nmの波長を有する。20μmの衝突スポット(H1、H2、H3、H4、H5)にて、ビームが焦点径を有するように光学経路を配置する。ミラーを焦がすことを避けるために、ビームがスキャナ1502の表面にて、ある方向に30mmおよび横方向に0.02mmの幅を有する楕円断面を有するように、ビームは放射経路を進む。走査幅は、経路の始点から終点まで250mmである。実施例において、焦点ビームは、標的1400の走査幅全体に対して直線補正器(1501)を設ける。実施例では、光学器から標的までの距離は150mmであった。
図17は、薄片状/リボン型の標的材料、更に平たいベルトまたは均質棒状の標的材料、および標的材料を供給するために標的材料ユニットの中で用いられる関連する機構を具体化する。図では、破れないように、フィルムを適する部分のみピンと張った状態にするように、標的フィルムを材料リール中に格納することができる。そのリールは、廃棄物リールが使用済み材料を収集するのと同時に、引張モーターによりまたはギアによりまたはそれ自体のシステムにより引っ張られる標的フィルムの摩擦によって、任意に操作されるものである。平たい均質のベルトタイプの標的材料シートをスタックに収納することができ、本発明の1つの態様に基づき、同様に別のスタックで用いられる。機構は、標的材料の供給を調整する粉砕ロール、加圧ロールを含むことができる。図は加熱器も示しており、それは、放射としてレーザービームが標的材料に当たるように意図されるアブレーション領域にて、標的材料加熱用の任意の加熱要素のための空洞に取り付けられる。図17は、複数の方向からのユニット、また図17に示されるような直線B−BおよびA−Aに沿ったユニットを示す。
図18は、図17の標的材料ユニット機構により被覆処理に提供される標的材料によって被覆を適用するためのプルーム1802の形成用に用いられる、放射源設備1801を実証する。設備1800は、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備により含まれうる。1本のワイヤーまたはワイヤーの束の末端から発生するアブレーションにより、標的材料を任意に供給することができる。ワイヤー供給による標的を有する1つの態様において、システムは好適には、潜在的な破片を集めて、高品質製品に向けて製品品質および性能安全性を向上させるように配置した静電気収集器を含む。
図19は、図18の少なくとも1つの設備を含んで成る本発明の1つの態様に基づくアブレーション設備を実証する。1つの態様によれば、真空中で作動させるように、そのような設備を配置することができるが、別の態様によれば、例えば、図25の条件におけるガス雰囲気の囲みの中である。大文字Aが示す態様は、基材の1つの側面の被覆だけでなく、上面図として2側面の被覆を適用するための設備の1つの態様を示す。大文字Bの態様は、本発明の1つの態様に基づく適切な設備による2側面の被覆を図示する。大文字Cの設備は、相対する基材の側面に連続して被覆を行なうことができる2側面型設備を図示する。A型の態様におけるユニット1801のドットは、ドットが存在しない態様との違いを示す。違いは、Cにおけるような配置だけでなく、あるいは任意で種々の態様において具体化されるような放射源設備および/または標的材料にも関係する可能性がある。ユニット1801および5900の数は、図18で具体化されるような複数のユニットまたはたった1つが存在しうることを示すが、該ユニットの数は示したもののみに限定されない。当該技術分野の当業者は、本発明の態様から、ユニット5900および1801の関連する局面、ならびに重力の傾斜に関して、該ユニットを種々の位置に配置するための位置的な局面が、本発明の態様の範囲に入ることを理解することができる。
図20は、本発明の1つの態様に基づく被覆設備を図示する。設備は、被覆用に配置および/または準備される基材に対する入力チャンバー2001を含む。被覆される基材は、ポートバルブ2004を通ってチャンバーに入るが、そのポートバルブは、被覆される基材本体をその寸法および/または材料に関して認識するための手段を含むことができる。被覆を、被覆用の1つの主チャンバー2002の中で行なうことができる。アブレーションを被覆に用いるそのような態様の図では、標的材料ユニットはプラズマ発生器によっても言及されうる。標的材料の物質用のプルーム1802を示しており、プルームを用いて基材の一方の側面を被覆する。更に、基材のもう一方の側面も被覆することができる。1つの態様では、同一の主チャンバーの中に複数のユニットが存在し、層状の被覆構造のために、それぞれ基材の上にそれ自体の種類の被覆を準備するように配置される。しかし、別の態様では、標的基材に対してそれぞれ複数の別個の主チャンバーが存在しており、層の物質間により良い分離性/純度を有する。出力チャンバー2003を配置および/または装備し、出力用に被覆される物質を調整して、用いる準備をする。
図21は、図20で具体化した設備を配線図として図示する。図の態様は、その中でArおよびO2容器により実証されるような雰囲気手段2101を含む。設備は、維持ユニット2102および、各コントローラへの線によって示されるように、維持ユニットの一部になりうるポンプを調節するように配置されるポンプコントローラ2103を含む。維持ユニットは、図に示したチャンバー中の雰囲気および/または真空を調節するのに必要なバルブを含むこともできる。図は、圧力測定2107およびバルブ端子によるバルブ制御2105も実証する。設備のモーター(M)を、電気機械のPLCユニット2106、ならびに基材の位置および/または適切なチャンバー内での被覆の工程を検知するために用いられる種々の変換器により制御することができる。所定の方法で情報を集め、システムの進行を制御するように調整したマイクロプロセッサおよびメモリにより、システム全体を制御することができる。パルス調節および/または計算ならびにビーム品質の計算も、マイクロプロセッサまたは複数のそれによって行なうことができる。
図22は、標的材料2227が提供するアブレーションプルーム2228により、被覆および/または材料破片2229を作ることを図示する。プルームからゾーン2232へより付着するように材料の接着性を向上させるために、レーザービーム2230を用いて、一片2229の表面を加熱および/または調整することができ、更に、平滑な材料片2229の安定性を持続させる処理を行なうために、基材2231を方向2233へ引く。
図23は、焦点2376の100mmの線2377上で、アブレーションビームが標的材料表面を走査する時、標的材料から放たれるプルーム1802を図示する。プルームは、図で実証するような80mmの規模23を有する。第2表面改質するビームとして、しかしながら標的材料に影響を与える第1表面改質ビームに由来する材料プルームとして、プルームから材料を利用するために、プルームは本発明の局面に基づく被覆の適用のためのものであってよい。
図24は、例えば大理石などの表面を提供するような、石または石板の被覆プロセスを制御するように配置した装置実施形態の制御ユニットディスプレイのディスプレイの図を図示する。実施例は、大理石の板を約1000mbarの圧力下で200℃に加熱して、ある程度存在するであろう、被覆に不都合な悪影響を及ぼす気体および/水を表面から除去することを、その中で示す。内部では、接着層を作るためのPLDを用いることができる。そして、必要な蒸着エネルギーおよび/または化学結合は保証させるものの、光学特性はあまり変化させないようにする。表面の望ましい目的に基づき、PLDを用いて、酸素を伴いまたは伴わず、Y/Zrにより、100〜1000nmの厚さまで表面を被覆する。酸素を伴いまたは伴わず、Al/TiまたはY/Alによっても、100〜1000nmの厚さまで表面を被覆する。1つの態様では、Y/Zrの実施例において、物質の比率が3〜10/97〜90であるように、共蒸着を同じ金属製の標的で行なうことができる。特に、石板が多孔質であるならば、気体および/または液体に耐えるために、表面の封止の前に望ましい程度まで充填するべく、更なる顔料および/または着色剤を追加することができる。このことは、例えば気体、液体および/または混合物の形態の大気汚染物質から保護すべき大理石にとって都合がよい。その方法では、透明/不透明および/または構造的な機密性を達成するために、欠陥および/または膨張も酸化により制御される。表面を綺麗に保つために、非粘着被覆を用いることができる。ランプを有するRTAを作ることができる。500℃で、ならびに/またはある温度および圧力で水を沸騰させることにより、熱酸化を用いてよい。このようにして、PLDによりTiO2またはPLDによりポリマー複合体を製造することができる。例えば、緑の染色および/または顔料により、大理石の外観を作ることができる。
図25は、本発明およびその局面に基づく典型的なレーザー蒸着用途を具体化する。図は、標的材料として用いるべき種々の標的2531を示す。適する標的材料の例の集まりには、炭化物、窒化物、酸化物、非金属化合物、炭窒化物ならびに合金、ポリマー、シリコンおよび金属、更に個別にまたは組み合わせて用いられる炭素/ダイヤモンドが含まれるが、標的材料の範囲を記載したもののみに限定しない。
図25は、複数の基材2516の例も具体化しており、例えば石、金属、セラミック、ガラス、プラスチックおよび複合材料などであるが、基材材料の範囲を記載したもののみに限定しない。
図25は、半導体、部品製造、電気通信、装飾品、宇宙技術、タービン、医療、航空機、武器、防衛および/または軍事、建築、インテリア、裏地、エネルギー、消費財、モーター、エンジン、車、光学機器、原子力発電および/または光ファイバーの分野に関連する製造機器、製品および/または部品に対する、標的材料により被覆するような基材材料の利用2517を具体化する。図25の例における製造条件2514は、例えば10−1〜10−11mbarの真空、および/または例えばHe、N、N2、O、O2、Ar、Ar/H2またはその組み合わせなどの気体を含んで成る雰囲気2515中で起きるように示す。ある態様における水のように、幾つかの場合において、他の化学物質の存在が好適であってよい。しかしながら、それらの分野は単なる例であり、それゆえそれらの分野の範囲を記載したもののみに限定しない。
図26〜30は、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナの複数の態様を図示する。回転軸を、図26〜30の多面体の中心にある円により示す。断面が円に近似される多面体が示されているが、当該技術分野の当業者は、面の数が示したものだけに限定されないことを図から理解する。ほぼ円の断面が示されているが、星状構造を有するそのようなジオメトリも本発明の態様としてタービンスキャナの範囲に含まれることも、当業者は図から理解する。図26〜30の中において、タービンスキャナ部2660aは三角形、2660bは矩形、および2660cは五角形である。タービンスキャナ部2661aは六角形、2661bは7つの角および面を有し、ならびに2661cは8つの角および面を有する。タービンスキャナ部2762aは9つの角および面を有し、2762bは10つの角および面を有し、2763cは11つの角および面を有し、ならびに2762dは12の角および面を有する。
図26で先に記載したものは、回転軸と面との傾きが0°である。図27では、タービンスキャナ部の傾斜面も存在し、スキャナ部はピラミッドまたは切断したピラミッド構造を有するように示される。図27において、そのようなものは三角形のスキャナ部2763a、矩形のスキャナ部2763bおよび五角形のスキャナ部2763cである。
図28では、スキャナ部2864a、2864b、2864c、2865a、2865b、2865cおよび2865dを示しており、面およびその間の角の数は、記載した部分に対しては数えることが可能であり、比限定的な方法で、それぞれ傾きを有するスキャナ回転部を具体化する。
図29および図30では、タービンスキャナ部2996a、2996b、2966c、29697a、2967bおよび2967cならびに3068a、3068b、3068cおよび3068dを示しており、面およびその面の間の角は、記載した部分に対しては数えることが可能であり、比限定的な方法で、それぞれ傾きを有するスキャナ回転部を具体化する。
図31は、走査中の光学経路および走査線を実証しており、スキャナ面が回転軸3103の周囲を回転する間、入射放射ビーム3101は、スキャナ3100の面から反射した後、走査ビーム3102として標的上に至る。この態様の実施例において、入射3103および反射3102ビームは、軸3103に垂直な同一平面にあって、それらの面の傾きは0°である。しかしながら、入射および反射ビーム部により規定される反射面は、必ずしも軸3103に垂直な角度のみに限定されるわけではない。
図32は、走査中のもう1つの光学経路および走査線を実証しており、面が回転軸3103の周囲を回転する間、入射放射ビーム3101は、スキャナ3100の面から反射した後、走査ビーム3102として標的上に至る。この態様の実施例おいて、入射ビーム3103および反射ビーム3102は、軸3103に垂直な同一平面にある。実施例として示す1つの態様における傾きは45°より小さく、もう1つの態様では、ちょうど45°またはそれより大きい。スキャナの面により図を実証する場合、そのようなスキャナは特定の示した態様に限定されない。個々の面の変化可能な傾きは、タービンスキャナに関する1つの態様の範囲に属する。本発明のもう1つの態様は、1つの面と別の面とが異なる傾きを有するミラー面を有して成るタービンスキャナを含む。1つの態様では、各面は取り外し可能なミラー面であってよく、あるいはもう1つの態様では、固定されたミラー面であってよい。ある態様では、入射放射を偏向させるように配置される星形構造を面が形成するように、タービンスキャナは面を含むことができる。本発明の1つの態様において、ミラーは、平滑な走査線を生成するようにおよび/または標的に焦点を合わせるように配置される平面である。標的上の有効深さ方向に、走査線のある箇所からもう1つの箇所へ焦点を変えると都合が良いある態様では、基材上の被覆特性および/またはプルームは一定ではないタイプである必要があり、曲面を有するスキャナを用いることができる。ある態様では、曲率は全ての面で同じであってよい。もう1つの態様では、異なる曲率のミラーが存在する。ある態様では、ミラーは凹型に曲がっているが、もう1つの態様では、凸型に曲がっている。ある態様では、ミラーは一方向にのみ曲がっており、例えば、回転軸に垂直な平面としてのセグメントにより規定される方向である。もう1つの態様において、ミラーは軸に関するもう1つの方向に曲がっている。更なる態様において、ミラーは異なる方向への2つの曲がりを有する。
角柱状のパドルホイールタイプおよび/または星形のタービンスキャナのある態様では、各ミラーは、まさにそのミラーの始端から終端までミラーを動かして走査する最中、ビームを少なくとも2つの別の走査線に向けることができるように、サブ構造を有してよい。隣接する平面に対してある角度を有する複数の平面を含むそのような態様により、これを具体化することができる。
本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは、放射経路において放射ビームの方向を変化させるように配置される第1ミラー、および同じ目的のためであるが、該第1ミラーが放射経路において入射放射の方向を変化させようとする中、冷却するように配置される第2ミラーを含むことができる。本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは、少なくとも1つのミラーを有するミラーの集まりとして、正確にまたは基本的に類似するミラーを含み、それは後に第1ミラーと呼ばれる。本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは、少なくとも1つのミラーを有するミラーの集まりとして、正確にまたは基本的に類似するミラーを含み、それは後に第2ミラーと呼ばれる。本発明の1つの態様において、第1および第2ミラーは必ずしも同一である必要はない。1つの軸、好ましくは多面体の形態を有しているまたはパドルホイール構造を含んでいるタービンスキャナの対称な軸であるが、それを中心に回転できるように、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様で予期される稼働中の非常に大きな回転速度のせいで、1つの態様において、非対称な軸は、非対称な軸を中心とするねじれおよび/またはぶれに耐えることができない。しかしながら、ベアリングまたはタービンスキャナそれ自体の材料が、十分に固いおよび/または粘着性/弾性を有する材料で作られるならば、走査持続時間、標的におけるその長さ、連続走査のピッチ、放射ビームのジオメトリ、標的における出力、および/またはビームの焦点を変更するために、そのような非対称な回転を用いることができる。従って基材の被覆を含む態様では、プルームの形態および/または構造を利用することができる。
本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナを多面体として具体化し、それは該第1および第2ミラーである面を有して、多面体を形成するように配置されるミラーの集まりを含む。1つの態様において、多面体の中心軸に関して、該第1ミラーは該第2ミラーとは異なる傾斜角度を有する。非常に大きな回転の稼働速度のために、流体ベアリングを用いて回転するように、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナを配置する。流体は液体であってよいが、動きに抵抗する牽引力が大きい可能性があり、少なくともベアリングの表面を気体により好適に被覆することができる。1つの適する気体は、タービンスキャナ内で用いられる空気ベアリング用の空気であるが、1つの態様では、スキャナ稼働中の摩擦関連力を最小化するために、他の気体および/または液体も種々の形態で用いることができる。1つの態様では、ほぼゼロ度の温度におけるそのような種々の態様において、ヘリウムを用いる。
稼働していない間、流体によりミラーを冷却することが好適である。ミラー表面、好ましくは、流体から表面へのいずれのアブレーションスラグも避けるように、ミラーの反対側にて冷却流体を供給することにより、冷却器を配置することができる。長い期間にわたり、ミラー表面と冷却液との反応も最小化させるならば、これは好適である。本発明の1つの態様では、タービンスキャナは、冷却器に用いられる流体用のポンプとして機能する内側構造を有する。そのような態様において、タービンスキャナ部品は熱伝導性材料から作られる。本発明の1つの態様によれば、材料は金属である。本発明の1つの態様によれば、材料はダイヤモンド構造を有する。空気または磁場に基づくベアリングの代わりに、機械的なベアリングを用いる場合、流体はミラー表面とは異なる場所に存在する。従って、そのような態様では、例えば、軸の中空空間を介して供給口を配置する場合、液体が冷却器に用いられうる。1つの態様によれば、適する微粒子サイズを有するエアロゾルとしてミラーに吹付けられる液化した気体により冷却は著しくなり、粒子は蒸発して、稼働していないミラーの冷却を保つ熱流束を生成する。ある態様では、ミラー表面から気相への昇華の間、ミラーの冷却に二酸化炭素を用いることができる。
本発明の1つの態様によれば、第1ミラーおよび/または第2ミラーの少なくとも1つをダイヤモンドで作る。当該技術分野の当業者は、第1および第2ミラーが、タービンスキャナ中の異なる種類のミラーを使用している単なる例であることを、その態様から非常によく理解し、従って、多面体の形状でミラーの2つより多くの集まりを有するスキャナは、そのタービンスキャナに向けられる本発明の態様の範囲に属する。
本発明の1つの態様によれば、パドルホイールが形成されるように本発明に基づくタービンスキャナを配置し、そのパドルはタービンスキャナのミラーであり、該パドルホイールの中心軸を中心に円形経路に沿って回転できるように配置される。種々の態様において、該パドルホイールの該ミラーそれぞれを、該円形の経路の接平面を有する鋭い角度で配置する。タービンスキャナが多面体またはパドルホイールのようなものを具体化することに関係なく、第1ミラーが該パドルホイールの該軸に対して傾斜角度を有するように、ミラーを配置することができる。本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナは第1傾斜角度を有するミラーおよび第2傾斜角度を有するミラーの集合体を含むが、そのような特定の傾斜角度を有する種々の下位集合体の集合体の数を限定するように意図しない。本発明の1つの態様によれば、回転稼働中、傾斜角度を調整することができ、経路にてビームに対して必要以上の自由度を有する。本発明の1つの態様によれば、ミラーそれ自体および/またはその一部を別のものに取り替えることができ、日常保修のためにスキャナ自体全体を取り替える必要はない。
本発明の1つの態様によれば、ミラー表面自体は標的材料を含む。本発明の1つの態様によれば、そのミラーは従来の意味のミラーではないが、気体および液体状の流体のために、多面体の内側部分からタービンスキャナの外側表面へ拡散状に供給することができる多孔質材料により、それを置き換えることができる。孔を有する表面自体が放射ビームに耐え、プルーム方向を例えば基材への電界により配置する場合、そのような態様の利点は、アブレーションすべきある種類の標的材料に対する標的供給のシンプルな構造である。
本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは、ダイヤモンド表面を有するミラーを含む。ダイヤモンド構造は、本発明の1つの態様の表面に存在するだけでなく、ミラー全体をダイヤモンドで作ってもよい。本発明の1つの態様の変化形によると、タービンスキャナ全体をダイヤモンドで作る。本発明の1つの態様によれば、本発明の種々の局面に基づき、ダイヤモンドの本体を作ることができる。本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナは偏向すべきビームと同じスケールの規模を有する。本発明のそのような態様において、材料が放射経路にて偏向すべき放射ビームおよび結果的に生じる熱に耐える場合、稼働していないミラーの熱伝導および十分な冷却は、スキャナサイズに合わせて低いボーダーを規定し、それはミリメートルスケールおよび更により小さいスケールまで下がる可能性がある。小さなスケールのタービンスキャナを使用する利点は軽さであり、材料がそのような回転に関する力により壊れることなく、全体として耐えることができる程度大きく回転速度を増加させることができる。本発明の1つの態様によれば、軽量構造にするために、タービンスキャナローターをエアロゲルで作る。本発明の1つの態様によれば、少なくとも該ローターのそのようなエアロゲル部品をミラー表面で被覆する。本発明の1つの態様によれば、ローターの冷却を促すために、ダイヤモンドプラズマをエアロゲル構造に蒸着させて、エアロゲル材料にわたり1つの表面から別の表面へ熱流束を生じさせる。
図33は、角柱の面が少ないタービンスキャナ3321を図示しており、特にそれ3321のローター部分を図示する。部分3321は、従来のタービンスキャナ部分であってよいが、本発明の改良した態様に基づく部分であってもよい。図の実施例において、部分3321は面3322、3323、3324、3325、3326、3327および3328を有する。矢印3320は、軸3103を中心とする部分3321の回転を図示する。面はミラーであり、各々は、稼働中それ自体の回転により、放射経路を通って入射放射ビームを偏向させるように配置され、ミラーが稼働しない時には、冷却させるように配置される。種々の態様に対して、面の傾斜角度を示す。図33は、最初のミラーであるミラー1から最後のミラーであるミラー8まで、時間スケールにおけるタービンスキャナ部のある周期を図示する。走査線3329を標的上に表示し、それは本発明の1つの態様に基づく任意の標的材料であってよく、更に冷間アブレーションに十分な構造を有する任意の他の標的材料であってもよい。ビームの戻りを線3330により示す。ミラーを表示の参照番号により示す。例として40μmの走査線を実証したが、本発明の態様は示したビームサイズのみに限定されない。1つの態様において、少なくとも2つの連続する走査に対して、標的材料上の走査線の位置は同じであってよいが、例えば、冷間加工に基づくアブレーション時であっても材料が破片を形成しやすいならば、もう1つの態様において、2つの連続する走査に対する走査線は異なってよい。面の数は8に限定されず、それは図中の例のみである。数の上では面は、10または100であってもよいが、走査線の長さに影響を与える。
本発明のある態様では、標的表面における種々の走査線の数は、タービンスキャナのある面から隣の面への傾斜の変化により、もう1つの態様では、少なくとも1つのミラーまたは複数のミラーの面傾斜を変化させることにより、達成されうる。
タービンスキャナは、ビームが標的にて一箇所に留まらず、それゆえ走査の間、生成は素早く均質であり、結果的に標的から均質なプルームを得るという利点を有する。
出願文を読んだ当該技術分野の当業者にとって、タービンスキャナの寸法は、自由な拡大縮小が可能である。態様は、微視的なスケールから巨視的なスケールまでの変化を含み、ある態様に基づく巨視的なスケールにおいて、直径は約12cmおよび高さは5cmである。面の多いタービンスキャナと面の少ないタービンスキャナとの区別は、軸方向に垂直な方向のミラーの幅に対する軸方向のミラーの高さの測定により、行なうことができる。高さおよび幅が基本的に同じ、または正確に同じであるならば、そのような中間の態様は、比率に基づく面の少ない態様または面の多い態様のいずれかに含められ、高さが幅より小さい場合、それは面が少ない態様であるが、高さが幅より大きい場合、それは面が多い態様である。
繰り返し率が約4MHzより大きい、好適には20MHzより大きいおよび/またはパルスエネルギーが1.5μJより大きい、ピコ秒レーザーシステムを用いるそのようなシステムにとって、放射経路の中にタービンスキャナを用いることは好適である。
標的において放射出力を制御することは好適である。従って、各パルスを大きくすることができ、放射ビームの焦点合わせ、標的材料のアブレーション、基材の被覆、および/またはプルームの形成を制御するためのフィードバックループにおいて、所定の値からのパルス/放射特性の逸脱に関する知識を用いることができる。
図34は、基材の層状構造を図示する。その基材3473は任意の基材であってよいが、図34は材料の例としてプラスチックを用いる。基材3473の一方の側における層状構造に対して、大文字A、B、C、D、Eにより一方の側面の層を示す。基材のもう一方の側面に類似する層状構造3475が存在するが、個々の層の数は示したものに限定されず、基材の被覆した側面の数も限定されない。その機材は、基材として作用することができる潜在的な空洞または内部側面を含む、1つの側面のみまたは複数の側面が被覆されうる。要素3457は車両のフロントガラスを図示するが、それはボート、船、潜水艦、オートバイ、航空機の窓および/またはフロントガラス、あるいは車両または建物の窓であってよい。基材はプラスチック、ガラスまたは複合材料であってよい。一方の表面において、基材3475を第1被覆により被覆することができるが、任意でまたは追加でもう1つの表面で、第2被覆により被覆することができる。第3被覆により基材を被覆することができるが、1つの側面における被覆層の数に制限はない。1つの被覆が太陽電池被覆、即ち、太陽電池を形成するように配置された適する層による被覆であってよく、それは可視光範囲のために、1つの態様に基づき透明であってよい。「ガラス」なる用語は、ガラス、プラスチック、複合材料および/またはちょうど記載したものの組み合わせで作られる種々の窓および/またはスクリーンの窓ガラスを意味する。層状フロントガラスの例として、幾つかの層を示す。層は積層ガラス構造であってよい。更に、民間用途の物品ならびに軍事関連車体を含んで成る先に記載した物品の本体も被覆することができる。軍事用途においても、適切な部分にステルス関連被覆を行なうことができる。種々の種類のサングラス、めがね3417および/またはシールドならびにサンバイザー3420を被覆することができる。
図35〜52は、具体化された本発明の局面に基づき行なわれる複数の種類の被覆に関する例を図示する。本発明の態様に基づく方法および/または設備に基づき、被覆および/または彫刻を行なうことができる。処理した表面は、物体の内側および/または外側の表面であってよい。
図35は、本発明の1つの態様に基づき被覆されるチューブ状構造3534、3539を図示する。チューブおよび/または用いられる目的に従い、チューブは端が開口しているもの3539または少なくとも1つの端が封止されているもの3534であってよい。そこに適する条件によれば、チューブは、図に示すように内側および/または外側も被覆されうる。
チューブは、例えば送水管、下水管、ガス管、石油輸送管および/またはそのコネクタのような材料移送ラインの一部であってよい。チューブの摩耗および/または腐食が発覚した部分を被覆することができる。例えば、熱交換表面において耐摩耗性および/または耐腐食性材料は、被覆される部分の稼働期間を延長させることができる。本発明の1つの態様に基づく表面で被覆するものとして適する材料は、窒化炭素および/またはダイヤモンドを含むことができる。
図36は複数の種類の容器の被覆を実証する。本発明の態様を用いることにより、任意のグラス3640、平皿3643、受け皿3644を被覆することができる。その例は特定の外形、ジオメトリおよび/または透明度に関係するが、被覆例は家庭用用途、化学工業、研究所関連用途、医療機器ならびに複数の工業における種々の種類の化学反応炉で用いられる容器および/または瓶も具体化する。被覆されていない容器の材料は特に限定されないが、容器形状における基材用に金属、セラミック、プラスチックならびにガラスまたはそれらの適する組成物が用いられうる。
図37は、光学および/または磁気記録物であるDVDで具体化されるコンピュータのハードディスク部分3741、および/あるいはCDのディスク3742、または任意の読み取りやすい形態で情報、画像および/あるいは音楽を運ぶのに用いることができる他の媒体を被覆するのに用いられる被覆を実証する。
同じ図において、部分3743は、摩耗を被る少なくとも機械部分が被覆されている任意の電気機械部品を実証する。従って、任意の電気接触器は、耐摩耗性を向上させる表面を設けることができ、特定の目的で必要な部分においてドープされる被覆材料と組み合わせて基材材料を選択することにより得られる、適する電気抵抗を有する。基材に薄膜ワイヤーを提供することもでき、保護可能な物体に対する場合として用いられる基材上に、適する磁性材料も有し、本発明の1つの態様に基づく被覆によって、該物体にRF保護を提供することができる。部品は一般的な電気要素の寸法であってよいが、それらは微視的なスケール、ナノスケールのデバイスまたは機械用途および/または電気部品の中間サイズの物体である、いわゆるミクロ機械部品である。
図38は、窓および/またはミラーに用いられる基材を被覆するための本発明の態様の使用を示す。図において、ミラー3845はガラス層3848を含み、その後ろには銀、アルミニウム、または他の適する基材が存在することができ、反射層を形成する。層は、1つの態様では自浄式の層であってよく、他の態様では偏向層、および/またはIR反射性の層であってよい。ガラス層3848の他の表面にある層3849を、光触媒反応に適する層構造3849としておよび/または太陽電池含有層として具体化することができる。そのような層は、可視光の波長範囲では透明であってよいが、他の放射を電気に変換するように配置する。本体3846は、図25に基づく金属または他の材料で作られる基材として存在することができる。第1被覆3851により、一方の側面から本体を被覆することができ、更に他の側面で第2被覆3852によっても被覆することができる。本体は、レンズ材料3853上で、適切な被覆3854、3855、3856により被覆されるレンズ3847,凸、凹または結合レンズ、めがねレンズでありうる。
図39は、道具および/またはその一部を被覆するために、本発明の態様の使用を図示する。穴あけ器3961ならびにエッジまたは刃3962は、図のただ1つの例である。穴あけ器またはドリ手段に加えて、それらは旋盤の一部または任意の種類の旋盤も表している。ナイフ3926は、手動用途としてまたは機械の一部として、キッチンナイフから肉屋および/またはパン屋の使用における産業用ナイフまで、種々の種類の種々の切断手段として、被覆の使用を象徴する。はさみ3925の刃も被覆することができる。はさみの刃は、1丁の家庭用はさみを例示している図39に限定されず、更に植木ばさみならびにはさみのような切断手段も、被覆用の使用の範囲に含まれる。のこぎり3927は、鋸歯状刃および/またはのこぎりのただ1つの例であり、直線状の鋸歯の示された形状のみに範囲を限定するようには意図しない。のこぎり刃3927全体またはそのほんの一部を被覆することができる。回転のこぎりを被覆することもできる。のこぎりは手動のもの、電動のもの、および/または産業機械の一部であってよい。また任意の道具の任意の柄を被覆することもできる。物品3963は、被覆されたやすりを図示する。個々のスパイクおよび/または頂上部3964を、ヤスリの拡大図として図に示す。物品3971はそのような道具ではないが、穴あき器に関係するもので、複数の種類のスパイラル構造を有する取付手段も含まれている。図に示すような物品3971はねじ構造を有するが、種々の種類のスタッドおよびびょうのくぎは、本発明の態様を用いることにより塗布可能なものに含まれる。
切断を目的とする刃に加えて、スプーンおよび/またはフォークならびに任意の食器を、耐摩耗性のために被覆することができ、切断性能および/または外観を向上させて、ある種の芸術的な外観を提供する。
被覆される道具は、直接図に示されることはできないが、1つの態様によれば、ハンマーまたは斧、くさび、チェーンソーまたは回転切断円、または回転やすり、ブラシまたは被覆した繊維で作った布のような打撃手段である。ヤスリは示されているが、紙ヤスリまたは種々の手段の金剛砂ならびに任意の粉砕手段、砥石車および/または直線的に動くことができる研磨機も、被覆する本発明の1つの態様の範囲に含まれる。
図の取付手段は、市販されている一般的なハードウェアであってよいが、本発明の1つの態様に基づき被覆される。環境において、腐食耐性を増加させるまたは減少させるために、被覆を用いることができる。建築および工業の環境において、一般的に起こる腐食は望ましくない現象であり、それゆえ手段を保護する適切な表面材料により防がれるが、折れた骨格を固定するような状況が起こりえて、周囲を接合するという意味で、腐食されるであろう材料で作られる取付手段の例として更なるエッジを用いずに、取付手段が骨の構造と一緒になることが望まれる。構造を周囲の材料よりも弱くさせる可能性のある取付手段の重要な部分において、摩擦を少なくし、骨格に対するダメージを少なくし、欠陥を少なくし、腐食をさせないようにして、必要があれば容易に除去できるようにする。それ自体の取り付けを容易にするために、取付手段を潤滑供給型物質により被覆することもできる。
例えば、手術用の医療器具も1つの態様に基づき被覆する場合、より良く機能し、本発明の1つの態様により例えばダイヤモンド被覆をする場合、ナイフはより良い切断パターンを有する。ダイヤモンド被覆の平滑な表面は、器具の衛生面も向上させる。そこで、鉗子、はさみ、メス、支持体ならびに1つの態様に基づく例えばダイヤモンド被覆により被覆されるような関節としての人工パーツが使用に耐えるだけでなく、手術時の衛生状態を向上させる。骨を取り付けるためのネジをダイヤモンドによって被覆する場合、患者の組織の炎症を最小化させることができる。ネジにより骨を取り付ける場合、摩擦もより小さくなり、その結果、骨に対する潜在的なダメージを全部とまではいかなくても、少なくともある程度できる限り避けることができる。
図40は、種々の種類の銃の被覆した部分を図示した。ピストルの銃身4071のみ、外側被覆4072を有するように示されているが、ピストルの任意の他の部分または適切な部分における全ての他の部分4073も被覆されうる。銃身または銃の複数の銃身を被覆することができ、任意でまたは追加で内部にも被覆することができる。銃身の平滑度は摩擦ひいては銃身の熱形成を減少させ、その結果、それらを最小化させることができる。銃弾が同様に平滑な被覆を有する場合、銃身と銃弾との適合性が向上する可能性があり、このことは、そのような銃身を設けた銃による射撃の正確性を向上させる。これは、その使用中の銃身の耐摩耗性を向上させ、ひいてはその寿命を延ばすのにも有用である。
摩擦の減少は軍事関連のおよび/または他の機関銃において有用であり、握るための携帯用の銃のライターも冷却の必要性を減少させるように見え、更にローディングシステム性能の自動小銃においても有用である。民間関連ならびに軍事関連ピストル用の手持ち銃およびライフル銃は、銃身および/または他の部分の被覆の範囲に含まれ、種々の種類の大砲も含まれる。連発拳銃またはその一部、ならびに1発または2発散弾銃のそれらも含まれる。バズーカ砲、その一部およびロケット弾発射砲、ならびに適する部分において被覆されるそれらの一部も含まれる。腐食に備え、銃弾、砲弾、手榴弾および/または銃弾ならびにそれらの一部を、銃身を保護し、望まれない摩擦を更に減少させる滑剤により被覆する。
図41は、モーター部分を被覆するための本発明の1つの態様の使用を図示する。モーターは実際には、いずれかの種類の燃焼関連エンジンであってよい。図はシリンダー4166の表面を示しており、それはシリンダーの内側、外側および/または他の燃焼空間の表面4168であってよい。シリンダー内で動くように作られているピストンも被覆することができる。任意のオットーモーター、蒸気エンジンならびにワンケルモーター部分を被覆することができる。ジェットまたはロケットモーターまたはそれらの部分も被覆することができる。作動環境における耐摩耗性を高めるために、適する部分において、ターボチャージャーおよびタービンを被覆することもできる。例えばダイヤモンド被覆は平坦度を高めることができ、ひいては摩擦を減少させることができ、摩擦表面において例えば炭窒化物を用いることにより、摩耗時間を延ばすこともできる。
タービン部分4168を図41で実証する。適する部分において被覆されるバルブにより、他のモーター部分を実証する。摩耗および/または腐食に備えて、カム、カムシャフト、クランクシャフト、チェーン、歯車、スパイラルおよび/または円錐形の歯車部分を被覆することができる。図は、本発明の1つの態様を用いることにより、全ての部分とまではいかなくても少なくとも部分的に被覆されるボールベアリング構造4173を示す。しかしながら、他の種類のベアリングも、ベアリング表面の形状および/またはその曲率から独立して含まれ、ナノスケールの態様から、例えば原子力発電所の発電機の態様など最も大きなベアリングを被覆する態様までのベアリングを含む。従って、球形、円筒形および/または円錐形のベアリングを含む全ての種類のベアリングは、被覆可能なベアリングに含まれる。1つの態様によれば、ベアリングが通常の非被覆ベアリングのように熱くならないように、熱を伝えるようにダイヤモンド被覆を調整することができる。ベアリング部分全体をダイヤモンドで製造することも可能である。巨視的なベアリング表面であっても、1つの態様に基づき容易に平坦にさせることができ、±30nm、好適には±10nm、更に好適には±3nmのナノスケール精度を満たし、または1つの態様では、より小さなレンジ内でさえある。
そのような被覆は、ベアリング表面の70nmより大きなミクロンサイズの不要および/または有害な粒子破片も避ける。1つの態様では、ベアリングの表面に全く粒子を形成しない。本発明の1つの態様によれば、いずれのベアリング部も、本発明の1つの態様に基づく3D印刷により作ることができる。
図42は、本発明の1つの態様に基づき行なわれる配水管関連の被覆を図示する。底のこし器4275は、配管ならびに廃水管理関係部分に関わる他の部分に関係する下水管を図示する。デスク4277は、任意の金属デスクまたは別のデスクへの被覆を実証する。台所の流し台、家庭用、医療用および/または工業用デスクを、部分4277および/または4276により実証されるように被覆することができる。こし器4275は、そのようなボールまたは流し4276の一部であってよい。蛇口4278は、蛇口または別の種類の台所/風呂場関連の送水バルブ、更に工業、医療および/または食料品関係の用途で用いられる任意の種類の蛇口の被覆を実証する。蛇口および/または流しを金属プラスチックまたはセラミックで作ることができ、その素材は銅、金、クロムまたは合金を発生させるレーザーアブレーションにより被覆され、および/またはレーザーアブレーションにより仕上げられる。層が処理をせずに適合しない場合、電気化学的なエッチングを用いることができ、更に基材上のある層の接着性を向上させるために、触媒を用いることができる。図では、蛇口の外側にて層4281、4282、4238により被覆を実証する。しかしながら、層の数は限定されず、蛇口の側面も限定されない。図では示していないが、基材として蛇口の内部壁4279も被覆することができる。例では、層4281は粘着層であってよく、4282は金の層であってよく、および層4283は耐摩耗性の透明および/または着色したダイヤモンド層であってよく、例えばある外観のために被覆した蛇口を有する。しかしながら、外観および/または望ましい摩耗および/または腐食に対する抵抗の度合いに応じて、層はより少なくても、より多くてもよい。水道水および/または下水関係の配管、コネクタおよび/またはバルブ中で、自浄被覆も用いることができる。静電気防止被覆を行なうことができ、そうして使用中に電気的なスパークの危険を伴わず、例えば石油精製所関連の配管を製造することができる。
図43は、ガラスおよび/またはプラスチックで作られた窓4383の被覆を実証する。本発明の態様を使用し、自浄4384被覆を作るように対処されうる。窓の内側を、例えば耐赤外線滞在被覆4386と接触させて被覆されることができるが、外側ではガラスの色調を変えるまたは着色するために被覆4387により被覆することができる。外側のほとんどの被覆層は、十分なレベルで可視性を達成する光触媒層4388を設けることができる。
基材は普通のガラスであってよいが、ラミネート構造を得るガラスまたは他の基材材料であってもよい。層の1つは偏光層4337であってよく、パイロットまたは運転手に対するまぶしい光の悪影響を減少させるが、層はガラスまたは窓をきれいに保つ光触媒層4336であってよい。ダイヤモンド層4339を有する基材4338上に層状窓構造を製造することもできる。プラスチック層4340を有する構造を利用することもできる。
図44は、石材および/またはセラミックの表面4489を被覆するための本発明の1つの態様の使用を実証する。表面は内側表面または庭の外側の板、大理石もしくは合成セラミックであってよく、それらを緑色に着色させることができ、耐摩耗性を増加させるために、更にダイヤモンド被覆4491を設けることができる。
図45は、金属要素4592を被覆するために、本発明の1つの態様の使用を図示する。層4595のように着色剤により表面を着色することができ、その後、耐摩耗性および/または耐腐食性を増加させるために、表面を炭窒化物および/またはダイヤモンドの層4594により被覆することができる。要素は、家、貯蔵庫、他の建物、タンク、車、船、ボートまたは裏打ち要素として他の動く船舶を建築するために用いられる内側および/または外側で使用するための建物要素であってよい。軍事使用においても、レーダにより観察される物体を保護するために、ステルス被覆を行なうことができる。
図46は、テレビ4696または他の同様の種類のディスプレイまたはその一部を被覆するための本発明の1つの態様の使用を実証する。しかしながら、被覆すべき表面は内側表面および/または外側表面であってよい。示す例は、EAD32”であるように見えるが、任意の手段によりユニットを示された例のみに限定しない。テレビの前面は、OLED、LCDまたはプラズマTVを有する種類であるように見える。画面基材4697のために、被覆4697、4699、4600、4601材料を一般的な材料から選択することができるが、画面をきれいにおよび/または傷を付けずに保つために、ダイヤモンド被覆および/または光触媒被覆を含むこともできる。電子装置の他の表面も被覆することができる。例えば、ipod、ビデオレコード、DVDプレイヤー、レコードプレイヤー、CDプレイヤーおよび/またはラジオ、更に冷蔵庫、石、それらのフィルターを有する空気清浄機などである。
図47は、手すり4702および/またはドアの取っ手4703を被覆するための本発明の1つの態様の使用を図示するが、更に他の種類の引っ張るものまたは取っ手ならびに工業、ビジネスおよび/または家庭の用途の複数の種類のヒンジもである。
図48は、照明要素および/またはその一部を被覆するための本発明の1つの態様の使用を図示する。照明要素のミラー4804を、例えばビニールハウスにおいて、望ましい波長分布に適する被覆4805により着色することができるが、電球それ自体または他の光源をカバー4806の内側または外側で被覆することもできる。更に、カバー部分4807(ガラス、プラスチック、混合物または積層物で作られた)を被覆して、適する着色被覆を含むことができるように、密封した光提供物を作ることができる。光触媒被覆は、きれいな光学表面を被覆した表面に提供することができ、照明装置のミラーの被覆表面だけでなく他の表面にも提供することもできる。
図49は、航空機装置の翼表面を被覆するための本発明の1つの態様の使用を図示する。表面は、内側4909表面および/または外側4908表面であってよい。特に、翼の内側部分が燃料タンクに用いられる場合、軽くて堅い表面は、静電気防止被覆を行なうのに都合がよく、本発明の1つの態様によりなされるダイヤモンド被覆によって、その特性を達成することができる。十分に厚くなされた被覆は、翼構造を支持することもでき、それによって翼の重さをより軽くすることができる。その上、空気抵抗を最小化するように調整した平滑な表面は、燃料消費を減少させる。そのようにして、十分な強さ/堅さを得るために、十分に厚いダイヤモンド被覆を用いることができ、更に他の被覆も、ラミネート構造においても用いることができる。
従って、翼構造を作ることができ、翼構造4910は一方の側に被覆4912およびもう一方の側に被覆4913を有しており、それらはダイヤモンド被覆であってよい。このようにして、堅い構造を作ることができ、更に、曲がっているまたは同様の領域4911において大きな荷重に耐えるように調整することもできる。より局所的な応力に耐えるように、例えば、航空機のフレームの翼および/または他の物体におけるモーター取付領域のような領域を、被覆により強化させることができる。
図50は、図25に基づく被覆5015および/または5016による炭素繊維複合材料部材5014の被覆のための本発明の1つの態様の使用を図示する。そのような部材は直線形のシャフト状であってよいが、それにのみ限定されない。部材は板状構造であってよい。加えて、部材全体にわたって、または部材のある特定の部分に被覆を行なうことができ、その部分とは曲がっている部分、またはその環境において他の活動的なもしくは摩耗に晒される関連物品であってよい。骨または取替部分としての同様の構造に関連する態様では、機械的な強度を高めるために、それだけでなく、あるいはその環境において構造の化学的抵抗性を高めるために、そのような部分を被覆することができる。
図51は、画面部分を被覆するための本発明の1つの態様の使用を図示する。その画面は、可撓性を有する紙状の画面であってよい。示した例は一例であって、態様の範囲をOLED、LCD、プラズマまたはいずれかの他の特定の画面の種類のみに限定しない。1つの態様により、可撓性を有する基材上にカード基板を製造することもできる。そのことは、巻くことが可能なおよび/または渦巻き形状のカード基板を電子機器に提供する新しくて実用的な方法を促す。基材5121を一方の側面において、1つのカード基板パターンを形成するための層5122により被覆することができ、もう1つの側面において、もう1つのカード基板パターンを形成するためのもう1つの層5123により被覆することができる。適するダイヤモンド層によって、層を部分的にまたは全体にわたり保護することができる5124。例えばタッチ画面を、被覆として基材上に提供することができる。従って、そのような可撓性を有する画面を用いることにより、電子ブックを作ることができ、そのうちの一部は、IRおよび/またはUV波長で操作可能な太陽電池を設けることができ、そうすることにより、読み手が使用するための可視光の波長範囲の一部を残す。
図52は、航空機5229および/またはその一部5230、5231を被覆するための本発明の1つの態様の使用を図示する。示した窓またはその取付フレームおよび/またはガスケットのみに限定することなく、どのような部分でも被覆することができる。図52は、航空機の一部の被覆も図示する。示した部分は、車輪5234または車輪もしくは縁部分5234用の縁5232のような、着陸装置部分の一部である。列車用の車輪および車の縁および/またはタイヤも被覆することができる。腐食を防ぐために、列車用のレールを被覆することができる。
図53は、本発明の1つの態様に基づく被覆を図示する。被覆は図25の物質だけでなく、希ガス化合物も含むことができる。基質および/またはバレル(barer)401を選択し、ドーパント402を選択し、基質および/またはドーパントをアブレーションして403、得られたプラズマにより基材を被覆する。非常に単純なフローチャートであるが、その工程は、少なくとも1つの基材を有する複数の基材を被覆するために、何度も連続しておよび/または並行して用いられうる。
図54は、本発明の1つの態様に基づくプリンター500を図示する。3D印刷用のプリンターは、有効深さで標的を第1表面改質ビームに露出すべく標的を保持させるように配置した標的ホルダー501、第1表面改質ビームを生成する手段および/または標的上の経路に沿って該ビームを移送するための放射経路としての移送ラインを生成する手段502、その有効深さの第2表面改質ビームを生成する手段および/または基材の少なくとも1つの表面を第2表面改質ビームに暴露するための移送ラインを生成する手段503、ならびに基材ホルダー504を有して成る。
図55はコピー機を図示しており、そのコピー機は、形状および/または寸法に関する3D物体のデータを取得するおよび/またはファイル602に記録するための手段601、そのデータを、ある程度正確に3D物体の複写を印刷するための3Dプリンター(例えばアイテム500)を制御するための制御コマンドに変換する手段603を含んで成る。
図56は、本発明の1つの態様に基づくレーザーシステムを図示する。そのシステムは、アブレーション用の放射を発生させるための放射源701、該放射を標的部分に向けるためのタービンスキャナ703を含む放射経路702を含んで成る。1つの態様に基づき、標的またはその一部から標的材料をアブレーションさせるように配置した複数のレーザー起源により、放射源を具体化することができる。
本発明の1つの態様に基づく表面処理方法は、
−標的として作用する標的材料を表面改質ビームに暴露すること、
−表面改質ビーム用の放射経路を、放射源から標的材料をアブレーションするための標的に向けること、
−少なくとも1つの表面特性に関して、少なくとも1つの表面を改質させるために、標的材料を有効深さまでアブレーションさせること
を含む。
発明の実施形態による表面処理方法該特性は、該有効深さまでの組成物、化学的な構造、機械的な構造、物理的な構造の少なくとも1つである。本発明の1つの態様は、第1表面改質ビームにより該第1表面が提供する標的材料を改質するために、標的までの第1表面を選択するおよび/または基材までの第2表面を選択する方法の工程を含む。本発明の1つの態様に基づく方法では、改質は、該第1表面改質ビームにより、有効深さにて表面から材料を除去することを含む。本発明の1つの態様に基づく方法では、方法は、第2表面改質ビームを用いて、材料を第2本体部の該表面に持ってくるように、第1本体部の表面を標的上に配置するおよび/または第2本体部の表面を基材上に配置することを含む。本発明の1つの態様に基づく方法において、その方法は該表面の改質を含み、該材料の層厚さとして規定される有効深さまで該表面上に材料を添加することを含む。本発明の1つの態様に基づく方法において、その方法は、第1表面改質ビームにより除去されるにつれて、該材料が該第1表面から生成するように、材料を第2表面改質ビームにより第2表面に移動させること含む。
本発明に基づく被覆方法は、本発明の1つの態様に基づく表面処理方法を含む。表面処理方法を、被覆のために用いられる少なくとも1つまたは複数の物質を含んで成る多数の物質に適用する。本発明の1つの態様に基づく被覆方法は、基本的に同じ標的部分から少なくとも2つの物質をアブレーションさせることを含む。しかしながら、標的部分が異なっていてよく、異なる標的であっても用いることができる。被覆を、望ましい被覆組成物の化学量論関係における被覆プロセスに供給された要素から直接形成することができる。本発明の1つの態様によれば、第1および第2物質を順番に連続してアブレーションさせるのに対して、種々の態様によれば、各物質のアブレーションの持続時間に関して、少なくとも1つの物質を少なくとも部分的にもう1つのアブレーション物質と同時にアブレーションさせる。本発明の1つの態様によれば、彫刻するためにアブレーションを行なうが、他の態様によれば、被覆を行なうためにアブレーションを行なっており、例えば、被覆すべき基材上に被覆を形成するために、標的材料を用いる。
アブレーション可能な材料は、被覆基質物質またはドーパントによりドープされうる他の種類のキャリアを含むことができる。基材表面および/または被覆層が更なる特徴を得るように、ドーピングを行なってよい。そのような追加の特徴は、望ましい弾性、ヤング率、結晶構造、その転移ならびに/または被覆および/もしくは基材表面の引っ張り強度であってよい。本発明の1つの態様に基づき基板上に被覆される被覆は、黒鉛、アモルファスのダイヤモンド、層の中においては多結晶の形態、単結晶の形態である炭素を含むことができる。そのような層を、複数の層であっても1層ずつ被覆することができ、特に3D印刷および/または複写用の切断方法として被覆が用いられる態様においてである。
キャリア基質および/またはドーパント用の物質を、自然界から入手可能な成分から選択することができるが、それらのみに限定しない。適する物質はウラン、転移ウラン、土類金属、希土類金属、アルカリ、水素、ランタニドおよび/または希ガスであってよく、その物質は、ドーパントとしてウラン、転移ウラン、土類金属、希土類金属、アルカリ、水素、ランタニドおよび/または希ガスを含むことができる。他の適するドーパントは、ホウ素族(IIIb)のドーパント、炭素族(IVb)のドーパント、窒素族(Vb)のドーパント、酸素族(VIb)のドーパントおよび/またはハロゲン族のドーパントである。しかしながら、当該技術分野の当業者は現在の態様から、全ての起こりうる置換および変更が他のものほど被覆にとって好都合ではないことを理解する。例えば、不安定および/または有害である移動可能な化合物を形成するドーパントは、本態様の範囲に適合する範囲の全ての目的のための化合物ほど望ましくない。
本発明の1つの態様によれば、複数の種類の目的物を被覆するために、その被覆方法を用いることができる。被覆すべき表面は、物体の内側および/または外側表面であってよい。物体はナノスケールの物体、機械またはその一部、ならびに建物のような巨視的な物体、または中間サイズの物体であってもよい。
被覆に適する物体に関する幾つかの例のために、被覆を図示することができるが、その態様の範囲を記載した例のみに限定するようには意図しない。本発明の1つの態様に基づく被覆を、航空機、船、ボート、ヨットもしくはそれらの一部、車両、または宇宙船の本体部および/または裏地構造に対して用いることができ、航空機、船、ボート、ヨットもしくはそれらの一部、車両、または宇宙船のモーターおよび/またはその一部の表面に用いることができ、航空機、船、ボート、ヨットもしくはそれらの一部、車両、または宇宙船の裏地構造および/またはその一部の表面を被覆するために用いることができ、道具および/またはその一部である物体の表面を被覆するために用いることができ、家庭用および工業用の使用を対象とする家具である物体の表面を被覆するために用いることができ、容器、皿、ホルダー、貯蔵庫、タンク、大樽、瓶、缶、鍋、椀、入れ物;受け皿、ゴミ箱、ボウル、桶および/または樽である物体の表面を被覆するために用いることができ、台所および/または冶金産業、食品産業、医療産業、化学産業、塗料および/または顔料産業、半導体産業における使用を対象とする物体の表面を被覆するために用いることができ、台所関連用品、原子炉、化学反応炉および/または材料の移送ラインである物体の表面を被覆するために用いることができ、
ガラス、プラスチック、複合材料の透明な板またはラミネート構造物、
ガラス、プラスチック、複合材料の不透明な板またはラミネート構造物、
太陽電池および/またはその一部、ならびに
−記載したそれらの組み合わせ
の1つである物体の表面を被覆するために用いることができる。
本発明の1つの態様に基づく被覆を、家および/または他の建物を建てるための建築要素である物体の表面を被覆するために用いることができ、天然および/または天然由来の非合成材料を含んで成る、家および/または他の建物を建てるための建築要素である物体の表面を被覆するために用いることができ、玩具またはその一部である物体の表面を被覆するために用いることができ、腕時計、時計、携帯、PDA、コンピュータ、ディスプレイ、TV、ラジオまたは記載したいずれかの一部である物体の表面を被覆するために用いることができ、覆いおよび/または骨組みまたは記載したいずれかの一部である物体の表面を被覆するために用いることができ、少なくとも部分的に繊維状の組成物を有する物体の表面を被覆するために用いることができ、より糸、編み糸、コード、フィラメント、ワイヤー、紐、固体導体、汀線、ロープである物体の表面を被覆するために用いることができ、網構造を有するおよび/または織物構造を有する物体の表面を被覆するために用いることができ、繊維状フィルター、工業用布地、生地または紙の布地の1つである物体の表面を被覆するために用いることができ、電磁気放射の導波管である物体の表面を被覆するために用いることができ、少なくとも部分的にダイヤモンドで作られる物体の表面を被覆するために用いることができ、被覆後より被覆前に異なる組成物を有する物体の表面を被覆するために用いることができ、スポーツを行なう手段を含む物体の表面を被覆するために用いることができ、スポーツを行なうための手段を含む手段の表面を被覆するために用いることができ、該手段がスキー、スラローム、スノーボード、氷または地面上でのスケート、クレードル、そり、手品、少なくとも1つの棒を使うゲーム用の手段である物体の表面を被覆するために用いることができ、該手段が投げる、打つ、滑る、滑空する、スクロールするまたはボウリングすることである物体の表面を被覆するために用いることができ、自転車もしくはその一部、チェーン、ベアリング、またはちょうど記載した別の部分である物体の表面を被覆するために用いることができ、ジュエリー、飾り、芸術作品またはそれらの複写品である物体の表面を被覆するために用いることができ、マイクロメカニカル要素である物体の表面を被覆するために用いることができ、半導体である物体の表面を被覆するために用いることができ、電気および/または熱用の絶縁体である物体の表面を被覆するために用いることができ、電気および/または熱用の導体である物体の表面を被覆するために用いることができ、人間および/または動物の移植臓器である物体の表面を被覆するために用いることができ、結合表面である物体を被覆するために用いることができ、びょう、飾りびょう、ねじ、くぎ、フックまたはナットのような取付要素である物体を被覆するために用いることができ、放射経路の少なくとも一部である物体の表面を被覆するために用いることができ、タービンスキャナまたはそのミラーである物体の表面を被覆するために用いることができ、シートおよび/またはネットの製品形態のプラスチックフィルムである物体の表面を被覆するために用いることができ、光学要素である物体の表面を被覆するために用いることができ、レンズ、プリズム、フィルター、ミラー、減衰器、偏光子またはちょうど記載したそれらの組み合わせを含む物体の表面を被覆するために用いることができ、めがねまたはコンタクトである物体の表面を被覆するために用いることができ、債券、株券もしくは価値のある別の紙、または支払手段である物体の表面を被覆するために用いることができ、物質を貯蔵するための容器である物質の表面を被覆するために用いることができ、水素および/または放出水素を貯蔵するための容器である物体の表面を被覆するために用いることができ、炭化水素および/または放出炭化水素を貯蔵するための容器である物体の表面を被覆するために用いることができ、核燃料および/またはその成分を貯蔵するための容器である物体の表面を被覆するために用いることができ、および/またはUV活性被覆により被覆される基材物体である物体の表面を被覆するために用いることができる。本発明の1つの態様によれば、被覆していない光学要素の光学特性を形成するように配置した層を有する被覆を含むように、光学要素を正確な方法で被覆することができる。
図57は、放射源設備5700を図示する。示した例は、放射源5701および/またはもう1つの放射源5707を含む。そのように光源の数は、1つまたは2つのみに限定されない。設備では、本発明の1つの態様に基づく標的材料でありうる標的5706も示される。図57は、放射源5701から標的5706に放射を導くように配置した放射経路5703も図示しており、それは標的材料をアブレーションさせるために用いられる。経路はスキャナ5704を含むが、1つの経路あたりのスキャナの数は示したものだけに限定されない。図は、経路5703を光源5701および標的5705それぞれに適応させるように配置したアダプター5702、5705を図示する。アダプターは、拡大器、縮小器および/または補正光学器部分から成ることができ、それらは幾何学的なビーム形状が光源から標的への経路において変化する必要があるそのような態様において、焦点を合わせるために必要である。
図57は、光源5701に平行におよび/または追加して用いられる追加の光源5707も存在するそのような種々の設備5700も具体化する。追加の光源は、1つの態様に基づく正確に同じものであってよいが、もう1つの別のものに基づいてよい。1つの態様によれば、光源は加熱器である。アダプター5708は、5702と同じであってよいが、そうである必要はない。それは拡大器と一体化したアダプターであってもよい。スキャナ5709はスキャナ5704と同じであってよいが、それにのみ限定されない。スキャナは好適には、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナである。図の方法によると、光源5701が提供する放射のように、光源5707が提供する放射が標的5706に到達するようにアダプター5710を配置する。標的材料の表面またはその基材より上、より下またはその上において、スキャナにより向けられるビームのジオメトリが十分に一様および/または焦点が合っている場合、設備はアダプターを全く必要としない。例として5706のみ示しているが、1つの態様において、光源の放射は複数の標的に向けられてよい。
図58は、被覆に関連する本発明の局面に基づく、被覆に関連する態様用の標的材料を提供するように配置した標的材料ユニット5800を図示する。その実施例では、放射源設備5700ならびに同じカバー内の標的5804を覆うために、標的材料ユニットがケーシング5805を有しているが、それのみに限定されない。図は、アブレーション標的材料の材料プルームとしてビーム5803を図示する。基材に既に取り付けられている被覆5801により基材5802を被覆するために、プルーム5803を用いることができる。本発明の態様の適する部分において、例えば、被覆層を印刷する3Dプリンターならびにコピー機において、そのような標的材料ユニットを利用することができる。図58のユニット5800は、的確な温度まで標的を加熱するのに好適な手段を含む。本発明の1つの態様によれば、加熱手段5806をレーザーによりおよび/またはRF光源により実施する。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットは、例えば、図25の例によるアブレーション/被覆を調整するように配置したポンプ5807を含む。基材の標的および/または被覆のアブレーションを最適化するための標的材料ユニット内の雰囲気の組成を調整するように、図の雰囲気手段5808を配置する。標的材料ユニットは、ほこりおよび/または破片がある場合(図示していない)、それらを捕える手段も含むことができる。そのような手段は、潜在的な標的材料破片を収集するように配置された電気集塵装置手段であってよく、このようにして被覆の品質を向上させる。プラズマプルーム5803の乱れを最小化するが、固体/液体粒子を収集するのには十分になるような構成物質の移動性に基づき、電界を配置することができる。
図59は、標的材料ユニット内の標的材料のリボン状供給モジュール5900を図示する。標的として使用するための標的材料5902を供給するように、任意でまたは追加で、アブレーション領域にて加熱手段5905により加熱するように、リール5903を配置する。潜在的な残渣を有している使用済みの標的材料リボン5906を、リール5904上で収集する。1つの態様によれば、モジュールは1回しか使えないモジュールであるが、もう1つの態様によれば、モジュールはリサイクル可能であって、基部として作用するリボンは、次の使用のために再び被覆されうる。
図60は、本発明の1つの態様に基づく被覆方法を図示する。その方法は、標的、基材および/または被覆を選択および/または露出させる段階6001を有する。本発明の1つの態様によれば、標的は被覆の構成物質を含むことができるが、被覆の一部は、基材における雰囲気、および/または基材表面の構成物質もしくは複数のそれにより形成されうる。本発明のもう1つの態様によれば、標的材料は被覆と同じであってよい。標的材料を放射に露出するために、段階6002では、放射ビームを選択した標的材料に向ける。本発明の1つの態様によれば、アブレーションすべきもう1つの標的材料が存在してもよい。段階6003と平行して描かれているが、第2のアブレーション段階6004は平行な段階である必要はなく、1つの態様によれば連続する段階であってよい。本発明の種々の局面に関係するのはもちろんのこと、被覆のある選択性を破線で図示する。1つの態様によれば、被覆段階のみとして被覆段階6005を用いることができるが、第2の被覆段階6006は、もう1つの態様において、被覆の複数の段階が存在し得ることを図示する。本発明の1つの態様によれば、全ての被覆層が既にでき上がっている場合、各アブレーションおよび/または被覆の後、その方法は確認段階を含む。そのことは、大きな参照番号の段階から小さな参照番号の段階へ遡る図で示されるように向かう矢印により図示される。段階6003および/または6004用の被覆6011、基材6010および/または標的材料6007の選択の自由度を、要素6008、6009の周期的なシステムにより図示する。しかしながら、標的材料をアブレーションするが、該材料をそのように要素のみに限定しない。要素の化合物を用いることもできる。
本発明の1つの態様によれば、被覆材によって被覆すべき基材は、生活必需品の特許分類が提供する任意の固体物体であってよい。
本発明の1つの態様に基づく3Dプリンターは、処理可能な該表面をその有効深さまで表面改質ビームに露出するために、該表面を保持するための標的ホルダー、表面改質ビームおよび/または該第2表面改質ビームを標的に向けるための放射移送経路を生成する手段、第2表面改質ビームおよび/または該第2表面改質ビームを標的に向けるための第2放射移送経路を生成する手段、ならびに該表面をその有効深さまで第2表面改質ビームに露出するために、該基材を保持するための基材ホルダーを含んで成る。
本発明の1つの態様に基づく3Dプリンターは、印刷の様式のアブレーションビームとして表面改質ビームを生成する手段を含む。1つの態様によれば、3Dプリンターは、スライスすることにより3D物体の薄片の印刷を制御するように配置した制御手段を含み、各薄片はその有効深さを有し、該第2表面改質ビームは材料プルームである。1つの態様によれば、3D印刷は冷間アブレーションにより彫刻することも必要としてよい。基本的に、3D印刷を実施するのに2つの選択肢がある。実施の第1の方法は、印刷される物体について開始する一片を十分に大きく選択することおよび印刷を彫刻または切削することである。もう1つの実施は、プルームとして第2表面改質ビームを層ごとに生成し導き、印刷を形成する被覆関連方法である。
本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機は、本発明の1つの態様に基づく少なくとも1つの3Dプリンターを含む。しかしながら、全ての部分を記載しているわけではないが、好適にはそのようなコピー機は、ファイルに記録するために、その形状および/または規模に関する3D物体のデータを定義および/または定式化する第1手段、3Dプリンターを制御するための指令を制御するために、該データを変換する第2手段を更に含む。本発明の1つの態様によれば、該第一手段はUV、可視光および/またはIR用の光学手段を含む。それらはX線断層撮影法および/または音響手段を含むように、そのような第1手段を実施することもできる。干渉を用いることにより、形状および寸法を検出することができる。特にナノスケールの物体を印刷および/または複写する場合、細部の十分な解像度のために、波長を適切に選択する必要がある。従って、ナノスケール物体の相対誤差は、印刷および/またはコピーされる、巨視的な物体の相対誤差または中間的な物体の相対誤差よりも大きい可能性がある。
本発明の1つの態様に基づく標的材料の製造方法は、フィルムおよび/またはシート状基部を選択する段階および/または少なくとも一方の側面の基部の一部を該標的材料により被覆するために、それをアブレーション可能な標的材料の材料プルームに露出する段階を含んで成る。本発明の1つの態様によれば、その方法は標的材料に形状特徴を提供するための機械的なシェープロン(shaplone)の利用を含む。機械的な方法でシェープロンを実施することができ、しかしながらそれは著しい材料損失を引き起こし、製品価格に反映される。本発明の1つの態様によれば、1つの方向および/または2つの方向に少なくとも1つのピッチを有する形状の特徴を提供するために、その方法は、標的材料に基部マーキングを提供することを含む。本発明の1つの態様によれば、該マーキングは電気マーキング;磁気マーキングであり、あるいはマーキングは熱マーキングを含む。標的材料をある所定の形態に形成するために用いられる不均一核形成および/またはそれに続く濃縮のための基部上の箇所に、シーズとして該マーキングを提供することができる。しかしながら、形状特性に対して正確な形状が望まれる場合、その方法は基部上で標的材料のフォーメーションを形成する定型化段階を含む。製造時、本発明の1つの態様に基づく標的材料ユニットを用いることができる。
本発明の1つの態様によれば、アブレーション前および/またはアブレーションの間、標的材料は予熱した状態である。RFおよび/またはIR周波数で作動するように配置された加熱器により、加熱を行なうことができる。本発明の1つの態様によれば、アブレーションビームより低い出力を有するレーザーにより起きるように、加熱を調整する。1つの態様では、アブレーション中、アブレーションされる予定の標的材料全体に対して加熱を調整することができるが、もう1つの態様では、予熱器ビームは、アブレーションされる標的材料の一部でアブレーションビームに先立つ。1つの態様によれば、アブレーションビームに少なくとも部分的に重なるように、予熱器ビームを配置する。本発明のもう1つの態様によれば、標的材料の予熱のスポットとアブレーションビームとの間でアブレーションされる材料に基づき調整される緩和時間がある。標的を加熱することにより利益が得られ、その標的は種々の形態、例えばフィルム、リボン、薄片、板、ベルト、棒または先に記載したものの組み合わせであってよい。1つの利点は、ビームにより作られる表面の構造および/またはアブレーションによる被覆が、予熱によってより上手く制御されうることであるように見える。被覆構造は3次元であることが好適であり、および/またはより高品質でありうる。複数の標的に、特に炭素および関連する誘導体に、更に酸化物にも予熱を利用することができる。誘導体は炭素の化合物、例えば、種々の形態の炭化物ならびに炭窒化を意味するが、更に種々の形態の黒鉛、焼結された炭素、熱分解炭素も意味する。しかしながら該例は、標的材料を標的の予熱を伴う該例のみに限定することを意図しない。
図61の態様は、多面体タイプのTurrentミラーと同様に具体化されるタービンスキャナ以外の、種々の他のスキャナのタイプを用いる任意の態様を図示する。図61の大文字A〜Iは、図61のスキャナ部分の種類の動きおよび配置に関係する。文字bは、放射ビームを屈折させるためのMで示されるミラーの基部、軸および/またはベアリングを意味する。しかしながら、幾つかの態様では、ミラーはミラー上にアブレーション可能な被覆を含むことができるが、そこのみに限定されない。図61の左側の態様は、走査周期におけるスキャナの1つの配置を示しており、左側はスキャナのもう1つの配置を示す。図61の左手側は静止の配置であってよいが、そこみに限定されない。スキャナの動きは、スキャナ部分の規模に対して釣り合いが取れていないが、実施例においてどのような種類の動きが実証されているのか、イメージを与えるように動きを図示しており、屈折またはねじれを特定の角度に限定しない。図61のAでは、スキャナ部の形状の変形を伴いながら、スキャナに基づくねじれを実証しているのに対し、Fでは、スキャナ形状が単一の動きに対して変化しないように基本的に維持した状態で、そのようなねじれを実証する。B、CおよびDの態様は、カンチバレーまたはビームの一部にミラーを含んでいる、カンチバレーまたはビームの種々の種類の直線的な曲げを実証するが、カンチバレーまたはビームの一方の端部に示される態様だけに限定しない。Bにおいて、bはビームの一部から曲がるが、Eの態様ではビームの全長の規模にわたる。Gはパドルホイールタイプのスキャナを具体化しており、それは描かれたたった1つのミラーを有するが、その数は図示したもののみに限定されない。Hでは、ねじれタイプのミラーを具体化する。それは前後運動する振動ミラーであってよいが、もう1つの変化形では、1つの方向に連続的に回転するミラーであってもよい。Iでは、走査表面用に配置されたミラー表面M1を伴い、音響的に駆動されるコーンを実証する。拡声器の音響技術におけるようなものにより、音響駆動を行なうことができるが、ミラー用の基部は軽量であることが好適で、そのようにすることで、素早い動きおよび/または放射ビームを偏向させるために用いられる人間の最大可聴限界の範囲でさえも超える高周波数を可能にする。放射が右から右へ進む場合、ビームを偏向させるために、ミラーM2を含む部分を描かれた配置で用いることができる。走査放射ビームのより幅広い変動を含むために、1つの態様によれば、M1およびM2の一方のミラーを、しかしもう1つの態様によれば、両方のミラーを動くように配置する。描かれた態様によれば、M1および/またはM2の表面は直線であるが円錐形に図示されているが、示された態様のみに限定されない。本発明の1つの態様によれば、ミラーM1および/またはM2が作られる表面は、走査放射がある幅を有するように曲がっている。標的に当たるように、曲率を最適化することができる。本発明の1つの態様によれば、表面の曲率を指数関数で表すことができる。本発明の1つの態様によれば、標的表面における放射ビームの最初の経路を増加させるために、適する部分において、A〜Iの少なくとも2つの示した動きを組み合わせることができる。
図61がある規模の動きおよび/またはねじれを実証することは、当該技術分野の当業者にとって明らかなことであるが、態様に関する示した例から当業者は、少なくとも幾つかの動きが、更なる規模および/または組み合わせで起こる可能性があり、直線ビームの曲げが示されているが、ビームはもう1つの方向へ曲がるおよび/または要素の軸に沿ってひねることもできることを理解する。これらの方向は、実証した横方向のみに限定される必要はない。
図61は、ミラーを有することができるスキャナ部に関する部分の例を示す。しかしながら、種々の種類の移動、屈曲および/または回転する部分の種々の動きが動くべきであることを尊重して、静止部分は示されていない。図61では、可動部分の静止部分への取り付けは示されていないが、当該技術分野の当業者はその態様から、部分bの図示された動きを促すように、部分bの一部に取り付けることができることを理解する。
図1は、ファイバー発振器(3)および前置増幅器(2)、更にダイオード(4)およびセサムグリッド(5)を有する入射レーザー光の形成も図示する。新しいレーザーシステムは、段階的−多角的−増幅−直接指向可能な様式のレーザーシステム(−レーザーシステム)である。これは、PDADMレーザーシステムの前置増幅器(1)であり、ユニットはパルス長、ピッチ、出力および放射の他の特性を規定する。
それは、実際には、放射源設備全体を制御するように配置された、デジタル処理で制御可能なコントロールセンタである。放射源設備は、完全にファイバーベースのレーザーシステムである。
第2の段階のレーザーパルス利得/増幅器(6)は、同じ中心ユニット(1)に属しており、望ましい加工スポットおよび/または標的の数に基づき、レーザーパルスを増幅させるように処理する場合、複数の平行な増幅器ユニット(7)および(8)が稼働してもよい。
低出力レーザーパルス(光パルス)(9)を分配器により、例えば、図の実施例に基づく3つの方向(10)、(11)、(12)へ更に導き、例えば、図8に基づき選択されうる個々の加工スポット(13)、(14)、(15)に到達させる。
ダイオードポンプ(18)、即ち最適化するように高出力レーザーパルスを形成する手段は、放射源設備において単一の放射源であってよく、あるいは複数の放射源が存在してよく、それらは同様のまたは異なるものであるが、そこに伝導される低出力レーザー光パルスを受容するように配置されるものである。
ダイオードポンプ(18)において、低出力および低等級のレーザー光パルスを増幅させて、パルスレーザー光用の光学拡大器(21)によりタービンスキャナに向けることができる高出力および高等級のレーザー光パルスに変換させる。
ダイオードポンプからのレーザーパルスを短出力ファイバー(29)により光学ビーム拡大器へ導くことができる、あるいは光学パルス拡大器は、ダイオードポンプ(18)それ自体の直接的な一部である。
繊維状レーザー光を主とする設備に関する放射源設備の1つの態様にとっての重要な特徴は、大きなレーザー出力発生ダイオードポンプ(18)、出力増幅器を図8に基づく標的加工スポットに直接配置し、低出力レーザーパルスを、共通制御センタから、その箇所で用いられる最終出力レベルまでパルスを増幅させる箇所へ導くことである。
本発明のそのような開示された態様は、ダイオード励起ファイバーレーザーであるように見えるが、本出願の優先日における常套のレーザーユニットとは異なり、アブレーションシステムの一部と同じ箇所にダイオードポンプを含んで成る出力増幅器を有しており、そのような常套のレーザーユニットの一部ではない。
従って、高出力レーザーパルス移送ファイバーならびにそれ用の光学コネクタは、もはや必要とされず、少なくともその必要性は、完全になくなるとまではいかなくても、著しく減少するように見える。従って、本発明の態様に基づくレーザーアブレーション処理は、新規のレーザーシステムで用いることが意図される出力により作動する現在の高出力ファイバーの増加はもちろんのこと、出力移送の主要な問題を抑える。
レーザーシステムと同様に具体化される新規な放射源設備の作動における重要な特徴は、レーザーシステムが、モジュール化された振動出力増幅器(MOPA)をベースしていることであり、それは即ち、加工スポットにおいて、例えば、蒸発カセット(90)および(91)の一部として、図6に基づく真空アブレーション装置(89)において、高レーザー出力に持ち上げるように配置されるダイオード励起のファイバーレーザー式のレーザーである。そこで、問題となっているレーザーシステムの具体化された実施例は、高出力レーザーパルスの移送用のそのような光ファイバーおよび/またはコネクタが完全に無くなるとはいかないまでも、その最小値を含む。PDADをベースとするレーザーシステムは、用いられる場所で、つまり標的箇所で高出力レーザーパルスを生成する。
図2は、レーザーに関連する態様と同様に具体化される、放射源設備の一部を図示する。その態様において、ダイオードポンプのような出力増幅器を、アブレーションシステムの中にその一部として配置し、高出力レーザーパルス移送ファイバーならびにそれ用の光学コネクタが必要とされないようにし、少なくともその必要性が、完全に無くなるとまではいかなくても、著しく減少させられるように見えるようにする。この実施例において、ダイオードポンプは真空アブレーション装置の中にある。更に、図2に基づく態様では、高出力ファイバーにより、光学拡大器をダイオードポンプに接続する。
図3は、レーザーに関連する態様と同様に具体化される、放射源設備の一部を図示する。その態様では、ダイオード励起レーザー出力をタービンスキャナに向けることができる。極めて大きなパルス状のレーザー出力が生成されるが、結果的に単一のミラー領域から走査することはできず、複数のミラー領域により走査を実施する。
従って、図3は、極めて大きなパルス状のレーザー出力が生成され、光ファイバー(47)により導かれる場合を図示しており、より好適にはレーザービーム/パルス拡大器(48)へ真っ直ぐに向けられ、そこで拡大されたレーザービーム(50)および(51)は、それ自体の中心軸(57)の周囲で回転するタービンスキャナ(52)へ向けられる。
このようにして、ダイオードポンプで生成および拡大された各レーザービーム(51)および(52)は、それ自体のレーザービームの反射表面(53)、(54)、(55)および(56)を生成する。
手順のそのやり方の理由は、4つの高出力ダイオード励起レーザービームが、1つのレーザービームとして直接スキャナ(52)に向けられる場合、スキャナは損傷することに基づく。配置(58)は、増幅前低出力レーザーパルスをダイオードポンプ(52)、光学出力増幅器に供給することを一般的に示し、(42)は電気回路基板を一般的に示す。
それは、この実施例においても生成される非常に高出力なレーザーパルスであるが、たった1つのミラー領域を用いて走査することは不可能であるため、複数のミラー領域により、走査を行なう。
従って図4は、光学レンズ(67)により、図3の操作から得られるものを図示しており、そこでは、4つの別個のレーザービーム(64)を共通点(66)に焦点を合わせている(65)。
図4は、4つの別個のレーザービーム(60)、(61)、(62)および(63)をそれ自体の中心軸(67)を中心に回転するただ1つのスキャナ(59)に向ける方法、ならびに4つの別個のレーザービームをただ1つの地点に焦点を合わせる方法を図示する。
実施例5は、加工要素用の製造装置を図示する図5を通じて示されており、その装置の中では、制御された空間ならびに真空空間、過度の圧力がかかる空間、またはある所定の組成の構成物を有する空間において起きるように、被覆が調整される。
操作は、適する部分において既に記載した態様と同様であるが、例えば、図9において、蒸発カセットシステムが制御された体積の内部に完全に入っているが、作動中、図5によれば、蒸発カセットを2つの部分に分割させて、一方の部分を制御された空間(64)の外側にするという点において、その関連する実施例とは異なる。
前置増幅器、出力供給器および制御ユニット(72)を含んで成る中央ユニット(71)は、先に例示したものと同じであり、中央ユニット(71)から蒸発カセットシステムに到る線が存在する。
図5に基づくこの態様の実施例において、ダイオードポンプ、光学出力増幅器(73)、(74)、(75)、(76)を、制御した空間(64)ならびに光学レーザービーム拡大器およびスキャナ(78)の外側に配置する。
標的(81)の望ましい箇所の上/中に焦点を合わせるために、それ(80)を縮小させるように、拡大させたレーザービームをミラー(79)により向ける。
図5のこの使用では、例えば、図9の使用に基づき図示されるように、その実施例において蒸発カセットシステムと一体化されるダイオードポンプ、光学出力増幅器により、使用中の箇所にて、最終的な大きなレーザー出力を製造することは、PDADレーザーシステムを利用する技術と同じである。
新規の方法において、それは実際には本発明の少なくとも2つの関連する集まりであり、第1はPDADレーザーシステム自体であり、第2は、材料製造および/または被覆の組み合わせにおいて、例えばダイヤモンド、サファイア、炭化ケイ素、炭窒化物などを含んで成る被覆に適用されるような、真空または所定の制御されたガス状の雰囲気を含んで成る制御された空間でそれを使用することである。
更に、ある態様の新しい局面は、例えば真空空間と同様に例示されるただ1つの製造空間を利用するために、1つよりずっと多くの蒸発カセットシステムを用いることができる。
実施例6は、真空アブレーション設備および/または図6で図示する関連する装置を扱う。装置には、金属、その酸化物、ホウ素、その化合物、窒化物、セラミック化合物および/または有機物質で直接被覆をする能力がある。加工プロセスにおいて、新規な化合物を作ることもできる。要素に別のものを結合させて、例えば、アルミニウムに酸素を結合させて、加工要素を被覆するためのアルミナ(Al2O3)を作ることができる。
装置は、アブレーションにより炭素からダイヤモンドを直接製造するために、そのように容易に適用することができる。加えて、例えば、天然ダイヤモンドよりも固い化合物の例である窒化ダイヤモンドのような、ダイヤモンドの誘導体を製造することができ、あるいはこれまで市販されることのなかった、または技術的な意味で製造することが非常に難しかった、完全に新規な化合物を作り上げることができる。
装置として新規な態様は、レーザーシステムの多様な特徴に基づき、標的領域にて、レーザービーム自体をその完全な形態で作り上げる。
装置の新規な態様は、全ファイバー半導体ダイオード励起レーザーシステムをベースとし、標的領域にて、レーザービーム自体をその完全な形態で作り上げるように、それは多様な構造を有しており、それは蒸発カセットシステムの一部としてその中に配置され、加工片の製造デバイスを助ける。
図6で示すような加工片の示された製造デバイスは、寸法が非常に大きくてよく、例えば真空チャンバ(89)自体は、長さが5mであってもよく、蒸発カセットが20部品(91)(92)も含んでよく、それぞれピコ秒レーザーの態様として、出力が100Wまたはそれより大きいレーザーを一般的に含む。しかしながら、この実施例で示した寸法は一例あって、束縛されない。
そのデバイスは、例えば冷間アブレーション技術の問題に適用することができ、即ち、非常に大きなパルスエンジン〜5−30μJ/30μmスポットを用いる、ピコ秒、アットおよび/またはフェムト秒レーザーの用途に適用することができ、200kW〜50MWのようなパルスあたりの出力レベルと同じくらい大きなものを発生させる。
レーザーアブレーションにおいて、非常に重大なことは、レーザービームがアブレーションすべき標的材料、特にプルーム用であるが、それに当たる角度、および/またはプルームが形成される場合、それが伝播する方向の角度から現れる。一般的にアブレーション可能な標的は円であってよく、1つの態様では、プルーム、標的材料の点において、アブレーションの最終収率で、更にそれ自体の中心軸を中心に回転することができ、および/または被覆した基材は、標的(112)に対する垂直なおよび/または直線的な動き(119)(図8)を利用するこの適用の態様ほど、平滑および高品質でなくてもよい。
図6に沿うような状況の場合、稼働中の蒸発カセットの4要素(91)および(92)、それだけに限定するわけではないことを追加するが、それらを互いに反対側に配置させて、製品の各側面が同時に被覆されるように、被覆すべき製品を活性被覆領域を通過させるように配置する。
製品が水平な配置にあるならば(それだけに限定しない)、対の蒸発カセットにより提供する場合、好適にはレーザービームの一方は下向きの形態、もう一方のビームが上向きの形態にさせることができ、各々を90°回転させて、それ自体の標的に向けて、レーザービームが垂直に標的に当たり、プラズマとして標的材料のプルームを加工片の方へ発生させるようにする。
完全には伝播しないレーザービームによる先に記載したレーザーアブレーションの適用方法を理解することは難しい。
実施例7および本発明の1つの態様に基づくPDADレーザーシステムを、本実施例で図示しており、その態様において、そのシステムは、タービンスキャナに向けるべき放射を生成するように配置したダイオードポンプに取り付けられる、しっかりと一体化した拡大器および/または補正光学器を含んで成る。
図8は、高出力レーザーパルス(115)を加工標的の中で発生させるように配置したダイオードポンプ(112)を含んで成るPDADレーザーシステムを図示しており、そのシステムの内部には、アブレーションシステム自体の一部として真空チャンバ(124)があり、またそのシステムは、本発明の1つの態様に基づく経路または改良した経路を含んで成り、それによってそのシステムはタービンスキャナ(111)ならびに集光レンズ(116)および蒸発カセット(119)を含んで成る欠くことのできない光学器を含んで成っていて、その光学器の中では、レーザービームが標的(121)自体の中に/上に向けられるおよび/または焦点を合わせられる。
そのような場合には、高出力レーザービームを作り上げるダイオードポンプ(112)は、光ファイバーを通り低出力増幅前光パルスのみにより用いられる。生成した高出力レーザー光を、ダイオードポンプ内で直ちに拡大させて、タービンスキャナ(111)および/または光軸調整/合焦レンズにより、光を標的上/中へ走査させることができるようにする。タービンスキャナ(111)およびそれを回転させるモーター、ダイオードポンプ(112)ならびに欠かすことのできない電子機器を、多機能本体部(123)の中に配置されている共通回路基板(120)上に配置する。図8に基づくシステムは、例えば、図6に示す1つの態様に基づく真空アブレーション設備(89)の中の(91)(92)の内部に配置される。
本発明の1つの態様の方法に基づく動作原理を図9でも示しており、その中で加工片を製造するための図6に基づく一般的なケースを図示する。その実施例にとって、1つより多くの蒸発カセット(135)が存在することは重要であり、その特徴は製造装置(例えば、図6)の中の図8でより詳細に示されている。蒸発カセット(135)、(136)、(137)および(138)における加工プロセスは同一であり、該カセットの正確な数からだけでなく、繰り返し率[Hz]、パルス長および/またはピッチ[ns、ps、fs、as]、パルスエネルギー[J]、パルス出力[W]などからも独立している。しかしながら、共通のパラメーターを適用することができない場合、本発明の種々の態様において、各々または幾つかの蒸発カセット(136)、(137)および(138)に対して、先の量の個別のパラメーター化を必要とする物質が、蒸発工程において用いられる状況は起こりうる。
本発明の1つの態様に基づく新規な方法では、蒸発カセットにおいて、パルス出力および/またはパルスエネルギーを厳密に調整または制御することができる。その利点は、その調整がPDADシステムに影響を与える必要が全くないことである。その調整は、ダイオードポンプ、出力増幅器の出力を調整または制御することにより行なうことができ、該方法において、出力増幅器の出力は具体的に全く限定されず、それゆえ、各ダイオードポンプに対して各出力増幅器を個別におよび独立して調節することができるが、その調節はそれのみに限定されない。
加工プロセスに関する同一とは、そのような加工プロセスを同じ蒸発カセットで常に行ない、例えば、繰り返し率[Hz]および/またはパルス長、更にピッチなど、全体同様に細目にわたるプロセスに欠かせないパラメーターが一定であることを意味する。本発明の1つの態様において、増幅器および制御ユニット全体は、標的/基材を有する各加工箇所にて、全ての蒸発カセットに共通しており、繰り返し率[Hz]、パルス長および/またはピッチは、そのようなユニットの適する部分において一定であるが、もう1つの態様では、ユニットの数は、繰り返し率の数、パルス長の数、および/または2つの連続するパルス間のピッチにより決まる。従って、デバイスまたは装置の特定の特性をできる限り一定に保つが、本発明の1つの態様に基づく設備、方法および/またはシステムを拡大または推測するモジュラーの適用を限定しない。
更に図9において、そこで示した操作原理によると、記載するものだけに限定しないが、各々が例えば150mmの加工幅を有する加工地点、蒸発カセット(135)を、操作上並行しておよび/または連続して取り付けることができ、それぞれ例えば単なる例として、5つの(136)および10つの(137)である。追加でまたは任意で、その同じシステムは、全体(138)により構成される同じ部分(136)および(137)を含むことができる。この実施例のみのいずれかの詳細に基づく蒸発カセットが限定されるべきではないが、提供した詳細は、当該技術分野の当業者が、実施例の範囲を逸脱することなく、1つの態様を実施するための多くの方法を理解できる1つの実施例として、理解されるべきである。
ある製品を製造するための製造デバイスを提供する場合、任意の合理的な寸法に拡大縮小することができるモジュール性を含み、製造するのに経済的なものとしてデバイスを維持するならば、例えば蒸発カセット、前置増幅器、コントローラなどの部品およびパーツが、十分に同一であることを重視して装置を作る必要があり、そうして製造デバイスに含まれるシステムの中にユニットを単純に追加することによって、システムの寸法を拡大させることができるようにする。
例えば、PDADレーザーシステムの中央ユニットは、距離が20mであることも、異なる部屋の中であることも考慮して、最適な運転状況に対して合理的などのような場所にも配置されることができ、その中央ユニットは、少なくともダイオードポンプ用、出力増幅器用の出力起源がいずれかの好適な箇所に配置されるように含まれることができ、しかし、線(126)が中央ユニットから、加工空間(139)にて標的/基材を有する各加工地点に分割されたものとしての各加工地点、例えば50個のパーツ(129)へ導くように、その中央ユニットは含まれることができる。各放射源を制御するレーザーシステム全体用の制御ユニットは、放射源がそれを制御するために適切な経路を有するのと同じくらい、多くのコントローラを含むことができるが、もう1つの態様では、少なくとも幾つかの放射源は群として制御され、幾つかの他のものは互いに独立のものとして制御され、種々の放射源および/または関連する光学経路部品を制御する自由を得る。
従って、例えば10個の蒸発カセットの操作は、ある数のカセットに対して整合する設備として、22個の端子を有するフィードスルー(127)により制御されることができるが、普通は、信号を制御可能な蒸発カセット各々に導く単一の光ケーブルにより、制御を行なうことができる。同じく良く知られているブルートゥース、IRまたはいずれかの他のデータ移送フォーマットを制御媒体に適用することができる。
蒸発カセット(135)は、必要であるならば、いずれかのデータ移送部品を配置することができる電気回路基板(図8)(120)を含む。
図9において、加工光ファイバー(128)は、加工空間内の加工地点(139)にて最も好適にパーツ(131)に分岐しており、例えば20本の別個の枝に分岐する。図9では、各蒸発カセット(135)が、蒸発カセットの操作のために、そのエネルギーを供給する線(134)、制御機器用の線(138)および/または増幅前レーザーパルス用の線(132)を受容することを更に示す。示した導線(132、134、138)は、個々に別の線または組み合わせたものであってよく、あるいは線を1本の線に一体化させることができる。
更に線は、各蒸発カセット(135)から情報を有している状態の中央ユニットへ、それを提供するために通じ、蒸発工程、段階などの工程パラメーター、および/またはカセットの操作面に関するアラームなどを生じる。
従って、各ダイオードポンプのレーザーパルスは非常に強いため、公知のファイバーを通ってダイオードポンプから標的にそれを移送することは不可能であるが、各ダイオードポンプは低出力レーザービームにより制御されうる。
従って、パルス状形態の大きな放射出力は、PDADの原理に基づき、使用するまさにその箇所にて、即ち、一体化されて蒸発カセット、図9の(135)となる手段により生成される。
従って、ファイバーレーザー2つの一般的な問題、即ちファイバーおよびコネクタも無くすことで、光学レーザーパルスは、ファイバーも光学コネクタも介して進む必要がなくなり、PDADシステムに関する本発明の態様に基づくシステムにおいて、それらは必要とされない。
実施例11は、本発明の1つの態様に基づく放射源設備を図示しており、それは、各々がタービンスキャナおよび拡大器を経由してアブレーション標的に向けられる、複数のダイオード励起レーザービームを含んで成る(図10)。
実施例11は、本発明の1つの態様に基づくダイオードポンプセットを図示しており、それは、各々のダイオードポンプに対して、それ自体の光学ビーム拡大器を含んで成る。そのような小型モジュール構造を分離したレーザービームに対して製造することができる。
実施例12(図12)は、非対称な光パターンの発生を図示する。
実施例13(図13)は、対称な光パターンの発生を図示する。本発明の1つの態様によれば、ダイオードポンプは真空アブレーションデバイスの外側に配置されうるのに対し、タービンスキャナ、補正光学器および/または標的材料は装置の内側にある。しかしながら、当該技術分野の当業者は本発明の態様から、その態様の範囲およびそのように要求する設備から逸脱することなく、デバイスと同じカバーの中でデバイスを実施する多くの方法が存在することを理解する。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備で、光学表面を冷間加工した。そのような光学表面は、本発明の1つの態様の助けによって製造される、実際にはほとんどのあらゆる光学表面であってよい。本実施例における光学表面の範囲には、形状に関わらず種々の種類のレンズが含まれ、それらは凹型、凸型、または半分がいずれかもしくは両方である。本実施例の光学表面の範囲には、板状で少なくとも部分的に透明、透明感があるまたは不透明で、電磁気放射を通す窓なども含まれる。本実施例の光学表面の範囲には、ミラーおよび/または画面も含まれる。本実施例の光学表面の範囲には、プリズム状の物体、フレネルプレート、種々の種類の格子、テレビチューブ表面またはディスプレイ画面などの表面も含まれる。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備で、ブレードを冷間加工した。本実施例におけるブレードの範囲には、少なくともあらゆるブレードが含まれ、それが台所または庭用の家庭用ナイフ、繊維、製紙工場または肉屋および/もしくはパン屋のような消費物の工場用の切断デバイスの工業部品、あるいは木または材木を切断するための林業用の道具であるかどうかは関係ない。ブレードの範囲には、鋸歯状であるまたは鋸歯状でない、直線状および/もしくは曲線状の形状を有するブレードも含まれる。回転ブレードブレードの範囲に含まれる。ひげ剃り用の刃ならびに刀および斧はブレードの範囲に含まれる。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備での冷間加工により、変換器を作った。本実施例において、変換器の範囲には、局面の利用に適する少なくともいずれかの変換器が含まれる。例えば、被覆の助けを借りて、電磁気放射を電気にまたはその逆に変換する変換器は、その範囲に含まれる。透明性があるかないか、不透明か透明感があるかの特徴に関わらず、太陽電池、加熱要素またはペルチェ要素は、実施例16の範囲に含まれる。曲がる/振動する部分を含むか含まないか、マイクロメカニカル要素または巨視的な要素かどうかに関わらず、放射、熱および/または電気により曲がる部材は、変換器の範囲に含まれる。フィルムによる自浄特性に対する本発明の第1、第2および/または第3の局面に基づき製造された被覆を含む表面も、窓状かミラー状か、またそのような表面が透明かそうでないか、不透明か透明感があるかどうかに関わらず、本実施例の範囲に入るように見える。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備を有する冷間加工により、容器を作った。本実施例における容器の範囲には、ティーカップから化学工場の化学反応炉までの、少なくとも家庭用および/または工業用の容器が含まれる。流体を移送するための移送ラインも、本実施例における容器の範囲に入ると見なされる。容器の外側および/または内側表面に被覆を行なうことができる。被覆は、耐摩耗性を向上させるものであってよいだけでなく、容器の放射耐性、容器の化学耐性を強化させるための、および/または容器をきれいに保つ場合、洗浄効率を高めるための追加または任意の作業であってよい。特定の外観のために、または例えば一部を結合させるための純粋に技術的な目的のために、本発明の第2の局面に基づき作られた粗さを有する容器は、本実施例の範囲に属す。本実施例において、ボート、船、潜水艦、飛行物、バス、トラック、貨物自動車、車および列車のようなモーター駆動車両ならびに/またはその一部、ならびに例えば関連する車および戦車のような軍事車両も範囲に含まれる。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備を有する冷間加工により工具を作った。本実施例において、工具の範囲には、少なくともいずれかのハンマー、ねじ回し、レンチまたは頑丈ものもしくは調節可能な能力を有する同様のもの、のこぎり、チェーンソー、ドリル、ロータリー耕運機、カッター、はさみ、刃物が含まれる。ロープ、鎖、釘、犬釘およびネジならびにボルトおよび/またはナット、更に飾りびょうおよびリベット、ならびに機械ベアリングならびに医療、家庭用または工業用途の任意の種類のヒンジも、工具の範囲に含まれる。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備を有する冷間加工により、医療用代替パーツを作った。本実施例における、医療用代替パーツの範囲には、少なくともいずれかの骨の医療用代替パーツが含まれ、そのパーツは本発明の1つの態様に基づき作られた表面を含む。個々の1つおよび/または複数の歯も、被覆を有してその範囲に含まれる。人工関節およびヒンジは、その目的のために耐摩耗性のある表面被覆を有して、その範囲に含まれる。その被覆は機械的な耐摩耗性だけでなく、各々のそのようなパーツが取り付けられた環境における化学的な耐摩耗性も高めることができる。その被覆は、代替パーツ用の骨/セメントの接着性も高めることができる。他方では、移植されるそのような代替パーツ用に製造される表面は、骨化工程における潜在的な骨の形成に関与し、骨化の最適化のために、適切に粗面化および/または被覆されうる。そのパーツは、パーツの隣の組織が容易に付着できる表面被覆を設けることができる。ロープまたは同様のもの、チェーン、釘、犬釘、およびネジ、ならびにボルトおよび/またはナット、更に飾りびょうおよびリベット、ならびに機械ベアリングならびに任意の種類のヒンジも、医療用代替パーツの範囲に含まれる。被覆を有してまたは有さずに作られるステントまたは動脈パーツも本実施例の範囲に含まれ、また適する部分において被覆される動脈の代替パーツも含まれる。本発明の第1、第2または第3の局面に基づく本発明の態様を用いて、医療用代替パーツだけでなく、例えば電気機械関連および/もしくは光学的な表面または被覆に適するいずれかの表面における表面またはその特定の部分において、被覆を有する組織表面を生成することができる。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備を有する冷間加工により、電子デバイス用の電気機械部分を作った。本実施例において、電気機械部分の範囲には、少なくとも電気部品または本発明の第1および/または第2の局面に基づく適するリソグラフィーにおいて半導体基材により作られる回路が含まれる。被覆として適する材料により、リソグラフィーパターンの基材上に、および/または絶縁体で作られる別の基材本体部上に、直接作ることができる抵抗器もその範囲に含まれる。リーク電流挙動、例えば周波数応答、動作電圧、および/または機械的なサイズにおける特性を改良させるために、板および/または絶縁体に被覆を設けたコンデンサもその範囲に含まれる。耐摩耗性被覆材料により製造することができる分圧器または同様のもののような調整可能な電気機械部品は、特に有用である。リーク電流挙動、例えば周波数応答、動作電圧、および/または機械的なサイズにおける特性を改良させるために絶縁材料を形成する場合、種々の種類の絶縁体は本実施例の範囲に含まれる。
本発明の第1、第2または第3の局面によれば、本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備の設備を有する冷間加工により、磁性組成物を作った。本実施例において、組成物の範囲には、薄いおよび/または厚い薄膜または他の種類の被覆の形態の少なくとも組成物が含まれ、更に基本的に3D形態を有する破片も含まれる。実施例によると、適する標的のアブレーションにおいて、常套の磁石に用いられるあらゆる材料をアブレーションさせてプルームにすることができ、もう1つのそのような材料および/または複数の材料をアブレーションさせて、各々プルームを形成させることができる。1つの態様において、プルームは分離されうるが、もう1つの態様では、少なくとも部分的に混ざり合うことができる。標的材料の選択ならびに材料のアブレーション速度は、磁性特性を有する最終材料の組成に対して用いられうる。その薄膜は、ちょうど1枚の層または複数枚の層を含んで成る層状構造であってよい。各層をそれ自体の組成物および/または構造で作ることができる。層を平坦な板および/または湾曲したジオメトリの上に作ることができる。湾曲したジオメトリはビーズジオメトリまたは円筒ジオメトリであってよい。被覆すべき表面にてプルームから薄膜を形成する間、磁場が存在してよい。
実施例は、目的に関して、本発明の1つの態様に基づくレーザーレンジメントを具体化する。記載したパラメーターの値は例であり、それゆえ記載した値のみに限定されない。具体化されるタービンスキャナは単なる例であり、それゆえ限定されない。
ピコ秒レーザーシステム(A)+タービンスキャナ(B)+ラメラまたは薄膜として供給される標的(C)は、高品質な製品および/または大量の表面を生成する。その製品は、真空でまたはガス雰囲気で製造される、例えば半導体産業用の基材として用いられる単結晶ダイヤモンドおよび/またはシリコンであってよい。
図25で実証されるように、任意の種類の表面、例えば金属、プラスチックおよび/または紙の上に被覆を形成することができる。1つの態様では、被覆は5μmの被覆層厚さを有する。半導体材料は、純粋なまたは化合物としてのシリコンであってよいが、可撓性を有する形態で、エレクトロニクス、ミクロおよび/またはナノエレクトロニクスの使用に適してよい。項目D、E、FおよびGは、工業規模における高品質製品の製造、再現性を助け、品質コントロールを向上させる。
本発明の1つの態様に基づく電磁気放射を導くための放射移送の経路を配置して、該経路が、放射ジオメトリにおいて放射源から放射の標的へ該電磁気放射を導くように配置されるタービンスキャナを含むようにし、該放射は、パルス状の高出力レーザービームパルスとして移送される。本発明の1つの態様によれば、電磁気放射を導くための放射移送の経路を配置して、該装置がビーム拡大器を含むようにする。
本発明の1つの態様によれば、電磁放射を導くための放射移送の経路を配置して、該経路が、その経路にて、ビームジオメトリを補正するように配置される補正光学手段を含むようにする。本発明の1つの態様に基づく電磁放射を導くための放射移送の経路を配置して、該ジオメトリが焦点ジオメトリであるようにする。本発明の1つの態様によれば、電磁気放射を導くための放射移送の経路を配置して、該ジオメトリが、タービンスキャナ部に当たるようにビームを配置するジオメトリであるようにする。本発明の1つの態様によれば、電磁気放射を導くための放射移送の経路を配置して、該ジオメトリが、標的に当てるようにビームを配置するジオメトリであるようにする。本発明の1つの態様によれば、電磁気放射を導くための放射移送の経路を配置して、該放射ジオメトリが、放射源における放射用の第1ジオメトリおよび標的における放射用の第2放射ジオメトリを少なくとも含むようにする。
本発明の1つの態様によれば、電磁気放射を導くための放射移送の装置を配置して、放射源とタービンスキャナとの間の部分から、該放射により該標的から形成するように配置される発生プルームではなく、もう1つの方向へビームを向ける、該経路中のそのような放射ジオメトリの中に該タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、該第1ジオメトリが該第2ジオメトリとは異なるように、電磁気放射を導くための放射移送の経路を配置する。
本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、該設備の中に、少なくとも1つまたは複数の放射源を含むことができ、各放射源は本発明の1つの態様に基づく光学経路を有する。
本発明の1つの態様によれば、放射源設備を配置して、該設備が、少なくとも部分的に同じ光学経路を有している少なくとも2つの放射源を含むようにする。本発明の1つの態様によれば、放射源設備を配置して、該設備が、光学経路の標的側にて、同じ標的領域を有している少なくとも2つの放射源を含むようにする。本発明の1つの態様によれば、放射源設備を配置して、該設備が、第1の特徴を有する第1放射源および第2の特徴を有する第2放射源を少なくとも含むようにする。
本発明の1つの態様によれば、放射源設備を配置して、該第1の特性および該第2の特性が、以下の少なくとも1つを含むようにする:
−(i)放射源に特有の波長、
−(ii)稼働中のパルス長、
−(iii)2つの連続するパルス間の非稼働期間の長さ、
−(iV)稼働中に発生する繰り返し率、
−(V)放射強度、
−(Vi)パルスあたりのエネルギーおよび/または出力、
−(Vii)放射の偏向、
−(Viii)放射ジオメトリ、ならびに
−特性(i)〜(Viii)の少なくとも2つまたはそれより多くの組み合わせ。
本発明の1つの態様によれば、放射源設備を配置して、該第1の特性が、該第2の特性とは少なくとも部分的に異なるようにする。本発明の1つの態様によれば、1つの態様に基づく放射源設備が、ダイオード励起レーザーまたはダイオード励起レーザーではない他のものを少なくとも1つ含んで成る、多数のレーザーの中の少なくとも1つのレーザーを含むようにする。本発明の1つの態様によれば、放射源設備は、波長の範囲が以下の少なくとも1つである波長を有している放射を生成するように配置される、該放射源の少なくとも1つを含む:
−ラジオの波長と赤外線波長との間の波長範囲、
−赤外線の波長範囲、
−可視光の波長範囲、
−紫外線の波長範囲、
−X線の波長範囲、
−ちょうど記載した2つの波長範囲の間の中間波長範囲。
本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、放射源として、ミクロおよび/またはナノ秒レーザーのような熱間加工に適するパルス状レーザーを含む。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、放射源として、ピコ、フェムトおよび/またはアト秒レーザーのような冷間加工に適するパルス状レーザーを含む。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく放射源設備は、放射源として、レーザーのスイッチのオンとオフの間の時間としてパルス長が規定されるパルス状レーザーを含む。本発明の1つの態様によれば、放射源設備が連続的に作動するレーザーを含むように、放射源設備を配置する。
本発明の1つの態様に基づく放射源設備の放射により蒸発および/またはアブレーションさせるように、本発明の1つの態様に基づく標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料が、本発明の1つの態様に基づく放射源設備の放射によるアブレーションによって純化され、パウダーの製品形状を有するように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料が、本発明の1つの態様に基づく放射源設備の放射によるアブレーションによって純化されるような液体または溶液の製品形態を有するように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料が、薄膜または薄い板上にあるように配置されるように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料は巻くことが可能なウェブ(web)上にあるように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料が、特徴を有する放射源のある放射において、アブレーション閾値を下げるように配置した表面構造を含むように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料が、特徴を有する放射源のある放射において、アブレーション率を向上させるように配置した表面構造を含むように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、表面構造が標的特性を含むように標的材料を配置しており、それはジオメトリ特性、構造特性および/または組成特性である。本発明の1つの態様によれば、表面構造が第1の標的特性を含むように標的材料を配置しており、それは第1のジオメトリ特性、第1の構造特性および/または第1の組成特性である。本発明の1つの態様によれば、表面構造が第2の標的特性を含むように標的材料を配置しており、それは第2のジオメトリ特性、第2の構造特性および/または第2の組成特性である。本発明の1つの態様によれば、該ジオメトリ特性のいずれかが、表面特性、基材特性および/または改質特性を有するように、標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、表面特性のいずれかが、形状の規模および同じ種類の2つの該連続する図の形状のパーツの間のピッチを有する図の形状の特性であるように、標的材料を配置する。
本発明の1つの態様によれば、該図の形状の特性が、以下の形状の少なくとも1つを含むように、標的材料を配置する:立方体形状、矩形リッジ形状、円錐リッジ形状、矩形リッジ形状、切断したピラミッド形状、丸穴形状、矩形穴形状、円筒形状、プリズム形状、正四面体形状、および先に記載したものの少なくとも2つの協同する組み合わせ。本発明の1つの態様によれば、放射源特性に基づき、該形状の規模および/または該ピッチを調整して、標的材料のアブレーションを最適化するように標的材料を配置する。本発明の1つの態様によれば、該基部の特性が、下記の少なくとも1つであるように標的材料を配置する:薄い基部、厚い基部、不透明な基部、透明な基部、偏光する基部、透明でない基部、反射する基部、蒸発する基部および補足特性の組み合わせを除く該基部の特性の組み合わせ。本発明の1つの態様によれば、該改質特性が以下の少なくとも1つであるように、標的材料を配置する:3つの隣り合う図のパーツにより規定される面の標準に関して図の形状の図の傾き、図の形状の図のエッジ曲率、ユニット長あたりのある方向のピッチの増加率または減少率、ユニット長あたりのその形状の規模の増加率または減少率、および補足特性の組み合わせを除く該改質特性の組み合わせ。
本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく標的材料は、構造特性として結晶構造を有する。本発明の1つの態様によれば、標的材料が少なくとも2つの結晶の結晶構造を有するように標的材料を配置しており、その結晶は、第1のミラー指数の組み合わせを有する第1の構造特性および第2のミラー指数の組み合わせを有する第2の構造特性を含んで成る。本発明の1つの態様によれば、標的材料は第1の組成特性として、アブレーションプルームの形成およびアブレーションプルーム環境の組成の調節に用いる標的材料に配置される要素を含む。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく標的材料は、第2の組成特性として、アブレーションプルームの形成および/またはアブレーションプルーム環境の組成の調節に用いられるように標的材料の中に配置される要素を含む。
本発明の1つの態様に基づく真空アブレーション設備は、標的から材料をアブレーションさせるように配置される放射源設備を含む。本発明の1つの態様によれば、基材を被覆する際に用いられる標的材料により基材を被覆するように、該アブレーション設備を配置するように、真空アブレーション設備を配置する。本発明の1つの態様によれば、該アブレーション設備が、標的材料により作用するように配置される標的材料ユニットを含むように、真空アブレーション設備を配置する。本発明の1つの態様によれば、該標的材料が、本発明の1つの態様に基づく標的材料であるように、真空アブレーション設備を配置する。本発明の1つの態様によれば、同じ設備の設備部材により同じ被覆の中に存在するように該設備を配置して、装置を形成するように、真空アブレーション設備を配置する。
本発明の1つの態様によれば、設備が、アブレーションが起こるように配置する反応炉空間における雰囲気を調整するように配置される雰囲気手段を含むように、真空アブレーション設備を配置する。本発明の1つの態様によれば、該雰囲気手段が、該反応炉空間における圧力を所定のレベルまで最小化または調整するように配置される真空ポンプを含むように、真空アブレーション設備を配置する。本発明の1つの態様によれば、雰囲気手段が、所定の圧力および/または温度におけるアブレーションのための所定の反応炉の雰囲気を調整するように、前駆体ユニットアレンジを含むように、真空アブレーション設備を配置する。本発明の1つの態様によれば、該雰囲気手段が、前駆体の少なくとも1つを所定の温度まで加熱するように配置される加熱要素を含むように、真空アブレーション設備を配置する。
本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく標的材料ユニットは、本発明の1つの態様に基づく薄膜状形態の標的材料を処理するように配置されたロール設備を含む。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットが、薄膜経路の一方の端部において標的材料を放出するように配置される第1リール、および薄膜経路の対向する端部において解放された標的材料を巻き取るように配置される第2のリールを含むように、標的材料ユニットを配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットが、標的材料を処理するように配置される、少なくとも1つのロールを含むロールの集合体から少なくとも1つのリールを含むように、標的材料ユニットを配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットが、薄膜のアブレーション領域において、標的材料を加熱するように配置される加熱要素を含むように、標的材料ユニットを配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットが、置き換えられるものがほとんどない、および/または標的材料により置き換えることができる、少なくとも1つのリールを含むように標的材料ユニットを配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットが、薄膜アッセンブリをロールにより薄膜経路へ届けるメカニズムを含むように、標的材料ユニットを配置する。本発明の1つの態様によれば、標的材料ユニットが、使用するために標的材料を放出するために、および/または該標的材料を製造するための標的材料を受容するために、同じユニットを利用することができるように、標的材料ユニットを配置する。
タービンスキャナが、入射放射ビームの方向を変化させるように配置される第1ミラー、および放射経路において、該第1ミラーが入射放射の方向を変化させようとする間、冷却するように配置される第2ミラーを含むように、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、該第1ミラーが、同様の第1ミラーが集まったミラーであるように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、該第2ミラーが同様の第2ミラーの集まったミラーであるように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナが、該第1および第2ミラーである面を有する多面体を形成するように配置されるミラーの集合体を含むように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナが、該第1および第2ミラーである面を有する多面体を形成するように配置されるミラーの集合体を含むように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、該第1ミラーが、多面体の中心軸に対して、該第2のミラーとは異なる傾斜角度を有するように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナを配置して該中心軸を中心に回転させることができるように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナがパドルホイールの形態を有し、そのパドルが、該パドルホイールの中心軸を中心に円状の装置に沿って回転することができるように配置された、タービンスキャナのミラーであるように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、該円形経路の標的に対して、該パドルホイール中の各々の該ミラーを鋭角に配置するように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、該パドルホイール中の各該ミラーを、該パドルホイールの該軸に対してある傾斜角度に配置するように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、ミラー面がダイヤモンド表面を有するように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、種々の流体による該第2ミラーの該冷却器が、ミラーの反射表面としてミラーの対向する側に配置されるように、タービンスキャナを配置する。
本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナが、軸を設けたローター部に取り付けられている、ミラーを有する傾斜タービンパドルを含むように、タービンスキャナを配置する。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは、取り替え可能なミラー部を含む。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは、放射を反射するように配置される該ミラー上に特定部を含んでおり、この部分は取り替え可能なミラー部である。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づくタービンスキャナは気体ベアリングを含んでおり、この気体はベアリング材料としての空気に関して、例えば希ガス、窒素などの適する気体を含むことができる。本発明の1つの態様によれば、1つの態様に基づくタービンスキャナは、磁場により固体ベアリング表面を分離するベアリング設備を含む。
本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づくスキャナは、該ミラー表面の一部にアブレーション可能な材料を含む。
本発明の1つの態様に基づく表面処理方法は以下を含む:
−標的として作用する標的材料を表面改質ビームに露出すること、
−標的材料をアブレーションさせるための、表面改質ビーム用の放射経路を放射源から標的に向けること、
−少なくとも1つの表面特性に関して、少なくとも1つの表面を改質するために、有効深さまで標的材料をアブレーションさせること。
本発明の1つの態様によれば、例えば、該有効深さまでの組成、化学構造、機械構造、物理構造の少なくとも1つであるように、表面処理方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、表面処理方法が、
−第1表面改質ビームにより該第1表面から標的材料を改質するために、標的までの第1表面を選択することおよび/または基材までの第2表面を選択すること、
を含むように、表面処理方法を調整する。
本発明の1つの態様によれば、前記の改質は、該第1表面改質ビームにより、有効深さにて表面からの材料の除去を含むように、表面処理方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、例えば、表面処理方法が標的までの第1本体部および/または基材までの第2本体部を配置すること含み、第2表面改質ビームを用いて、材料を第2本体部の該表面上に移動させるように、表面処理方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該表面の該改質は、該材料の層厚さとして規定される有効深さまで、該表面に材料を追加することを含むように、表面処理方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、第1表面改質ビームにより除去されるにつれて材料が第1表面に生じ、該材料が第2表面改質ビームにより第2表面に移動されるように、表面処理方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、被覆に用いられる少なくとも1つまたは複数の物質を含んで成る多数の物質に被覆方法を適用するように、表面処理段階を含む被覆方法を調整する。
本発明の1つの態様によれば、少なくとも2つの物質を基本的に同じ標的からアブレーションするように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、第2物質とは異なる標的から第1物質をアブレーションさせるように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、被覆を形成するために、まず第1物質、次に第2物質の順番で、第1物質および第2物質をアブレーションさせるように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、基材に被覆を形成するために、少なくとも1つの更なる物質をアブレーションするように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つが被覆の基質物質であるように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべき被覆用のドーパントであるように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つが、更なる特性をこの方法で用いられるべき表面および/または被覆に達成させる被覆用の更なるドーパントであるように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべき被覆用の炭素を含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該炭素がこの方法で用いられるべきグラファイトを含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該炭素がこの方法で用いられるべきダイヤモンドを含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該ダイヤモンドがこの方法で用いられるべき被覆用の単結晶構造を有するように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべきウラン、トランスウラン、土類金属、希土類金属、アルカリ、水素、ランタニドおよび/または希ガスを含むドーパントを含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべきホウ素グループ(lllb)からのドーパントを含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべき炭素グループ(lVb)からのドーパントを含むように、被覆方法を調整する。
本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべき窒素グループ(Vb)のドーパントを含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべき酸素(Vlb)のドーパントを含むように、被覆方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該物質の1つがこの方法で用いられるべきハロゲングループのドーパントを含むように、被覆方法を調整する。
本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づき使用される時、本発明の1つの態様に基づく被覆方法および/または被覆を用いることができる。
本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その表面は該物体の外側および/または内側である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、飛行機、船、ボート、ヨットもしくはそれらの一部、車両、または宇宙船の本体部および/または裏張り構造である。本発明の1つの態様によれば、飛行機、船、ボート、ヨットもしくはそれらの一部、車両、または宇宙船用のモーターおよび/またはその一部を被覆するように、被覆の使用を配置する。本発明の1つの態様によれば、飛行機、船、ボート、ヨットもしくはそれらの一部、車両、または宇宙船用の裏張り構造および/またはその一部の表面を被覆するように、被覆の使用を配置する。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、玩具および/またはその一部である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、家庭、ビジネスおよび/または工業での使用を目的とする家具である。
本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、容器、皿、ホルダー、貯蔵所、タンク、大樽、瓶、缶、鍋、椀、箱;トレイ、蓋付き容器、餌入れ、桶および/または樽である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、台所、ビジネス、芸術ならびに/または冶金工業、食品工業、医薬品工業、化学工業、塗料および/もしくは顔料工業、半導体工業を含む工業で用いられることを目的とする。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、台所関連物品、反応炉、化学反応用反応炉および/または材料の移送ラインである。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、下記の1つである:透明なガラス、プラスチック、複合材料またはラミネート構造の板、不透明なガラス、プラスチック、複合材料またはラミネート構造の板、少なくとも1つのある波長範囲で作動するように配置される太陽電池および/またはその一部、ならびに先に記載したものの組み合わせ。
本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、住宅用、商業用、工業用、貯蔵用に建設される建物および/または他の目的で建設される建物用の建築要素である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、住宅用の建物および/または天然および/または天然由来の非合成材料から成る他の建物用の建築要素である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、玩具またはその一部である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、腕時計、置き時計、携帯、PDA、コンピュータ、画面、TV、ラジオまたは任意の先に記載したものの一部である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、ケーシングおよび/または殻、あるいは任意の先に記載したものの一部である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、少なくとも部分的に繊維状組織物を有する。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、より糸、網糸、弦、フィラメント、ワイヤー、紐、固体導体、汀線および/またはロープである。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、網構造を有するおよび/または織物構造を有する。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、以下の1つである:繊維状フィルター、工業織物、布または紙用の織物。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、電磁放射用の導波物である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、部分的にダイヤモンドで作られる。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、被覆前と被覆後とで異なる組成を有する。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、スポーツをするための手段を含む。本発明の1つの態様によれば、手段の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その手段は、スポーツおよび/または狩りを行なうための手段を含む。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その手段は、スキー、スラローム、スノーボード、氷または地面の上のスケート、クレードル、そり、曲芸、少なくとも1つの棒を用いるゲーム用の手段である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その手段は、投げる、撃つ、滑る、滑空する、巻く、ボウリングするものである。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、自転車もしくはその一部、チェーン、ベアリング、または先に記載したものの別の部分である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、宝石、装飾品、芸術品またはそれらの複写品である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、マイクロメカニカル要素である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は半導体である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、電気および熱用の絶縁体である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は電気および熱用の導体である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、人間および/または動物の移植臓器である。
本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は関節の表面である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、リベット、飾りびょう、ネジ、釘、フックまたはナットのような取付手段である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、放射経路の少なくとも一部である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、ある製品形態の標的材料の基部、タービンスキャナまたはその一部である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、シートおよび/または網の製品形態であるプラスチック薄膜である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、光学要素である。
本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、レンズ、プリズム、フィルター、ミラー、減衰器、偏光板または先に記載したものの組み合わせである。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、メガネまたはコンタクトである。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は、債券、株券もしくは価値のある別の紙、または支払手段である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は物質を貯蔵するための容器である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は水素を貯蔵するおよび/または水素を放出するための容器である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は炭化水素を貯蔵するおよび/または炭化水素を放出するための容器である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体は核燃料および/またはその成分を貯蔵するための容器である。本発明の1つの態様によれば、物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、その物体はUV活性被覆により被覆される基材本体部である。
本発明の1つの態様に基づく3Dプリンターは、被覆層を被覆するように配置される、本発明の1つの態様に基づく設備を含む。
本発明の1つの態様に基づく3Dプリンターは、
−有効深さまで表面改質ビームに露出するための処理可能な表面を保持する標的ホルダー、
−表面改質ビームおよび/または該第2表面改質ビームを標的に向ける放射移送経路を製造するための手段、
−第2表面改質ビームおよび/または該第2表面改質ビームを標的に向ける第2放射移送経路を製造するための手段、
−該表面を有効深さまで第2表面改質ビームに露出するための該基材を保持する基材ホルダー
を含んで成る。
本発明の1つの態様によれば、該表面改質ビームが印刷のスタイルに合うアブレーションビームであるように、3Dプリンターを配置する。本発明の1つの態様によれば、3Dプリンターが、スライスすることにより3D物体の薄片の印刷を制御するように配置される制御装置手段を含んで成り、各薄片は、該第2表面改質ビームが材料プルームであるその有効深さを有するように、3Dプリンターを配置する。本発明の1つの態様によれば、3Dプリンターが冷間アブレーションにより彫刻されるように配置される手段を含むように、3Dプリンターを配置する。
本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機は、記録してファイルにするための形状および/または規模に関する3D物体のデータを規定するおよび/または公式化する第1手段、3Dプリンターを制御するための指令を制御するために、該データを変換する第2手段、および本発明の1つの態様に基づく3Dプリンターを含む。
本発明の1つの態様によれば、第1手段がUV、可視光および/またはIR用の光学手段を含むように、3Dコピー機を配置する。本発明の1つの態様によれば、第1手段がX線断層撮影法手段を含むように、3Dコピー機を配置する。本発明の1つの態様によれば、第1手段が音響手段を含むように、3Dコピー機を配置する。本発明の1つの態様によれば、第1手段が干渉に基づくように、本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機を配置する。本発明の1つの態様によれば、微視的なスケールの物体を複写および/または印刷するように、本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機を配置する。本発明の1つの態様によれば、巨視的な物体を複写および/または印刷するように、本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機を配置する。本発明の1つの態様によれば、微視的なスケールと巨視的なスケールとの間の寸法を有する物体を複写および/または印刷するように本発明の1つの態様に基づく3Dコピー機を配置する。
本発明の1つの態様に基づく電磁放射を導くための放射移送の経路を経由して、放射源の放射出力を制御する設備を調整しており、その設備が、該経路において、表面改質ビームの中における所定の特性とのズレを観測し、および/または該ズレをファイルに記録するように配置される観測手段、および観測したズレを最小化させるフィードバックを形成し、および/または放射源を所定の特性に適応させるように配置されるフィードバック手段を含んで成る。本発明の1つの態様によれば、該特性は本発明の1つの態様に基づく特性であるように、設備を調整する。本発明の1つの態様によれば、該フィードバック信号を用いて、電磁放射を導くための放射移送の経路の一部を適応させるように、設備を調整する。本発明の1つの態様によれば、該経路がスキャナであるように、設備を調整する。
本発明の1つの態様によれば、基材として物体の表面を被覆するように被覆の使用を配置しており、この物体は少なくとも特許分類の生活必需品および/またはそのサブクラスの分類に属する。
本発明の1つの態様に基づく標的材料の製造方法は、該標的材料を有する少なくとも一方の側において、薄膜および/またはシート状の基部が、基部の一部を被覆するためのアブレーション可能な標的材料の材料プルームに露出する段階を含む。本発明の1つの態様によれば、標的材料に形状特性を提供するための機械的なシェープロンまたは鋳型の利用を含むように製造方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、1つの方向および/または2つの方向の少なくとも1つのピッチによる形状特性を有する標的材料に基部マーキングを提供することを含むように、製造方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該マーキングが電気的および/または磁気的なマーキングであるように、製造方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該マーキングが熱的なマーキングであるように、製造方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、該マーキングが標的材料をある所定の形状にするために用いられる不均一核形成および/または続く濃縮用の基部上の場所に、種として提供されるように、製造方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、基部上に標的材料のフォーメーションを形成する定型段階を含むように、製造方法を調整する。本発明の1つの態様によれば、本発明の1つの態様に基づく製造方法が、本発明の1つの態様に基づき、標的材料ユニットの使用を配置することを含む。
本発明の1つの態様によれば、光子放射源は、少なくとも1つの励起放射源を含むことができ、その放射源はファインプラズマ生成用の放射を提供するように配置される出力放射源、励起放射用の放射源、放射源を制御する入力手段を含んで成る。本発明の1つの態様によれば、断絶地点にて、ビームがスキャナの表面に衝突しようとする場合、キーイング信号を供給する入力手段も用いることができ、出力放射源が出力を放射することを防ぐ。本発明の1つの態様によれば、放射源設備は、少なくとも1つまたは複数の放射源を含むことができ、それらは必ずしも全て同じである必要はない。1つの態様によれば、各放射源は、本発明の1つの態様に基づく光学経路を有する。
本発明の1つの態様によれば、放射移送用の光学経路に沿って光子放射を向けて、該経路に沿って電磁気放射を導き、該経路をファインプラズマ生成用の放射を提供するように配置して、その経路が放射ジオメトリにおいて、放射源から放射の標的に該電磁気放射を導くように配置されたスキャナを経由するルートを含むようにし、該放射は、パルス状の高出力レーザービームパルスとして移送される。本発明の1つの態様によれば、スキャナは、冷間加工および/または被覆のある表面処理にとって都合のよい態様において、タービンスキャナであってよい。しかしながら、スキャナは、振動するスキャナ、タービンスキャナまたは振動するタービンスキャナであってよく、その中の一番目のものは、特定の表面処理用のタービンスキャナほど好適ではない。
標的材料がアブレーションプルーム形成用のパルス状放射にさらされる本発明の1つの態様において、標的スポットを標的片表面に移動させるように調整することができる。その目的のためにスキャナを用いることができ、タービンスキャナとしてそれを具体化することができる。パルスはあまり重複し過ぎないことが重要である。なぜなら、プルームの中央に衝突して、パルスの出力をいくらか減少させ、きれいなアブレーションを潜在的に危険にさらすからである。従って、被覆加工において、その使用に整合するおよび/または適するようにプルームを保たせるならば、スポットは移動させられる必要がある。標的および/または放射ビームを動かすことは可能である。最大1km/sまでの毎秒数メートルの十分な速度でスポットを移動させる場合、高品質な被覆で高生産性の被覆加工のために、例えば、アト、フェムトまたはピコ秒レーザーと具体化されるような放射源を用いることができる。
連続パルスの一致は、パルスの繰り返し率、スポットサイズ、および標的におけるその移動速度次第である。例えば、繰り返し率が1MHz、スポットサイズが16μmの直径および移動速度が1m/秒である場合、各パルスの8%のみが初期表面に当たる。移動速度が4m/秒まで増加させようとする場合、各パルスの初期表面は、約30%であり、10m/秒である場合、80%にさえなる。
本発明の1つの態様に関する実施例によると、パルスの繰り返し率が約30MHzであるならば、スポットの動きは、100m/秒の大きさであってよい。この大きさは、タービンスキャナにより達成されうる。しかしながら、振動スキャナも十分なスポット動作速度を提供することができることが分かっている。実施例によると、そのような振動スキャナはkHz範囲の振動数で振動する必要があり、レーザービームを30°以下、即ち、例えば0°から5−10°の角度まで反らすのに十分な能力を有する。しかしながら、先に記載した値は、その範囲を記載した値または概算値に限定するつもりは全くなく示した例である。
本発明の別の態様によれば、放射経路は、タービンスキャナ以外の別の種類のスキャナを含むことができる。本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つのタービンスキャナは、移送される放射の放射経路に存在することができる。本発明の1つの態様によれば、スキャナは振動型スキャナであってよい。そのようなスキャナは、フィードスルー型であってよいが、損失のせいで、耐久出力はスキャナを通過させるには非常に小さくなり得る。本発明のもう1つの態様によれば、ミラーまたは反射に基づくようにレーザービームを偏向させることができるミラーを含む部品を、放射の走査用のスキャナとして用いることができる。
本発明の1つの態様によれば用いられるスキャナにおいて、ビームを偏向するための、スキャナ表面を形成して曲げるおよび/またはその表面の配置を動かすために用いられる圧電現象および/または磁歪現象により、放射経路の中で放射ビームを偏向させる振動を達成することができる。音響技術と同様のやり方で、静電気的に振動する要素により、振動を調整することもできる。本発明の1つの態様によれば、強誘電体プリズムをスキャナとして用いることができる。放射経路において、タービンスキャナの代わりにおよび/またはそれに加えて、圧電スキャナ、磁気スキャナ、音響スキャナ、またはいずれかの電磁気および/もしくは機械的スキャナを用いることができる。加えて、拡声器のような音響技術で用いられる例えば振動板により、本発明の1つの態様に基づき、放射偏向を達成することができる。例えば、ベリリウム振動板または被覆された薄膜を、軽量ミラー表面に用いることができる。合理的なレベルで放射経路の規模ならびに走査幅としての長さを維持するべく、好ましくはcm範囲の態様で、しかしながら先に記載した例のみに限定せずに、十分な振動および必要な放射の偏向を達成するため、微視的なスケールおよび/または巨視的な要素(MEMS、PZT、バイモルフ、テトラモルフおよび/またはその組み合わせ)の適する部分に、スキャナを作ることができる。
しかしながら、振動ミラーまたは別の反射表面は、表面のある箇所を、放射スポットが表面上の他の箇所よりも多くの時間を費やす場所にさせることができ、それによってそれらスポットにより多くの出力をもたらす。このことは、プルーム形成がプルームの外側に入射する放射量に依存する状況では、プルームにとって害となりうる。2つの連続するミラー表面の間にアークを有するタービンスキャナも、同様の方法で偏向を、標的に到達する放射の出力レベルにさせることができる。そのような地点を、不連続地点として以下で呼ぶ。出力損失およびその結果生じるプルームの劣化を避けるために、本発明の1つの態様によれば、スキャナ表面にておよび/またはその端部にて、不連続地点発生のタイミングを検知および/または決定するように関連ビームを調整する。関連ビームは、出力放射と同じ経路にて出力の低下レベルに基づき信号を発するように調整される、連続的で安定な低出力ビームであってよいが、その信号は、劣化したプルームの発生の潜在的な瞬間の間、出力放射源をオフにしたままにするように調整される。これは、その瞬間を検知して、出力放射源をオフにしたままにするために、教示期間により達成されうる。自己相関器または別の種類の相関器を用いることができ、出力放射源の放射の劣化または不連続地点に関する放射出力レベルの他の変化を、不連続地点における関連ビームの類似の種類の変化に調和させる。本発明の1つの態様において、出力放射を制御する信号を形成し、ミラーの不連続地点が、都合の良くない方法で放射ビーム標的領域に存在する間、非放射期間の時間的な許容範囲を保護するように、放射する出力放射源への許可を示す信号の部分の間のピッチを調節するようにする。相関を測る場合、出力放射ビームのオンとオフを示すそのような部分を有する信号を発生させるように、電子機器および関連するソフトウェアを教示する。その電子機器および/またはソフトウェアを調整し、ピッチは自動的に調節されることができ、更に相関を測る際に、スキャナからの情報も用いることができる。その信号を用いて、出力放射源を励起させるポンプをロックすることができる。
本発明の1つの態様によれば、タービンスキャナミラー表面は振動表面により実施されてよく、そうして振動タービンスキャナを形成する。そのような態様において、ただ1つのミラースポット発生の間であっても、振動表面のおかげで、レーザーパルスを標的上の種々の箇所に偏向させることができる。このようにして、初期標的表面でのスポット移動距離を増加させることができ、それによって標的の初期領域からのプルームの発生量をより多くすることができ、それによって、機械的な部分の周波数をかなり低くしたままにすることを助ける。そのような態様において、ミラー表面の振動が、スキャナ回転の平衡を保つ段階にあるような段階で、タービンスキャナを運転させることができる。振動表面に必要とされる電気を調整して、回転スキャナを誘導に基づくようにすることができ、それによってスキャナローター部と固定部との間にワイヤーは必要とされない。
公知技術の問題に関する実施例
従来のガルバノスキャナを用いて、約2〜3m/秒の一般的な最大速度で、実際には1m/秒(12)で、レーザービームを走査する。このことは、40〜60のパルス(11)であっても2MHzの繰り返し率で重複していることを意味する(図65)。
公知技術の問題を実証するための実施例
プラズマに関する品質問題を図62および63で実証しており、これらは公知技術に基づくプラズマ発生を示す。レーザーパルスγ1114は標的表面1111に衝突する。パルスが長いパルスである場合、衝突スポット領域にて、パルス1114の熱も表面を加熱するように、深さhおよびビーム直径dは同じ大きさであり、更に深さhより深くて、表面1111より下となる。構造経験熱衝撃および張力は壊されながら作られており、Fで図示する破片を生成する。実施例において、プラズマが非常に品質不良である場合、図63で実証される気体1116から形成されるものと類似の構造の核またはクラスターのための1115により参照されるような、小ドット1115により示されるそれらの分子およびクラスターも存在するように思われる。文字「o」は気体からおよび/または凝集を経て、形成および成長することができる粒子を実証する。放出された破片は凝縮および/または凝集により成長してもよく、それらはドットからFへおよびoからFへの曲線の矢印により示される。曲線の矢印は、プラズマ1113から気体1116へ、更に粒子1115および寸法が増大した粒子117への相転移も示す。図63において、アブレーションプルームは、破片Fならびに蒸気および気体で作られた粒子を含むことができ、不良なプラズマ生成のせいで、プラズマはプラズマ領域として連続せず、それゆえ種々の品質がただ1つのパルスのプルーム内で接触されてよい。深さhならびに結果的に得られる種々の深さの下での組成物および/または構造における欠陥のせいで(図67A)、更なるアブレーションのために、図63の標的表面1111をこれ以上利用することはできず、利用できる材料は幾らか存在するが、標的は摩耗している。
図64は、従来技術の光学スキャナ、即ち、振動ミラー(検流計スキャナ)を用いることにより製造したポリカーボネートシート(〜100mm×30mm)上にあって、ITO薄膜の厚さ(30nm、60nmおよび90nm)が種々であるITO被覆(インジウム−スズ−酸素の)に関する実施例を表す。写真は、特に超短パルス状レーザー蒸着(USPLD)で、更に一般的にはレーザー補助被覆で、光学スキャナとして振動ミラーを用いることに関連する幾つかの問題を明確に実証する。振動ミラーが、その端部の位置にて、角運動のその方向を変化させる場合、運動の慣性のために、ミラーの角速度は、その端部の位置の近くで一定でない。振動運動のために、ミラーは絶え間なく壊れ、再び加速する前に止まり、それによって走査した領域の縁部にて、標的材料の不規則な処理を引き起こす。次にこれは、特に走査した領域の縁部に粒子を含む低品質プラズマを生じ(図63、64)、最終的に低品質で、見た目が平らでない被覆を生じる。被覆パラメーターは、用られるスキャナの特性によるアブレーション材料の不均一分布(図65)を実証するように選択されるが、パラメーターを適切に選択する場合、薄膜品質を高めることができ、問題が明らかになるが、それが取り除かれることはない。
ナノ秒レーザーおよびピコ秒レーザーが、当該技術のスキャナの状態を使用する場合、一般的にナノ秒レーザーで、ピコ秒レーザーも存在しており、そのような問題はそれらの双方に共通している。
図66は、標的17からの、公知技術の方法に基づく材料16のアブレーションを具体化するならば、熱張力は標的のある場所において応力を生じさせ、誘発させられる破片20が凹凸のある縁部18も生成する時、解放させることができることを示す。
FINEプラズマの概念に関する実施例
図68および69は、本発明の1つの態様に基づく都合のよい短パルスを図示する。超短パルスレーザーアブレーションを用いて、パルス長の範囲はパルス持続時間より長く、更に標的材料1311の構造の緩和時間より長いピッチを有するようなps範囲にある。従って、プルームに粒子はなく、プラズマ品質は高く(1、1〜2、1〜2)、図69に示す深さhは、表象的な理由により寸法通りではなく誇張されている。光子放射の適切なフルエンスで、スポット領域の至る所で上回るアブレーション閾値に対応するように制御された方法で、スポットサイズを設定する。アブレーション時、プラズマをそのようなフルエンスでも製造するならば、スポット直径/h比率は高く、高いプラズマ品質にも対応して、パルス持続が深さhより下の下部構造に損傷をもたらさない領域に選択されるようにする。
ファインラズマを有する重複パルスに関する実施例
プラズマ品質の範囲における本発明の態様によれば、図70のアブレーション経路のスポット領域は、標的表面に隣接しているスポットに対して30%だけ重複する。許容範囲は10%以内の精度で一定である。本発明のもう1つの態様によれば、アブレーション経路上のスポット領域は100%重複して、アブレーション経路の中の標的の深さ方向にスポットが連続するように、即ち、1つの表面において、標的を切削または研磨するようにする。許容範囲は0.5%以内の精度で一定である。数字はほんの一例であって、本発明の態様を記載したものに限定しない。
公知技術とは反対に、タービンスキャナを有する場合、走査速度は、例えば1〜300m/sの範囲で連続的に調整されうる。ファインプラズマの概念において、パルスの間で約30%重複する走査のための図70の本発明の態様に基づくアブレーション経路の例を、図70の実施例において0%の許容範囲で図示する。
実施例において、レーザーパルスエネルギーを最適に、かつ用いる特定のファイバーに対して十分に低く保ち(最適なファイバーにとって最大5μJ)、ファインプラズマ用に各パルスを用いた。フルエンスを最適化するためのスポットサイズを調整した後、それによって蒸着を効率的に行なった。繰り返し率を増加させながら、最終的に大きな蒸着速度を維持した。
FINEプラズマを有する実施態様に関する実施例
本発明の1つの態様によれば、実施例において、高品質な酸化インジウムスズ薄膜を、1064nmの20psファイバーレーザーによる超短パルス状レーザー蒸着(USPLD)を用いて、ガラス、シリコン(Si)およびポリカーボネート(PC)基材上で成長させた。基材温度を70〜120度の範囲で変化させた。酸化物および金属双方の標的を使用した。酸化物標的の場合、繰り返し率2MHzで、26μmスポットにおいて、0.29〜0.32J/cm2の比較的低い単一パルスフルエンスを用いて、1.5nm/sの蒸着速度に達した。これは約3〜4Wの標的上の総出力に対応する。
蒸着薄膜を、共焦点顕微鏡、FTIRおよびラマン分光法、AFM、光透過測定、ESEMおよび電気測定により評価した。蒸着パラメーターを調整することにより、35〜90nmの範囲の厚さの薄膜は、340nm〜780nmの波長において90%を超える高い光透過性を達成した。
これらの薄膜は、高い接着性および非常に均一な構造を有し、表面粗さは小さく、即ち、Si、ガラスおよびPC基材の粗さとほぼ同じであり、3nmより小さかった。試料の電気抵抗は、2.4〜40×10ー3オームcmの範囲で変化した。
ガス圧力および組成、基材温度、標的構造および/または組成、蒸着配置および/またはレーザー、走査パラメーターのような蒸着パラメーターを調整することにより、USPLDで蒸着させたITO薄膜の特性を特注することができる。大きな蒸着速度、高い接着性および蒸着の正確な制御は、USPLD方法の重要な利点である。