JP5666017B2 - バンク判定装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents

バンク判定装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、移動体が走行する道路がバンクを有するか否か判定するバンク判定装置に関する。
従来から、方位センサ等の出力等に基づき車両の現在地の表示位置を決定する際に、GPS受信機等による出力に基づき方位センサの出力誤差を補正する技術が知られている。また、特許文献1には、車両が所定角度旋回し、かつ、GPS受信機が電波を受信できない場合に、角速度センサの出力を補正することで、車両の位置や向きをより正確に算出する技術が開示されている。
特開2010−38889号公報
特許文献1では、地下駐車場のスロープを通過する際の車両の前後方向における勾配によって生じた方位センサの誤差を補正しているため、左右方向の高低差(バンク)があることによって生じる方位センサの誤差への対処方法については何ら開示及び示唆がされていない。さらに、特許文献1では、勾配角度を所定角度に固定しているなどの特有の前提条件があり、バンクがある道路を車両が通過する場合において同様の方法を適用することはできない。一方、バンクがある道路を車両が走行中であるか否かを適切に判定することができれば、バンクがある道路の走行時であっても、現在地の表示位置を適切に定めることが可能である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、バンクがある道路を移動体が走行しているか否か適切に判定することが可能なバンク判定装置を提供することを主な目的とする。
請求項1に記載の発明では、バンク判定装置は、道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、移動体の方向変換時における前記移動体の角速度を検出する角速度センサと、前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定手段と、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した場合に、前記角速度センサの出力に基づき算出された角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定手段と、を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、移動体の方向変換時における前記移動体の角速度を検出する角速度センサと、を備えるバンク判定装置が実行する制御方法であって、前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定工程と、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定工程が判定した場合に、前記角速度センサの出力に基づき算出された角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定工程と、を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、移動体の方向変換時における前記移動体の角速度を検出する角速度センサと、を備えるバンク判定装置に搭載され実行されるプログラムであって、前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定手段と、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した場合に、前記角速度センサの出力に基づき算出された角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定手段として前記バンク判定装置を機能させることを特徴とする。
バンクが設けられたループ型道路を示す図である。 バンクが設けられた道路上を走行中の車両を示す図である。 本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成の一例である。 進行方向の道路をリンクとノードにより表した図である。 本実施例における処理手順を示すフローチャートである。
本発明の好適な実施形態によれば、道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、移動体の左右方向の加速度に基づき前記移動体の角度変化量を検出する方位センサと、前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定手段と、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した場合に、前記方位センサが検出した角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定手段と、を備える。
上記バンク判定装置は、地図データを記憶する記憶部と、方位センサと、第1判定手段と、第2判定手段とを備える。方位センサは、移動体の左右方向の加速度に基づき移動体の角度変化量を検出する。ここで、「移動体の左右方向」とは、移動体の存在する地表面上であって、移動体の進行方向と直角な方向を指す。第1判定手段は、移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する。第2判定手段は、進行方向の道路がカーブ形状道路の場合に、方位センサが検出した角度変化量である第1角度変化量と、地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する。
一般に、バンクは、カーブ形状を有する道路に設けられる。また、バンクを有する道路を移動体が走行する際には、道路平面と水平面との角度差に起因して方位センサの出力に誤差が生じる。従って、バンク判定装置は、進行方向の道路がカーブ形状道路であるか否か判定すると共に、第1角度変化量と第2角度変化量とに基づき、道路平面と水平面との角度差に起因した方位センサの出力誤差が生じているか否か判定することで、走行道路がバンクを有するか否か好適に判定することが可能となる。
上記バンク判定装置の一態様では、前記第2判定手段は、前記第1角度変化量と前記第2角度変化量が同一方向への角度変化量を示し、かつ、前記第1角度変化量の絶対値が前記第2角度変化量の絶対値より小さいか否かの判定を所定回数行い、前記所定回数のうち所定確率以上において、前記第1角度変化量と前記第2角度変化量が同一方向への角度変化量を示し、かつ、前記第1角度変化量の絶対値が前記第2角度変化量の絶対値より小さいと判定した場合に、前記カーブ形状道路がバンクを有すると判定する。一般に、道路平面と水平面との角度差が大きいほど、方位センサの出力値が示す角度は、実際の旋回角度よりも小さくなる。従って、この態様により、バンク判定装置は、好適に、走行道路がバンクを有するか否か判定することができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、前記第2判定手段は、さらに、前記カーブ形状道路が高速道路であるか否か、又は/及び、前記カーブ形状道路での制限速度が所定値以上であるか否かに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する。一般に、バンクを有する道路は、高速道路であったり、制限速度が高かったりするという傾向がある。従って、この態様により、バンク判定装置は、より正確に、走行道路がバンクを有するか否か判定することができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、前記移動体の現在地を地図上に表示する表示手段と、前記カーブ形状道路がバンクを有すると前記第2判定手段が判定した場合、前記地図データに基づき前記地図上での現在地の表示位置を定める現在地決定手段と、を備える。このように、バンク判定装置は、バンクを有する道路の走行時には、地図データに基づき地図上での現在地の表示位置を定めることで、現在地を正確に地図上に表示することができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、前記現在地決定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると前記第2判定手段が判定した場合、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した時から遡って、前記地図上での現在地の表示位置を算出する。この態様により、バンク判定装置は、進行方向の道路がカーブ形状道路であるとの判定時と当該カーブ形状道路がバンクを有するとの判定時とにタイムラグがある場合であっても、好適に、現在地を地図上に表示することができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、前記現在地決定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると前記第2判定手段が判定した場合、前記地図上の道路に沿った位置に、前記現在地の表示位置を定める。このようにすることで、バンク判定装置は、バンクを有する道路の走行時に現在地の表示が地図上の道路から外れるのを防ぐことができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、GPS受信機をさらに備え、前記現在地決定手段は、前記GPS受信機が電波を受信できない場合に、前記地図データに基づき前記地図上での現在地の表示位置を定める。この態様により、バンク判定装置は、現在地の表示が地図上の道路からずれる虞が高い場合に限定して、地図データに基づき現在地の表示位置を定めることができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、前記判定手段は、前記走行道路がバンクを有すると判定した場合、前記方位センサの出力値の校正を禁止する。これにより、バンク判定装置は、バンクに起因した方位センサの出力誤差に基づき、誤って方位センサの出力を校正するのを抑制することができる。
上記バンク判定装置の他の一態様では、前記第2判定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると判定した場合、前記移動体が分岐地点を通過するか否かさらに判定し、前記移動体が分岐地点を通過すると前記第2判定手段が判定をした場合、当該判定の直前に取得又は算出された第1角度変化量及び第2角度変化量の比に基づき、前記判定時に取得した第1角度変化量を補正し、補正後の前記第1角度変化量に基づき、前記分岐地点後に前記移動体が走行する道路を認識する走行道路認識手段をさらに備える。一般に、バンクがある道路では、バンクの角度は急激には変化しない。従って、この態様では、バンク判定装置は、方位センサが出力した第1角度変化量の前回値と、これに対する第2角度変化量との比に基づき、バンクの角度に起因した影響を排除した第1角度変化量を算出し、これにより分岐後の走行道路を適切に認識することができる。
本発明の他の実施形態では、道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、移動体の左右方向の加速度に基づき前記移動体の角度変化量を検出する方位センサと、を備えるバンク判定装置が実行する制御方法であって、前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定工程と、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定工程が判定した場合に、前記方位センサが検出した角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定工程と、を有する。バンク判定装置は、この制御方法を用いることで、好適に、走行道路がバンクを有するか否か判定することが可能となる。
本発明の別の実施形態では、道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、移動体の左右方向の加速度に基づき前記移動体の角度変化量を検出する方位センサと、を備えるバンク判定装置に搭載され実行されるプログラムであって、前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定手段と、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した場合に、前記方位センサが検出した角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定手段として前記バンク判定装置を機能させる。バンク判定装置は、このプログラムを搭載して実行することで、好適に、走行道路がバンクを有するか否か判定することが可能となる。上記プログラムは、好適には、記憶媒体に記憶される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以後では、「補正」とは、各装置が出力する情報を他の情報などにより一時的に修正することを指し、「校正(キャリブレーション)」とは、ハードウェア的な誤差など定常的な誤りを訂正すべく、測定値に対してオフセットやゲインなどを持たせることを指す。
[基本説明]
具体的な実施例の説明に先立って、本発明に関連する事項の基本説明を行う。
(1)バンクが設けられた道路
図1は、車両の進行方向と垂直な左右方向における高低差、即ち、バンクが設けられたループ型道路90を示す。なお、図1に示される矢印は、車両の進行方向を示す。
図1に示すループ型道路90のように、一定の曲率(旋回角度)を有するカーブ形状の道路であって、かつ、制限速度設定が比較的高い道路には、バンクが存在する場合がある。バンクは、車両の進行時の遠心力低減などの目的で、進行方向に対して車輌の水平方向の回転によって発生する遠心力を、地面の押し返し方向に一部を逃がすことによって緩和するために設けられる。以後では、バンクが設けられた道路を「バンク道路」と呼ぶ。
なお、バンクは、概ね90度程度の旋回角度のカーブ形状道路でも設定されている場合があるが、図1に示すようなループ型に形成された道路では、特に走行の安定性が増す効果が高くなるため、設定される場合が多い。
(2)バンク道路における角速度センサの出力誤差
次に、バンク道路を車両が走行している際に方位センサの出力に生じる誤差(出力誤差)について説明する。以後では、車両が進行する方位の角度変化量を検出する方位センサ(ここでは、加速度に基づき方位の変化を検出する角速度センサとする)がナビゲーション装置に搭載されていた場合について説明する。
図2は、角速度センサを有するナビゲーション装置を搭載した車両がバンク道路であるループ型道路90を走行している状態を示す図である。図2において、線分「AB」は、バンク道路の左右方向に沿った線分であり、線分「BC」は、鉛直方向に延在する線分であり、線分「CA」は、鉛直方向と垂直な水平方向に延在する線分である。そして、角速度センサは、線分AB方向(即ち車両の側面方向)の加速度を検出するように取り付けられているものとする。また、バンク道路が水平方向に対してなす角度(図2では角度「θ」)を、「バンク角度」とも呼ぶ。
図2に示すように、バンク道路を車両が走行中の場合、角速度センサは、実際の車両の旋回角度よりも少ない角度変化量を出力する。これについて説明する。角速度センサは線分AB方向の加速度を検出すべく取り付けられているのに対して、ナビゲーション装置が表示する地図に表示されるべき地表面は線分ACと平行である。このため、角速度センサへ加わる加速度は、地図平面上(即ち水平面上)での加速度に対して、バンク角度θの余弦(cosθ)を乗じた値になる。従って、角速度センサは、実際の車両の旋回角度よりも少ない角度変化量を出力する。
(3)一般的手法とその課題
まず、ナビゲーション装置が地図上での車両の現在地の表示位置を決定するための一般的な手法の具体例を説明する。車両の走行開始時には、ナビゲーション装置は、絶対的な位置や方位等を取得可能なGPS受信機の出力に基づき現在地や進行方向の方位を認識する。その後、ナビゲーション装置は、車速センサと角速度センサを用いて現在地及び進行方向の方位を認識すると共に、認識した現在地等を地図データと整合させる微調整を行い地図上に現在地を表示する。さらに、ナビゲーション装置は、車速センサ、角速度センサ、及び地図データに基づき特定した現在地の表示位置がGPS受信機の出力に基づく車両の位置と大きくずれていないか否かを判定し、大きくずれていると判断した場合には、GPS受信機の出力に基づく車両の位置を、車両の現在地の表示位置とする。
また、一般的には、ナビゲーション装置は、角速度センサの出力に基づき認識した車両の現在地からGPS受信機の出力や地図データに基づき地図上に出力すべき現在地の表示位置を修正した場合、角速度センサの出力を、GPS受信機の出力や地図データに基づき校正する。これについて補足説明する。GPS受信機が1回の測位データにより東西南北の絶対方位を出力するのに対し、角速度センサは、前回方位に対しての角度変化量を積算することで方位を算出する。従って、角速度センサの出力に誤差があった場合には、各出力を積算した絶対方位は、大きくずれる虞があるため、上述のように角速度センサに対して校正が行われる。
次に、車両がバンク道路を走行する場合の課題について説明する。上述したように、この場合、角速度センサは、実際の旋回角度よりも少ない角度の値を出力する。この対処方法として、ナビゲーション装置は、GPS受信機による出力に基づき地図上に出力すべき位置を補正することが可能である。
しかし、車両が走行するバンク道路がトンネル内に存在する場合には、ナビゲーション装置は、GPS受信機が電波を受信できないため、GPS受信機の出力値によって地図表面上での旋回角度の補正をすることができない。そのため、この場合には、ナビゲーション装置は、角速度センサが出力する誤ったデータ、または、地図データ上で道路を示す線分(リンク)が指し示す方位(「線分角度」とも呼ぶ。)のいずれかを信用せざるを得なくなる。
(3−1)角速度センサの出力を信用する場合の課題
この場合、ナビゲーション装置は、地図上に示されるべき車両の旋回角度よりも少ない角度しか車両が回転していないものと判断する。従って、出力される地図上の現在地の表示位置が、表示されるべき正確な位置から徐々にずれていく。
(3−2)地図データを信用する場合の課題
地図データに基づき現在地の表示位置を定める場合には、ナビゲーション装置は、地図上の道路に沿って車両が移動していると認識するため、地図上で表示される現在地の表示位置が本来表示されるべき正確な位置と大きくずれることはない。しかし、通常の動作中に以下の2つの問題が生じる。
1つ目の問題は、地図データに基づき現在地の表示位置を定める方法を実行するか否かを判断するための条件の設定が困難であることである。一般に、バンク道路以外の道路の走行時には、車両が駐車場に入る時など、道路以外の領域に車両が出る可能性を想定する必要がある。しかしながら、地図データに基づき現在地の表示位置を定める方法を実行する条件を緩めた場合、ナビゲーション装置は、車両が道路以外を走行した場合であっても、車両が道路上を走行中であると誤判定してしまう可能性が高まる。
2つ目の問題は、角速度センサの出力を地図データに基づき誤って校正してしまう虞があることである。上述したように、ナビゲーション装置は、角速度センサの出力に基づき認識した位置からGPS受信機の出力や地図データに基づき地図上に出力する現在地の表示位置を修正した場合、これに加えて、角速度センサの出力を、GPS受信機の出力や地図データに基づき校正する。従って、この場合、ナビゲーション装置は、バンク角度に起因した角速度センサの出力誤差を、当該センサの出力自体の誤差と判断してしまい、角速度センサの出力を地図データに基づき誤って学習させてしまう可能性がある。
なお、2つ目の問題は、GPS受信機が電波を受信可能な場合であっても、車両がバンク道路を走行中であれば、GPS受信機の出力に基づき現在地の表示位置を補正した際に生じ得る。
以上を勘案し、以下に説明するナビゲーション装置は、車両がバンク道路の走行中であるか否か判定する。そして、車両がバンク道路の走行中であると判断した場合には、地図データに基づき、地図上での現在地の表示位置を定める。
[概略構成]
図3は、本発明に係るバンク判定装置が適用されたナビゲーション装置1の概略構成を示す。ナビゲーション装置1は、車両に搭載される。図3に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ(車速センサ)13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ(車速センサ)13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、予め用意されたプログラムを実行することにより、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。データ記憶ユニット36は、地図データとして、各道路の情報がノードとリンクにより表現された道路データを記憶する。ここで、道路データとは、具体的には、ノード番号、位置座標、ノード種別、接続リンク本数、接続ノード番号、交差点名称等が該当する。データ記憶ユニット36は、本発明における「記憶部」の一例である。
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICS(Vehicle Information Communication System、登録商標)センタなどから配信される情報(以下、「VICS情報」と呼ぶ。)を電波39より取得する。そしてインタフェース37は、通信装置38のインタフェース動作を行い、VICS情報をシステムコントローラ20等に入力する。
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図及び車両の現在地などを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
システムコントローラ20は、自立即位装置10から供給される出力信号、GPS受信機18から供給される出力信号、及びデータ記憶ユニット36に記憶された地図データに基づき、表示ユニット40に表示された地図上に車両の現在地を表示する。このように、システムコントローラ20は、本発明における「第1判定手段」、「第2判定手段」、「現在地決定手段」、及び「走行道路認識手段」の一例である。
[制御方法]
次に、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20が実行する現在地の表示位置の決定方法について説明する。概略的には、システムコントローラ20は、まず、進行方向の道路がカーブ形状、即ち曲率が略一定の形状を有する道路(「カーブ形状道路」とも呼ぶ。)であるか否か判定する。そして、システムコントローラ20は、進行方向の道路がカーブ形状道路の場合には、地図データ上の道路の角度変化量と、角速度センサ12が出力する角度変化量とに基づき、移動体が走行中の道路(単に「走行道路」とも呼ぶ。)がバンク道路であるか否か判定する。そして、システムコントローラ20は、走行道路がバンク道路であると判断した場合には、地図データ上のリンクに沿って、距離センサ13が検出した走行距離分だけ現在地の表示位置を移動させる。以下、これらの処理についてそれぞれ具体的に説明する。
(1)カーブ形状道路の検出
システムコントローラ20は、地図データに基づき、進行方向の道路が所定の進行距離ごとに所定の旋回角度を有する場合に、車両がカーブ形状道路を走行すると判断する。以下、この処理の具体例について図4を参照して説明する。図4は、現在地が地点「P1」にあり、進行方向が地点「P2」の方向である場合の進行方向の道路を、地図データにおいて道路を示すリンク「Lk1」乃至「Lk7」及びこれらの接続点であるノード「Nd1」乃至「Nd6」により表した図である。
まず、システムコントローラ20は、地点P1があるリンクLk1の線分角度に対して所定角度「φ」(ここでは90度とする)だけ変化する進行方向の道路上の地点「Pn」(「n」は2以上の整数。ここでは4)を算出し、地点P1から地点Pnまでの走行距離「D」を求める。このとき、好適には、システムコントローラ20は、走行距離Dが所定範囲(例えば数十メートル〜数百メートル)にない場合には、車両がカーブ形状道路、即ちバンク道路を走行していないと直ちに判断するとよい。ここで、距離D、所定角度φ、インデックスn、及び上述の所定範囲は、例えば、既存のバンク道路の形状等を勘案して実験等に基づき予め適切な値に定められる。
次に、システムコントローラ20は、地点P1からD/(n−1)だけ進んだ地点P2があるリンクLk3と地点P1があるリンクLk1とがなす角度、即ちリンクLk3の線分角度と、リンクLk1の線分角度との角度差を算出する。そして、システムコントローラ20は、算出した角度がφ/(n−1)の近傍であるか否か、例えば算出した角度とφ/(n−1)との差が所定値以下であるか否か判定する。この所定値は、例えば既存する種々のバンク道路の形状等に基づき実験により定められる。同様に、システムコントローラ20は、地点P1から2D/(n−1)だけ進んだ地点P3があるリンクLk5と、リンクLk1とがなす角度を算出する。そして、システムコントローラ20は、算出した角度が2φ/(n−1)の近傍であるか否か判定する。
このように、システムコントローラ20は、地点P1があるリンクLk1と、他の各地点P2乃至Pnがあるリンクとがなす角度が、それぞれ「φ/(n−1)」乃至「(n−1)φ/(n−1)(=φ)」の近傍にあるか否かを判定する。そして、システムコントローラ20は、各リンクのなす角度がそれぞれ「φ/(n−1)」乃至「φ」の近傍であると判断した場合、進行方向の道路がカーブ形状道路であると判断する。なお、これに代えて、システムコントローラ20は、上述の近傍か否かの判定のうち、所定確率以上近傍であると判定した場合、進行方向の道路がカーブ形状道路であると判断してもよい。
(2)角度変化量に基づくバンク道路の検出
システムコントローラ20は、車両がカーブ形状道路を走行すると判断した場合に、地図データ上の道路の角度変化量と、角速度センサ12が出力する角度変化量とに基づき、当該カーブ形状道路がバンク道路であるか否か判定する。この判定方法について具体的に説明する。
システムコントローラ20は、車両がカーブ形状道路を走行すると判断した場合、現在地に対応するリンクの線分角度の変化量(「データ角度変化量Δα」とも呼ぶ。)を算出すると共に、角速度センサ12が出力する角度変化量(「センサ角度変化量Δβ」とも呼ぶ。)を取得する。ここで、データ角度変化量Δαは、例えば、現在地に対応するリンクが、当該リンクの直前に現在地に対応していたリンクに対してなす角度に定められる。なお、以下では、一例として、データ角度変化量Δα及びセンサ角度変化量Δβは、右方向(即ち時計回りの方向)への角度変化量を示す場合には正値となり、左方向(即ち反時計回りの方向)への角度変化量を示す場合には負値となるものとする。データ角度変化量Δαは、本発明における「第2角度変化量」の一例であり、センサ角度変化量Δβは、本発明における「第1角度変化量」の一例である。
そして、システムコントローラ20は、センサ角度変化量Δβがデータ角度変化量Δαと同じ符号、即ち同じ方向への角度変化を示し、かつ、センサ角度変化量Δβの絶対値がデータ角度変化量Δαの絶対値よりも小さいという条件(「角度変化量条件」とも呼ぶ。)を満たすか否か判定する。そして、システムコントローラ20は、この判定を所定回数だけ行い、角度変化量条件を所定確率以上満たすと判断した場合には、走行道路がバンク道路であると判断する。この所定確率は、例えば60%〜100%の範囲に定められ、具体的には実験等により予め定められた適合値に定められる。ここで、角度変化量条件を満たすか否か判定は、例えば、異なるリンク上に現在地が遷移するごとに行われてもよく、所定時間幅ごとに行われてもよい。
ここで、角度変化量条件の妥当性について補足説明する。[基本説明]のセクションで述べたように、バンク道路では、センサ角度変化量Δβは、実際の車両の旋回角度にバンク角度の余弦を乗じた値に相当し、実際の車両の旋回角度及びこれと同等なデータ角度変化量Δαよりも小さくなる。よって、システムコントローラ20は、角度変化量条件を満たすか否か判定することで、走行道路がバンク道路であるか否か的確に判定することができる。
(3)バンク道路の走行時での現在地の決定方法
システムコントローラ20は、バンク道路の走行時であると判断した場合には、バンク道路の走行時でない場合と異なる処理に基づき現在地の表示位置を定める。具体的には、システムコントローラ20は、バンク道路の走行時には、進行方向における走行予定の道路の道路データを参照し、当該道路データが示すリンクに沿って、距離センサ13が検出した走行距離分だけ現在地の表示位置を移動させる。即ち、この場合、システムコントローラ20は、バンクに起因した必然的な誤差が生じる角速度センサ12を用いることなく、地図データ上で道路を示すリンクに沿って現在地の表示位置を移動させる。これにより、システムコントローラ20は、地図上で現在地を適切に表示すると共に、不要に角速度センサ12の出力を校正するのを抑制することができる。
(4)分岐地点後の走行道路の認識方法
また、上述した処理に加え、システムコントローラ20は、バンク道路の走行時に分岐地点がある場合には、角速度センサ12が出力するセンサ角度変化量Δβからバンクに起因した誤差を排除した推測値(「推測値Δβtag」とも呼ぶ。)を算出し、当該推測値Δβtagから分岐地点後の走行道路を認識する。
ここで、推測値Δβtagの算出方法について具体的に説明する。まず、システムコントローラ20は、現在地に対応する地図データ上のデータ角度変化量Δαを算出すると共に、角速度センサ12が出力するセンサ角度変化量Δβを取得し、これらの値をデータ記憶ユニット36等のメモリに記憶する。そして、システムコントローラ20は、分岐道路の分岐地点に現在地があると判断した場合、以下の式(1)に示すように、分岐地点において取得したセンサ角度変化量「Δβ1」に、その直前に取得又は算出してメモリに記憶したデータ角度変化量「Δα0」及びセンサ角度変化量「Δβ0」の比を乗じた値を推測値Δβtagとして算出する。
Δβtag=(Δα0/Δβ0)×Δβ1 式(1)
このように、システムコントローラ20は、バンク道路ではバンク角度が急激に変化しないと想定し、分岐地点の直前に取得又は算出したデータ角度変化量Δα0及びセンサ角度変化量Δβ0に基づき、分岐地点において取得したセンサ角度変化量Δβ1に生じた誤差を補正している。
ここで、分岐地点から「m」(mは正の整数)個に道路が分岐している場合、データ記憶ユニット36は、地図データとして、各分岐道路に対応するm個のリンクを記憶している。また、各リンクは、それぞれ異なるデータ角度変化量Δα(ここでは、「Δα11」〜「Δα1m」とする)を有する。従って、この場合、システムコントローラ20は、推測値Δβtagに最も近いデータ角度変化量Δα11〜Δα1mに対応するリンクが示す道路を分岐先の走行道路であると認識する。このようにすることで、システムコントローラ20は、バンク道路中に分岐地点が存在する場合であっても、適切に分岐先の走行道路を特定することができる。
[処理フロー]
次に、本実施例において、システムコントローラ20が実行する処理手順について説明する。図5は、本実施例においてシステムコントローラ20が実行する処理手順を示すフローチャートである。システムコントローラ20は、図5に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
まず、システムコントローラ20は、カーブ形状道路を検出したか否か判定する(ステップS101)。言い換えると、システムコントローラ20は、「(1)カーブ形状道路の検出」のセクションで述べた処理に基づき、進行方向の道路がカーブ形状道路であるか否か判定する。
そして、システムコントローラ20は、カーブ形状道路を検出した場合(ステップS101:Yes)、データ角度変化量Δαとセンサ角度変化量Δβとが同符号、かつ、データ角度変化量Δαの絶対値がセンサ角度変化量Δβの絶対値よりも大きいか否か判定する(ステップS102)。即ち、システムコントローラ20は、データ角度変化量Δα及びセンサ角度変化量Δβを算出又は取得すると共に、これらの値に基づき角度変化量条件が満たされるか否か判定する。これにより、システムコントローラ20は、バンク角度に起因してセンサ角度変化量Δβが小さくなっているか否か判定する。そして、システムコントローラ20は、カーブカウンタが所定回数以上を示すか否か判定する(ステップS103)。ここで、「カーブカウンタ」は、ステップS102の判定を行った回数を数えるためのカウンタであり、初期値は「0」に設定される。そして、システムコントローラ20は、カーブカウンタが所定回数未満を示す場合(ステップS103:No)、カーブカウンタのインクリメントを行う(ステップS104)。一方、ステップS101において、システムコントローラ20は、カーブ形状道路を検出していない場合、カーブカウンタをクリアする(ステップS106)。即ち、システムコントローラ20は、カーブカウンタを初期値の「0」に設定する。
次に、システムコントローラ20は、カーブカウンタが所定回数以上を示す場合(ステップS103:Yes)、カーブカウンタでカウントされた所定回数の判定は、所定確率以上肯定的な判定であったか否か判定する(ステップS105)。即ち、システムコントローラ20は、角度変化量条件を満たす確率が所定確率以上であったか否か判定する。そして、システムコントローラ20は、カーブカウンタでカウントされた所定回数の判定が所定確率以上肯定的な判定であった場合には(ステップS105:Yes)、車両がバンク道路を走行中であると判定する(ステップS107)。
そして、システムコントローラ20は、車両がバンク道路を走行中であると判定した場合には、地図データ及び距離センサ13の出力に基づき現在地を認識する(ステップS108)。具体的には、この場合、システムコントローラ20は、距離センサ13が検出した走行距離分だけ地図データ上で道路を示すリンクに沿って現在地を移動させる。また、このとき、システムコントローラ20は、ステップS101でカーブ形状道路を検出した時点に遡って現在地の表示位置を算出する。これにより、システムコントローラ20は、ステップS101の判断時からステップS107の判断時までのタイムラグに起因した現在地の表示位置のずれを修正し、バンクによる影響を受けることなく、地図上で現在地を適切な位置に表示することができる。また、システムコントローラ20は、ステップS108では、角速度センサ12の出力値の校正を行わない。
次に、システムコントローラ20は、車両が分岐地点にいるか否か判定する(ステップS109)。そして、車両が分岐地点にいない場合(ステップS109:No)、システムコントローラ20は、直近に算出又は取得したデータ角度変化量Δα及びセンサ角度変化量Δβをデータ記憶ユニット36などのメモリに記憶する(ステップS110)。一方、車両が分岐地点にいる場合(ステップS109:Yes)、システムコントローラ20は、角速度センサ12が検出したセンサ角度変化量Δβを取得すると共に、バンクによる影響を排除した推測値Δβtagを算出する(ステップS111)。具体的には、システムコントローラ20は、メモリに記憶したデータ角度変化量Δα(Δα0)及びセンサ角度変化量Δβ(Δβ0)と、分岐地点で検出したセンサ角度変化量Δβ(Δβ1)とに基づき、上述の式(1)に従い、推測値Δβtagを算出する。そして、システムコントローラ20は、算出した推測値Δβtagに基づき、分岐後の走行道路を認識する(ステップS112)。これにより、システムコントローラ20は、バンクに起因して角速度センサ12の出力に誤差が存在する場合であっても、的確に分岐後の走行道路を認識し、認識した分岐後の走行道路上に沿って現在地を表示させることができる。
一方、システムコントローラ20は、カーブカウンタのインクリメントを行った場合(ステップS104)、カーブカウンタのクリアを行った場合(ステップS106)、又は、ステップS105においてカーブカウンタでカウントされた所定回数の判定が所定確率以上肯定的な判定でない場合(ステップS105:No)、車両がバンク道路を走行していないと判断する(ステップS113)。そして、この場合、システムコントローラ20は、角速度センサ12及び距離センサ13の出力等に基づき現在地を認識する(ステップS114)。即ち、この場合、システムコントローラ20は、上述の[基本説明](3)のセクションで述べたように、例えば、角速度センサ12及び距離センサ13を用いて現在地を認識すると共に、GPS受信機18の出力や地図データに基づき、認識した現在地を必要に応じて補正して地図上に表示する。また、システムコントローラ20は、GPS受信機18の出力や地図データに基づき、適宜角速度センサ12の出力値の校正を行う。
[変形例]
以下、本実施例に好適な変形例について説明する。以下に示す変形例は、組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
(変形例1)
図5のステップS101の実行前などにおいて、システムコントローラ20は、GPS受信機18が電波19を受信できるか否か判定し、GPS受信機18が電波19を受信できる場合には、ステップS114の処理を行ってもよい。即ち、この場合、システムコントローラ20は、走行道路がバンク道路であり、かつ、GPS受信機18が電波19を受信できない場合にのみステップS108乃至ステップS112の処理を行い、他の場合には、ステップS114の処理を行う。これにより、システムコントローラ20は、現在地の表示位置にずれが生じる虞がある場合にのみ限定して、例外的な処理を行うことができる。
(変形例2)
システムコントローラ20は、カーブ形状道路を検出した場合、角度変化量に基づきバンク道路であるか否か判定した。これに加え、システムコントローラ20は、カーブ形状道路が高速道路であるか否か、及び、制限速度が所定値以上であるか否かを判定することにより、検出したカーブ形状道路がバンク道路であるか否か判定してもよい。一般に、バンク道路は高速道路に設けられることが多く、また、バンク道路での制限速度は高い場合が多い。従って、システムコントローラ20は、例えば、カーブ形状道路が高速道路であり、かつ、その制限速度が所定値以上である場合にカーブ形状道路がバンク道路であると判定することで、より高精度にバンク道路を検出することができる。
(変形例3)
上述の実施例では、ナビゲーション装置1は、表示ユニット40に表示された地図上に車両の現在地を表示した。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。これに代えて、ナビゲーション装置1は、地図を表示することなく、車両が目的地に対して進むべき進行方向のみを表示してもよい。他の例では、ナビゲーション装置1は、音声出力を行い、音声により、車両が目的地に対して進むべき進行方向等の運転補助情報を出力してもよい。この場合であっても、ナビゲーション装置1は、上述の実施例で述べた手法に基づき、正確に現在地を認識し、適切に案内を行うことができる。
また、ナビゲーション装置1は、目的地や立寄地などの設定がされて、ナビゲーションを行っている場合に限らず、目的地や立寄地などが設定されていない場合であっても、上述の実施例で述べた処理を行ってもよい。この場合であっても、好適に、ナビゲーション装置1は、現在地を正確に認識し、地図上に現在地を表示することなどができる。
本発明は、車載用ナビゲーション装置、PND(Personal Navigation Device)、その他地図と共に現在地を表示する装置に好適に適用することができる。
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
12 角速度センサ
13 距離センサ
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ

Claims (11)

  1. 道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、
    移動体の方向変換時における前記移動体の角速度を検出する角速度センサと、
    前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定手段と、
    前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した場合に、前記角速度センサの出力に基づき算出された角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定手段と、
    を備えることを特徴とするバンク判定装置。
  2. 前記第2判定手段は、
    前記第1角度変化量と前記第2角度変化量が同一方向への角度変化量を示し、かつ、前記第1角度変化量の絶対値が前記第2角度変化量の絶対値より小さいか否かの判定を所定回数行い、
    前記所定回数のうち所定確率以上において、前記第1角度変化量と前記第2角度変化量が同一方向への角度変化量を示し、かつ、前記第1角度変化量の絶対値が前記第2角度変化量の絶対値より小さいと判定した場合に、前記カーブ形状道路がバンクを有すると判定することを特徴とする請求項1に記載のバンク判定装置。
  3. 前記第2判定手段は、さらに、前記カーブ形状道路が高速道路であるか否か、又は/及び、前記カーブ形状道路での制限速度が所定値以上であるか否かに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定することを特徴とする請求項1または2に記載のバンク判定装置。
  4. 前記移動体の現在地を地図上に表示する表示手段と、
    前記カーブ形状道路がバンクを有すると前記第2判定手段が判定した場合、前記地図データに基づき前記地図上での現在地の表示位置を定める現在地決定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバンク判定装置。
  5. 前記現在地決定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると前記第2判定手段が判定した場合、前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した時から遡って、前記地図上での現在地の表示位置を算出することを特徴とする請求項4に記載のバンク判定装置。
  6. 前記現在地決定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると前記第2判定手段が判定した場合、前記地図上の道路に沿った位置に、前記現在地の表示位置を定めることを特徴とする請求項4または5に記載のバンク判定装置。
  7. 前記第2判定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると判定した場合、前記角速度センサの出力値の校正を禁止することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバンク判定装置。
  8. 前記第2判定手段は、前記カーブ形状道路がバンクを有すると判定した場合、前記移動体が分岐地点を通過するか否かさらに判定し、
    前記移動体が分岐地点を通過すると前記第2判定手段が判定をした場合、当該判定の直前に取得又は算出された第1角度変化量及び第2角度変化量の比に基づき、前記判定時に取得した第1角度変化量を補正し、補正後の前記第1角度変化量に基づき、前記分岐地点後に前記移動体が走行する道路を認識する走行道路認識手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバンク判定装置。
  9. 道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、
    移動体の方向変換時における前記移動体の角速度を検出する角速度センサと、
    を備えるバンク判定装置が実行する制御方法であって、
    前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定工程と、
    前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定工程が判定した場合に、前記角速度センサの出力に基づき算出された角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  10. 道路のデータを含む地図データを記憶する記憶部と、
    移動体の方向変換時における前記移動体の角速度を検出する角速度センサと、
    を備えるバンク判定装置に搭載され実行されるプログラムであって、
    前記移動体の進行方向の道路がカーブ形状を有するカーブ形状道路であるか否か判定する第1判定手段と、
    前記進行方向の道路が前記カーブ形状道路であると前記第1判定手段が判定した場合に、前記角速度センサの出力に基づき算出された角度変化量である第1角度変化量と、前記地図データに基づき算出された走行中の道路の角度変化量である第2角度変化量とに基づき、前記カーブ形状道路がバンクを有するか否か判定する第2判定手段
    として前記バンク判定装置を機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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