JP5665607B2 - 高周波成分と低周波成分の分離装置 - Google Patents
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Description
また、上記のような車両においては、路面からの振動を懸架装置(サスペンション装置)によって吸収することが一般的である。サスペンション装置には、受動的に振動を吸収するパッシブサスペンションが一般的であるが、能動的に振動を吸収する機構としてアクティブサスペンション装置が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2に記載された方法は、電子制御により車体駆動力の1つの周波数領域の変動成分を抽出し、抽出された車体駆動力の変動成分に基づいて車両の走行状態を制御する方法であるが、装置が複雑化することによってコストが嵩むという問題があった。
前記低域通過ろ波器は、入力軸と、出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の軸端にそれぞれ設けられ、前記入力軸と出力軸とを接続する接続板と、前記接続板と接続板の間に介在する弾性部材とから構成されていることが好ましい。
以下、図面を参照し、本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、分離装置1は、サスペンション装置3と駆動タイヤ4を有する車両50に設けられるもので、車体51の下方にサスペンション装置3を介して取り付けられている。また、分離装置1は、モータ2とサスペンション装置3の間、及びモータ2と駆動タイヤ4との間に配されており、モータ2の駆動力をサスペンション装置及び駆動タイヤ4に伝達する装置である。
図2に示すように、分離装置1は、遊星歯車機構5と、モータ2の出力軸2aに取り付けられ、回転出力(以下、回転aと呼ぶ)を遊星歯車機構5のリング歯車8(内歯車とも呼ばれる)に伝達する第一歯車10と、モータ2の出力軸2aに取り付けられたローパスフィルター機構9と、ローパスフィルター機構9の出力軸9bに接続されたギアボックス22と、ギアボックス22の出力(回転c1)を遊星歯車機構5の太陽歯車6に伝達する伝達歯車11とから構成されている。
分離装置1は、モータ2の回転出力(回転a)を低周波成分のみの回転出力(回転c2)と高周波成分のみの回転出力(回転b1)に分離する装置である。
2つの出力軸のうち、第二出力軸22bには、駆動タイヤが接続されている。つまり、モータ2の駆動力は、ローパスフィルター機構9を介して低周波成分のみの回転出力が駆動タイヤ4に伝達される。
遊星歯車機構5を構成する遊星歯車7の公転運動を拾う遊星キャリア7aの中心軸7bは、サスペンション装置3に接続されている。
例えば、上記した遊星歯車機構5において、リング歯車8の歯数を60、太陽歯車6の歯数を30、遊星歯車7,7の歯数を15とした上で、第一歯車10とギアボックス22の歯数構成を適宜設定することにより、リング歯車8の回転数を800rpm、太陽歯車6の回転数を1,600rpmとする。遊星歯車機構5を上記したような歯数構成としたことによって、遊星キャリア7aの回転数は0rpmとなり静止する。
クランク板12の外周近傍にはコネクトピン14が設けられていると共に、車体51の側面下方にもコネクトピン15が設けられている。これらコネクトピン14,15は、コネクティングロッド13によって接続されている。これにより、クランク板12を回動させることで、車体51とクランク板12との距離、つまり、車体51と駆動タイヤ4との距離を変化させることができる。または、車体51の上下運動に伴い、クランク板12が回動する。
モータ2の駆動力(以下、回転aと呼ぶ)は、遊星歯車機構5のリング歯車8と太陽歯車6とに伝達される。
まず一方で、モータ2の駆動力(回転a)はローパスフィルター機構9の入力軸9aに伝達され、第一接続板16が、高周波成分と低周波成分を含んだ回転数で回転する。第一接続板16が回転することによって、第二接続板17が回転するが、ボルト18の軸部と第一接続板16,第二接続板17との間にゴムブッシュ21が介在していることによって、駆動力のうち高周波成分がカットされる。これにより、第二接続板17及び出力軸9bには、モータ2の駆動力のうち低周波成分のみの駆動力が伝達される。
この低周波成分のみの駆動力は、出力軸9bに接続されたギアボックス22によって分離され、一方の出力(回転c2)は駆動タイヤ4に伝達される。他方の出力(回転c1)は、伝達歯車11を介して遊星歯車機構5の太陽歯車6に伝達される。
リング歯車8と太陽歯車6の回転により遊星歯車7が公転しつつ回転する。この回転を回転b2と呼ぶ。遊星歯車7が回転b2で回転するに伴い、遊星キャリア7aは遊星歯車7の公転運動を拾って回転する。この回転数を回転b1と呼ぶ。この回転b1は、サスペンション装置3に伝達される。
また、ローパスフィルター機構9は、上述したような構成に限ることはなく、高周波成分と低周波成分が混在した回転のうち、高周波成分を伝達しないような機構であればどのような機構も採用することができる。例えば、トーションバーの両端を入力軸及び出力軸としてもよい。
以下、図面を参照し、本発明の第二実施形態について説明する。この実施形態の分離装置において、モータ2の駆動力をサスペンション装置3と駆動タイヤ4に伝達する基本構造は、第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態の分離装置は、第一実施形態の遊星歯車機構5の代替として、油圧ポンプ機構を採用していることを特徴としている。
図7に示すように、分離装置1Bは、モータ2の出力軸2aに取り付けられた第二ギアボックス35と、第二ギアボックスの第一出力軸35aに接続されたローパスフィルター機構9と、第二ギアボックスの第二出力軸35bに接続された油圧ポンプ機構23とから構成されている。第二ギアボックス35は、モータ2からの出力を任意に減速又は増速した上で、第一出力軸35a及び第二出力軸35bより2つの出力に分離する変速装置である。
油圧ポンプ機構23は、回転斜板式油圧ポンプ24と、回転斜板式油圧ポンプ24の
吐出口31に接続された圧力検出室32と、圧力検出室32とサスペンション装置3との間に介在するオリフィス28と、サスペンション装置3と回転斜板式油圧ポンプ24の吸込口30との間に介在する圧力タンク29とから構成され、これらの構成要素は、作動油で満たされた接続管33で接続されている。また、圧力検出室32の内部には、油圧を検出する圧力センサ37が設置されている。
各々のシリンダ穴26a,26aの回転斜板25とは反対側の開口端部26b,26bには、開口端部26b,26b同士が互いに接続されるように、コ字状のポンプ管34が接続されている。
圧力タンク29は、サスペンション装置3Bから排出された作動油を回転斜板式油圧ポンプ24に循環させるように、サスペンション装置3Bに接続されていると共に、吸込口30,30に接続されている。
モータ2の駆動力(回転a)は、ローパスフィルター機構9を介して駆動タイヤ4に伝達される。この際、第1実施形態と同様の作用によって、駆動タイヤにはモータ2の駆動力のうち低周波成分のみの駆動力(回転b)が伝達され、駆動タイヤ4が駆動される。
モータ2の駆動力(回転a)は回転斜板25の回転軸25aに伝達され、回転斜板25が回転し、一対のピストン27,27が交互に後退することで、圧力検出室32には、一対の吸込口30,30から供給される作動油が交互に供給される。
オリフィス28の縮径比は、想定される低周波成分の油圧の入力に対しては、流入する作動油を適切に排出して、圧力検出室32の内部の圧力が変動しないようにされている。
一方、想定される高周波成分の油圧の入力に対しては、流入する作動油が排出される圧力検出室32の内部で圧力変動として検出されるように設定されている。この圧力は圧力信号として、油圧ポンプ機構23の排出管23aから排出される。
また、モータ2の回転運動を圧力信号に変換してサスペンション装置3Bを作動させるため、サスペンション装置3Bとして、油圧シリンダを採用することができる。
以下、図面を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。この実施形態において、モータ2の駆動力をサスペンション装置3と駆動タイヤ4に伝達する基本構造は、第1実施形態及び第2実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態の分離装置1Cは、遊星歯車機構5及び油圧ポンプ機構23の両方を用いて、駆動力を分離することを特徴としている。
モータ2の駆動力(回転a)は、ローパスフィルター機構9を介して駆動タイヤ4に伝達される。この際、第1実施形態と同様の作用によって、駆動タイヤにはモータ2の駆動力のうち低周波成分のみの駆動力(回転c2)が伝達され、駆動タイヤ4が駆動される。
中心軸7bが回転することによって、油圧ポンプ機構23の回転斜板25(図8参照)が回転し、第二実施形態と同様の作用によって、吐出口31(図8参照)から圧力信号が排出され、サスペンション装置3Cが駆動される。
Claims (3)
- 太陽歯車と、該太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、該遊星歯車を支持する遊星キャリアと、前記遊星歯車と噛み合うリング歯車とからなる遊星歯車機構と、
高周波成分と低周波成分とが混在する回転入力を前記リング歯車に伝達する第一歯車と、
前記回転入力から低周波回転成分を分離する低域通過ろ波器と、
前記低周波回転成分を任意に減速又は増速するギアボックスと、を備え、
前記遊星歯車機構、前記第一歯車、及び前記ギアボックスは、前記第一歯車が回転駆動する一方、前記太陽歯車及び前記遊星キャリアが従動するものとした場合、前記遊星キャリアが静止する歯数構成とされており、
前記回転入力を低域通過ろ波器を介して低周波回転成分を分離すると共に、
前記回転入力を前記第一歯車を介して前記リング歯車に伝達し、かつ、前記低周波回転成分を前記ギアボックスを介して前記太陽歯車に伝達することで、前記遊星キャリアから高周波回転成分を分離することを特徴とする高周波成分と低周波成分の分離装置。 - 太陽歯車と、該太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、該遊星歯車を支持する遊星キャリアと、前記遊星歯車と噛み合うリング歯車とからなる遊星歯車機構と、
高周波成分と低周波成分とが混在する回転入力を前記リング歯車に伝達する第一歯車と、
前記回転入力から低周波回転成分を分離する低域通過ろ波器と、
前記低周波回転成分を任意に減速又は増速するギアボックスと、
前記遊星キャリアに接続された回転斜板と該回転斜板の回転により進退して作動油を排出させるピストンとを有する回転斜板式油圧ポンプと、前記回転斜板式油圧ポンプの吐出口に接続された圧力検出室と、該圧力検出室の排出口に接続されたオリフィスとからなる油圧ポンプ機構と、
前記圧力検出室内の油圧を検出する圧力センサと、を備え、
前記遊星歯車機構、前記第一歯車、及び前記ギアボックスは、前記第一歯車が回転駆動する一方、前記太陽歯車及び前記遊星キャリアが従動するものとした場合、前記遊星キャリアが静止する歯数構成とされており、
前記回転入力を低域通過ろ波器を介して低周波回転成分を分離すると共に、
前記回転入力を前記第一歯車を介して前記リング歯車に伝達し、かつ、前記低周波回転成分を前記ギアボックスを介して前記太陽歯車に伝達することで、前記遊星キャリアを回転させ、
前記遊星キャリアの回転を前記回転斜板の回転軸に伝達し、前記回転斜板式油圧ポンプの吐出口から排出される作動油を前記圧力検出室及び前記オリフィスを介して排出し、前記圧力センサで前記圧力検出室内の油圧を検出し出力することで、前記高周波回転成分を圧力信号に変換することを特徴とする高周波成分と低周波成分の分離装置。 - 請求項1又は2に記載の分離装置において、
前記低域通過ろ波器は、前記回転入力が入力される入力軸と、分離された前記低周波成分を出力する出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の軸端にそれぞれ設けられ、前記入力軸と出力軸とを接続する接続板と、前記接続板と接続板の間に介在する弾性部材とから構成されていることを特徴とする高周波成分と低周波成分の分離装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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