海水から淡水を造水する方法の一つとして逆浸透法が知られている。この逆浸透法は、海水に海水の浸透圧(約2.5MPa)以上の高い圧力を浸透圧の作用する方向と逆方向に加えて、半透膜(逆浸透膜)で濾過し、海水から塩類を除いた淡水を分離させるものである。淡水が分離されて塩類が濃縮された海水は高い圧力エネルギーを保持したまま膜分離装置から流出する。そこで、この流出する濃縮海水の有する高い圧力エネルギーを有効に利用するため、種々のエネルギー回収装置が実用化されている。
逆浸透法による海水淡水化システムにおける従来のエネルギー回収装置の一例を図8を参照して説明する。図8は、従来例の海水淡水化システムに用いられたエネルギー回収装置の構成と水の流れを示す模式図で、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。
図8において、給水手段としての取水ポンプ1で取水された海水が高圧ポンプ2で昇圧(一例として5〜7MPa)され、膜分離装置3に送られて濃縮海水4と淡水5に分離される。分離された淡水5は貯留槽(図示せず)に送水される。一方、膜分離装置3の流出口23から流出した高圧濃縮海水4は、流路切換装置6に流入ポート6aから流入し、流路切換装置6の第1の流出入ポート6bと連通された第1のシリンダー装置7aの他端に流入し、ピストン8aを高圧で矢印の方向に移動させる。ピストン8aの移動によって第1のシリンダー装置7a内の低圧の海水が圧縮されて高圧となり一端の第1の連通口9から流出し、4つの逆止弁で構成された流路方向規制装置10を介して増圧手段としての増圧ポンプ11に流入し、高圧ポンプ2と同じ吐出圧力まで昇圧された後、高圧ポンプ2からの高圧海水と合流して膜分離装置3に送られ、高圧の濃縮海水4と淡水5に分離される。
上述の第1のシリンダー装置7aの圧送工程と並行して、第2のシリンダー装置7bで充填工程が行われる。取水ポンプ1で取水された海水が流路方向規制装置10を介して第2の連通口12から第2のシリンダー装置7bの一端に供給され、ピストン8bを矢印の方向に移動させる。ピストン8bの移動によって第2のシリンダー装置7b内の低圧の濃縮海水が押し出されて、流路切換装置6の第2の流出入ポート6cから流路切換装置6に流入し、第2の流出ポート6eから排出路60に排出される。圧送工程にある第1のシリンダー装置7aのピストン8aが流路方向規制装置10側に移動し、一端側に設けられた第1の位置検出器13aによりピストン8aが検出されると、第1の位置検出器13aから第1の信号が制御装置14に送信され、この第1の信号を受けて制御装置14から切換信号が流路切換装置6の駆動装置15に送られて流路切換装置6の流路が切り換えられる。
この流路切換装置6の流路の切り換えにより、今度は、第2のシリンダー装置7bが圧送工程、第1のシリンダー装置7aが充填工程に切り換えられる。膜分離装置3の流出口23から流出した高圧濃縮海水4が流路切換装置6の第2の流出入ポート6cと連通された第2のシリンダー装置7bの他端に流入し、ピストン8bを高圧で破線で示す矢印の方向に移動させる。ピストン8bの移動によって第2のシリンダー装置7b内の低圧の海水が圧縮されて高圧となり一端から第2の連通口12から流出し、流路方向規制装置10を介して増圧ポンプ11に流入し、高圧ポンプ2と同じ吐出圧力で高圧ポンプ2からの高圧海水と合流して膜分離装置3に送らる。
この第2の シリンダー装置7bの圧送工程と並行して、第1のシリンダー装置7aで充填工程が行われる。取水ポンプ1で取水された海水が流路方向規制装置10を介して第1の連通口9から第1のシリンダー装置7aの一端に供給され、ピストン8aを破線で示す矢印の方向に移動させる。ピストン8aの移動によって第1のシリンダー装置7a内の低圧の濃縮海水が押し出されて、流路切換装置6の第1の流出入ポート6bから流路切換装置6に流入し、第1の流出ポート6dから排出路60に排出される。圧送工程にある第2のシリンダー装置7bのピストン8bが流路方向規制装置10側に移動し、一端側に設けられた第2の位置検出器13bによりピストン8bが検出されると、第2の位置検出器13bから第2の信号が制御装置14に送信され、この第2の信号を受けて制御装置14から切換信号が流路切換装置6の駆動装置15に送られて流路切換装置6の流路が切り換えられる。
このように第1のシリンダー装置7aと第2のシリンダー装置7bを圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、これらの交互の切換を継続して行うことによってエネルギーの回収を効果的に行うことができる。かかるエネルギーの回収装置の一例が、米国特許第5797429号公報(特許文献1)に示されている。
米国特許第5797429号公報
そして、図8において用いられた従来の流路切換装置6は、1本のシリンダー16に、第2の流出ポート6eと第2の流出入ポート6cと流入ポート6aと第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dが順次に配設されている。第1の流出ポート6dと第2の流出ポート6eは、排出路60に連通され、流入ポート6aは、膜分離装置3の流出口23に連通され、第1の流出入ポート6bが第1のシリンダー装置7aの他端に連通され、第2の流出入ポート6cが第2のシリンダー装置7bの他端に連通される。さらに、第1の流出ポート6dと第1の流出入ポート6bを遮断および連通させるとともに第1の流出入ポート6bと流入ポート6aを遮断および連通させる第1のピストン17aと、第2の流出ポート6eと第2の流出入ポート6cを遮断および連通させるとともに第2の流出入ポート6cと流入ポート6aを遮断および連通させる第2のピストン17bが設けられ、これらの第1のピストン17aと第2のピストン17bが、ピストンロッド18で連結され、ピストンロッド18が駆動装置15に連結されて構成される。
かかる構成の従来の流路切換装置6の動作は、図8にあっては、第1のシリンダー装置7aが圧送行程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程であり、第1のピストン17aが第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dの連通を遮断し、流入ポート6aが第1の流出入ポート6bに連通していて、高圧濃縮海水4が第1のシリンダー装置7aに流入する。また、第2のピストン17bが流入ポート6aと第2の流出入ポート6cの連通を遮断し、第2の流出入ポート6cと第2の流出ポート6eを連通していて、第2のシリンダー装置7b内の低圧な海水が排出路60に排水される。そして、第1のシリンダー装置7aの第1の位置検出器13aによりピストン8aが検出されて、流路切換装置6が切り換えられるようにピストンロッド18が紙面の上側から下側に移動して、破線で示すごとく、第1のピストン17aにより第1の流出入ポート6bと流入ポート6aの連通が遮断されるとともに、第1の流出入ポート6bと第1の流出ポート6dが連通され、第2のピストン17bにより第2の流出入ポート6cと流入ポート6aが連通されるとともに、第2の流出入ポート6cと第2の流出ポート6eの連通が遮断される。この第1の位置検出装置13aからの第1の信号によるピストンロッド18が紙面の上側から下側に移動する流路切換装置6の切り換えにより、今度は、第1のシリンダー装置7aが充填工程となり、第2のシリンダー装置7bが圧送工程となる。そして、第2の位置検出装置13bからの第2の信号によるピストンロッド18が紙面の下側から上側に移動する流路切換装置6の切り換えにより、今度は、再び第1のシリンダー装置7aが圧送工程となり、第2のシリンダー装置7bが充填工程となる。
上述の従来のエネルギー回収装置にあっては、高圧濃縮海水4の流入ポート6aへの流入が妨げられると、膜分離装置3に高圧の負荷が加わり、逆浸透膜が破損したり、流路切換装置6やその配管に振動および騒音が発生する虞があり、しかもエネルギーの回収効率が低下する。そこで、高圧濃縮海水4の流入ポート6aへの流入が妨げられないように、第1の流出入ポート6bが第1のピストン17aにより閉塞されようとして流路面積が縮小されて高圧濃縮海水4が流入する流量が低下する分だけ、第2のピストン17bによる第2の流出入ポート6cの閉塞を開放して流路面積を拡大して、第2の流出入ポート6cに流入する高圧濃縮海水4の流量が増加するように構成されている。もって、流入ポート6aへ流入する高圧濃縮海水4の流れが妨げられるようなことがない。
上述の従来のエネルギー回収装置は、高圧濃縮海水4が途切れることなく常時一定の流量で連続して流入ポート6aに流入し、しかも第1のシリンダー装置7aに連通された第1の流出入ポート6bと第2のシリンダー装置7bに連通された第2の流出入ポート6cが同時に閉塞されることがないようにして、エネルギー交換が連続して行い得るという特徴を有する。しかしながら、流路切換装置6の流路の切り換え過渡期において、流路の変更や流路方向規制手段10に用いられる逆止弁の応答性などにより、高圧濃縮海水4の流量や圧力に急激な変動が生じることがあり、振動と騒音が発生したり、逆浸透膜が損傷するなどの問題があった。また、エネルギー回収の効率も悪化する。
また、かかるエネルギー回収装置にあっては、エネルギーの回収効率を高めるために、ピストンが移動できる距離を最大限に利用して圧送工程の距離ができるだけ長くなるようにするために、充填工程を圧送工程よりも早く終了させておく必要がある。なぜならば、充填工程の途中で圧送工程に切り換えられると、それだけ圧送工程の距離が短いものとなってしまう。充填工程のピストンの移動速度は、取水ポンプ1からシリンダー装置に供給される海水の流量で調整され、圧送工程のピストンの移動速度は、膜分離装置3の流出口23から流出してシリンダー装置に供給される流量で設定される。そこで、取水ポンプ1から供給される流量が、膜分離装置3の流出口23から流出して供給される流量よりも多くなるように、取水ポンプ1の供給流量を調節することで、充填工程にあるシリンダー装置のピストンの移動速度を、圧送工程にあるシリンダー装置のピストンの移動速度よりも速くすることができる。
ところで、エネルギー回収装置で使用されるシリンダー装置のピストンの移動距離は、一般的に5〜8mと長く、シリンダー装置内を移動するピストンの移動速度が速いので、シリンダー装置の終端において、ピストンがシリンダー装置の端面に衝突して停止し、大きな衝撃音が発生したりウオーターハンマー(水撃作用)によりシリンダー装置やその配管に衝撃が加わり、機器が損傷する虞がある。特に、ピストンの移動速度が速い充填工程において、この現象が顕著であった。そこで、ピストンがシリンダー装置の端面に衝突する際に、クッション作用を奏する技術が、実開昭57−181903号公報(特許文献2)や特開2006−138361号公報(特許文献3)に示されている。これらの技術は、ピストンがシリンダー装置の端面に近づくと、ピストンの当接側の面形状によりシリンダー装置から排出される流水の流路が絞られて、流路抵抗が大きくなることでピストンの移動速度を低下させるようにしたものである。衝撃が軽減される優れたものであるが、ピストンの当接側の面形状およびシリンダー装置の端面の構造が複雑なものとなる。しかも、シリンダー装置内でのピストンの位置が摺動摩耗などで変化すると、そのクッション性能が低下するという問題があった。
実開昭57−181903号公報
特開2006−138361号公報
本発明は、上述のごとき従来のエネルギー回収装置の問題点に鑑みてなされたもので、ピストンがシリンダー装置の端面に衝突するようなことがなくまたは当接してもその衝撃が小さく、しかもエネルギー回収の効率も良いエネルギー回収装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置に前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置に前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段を設け、前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに前記一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第3の判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに前記一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第4の判断手段を設け、前記第1のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して前記他端側の所定の位置となったと判断して信号を発する第5の判断手段を設け、前記第2のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して前記他端側の所定の位置となったと判断して信号を発する第6の判断手段を設け、前記第1の判断手段の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記第3の判断手段の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第5の判断手段の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られまたは前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第2の判断手段の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記第4の判断手段の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記第6の判断手段の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られまたは前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成されている。
また、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第1の位置検出器を配設し、前記第1のシリンダー装置の前記外壁に前記第1の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンを検出して信号を発する第3の位置検出器を配設し、さらに前記第1のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第5の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第2の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記外壁に前記第2の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンを検出して信号を発する第4の位置検出器を配設し、さらに前記第2のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第6の位置検出器を配設し、制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第1の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第3の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第5の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第2の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第4の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第6の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成しても良い。
また、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置を、それぞれに前記第1のシリンダー装置と前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通する状態と前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態と前記他端が前記排出路に連通する状態とに切り換え制御できるようにし、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第1の位置検出器を配設し、前記第1のシリンダー装置の前記外壁に前記第1の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンを検出して信号を発する第3の位置検出器を配設し、さらに前記第1のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第5の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第2の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記外壁に前記第2の位置検出器よりも前記一端側に近い位置で前記ピストンの移動方向に間隔を開けて前記ピストンを検出して信号を発する第4の位置検出器を配設し、さらに前記第2のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第6の位置検出器を配設し、制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第1の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第3の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第5の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られるように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第2の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第4の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第6の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞らるように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
また、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の前記一端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第1の位置検出器を配設するとともに、前記第1のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第5の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の前記一端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第2の位置検出器を配設するとともに、前記第2のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第6の位置検出器を配設し、制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第1の位置検出器の前記信号により、予め設定された第1の時間の計時が開始されるとともに前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置による前記第1の時間の計時で、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第5の位置検出器の前記信号により、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第2の位置検出器の前記信号により、予め設定された第2の時間の計時が開始されるとともに前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置による前記第2の時間の計時で、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第6の位置検出器の前記信号により、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
また、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して第1の計時開始信号を発する第1の計時開始位置検出器を配設し、前記第1の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L1、L3を隔てた位置P1、P3を設定し、前記第1のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第5の位置検出器を配設し、前記第2のシリンダー装置の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して第2の計時開始信号を発する第2の計時開始位置検出器を配設し、前記第2の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L2、L4を隔てた位置P2、P4を設定し、前記第2のシリンダー装置の前記他端側の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して信号を発する第6の位置検出器を配設し、前記膜分離装置の前記流出口から流出する高圧濃縮水の流量を測定する流量測定手段を設け、この流量測定手段で測定された流量と前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置のそれぞれのシリンダー断面積とからそれぞれのピストンの移動速度を求め、前記移動速度から前記距離L1、L2、L3、L4を移動するのに要する時間t1、t2、t3、t4を予め算出して制御装置に記憶し、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第1の計時開始位置検出器の前記第1の計時開始信号により前記時間t1、t2の計時が開始され、前記時間t1の計時で、前記制御装置からの信号により前記第2のシリンダー装置の他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記時間t3の計時で、前記制御装置からの信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第5の位置検出器の前記信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第2の計時開始位置検出器の前記第2の計時開始信号により前記時間t2、t4の計時が開始され、前記時間t2の計時で、前記制御装置からの信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記時間t4の計時で、前記制御装置からの信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第6の位置検出器の前記信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
また、本発明のエネルギー回収装置は、第1のシリンダー装置と第2のシリンダー装置のそれぞれの一端を流路方向規制手段を介して給液手段からの流入と増圧手段へ流出するようにするとともに、前記第1のシリンダー装置の他端を第1の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第2のシリンダー装置の他端を第2の流路切換装置の流出入ポートに連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流入ポートを膜分離装置の高圧濃縮水の流出口に連通し、前記第1の流路切換装置と前記第2の流路切換装置のそれぞれの流出ポートを排出路に連通し、前記第1のシリンダー装置の外壁に前記第1のシリンダー装置のピストンを検出して第1の計時開始信号を発する第1の計時開始位置検出器を配設し、前記第1の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L1、L3を隔てた位置P1、P3を設定し、前記第2のシリンダー装置の外壁に前記第2のシリンダー装置のピストンを検出して第2の計時開始信号を発する第2の計時開始位置検出器を配設し、前記第2の計時開始位置検出器から前記一端側に距離L2、L4を隔てた位置P2、P4を設定し、前記膜分離装置の前記流出口から流出する高圧濃縮水の流量を測定する流量測定手段を設け、この流量測定手段で測定された流量と前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置のそれぞれのシリンダー断面積とからそれぞれのピストンの移動速度を求め、前記移動速度から前記距離L1、L2、L3、L4を移動するのに要する時間t1、t2、t3、t4を予め算出して制御装置に記憶し、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第1の計時開始位置検出器の前記第1の計時開始信号により前記時間t1、t3の計時が開始され、前記時間t1の計時で、前記制御装置からの信号により前記第2のシリンダー装置の他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記時間t3の計時で、前記制御装置からの信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第1のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第1の計時開始位置検出器の前記第1の計時開始信号により予め設定された第5の時間の計時が開始され、前記第5の時間の計時で、前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記他端側から前記一端側に移動して検出する前記第2の計時開始位置検出器の前記第2の計時開始信号により前記時間t2、t4の計時が開始され、前記時間t2の計時で、前記制御装置からの信号により前記第1のシリンダー装置の前記他端が前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第1の流路切換装置の流路を切り換え、前記時間t4の計時で、前記制御装置からの信号により前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換え、前記制御装置で前記第2のシリンダー装置のピストンが前記一端側から前記他端側に移動して検出する前記第2の計時開始位置検出器の前記第2の計時開始信号により予め設定された第6の時間の計時が開始され、前記第6の時間の計時で、前記第2のシリンダー装置の前記他端が前記排出路に連通する流路面積が絞られた状態を経て前記膜分離装置の前記流出口に連通しまたは前記膜分離装置の前記流出口に連通するように前記第2の流路切換装置の流路を切り換えるように構成することもできる。
さらに、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置の流路切換速度が、前記第1のシリンダー装置および前記第2のシリンダー装置の前記他端と前記膜分離装置の前記流出口を連通するときには遅く、前記他端と前記膜分離装置の前記流出口の連通を遮断するときには速くなるように構成することも可能である。
そして、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置が、それぞれのシリンダーに、前記流出ポートと前記流入ポートの間に前記流出入ポートを配設し、前記流出ポートと前記流出入ポートの間に位置して前記流出ポートと前記流出入ポートの連通を遮断するとともに前記流出入ポートと前記流入ポートの間に位置して前記流出入ポートと前記流入ポートの連通を遮断する第1のピストンを設け、前記第1のピストンが前記流出入ポートと前記流入ポートの間の位置から前記流出ポートと前記流出入ポートを連通させる流路面積を絞った状態を経て前記流出ポートと前記流出入ポートの間の位置に移動するように構成することもできる。
また、請求項3記載のエネルギー回収装置において、前記第1の流路切換装置および前記第2の流路切換装置が、それぞれのシリンダーに、前記流出ポートと前記流入ポートの間に前記流出入ポートを配設し、前記流出ポートと前記流出入ポートの間に位置して前記流出ポートと前記流出入ポートの連通を遮断するとともに前記流出入ポートと前記流入ポートの間に位置して前記流出入ポートと前記流入ポートの連通を遮断する第1のピストンを設け、前記第1のピストンが前記流出ポートと前記流出入ポートを連通させる流路面積を絞った状態の位置にあることを検出するピストン位置検出手段を設け、前記第1のピストンを前記流出入ポートと前記流入ポートの間の位置と前記流出ポートと前記流出入ポートを連通させる流路面積を絞った状態の位置と前記流出ポートと前記流出入ポートの間の位置に切り換え制御できるように構成しても良い。
請求項1記載のエネルギー回収装置によれば、第1と第2のシリンダー装置に第1と第2のシリンダー装置のピストンが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1と第2の判断手段を設け、第1と第2のシリンダー装置のピストンが他端側から一端側に移動して所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第3と第4の判断手段を設け、第1と第2のシリンダー装置のピストンが一端側から他端側に移動して他端側の所定の位置となったと判断して信号を発する第5と第6の判断手段を設けたので、第3と第4の判断手段の信号によりピストンがシリンダー装置の一端側の端面に衝突する前に流路切換装置が切り換えられて、圧送工程から充填工程となり、第5と第6の判断手段の信号によりピストンがシリンダー装置の他端側の端面に衝突する前に流路切換装置が切り換えられて、充填工程から流路面積が絞られた状態を経て圧送工程となる。もって、端面へのピストンの衝突による衝撃音や振動が生じない。しかも、第1と第2の判断手段の信号により一方のシリンダー装置が圧送工程にある間に他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることで、膜分離装置からの高圧濃縮水の流出口から流出が妨げられるようなことがなく、高圧濃縮水の流量や圧力に急激な変動が生じることがなく、機器に振動と騒音が発生したり逆浸透膜が損傷するなどの虞がなく、またエネルギー回収の効率も良くなる。
請求項2記載のエネルギー回収装置によれば、第1ないし第6の判断手段として、ピストンの移動を検出して信号を発する第1ないし第6の位置検出器を設けたので、ピストンの位置が確実に検出でき、流路切換装置の切り換えを適切になし得る。
請求項3記載のエネルギー回収装置によれば、充填工程において、第5と第6の位置検出器の信号により、流路切換装置の排出路に連通する流路面積を絞った状態とするので、流路抵抗が大きくなり、ピストンの移動にブレーキ作用が加わる。そこで、ピストンの移動速度が減速されて、ピストンがシリンダー装置の他端側の端面に激しく衝突するようなことがない。もって、衝撃音や振動が低減される。
請求項4記載のエネルギー回収装置によれば、第3と第4の判断手段として、圧送工程において、所定の位置に配設した第1と第2の位置検出器からのピストンを検出した信号から所定時間を計時して、その計時後にはピストンがさらに一端側に移動して所定位置となったと推測して、流路切換装置を切り換えてシリンダー装置を圧送工程から充填工程となるようにするので、位置検出器を設置する個数を減少させることができる。
請求項5記載のエネルギー回収装置によれば、第1ないし第4の判断手段として、圧送工程において、シリンダー装置の適宜な位置に配設した第1と第2の位置検出器から一端側に所定の位置とさらなる所定位置までの距離を設定し、ピストンの移動速度から第1と第2の位置検出器でピストンを検出した信号から予め設定された所定の位置とさらなる所定位置まで移動する時間を計時し、その計時後に、ピストンが所定の位置とさらなる所定位置に移動したと推測して、流路切換装置を切り換えてシリンダー装置を圧送工程から充填工程となるようにするので、位置検出器を配設する位置を自由に設定することができるとともに設置する個数を減少させることができる。
請求項6記載のエネルギー回収装置によれば、第1ないし第4の判断手段として、圧送工程において、シリンダー装置に適宜な位置に配設した第1と第2の位置検出器から一端側に所定の位置とさらなる所定位置までの距離を設定し、ピストンの移動速度から第1と第2の位置検出器でピストンを検出した信号から予め設定された所定の位置とさらなる所定位置まで移動する時間を計時し、その計時後に、ピストンが所定の位置とさらなる所定位置に移動したと推測して、流路切換装置を切り換えてシリンダー装置を圧送工程から充填工程となるすることができる。また、第5と第6の判断手段として、充填工程において、シリンダー装置に適宜な位置に配設した第1と第2の位置検出器から他端側に所定の位置までのピストンが移動する第5と第6の時間を予め設定し、第1と第2の位置検出器でピストンを検出した信号から時間を計時し、その計時後に、ピストンが他端側の所定の位置に移動したと推測して、流路切換装置を切り換えてシリンダー装置を充填工程から圧送工程となるすることができる。もって、位置検出器を配設する位置を自由に設定することができるとともに設置する個数をさらに減少させることができる。
請求項7記載のエネルギー回収装置によれば、流路路切換装置の流路切換速度が、流出入ポートを流入ポートを連通させるときには遅いので、ピストンの移動速度が速い充填工程において、充填工程から圧送工程に切り換える際に、流出入ポートと流出ポートの間の流路面積を徐々に絞った状態を経て、流出入ポートと流出ポートの間の連通を遮断し、さらに流出入ポートを流入ポートの間を徐々に連通させる。流出入ポートと流出ポートの間の流路面積を徐々に絞った状態を経て流出入ポートと流出ポートの間の連通を遮断することで、流路抵抗が大きくなってピストンの移動にブレーキとして作用し、さらには移動を停止させる。もって、ピストンがシリンダー装置に他端側の面に衝突することがなく、または衝突してもその衝撃が小さく、振動や騒音の発生がない。しかも、流出入ポートを流入ポートの間を徐々に連通させるので、シリンダー装置に高圧濃縮水が急激に大量に流入することがなく、この点からも振動や騒音の発生が抑制される。
請求項8記載のエネルギー回収装置にあっては、流路切換装置を、第1のピストンが流出入ポートと流入ポートの間の位置から流出ポートと流出入ポートを連通させる流路面積を絞った状態を経て流出ポートと流出入ポートの間の位置に移動するようにしたので、シリンダー装置を充填工程から圧送工程に切り換えるときに、流路抵抗が大きくなり、充填工程にあるピストンの移動にブレーキとして作用する。もって、ピストンがシリンダー装置に他端側の面に衝突することがなく、または衝突してもその衝撃が小さく、振動や騒音の発生がない。構成することもできる。
請求項9記載のエネルギー回収装置にあっては、流路切換装置に、第1のピストンが流出ポートと流出入ポートを連通させる流路面積を絞った状態の位置にあることを検出するピストン位置検出手段を設けているので、このピストン位置検出手段の信号で第1のピストンを停止させることができ、流出ポートと流出入ポートを連通させる流路面積を絞った状態に確実に制御することができる。
本発明の第1実施例を図1および図2を参照して説明する。図1は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第1実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図2は、流路切換装置の油圧流路の一例である。図1および図2において、図8に示された従来の構造と同じまたは均等な部材には、同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
本発明の第1実施例において、第1のシリンダー装置7aの他端は第1の流路切換装置20aの流出入ポート22bに連通され、第2のシリンダー装置7bの他端は第2の流路切換装置20bの流出入ポート21bに連通される。また、第1の流路切換装置20aの流入ポート22aおよび第2の流路切換装置20bの流入ポート21aは膜分離装置3の高圧濃縮海水4の流出口23に連通される。さらに、第1の流路切換装置20aおよび第2の流路切換装置20bの流出ポート22c、21cがそれぞれ排出路60に連通される。第1の流路切換装置20aは、シリンダー24aに流出ポート22cと流入ポート22aの間に流出入ポート22bを配設して、シリンダー24aに1つの流出ポート22cと1つの流出入ポート22bと1つの流入ポート22aと1つの調整ポート29aが順次に設けられる。そして、シリンダー24a内に、流出ポート22cと流出入ポート22bの間に位置してこれを遮断するとともに流出入ポート22bと流入ポート22aの間に位置してこれを遮断する第1のピストン26aと、第1のピストン26aが流出ポート22cと流出入ポート22bの間に位置した状態で、流入ポート22aより流出入ポート22bと反対側に位置する第2のピストン25aを設け、第1のピストン26aと第2のピストン25aをピストンロッド27aで連結する。ピストンロッド27aの一端は駆動シリンダー装置28aに連結され、駆動シリンダー装置28aの駆動に連動してピストンロッド27aがシリンダー24a内を往復動する。そして、シリンダー24aの流入ポート22a側の端部に調整ポート29aが設けられる。
また、第2の流路切換装置20bも同様に、シリンダー24bに流出ポート21cと流入ポート21aの間に流出入ポート21bを配設して、シリンダー24bに1つの流出ポート21cと1つの流出入ポート21bと1つの流入ポート21aと1つの調整ポート29bが順次に設けられる。そして、シリンダー24b内に、流出ポート21cと流出入ポート21bの間に位置してこれを遮断するとともに流出入ポート21bと流入ポート21aの間に位置してこれを遮断する第1のピストン26bと、第1のピストン26bが流出ポート21cと流出入ポート21bの間に位置した状態で、流入ポート21aより流出入ポート21bと反対側に位置する第2のピストン25bを設け、第1のピストン26bと第2のピストン25bをピストンロッド27bで連結する。ピストンロッド27bの一端は駆動シリンダー装置28bに連結され、駆動シリンダー装置28bの駆動に連動してピストンロッド27bがシリンダー24b内を往復動する。そして、シリンダー24bの流入ポート21a側の端部に調整ポート29bが設けられる。
さらに、第1のシリンダー装置7aの流路方向規制手段10側である一端側の外壁に第1の位置検出器30aが配設され、第2のシリンダー装置7bの流路方向規制手段10側である一端側の外壁に第2の位置検出器30bが配設される。さらに、第1の シリンダー装置7aの外壁に、より一端側の流路方向規制手段10側の位置に第1の位置検出器30aからピストン8aの移動方向(図1で右側から左側)に適宜な間隔を設定して第3の位置検出器31aが配設され、第2のシリンダー装置7bの外壁に、より一端側の流路方向規制手段10側の位置に第2の位置検出器30bからピストン8bの移動方向(図1で右側から左側)に適宜な間隔を設定して第4の位置検出器31bが配設される。また、第1のシリンダー装置7aの第1の流路切換装置20a側である他端側の外壁に第5の位置検出器36aが配設され、第2の シリンダー装置7bの第2の流路切換装置20b側である他端側の外壁に第6の位置検出器36bが配設される。第1ないし第6の位置検出器30a、30b、31a、31b、36a、36bの検出した信号が制御手段としての制御装置32に送信される。これらの第1ないし第6の位置検出器30a、30b、31a、31b、36a、36bは、一例として磁気近接センサーであり、ピストン8a、8bが移動して近接すると、これを検出して信号を出力する。制御装置32にあっては、第1ないし第6の位置検出器30a、30b、31a、31b、36a、36bの信号に応じて、駆動シリンダー装置28a、28bの油圧流路を切り換える電磁弁33、34に電圧を印加しまたは印加せず、若しくは印加する電流の方向を適宜に切り換え制御する。なお、35は、油圧流路の油圧源である。そして、制御装置32は、第1のシリンダー装置7aおよび第2のシリンダー装置7bのピストン8a、8bが他端側から一端側に移動する圧送工程の状態のときに、第1ないし第4の位置検出器30a、30b、31a、31bの検出した信号を受け付ける。また、制御装置32は、第1のシリンダー装置7aおよび第2のシリンダー装置7bのピストン8a、8bが一端側から他端側に移動する充填工程の状態のときに、第5および第6の位置検出器36a、36bの検出した信号を受け付ける。制御装置32にあっては、電磁弁33、34に電圧の印加の有無、若しくは印加する電流の方向から、第1のシリンダー装置7aおよび第2のシリンダー装置7bが圧送工程にあるか充填工程にあるかを判別することができる。
そして、図1のごとく、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程であるとすると、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが高圧濃縮海水4により押圧されて他端側から一端側に矢印(実線で示す)の図面で右側から左側の方向に移動して、第1のシリンダー装置7a内の低圧の海水が高圧とされて流路方向規制手段10に流出され、もってエネルギーの回収がなされる。また、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが流路方向規制手段10から流入する低圧の海水により押圧されて一端側から他端側に矢印(実線で示す)の図面で左側から右側の方向に移動して、第2のシリンダー装置7b内のエネルギーが回収されて低圧となった濃縮海水が排出される。この第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程であると、第1の流路切換装置20aは、流出ポート22cと流出入ポート22bの連通が第1のピストン26aで遮断され、流出入ポート22bと流入ポート22aが連通していて、高圧濃縮海水4が第1のシリンダー装置7a内に流入する。第2の流路切換装置20bは、流出ポート21cと流出入ポート21bが連通され、第2のシリンダー装置7b内の低圧の濃縮海水が流出ポート21cから流出し、流入ポート21aと流出入ポート21aの連通が第1のピストン26bで遮断され、高圧濃縮海水4が第2のシリンダー装置7b内に流入しない。そして、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが高圧濃縮海水4により押圧されて矢印の方向に移動し、第1の位置検出器30aの位置に到達して第1の位置検出器30aから信号が制御装置32に送信される。すると、制御装置32は電磁弁33に切換信号を送信して、電磁弁33の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28bを駆動させて、第2の流路切換装置20bのピストンロッド27bを軸方向に移動させて、第1のピストン26bで流出入ポート21bと流出ポート21cの連通が遮断され流入ポート21aと流出入ポート21bが連通され、第2のシリンダー装置7bも圧送工程の状態となる。この状態では、第1と第2のシリンダー装置7a、7bのいずれにも高圧濃縮海水4が流入する。そこで、高圧濃縮海水4の流れが妨げられることがなく、膜分離装置3の流出口23の圧力が急激に高くなるようなことがない。さらに、第1のシリンダー装置7aのピストン8aがさらに矢印の方向に移動して第3の位置検出器31aの位置に到達して、第3の位置検出器31aから信号が制御装置32に送信されると、今度は、制御装置32は電磁弁34に切換信号を送信して、電磁弁34の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28aを駆動させて第1の流路切換装置20aのピストンロッド27aを軸方向に移動させて、第1のピストン26aが流入ポート22aと流出入ポート22bの連通を遮断するととも流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させ、第1のシリンダー装置7aが充填工程の状態となる。この第1のシリンダー装置7aが圧送工程にある間に、充填工程にある第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して第6の位置検出器36bの位置に到達すると、第6の位置検出器36bから信号が制御装置32に送信され、制御装置32は電磁弁33に切換信号を送信して、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて流出入ポート21bと流出ポート21cの連通が絞られた状態を経て遮断され、さらに流入ポート21aと流出入ポート21bが連通され、第2のシリンダー装置7bを圧送工程とする。この第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程状態とするのは、第1のシリンダー装置7aのピストン8aを第1の位置検出器30aで検出するのと、第2のシリンダー装置7bのピストン8bを第6の位置検出器36bで検出するのと、いずれか早い方の検出信号に応じてなされる。
圧送工程となった第2のシリンダー装置7bは、ピストン8bが高圧濃縮海水4により押圧されて破線で示す矢印の方向に移動して、第2の位置検出器30bの位置に到達して第2の位置検出器30bから信号が制御装置32に送信される。すると、制御装置32は電磁弁34に切換信号を送信して、電磁弁34の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28aを駆動させて第1の流路切換装置20aのピストンロッド27aを軸方向に移動させて、第1のピストン26aで流出入ポート22bと流出ポート22cの連通が遮断され流入ポート22aと流出入ポート22bが連通されて、第1のシリンダー装置7aが再び圧送工程の状態となる。この状態では、第1と第2のシリンダー装置7a、7bのいずれにも高圧濃縮海水4が流入する。そこで、高圧濃縮海水4の流れが妨げられることがなく、膜分離装置3の流出口23の圧力が急激に高くなるようなことがない。さらに、第2のシリンダー装置7bのピストン8bがさらに破線で示す矢印の方向に移動して第4の位置検出器31bの位置に到達して、第4の位置検出器31bから信号が制御装置32に送信されると、今度は、制御装置32は電磁弁33に切換信号を送信して、電磁弁33の油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28bを駆動させて第2の流路切換装置20bのピストンロッド27bを軸方向に移動させて、第2のピストン26bが流入ポート21aと流出入ポート21bの連通を遮断するととも流出入ポート21bと流出ポート21cを連通させ、第2のシリンダー装置7bが再び充填工程の状態となる。この第2のシリンダー装置7bが圧送工程にある間に、充填工程にある第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して第5の位置検出器36aの位置に到達すると、第5の位置検出器36aから信号が制御装置32に送信され、制御装置32は電磁弁34に切換信号を送信して、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを圧送工程とする。この第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程状態とするのは、第2のシリンダー装置7bのピストン8bを第2の位置検出器30bで検出するのと、第1のシリンダー装置7aのピストン8aを第5の位置検出器36aで検出するのと、いずれか早い方の検出信号に応じてなされる。
以上のように、第1と第2のシリンダー装置7a、7bを、交互に圧送工程と充填工程に切り換えて繰り返し行うことにより、連続した海水の逆浸透圧濾過とエネルギーの回収が可能となる。 本発明にあっては、第1のシリンダー装置7aに第1の流路切換装置20aを設け、第2のシリンダー装置7bに第2の流路切換装置20bを設け、第1のシリンダー装置7aのピストン8aの位置を第1と第3の位置検出装置30a、31aで検出するとともに、第2のシリンダー装置7bのピストン8bの位置を第2と第4の位置検出装置30b、31bで検出することで、第1と第2の流路切換装置20a、20bの流路切換のタイミングを適宜に制御して、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができる。なお、圧送工程におけるシリンダー装置のピストンの移動速度は、膜分離装置3の流出口23から流出する高圧濃縮海水4の流量により制約される。また、充填工程にあるシリンダー装置にあるピストンの移動速度は、取水ポンプ1の吐き出し流量により決まる。そこで、取水ポンプ1の吐き出し流量を調整することで、圧送工程におけるシリンダー装置のピストンが流路方向規制手段10に連通する一端側に移動到達する速度よりも、充填工程におけるシリンダー装置のピストンが他端側に移動到達する速度が早くなるように設定される。かかる設定状態にあっては、通常動作にあっては、第1と第2の位置検出器30a、30bでピストン8a、8bが検出される前に、第5と第6の位置検出器36a、36bでピストン8a、8bが検出される。ところで、一方のシリンダー装置が圧送工程にある状態で、他方のシリンダー装置が充填工程から圧送工程に必ず切り換えられるならば、2つのシリンダー装置に高圧濃縮海水4が何ら阻止されることなしに流入することができる。そのためには、第3と第4の位置検出器31a、31bでピストン8a、8bが検出されて圧送工程にある一方のシリンダー装置が充填工程に切り換えられる前に、第5と第6の位置検出器36a、36bでピストン8a、8bが検出されて、充填工程にある他方のシリンダー装置が圧送工程に切り換えられる必要がある。そこで、圧送工程よりも充填工程でのピストン8a、8bの移動速度が速くなるように設定されている。逆に、一方のシリンダー装置が充填工程にある状態で、他方のシリンダー装置が圧送工程から充填工程に切り換えられたならば、高圧濃縮海水4の流入が阻止され、重大な問題を生じさせる。かかる問題を生じさせないために、第1と第2の位置検出器30a、30bを設けて、圧送工程にある一方のシリンダー装置のピストンが一端側の所定の位置に移動到達して、一方のシリンダー装置の圧送工程が終了する前に、充填工程にある他方のシリンダー装置を圧送工程に必ず切り換えている。
従来技術では、1つの流路切換装置に2つの流出入ポートが設けられており、一方のシリンダー装置を充填工程から圧送工程に切り換える際、圧送工程に切り換えられる方のシリンダー装置に連通する流出入ポートにおいて流入する高圧濃縮海水4の増加の流量割合と、充填工程に切り換えられる他方のシリンダー装置に連通する流出入ポートにおいて流入する高圧濃縮海水4の減少の流量割合が1:1となるように、2つのピストンと2つの流出入ポートの間隔設定がなされている。そこで、2つの流出入ポートの切り換え動作中の開口面積は、1つの流出入ポートの全開の開口面積と等しくなるように設定される。これに対して本発明は、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換える際に、圧送工程にある一方のシリンダー装置の流路切換装置の流出入ポートが全開状態のままで他方の流路切換装置の流出入ポートを開成するので、2つの流出入ポート21b、22bが同時に全開となり、高圧濃縮海水4の流入に対して、流出入ポートの十分な開口面積が保持でき、膜分離装置3の流出口23の圧力の急激な上昇が発生せずに、流路切換の過渡期においても流量や圧力の急激な変動が生じることがない。
本発明に用いられる第1の流路切換装置20aの油圧流路の一例は、図2に示されるように、駆動シリンダー装置28aのシリンダーの一端側に油圧配管40が接続され、逆止弁41と流量調整弁42を平行に介して電磁弁34に接続されている。逆止弁41は、駆動シリンダー置28aへ圧油を流入させる向きで配設される。また、駆動シリンダー装置28aのシリンダーの他端側に油圧配管43が接続され、逆止弁44と流量調整弁45を平行に介して電磁弁34に接続されている。逆止弁44は、駆動シリンダー装置28aから圧油の流出を阻止する向きで配設される。電磁弁34は制御装置32からの制御信号により流路を切り換えて、油圧源35から供給される圧油を駆動シリンダー装置28aに供給するとともに駆動シリンダー装置28aからの戻り油を貯油槽に排出する。駆動シリンダー装置28aのシリンダーの一端側の油圧配管40に圧油が流入すると、第1のピストン26aが、流出入ポート22bと流入ポート22aとの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流出ポート22cを連通した状態から、流出入ポート22bと流入ポート22aを連通させるとともに流出入ポート22bと流出ポート22cの連通を遮断するようにピストンロッド27aが移動する。また、駆動シリンダー装置28aのシリンダーの他端側の油圧配管43に圧油が流入すると、第1のピストン26aが、流出入ポート22bと流出ポート22cの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流入ポート22aを連通した状態から、流出入ポート22bと流入ポート22aの連通を遮断するとともに流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させるようにピストンロッド27aが移動する。
図2に示す第1の流路切換装置20aの油圧流路において、圧油は流量規制のない逆止弁41を通って油圧配管40から駆動シリンダー装置28aに供給されるが、排出される流量は流量調整弁45で適宜に絞られているため、第1のピストン26aの移動速度は遅く、第1の流路切換装置20aの流路切換が緩慢に行われ、第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換えるときは、まず流出入ポート22bと流出ポート22cを連通する流路が第1のピストン26aで徐々に絞られて遮断され、それに続いて流入ポート22aと流出入ポート22bの流路が徐々に連通される。逆に、圧送工程から充填工程に切り換わる場合、駆動シリンダー装置28aに油圧配管43から供給される圧油は、流量規制のない逆止弁44を通って駆動シリンダー装置28aに供給されるが、排出される流量は流量調整弁42で適宜に絞られるが、その絞り量は流量調整弁45による絞り量よりも大幅に少なく調整され、第1のピストン26aの移動速度が早くなるように設定される。そこで、第1の流路切換装置20aの流路切換が迅速に行われ、第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換えるときは、流入ポート22aと流出入ポート22bの連通が迅速に遮断されるとともに流出入ポート22bと流出ポート22cが迅速に連通される。図2の第1の流路切換装置20aの油圧流路にあっては、第1のシリンダー装置7aが充填工程から圧送工程への流路切換が緩やかに行われるので、第1のシリンダー装置7aから排出される流体の流路が絞られることで流路抵抗が大きくなり、ピストン8aの移動にブレーキとして作用して移動速度が減速し、さらに流路が遮断されることでピストン8aが停止され、ピストン8aがシリンダーの他端側に当接することがなく、また当接してもその衝撃を小さなものとすることができる。また、高圧濃縮海水4が流入する流路切換の過渡期においても流量や圧力の急激な変動が生じることがない。なお、第2の流路切換装置20bの油圧流路にあっても、同様の構造であり、重複する説明を省略する。なお、第1のシリンダー装置7aの充填工程から圧送工程への流路切換は、第2のシリンダー装置7bが圧送工程から充填工程に流路切換がなされる前に、終了しなければならない。そこで、第1の位置検出装置30aでピストン8aが検出されてから第3の位置検出装置31aで検出されるまでに、第2のシリンダー装置7bの流路切換が終了するように流量調整弁42、45が設定される。同様に、第2の位置検出装置30bでピストン8bが検出されてから第4の位置検出装置31bで検出されるまでに、第1のシリンダー装置7aの流路切換が終了するように流量調整弁42、45が調整される。
上述の第1実施例にあっては、第1の位置検出器30aと制御装置32が第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の位置検出器30bと制御装置32が第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第3の位置検出器31aと制御装置32が第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第3の判断手段として作用し、第4の位置検出器31bと制御装置32が第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第4の判断手段として作用する。さらに、第5の位置検出器36aと制御装置32が第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して他端側の所定の位置となったと判断して信号を発する第5の判断手段として作用し、第6の位置検出器36bと制御装置32が第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して他端側の所定の位置となったと判断して信号を発する第6の判断手段として作用する。
次に、本発明の第2実施例を図3および図4を参照して説明する。図3は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第2実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図4は、第2実施例の流路切換装置の油圧流路の一例である。図3および図4において、図1と図2および図8に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
図3および図4に示す第2実施例の構造において、第1実施例と相違するところは、駆動シリンダー装置28a、28bと、これを切り換えるための電磁弁の構造が相違し、この相違により第1と第2のシリンダー装置7a、7bの動作が相違していることにある。まず、第1の流路切換装置20aの駆動シリンダー装置28aのピストンロッド55aの一端側がシリンダーから突出していて、その突出する部分に位置検出用突起57aが配設されている。そして、第1の流路切換装置20aの第1のピストン26aが流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させた位置から流出ポート22c側に移動して流出入ポート22bと流出ポート22cを連通する流路面積を絞った位置となった際に、位置検出用突起57aを検出するようにリミットスイッチ56aが配設される。また、第2の流路切換装置20bの駆動シリンダー装置28bのピストンロッド55bの一端側がシリンダーから突出していて、その突出する部分に位置検出用突起57bが配設されている。そして、第2の流路切換装置20bの第1のピストン26bが流出入ポート21bと流出ポート21cを連通させた位置から流出ポート21c側に移動して流出入ポート21bと流出ポート21cを連通する流路面積を絞った位置となった際に、位置検出用突起57bを検出するようにリミットスイッチ56bが配設される。さらに、駆動シリンダー装置28a、28bに圧油を供給する電磁弁58a、58bは、P、T、X、Yポートがブロックセンタまたはタンデムセンタのものが使用される。なお、59a、59bは貯油槽である。位置検出用突起57a、57bとリミットスイッチ56a、56bでピストン位置検出手段を構成している。
そして、図3のごとく、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程であると、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが高圧濃縮海水4により押圧されて矢印の方向に移動し、第1の位置検出器30aの位置に到達して第1の位置検出器30aから信号が制御装置32に送信されると、制御装置32は電磁弁58bに切換信号を送信して、電磁弁58bの油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28bを駆動させて、第2の流路切換装置20bのピストンロッド27bを移動させて、第1のピストン26bで流出入ポート21bと流出ポート21cの連通が完全に遮断され流入ポート21aと流出入ポート21bが連通され、第2のシリンダー装置7bも圧送工程の状態となる。さらに、第1のシリンダー装置7aのピストン8aがさらに矢印の方向に移動して第3の位置検出器31aの位置に到達して、第3の位置検出器31aから信号が制御装置32に送信されると、今度は、制御装置32は電磁弁58aに切換信号を送信して、電磁弁58aの油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28aを駆動させて第1の流路切換装置20aのピストンロッド27aを移動させて、第1のピストン26aが流入ポート22aと流出入ポート22bの連通を遮断するととも流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させ、第1のシリンダー装置7aが充填工程の状態となる。この第1のシリンダー装置7aが圧送工程にある間に、充填工程にある第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して第6の位置検出器36bの位置に到達すると、第6の位置検出器36bから信号が制御装置32に送信され、制御装置32は電磁弁58bに切換信号を送信して、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えてリミットスイッチ56bが位置検出用突起57bを検出するまでピストンロッド55bを移動させ、第1のピストン26bが流出入ポート21bと流出ポート21cを連通させる流路の流路面積を絞った状態とし、この流路面積を絞った状態で第1のピストン26bの位置が維持される。そして、この第2のシリンダー装置7bを流路面積を絞った状態の充填工程から圧送工程への切り換えは、第1のシリンダー装置7aのピストン8aを第1の位置検出器30aで検出する信号に応じてなされる。
そして、圧送工程となった第2のシリンダー装置7bは、ピストン8bが破線の矢印の方向に移動し、第2の位置検出器30bの位置に到達して第2の位置検出器30bから信号が制御装置32に送信されると、制御装置32は電磁弁58aに切換信号を送信して、電磁弁58aの油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28aを駆動させて、第1の流路切換装置20aのピストンロッド27aを移動させて、第1のピストン26aで流出入ポート22bと流出ポート22cの連通が完全に遮断され流入ポート22aと流出入ポート22bが連通され、第1のシリンダー装置7aも圧送工程の状態となる。さらに、第2のシリンダー装置7bのピストン8bがさらに破線の矢印の方向に移動して第4の位置検出器31bの位置に到達して、第4の位置検出器31bから信号が制御装置32に送信されると、今度は、制御装置32は電磁弁58bに切換信号を送信して、電磁弁58bの油圧流路を切り換えて駆動シリンダー装置28bを駆動させて第2の流路切換装置20bのピストンロッド27bを移動させて、第1のピストン26bが流入ポート21aと流出入ポート21bの連通を遮断するととも流出入ポート21bと流出ポート21cを連通させ、第2のシリンダー装置7bが充填工程の状態となる。この第2のシリンダー装置7bが圧送工程にある間に、充填工程にある第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して第5の位置検出器36aの位置に到達すると、第5の位置検出器36aから信号が制御装置32に送信され、制御装置32は電磁弁58aに切換信号を送信して、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えてリミットスイッチ56aが位置検出用突起57aを検出するまでピストンロッド55aを移動させ、第1のピストン26aが流出入ポート22bと流出ポート22cを連通させる流路の流路面積を絞った状態とし、この流路面積を絞った状態で第1のピストン26aの位置が維持される。そして、この第1のシリンダー装置7aを流路面積を絞った状態の充填工程から圧送工程状態とするのは、第2のシリンダー装置7bのピストン8bを第2の位置検出器30bで検出する信号に応じてなされる。
この第2実施例にあっては、第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換えるときは、第5の位置検出器36aの信号により、流出入ポート22bと流出ポート22cを連通する流路が第1のピストン26aで絞られた状態となるので、流路抵抗が大きくなり、ピストン8aの移動にブレーキとして作用して移動速度が減速する。そして、第2の位置検出器30bの信号により流出入ポート22bと流出ポート22cを連通する流路が遮断され、さらに流入ポート22aと流出入ポート22bの流路が連通されて圧送工程に切り換えられる。そこで、ピストン8aは、流路抵抗によりブレーキが作用して移動速度が減速しさらに流路が遮断されることで、ピストン8aが第1のシリンダー装置7aの他端側に当接することがなく、または当接してもその衝撃を小さなものとすることができる。第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換えるときにも、同様であり、重複する説明を省略する。なお、第1と第2のシリンダー装置7a、7bは、圧送工程でピストン8a、8bの移動距離を最大限としてエネルギーの回収効率を良好とするために、圧送工程が終了する前に充填工程が終了することが望ましい。言い換えれば、第1と第2の位置検出器30a、30bから信号が送信される前に第5と第6の位置検出器36a、36bから信号が送信されることが望ましい。そこで、第1実施例と同様に、取水ポンプ1の取水量を適宜に調整することで充填工程のピストン8a、8bの移動速度を速いものとしている。
さらに、本発明の第3実施例を図5を参照して説明する。図5は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第3実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図5において、図1ないし図4および図8に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
図5に示す第3実施例の構造において、第1のシリンダー装置7aの外壁で一端側に第1の位置検出器30aが配設され、ピストン8aが検出されて信号が制御装置32に送信される。また、第2のシリンダー装置7bの外壁で一端側に第2の位置検出器30bが配設され、ピストン8bが検出されて信号が制御装置32に送信される。さらに、第1のシリンダー装置7aの外壁で他端側に第5の位置検出器36aが配設され、ピストン8aが検出されて信号が制御装置32に送信される。また、第2のシリンダー装置7bの外壁で他端側に第6の位置検出器36bが配設され、ピストン8bが検出されて信号が制御装置32に送信される。そして、制御装置32には、所定の時間が記憶設定される。この第3の実施例において、図1に示す第1の実施例と相違するところは、第1の実施例で設けられた第3と第4の位置検出器31a、31bが設けられておらず、第1と第2の位置検出器30a、30bから第3と第4の位置検出器31a、31bが設けられた位置までの距離L1、L2をピストン8a、8bが移動するために必要な第1と第2の時間が予め設定されて制御装置32に記憶設定されたことにある。
そして、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程にある状態で、第1の位置検出器30aがピストン8aを検出して信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換えるとともに第1の時間の計時を開始し、第1の時間が計時されると、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換える。また、第2のシリンダー装置7bが充填工程で、第6の位置検出器36bがピストン8bを検出して信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第2の流路切換装置20bの流路を絞りを経て切り換えて、第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換える。このようにして、第1のシリンダー装置7aが充填工程で、第2のシリンダー装置7bが圧送工程になると、今度は、第2の位置検出器30bがピストン8bを検出して信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換えるとともに第2の時間の計時を開始し、第2の時間が計時されると、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを圧送工程から充填工程に切り換える。また、第1のシリンダー装置7aが充填工程で、第5の位置検出器36aがピストン8aを検出して信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は第1の流路切換装置20aの流路を絞りを経て切り換えて、第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換える。制御手段32に予め設定記憶される第1と第2の時間は、第1と第2の流路切換装置20a、20bが、完全に切り換わるのに要する時間(例えば1秒)以上に設定する。
第3実施例のエネルギー回収装置によれば、圧送工程の一方のシリンダー装置の一端側に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に充填工程にある他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、2つの流路切換装置の流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、制御装置で、一端側に設けられた位置検出器による検出で計時が開始され、所定の時間が計時されると、ピストンがさらに一端側の所定位置となったと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とし、2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。そして、充填工程にあるの一方のシリンダー装置の他端側に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を絞った状態を経て切り換えて、一方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、流路を絞ることでピストンの移動速度を減速して、他端側にピストンが当接することがなく、また当接してもその衝撃は小さい。
上述の第3実施例にあっては、第1の位置検出器30aと制御装置32が第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の位置検出器30bと制御装置32が第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第1の位置検出器30aと第1の位置検出器30aによるピストン8aを検出した信号で第1の時間を計時する制御装置32が、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第3の判断手段として作用し、第2の位置検出器30bと第2の位置検出器30bによるピストン8bを検出した信号で第2の時間を計時する制御装置32が、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第4の判断手段として作用する。そして、第5の位置検出器36aと制御装置32が第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第5の判断手段として作用し、第6の位置検出器36bと制御装置32が第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第6の判断手段として作用する。
さらにまた、本発明の第4実施例を図6を参照して説明する。図6は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第4実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図6において、図1ないし図5および図8に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
図6に示す第4実施例の構造において、第1のシリンダー装置7aの外壁で比較的に他端側に第1の計時開始位置検出器50aが配設され、ピストン8aの移動通過が検出されて第1の計時開始信号が制御装置32に送信される。そして、第1の計時開始位置検出器50aから流路方向規制手段10側に距離L1だけ離れた位置にP1、さらに一端側に離れた距離L3の位置にP3が設定される。また、第2のシリンダー装置7bの外壁で比較的に他端側に第2の計時開始位置検出器50bが配設され、ピストン8bの移動通過が検出されて第2の計時開始信号が制御装置32に送信される。そして、第2の計時開始位置検出器50bから流路方向規制手段10側に距離L2だけ離れた位置にP2、さらに一端側に離れた距離L4の位置にP4が設定される。また、第1のシリンダー装置7aの外壁で他端側に第5の位置検出器36aが配設され、ピストン8aの移動通過が検出されて信号が制御装置32に送信される。そして、第2のシリンダー装置7bの外壁で他端側に第6の位置検出器36bが配設され、ピストン8bの移動通過が検出されて信号が制御装置32に送信される。さらに、膜分離装置3の流出口23に連通する流路51に流量測定手段52が配設されて、高圧濃縮海水4の流量が測定され、その測定値が制御装置32に与えられる。制御装置32は、高圧濃縮海水4の流量と第1と第2のシリンダー装置7a、7bのそれぞれのシリンダー断面積とから、それぞれのピストン8a、8bの移動速度を求め、これらの移動速度から第1と第2の計時開始位置検出器50a、50bから距離L1、L2、L3、L4まで移動する時間t1、t2、t3、t4を予め算出し記憶する。
そして、第1のシリンダー装置7aが圧送工程で、第2のシリンダー装置7bが充填工程にある状態で、第1の計時開始位置検出器50aがピストン8aを検出して第1の計時開始信号が制御装置32に与えられると、ピストン8aが他端側から一端側に移動させる状態に第1の流路切換装置20aを設定している制御装置32は計時を開始し、時間t1後に、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを充填工程から圧送工程に切り換える。さらに、時間t3後に、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを圧送工程から充填工程に切り換える。また、充填工程にある第2のシリンダー装置7bのピストン8bを第6の位置検出器36bが検出すると、ピストン8bが一端側から他端側に移動させる状態に第2の流路切換装置20bを設定している制御装置32は、第2の流路切換装置20bの流出流路を絞った状態を経て流路を切り換え、第2のシリンダー装置7bを圧送工程に切り換える。このようにして、第1のシリンダー装置7aが充填工程で、第2のシリンダー装置7bが圧送工程になると、今度は、第2の計時開始位置検出器50bがピストン8bを検出して第2の計時開始信号が制御装置32に与えられると、制御装置32は計時を開始し、時間t2後に、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを充填工程から圧送工程に切り換える。さらに、時間t4後に、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを圧送工程から充填工程に切り換える。また、充填工程にある第1のシリンダー装置7aのピストン8aを第5の位置検出器36aが検出すると、制御装置32は第1の流路切換装置20aの流出流路を絞った状態を経て流路を切り換え、第1のシリンダー装置7aを圧送工程に切り換える。
第4実施例のエネルギー回収装置によれば、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた計時開始位置検出器による検出で計時が開始されてから所定の時間が計時されるとピストンが距離が設定された位置に移動したと判断して、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に、充填工程にある他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができる。そこで、2つの流路切換装置の高圧濃縮海水4が流入する流入ポートが同時に閉塞されることがない。そして、さらなる所定の時間が計時されると、ピストンがさらに一端側の所定位置となったと判断して、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とする。2つのシリンダー装置を圧送工程と充填工程に交互に切り換えて、効率よくエネルギーを回収することができる。そして、充填工程にあるの一方のシリンダー装置の他端側に設けられた位置検出器による検出により一方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段を流路を絞った状態を経て切り換えて、一方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、流路を絞ることでピストンの移動速度を減速して、他端側にピストンが当接することがなく、また当接してもその衝撃は小さい。
上述の第4実施例にあっては、第1の計時開始位置検出器50aと時間t1を計時する制御装置32が、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段として作用し、第2の計時開始位置検出器50bと時間t2を計時する制御装置32が、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段として作用する。また、第1の計時開始位置検出器50aと時間t3を計時する制御装置32が、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第3の判断手段として作用し、第2の計時開始位置検出器50bと時間t4を計時する制御装置32が、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して前記所定の位置よりもさらに一端側の所定位置となったと判断して信号を発する第4の判断手段として作用する。そして、第5の位置検出器36aと制御装置32が第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第5の判断手段として作用し、第6の位置検出器36bと制御装置32が第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第6の判断手段として作用する。
さらに、本発明の第5実施例を図7を参照して説明する。図7は、海水淡水化システムに用いられた本発明のエネルギー回収装置の第5実施例の模式図であり、第1のシリンダー装置が圧送工程、第2のシリンダー装置が充填工程にある状態を示す。図7において、図1ないし図6および図8に記載した部材と同じ若しくは均等なものには同じ符号を付け、重複する説明を省略する。
図7に示す第5実施例の構造において、第4実施例と相違するところは、以下のようなものである。第5と第6の位置検出器36a、36bが設けられておらず、第1の計時開始位置検出器50aから他端側の第1の流路切換装置20a側に第5の位置検出器36aが設けられた位置までの距離L5をピストン8aが移動するのに必要であると予め設定した第5の時間が制御装置32に記憶設定される。また、第2の計時開始位置検出器50bから他端側の第2の流路切換装置20b側に第6の位置検出器36bが設けられた位置までの距離L6をピストン8aが移動するのに必要であると予め設定した第6の時間が制御装置32に記憶設定される。
そして、充填工程で第1の計時開始位置検出器50aが一端側から他端側に移動するピストン8aを検出して信号が制御装置32に与えられると、第1のシリンダー装置7aが充填工程となるように第1の流路切換装置20aを設定している制御装置32は第5の時間の計時を開始し、第5の時間を計時すると、第1の流路切換装置20aの流路を切り換えて第1のシリンダー装置7aを充填工程から流出ポート22cへの流路面積を絞った状態を経て圧送工程に切り換える。また、充填工程で第2の計時開始位置検出器50bが一端側から他端側に移動するピストン8bを検出して信号が制御装置32に与えられると、第2のシリンダー装置7bが充填工程となるように第2の流路切換装置20bを設定している制御装置32は第6の時間の計時を開始し、第6の時間の計時すると、第2の流路切換装置20bの流路を切り換えて第2のシリンダー装置7bを充填工程から流出ポート21cへの流路面積を絞った状態を経て圧送工程に切り換える。
第5実施例のエネルギー回収装置によれば、第4実施例と同様に、圧送工程の一方のシリンダー装置に設けられた計時開始位置検出器による他端側から一端側に移動するピストンの検出で計時が開始されてから所定の時間が計時されるとピストンが距離が設定された位置に移動したと判断して、一方のシリンダー装置が圧送工程を終了する前に、充填工程にある他方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路を切り換えて、他方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができる。そこで、2つの流路切換装置の高圧濃縮海水4が流入する流入ポートが同時に閉塞されることがない。さらに、他の所定の時間が計時されると、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換装置の流路を切り換えて、一方のシリンダー装置を充填工程とする。また、充填工程の一方のシリンダー装置に設けられた計時開始位置検出器による一端側から他端側に移動するピストンの検出で計時が開始されてから所定の時間が計時されると、一方のシリンダー装置に設けられた流路切換手段の流路面積を絞った状態を経て切り換えて、一方のシリンダー装置を圧送工程に切り換えることができ、流路を絞ることでピストンの移動速度を減速して、他端側にピストンが当接することがなく、また当接してもその衝撃は小さい。
上述の第5実施例にあっては、第1の計時開始位置検出器50aと第5の時間を計時する制御手段32が、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第5の判断手段として作用する。そして、第2の計時開始位置検出器50bと第6の時間を計時する制御手段32が、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第6の判断手段として作用する。
なお、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第1の判断手段、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが他端側から一端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第2の判断手段は、第1ないし第3実施例のごとくピストンが所定の位置を移動通過するのを検出して判別しても良いが、第4および第5実施例のごとく所定の位置とは別の他の位置にあるピストンを検出して、所定の位置に移動到達する時間を計時して、その計時された時間後にピストンが所定の位置を移動通過すると推測して判別しても良い。また、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが所定の位置よりもさらに他端側から一端側に移動して所定位置となったと判断して信号を発する第3の判断手段、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが所定の位置よりもさらに他端側から一端側に移動して所定位置となったと判断して信号を発する第4の判断手段は、第1および第2実施例のごとくピストンがある位置を移動通過するのを検出して判断しても良く、さらに第2ないし第5実施例のごとくピストンがある位置を移動通過するのを検出して、その時点から所定の時間を計時して、その計時された時間後にピストンが所定の位置を移動通過すると推測して判別しても良い。さらに、第1のシリンダー装置7aのピストン8aが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第5の判断手段、第2のシリンダー装置7bのピストン8bが一端側から他端側に移動して所定の位置となったと判断して信号を発する第6の判断手段は、第1ないし第4実施例のごとくピストンがある位置を移動通過するのを検出して判断しても良く、また第5実施例のごとくピストンがある位置を移動通過するのを検出して、その時点から所定の時間を計時して、その計時された時間後にピストンが所定の位置を移動通過すると推測して判別しても良い。
また、上述の第3ないし第5実施例は、第1実施例と同じ駆動シリンダー装置と電磁弁が用いられているが、第2実施例と同じ駆動シリンダー装置と電磁弁が用いられても良いことは、勿論である。さらに、第2実施例では、流路切換装置の流出入ポートと流出ポートの間の流路の流路面積を第1のピストンにより絞った状態として流路抵抗を大きくすることで、シリンダー装置のピストンにブレーキ作用を加えているが、充填工程で、圧送工程に切り換えられる前に、シリンダー装置から流出する流路の流路抵抗が大きくなれば良く、流出ポートから排出路60に接続される間の配管または排出路自体に絞り機構を設けても良い。
さらに、上述の従来例の説明および本発明の実施例の説明は、いずれも海水を淡水化する水処理システムに適用されたエネルギー回収装置であるが、かかる適用例に限られない。本発明のエネルギー回収装置を、汚れが溶解した汚水から飲料に適したきれいな水を作る水処理システム等にも適用できることは、容易に理解し得るであろう。