JP5664754B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、GPS(Global Positioning System)から車両位置情報を取得し、当該車両位置情報に基づいて算出した車速推定値と、車速センサで検出した車速検出値とを比較することで、車速センサに異常が発生しているか否かを判断する車両のセンサフェイル検出装置が知られている(例えば、特許文献1)。
そして、従来の電動パワーステアリング装置では、車速センサに異常が発生していると判断したとき、車速信号をある車速に固定して操舵補助制御を行うことで、操舵アシストを継続している。
特開2001−341664号公報
しかしながら、上記従来の電動パワーステアリング装置にあっては、車速センサに異常が発生しているとき、車速信号を固定値としているので、据え切り時を含む極低速走行状態での操舵において操舵補助力の付与が不足し、通常の操舵補助制御時と比較してハンドルが重くなったり、高速走行状態での操舵において操舵補助力の付与が過大となり、車両挙動が不安定となったりするなど、運転者に違和感を与えてしまう。
そこで、本発明は、車速検出信号に異常が発生した場合であっても、適正に操舵補助力を付与することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動パワーステアリング装置の一態様は、操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動モータを備える電動パワーステアリング装置であって、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段の異常を検出する異常検出手段と、車載LANシステムの通信ラインを介して通信可能に接続された外部の電子制御ユニットと、前記異常検出手段で前記車速検出手段の異常を検出したとき、前記通信ライン上の前記外部の電子制御ユニットにおける制御で用いる信号に基づいて車速を推定する車速推定手段と、前記異常が非検出であるとき、少なくとも前記操舵トルク及び前記車速検出値に基づいて前記電動モータを駆動制御し、前記異常を検出したとき、少なくとも前記操舵トルク及び前記車速推定値に基づいて前記電動モータを駆動制御する操舵補助制御手段とを備えることを特徴としている。
また、自車両の走行地点を検出する走行地点検出手段と、自車両が走行する道路情報を有する道路情報提供手段とを備え、前記外部の電子制御ユニットは、前記走行地点検出手段で検出した走行地点及び前記道路情報提供手段で提供される道路情報に基づいて、自車両のナビゲーション制御を行うものであって、前記車速推定手段は、前記走行地点検出手段で検出した走行地点及び前記道路情報提供手段で提供される道路情報に基づいて、所定期間での自車両の位置変化量を算出し、当該位置変化量に基づいて車速を推定し、衛星からの電波の受信状態が不安定なことを考慮して、その推定した車速を前記車速推定値として前記操舵補助制御手段で前記電動モータを駆動制御したときに付与される操舵補助力よりも、付与される操舵補助力が小さくなるように、前記推定した車速に係数を掛け合わせて前記推定した車速を所定の割合で増加補正し、これを前記車速推定値とすることを特徴としている。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、車速検出信号に異常が発生したとき、外部の電子制御ユニットで用いる車載LANシステムの通信ライン上のデータ(ナビゲーション制御に用いる走行地点及び道路情報)に基づいて推定した車速を用いて操舵補助制御を継続するので、適正に操舵補助力を付与することができ、運転者に違和感のない操舵補助制御を行うことができるという効果が得られる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の一実施形態を示す全体構成図である。 第1の実施形態における操舵補助制御装置を示すブロック図である。 車載ユニット間通信の概要を示す図である。 操舵補助トルク指令値の算出マップである。 第2の実施形態における操舵補助制御装置を示すブロック図である。 第3の実施形態における操舵補助制御装置を示すブロック図である。 第4の実施形態における操舵補助制御装置を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、符号1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ等の減速機11と、この減速機11に連結されて操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータ12とを備えている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介装した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。
操舵補助制御装置(EPS_ECU)20には、トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ16で検出された車速検出値Vsが入力される。そして、操舵補助制御装置20は、車速センサ16に異常が発生していない正常時には、入力されるトルク検出値T及び車速検出値Vsに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助力制御を行い、車速センサ16に異常が発生している異常発生時には、トルク検出値T及び後述する車速推定値VSPに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助力制御を行う。
図2は、第1の実施形態における操舵補助制御装置20の構成を示すブロック図である。この図2に示すように、操舵補助制御装置20は、異常検出部21と、車速推定部22と、車速出力部23と、操舵補助指令値演算部24と、減算部25と、電流制御部26と、モータ駆動部27とを備えている。
また、この車両には、エンジン51と、自動変速機52とが設けられており、エンジン51のクランク軸53と自動変速機52の入力軸54との間には、トルクコンバータ55が介設されている。
そして、エンジン51の回転は、トルクコンバータ55を介して自動変速機52に伝わり、各ギア位置のギア比によって減速された回転がディファレンシャルギア56に伝わり、更に減速された後にタイヤ57を回転させるようになっている。
ここで、トルクコンバータ55のタービン回転数TRおよび自動変速機52のギア位置nは、CAN(Controller Area Network)等の車載ユニット間通信をモニタすることで取得するものとする。
図3は、車載ユニット間通信の一例を示す図である。
この図3に示すように、CAN通信ライン100には、操舵補助制御用のEPS_ECU20、トランスミッション制御用のAT_ECU210、ナビゲーションシステム用のGPS_ECU220、ABS制御用のABS_ECU230などの電子制御ユニットが接続されており、各ECUはCAN通信ライン100を介して相互に通信可能となっている。
図2の異常検出部21は、車速センサ16に異常が発生しているか否かを判定し、その判定結果として異常判定フラグFLを車速出力部23に出力する。ここでは、車速センサ16から車速信号Vsが正常に出力されているか否かに応じて車速判定を行うものとし、車速センサ16から車速信号Vsが出力されていないとき、当該車速センサ16に異常が発生していると判定する。
車速推定部22は、AT_ECU210のトランスミッション制御で用いられるタービン回転数TRおよび自動変速機52のギア位置nが入力され、これらに基づいて、次式をもとに車速VSPを推定する。
VSP[km/h]=(2πr/1000)・(TR[rpm]・60/(MGR(n)・FGR)) ………(1)
ここで、rはタイヤ半径、MGR(n)はn速時におけるミッションギア比、FGRはファイナルギア比であり、それぞれ固定値である。
したがって、これらr、MGR(n)及びFGRをECU内部に定数として持ち、ギア位置nに対応するミッションギア比MGR(n)を選択することにより、上記(1)式をもとに車速VSPの推定が可能となる。
なお、車速VSPの推定に際し、タービン回転数TRに代えてエンジン回転数を用いることもできるが、トルクコンバータ55のスリップを考慮すると、タービンセンサ信号(タービン回転数TR)を用いることが望ましい。
車速出力部23は、異常検出部21から出力される異常判定フラグFLに応じて、車速センサ16で検出した車速検出値Vsおよび車速推定部22で推定した車速推定値VSPの何れか一方を選択し、それを車速Vとして操舵補助指令値演算部24に出力する。
すなわち、異常判定フラグFLが、車速センサ16に異常が発生していないことを示す“0”であるときには、切換スイッチ23aを実線で示す状態として車速検出値Vsを選択し、異常判定フラグFLが、車速センサ16に異常が発生していることを示す“1”となると、切換スイッチ23aを破線で示す状態へ切り換えて、車速推定値VSPを選択して出力するようになっている。
操舵補助指令値演算部24は、トルクセンサ3で検出した操舵トルクT及び車速出力部23から出力される車速Vが入力され、図4に示す算出マップを参照して、操舵トルクT及び車速Vに応じた操舵補助力を電動モータ12で発生するための操舵補助トルク指令値Irefを算出する。
この算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助トルク指令値Irefをとると共に、車速Vをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成され、操舵トルクTが“0”からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助トルク指令値Irefが“0”を維持し、操舵トルクTが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助トルク指令値Irefが操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助トルク指令値Irefが急峻に増加するように設定され、この特性曲線が車速の増加に従って傾きが小さくなるように設定されている。
減算部25は、操舵補助指令値演算部24から出力される操舵補助指令値Irefと、モータ電流検出器14で検出されたモータ電流Imとを減算処理し、その電流偏差ΔIを電流制御部26に出力する。
電流制御部26は、電流偏差ΔIに対してPI制御を施して電流制御値(電圧指令値)Eを算出し、電流制御値Eに基づいてモータ駆動部27の半導体スイッチング素子を駆動するPWM信号のデューティ比を演算し、これをモータ駆動部27に出力する。
モータ駆動部27は、前記デューティ比に基づいて半導体スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路を作動させて電動モータ12を駆動する。
このように、電動モータ12に流れるモータ電流Imは、モータ電流検出器14で検出され、減算器25に入力されてフィードバックされる。
次に、第1の実施形態の動作及び効果について説明する。
今、車両が低速走行中であり、車速センサ16が正常に動作しているものとすると、操舵補助制御装置20の異常検出部21は、異常判定フラグFL=0を車速出力部23に出力し、切換スイッチ23aが図2の実線で示す状態となる。そのため、車速出力部23は、車速センサ16で検出される車速検出値Vsを操舵補助制御に用いる車速Vとして出力する。
したがって、操舵補助指令値演算部24では、操舵トルクT及び車速検出値Vsに基づいて操舵補助トルク指令値Irefが演算され、その操舵補助トルク指令値Irefに基づいて電動モータ12が駆動制御され、運転者の操舵がアシストされる。
ここで、車両は低速走行を行っているため、操舵補助指令値演算部24では、図3における比較的内側の特性曲線をもとに、操舵トルクTの増大に応じて早めに大きな値となる操舵補助トルク指令値Irefが算出される。その結果、運転者は低速走行時における操舵を軽く行うことができる。
この状態から、車速センサ16に異常が発生したものとすると、異常検出部21は、異常判定フラグFL=1を車速出力部23に出力し、切換スイッチ23aが図2の破線に示す状態に切り換わる。そのため、車速出力部23は、車速推定部22で推定された車速推定値VSPを操舵補助制御に用いる車速Vとして出力する。
このとき、車速推定部22では、CAN通信ライン上のデータであるトルクコンバータ55のタービン回転数TRと、自動変速機52のギア位置nとに基づいて、車速推定値VSPを算出する。
そして、操舵補助指令値演算部24では、操舵トルクT及び車速推定値VSPに基づいて操舵補助トルク指令値Irefが演算され、その操舵補助トルク指令値Irefに基づいて電動モータ12が駆動制御される。このように、車速センサ16の異常発生時であっても、実際の走行車速に応じた操舵アシストを行うことができる。
ところで、一般に、電動パワーステアリング装置にあっては、車速センサに異常が発生しているとき、車速信号を予め設定された固定値として操舵補助制御を行うことで、操舵アシストを継続している。
しかしながら、通常、前述した図4に示すように、車速に応じて操舵補助力の特性曲線が変化するように設定されているため、車速信号を固定値として操舵補助制御を行った場合、据え切り時を含む極低速走行状態での操舵において操舵補助力の付与が不足し、通常の操舵補助制御時と比較してハンドルが重くなったり、高速走行状態での操舵において操舵補助力の付与が過大となり、車両挙動が不安定となったりするなど、運転者に違和感を与えてしまう。
これに対して本実施形態では、車速センサ16に異常が発生した場合には、車速推定値VSPを用いて操舵補助制御を行うので、自車両の走行車速に応じた適正な操舵補助力の付与が行われる。
このように、上記第1の実施形態では、車速検出手段に異常が発生していると判断したときには、車速推定値を用いて操舵補助制御を継続するので、運転者に違和感のない操舵補助制御を行うことができる。
また、車速推定をCAN上の車速が算出可能な信号を用いて行うので、既存の車載データを用いた車速推定処理を行うことができる。その結果、車速推定用の信号や、それを検出するためのセンサを新たに設ける必要がない。
さらに、車速推定に際し、トルクコンバータのタービン回転数とギア位置とを用いるため、トランスミッション制御ユニットを搭載している車両であれば、容易に車速推定が可能となる。
なお、図2において、車速センサ16が車速検出手段に対応し、異常検出部21が異常検出手段に対応し、車速推定部22が車速推定手段に対応し、車速出力部23、操舵補助指令値演算部24、減算部25、電流制御部26及びモータ駆動部27が操舵補助制御手段に対応している。
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、車速推定に学習機能を付加し、汎用性を持たせるようにしたものである。
図5は、第2の実施形態における操舵補助制御装置20の構成を示すブロック図である。この図5に示すように、本実施形態における操舵補助制御装置20は、前述した図2に示す操舵補助制御装置20において、後述する車両固有値X(n)を演算する車両固有値演算部31と、車両固有値X(n)を記憶する記憶回路32とが追加され、車速推定部22がタービン回転数TR,ギア位置n、及び記憶回路32に記憶された車両固有値X(n)に基づいて車速VSPを推定する車速推定部33に置換されていることを除いては、図2と同様の処理を有するため、処理の異なる部分を中心に説明する。
車両固有値演算部31には、異常判定フラグFL、車速検出値Vs、タービン回転数TRおよびギア位置nが入力され、異常判定フラグFLが車速センサ16に異常が発生していないことを示す“0”であるときに、下記(2)式をもとに車両固有値X(n)を算出する。
X(n)=Vs/(A・TR) ………(2)
ここで、Aは定数であり、3π/25である。
以下、上記(2)式の導出方法について説明する。
先ず、上記(1)式を変形すると、
VSP=3π/25・r/(MGR(n)・FGR)・TR ………(3)
となる。
ここで、r/(MGR(n)・FGR)を変数X(n)とし、3π/25を定数Aとすると、上記(3)式は次式で表される。
VSP=A・X(n)・TR ………(4)
したがって、この(4)式を変形することより、上記(2)式が導出される。
この車両固有値演算部31では、ギア毎に一定時間サンプリングしたデータから、上記(2)式をもとに算出した車両固有値X(n)の加重平均値を求め、これを車両固有値X(n)の最新値とする。
そして、記憶回路32に記憶された車両固有値X(n)の学習値と上記最新値とを比較し、所定値以上の差が生じた場合、当該最新値で学習値の更新を行う。ここで、上記所定値は、タイヤサイズ(タイヤ半径r)やファイナルギア比FGR等、車両毎に設定される定数が変更されたと判断できる程度の値に設定する。
記憶回路32には、ギア毎に車両固有値X(n)の学習値が記憶されており、車両固有値演算部31で演算された車両固有値X(n)の最新値によって、当該学習値が更新可能に構成されている。ここで、学習値のデフォルト値は、学習終了前に車速センサ16に異常が発生した場合に、安定性を確保するために通常制御時の定数より若干重めに車格にあわせて設定しておく。
車速推定部33では、記憶回路32に記憶されたギア毎の車両固有値X(n)の中から、入力されたギア位置nに対応する車両固有値X(n)を選択し、その車両固有値X(n)とタービン回転数TRとに基づいて、前記(4)式をもとに車速VSPを推定する。
なお、図5において、車両固有値演算部31が車両固有値演算手段に対応し、記憶回路32が記憶手段に対応している。
次に、第2の実施形態の動作及び効果について説明する。
今、シフトポジションが1速となっている状態で車両が走行中であるものとする。このとき、車速センサ16が正常に動作しているものとすると、操舵補助制御装置20の異常検出部21は、異常判定フラグFL=0を車速出力部23に出力し、切換スイッチ23aが図2の実線で示す状態となる。そのため、車速出力部23は、車速センサ16で検出される車速検出値Vsを操舵補助制御に用いる車速Vとして出力する。
したがって、操舵補助指令値演算部24では、操舵トルクT及び車速検出値Vsに基づいて操舵補助トルク指令値Irefが演算され、その操舵補助トルク指令値Irefに基づいて電動モータ12が駆動制御され、運転者の操舵がアシストされる。
また、このとき、異常検出部12から出力される異常判定フラグFL=0は、車両固有値演算部31にも入力される。そして、車両固有値演算部31は、車速センサ16で検出した車速検出値Vsとタービン回転数TRとに基づいて、上記(2)式をもとに1速での車両固有値X(1)を算出する。この車両固有値X(1)は、記憶回路32に学習値として記憶される。
その後、シフトポジションが1速から2速へ切り換わると、車両固有値演算部31は、車速センサ16で検出した車速検出値Vsとタービン回転数TRとに基づいて、上記(2)式をもとに2速での車両固有値X(2)を算出する。この車両固有値X(2)は、記憶回路32に学習値として記憶される。このように、記憶回路32には、ギア毎の車両固有値X(n)が記憶される。
なお、その間、操舵トルクT及び車速検出値Vsに基づいた通常の操舵補助制御が継続される。
この状態から車速センサ16に異常が発生すると、異常検出部21は、異常判定フラグFL=1を車速出力部23に出力し、切換スイッチ23aが図2の破線に示す状態に切り換わる。そのため、車速出力部23は、車速推定部33で推定された車速推定値VSPを操舵補助制御に用いる車速Vとして出力する。
このとき、ギア位置n=2であるため、車速推定部33では、記憶回路32に記憶されたギア毎の車両固有値X(n)の中から、2速に対応する車両固有値X(2)を選択し、この車両固有値X(2)とタービン回転数TRとに基づいて、上記(4)式をもとに車速推定値VSPを算出する。
そして、操舵補助指令値演算部24では、操舵トルクT及び車速推定値VSPに基づいて操舵補助トルク指令値Irefが演算され、その操舵補助トルク指令値Irefに基づいて電動モータ12が駆動制御される。このように、車速センサ16の異常発生時であっても、実際の走行車速に応じた操舵アシストを行うことができる。
一方、ユーザーがタイヤ交換を行い、タイヤ半径rが変更されたものとする。このとき、車速センサ16が正常に動作しているものとすると、車両固有値演算部31では、タイヤサイズが変更された新たな車両状態での車両固有値X(n)が算出され、記憶回路32の学習値が更新される。
すなわち、例えば2速で走行している場合、車両固有値演算部31は車両固有値X(2)を算出し、この最新値と記憶回路32に記憶されている学習値である車両固有値X(2)とを比較する。タイヤ半径rが変更されており、車両固有値X(2)の最新値と学習値との差が所定値以上となるため、学習値の更新がなされる。
したがって、この状態で車速センサ16に異常が発生した場合には、更新後の車両固有値X(2)に基づいて車速推定を行うことができ、ユーザーがタイヤを交換した場合であっても、適正な推定車速で操舵補助制御を継続することができる。
このように、上記第2の実施形態では、車速センサ16が正常であるときに車両固有値X(n)を学習しておくことで、タイヤサイズやファイナルギアが変更された場合であっても、車速を精度良く推定することができる。その結果、車両毎に定数を設定する必要がなくなり、汎用性を持たせることができる。
次に、本発明における第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、自車位置の変化量に基づいて車速VSPを推定するようにしたものである。
図6は、第3の実施形態における操舵補助制御装置20の構成を示すブロック図である。
この車両には、GPS_ECU220で用いるナビゲーションシステム60が搭載されており、このナビゲーションシステム60からの自車位置情報が、操舵補助制御装置20に入力されるようになっている。また、この図6に示すように、本実施形態における操舵補助制御装置20は、前述した図2に示す操舵補助制御装置20において、車速推定部22が自車位置情報に基づいて車速VSPを推定する車速推定部35に置換されていることを除いては、図2と同様の処理を有するため、処理の異なる部分を中心に説明する。
ナビゲーションシステム60は、自車両の走行位置を検出する走行地点検出手段としてのGPSと、GPSから入力された自車位置データとマッチングするための道路情報を格納した、道路情報提供手段としての道路地図データとから構成されている。そして、ナビゲーションシステム60は、GPSと道路地図データとに基づいて自車位置情報を出力するようになっている。
車速推定部35では、今回取得した自車位置と前回取得した自車位置との差から車速VSPを推定する。
このとき、衛星からの電波の受信状態が不安定なことを考慮して、自車位置情報から得られた車速推定値VSPにある係数を掛け合わせ、実際に用いる車速は推定車速よりも若干高めに補正することで、安全性を確保する。
このように、上記第3の実施形態では、車速センサに異常が発生したときの車速推定を、自車位置情報を用いて行うので、GPSユニット(ナビゲーションシステム)を搭載している車両であれば容易に車速推定が可能となる。
次に、本発明における第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、加速度センサの出力信号に基づいて車速VSPを推定するようにしたものである。
図7は、第4の実施形態における操舵補助制御装置20の構成を示すブロック図である。
この車両には、ABSシステムやエアバッグシステムにおける車体の状態取得、衝撃感知の目的で加速度センサ18が搭載されており、この加速度センサ18から出力される加速度αが、操舵補助制御装置20に入力されるようになっている。また、この図7に示すように、本実施形態における操舵補助制御装置20において、車速推定部22が加速度αに基づいて車速VSPを推定する車速推定部37に置換されることを除いては、図2と同様の処理を有するため、処理の異なる部分を中心に説明する。
車速推定部37では、加速度センサ18から得られる加速度αを用いて、車速VSPを推定する。
車速VSPは次式で表される。
VSP=V0+αt ………(5)
ここで、V0は車速センサ16に異常が発生する直前の車速である。また、αtについては、単位時間t(例えば、1sec)に変化した加速度αを加重平均して使用する。
なお、上記により導かれる車速には誤差が考えられるため、以下の制御を施すことが望ましい。
先ず、車速センサ16が正常な状態のときに、単位時間あたりの加速度αをスピードセンサから求め、このときの加速度センサ18との差を学習して補正係数として記憶しておく。そして、車速センサ16に異常が発生した際には、加速度センサ18の出力信号にこの補正係数を掛け合わせたものを用いて車速の推定を行う。
さらに、加速度センサ18から推定した車速によるアシスト領域を、低速・中速・高速の3つの領域に分割し、各車速領域でのアシスト力を適正化する。但し、各車速領域でのアシスト力は、実車速でのアシスト力よりも小さくする。
このように、上記第4の実施形態では、車速センサに異常が発生したときの車速推定を、車両加速度を用いて行うので、ABSユニット等、加速度センサを搭載している車両であれば容易に車速推定が可能となる。
なお、上記各実施形態においては、タービン回転数やギア位置、自車位置情報、車両加速度を用いて車速VSPを推定する場合について説明したが、HUB等、車速が算出可能なCAN上の信号であればよい。
また、上記各実施形態においては、電動モータとしてブラシモータシステムを適用する場合について説明したが、ホールセンサタイプのロータ角度センサを備えた矩形波駆動ブラシレスモータを適用することもできる。さらに、上記実施形態においては、電動モータとして3相ブラシレスモータを適用することもできる。
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…トルクセンサ、10…操舵補助機構、11…減速機、12…電動モータ、16…車速センサ、18…加速度センサ、20…操舵補助制御装置、21…異常判定部、22…車速推定部、23…車速出力部、24…操舵補助指令値演算部、25…減算部、26…電流制御部、27…モータ駆動部、31…車両固有値演算部、32…記憶回路、33…車速推定部、51…エンジン、52…自動変速機、53…クランク軸、54…入力軸、55…トルクコンバータ、56…ディファレンシャルギア、57…タイヤ、60…ナビゲーションシステム

Claims (1)

  1. 操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動モータを備える電動パワーステアリング装置であって、
    操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段の異常を検出する異常検出手段と、車載LANシステムの通信ラインを介して通信可能に接続された外部の電子制御ユニットと、前記異常検出手段で前記車速検出手段の異常を検出したとき、前記通信ライン上の前記外部の電子制御ユニットにおける制御で用いる信号に基づいて車速を推定する車速推定手段と、前記異常が非検出であるとき、少なくとも前記操舵トルク及び前記車速検出値に基づいて前記電動モータを駆動制御し、前記異常を検出したとき、少なくとも前記操舵トルク及び前記車速推定値に基づいて前記電動モータを駆動制御する操舵補助制御手段と、自車両の走行地点を検出する走行地点検出手段と、自車両が走行する道路情報を有する道路情報提供手段とを備え、
    前記外部の電子制御ユニットは、前記走行地点検出手段で検出した走行地点及び前記道路情報提供手段で提供される道路情報に基づいて、自車両のナビゲーション制御を行うものであって、前記車速推定手段は、前記走行地点検出手段で検出した走行地点及び前記道路情報提供手段で提供される道路情報に基づいて、所定期間での自車両の位置変化量を算出し、当該位置変化量に基づいて車速を推定し、衛星からの電波の受信状態が不安定なことを考慮して、その推定した車速を前記車速推定値として前記操舵補助制御手段で前記電動モータを駆動制御したときに付与される操舵補助力よりも、付与される操舵補助力が小さくなるように、前記推定した車速に係数を掛け合わせて前記推定した車速を所定の割合で増加補正し、これを前記車速推定値とすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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