JP5664038B2 - パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール - Google Patents
パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP5664038B2 JP5664038B2 JP2010200141A JP2010200141A JP5664038B2 JP 5664038 B2 JP5664038 B2 JP 5664038B2 JP 2010200141 A JP2010200141 A JP 2010200141A JP 2010200141 A JP2010200141 A JP 2010200141A JP 5664038 B2 JP5664038 B2 JP 5664038B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- circuit layer
- ceramic substrate
- layer
- aluminum
- power module
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/26—Layer connectors, e.g. plate connectors, solder or adhesive layers; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/31—Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process
- H01L2224/32—Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process of an individual layer connector
- H01L2224/321—Disposition
- H01L2224/32151—Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
- H01L2224/32221—Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
- H01L2224/32225—Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Description
また、例えば特許文献2−4に示すように、セラミックス基板の上にアルミニウム合金部材を溶湯接合法によって接合して回路層を形成したパワーモジュール用基板が提案されている。
このようなパワーモジュール用基板においては、回路層の上に、はんだ層を介してパワー素子としての半導体素子が搭載され、パワーモジュールとして使用される。
特に、最近では、パワーモジュールの小型化・薄肉化が進められるとともに、その使用環境も厳しくなってきており、半導体素子等の電子部品からの発熱量が大きくなっているため、冷熱サイクルの温度差が大きく、回路層の表面にうねりやシワがさらに発生しやすい状況になっている。
また、析出物粒子の存在比率は、EPMAの面分析あるいはマッピングにより析出物粒子を構成する元素を含むことが確認できている粒子とそれ以外の箇所に二値化分離処理をした際の面積率で算出する。
また、FeとMnとを含む析出物粒子によって、回路層の前記搭載面側部分の変形抵抗を確実に高くすることができ、冷熱サイクル負荷時におけるうねりやシワの発生を抑制することが可能となる。また、回路層を構成するアルミニウム合金として、例えばA3003合金等を用いることができる。
この場合、前記析出物欠乏層の前記接合界面からの厚さが2μm以上とされているので、セラミックス基板と回路層との熱膨張係数の差に起因する熱応力をこの析出物欠乏層によって確実に緩和することができ、冷熱サイクル負荷時における回路層とセラミックス基板との接合信頼性を向上させることができる。
また、前記析出物欠乏層の厚さは、セラミックス基板と回路層となるアルミニウム板とを接合する際における、これらセラミックス基板と回路層の界面に形成される溶融金属領域における溶融金属量によって決定される。よって、前記析出物欠乏層の前記接合界面からの厚さが50μm以下とされている場合には、セラミックス基板と回路層となるアルミニウム板との界面に形成される溶融金属領域における溶融金属量が抑えられることになり、余剰な溶融金属による染みの発生を抑制することができる。
また、Si,Cu,Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素は、アルミニウムの融点を降下させる元素であるため、比較的低温条件において、アルミニウム板とセラミックス基板との界面に溶融金属領域を形成することができる。
この場合、前記添加元素とともにアルミニウムを固着させているので、添加元素を確実に固着させることができる。なお、前記添加元素とともにAlを固着させるには、前記添加元素とAlとを同時に蒸着してもよいし、前記添加元素とAlの合金をターゲットとして用いてスパッタリングを行ってもよい。
この場合、めっき、蒸着、CVD、スパッタリング、コールドスプレー、又は、前記添加元素を含有する粉末が分散されたペースト若しくはインクの塗布によって、前記添加元素を確実に固着でき、前述の固着層を形成することができる。また、前記添加元素の固着量を精度良く調整することが可能となる。
この構成のパワーモジュールによれば、セラミックス基板と回路層との接合強度が高く、かつ、冷熱サイクル時において回路層の一方の面にうねりやシワが発生せず、回路層の一方の面に搭載された電子部品と回路層とを確実に接合することができる。よって、使用環境が厳しい場合であっても、その信頼性を飛躍的に向上させることが可能となる。
図1に、本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板10を用いたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、回路層12が配設されたパワーモジュール用基板10と、回路層12の表面にはんだ層2を介して接合された半導体チップ3と、ヒートシンク40とを備えている。ここで、はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。なお、本実施形態では、回路層12とはんだ層2との間にNiメッキ層(図示なし)が設けられている。
この回路層12は、図3に示すように、アルミニウムの母相中に析出物粒子12Cが分散された析出分散型のアルミニウム合金で構成されており、本実施形態では、FeとMnとを含む析出物粒子が分散されたアルミニウム合金(例えば、A3003合金)の圧延板からなるアルミニウム板22がセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。なお、回路層12の厚さは、0.1〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
また、本実施形態においては、ヒートシンク40の天板部41と金属層13との間には、アルミニウム又はアルミニウム合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)からなる緩衝層15が設けられている。
ここで、析出物欠乏層12Aの接合界面からの厚さtは、2μm≦t≦50μmの範囲内に設定されている。
また、本体層12Bは、回路層12の一方の面(すなわち、半導体チップ3が搭載される搭載面)にまで延在している。
また、析出物粒子12Cの存在比率は、EPMAの面分析あるいはマッピングによりFeとMnを含むことが確認できている粒子とそれ以外の箇所に二値化分離処理をした際の面積率で算出した。
まず、図4及び図5に示すように、セラミックス基板11の一方の面側に、回路層12となるアルミニウム板22(A3003合金の圧延板)が、厚さ5〜50μm(本実施形態では14μm)のろう材箔24を介して積層され、セラミックス基板11の他方の面側に、金属層13となるアルミニウム板23(4Nアルミニウムの圧延板)が厚さ5〜50μm(本実施形態では14μm)のろう材箔25を介して積層される。
なお、本実施形態においては、ろう材箔24、25は、融点降下元素であるSiを含有したAl−Si系のろう材(Al−7.5質量%Si)とされている。
次に、積層工程S01において形成された積層体を、その積層方向に加圧(圧力1〜35kgf/cm2)した状態で加熱炉内に装入して加熱する。この加熱工程S02によって、ろう材箔24、25とアルミニウム板22、23の一部とが溶融し、図6に示すように、アルミニウム板22、23とセラミックス基板11との界面にそれぞれ溶融金属領域26、27が形成される。ここで、加熱温度は550℃以上650℃以下、加熱時間は30分以上180分以下とされている。
この加熱工程S02においては、ろう材箔24が溶融するとともにアルミニウム板22の一部も溶融し、溶融金属領域26が形成されることになる。このとき、アルミニウム板22中の析出物粒子12Cが溶融金属領域26に溶出し、上述の析出物欠乏層12Aが形成されることになる。
次に、積層体を冷却することによって溶融金属領域26、27を凝固させ、セラミックス基板11とアルミニウム板22、23とを接合する。このとき、ろう材箔24、25に含まれる融点降下元素(Si)がアルミニウム板22、23側へと拡散していくことになる。
このようにして、回路層12及び金属層13となるアルミニウム板22、23とセラミックス基板11とが接合され、本実施形態であるパワーモジュール用基板10が製造される。
したがって、回路層12の一方の面側部分の変形抵抗が大きくなり、冷熱サイクル負荷時におけるうねりやシワの発生を抑制することが可能となる。よって、一方の面上に搭載された半導体チップ3と回路層12との間の接合信頼性を大幅に向上させることが可能となる。
また、析出物欠乏層12Aの厚さは、セラミックス基板11と回路層12の界面に形成される溶融金属領域26における溶融金属量によって決定される。よって、析出物欠乏層12Aの接合界面からの厚さtを、t≦50μmとすることにより、セラミックス基板11と回路層12となるアルミニウム板22との界面に形成される溶融金属領域26における溶融金属量が抑えられることになり、余剰な溶融金属による染みの発生を抑制することができる。
このパワーモジュール101は、回路層112が配設されたパワーモジュール用基板110と、回路層112の表面にはんだ層2を介して接合された半導体チップ3と、ヒートシンク140とを備えている。ここで、はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。なお、本実施形態では、回路層112とはんだ層2との間にNiメッキ層(図示なし)が設けられている。
セラミックス基板111は、回路層112と金属層113との間の電気的接続を防止するものである。本実施形態では、セラミックス基板111は絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板111の厚さは、0.2〜0.8mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
この回路層112は、アルミニウムの母相中に析出物粒子が分散された析出分散型のアルミニウム合金で構成されており、本実施形態では、FeとMnとを含む析出物粒子が分散されたアルミニウム合金(例えば、A3003合金)の圧延板からなるアルミニウム板122がセラミックス基板111に接合されることにより形成されている。なお、回路層112の厚さは、0.1〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.4mmに設定されている。
ここで、析出物欠乏層112Aの接合界面からの厚さtは、2μm≦t≦50μmの範囲内に設定されている。
また、本体層112Bは、回路層112の一方の面(すなわち、半導体チップ3が搭載される搭載面)にまで延在している。
また、析出物粒子の存在比率は、EPMAの面分析あるいはマッピングによりFeとMnを含むことが確認できている粒子とそれ以外の箇所に二値化分離処理をした際の面積率で算出した。
回路層112及び金属層113の接合界面130近傍には、接合界面130から積層方向に離間するにしたがい漸次添加元素の濃度が低下する濃度傾斜層133が形成されている。ここで、回路層112及び金属層113の接合界面130近傍の添加元素の濃度の合計が、0.01質量%以上5質量%以下の範囲内に設定されている。
ここで、本実施形態では、Cuを添加元素として用いており、回路層112及び金属層113の接合界面130近傍のCu濃度が0.01質量%以上5質量%以下に設定されている。
まず、図11及び図12に示すように、回路層112となるアルミニウム板122のセラミックス基板111との接合面及び金属層113となるアルミニウム板123のセラミックス基板111との接合面に、スパッタリングによって、Si,Cu,Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素を固着して固着層124、125を形成する。このとき、固着層124、125における添加元素量は0.01mg/cm2以上10mg/cm2以下の範囲内とされている。
本実施形態では、添加元素としてCuを用いており、固着層124、125における添加元素量(Cu量)は0.08mg/cm2以上2.7mg/cm2以下に設定されている。
さらに、本実施形態では、アルミニウム板123のうちヒートシンク140の天板部141との接合面にも、Cuを固着することで固着層126を形成している。
次に、アルミニウム板122をセラミックス基板111の一方の面側に積層し、かつ、アルミニウム板123をセラミックス基板111の他方の面側に積層する。このとき、図12に示すように、アルミニウム板122、123のうち固着層124、125形成された面がセラミックス基板111を向くように積層する。すなわち、アルミニウム板122、123とセラミックス基板111との間に固着層124、125を介在させているのである。
さらに、本実施形態では、アルミニウム板123の他方の面側に、固着層126を介して天板部141を積層する。
次に、積層工程S12において積層されたアルミニウム板122、セラミックス基板111、アルミニウム板123、天板部141を、その積層方向に加圧(圧力1〜35kgf/cm2)した状態で加熱炉内に装入して加熱し、図13に示すように、アルミニウム板122、123とセラミックス基板111との界面にそれぞれ溶融金属領域127、128が形成される。これら溶融金属領域127、128は、固着層124、125のCuがアルミニウム板122、123側に拡散することによって、アルミニウム板122、123の固着層124、125近傍のCu濃度が上昇して融点が低くなることにより形成されるものである。同様に、固着層126のCuがアルミニウム板123及び天板部141側に拡散することによってアルミニウム板123と天板部141との界面にも溶融金属領域が形成されることになる。
この加熱工程S13においては、アルミニウム板122中の析出物粒子が溶融金属領域127に溶出し、上述の析出物欠乏層112Aが形成されることになる。
次に、溶融金属領域127,128が形成された状態で温度を一定に保持しておく。すると、溶融金属領域127,128中のCuが、さらにアルミニウム板122、123側へと拡散していくことになる。これにより、溶融金属領域127,128であった部分のCu濃度が徐々に低下していき融点が上昇することになり、温度を一定に保持した状態で凝固が進行していくことになる。つまり、セラミックス基板111とアルミニウム板122、123とは、いわゆる等温拡散接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)によって接合されているのである。このようにして凝固が進行した後に、常温にまで冷却を行う。
同様に、アルミニウム板123と天板部141との間に形成された溶融金属領域中のCuがアルミニウム板123及び天板部141側へと拡散していくことにより、凝固が進行していくことになる。
接合することができる。また、添加元素(Cu)の固着量を精度良く調整することが可能となり、析出物欠乏層112Aの厚さを制御することができる。
例えば、回路層を、析出物粒子がFe,Mnを含有する析出分散型のアルミニウム合金(A3003合金)によって構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の析出分散型のアルミニウム合金で回路層を構成してもよい。
なお、第2の実施形態では、セラミックス基板としてAlNを用いた場合において、接合界面をエネルギー分散型X線分析法(EDS)で分析した際のAl、添加元素(Cu)、O、Nの質量比が、Al:添加元素(Cu):O:N=50〜90質量%:1〜30質量%:1〜10質量%:25質量%以下の範囲内に設定されているものとして説明したが、例えばセラミックス基板としてAl2O3を用いた場合においては、Al、添加元素(Cu)、Oの質量比が、Al:添加元素(Cu):O=50〜90質量%:1〜30質量%:45質量%以下の範囲内に設定されていることが好ましい。
以上のことから、接合界面における添加元素原子の質量比は、1〜30質量%の範囲内とすることが好ましいのである。
まず、厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板に、回路層として、厚さ0.6mmのA3003合金からなるアルミニウム板、及び、金属層として厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなるアルミニウム板を、Al−Si系のろう材(Al−7.5質量%Si)を用いて、接合し、パワーモジュール用基板を製作した。
なお、ろう材箔の厚さを14μmとし、加圧条件3.0kgf/cm2、加熱温度625℃、加熱時間30分、加熱雰囲気を真空とした。
厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板に、回路層として、厚さ0.6mmのA3003合金からなるアルミニウム板、及び、金属層として厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなるアルミニウム板を、第2の実施形態のように添加元素を固着させてTLP接合し、パワーモジュール用基板を製作した。
なお、添加元素としてCuを用い、Cuの固着量を0.9mg/cm2とし、加圧条件5.0kgf/cm2、加熱温度610℃、加熱時間(保持時間)30分、加熱雰囲気を真空とした。
厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板に、回路層として、厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなるアルミニウム板、及び、金属層として厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなるアルミニウム板を、Al−Si系のろう材(Al−7.5質量%Si)を用いて、接合し、パワーモジュール用基板を製作した。
なお、ろう材箔の厚さを14μmとし、加圧条件3.0kgf/cm2、加熱温度625℃、加熱時間30分、加熱雰囲気を真空とした。
厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板に、回路層として、厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなるアルミニウム板、及び、金属層として厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなるアルミニウム板を、第2の実施形態のように添加元素を固着させてTLP接合し、パワーモジュール用基板を製作した。
なお、添加元素としてCuを用い、Cuの固着量を0.9mg/cm2とし、加圧条件5.0kgf/cm2、加熱温度610℃、加熱時間(保持時間)30分、加熱雰囲気を真空とした。
なお、うねりについては、半径が2μmの球状先端を有し、テーパ角が90°の円錐を触針として用い、2.5(mm/基準長さ)×5区間の距離を、荷重4mN,速度1mm/sで表面を走査して区間平均の粗さ曲線を測定し、その十点平均粗さRz(JIS B0601−1994)を算出した。
また、接合率は、以下の式で算出した。ここで、「初期接合面積」とは、接合前における接合すべき面積のことである。
接合率 = (初期接合面積−剥離面積)/初期接合面積
本明細書での析出物欠乏層の厚さは、走査型電子顕微鏡によって観察した本発明例1,2及び比較例1,2の試料の断面をAdobe Photoshop CS2(Adobe Systems Incorporated製)の明るさ・コントラストコマンドを用いて解析した像又は写真において、最もセラミックス基板に近接した析出物付近に生じる画像コントラストの境界と金属/セラミックス界面との平均距離と定義した。
また、
観察した像及び写真において、その明るさやコントラストを変量させた。すると、析出物欠乏層が存在している試料においては、析出物欠乏層と析出物非欠乏層の間にコントラスト境界が観察される。そこで、本明細書においては、このコントラスト境界と金属/セラミック界面との距離を析出物欠乏層の厚さと定義した。
また、本明細書における析出物の平均粒径は、走査型電子顕微鏡にて本発明例1,2及び比較例1,2の試料の断面を観察した像及び写真のある一定の領域において、以下の式で定義した。
(析出物の平均粒径)=(A/B/π)0.5
A=(観察領域における粒径0.1μm以上の析出物粒子の面積比率)×観察領域の面積
B=(観察領域内に存在する粒径0.1μm以上の析出物粒子の個数)
π:円周率
これに対して、回路層をA3003合金で構成した本発明例1、2においては、回路層表面のうねりが抑制され、かつ、接合率も高かった。
また、本発明例1、2においては、回路層に析出物欠乏層が形成されていることが確認された。
3 半導体チップ(電子部品)
10、110 パワーモジュール用基板
11、111 セラミックス基板
12、112 回路層
12A、112A 析出物欠乏層
12C 析出物粒子
22、122 アルミニウム板
23、123 アルミニウム板
24 ろう材箔
26 溶融金属領域
124 固着層
127 溶融金属領域
Claims (7)
- セラミックス基板の一方の面に回路層が接合され、前記セラミックス基板の他方の面に純度99.99%以上のアルミニウムからなる金属層が接合されてなり、前記回路層の表面に電子部品が搭載されるパワーモジュール用基板であって、
前記回路層は、アルミニウムの母相中に、FeとMnとを含む析出物粒子が分散された析出分散型のアルミニウム合金で構成されており、
前記回路層の断面の走査型電子顕微鏡観察において、前記回路層のうち前記セラミックス基板との接合界面部分には、粒径0.1μm以上の析出物粒子の存在比率が3%未満とされた析出物欠乏層が形成されており、
前記回路層のうち前記電子部品が搭載される搭載面側においては、粒径0.1μm以上の析出物粒子の存在比率が3%以上とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。 - 前記析出物欠乏層は、前記接合界面からの厚さが2μm以上50μm以下の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
- セラミックス基板の一方の面に回路層が接合され、前記セラミックス基板の他方の面に純度99.99%以上のアルミニウムからなる金属層が接合されてなり、前記回路層の表面に電子部品が搭載されるパワーモジュール用基板の製造方法であって、
回路層となる金属板として、アルミニウムの母相中に、FeとMnとを含む析出物粒子が分散された析出分散型のアルミニウム合金で構成されたアルミニウム板を準備し、このアルミニウム板と、セラミックス基板とを、ろう材を介して積層する積層工程と、
積層された前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを積層方向に加圧するとともに加熱し、前記アルミニウム板と前記セラミックス基板との界面に溶融金属領域を形成する加熱工程と、
この溶融金属領域を凝固させることによって、前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを接合して前記回路層を形成する凝固工程と、を備えており、
前記加熱工程及び前記凝固工程により、前記回路層のうち前記セラミックス基板との接合界面部分に、粒径0.1μm以上の析出物粒子の存在比率が3%未満とされた析出物欠乏層を形成するとともに、前記回路層のうち前記電子部品が搭載される搭載面側においては、粒径0.1μm以上の析出物粒子の存在比率を3%以上とすることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - セラミックス基板の一方の面に回路層が接合され、前記セラミックス基板の他方の面に純度99.99%以上のアルミニウムからなる金属層が接合されてなり、前記回路層の表面に電子部品が搭載されるパワーモジュール用基板の製造方法であって、
回路層となる金属板として、アルミニウムの母相中に、FeとMnとを含む析出物粒子が分散された析出分散型のアルミニウム合金で構成されたアルミニウム板を準備し、このアルミニウム板の接合面又はセラミックス基板の接合面のうちの少なくとも一方に、Si,Cu,Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素を固着して固着層を形成する固着工程と、
この固着層を介して、前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを積層する積層工程と、
積層された前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを積層方向に加圧するとともに加熱し、前記アルミニウム板と前記セラミックス基板との界面に溶融金属領域を形成する加熱工程と、
この溶融金属領域を凝固させることによって、前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを接合して前記回路層を形成する凝固工程と、を備えており、
前記加熱工程では、前記固着層の前記添加元素を前記アルミニウム板側に拡散させることにより、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に前記溶融金属領域を形成し、
前記凝固工程では、前記溶融金属領域が形成された状態で温度を一定に保持し、前記溶融金属領域中の前記添加元素をさらに前記金属板側に拡散させることにより、温度を一定に保持した状態で前記溶融金属領域の凝固を進行させており、
前記加熱工程及び前記凝固工程により、前記回路層のうち前記セラミックス基板との接合界面部分に、粒径0.1μm以上の析出物粒子の存在比率が3%未満とされた析出物欠乏層を形成するとともに、前記回路層のうち前記電子部品が搭載される搭載面側においては、粒径0.1μm以上の析出物粒子の存在比率を3%以上とすることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 前記固着工程では、前記添加元素とともにアルミニウムを固着することを特徴とする請求項4に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記固着工程は、めっき、蒸着、CVD、スパッタリング、コールドスプレー、又は、前記添加元素を含有する粉末が分散されたペースト若しくはインクの塗布によって前記添加元素を固着し、前記固着層を形成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載のパワーモジュール用基板と、前記回路層の表面に搭載される電子部品と、を備えたことを特徴とするパワーモジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010200141A JP5664038B2 (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010200141A JP5664038B2 (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012059836A JP2012059836A (ja) | 2012-03-22 |
JP5664038B2 true JP5664038B2 (ja) | 2015-02-04 |
Family
ID=46056607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010200141A Active JP5664038B2 (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5664038B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016002609A1 (ja) | 2014-06-30 | 2016-01-07 | 三菱マテリアル株式会社 | セラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、パワーモジュール用基板の製造方法、及び、セラミックス/アルミニウム接合体、パワーモジュール用基板 |
JP6507722B2 (ja) * | 2015-03-05 | 2019-05-08 | 三菱マテリアル株式会社 | パワーモジュール用基板の製造方法 |
JP6973674B2 (ja) * | 2020-03-18 | 2021-12-01 | 三菱マテリアル株式会社 | 絶縁回路基板 |
EP4123697A4 (en) * | 2020-03-18 | 2024-04-24 | Mitsubishi Materials Corporation | INSULATED CIRCUIT BOARD |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3152344B2 (ja) * | 1996-08-22 | 2001-04-03 | 三菱マテリアル株式会社 | セラミック回路基板 |
JP2001010874A (ja) * | 1999-03-27 | 2001-01-16 | Nippon Hybrid Technologies Kk | 無機材料とアルミニウムを含む金属との複合材料の製造方法とその関連する製品 |
JP4915013B2 (ja) * | 2005-09-29 | 2012-04-11 | Dowaメタルテック株式会社 | アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法 |
WO2007142261A1 (ja) * | 2006-06-06 | 2007-12-13 | Mitsubishi Materials Corporation | パワー素子搭載用基板、その製造方法、パワー素子搭載用ユニット、その製造方法、およびパワーモジュール |
JP5412714B2 (ja) * | 2007-07-10 | 2014-02-12 | 日本軽金属株式会社 | 耐熱性に優れたアルミニウム合金板の製造方法、耐熱性および深絞り性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
KR20110033117A (ko) * | 2008-06-06 | 2011-03-30 | 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 | 파워 모듈용 기판, 파워 모듈, 및 파워 모듈용 기판의 제조 방법 |
-
2010
- 2010-09-07 JP JP2010200141A patent/JP5664038B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012059836A (ja) | 2012-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2009148168A1 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP4747315B2 (ja) | パワーモジュール用基板及びパワーモジュール | |
TWI695778B (zh) | 接合體、附散熱器之電力模組用基板、散熱器、接合體之製造方法、附散熱器之電力模組用基板之製造方法、及散熱器之製造方法 | |
US8609993B2 (en) | Power module substrate, power module, and method for manufacturing power module substrate | |
WO2011049067A1 (ja) | パワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、パワーモジュール用基板の製造方法及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 | |
WO2014103934A1 (ja) | パワーモジュール | |
JP5278354B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びパワーモジュール | |
JP5359936B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びパワーモジュール | |
JP5664038B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール | |
WO2017077761A1 (ja) | セラミックス/アルミニウム接合体、パワーモジュール用基板、及び、パワーモジュール | |
WO2018180159A1 (ja) | ヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法 | |
WO2015122446A1 (ja) | 銅/セラミックス接合体、及び、パワーモジュール用基板 | |
JP5741793B2 (ja) | パワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、パワーモジュール用基板の製造方法及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP5899725B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びパワーモジュール | |
JP5640569B2 (ja) | パワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP5564999B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びパワーモジュール | |
JP6269116B2 (ja) | 下地層付き金属部材、絶縁回路基板、半導体装置、ヒートシンク付き絶縁回路基板、及び、下地層付き金属部材の製造方法 | |
WO2016002609A1 (ja) | セラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、パワーモジュール用基板の製造方法、及び、セラミックス/アルミニウム接合体、パワーモジュール用基板 | |
JP5724273B2 (ja) | パワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、パワーモジュール用基板の製造方法及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 | |
CN102651348B (zh) | 功率模块用基板及制法、自带散热器的该基板及功率模块 | |
CN102655126B (zh) | 功率模块用基板及制法、自带散热器的该基板及功率模块 | |
JP5640548B2 (ja) | パワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP5699882B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の製造方法、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びパワーモジュール | |
JP5359943B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP5359942B2 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130329 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140306 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141111 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141124 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5664038 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |