[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用操作装置及び遊技機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図1は、第1実施形態に係る遊技機用操作装置を備えた遊技機を例示する正面図であり、まず、図1を参照して遊技機1の構成を概説する。
(遊技機の構成)
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されており、遊技者側に配される前面枠2に形成された窓部に透明板3(ガラス板等)が配置され、遊技者が、透明板3を介して後方の遊技領域を視認できるように構成されている。また、透明板3の後方(奥側)には、図示しない遊技盤が配置され、この遊技盤上にガイドレール等によって区画された遊技領域(遊技球が流下可能な領域:図示略)が形成されている。更に、透明板3の下方側には、遊技球を受ける遊技球受皿7が形成されており、この遊技球受皿7の外壁部から一部を露出させる構成で遊技機用操作装置10が設けられている。
(遊技機用操作装置の構成)
次に、第1実施形態に係る遊技機用操作装置10について説明する。
なお、本実施形態では、遊技機用操作装置10において、操作部20の回動中心軸線Gの方向を上下方向としている。
本実施形態に係る遊技機用操作装置10は、遊技機1において外部操作可能に取り付けられるものであり、全体として図2〜図4のような構成をなしており、例えば遊技球貸出用の操作装置、或いはその他の入力用操作装置として構成されている。この遊技機用操作装置10は、図5に示すように、操作部20が固定ベース部40に回動可能に支持されると共に、これらがケース11(図2〜図4)に組み付けられた一体的なユニットとして構成されており、図1に示すように、遊技機1において操作部20の一部が外部操作可能に露出する形態で取り付けられている。なお、図2等に示すケース11の形状(略直方体)は、あくまで収容ケースの一例を概略的に示すものであり、具体的には様々な形状とすることができる。
図3、図4に示すように、遊技機用操作装置10は、主として、ケース11と、ケース11から外部に露出する操作部20と、操作部20を回転可能に支持する固定ベース部40とを備えている。
まず、ケース11について説明する。
図2〜図4に示すように、ケース11は、例えば、樹脂製の箱体として構成されており、上方側に配置される上壁部13と、操作部20の四方を取り囲む側壁部12とを備え、下方側が開放した形態をなしている。上壁部13には、円形状の開口部13aが形成されており、この開口部13aを介して操作部20がケース11外に露出する構成となっている。なお、この操作部20は様々な方法で遊技機外に露出させることができる。例えば、図1の例では、遊技機用操作装置10におけるケース11内の部分が全体的に遊技球受皿7の外壁7aに被覆されており、ケース11から露出する操作部20の一部が外壁7aに形成された開口7b内に挿入されて部分的に露出する形態をなしている。また、このようにせずに、ケース11の上壁部13ごと遊技球受皿7の外壁7aから露出させてもよい。
次に、固定ベース部40について説明する。
固定ベース部40は、遊技機本体(遊技機1における遊技機用操作装置10以外の部分)に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられるものであり、図5(A)に示すように、操作部20が所定の中心軸線Gを中心として回転し得るように当該操作部20を支持している(図5(B)も参照)。この固定ベース部40は、図3、図4に示すように、主として、ベース体41と、保持部材46と、基板47とによって構成されている。
ベース体41は、樹脂部材によって構成されており、図6(A)(B)に示すように、円筒状に構成される周壁部51と、平板状に構成される底壁部52とを備えている。周壁部51は、底壁部52における上面52a側に配され、円筒状に構成される周壁部51の円筒軸方向が底壁部52の上面52aと略直交するように、底壁部52の上面52aから突出する形態で配されている。また、図6(A)に示すように、底壁部52の上面52aにおいて、周壁部51の中心軸(周壁部51の中心をなす仮想的な円筒軸)付近には、上面52aから上方に突出する円筒状の軸部53が形成されている。この軸部53は、外周面が円筒面として構成され、後述する回動盤24に形成された円筒部61の孔部62と嵌合するように構成されている(図12参照)。
また、図6(A)に示すように、底壁部52の上面52aにおいて、軸部53の周囲には、上面52aから上方に突出する支持軸55a,55b,55cが形成されている。支持軸55a,55b,55cは、周壁部51の内部に収容される構成で、上方に突出しており、これら支持軸55a,55b,55cによって後述する基板47が支持されるようになっている(図12参照)。
また、図6(A)に示すように、周壁部51における所定位置には、後述する第2磁性部42を連結するためのボス部57aが形成されている。このボス部57aは、円筒状に構成されると共に底壁部52の上面52aから上方に突出する形態で配置されており、内周部には、ねじ状に構成された第2磁性部42と螺合するための螺合溝が形成されている(図4も参照)。また、周壁部51の周方向において、ボス部57aの両側には、筒状部57b,57cが形成されている。これら筒状部57b,57cは、円筒状に構成されると共に底壁部52の上面52aから上方に突出する形態で配置されており、それぞれの内周部上端側には、後述する第3磁性部43及び第4磁性部44をそれぞれ載置するための皿状の載置部58b,58cが形成されている(図4、図14、図15も参照)。
図3、図4、図7に示すように、基板47は、各種電子部品を実装する回路基板として板状に構成されており、操作部20における操作体23と回動盤24と間に配される形態で、支持軸55a,55b,55cに固定されている。なお、図7は、図2の遊技機用操作装置で用いられる操作部を固定ベース部40の一部と共に示す斜視図であるが、この図では、固定ベース部40における基板47以外の部分は、二点鎖線にて仮想的に示している。
図4のように、具体的には、一部の支持軸55a,55bが、それぞれ基板47の孔部33a,33bに位置合わせされた状態でねじ部材56a、56bによって共締めるようになっている。また、支持軸55cには、先端部に突起55dが形成されており、この突起55dが基板47の孔部33cに挿入されて位置決めさるようになっている(基板47とベース体41との固定構造は図12、図14、図15も参照)。
図12に示すように、基板47は、上面47aが操作部20の回動中心(中心軸線G)と略直交する構成で配置されており、図3、図4に示すように、後述する連結部71aが通る位置には中心軸線Gを中心とする周方向に沿った長孔34が形成され、連結部71b、71cが通る位置には、中心軸線Gを中心とする周方向に沿った長孔35,36がそれぞれ形成されている。長孔34は、連結部71aの移動経路(中心軸線Gを中心とする周方向所定範囲の経路)に沿って円弧状に形成されており、連結部71aは、操作部20の回動動作に応じて長孔34内を移動するようになっている。また、長孔35,36はそれぞれ、連結部71b、71cの移動経路に沿って円弧状に形成されており、連結部71b、71cは、操作部20の回動動作に応じて長孔35,36内を移動するようになっている。
図4に示すように、基板47の上面47aには、操作部20の回動位置を検出するためのセンサ対(第1センサ31,第2センサ32)が実装されている。これら第1センサ31,第2センサ32は、例えばホール素子、反射型或いは透過型のフォトインタラプタなどの非接触型の近接センサ等などによって構成されており、いずれも操作体23に形成された延出状の被検知部(被検知部73,74:図3、図11参照)が接近したときに検知信号を出力する構成をなしている。
例えば、第1センサ31は、図10(B)、図11(B)のように、操作部20が左回り(一方の回動方向)に操作され、図11(B)のように一方の被検知部73が接近した場合に検知信号(第1検知信号)を出力するようになっており、被検知部73が接近していないとき(例えば、図10(A)、図11(A)のような回動基準位置(所定中間位置)のとき)には、前記第1検知信号とは異なる所定信号(非検知信号)を出力するようになっている。また、第2センサ32は、図10(C)、図11(C)のように操作部20が右回り(他方の回動方向)に操作され、図11(C)のようにもう一方の被検知部74が接近した場合に検知信号(第2検知信号)を出力するようになっており、被検知部74が接近していないとき(例えば、図10(A)、図10(B)のような回動基準位置(所定中間位置)のとき)には、前記第2検知信号とは異なる所定信号(非検知信号)を出力するようになっている。
なお、本実施形態では、第1センサ31及び第2センサ32が、「検知部」の一例に相当しており、操作部20の位置に応じた信号を出力するように機能する。具体的には図10(A)、図11(A)のように、操作部20が回動基準位置(所定中間位置)にあるときには、第1センサ31及び第2センサ32がいずれも非検知信号(例えばLレベル信号)を出力するようになっている。また、図10(B)、図11(B)のように、操作部20が、回動範囲において左回り側の端部にあるときには、第1センサ31が第1検知信号(例えばHレベル信号)を出力し、第2センサ32が非検知信号(例えばLレベル信号)を出力するようになっている。逆に、図10(C)、図11(C)のように、操作部20が、回動範囲における右回り側の端部にあるときには、第1センサ31が非検知信号(例えばLレベル信号)を出力し、第2センサ32が第2検知信号(例えばHレベル信号)を出力するようになっている。
保持部材46は、図6に示すように、長手状且つ板状に構成されており、周壁部51の外周に沿った緩やかな湾曲形態をなしている。この保持部材46は、図6(A)のように、第3磁性部43及び第4磁性部44を保持する機能を有しており、当該保持部材46と、ベース体41との間に第3磁性部43及び第4磁性部44を介在させた状態でベース体41に固定されるようになっている(図14、図15も参照)。この保持部材46は、中央部がベース体41のボス部57aの位置に位置合わせされており、この状態で保持部材46の中央部とボス部57aとがねじ状に構成される第2磁性部42によって共締めされて互いに固定されている。
また、ボス部57aの両側に配置される筒状部57b,57c内には、上端側に形成された載置部58b,58c(図4、図14、図15)に保持される構成で第3磁性部43及び第4磁性部44がそれぞれ載置されており、保持部材46は、長手方向両側の部分がそれぞれ第3磁性部43及び第4磁性部44を押さえる構成でベース体41に固定されている。なお、保持部材46において第3磁性部43及び第4磁性部44を押さえるそれぞれの位置には、保持部材46内を厚さ方向に貫通する孔部46b,46cがそれぞれ形成されており、上下に貫通するこれら孔部46b,46c(図6)を介して、第3磁性部43及び第4磁性部44の一部がベース体41の外部に露出するようになっている(図14、図15も参照)。
保持部材46をベース体41に取り付ける第2磁性部42は、例えば、鉄等の強磁性体或いは強磁性体を含む合金などによって構成され、磁石に吸引される性質を有しており、永久磁石として構成される第1磁性部21が図12のように近接したとき(即ち、第1磁性部21が第2磁性部42と対向する「対向位置」となったととき)に当該第1磁性部21との間で磁気による引力を発生するように構成されている。この第2磁性部42は、例えばねじ等の連結部材として構成されており、保持部材46とベース体41とを連結するように機能している。
保持部材46によって保持される第3磁性部43及び第4磁性部44は、いずれも永久磁石によって構成されており、図3、図4、図7(B)に示すように円柱状に構成されている。図14、図15に示すように、これら第3磁性部43及び第4磁性部44はいずれも、軸方向を上下方向とする構成で載置部58b,58cにそれぞれ載置されている。図6(A)、図14のように、第3磁性部43は、上面43a(図14)の一部を孔部46bを介して露出させた構成で配置されており、第1磁性部21及び第3磁性部43は、図14のように第1磁性部21の下面21bと第3磁性部43の上面43aとが近接してこれら上面43a及び下面21bが対向したときに互いに反発し合うようになっている。また、第4磁性部44は、図6(A)、図15のように、上面44aの一部を孔部46cを介して露出させた構成で配置されており、第1磁性部21及び第4磁性部44は、図15のように第1磁性部21の下面21bと第4磁性部44の上面44aとが近接してこれら上面44a及び下面21bが対向したときに互いに反発し合うようになっている。
次に、操作部20について説明する。
図3、図4に示すように、操作部20は、主として、操作体23と、回動盤24と、磁石保持部22とによって構成されており、図5のように固定ベース部40に回動可能に支持されるようになっている。
操作体23は、遊技者等によって外部操作可能となるように、その一部をケース11の外部に露出させて配されるものである(図1参照)。図7、図8に示すように、操作体23は、後述する回動盤24に固定され、当該回動盤24と共に一体的なユニット(操作部20)を構成しており、当該操作体23に固定される回動盤24を介して固定ベース部40に間接的に支持されている。本実施形態では、回動盤24が固定ベース部40に回動可能に支持され、この固定ベース部40が遊技機1(図1)内の所定位置に固定されており、これにより回動盤24と一体化された操作体23が遊技機1(図1)の所定位置にて回動し得るようになっている。より具体的には、操作体23は、所定の回動基準位置(図10(A)、図11(A)参照)から一方の回動方向(図10(B)、図11(B)参照)及び他方の回動方向(図10(C)、図11(C)参照)のいずれの方向にも変位可能とされており、左右両方向の回動操作を行うことができるようになっている。なお、各方向への具体的な変位動作については後述することとする。
操作体23は、図9(B)に示すように、平面視した外形が略円形に構成されており、図2に示すように、ケース11の上壁部13に形成された円形の開口部13aを介してケース11外に露出している。図8、図9(B)に示すように、操作体23は、円板状の上壁部23aと、上壁部23aの外周部に連結された円筒状の周壁部23bとを備えている。そして、周壁部23bの上端側は、上壁部23aによって閉塞されており、周壁部23bの下端部は解放した開口部として構成されている。また、図8のように、周壁部23bの下端部(開口部)には、周壁部23bから外側(中心軸線Gに対する半径方向)に張り出す鍔状のフランジ部23cが形成されている(図3、図4も参照)。フランジ部23cは、周壁部23bの周方向全領域に連結される構成で設けられており、図9(A)に示すように、フランジ部23cにおける周方向所定位置には、中心軸線Gと直交する平面方向に沿うように半径方向に延びる磁石載置部23fが設けられている(図12も参照)。この磁石載置部23fは、図12のように、第1磁性部21を載置する部分であり、第1磁性部21の下面21bを支持する支持面の一部には、下面21bを下方側に露出させるための孔部23gが形成されている。
また、操作体23は、図9(B)に示すように、上壁部23aの外周縁付近における周方向所定位置に、当該操作体23の回動位置を示すためのマーク部23dが形成されており、図10(A)、図11(A)に示すように、操作体23が回動基準位置にあるときには、マーク部23dがケース11に形成された基準位置マーク11aに隣接する位置となるように構成されている(図10(A)参照)。また、操作体23が回動範囲の左回り端部まで回動した第一回動位置にあるときにはマーク部23dがケース11された第一回動位置マーク11b(例えば、遊技球貸出用の操作装置における遊技球貸出位置マーク)に隣接する位置となる。また、操作体23が回動範囲の右回り端部まで回動した第二回動位置にあるときにはマーク部23dがケース11第二回動位置マーク11c(例えば遊技球貸出用の操作装置におけるカードなどの金銭媒体返却位置マーク)に隣接する位置となる。また、図9(B)のように、上壁部23aの外周部の一部には、細長の凹部が周方向に所定間隔で複数並んでなる凹凸形状の滑り止め部23eが形成されており、この位置を押さえながら回動操作を行うことができるようになっている。
次に、回動盤24について説明する。
操作体23に連結される回動盤24は、図3、図4に示すように、略円板状に構成されており、操作体23と一体的に形成(具体的にはフランジ部23cと一体的に形成)された連結部71a、71b、71cにねじ部材72a、72b、72cによって固定されることで操作体23に取り付けられている(図7、図8も参照)。更に詳しく述べると、図7に示すように、回動盤24は、操作体23との間に上述の基板47を介在させた構成で操作体23に固定されており、基板47の一方の板面(下面47b:図3)側に回動盤24が配置され、他方の板面(上面70a:図4)側に操作体23の大部分(上壁部23a、周壁部23b、フランジ部23c等)が配置された構成をなしている。そして、基板47をその板厚方向に跨ぐ構成で、フランジ部23cと回動盤24とを連結する連結部71a,71b,71cが上下方向に設けられており、このような構成により遊技機外に露出する露出部(上壁部23a)が基板47の下方に配置される回動盤24と一体的に変位するようになっている。
なお、回転盤24を、操作体23と一体的に形成された連結部71a、71b、71cにねじ部材72a、72b、72cによって固定する際は、基板47をベース体41に固定した状態で、ベース体41の貫通孔(長孔59a,59b,59c:図3、図6参照)を介して締結される。なお、このような組み立て構造に代えて、操作部23側に向けて延設するように回転盤24側に連結部(連結部71a,71b,71cの代わりとなる連結部)を設ける構成にしてもよい。その場合には、後述の磁石保持部22を固定するねじ等の締結部材81a,81b,81cによって共締めする形で固定することができ、ベース体41に対して上方から回転盤24、基板47、操作体23の順に組付けていくことが可能となる。
また、図7(B)、図9(A)に示すように、回動盤24のほぼ中心位置には、上下方向を円筒軸方向とする円筒部61が形成されており、この円筒部61内の孔部62に上述した固定ベース部40の軸部53が挿入されるようになっている(図12参照)。この構成では、孔部62が軸部53の軸受として機能しており、回動盤24が軸部53に支持されつつ当該軸部53を中心として相対的に回動するようになっている。また、回動盤24は、少なくとも孔部62がポリアセタール(POM)等の潤滑部材によって構成されているため、この孔部62と軸部53との間で摩擦力が生じにくくなっており、軸部53に対してより滑らかに回動するようになっている。なお、軸部53をこのような潤滑部材によって構成することもできる。また、回動盤24の孔部62と、軸部53の間の隙間に潤滑油等が充填されていてもよく、このようにすれば、軸部53と孔部62とで生じる摩擦力を一層低減することができ、回動盤24がより一層スムーズに回動することとなる。
磁石保持部22は、図3、図4に示すように、円環状に構成されており、中央側には円形の開口からなる開口部22aが形成されている。そして、周方向所定位置には中心軸線Gと直交する平面方向に沿うように半径方向に張り出す磁石押さえ部22bが形成されている。図5、図9(B)に示すように、磁石保持部22における開口部22a内には、円筒状の周壁部23bが嵌まり込むようになっており、周壁部23bの下端部に形成されたフランジ部23cの上面と磁石保持部22の下面とが対向する構成でフランジ部23cと磁石保持部22とがねじ等の締結部材81a,81b,81cによって固定されるようになっている。
図12に示すように、本実施形態では、操作体23のフランジ部23cから延びる磁石載置部23fが有底穴状かつ皿状に構成され、その内部に円筒状の第1磁性部21が載置、収容されるようになっており、磁石保持部22に形成された磁石押さえ部22bは、磁石載置部23fに収容された第1磁性部21の上面側を押さえるように機能している。このようにして、操作部20に第1磁性部21が保持されている。
第1磁性部21は、例えば永久磁石によって構成されており、図3、図4、図12に示すように円柱状に構成され、図12に示すように、軸方向を上下方向とする構成で磁石載置部23fに載置されている。本実施形態では、上述したように、磁石載置部23fの底部に上下に貫通する孔部23gが形成されており、この孔部23gを介して第1磁性部21の下面21bの一部が下方側に露出するようになっている。そして、図12のように、第1磁性部21が第2磁性部42と近接し、第1磁性部21の下面21bと保持部材46から上方側に露出する第2磁性部42の上面とが対向する位置となったときには、第1磁性部21と第2磁性部42とが吸引し合うようになっている(図13も参照)。
また、図14のように、第1磁性部21と第3磁性部43とが近接して第1磁性部21の下面21bと第3磁性部43の上面43aとが対向したときには、これら第1磁性部21及び第3磁性部43が互いに反発し合うようになっている。また、図15のように第1磁性部21と第4磁性部44とが近接して第1磁性部21の下面21bと第4磁性部44の上面44aとが対向したときには、これら第1磁性部21及び第4磁性部44が互いに反発し合うようになっている。なお、本実施形態では、第1磁性部21が第3磁性部43に近接する位置が「退避位置」の一例に相当している。また、第1磁性部21が第4磁性部44に近接する位置も「退避位置」の一例に相当している。第1磁性部21は、第2磁性部42と対向するときの位置(対向位置)側と、その対向位置における第2磁性部42と対向する向き(本実施形態では、中心軸線Gに沿った向き)と交差する側方側に退避したときの位置(退避位置)側とで相対移動可能とされている。そして、第1磁性部21と第2磁性部42との間で磁力(引力)が大きくなるときには、この引力によって第1磁性部21が上記対向位置側に相対移動し、操作部20が回動基準位置に保持されるようになっている。また、上記「対向位置」から退避した「退避位置」の内、第1磁性部21が第3磁性部43と近接する位置では、第1磁性部21と第3磁性部43との反発により、第1磁性部21が上記「対向位置」側に付勢されるようになっている。従って、第1磁性部21と第3磁性部43とが対向し、近接している状態(即ち、図10(B)、図11(B)、図14の状態)で操作部20の操作が解除されると(即ち、手が離されると)、第1磁性部21と第3磁性部43の反発により操作部20が回動基準位置側に時計回りに回転し、第1磁性部21と第2磁性部42との間で生じる引力による付勢も加わって操作部20が回動基準位置(図10(A)、図11(A)、図12)に復帰・保持されるようになっている。また、「退避位置」の内、第1磁性部21が第4磁性部44と近接する位置でも、第1磁性部21と第4磁性部44の反発により、第1磁性部21が上記「対向位置」側に付勢されるようになっている。従って、第1磁性部21と第4磁性部44とが対向し、近接している状態(即ち、図10(C)、図11(C)、図15の状態)で操作部20の操作が解除されると(即ち、手が離されると)、第1磁性部21と第4磁性部44の反発により操作部20が回動基準位置側に向けて反時計回りに回転し、第1磁性部21と第2磁性部42との間で生じる引力による付勢も加わって操作部20が回動基準位置(図10(A)、図11(A)、図12)に復帰・保持されるようになっている。
次に、遊技機用操作装置10の動作について説明する。
図10、図11に示すように、遊技機用操作装置10では、操作部20が、所定の回動範囲(変位範囲)で往復動(往復回動)可能となっている。具体的には、図11に示すように、操作部20においてフランジ部23cの外周から張り出すように形成された延出部(磁石載置部23f及び磁石押さえ部22b)が周壁部51の両端部51a,51bの間で周方向に沿って移動可能となっており、このように延出部(磁石載置部23f及び磁石押さえ部22b)が移動し得る操作部20の回動範囲が「変位範囲」となっている。そして、この「変位範囲」における一端の回動位置(図10(B)参照)と他端の回動位置(図10(C)参照)の間の所定の回動位置(図10(A)、図11(A)参照)が基準回動位置(所定中間位置)となっている。
そして、図10(A)、図11(A)のように、固定ベース部40に対する操作部20の相対位置が基準回動位置となったときには、図12のように第1磁性部21と第2磁性部42とが対向して吸引し合うことで操作部20が当該基準回動位置に保持されるようになっている。なお、基準回動位置(所定中間位置)は、第1磁性部21と第2磁性部42とが対向して吸引し合う「吸引位置」に相当する。また、この基準回動位置(吸引位置)では、第1磁性部21と第2磁性部42との間で磁力による引力が生じるため、引力による保持力が十分小さくなる程度に操作部20を強制的に回動させない限り、操作部20の保持状態が維持される。操作部20が、回動基準位置(吸引位置)にあるときには、第1センサ31及び第2センサ32は、いずれも非検知信号(例えばLレベル信号)を出力するようになっており、第1センサ31及び第2センサ32から出力される両非検知信号が、操作部20が(基準回動位置)吸引位置にある状態を示す「所定信号」に相当している。
一方、図10(A)、図11(A)に示す回動基準位置(吸引位置)から操作部20が左回り又は右回りに操作されたときには、第2磁性部42に対して第1磁性部21がその対向する向き(上下方向)と交差する側方側(上下方向と直交する平面方向に沿った横方向)に相対移動するようになっている。例えば、操作部20が回動基準位置から左回りに操作されて図10(B)、図11(B)に示すように回動範囲(変位範囲)における一端側の位置(左回り方向終端位置)に移動したときには、図14のように第1磁性部21と第3磁性部43とが上下に対向し、互いに反発し合うこととなる。従って、操作部20は、一端側の位置に至ったときに回動基準位置側に戻そうとする付勢力(復帰力)が生じることとなり、当該一端側の位置で操作を解除した場合(手を離した場合)には、自動的に回動基準位置側に移動して回動基準位置で位置保持されるようになっている。また、この一端側の位置では、第1センサ31から検知信号(例えばHレベル信号)が出力され、第2センサ32から非検知信号(例えばLレベル信号)が出力されるため、第1センサ31及び第2センサ32からの信号を取得可能な制御回路(図示略)では、この検知信号と非検知信号の組み合わせによって操作部20が一端側の位置(左回り方向終端位置)にあることを特定することができる。
また、操作部20が回動基準位置から右回りに操作されて図10(C)、図11(C)に示すように回動範囲(変位範囲)における他端側の位置(右回り方向終端位置)に移動したときには、図15のように第1磁性部21と第4磁性部44とが上下に対向し、互いに反発し合うこととなる。従って、操作部20は、他端側の位置に至ったときに、回動基準位置側に戻そうとする付勢力(復帰力)が生じることとなり、当該他端側の位置で操作を解除した場合(手を離した場合)にも、自動的に回動基準位置側に移動して回動基準位置で位置保持されるようになっている。また、この他端側の位置では、第2センサ32から検知信号(例えばHレベル信号)が出力され、第1センサ31から非検知信号(例えばLレベル信号)が出力されるため、第1センサ31及び第2センサ32からの信号を取得可能な制御回路(図示略)では、この検知信号と非検知信号の組み合わせによって操作部20が他端側の位置(右回り方向終端位置)にあることを特定することができる。
次に、本実施形態に係る遊技機用操作装置10の用途について説明する。
遊技機用操作装置10の用途は様々に考えられ、その一例としては、例えば遊技球貸出用の操作装置などが挙げられる。このように遊技球貸出用の操作装置として用いる場合、例えば、操作部20が基準回動位置(図10(A))から左回り(一方の回動方向)に回動し、図10(B)に示す所定の第一回動位置(第1センサ31によって検出される回動位置)まで変位した場合に遊技球の貸出信号を出力し、操作部20が基準回動位置から右回り(他方の回動方向)に回動し、図10(C)に示す所定の第二回動位置(第2センサ32によって検出される回動位置)まで変位した場合に貸出の中止信号を出力する構成とすることができる。この「中止信号」の具体例は様々であり、例えば、投入された現金や金銭媒体(IC式カード、コイン等)の残金維持状態を中止し、当該遊技機用操作装置10で利用可能となっている残金分を、金銭媒体(IC式カード、コイン等)や現金などで返却する処理のトリガとなる「返却信号」などが挙げられる。なお、「中止信号」は、このような例に限らず、貸出しに関する何らかの動作を中止する信号であればよく、例えば、貸出信号に応じて連続して行われる遊技球供給動作を一時的に中断することを指示する信号などであってもよい。この場合、第1センサ31及び第2センサ32を、例えば、基板47に実装されたコネクタを介して遊技機1(図1)或いは遊技機1の外部に設けられた球貸装置等の制御回路に電気的に接続し、制御回路に球貸信号や中止信号を与えることができるようにすればよい。
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る遊技機用操作装置10では、本発明の構成では、第1磁性部21が、第2磁性部42と対向する対向位置側と、その対向する向きと交差する側方側に退避した退避位置側とで相対移動可能とされているため、第1磁性部21を第2磁性部42に対して横方向に相対移動させる操作(固定ベース部40に対して操作部20が回動或いは回転する操作)を行い得る操作装置を実現できる。更に、操作部20を対向位置側に相対移動させるために第1磁性部21及び第2磁性部42との間で生じる磁力(引力)を利用しているため、バネなどの弾性部材で付勢する構成と比較して摩耗等が生じにくく、部品の劣化速度を抑えて製品寿命を伸ばすことができる。
更に、操作部20が、図11に示す所定の変位範囲で往復動(往復回動)可能となるように固定ベース部40に支持されており、操作部20が変位範囲における一端と他端の間の基準回動位置(所定中間位置)となったときに第1磁性部21と第2磁性部42とが吸引し合い、操作部20が基準回動位置(所定中間位置)に保持されるようになっている。この構成によれば、基準回動位置(所定中間位置)で操作部20を保持することができ、この中間位置を安定的な基準位置として一方側及び他方側に操作し得る構成を良好に実現できる。
また、本実施形態では、固定ベース部40において磁石からなる第3磁性部43及び第4磁性部44が設けられている。そして、操作部20が変位範囲における一端側の位置に移動したときに、第1磁性部21と第3磁性部43とが反発し、操作部20が変位範囲における他端側の位置に移動したときに、第1磁性部21と第4磁性部44とが反発するようになっている。この構成によれば、所定中間位置で操作部20を安定的に保持することができ、他方、操作部20が一端側及び他端側の端部付近に至ったときには、これら端部付近で反発力を生じさせ、所定中間位置側に戻ろうとする復帰力(付勢力)を生じさせることができる。従って、バネ等を用いずに所定中間位置に自動的に復帰しやすい構成を良好に実現できる。
また、本実施形態では、第1磁性部21を永久磁石によって構成している。更に、第3磁性部43が設けられた固定ベース部40には、第3磁性部43を保持するための保持部材46と、保持部材46を固定するためのベース体41と、保持部材46をベース体41に連結する連結部材とが設けられ、その連結部材が、第2磁性部42として構成されている。即ち、第2磁性部42を、保持部材46とベース体41とを連結するための「連結部材」として兼用しており、この構成によれば、部品点数の削減、及び低コスト化を効果的に図ることができる。
[第1実施形態の変形例1]
変形例1は、図14のAR1の構成を図16の構成に代え、図15のAR2の構成を図17の構成に代えたものとなっている。この変形例1では、形状的には、ケース11の上壁部13の内壁に突起101、102を設けた点のみが第1実施形態と大きく異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって領域AR1、AR2以外の構成(図1〜図15におけるAR1,AR2以外の構成)は第1実施形態と同様として説明を省略し、適宜図1〜図15を参照することとする。また、第1実施形態と同様の部分については、図1〜図15で示した第1実施形態の代表例と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
変形例1でも、第1磁性部21と対向したときに互いに反発するような第3磁性部143及び第4磁性部を用いている。即ち、第1磁性部21の下面21bと第3磁性部43の上面43aが対向したときに互いに反発し、第1磁性部21の下面21bと第4磁性部44の上面44aが対向したときに互いに反発するようになっている。
変形例1の構成では、操作部20を変位範囲における一端側の位置(図10(B)、図11(B)参照)、及び他端側の位置(図10(C)、図11(C)参照)で保持するための保持機構49が設けられていることを特徴としている。この保持機構49は、操作部20が一端側の位置(図10(B)、図11(B))に移動したときに第1磁性部21と第3磁性部43との間で生じる反発力により操作部20を一端側の位置で保持しており、操作部20が他端側の位置(図10(C)、図11(C))に移動したときに第1磁性部21と第4磁性部44との間で生じる反発力により操作部20を一端側の位置で保持している。以下では、この保持機構49について詳述する。
変形例1の構成では、第1磁性部21が上記代表例(図1〜図15)と同様の永久磁石によって構成されている、一方、第3磁性部143、144も第1実施形態の第3磁性部43、44と同様の外形の永久磁石として構成され、図1〜図15の代表例と同様に固定ベース部40によって保持されている。
変形例1の構成でも、操作部20が、変位範囲における一端側の位置に移動したとき(図10(B)、図11(B)参照)、図16のように第1磁性部21と第3磁性部143とが、第1磁性部21の移動方向(中心軸Gと直交する平面方向に沿った方向)と交差する方向(中心軸Gの方向)に並んで配置され、且つ互いに反発するように構成されている。また、操作部20は、僅かな上下動或いは僅かな傾斜を許容するように、固定ベース部40に回転可能に支持されている。そして、図10(B)、図11(B)のように操作部20が一端側の位置に移動したときには、図16のように第1磁性部21と第3磁性部143との間で生じる反発力によって操作部20における第1磁性部21付近が固定ベース部40における第3磁性部143付近から離れるように当該第1磁性部21付近が浮き上がるようになっている。
図16に示すように、操作部20の磁石保持部22において第1磁性部21上に配置される磁石押さえ部22bには、第1磁性部21の上面側を上方に露出させるように貫通する孔部23h(孔部23hは、係止部の一例に相当)が形成されており、他方、ケース11における上壁部13の内壁13aにおいて、第3磁性部143の上方の位置には、内壁13aから下方側に突出する突起101が形成されている。この構成では、図10(B)、図11(B)のように操作部20が一端側の位置に移動して操作部20における第1磁性部21付近が浮き上がったときには、第1磁性部21の上方に形成される孔部23h(係止部)に対してケース11(他部材)に形成された突起101が部分的に挿入され、これによって孔部23hと突起101とが係止し、第1磁性部21付近が側方(第1磁性部21と第3磁性部143との対向方向と直交する方向)に移動しにくくなる。従って、操作部20が回転しにくくなり、一端側の位置に保持されることとなる。
また、変形例1では、例えば、図11(B)のように操作部20が反時計回りに回動したときに、第1磁性部21の過半部分が、所定の仮想平面L1(回動軸線G(図10等)を面上に含み且つ第3磁性部43の重心部を通る仮想平面)よりも端部51a側に移動可能とされており、第1磁性部21の過半部分が仮想平面L1よりも端部51a側に移動したときに、第1磁性部21と第3磁性部43との間では、第1磁性部21が端部51a側に移動しようとする反発力が生じるようになっている。従って、第1磁性部21において端部51a側に向かう付勢力が生じ続け、第1磁性部21と端部51aとが当接し続けることになり、この力によっても、第1磁性部21が第3付勢部43付近で位置保持されることとなる。また、図11(C)のように操作部20が時計回りに回動したときも同様であり、第1磁性部21の過半部分が、所定の仮想平面L2(回動軸線G(図10等)を面上に含み且つ第4磁性部44の重心部を通る仮想平面)よりも端部51b側に移動可能とされており、第1磁性部21の過半部分が仮想平面L2よりも端部51b側に移動したときに、第1磁性部21と第4磁性部44との間では、第1磁性部21が端部51b側に移動しようとする反発力が生じるようになっている。従って、第1磁性部21が端部51b側に向かう付勢力が生じ続け、第1磁性部21と端部51bとが当接し続けることになり、この力によっても第1磁性部21が第4付勢部44付近で位置保持されることとなる。
また、図17に示すように、ケース11における上壁部13の内壁13aにおいて、第4磁性部144の上方の位置には、内壁13aから下方側に突出する突起102が形成されている。この構成では、図10(C)、図11(C)のように操作部20が他端側の位置に移動して操作部20における第1磁性部21付近が浮き上がったときには、第1磁性部21の上方に形成される孔部23h(係止部)に対してケース11(他部材)に形成された突起102が部分的に挿入され、これによって孔部23hと突起102とが係止し、第1磁性部21付近が側方(第1磁性部21と第4磁石部144との対向方向と直交する方向)に移動しにくくなる。従って、操作部20が回転しにくくなり、他端側の位置に保持されることとなる。
以上のような変形例1の構成によれば、操作部20を一端側及び他端側の位置で保持することができ、保持が解除されたときには、第1磁性部21と第3磁性部143との間で生じる反発力、或いは第1磁性部21と第4磁性部144との間で生じる反発力により第1磁性部21を所定中間位置(基準位置)側に付勢することができる。つまり、保持解除後に操作部21を自動的に基準位置に復帰しやすくして一端側に戻りにくい構成を実現できる。
また、基本的に浮き上がりを抑えるように操作しなければ係止が解除されないため、遊技者が、一端側の位置或いは他端側の位置から意図せずに操作してしまうことを防ぎやすくなり、誤操作防止の面で有利である。また、一端側の位置、或いは他端側の位置で係止部の係止動作或いは係止解除動作が行われるため、操作部20を操作する遊技者が一端側の位置或いは他端側の位置でクリック感を感じることができ、操作部20の操作性も格段に向上する。
[第1実施形態の変形例2]
第1実施形態では、連結部材を第2磁性部として機能させていたが、連結部材を第2磁性部として機能させずに、回動可能範囲の一端側又は他端側で保持されるようにしてもよい。例えば、連結部材を用いずに保持部材46とベース体41とを連結する構成としたり、或いは、第2磁性部42として構成されていた連結部材を永久磁石に吸引されにくい材質(樹脂等)に変更した構成とすることができる。なお、連結部材を用いない場合には、保持部材46とベース体41を係合爪などによって固定するようにすればよい。
例えば、第1実施形態における図1〜図15の構成の一部を変更した構成(連結部材を永久磁石に吸引されにくい材質(樹脂等)に変更した構成)について説明すると、この場合、第1実施形態の構成に代えて、例えば第1実施形態で示した第4磁性部44を「第2磁性体」として機能させ、第1磁性部21が第4磁性部44と対向した位置(対向位置)となったときに第1磁性部21と第4磁性部44とが互いに吸引するように構成すればよい。この構成では、図11(B)のように操作部20が変位範囲における一端側の位置に移動したときに、第1磁性部21と第3磁性部43とが反発し、これにより第1実施形態の図14と同様に操作部20に対し他端側に移動しようとする付勢力を与えることができる。なお、第1磁性部21において、第3磁性部43と対向する位置は「退避位置」の一例に相当する。逆に、図11(C)のように操作部20が他端側に近づくにつれて第1磁性部21と第2磁性部(第4磁性部44)との間の引力が大きくなり、これにより第1磁性部21が上記対向位置(第4磁性部44と対向する位置)側に相対移動して操作部20が他端側の位置に保持されるようになっている。
この変形例2の構成でも、操作部20が所定の変位範囲で往復動し得る構成を実現でき、且つ、変位範囲の一方側(図10(C)、図11(C)に示す他端側の位置)で、操作部20を保持し得る構成とすることができる。
なお、この変形例2の構成では、操作部20が図10(B)、図11(B)に示す一端側の位置に至ったときに第1磁性部21と第3磁性部43とが互いに吸引するようにしてもよい。この場合、もう一方側(図10(B)、図11(B)に示す一端側の位置)で、保持力を生じさせることができる。この場合、第1磁性部21と第4磁性部44は互いに吸引する構成(図10(C)、図11(C)に示す他端側で保持する構成)であってもよく、互いに反発する構成(図10(B)、図11(B)に示す一端側に戻そうとする構成)であってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図18は、第2実施形態に係る遊技機用操作装置を例示する斜視図である。図19(A)は、図18の遊技機用操作装置の平面図であり、図19(B)は、図19(A)のE−E断面図である。図20(A)は、図18の遊技機用操作装置の裏面図であり、図20(B)は、その側面図である。図21は、図18の遊技機用操作装置を分解した状態を斜め上方から見た分解斜視図である。図22は、図18の遊技機用操作装置を分解した状態を斜め下方から見た分解斜視図である。図23(A)は、図18の遊技機用操作装置において操作部が一端側に移動した様子を示す平面図であり、図23(B)は、図23(A)のF−F断面図である。図24(A)は、図18の遊技機用操作装置において操作部が他端側に移動した様子を示す平面図であり、図24(B)は、図24(A)のG−G断面図である。
第1実施形態では、操作部20が回動可能に保持される構成を例示したが、第2実施形態では、操作部220が直線的にスライド可能に保持される構成となっている。第2実施形態に係る遊技機用操作装置210も、遊技機において外部操作可能に取り付けられるものであり、少なくとも操作部220の一部(操作体223の一部)が遊技機の外部に露出するように配置されるようなっている。
図18〜図20に示すように、遊技機用操作装置210は、遊技機本体に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられる固定ベース部240と、固定ベース部240に変位可能に支持される操作部220とを備えている。
図21、図22に示すように、操作部220は、主として、操作体223と、この操作体223に固定される第1ベース体222と、この第1ベース体222に固定される第2ベース体224とを備えており、これらが一体的に連結されたユニットとして構成されている。操作体223と第1ベース体222は、ねじ部材225によって互いに連結されており、第1ベース体222と第2ベース体224とは、第1ベース体222の長手方向両端部が係合爪224a,224bと係合することで連結される構成をなしている。
第1ベース体222は、全体として板状に構成される板状部222bと、この板状部222bから上方側に突出する突出部222aとを備えており、突出部222aが第1ケース211に形成された長孔211aを介して上方に突出するようになっている。そして、第1ケース211の上壁部213が操作体223と第1ベース体222とによって挟まれる構成で配置されるようになっている。この構成では、突出部222aが長孔211aに沿って移動可能となっており、これにより、操作部220が第1ケース211に対して直線的に往復動するようになっている(図19、図23、図24参照)。
固定ベース部240は、主として、上述の第1ケース211と、第2ケース241と、基板247と、保持部材246とによって構成されており、これらが一体的に固定された構成をなしている。
第1磁性部221は、永久磁石によって構成されており、図19(B)に示すように、第2ベース体224に形成された磁石載置部224cに載置され、且つ第1ベース体222によって上方側が押さえられる構成で操作部220に保持されている。
第2磁性部242は、第1実施形態の第2磁性部42と同様の部材として構成されており、保持部材246を第2ケース241に固定するように機能している。この構成でも、第2磁性部242は、その一部を操作部220側に露出させた構成で固定ベース部240側に配置されている。
そして、図19(B)に示すように、固定ベース部240に対する操作部220の相対位置が所定の吸引位置(スライド方向中間位置)となったときに、第1磁性部221と第2磁性部242とが対向して吸引し合うことで操作部220が当該吸引位置に保持されるようになっている。
また、本実施形態では、基板247に実装された第1センサ231と第2センサ232が「検知部」に相当している。操作部220が図19に示すスライド基準位置(所定中間位置)にあるときには、これら第1センサ231、232がいずれも、被検知部271、272のいずれとも対向しないように構成されており、図19に示すスライド基準位置(所定中間位置)のときには第1センサ231、232のいずれもが非検知信号(例えばLレベル信号)を出力するようになっている。
一方、図18、図19に示すスライド基準位置(吸引位置)から操作部120が一方側又は他方側にスライド操作されたときには、第2磁性部242に対して第1磁性部221がその対向する向き(上下方向)と交差する側方側(上下方向と直交する平面方向に沿った横方向)に相対移動するようになっている。例えば、操作部220がスライド基準位置から右側に操作されて図23に示すようにスライド範囲(変位範囲)における一端側の位置(右側終端位置)に移動したときには、図23のように第1磁性部221と第3磁性部243とが上下に対向し、互いに反発し合うこととなる。従って、操作部220は、一端側の位置に至ったときにスライド基準位置側に戻そうとする復帰力(付勢力)が生じることとなる。また、この一端側の位置では、第1センサ231から検知信号(例えばHレベル信号)が出力され、第2センサ232から非検知信号(例えばLレベル信号)が出力されるため、第1センサ231及び第2センサ232からの信号を取得可能な制御回路(図示略)では、この検知信号と非検知信号の組み合わせによって操作部220が一端側の位置(左回り方向終端位置)にあることを特定することができる。
また、操作部220がスライド基準位置から左側に操作されて図24に示すようにスライド範囲(変位範囲)における他端側の位置(左側終端位置)に移動したときには、図24のように第1磁性部221と第4磁性部244とが上下に対向し、互いに反発し合うこととなる。従って、操作部220は、他端側の位置に至ったときにスライド基準位置側に戻そうとする復帰力(付勢力)が生じることとなる。また、この他端側の位置では、第2センサ232から検知信号(例えばHレベル信号)が出力され、第1センサ231から非検知信号(例えばLレベル信号)が出力されるため、第1センサ231及び第2センサ232からの信号を取得可能な制御回路(図示略)では、この検知信号と非検知信号の組み合わせによって操作部220が他端側の位置(右回り方向終端位置)にあることを特定することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1、第2実施形態では、第1磁性部と第3磁性部とが対向したときに互いに反発する構成を例示したが、第1磁性部と第3磁性部とが対向したときに互いに吸引する構成であってもよい。この場合、操作部20が一端側の位置に至ったときに当該位置で保持することができる。
第1、第2実施形態では、第1磁性部と第4磁性部とが対向したときに互いに反発する構成を例示したが、第1磁性部と第4磁性部とが対向したときに互いに吸引する構成であってもよい。この場合、操作部20が他端側の位置に至ったときに当該位置で保持することができる。
上記実施形態では、第3磁性部及び第4磁性部がいずれも永久磁石によって構成される例を示したが、いずれか一方又は両方が鉄等の強磁性体などによって構成されていてもよい。この場合、第1磁性部を一方又は両方で保持する構成とすることができる。
上記実施形態では、第1磁性部21を永久磁石によって構成した例を示したが、上記実施形態或いはいずれの変形例の構成も、第1磁性部21を鉄等の強磁性体を主体とする部材(例えば鉄や鉄を含む合金によって構成されるねじ部材等)に代えることができる。この場合、第2磁性部を永久磁石によって構成すれば、第1磁性部と第2磁性部との間では第1実施形態と同様の位置保持機能を実現できる。また、この場合、操作部が一端側に至ったときに第1磁性部が第3磁性部とが吸引し、他端側に至ったときに第1磁性部が第4磁性部と吸引することになり、両端で保持される構造となる。
第1実施形態では、操作部20が往復動(往復回動)する例を示したが、操作部20が360°回転する構成としてもよい。また、この場合、第1磁性部21と吸引可能又は反発可能な磁性部の数は1又は2に限定されず、3以上であってもよい。また、この場合、磁性部の配置位置は、第1磁性部21と対向し得る位置であれば、第1磁性部21の回転経路に沿った様々な位置とすることができる。
第1実施形態では、操作部が左回りに回転したときの端部側を「一端側」とし、右回りに回転したときの端部側を「他端側」としたが、この逆としてもよい。また、第2実施形態では、右側に移動したときの端部側を「一端側」とし、左側に移動したときの端部側を「他端側」としたが、この逆としてもよい。
上記実施形態では、遊技球貸出用の操作装置として構成される遊技機用操作装置を例示したが、他の用途の操作装置であってもよい。例えば、遊技盤に取り付けられた表示装置(例えば液晶表示装置)の表示に関連する操作を行う操作装置として構成されていてもよい。一例を挙げると、遊技盤上の表示装置において、遊技者によって選択可能な2つの表示項目(選択項目)を表示するような構成において、一方の回動方向に操作されて第一検出信号が出力されるときに一方の表示項目(選択項目)が選択され、他方の回動方向に操作されて第二検出信号が出力されるときに他方の表示項目(選択項目)が選択されるようにしてもよい。或いは、遊技盤上の表示装置において、遊技者によって選択可能な複数の表示項目(選択項目)を表示するような構成において、一方の回動方向に操作されて第一検出信号が出力されている最中には選択対象が順次切り替わりように構成し(即ち、第一検出信号を選択切り替え信号として機能させ)、他方の回動方向に操作されて第二検出信号が出力されたときに、選択されている表示項目(選択項目)の選択を決定するような構成であってもよい(即ち、第二検出信号を選択決定信号として機能させるような構成であってもよい)。
第1実施形態では、操作部20が遊技盤の盤面と略並行或いは遊技盤の盤面に対してわずかに傾いた中心軸線Gを中心として回動する構成を例示したが、このような回動構成に限られない。例えば、遊技盤の盤面と直交する方向の中心軸線或いは遊技盤の盤面と直交する方向に対してわずかに傾いた中心軸線を中心として回動するような構成であってもよい。
第1実施形態では、操作部20が当該操作部20の周囲の外壁面(図1では遊技機球受皿7の外壁面)と交差(例えば外壁面と略直交)する中心軸線を中心として回動する例を示したが、このような回動構成に限られない。例えば、操作部の周囲の外壁面と略平行の中心軸線を中心として回動するような構成であってもよい。
第2実施形態では、操作体223が上方側に露出し、横方向にスライドする例を示したが、操作体223が前方側に露出するものであってもよい。また、スライド方向も横方向に限られず、上下方向や斜め方向であってもよい。
第1実施形態では、特に図示はしていないが、基板47の上面47a側に、表示器(7セグメント方式或いはドットマトリックス方式の表示器、LED、その他の表示器)を実装し、上方側に向けて表示するようにしてもよい。この場合、上壁部23aを光透過性の材料(例えば、透明材料、半透明材料等)によって構成すれば、表示器に表示される内容を上壁部23aを介して遊技者に視認させることができるようになる。