JP5660422B2 - 残留農薬測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、農作物中の残留農薬測定方法に関し、詳しくは、ネライストキシン系農薬の分析を被検農薬標準品の使用なしで、コリンオキシターゼ(酵素)を用いて簡便かつ迅速に分析する技術に関する。
ネライストキシン系農薬には、カルタップ、ベンスルタップ、チオシクラムがある。これらは、農作物への散布後、加水分解や酸化によりネライストキシン(イソメ毒)に変化する誘導体である。ネライストキシンは昆虫に強い麻酔作用を示す物質であり、神経細胞にあるアセチルコリン受容体に結合することで機能を阻害するといった殺虫作用がある。
従来、ネライストキシン系農薬の測定には、非特許文献1に記載されているように、ガスクロマトグラフやガスクロマトグラフ質量分析計等の精密分析装置を用いて行っている。しかしながら、このような分析装置を用いた検出方法は、サンプル中に含まれている成分を網羅的に、精度良く検出できるものの、測定装置が高価であり、測定操作が煩雑で熟練を要し、測定を短時間で行うことができない等の問題があった。また、測定毎に機器校正のため農薬を使用せざるを得ない等の問題もある。
ところで、農作物の残留農薬を簡便かつ迅速に検出する方法として、特許文献1に記載されている方法が知られている。この方法では、コリンエステラーゼに農薬が阻害影響を与えることを利用し、コリンエステラーゼを添加した測定試料に、コリンオキシターゼを加え、さらに、コリンエステラーゼの基質であるアセチルコリンを添加することで、生成される過酸化水素の量を過酸化水素センサによって電流値として検知し、該電流値を、農薬を含まない試料での電流値(活性)と比較して残留農薬の検出をしている。
しかし、農作物の中にはコリンエステラーゼを非特異的に妨害(阻害)する成分を多く含むものもある。このような農作物の場合、ネライストキシン系農薬の測定は困難であった。このため、農作物中のコリンエステラーゼ妨害(阻害)成分を除くための精製工程を設けることが考えられたが、この方法では、農薬成分の回収ロスが大きくなることから、農薬の測定が困難となってしまう。
前記非特異的な妨害(阻害)の原因については、酵素タンパク質の活性部位に直接影響を与えるのではなく、活性部位上に覆い被さって酵素活性を妨害したり、基質と反応して別のものに変化させ基質濃度を低下させてしまうことなどが考えられる。
「今月の農業」編集室編「改訂4版農薬登録保留基準ハンドブック作物・水質残留基準と試験法」化学工業日報社(2003年) 特開2004−170392号公報
本発明は上記問題点にかんがみて、高価で測定装置が煩雑な装置を使用することなく、特許文献1に記載されているような簡易で迅速な測定方法によって、農作物に残留するネライストキシン系農薬の測定を行えるようにすることを技術的課題とする。
上記課題を解決するため本発明は、被検農作物の抽出液を調製する前処理工程と、前記抽出液に基質となるコリン及びコリンオキシターゼを添加する添加工程と、前記添加工程後の抽出液中の過酸化水素の量を測定する工程と、前記過酸化水素が生成される反応速度を求める工程とを含み、前記反応速度によりネライストキシン系農薬の濃度を測定する、という技術的手段を講じた。
また、基質となるコリンには塩化コリンを使用することが望ましく、前記反応速度は過酸化水素センサ又は吸光度計により測定することが可能である。
さらに、前記反応速度として、被検農作物の抽出液における過酸化水素が生成される反応速度と、農薬を含有しない理想溶液における過酸化水素が生成される反応速度との比を用いることが望ましい。

そして、前記理想溶液には、前記前処理工程で使用される緩衝液を使用することができる。
本発明によれば、比較的安価な測定装置を使用して測定することが可能であり、また、測定のための操作が簡単であり、さらに、測定を短時間で行うことが可能である。
その上、機器校正のため被検農薬を使用せざるを得ないという従来あった課題の克服までも可能にする簡易な優れた測定方法である。
本発明の測定原理の概要を示した図である。 測定用の抽出液を調製するための前処理工程を示すフロー図である。 反応速度(コリンオキシターゼの活性)を測定した結果を示している 農薬濃度換算係数Fの求め方の一つを説明するための図である。 カルタップの濃度を測定した結果を示した図である。 ベンスルタップの濃度を測定した結果を示した図である。 チオシクラムの濃度を測定した結果を示した図である。
以下、図を参照して本発明によるネライストキシン系農薬の測定を実施する形態を説明する。図1は、本発明におけるネライストキシンの測定原理の概要を示している。本発明者らは、コリンオキシターゼとその基質であるコリンを使用し、ネライストキシンによるコリンオキシターゼの活性阻害を調べた。その結果、ネライストキシンがコリンオキシターゼの活性を阻害していることが確認された。つまり、ネライストキシンが存在しなければ、コリンオキシターゼの活性が阻害されないため、過酸化水素が生成される反応速度が速く、逆に、ネライストキシンが多く存在するほど、コリンオキシターゼの活性が阻害されるので、過酸化水素が生成される反応速度が遅くなるということになる。
この事実を踏まえ、本発明では、コリンオキシターゼの活性によりコリンから過酸化水素が生成される反応速度を過酸化水素定量可能な検出器(例えば、吸光度計や過酸化水素センサなど)にて測定することで、検査対象となる農作物(以下、「被検農作物」という)の残留農薬の濃度を測定(分析)することを特徴とする。
なお、前記反応速度を、吸光度を用いて測定する方法については、特開2002−62265、特開2003−298等に記載されている方法を用いればよい。
まず、測定を行う前の抽出液の調製方法(前処理)を説明する。図2は、本発明による被検農作物からネライストキシン系の農薬成分を抽出・精製し、測定用の抽出液を調製するための前処理工程を示すフロー図である。
本実施例では、ホップ(ホップペレット(ナゲットビタータイプ90))を、被検農作物とし、測定に、残留農薬の測定装置であるACA2000A(サタケ社)を使用した場合について説明する。なお、被検農作物はホップに限定されるわけではなく、市場で流通している農作物が測定対象になる。また、前記測定装置についてもACA2000Aに限定されるわけではなく、過酸化水素を定量可能な検出器、例えば吸光度計によっても測定可能である。
ステップS1は、被検農作物からの農薬成分の抽出速度、抽出効率を高めるために農作物の粉砕を行う工程である。本実施例において使用する測定装置(ACA2000A)に対応させるために、前記ホップは6g以上使用する。このホップをミキサーにより20秒間程度粉砕する。
粉砕後、粉砕したホップを6g秤量し、該ホップを三角フラスコに投入する(ステップS2)。そして、前記三角フラスコ内のホップから農薬を抽出するために、1%L−システイン塩酸塩含有0.1mol/L塩酸(以下、「塩酸」という)を前記三角フラスコに投入し、該三角フラスコを振とう台にのせて15分間程度振とうする(ステップS3)。
振とう後、前記塩酸から粒子の大きい夾雑物を除去し、農薬を抽出した前記塩酸を回収するために濾過(ステップS4)を行う。前記濾過には、濾過鍾と桐山漏斗とを使用すればよく、洗浄済みの三角フラスコを濾過鍾に入れ、前記濾過鍾の上方に桐山漏斗を配置して、該桐山漏斗に濾紙をセットし、該濾紙を少量(1〜2mL)の塩酸で湿らせてから、前記濾紙上にセライト10g程度をまんべんなく水平に敷く。そして、アスピレータで吸引しながらステップS3で振とうした塩酸を投入し、該塩酸を濾過する。
なお、振とう時に使用した三角フラスコに残留している塩酸の残渣は、新たに追加した塩酸にて共洗いし、前記桐山漏斗に投入する。
前記濾過によって得られた濾液に含まれるネライストキシン系農薬であるカルタップ、ベンスルタップ又はチオシクラムをネライストキシンに変換するために、分液漏斗に、前記濾液、12.5%−塩化ニッケル水溶液1mL及びアンモニア水5mLを入れ、振とう器を使用して10分間程度振とうする(ステップS5)。
前記振とう後、測定の防げとなる親水性成分を前記濾液から除去するためにカラム内液々分配を行う(ステップS6)。該液々分配では、100mL保持用ケイソウ土カラムに前記濾過液を負荷し、該濾過液が全て浸透してから10分間程度静置する。そして静置後にヘキサン250mLを負荷して抽出液を回収する。
前記抽出液の回収後、前記抽出液からヘキサンを留去するために、ロータリーエバポレータを使用して、前記抽出液が10mL程度になるまで減圧濃縮を行う(ステップS7)。なお、この減圧濃縮は150hPa以上、温度30℃以下の環境で行う必要がある。
そして、ステップ7で減圧濃縮された抽出液に3mLの塩化カリウム含リン酸緩衝液(0.2M−リン酸緩衝液及び0.1M−塩化カリウム pH7.5)を入れ、引き続きロータリーエバポレータによりヘキサンの留去を行い(ステップS8)、測定目的とする成分(ネライストキシン)を前記緩衝液に溶かし込ませる。なお、ステップS8での減圧濃縮(転溶)も150hPa以上、温度30℃以下の環境で行う必要がある。ステップS8での減圧濃縮(転溶)によって、被検農作物から被検農薬成分を抽出した測定用の抽出液が調製されることになる。
次に、前記抽出液を使用して、被検農作物の残留農薬を前記測定装置(ACA2000A)により測定する方法について説明する。
ところで、本実施例の測定は下記の数式1を用いる。
数式1におけるR.A.は、相対活性値(Relative activity)である。相対活性値は、被検農作物の抽出成分を溶解した抽出液(農薬有り)と、理想溶液(農薬無し)とでコリンコリンオキシターゼの活性を、前記測定装置でそれぞれ反応速度として測定し、それら反応速度の比により求める。なお、相対活性値(R.A.)は下記の数式2により計算する。
数式2における「抽出液(農薬有り)反応速度」とは、被検農作物の抽出液の反応速度のことであり、「理想溶液(農薬無し)反応速度」とは、前記前処理工程のステップS8において使用する緩衝液の反応速度である。
抽出液(農薬有り)反応速度及び理想溶液(農薬無し)反応速度は、前記測定装置にて求める。ここで、前記測定装置によるコリンオキシターゼの活性の測定方法について説明する。
まず、前記前処理工程で調製された測定用の抽出液(2.5mL)を回転子が入った測定用カップに入れ、該測定用カップにさらに基質(5mM−塩化コリン)0.5mLを添加する(ステップS9)。
添加後、前記測定用カップを前記測定装置にセットし、該測定装置で測定を開始する。測定開始後、0.06U/mLのコリンオキシターゼを含むコリンオキシターゼ溶液(20mM−リン酸緩衝液及び10mM−塩化カリウム pH7.5)2mLが分注器により添加され、コリンオキシターゼの活性が測定される。なお、理想溶液の反応速度も前記抽出液と同様に、前記基質0.5mLと前記コリンオキシターゼ溶液2mLとを添加して測定する。
図3は、それら反応速度を前記測定装置で測定した結果を示している。図3は、横軸を時間(秒)、縦軸を電流値(nA)としている。ここでいう反応速度とは、図3で示す、電流値による変化として示される直線の傾きのことである。本発明では90秒から270秒の間の情報から前記傾きを求めている。
図3において、60秒後に急激に電流値が変化しているが、これはコリンオキシターゼ溶液が投入された60秒後に測定装置のセンサが投入されるからである。ちなみに、図3の情報から求めた抽出液(農薬有り)反応速度は、6.13[nA/30sec]であり、理想溶液(農薬無し)反応速度は、14.7[nA/30sec]であった。
また、数式1における補正係数αは、下記の数式3により求める。
補正係数αは、数式1におけるバイアス補正のための補正係数である。この補正係数αは、ネライストキシン系農薬を含有しないことが事前の検査によって確認されている農作物の抽出液(農薬無し)反応速度と、理想溶液(農薬無し)反応速度との比で求める。
なお、前記抽出液(農薬無し)反応速度は、ネライストキシン系農薬を含有しないことが事前の検査によって確認されている農作物を使用して前記前処理工程にて調製した抽出液を測定して求めればよい。
数式1のFは、農薬濃度換算係数であり、コリンオキシターゼの活性の反応速度を、残留農薬の濃度に換算するための係数である。この係数Fは、事前に求めておく必要があり、その求め方について説明する。
まず、ネライストキシン系農薬が残留していないことが確認されている農作物を用意し、前記前処理工程により測定用の抽出液を調製する。その際、前記前処理工程のステップS3(振とう)の直前に所定量のネライストキシン系農薬を添加し、ネライストキシン系農薬の濃度が明確な抽出液とする。そして、該抽出液のコリンオキシターゼの活性に係る反応速度を前記測定装置で求める。さらに、前記反応速度と理想溶液(農薬無し)反応速度との比の相対活性値を求める。この方法によって、農薬濃度の異なる複数の抽出液の相対活性値を求める。
次に、農薬濃度及び相対活性値を求めた複数の情報を用いて、農薬濃度を説明変数、相対活性値の逆数を目的変数とした回帰式を求める。そして、前記回帰式の傾きの逆数を農薬濃度換算係数とする。逆数とするのは、反応速度から濃度を換算することによる。
農薬濃度換算係数の求め方は、前述の方法に限定されるわけではなく、例えば0ppm及び5ppmの2つの農薬濃度の抽出液を調製し、それぞれの濃度での相対活性値を求めた場合には、図4に示すように、横軸(X軸)に添加した農薬の濃度、縦軸(Y軸)に相対活性値の逆数をとったグラフを作成し、2つの濃度での情報から直線(一次式)の式を求め、該直線の傾きの逆数を農薬濃度換算係数としてもよい。
上記の方法により予め用意しておいた農薬濃度を算出するための数式1に、被検農作物を測定して得た相対活性値を代入することで、前記被検農作物の残留農薬の濃度を計算により求めることができる。
なお、数式1を使用せず、農薬濃度及び相対活性値を求めた複数の情報を用いて、農薬濃度を目的変数、相対活性値の逆数を説明変数とした回帰式を求め、該回帰式を、農薬濃度を算出するための数式として使用してもよい。
ここで、本発明によってネライストキシン系農薬を測定した結果を示す。本実施例では、ネライストキシン系農薬が残留していないことが確認されている農作物を用意し、前記前処理工程により測定用の7つの抽出液を調製した。その際、前記前処理工程のステップS3(振とう)の直前に、第1の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が2.5ppmとなるようにカルタップを添加し、第2の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が5.0ppmとなるようにカルタップを添加し、第3の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が7.5ppmとなるようにカルタップを添加し、第4の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が10.0ppmとなるようにカルタップを添加し、第5の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が12.5ppmとなるようにカルタップを添加し、第6の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が15.0ppmとなるようにカルタップを添加し、そして第7の抽出液には該抽出液のカルタップの濃度が0ppmとなるようにカルタップを添加せず、カルタップの濃度が明確な抽出液それぞれ調製した。
なお、抽出液のカルタップの濃度が5.0ppmとなるようにするために添加したカルタップの量は30μgである。
そして、それぞれ濃度が異なる7つの前記抽出液の反応速度(コリンオキシターゼの活性)を本発明の方法で測定し、それぞれの抽出液毎にカルタップの濃度を算出した。その結果を図5に示している。図5は、横軸に添加したカルタップの濃度、縦軸に前記数式1で算出したカルタップの濃度を示している。なお、カルタップは添加後、ネライストキシンに変換されるので、カルタップに換算した値を縦軸に用いている。
図5で示すように、本発明の測定方法により、農作物に添加したカルタップを十分に測定できることが確認された。
次に、ベンスルタップの場合についても確認を行った。確認方法は、実施例1で示したカルタップの場合と同一であり、ネライストキシン系農薬が残留していないことが確認されている農作物を用意し、前記前処理工程により測定用の7つの抽出液を調製した。その際、前記前処理工程のステップS3(振とう)の直前に、第1の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が2.5ppmとなるようにベンスルタップを添加し、第2の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が5.0ppmとなるようにベンスルタップを添加し、第3の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が7.5ppmとなるようにベンスルタップを添加し、第4の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が10.0ppmとなるようにベンスルタップを添加し、第5の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が12.5ppmとなるようにベンスルタップを添加し、第6の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が15.0ppmとなるようにベンスルタップを添加し、そして第7の抽出液には該抽出液のベンスルタップの濃度が0ppmとなるようにベンスルタップを添加せず、ベンスルタップの濃度が明確な抽出液それぞれ調製した。
なお、抽出液のベンスルタップの濃度が7.5ppmとなるようにするために添加したベンスルタップの量は45μgである。
そして、それぞれ濃度が異なる7つの前記抽出液の反応速度(コリンオキシターゼの活性)を本発明の方法で測定し、それぞれの抽出液毎にベンスルタップの濃度を算出した。その結果を図6に示している。図6は、横軸に添加したベンスルタップの濃度、縦軸に前記数式1で算出したベンスルタップの濃度を示している。なお、ベンスルタップは添加後、ネライストキシンに変換されるので、ベンスルタップに換算した値を縦軸に用いている。
図6で示すように、本発明の測定方法により、農作物に添加したベンスルタップを十分に測定できることが確認された。
さらに、チオシクラムの場合についても確認を行った。確認方法は、実施例1で示したカルタップの場合と同一であり、ネライストキシン系農薬が残留していないことが確認されている農作物を用意し、前記前処理工程により測定用の7つの抽出液を調製した。その際、前記前処理工程のステップS3(振とう)の直前に、第1の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が2.5ppmとなるようにチオシクラムを添加し、第2の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が5.0ppmとなるようにチオシクラムを添加し、第3の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が7.5ppmとなるようにチオシクラムを添加し、第4の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が10.0ppmとなるようにチオシクラムを添加し、第5の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が12.5ppmとなるようにチオシクラムを添加し、第6の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が15.0ppmとなるようにチオシクラムを添加し、そして第7の抽出液には該抽出液のチオシクラムの濃度が0ppmとなるようにチオシクラムを添加せず、チオシクラムの濃度が明確な抽出液それぞれ調製した。
なお、抽出液のチオシクラムの濃度が10.0ppmとなるようにするために添加したチオシクラムの量は60μgである。
そして、それぞれ濃度が異なる7つの前記抽出液の反応速度(コリンオキシターゼの活性)を本発明の方法で測定し、それぞれの抽出液毎にチオシクラムの濃度を算出した。その結果を図7に示している。図7は、横軸に添加したチオシクラムの濃度、縦軸に前記数式1で算出したチオシクラムの濃度を示している。なお、チオシクラムは添加後、ネライストキシンに変換されるので、チオシクラムに換算した値を縦軸に用いている。
図7で示すように、本発明の測定方法により、農作物に添加したチオシクラムを十分に測定できることが確認された。
本発明によれば、農作物に限定されず、ネライストキシンを含有する物を測定対象とすることが可能である。
1 前処理工程のフロー図である。

Claims (5)

  1. 被検農作物の抽出液を調製する前処理工程と、
    前記抽出液に基質となるコリン及びコリンオキシターゼを添加する添加工程と、
    前記添加工程後の抽出液中の過酸化水素の量を測定する工程と、
    前記過酸化水素が生成される反応速度を求める工程とを含み、
    前記反応速度によりネライストキシン系農薬の濃度を測定することを特徴とする農作物における残留農薬の測定方法。
  2. 基質となる前記コリンが塩化コリンであることを特徴とする請求項1に記載の残留農薬の測定方法。
  3. 前記反応速度を過酸化水素センサ又は吸光度計により測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の残留農薬の測定方法。
  4. 前記反応速度が、
    被検農作物の抽出液における過酸化水素が生成される反応速度と、
    農薬を含有しない理想溶液における過酸化水素が生成される反応速度との比であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の残留農薬の測定方法。
  5. 前記理想溶液が、前記前処理工程で使用される緩衝液であることを特徴とする請求項4に記載の残留農薬の測定方法。
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