JP5659713B2 - 電動パワーステアリング装置及び車両 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、低消費電力を確保しながら信頼性を向上させることができる回転角度検出装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
この構成によれば、レゾルバの検出コイルのインダクタンスとコンデンサの静電容量とでLC共振回路を構成することができ、検出コイルから出力される検出信号の振幅を大きくすることができる。
この構成によれば、パルス励磁信号を出力した時点から検出コイルから出力される検出信号が共振された共振信号のピーク近傍でサンプリングすることができるので、誤判断を確実に防止するとこができる。
この構成によれば、電動パワーステアリング装置で、車両のイグニッションスイッチがオフ状態である停車時にステアリングホイールが操舵されて電動モータが回転されたときに、その回転角に基づいて操舵角を誤検出することなく検出することができ、絶対角度を保持して電動パワーステアリング装置の信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明による電動パワーステアリング装置の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1がステアリングシャフト2の車両後方側先端に取付けられている。このステアリングシャフト2は、運転者から作用される操舵力がステアリングホイール1を介して伝達される入力軸2aと、この入力軸2aにトーションバー2bを介して連結された出力軸2cとを備えている。
ステアリングシャフト2の出力軸2cには、操舵補助力を出力軸2cに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2cに連結した減速ギヤ機構11と、この減速ギヤ機構11に連結されて操舵補助力を発生するブラシ付き電動モータやブラシレス電動モータで構成される電動モータ12とを備えている。
回転角度検出装置15には、バッテリ16からの直流電力がイグニッションスイッチスイッチ17を介して入力されるとともに、バッテリ16の直流電力が直接入力されている。
信号切換部20は、可動接点tcが励磁信号出力端子to0、検出信号入力端子tia及びtibに接続された3つの同時に切換得られる切換スイッチSW0、SWa、SWbを備えている。そして、これら切換スイッチSW0、SWa及びSWbの一方の固定接点taが第1の回転角度位置演算部18の励振信号出力端子to1、検出信号入力端子ti1a及びti1bに接続され、他方の固定接点tbが第2の回転角度位置演算部19のパルス励磁信号出力端子to2、検出信号入力端子ti2a及びti2bに接続されている。
4象限認識部22は、検出信号入力端子ti2a及び2i2bから入力される検出信号Sa及びSbが入力され、これら検出信号Sa及びSbを閾値信号と比較する2組のコンパレータを内蔵する比較部22aと、この比較部22aの2組のコンパレータから個別に出力される比較出力Ca及びCbが入力されて比較出力Ca及びCbの組合せから回転角度が第1象限〜第4象限の何れの象限に存在するかを認識する象限変換部22bとを備えている。
今、イグニッションスイッチ16がオン状態である状態では、操舵補助制御装置33で操舵補助制御処理を実行して、トルクセンサ31で検出した操舵トルクT及び車速センサ32で検出した車速Vに基づいて低車速時には操舵トルクTに応じて大きな操舵補助電流指令値を算出し、高車速時には操舵補助電流指令値を制限することにより、車両の走行時のセルフアライニングトルクに応じた最適な操舵補助電流指令値を算出し、この操舵補助電流指令値に基づいて電動モータ12に供給するモータ電流を制御することにより、走行状態及び操舵状態に応じた最適な操舵補助力を電動モータ12で発生させる。
このため、信号切換部20の各切換スイッチSW0,SWa及びSWbの可動接点tcが固定接点ta側に切換えられるので、第1の回転角度位置演算部18が信号切換部20を介してレゾルバ13に接続される。
このため、第1の回転角度位置演算部18でA相出力Sa及びB相出力Sbに基づいてレゾルバ信号をデジタル信号に変換して高精度の回転角度位置データDrを演算し、この回転角度位置データDrを図示しないCAN等の通信ネットワークを介して操舵補助制御装置33や他の制御装置に供給する。
これと同時に、第2の回転角度位置演算部19でイグニッションスイッチ16のオフ状態への移行を検出し、信号切換部20に対して論理値“0”の切換信号Scを出力する。このため、信号切換部20の各切換スイッチSW0,SWa及びSWbの可動接点tcが固定接点ta側から固定接点tb側に切換えられ、レゾルバ13に第1の回転角度位置演算部18に代えて第2の回転角度位置演算部19が接続される。これと同時に、第2の回転角度位置演算部19の励磁回路21、象限認識部22、回転量演算部23が動作状態となる。
このため、レゾルバ13の検出用コイルLa及びLbから図3(b)に示すレゾルバロータの回転位置に応じた振幅のA相出力Sa及びB相出力Sbが出力される。このとき、第2の回転角度位置演算部19の検出信号入力端子ti2a及びti2bと信号切換部20の切換スイッチSWa及びSWbの固定接点tbとの間と接地との間に共振素子としてコンデンサCa及びCbが介挿されているので、これらコンデンサCa及びCbがレゾルバ13の検出コイルLa及びLbと並列に介挿されることになる。このため、コンデンサCa及びCbの静電容量と検出コイルLa及びLbのインダクタンスとによって並列共振回路が構成され、検出コイルLa及びLbから出力されるA相出力Sa及びB相出力Sbが共振して、図3(c)及び(d)に示すように、振幅及び周期が大きくなり、90度の位相差を有する共振信号Sra及びSrbとなる。
このため、象限変換部22bで、比較出力Sca及びScbに基づいてレゾルバ回転位置が第1象限〜第4象限の何れにあるかを判断して、その判断結果である象限認識信号Sq(n)を回転量演算部23の差分演算回路23bに出力する。
このように、操舵補助制御装置33が作動していない停止状態で、ステアリングホイール1が操舵された場合に、その操舵に応じた粗い回転角度位置データDr2が第2の回転角度位置演算部19で常時算出される。
このときの、励磁回路21から出力されるパルス励磁信号Smpのパルス幅が狭いので、低消費電力とすることができる。
その上、サンプリング信号Ssが共振信号Sra及びSrbのピーク値に合わせて設定され、パルス励磁信号Smpのパルス幅とは無関係に設定されているので、パルス励磁信号Smpのパルス幅を狭くすることが可能であり、より低消費電力で粗い回転角度位置データを得ることができる。このとき、パルス励磁信号Smpのパルス幅を例えば2/5に狭めると消費電力は1/6に低減することができる。
なお、上記実施形態においては、信号切換部20の各切換スイッチSW,SWa及びSWbを第2の回転角度位置演算部19で切換制御する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、信号切換部20自身でイグニッションスイッチ16のオン・オフを監視して切換えるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、回転角度検出装置15を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の任意の産業機械に本発明の回転角度位置検出装置を適用することができる。
Claims (5)
- 操舵補助力を発生する電動モータと、前記電動モータの回転角度位置を検出する回転角度検出装置とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記回転角度検出装置は、
励磁コイルと2相の検出コイルとを備えたレゾルバと、
該レゾルバの励磁コイルに正弦波状励磁信号を出力するとともに、前記検出コイルから出力される位相差を有する検出信号を入力して回転角度位置を演算する第1の回転角度位置演算部と、
前記レゾルバの励磁コイルにパルス励磁信号を出力するとともに、前記検出コイルから出力される位相差を有する検出信号を入力して回転角度位置を演算する第2の回転角度位置演算部と、
前記第1の回転角度位置演算部及び前記第2の回転角度位置演算部と前記レゾルバの励磁コイル及び検出コイルとの間を切り換える信号切換部とを備え、
前記第2の回転角度位置演算部は、前記各検出コイルからの検出信号の入力側と前記信号切換部との間に、前記検出コイル毎に個別の共振回路を構成する共振素子が介挿されており、
前記信号切換部は、当該電動パワーステアリング装置を搭載する車両の備えるイグニッションスイッチがオン状態である操舵補助制御状態のときに、前記第1の回転角度位置演算部と前記励磁コイル及び前記検出コイルとが接続するように切り換え、前記イグニッションスイッチがオフ状態である操舵補助制御停止状態のときに、前記第2の回転角度位置演算部と前記励磁コイル及び前記検出コイルとが接続するように切り換え、
前記第1の回転角度位置演算部は、前記イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換わったときに、前記第2の回転角度位置演算部で演算した回転角度位置を操舵補助制御時の初期回転角度位置として設定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記共振素子は前記検出コイルと並列に接続されるコンデンサで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記第2の回転角度位置演算部は、前記パルス励磁信号を出力した時点から前記共振回路で共振された共振信号のピーク近傍のタイミングで共振信号をサンプリングするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記信号切換部は、前記第1の回転角度位置演算部及び前記第2の回転角度位置演算部と前記レゾルバの励磁コイル及び前記検出コイルとの間をそれぞれ個別に切り換えるスイッチを備え、
前記共振素子は、前記スイッチよりも前記第2の回転角度位置演算部側に介挿されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置を備えた車両。
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