以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、以下においては、信号処理装置としてレーダ装置を例に挙げて説明するが、本発明はレーダ装置に限定されるものではない。入力した信号を増幅して処理に用いるものであれば適用可能である。例えばレーダ装置や医療用の装置など、微小信号を増幅して処理に用いる装置には特に好適に用いることができる。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
まず、本発明のレーダ装置1の構成について説明する。図1は、レーダ装置1の概略構成を示すブロック図である。レーダ装置1は、主として車両前方のバンパー近傍に備えられている。このレーダ装置1は、一回の走査で所定の走査範囲を走査して、車両と物標との距離を導出する。また、レーダ装置1は、物標の速度や、車両CRの速度に対する物標の速度である相対速度も導出する。導出された距離等の情報は、車両制御装置2に出力され、車両制御装置2は、入力した情報に基づいて種々の制御を行う。
レーダ装置1は、信号生成部11、発振器12、送信アンテナ13、受信アンテナ14、ミキサ15、増幅部16、AD(Analog to Digital)変換部17、信号処理部18、及び送信制御部19を備えている。
信号生成部11は、後述する送信制御部19の制御信号に基づいて、例えば三角波状に電圧が変化する変調信号を生成する。
発振器12は、電圧で発振周波数を制御する電圧制御発振器である。発振器12は、信号生成部11で生成された変調信号に基づき所定周波数の信号(例えば、76.5GHz)を周波数変調し、この所定周波数(76.5GHz)を中心周波数とする周波数帯の送信信号として送信アンテナ13に出力する。
送信アンテナ13は、送信信号に係る送信波を車両外部に出力するアンテナである。送信アンテナ13は、発振器12と接続され、発振器12から入力した送信信号に対応した送信波を車両外部に出力する。なお、本実施の形態では、1本の送信アンテナを用いた構成について説明するが、本発明は、2本又は4本等の複数本の送信アンテナを用いた構成としてもよい。
受信アンテナ14は、送信アンテナ13から送信された送信波が物体にて反射した際の反射波を受信する複数のアレーアンテナである。本実施の形態では、受信アンテナとして、4本の受信アンテナ14a〜14dを備えている。なお、受信アンテナ14a〜14dのそれぞれのアンテナは等間隔に配置されている。
ミキサ15は、各受信アンテナ14a〜14dに設けられており、受信信号と送信信号とを混合する。そして、ミキサ15は、受信信号と送信信号とを混合する際に、送信信号と受信信号との差の信号であるビート信号を生成し、増幅部16に出力する。
増幅部16は、ミキサ15から入力したビート信号を所定の増幅率で増幅し、増幅したビート信号をAD変換部17に出力する。なお、増幅部16もミキサ15と同様に各受信アンテナ14a〜14dに設けられている。また、増幅部16は、ビート信号の他にも、電源から電圧信号を入力し、この入力した電圧信号も増幅するようになっている。これは、後段の信号処理部18にて電源の出力電圧の異常の有無を検出するためである。増幅部16の詳細な構成については後述する。
AD変換部17は、アナログ信号であるビート信号をデジタル信号に変換する。AD変換部17は、アナログ信号のビート信号を所定周期でサンプリングして、複数のサンプリングデータを導出する。そして、AD変換部17は、サンプリングされたデータを量子化することで、アナログ信号のビート信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号のビート信号を信号処理部18に出力する。なお、AD変換部17もミキサ15と同様に各受信アンテナ14a〜14dに設けられている。
信号処理部18は、CPU181及びメモリ182を備えるコンピュータである。信号処理部18は、AD変換部17から出力されたデジタル信号のビート信号をFFT処理し、FFTデータを取得してメモリ182に記憶する。そして、信号処理部18は、FFTデータのビート信号の中から所定の条件に対応する信号を物標導出に用いるピーク信号として抽出する。このピーク信号の抽出は、UP区間及びDOWN区間の各々について行われる。そして、信号処理部18は、UP区間のピーク信号とDOWN区間のピーク信号とをペアリングして物標情報を導出する。また、信号処理部18は、電圧信号に基づいて、電源の出力電圧の異常の有無の検出も行う。
メモリ182は、CPU181により実行される各種演算処理などの実行プログラムを記憶する。また、メモリ182は、信号処理部18が導出した複数の物標情報を記憶する。例えば、過去の処理と今回の処理とで導出された物標情報(物標の縦距離、横距離及び相対速度)を記憶する。さらに、メモリ182は、FFT処理により取得されたFFTデータ182aを記憶する。このFFTデータ182aには、今回の物標導出処理で取得したFFTデータの他に、過去の物標導出処理で取得したFFTデータも含まれる。さらに、メモリ182は、電源の出力電圧に異常があった場合には、その異常に関する情報を記憶する。
送信制御部19は、信号処理部18と接続され、信号処理部18からの信号に基づき、変調信号を生成する信号生成部11に制御信号を出力する。
ここで、増幅部16の構成についてより具体的に説明する。図2は、増幅部16の構成を示すブロック図である。図2に示すように、増幅部16は、HPF用コンデンサ161、HPF用抵抗162、ゲイン設定用第1抵抗163、ゲイン設定用第2抵抗164、アンプ165、バッファ用アンプ166、及びスイッチ167を備えている。つまり、増幅部16は、信号の増幅に必要な種々の回路から構成される信号処理回路といえる。
増幅部16は、上述のように、ミキサ15から入力したビート信号を所定の増幅率で増幅した後に、AD変換部17に出力するものである。具体的には、増幅部16に入力したビート信号は、HPF用コンデンサ161及びHPF用抵抗162によってDC成分がカットされ、アンプ165にはビート信号のAC成分のみが入力される。アンプ165に入力したビート信号は、ゲイン設定用第1抵抗163及びゲイン設定用第2抵抗164によって定められた所定の増幅率で増幅されて出力される。そして、増幅されたビート信号は、バッファ用アンプ166を介して後段のAD変換部17に出力される。
また、アンプ165及びバッファ用アンプ166には、駆動用の電源20が接続されており、これらアンプ165及びバッファ用アンプ166は、電源20から電圧が印加されることで駆動する。また、電源20は、スイッチ167を介してHPF用コンデンサ161の前段とも接続されている。つまり、スイッチ167がオンのときは、電源20からの電圧信号がアンプ165にも入力される。これに対して、スイッチ167がオフのときは、電源20からの電圧信号はアンプ165に入力されない。このスイッチ167のオン又はオフは、信号処理部18からの制御信号により制御される。
スイッチ167がオンされると、電源20からの電圧信号は、ビート信号と同様に、HPF用コンデンサ161等を介してアンプ165に入力される。つまり、電圧信号のDC成分がカットされ、AC成分のみがアンプ165に入力される。そして、電圧信号は、アンプ165にて所定の増幅率で増幅された後に、バッファ用アンプ166を介してAD変換部17に出力される。これにより、電圧信号が微小な信号であったとしても、増幅させることによって検出することが可能になる。
<1−2.処理>
次に、レーダ装置1の処理について説明する。図3は、レーダ装置1の処理を示すフローチャートである。
レーダ装置1は、電源が投入されて起動すると、電源の出力電圧の異常の有無を監視する(ステップS101)。具体的には、レーダ装置1は、自装置が起動したことを検知すると、物標の導出処理を開始する前に、信号処理部18の制御により増幅部16のスイッチ167をオンにする。すると、電源20とアンプ165とが接続され、電源20の電圧信号がHPF用コンデンサ161を介してアンプ165に入力される。アンプ165は、入力した電圧信号を所定の増幅率で増幅する。増幅された電圧信号は、AD変換部17を介して信号処理部18に入力される。そして、信号処理部18は、入力した電圧信号に基づいて電源20の出力電圧の異常の有無を検出する。つまり、電源又はその出力に異常があるか否かを判断する。
電源20の出力電圧に異常がある場合とは、例えば、電源20の出力電圧が発振している場合が挙げられる。このため、本明細書においては、電源20の出力電圧の異常として、電源20の出力電圧が発振している状態を例に挙げて説明する。なお、以下においては、「電源の出力電圧の異常」を、電源の出力が異常であることとして、単に「電源出力の異常」と記載する。
つまり、信号処理部18は、入力した電圧信号に基づいて出力電圧が発振していると判断した場合には、電源出力に異常があると判断する。出力電圧が発振しているか否かの判断は、例えば、FFT処理により行うことができる。出力電圧が発振している場合とは、同一の周期で電圧の変動を繰り返している場合である。このため、発振している電圧信号をFFT処理すると、発振している周波数(発振周波数)でピークを持つことになる。したがって、電源の出力をFFT処理した結果が、いずれかの周波数でピークを有する場合には、電源の出力電圧は、その周波数で発振していると判断することができる。そして、信号処理部18は、出力電圧が発振周波数で発振していることを検出し、電源出力に異常があることを検出する。
なお、電源20の出力電圧が発振しているか否かの判断方法は、これに限定されるものではない。電源の出力電圧が発振していることを判断できる方法であれば他の方法を用いることができる。また、電源出力の異常の種類も、発振に限定されるものではなく、他の異常であってもよい。
そして、電源出力に異常があると判断した場合には(ステップS102でYes)、レーダ装置1は、ユーザに対して異常である旨を警告し(ステップS103)、レーダ装置1の駆動を停止する(ステップS104)。電源出力に異常があると物標を誤検出する可能性がある。このため、本実施の形態では、電源出力に異常があったときは、レーダ装置1を停止させることとしている。ただし、ユーザはなぜレーダ装置1が駆動しないのかわからない場合がある。このため、ユーザに対して警告を報知することで、レーダ装置1の駆動を停止した旨を報知することとしている。
ユーザへの警告は、表示や音などを用いて行うことができる。例えば、電源出力に異常がある旨をディスプレイに表示したり、音声を出力したりする方法である。ただし、ユーザに対して警告が報知できる方法であれば、他の方法であってもよい。
信号処理部18は、電源出力に異常があると判断すると、レーダ装置1の各構成の駆動を停止する。すなわち、レーダ装置1は、送信波の送信や受信波の受信を停止する。これにより、レーダ装置1は、物標導出処理を停止する。なお、レーダ装置1の駆動を停止する方法は、全構成の駆動を停止することに限定されるものではなく、一部の構成の駆動を停止することでもよい。例えば、送信波の送信や受信波の受信は実行するが、信号処理部18が物標導出処理を実行しない方法を用いてもよい。また、送信波の送信や受信波の受信を実行し、信号処理部18による物標導出処理も実行するが、物標情報の出力を行わない方法を用いてもよい。
一方、電源出力に異常がないと判断した場合には(ステップS102でNo)、レーダ装置1は、物標導出処理を実行する(ステップS105)。ここで、レーダ装置1の物標導出処理について説明する。図4は、レーダ装置1の物標導出処理を示すフローチャートである。
レーダ装置1は、送信アンテナ13から送信波を送信し(ステップS201)、送信波が物標に反射することによって到来する反射波を受信アンテナ14で受信する(ステップS202)。そして、レーダ装置1は、送信波に対応する送信信号と反射波に対応する受信信号との差分の信号であるビート信号(制御用信号)を生成する。アナログ信号であるビート信号は、増幅部16にて増幅され、AD変換部17にてデジタル信号に変換された後に、信号処理部18に入力される。
次に、レーダ装置1は、デジタル信号のビート信号に対してFFT処理を行う(ステップS203)。これにより、レーダ装置1は、ビート信号に関する周波数ごとの信号レベルの値を有するFFTデータを取得する。なお、FFTデータは、各受信アンテナ14a〜14d毎に取得される。
そして、レーダ装置1は、FFTデータの中から物標情報の導出に用いるピーク信号を抽出する(ステップS204)。具体的には、レーダ装置1は、FFTデータのうち信号レベルの値が所定の閾値を超える信号をピーク信号とする。
次いで、レーダ装置1は、抽出したピーク信号に基づいて物標情報を導出する(ステップS205)。物標情報とは、例えば、レーダ装置1に対する物標の方位(角度)や、レーダ装置1から物標までの距離や、レーダ装置1に対する相対速度などである。なお、ピーク信号を用いてこれら各物標情報を導出する方法は、既存の方法を用いることができる。
このようにして、本実施の形態では、電源出力の異常の有無を監視して、電源出力に異常がない場合にレーダ装置1による物標情報の導出処理を実行し、電源出力に異常がある場合にはレーダ装置1を停止させることとしている。このため、電源出力の異常に起因した物標の誤検出を防止することが可能になる。
また、電源出力の異常の有無の監視は、レーダ装置1が物標導出処理を開始する前に実行するため、電源出力の異常の有無の監視用に、物標導出処理に用いる増幅部16を用いることができる。このため、電源出力の異常監視用の構成を別途設ける必要がなく、レーダ装置1の構成を共用することができるため、高コスト化及び大型化を回避することが可能になる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、電源出力に異常があった場合には、レーダ装置を停止して物標の誤検出を防止する構成について説明したが、レーダ装置を停止せずに(すなわち、物標導出処理を実行しながら)物標の誤検出を防止する構成としてもよい。このため、第2の実施の形態では、レーダ装置が、物標導出処理を実行しつつ、物標の誤検出も防止する方法について説明する。
<2−1.構成>
第2の実施の形態に係るレーダ装置1は、図1に示すレーダ装置1と同様の構成である。このため、本実施の形態に係るレーダ装置1の構成についての説明は省略する。
<2−2.処理>
第2の実施の形態に係るレーダ装置1の処理について説明する。図5は、第2の実施の形態に係るレーダ装置1の処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態に係る処理の一部は、第1の実施の形態と同様である。このため、本実施の形態の説明では、第1の実施の形態と異なる処理を中心に説明する。
レーダ装置1は、電源が投入されて起動すると、電源出力の異常の有無を監視する(ステップS301)。この処理は、上述したステップS101と同様の処理である。電源出力に異常がないと判断した場合には(ステップS302でNo)、レーダ装置1は、物標導出処理を実行する(ステップS305)。
一方、電源出力に異常があると判断した場合には(ステップS302でYes)、レーダ装置1は、ユーザに対して異常である旨を警告する(ステップS303)。この処理は、上述したステップS103と同様の処理である。
そして、レーダ装置1は、異常情報を保持する(ステップS304)。異常情報とは、異常に関する情報であり、本実施の形態では発振周波数などの情報である。つまり、電源20の出力電圧が発振している場合には、レーダ装置1は、異常情報として発振周波数をメモリ182に記憶する。
次に、レーダ装置1は、物標導出処理を実行する(ステップS305)。物標導出処理について図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係る物標導出処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係る物標導出処理は、第1の実施の形態で説明した物標導出処理のうち、ピーク抽出処理が異なる。そこで、以下では、ピーク抽出処理を中心に説明する。
物標導出処理(ステップS305)では、レーダ装置1は、送信波送信処理(ステップS401)、反射波受信処理(ステップS402)、及びFFT処理(ステップS403)を実行する。これら各処理は、第1の実施の形態で説明したステップS101〜ステップS103と同様の処理である。これにより、物標に対応するビート信号のFFTデータを取得する。
そして、レーダ装置1は、ピーク抽出処理(ステップS404)を行う。ここで、ピーク抽出処理について図7に基づいて説明する。図7は、本実施の形態に係るピーク抽出処理を示すフローチャートである。
ピーク抽出処理では、まず、電源出力に異常があったか否かを確認する(ステップS501)。これは、電源出力の異常を監視する処理(ステップS301)において、電源出力に異常があったと判断していたか否かの確認である。確認は、異常の有無を示すフラグにより判断してもよいし、異常情報の内容から判断してもよい。例えば、異常の有無の結果をフラグで設定する構成とすれば、そのフラグを確認することで異常の有無を判断することができる。また、メモリ182に異常情報が記憶されている場合には異常があったと判断することもできる。
電源出力に異常があった場合には(ステップS501でYes)、レーダ装置1は、異常情報を抽出する(ステップS502)。つまり、電源20の出力電圧が発振している場合には、レーダ装置1は、異常情報として記憶されている発信周波数をメモリ182から読み出す。
そして、レーダ装置1は、読み出した異常情報を除外する(ステップS503)。具体的には、FFT処理にて取得したFFTデータから、異常情報として取得した発振周波数に相当する部分のデータを除外する。つまり、FFTデータの発振周波数の部分をマスクする。これにより、電源出力の異常に起因したピーク信号が除かれたFFTデータ(除外後FFTデータ(除外信号))が得られる。
ここで、この除外後FFTデータを取得する内容について図8を用いて説明する。図8は、FFTデータを示す図である。図8(a)は、電源出力の異常の有無を監視した際に取得したFFTデータである。このFFTデータが異常情報に相当するデータとなる。図8(b)は、ビート信号のFFTデータである。図8(c)は、除外後FFTデータである。
図8(a)に示すように、電源20の出力電圧が発振している場合には、電圧信号をFFT処理すると、得られるスペクトラムには発振周波数の部分にピークが存在する。また、電源20から出力される電圧信号がビート信号に重畳しているため、図8(b)に示すように、ビート信号をFFT処理して得られるスペクトラムにも、発振周波数の部分にピークが存在する。
そこで、異常情報をピーク抽出処理に用いないために、ビート信号のFFTデータのうち、発振周波数に相当する部分のデータをマスクする。すると、図8(c)に示すような発振周波数近辺のデータが除外された除外後FFTデータを得ることができる。
図7に戻り、レーダ装置1は、除外後FFTデータを用いてピーク抽出処理を実行する(ステップS504)。このピーク抽出処理は、第1の実施の形態と同様にして行うことができる。すなわち、除外後FFTデータのうち信号レベルの値が所定の閾値を超える信号をピーク信号として抽出する。この場合の除外後FFTデータは、発振周波数に相当する部分のデータが除外されている。このため、電源20の出力電圧の発振に起因したピーク信号を物標として誤検出してしまうことを回避できるようになっている。
なお、電源出力に異常がなかった場合にも(ステップS501でNo)、同様にピーク抽出処理を実行する(ステップS504)。この場合においては、異常情報を除外する処理はないため、ビート信号から得られたFFTデータに対してピーク信号の抽出を行う。
そして、図6に戻り、抽出したピーク信号に基づいて物標情報の導出処理を実行する(ステップS405)。この処理は、上述したステップS205と同様にして行うことができる。
このようにして、本実施の形態では、電源出力に異常があった場合においては、その異常情報を除外してピーク信号を抽出する。つまり、電源の出力電圧が発振している場合には、FFTデータのうち発振周波数に相当する部分をマスクすることで、電源電圧の発振に起因したピーク信号を除外したFFTデータに基づいた物標導出処理が可能になる。その結果、物標を誤って検出してしまうことを防止することが可能になる。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、電源出力に異常があった場合には、異常情報を除外したFFTデータに基づいてピーク抽出処理を実行していた。具体的には、電源の出力電圧が発振している場合には、FFTデータの発振周波数部分をマスクした除外後FFTデータを用いてピーク抽出処理を実行していた。他の方法として、発振周波数をマスクすることの他に、FFTデータから、電源電圧の発振に起因するピーク信号のみを減算する方法も挙げられる。そこで、第3の実施の形態では、電源電圧の発振に起因するピーク信号を減算して得られたFFTデータを用いる方法について説明する。
<3−1.構成>
第3の実施の形態に係るレーダ装置1においても、図1に示すレーダ装置1と同様の構成である。このため、本実施の形態に係るレーダ装置1の構成についての説明は省略する。
<3−2.処理>
第3の実施の形態に係るレーダ装置1の処理について説明する。図9は、第3の実施の形態に係るレーダ装置1の処理を示すフローチャートである。第3の実施の形態に係る処理の一部は、第1の実施の形態と同様である。このため、本実施の形態の説明では、第1の実施の形態と異なる処理を中心に説明する。
レーダ装置1は、電源が投入されて起動すると、電源出力の異常の有無を監視する(ステップS601)。この処理は、上述したステップS101と同様の処理である。電源出力に異常がないと判断した場合には(ステップS602でNo)、レーダ装置1は、物標導出処理を実行する(ステップS605)。
一方、電源出力に異常があると判断した場合には(ステップS602でYes)、レーダ装置1は、ユーザに対して異常である旨を警告する(ステップS603)。この処理は、上述したステップS103と同様の処理である。
そして、レーダ装置1は、異常情報を保持する(ステップS604)。異常情報とは、異常に関する情報であり、本実施の形態では発振周波数及び信号レベル値などの情報である。つまり、電源20の出力電圧が発振している場合には、レーダ装置1は、異常情報として発振周波数と信号レベル値とをメモリ182に記憶する。
次に、レーダ装置1は、物標導出処理を実行する(ステップS605)。物標導出処理について図10を用いて説明する。図10は、本実施の形態に係る物標導出処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係る物標導出処理は、第1の実施の形態で説明した物標導出処理のうち、ピーク抽出処理が異なる。そこで、以下では、ピーク抽出処理を中心に説明する。
物標導出処理(ステップS605)では、レーダ装置1は、送信波送信処理(ステップS701)、反射波受信処理(ステップS702)、及びFFT処理(ステップS703)を実行する。これら各処理は、第1の実施の形態で説明したステップS101〜ステップS103と同様の処理である。これにより、物標に対応するビート信号のFFTデータを取得する。
そして、レーダ装置1は、ピーク抽出処理を行う(ステップS704)。ここで、ピーク抽出処理について図11に基づいて説明する。図11は、本実施の形態に係るピーク抽出処理を示すフローチャートである。
ピーク抽出処理では、まず、電源出力に異常があったか否かを確認する(ステップS801)。これは、電源出力の異常を監視する処理(ステップS601)において、電源出力に異常があったと判断していたか否かの確認である。確認は、異常の有無を示すフラグにより判断してもよいし、異常情報の内容から判断してもよい。例えば、異常の有無の結果をフラグで設定する構成とすれば、そのフラグを確認することで異常の有無を判断することができる。また、メモリ182に異常情報が記憶されている場合には異常があったと判断することもできる。
電源出力に異常があった場合には(ステップS801でYes)、レーダ装置1は、異常情報を抽出する(ステップS802)。つまり、電源20の出力電圧が発振している場合には、レーダ装置1は、異常情報として記憶されている発信周波数及び信号レベル値をメモリ182から読み出す。
そして、レーダ装置1は、読み出した異常情報を減算する(ステップS803)。具体的には、FFT処理にて取得したFFTデータから、異常情報として取得した発振周波数における信号レベル値を減算する。つまり、FFTデータのうち、発振に起因して生じたピーク信号のみを減算する。これにより、電源出力の異常に起因したピーク信号のみが除かれたFFTデータ(減算後FFTデータ(減算信号))が得られる。
ここで、この減算後FFTデータを取得する内容について図12を用いて説明する。図12は、FFTデータを示す図である。図12(a)は、電源出力の異常の有無を監視した際に取得したFFTデータである。このFFTデータが異常情報に相当するデータとなる。図12(b)は、ビート信号のFFTデータである。図12(c)は、減算後FFTデータである。
図12(a)に示すように、電源20の出力電圧が発振している場合には、電圧信号をFFT処理すると、得られるスペクトラムには発振周波数の部分にピークが存在する。また、電源20から出力される電圧信号がビート信号に重畳しているため、図12(b)に示すように、ビート信号をFFT処理して得られるスペクトラムにも、発振周波数の部分にピークが存在する。なお、図12(b)には、物標に対応するピーク信号が点線で示されている。このように、本来、物標に対応するピーク信号が存在する場合であっても、電源電圧の発振に起因するピーク信号が大きい場合には、埋もれてしまっていることがある。
このような場合、第2の実施の形態のように、発振周波数に相当する部分をマスクしてしまうと、物標に対応するピーク信号までも除外してしまうことになるため、本来存在していたはずの物標を検出することができなくなってしまう場合がある。このため、本実施の形態では、それをも防止するために、電源電圧の発振に起因して生じるピーク信号のみを減算することとしている。
具体的には、レーダ装置1は、異常情報として記憶されている発振周波数と信号レベル値とをメモリ182から読み出す。そして、レーダ装置1は、ビート信号から得たFFTデータの発振周波数部分のピーク信号から、読み出した信号レベル値に相当するデータを減算する。これにより、図12(c)に示すように、発振周波数近辺のデータから電源電圧の発振に起因して生じたピーク信号のみが減算された減算後FFTデータを得ることができる。
図11に戻り、レーダ装置1は、減算後FFTデータを用いてピーク抽出処理を実行する(ステップS804)。このピーク抽出処理は、第1の実施の形態と同様にして行うことができる。すなわち、減算後FFTデータのうち信号レベルの値が所定の閾値を超える信号をピーク信号として抽出する。この場合の減算後FFTデータは、電源電圧の発振に対応するピーク信号のみが減算されている。このため、電源20の出力電圧の発振に起因したピーク信号を物標として誤検出してしまうことを回避できるとともに、発振周波数付近に存在する本来の物標の検出も可能になる。
なお、電源出力に異常がなかった場合にも(ステップS801でNo)、同様にピーク抽出処理を実行する(ステップS804)。この場合においては、異常情報を減算する処理はないため、ビート信号から得られたFFTデータに対してピーク信号の抽出を行う。
そして、図10に戻り、抽出したピーク信号に基づいて物標情報の導出処理を実行する(ステップS705)。この処理は、上述したステップS205と同様にして行うことができる。
このようにして、本実施の形態では、電源出力に異常があった場合においては、その異常情報を減算してピーク信号を抽出する。つまり、電源の出力電圧が発振している場合には、FFTデータのうち電源電圧の発振に対応するデータのみを減算することで、電源電圧の発振に起因したピーク信号を物標として誤検出してしまうことを防止できるとともに、発振周波数付近に存在する物標を検出することが可能になる。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。上記各実施の形態では、電源出力に異常がある場合を例に挙げて説明した。ただし、例えば電源としてスイッチング電源を用いた場合には、電源出力に異常がない場合であっても、スイッチングによるノイズがビート信号に重畳し、このスイッチングノイズによるピーク信号を物標として誤検出してしまう場合がある。このため、本実施の形態では、これを防止する構成について説明する。
<4−1.構成>
第4の実施の形態に係るレーダ装置1においても、図1に示すレーダ装置1と同様の構成である。このため、本実施の形態のレーダ装置1に係る構成についての説明は省略する。
また、本実施の形態に係る増幅部16の構成も、図2に示す増幅部16と同様の構成である。ただし、本実施の形態に係る電源20は、スイッチングによってON及びOFFが切り替わる、いわゆるスイッチング電源である。この電源20は、予め定められたスイッチング周波数で駆動しているが、後述するように、所定の条件でスイッチング周波数を変更するようになっている。このため、電源20には、スイッチング周波数を変更する構成(例えば変調回路等)が設けられている。
<4−2.処理>
第4の実施の形態に係るレーダ装置1の処理について説明する。図13は、本実施の形態に係るレーダ装置1の処理を示すフローチャートである。
レーダ装置1は、電源が投入されて起動すると、スイッチングノイズの有無を監視する(ステップS901)。具体的には、レーダ装置1は、自装置が起動したことを検知すると、物標の導出処理を開始する前に、信号処理部18の制御により増幅部16のスイッチ167をオンにする。すると、電源20とアンプ165とが接続され、電源20の電圧信号がHPF用コンデンサ161を介してアンプ165に入力される。アンプ165は、入力した電圧信号を所定の増幅率で増幅する。増幅された電圧信号は、AD変換部17を介して信号処理部18に入力される。そして、信号処理部18は、入力した電圧信号に基づいてスイッチングノイズの有無を判断する。
具体的には、信号処理部18は、入力した電圧信号をFFT処理してFFTデータを取得する。そして、信号処理部18は、取得したFFTデータに基づいてスイッチングノイズの有無を判断する。スイッチング周波数は予め定められているため、信号処理部18は、FFTデータのうち、その所定の周波数付近にピーク信号があるか否かによって判断する。ピーク信号がある場合には、スイッチングノイズが存在し、ピーク信号が無い場合には、スイッチングノイズが存在しないことになる。また、信号処理部18は、FFTデータのうち、所定の周波数の高調波付近にピーク信号があるか否かによって判断してもよい。
なお、電源20のスイッチングノイズがあるか否かの判断方法は、これに限定されるものではない。スイッチングノイズの有無を判断できる方法であれば他の方法を用いることもできる。
そして、スイッチングノイズが存在する場合には(ステップS902でYes)、レーダ装置1は、ノイズ情報を保持して(ステップS903)、物標導出処理を実行する(ステップS904)。ノイズ情報とは、スイッチングノイズの存在する周波数とその信号レベル値などの情報である。一方、スイッチングノイズが存在しない場合には(ステップS902でNo)、物標導出処理を実行する(ステップS904)。
ここで、本実施の形態に係る物標導出処理について図14を用いて説明する。図14は、レーダ装置1の物標導出処理を示すフローチャートである。
レーダ装置1は、送信アンテナ13から送信波を送信し(ステップS1001)、送信波が物標に反射することによって到来する反射波を受信アンテナ14で受信する(ステップS1002)。そして、レーダ装置1は、送信波に対応する送信信号と反射波に対応する受信信号との差分の信号であるビート信号を生成する。アナログ信号であるビート信号は、増幅部16にて増幅され、AD変換部17にてデジタル信号に変換された後に、信号処理部18に入力される。
次に、レーダ装置1は、デジタル信号のビート信号に対してFFT処理を行う(ステップS1003)。これにより、レーダ装置1は、ビート信号に関する周波数ごとの信号レベルの値を有するFFTデータを取得する。なお、FFTデータは、各受信アンテナ14a〜14d毎に取得される。
そして、レーダ装置1は、スイッチングノイズがあったか否かを確認する(ステップS1004)。これは、スイッチングノイズの有無を監視する処理(ステップS902)において、スイッチングノイズがあると判断していたか否かの確認である。確認は、スイッチングノイズの有無を示すフラグにより判断してもよいし、ノイズ情報の内容から判断してもよい。例えば、スイッチングノイズの有無の結果をフラグで設定する構成とすれば、そのフラグを確認することでスイッチングノイズの有無を判断することができる。また、メモリ182にノイズ情報が記憶されている場合にはスイッチングノイズがあったと判断することもできる。
スイッチングノイズがない場合には(ステップS1004でNo)、レーダ装置1は、ピーク抽出処理を実行する(ステップS1007)。一方、スイッチングノイズがあった場合には(ステップS1004でYes)、レーダ装置1は、スイッチング周波数付近にピーク信号が存在するか否かを判断する(ステップS1005)。具体的には、レーダ装置1は、ビート信号をFFT処理して取得したFFTデータのスイッチング周波数付近に、スイッチングノイズ以外のピーク信号が存在するか否かを判断する。
スイッチングノイズが発生している場合には、FFTデータにはスイッチングノイズも重畳している。したがって、物標に対応するピーク信号の近くにスイッチングノイズが存在すると、物標を誤検出してしまう可能性がある。このため、スイッチング周波数付近にスイッチングノイズ以外のピーク信号が存在するか否かを判断している。
具体的には、レーダ装置1は、メモリ182に記憶したノイズ情報を読み出して、ノイズ情報に含まれるスイッチング周波数とその周辺の周波数のFFTデータを検索する。FFTデータのスイッチング周波数付近にピーク信号が存在するときは、スイッチングノイズ以外のピーク信号があると判断する。
なお、スイッチング周波数付近に存在するピーク信号が、物標に対応するピーク信号なのかスイッチングノイズなのかが不明な場合がある。この場合には、FFTデータからスイッチングノイズを減算してもよい。スイッチングノイズを減算した後のFFTデータにピーク信号が存在していれば、そのピーク信号は物標に対応するピーク信号(すなわち、スイッチングノイズ以外のピーク信号)であると判断できる。
スイッチング周波数付近にスイッチングノイズ以外のピーク信号が存在しないと判断した場合には(ステップS1005でNo)、レーダ装置1は、ピーク抽出処理を実行する(ステップS1007)。
一方、スイッチング周波数付近にスイッチングノイズ以外のピーク信号が存在すると判断した場合には(ステップS1005でYes)、レーダ装置1は、スイッチング周波数を変更する(ステップS1006)。具体的には、信号処理部18は、電源20に接続された変調回路等を制御してスイッチング周波数を変更する。これにより、物標に対応するピーク信号の付近に存在していたスイッチングノイズが他の周波数に移ることになる。
なお、変更する周波数は特に限定されるものではなく適宜設定可能である。予め変更後の周波数を定めておいてもよいし、取得したFFTデータを参照して、物標に対応するピーク信号が存在していない周波数に変更する構成としてもよい。
そして、レーダ装置1は、スイッチング周波数を変更すると、ピーク抽出処理を実行する(ステップS1007)。つまり、レーダ装置1は、FFTデータの中から物標情報の導出に用いるピーク信号を抽出する。具体的には、レーダ装置1は、FFTデータのうち信号レベルの値が所定の閾値を超える信号をピーク信号とする。
次いで、レーダ装置1は、抽出したピーク信号に基づいて物標情報を導出する(ステップS1008)。物標情報とは、上記各実施の形態と同様に、物標の方位(角度)や、距離、相対速度などである。また、ピーク信号を用いてこれら各物標情報を導出する方法も、既存の方法を用いることができる。
このようにして、本実施の形態では、スイッチングノイズがFFTデータに重畳して、物標に対応するピーク信号の付近に出現した場合であっても、スイッチング周波数を変更することができるため、スイッチングノイズを物標に対応するピーク信号から離すことが可能となり、その結果、物標の誤検出を回避することが可能になる。
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
上記各実施の形態では、レーダ装置1が起動した際に、電源出力の異常の有無を監視したり、スイッチングノイズの有無を監視したりしていたが、レーダ装置1の駆動中の所定のタイミングで実行してもよい。
図15は、レーダ装置1の処理周期の概略を示す図である。図15に示すように、レーダ装置1は、送信波及び受信波を送受信する期間(T2)と、各種信号を処理する期間(T3)とを有している。そして、これら期間T2及び期間T3を合わせた期間(T1)が、レーダ装置1の処理の1周期となっている。すなわち、レーダ装置1は、この期間T1を1周期として処理を繰り返し実行している。
この期間T3は、送信波及び受信波の送受信を行っていない期間であり、増幅部16にはビート信号が入力されていない。したがって、レーダ装置1の駆動中であっても、この期間T3内であればスイッチ167をオンして電源20を接続することで、電源出力の異常の有無やスイッチングノイズの有無を監視することが可能になる。
レーダ装置1の駆動中に電源出力の異常の有無やスイッチングノイズの有無の監視を行う場合には、各周期の期間T3毎に行ってもよいし、所定のタイミングの期間T3で行ってもよい。つまり、電源出力の異常の有無やスイッチングノイズの有無を監視する必要のある任意のタイミングで行えばよい。
このように、レーダ装置1の駆動中であっても、適宜異常の有無等の監視を行うことで、起動後の変化にも対応できるため、物標情報の導出をより高精度に行うことが可能になる。また、増幅部にビート信号が入力されていない期間(すなわち、本来であれば増幅部がオフになっていたであろう期間)を利用して異常の有無等の監視を行うため、監視用の構成を別途設ける必要がなく、信号処理用の増幅部と共用することができる。その結果、低コスト化及び小型化を実現することができる。
なお、本発明においては、電源出力の異常の有無やスイッチングノイズの有無の監視時に、増幅部の前段(ミキサの後段)をハイインピーダンスにする構成としてもよい。これらの監視時であるレーダ装置の起動時や上述したT3の期間は、増幅部にビート信号が入力されていない期間であるものの、増幅部の前段をハイインピーダンスにすることで、ビート信号や他の信号が誤って入力してしまうことを確実に防止することができる。
また、このように信号の誤入力を防止する構成として、例えば、図16及び図17のような構成とすることができる。増幅部16のミキサ15からの入力側にスイッチ168を設け、電源出力の異常の有無やスイッチングノイズの有無の監視時(スイッチ167のオン時)にスイッチ168をオフに切り替える構成である。また、増幅部16のミキサ15からの入力側にコンデンサ169等を設ける構成としてもよい。
このような構成とすることで、電源出力の異常の有無やスイッチングノイズの有無の監視時に、ミキサ15側からの入力を遮断することができるため、ビート信号や他の信号が誤って入力してしまうことを防止できる。なお、図16及び図17において、新たに設けたスイッチ168やコンデンサ169等は増幅部16の構成としてもよいが、増幅部16の外付けの構成としてもよい。
また、上記各実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。