JP5658786B2 - 高圧ガス容器用カバー - Google Patents
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Description
しかしながら、容器を屋根等で覆うとその容器に散水等することは一般的に難しくなるため、適切な対策をすることは容易でない。上記の特許文献1にも、そのような対策は記載されていない。
・ 左右一対の板が縁部を突き合わせた状態で上記容器を覆うとともに、それらの板が左右に移動して離れたうえ上記容器の外側位置で縦向きに姿勢を変えることにより上記容器の上部を開放できるよう構成されている
ことを特徴とする。
図7および図8に示すカバー30はその一例であって、板31が高圧ガス容器Aを覆う一方、図中の矢印にしたがって左右に移動し、さらに容器の外側位置で縦向きに姿勢を変える。
一方、上記一対の板が左右に移動して離れたうえ外側位置で縦向きの姿勢になったときは、容器の上部を大きく開放することができるので、開放したその上部から散水をして容器を冷却することができる。その際、容器カバーの板は、左右に移動して離れるだけでなく、容器の外側位置で縦向きに姿勢を変えることから、容器上部を開放した際にも、左右に大きく板が張り出すことがなく占有スペースが拡大しない。占有スペースが拡大しないなら、容器の設置場所を選択しやすいため有利である。
なお、発明のカバーは、1枚のみではなく左右一対の板を使用するため、容器が左右に広く設置されている場合にも、無理なくその全域を覆うことができる。
・ 上記の板の下面に、上記移動方向に延びた直線歯(直線状の歯)が取り付けられるとともに、その直線歯と噛み合う回転歯が定位置に取り付けられていて、
・ 上記の板のそれぞれが、上記回転歯が回転するとき上記直線歯とともに移動し、上記直線歯と回転歯とが噛み合う状態を保ったまま自身の重量バランスにしたがって上記のとおり姿勢を変える(逆向きにも姿勢を変え移動する)
ものであると好ましい。
上記した直線歯と回転歯との組み合わせは、ラック&ピニオンのほか、チェーン(を直線状にしたもの)とスプロケット、歯付きベルト(を直線状にしたもの)とそのベルト車等との組み合わせを採用することができる。
図7・図8の例では、板31の下面にチェーン32を取り付けるとともに、それに噛み合うスプロケット33を定位置に取り付けている。
1) 回転歯と噛み合っているために連動する直線歯とともに、板が左右に(つまり他方の板から離れる向きに)移動し、
2) 板の移動量が所定値を超えることにより板の重量バランスが変わると(つまり、図8のように回転歯より外側に出る部分が増えて当該部分の重量が他の部分の重量を超えると)、板が容器の外側位置で縦向きに姿勢を変える。
そしてその後、上記とは逆の向きに回転歯が回転するときは、
1) 回転歯に連動する直線歯とともに板が上向きに移動してその重量バランスが上記とは逆になることにより、板が横向き(水平またはそれに近い向き)に姿勢を変え、
2) さらに、直線歯とともに、板が左右に(つまり他方の板と突き合わされる向きに)移動する。
以上のように、回転歯が回転するだけで、上記の板が移動するとともに姿勢を変え、もって容器の上部を覆ったり開放したりすることができるわけである。
図8の例でも、ハンドル36を手動で回転させることにより回転歯(スプロケット)33が回転して、直線歯(チェーン32)を有する板31に駆動力を伝えるようになっている。
手動のハンドルにて板が操作されるのであれば、低コストで、故障の少ないものとしてカバーが構成される。
・ 突き合わせられた状態で、気体が上下に通過し得るものの雨滴が下方へ通過することのないラビリンス状の障壁を構成する、組み合わせ可能な屈曲部材が
それぞれ設けられていると好ましい。
図8における符号38A・38Bの各部材が、上にいう組み合わせ可能な屈曲部材の例である。
板の上記縁部に上記のような屈曲部材が設けられていると、左右一対の板を突き合わせたとき、その突き合わせた部分を気体が上下に通過し得るため、効果的に換気が行われて夏季にも高圧ガス容器の温度上昇が抑制されやすい。その一方、突き合わせた上記の部分から雨滴が通過することがないため、高圧ガス容器やその支持手段等に雨水が降りかかることがなく、錆や腐食等の進行が防止される。
板が不燃性のものであれば、高圧水素容器の取扱いに関して安全性が高く、また、板の断熱性が高い方が、高圧水素容器を覆っているとき容器の温度上昇を抑制しやすいからである。
上記のような水素ステーション留置用車両は、高圧水素容器を搭載して、走行するとともに一定箇所に留置される。そのため、走行中を含む通常時には容器を板で覆う一方、夏季の高温時等には適宜に上部を開放して容器への散水等を容易にする上記のようなカバーが、きわめて有用なわけである。
回転歯を回転させるだけで上記の板に必要な動作をさせて、容器上部を覆ったり開放したりするよう構成することも可能である。
a) 接続配管52には、図7のとおり螺旋状の部分を含めている。高圧水素容器Aが水素の充填状態に応じて膨張・収縮すること等に起因して、その元弁Aaの位置が変わり得るからである。
b) 接続配管52は、固有振動数がトレーラ1の実測振動数(10〜30Hz)を超える50Hz程度になるように、管の太さや長さ、取り付け位置等を定めている。
c) 配管系50の中に、一定の温度以上でガスを遮断する緊急遮断弁(図示省略)を設けている。また、その弁を開閉駆動するエネルギー源として、図3(f)に示す窒素ボンベ53を設置している。ガスの温度が上昇したとき、防爆特性に優れる窒素ガスの力で緊急遮断弁を閉じて、安全性を確保するのである。
d) 上記の窒素ボンベ53は、配管系50の他の部分にも接続可能とし、配管内の窒素パージを行えるようにしている。バルブや計器類の交換時等に、配管内に空気が混入しないようにするためである。
e) 配管系50内には、配管のいずれかの部分から水素が大量に流出することを防止するために、過流防止弁(図示省略)を設けている。また、排気中の水素が燃焼し始めたときも火炎の逆流を防止するために、逆火防止器(図示省略)も、配管系50内に組み込んでいる。
10 架台
11 フレーム
12 支持部材
20 固定装置
21 バンド
21a 切れ目
25 座金
26 ゴムパッド
26a 平坦面
26b 凹凸面
30 容器カバー
31 板
32 チェーン(直線歯)
33 スプロケット(回転歯)
36 操作ハンドル
38A・38B 屈曲部材
40 保護板
41・42・43・44 パネル
50 配管系
52 接続配管
55・56 操作用スペース
A 高圧水素容器
Aa 元弁
Claims (6)
- 高圧ガス容器の上部に設けられる高圧ガス容器用カバーであって、
左右一対の板が縁部を突き合わせた状態で上記容器を覆うとともに、それらの板が左右に移動して離れたうえ上記容器の外側位置で縦向きに姿勢を変えることにより上記容器の上部を開放できるよう構成されていること、
および、上記の板の下面に、上記移動方向に延びた直線歯が取り付けられるとともに、その直線歯と噛み合う回転歯が定位置に取り付けられていて、上記の板のそれぞれが、上記回転歯が回転するとき上記直線歯とともに移動し、上記直線歯と回転歯とが噛み合う状態を保ったまま自身の重量バランスにしたがって上記のとおり姿勢を変えること
を特徴とする高圧ガス容器用カバー。 - 上記の板が、手動でハンドルが操作されることにより駆動力を得て、上記のとおり移動し姿勢を変えることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス容器用カバー。
- 上記一対の板が、互いに突き合わせられる側の縁部に、
突き合わせられた状態で、気体が上下に通過し得るものの雨滴が下方へ通過することのないラビリンス状の障壁を構成する、組み合わせ可能な屈曲部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ガス容器用カバー。 - 上記一対の板が、不燃性の高断熱材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高圧ガス容器用カバー。
- 高圧ガス容器の上部に設けられる高圧ガス容器用カバーであって、
左右一対の板が縁部を突き合わせた状態で上記容器を覆うとともに、それらの板が左右に移動して離れたうえ上記容器の外側位置で縦向きに姿勢を変えることにより上記容器の上部を開放できるよう構成されていること、
および、水素を充填された高圧ガス容器を搭載し、走行するとともに水素ステーションとして留置される水素ステーション留置用車両に取り付けられること
を特徴とする高圧ガス容器用カバー。 - 水素を充填された高圧ガス容器を搭載し、走行するとともに水素ステーションとして留置される水素ステーション留置用車両に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の高圧ガス容器用カバー。
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