JP5658457B2 - 低温重合性/硬化性ベンゾオキサジン含有処方物 - Google Patents

低温重合性/硬化性ベンゾオキサジン含有処方物 Download PDF

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Description

本発明は、新規重合触媒、およびフルオロ有機成分および少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分である、少なくとも該触媒を含む組成物、並びに接着剤、シーラントおよびコーティングにおけるこのような組成物の使用に関する。
回路基板、半導体、トランジスタおよびダイオードなどの電子デバイスは、多くの場合、保護のためにエポキシ樹脂などの材料でコーティングされている。かかるコーティング材料は、多くの場合、電子デバイスの表面に熱によって硬化させる。しかしながら、電子デバイスは、多くの場合、熱に敏感であり、過度の熱はデバイスの性能に悪影響を及ぼすことがあり得る。また、実際に、加熱に大量のエネルギーが必要であること、および/または重合反応や硬化反応に必要な時間があまりにも長いことが問題である。
さらに、コーティング材料が熱に反応して有意に収縮または膨張した場合、コーティング材料で覆われたデバイスが反ることがあり得る。したがって、コーティング材料を比較的低温で短時間で硬化させるための方法が開発されること、およびコーティングされたデバイスが損傷される可能性が最小限となるように熱処理の際の体積変化がほぼゼロであるコーティング材料が開発されることが望ましい。
したがって、研究部門では、硬化温度を低くするため、および重合工程を改善するための方法を探求する取り組みが現在も行われている。
酸性触媒は上記の問題の解決に寄与し得ることが知られている。酸は、比較的効率的な重合触媒となり得る。その量に応じて、硬化温度を低くすること、および重合工程を改善することが可能であり得る。
しかしながら、実際の適用では、かかる強酸はまた、最終重合結果およびその実用特性に負に寄与することもあり得る。例えば、硬化材料の耐薬品性および物性の劣化がみられ得る。
したがって、本発明が特に意図することは、別の革新的な触媒を用いて良好な重合結果を得ることである。
有機スルホン酸を考察すると、これは比較的効率的な触媒である。有機スルホン酸は、許容可能な温度で円滑な重合プロセスを触媒し得る。そうでなければ、重合生成物および/または硬化材料の質が、最終生成物に負の影響を及ぼすことがあり得る。これにより、酸触媒によって引き起こされる腐食の増大またはさらなる負の効果がもたらされ得る。したがって、実際の適用において、かかる強酸のような現存の触媒の代替物の開発が大いに求められている。
PCl5、TiCl4、AlCl3などのルイス酸もまた、高度に活性な触媒として知られており、かかる低温重合にも使用され得る。しかしながら、ルイス酸は、湿分に対して非常に敏感であり、揮発性、毒性および腐食性の不純物の形成が引き起こされるため、それらの実際の使用は当業者から回避されている。
したがって、本発明の目的はまた、触媒成分の分解が引き起こされることなく、並びに毒性および/または腐食性の副生成物の発生がもたらされることなく、重合反応/硬化反応が行われ得る、触媒成分を得ることである。
したがって、本発明の目的は、現存する触媒に代わって良好な性能を示す重合触媒を得ることである。
本目的は、式I
Figure 0005658457
(式中、
n=1、2、3または4、好ましくは2または3であり、
E1およびE2は、電子吸引性置換基であり、
Rは、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換の1〜20個のC原子を有するアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、エーテル架橋アルキル鎖(好ましくは12未満の炭素数を有するもの)、またはハロゲン(例えばF、ClまたはBr)であり、
Metalは、金属:配位子錯体を形成し得る全ての金属の群から選択され、
および
2x+1=y+z、および
2x'+1=y'+z'である)
で示される重合触媒によって解消される。
本発明において、置換基Eは、全ての種類の電子吸引性置換基と理解され、また、E1およびE2は、同一または異なり得る。本発明によれば、これは、(-I)および/または(-M)効果を有する全ての置換基に関する。その例は、これらの基に限定されないが、全てのタイプのニトレート基、スルフェート基、スルホン酸基、ハロゲン基、カーボネート基、カルボキシレート基、ホーメート基、アルデヒド基、ケト基、アセタール基、およびさらなる基である。本発明の好ましい一実施態様において、該置換基Eは、(-I)および(+M)効果を有する。本発明によれば、一価置換基である少なくとも1種類の電子吸引性置換基を有することも好ましい。本発明によれば、Eがハロゲン元素の群から選択される場合、特にEがFである場合、最も好ましい。
また、E1およびE2が同一である場合も好ましい。
好ましい金属中心(Metal)は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、およびコバルト(Co)から選択される。
それにもかかわらず、これらの特定の金属のような、金属:配位子錯化特性を示すさらなる金属中心も、本発明の範囲内にある。特に、金属:配位子錯体を形成し得る周期表の遷移金属群中の金属が、本発明の目的に好ましい。
その例は、Fe、Co、Ni、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、In、Mn、Cu、Zn、Cdのような金属である。本発明において、最も好ましい金属は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、およびコバルト(Co)から選択される。
また、yおよびy'またはzおよびz'は0であり得ることも言及すべきであるが、その一方、x<4、x'<4、z>y、z'>y'であることが好ましい。特にy=y'=0およびR=Hであることが好ましい。
このような触媒の幾つかの例は、下記のものである:
Figure 0005658457
好ましい実施態様において、本発明の触媒は、好ましくは低量で、さらなる触媒成分、特に含窒素複素環および/または有機スルホン酸と組み合わせることができる。
含窒素複素環が組み合わせられる場合、これらは、飽和、不飽和、または芳香族であり得る。イミダゾールのような複素環の他、これらの含窒素複素環が、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、またはピリミジン、ピペラジン、ピロール、インドールまたはベンゾチアゾリルであることが好ましい場合もあり得る。さらに、含窒素複素環には酸性官能基が存在しないことが好ましい。
最も好ましくは、含窒素複素環式部分は、チアゾールおよび/またはイミダゾールである。
特に、本発明による含窒素複素環および/またはその誘導体は、式I
Figure 0005658457
(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、または脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素である)
で示されるイミダゾールおよび/またはイミダゾール誘導体の群から選択されることが好ましいが、前記イミダゾールは、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾールまたは1-アミノエチル-2-メチルイミダゾールの群から選択されることが特に好ましい。
有機スルホン酸が組み合わせられる場合、これらは、好ましくは式II
Figure 0005658457
(式中、R5は、好ましくは、芳香族基、アルキル基およびフッ化アルキル基から選択される)
で示されるスルホン酸の群から選択される。特に、本発明の有機スルホン酸は、式III、IV、VおよびVI
Figure 0005658457
で示されるスルホン酸の群から選択される。
さらに、本発明の重合触媒の触媒成分は、湿分および大気に対して安定であることが好都合であり、最も好ましくは、重合触媒中に存在し得る任意のさらなる成分もまた、湿分および大気に対して安定(または耐湿性および耐大気性)である。これにより、湿分および大気に曝露されたとき触媒成分が分解することなく、重合/硬化反応を低温で行なうことが可能になる。
本発明の別の主題は、少なくとも1種類の重合性成分と組み合わせて、本発明による少なくとも1種類の重合触媒を含む硬化性組成物である。
該硬化性組成物は、ポリベンゾオキサジン(PBO)組成物を形成するために使用され得ることが好ましい。好ましいPBO組成物は、PBOと、本発明による触媒と、必要に応じてエポキシ樹脂および/またはフェノール系樹脂を含んでなる。
エポキシ樹脂の一例は、エポキシクレゾール系ノボラック(novalac)である。成形用組成物は、例えば、約0.5重量%〜約7.0重量%、好ましくは約1.5重量%〜3.5重量%のエポキシ樹脂を含み得る。
フェノール系樹脂の一例は、フェノール系ノボラックである。成形用組成物は、例えば、0.1重量%〜3.0重量%、好ましくは0.3重量%〜1.5重量%のフェノール系樹脂を含み得る。
特に、本発明による少なくとも1種類の重合性成分は、ベンゾオキサジン成分、特に、式II:
Figure 0005658457
(式中、
R5は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくはR5は芳香族基である;
R1、R2、R3、R4は、互いに独立して水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
ここで、R1およびR2またはR2およびR3またはR3およびR4は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
で示される成分であることが好ましい。
式IIで示されるベンゾオキサジン成分中のR1、R2、R3、R4、R5の一以上がアルキル鎖である場合、これらのアルキル鎖は、12未満の炭素数を有することが好ましい。
特に、ポリベンゾオキサジン(PBO)は、回路基板および半導体などの電子デバイス上にコーティングを施すために使用され得る。好ましいPBO組成物は、高いガラス転移温度、良好な電気的特性(例えば、比誘電率)、低可燃性を有し、離型時、硬化後および冷却時の収縮および膨張割合がほぼゼロである。
好ましくは、少なくとも1種類の式IIで示されるベンゾオキサジン成分において、R1、R2、R3、R4、およびR5の少なくとも1種類は、
Figure 0005658457
(式中、R1'、R2'、R3'、R4'、およびR5'は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表される別のベンゾオキサジン構造を含む。
さらに、本発明の組成物は、
Figure 0005658457
(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含むことが好ましい。
さらに、好ましい組成物は、本発明による前記1種類以上の重合性成分と、本発明による重合触媒とのモル比は、90:10〜99.9:0.1、好ましくは95:5〜99.5:0.5である。
ベンゾオキサジン含有成形用組成物は、任意の慣用的な方法によって調製され得る。例えば、諸成分(樹脂および他の添加剤を含む)は、微細に粉砕され、ドライブレンドされ、高温差ロールミルにて緻密化された後、次いで造粒され得る。該成形用組成物は、上記のように、半導体または回路基板などの電子デバイスのコーティングに使用され得る。調製された組成物は、任意の適当な成形装置によって成形され得る。かかる装置の一例は、多数の窩洞鋳型を備えたトランスファープレスである。成形用組成物の調製方法および電子デバイスのコーティング方法に関するさらなる詳細については、米国特許第5,476,716号を参照のこと。
以下は、成形用組成物に含まれ得る他の添加剤およびその組成物中の重量パーセントの好ましい範囲の一例である。
(1)臭素化エポキシノボラック難燃剤(例えば、BREN、日本化薬製)などの難燃剤。好ましい成形用組成物は、3.0重量%まで、より好ましくは0.1〜1.0重量%の難燃剤を含み得る。
(2)Sb 2 O 5またはWO 3などの難燃相乗剤。好ましい成形用組成物は、3.0重量%まで、より好ましくは0.25〜1.5重量%の難燃相乗剤を含み得る。
(3)シリカ、ケイ酸カルシウムおよび酸化アルミニウムなどの充填剤。好ましい成形用組成物は、70〜90重量%、より好ましくは75〜85重量%の充填剤を含み得る。
(4)カーボンブラック着色剤などの着色剤。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%の着色剤を含み得る。
(5)カルナウバワックス、パラフィンワックス、S-ワックスおよびE-ワックスなどのワックスまたはワックスの組合せ。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%のワックスを含み得る。
(6)アエロジルなどのヒュームドシリカ。好ましい成形用組成物は、0.3〜5.0重量%、より好ましくは0.7〜3.0重量%のヒュームドシリカを含み得る。
(7)シラン型カップリング剤などのカップリング剤。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%のカップリング剤を含み得る。
また、少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒、特に、エステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される溶媒を含む組成物も好ましい。
硬化温度に関して、本発明による組成物は、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜180℃、特に100〜140℃の温度で硬化し得るものであることが好ましい。
硬化圧力に関して、本発明による組成物は、1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得るものであることが好ましい。
本発明による組成物は、相応して含まれる重合性成分の1種類以上を、組成物全体に対して好ましくは20重量%〜99.9重量%、より好ましくは40重量%〜99.5重量%、最も好ましくは50重量%〜99重量%含む。これに関して、本発明は、該組成物中の全てのベンゾオキサジン成分の添加重量値と理解される。
本発明のさらなる主題は、本発明による組成物の硬化によって得られ得る共重合生成物および/または重合生成物である。
好ましくは、本発明による共重合生成物および/または重合生成物には、少なくとも1種類の本発明による重合触媒が含まれる。
本発明による共重合生成物および/または重合生成物は、好ましくは、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜180℃、最も好ましくは100℃〜140℃の範囲の硬化温度の使用によって作製され得る。
好ましい実施形態において、本発明による組成物および/または共重合生成物および/または重合生成物は接着剤の形態であり、この場合、接着促進剤、難燃剤、充填剤、熱可塑性添加剤、反応性または非反応性希釈剤、およびチキソトロピー剤の1種類以上が含まれることがあり得る。また、かかる本発明の接着剤はフィルム形態で配置され得、この場合、ナイロン、ガラス、カーボン、ポリエステル、ポリアルキレン、石英、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリp-フェニレンベンゾビスオキサゾール、炭化ケイ素、フェノールホルムアルデヒド、フタレートおよびナフテノエートで構成された支持体が含まれ得る。
本発明の組成物および/または共重合生成物および/または重合生成物(並びに、これらから作製されるプリプレグ(pregreg)およびトウプレグ)は、複合材料部品および金属部品のボンディング、サンドイッチ構造のコアおよびコア充填剤、並びに複合材料の表面処理に特に有用であり、また、プリプレグにおける使用のためのマトリックス樹脂として、またはその先のプロセスにおけるマトリックス樹脂(樹脂トランスファー成形および樹脂フィルム含浸など)として、繊維強化複合材料物品用のマトリックス樹脂などの航空宇宙産業および工業的最終用途のための複合材料部品の製造および組立てに特に有用である。
本発明のさらなる主題は、少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む硬化性組成物における少なくとも1種類の本発明による重合触媒(ここで、少なくとも1種類の触媒並びに潜在的な任意のさらなる触媒が湿分および大気に対して安定であることが好ましい)の使用であり、該ベンゾオキサジン成分は、好ましい実施形態において、式II:
Figure 0005658457
(式中、
R5は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくはR5は芳香族基である;
R1、R2、R3、R4は、互いに独立して水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
ここで、R1およびR2またはR2およびR3またはR3およびR4は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
に包含される。
式IIで示されるベンゾオキサジン成分中のR1、R2、R3、R4、R5の一以上がアルキル鎖である場合、これらのアルキル鎖は、12未満の炭素数を有することが好ましい。
特に、ポリベンゾオキサジン(PBO)は、回路基板および半導体などの電子デバイス上にコーティングを施すために使用され得る。好ましいPBO組成物は、高いガラス転移温度、良好な電気的特性(例えば、比誘電率)、低可燃性を有し、離型時、硬化後および冷却時の収縮および膨張割合がほぼゼロである。
少なくとも1種類の式IIで示されるベンゾオキサジン成分における、本発明による使用の別の好ましい実施態様において、R1、R2、R3、R4、およびR5の少なくとも1種類は、
Figure 0005658457
(式中、R1'、R2'、R3'、R4'、およびR5'は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表される別のベンゾオキサジン構造を含む。
さらに、本発明の使用によれば、硬化性組成物は、
Figure 0005658457
(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含むことが好ましい。
さらに、好ましい本発明の使用は、前記少なくとも1種類の本発明によるベンゾオキサジン成分と、本発明による重合触媒とのモル比が、90:10〜99.9:0.1、好ましくは95:5〜99.5:0.5である場合である。
ベンゾオキサジン含有成形用組成物は、任意の慣用的な方法によって調製され得る。例えば、諸成分(樹脂および他の添加剤を含む)は、微細に粉砕され、ドライブレンドされ、高温差ロールミルにて緻密化された後、次いで造粒され得る。該成形用組成物は、上記のように、半導体または回路基板などの電子デバイスのコーティングに使用され得る。調製された組成物は、任意の適当な成形装置によって成形され得る。かかる装置の一例は、多数の窩洞鋳型を備えたトランスファープレスである。成形用組成物の調製方法および電子デバイスのコーティング方法に関するさらなる詳細については、米国特許第5,476,716号を参照のこと。
以下は、成形用組成物に含まれ得る他の添加剤およびその組成物中の重量パーセントの好ましい範囲の一例である。
(1)臭素化エポキシノボラック難燃剤(例えば、BREN、日本化薬製)などの難燃剤。好ましい成形用組成物は、3.0重量%まで、より好ましくは0.1〜1.0重量%の難燃剤を含み得る。
(2)Sb 2 O 5またはWO 3などの難燃相乗剤。好ましい成形用組成物は、3.0重量%まで、より好ましくは0.25〜1.5重量%の難燃相乗剤を含み得る。
(3)シリカ、ケイ酸カルシウムおよび酸化アルミニウムなどの充填剤。好ましい成形用組成物は、70〜90重量%、より好ましくは75〜85重量%の充填剤を含み得る。
(4)カーボンブラック着色剤などの着色剤。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%の着色剤を含み得る。
(5)カルナウバワックス、パラフィンワックス、S-ワックスおよびE-ワックスなどのワックスまたはワックスの組合せ。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%のワックスを含み得る。
(6)アエロジルなどのヒュームドシリカ。好ましい成形用組成物は、0.3〜5.0重量%、より好ましくは0.7〜3.0重量%のヒュームドシリカを含み得る。
(7)シラン型カップリング剤などのカップリング剤。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%のカップリング剤を含み得る。
また、少なくとも1種類の本発明によるベンゾオキサジン成分に加えて、少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒、特に、エステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される溶媒が存在する、本発明の使用も好ましい。
硬化温度に関して、本発明による硬化性組成物は、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜180℃、特に100〜140℃の温度で硬化し得るものであることが好ましい。
硬化圧力に関して、本発明による硬化性組成物は、1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得るものであることが好ましい。
本発明の使用に適用される組成物において、相応して含まれるベンゾオキサジン成分の1種類以上を、組成物全体に対して20重量%〜99.9重量%、より好ましくは40重量%〜99.5重量%、最も好ましくは50重量%〜99重量%含むことが好ましい。これに関して、本発明は、該組成物中の全てのベンゾオキサジン成分の添加重量値と理解される。
好ましくは、本発明の使用のための最終組成物は、無機充填剤、好ましくは、シリカ粉末、粉末状金属酸化物、並びに粉末状金属または有機充填剤、好ましくは、ゴム粒子および他のポリマー粒子の群から選択されるさらなる成分を含む。
本発明のさらなる主題は、シーラント、接着剤および/またはコーティングの調製における、並びに/あるいはシーラント、接着剤および/またはコーティングとしての、好ましくは、電子チップボンディングおよび電子チップ用アンダーフィル剤における本発明による硬化性組成物あるいは本発明の組成物から得られ得る本発明による共重合生成物および/または重合生成物の使用であり、この場合、シーラント、接着剤および/またはコーティングは、好ましくは、金属、ケイ酸塩、金属酸化物、コンクリート、木材、電子チップ材料、半導体材料および有機ポリマーを含む群から選択される基材上または基材間に適用され、固化される。
特に、本発明による硬化性組成物または本発明の組成物から得られ得る本発明による共重合生成物および/または重合生成物は、さまざまな適用用途、例えば、接着剤および成形される適用用途に使用される。好ましくは、本発明の使用は、低可燃性が重要である(例えば、航空機の内装など)接着剤、または熱安定性並びにモジュラス、引張強度および膨張係数など物性の容易な変更が重要であり得る接着剤としての適用用途を対象にする。また、記載されるように、これらは、充填型または非充填型成形適用用途、例えば、繊維強化複合材料物品用のマトリックス樹脂、プリプレグにおける使用のためのマトリックス樹脂、またはその先のプロセスにおけるマトリックス樹脂(樹脂トランスファー成形および樹脂フィルム含浸など)に使用され得る。
本発明のさらなる主題は、本発明による組成物(好ましくは、ベンゾオキサジンモノマーを含む)を、該組成物が硬化するのに充分な温度まで加熱し、かくして、好ましくは半導体または回路基板などの電子デバイスであるデバイスの表面をコーティングするポリマーを形成することにより、デバイスをコーティングする方法である。
本発明のさらなる主題は、本発明による共重合生成物および/または重合生成物でコーティングされたデバイスである。コーティングそれ自身も本発明の主題である。
好ましい実施形態において、デバイスは、半導体または回路基板などの電子デバイスであり得る。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
[1]式I
Figure 0005658457
(式中、
n=1、2、3または4、好ましくは2または3であり、
E 1 およびE 2 は、電子吸引性置換基であり、
Rは、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換の1〜20個のC原子を有するアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、エーテル架橋アルキル鎖(好ましくは12未満の炭素数を有するもの)、またはハロゲン(例えばF、ClまたはBr)であり、
Metalは、金属:配位子錯体を形成し得る全ての金属の群から選択され、
および
2x+1=y+z、および
2x'+1=y'+z'である)
で示される、重合触媒。
[2]x<4、x'<4、z>y、z'>y'である、前記[1]に記載の重合触媒。
[3]y=y'=0およびR=Hである、前記[1]または[2]に記載の重合触媒。
[4]
式Iで示される触媒が、湿分および大気に対して安定である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の重合触媒。
[5]少なくとも1種類の前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の触媒および少なくとも1種類の重合性成分を含む、硬化性組成物。
[6]該少なくとも1種類の触媒並びに潜在的な任意のさらなる触媒が湿分および大気に対して安定(または耐湿性および耐大気性)である、前記[5]に記載の組成物。
[7]前記組成物が、重合性成分として少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、前記[5]または[6]に記載の組成物。
[8]式II:
Figure 0005658457
(式中、
R 5 は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくはR 5 は芳香族基である;
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、互いに独立して水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
ここで、R 1 およびR 2 またはR 2 およびR 3 またはR 3 およびR 4 は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
に包含される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、前記[7]に記載の組成物。
[9]前記組成物が、
Figure 0005658457
(式中、R 1' 、R 2' 、R 3' 、R 4' ,およびR 5' は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表される別のベンゾオキサジン構造を含むR 1 、R 2 、R 3 、R 4 、およびR 5 の少なくとも1種類を有する少なくとも1種類の式IIで示されるベンゾオキサジン成分を含む、前記[8]に記載の組成物。
[10]前記組成物が、
Figure 0005658457
(式中、R 5 は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、R 5 は芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、前記[7]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分と少なくとも1種類の式Iで示される触媒とのモル比が、90:10〜99.9:0.1、好ましくは95:5〜99.5:0.5である、前記[7]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]前記組成物が、少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒を含む、前記[5]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]前記溶媒がエステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される、前記[12]に記載の組成物。
[14]前記組成物が、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは100℃〜140℃の温度で硬化し得る、前記[5]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]前記組成物が、1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得る、前記[5]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]ベンゾオキサジン成分が組成物全体に基づいて20重量%〜99.9重量%、好ましくは50重量%〜99重量%を構成する、前記[7]〜[15]のいずれかに記載の組成物。
[17]前記[5]〜[16]のいずれかに記載の組成物の硬化によって得られ得る共重合生成物および/または重合生成物。
[18]少なくとも1種類の重合性成分を含む硬化性組成物における触媒としての、前記[1]〜[4]の少なくとも1項に記載の少なくとも1種類の触媒の使用。
[19]該少なくとも1種類の触媒並びに潜在的な任意のさらなる触媒が、湿分および大気に対して安定(または耐湿性および耐大気性)である、前記[18]に記載の使用。
[20]該組成物が、重合性成分として少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、前記[18]または[19]に記載の使用。
[21]前記組成物が、式II:
Figure 0005658457
(式中、
R 5 は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくはR 5 は芳香族基である;
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、互いに独立して水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
ここで、R 1 およびR 2 またはR 2 およびR 3 またはR 3 およびR 4 は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
に包含される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、前記[20]に記載の使用。
[請求項22]前記組成物が、
Figure 0005658457
(式中、R 1' 、R 2' 、R 3' 、R 4' ,およびR 5' は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表されるさらなるベンゾオキサジン構造を含むR 1 、R 2 、R 3 、R 4 、およびR 5 の少なくとも1種類を有する少なくとも1種類の式IIで示されるベンゾオキサジン成分を含む、前記[21]に記載の使用。
[23]前記組成物が、
Figure 0005658457
(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、前記[21]または[22]に記載の使用。
[24]少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分と、式Iで表される少なくとも1種類の触媒とのモル比が、90:10〜99.9:0.1であり、好ましい比が95:5〜99.5:0.5である、前記[20]〜[23]のいずれかに記載の使用。
[25]前記組成物が、少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒を含む、前記[18]〜[24]のいずれかに記載の使用。
[26]前記溶媒が、エステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される、前記[25]に記載の使用。
[27]前記組成物が、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは100℃〜140℃の温度で硬化し得る、前記[18]〜[26]のいずれかに記載の使用。
[28]前記組成物が1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得る、前記[18]〜[27]のいずれかに記載の使用。
[29]ベンゾオキサジン成分が組成物全体に基づいて20重量%〜99.9重量%、好ましくは50重量%〜99重量%を構成する、前記[19]〜[28]のいずれかに記載の使用。
[30]最終組成物が、無機充填剤(好ましくは、シリカ粉末、粉末状金属酸化物および粉末状金属)または有機充填剤(好ましくは、ゴム粒子および他のポリマー粒子)の群から選択されるさらなる成分を含む、前記[19]〜[29]のいずれかに記載の使用。
[31]シーラント、接着剤および/またはコーティングの調製における、および/あるいはシーラント、接着剤および/またはコーティングとしての、好ましくは、電子チップボンディングおよび電子チップ用アンダーフィル剤における、前記[5]〜[16]のいずれかに記載の硬化性組成物、または前記[17]に記載の前記組成物から得られ得る共重合生成物の使用。
[32]該シーラント、接着剤および/またはコーティングが、金属、シリケート、金属酸化物、コンクリート、木材、電子チップ材料、半導体材料および有機ポリマーを含む群から選択される基材上または基材間に適用され、固化される、前記[31]に記載の使用。
[33]前記[5]〜[16]のいずれかに記載の組成物を該組成物が硬化するのに充分な温度まで加熱し、かくして、好ましくは半導体または回路基板などの電子デバイスであるデバイスの表面をコーティングするポリマーを形成する、デバイスのコーティング方法。
[34]前記[17]に記載の共重合生成物および/または重合生成物でコーティングされたデバイス。
本発明を、以下の実施例によって、より詳細に例示する。
I.)実施例の最初のシリーズ
(以下の実施例についての概要)
ベンゾオキサジンモノマーおよび重合触媒(ベンゾオキサジン部分に対して2.5 mol%)を混合した。約10 mgの混合物をアルミニウム皿に入れ、そして示差走査熱量計(DSC)中にセットした。硬化反応についてのDSCプロフィールを、窒素雰囲気下、10℃/分の加熱速度で測定した。得られたDSCプロフィールから、ピークトップについての温度(Tpeak top)および10%発熱温度(TH10%:この温度は、開始温度よりも明確に決定し得る。これは、通常、硬化反応の判断に使用されるが、時折決定が困難である。)を図1に示すように決定した。該触媒を、この手順にしたがって試験し、そしてTH10%およびTpeak topの対応する値を表1中に列挙した。
Figure 0005658457
(実施例1)
説明されるように、ベンゾオキサジン部分に対して2.5 mol%のマンガン触媒1aおよびモノマー2を混合して均質混合物を得た。約10 mgの該混合物をDSCによって分析した。
Figure 0005658457
(実施例2)
鉄触媒1bおよびベンゾオキサジンモノマー2を混合して均質混合物を得た。約10 mgの該混合物をDSCによって分析した。
Figure 0005658457
(実施例3)
コバルト触媒1cおよびベンゾオキサジンモノマー2を混合して均質混合物を得た。約10 mgの該混合物をDSCによって分析した。
Figure 0005658457
Figure 0005658457
いずれの場合も、TH10%は約140℃未満であった。
(比較例)
本発明の触媒の代わりに、従来の触媒を使用した。使用したベンゾオキサジンモノマーは、上記の本発明の実施例2に記載されたものと同じであった。試験を、本発明の実施例についての手順と同じ手順にしたがって行った。これは、ベンゾオキサジンモノマーに対して約2.5 mol%の選択された触媒を使用し、そして該成分を混合して均質混合物を得たことを意味する。約10 mgの該混合物をアルミニウム皿に置き、そして示差走査熱量計(DSC)中にセットした。その結果を表2に列挙する。
Figure 0005658457
これらの触媒のなかで、p-トルエンスルホン酸および鉄(III)アセチルアセトネートは、高い触媒活性を示した。しかしながら、TH10%は、なお、約170℃または約170℃よりも高かった。これらの結果に比べて、本発明による実施例において達成されたTH10%値は、驚くべき低さであった。これは、異例の効果であり、当該分野の状況から予測できないであろう。
II.)実施例の第二のシリーズ
(実施例の第二のシリーズの説明)
ベンゾオキサジンモノマー3を、試験管中、50℃にて、触媒(3に対して1 mol%)と一緒に混合した。その後、得られた均質混合物を5つの部分に分割した。これらの部分を、個々に試験管中に置き、これらを油浴中150℃にて加熱した。
Figure 0005658457
0.5時間、1時間、1.5時間および2時間後、該試験管を次々と油浴から取り出し、そして該プローブを、加熱処理の対応する継続期間にて、1H-NMRにより分析してモノマー変換量を決定した。この説明による実験を、本発明による触媒(1a)で最初に行い、そして、その後の実験において、従来の触媒としてp-トルエンスルホン酸(PTS)を用いて、並びに触媒を全く用いずに、行った。
対応する時間-変換関係を、図1に示す。
Figure 0005658457
図1中に示した結果から分かるように、該マンガン触媒1aは、PTSに比べて顕著に高い触媒活性を示した。
III.)実施例の第三のシリーズ
(実施例の第三のシリーズの説明)
ベンゾオキサジンモノマー3bを、試験管中、50℃にて、触媒(3に対して1 mol%)と一緒に混合した。その後、得られた均質混合物を2つの部分に分割し、個々に試験管中に置いた。これらの試験管の1つを、油浴中100℃にて5時間処理した。他の1つを、油浴中120℃にて5時間処理した。
Figure 0005658457
5時間の加熱処理後、得られたプローブを、1H-NMRにより分析してモノマー変換量を決定した。この説明による実験を、本発明による触媒(1a)で最初に行い、そして、その後の実験において、従来の触媒としてp-トルエンスルホン酸(PTS)を用いて行った。
対応する時間-変換関係を、表3に示す。
Figure 0005658457

Claims (12)

  1. 式I
    Figure 0005658457
    (式中、
    n=1、2、3または4であり、
    E1およびE2は、ハロゲン元素の群から選択される電子吸引性置換基であり、
    Rは、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換の1〜20個のC原子を有するアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、エーテル架橋アルキル鎖、またはハロゲンであり、
    Metalは、金属:配位子錯体を形成し得る全ての金属の群から選択され、
    および
    2x+1=y+z、および
    2x'+1=y'+z'である)
    で示される重合触媒、および、重合性成分として少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む硬化性組成物。
  2. x<4、x'<4、z>y、z'>y'である、請求項1に記載の組成物。
  3. y=y'=0およびR=Hである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 式II:
    Figure 0005658457
    (式中、
    R5は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基である;
    R1、R2、R3、R4は、互いに独立して水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
    ここで、R1およびR2またはR2およびR3またはR3およびR4は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
    に包含される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記組成物が、式Xまたは式XI:
    Figure 0005658457
    (式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基である)
    から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分と少なくとも1種類の式Iで示される触媒とのモル比が、90:10〜99.9:0.1である、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記組成物が、70℃〜250℃の温度で硬化し得る、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. ベンゾオキサジン成分が組成物全体に基づいて20重量%〜99.9重量%を構成する、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の組成物の硬化によって得られる共重合生成物および/または重合生成物。
  10. シーラント、接着剤および/またはコーティングの調製における、および/あるいはシーラント、接着剤および/またはコーティングとしての、請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物、または請求項9に記載の共重合生成物および/または重合生成物の使用。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を該組成物が硬化するのに充分な温度まで加熱し、かくして、デバイスの表面をコーティングするポリマーを形成する、デバイスのコーティング方法。
  12. 請求項9に記載の共重合生成物および/または重合生成物でコーティングされたデバイス。
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