JP5658152B2 - 非細胞毒性融合タンパク質 - Google Patents

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Description

本発明は、非細胞毒性融合タンパク質、ならびに粘液分泌過多、炎症、神経内分泌障害、及び神経内分泌腫瘍などの状態を抑制するための治療法としてのその使用に関連する。
非細胞毒性プロテアーゼは、プロテアーゼの別個の群であり、細胞機能を無能力にすることにより標的細胞に作用する。重要なことに、非細胞毒性プロテアーゼは、それらが作用する標的細胞を殺さない。非細胞毒性プロテアーゼの最もよく知られている例の一部は、クロストリジウム神経毒及びIgAプロテアーゼを含む。
非細胞毒性プロテアーゼが、SNAREタンパク質(例、SNAP−25、VAMP、又はシンタキシン)として公知の細胞内輸送タンパク質をタンパク分解性に切断することにより作用する。Gerald K (2002) "Cell and Molecular Biology" (4th edition) John Wiley & Sons, Inc.を参照のこと。頭字語SNAREは用語Soluble NSF Attachment Receptor(可溶性NSF付着受容体)に由来し、ここでNSFはN-ethylmaleimide-Sensitive Factor(Nエチルマレイミド感受性因子)を意味する。SNAREタンパク質は、細胞内小胞形成、ひいては細胞からの小胞輸送を介した分子の分泌に不可欠である。したがって、一旦所望の標的細胞に送達されると、非細胞毒性プロテアーゼは標的細胞からの細胞分泌を阻害することが可能である。
SNAREタンパク質の遍在性の性質に照らして、非細胞毒性プロテアーゼは、広範囲の治療において成功裏に用いられてきた。例えば:「疼痛の処置」(WO96/33274を参照のこと);粘液分泌過多状態、例えばCOPD、喘息などの処置(WO00/10598を参照のこと);非神経性状態、例えば内分泌状態、外分泌状態、免疫学的状態、心臓血管状態、骨状態などの処置(WO01/21213を参照のこと);神経学的障害、例えばパーキンソン病などの処置(US 6,620,415、US 6,306,403を参照のこと);神経精神障害の処置(US2004/0180061、US2003/0211121を参照のこと);内分泌障害の処置(US 6,827,931を参照のこと);甲状腺障害の処置(US 6,740,321を参照のこと);糖尿病の処置(US 6,337,075、US 6,416,765を参照のこと);及び膵臓障害の処置(US 6,261,572、US 6,143,306を参照のこと)など。上記の刊行物の各々が、その参照によりその全体において本明細書に組み入れられる。
一般的に、非細胞毒性プロテアーゼの投与は、十分に許容される。しかし、一部の用途における投与は、有益な効果を得るために要求されるより大きな用量のために困難でありうる。より大きな用量によって、非所望の抗原応答の可能性が増加しうる。同様に、より大きな用量は製造コストの増加に関連する。
任意の他の薬物物質と共通して、治療投与範囲が存在し、それによって安全で、効果的な治療の下限及び上限が特定される。しばしば、上限は、薬物処置の非所望の(例、潜在的に有害な)副作用を招くオフターゲット効果の増加する有意性により決定される。非細胞毒性プロテアーゼの場合において、これは、オフターゲット細胞における細胞分泌の麻痺を招き、それは次に致死的でありうる。
ヒト及び他の哺乳動物の治療的処置における非細胞毒性プロテアーゼ分子の使用には、ますます関心が集まっている。これに関して、関心が集中する1つの分野は、上皮増殖因子(EGF)再標的化非細胞毒性プロテアーゼの使用にある。これらの治療法が、粘液分泌(WO00/10598を参照のこと)及び炎症(US11/806,648を参照のこと)を低下させる際に有用であることが示されている。本発明者らは、また、EGF再標的化非細胞毒性プロテアーゼが、神経内分泌障害、及び神経内分泌腫瘍を抑制する際に有用であることを見い出している。
しかし、EGFベースの非細胞毒性プロテアーゼの治療用途に関連する1つの問題は、有効性には比較的高い投与量レベルの使用が要求されうることである。上記の通り、これは、増加する製造コストの不足及び/又は潜在的な免疫原性問題のために望ましくない。
このように、当技術分野において、非細胞毒性プロテアーゼの効力を維持しながら、投与量サイズを低下させる及び/又は非所望の抗原応答を低下させるための手段を開発するニーズがある。このニーズは、非細胞毒性プロテアーゼの増大する使用により悪化され、それによって代替物及び/又は改善された治療用分子を開発するための医薬品産業の部分に対する絶え間なく増加するニーズが置かれる。
本発明は、上記のニーズに対処し、上記の問題の1つ又は複数を解決する。より詳細には、本発明は、代替物及び/又は改善されたEGF再標的化非細胞毒性プロテアーゼを提供し、それらは、種々の臨床的及び治療的用途、特に、炎症、粘液分泌関連障害、例えば喘息及びCOPDなど、ならびに神経内分泌障害、及び神経内分泌腫瘍を処置するために有用である。
より詳細には、本発明の第1の局面は、以下:
a.SNAREタンパク質を切断することが可能である非細胞毒性プロテアーゼ;
b.前記非細胞毒性プロテアーゼを、哺乳動物細胞のエンドソームから、そのエンドソーム膜を横断し、哺乳動物細胞のサイトゾル中にトランスロケーションさせることが可能であるトランスロケーションペプチド;及び
c.上皮増殖因子(EGF)ムテイン、それにおいて、
(i)前記EGFムテインは、天然に存在するヒトEGFのアミノ酸配列(配列番号1)と少なくとも65%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び、それにおいて、前記EGFムテインのアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸位置15〜17又は48〜51より選択される位置での少なくとも1つのアミノ酸の挿入、欠失、又は置換により配列番号1のアミノ酸配列とは異なる;ならびに
(ii)前記EGFムテインのアミノ酸配列は、配列番号1における位置6、14、20、31、33、及び42に出現する全て6つのシステインアミノ酸残基を保持するアミノ酸配列骨格を有する
を含むポリペプチドを提供する。
任意の理論に拘泥することを望まないが、本発明者らは、EGFが、結合反応を介してその天然受容体(即ち、EGF受容体;ErbBとしても公知)に結合し、それは、EGF分子上に存在する2つの異なる結合界面、即ち、配列番号1の位置31〜40でのアミノ酸残基の配列により提供される第1の結合界面(即ち、結合界面1)、及び配列番号1の位置41〜45でのアミノ酸残基の配列により提供される第2の結合界面(即ち、結合界面2)を含むと考える。これら2つの結合界面は、開裂のいずれかの側に結合すると考えられ、それは、EGF受容体中に存在し、その中にEGF分子の小さな部分(前縁(Leading Edge)という)が次に挿入される。前縁は、配列番号1の位置48〜51でのアミノ酸残基の配列により提供され、配列番号1の位置15〜17により提供される足場支持配列を含む。この結合配置を図2に例示し、それにおいて受容体のU型開裂が図2の上側及び左手側に、開裂点の「オープン」フェイスを図2の中央に向かって位置付ける。
より詳細には、本発明者らは、EGFの前縁(配列番号1の位置15〜17及び48〜51)内に存在する「巨大(bulky)」アミノ酸残基によって、EGFベースの非細胞毒性融合分子のEGF受容体活性化能力が低下する。このように、前縁内に存在するアミノ酸残基の全サイズを低下させることにより、本発明者らは新たなEGFムテインを提供しており、それは、対応する野生型EGF融合物と比較した場合、本発明のEGF非細胞毒性融合分子に対する改善された活性化特性を与える。
一実施態様において、EGFムテインを、前縁に存在する1つ又は複数の「巨大」アミノ酸残基の置換又は欠失により改変し(配列番号1と比較し)、それにおいて、前記「巨大」アミノ酸残基は、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、又はチロシン(Y)より選択される。例として、適した置換基を以下からなる群より選択してもよい:ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)、アラニン(A)、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、及びメチオニン(M)。好ましい実施態様において、前記置換又は欠失は、位置48〜51、好ましくは位置49及び/又は位置50である(配列番号1と比較して)。これに関して、位置49を、好ましくは、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、又はバリン(V)に、好ましくはロイシン(L)に置換し(配列番号1と比較して);及び/又は位置50を、好ましくは、アラニン(A)、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、又はメチオニン(M)に、好ましくはアラニン(A)に置換する(配列番号1と比較して)。
一実施態様において、EGFムテインを、前縁の位置15〜17に存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の置換又は欠失により別々に又はさらに改変してもよい(配列番号1と比較して)。この領域内での改変は、例えば、1つ又は複数の追加の分子間又は分子内水素結合の導入により、前縁の安定性を増加させると考えられる。例として、適した置換基を以下からなる群より選択してもよい:アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グリシン(G)、ロイシン(L)、セリン(S)、スレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、及びチロシン(Y)。これに関して、位置16を、好ましくは、アスパラギン(N)又はグルタミン(Q)に置換する(配列番号1と比較して)。
上記の前縁改変に加えて、EGFムテインを、位置23〜29に存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の置換又は欠失によりさらに改変してもよい(配列番号1と比較して)。これらの位置は結合界面1(上で考察する)に近く、EGFムテインに追加の安定性を提供する助けとなる。例として、適した置換基を以下からなる群より選択してもよい:グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、リジン(K)、及びヒスチジン(H)。これに関して、好ましい置換基を位置24〜28の1つ又は複数に導入する。例えば、位置24を、好ましくは、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、又はメチオニン(M)に、好ましくはグリシン(G)に置換する(配列番号1と比較して);及び/又は、位置25を、好ましくは、スレオニン(T)、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、又はメチオニン(M)に、好ましくはスレオニン(T)に置換する(配列番号1と比較して);及び/又は、位置28を、好ましくは、アルギニン(R)、リジン(K)、又はヒスチジン(H)に、好ましくはアルギニン(R)に置換する(配列番号1と比較して)。
上記の前縁改変に加えて、及び、場合により、位置23〜29での上記の改変に加えて、EGFムテインを、位置3〜5に存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の置換又は欠失によりさらに改変してもよい(配列番号1と比較して)。これらの位置は、EGFムテインが、典型的に、融合タンパク質のより大きな体に融合される場所に近く、EGFムテインに追加の安定性を提供する助けとなる。例として、適した置換基を以下からなる群より選択してもよい:プロリン(P)、アルギニン(R)、リジン(K)、及びヒスチジン(H)。これに関して、位置4を、好ましくは、プロリン(P)に置換し(配列番号1と比較して)、及び/又は位置5を、好ましくは、アルギニン(R)、リジン(K)、又はヒスチジン(H)に、好ましくはリジン(K)に置換する(配列番号1と比較して)。上記の前縁改変に加えて、及び、場合により、位置23〜29及び/又は位置3〜5での上記の改変に加えて、EGFムテインを、位置10〜12に存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の置換又は欠失によりさらに改変してもよい(配列番号1と比較して)。これらの位置は、EGFムテインが、典型的に、融合タンパク質のより大きな体に融合される場所に近く、EGFムテインに追加の安定性を提供する助けとなる。例として、適した置換基を以下からなる群より選択してもよい:グルタミン酸(E)及びアスパラギン酸(D)。これに関して、位置11を、好ましくは、グルタミン酸(E)又はアスパラギン酸(D)に、好ましくはグルタミン酸に置換する(配列番号1と比較して)。上記の前縁改変に加えて、及び、場合により、位置23〜29及び/又は位置3〜5及び/又は位置10〜12での上記の改変に加えて、EGFムテインを、位置37〜39に存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の置換又は欠失によりさらに改変してもよい(配列番号1と比較して)。これらの位置は、結合界面1及び結合界面2(上で考察する)の両方に近く、EGFムテインに追加の安定性を提供する助けとなる。例として、適した置換基を以下からなる群より選択してもよい:バリン(V)、ロイシン(L)、及びイソロイシン(I)。これに関して、位置38を、好ましくは、バリン(V)、ロイシン(L)、又はイソロイシン(I)に、好ましくはバリン(V)に置換する(配列番号1と比較して)。
本発明者らは、EGF分子の活性化能力(その天然EGF受容体について)が、EGF分子がずっとより大きな融合タンパク質の部分として存在する場合、そのような分子を非細胞毒性融合タンパク質における標的成分として使用した場合と同様に、有意に低下することに注目してきた。この問題は、本発明により、1つ又は複数の突然変異の導入により取り組まれ、それによって、それがより大きな非細胞毒性融合タンパク質の部分として存在する場合、前記EGF分子の活性化能力が増加する。これは、次に、本発明のポリペプチドの細胞標的効率を改善させ、より低い投与量計画を用いてもよいことを意味する。後者によって、製造コストが低下し、本発明のポリペプチドに対する非所望の患者関連の抗原効果が最小限となる。
本発明のEGFムテインが、EGF(例、ErbB)受容体について改善された活性化能力を有することを確認することがルーチンである。例として、本発明者らは実施例4&5を参照する。
一実施態様において、本発明のEGF融合物によって、4もしくは2nMより大きい、又は0.4もしくは0.2nMより大きい、又は0.04もしくは0.02nMより大きいEGF受容体(例、ErbB)に対する結合親和性が実証される。
別の実施態様において、本発明のEGF融合物によって、6 pEC50より大きい、又は7 pEC50より大きい、又は8 pEC50より大きいEGF受容体(例、ErbB)の結合活性化が実証される。適したアッセイの例を実施例9及び10に提供する。
EGFムテインは、天然に存在するヒトEGF(配列番号1)に対して少なくとも1つのアミノ酸の欠失、置換、又は挿入を含む(天然に存在するヒトEGFの6つのシステインアミノ酸残基のいずれもそのように変化されないという条件で)。好ましい実施態様において、EGFムテインは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15のそのような欠失、置換、又は挿入を含む。前記改変の内、置換が最も好ましい。なぜなら、それらは二次又は三次構造に対してより少ない効果を有するからである。欠失又は挿入の場合において、EGFムテインは、好ましくは、最大4又は5、より好ましくは最大2又は3、特に好ましくは最大1のそのような欠失及び/又は挿入を有する。
一実施態様において、EGFムテインは、天然に存在するヒトEGF(配列番号1)に対してわずか15、14、又は13、好ましくはわずか12、11、又は10のアミノ酸の欠失、置換、又は挿入を含む。前記改変の内、置換が最も好ましい。なぜなら、それらは二次又は三次構造に対してより少ない効果を有するからである。欠失又は挿入の場合において、EGFムテインは、好ましくは、最大4又は5、より好ましくは最大2又は3、特に好ましくは最大1のそのような欠失及び/又は挿入を有する。
一実施態様において、EGFムテインは少なくとも37のアミノ酸残基を含む(又はからなる)。例えば、この長さを含むEGFムテインは、天然に存在するhEGF(例、配列番号1)の6つのシステインコンセンサス配列骨格を厳密に模倣する一次アミノ酸配列を有する。そのような37アミノ酸配列は、位置1、9、15、26、28、及び37(N末端からC末端の方向における)でのシステイン残基により特徴付けられる。別の実施態様において(好ましくは、上で定義する骨格配列を含む)、EGFムテインは、少なくとも39又は41、好ましくは少なくとも43又は45、より好ましくは少なくとも47又は49の連続アミノ酸残基を含む。別の実施態様において、EGFムテインは、少なくとも51、52、又は53のアミノ酸残基を含む。
一実施態様において、EGFムテインは、それが、位置:D、P、G1213、L1516、M2122232425、I38394041、Q43444546474849505152(位置及び文字は、天然に存在するヒトEGF(配列番号1)の1文字アミノ酸コードを指す)のいずれかに少なくとも1つ(又は複数、上で詳述する通り)の欠失、置換、又は挿入を含む点で、天然に存在するヒトEGFとは異なる。
例えば:Dを、G、N、Y、A、又はFを用いて置換できる;Sを、T、P、F、Q、又はRを用いて置換できる;Eを、G、K、又はQを用いて置換でき、Pを、Sを用いて置換でき、Lを、P、S、R、又はQを用いて置換できる;Sを、Pにより置換できる;G12を、E、D、又はQを用いて置換できる;Y13を、H又はWを用いて置換できる;L15を、A、I、M、F、又はVにより置換できる;H16を、Q、N、A、E、D、又はYを用いて置換でき、M21を、V、R、又はKを用いて置換できる;Y22を、Hを用いて置換でき、I23を、V又はLを用いて置換できる;E24を、K、G、又はVを用いて置換できる;A25を、S、T、又はQを用いて置換できる;I38を、T、S、A、N、L、又はVを用いて置換できる;G39を、E、Q、K、D、I、L、又はFを用いて置換できる;E40を、Dを用いて置換できる;R41を、Dにより置換できる;Q43を、Eを用いて置換できる;Y44を、H又はTを用いて置換できる;R45を、G、Q、又はPにより置換できる;R46を、Gにより置換できる;L47を、G、D、又はRにより置換できる;K48を、R、T、又はDを用いて置換できる;W49を、Rにより置換できる;W50を、Lにより置換できる;E51を、G、A、W、K、又はYにより置換できる;及び/又は、L52を、P、R、又はTにより置換できる。
加えて又は別々に、Q18を、E、Q、K、F、又はLを用いて置換できる;及び/又は、V35を、Eを用いて置換できる;D17を、Gにより置換できる;V19を、Aにより置換できる。
加えて又は別々に、Nを、S、K、Y、T、又はHにより置換できる;Sを、G又はRにより置換できる;Eを、G又はKにより置換できる;H10を、Yにより置換できる;D11を、N、S、又はEにより置換できる;L26を、Vにより置換できる;K28を、R、S、又はTにより置換できる;A30を、Vにより置換できる;N32を、Sにより置換できる;V34を、Aにより置換できる;V35を、Aにより置換できる。
一実施態様において、EGFムテインは、それが、位置G1213、H16(位置及び文字は、天然に存在するヒトEGF(配列番号1)の1文字アミノ酸コードを指す)のいずれかに少なくとも1つ(又は複数、上で詳述する通り)の欠失、置換、又は挿入を含む点で、天然に存在するヒトEGFとは異なる。例として、G12を、アミノ酸残基、例えばグルタミン(Q)又はアスパラギン(N)などにより置換してもよい。同様に、Y13を、残基、例えばトリプトファン(W)又はフェニルアラニン(F)などにより置換してもよく、H16を、残基、例えばアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、又はスレオニン(T)などにより置換してもよい。
一実施態様において、EGFムテインは、配列番号6〜32、34、36、38、40、42、44、46、49、50、52、54、56、58、及び60のいずれかに記載されるアミン酸配列を含む。この実施態様は、それと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%の配列同一性を有するそのバリアントを包含する。ただし、前記バリアントが、常に、野生型ヒトEGF(配列番号1)と比較した場合、前記配列番号において例示される特定のアミノ酸置換を保持する。この実施態様は、また、それと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%の配列同一性を有するそのバリアントを包含する。ただし、前記バリアントが、常に、野生型ヒトEGF(配列番号1)と比較した場合、前記配列番号において例示される特定のアミノ酸置換の保存的アミノ酸置換を保持する。
本発明のポリペプチドの生物学的活性成分は、非細胞毒性プロテアーゼである。非細胞毒性プロテアーゼは、種々の植物により、及び種々の微生物、例えばクロストリジウム種(clostridial sp.)及びナイセリア種(neisserial sp.)(例、Nゴノレア(N. gonorrhoeae))などにより産生される。
好ましい実施態様において、本発明の非細胞毒性プロテアーゼは、クロストリジウム神経毒プロテアーゼ又はナイセリアIgAプロテアーゼである。
ここで本発明のトランスロケーションペプチド(トランスロケーションドメインともいう)を見ると、この成分は、非細胞毒性プロテアーゼを、エンドソーム膜を横断し、標的細胞のサイトゾル中にトランスロケーションさせるために役立ち、ここで、プロテアーゼ成分は次にSNAREタンパク質に対してそのタンパク質分解効果を発揮しうる。トランスロケーションペプチドは当技術分野において周知であり、種々の植物及び微生物により産生される。
好ましい実施態様において、本発明のトランスロケーションペプチドは、クロストリジウム神経毒トランスロケーションペプチド(クロストリジウムトランスロケーションドメイン、又はHとしても公知である)である。
本発明のポリペプチドは改変EGF分子を含み、それは、例えば、粘液分泌細胞上のEGF受容体への結合により、ポリペプチドを選択された標的細胞に向かわせるための標的成分(TM)として作用する。好ましい実施態様において、EGF受容体はErbB受容体、好ましくはErbB受容体である。
本発明の第2の局面によると、広範囲の医学的状態及び疾患を標的とする際での使用のための非細胞毒性ポリペプチド(上で定義する)を提供する。
一実施態様において、本発明は、粘液分泌過多、特に、粘液分泌過多が原因要素である状態又は疾患、例えば(慢性)気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び喘息などの抑制のための前記非細胞毒性ポリペプチドの使用及び対応する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、炎症の抑制のための使用及び対応する方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、内分泌新生物、例えばMEN、甲状腺中毒症など、ならびに神経内分泌障害、例えばクッシング病、末端肥大症、高アンドロゲン症、慢性無排卵症、多嚢胞卵巣症候群、カルチノイド症候群、低血糖性症候群、壊死性遊走性紅斑、ゾリンジャー−エリソン症候群、及びバーナー−モリソン症候群などの抑制のための使用及び対応する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、神経内分泌腫瘍、例えば非カルチノイド胃腸膵管系神経内分泌腫瘍、カルチノイド腫瘍、下垂体腫瘍、及び褐色細胞腫などの抑制のため、ならびに、癌、例えば結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、及び肺癌などを抑制するための使用及び対応する方法を提供する。
使用において、本発明のポリペプチドが、EGF(例、ErbB)受容体(結合部位)に結合し、それは標的細胞に存在する、好ましくはその特徴となる。このように、粘液適用との関連で、EGF TMは粘液分泌細胞(例、上皮杯細胞、又は粘膜下腺粘液分泌細胞)に結合する。抗炎症性用途との関連で、EGF TMは炎症性白血球細胞(例、好中球)に結合する。神経内分泌状態との関連で、EGF TMは、腫瘍細胞自体に、又は成育ホルモン分泌細胞(例、下垂体細胞)に結合しうる。結合に続き、本発明のポリペプチド(少なくともその非細胞毒性プロテアーゼ成分)は、小胞中にエンドサイトーシスされ、そしてトランスロケーション成分は、次に、エンドソーム膜を横断した非細胞毒性プロテアーゼの輸送を標的細胞のサイトゾル中に向ける。一旦標的細胞内に入ると、非細胞毒性プロテアーゼ成分は、細胞の細胞外融合プロセスを阻害し、それにより標的細胞からの放出/分泌を阻害する。
ポリペプチド調製
本発明のポリペプチドは3つの主成分を含む:「弾頭(warhead)」(即ち、非細胞毒性プロテアーゼ);EGFムテインTM;及びトランスロケーションドメイン。そのような融合タンパク質の調製に関連する一般的な技術を、しばしば、再標的化毒素技術という。例示として、本発明者らは以下を参照する:WO94/21300;WO96/33273;WO98/07864;WO00/10598;WO01/21213;WO06/059093;WO00/62814;WO00/04926;WO93/15766;WO00/61192;及びWO99/58571。これらの刊行物の全てが、その参照により本明細書に組み入れられる。
より詳細には、本発明のTM成分は、本発明のプロテアーゼ成分又はトランスロケーション成分のいずれかに融合させてもよい。前記融合は、好ましくは、共有結合、例えば、直接的な共有結合又はスペーサー/リンカー分子を介することのいずれかによる。プロテアーゼ成分及びトランスロケーション成分は、好ましくは、共有結合を介して、例えば、直接的な共有結合又はスペーサー/リンカー分子を介することのいずれかにより一緒に連結される。適したスペーサー/リンカー分子は、当技術分野において周知であり、典型的には、5〜40の間の、好ましくは10〜30の間のアミノ酸残基長のアミノ酸ベースの配列を含む。
使用において、ポリペプチドは二鎖(di-chain)立体構造を有し、それにおいて、プロテアーゼ成分及びトランスロケーション成分は、好ましくはジスルフィド結合を介して一緒に連結される。
本発明のポリペプチドは、当業者に周知である従来の化学的抱合技術により調製される。例として、Hermanson, G. T. (1996), Bioconjugate techniques, Academic Press, and to Wong, S. S. (1991), Chemistry of protein conjugation and cross-linking, CRC Pressを参照のこと。
あるいは、ポリペプチドは、単一のポリペプチド融合タンパク質の組換え調製により調製してもよい(例えば、WO98/07864を参照のこと)。この技術は、天然クロストリジウム神経毒(即ち、ホロ毒素)が調製されるインビボでの細菌機構に基づいており、以下の「単純化」構造配置を有する融合タンパク質をもたらす:
NH2−[プロテアーゼ成分]−[トランスロケーション成分]−[EGF TM]−COOH
WO98/07864によると、TMは、融合タンパク質のC末端に向かって置かれる。融合タンパク質を、次に、プロテアーゼを用いた処理により活性化させ、それによってプロテアーゼ成分とトランスロケーション成分との間の部位で切断される。二鎖タンパク質をこのように産生し、プロテアーゼ成分を、トランスロケーション成分+TMを含む別の単一ポリペプチド鎖に(ジスルフィド架橋を介して)共有結合的に付着させた単一ポリペプチド鎖として含む。
あるいは、本発明の融合タンパク質が、WO06/05093に従い、TMが、標的細胞上の結合部位との相互作用について「遊離」であるN末端ドメインを有するように調製されうる。このシステムにおいて、融合タンパク質のTM成分は、線形融合タンパク質配列の中央に向かい、プロテアーゼ切断部位とトランスロケーション成分の間に位置付けられる。プロテアーゼ切断部位での続く切断によって、TMのN末端部分が露出され、二鎖ポリペプチド融合タンパク質が提供される。
上記のプロテアーゼ切断配列を、従来の手段、例えば部位特異的突然変異誘発などによりDNAレベルで導入してもよい(及び/又は任意の固有の切断配列を除去する)。切断配列の存在を確認するためのスクリーニングを、手動で又はコンピュータソフトウェア(例、DNASTAR, Inc.によるMapDrawプログラム)の補助を用いて実施してもよい。任意のプロテアーゼ切断部位を用いてよく(即ち、クロストリジウム又は非クロストリジウム)、以下が好ましい:
エンテロキナーゼ (DDDDK↓)
第Xa因子 (IEGR↓ / IDGR↓)
TEV(タバコエッチウイルス) (ENLYFQ↓G)
トロンビン (LVPR↓GS)
PreScission (LEVLFQ↓GP).
CleanCut (WELQ↓X)
(Xは、プロリンを除く、任意のアミノ酸を示す)
また、プロテアーゼ切断部位という用語によりインテインが包含され、それは自己切断配列である。自己スプライシング反応は、例えば、存在する還元剤の濃度を変動させることにより制御可能である。上記の「活性化」切断部位を用いてもよい。なぜなら、「破壊的」切断部位(以下で考察する)を、本発明のポリペプチド中に組み入れるべきであるからである。
好ましい実施態様において、本発明の融合タンパク質は、1つ又は複数のN末端及び/又はC末端位置付けられる精製タグを含みうる。任意の精製タグを用いてよく、以下:
Hisタグ(例、6×ヒスチジン)、好ましくはC末端及び/又はN末端タグとして
MBPタグ(マルトース結合タンパク質)、好ましくはN末端タグとして
GSTタグ(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、好ましくはN末端タグとして
His−MBPタグ、好ましくはN末端タグとして
GST−MBPタグ、好ましくはN末端タグとして
チオレドキシンタグ、好ましくはN末端タグとして
CBDタグ(キチン結合ドメイン)、好ましくはN末端タグとして
が好ましい。
1つ又は複数のペプチドスペーサー/リンカー分子を、融合タンパク質に含めてもよい。例えば、ペプチドスペーサーを、精製タグと融合タンパク質分子の残りの間に用いてもよい。
このように、本発明の第3の局面は、上に記載するポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNA)配列を提供する。
前記核酸を、ベクターの形態、例えばプラスミドなどに含めてよく、それは、場合により、1つ又は複数の複製開始点、核酸組込み部位、プロモーター、ターミネーター、及びリボソーム結合部位を含みうる。
本発明は、また、上記の核酸配列(即ち、本発明の第3の局面)を、宿主細胞、特にE. coliにおいて発現させるための方法を含む。
本発明は、また、本発明のポリペプチドを活性化するための方法を含み、前記方法は、ポリペプチドを、非細胞毒性プロテアーゼ成分とトランスロケーション成分の間に位置付けられる認識部位(切断部位)でポリペプチドを切断するプロテアーゼと接触させることを含み、それにより、ポリペプチドを二鎖ポリペプチドに変換させ、それにおいて、非細胞毒性プロテアーゼ成分及びトランスロケーション成分がジスルフィド結合により一緒に連結される。好ましい実施態様において、認識部位は、天然に存在するクロストリジウム神経毒及び/又は天然に存在するIgAプロテアーゼに対して天然ではない。
本発明のポリペプチドをさらに改変し、非標的化部位中への分散に関連する不要な副作用が低下又は防止されうる。この実施態様によると、ポリペプチドは破壊的な切断部位を含む。破壊的な切断部位は、「活性化」部位(即ち、二鎖形成)とは異なり、第2のプロテアーゼにより切断可能であり、非細胞毒性プロテアーゼにより切断可能ではない。さらに、第2のプロテアーゼにより破壊的な切断部位でそのように切断された場合、ポリペプチドは低下した効力(例、意図する標的細胞に対する低下した結合能力、低下したトランスロケーション活性、及び/又は低下した非細胞毒性プロテアーゼ活性)を有する。完全性のために、本発明の「破壊的」な切断部位のいずれかを、本発明のポリペプチドにおいて「活性化」部位として別々に用いてもよい。
このように、この実施態様によると、本発明は、部位外で制御可能に不活性化及び/又は破壊されうるポリペプチドを提供する。
好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、循環プロテアーゼ(例、細胞外プロテアーゼ、例えば血清プロテアーゼ又は血液凝固カスケードのプロテアーゼなど)、組織関連プロテアーゼ(例、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)、例えば筋肉のMMPなど)、及び細胞内プロテアーゼ(好ましくは、標的細胞が存在しないプロテアーゼ)より選択される第2のプロテアーゼ(即ち、破壊的プロテアーゼ)により認識及び切断される。
このように、使用において、本発明のポリペプチドが、その意図する標的細胞から離れて分散される及び/又は非標的細胞により取り込まれる場合、ポリペプチドは、破壊的な切断部位の切断(第2のプロテアーゼによる)により不活性化される。
一実施態様において、破壊的な切断部位は、部位外の細胞型内に存在する第2のプロテアーゼにより認識及び切断される。この実施態様において、部位外の細胞及び標的細胞は、好ましくは、異なる細胞型である。あるいは(又は加えて)、破壊的な切断部位は、部位外の位置に存在する(例、標的細胞から遠位の)第2のプロテアーゼにより認識及び切断される。したがって、破壊的な切断が細胞外で生じる場合、標的細胞及び部位外の細胞は、同じ又は異なる細胞型でありうる。これに関して、標的細胞及び部位外の細胞は、本発明の同じポリペプチドが結合する受容体を各々保有しうる。
本発明の破壊的な切断部位は、ポリペプチドが部位外の位置内又は位置にある場合、ポリペプチドの不活性化及び/又は破壊を提供する。これに関して、破壊的な切断部位での切断によって、ポリペプチドの効力が最小限になる(同じ破壊的な切断部位を欠く、又は同じ破壊的部位を保有するが、しかし、非切断形態である同一のポリペプチドと比較した場合)。例として、低下した効力は以下を含む:低下した結合(哺乳動物細胞の受容体に対する)及び/又は低下したトランスロケーション(サイトゾルの方向での哺乳動物細胞のエンドソーム膜を横断する)、及び/又は低下したSNAREタンパク質切断。
本発明に関連する破壊的な切断部位を選択する場合、破壊的な切断部位が、その製造プロセスの部分として、本発明のポリペプチドの翻訳後修飾のために別々に使用されうる任意のプロテアーゼのための基質ではないことが好ましい。これに関して、本発明の非細胞毒性プロテアーゼは、典型的には、プロテアーゼ活性化事象を用いる(別々の「活性化」プロテアーゼ切断部位を介し、それは、本発明の破壊的な切断部位とは構造的に異なる)。活性化切断部位の目的は、非細胞毒性プロテアーゼと本発明のポリペプチドのトランスロケーション成分又は結合成分との間のペプチド結合を切断することであり、それにより「活性化」二鎖ポリペプチドを提供し、それにおいて、前記2つの成分がジスルフィド結合を介して一緒に連結される。
このように、本発明のポリペプチドの破壊的な切断部位が、「活性化」切断部位及び続くジスルフィド結合形成に悪影響を及ぼさないことを確実とすることを助けるために、前者は、好ましくは、「活性化」切断部位から少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、及び好ましくは少なくとも60超、少なくとも70、少なくとも80の(連続)アミノ酸残基の離れた位置で本発明のポリペプチド中に導入される。
破壊的な切断部位及び活性化切断部位は、好ましくは、ポリペプチドの天然成分に関して、外因性である(即ち、操作されている/人工である)。換言すると、前記切断部位は、好ましくは、ポリペプチドの対応する天然成分に固有である。例として、BoNT/A L鎖又はH鎖に(それぞれ)基づくプロテアーゼ又はトランスロケーション成分は、本発明に従って操作され、切断部位を含みうる。前記切断部位は、しかし、対応するBoNT天然L鎖又はH鎖中に存在しないであろう。同様に、ポリペプチドの標的成分が操作され、プロテアーゼ切断部位を含む場合、前記切断部位は、対応する標的成分の対応する天然配列中に存在しないであろう。
本発明の好ましい実施態様において、破壊的な切断部位及び「活性化」切断部位は、同じプロテアーゼにより切断されない。一実施態様において、2つの切断部位は、それぞれの認識配列内の許容されるアミノ酸の少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、特に好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくは少なくとも4つが異なる点で互いに異なる。
例として、クロストリジウムL鎖とH成分との間の第Xa因子「活性化」部位を含むポリペプチドキメラの場合において、第Xa因子以外の部位である破壊的な切断部位を用いることが好ましく、それは、L鎖及び/又はH及び/又はTM成分中の他の場所に挿入されうる。このシナリオにおいて、ポリペプチドを改変し、L鎖とH成分の間に代わりの「活性化」部位を収容させてもよく(例えば、エンテロキナーゼ切断部位)、その場合において、別々の第Xa因子切断部位を、破壊的な切断部位として、ポリペプチド中の他の場所に組み入れてもよい。あるいは、L鎖とH成分との間の既存の第Xa因子「活性化」部位を保持させ、代わりの切断部位、例えばトロンビン切断部位などを、破壊的な切断部位として組み入れてもよい。
切断部位の包含のために、本発明の成分のいずれかの一次配列内で適した部位を特定する場合、挿入すべき、提示された切断部位と厳密に一致する一次配列を選択することが好ましい。そのようにすることにより、最小限の構造変化をポリペプチド中に導入する。例として、切断部位は、典型的に、少なくとも3つの連続アミノ酸残基を含む。このように、好ましい実施態様において、新たな切断部位を導入するために要求されるアミノ酸残基の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つを(正確な位置に)既に保有する切断部位を選択する。例として、一実施態様において、カスパーゼ3切断部位(DMQD)を導入してもよい。これに関して、例えば、以下より選択される一次配列を既に含む、好ましい挿入位置を特定する:Dxxx、xMxx、xxQx、xxxD、DMxx、DxQx、DxxD、xMQx、xMxD、xxQD、DMQx、xMQD、DxQD、及びDMxD。
同様に、切断部位を、表面暴露領域中に導入することが好ましい。表面暴露領域内では、既存のループ領域が好ましい。
本発明の好ましい実施態様において、破壊的な切断部位を以下の位置の1つ又は複数に導入し、それはBoNT/Aの一次アミノ酸配列に基づく。挿入位置をBoNT/Aの参照により(便宜上)特定し、代わりのプロテアーゼドメイン及び/又はトランスロケーションドメインの一次アミノ酸配列が、前記のBoNT/A位置を用いて容易に整列されうる。
プロテアーゼ成分については、以下の位置の1つ又は複数が好ましい:27−31、56−63、73−75、78−81、99−105、120−124、137−144、161−165、169−173、187−194、202−214、237−241、243−250、300−304、323−335、375−382、391−400、及び413−423上のナンバリングは、好ましくは、本発明のプロテアーゼ成分のN末端より開始する。
好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、プロテアーゼ成分のN末端より、8アミノ酸残基より大きい、好ましくは10アミノ酸残基より大きい、より好ましくは25アミノ酸残基より大きい、特に好ましくは50アミノ酸残基より大きい位置に位置付けられる。
同様に、好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、プロテアーゼ成分のC末端より、20アミノ酸残基より大きい、好ましくは30アミノ酸残基より大きい、より好ましくは40アミノ酸残基より大きい、特に好ましくは50アミノ酸残基より大きい位置に位置付けられる。
トランスロケーション成分について、以下の位置の1つ又は複数が好ましい:474−479、483−495、507−543、557−567、576−580、618−631、643−650、669−677、751−767、823−834、845−859。上のナンバリングは、好ましくは、本発明のトランスロケーションドメイン成分のN末端について449の開始位置、及びトランスロケーションドメイン成分のC末端について871の終了位置を認める。
好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、トランスロケーション成分のN末端より、10アミノ酸残基より大きい、好ましくは25アミノ酸残基より大きい、より好ましくは40アミノ酸残基より大きい、特に好ましくは50アミノ酸残基より大きい位置に位置付けられる。同様に、好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、トランスロケーション成分のC末端より、20アミノ酸残基より大きい、好ましくは30アミノ酸残基より大きい、より好ましくは40アミノ酸残基より大きい、特に好ましくは50アミノ酸残基より大きい位置に位置付けられる。
好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、TM成分のN末端より、10アミノ酸残基より大きい、好ましくは25アミノ酸残基より大きい、より好ましくは40アミノ酸残基より大きい、特に好ましくは50アミノ酸残基より大きい位置に位置付けられる。同様に、好ましい実施態様において、破壊的な切断部位は、TM成分のC末端より、10アミノ酸残基より大きい、好ましくは25アミノ酸残基より大きい、より好ましくは40アミノ酸残基より大きい、特に好ましくは50アミノ酸残基より大きい位置に位置付けられる。
本発明のポリペプチドは、1つ又は複数の(例、2、3、4、5又はそれ以上)の破壊的な切断部位を含みうる。1を上回る破壊的な切断部位が含まれる場合、各々の切断部位は同じ又は異なりうる。これに関して、1を上回る破壊的な切断部位の使用によって、改善された部位外の活性化が提供される。同様に、2つ又はそれ以上の破壊的な切断部位の使用によって、追加の設計柔軟性が提供される。
破壊的な切断部位を、ポリペプチドの以下の成分のいずれかに操作してもよい:非細胞毒性プロテアーゼ成分;トランスロケーション成分;標的成分;又はスペーサーペプチド(存在する場合)。これに関して、破壊的な切断部位を、ポリペプチドの効力に対する最小限の有害効果を確実とするように選び(例えば、標的/結合領域及び/又はトランスロケーションドメイン、及び/又は非細胞毒性プロテアーゼドメインに対する最小限の効果を有することによる)、ポリペプチドが、その標的部位/標的細胞から離れて不安定であることを確実とする。
好ましい破壊的な切断部位(さらに対応する第2のプロテアーゼ)を、真下の表に列挙する。列挙した切断部位は、純粋に例示的であり、本発明を限定することを意図しない。
Figure 0005658152

Figure 0005658152
マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)が、本発明に関連する破壊的なプロテアーゼの好ましい群である。この群内では、ADAM17(EC 3.4.24.86、TACEとしても公知)が好ましく、種々の膜固定細胞表面タンパク質を切断し、細胞外ドメインを「落とす」。加えて、好ましいMMPは、アダマリシン(adamalysin)、セラリシン(serralysin)、及びアスタシン(astacin)を含む。
好ましい破壊的プロテアーゼの別の群は、哺乳動物血液プロテアーゼ、例えばトロンビン、凝集第VIIa因子、凝集第IXa因子、凝集第Xa因子、凝集第XIa因子、凝集第XIIa因子、カリクレイン、プロテインC、及びMBP関連セリンプロテアーゼなどである。
本発明の一実施態様において、前記破壊的な切断部位は、少なくとも3又は4、好ましくは5又は6、より好ましくは6又は7、特に好ましくは少なくとも8の連続アミノ酸残基を有する認識配列を含む。これに関して、認識配列が長くなるほど(連続アミノ酸残基の点で)、破壊的部位の非特異的切断が、意図しない第2のプロテアーゼを介して生じる可能性が低くなる。
本発明の破壊的な切断部位を、プロテアーゼ成分及び/又は標的成分中に、及び/又はトランスロケーション成分中に、及び/又はスペーサーペプチド中に導入する。これらの4つの成分の内、プロテアーゼ成分が好ましい。したがって、ポリペプチドは、非細胞毒性プロテアーゼ及び/又は結合成分及び/又はトランスロケーション成分の直接的な破壊により迅速に不活性化されうる。
ポリペプチド送達
使用においては、本発明では、ポリペプチドを、医薬的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、噴霧剤、及び/又は塩より選択される少なくとも1つの成分と一緒に含む医薬的組成物を用いる。
本発明のポリペプチドは、経口、非経口、連続注入、吸入、又は局所適用のために製剤化してもよい。注射に適した組成物は、溶剤、懸濁剤もしくは乳剤、又は使用前に適した賦形剤中に溶解又は懸濁される乾燥粉末の形態でありうる。
局所的に送達すべきポリペプチドの場合において、ポリペプチドは、クリームとして(例、局所適用のため)、又は皮下注射用に製剤化されうる。
局所的な送達手段は、エアゾル、又は他の噴霧剤(例、ネブライザー)を含みうる。これに関して、ポリペプチドのエアゾル製剤は、肺及び/又は他の鼻及び/又は気管支又は気道の通路への送達を可能にする。
1つの投与経路は、腹腔鏡及び/又は局所注射を介する。あるいは(又は加えて)、送達は、全身的であり、例えば静脈内投与などを介しうる。
注射用の製剤の場合において、投与部位からのポリペプチドの保持を補助する、又は除去を低下させるための医薬的に活性な物質を含むことは任意である。そのような医薬的に活性な物質の1つの例が、血管収縮剤、例えばアドレナリンなどである。そのような製剤は、投与に続くポリペプチドの滞留時間を増加させ、ひいてはその効果を増加及び/又は増強させる利点を与える。
本発明のポリペプチドは、罹患臓器の神経支配に関与する脊髄分節のレベルでの脊柱における髄腔内又は硬膜外注射により患者に投与してもよい。
本発明のポリペプチドの投与のための投与量範囲は、所望の治療効果を産生する投与量である。要求される投与量範囲が、ポリペプチド又は組成物の正確な性質、投与経路、製剤の性質、患者の年齢、患者の状態の性質、程度、又は重症度、禁忌(有る場合)、及び主治医の判断に依存することが理解されるであろう。これらの投与量レベルにおける変動を、最適化のために、標準的な経験的ルーチンを使用して調整することができる。
適した1日投与量(患者の体重1kg当たり)は、0.0000〜1ng/kg、好ましくは0.0000〜0.5ng/kg、より好ましくは0.002〜0.5ng/kg、及び特に好ましくは0.004〜0.5ng/kgの範囲にある。単位投与量は、1ピコグラム未満〜30ngまで変動しうるが、しかし、典型的には、1用量当たり0.01〜1ngの範囲であり、それを毎日又は好ましくはより少ない頻度で(例えば週1回又は1ヶ月に6回など)投与してもよい。
特に好ましい投与計画は、1×用量として2.5ngのポリペプチドに基づく。これ関して、好ましい投与量は、1×〜100×(即ち、2.5〜250ng)の範囲にある。
液体投与形態は、典型的には、ポリペプチド及び発熱物質不含滅菌賦形剤を利用して調製する。ポリペプチドは、使用される賦形剤及び濃度に依存して、賦形剤中に溶解又は懸濁することができる。溶液を調製する際、ポリペプチドを賦形剤中に溶解させることができ、溶液は、必要な場合、塩化ナトリウムの添加により等張にし、適した滅菌バイアル又はアンプル中に充填し、密封する前に、無菌技術を使用し、滅菌フィルターを通したろ過により滅菌する。あるいは、溶液安定性が適切である場合、その密封された容器中の溶液をオートクレーブにより滅菌してもよい。有利には、添加剤、例えば緩衝剤、可溶化剤、安定剤、保存剤又は殺菌剤、懸濁剤又は乳化剤、及び/又は局所麻酔剤を、賦形剤中に溶解させてもよい。
乾燥粉末は、使用前に適した賦形剤中に溶解又は懸濁させ、無菌場所において無菌技術を使用し、前滅菌された成分を無菌容器中に充填することにより調製してもよい。あるいは、成分を、滅菌場所において無菌技術を使用し、適した容器中に溶解させてもよい。産物を次に凍結乾燥させ、容器を無菌的に密封する。
筋肉内、皮下、又は皮内注射に適した非経口懸濁剤は、滅菌成分を、溶解させる代わりに、滅菌賦形剤中に懸濁させ、滅菌がろ過により達成できないことを除き、実質的に同じ様式で調製される。成分は滅菌状態で単離されうる。あるいは、単離後に、例えば、ガンマ線照射により滅菌されうる。
有利には、懸濁剤、例えば、ポリビニルピロリドンが組成物中に含まれ、成分の一様な分布を促進する。
本発明の投与では、微小粒子封入、ウイルス送達系、又は高圧エアゾル衝突を含む種々の送達技術を利用してもよい。
定義のセクション
標的成分(TM)は、結合部位と機能的に相互作用し、本発明のポリペプチドと標的細胞(典型的には、哺乳動物細胞、特にヒト細胞)の表面の間で物理的会合を起こす任意の化学的構造を意味する。TMという用語は、標的細胞上の結合部位に結合することが可能である任意の分子(即ち、天然に存在する分子、又は化学的/物理的に修飾されたそのバリアント)を包含し、その結合部位は内在化が可能である(例、エンドソーム形成)−受容体媒介エンドサイトーシスともいう。TMはエンドソーム膜トランスロケーション機能を保有しうるが、その場合おいて別々のTM及びトランスロケーションドメイン成分が本発明の薬剤中に存在する必要はない。本明細書を通じて、特定のTMが、例えば、配列番号の参照により記載される。前記TMの参照は単に例示的であり、本発明はその全てのバリアント及び派生物を包含し、それらは例示されるTMの基本的な結合(即ち、標的化)能力を保持する。
本発明のTMは、問題の標的細胞に結合する(好ましくは、特異的に結合する)。「特異的に結合する」という用語は、所与のTM(例、追加の融合タンパク質成分、例えばトランスロケーション成分及び/又はエンドペプチダーゼ成分を伴う)が、結合親和性(Ka)10M-1又はそれ以上、好ましくは10M-1又はそれ以上、より好ましくは1010M-1又はそれ以上、最も好ましくは1011M-1又はそれ以上を伴い標的細胞に結合することを意味する。
本明細書におけるTMの参照によって、そのフラグメント及びバリアントが包含され、それらは問題の標的細胞及び/又はEGF(例、ErbB)受容体に結合する能力を保持する。例として、バリアントは、少なくとも70%もしくは75%、又は少なくとも80%もしくは85%、又は少なくとも90%もしくは95%のアミノ酸配列相同性を、参照TMと有しうる(例、配列番号1、及び/又はその6システイン骨格を含むその37のアミノ酸配列)。バリアントは、アミノ酸の1つ又は複数のアナログ(例、非天然アミノ酸)、又は置換された連結を含みうる。また、例として、フラグメントという用語は、TMとの関連で使用された場合、参照TMの少なくとも37、又は少なくとも40、又は少なくとも45、又は少なくとも50のアミノ酸残基を有するペプチドを意味する。フラグメントという用語は、また、上記のバリアントに関連する。このように、例として、本発明のフラグメントは、少なくとも37、40、45、又は50のアミノ酸を有するペプチド配列を含みうる。それにおいて、ペプチド配列は、参照ペプチドの対応するペプチド配列(の連続)アミノ酸にわたり少なくとも80%配列相同性を有する。本発明のEGF TMは、99%又はそれ以下、97%又はそれ以下、95%又はそれ以下、93%又はそれ以下、91%又はそれ以下、89%又はそれ以下、87%又はそれ以下、85%又はそれ以下、83%又はそれ以下、81%又はそれ以下、79%又はそれ以下、77%又はそれ以下、75%又はそれ以下、73%又はそれ以下、71%又はそれ以下の配列同一性を、天然に存在するヒトEGFと有する(例、配列番号1、及び/又はその6システイン骨格を含むその37のアミノ酸配列)。
TMが、選択された標的細胞と結合することを確認することがルーチンである。例えば、単純な放射性置換実験を用いてもよく、それにおいて標的細胞(例、粘液分泌細胞、又は炎症細胞)を代表する組織又は細胞を、過剰な未標識TMの存在において、標識(例、滴定された)TMに暴露させる。そのような実験において、非特異的結合と特異的結合の相対的な割合を評価してもよく、それによりTMが標的細胞に結合することの確認が可能になる。場合により、アッセイは1つ又は複数の結合アンタゴニストを含み、アッセイはTM結合の喪失の観察をさらに含みうる。この型の実験の例を、Hulme, E. C. (1990), Receptor-binding studies, a brief outline, pp.303-311, In Receptor biochemistry, A Practical Approach, Ed. E. C. Hulme, Oxford University Pressにおいて見出すことができる。
本発明のポリペプチドは、クロストリジウム神経毒の機能的なHドメインを欠きうる。したがって、前記ポリペプチドは、Shone et al. (1985) Eur. J. Biochem. 151, 75-82に記載される結合アッセイにおいてラットシナプトゾーム膜に(クロストリジウムH成分を介して)結合することができない。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、好ましくは、クロストリジウム神経毒ホロ毒素の最後の50のC末端アミノ酸を欠く。別の実施態様において、ポリペプチドは、好ましくは、クロストリジウム神経毒ホロ毒素の最後の100、好ましくは最後の150、より好ましくは最後の200、特に好ましくは最後の250、最も好ましくは最後の300のC末端アミノ酸残基を欠く。あるいは、Hc結合活性を、突然変異誘発により無効にしてもよい/低下させてもよい。例として、便宜上、BoNT/Aを参照すること。ガングリオシド結合ポケット中の1つ又は2つのアミノ酸残基突然変異(W1266からL及びY1267からF)の改変によって、H領域がその受容体結合機能を喪失する。類似の突然変異を、非血清型Aクロストリジウムペプチド成分に作製してもよい。例えば、突然変異を伴うボツリヌスB(W1262からL及びY1263からF)又はボツリヌスE(W1224からL及びY1225からF)に基づく構築物。活性部位に対する他の突然変異によって、H受容体結合活性の同じ消失が達成される(例、ボツリヌスA型におけるY1267S及び他のクロストリジウム神経毒における対応する高度に保存された残基)。これ及び他の突然変異の詳細は、Rummel et al. (2004) (Molecular Microbiol. 51: 631-634)に記載され、その参照により本明細書により組み入れられる。
天然クロストリジウム神経毒のHペプチドは、約400〜440のアミノ酸残基を含み、各々が約25kDaの2つの機能的に異なるドメイン、即ち、N末端領域(一般的に、HCNペプチド又はドメインという)及びC末端領域(一般的に、HCCペプチド又はドメインという)からなる。この事実は、以下の刊行物により確認され、その各々が、その参照によりその全体において本明細書に組み入れられる:Umland TC (1997) Nat. Struct. Biol. 4: 788-792; Herreros J (2000) Biochem. J. 347: 199-204; Halpern J (1993) J. Biol. Chem. 268: 15, pp.11188-11192; Rummel A (2007) PNAS 104: 359-364; Lacey DB (1998) Nat. Struct. Biol. 5: 898-902; Knapp (1998) Am. Cryst. Assoc. Abstract Papers 25: 90; Swaminathan and Eswaramoorthy (2000) Nat. Struct. Biol. 7: 1751-1759;及びRummel A (2004) Mol. Microbiol. 51(3), 631-643。さらに、C末端領域(HCC)が、C末端の160〜200アミノ酸残基を構成し、クロストリジウム神経毒のその天然細胞受容体(即ち神経筋接合部の神経終末)への結合に関与することが十分に記録されている。この事実は、また、上の刊行物により確認される。このように、本明細書を通じて、機能的な重鎖Hペプチド(又はドメイン)を欠き、重鎖が、天然クロストリジウム神経毒が結合する細胞表面受容体に結合することが不可能であるクロストリジウム重鎖の参照は、クロストリジウム重鎖が、単純に、機能的なHCCペプチドを欠くことを意味する。換言すると、HCCペプチド領域は、部分的又は全体的に欠失され、そうでなければ改変され(例、従来の化学的又はタンパク質分解処理を通じて)、神経筋接合部の神経終末についてのその天然結合能力を不活性化する。
このように、一実施態様において、本発明のクロストリジウムNペプチドは、クロストリジウム神経毒のC末端ペプチド部分(HCC)の部分を欠き、ひいては天然クロストリジウム神経毒のH結合機能を欠く。例として、一実施態様において、C末端が伸長したクロストリジウムHペプチドは、クロストリジウム神経毒重鎖のC末端の40アミノ酸残基、又はC末端の60アミノ酸残基、又はC末端の80アミノ酸残基、又はC末端の100アミノ酸残基、又はC末端の120アミノ酸残基、又はC末端の140アミノ酸残基、又はC末端の150アミノ酸残基、又はC末端の160アミノ酸残基を欠く。別の実施態様において、本発明のクロストリジウムHペプチドは、クロストリジウム神経毒の全C末端ペプチド部分(HCC)を欠き、ひいては天然クロストリジウム神経毒のH結合機能を欠く。例として、一実施態様において、クロストリジウムHペプチドは、クロストリジウム神経毒重鎖のC末端の165アミノ酸残基、又はC末端の170アミノ酸残基、又はC末端の175アミノ酸残基、又はC末端の180アミノ酸残基、又はC末端の185アミノ酸残基、又はC末端の190アミノ酸残基、又はC末端の195アミノ酸残基を欠く。さらなる例として、本発明のクロストリジウムHペプチドは、以下:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(Y1111−L1296)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(Y1098−E1291)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(Y1112−E1291)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(Y1099−E1276)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(Y1086−K1252)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(Y1106−E1274)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(Y1106−E1297)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(Y1128−D1315)
からなる群より選択されるクロストリジウムHCC参照配列を欠く。
上で特定された参照配列をガイドと見なすべきである。なぜなら、わずかな変動が血清亜型に従って生じうるからである。
本発明のプロテアーゼは、真核細胞の細胞外融合装置の1つ又は複数のSNAREタンパク質を切断することが可能である全ての非細胞毒性プロテアーゼを包含する。
本発明のプロテアーゼは、好ましくは、細菌プロテアーゼ(又はそのフラグメント)である。より好ましくは、細菌プロテアーゼは、クロストリジウム属より選択される(例、クロストリジウムL鎖)。本発明のプロテアーゼは、好ましくは、セリン又はメタロプロテイナーゼ活性(例、エンドペプチダーゼ活性)を示す。
本発明は、また、バリアント非細胞毒性プロテアーゼ(即ち、天然に存在するプロテアーゼ分子のバリアント)を、バリアントプロテアーゼが依然として必須のプロテアーゼ活性を示す限り、包含する。例として、バリアントは、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%又は少なくとも98%のアミノ酸配列相同性を、参照プロテアーゼ配列と有しうる。このように、バリアントという用語は、増強した(減少した)エンドペプチダーゼ活性を有する非細胞毒性プロテアーゼを含む。特に、本明細書においては、BoNT/A突然変異体Q161A、E54A、及びK165Lの増加したKcat/Kに言及する。Ahmed, S.A. (2008) Protein J. DOI 10.1007/s10930-007-9118-8を参照のこと。それはその参照により組み入れられる。フラグメントという用語は、プロテアーゼに関連して使用される場合、典型的には、参照プロテアーゼの少なくとも150、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも250、最も好ましくは少なくとも300のアミノ酸残基を有するペプチドを意味する。TM「フラグメント」成分と同様に(上で考察する)、本発明のプロテアーゼ「フラグメント」は、参照配列に基づくバリアントプロテアーゼのフラグメントを包含する。
特に、神経毒のプロテアーゼドメイン、例えば、細菌神経毒のプロテアーゼドメインに言及する。このように、本発明は、天然で生じる神経毒ドメイン、ならびに、天然に存在する前記神経毒の組換え調製バージョンの使用を包含する。
例示的な神経毒はクロストリジウムにより産生され、クロストリジウム神経毒という用語は、C. tetani(TeNT)により、及びC. botulinum(BoNT)血清型A〜Gにより産生される神経毒、ならびにC. baratii及びC. butyricumにより産生される厳密に関連するBoNT様神経毒を包含する。上記の略語を、本明細書を通じて使用する。例えば、命名法BoNT/Aは、BoNT(血清型A)としての神経毒の供給源を示す。対応する命名法は、他のBoNT血清型に適用される。
BoNTは公知の最も強力な毒素であり、マウスでの致死量の中央値(LD50)は、血清型に依存して、0.5〜5ng/kgの範囲である。BoNTは胃腸管において吸収され、全身循環に入った後、コリン作動性神経末端のシナプス前膜に結合し、それらの神経伝達物質アセチルコリンの放出を防止する。
BoNTは共通の構造を共有し、〜150kDaの二鎖タンパク質は、単一のジスルフィド結合により〜50kDaの軽鎖(L鎖)に共有結合された〜100kDaの重鎖(H鎖)からなる。H鎖は2つのドメインからなり、各々は〜50kDaである。C末端ドメイン(H)が高親和性神経結合のために要求されるのに対し、N末端ドメイン(H)は、膜トランスロケーションに関与することが提示されている。L鎖は、基質SNAREタンパク質の切断に関与する亜鉛依存性メタロプロテイナーゼである。
L鎖フラグメントという用語は、神経毒のL鎖の成分を意味し、そのフラグメントはメタロプロテイナーゼ活性を示し、非神経SNAREタンパク質をタンパク質分解的に切断することが可能である。
適したプロテアーゼ(参照)配列の例は、以下:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(1−448)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(1−440)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(1−441)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(1−445)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(1−422)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(1−439)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(1−441)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(1−457)
を含む。
上で特定された参照配列をガイドと見なすべきである。なぜなら、わずかな変動が血清亜型に従って生じうるからである。例として、US 2007/0166332(その参照により本明細書により組み入れられる)では、わずかに異なるクロストリジウム配列:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(M1−K448)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(M1−K441)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(M1−K449)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(M1−R445)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(M1−R422)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(M1−K439)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(M1−K446)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(M1−A457)
に言及する。
軽鎖を含む種々のクロストリジウム毒素フラグメントが、本発明の局面において有用でありうる(これらの軽鎖フラグメントが、神経伝達物質放出装置のコア成分を特異的に標的化し、ひいては全細胞機構の実行に関与することができ、それによりクロストリジウム毒素が基質をタンパク質分解的に切断するという条件で)。クロストリジウム毒素の軽鎖は、約420〜460アミノ酸長であり、酵素ドメインを含む。研究によって、クロストリジウム毒素軽鎖の全長が、酵素ドメインの酵素活性に必要ではないことが示されている。非限定的な例として、BoNT/A軽鎖の最初の8つのアミノ酸は、酵素活性のために要求されない。別の非限定的な例として、TeNT軽鎖の最初の8つのアミノ酸は、酵素活性のために要求されない。同様に、軽鎖のカルボキシ末端は、活性のために必要ではない。非限定的な例として、BoNT/A軽鎖の最後の32のアミノ酸(残基417〜448)は、酵素活性のために要求されない。別の非限定的な例として、TeNT軽鎖の最後の31のアミノ酸(残基427〜457)は、酵素活性のために要求されない。このように、この実施態様の局面は、例えば、少なくとも350のアミノ酸、少なくとも375のアミノ酸、少なくとも400のアミノ酸、少なくとも425のアミノ酸、少なくとも450のアミノ酸の長さを有する酵素ドメインを含むクロストリジウム毒素軽鎖を含みうる。この実施態様の他の局面は、例えば、最大350のアミノ酸、最大375のアミノ酸、最大400のアミノ酸、最大425のアミノ酸、最大450のアミノ酸の長さを有する酵素ドメインを含むクロストリジウム毒素軽鎖を含みうる。
本発明の非細胞毒性プロテアーゼ成分は、好ましくは、BoNT/A、C、又はD血清型L鎖(又はそのフラグメントもしくはバリアント)を含む。
本発明のポリペプチド、特にそのプロテアーゼ成分をペグ化してもよい。これによって、安定性、例えば、プロテアーゼ成分の作用の持続時間の増加が助けられうる。ペグ化は、特に、プロテアーゼがBoNT/Eプロテアーゼを含む場合に好ましい。ペグ化は、好ましくは、プロテアーゼ成分のN末端へのPEGの付加を含む。例として、プロテアーゼのN末端を、同じ又は異なりうる1つ又は複数のアミノ酸(例、システイン)残基を用いて伸長してもよい。1つ又は複数の前記アミノ酸残基は、それに付着された(例、共有結合的に付着された)それ自体のPEG分子を有してもよい。この技術の例をWO2007/104567に記載し、その参照によりその全体において本明細書に組み入れられる。
本発明のポリペプチドは、1つ又は複数の「二次改変部位」に突然変異及び/又は欠失を含みうる。これらの部位が標的化され、酵素(例えば細胞内酵素)により作用され、それによって本発明のポリペプチドの生物学的持続性が変化する。そのような突然変異/欠失は、前記の1つ又は複数の二次改変部位の部分又は全部の突然変異又は欠失を含みうる。生物学的持続性におけるそのような増加は、本発明の非細胞毒性プロテアーゼ成分の作用の長寿命が望ましい場合に特に望ましい。あるいは、本発明のポリペプチドは、1つ又は複数の二次改変部位の追加を含んでもよい。
本発明のポリペプチドにおいて見出される二次改変部位の部分もしくは全部の突然変異もしくは欠失、又は本発明のポリペプチドへの二次改変部位の追加によって、ポリペプチドの増強された生物学的持続性がもたらされうる。一般用語において、ポリペプチドの生物学的持続性は、二次改変部位への任意の構造的改変の非存在においてより、約20%〜約300%大きくなりうる。このように、標的細胞からの分泌の阻害は、約20%〜約300%増加する。
増強された生物学的持続性は、ポリペプチドの増加された生物学的半減期の形態を取りうる。ポリペプチドの生物学的半減期は、好ましくは、約10%増加する;より好ましくは、ポリペプチドの生物学的半減期は約100%増加する。
例として、ボツリヌス神経毒A及びボツリヌス神経毒Eは、それぞれ表A及びBに示す、以下の潜在的な二次改変部位を有する。これらの部位は、部位の全て又は部分の突然変異又は欠失のために標的化されうる。
表A
Nグリコシル化:173−NLTR;382−NYTI;411−NFTK;417−NFTG
カゼインキナーゼII(CK−2)リン酸化部位:51−TNPE;70−SYYD;79−TDNE;120−STID;253−SGLE;258−SFEE;275−SLQE;384−TIYD
N末端ミリスチル化部位:15−GVDIAY;141−GSYRSE;254−GLEVSF
プロテインキナーゼC(PKC)リン酸化部位:142−Syr;327−SGK;435−TSK
チロシンリン酸化部位:92−KLFERIY;334−KLKFDKLY
Nグリコシル化:97−NLSG;138−NGSG;161−NSSN;164−NISL;365−NDSI;370−NISE
表B
カゼインキナーゼII(CK−2)リン酸化部位:51−TPQD;67−SYYD;76−SDEE;130−SAVE;198−SMNE;247−TNIE;333−SFTE;335−TEFD
N末端ミリスチル化部位:220−GLYGAK;257−GTDLNI;386−GQNANL
プロテインキナーゼC(PKC)リン酸化部位:60−SLK;166−SLR;191−SFR;228−TTK;234−TQK;400−TGR;417−SVK
チロシンキナーゼリン酸化部位:62−KNGDSSY;300−KDVFEAKY
さらなる例は、本発明のポリペプチドへのカゼインキナーゼIIリン酸化部位(例えばTDNEなど)の追加である。
さらなる詳細をWO 2002/40506に記載し、その参照によりその全体において本明細書に組み入れられる。
本発明のポリペプチドは、既に存在する任意の天然に存在するチロシンリン酸化部位に加えて、1つ又は複数のチロシンリン酸化部位を含みうる。1つ又は複数の追加のチロシンリン酸化部位が、ポリペプチドの非細胞毒性プロテアーゼ成分中に、ポリペプチドのトランスロケーションドメイン中に、又はポリペプチドの標的ドメイン中に存在しうる。そのような部位を、ポリペプチド配列への追加としてポリペプチドに加えてもよく、又はポリペプチド配列中に置換してもよい。例として、チロシンリン酸化部位によって、非細胞毒性プロテアーゼ成分の約1〜8又は約1〜4の連続アミノ酸を置換してもよい。
そのような部位の追加の存在によって、ポリペプチドの生物学的持続性が増加しうる。これに関して、増加した生物学的持続性は、ポリペプチドの作用の増加した持続時間、又はポリペプチドの増加した半減期、又はその両方をもたらしうる。任意のチロシンリン酸化部位は、本発明のポリペプチドにおける使用に適する。例として、適したチロシンリン酸化部位は、KLFERIY及びKLKFDKLYを含む。
さらなる詳細をUS 7223577に提供し、その参照によりその全体において本明細書に組み入れられる。
本発明のポリペプチドは、また、ポリペプチド内でのロイシンベースのモチーフの存在により増強されたそれらの生物学的持続性を有しうる。ロイシンベースのモチーフを、ポリペプチド配列に加えて付加する、又は置換として含んでもよい。
ロイシンベースのモチーフは、7つの連続アミノ酸を含みうる。これらは、さらに、5つのアミノ酸の群(五重)及び2つのアミノ酸の直接隣接する群(二重)からなると記載してもよい。二重のアミノ酸は、ロイシンベースのモチーフのN末端又はC末端のいずれかに位置付けてもよい。
五重のアミノ酸は、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸を含みうる。
二重のアミノ酸は、少なくとも1つの疎水性酸を含む;そのような疎水性アミノ酸の例は、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンを含む。二重のアミノ酸は、好ましくは、ロイシン−ロイシン、ロイシン−イソロイシン、イソロイシン−ロイシン、イソロイシン−イソロイシン、又はロイシン−メチオニンである。二重のアミノ酸は、さらにより好ましくは、ロイシン−ロイシンである。
五重のアミノ酸は、ヒドロキシル基を含む少なくとも1つのアミノ酸を含んでもよい;そのようなアミノ酸の例は、セリン、スレオニン、及びチロシンを含む。ヒドロキシ含有アミノ酸は、好ましくは、リン酸化される。さらにより好ましくは、ヒドロキシル含有アミノ酸はセリンであり、それはリン酸化され、アダプタータンパク質の結合を可能にすることができる。
上記のロイシンベースのモチーフは、また、修飾アミノ酸を含んでもよい。例として、ロイシンベースのモチーフは、ハロゲン化ロイシン、好ましくは、フッ化ロイシンを含んでもよい。
適したロイシンベースのモチーフの例は、xDxxxLL、xExxxLL、xDxxxLI、xDxxxLM、xExxxLI、xExxxIL、xExxxLMを含む(ここでxは任意のアミノ酸である)。適したロイシンベースのモチーフのさらなる例は、フェニルアラニン−グルタミン酸−フェニルアラニン−チロシン−リジン−ロイシン−ロイシンである。
ロイシンベースのモチーフ(種々の種に由来する)の追加の例は、本発明のポリペプチドにおける使用に適しており、以下の表において見出される。
種 配列
ボツリヌスA型 FEFYKLL
ラットVMAT1 EEKRAIL
ラットVMAT2 EEKMAIL
ラットVAChT SERDVLL
ラットδ VDTQVLL
マウスδ AEVQALL
カエルγ/δ SDKQNLL
鶏γ/δ SDRQNLI
ヒツジδ ADTQVLM
ヒトCD3γ SDKQTLL
ヒトCD4 SQIKRLL
ヒトδ ADTQALL
S. cerevisiae Vam3p NEQSPLL
VMAT:小胞モノアミントランスポーターVAChT:小胞アセチルコリントランスポーターS. cerevisiae Vam3p:シナプトブレビンの酵母ホモログ下線を引いたセリン残基は、リン酸化の潜在的部位である。
上に記載するロイシンベースのモチーフの使用に加えて、本発明のポリペプチドは、また、チロシンベースのモチーフを含んでもよい。チロシンベースのモチーフの存在が作用し、ポリペプチドの生物学的持続性を増加させうる。本発明における使用に適したチロシンベースのモチーフは、配列Y−X−X−Hyを含み、それにおいてYはチロシンであり、Xは任意のアミノ酸であり、Hyは疎水性アミノ酸である。US 7223577に記載されるそのようなチロシンベースのモチーフの例は、YKLLである。
さらなる詳細をWO 2005068494に提供し、その参照によりその全体において本明細書に組み入れられる。
トランスロケーションドメインは、プロテアーゼ活性の機能的発現が標的細胞のサイトゾル内で生じるように、標的細胞中へのプロテアーゼのトランスロケーションを可能にする分子である。任意の分子(例、タンパク質又はペプチド)が、本発明の必須のトランスロケーション機能を保有するか否かは、多数の従来アッセイのいずれか1つにより確認されうる。
例えば、Shone C. (1987)は、リポソームを用いたインビトロアッセイを記載し、それは試験分子と一緒にチャレンジされる。必須のトランスロケーション機能の存在は、リポソームからのK及び/又は標識NADの放出により確認され、それは容易にモニターされうる[Shone C. (1987) Eur. J. Biochem; vol. 167(1): pp.175-180を参照のこと]。
さらなる例がBlaustein R. (1987)により提供され、それは平面リン脂質二重膜を用いた単純なインビトロアッセイを記載する。膜を、試験分子を用いて攻撃し、必須のトランスロケーション機能が、前記膜を横切る伝導性における増加により確認される[Blaustein (1987) FEBS Letts; vol. 226, no. 1: pp.115-120を参照のこと]。
膜融合の評価ひいては本発明における使用に適したトランスロケーションドメインの特定を可能にする追加の方法論が、Methods in Enzymology Vol 220 and 221, Membrane Fusion Techniques, Parts A and B, Academic Press 1993により提供される。
本発明は、また、バリアントドメインが依然として必須のトランスロケーション活性を示す限り、バリアントトランスロケーションドメインを包含する。例として、バリアントは、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%又は少なくとも98%のアミノ酸配列相同性を、参照トランスロケーションドメインと有しうる。フラグメントという用語は、トランスロケーションドメインと関連して使用される場合、参照トランスロケーションドメインの少なくとも20、好ましくは少なくとも40、より好ましくは少なくとも80、最も好ましくは少なくとも100のアミノ酸残基を有するペプチドを意味する。クロストリジウムトランスロケーションドメインの場合において、フラグメントは、好ましくは、参照トランスロケーションドメイン(例、Hドメイン)の少なくとも100、好ましくは少なくとも150、より好ましくは少なくとも200、最も好ましくは少なくとも250のアミノ酸残基を有する。TM「フラグメント」成分(上で考察する)と同様に、本発明のトランスロケーション「フラグメント」は、参照配列に基づくバリアントトランスロケーションドメインのフラグメントを包含する。
トランスロケーションドメインは、好ましくは、低pHの条件下で、脂質膜におけるイオン透過性ポアの形成が可能である。好ましくは、エンドソーム膜内でポア形成が可能であるタンパク質分子のそれらの部分だけが使用されることが見出されている。
トランスロケーションドメインは、微生物タンパク質供給源、特に細菌又はウイルスタンパク質供給源から得てもよい。故に、一実施態様において、トランスロケーションドメインは、酵素のトランスロケーションドメイン、例えば細菌毒素又はウイルスタンパク質などである。
細菌毒素分子の特定のドメインが、そのようなポアを形成することが可能であることが、十分に記録されている。また、ウイルスが発現する膜融合タンパク質の特定のトランスロケーションドメインが、そのようなポアを形成することが可能であることが公知である。そのようなドメインを本発明において用いてもよい。
トランスロケーションドメインは、クロストリジウム由来、例えばHドメイン(又はその機能的成分)などでありうる。Hは、H鎖のアミノ末端半分とほぼ等価であるクロストリジウム神経毒のH鎖の部分もしくはフラグメント、又はインタクトなH鎖におけるそのフラグメントに対応するドメインを意味する。H鎖は、H鎖のH成分の天然結合機能を欠く。これに関して、H機能を、HCアミノ酸配列の欠失により除去してもよい(DNA合成レベル、又はヌクレアーゼもしくはプロテアーゼ処理による合成後レベルのいずれかで)。あるいは、H機能を、化学的又は生物学的処理により不活性化してもよい。このように、H鎖は、天然クロストリジウム神経毒(即ち、ホロ毒素)が結合する標的細胞上の結合部位への結合が不可能である。
適した(参照)トランスロケーションドメインの例は、以下:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(449−871)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(441−858)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(442−866)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(446−862)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(423−845)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(440−864)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(442−863)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(458−879)
を含む。
上で特定された参照配列をガイドと見なすべきである。なぜなら、わずかな変動が血清亜型に従って生じうるからである。例として、US 2007/0166332(その参照により本明細書により組み入れられる)では、わずかに異なるクロストリジウム配列:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(A449−K871)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(A442−S858)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(T450−N866)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(D446−N862)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(K423−K845)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(A440−K864)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(S447−S863)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(S458−V879)
に言及する。
本発明に関連して、トランスロケーションドメインを含む種々のクロストリジウム毒素H領域が、本発明の局面において有用でありうる(これらの活性フラグメントは、細胞内小胞から標的細胞の細胞質中への非細胞毒性プロテアーゼ(例、クロストリジウムL鎖)の放出を促進させ、ひいては全細胞機構の実行に関与することができ、それによりクロストリジウム毒素がタンパク質分解的に基質を切断する)。クロストリジウム毒素の重鎖からのH領域は、約410〜430アミノ酸長であり、トランスロケーションドメインを含む。研究によって、クロストリジウム毒素重鎖からのH領域の全長が、トランスロケーションドメインのトランスロケーション活性に必要ではないことが示されている。このように、この実施態様の局面は、例えば、少なくとも350のアミノ酸、少なくとも375のアミノ酸、少なくとも400のアミノ酸、少なくとも425のアミノ酸の長さを有するトランスロケーションドメインを含むクロストリジウム毒素H領域を含むことができる。この実施態様の他の局面は、例えば、最大350のアミノ酸、最大375のアミノ酸、最大400のアミノ酸、最大425のアミノ酸の長さを有するトランスロケーションドメインを含むクロストリジウム毒素H領域を含むことができる。
クロストリジウム・ボツリヌス及びC. tetaniにおける毒素産生の遺伝的基礎に関するさらなる詳細について、本発明者らは、Henderson et al. (1997), The Clostridia: Molecular Biology and Pathogenesis, Academic pressを参照する。
という用語は、天然に存在する神経毒H部分、及び、改変H部分が依然として上記のトランスロケーション機能を示す限り、天然において生じないアミノ酸配列及び/又は合成アミノ酸残基を有する改変H部分を包含する。
あるいは、トランスロケーションドメインは、非クロストリジウム由来でありうる。非クロストリジウム(参照)トランスロケーションドメイン由来の例は、制限はされないが、ジフテリア毒素のトランスロケーションドメイン[O=Keefe et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1992) 89, 6202-6206; Silverman et al., J. Biol. Chem. (1993) 269, 22524-22532; London, E. (1992) Biochem. Biophys. Acta., 1112, pp.25-51]、シュードモナス外毒素A型のトランスロケーションドメイン[Prior et al., Biochemistry (1992) 31, 3555-3559]、炭疽毒素のトランスロケーションドメイン[Blanke et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1996) 93, 8437-8442]、トランスロケーション機能の種々の融合ペプチド又は疎水性ペプチド[Plank et al., J. Biol. Chem. (1994) 269, 12918-12924; Wagner et al., (1992) PNAS, 89, pp.7934-7938]、及び両親媒性ペプチド[Murata et al., (1992) Biochem., 31, pp.1986-1992]を含む。トランスロケーションドメインは、天然に存在するタンパク質中に存在するトランスロケーションドメインを映しうる、又は、変異がトランスロケーションドメインのトランスロケーション能力を破壊しない限り、アミノ酸変異を含みうる。
本発明における使用に適したウイルス(参照)トランスロケーションドメインの特定の例は、ウイルスにより発現される膜融合タンパク質の特定のトランスロケーションドメインを含む。例えば、Wagner et al.(1992)及びMurata et al.(1992)は、インフルエンザウイルスヘマグルチニンのN末端領域に由来する多数の融合ペプチド及び両親媒性ペプチドのトランスロケーション(即ち、膜融合及び小胞化)機能を記載している。所望のトランスロケーション活性を有することが公知である他のウイルスにより発現される膜融合タンパク質は、セムリキ森林ウイルス(SFV)の融合ペプチドのトランスロケーションドメイン、水疱性口内炎ウイルス(VSV)糖タンパク質Gのトランスロケーションドメイン、SERウイルスFタンパク質のトランスロケーションドメイン、及び泡沫状ウイルスエンベロープ糖タンパク質のトランスロケーションドメインである。ウイルスによりコードされるAspikeタンパク質は、本発明に関連して特定の用途を有し、例えば、SFVのE1タンパク質及びVSVのGタンパク質のGタンパク質。
表(以下)に列挙する(参照)トランスロケーションドメインの使用は、その配列バリアントの使用を含む。バリアントは、1つ又は複数の保存核酸置換及び/又は核酸欠失もしくは挿入を含んでもよい(バリアントが必須のトランスロケーション機能を保有するという条件で)。バリアントは、また、バリアントが必須のトランスロケーション機能を保有する限り、1つ又は複数のアミノ酸置換及び/又はアミノ酸欠失もしくは挿入を含んでもよい。
Figure 0005658152
本発明のポリペプチドは、さらに、トランスロケーション促進ドメインを含んでもよい。前記ドメインによって、標的細胞のサイトゾル中への非細胞毒性プロテアーゼの送達が促進され、例えば、WO 08/008803及びWO 08/008805に記載されており、それらの各々が、その参照により本明細書に組み入れられる。
例として、適したトランスロケーション促進ドメインはエンベロープウイルス融合ペプチドドメインを含み、例えば、適した融合ペプチドドメインは、インフルエンザウイルス融合ペプチドドメイン(例、23アミノ酸のインフルエンザAウイルス融合ペプチドドメイン)、アルファウイルス融合ペプチドドメイン(例、26アミノ酸のセムリキ森林ウイルス融合ペプチドドメイン)、ベジクロウイルス融合ペプチドドメイン(例、21アミノ酸の水疱性口内炎ウイルス融合ペプチドドメイン)、レスピロウイルス融合ペプチドドメイン(例、25アミノ酸のセンダイウイルス融合ペプチドドメイン)、モルビリウイルス融合ペプチドドメイン(例、25アミノ酸のイヌジステンパーウイルス融合ペプチドドメイン)、アブラウイルス融合ペプチドドメイン(例、25アミノ酸のニューカッスル病ウイルス融合ペプチドドメイン)、ヘニパウイルス融合ペプチドドメイン(例、25アミノ酸のヘンドラウイルス融合ペプチドドメイン)、メタニューモウイルス融合ペプチドドメイン(例、25アミノ酸のヒトメタニューモウイルス融合ペプチドドメイン)、又はスプーマウイルス融合ペプチドドメイン、例えばサル泡沫状ウイルス融合ペプチドドメイン;又はそのフラグメントもしくはバリアントを含む。
さらなる例として、トランスロケーション促進ドメインは、クロストリジウム毒素HCNドメイン又はそのフラグメントもしくはバリアントを含んでもよい。より詳細には、クロストリジウム毒素HCN トランスロケーション促進ドメインは、少なくとも200アミノ酸、少なくとも225アミノ酸、少なくとも250アミノ酸、少なくとも275アミノ酸の長さを有してもよい。これに関して、クロストリジウム毒素HCN トランスロケーション促進ドメインは、好ましくは、最大200アミノ酸、最大225アミノ酸、最大250アミノ酸、最大275アミノ酸の長さを有する。特定の(参照)例は以下:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(872−1110)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(859−1097)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(867−1111)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(863−1098)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(846−1085)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(865−1105)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(864−1105)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(880−1127)
を含む。
上の配列位置は、血清型/亜型に従って少し変動しうる。適した(参照)クロストリジウム毒素HCNのさらなる例は、以下:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(874−1110)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(861−1097)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(869−1111)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(865−1098)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(848−1085)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(867−1105)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(866−1105)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(882−1127)
を含む。
上記の促進ドメインのいずれかを、本発明における使用に適した先に記載したトランスロケーションドメインペプチドのいずれかと組み合わせてもよい。このように、例として、非クロストリジウム促進ドメインを、非クロストリジウムトランスロケーションドメインペプチドと、又はクロストリジウムトランスロケーションドメインペプチドと組み合わせてもよい。あるいは、クロストリジウム毒素HCN トランスロケーション促進ドメインを、非クロストリジウムトランスロケーションドメインペプチドと組み合わせてもよい。あるいは、クロストリジウム毒素HCN促進ドメインを、クロストリジウムトランスロケーションドメインペプチドと組み合わせてもよい。その例は以下:
ボツリヌスA型神経毒 − アミノ酸残基(449−1110)
ボツリヌスB型神経毒 − アミノ酸残基(442−1097)
ボツリヌスC型神経毒 − アミノ酸残基(450−1111)
ボツリヌスD型神経毒 − アミノ酸残基(446−1098)
ボツリヌスE型神経毒 − アミノ酸残基(423−1085)
ボツリヌスF型神経毒 − アミノ酸残基(440−1105)
ボツリヌスG型神経毒 − アミノ酸残基(447−1105)
破傷風神経毒 − アミノ酸残基(458−1127)
を含む。
配列相同性:種々の配列アラインメント方法のいずれかを使用して、パーセント配列同一性を決定することができる。限定はされないが、包括的方法、局所的方法、及びハイブリッド方法、例えば、セグメントアプローチ方法を含む。パーセント同一性を決定するためのプロトコールは、当業者の範囲内ではルーチン手順である。包括的方法では、配列を、分子の最初から終わりまで整列させ、個々の残基対のスコアを加えることにより、及び、ギャップペナルティを課すことにより最善のアラインメントを決定する。非限定的な方法は以下を含む:例、CLUSTAL W、例、Julie D. Thompson et al., CLUSTAL W: Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting, Position- Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673-4680 (1994)を参照のこと;及び反復改良、例、Osamu Gotoh, Significant Improvement in Accuracy of Multiple Protein. Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments, 264(4) J. Mol. Biol. 823-838 (1996)を参照のこと。局所的方法では、インプット配列の全部により共有される1つ又は複数の保存モチーフを特定することにより配列を整列させる。非限定的な方法は、例、Match−box、例、Eric Depiereux and Ernest Feytmans, Match-Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences, 8(5) CABIOS 501-509 (1992)を参照のこと;Gibbs sampling、例、C. E. Lawrence et al., Detecting Subtle Sequence Signals: A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment, 262(5131) Science 208-214 (1993)を参照のこと;Align−M、例、Ivo Van Walle et al., Align-M-A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, 20(9) Bioinformatics: 1428-1435 (2004)を参照のこと。
このように、パーセント配列同一性を従来方法により決定する。例えば、Altschul et al., Bull. Math. Bio. 48: 603-16, 1986及びHenikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-19, 1992を参照のこと。簡単には、2つのアミノ酸配列を整列させ、以下に示す通り、ギャップオープニングペナルティ10、ギャップエクステンションペナルティー1、及びHenikoff and Henikoff(ibid.)の「blosum 62」スコアリングマトリクスを使用してアラインメントスコアを最適化する(アミノ酸を標準的な1文字コードにより示す)。
配列同一性を決定するためのアラインメントスコア
Figure 0005658152
配列同一性を次に計算する:
Figure 0005658152
実質的に相同なポリペプチドは、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を有するとして特徴付けられる。これらの変化は、好ましくは、小さな性質であり、それは、ポリペプチドの折り畳み又は活性に有意な影響を与えない保存的アミノ酸置換(以下を参照のこと)及び他の置換である;小さな欠失は、典型的には1〜約30アミノ酸まで;及び小さなアミノ末端又はカルボキシ末端伸長、例えばアミノ末端メチオニン残基、約20〜25残基までの小さなリンカーペプチド、又は親和性タグなど。
保存的アミノ酸置換
塩基性: アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性: グルタミン酸
アスパラギン酸
極性: グルタミン
アスパラギン
疎水性: ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香族: フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小さい: グリシン
アラニン
セリン
スレオニン
メチオニン
20の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば4−ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリジン、2−アミノイソ酪酸、イソバリン、及びα−メチルセリンなど)を、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基について置換してもよい。限定された数の非保存的アミノ酸、遺伝コードによりコードされないアミノ酸、及び非天然アミノ酸を、クロストリジウムのポリペプチドアミノ酸残基について置換してもよい。本発明のポリペプチドは、また、天然に存在しないアミノ酸残基を含むことができる。
天然に存在しないアミノ酸は、限定はされないが、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタノ−プロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシ−プロリン、N−メチルグリシン、アロ−スレオニン、メチル−スレオニン、ヒドロキシ−エチルシステイン、ヒドロキシエチルホモ−システイン、ニトロ−グルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニル−アラニン、4−アザフェニル−アラニン、及び4−フルオロフェニルアラニンを含む。いくつかの方法が、天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に取り込ませるために公知である。例えば、インビトロシステムを用いることができ、それにおいて、ナンセンス突然変異を、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使用して抑制する。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化するための方法が、当技術分野において公知である。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳を、E. coli S30抽出物ならびに市販の酵素及び他の試薬を含む無細胞系において行う。タンパク質をクロマトグラフィーにより精製する。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113: 2722, 1991; Ellman et al., Methods Enzymol. 202: 301, 1991; Chung et al., Science 259: 806-9, 1993; and Chung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145-9, 1993を参照のこと。第2の方法において、翻訳を、突然変異したmRNA及び化学的にアミノアシル化したサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションによりXenopus卵母細胞において行う(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271: 19991-8, 1996)。第3の方法内において、E. coli細胞を、置換すべき天然アミノ酸(例、フェニルアラニン)の非存在において、及び、所望の天然に存在しないアミノ酸(例、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、又は4−フルオロフェニルアラニン)の存在において培養する。天然に存在しないアミノ酸は、その天然対応物の場所においてポリペプチド中に取り込まれる。Koide et al., Biochem. 33: 7470-6, 1994を参照のこと。天然に存在するアミノ酸残基を、インビトロ化学改変により天然に存在しない種に変換することができる。化学的改変を部位特異的突然変異誘発と組み合わせ、置換の範囲をさらに拡大させることができる(Wynn and Richards, Protein Sci. 2: 395-403, 1993)。
限定された数の非保存的アミノ酸、遺伝コードによりコード化されないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及び非天然アミノ酸を、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基について置換してもよい。
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸を、当技術分野において公知の手順(例えば部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発など)に従い特定することができる(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-5, 1989)。生物学的相互作用の部位を、構造の物理分析により決定することもでき、推定接触部位アミノ酸の突然変異と併せた、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、又は光親和性標識などの技術により決定される通りである。例えば、de Vos et al., Science 255: 306-12, 1992; Smith et al., J. Mol. Biol. 224: 899-904, 1992; Wlodaver et al., FEBS Lett. 309: 59-64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の同一性を、本発明のポリペプチドの関連成分(例、トランスロケーション成分又はプロテアーゼ成分)との相同性の分析から推測することもできる。
複数のアミノ酸置換を、突然変異誘発及びスクリーニングの公知の方法、例えば、Reidhaar-Olson and Sauer (Science 241: 53-7, 1988)又はBowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-6, 1989)により開示される方法などを使用して作製及び試験することができる。簡単には、これらの著者は、ポリペプチド中の2つ又はそれ以上の位置を同時に無作為化し、機能的ポリペプチドについて選択し、次に、突然変異誘発されたポリペプチドをシークエンシングして各位置での許容可能な置換のスペクトルを決定するための方法を開示する。使用できる他の方法は、ファージディスプレイ(例、Lowman et al., Biochem. 30: 10832-7, 1991; Ladner et al., U.S. Patent No. 5,223,409; Huse, WIPO Publication WO 92/06204)及び領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al., Gene 46: 145, 1986; Ner et al., DNA 7: 127, 1988)を含む。
複数のアミノ酸置換を、突然変異誘発及びスクリーニングの公知の方法、例えば、Reidhaar-Olson and Sauer (Science 241: 53-7, 1988)又はBowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-6, 1989)により開示される方法などを使用して作製及び試験することができる。簡単には、これらの著者は、ポリペプチド中の2つ又はそれ以上の位置を同時に無作為化し、機能的ポリペプチドについて選択し、次に、突然変異誘発されたポリペプチドをシークエンシングして各位置での許容可能な置換のスペクトルを決定するための方法を開示する。使用できる他の方法は、ファージディスプレイ(例、Lowman et al., Biochem. 30: 10832-7, 1991; Ladner et al., U.S. Patent No. 5,223,409; Huse, WIPO Publication WO 92/06204)及び領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al., Gene 46: 145, 1986; Ner et al., DNA 7: 127, 1988)を含む。
実施例の要約
実施例1.LHA骨格構築物の調製
実施例2.LH/A−EGFv1融合タンパク質の構築
実施例3.LH/A−CT−EGF v1融合タンパク質の発現及び精製
実施例4.EGF結合親和性アッセイ
実施例5.EGF結合親和性アッセイ
実施例6.慢性気管支炎を患う患者の処置
実施例7.ソマトスタチンアナログに対して抵抗性のある末端肥大症患者を処置するための方法
実施例8.神経内分泌腫瘍細胞を抑制するための方法
実施例9.EGF受容体活性化アッセイにおけるEGF及びEGF融合タンパク質の比較
実施例10.EGF受容体活性化アッセイにおけるEGF、EGFムテイン、及びEGFムテイン融合タンパク質の比較
実施例11.鼻炎を患う患者の処置
実施例12.喘息を患う患者の処置
実施例13.COPDを患う患者の処置
実施例14.喘息を患う患者の処置
実施例15.大腸癌を患う患者の処置
実施例16.乾癬を患う患者の処置
実施例17.湿疹を患う患者の処置
実施例18.結腸直腸癌を患う患者の処置
実施例19.前立腺癌を患う患者の処置
実施例20.肺非小細胞癌を患う患者の処置
実施例21.乳癌を患う患者の処置
配列番号の要約
配列番号1.天然に存在するヒト上皮増殖因子(EGF)についてのアミノ酸配列
配列番号2.LHAのDNA配列
配列番号3.LHBのDNA配列
配列番号4.LHCのDNA配列
配列番号5.LHDのDNA配列
配列番号6.EGFバリアントH16Nのタンパク質配列
配列番号7.EGFバリアントv1のタンパク質配列
配列番号8.EGFバリアントH16Qのタンパク質配列
配列番号9.EGFバリアントv2のタンパク質配列
配列番号10.EGFバリアントW49Lのタンパク質配列
配列番号11.EGFバリアントv3のタンパク質配列
配列番号12.EGFバリアントW49Iのタンパク質配列
配列番号13.EGFバリアントv4のタンパク質配列
配列番号14.EGFバリアントW49Vのタンパク質配列
配列番号15.EGFバリアントv5のタンパク質配列
配列番号16.EGFバリアントW49Aのタンパク質配列
配列番号17.EGFバリアントv6(G12Q)のタンパク質配列
配列番号18.EGFバリアントW49Gのタンパク質配列
配列番号19.EGFバリアントv7(H16D)のタンパク質配列
配列番号20.EGFバリアントW49Sのタンパク質配列
配列番号21.EGFバリアントv8(Y13W)のタンパク質配列
配列番号22.EGFバリアントW49Tのタンパク質配列
配列番号23.EGFバリアントv9(Q43A)のタンパク質配列
配列番号24.EGFバリアントW49Nのタンパク質配列
配列番号25.EGFバリアントv10(H16A)のタンパク質配列
配列番号26.EGFバリアントW49Qのタンパク質配列
配列番号27.EGFバリアントv11(L15A)のタンパク質配列
配列番号28.EGFバリアントH16N_W49Lのタンパク質配列
配列番号29.EGFバリアントv12(V19E)のタンパク質配列
配列番号30.EGFバリアントH16Q_W49Lのタンパク質配列
配列番号31.EGFバリアントv13(V34D)のタンパク質配列
配列番号32.EGFバリアントH16N_W49Iのタンパク質配列
配列番号33.LHA−EGFv1(Xa活性化)のタンパク質配列
配列番号34.EGFバリアントH16Q_W49Iのタンパク質配列
配列番号35.LHA−EGFv2(Xa活性化)のタンパク質配列
配列番号36.EGFバリアントH16N_W50Aのタンパク質配列
配列番号37.LHA−EGFv3のタンパク質配列
配列番号38.EGFバリアントH16Q_W50Aのタンパク質配列
配列番号39.LHA−EGFv4のタンパク質配列
配列番号40.EGFバリアントH16N_W49L_W50Aのタンパク質配列
配列番号41.LHA−EGFv5のタンパク質配列
配列番号42.EGFバリアントH16Q_W49L_W50Aのタンパク質配列
配列番号43.LHA−EGFv6のタンパク質配列
配列番号44.EGFバリアントH16N_W49I_W50Aのタンパク質配列
配列番号45.LHC−EGFv7のタンパク質配列
配列番号46.EGFバリアントH16Q_W49I_W50Aのタンパク質配列
配列番号47.LHC−EGFv8のタンパク質配列
配列番号48.EGFバリアントH16N_W49L_W50A_E24Gのタンパク質配列
配列番号49.LHC−EGFv9のタンパク質配列
配列番号50.EGFバリアントH16N_W49L_W50A_E24G_A25Tのタンパク質配列
配列番号51.LHC−EGFv10のタンパク質配列
配列番号52.EGFバリアントH16N_W49L_W50A_E24G_A25Sのタンパク質配列
配列番号53.LHC−EGFv11のタンパク質配列
配列番号54.EGFバリアントH16N_W49L_W50A_E24G_A25T_K28Rのタンパク質配列
配列番号55.LHC−EGFv12のタンパク質配列
配列番号56.EGFバリアントH16N_W49L_W50A_E24G_A25T_ K28R_S4Pのタンパク質配列
配列番号57.LHC−EGFv13のタンパク質配列
配列番号58.EGFバリアントH16N_W49L_W50A_E24G_A25T_ K28R_S4P_E5Kのタンパク質配列
配列番号59.LHB−EGFv1のタンパク質配列
配列番号60.EGFバリアントv3のタンパク質配列
配列番号61.LHB−EGFv5のタンパク質配列
配列番号62.破傷風LHN−EGFv1のタンパク質配列
配列番号63.LHD−EGFv6(プロテアーゼ感受性部位)のタンパク質配列
配列番号64.LHD−EGFv3のタンパク質配列
配列番号65.LHD−EGFv11のタンパク質配列
配列番号66.M26−IgA1−HC−EGFv3のタンパク質配列
配列番号67.M26−IgA1−HC−EGFv11のタンパク質配列
配列番号68.破傷風LHN−EGFv3のタンパク質配列
配列番号69.LHA−CP−EGFv2 のタンパク質配列
配列番号70.LHD−EGFv2のタンパク質配列
配列番号71.LHC−CP−EGFv2のタンパク質配列
配列番号72.LHC−EGFv3のタンパク質配列
配列番号73.EGFバリアントv3のタンパク質配列
図1は、実施例10において生成されたデータを例示しており、それにおいてEGF、EGFムテイン、又はEGF融合タンパク質が、EGF受容体を活性化するその能力について(増加濃度で)試験されている。低いpEC50値は、比較的弱い受容体活性化を示す。 図2は、EGF−EGF結合の3Dモデルを例示しており、それにおいて結合界面1(EGFの残基31〜40)、結合界面2(EGFの残基41〜45)、及び前縁(EGFの残基48〜51と15〜17との組み合わせ)が確認される。
実施例1.LHA骨格構築物の調製
以下の手順によって、マルチドメインタンパク質発現のための発現骨格としての使用のためのクローンが作製される。この実施例は、血清型Aベースのクローン(配列番号2)の調製に基づくが、手順及び方法は、他のLH血清型、例えば血清型B(配列番号3)、血清型C(配列番号4)、及び血清型D(配列番号5)などに等しく適用可能である。
クローニングベクター及び発現ベクターの調製
pCR 4(Invitrogen)は、 簡単な構築物確認のためのベクター内の制限配列及び隣接シークエンシングプライマー部位の欠如のため選ばれた、選ばれた標準クローニングプライマーである。発現ベクターは、構築物の挿入のために正確な方向でマルチクローニングサイト内に所望の制限配列(NdeI−BamHI−SalI−PstI−SpeI−XbaI−HindIII)を有するpET(Novagen)発現ベクターに基づく。発現ベクターのフラグメントを除去し、非可動性プラスミドを作製しており、種々の異なる融合タグが挿入され、精製の選択肢を増加させている。
LcAの調製
DNA配列を、種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、Backtranslationツールv2.0(Entelechon))の1つを使用し、LC/Aアミノ酸配列(無償で利用可能なデータベース供給源、例えばGenBankアクセッションナンバーP10845などから得られる)の戻し翻訳により設計する。BamHI/SalI認識配列を、正確なリーディングフレームを保持する配列のそれぞれ5’及び3’末端に組み入れる。DNA配列を、戻し翻訳の間に組み入れられた制限酵素切断配列についてスクリーニングする(ソフトウェア、例えばSeqBuilder, DNASTAR Inc.などを使用する)。クローニングシステムにより要供されるものに共通して見出される任意の切断配列を、Backtranslationツールにより、提示されたコード配列から除去し、E. coliコドン使用が保持されることを確実とする。E. coliコドン使用を、ソフトウェアプログラム、例えばGraphical Codon Usage Analyser(Geneart)などの参照により評価し、%GC含量及びコドン使用率を、公開されたコドン使用表(例えば、GenBank Release 143, September 13 2004)の参照により評価する。LC/Aオープンリーディングフレーム(ORF)を含むこの最適化されたDNA配列を、次に、商業的に合成し(例えば、Entelechon、Geneart、又はSigma-Genosysによる)、pCR 4ベクター中に提供する。
/Aインサートの調製
DNA配列を、種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、Backtranslationツールv2.0(Entelechon))の1つを使用し、H/Aアミノ酸配列(無償で利用可能なデータベース供給源、例えばGenBankアクセッションナンバーP10845などから得られる)の戻し翻訳により設計する。N末端にPstI制限配列及びC末端にXbaI−終止コドン−HindIIIを付加し、正確なリーディングフレームが保持されることを確実とする。DNA配列を、戻し翻訳の間に組み入れられた制限酵素切断配列についてスクリーニングする(ソフトウェア、例えばSeqBuilder, DNASTAR Inc.などを使用する)。クローニングシステムにより要供されるものに共通して見出される任意の配列を、Backtranslationツールにより、提示されたコード配列から除去し、E. coliコドン使用が保持されることを確実とする。E. coliコドン使用を、ソフトウェアプログラム、例えばGraphical Codon Usage Analyser(Geneart)などの参照により評価し、%GC含量及びコドン使用率を、公開されたコドン使用表(例えば、GenBank Release 143, September 13 2004)の参照により評価する。この最適化されたDNA配列を、次に、商業的に合成し(例えば、Entelechon、Geneart、又はSigma-Genosysによる)、pCR 4ベクター中に提供する。
ドメイン間(LC−Hリンカー)の調製
LC−Hリンカーを、第1の原理から、リンカー用の既存の配列情報をテンプレートとして使用して設計することができる。例えば、血清型Aリンカー(この場合において、LCとHとの間のジスルフィド架橋のシステイン間に存在するドメイン間ポリペプチド領域と定義される)は、配列VRGIIPFKTKSLDEGYNKALNDLを有する。この配列情報は、利用可能なデータベース供給源、例えばGenBank(アクセッションナンバーP10845)などから無償で利用可能である。代替リンカーを使用することができ、例えば、グリシン−セリンリンカー(GGGGS3)で構成される。特定のプロテアーゼ切断部位の生成のために、第Xa因子(IEGR又はIDGR)のための天然認識配列を、例えば、改変配列
Figure 0005658152

において使用することができ、エンテロキナーゼ(DDDDK)の軽鎖のための認識配列を、例えば、活性化ループ中に挿入し、配列
Figure 0005658152

を生成することができる。
種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、Backtranslationツールv2.0(Entelechon))の1つを使用し、リンカー領域をコードするDNA配列を決定する。BamHI/SalI及びPstI/XbaI/終止コドン/HindIII制限酵素配列を、正確なリーディングフレームにおいていずれかの端に組み入れる。DNA配列を、戻し翻訳の間に組み入れられた制限酵素切断配列についてスクリーニングする(ソフトウェア、例えばSeqBuilder, DNASTAR Inc.などを使用する)。クローニングシステムにより要供されるものに共通して見出される任意の配列を、Backtranslationツールにより、提示されたコード配列から除去し、E. coliコドン使用が保持されることを確実とする。E. coliコドン使用を、ソフトウェアプログラム、例えばGraphical Codon Usage Analyser(Geneart)などの参照により評価し、%GC含量及びコドン使用率を、公開されたコドン使用表(例えば、GenBank Release 143, September 13 2004)の参照により評価する。この最適化されたDNA配列を、次に、商業的に合成し(例えば、Entelechon、Geneart、又はSigma-Genosysによる)、pCR 4ベクター中に提供する。pCR 4ベクターからリンカーをクローニングすることが望ましい場合、ベクターをBamHI + SalI又はPstI + XbaIのいずれかの組み合わせ制限酵素を用いて切断する。この切断されたベクターは、次に、(配列番号2)からのLC DNA(BamHI/SalIを用いて切断)又はH DNA(PstI/XbaIを用いて切断)のいずれかの挿入及びライゲーションのためのレシピエントベクターとしての役割を果たす。一旦、DNAをコードするLC又はHが、リンカーDNAの上流又は下流に挿入されれば、全LCリンカー又はリンカーH DNAフラグメントを単離し、骨格クローンに移すことができる。
骨格クローンの組み立て及び確認
LCリンカー又はリンカーHを、それぞれBamHI/Pst1もしくはSal1/Xba1制限酵素又はXhoI/NotIを使用してpCR 4クローニングベクターから切り出す。LH/A(配列番号2)を含むpET発現ベクターを、同じ酵素を用いて消化し、しかし、また、追加の注意として南極ホスファターゼを用いて処置し、再環状化を防止する。LCリンカー又はリンカーH領域及びpETベクター骨格をゲル精製する。精製されたインサート及びベクター骨格を、T4 DNAリガーゼを使用して一緒にライゲーションし、産物を、TOP10細胞を用いて形質転換し、それを、次に、BamHI/SalI又はBamHI/PstI又はXhoi/NotI制限酵素を使用してLCリンカー又はリンカーH挿入についてスクリーニングし、最終的な骨格が正しいことを確実とする。ORF DNAの完全性をシークエンシングにより確かめる。
実施例2.LH/A−EGFv3発現ベクターの構築
以下の手順によって、マルチドメイン融合発現のための発現構築物としての使用のためのクローンを作製する。この実施例は、EGFv3融合タンパク質(例、配列番号37)の調製に基づくが、手順及び方法は、本発明の全てのEGFバリアント、ならびに本発明の他のLH血清型、例えば血清型B(配列番号3)、血清型C(配列番号4)、及び血清型D(配列番号5)などに等しく適用可能である。
スペーサー−EGFv3インサートの調製
活性化スペーサー
ドメインのC末端でのEGFバリアント配列の提示のために、DNA配列を、スペーサー及び標的成分(TM)に隣接するように設計し、骨格クローン(配列番号1)の取り込みを可能にする。DNA配列をBamHI−SalI−PstI−XbaI−スペーサー−EGFv3−終止コドン−HindIIIとして配置することができる。DNA配列を、種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、EditSeqベストE. coli逆翻訳(DNASTAR Inc.)、又はBacktranslationツールv2.0(Entelechon))の1つを使用して設計することができる。一旦TM DNAが設計されれば、好ましいスペーサーをコードするために要求される追加のDNAをインシリコで作製する。正確なリーディングフレームがスペーサー、EGFv3、及び制限配列のために保持されること、XbaI配列が塩基TC(DAMメチル化をもたらしうる)により先行されないことを確実とすることが重要である。DNA配列を、組み入れられた制限配列についてスクリーニングし、任意の追加の配列を残りの配列から手動で除去し、共通のE. coliコドン使用が保持されることを確実とする。E. coliコドン使用を、ソフトウェアプログラム、例えばGraphical Codon Usage Analyser(Geneart)などの参照により評価し、%GC含量及びコドン使用率を、公開されたコドン使用表(例えば、GenBank Release 143, September 13 2004)の参照により評価する。この最適化されたDNA配列を、次に、商業的に合成し(例えば、Entelechon、Geneart、又はSigma-Genosysによる)、pCR 4ベクター中に提供する。
骨格中へのスペーサーEGFv3の挿入
骨格構築物(配列番号1)を使用したLC−リンカー−H−スペーサー−EGFv3及びEGFv3 TM(配列番号73)をコードする新たに合成されたpCR 4−スペーサー−TMベクターを作製するために、以下の2ステップ方法を用いる。最初に、Hドメインを、制限酵素PstI及びXbaIを使用して骨格クローンから切り取り、同様に消化されたpCR 4−スペーサー−EGFv3ベクター中にライゲーションする。これによってpCR 4においてH−スペーサー−EGFv3 ORFを作製し、それは、制限酵素PstI及びHindIIIを使用し、同様に切断された骨格又は発現構築物中への続くライゲーションのためにベクターから切り取ることができる。最終的な構築物は、発現用の発現ベクター中へのトランスファーのためにLC−リンカー−H−スペーサー−EGFv3 ORFを含み、配列(例、配列番号37)の融合タンパク質をもたらす。
制限酵素を用いたスクリーニングは、最終的な骨格が正確であることを確実とするために十分である。なぜなら、全ての成分が、合成中又はPCR増幅後のいずれかに、既にシークエンシングされて確認されているからである。しかし、一部の成分の骨格中へのサブクローニングの間に、そこでは同様のサイズフラグメントが除去及び挿入され、正確な挿入を確認するために小さな領域のシークエンシングが要求される。
実施例3.LH/A−CT−EGF v3融合タンパク質の発現及び精製
この実施例は、第Xa因子により活性化されるCT−EGF−A融合物の調製に基づくが、手順及び方法は、本発明の任意の他の融合タンパク質に等しく適用可能である。
LH /A−CT−EGF v3融合タンパク質の発現
第Xa因子タンパク質により活性化されるCT−EGF v3−A融合物の発現は、以下のプロトコールを使用して達成される。250mlフラスコ中の0.2%グルコサミン及び30μg/mlカナマイシンを含む100mlの改変TBに、CT−EGF v3−A融合物からの単一コロニーを用いて接種する。培養物を37℃、225rpmで16時間にわたり増殖させる。2Lフラスコ中の0.2%グルコサミン及び30μg/mlカナマイシンを含む1Lの改変TBに、10mlの一晩培養物を用いて接種する。培養物を、37℃で、OD600nmが約0.5に達するまで増殖させ、この時点で温度を16℃まで低下させる。1時間後、培養物を、1mM IPTGを用いて誘導させ、さらに16時間にわたり16℃で増殖させる。
CT−EGF v3−A融合物の精製
35mlの50mM HEPES pH 7.2、200mM NaCl、及び約10gのE. coli BL21(DE3)細胞ペーストを含むファルコンチューブを解凍する。細胞ペーストを、氷上で、30秒間オン、30秒間オフの10サイクル、パワー22ミクロンで超音波処理し、サンプルを冷却したままにすることを確実とする。溶解した細胞を18 000rpm、4℃、30秒間にわたりスピンする。上清を、50mM HEPES pH 7.2、200mM NaClを用いて平衡化した0.1M NiSO充填キレートカラム(20〜30mlカラムが十分である) 上にロードする。40及び100mMイミダゾールの段階勾配を使用し、非特異的に結合したタンパク質を洗い流し、200mMイミダゾールを用いて融合タンパク質を溶出する。溶出した融合タンパク質を、5Lの50mM HEPES pH 7.2、200mM NaClに対して4℃で一晩透析し、透析した融合タンパク質のODを測定する。1mg当たり10mgの第Xa因子を加え、25℃で静置して一晩インキュベートする。50mM HEPES pH 7.2、200mM NaClを用いて平衡化した0.1M NiSO充填キレートカラム(20〜30mlカラムが十分である) 上に負荷する。カラムをベースラインまで50mM HEPES pH 7.2、200mM NaClを用いて洗浄する。40及び100mMイミダゾールの段階勾配を使用し、非特異的に結合したタンパク質を洗い流し、200mMイミダゾールを用いて融合タンパク質を溶出する。溶出した融合タンパク質を、5Lの50mM HEPES pH 7.2、200mM NaClに対して4℃で一晩透析し、融合物を約2mg/mlまで濃縮させ、サンプルを分注し、−20℃で凍結させる。精製タンパク質を、OD、BCA、及び精製分析を使用して試験する。
実施例4.EGF結合親和性アッセイ
EGFバリアントの結合親和性をwtEGFと比較するために、内因性EGF受容体(ErbB:− EGFR)を欠く細胞(NR6、マウス3T3由来線維芽細胞株;WT−EGF)を、野生型ヒトEGFRを用いて安定的にトランスフェクトし、WT+EGFを生成する。結合アッセイの前に、コンフルエントWT−EGF細胞を、ヴェルセンを用いて組織培養プレートから剥離させた。EGF競合結合を2つの方法で測定し、平衡に達したことを保証した:5×10個のNR6 WT細胞を、Alexa−488標識EGF野生型と30分間にわたり4℃でインキュベートした。増加濃度の非標識EGF野生型又は突然変異体を加え、サンプルを追加の6時間にわたり4℃で、一定で混合しながらインキュベートした。あるいは、増加濃度の非標識EGF野生型及び突然変異体を、最初に細胞に30分間にわたり4℃で加え、Alexa−488 EGF野生型を追加の6時間にわたり4℃で加えた。細胞表面Alexa−488 EGF野生型標識の蛍光強度を、フローサイトメトリーにより測定した。結合アッセイを、1mg/ml BSA(pH 7.4)を添加したPBS中で、リガンド欠乏を無視可能な条件下で実施した。競合結合曲線を、4点結合等式を使用して適合した。標準偏差は、少なくとも3回、異なる日に、2つの異なるタンパク質調製物を使用して実施された反復した結合実験を表わす。
実施例5.EGF結合親和性アッセイ
EGF受容体についてEGFバリアントの結合親和性を比較するために、親和性を、パラホルムアルデヒド固定A431細胞への結合について125I−rEGF(組換えEGF)とのその競合を測定することにより決定する。リガンドと受容体内在化プロセスをこのように阻害するシステムである。純粋なrEGFをスタンダードとして使用した。A431細胞を、コンフルエントまで96ウェルプレート中で増殖させ、次に、アッセイの日にPBS中の3%パラホルムアルデヒドを用いて固定した。EGFバリアント及びrEGFを、0.1% BSAを含むPBS中の1.0nM 125I−rEGFを用いて連続希釈した。インキュベーションを、次に、各ウェルを、0.15mg/ml BSAを含むPBSを用いて3回洗浄する前に、37℃で2時間にわたり行った。最後に、ウェルを折って離し、ガンマカウンターで直接的にカウントした。
実施例6.慢性気管支炎を患う患者の処置
慢性気管支炎を患う62歳の男性(FEV1が正常な予測値の80%まで低下;1日の喀痰容積30ml)が、彼のGPで呈した。吸入ステロイドを用いた処置にもかかわらず、患者は、持続的な息切れのため、日常の仕事を実施する際に困難を呈した。GPは、6ヶ月治療単位で、本発明のEGFムテイン融合タンパク質をネブライザー形態で処方し、80μgを月1回摂取させた。医師との話し合いに続き、患者は、広範な適したデバイスから、彼らの個人的な状況のために最も適切なネブライザーを選択する。EGFベースの融合タンパク質の1回投与後、低下した喀痰容積(〜15ml)及びFEV1における改善(〜90%)を経験する。
実施例7.ソマトスタチンアナログに対して抵抗性のある末端肥大症患者を処置するための方法
ソマトスタチンアナログ(SSA)による循環GH及びIGF−1の6年間の成功裏の制御後、60歳の末端肥大症の催事会場タロット占い師が、多汗症の結果として、増加する明らかな油性肌及びまた顕著な体臭を報告する。彼女は、グルコース不耐性であり、上昇した循環IGF−1レベルを有したことが見出され、SSA投与量を高めることによってこれらは制御されない。彼女は、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の局所注射により処置される。14日間以内に、患者は発汗における有意な低下を報告する。続く1ヶ月にわたり、彼女の油性肌は正常に戻り、この時に、彼女のGH及びIGF−1レベルは両方とも正常の範囲内にある。この状況は次の5年間にわたり残る。
実施例8.神経内分泌腫瘍細胞を抑制するための方法
地域のバドミントンチームの35歳の男性メンバーが、腰痛のために脊椎X線を受ける。コンサルタントは異常な骨増殖に気付き、質問時に、男性は、睡眠時無呼吸の増加する発生及びまた増加する油性肌を報告する。医師は、循環IGF−1の測定を勧め、これらは上昇していることが見出される。続く試験によって、また、正常以上のGHレベルが示され、頭蓋MRIスキャンを行う。これは、9mm直径の下垂体腫瘍を示す。患者を、注射により本発明のEGFムテイン融合タンパク質を用いて処置する。1週間の間隔で、循環IGF−1レベルを測定し、最初の測定ではより低く、続く6週間にわたり正常の15%超まで着実に低下することが分かる。循環GHのレベルが、この時点で正常であることが見出される。週2回のIGF−1測定を伴う投薬でのさらなる用量は、このホルモンが正常の上限で安定化したことを示す。第2の処置から6週間後、頭蓋MRIスキャンによって腫瘍の6mmまでの収縮が明らかにされる。治療を、低下させた投与量で、2ヶ月間間隔で継続し、IGF−1及びGHレベルを7週目に測定する。これらは両方とも正常の範囲において安定しており、睡眠時無呼吸及び油性肌は、現在は存在しない。第1の処置に続く1年目での脊椎X線によって、最初の所見から増加した骨サイズは示されない。
実施例9.EGF受容体活性化アッセイにおけるEGF及びEGF融合タンパク質の比較
A431細胞(1×10)を、増加濃度のEGF、SXN100516(LH/A−EGF)、SXN100988(LH/B−EGF)、又はSXN100501(LH/C−EGF)を用いて20分間にわたり37℃でインキュベートした。
細胞を、氷冷PBSを用いて洗浄し、溶解させた。溶解物を、リン酸化ErbB受容体をサンドイッチイムノアッセイ及びMSDプラットフォームを使用して測定する前に、1:10希釈した。
Figure 0005658152
実施例10.EGF受容体活性化アッセイにおけるEGF、EGFムテイン、及びEGFムテイン融合タンパク質の比較
A431細胞(1×10)を、増加濃度のシンタキシンEGFムテイン融合物又はEGFを用いて、20分間にわたり37℃で3通りのエッペンドルフチューブ中でインキュベートした。洗浄後、細胞を溶解させ、溶解物を、EGF受容体のリン酸Y1068に特異的な捕捉抗体を用いてコーティングされたMSD 96ウェルプレートに加えた。
インキュベーションに続き、プレートを洗浄し、電気化学発光MSD SULFO-TAGを用いて標識された抗リン酸EGF受容体抗体とインキュベートした。MSDリード緩衝液をプレートに加え、プレート(RLU)の各ウェルから放出された光をMSD sector imager 6000上で測定した。
試験された分子及びシンタキシン
Figure 0005658152

結果(図1を参照)
Figure 0005658152
SXN101181のpEC50において、EGFと比較し、有意差はない(p>0.05、t検定)。
効力(pEC50)における対数単位差を、EGF(8.74±0.04)とEGFv3(7.61)の間で観察した。
実施例11.鼻炎を患う患者の処置
年1回、典型的な季節性アレルギー性鼻炎の症状を呈する24歳の女性を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質を用いた局所投与により(点鼻薬により)処置する。2〜7日以内に、患者は症状の鎮静を報告する。効果は、アレルギー季節の残りにわたり持続する。
実施例12.喘息を患う患者の処置
慢性喘息のため低下したクオリティ・オブ・ライフを伴う43歳の女性を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の全身注射を用いて処置する。3〜7日以内に、患者の症状がなくなり、患者はより自由に呼吸できるようになる。効果は2〜3ヶ月間にわたり持続し、その時、処置を繰り返し、患者のクオリティ・オブ・ライフに対する改善が持続する。
実施例13.COPDを患う患者の処置
効果的に呼吸することができないため低下したクオリティ・オブ・ライフを有する慢性閉塞性肺疾患を伴う64歳の男性を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の局所投与により(エアロゾルにより)処置する。2〜5日以内に、患者の過剰な気道粘液の大部分がなくなり、より自由に呼吸できるようになる。効果は2〜3ヶ月間にわたり持続し、そこで処置を繰り返し、患者のクオリティ・オブ・ライフに対する改善が持続する。
実施例14.喘息を患う患者の処置
ライノウイルス感染症のため喘息症状の重度の悪化を伴う25歳の男性を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質を用いた局所投与(エアロゾルによる吸入)により処置する。2〜5日以内に、患者は低下した気道粘液を報告し、悪化が鎮まる。
実施例15.大腸癌を患う患者の処置
黄疸を伴う32歳の男性が、大腸まで広がった進行性の肝細胞癌と診断される。患者を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の全身注射を用いて処置する。2〜3週間以内に、転移した腫瘍の増殖が止まっている。処置から2ヶ月後、腫瘍のサイズが減少し、黄疸がなくなっている。第2の処置の適用によって、腫瘍サイズの減少が継続し、症状の軽減が維持される。
実施例16.乾癬を患う患者の処置
乾癬と診断され、彼の背中及び腕の罹患部位の掻痒及び引っ掻きから有意な身体的な不快感を経験している32歳の男性患者を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質を用いた局所投与により処置する。2〜7日以内に、症状が緩和され、効果が1〜2ヶ月間にわたり続く。第2の処置の適用によって、症状の軽減が維持される。
実施例17.湿疹を患う患者の処置
湿疹と診断され、彼の臀部及び脚の罹患部位の掻痒及び引っ掻きから有意な身体的な不快感を経験している45歳の男性患者を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質を用いた局所投与により処置する。2〜7日以内に、症状が緩和され、効果が1〜2ヶ月間にわたり続く。第2の処置の適用によって、症状の軽減が維持される。
実施例18.結腸直腸癌を患う患者の処置
70歳の男性患者が(ステージIV)の結腸直腸癌と診断される。手術は勧められない。本発明のEGFムテイン融合タンパク質の全身注射を用いた処置後、転移した腫瘍はサイズにおける増加を止めている。1ヶ月以内に、腫瘍のサイズが減少しており、患者は気分が良くなったと報告している。第2の処置の適用によって、腫瘍サイズがさらに低下し、症状の軽減が維持される。
実施例19.前立腺癌を患う患者の処置
46歳の男性患者が、椎骨まで転移している前立腺癌と診断される。彼は、脊椎及び骨盤における疼痛を訴える。手術は不適切であるため、患者を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の全身注射を用いて処置する。2週間以内に、腫瘍のサイズが減少しており、患者はより少ない疼痛を報告する。第2の処置の適用によって、腫瘍サイズの減少が継続し、症状の軽減が維持される。
実施例20.肺非小細胞癌を患う患者の処置
46歳の女性患者が、(ステージIV)の肺非小細胞癌と診断され、予後診断では2年間生存する可能性は2%である。患者を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の全身注射を用いて処置する。2週間以内に、転移した腫瘍の増殖速度が止まっている。処置から2ヶ月後、腫瘍のサイズが減少し、患者の気分が良くなっている。第2の処置の適用によって、腫瘍サイズの減少が継続し、症状の軽減が維持される。患者の2年を超える生存期間の可能性が増加する。
実施例21.乳癌を患う患者の処置
黄疸を伴う36歳の女性患者が、肝臓まで広がった進行性の乳癌と診断される。患者を、本発明のEGFムテイン融合タンパク質の全身注射を用いて処置する。2週間以内に、転移した腫瘍の増殖速度が止まっている。処置から2ヶ月後、腫瘍のサイズが減少し、黄疸がなくなっている。第2の処置の適用によって、腫瘍サイズの減少が継続し、症状の軽減が維持される。
配列番号
配列番号1.天然に存在するヒト上皮増殖因子(EGF)についてのアミノ酸配列
Figure 0005658152
配列番号2.LHAのDNA配列
Figure 0005658152

Figure 0005658152
配列番号3.LHBのDNA配列
Figure 0005658152

Figure 0005658152
配列番号4.LHCのDNA配列
Figure 0005658152

Figure 0005658152
配列番号5.LHDのDNA配列
Figure 0005658152

Figure 0005658152
配列番号6.EGFH16N
Figure 0005658152
配列番号7.EGFバリアント標的成分v1のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号8.EGFH16Q
Figure 0005658152
配列番号9.EGFバリアント標的成分v2のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号10.EGFW49L
Figure 0005658152
配列番号11.EGFバリアント標的成分v3のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号12.EGFW49I
Figure 0005658152
配列番号13.EGFバリアント標的成分v4のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号14.EGFW49V
Figure 0005658152
配列番号15.EGFバリアント標的成分v5のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号16.EGFW49A
Figure 0005658152
配列番号17.EGFバリアント標的成分v6(G12Q)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号18.EGFW49G
Figure 0005658152
配列番号19.EGFバリアント標的成分v7(H16D)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号20.EGFW49S
Figure 0005658152
配列番号21.EGFバリアント標的成分v8(Y13W)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号22.EGFW49T
Figure 0005658152
配列番号23.EGFバリアント標的成分v9(Q43A)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号24.EGFW49N
Figure 0005658152
配列番号25.EGFバリアント標的成分v10(H16A)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号26.EGF_W49Q
Figure 0005658152
配列番号27.EGFバリアント標的成分v11(L15A)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号28.EGF_H16N_W49L
Figure 0005658152
配列番号29.EGFバリアント標的成分v12(V19E)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号30.EGF_H16Q_W49L
Figure 0005658152
配列番号31.EGFバリアント標的成分v13(V34D)のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号32.EGF_H16N_W49I
Figure 0005658152
配列番号33.LHA−EGFv1のタンパク質配列(Xa活性化)
Figure 0005658152
配列番号34.EGF_H16Q_W49I
Figure 0005658152
配列番号35.LHA−EGFv2のタンパク質配列(Xa活性化)
Figure 0005658152
配列番号36.EGF_H16N_W50A
Figure 0005658152
配列番号37.LHA−EGFv3のタンパク質配列(増強された突然変異)
Figure 0005658152
配列番号38.EGF_H16Q_W50A
Figure 0005658152
配列番号39.LHA−EGFv4のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号40.EGF_H16N_W49L_W50A
Figure 0005658152
配列番号41.LHA−EGFv5のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号42.EGF_H16Q_W49L_W50A
Figure 0005658152
配列番号43.LHA−EGFv6のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号44.EGF_H16N_W49I_W50A
Figure 0005658152
配列番号45.LHC−EGFv7のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号46.EGF_H16Q_W49I_W50A
Figure 0005658152
配列番号47.LHC−EGFv8のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号48.EGF_H16N_W49L_W50A_E24G
Figure 0005658152
配列番号49.LHC−EGFv9のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号50.EGF_H16N_W49L_W50A_E24G_A25T
Figure 0005658152
配列番号51.LHC−EGFv10のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号52.EGF_H16N_W49L_W50A_E24G_A25S
Figure 0005658152
配列番号53.LHC−EGFv11のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号54.EGF_H16N_W49L_W50A_E24G_A25T_K28R
Figure 0005658152
配列番号55.LHC−EGFv12のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号56.EGF_H16N_W49L_W50A_E24G_A25T_K28R_S4P
Figure 0005658152
配列番号57.LHC−EGFv13のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号58.EGF_H16N_W49L_W50A_E24G_A25T_K28R_S4P_E5K
Figure 0005658152
配列番号59.LHB−EGFv1のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号60.EGFv3
Figure 0005658152
配列番号61.LHB−EGFv5のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号62.破傷風LHN−EGFv1のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号63.LHD−EGFv6のタンパク質配列(プロテアーゼ感受性部位)
Figure 0005658152
配列番号64.LHD−EGFv3のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号65.LHD−EGFv11のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号66.M26−IgA1−HC−EGFv3のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号67.M26−IgA1−HC−EGFv11のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号68.破傷風LHN−EGFv3のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号69.LHA−CP−EGFv2のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号70.LHD−EGFv2のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号71.LHC−CP−EGFv2のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号72.LHC−EGFv3のタンパク質配列
Figure 0005658152
配列番号73.EGFバリアント標的成分v3のDNA配列
Figure 0005658152

Claims (13)

  1. 以下:
    (a)SNAREタンパク質を切断することが可能である非細胞毒性プロテアーゼ;
    (b)該非細胞毒性プロテアーゼを、哺乳動物細胞のエンドソーム内から、そのエンドソーム膜を横断し、哺乳動物細胞のサイトゾル中にトランスロケーションさせることが可能であるトランスロケーションペプチド;及び
    (c)上皮増殖因子(EGF)ムテイン、それにおいて、
    該EGFムテインは、配列番号11のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして該EGFムテインは、EGF受容体に結合する配列番号11の結合親和性を維持している、
    を含むポリペプチド。
  2. ポリペプチドが、配列番号37、64、66及び68からなる群より選択されるアミノ酸配列と、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1記載のポリペプチド。
  3. 配列同一性が、少なくとも95%である、請求項記載のポリペプチド。
  4. 非細胞毒性プロテアーゼが、クロストリジウム神経毒プロテアーゼ又はナイセリアIgAプロテアーゼを含む、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
  5. トランスロケーションペプチドが、クロストリジウム神経毒トランスロケーションドメインを含む、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
  6. ポリペプチドが、二鎖ポリペプチドとして存在し、非細胞毒性プロテアーゼが、ジスルフィド結合によりトランスロケーションペプチドに連結される、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
  7. 請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチドをコードする核酸配列。
  8. 宿主細胞において、請求項記載の核酸を発現させることを含む、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチドを調製するための方法。
  9. 宿主細胞が、大腸菌である、ポリペプチドを調製するための請求項記載の方法。
  10. 炎症を抑制する際での使用のための、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
  11. 患者において粘液分泌過多及び/又は粘液分泌過多に関連する状態もしくは障害を抑制する際での使用のための、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
  12. 内分泌新生物及び/又は神経内分泌障害を抑制する際での使用のための、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
  13. 神経内分泌腫瘍を抑制する際での使用のための、及び/又は結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、又は肺癌を抑制する際での使用のための、請求項1〜のいずれか一項記載のポリペプチド。
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