JP5656260B2 - ライトシェルフ構造の設計方法 - Google Patents
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Description
ライトシェルフは、例えば、外壁から水平に突主しており、略水平な反射面で太陽光を反射して採光窓を通して室内に導入し、室内の天井面を照射する(特許文献1参照)。
また、ブラインドは、例えば、水平に延びる複数のスラットが上下に並べて構成されており、太陽光を各スラットに反射させて、室内の天井面を照射する。各スラットの角度は、太陽高度に基づいて制御されており、具体的には、上側のスラットは室奥側を照射し、下側のスラットは窓際側を照射するようになっている(特許文献2参照)。
天井面に照射される光量を確保するためには、スラットの反射率を上昇させる必要があるが、居住者がまぶしさを感じるため、スラットの反射率を上昇させることができず、天井面に照射される光量を増加することができない。
また、ブラインドが窓を覆うため、居住者の視界が大きく遮られてしまう、という問題があった。
これにより、反射領域内で反射された光は、天井面の所望の照射領域に照射されることになる。よって、反射領域の面積を調整することにより、天井面の所望の照射領域を所望の光量で照射できる。また、ライトシェルフを居住者の背丈レベルに設置することにより、居住者の視界が遮られるのを防止できる。
これにより、第2反射領域内で反射された光は、天井面の所望の第2照射領域に照射されることになる。よって、第2反射領域の面積を調整することにより、天井面の所望の一部の照度を特に高くすることができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るライトシェルフ構造1の断面図である。
外壁11の屋内側の空間は、室14となっており、この室14は天井面15を有している。
採光窓12は、居住者の腰の高さレベルから天井面15レベルまで設けられている。ライトシェルフ13は、この採光窓12の途中高さ、具体的には居住者の背丈のレベルに設けられている。
ライトシェルフ13は、採光窓12の窓枠121に取り付けられた一対のブラケット131と、これらブラケット131間に設けられたライトシェルフ本体132と、を備える。
ライトシェルフ本体132の上面は、上述の反射領域20となっている。
すなわち、ライトシェルフ本体132の採光窓12側の端縁は、ブラケット131に回転可能に支持され、屋外側の端縁は、ブラケット131に円弧状にスライド可能に支持されている。このライトシェルフ本体132の屋外側の端縁の位置を調整することにより、ライトシェルフ本体132は、採光窓12側の端縁を回転軸として回転し、傾斜角度を設定することができる。
中間季には、ライトシェルフ本体132の屋外側の端縁を位置Bに設定し、反射領域20の断面形状が所定の形状となるように設定する。
冬季には、ライトシェルフ本体132の屋外側の端縁を位置Cに設定し、反射領域20の断面形状が所定の形状(後述の円弧R2)となるように設定する。
まず、夏季における太陽光の入射角度を設定する。本実施形態では、夏季の太陽光の入射角度を、北緯35°における夏至の南中高度である78°に設定する。
具体的には、室内側端縁30Aから屋内側端縁20Aに直線L1を引き、この直線L1と屋内側端縁20Aに入射する太陽光S1との成す角度の二等分線を求める。そして、屋内側端縁20Aにこの二等分線に直交する直線P1を引く。
具体的には、室外側端縁30Bから屋外側端縁20Bに直線L2を引き、この直線L2と屋外側端縁20Bに入射する太陽光S2との成す角度の二等分線を求める。そして、屋外側端縁20Bにこの二等分線に直交する直線P2を引く。
まず、冬季における太陽光の入射角度を設定する。本実施形態では、冬季の太陽光の入射角度を、北緯35°における冬至の南中高度である31°に設定する。
具体的には、室内側端縁30Aから屋内側端縁20Aに直線L3を引き、この直線L3と屋内側端縁20Aに入射する太陽光S3との成す角度の二等分線を求める。そして、屋内側端縁20Aにこの二等分線に直交する直線P3を引く。
具体的には、室外側端縁30Bから屋外側端縁20Bに直線L4を引き、この直線L4と屋外側端縁20Bに入射する太陽光S4との成す角度の二等分線を求める。そして、屋外側端縁20Bにこの二等分線に直交する直線P4を引く。
(1)反射領域20の屋内側端縁20Aの角度を、太陽光がこの屋内側端縁20Aで反射して所望の照射領域30の室内側端縁30Aに到達するように決定する。また、反射領域20の屋外側端縁20Bの角度を、太陽光がこの屋外側端縁20Bで反射して所望の照射領域30の室外側端縁30Bに到達するように決定する。
これにより、反射領域20内で反射された光は、天井面15の所望の照射領域30に照射されることになる。よって、反射領域20の面積を調整することにより、天井面15の所望の照射領域30を所望の光量で照射できる。また、ライトシェルフ13を居住者の背丈レベルに設置したので、居住者の視界が遮られることはない。
例えば、夏季に昼光を室内天井面の所定の領域に確実に照射したい場合には、夏季の形状を用いる。また、冬季に昼光を室内天井面の所定の領域に確実に照射したい場合には、冬季の形状を用いる。この場合、夏季には、冬季に照射した領域よりも狭い領域に照射されることになる。
本実施形態では、反射領域20の一部に第2反射領域40を設ける点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、照射領域30の所望の一部、ここでは居住者の机の直上に照度が高い矩形状
の第2照射領域50を設け、反射領域20の一部に第2照射領域50を照射する第2反射領域40を設ける。
本実施形態における反射領域20の形状を決定する手順について説明する。
具体的には、第2室内側端縁50Aから第2屋内側端縁40Aに直線L5を引き、この直線L5と第2屋内側端縁40Aに入射する太陽光S5との成す角度の二等分線を求める。そして、第2屋内側端縁40Aにこの二等分線に直交する直線P5を引く(図6参照)。
具体的には、第2室外側端縁50Bから第2屋外側端縁40Bに直線L6を引き、この直線L6と第2屋外側端縁40Bに入射する太陽光S6との成す角度の二等分線を求める。そして、第2屋外側端縁40Bにこの二等分線に直交する直線P6を引く(図6参照)。
ここで、直線P1および直線P5が円弧R3の接線となるようにする。また、直線P6および直線P2が円弧R4の接線となるようにする。
また、直線P5および直線P5は、同一直線であり、線分Q1を、これら直線P5および直線P5上の線分とする。
(4)照射領域30の所望の一部を、照度が高い矩形状の第2照射領域50とし、反射領域20の一部を、第2照射領域50を照射する第2反射領域40とする。さらに、第2反射領域40の第2屋内側端縁40Aの角度を、太陽光がこの第2屋内側端縁40Aで反射して第2照射領域50の第2室内側端縁50Aに到達するように決定し、第2反射領域40の第2屋外側端縁40Bの角度を、太陽光がこの第2屋外側端縁40Bで反射して第2照射領域50の第2室外側端縁50Bに到達するように決定する。
これにより、第2反射領域40内で反射された光は、天井面15の所望の第2照射領域50に照射されることになる。よって、第2反射領域40の面積を調整することにより、天井面15の所望の一部の照度を特に高くすることができる。
例えば、上述の各実施形態では、ライトシェルフ本体132の採光窓12側の端縁をブラケット131に回転可能に支持させ、屋外側の端縁をブラケット131に円弧状にスライド可能に支持させたが、これに限らない。例えば、図7に示すように、ライトシェルフ本体132の採光窓12側の端縁をブラケット131に上下にスライド可能に支持させ、屋外側の端縁をブラケット131に水平にスライド可能に支持させてもよい。
10…建物
11…外壁
12…採光窓
13…ライトシェルフ
14…室
15…天井面
20…反射領域
20A…屋内側端縁
20B…屋外側端縁
30…照射領域
30A…室内側端縁
30B…室外側端縁
40…第2反射領域
40A…第2屋内側端縁
40B…第2屋外側端縁
50…第2照射領域
50A…第2室内側端縁
50B…第2室外側端縁
121…窓枠
131…ブラケット
132…ライトシェルフ本体
A、B、C…位置
L1、L2、L3、L4、L5、L6…直線
P1、P2、P3、P4、P5、P6…直線
Q1…線分
R1、R2、R3、R4…円弧
S1、S2、S3、S4、S5、S6…太陽光
Claims (3)
- 外壁に設けられた採光窓と、前記外壁に設けられたライトシェルフと、を備え、
当該ライトシェルフは、反射領域で太陽光を反射して前記採光窓を通して屋内に導入し、当該屋内の天井面の所望の照射領域を照射するライトシェルフ構造の設計方法であって、
前記反射領域の前記採光窓側の端縁を屋内側端縁とし、屋外側の端縁を屋外側端縁とし、
前記天井面のうち所望の照射領域の室内側の端縁を室内側端縁とし、前記採光窓側の端縁を室外側端縁とし、
前記反射領域の屋内側端縁の角度は、太陽光が当該屋内側端縁で反射して前記照射領域の室内側端縁に到達するように決定され、
前記反射領域の屋外側端縁の角度は、太陽光が当該屋外側端縁で反射して前記照射領域の室外側端縁に到達するように決定され、
前記照射領域の所望の一部に照度が高い矩形状の第2照射領域を設け、
前記反射領域の一部に当該第2照射領域を照射する第2反射領域を設け、
前記第2反射領域の前記採光窓側の端縁を第2屋内側端縁とし、屋外側の端縁を第2屋外側端縁とし、
前記第2照射領域の室内側の端縁を第2室内側端縁とし、前記採光窓側の端縁を第2室外側端縁とし、
前記第2反射領域の第2屋内側端縁の角度は、太陽光が当該第2屋内側端縁で反射して前記第2照射領域の第2室内側端縁に到達するように決定され、
前記第2反射領域の第2屋外側端縁の角度は、太陽光が当該第2屋外側端縁で反射して前記第2照射領域の第2室外側端縁に到達するように決定されることを特徴とするライトシェルフ構造の設計方法。 - 前記第2反射領域の断面形状は、前記第2屋内側端縁から前記第2屋外側端縁に至る直線状であることを特徴とする請求項1に記載のライトシェルフ構造の設計方法。
- 前記太陽光の入射角度を、夏季、冬季、および中間季に応じて3種類設定しておき、
当該設定した入射角度に応じて前記反射領域の形状および傾斜角度を求めて、
季節毎に前記反射領域の傾斜角度を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載のライトシェルフ構造の設計方法。
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