JP5655925B2 - 応力検出素子、触覚センサー、および把持装置 - Google Patents

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本発明は、剪断方向に作用する剪断力、および剪断方向に直交する方向に作用する押圧力の双方を検出する応力検出素子、この応力検出素子を備えた触覚センサー、およびこの触覚センサーを備えた把持装置に関する。
従来、ロボットのアームなどにより、重量や摩擦係数が未知である対象物を把持して持ち上げる把持装置が知られている。このような把持装置では、対象物を破損することなく、かつ対象物を滑り落とすことなく把持するためには、把持面に対して直交する方向に作用する力(押圧力)と、把持面の面方向(剪断方向)に作用する力(剪断力)を検出する必要があり、これらの力を検出するセンサーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の触覚センサーは、センサー基板に開設される開口の縁部から延伸するカンチレバー構造の構造体を有し、この構造体は、平板状の感応部と、感応部とセンサー基板とを連結するヒンジ部とから構成される。そして、この構造体の感応部には導電性磁性体膜が形成され、ヒンジ部には、ピエゾ抵抗膜が形成され、導電性磁性体膜とピエゾ抵抗膜とが導通されている。また、ヒンジ部には電極が設けられ、圧力によりヒンジ部が曲がることで、ヒンジ部のピエゾ抵抗で発生する電流が電極から流れる構成となっている。そして、この触覚センサーは、センサー基板上に上記のような構造体が複数形成され、これらの構造体のうち一部がセンサー基板に対して起立し、他の一部がセンサー基板に対して平行に保持されている。また、このセンサー基板上には、弾性体が設けられ、起立した構造体は、弾性体に埋め込まれている。そして、起立した構造体により剪断力が測定可能となり、基板面に平行な構造体により押圧力が測定可能となる。ここで、この触覚センサーでは、センサー基板に対して起立した構造体により剪断力が検出され、センサー基板に対して平行に保持される構造体により押圧力が検出される。
特開2006−208248号公報
ところで、上記特許文献1に記載のような触覚センサーでは、センサー基板に対して起立させる構造体と、センサー基板に対して平行に保持する構造体とが分離され、起立した構造体により剪断力が検出され、基板に対して平行な構造体により押圧力が検出される。しかしながら、このように、剪断力検出用の構造体と、押圧力検出用の構造体とを別領域に形成すると、センサーサイズが大型化してしまい、小型の触覚センサーには適さないという問題がある。
また、特許文献1の触覚センサーでは、所定の1点に対して、剪断力および押圧力のいずれか一方のみしか検出することができない。例えば、剪断力検出用の構造体では、剪断力のみ検出され、押圧力は、この構造体の近傍に位置する押圧力検出用の構造体で検出される。このため、剪断力検出用の構造体が設けられる位置に作用する正確な押圧力を検出することができないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みて、小型化が可能で、かつ剪断力および押圧力を正確に検出可能な応力検出素子、触覚センサー、および把持装置を提供することを目的とする。
本発明の応力検出素子は、剪断方向に作用する剪断力、および前記剪断方向に直交する押圧力を検出する応力検出素子であって、前記剪断力の検出方向に直交し、互いに平行する一対の直線部を有する開口部を備えた支持体と、前記支持体上に形成されて前記開口部を閉塞するとともに、可撓性を有する支持膜と、前記支持体を前記支持膜の膜厚み方向から見る平面視において、前記開口部の一対の前記直線部のうち少なくともいずれか一方の直線部に沿い、前記開口部の内外に跨って、前記支持膜上に設けられるとともに、湾曲することで電気信号を出力する第一圧電体部と、前記平面視において、前記開口部の内側で、前記第一圧電体部から離間して設けられ、湾曲することで電気信号を出力する第二圧電体部と、前記第一圧電体部、前記第二圧電体部、および前記支持膜を覆う弾性膜と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、応力検出素子は、支持体上に、開口部を塞ぐ状態に支持膜が形成され、この支持膜上に、開口部の内外に跨って第一圧電体部が積層され、開口部の内側に第二圧電体部が積層され、さらにその上層に弾性膜が積層されている。ここで、以降の説明において、開口部内の領域の支持膜をメンブレンと称する。
このような応力検出素子では、弾性膜に対象物が接触し、開口部の直線部の直線方向と直交する方向(剪断力検出方向)に剪断力が加わると、弾性膜および支持膜に歪みが生じる。そして、この弾性膜の歪みによりメンブレン全体が撓み、第一圧電体部から電気信号が出力される。また、弾性膜に対象物が接触した際に、メンブレンに対して直交する厚み方向に押圧力が加わると、弾性膜および支持膜が厚み方向に撓み、これにより第二圧電体部から電気信号が出力される。
ここで、剪断力および押圧力を検出するために、それぞれ別の素子を設ける場合では、例えば剪断力検出用の素子が設けられる位置に加えられる押圧力や、押圧力検出用の素子が設けられる位置に加えられる剪断力は、正確に検出することができない。これに対して、上記のように1つのメンブレン上に剪断力を検出するための第一圧電体部、および押圧力を検出するための第二圧電体部を設けることで、このメンブレンに作用する剪断力および押圧力の双方を正確に検出することができる。
また、剪断力検出用の素子、および押圧力検出用の素子をそれぞれ別体として形成する場合、剪断力および押圧力を検出するセンサーを構成するために、2つ素子分のスペースを確保する必要があり、センサーサイズが大型化する。これに対して本発明では、1つの素子分のスペースで剪断力および押圧力の双方を検出可能であり、センサーサイズを小型化することができる。
本発明の応力検出素子では、前記開口部の前記直線部は、一対の第一直線部と、前記第一直線部に直交する一対の第二直線部と、を備え、前記第一圧電体部は、一対の前記第一直線部のうちの少なくともいずれか一方、および一対の前記第二直線部のうちの少なくともいずれか一方に沿ってそれぞれ設けられることが好ましい。
この発明では、第一直線部に配置される第一圧電体部により、第一直線部に直交する第一剪断方向に作用する剪断力を検出することができ、第二直線部に配置される第一圧電体部により、第二直線部に直交する第二剪断方向に作用する剪断力を検出することができる。これにより、1つの応力検出素子により、メンブレンの面内に作用するあらゆる剪断力を検出することができる。
本発明の応力検出素子では、前記第一圧電体部は、一対の前記直線部の双方に沿って、それぞれ設けられることが好ましい。
弾性膜に対象物が接触して剪断力が加えられた際、例えば、開口部の一対の直線部のうち一方を第一辺、他方を第二辺とし、第一辺から第二辺に向かう検出方向に剪断力が加わる場合、弾性膜では、次のような力が作用する。すなわち、弾性膜の第二辺側では、支持体が設けられる一方の面とは反対方向側に盛り上る力が発生し、第一辺側では、支持体の開口部内に入り込む力が発生する。したがって、これらの第一辺および第二辺の双方に第一圧電体部を設けることで、2つの第一圧電体部により剪断方向に働く剪断力を検出することができ、1つの第一圧電体部により剪断力を検出する場合に比べて、より大きい信号値(電流値)により剪断力を検出することができ、検出精度を向上させることができる。
開口部に、一対の第一直線部と、これらの第一直線部に直交する一対の第二直線部が設けられる場合においても、同様に、これらの一対の第一直線部および一対の第二直線部に沿ってそれぞれ第一圧電体部を設けることで、第一直線部に直交する第一剪断力と、第二直線部に直交する第二剪断力とを、大きい信号値により検出することができ、これらの剪断力の検出精度を高めることができる。
本発明の応力検出素子では、前記第二圧電体部は、前記平面視において、前記開口部の中心位置に設けられ、前記支持膜上には、前記平面視において、前記第二圧電体部の中心点を通り、かつ前記剪断力の検出方向に平行する仮想線分に対して線対称となる位置にそれぞれ支持梁が設けられることが好ましい。
この発明では、第二圧電体部を支持する少なくとも一対の支持梁が、第一圧電体部の中心点を通り、かつ剪断力検出方向に平行する仮想線分に対して線対称となる位置に設けられている。このため、弾性膜に応力が加わった際に、メンブレンが均等に撓み、精度よく剪断力および押圧力を検出することができる。
ここで、本発明の応力検出素子では、前記開口部は、矩形状に形成され、前記支持梁は、前記開口部の対角線上に形成されることが好ましい。
この発明では、支持梁は、矩形状の開口部の対角線上に沿ってそれぞれ形成されている。開口部の互いに対向する二辺を、それぞれ第一辺および第二辺とし、第一辺から第二辺に向かう剪断力検出方向に沿って剪断力が加わる際、メンブレンが、剪断力検出方向に沿って、略sin波形状に撓むことで精度よく剪断力を検出することが可能となる。ここで、第二圧電体部の支持梁が、例えば第一辺の両端に向かって、前記仮想線分に対して線対称に形成される場合、これらの支持梁により、剪断力検出方向に直交する方向に対して、メンブレンの撓み量を均一にすることができるが、剪断力検出方向に対して第二圧電体部よりも第一辺側の剛性が支持梁の強度分だけ強くなり、メンブレンの撓みが不均一になる場合がある。これに対して、本発明のように、開口部の対角線上に沿って支持梁が形成されることで、メンブレンの撓みをよりsin波形状に近づけることができ、より精度の高い剪断力の測定を実施することができる。
さらに、本発明の応力検出素子では、前記第二圧電体部は、前記支持膜上に形成される第二下部電極層、この第二下部電極層の上層に形成される第二圧電体層、および、この第二圧電体層の上層に形成される第二上部電極層を備え、前記支持梁は、前記第二下部電極層に接続される第二下部電極線、および、前記第二上部電極層に接続される第二上部電極線を備えることが好ましい。
この発明では、支持梁は、第二下部電極層に接続される第二下部電極線、および第二上部電極層に接続される第二上部電極線を備えている。ここで、前記仮想線分に対して線対称となる一対の支持梁のみが形成される場合では、一対の支持梁のうち一方を第二下部電極線、他方を第二上部電極線とすることができる。また、矩形状の開口部の対角線に沿って、第二圧電体部から延びる4つの支持梁が設けられる場合、4つの支持梁のうち1つを第二下部電極線、他の1つを第二上部電極線、他の2つを例えば電圧印加に用いられないダミー電極線としてもよく、4つの支持梁のうち2つを第二下部電極線、他の2つを第二上部電極線としてもよい。
このような構成では、第二圧電体部から出力される電流が流れる電極線を支持梁として用いることができ、別途支持梁を設けることなく、構成を簡単にすることができる。
本発明の触覚センサーは、上述のような応力検出素子を複数備えるとともに、これらの応力検出素子がアレイ状に配列されることを特徴とする。
この発明では、触覚センサーは、上記したような応力検出素子がアレイ状に配列され、これらのアレイ状に配列される複数の応力検出素子を備えている。したがって、このような触覚センサーを、対象物に接触する例えばセンサー面に設けることで、対象物がセンサー面に与える剪断力および押圧力を検出することができる。この時、例えば、剪断力用の検出素子と、押圧力用の検出素子とを交互に配設した従来の触覚センサーでは、剪断力用の検出素子の配設位置に作用する押圧力を正確に検出することが困難であるが、本発明では、上記のように1つの応力検出素子により、剪断力および押圧力の双方を検出することが可能であるため、1点に作用する剪断力および押圧力の双方を精度良く検出することができる。
また、例えば剪断力検出用の素子と押圧力検出用の素子とを交互に配設したセンサーアレイ形状とした場合、単位面積当たりに配置される剪断力検出用の領域、押圧力検出用の領域は、それぞれ前記単位面積の約半分の面積となる。これに対して、本発明では、応力検出用素子をアレイ状に配設することで、前記単位面積の全面積を剪断力検出用および押圧力検出用の領域として使用することができる。したがって、単位面積当たりにおける応力の分析能も向上し、剪断力および押圧力を精度よく検出することが可能となる。
本発明の触覚センサーでは、前記弾性膜は、隣り合う前記応力検出素子間において、前記弾性膜間の撓み伝達を規制する規制溝が設けられることが好ましい。
この発明では、互いに隣り合って配設される応力検出素子間において、弾性膜に規制溝が形成されている。ここで、規制溝としては、弾性膜の厚み寸法に対して例えば3/4程度の深さ寸法で形成され、隣り合う前記応力検出素子間において弾性膜が連続するものであってもよく、支持膜に達する深さに形成され、隣合う応力検出素子の弾性膜がそれぞれ独立しているものであってもよい。
この発明では、規制溝が形成されることで、隣接する応力検出素子に作用した剪断力や押圧力が弾性膜を介して伝達され、ノイズ成分として検出されることがなく、1つの応力検出素子に係る剪断力および押圧力をより精度良く検出することができる。
本発明の把持装置は、触覚センサーを備え、対象物を把持する把持装置であって、前記対象物を把持するとともに、前記対象物に接触する接触面に前記触覚センサーが設けられる少なくとも一対の把持アームと、前記触覚センサーから出力される前記電気信号に基づいて、前記対象物のすべり状態を検出する把持検出手段と、前記すべり状態に基づいて、前記把持アームの駆動を制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、上記したように、触覚センサーにより、把持の対象物を把持した際の剪断力および押圧力の双方を精度良く検出することができ、検出されたこれらの剪断力および押圧力に基づいて、対象物が把持アームから滑り落ちている状態であるか、把持されている状態であるかを適切に判断することが可能となる。すなわち、対象物を把持する動作において、対象物を十分に把持できていない状態では、動摩擦力に応じた剪断力が働き、把持力を強めるほど、この剪断力も大きくなる。一方、把持力を強め、静摩擦力に応じた剪断力が検出される状態では、対象物の把持が完了した状態であり、把持力を強めた場合でも静摩擦力は一定であるため、剪断力も変化しない。したがって、例えば、対象物の把持力を徐々に増加させ、剪断力が変化しなくなった時点を検出することで、対象物を破損させることなく、最低限の把持力のみで対象物を把持することができる。
本発明に係る第一実施形態の応力検出素子の平面図である。 前記第一実施形態の応力検出素子の断面図である。 剪断力検出素子に対象物が接触した状態を示す図であり、(A)は、メンブレンの変形前の状態を示す図、(B)は、応力(押圧力および剪断力)によりメンブレンが変形した状態を示す図である。 剪断力検出用圧電膜および押圧検出用圧電膜で発生する電位差を模式的に示す図であり、(A)は、圧電膜が変形していない状態、(B)は、圧電膜が伸長された状態、(C)は、圧電膜が圧縮された状態を示す図である。 +X方向に剪断力が加えられた際、−X方向に剪断力が加えられた際、および押圧力が加えられた際に、剪断力検出用圧電体および押圧力検出用圧電体から出力される電流の検出パターンを示す図である。 応力検出素子の剪断力検出用圧電体からの信号値を出力する出力回路の概略構成を示す回路図である。 図6の出力回路から出力される剪断出力信号の発信波形の例を示す図であり、図6中の点Saでの発信波形を示す図であり、(B)は、図6中の点Sbでの発信波形を示す図である。 第二実施形態の触覚センサーの一部を拡大した平面図である。 触覚センサーの一部を断面した断面図である。 触覚センサーの変形例を示す断面図である。 本発明に係る第三実施形態の把持装置の概略構成を示す装置ブロック図である。 把持装置の把持動作における触覚センサーに作用する押圧力および剪断力の関係を示す図を示す。 制御装置の制御による把持装置の把持動作を示すフローチャートである。 把持装置の把持動作時において、アーム駆動部への駆動制御信号、触覚センサーから出力される検出信号の発信タイミングを示すタイミング図である。 他の実施形態における応力検出素子を示す平面図である。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態の応力検出素子について、図面に基づいて説明する。
〔1.応力検出素子の構成〕
図1は、第一実施形態の応力検出素子200の概略構成を示す平面図であり、図2は、応力検出素子200の断面図である。
応力検出素子200は、図1に示すように、支持体であるセンサー基板11上に、支持膜14、本発明の第一圧電体部を構成する剪断力検出用圧電体210、本発明の第二圧電体部である押圧力検出用圧電体310、および弾性膜である弾性膜15を積層することで構成されている。この応力検出素子200は、対象物が弾性膜15に接触した際に加わる押圧力および剪断力を検出する素子である。
(1−1.センサー基板の構成)
センサー基板11は、例えばSiにより形成され、厚み寸法が例えば200μmに形成されている。このセンサー基板11には、図1および図2に示すように、開口部111が形成されている。この開口部111は、センサー基板11の厚み方向から当該センサー基板11を見る平面視(センサー平面視)において、正方形状に形成されており、正方形の辺111A,111Bが本発明の第一直線部を構成し、辺111C,111Dが本発明の第二直線部を構成する。本実施形態では、この開口部111は、例えば一辺の長さ寸法Lが500μmに形成されている。
(1−2.支持膜の構成)
支持膜14は、図示は省略するが、センサー基板11上に例えば厚み寸法が3μmに成膜されるSiO2層と、このSiO2層上に積層される厚み寸法が例えば400nmのZrO2層との2層構造により形成されている。ここで、ZrO2層は、後述する剪断力検出用圧電体210や押圧力検出用圧電体310の焼成形成時に、剪断力検出用圧電膜211や押圧力検出用圧電膜311の剥離を防止するために形成される層である。すなわち、剪断力検出用圧電膜211および押圧力検出用圧電膜311が例えばPZTにより形成される場合、焼成時にZrO2層が形成されていないと、剪断力検出用圧電膜211に含まれるPbがSiO2層に拡散して、SiO2層の融点が下がり、SiO2層の表面に気泡が生じ、この気泡によりPZTが剥離してしまう。また、ZrO2層がない場合、剪断力検出用圧電膜211の歪みに対する撓み効率が低下するなどの問題もある。これに対して、ZrO2層がSiO2層上に形成される場合、剪断力検出用圧電膜211の剥離、撓み効率の低下などの不都合を回避することが可能となる。
また、以降の説明において、図1に示すようなセンサー平面視において、支持膜14のうち、開口部111を閉塞する領域をメンブレン141と称す。
(1−3.剪断力検出用圧電体の構成)
剪断力検出用圧電体210は、メンブレン141上で、開口部111の各辺111A〜111Dに沿って、各辺111A〜111Dの直線方向と同一方向に長手となる矩形状に形成される。また、各剪断力検出用圧電体210は、センサー平面視において、開口部111の各辺111A〜111Dを挟んで、開口部111の内外に跨って配置されている。
これらの剪断力検出用圧電体210は、膜状の剪断力検出用圧電膜211と、この剪断力検出用圧電膜211膜厚み方向にそれぞれ形成される剪断力検出用下部電極212および剪断力検出用上部電極213と、を備えている。
剪断力検出用圧電膜211は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛:lead zirconate titanate)を厚み寸法が例えば500nmとなる膜状に成膜することで形成される。なお、本実施形態では、剪断力検出用圧電膜211としてPZTを用いるが、膜の応力変化により電荷を発生することが可能な素材であれば、いかなる素材を用いてもよく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)、窒化アルミ(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを用いてもよい。この剪断力検出用圧電膜211は、剪断力により支持膜が撓むと、その撓み量に応じて剪断力検出用下部電極212および剪断力検出用上部電極213の間で電位差が発生する。これにより、剪断力検出用下部電極212および剪断力検出用上部電極213に剪断力検出用圧電膜211からの電流が流れ、電気信号が出力される。
剪断力検出用下部電極212および剪断力検出用上部電極213は、剪断力検出用圧電膜211の膜厚み方向を挟んで形成される電極であり、剪断力検出用下部電極212は、剪断力検出用圧電膜211のメンブレン141に対向する面に形成され、剪断力検出用上部電極213は、剪断力検出用下部電極212が形成される面とは反対側の面に形成されている。
剪断力検出用下部電極212は、厚み寸法が例えば200nmに形成される膜状の電極であり、剪断力検出用圧電体210が形成される辺111A〜111Dに直交する方向に沿って、メンブレン141内外に跨って形成される。この剪断力検出用下部電極212としては、導電性を有する導電薄膜であれば、いかなるものであってもよいが、本実施形態では、例えば、Ti/Ir/Pt/Tiの積層構造膜を用いる。
また、剪断力検出用上部電極213は、厚み寸法が例えば50nmに形成される膜状の電極である。この剪断力検出用上部電極213は、剪断力検出用圧電膜211の長手方向の端部(圧電膜端縁2111)間を覆って、剪断力検出用圧電体210が形成される辺111A〜111Dと平行に形成される。そして、この剪断力検出用上部電極213の長手方向の端部に引出部2131が形成されている。このような電極パターンにより、剪断力検出用下部電極212および剪断力検出用上部電極213が直接接触する部分がなく、絶縁膜などにより電極の被覆をすることもなく、容易に剪断力検出用圧電体210から出力される電気信号を取り出すことができる。
また、この剪断力検出用上部電極213としても、剪断力検出用下部電極212と同様に導電性薄膜であれば、いかなる素材を用いてもよいが、本実施形態では、Ir薄膜を用いる。
このような剪断力検出用圧電体210では、剪断力検出用下部電極212、剪断力検出用圧電膜211、および剪断力検出用上部電極213が膜方向に沿って重なり合っている部分が、支持膜の撓み量を検出する圧電積層部214となる。
ここで、圧電積層部214は、メンブレン141の内部と外部に亘って形成されるが、圧電積層部214のメンブレン141内の剪断力検出方向(例えば、剪断力検出用圧電体210A,210BではX方向、剪断力検出用圧電体210C,210DではY方向)に沿う寸法Wp1が、圧電積層部214の長手方向(例えば、剪断力検出用圧電体210A,210BではY方向、剪断力検出用圧電体210C,210DではX方向)に沿う寸法Lpの1/3以下に形成されていることが好ましい。例えば、本実施形態では、Wp1=30μm、Lp=260μmに形成されている。これは、圧電積層部214のメンブレン141内の剪断力検出方向に沿う寸法Wp1が、圧電積層部214の長手方向に沿う寸法Lpの1/3よりも大きく形成される場合、圧電積層部214において、圧電積層部214の長手方向に沿う剪断力の影響を受ける可能性が大きくなるためである。これに対して、上記のように、3Wp1≦Lpとなるように、圧電積層部214の寸法を形成することで、圧電積層部214の長手方向に沿う剪断力の影響を除外し、剪断力検出方向の剪断力のみを精度良く検出することが可能となる。
そして、圧電積層部214は、メンブレン141の外部において、剪断力検出方向に沿う寸法Wp2が、支持膜14および圧電積層部214の膜厚寸法の和の5倍以上に形成されることが好ましい。本実施形態では、支持膜14および圧電積層部214の膜厚総和が約4.15μmであり、寸法Wp2が例えば25μmに形成されている。
ここで、圧電積層部214のメンブレン141の外部におけるX方向に沿う寸法Wp2が、支持膜14および圧電積層部214の膜厚総和の5倍よりも小さい寸法である場合、次のような問題がある。すなわち、メンブレン141が剪断力により変形する際、各層が剪断力により開口部111内に入り込もうとするモーメント力、または開口部111から離れる方向に浮き上がろうとするモーメント力が発生する。これらのモーメント力は、支持膜14、剪断力検出用下部電極212、剪断力検出用圧電膜211、および剪断力検出用上部電極213のそれぞれに作用して、メンブレン141および剪断力検出用圧電体210を変形させる。この時、剪断力検出用圧電体210における圧電積層部214のメンブレン141の外部の領域において、開口部111の縁(辺111A〜111D)から離れるに従ってメンブレン141の変形に係る応力も小さくなる。ここで、圧電積層部214におけるメンブレン141の外部に形成される部分のX方向寸法Wp2がWp2<5t(tは、膜厚総和)となる場合、メンブレン141の変形に係る応力を十分に受けることができないため、安定したメンブレン141の変形が得られない。また、剪断力検出用圧電体210を構成する各膜311,312,313が剥離するおそれもある。これに対して、寸法Wp2がWp2≧5tとなるように剪断力検出用圧電体210を形成することで、メンブレン141の変形を安定させることができ、剥離などの不都合も回避することができる。
弾性膜15は、上述のような支持膜14、剪断力検出用圧電体210を覆って形成される膜である。この弾性膜15としては、本実施形態では、例えばPDMS(PolyDiMethylSiloxane)を用いるが、これに限定されず、弾性を有する合成樹脂など、その他の弾性素材により形成されるものであってもよい。また、弾性膜15の厚み寸法としては、特に限定されないが、例えば300μmに形成されている。
この弾性膜15は、剪断力検出用圧電体210の保護膜として機能するとともに、当該弾性膜15に加わる剪断力をメンブレン141に伝達して撓ませる。そして、この弾性膜15の撓みにより、メンブレン141が撓むことで、剪断力検出用圧電体210も撓み、その撓み量に応じた電気信号が出力される。
(1−4.押圧力検出用圧電体の構成)
押圧力検出用圧電体310は、メンブレン141上で、開口部111の中心位置に形成される。この押圧力検出用圧電体310は、本発明の第二圧電体層である押圧力検出用圧電膜311と、押圧力検出用圧電膜311および支持膜14の間に配置される、本発明の第二下部電極層である押圧力検出用下部電極312と、押圧力検出用圧電膜311および弾性膜15の間に配置される、本発明の第二上部電極層である押圧力検出用上部電極313と、を備えている。
これらの押圧力検出用圧電膜311、押圧力検出用下部電極312、および押圧力検出用上部電極313は、それぞれ正方形状に形成され、押圧力検出用下部電極312、押圧力検出用圧電膜311、押圧力検出用上部電極313の順で積層形成されている。なお、本実施形態では、押圧力検出用圧電体310は、正方形状の開口部111に対応して、メンブレン141の撓みが不安定にならないように、剛性のバランスを考慮して正方形状に形成する例を示すが、押圧力検出用圧電体310が例えば円形状に形成される構成などとしてもよい。
これらの押圧力検出用圧電膜311、押圧力検出用下部電極312、および押圧力検出用上部電極313は、上述した応力検出素子200の剪断力検出用圧電膜211、剪断力検出用下部電極212、剪断力検出用上部電極213と同様の素材により、同一厚み寸法により形成されている。つまり、剪断力検出用圧電体210および押圧力検出用圧電体310は、応力検出素子200の製造時において、例えばスパッタリングなどにより同時に成膜され、フォトリソグラフィ法などによりパターニングされることで同時に形成される。
また、押圧力検出用下部電極312には、図1に示すように、−X−Y方向の頂点312Aから、メンブレン141の−X−Y方向の頂点112Aに向かって、本発明の第二下部電極線であり、本発明の支持梁としても機能する押圧力検出用下部電極線314が形成されている。また、押圧力検出用下部電極312の−X+Y方向の頂点312Bから、メンブレン141の−X+Y方向の頂点112Bに向かって、本発明の支持梁として機能するダミー電極線316Aが形成されている。さらに、押圧力検出用上部電極313には、+X+Y方向の頂点313Cから、メンブレン141の+X+Y方向の頂点112Cに向かって、本発明の第二上部電極線であり、本発明の支持梁としても機能する押圧力検出用上部電極線315が形成されている。そして、押圧力検出用上部電極313の+X−Y方向の頂点313Dから、メンブレン141の+X−Y方向の頂点112Dに向かって、本発明の支持梁として機能するダミー電極線316Bが形成されている。
すなわち、正方形状の開口部111の対角線に沿って、押圧力検出用下部電極線314、押圧力検出用上部電極線315、および2つのダミー電極線316A,316Bが形成されている。このように、各電極線314,315,316A,316Bをパターニングすることにより、メンブレン141の剛性のバランスが安定化し、例えば、押圧力を受けた際にメンブレン141の+X側が−X側よりも大きく撓むなどといった不都合が回避される。
そして、これらの押圧力検出用下部電極線314および押圧力検出用上部電極線315は、それぞれ例えば支持膜14の側縁部に接続される図示しないフレキシブル基板などの導通部材を介して、例えば応力検出素子200からの信号を処理する制御装置などに接続されている。
〔2.応力検出素子の動作〕
次に上記のような応力検出素子200の動作について、図面に基づいて説明する。
応力検出素子200では、X方向に沿って剪断力が加えられた際には、剪断力検出用圧電体210A,210Bによりその剪断力が検出され、Y方向に沿って剪断力が加えられた際には、剪断力検出用圧電体210C,210Dによりその剪断力が検出される。また、センサー基板11に対して直交する押圧力が加えられた際には、押圧力検出用圧電体310によりその押圧力が検出される。
ここでは、一例として、メンブレン141の面方向に直交する押圧力と、X方向に向う剪断力とが加えられた場合における、剪断力検出用圧電体210A,210Bによる剪断力の検出方向について説明する。なお、Y方向に向かって剪断力が加えられた場合については、同様の動作により剪断力が検出されるものであるから、その説明を省略する。
図3は、剪断力検出素子に把持対象物Zが接触した状態を示す図であり、(A)は、メンブレン141の変形前の状態を示す図、(B)は、応力(押圧力および剪断力)によりメンブレン141が変形した状態を示す図である。
応力検出素子200は、図3(A)に示すように、弾性膜15に対象物Zが接触し、矢印P1の方向に剪断力が加えられると、図3(B)に示すように、メンブレン141に撓みが発生する。
すなわち、弾性膜15に剪断力が発生すると、メンブレン141の−X側の面では、矢印M1に示すように、開口部111内に入り込むモーメント力が発生し、+X側の面では、矢印M2に示すように、開口部111から浮き上がろうとするモーメント力が発生する。また、弾性膜15に対象物Zが接触して、矢印P2の方向に押圧力が加えられることで、図3中の矢印F1に示すような力が加えられるため、図(3)に示すように、メンブレン141に開口部111の内部に沈み込むような撓みが発生する。
なお、図示は省略するが、押圧力が加えられず、剪断力のみが作用する場合では、メンブレン141は、1波長分の略sin波形状に撓み、剪断力が加えられず、押圧力のみが作用する場合では、メンブレン141は、全体が開口部111内に凸となる円弧状に撓む。
図4は、剪断力検出用圧電膜211および押圧力検出用圧電膜311で発生する電位差を模式的に示す図であり、(A)は、圧電膜211,311が変形していない状態、(B)は、圧電膜211,311が伸長された状態、(C)は、圧電膜211,311が圧縮された状態を示す図である。また、図5は、+X方向に剪断力が加えられた際、−X方向に剪断力が加えられた際、および押圧力が加えられた際に、剪断力検出用圧電体210A,210Bおよび押圧力検出用圧電体310から出力される電流の検出パターンを示す図である。
上記のような応力検出素子200により押圧力および剪断力を検出するためには、予め剪断力検出用上部電極213および剪断力検出用下部電極212間、押圧力検出用上部電極313および押圧力検出用下部電極312間に電圧を印加し、図4(A)に示すように、電圧を印加して分極させておく。この状態で、メンブレン141に撓みが発生すると、剪断力検出用圧電膜211および押圧力検出用圧電膜311に電位差が発生する。
ここで、+X方向に向かう剪断力のみが弾性膜15に加えられた場合、剪断力検出用圧電体210Aの剪断力検出用圧電膜211には、図4(B)に示すように、剪断力検出用圧電膜211の面内方向に引っ張り応力が発生し、膜厚も小さくなる。これにより、剪断力検出用圧電膜211では、分極モーメント量が低下し、剪断力検出用上部電極213との接触面に初期の分極値との差を相殺するだけの正電荷、剪断力検出用下部電極212との接触面に負電荷が発生する。このため、剪断力検出用下部電極212から剪断力検出用上部電極213に向かう方向に電流が流れ、電気信号として出力される。
一方、+X方向側の剪断力検出用圧電体210の剪断力検出用圧電膜211は、モーメント力により、図4(C)に示すように、剪断力検出用圧電膜211に圧縮応力が発生し、膜厚も大きくなる。これにより、剪断力検出用圧電膜211では、分極モーメント量が増大し、剪断力検出用上部電極213に負電荷、剪断力検出用下部電極212に正電荷が発生する。このため、剪断力検出用上部電極213から剪断力検出用下部電極212に向かう方向に電流が流れ、電気信号として出力される。
また、剪断力のみが加えられ押圧力が加えられない場合には、押圧力検出用圧電体310からは電流が検出されない。したがって、この場合、図5の(i)に示すような電流検出パターンの信号値が得られる。また、−X方向に沿う剪断力が加えられた場合、メンブレンが逆方向に撓むため、図5(ii)に示すような電流検出パターンの信号値が得られる。
一方、押圧力のみが加えられ、剪断力が加えられなかった場合、押圧力検出用圧電体310は、開口部111に入り込む方向に凸状に湾曲する。この場合、押圧力検出用圧電膜311は、図4(C)に示すように圧縮変形し、押圧力検出用上部電極313から押圧力検出用下部電極312に向かう方向に電流が流れる。したがって、図5の(iii)に示すような電流検出パターンの信号値が得られる。
そして、図3(B)に示すように、応力検出素子200に剪断力および押圧力の双方が加えられてメンブレン141が撓んだ場合、各剪断力検出用圧電体210A,210B,210C,210D、および押圧力検出用圧電体310から出力される信号値により、剪断力および押圧力が演算される。
ここで、剪断力検出用圧電体210Aから出力される信号値A、剪断力検出用圧電体210Bから出力される信号値B、剪断力検出用圧電体210Cから出力される信号値C、剪断力検出用圧電体210Dから出力される信号値D、押圧力検出用圧電体310から出力される信号値Eを用いると、X方向に沿う剪断力Sx、Y方向に沿う剪断力Sy、および押圧力Oは、次式により演算することが可能となる。なお、下記(1)式〜(3)式において、k1、k2は、それぞれ定数である。なお、式(1)(2)において、sign(M−N)とは、(M−N)の値が負である場合に「−1」を返し、正である場合に「+1」を返し、0である場合に「0」を返す演算式を意味する。また、ABS(M−N)とは、(M−N)の絶対値を意味する。
Sx=sign(A−B)×(abs(A−B)−k ×E)・・・(1)
Sy=sign(C−D)×(abs(C−D)−k ×E)・・・(2)
O=E−k ×(A+B+C+D)/4 ・・・(3)
〔3.応力検出素子の出力回路〕
上記のような応力検出素子200は、−X方向側の剪断力検出用圧電体210Aから出力される信号値A、および+X方向側の剪断力検出用圧電体210Bから出力される信号値Bを加減算して出力する出力回路と、−Y方向側の剪断力検出用圧電体210Cから出力される信号値C、および+Y方向側の剪断力検出用圧電体210Dから出力される信号値Dを加減算して出力する出力回路と、を備えている。
これらの出力回路は、例えばセンサー基板11上に形成されていてもよく、センサー基板11とは別体として設けられ、センサー基板11上に形成される剪断力検出用下部電極212および剪断力検出用上部電極213に接続される構成などとしてもよい。なお、センサー基板11と別体として設けられる場合では、例えば応力検出素子200が取り付けられる装置などに収納される構成などとしてもよい。
図6は、応力検出素子200の剪断力検出用圧電体210A,210Bから出力される信号値を加減算して出力する出力回路220の概略構成を示す回路図である。なお、剪断力検出用圧電体210C,210Dから出力される信号値を加減算して出力する出力回路は、出力回路220と同様の構成であるため、ここでの説明は省略する。
本実施形態の応力検出素子200の出力回路220において、剪断力検出用圧電体210Aの剪断力検出用下部電極212には接続線224A1が接続され、剪断力検出用圧電体210Aの剪断力検出用上部電極213には、接続線224A2が接続され、剪断力検出用圧電体210Bの剪断力検出用下部電極212には、接続線224B1が接続され、剪断力検出用圧電体210Bの剪断力検出用上部電極213には、接続線224B2が接続されている。そして、この出力回路220は、前記接続線224A1,221A2,221B1,221B2の接続状態を切り替えるスイッチング回路221と、増幅器(Amp)222と、積分器223と、を備えている。この出力回路220では、このスイッチング回路221の切り替え状態により、加算回路および減算回路のいずれか一方として機能する。
具体的には、剪断力を検出する場合は、図6(A)に示すように、スイッチング回路221は、接続線224A1および接続線224B2、接続線224A2および接続線224B1をそれぞれ接続し、上記(2)式または(3)式に示すように、信号値Aと信号値Bとを減算する。
これは、図3(B)に示すように、剪断力が作用した際には、剪断力検出用圧電体210Aと剪断力検出用圧電体210Bとでは、撓み方向が逆となるためであり、これらの剪断力検出用圧電体210Aおよび剪断力検出用圧電体210Bから出力される電流は、正負が逆転する。したがって、信号値Aと信号値Bとの差を出力するように、剪断力検出用圧電体210Aの剪断力検出用上部電極213と、剪断力検出用圧電体210Bの剪断力検出用下部電極212とを接続し、剪断力検出用圧電体210Aの剪断力検出用下部電極212と、剪断力検出用圧電体210Bの剪断力検出用上部電極213とを接続することで、剪断力検出用圧電体210A,210Bから出力される電流の正負符号を揃えて、その信号を増幅器(Amp)222に出力する。
また、これら剪断力検出用圧電体210A,210Bから出力される電流を増幅器222で増幅させた後、積分器223に入力することで図7に示すような発信波形を得ることができる。
図7(A)は、図6中の点Saでの発信波形を示す図であり、(B)は、図6中の点Sbでの発信波形を示す図である。
応力検出素子200は、弾性膜15に対象物Zが当接してX方向に剪断力が発生するタイミングt1で、図7(A)に示すように、例えば正の電気信号が出力される。また、例えば対象物Zが弾性膜15から離れて剪断力がなくなるタイミングt2で、弾性膜15が弾性により元の位置に戻るため、メンブレン141も元の位置に戻り、この時発生する剪断力検出用圧電体210の変形により、負の電気信号が出力される。このような電気信号を積分器223に入力することで、図7(B)に示すような、剪断出力信号(A−B)が得られる。この剪断出力信号では、剪断力が作用している期間中、剪断力に応じた信号が連続的に出力される。
そして、実際の剪断力では、上記のように、剪断力検出用圧電体210A,210Bに基づいて得られる剪断出力信号(A−B)と、押圧力検出用圧電体310から得られる信号値Eとを用い、(1)式に基づいて、図示しない演算回路により信号値の演算が実施され、剪断力検出信号Sxとして出力される。
一方、押圧力を検出する場合は、図6(B)に示すように、スイッチング回路221は、接続線224A1および接続線224B1、接続線224A2および接続線224B2をそれぞれ接続する。そして、スイッチング回路221から出力される信号を、増幅器222、積分器223に出力して、剪断力検出用圧電体210Aおよび剪断力検出用圧電体210Bから出力される信号値A,Bを加算した信号値(A+B)を得る。
また、この時、剪断力検出用圧電体210Cおよび剪断力検出用圧電体210Dに接続される出力回路も同様に、剪断力検出用圧電体210Cからの信号値と剪断力検出用圧電体210Dからの信号値Dとを加算した信号値(C+D)を得る。
そして、図示しない演算回路に、上述した信号値(A+B),(C+D)と、押圧力検出用圧電体310から得られる信号値Eとを出力し、(3)式に基づいて演算が実施され、押圧力検出信号が出力される。
〔4.第一実施形態の作用効果〕
上述したように、上記第一実施形態の応力検出素子200は、開口部111が形成されるセンサー基板11上に、支持膜14が設けられ、この支持膜14上に、開口部111の各辺111A〜111Dに沿ってメンブレン141の内外に跨って配置される剪断力検出用圧電体210が形成される。また、メンブレン141の内側には、剪断力検出用圧電体210から離れて押圧力検出用圧電体310が形成される。さらに、これらの支持膜14、各圧電体210,310の上層に弾性膜15が積層形成される。このような構成の応力検出素子200では、弾性膜15に剪断力および押圧力が加わることで、メンブレン141も撓み、剪断力検出用圧電体210から剪断力に応じた電気信号、押圧力検出用圧電体310から押圧力に応じた電気信号が出力される。したがって、これらの電気信号を検出することで、1つのメンブレン141に作用する剪断力および押圧力の双方を正確に検出することができる。また、剪断力および押圧力を検出するために、剪断力を検出するための検出素子、および押圧力を検出するための検出素子の2つの素子を設ける場合に比べて、上記応力検出素子200では1つの素子で剪断力および押圧力の双方を検出することができ、センサーサイズを小型化することができる。
また、上記応力検出素子200では、開口部111は、Y方向に平行する一対の辺111A,111B、X方向に平行する一対の辺111C,111Dを備え、これらの辺111A,111B,111C,111Dに対応して、それぞれ剪断力検出用圧電体210A,210B,210C,210Dが設けられている。
このような構成の応力検出素子200では、剪断力検出用圧電体210A、210BによりX方向の剪断力を検出することができ、剪断力検出用圧電体210C,210DによりY方向の剪断力を検出することができる。すなわち、1つの応力検出素子200により、X方向およびY方向に対して作用する剪断力をそれぞれ検出することができる。また、これらの剪断力を検出することで、メンブレン141の面方向に作用するあらゆる方向の剪断力を検出することができる。
さらに、互いに対向する一対の辺111A,111Bの双方にX方向の剪断力を検出するための剪断力検出用圧電体210A,210Bが形成され、互いに対向する一対の辺111C,111Dの双方にY方向の剪断力を検出するための剪断力検出用圧電体210C,210Dが形成されている。
このため、メンブレン141のX方向の撓みを2つの剪断力検出用圧電体210A,210Bにより検出し、Y方向の撓みを2つの剪断力検出用圧電体210C,210Dにより検出することができる。したがって、これらの信号値の絶対値を加算することで、より大きな信号値を得ることができ、より精度の高い正確な剪断力を検出することができる。
そして、押圧力検出用圧電体310は、メンブレン141の中心位置に設けられ、この押圧力検出用圧電体310から、開口部111の対角線に沿って支持梁である押圧力検出用下部電極線314、押圧力検出用上部電極線315、およびダミー電極線316A,316Bがそれぞれ形成されている。
すなわち、押圧力検出用下部電極線314およびダミー電極線316Aは、メンブレン141の中心点を通るX方向に平行なX仮想線Lx(図1参照)に対して線対称となる位置に設けられ、押圧力検出用上部電極線315およびダミー電極線316Bも、メンブレン141の中心点を通るX仮想線に対して、線対称となる位置に設けられている。また、押圧力検出用下部電極線314およびダミー電極線316Bは、メンブレン141の中心点を通るY方向に平行なY仮想線Ly(図1参照)に対して線対称となる位置に設けられ、押圧力検出用上部電極線315およびダミー電極線316Aも、メンブレン141の中心点を通るY仮想線に対して、線対称となる位置に設けられている。このように、電極線314,315,316A,316Bを設けることで、メンブレン141の撓みを安定化させることができる。
つまり、押圧力検出用圧電体から信号を取得するためには、電極線314,315を接続する必要があるが、これらの電極線314,315がX仮想線に対して線対称となる位置に設けられていない場合、例えば電極線314,315が−Y方向側に位置する開口部111の頂点112A,112Dに向かって形成される場合、メンブレン141の電極線314,315が形成される−Y方向側と、電極線314,315が設けられない+Y方向側とで、異なる剛性となる。このため、メンブレン141の−Y方向側の領域が撓みにくく、+Y方向側の領域が撓みやすくなり、安定した撓みを得ることができない。
この場合、例えばX方向の剪断力を検出する際に、剪断力検出用圧電体210Aや剪断力検出用圧電体210Bの+Y方向側の領域が−Y方向側の領域よりも大きく撓み、剪断力の検出精度が低下してしまう。
ここで、押圧力検出用下部電極線314および押圧力検出用上部電極線315を、−X方向側に位置する開口部111の頂点112A,112Bに向かって形成することで、メンブレン141のY方向に対する剛性は一様にすることができ、X方向の剪断力を検出する場合には、検出精度を向上させることができる。しかしながら、この場合は、メンブレン141の−X方向側の領域が撓みにくく、+X方向側の領域が撓みやすくなるため、Y方向の剪断力の検出精度が低下してしまう。
これに対して、上記実施形態のように、ダミー電極線316A,316Bを形成し、各電極線314,315,316A,316Bを、X仮想線Lx、Y仮想線Lyに対して線対称となるように、すなわち、開口部111の対角線に沿うように形成することで、X方向およびY方向の双方に対して、メンブレン141の撓みを安定化させることができ、X方向およびY方向の剪断力の検出精度、押圧力の検出精度を向上させることができる。
そして、応力検出素子200の剪断力検出用圧電体210Aおよび剪断力検出用圧電体210Bの出力回路220は、剪断力検出用下部電極212に接続される接続線224A1,221B1、剪断力検出用上部電極213に接続される接続線224A2,221B2の接続状態を切り替えるスイッチング回路221を備えている。そして、剪断力を検出する際には、スイッチング回路221の接続状態を図6(A)に示すように、接続線224A1と接続線224B2とを接続し、接続線224A2と接続線224B1とを接続して、剪断力検出用圧電体210Aからの信号値Aと、剪断力検出用圧電体210Bからの信号値Bとの差を出力回路220から出力する。これにより、X方向の剪断力の検出時に、より大きな信号値を得ることができ、(1)式(Y方向の剪断力に対しては(2)式)に基づいて、より正確な剪断力を測定することができる。
また、押圧力を検出する際には、スイッチング回路221の接続状態を図6(B)に示すように、接続線224A1と接続線224B1とを接続し、接続線224A2と接続線224B2とを接続して、剪断力検出用圧電体210Aからの信号値Aと、剪断力検出用圧電体210Bからの信号値Bとの和を出力回路220から出力する。これにより、(3)式に基づいて、容易に正確な押圧力を測定することができる。
[第二実施形態]
次に、上述したような応力検出素子200の応用例として、応力検出素子200を備えた触覚センサーについて、図面に基づいて説明する。
図8は、第二実施形態の触覚センサーの一部を拡大した平面図である。
図9は、触覚センサーの一部を断面した断面図である。
図8に示すように、触覚センサー10は、上記第一実施形態の応力検出素子200を複数備えている。
これらの応力検出素子200は、本発明の支持体を構成するセンサー基板11上に、マトリクス状に配置されている。ここで、これらの応力検出素子200において、センサー基板11、支持膜14、および弾性膜15は、共通の部材により構成されている。すなわち、1つのセンサー基板11にマトリクス状に配置される複数の開口部111が形成されており、このセンサー基板11の一面側の全面に、連続する支持膜14が形成されている。これにより、各開口部111を覆うメンブレン141が形成され、このメンブレン141上に、剪断力検出用圧電体210および押圧力検出用圧電体310が形成されている。また、支持膜14上には、支持膜14の全面を覆って弾性膜15が形成されている。
また、各応力検出素子200間には、図9に示すように、弾性膜15に、規制溝151が形成されている。この規制溝151は、対象物が接触する弾性膜15の一面側から支持膜14に向かって、所定の深さ寸法で形成されている。このような触覚センサー10では、規制溝151により、各応力検出素子200の弾性膜15が分離され、応力検出素子200の弾性膜15の撓みが、隣り合う応力検出素子200の弾性膜15に伝達されない。
なお、図9では、弾性膜15の規制溝151は、対象物に接触可能な接触面からの深さ寸法が、例えば弾性膜15の膜厚の3/4程度となるように形成されている例を示すがこれに限定されず、例えば図10のような構成であってもよい。図10は、弾性膜15に形成される規制溝の他の例を示す図である。
すなわち、この図10に示すように、弾性膜15の接触面から支持膜14の表面に亘って規制溝151が形成される構成などとしてもよい。この場合、より確実に、隣り合う応力検出素子200間での弾性膜15の撓みの伝搬を防ぐことができる。
さらには、図8に示すセンサー平面視において、規制溝151が各応力検出素子200を囲う矩形環状に形成される例を示したが、これに限定されず、例えば、センサー平面視において、各応力検出素子200を囲う略円環状に形成される構成などとしてもよい。
(第二実施形態の作用効果)
上述したような第二実施形態の触覚センサー10は、複数の応力検出素子200を備え、これらの応力検出素子200がマトリクス状に配置される二次元アレイ構造に構成されている。
このため、この触覚センサー10を、対象物に接触する例えばセンサー面に設けることで、対象物がセンサー面に与える剪断力および押圧力を検出することができる。
また、例えば、剪断力用の検出素子と、押圧力用の検出素子とを交互に配設することで形成されるセンサーでは、1点に作用する剪断力および押圧力の双方を検出することができない。例えば、剪断力検出用の検出素子が設けられる位置では、押圧力を検出することができない。しかしながら、本実施形態のように、1つの応力検出素子200を用いる構成とすることで、触覚センサー10の任意の点に作用する剪断力と押圧力との双方を検出することができる。
さらに、例えば剪断力用の検出素子と、押圧力用の検出素子とを交互に配設したセンサーでは、単位面積当たりにおける剪断力を検出可能な領域は、単位面積のほぼ半分の面積であり、押圧力を検出可能な領域は残りの半分の面積となる。また、X方向の剪断力を検出するための検出素子と、Y方向の剪断力を検出するための検出素子と、押圧力を検出するための検出素子とを交互に設ける場合では、X方向の剪断力を検出可能な面積、Y方向の剪断力を検出可能な面積、押圧力を検出可能な面積は、それぞれ単位面積の1/3となってしまう。これに対して、上記第二実施形態の触覚センサー10では、単位面積のほぼ全面積において、X方向の剪断力、Y方向の剪断力、および押圧力を検出できる。したがって、単位面積当たりの応力分析能も向上し、精度の高い応力検出を実施することができる。
そして、隣り合う応力検出素子200間において、弾性膜15に規制溝151が形成されている。このため、所定の応力検出素子200の弾性膜15にのみ剪断力や押圧力などの応力が加えられて弾性膜15が撓んだ場合でも、その弾性膜15の撓みが隣り合う応力検出素子200の弾性膜15に伝搬される不都合を抑制することができる。従って、触覚センサー10の任意の位置に作用する剪断力および応力を正確に検出することができる。
〔第三実施形態〕
次に、上述した触覚センサー10を用いた装置の応用例として、触覚センサー10を備えた把持装置について、図面に基づいて説明する。
図11は、本発明に係る第三実施形態の把持装置の概略構成を示す装置ブロック図である。
図11において、把持装置1は、少なくとも一対の把持アーム2を備え、この把持アーム2により、把持対象物Zを把持する装置である。この把持装置1としては、例えば製品を製造する製造工場などにおいて、ベルトコンベアーなどにより搬送された対象物を把持して持ち上げる装置である。そして、この把持装置1は、前記把持アーム2と、把持アーム2を駆動するアーム駆動部3と、アーム駆動部3の駆動を制御する制御装置4と、を備えて構成されている。
一対の把持アーム2は、それぞれ先端部に接触面である把持面5を備え、この把持面5を対象物Zに当接させて把持することで対象物Zを把持し、持ち上げる。ここで、本実施形態において、把持アーム2が一対設けられる構成を例示するが、これに限定されず、例えば3本の把持アーム2により、対象物Zを3点支持により把持する構成などとしてもよい。
把持アーム2に設けられる把持面5は、表面には、第二実施形態において説明した触覚センサー10が設けられており、触覚センサー10の表面部の弾性膜15が露出形成されている。そして、把持アーム2は、この弾性膜15を対象物Zに接触させ、対象物Zに所定の圧力(押圧力)を印加することで、対象物Zを把持する。このような把持アーム2では、把持面5に設けられる触覚センサー10により、対象物Zに印加する押圧力、および把持した際に対象物Zが把持面5から滑り落ちようとする剪断力を検出し、押圧力や剪断力に応じた電気信号を制御装置4に出力する。
アーム駆動部3は、一対の把持アーム2を互いに近接離隔する方向に移動させる装置である。このアーム駆動部3としては、把持アーム2を移動可能に保持する保持部材6と、把持アーム2を移動させる駆動力を発生する駆動源7と、駆動源の駆動力を把持アーム2に伝達させる駆動伝達部8を備えている。
保持部材6は、例えば把持アーム2の移動方向に沿う案内溝を備え、この案内溝内で把持アーム2を保持することで、把持アーム2を移動可能に保持する。また、保持部材6は、鉛直方向に移動可能に設けられている。
駆動源7は、例えば駆動モーターであり、制御装置4から入力される駆動制御信号に応じて駆動力を発生させる。
駆動伝達部8は、例えば複数のギアにより構成され、駆動源7で発生した駆動力を把持アーム2および保持部材6に伝達させ、把持アーム2および保持部材6を移動させる。
なお、本実施形態では、一例として上記構成を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、把持アーム2を保持部材6の案内溝に沿って移動させる構成に限らず、把持アームを回動可能に保持する構成などとしてもよい。駆動源7としても駆動モーターに限られず、例えば油圧ポンプなどにより駆動される構成としてもよく、駆動伝達部8としても、例えば駆動力を歯車により伝達する構成に限らず、ベルトやチェーンにより伝達する構成、油圧などにより駆動されるピストンを備えた構成などとしてもよい。
制御装置4は、把持アーム2の把持面5に設けられる触覚センサー10、およびアーム駆動部3に接続され、把持装置1における対象物Zの把持動作の全体を制御する。
具体的には、制御装置4は、図11に示すように、アーム駆動部3および触覚センサー10に接続され、把持装置1の全体動作を制御する。この制御装置4は、触覚センサー10から入力される剪断力検出信号、および押圧力検出信号を読み取る信号検出手段41、対象物Zの滑り状態を検出する把持検出手段42、およびアーム駆動部3に把持アーム2の駆動を制御するための駆動制御信号を出力する駆動制御手段43を備えている。また、この制御装置4としては、例えばパーソナルコンピューターなどの汎用コンピューターを用いることもでき、例えばキーボードなどの入力装置や、対象物Zの把持状態を表示させる表示部などを備える構成としてもよい。
また、信号検出手段41、把持検出手段42、および駆動制御手段43は、プログラムとして例えばメモリーなどの記憶部に記憶され、CPUなどの演算回路により適宜読み出されて実行されるものであってもよく、例えばICなどの集積回路により構成され、入力された電気信号に対して所定の処理を実施するものであってもよい。
信号検出手段41は、触覚センサー10に接続され、触覚センサー10から入力される押圧力検出信号や剪断力検出信号などを認識する。この信号検出手段41にて認識された検出信号は、例えば図示しないメモリーなどの記憶部に出力されて記憶されるとともに、把持検出手段42に出力される。
把持検出手段42は、剪断力検出信号に基づいて、把持アーム2により対象物Zを把持したか否かを判断する。
ここで、図12に、把持装置1の把持動作における触覚センサーに作用する押圧力および剪断力の関係を示す図を示す。
図12において、押圧力が所定値に達するまでは、押圧力の増加に応じて剪断力が増加する。この状態は、対象物Zと把持面5との間に動摩擦力が作用している状態であり、把持検出手段42は、対象物Zが把持面5から滑り落ちている滑り状態で、把持が未完了であると判断する。一方、押圧力が所定値以上となると、押圧力を増大させても剪断力が増加しない状態となる。この状態は、対象物Zと把持面5との間に静摩擦力が作用している状態であり、把持検出手段42は、対象物Zが把持面5により把持された把持状態であると判断する。
具体的には、剪断力検出信号の値が、静摩擦力に対応した所定の閾値を越える場合に、把持が完了したと判断する。
駆動制御手段43は、把持検出手段42にて検出された電気信号に基づいてアーム駆動部3の動作を制御する。
次に、制御装置4の動作について図面に基づいて説明する。
図13は、制御装置4の制御による把持装置1の把持動作を示すフローチャートである。図14は、把持装置1の把持動作時において、アーム駆動部3への駆動制御信号、触覚センサー10から出力される検出信号の発信タイミング示すタイミング図である。
把持装置1で対象物Zを把持するためには、まず制御装置4の駆動制御手段43は、各把持アーム2を互いに近接させる方向に移動させる旨の駆動制御信号をアーム駆動部3に出力する(把持動作)。これにより、把持アーム2の把持面5が対象物Zに近接する(図13:ステップS1)。
次に、制御装置4の把持検出手段42は、対象物Zが把持面5に接触したか否かを判断する(図13:ステップS2)。具体的には、制御装置4は、信号検出手段41で押圧力検出信号の入力が検知されたか否かを判断する。この時、制御装置4は、応力検出素子200に制御信号を出力し、出力回路220のスイッチング回路221を、図6(B)に示すような押圧力検出用の切り替え状態とし、演算回路から押圧力検出信号を出力させる。ここで、押圧力検出信号が検出されない場合は、把持面5が対象物Zに接触していないと判断し、駆動制御手段43は、ステップS1を継続して、駆動制御信号を出力し、把持アーム2を駆動させる。
一方、把持面5が対象物Zに接触する(図14:タイミングT1)と、触覚センサー10のメンブレン141が撓み、その撓み量に応じた押圧力検出信号が出力される。
駆動制御手段43は、把持検出手段42において、押圧力検出信号を検出すると、把持アーム2の近接移動(対象物Zへの押圧)を停止させる(図13:ステップS3、図14:タイミングT2)。また、駆動制御手段43は、アーム駆動部3に駆動制御信号を出力し、把持アーム2を上方に持ち上げる動作(持上げ動作)を実施させる(図13:ステップS4、図14:タイミングT2〜T3)。この時、制御装置4は、応力検出素子200に制御信号を出力し、出力回路220のスイッチング回路221を、図6(A)に示すような剪断力検出用の切り替え状態とし、演算回路から剪断力検出信号を出力させる。
ここで、対象物Zを持ち上げる際に、弾性膜15が剪断力により撓み、応力検出素子200のメンブレン141にも撓みが生じる。したがって、応力検出素子200の剪断力検出用圧電体210からメンブレン141の撓みに応じた剪断力検出信号が出力される。
把持検出手段42は、信号検出手段41に入力される剪断力検出信号に基づいて、滑りがあるか否かを判断する(ステップS5)。
この時、把持検出手段42において、滑りがあると判断されると、駆動制御手段43は、アーム駆動部3を制御して、把持アーム2を、把持面5を対象物Zに押し付ける方向に移動させて、把持力(押圧力)を増大させる(図13:ステップS6)。
すなわち、制御装置4は、図14におけるタイミングT3において、駆動制御手段43にて把持動作を実施させ、対象物Zへの押圧力を増大させ、信号検出手段41にて、再び応力検出素子200の剪断力検出用圧電体210から出力される剪断力検出信号を検出する。以上のような滑り検知動作(タイミングT2〜T6)を繰り返し、剪断力検出信号が、所定の閾値S1以上となった場合(タイミングT6)に、ステップS5において、滑りがない、すなわち把持が完了したと判断し、滑り検知動作を停止させる。
(第三実施形態の作用効果)
上述したような第三実施形態の把持装置1では、上記第二実施形態の触覚センサー10を備えている。このような触覚センサー10は、上述したように、任意位置における剪断力および押圧力を精度良く検出することができるものであるため、把持装置1においても精度の高い剪断力検出信号および押圧力検出信号に基づいて、正確な把持動作を実施することができる。
また、このような触覚センサー10では、X方向およびY方向の双方に対して剪断力を検出することができる。したがって、第三実施形態では、対象物Zを持ち上げる際の剪断力を測定したが、例えばベルトコンベアー上で搬送される対象物に対して把持を実施する際に、搬送方向への剪断力をも測定することができる。
〔その他の実施形態〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記第一実施形態において、X方向の剪断力、Y方向の剪断力、および押圧力の3つの力を検出可能な素子を例示したが、例えば、図15に示すように、X方向の剪断力および押圧力のみを検出する応力検出素子であってもよい。
図15において、応力検出素子200Aは、X方向の剪断力と押圧力を検出する検出素子であり、互いに平行となる一対の直線部(辺111A,111B)を有する開口部111を備えたセンサー基板11と、支持膜14と、剪断力検出用圧電体210と、押圧力検出用圧電体310と、弾性膜15とを備えている。なお、図15には、開口部111が矩形状に形成される例を示すが、X方向に剪断力が加わった際に、メンブレン141にsin波形状の撓みを発生させる形状であればよい。したがって、例えば、辺111A、111B、およびこれらの辺111A,111Bの両端部間を結ぶ半円形状の曲線部を備えた開口部111が形成されるものであってもよい。
また、この応力検出素子200Aでは、辺111Aに沿って剪断力検出用圧電体210が設けられ、他方の辺111Bには剪断力検出用圧電体210が設けられない。なお、一対の辺111A,111Bの双方に剪断力検出用圧電体210が設けられる構成としてもよい。
さらに、この応力検出素子200Aでは、押圧力検出用圧電体310に接続される押圧力検出用下部電極線314および押圧力検出用上部電極線315は、メンブレン141の中心点を通り、Y方向に平行するY仮想線Lyに沿って形成されている。
なお、この応力検出素子200Aでは、X方向に沿う剪断力と押圧力とのみを検出するため、剪断力検出方向であるX方向と平行するX仮想線Lxに対して線対称な位置に押圧力検出用下部電極線314および押圧力検出用上部電極線315が設けられていればよい。したがって、例えば押圧力検出用下部電極線314が開口部111の−X+Y方向側頂点112Bに向かって延出し、押圧力検出用上部電極線315が開口部111の−X−Y方向側頂点112Aに向かって延出して形成される構成であってもよく、第一実施形態の応力検出素子200のように、ダミー電極線316A,316Bを設け、開口部111の対角線に沿って各電極線314,315,316A,316Bをパターニングする構成としてもよい。
上記のような応力検出素子200Aにおいても、上記第一実施形態の応力検出素子200と同様の作用効果が得られ、メンブレン141に作用するX方向に作用する剪断力と、押圧力との双方を精度よく測定することができ、センサーサイズの小型化をも図ることができる。
また、上記第一実施形態では、図6に示すように、剪断力検出用圧電体210Aと剪断力検出用圧電体210Bとの接続状態を切り替えるスイッチング回路221を設ける構成としたが、これに限定されない。例えば、各剪断力検出用圧電体210A,210B,210C,210D、押圧力検出用圧電体310から出力される信号値A,B,C、D,Eをそれぞれ演算回路や、剪断力や押圧力の計算を実施する制御装置に出力し、これらの演算回路や制御装置にて上記(1)〜(3)式に基づいて剪断力および押圧力を算出する構成としてもよい。
また、押圧力検出用圧電体310が設けられる位置として、メンブレン141の中心位置としたが、これに限定されない。押圧力検出用圧電体310としては、開口部111の内側で、剪断力検出用圧電体210と分離されて形成されていれば、いずれの位置に設けられていてもよいが、メンブレン141に均等に押圧力が加わった際に、最も膜厚み方向に対する変位量が大きくなる位置に設けられていることが好ましい。上記第一実施形態の応力検出素子200では、押圧力が加わった際に、メンブレン141の中心点の変位量が最も大きくなる。このため、押圧力検出用圧電体310は、メンブレン141の中心点に設けられることが好ましい。一方、例えば、開口部111の1つの辺111Aに沿ってのみ剪断力検出素子210が設けられ、他の辺111B,111C,111Dには剪断力検出素子210が設けられない構成の場合、メンブレン141の辺111A側の剛性が強くなる。このような場合では、均一な押圧力を付与した場合、メンブレン141の辺111B側の変位量が最も大きくなるため、押圧力検出用圧電体310をメンブレン141の中心位置よりも辺111B側に設ける構成とすることが好ましい。
そして、第二実施形態において、図9および図10に示すように、隣り合う応力検出素子200間で弾性膜15に規制溝151を形成する構成を示したが、これに限定されない。例えば規制溝151が形成されない構成としてもよく、この場合、応力検出素子200間の距離を確保することで、隣り合う応力検出素子200の弾性膜15からの撓み伝搬を低減することが可能となる。また、隣り合う応力検出素子200間で、弾性膜15よりも剛性が強い領域分離部材を設ける構成としてもよい。このような構成では、規制溝151が設けられる構成に比べて弾性膜15の周囲に剛性の強い領域分割部材が形成されるため、弾性膜15の撓み量が減少するが、隣り合う応力検出素子200からの弾性膜15の撓み伝搬を低減することができる。
さらに、第一実施形態において、剪断力検出用上部電極213および剪断力検出用下部電極212は、それぞれが接触しないように、センサー平面視において互いに重ならない位置に設ける構成としたが、これに限らない。例えば、剪断力検出用上部電極213および剪断力検出用下部電極212の間に絶縁膜を形成するなどすれば、センサー平面視において、これら剪断力検出用上部電極213および剪断力検出用下部電極212の一部が重なる位置に設けられる構成としてもよい。
また、本発明の支持体として、一枚のセンサー基板11により構成される例を示したが、各応力検出素子200に対してそれぞれ1つの支持基板(支持体)が設けられ、センサー基板上にこれらの支持基板を固定することで、触覚センサー10を形成する構成としてもよい。
さらに、把持装置1として、一対の把持アーム2が設けられる構成を例示したが、3本以上の把持アームを互いに近接離間する方向に移動させて対象物Zを把持する構成としてもよい。また、アーム駆動部により駆動される駆動アームと、駆動しない固定アームまたは固定壁とを備え、駆動アームを固定アーム(固定壁)側に移動させて対象物を把持する構成などとしてもよい。
さらには、応力検出素子200を、対象物Zを把持する把持装置1に適用する例を示したが、これに限定されない。例えば、応力検出素子200を備えた触覚センサー10を、例えば入力装置などとして適用してもよい。入力装置として用いる場合は、例えばノート型パソコンや、パーソナルコンピューターに組み込むことができる。具体的には、板状の入力装置本体に設けられる表面部に触覚センサー10を設ける構成などが例示できる。このような入力装置では、表面部上で利用者の指を動かしたり、タッチペンなどを動かしたりすると、これらの動きにより剪断力や押圧力が発生する。この剪断力および押圧力を触覚センサー10により検出することで、利用者の指やタッチペンの接触位置座標、移動方向を検出して電気信号として出力することができる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
1…把持装置、2…把持アーム、5…接触面である把持面、10…触覚センサー、11…本発明の支持体を構成するセンサー基板、14…支持膜、15…弾性膜、42…把持検出手段、43…駆動制御手段、111…開口部、111A,111B…本発明の第一直線部を構成する辺、111C,111D…本発明の第二直線部を構成する辺、151…規制溝、200,200A…応力検出素子、210…本発明の第一圧電体部である剪断力検出用圧電体、220…出力回路、310…本発明の第二圧電体部である押圧力検出用圧電体、311…本発明の第二圧電体層である押圧力検出用圧電膜、312…本発明の第二下部電極層である押圧力検出用下部電極、313…本発明の第二上部電極層である押圧力検出用上部電極、314…本発明の第二下部電極線であり、本発明の支持梁としても機能する押圧力検出用下部電極線、315…本発明の第二上部電極線であり、本発明の支持梁としても機能する押圧力検出用上部電極線、316A,316B…本発明の支持梁として機能するダミー電極線、Z…対象物。

Claims (9)

  1. 互いに平行である一対の第一直線部を外周縁に有する開口部を備えた支持体と、
    前記支持体上に形成されて前記開口部を閉塞する支持膜と、
    前記支持体を前記支持膜の膜厚み方向から見る平面視において、前記開口部の外周縁の前記一対の第一直線部のうち少なくとも一方の第一直線部の一部に重なり前記開口部の内外に跨る領域であって、かつ前記支持膜上に設けられた第一圧電体部と、
    前記平面視において、前記開口部の内側かつ前記第一圧電体部から離間した位置であって、かつ前記支持膜上に設けられた第二圧電体部と、
    前記第一圧電体部、前記第二圧電体部、および前記支持膜を覆う弾性膜と、
    前記第一圧電体部から出力される信号値および前記第二圧電体部から出力される信号値に基づいて応力検出信号を出力する出力回路と、
    を具備したことを特徴とする応力検出素子。
  2. 請求項1に記載の応力検出素子において、
    前記開口部は、前記一対の第一直線部と、前記一対の第一直線部に直交する方向に沿う一対の第二直線部と、を外周縁に備え、
    前記第一圧電体部は、前記支持膜上であって、前記平面視において、前記一対の第一直線部のうちの少なくとも一方の第一直線部の一部に重なり前記開口部の内外に跨る領域、および前記一対の第二直線部のうちの少なくとも一方の第二直線部の一部に重なり前記開口部の内外に跨る領域のそれぞれに設けられる
    ことを特徴とする応力検出素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の応力検出素子において、
    前記第一圧電体部は、前記一対の第一直線部および前記一対の第二直線部のうちの少なくとも一方の一対の双方に対して、それぞれ設けられる
    ことを特徴とする応力検出素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の応力検出素子において、
    前記第二圧電体部は、前記平面視において、前記開口部の中心位置に設けられ、
    前記支持膜上には、前記平面視において、前記第二圧電体部の中心点を通り、かつ前記一対の第一直線部に直交する直線に対して線対称となる位置に、それぞれ支持梁が設けられる
    ことを特徴とする応力検出素子。
  5. 請求項4に記載の応力検出素子において、
    前記開口部は、前記平面視において、矩形状に形成され、
    前記支持梁は、前記平面視において、前記開口部の対角線上に形成される
    ことを特徴とする応力検出素子。
  6. 請求項4または請求項5に記載の応力検出素子において、
    前記第二圧電体部は、前記支持膜上に形成される第二下部電極層、この第二下部電極層の上層に形成される第二圧電体層、および、この第二圧電体層の上層に形成される第二上部電極層を備え、
    前記支持梁は、前記第二下部電極層に接続される第二下部電極線、および、前記第二上部電極層に接続される第二上部電極線を備える
    ことを特徴とする応力検出素子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の応力検出素子を複数備えるとともに、前記応力検出素子がアレイ状に配列される
    ことを特徴とする触覚センサー。
  8. 請求項7に記載の触覚センサーにおいて、
    前記弾性膜は、隣り合う前記応力検出素子の間の位置に、前記弾性膜間の撓み伝達を規制する規制溝が設けられる
    ことを特徴とする触覚センサー。
  9. 請求項7または請求項8の触覚センサーを備え、対象物を把持する把持装置であって、
    前記対象物を把持するとともに、前記対象物に接触する接触面に前記触覚センサーが設けられる少なくとも2本の把持アームと、
    前記触覚センサーから出力される前記応力検出信号に基づいて、前記対象物のすべり状態を検出する把持検出手段と、
    前記すべり状態に基づいて、前記把持アームの駆動を制御する駆動制御手段と、
    を備えることを特徴とする把持装置。
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