JP5655192B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、アクセスポイントを制御する制御装置に関するものである。
無線LAN(Local Area Network)システムにおいては、実際に通信を行っていないときでも、センシングを行い、そのセンシングによる電力消費が無駄となる。
無線LANシステムにおけるアクセスポイントおよび端末装置では、それぞれ、消費電力を低減する手法が種々検討されている。
特許文献1,2では、無線LANシステムの端末装置における消費電力の低減手法が提案されている。より具体的には、端末装置は、アクセスポイントからの制御信号を基にアクセスポイントと通信を行わない時刻を算出し、その算出した時刻に無線信号の送受信を行う無線通信部をスリープさせる。これによって、常時、センシングを行う場合と比較して消費電力を低減できる。
特開2009−5118号公報 特開2009−141547号公報
しかし、無線LANのアクセスポイントでは、端末装置からの接続要求および通信要求に常時対応する必要があるため、端末装置における消費電力の低減方法をそのまま適用することができない。
一方、アクセスポイントを任意にスリープさせると、ネットワーク全体のスループット等、通信性能に悪影響を与える。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ネットワークへの悪影響を回避してアクセスポイントをスリープさせる制御装置を提供することである。
この発明の実施の形態によれば、制御装置は、第1および第2のスリープ制御手段を備える。第1のスリープ制御手段は、相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合をクラスタとし、複数のアクセスポイントの相互間における受信信号強度に基づいて、複数のアクセスポイントを複数のクラスタに分類し、1つのクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち少なくとも1つのアクセスポイントを起動し、残りのアクセスポイントをスリープさせる第1の処理を複数のクラスタの全てについて実行する。第2のスリープ制御手段は、複数のクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち、無線通信範囲が複数のアクセスポイントによって覆われるアクセスポイントをスリープさせる第2の処理を実行する。
この発明の実施の形態においては、複数のアクセスポイントが複数のクラスタに分類され、各クラスタ内において、少なくとも1つのアクセスポイントが起動され、残りのアクセスポイントがスリープされ、複数のクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち、無線通信範囲が他の複数のアクセスポイントによって覆われるアクセスポイントがスリープされる。その結果、スリープされたアクセスポイントに接続していた端末装置は、そのスリープされたアクセスポイント以外のアクセスポイントに接続して通信を行なう。
従って、ネットワークへの悪影響を回避してアクセスポイントをスリープさせることができる。
この発明の実施の形態による制御装置を備える通信ネットワークの概略図である。 図1に示す制御装置の実施の形態1における構成図である。 図1に示すアクセスポイントの構成図である。 図2に示す統計処理手段における統計処理を説明するためのフローチャートである。 複数のアクセスポイントを複数のクラスタに分類する方法を説明するためのフリーチャートである。 隣接アクセスポイントリストを作成する方法を説明するためのフローチャートである。 無線通信範囲が重複するアクセスポイントの概念図である。 クラスタの概念図である。 起動されるアクセスポイントの集合を求める方法を説明するためのフローチャートである。 カバレッジが他の複数のアクセスポイントのカバレッジで覆われるアクセスポイントの概念図である。 スリープさせるアクセスポイントを決定する方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。 図1に示す制御装置の実施の形態2における構成図である。 スリープさせるアクセスポイントを決定する方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。 図1に示す制御装置の実施の形態3における構成図である。 各クラスタ内のアクセスポイントの選択方法を示す概念図である。 図1に示す制御装置の実施の形態4における構成図である。 実施の形態4におけるアクセスポイントをスリープさせる概念図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による制御装置を備える通信ネットワークの概略図である。図1を参照して、通信ネットワーク100は、制御装置10と、監視サーバ20と、ネットワーク30と、ルータ40,50と、アクセスポイント41〜46と、端末装置51,52とを備える。
制御装置10、監視サーバ20およびルータ40,50は、有線ケーブルによってネットワーク30に接続される。アクセスポイント41〜43は、有線ケーブルによってルータ40に接続される。アクセスポイント44〜46は、有線ケーブルによってルータ50に接続される。
端末装置51,52は、それぞれ、アクセスポイント42,43にアクセスし、アクセスポイント42,43と無線通信を行う。
なお、図1においては、6個のアクセスポイント41〜46が図示されているが、アクセスポイントの個数は、任意である。
制御装置10は、監視サーバ20が保持する情報に基づいて、後述する方法によって、通信ネットワーク100の通信性能に悪影響を与えないように、アクセスポイント41〜46のうち、スリープさせるアクセスポイントを決定し、その決定したアクセスポイントをスリープさせる。
監視サーバ20は、アクセスポイント41〜46から各種の情報を受信し、その受信した情報を保持する。そして、監視サーバ20は、制御装置10からの要求に応じて、保持している情報を制御装置10へ送信する。
ルータ40は、ネットワーク30を介して受信したパケットをアクセスポイント41〜43のいずれかへ送信し、アクセスポイント41〜43のいずれかから受信したパケットをネットワーク30へ送信する。
ルータ50は、ネットワーク30を介して受信したパケットをアクセスポイント44〜46のいずれかへ送信し、アクセスポイント44〜46のいずれかから受信したパケットをネットワーク30へ送信する。
アクセスポイント41〜43は、ルータ40からパケットを受信し、その受信したパケットを配下の端末装置51,52へ送信する。また、アクセスポイント41〜43は、配下の端末装置51,52からパケットを受信し、その受信したルータ40へ送信する。
アクセスポイント44〜46は、ルータ50からパケットを受信し、その受信したパケットを配下の端末装置へ送信する。また、アクセスポイント44〜46は、配下の端末装置からパケットを受信し、その受信したルータ50へ送信する。
以下、制御装置10がアクセスポイント41〜46のうち、スリープさせるアクセスポイントを決定する方法を具体的に説明する。
[実施の形態1]
図2は、図1に示す制御装置10の実施の形態1における構成図である。図2を参照して、制御装置10は、統計処理手段11と、制御手段12,13と、情報生成手段14とを含む。
統計処理手段11は、アクセスポイント41〜46が他のアクセスポイントからビーコンフレームBeaconを受信したときの受信信号強度RSSI_41〜RI_46と、各アクセスポイント41〜46に接続している端末装置の個数とを監視サーバ20から受ける。
そして、統計処理手段11は、受信信号強度RSSI_41〜RI_46に基づいて、後述する方法によって、隣接アクセスポイント情報を作成するとともに、隣接アクセスポイントの成す角度を算出する。
そうすると、統計処理手段11は、隣接アクセスポイント情報、隣接アクセスポイントの成す角度および端末装置の個数を制御手段12,13へ出力する。
制御手段12は、隣接アクセスポイント情報、隣接アクセスポイントの成す角度および端末装置の個数を統計処理手段11から受ける。そして、制御手段12は、隣接アクセスポイント情報に基づいて、後述する方法によって、複数のアクセスポイント41〜46を複数のクラスタに分類する。このクラスタは、相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合である。
そして、制御手段12は、複数のアクセスポイント41〜46を複数のクラスタに分類すると、その分類した複数のクラスタの各々において、2つのアクセスポイントのうちの一方をスリープさせるアクセスポイントとして決定し、2つのアクセスポイントのうちの他方を起動させるアクセスポイントとして決定する。この場合、制御手段12は、スリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントとを任意に選択する。
制御手段12は、制御手段12は、スリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントとを決定すると、その決定結果を制御手段13へ出力する。
制御手段13は、隣接アクセスポイント情報、隣接アクセスポイントの成す角度および端末装置の個数を統計処理手段11から受け、スリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントとを制御手段12から受ける。
そして、制御手段13は、制御手段12からのスリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントとに基づいて、起動させるアクセスポイントを認識し、その認識したアクセスポイントのうち、無線通信範囲が複数のアクセスポイントによって覆われるアクセスポイントを後述する方法によって検出する。
そうすると、制御手段13は、無線通信範囲が複数のアクセスポイントによって覆われるアクセスポイントをスリープさせるアクセスポイントとして決定し、最終的に、スリープさせるアクセスポイントと、起動させるアクセスポイントとを情報生成手段14へ出力する。
情報生成手段14は、制御手段13からのスリープさせるアクセスポイントと、起動させるアクセスポイントとに基づいて、スリープさせるアクセスポイントと、起動させるアクセスポイントとのリストを生成し、その生成したリストをネットワーク30およびルータ40,50を介してアクセスポイント41〜46へ送信する。
図3は、図1に示すアクセスポイント41の構成図である。図3を参照して、アクセスポイント41は、アンテナ411と、無線モジュール412と、有線モジュール413と、ホストシステム414とを含む。
無線モジュール412は、定期的に、アンテナ411を介してビーコンフレームBeaconを送信する。また、無線モジュール412は、アンテナ411を介してアクセスポイント41の配下の端末装置と無線通信を行う。この場合、無線モジュール412は、端末装置から受信したパケットをホストシステム414へ出力し、ホストシステム414から受けたパケットをアンテナ411を介して端末装置へ送信する。
更に、無線モジュール412は、他のアクセスポイントから送信されたビーコンフレームBeaconをアンテナ411を介して受信し、ビーコンフレームBeaconを受信したときの受信信号強度RSSI_41を検出する。そして、無線モジュール412は、その受信したビーコンフレームBeaconと、その検出した受信信号強度RSSI_41とをホストシステム414へ出力する。
更に、無線モジュール412は、ホストシステム414からスリープ信号を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行する。一方、無線モジュール412は、ホストシステム414からスリープ信号を受けないとき、起動状態を維持する。ここで、起動状態とは、無線モジュール412が端末装置と無線通信を行うことができる状態を言い、スリープ状態とは、無線モジュール412が無線通信を行うことができない状態を言う。
有線モジュール413は、制御装置10からパケットを受信すると、その受信したパケットをホストシステム414へ出力する。また、有線モジュール413は、ホストシステム414からパケットを受けると、その受けたパケットを監視サーバ20へ送信する。
ホストシステム414は、有線モジュール413からパケットを受けると、その受けたパケットの送信先を検出する。そして、ホストシステム414は、そのパケットの送信先がアクセスポイント41の配下の端末装置である場合、そのパケットを無線モジュール412へ出力する。また、ホストシステム414は、そのパケットの送信先がアクセスポイント41である場合、そのパケットからスリープさせるアクセスポイントの情報を抽出し、その抽出した情報がアクセスポイント41の識別情報を含む場合、スリープ信号を生成して無線モジュール412へ出力する。
また、ホストシステム414は、無線モジュール412からパケットを受けると、その受けたパケットを有線モジュール413へ出力する。
更に、ホストシステム414は、受信信号強度RSSI_41およびビーコンフレームBeaconを無線モジュール412から受けると、受信信号強度RSSI_41が検出されたときのビーコンフレームBeaconの送信元のアドレスAdd_sを検出する。そして、ホストシステム414は、送信元のアドレスAdd_sと、アクセスポイント41のアドレスAdd41と、受信信号強度RSSI_41とを対応付けたデータをデータ部に含むパケットを生成し、その生成したパケットを有線モジュール413へ出力する。
なお、図1に示すアクセスポイント42〜46の各々も、図3に示すアクセスポイント41と同じ構成からなる。
図4は、図2に示す統計処理手段11における統計処理を説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、統計処理が開始されると、統計処理手段11は、P(i,j)=Pmin (i,j=1,2,・・・,NAP)を設定し、i=1を設定する(ステップS1)。ここで、P(i,j)は、アクセスポイントAP−iとアクセスポイントAP−jとの間のRSSI値であり、NAPは、制御対象のアクセスポイントの総数である。また、Pminは、ビーコンフレームBeaconを受信したアクセスポイントが信号を復調できない最低の受信信号強度RSSIであり、例えば、−80〜−90dBmに設定される。
ステップS1の後、統計処理手段11は、i=NAPであるか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、i=NAPでないと判定されたとき、統計処理手段11は、j=i+1を設定する(ステップS3)。
その後、統計処理手段11は、アクセスポイントAP−jが送信したビーコンフレームBeaconをアクセスポイントAP−iが受信したときの受信信号強度RSSIの移動平均<Pi,j>と、アクセスポイントAP−iが送信したビーコンフレームBeaconをアクセスポイントAP−jが受信したときの受信信号強度RSSIの移動平均<Pj,i>とを取得する(ステップS4)。
なお、移動平均は、単純移動平均または指数平滑移動平均が用いられる。そして、指数平滑移動平均は、古いデータを考慮しながら最近のデータを重視するときに用いられる。
ステップS4の後、統計処理手段11は、移動平均<Pi,j>,<Pj,i>の両方を取得できたか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、移動平均<Pi,j>,<Pj,i>の少なくとも1つを取得できなかった判定されたとき、一連の動作は、ステップS7へ移行する。
一方、ステップS5において、移動平均<Pi,j>,<Pj,i>の両方を取得できたと判定されたとき、統計処理手段11は、P(i,j)=P(j,i)=(<Pi,j>+<Pj,i>)/2を設定する(ステップS6)。
その後、統計処理手段11は、j=NAPであるか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、j=NAPであると判定されたとき、統計処理手段11は、i=i+1を設定する(ステップS8)。その後、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
一方、ステップS7において、j=NAPでないと判定されたとき、統計処理手段11は、j=j+1を設定する(ステップS9)。その後、一連の動作は、ステップS4へ戻る。
それ以降、統計処理手段11は、ステップS2において、i=NAPであると判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS9を繰り返し実行する。そして、ステップS2において、i=NAPであると判定されると、一連の動作は、終了する。
このように、統計処理手段11は、図4に示すフローチャートに従って、NAP個のアクセスポイントについて、全ての2つのアクセスポイント間の受信信号強度P(i,j)=P(j,i)を取得する。
統計処理手段11は、受信信号強度P(i,j)=P(j,i)を取得すると、その取得した受信信号強度P(i,j)=P(j,i)を有する2つのアクセスポイント間の推定距離を求める。より具体的には、統計処理手段11は、受信信号強度P(i,j)=P(j,i)を次式に代入してアクセスポイントAP−i,AP−j間の推定虚位d(i,j)を求める。
Figure 0005655192
なお、式(1)において、Cは、送信電力およびアンテナ利得等を表す定数(dB値)であり、値の大きさは、通信方式やアンテナ形状に依存する。また、mは、通信路の伝搬損失指数であり、無線通信路においては、一般には、2〜4である。
統計処理手段11は、全ての受信信号強度P(i,j)=P(j,i)について、2つのアクセスポイント間の推定距離を求める。
その後、統計処理手段11は、複数のアクセスポイント41〜46を複数のクラスタに分類する。
図5は、複数のアクセスポイント41〜46を複数のクラスタに分類する方法を説明するためのフリーチャートである。
図5を参照して、クラスタへの分類が開始されると、統計処理手段11は、制御対象の全てのアクセスポイント(AP)を集合Gに含め、クラスタC(k=1,2,・・・,NAP)を空とする(ステップS11)。
そして、統計処理手段11は、k=1を設定し(ステップS12)、集合Gが空であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13において、集合Gが空でないと判定されたとき、統計処理手段11は、Gに含まれる最も多くのアクセスポイント(AP)からビーコンフレームBeaconを受信している(即ち、アクセスポイント(AP)間の受信信号強度がPminでない数が最多である)アクセスポイント(AP)を選択する(ステップS14)。
引き続いて、統計処理手段11は、選択したアクセスポイントを集合Gから除き、クラスタCに入れる(ステップS15)。
そして、統計処理手段11は、クラスタC中の全てのアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度がP以上となるアクセスポイント(AP)が集合Gに存在するか否かを判定する(ステップS16)。
なお、Pは、受信信号強度RSSIの閾値であり、任意の値に設定可能なシステムパラメータである。そして、Pは、例えば、−65dBmである。
ステップS16において、クラスタC中の全てのアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度がP以上となるアクセスポイント(AP)が集合Gに存在しないと判定されたとき、統計処理手段11は、k=k+1を設定する(ステップS17)。その後、一連の動作は、ステップS13へ移行する。
一方、ステップS16において、クラスタC中の全てのアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度がP以上となるアクセスポイント(AP)が集合Gに存在すると判定されたとき、統計処理手段11は、集合Gに含まれるアクセスポイント(AP)の中から、クラスタCに含まれる全てのアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度がP以上となるアクセスポイント(AP)を1つ選択する(ステップS18)。
そして、統計処理手段11は、その選択したアクセスポイント(AP)を集合Gから除き、クラスタCに入れる(ステップS19)。
その後、一連の動作は、ステップS16へ戻り、ステップS16において、クラスタC中の全てのアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度がP以上となるアクセスポイント(AP)が集合Gに存在しないと判定されるまで、上述したステップS16〜ステップS19が繰り返し実行される。
そして、ステップS16において、クラスタC中の全てのアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度がP以上となるアクセスポイント(AP)が集合Gに存在しないと判定されると、一連の動作は、ステップS13へ戻る。
その後、ステップS13において、集合Gが空であると判定されるまで、上述したステップS13〜ステップS19が繰り返し実行される。
そして、ステップS13において、集合Gが空であると判定されると、一連の動作は、終了する。
ステップS16〜ステップS19のループが繰り返し実行されることによって、クラスタCに最初に入れられたアクセスポイント(AP)との間の受信信号強度RSSIがP以上であるアクセスポイントがクラスタCに入れられる。即ち、相互の距離が近い複数のアクセスポイントが1つのクラスタCに入れられる。
そして、ステップS13において、集合Gが空であると判定されたときに、設定されているkの値がクラスタCの個数になり、Nによって表される。
なお、ステップS14において、統計処理手段11は、Gに含まれる最も少ないアクセスポイント(AP)からビーコンフレームBeaconを受信している(即ち、アクセスポイント(AP)間の受信信号強度がPminでない数が最小である)アクセスポイント(AP)を選択するようにしてもよい。
その後、統計処理手段11は、隣接アクセスポイントリストを作成する。
図6は、隣接アクセスポイントリストを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
図6を参照して、隣接アクセスポイントリストの作成が開始されると、統計処理手段11は、アクセスポイントAP−iにおける隣接アクセスポイント集合NCを空集合とする(ステップS21)。
そして、統計処理手段11は、i=1を設定し(ステップS22)、j=j+1を設定する(ステップS23)。その後、統計処理手段11は、i=Nであるか否かを判定する(ステップS24)。
ステップS24において、i=Nでないと判定されたとき、統計処理手段11は、アクセスポイントAP−iが送信したビーコンフレームBeaconをアクセスポイントAP−jが受信したときの平均受信信号強度RSSI_ij_aveを検出する(ステップS25)。
そして、統計処理手段11は、平均受信信号強度RSSI_ij_aveがPよりも大きいか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26において、平均受信信号強度RSSI_ij_aveがP以下であると判定されたとき、一連の動作は、ステップS28へ移行する。
一方、ステップS26において、平均受信信号強度RSSI_ij_aveがPよりも大きいと判定されたとき、統計処理手段11は、アクセスポイントAP−iにおける隣接アクセスポイントの集合NCにアクセスポイントAP−jを入れ、アクセスポイントAP−jにおける隣接アクセスポイントの集合NCにアクセスポイントAP−iを入れる(ステップS27)。
そして、統計処理手段11は、ステップS26において、平均受信信号強度RSSI_ij_aveがP以下であると判定されたとき、またはステップS27の後、j=Nであるか否かを判定する(ステップS28)。
ステップS28において、j=Nであると判定されたとき、統計処理手段11は、i=i+1を設定する(ステップS29)。その後、一連の動作は、ステップS23へ戻る。
一方、ステップS28において、j=Nでないと判定されたとき、統計処理手段11は、j=j+1を設定する(ステップS30)。その後、一連の動作は、ステップS25へ戻る。
そして、上述したステップS23〜ステップS30は、ステップS24において、i=Nであると判定されるまで繰り返し実行され、ステップS24において、i=Nであると判定されると、一連の動作は、終了する。
統計処理手段11は、図6に示すフローチャートの実行を完了すると、全てのNC,NCからなる隣接アクセスポイントリストを作成する。
そして、統計処理手段11は、上述した推定距離d(i,j)と隣接アクセスポイントリストとからなる隣接アクセスポイント情報を作成する。そうすると、統計処理手段11は、隣接アクセスポイント情報と、クラスタCとを制御手段12,13へ出力する。
統計処理手段11は、隣接アクセスポイントが成す角度θを次の方法によって算出する。アクセスポイントAP−iがアクセスポイントAP−j,AP−kと隣接関係にある場合、アクセスポイントAP−iから見たアクセスポイントAP−jおよびアクセスポイントAP−kの成す角度θ(j,k)は、次式によって算出される。
Figure 0005655192
但し、アクセスポイントAP−jとアクセスポイントAP−kとの間の受信信号強度RSSIがPminのとき、アクセスポイントAP−jとアクセスポイントAP−kとの間の推定距離d(j,k)をd(j,k)=+∞(十分に大きな値)とする。このとき、角度θ(j,k)は、角度θ(j,k)=πとなる。
式(2)において、d(i,j)+d(j,k)<d(i,k)が成立するのは、3個のアクセスポイントAP−i,AP−j,AP−kがアクセスポイントAP−jを中心にして一直線に配置された場合である。また、d(i,k)+d(j,k)<d(i,j)が成立するのは、3個のアクセスポイントAP−i,AP−j,AP−kがアクセスポイントAP−kを中心にして一直線に配置された場合である。従って、d(i,j)+d(j,k)<d(i,k)またはd(i,k)+d(j,k)<d(i,j)が成立するとき、角度θ(j,k)は、0度となる。
また、d(i,j)+d(i,k)<d(i,k)が成立するのは、3個のアクセスポイントAP−i,AP−j,AP−kがアクセスポイントAP−iを中心にして一直線に配置された場合である。従って、d(i,j)+d(i,k)<d(i,k)が成立するとき、角度θ(j,k)は、πとなる。
そして、d(i,j)+d(j,k)<d(i,k)、d(i,k)+d(j,k)<d(i,j)およびd(i,j)+d(i,k)<d(i,k)以外の場合、角度θ(j,k)は、0<θ(j,k)<πの範囲の任意の角度となる。
統計処理手段11は、角度θ(j,k)を算出すると、その算出する全ての角度θ(j,k)を制御手段13へ出力する。
制御手段12は、隣接アクセスポイント情報と、クラスタCとを統計処理手段11から受ける。
図7は、無線通信範囲が重複するアクセスポイントの概念図である。図7を参照して、アクセスポイント41,42は、それぞれ、無線通信範囲REG1,REG2を有する。そして、無線通信範囲REG1,REG2は、殆ど、重複している。
上述したように、クラスタは、相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合である。そして、この閾値は、例えば、無線通信範囲REG1,REG2の半径rの1〜10%に設定される。従って、各クラスタCに含まれる複数のアクセスポイントは、図7に示すように、無線通信範囲REG1,REG2が重複している。
そこで、制御手段12は、各クラスタCに含まれる複数のアクセスポイントに対して、スリープさせるアクセスポイントと、起動させるアクセスポイントとを決定する。即ち、制御手段12は、各クラスタCに含まれる複数のアクセスポイントのうち、1個のアクセスポイントを起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントの全てをスリープさせるアクセスポイントと決定する。そして、制御手段12は、各クラスタCに含まれる複数のアクセスポイントをスリープまたは起動させるためのスリープ/起動情報を制御手段13へ出力する。
制御手段13は、隣接アクセスポイント情報と、クラスタCと、角度θ(j,k)とを統計処理手段11から受ける。そして、制御手段13は、隣接アクセスポイント情報から推定距離d(i,j)および隣接アクセスポイントリストを取り出す。
また、制御手段13は、各クラスタCに含まれる複数のアクセスポイントのスリープ/起動情報を制御手段12から受ける。
図8は、クラスタの概念図である。図8を参照して、制御手段13は、例えば、5個のクラスタC〜Cを統計処理手段11から受ける。
クラスタCは、2個のアクセスポイント41,42を含み、クラスタCは、2個のアクセスポイント43,44を含み、クラスタCは、2個のアクセスポイント45,46を含み、クラスタCは、2個のアクセスポイント47,48を含み、クラスタCは、3個のアクセスポイント49,53,54を含む。
制御手段13は、クラスタC、推定距離d(i,j)および隣接アクセスポイントリストからアクセスポイント41〜49,53,54のトポロジー(即ち、クラスタC〜Cのトポロジー)を認識する。
そして、制御手段13は、制御手段12から受けたスリープ/起動情報に基づいて、クラスタC〜Cのアクセスポイント41,43,46,48,53,54がスリープし、アクセスポイント42,44,45,47,49が起動されることを検知する。
そうすると、制御手段13は、起動されるアクセスポイント42,44,45,47,49のうち、自己の無線通信範囲が複数の無線通信領域によって覆われるアクセスポイントを次の方法によって検出し、その検出したアクセスポイントをスリープさせる。
この場合、隣接クラスタ間の成す角の最大値をθと定義し、起動されるアクセスポイントの集合をLCと定義する。
図9は、起動されるアクセスポイントの集合を求める方法を説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、一連の動作が開始されると、制御手段13は、LCを空集合とし、NC’をNCと等しい集合とする(ステップS31)。
そして、制御手段13は、i=1を設定し(ステップS32)、NC’の要素数が3よりも小さいか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33において、NC’の要素数が3よりも小さくないと判定されたとき、制御手段13は、HをNC’の要素数として、h=0とする(ステップS34)。
そして、制御手段13は、h=h+1を設定し(ステップS35)、NC’のh番目の要素jについてθ(j,k)が最小となるkをNC’から選択する(ステップS36)。
その後、制御手段13は、θ(j,k)<θ(k,l)を満足し、かつ、θ(j,l)が最小となる“l”が存在するか否かを判定する(ステップS37)。
ステップS37において、θ(j,k)<θ(k,l)を満足し、かつ、θ(j,l)が最小となる“l”が存在しないと判定されたとき、制御手段13は、θ=πを設定する(ステップS38)。その後、一連の動作は、ステップS43へ移行する。
一方、ステップS37において、θ(j,k)<θ(k,l)を満足し、かつ、θ(j,l)が最小となる“l”が存在すると判定されたとき、制御手段13は、“l”をNC’から選択し(ステップS39)、θがθ(j,l)よりも小さいか否かを判定する(ステップS40)。
ステップS40において、θがθ(j,l)よりも小さないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS42へ移行する。
一方、ステップS40において、θがθ(j,l)よりも小さいと判定されたとき、制御手段13は、θ=θ(j,l)を設定する(ステップS41)。その後、制御手段13は、hがHよりも小さいか否かを判定する(ステップS42)。
ステップS42において、hがHよりも小さいと判定されたとき、一連の動作は、ステップS35へ戻る。
一方、ステップS42において、hがHよりも小さくないと判定されたとき、またはステップS38の後、制御手段13は、θがθTmよりも小さいか否かを更に判定する(ステップS43)。なお、θTmは、例えば、120°である。
ステップS43において、θがθTmよりも小さくないと判定されたとき、制御手段13は、LCにアクセスポイントAP−iを入れる(ステップS44)。
そして、ステップS43において、θがθTmよりも小さい判定されたとき、またはステップS44の後、制御手段13は、NC’からiを取り除く(ステップS45)。
その後、制御手段13は、i=Nであるか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、i=Nでないと判定されたとき、制御手段13は、i=i+1を設定する(ステップS47)。そして、一連の動作は、ステップS33へ戻る。
その後、ステップS33において、NC’の要素数が3よりも小さいと判定されるまで、上述したステップS33〜ステップS47が繰り返し実行される。そして、ステップS33において、NC’の要素数が3よりも小さいと判定されると、一連の動作は、終了する。
図10は、カバレッジが他の複数のアクセスポイントのカバレッジで覆われるアクセスポイントの概念図である。図10を参照して、アクセスポイント44の無線通信範囲REG44は、複数のアクセスポイント42,45,47,49の複数の無線通信範囲REG42,REG45,REG47,REG49によって覆われている。
制御手段13は、図9に示すフローチャートを実行することによって、アクセスポイント42,45,47,49を集合LCに入れる。
その結果、制御手段13は、アクセスポイント44をスリープさせ、アクセスポイント42,45,47,49を起動させる。
従って、制御手段13は、アクセスポイント41,43,44,46,48,53,54をスリープさせ、アクセスポイント42,45,47,49を起動させることを示すスリープ/起動情報を生成して情報生成手段14へ出力する。
そして、情報生成手段14は、アクセスポイント41〜49,53,54のアドレスAdd41〜Add49,Add53,Add54と、スリープを指示する信号SLPまたは起動を指示する信号OPEとを対応付ける。即ち、情報生成手段14は、Add41:SLP,Add42:OPE,Add43:SLP,Add44:SLP,Add45:OPE,Add46:SLP,Add47:OPE,Add48:SLP,Add49:OPE,Add53:SLP,Add54:SLPを生成し、その生成したAdd41:SLP,Add42:OPE,Add43:SLP,Add44:SLP,Add45:OPE,Add46:SLP,Add47:OPE,Add48:SLP,Add49:OPE,Add53:SLP,Add54:SLPをアクセスポイント1〜49,53,54へ送信する。
そうすると、アクセスポイント41,43,44,46,48,53,54は、スリープし、アクセスポイント42,45,47,49は、起動したままである。
アクセスポイント42,44,45,47,49のうち、アクセスポイント44をスリープさせても、アクセスポイント44の無線通信範囲は、アクセスポイント42,45,47,49の無線通信範囲によってカバーされているので、通信ネットワーク100の性能が劣化することはない。
従って、通信ネットワーク100への悪影響を回避してアクセスポイントをスリープさせることができる。
図11は、スリープさせるアクセスポイントを決定する方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。図11を参照して、スリープさせるアクセスポイントを決定する動作が開始されると、制御装置10の制御手段12は、図5に示すフローチャートに従って、制御対象であるアクセスポイントを複数のクラスタに分類する(ステップS51)。
そして、制御手段12は、各クラスタCに含まれる複数のアクセスポイントのうち、1個のアクセスポイントを起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントの全てをスリープさせるアクセスポイントと決定する(ステップS52)。
その後、制御手段13は、ステップS52において、起動されるアクセスポイントとして決定された複数のアクセスポイントを対象とし、図9に示すフローチャートに従って、無線通信範囲が他の複数のアクセスポイントの無線通信範囲によって覆われるアクセスポイントを検出する(ステップS53)。
そうすると、制御手段13は、ステップS53において検出されたアクセスポイントと、ステップS52において決定されたアクセスポイントとをスリープさせるアクセスポイントと決定する(ステップS54)。これによって、一連の動作は、終了する。
なお、図11に示すフローチャートは、数時間〜数日の周期で実行される。
このように、制御手段12は、通信ネットワーク100における複数のアクセスポイントを相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合であるクラスタに分類し、各クラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち、1個のアクセスポイントを残してスリープさせ、制御手段13は、制御手段12によって起動状態が保持された複数のアクセスポイントのうち、無線通信範囲が他の複数のアクセスポイントの複数の無線通信範囲によって覆われたアクセスポイントをスリープさせる。その結果、スリープさせたアクセスポイントの無線通信範囲に存在する端末装置は、他の複数のアクセスポイントのいずれかへアクセスして無線通信を行う。そして、通信ネットワーク100の通信性能は、維持される。
従って、通信ネットワーク100への悪影響を回避してアクセスポイントをスリープさせることができる。
[実施の形態2]
図12は、図1に示す制御装置10の実施の形態2における構成図である。図1に示す制御装置10は、実施の形態2においては、制御装置10Aからなる。
図12を参照して、制御装置10Aは、図2に示す制御装置10の制御装置12,13をそれぞれ制御装置12A,13Aに代えたものであり、その他は、制御装置10と同じである。
制御手段13Aは、隣接アクセスポイント情報と、クラスタCと、角度θ(j,k)とを統計処理手段11から受ける。そして、制御手段13Aは、隣接アクセスポイント情報に含まれる推定距離d(i,j)と、クラスタCとに基づいて、ある2つのクラスタ間において、全てのアクセスポイント同士を互いにビーコンフレームBeaconを受信可能であるとき、即ち、2つのアクセスポイント間の受信信号強度RSSIの最小値が閾値P以上であるとき、その2つのクラスタを隣接クラスタと定義する。
そして、制御手段13Aは、隣接クラスタを検出すると、2つのクラスタ間の推定距離を式(1)を用いて算出する。隣接する2つのクラスタをC,Cとすると、制御手段13Aは、クラスタCに含まれるアクセスポイントのうち、他のアクセスポイントによって囲まれている1つのアクセスポイントAP−iを抽出する。また、制御手段13Aは、クラスタCに含まれるアクセスポイントのうち、他のアクセスポイントによって囲まれている1つのアクセスポイントAP−jを抽出する。そして、制御手段13Aは、アクセスポイントAP−iとアクセスポイントAP−jとの推定距離をクラスタをC,C間の推定距離とする。
そうすると、制御手段13Aは、隣接クラスタのIDと、隣接クラスタへの推定距離とを隣接クラスタ情報とする。
その後、制御手段13Aは、隣接クラスタ情報に基づいて、隣接クラスタ同士が成す角度を式(2)を用いて算出する。
引き続いて、制御手段13Aは、図9に示すフローチャートに従って、隣接するクラスタ同士の成す角度の最大値が閾値θTm以下であるとき、そのクラスタのカバレッジが他の複数のクラスタの複数のカバレッジによって覆われていると判定し、そのクラスタをスリープさせるクラスタと決定する。
また、制御手段13Aは、スリープさせるクラスタ以外のクラスタを起動させるクラスタと決定する。
そうすると、制御手段13Aは、スリープさせるクラスタと、起動させるクラスタとを示すスリープ/起動クラスタ情報を生成して制御手段12Aへ出力する。
なお、制御手段13Aは、クラスタをスリープさせるクラスタと起動させるクラスタとに分類するとき、以前にスリープさせたクラスタを引き続きスリープさせる優先度を低くする。これは、多くのクラスタにスリープする機会を与えるためである。
制御手段12Aは、統計処理手段11から各アクセスポイント41〜46にアクセスする端末装置の個数を受け、制御手段13Aからスリープ/起動クラスタ情報を受ける。
そして、制御手段12Aは、スリープ/起動クラスタ情報に基づいて、スリープさせるアクセスポイントと、起動させるアクセスポイントとを検知する。
そうすると、制御手段12Aは、スリープさせるクラスタ内の全てのアクセスポイントをスリープさせるアクセスポイントと決定する。
また、制御手段12Aは、起動させるクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち、少なくとも1個を起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントをスリープさせるアクセスポイントと決定する。
この場合、制御手段12Aは、起動させるクラスタに含まれる複数のアクセスポイントにアクセスする複数の端末装置が存在する場合、トラフィックの増大に対応するために、使用チャネルが異なる複数のアクセスポイントを起動させるアクセスポイントと決定する。
そして、制御手段12Aは、最終的に、起動させるアクセスポイントと、スリープさせるアクセスポイントとを示すスリープ/起動情報を生成して情報生成手段14へ出力する。
図13は、スリープさせるアクセスポイントを決定する方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図13を参照して、スリープさせるアクセスポイントを決定する動作が開始されると、制御装置10Aの制御手段13Aは、図5に示すフローチャートに従って、制御対象であるアクセスポイントを複数のクラスタに分類する(ステップS61)。
そして、制御手段13Aは、図9に示すフローチャートに従って、複数のクラスタを、スリープさせるクラスタと、起動させるクラスタとに分類する(ステップS62)。
その後、制御手段13Aは、制御手段13Aによる分類結果に基づいて、起動させるクラスタ内の少なくとも1個のアクセスポイントを起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントと、スリープさせるクラスタ内の全てのアクセスポイントとをスリープさせるアクセスポイントと決定する(ステップS63)。これによって、一連の動作は、終了する。
なお、ステップS61は、数時間〜数日の周期で実行され、ステップS62,S63は、数十分〜数時間の周期で実行される。従って、ステップS61が1回実行されると、クラスタの分類結果に基づいて、ステップS62,S63が複数回実行される。
このように、制御手段13Aは、通信ネットワーク100における複数のアクセスポイントを相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合であるクラスタに分類し、複数のクラスタを起動させるクラスタとスリープさせるクラスタとに分類する。その後、制御手段12Aは、起動させるクラスタ内の少なくとも1個のアクセスポイントを起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントと、スリープさせるクラスタ内の全てのアクセスポイントとをスリープさせるアクセスポイントと決定する。そして、スリープさせるクラスタは、カバレッジが他の複数のクラスタのカバレッジによって覆われたクラスタである。その結果、スリープさせたクラスタに含まれるアクセスポイントの無線通信範囲に存在する端末装置は、起動させたクラスタに含まれるアクセスポイントへアクセスして無線通信を行う。そして、通信ネットワーク100の通信性能は、維持される。
従って、通信ネットワーク100への悪影響を回避してアクセスポイントをスリープさせることができる。
また、クラスタ単位でスリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントと決定するので、実施の形態1の場合よりも多くのアクセスポイントをスリープさせることができる。その結果、通信ネットワーク100の消費電力を低減できる。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図14は、図1に示す制御装置10の実施の形態3における構成図である。図1に示す制御装置10は、実施の形態3においては、制御装置10Bからなる。
図14を参照して、制御装置10Bは、図2に示す制御装置10の制御装置12を制御装置12Bに代えたものであり、その他は、制御装置10と同じである。
制御手段12Bは、各クラスタCにおいて、受信信号強度RSSIの平均値がより大きいアクセスポイントを、起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントを、スリープさせるアクセスポイントと決定する。これによって、制御手段13による制御の効果を大きくできる。
また、制御手段12Bは、各クラスタCにおいて、受信信号強度RSSIの平均値がより小さいアクセスポイントを、起動させるアクセスポイントと決定し、残りのアクセスポイントを、スリープさせるアクセスポイントと決定する。これによって、エリアエッジのカバレッジを維持することができる。
図15は、各クラスタ内のアクセスポイントの選択方法を示す概念図である。図15を参照して、アクセスポイント41,42は、それぞれ、クラスタC,Cに含まれ、アクセスポイント43,44は、クラスタCに含まれ、アクセスポイント45は、クラスタCに含まれ、アクセスポイント46,47は、クラスタCに含まれ、アクセスポイント48は、クラスタCに含まれている。
このような状況においては、クラスタC,C,C,Cは、それぞれ、1個のアクセスポイント41,42,45,46を含むため、制御手段12Bは、クラスタC,C,C,Cにおいて、起動させるアクセスポイントを決定する場合、アクセスポイント41,42,45,46を、起動させるアクセスポイントと決定する。
また、制御手段12Bは、クラスタC,Cにおいて、起動させるアクセスポイントを決定する場合、受信信号強度RSSIの平均値がより大きいアクセスポイントを、起動させるアクセスポイントと決定する。より具体的には、クラスタCにおいては、アクセスポイント44とアクセスポイント41,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値は、アクセスポイント43とアクセスポイント41,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値よりも大きいので、制御手段12Bは、クラスタCにおいて、アクセスポイント44を、起動させるアクセスポイントと決定し、アクセスポイント43を、スリープさせるアクセスポイントと決定する。また、クラスタCにおいては、アクセスポイント46とアクセスポイント42,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値は、アクセスポイント47とアクセスポイント42,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値よりも大きいので、制御手段12Bは、クラスタCにおいて、アクセスポイント46を、起動させるアクセスポイントと決定し、アクセスポイント47を、スリープさせるアクセスポイントと決定する(図15の(a)参照)。
このように、各クラスタCにおいて、受信信号強度RSSIの平均値が大きい方のアクセスポイントを、起動させるアクセスポイントと決定することによって、周囲との繋がりが強いアクセスポイント41,42,44〜46,48が起動される。その結果、制御手段13において、無線通信範囲が他の複数のアクセスポイントの複数の無線通信範囲によって覆われているアクセスポイント45を、スリープさせるアクセスポイントとして決定し易くなる。従って、制御手段13による制御の効果を大きくできる。
一方、制御手段12Bは、クラスタC,Cにおいて、起動させるアクセスポイントを決定する場合、受信信号強度RSSIの平均値がより小さいアクセスポイントを、起動させるアクセスポイントと決定する。より具体的には、クラスタCにおいては、アクセスポイント43とアクセスポイント41,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値は、アクセスポイント44とアクセスポイント41,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値よりも小さいので、制御手段12Bは、クラスタCにおいて、アクセスポイント43を、起動させるアクセスポイントと決定し、アクセスポイント44を、スリープさせるアクセスポイントと決定する。また、クラスタCにおいては、アクセスポイント47とアクセスポイント42,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値は、アクセスポイント46とアクセスポイント42,45,48との間の受信信号強度RSSIの平均値よりも小さいので、制御手段12Bは、クラスタCにおいて、アクセスポイント47を、起動させるアクセスポイントと決定し、アクセスポイント46を、スリープさせるアクセスポイントと決定する(図15の(b)参照)。
このように、各クラスタCにおいて、受信信号強度RSSIの平均値が小さい方のアクセスポイントを、起動させるアクセスポイントと決定することによって、通信ネットワーク100全体としては、より広い範囲をカバーできる。従って、通信ネットワーク100全体のカバレッジを大きくできる。
制御手段12Bは、上述した2つの方法のいずれかを用いて、各クラスタCにおいて起動させるアクセスポイントとスリープさせるアクセスポイントとを決定する。そして、制御手段12Bは、その決定結果を示すスリープ/起動情報を生成して制御手段13へ出力する。
なお、制御手段12B,13は、図11に示すフローチャートに従ってスリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントとを決定する。そして、制御手段12Bは、ステップS52において、上述した2つの方法のいずれかを用いて、各クラスタCにおいて起動させるアクセスポイントとスリープさせるアクセスポイントとを決定する。
上述したように、実施の形態3においては、制御手段12Bは、各クラスタCにおいて、受信信号強度RSSIの平均値がより大きいアクセスポイントを、起動されるアクセスポイントとして決定するので、周囲との繋がりがより強いアクセスポイントが起動される。その結果、制御手段13は、周囲との繋がりがより強いアクセスポイントのうち、無線通信範囲が他の複数のアクセスポイントの複数の無線通信範囲によって覆われたアクセスポイントを、スリープさせるアクセスポイントとして選択し易くなる。従って、スリープされたアクセスポイントに接続していた端末装置は、他の複数のアクセスポイントに接続することが可能になり、接続するアクセスポイントの選択可能性が大きくなる。
よって、通信ネットワーク100全体の性能を向上できる。
また、実施の形態3においては、制御手段12Bは、各クラスタCにおいて、受信信号強度RSSIの平均値がより小さいアクセスポイントを、起動されるアクセスポイントとして決定するので、通信ネットワーク100全体のカバレッジが広くなる。
従って、通信ネットワーク100全体の性能を向上できる。
実施の形態3におけるその他の説明は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態4]
図16は、図1に示す制御装置10の実施の形態4における構成図である。図1に示す制御装置10は、実施の形態4においては、制御装置10Cからなる。
図16を参照して、制御装置10Cは、図2に示す制御装置10の情報生成手段14を情報生成手段14Aに代えたものであり、その他は、制御装置10と同じである。
情報生成手段14Aは、スリープさせるアクセスポイントと起動させるアクセスポイントとを示すスリープ/起動情報を制御手段13から受ける。また、情報生成手段14Aは、各アクセスポイント41〜46に接続している端末装置の個数を統計処理手段11から受ける。
そして、情報生成手段14Aは、スリープさせるアクセスポイントに接続している端末装置が存在する場合、その端末装置をハンドオーバーさせる信号HOVを端末装置へ送信し、その端末装置がハンドオーバーした後に、スリープを指示する信号SLPおよび起動を指示する信号OPEをアクセスポイント41〜46に対応付けてアクセスポイント41〜46へ送信する。
なお、情報生成手段14Aは、信号HOVを端末装置へ送信した後、スリープ可能なアクセスポイントに接続している端末装置の個数が“0”であることを統計処理手段11から受ける各アクセスポイント41〜46に接続している端末装置の個数に基づいて検知することによって、信号HOVの送信先である端末装置がハンドオーバーしたことを検知する。
このように、実施の形態4においては、情報生成手段14Aは、スリープさせるアクセスポイントに接続している端末装置が存在する場合、その端末装置がハンドオーバーした後にスリープ可能なアクセスポイントをスリープさせる。
図17は、実施の形態4におけるアクセスポイントをスリープさせる概念図である。図17の(a)を参照して、端末装置51,52がアクセスポイント42に接続しており、アクセスポイント42がスリープ可能なアクセスポイントであり、アクセスポイント41,43〜45が起動されるアクセスポイントである。
この場合、端末装置51,52は、情報生成手段14Aから信号HOVを受信すると、ハンドオーバーする。即ち、端末装置51は、アクセスポイント43へハンドオーバーし、端末装置52は、アクセスポイント45へハンドオーバーする。そして、その後、アクセスポイント42は、スリープする(図17の(b)参照)。
これによって、スリープさせるアクセスポイントの個数を最大限に増やすことができる。即ち、通常、端末装置51,52が接続しているアクセスポイント42をスリープさせないが、実施の形態4においては、端末装置51,52をハンドオーバーさせた後にアクセスポイント42をスリープさせる。その結果、スリープさせるアクセスポイントの個数を最大限に増やすことができる。
実施の形態4におけるその他の説明は、実施の形態1と同じである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、アクセスポイントを制御する制御装置に適用される。
10,10A,10B,10C 制御装置、11 統計処理手段、12,12A,12B,13,13A 制御手段、14,14A 情報生成手段、20 監視サーバ、30 ネットワーク、40,50 ルータ、41〜49,53,54 アクセスポイント、51,52 端末装置、100 通信ネットワーク、411 アンテナ、412 無線モジュール、413 有線モジュール、414 ホストシステム。

Claims (5)

  1. 相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合をクラスタとし、複数のアクセスポイントの相互間における受信信号強度に基づいて、前記複数のアクセスポイントを複数のクラスタに分類し、1つのクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち少なくとも1つのアクセスポイントを起動し、残りのアクセスポイントをスリープさせる第1の処理を前記複数のクラスタの全てについて実行する第1のスリープ制御手段と、
    前記複数のクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち、無線通信範囲が複数のアクセスポイントによって覆われるアクセスポイントをスリープさせる第2の処理を実行する第2のスリープ制御手段とを備え、
    前記第2のスリープ制御手段は、前記第1のスリープ制御手段が前記第1の処理を前記複数のクラスタの全てについて実行した後に、前記第2の処理を実行する、制御装置。
  2. 前記第2のスリープ制御手段は、スリープ対象であるアクセスポイントに接続された端末装置が、起動対象であるアクセスポイントへハンドオーバーした後に前記スリープ対象であるアクセスポイントをスリープさせる、請求項に記載の制御装置。
  3. 相互の距離が閾値以下である複数のアクセスポイントからなる集合をクラスタとし、複数のアクセスポイントの相互間における受信信号強度に基づいて、前記複数のアクセスポイントを複数のクラスタに分類し、1つのクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち少なくとも1つのアクセスポイントを起動し、残りのアクセスポイントをスリープさせる第1の処理を前記複数のクラスタの全てについて実行する第1のスリープ制御手段と、
    前記複数のクラスタに含まれる複数のアクセスポイントのうち、無線通信範囲が複数のアクセスポイントによって覆われるアクセスポイントをスリープさせる第2の処理を実行する第2のスリープ制御手段とを備え、
    前記第2のスリープ制御手段は、前記第2の処理に代えて、前記複数のクラスタのうち、カバレッジが複数のクラスタによって覆われるクラスタをスリープさせる第3の処理を実行し、
    前記第1のスリープ制御手段は、前記第2のスリープ制御手段が前記第3の処理を実行した後に、起動されているクラスタについて前記第1の処理を実行する、制御装置。
  4. 前記第1のスリープ制御手段は、起動されているクラスタに含まれるアクセスポイントのうち、使用チャネルが異なる複数のアクセスポイントを除いて残りのアクセスポイントをスリープさせる、請求項に記載の制御装置。
  5. 前記第1のスリープ制御手段は、前記複数のアクセスポイントのうち、受信信号強度の平均値が大きい方のアクセスポイントをスリープさせ、または前記複数のアクセスポイントのうち、受信信号強度の平均値が小さい方のアクセスポイントをスリープさせる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の制御装置。
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