実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
下皿4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。スティックコントローラ122は、遊技者が把持する操作桿122Aを含み、操作桿122Aの所定位置(例えば遊技者が操作桿122Aを把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン121(図3参照)が設けられている。トリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを手(例えば左手など)で把持した状態で、指(例えば、人差し指)で押引操作することによって所定の指示操作ができるように構成されている。操作桿122Aの内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3参照)が内蔵されている。スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部には、操作桿122Aに対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。例えば、傾倒方向センサユニット123は、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含む。なお、下皿におけるスティックコントローラ122の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、スティックコントローラ122の上方)に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的または電磁的に検出する。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にある。しかし、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿3および下皿4において左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。また、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあってもよい。
スティックコントローラ122に設けられたトリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。また、プッシュボタン120は、スティックコントローラ122とは別個に、上皿3を形成するガラス扉枠2の所定位置に設けられている。遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを把持しない状態では、操作手で押下操作することによって指示操作ができるように構成されている。従って、トリガボタン121は、プッシュボタン120に比べて、連続的な指示操作となる連打操作が困難である。
また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。この実施の形態では、例えば、バイブレータ用モータ126の軸の重心を偏らせたり重りを取り付け、演出制御用マイクロコンピュータ100によりバイブレータ用モータ126を回転制御することによって振動を生じさせ、スティックコントローラ122を振動動作させる。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が入賞口32Aに入賞したこと、またはゲート32Bを通過したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する演出表示装置9が配置されている。この実施の形態では、演出表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。飾り図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。
この実施の形態では、演出表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いる。飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
演出表示装置9の右部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば、「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
また、演出表示装置9では、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示に関連する演出表示も行われる。
遊技領域7における右上方には、ゲート32Bが形成されている。ゲート32Bを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32bによって検出された後、下方に流下する。ゲート32Bの下部には、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置(大入賞口に相当)15が設けられている。特別可変入賞球装置15に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、大入賞口スイッチ14aによって検出される。特別可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。特別可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。なお、特別可変入賞球装置15が閉状態である場合には、特別可変入賞球装置15に対する遊技球の入賞は不能である。
また、演出表示装置9の下方に、入賞口32Aが設けられている。入賞口32Aに入賞した遊技球は、入賞口スイッチ32aによって検出される。
また、図1に示すように、遊技領域7における右下方において、特別可変入賞球装置15の下方には、普通可変入賞球装置20が設けられている。普通可変入賞球装置20は開閉板を備え、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときにソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、普通可変入賞球装置20が開放状態になる。普通可変入賞球装置20に入賞した遊技球は入賞口スイッチ23で検出される。なお、普通可変入賞球装置20が閉状態になっている状態では、遊技球は入賞不能である。ただし、普通可変入賞球装置20が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、「0」〜「9」の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、「00」〜「99」の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技領域7における左下方には、入賞口29が設けられ、遊技球の入賞口29への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29aによって検出される。入賞口29は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。また、入賞口32A、特別可変入賞球装置15および普通可変入賞球装置20も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
ゲート32Bを遊技球が通過しゲートスイッチ32bで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。また、入賞口32Aに遊技球が入賞し入賞口スイッチ32aで検出された場合にも、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、普通可変入賞球装置20の状態は、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(開放状態)に変化する。また、普通図柄表示器10の近傍に、入賞口32Aに入賞した入賞球数とゲート32Bを通過した球数の和(以下、ゲート通過記憶数という。)を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。入賞口32Aへの入賞またはゲート32Bへの遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、この実施の形態では、ゲート通過記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
なお、演出表示装置9の表示画面には、ゲート通過記憶数(普通図柄保留記憶数)を表示する領域(以下、普通図柄保留記憶表示部18dという。)が設けられている。普通図柄保留記憶表示器41におけるLEDの点灯数と同数の表示が、普通図柄保留記憶表示18dにおいてなされる。
この実施の形態では、演出表示装置9は、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示と演出表示装置9による飾り図柄の可変表示とは同期している。なお、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示器10は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が入賞口32Aに入賞して入賞口スイッチ32aで検出されるかゲート32Bを通過しゲートスイッチ32bで検出されると、普通図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、普通可変入賞球装置20の開放動作でなく、かつ、普通図柄の可変表示が実行されていない場合)、普通図柄の当り判定が行われる。この実施の形態では、普通図柄が当りになる確率(普通図柄の当選確率)は、一例として、249/250である。そして、普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示(変動)が開始されるときに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄保留記憶表示器41についてのゲート通過記憶数(普通図柄保留記憶数)を1増やす。この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)である状態が特別遊技状態に相当し、特別遊技状態ではない遊技状態が通常遊技状態(通常状態)に相当する。
普通可変入賞球装置(入賞領域を形成するとともに始動領域も形成する。)20に遊技球が入賞し入賞口スイッチ23で検出されると、特別図柄の大当り判定が行われる。この実施の形態では、特別図柄が大当りになる確率は、遊技状態が通常状態のときは98/100(98%)であり、遊技状態が確変状態のときは1/1(100%)である。すなわち、略全ての場合に大当りになると判定される。大当りにすることに決定されると、大当りの種別(大当りの種類)が決定される。
なお、遊技状態が通常状態のときの特別図柄の当選確率を98%にするのではなく、遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかにかかわらず、特別図柄の当選確率を常に100%にしてもよい。その場合に、例えば、大当りの種類を複数(例えば、大当り後に高ベース状態になるものと、高ベース状態にならないもの)設け、高ベース状態にならない大当りにすることに決定された場合に、続けて大当りが発生しないようにする。
この実施の形態では、遊技球の通過によって普通図柄の変動開始の条件を成立させるゲート32Bが遊技領域7の右側の領域(第1領域)に設けられているので、遊技者は、一般に、遊技領域7の左側の領域(第2領域)を狙うのではなく、右側の領域(第1領域)を狙って遊技球を発射する。また、第1領域には、特別可変入賞球装置15および普通可変入賞球装置20も設けられているので、普通可変入賞球装置20の開放中等でも、遊技者は、右側の領域(第1領域)を狙って遊技球を発射する。なお、第1領域と第2領域とは、遊技領域7の右側および左側に限られない。遊技者が遊技球の発射対象領域を異ならせることができることを条件に、遊技領域7の右側および左側以外の2つの領域を第1領域および第2領域にしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技領域7の中央下部に入賞口32Aが設けられ、入賞口32Aに遊技球が入賞すると普通図柄の変動開始の条件を成立させるとともに賞球払出がなされるので、遊技者が左側の領域を狙って遊技球を発射することも考えれる。しかし、左側の領域を狙っているときに、普通可変入賞球装置20が開放可能になったことにもとづいて右側の領域を狙って遊技球を発射することに変更しても、遊技球が普通可変入賞球装置20に到達する前に普通可変入賞球装置20が閉鎖する可能性が高い。従って、遊技者は、常に右側の領域を狙うことが得策である。
また、この実施の形態では、遊技機に設けられている演出装置を用いて通過時判定手段の判定結果(入賞口32Aへの遊技球の入賞時またはゲート32Bの遊技球の通過時における当りとするか否かの判定結果)にもとづく報知を行うものの、高頻度入賞可能状態(例えば、高ベース状態)では報知を行わないように制御されるが、高頻度入賞可能状態では普通可変入賞球装置20が開放状態に制御される期間が長いので、通過時判定手段が高頻度入賞可能状態では判定処理を実行しないことの効果がより顕著になる。すなわち、普通可変入賞球装置20が開放状態になる時期まで遊技球の発射を控えるような行為をしづらくして遊技者間の公平が保たれるようにする効果が顕著になる。なぜなら、普通可変入賞球装置20が開放状態に制御される期間が長いと、遊技者が遊技球の発射を控える行為が生ずる可能性がより高くなるが、この実施の形態では、そのような可能性が高くなることを抑制できるからである。
普通可変入賞球装置20への遊技球の入賞にもとづいて特別図柄の変動が開始されると、所定時間経過後に停止して停止図柄が導出表示される。大当りにすることに決定されている場合には、特別図柄表示器8において大当り図柄が特別図柄の停止図柄として導出表示され、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態に移行すると、大当り遊技が2ラウンドだけ継続される。この実施の形態では、特別可変入賞装置15が開放されてから一定期間(例えば1.0秒)が経過するまでが大当り遊技における1ラウンドである。なお、1ラウンドにおいて許容される大入賞口の入賞球数は例えば1個である。また、特別可変入賞球装置15の開放期間(ラウンド期間)は任意である。また、ラウンド期間における特別可変入賞球装置15への入賞可能個数も任意であり、1個でなくてもよい。
大当りが遊技状態を高ベース状態にすることに対応する大当りであった場合は、大当り遊技が終了するときに遊技状態が高ベース状態に移行される。高ベース状態では、普通可変入賞球装置20の開放期間が長いので(すなわち、開放延長されているので)、始動領域への遊技球の入賞が発生しやすく、大当り遊技状態に移行されやすい。
また、この実施の形態では、高ベース状態において大当りが所定回(この実施の形態では、30回)連続して発生すると、遊技状態は低ベース状態に移行することがある。遊技状態が低ベース状態のときは、普通可変入賞球装置20の開放期間が極めて短いので、始動領域への遊技球の入賞が発生し難くなるので、大当り遊技状態に移行されにくくなる。
以上のように、この実施の形態では、低ベース状態のときは、始動領域への遊技球の入賞が発生しにくいが、高ベース状態では、普通可変入賞球装置20の開放期間が長いので、始動領域への遊技球の入賞が発生しやすく、かつ、大当りになる確率は極めて高く、また、所定の終了条件(例えば、リミッタが作動した。具体的には、大当り回数カウンタの値が29であって第2−B大当りが発生した)が成立するまで高ベース状態が継続するので、普通図柄の当りが連続して発生することになる。その結果、普通可変入賞球装置20の開放が連続して発生することになり、普通可変入賞球装置20への遊技球の入賞にもとづいて遊技者が景品球を獲得する機会が多くなる。
なお、高ベース状態は、遊技球が始動条件が成立しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。高ベース状態は、時短状態に相当する。この実施の形態では、高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合(低ベース状態すなわち通常遊技状態である場合)と比較して、普通可変入賞装置20の開放期間が延長されている状態(具体的には、開放期間が長い開放パターンが選択されやすい状態)である。しかし、高ベース状態において、例えば、普通図柄の当り確率が高くなり、その結果、始動入賞しやすくなるようにしてもよい。その場合も、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、高ベース状態は、普通可変入賞球装置20(普通可変入賞装置)が開放状態になりやすい状態であるが、低ベース状態に比べて、普通図柄の当り確率が高められている状態と普通可変入賞球装置20の開放回数が多くなっている状態と開放時間が長くなっている状態とのうちで少なくとも1つの状態になっているか(普通可変入賞装置が開放されやすい状態)、もしくは、普通図柄の可変表示時間が短縮されている状態になっているか(普通図柄の可変表示の実行頻度が多くなっている状態)、または、普通可変入賞装置20が開放されやすく、かつ、普通図柄の変動の実行頻度が多くなっている状態である。
また、高ベース状態における当り遊技状態(普通可変入賞球装置20が開放状態に制御される遊技状態)では、普通可変入賞球装置20が開放延長され、普通可変入賞球装置20の開放中に8個の遊技球の入賞が許容される。従って、各ラウンドにおいて1個の遊技球の特別可変入賞球装置15への入賞が許容される大当り遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である。
次に、普通図柄の停止図柄、特別図柄の停止図柄、および飾り図柄の停止図柄について説明する。
(1)普通図柄の停止図柄:
普通図柄表示器10で可変表示される普通図柄は「0」〜「9」である。このうち、「7」が当り図柄であり、その他ははずれ図柄である。
(2)特別図柄の停止図柄:
上述したように、特別図柄表示器8で可変表示される特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「1」が第1大当り図柄であり、「3」が第2大当り図柄であり、「5」が第2−A大当り図柄であり、「7」が第2−B大当り図柄である。また、はずれ図柄は「0」である。
(3)飾り図柄の停止図柄:
上述したように、演出表示装置9で可変表示される左中右の飾り図柄は、それぞれ、「0」〜「9」である。ここで、飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(すなわち、リーチになっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。飾り図柄の当り図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態の図柄である。
なお、この実施の形態では、普通図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とが対応している。すなわち、普通図柄の停止図柄がはずれ図柄になると飾り図柄の停止図柄もはずれ図柄になり、普通図柄の停止図柄が当り図柄になると飾り図柄の停止図柄も当り図柄になる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかにRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32b、大入賞口スイッチ14a、入賞口スイッチ23および入賞口スイッチ29a,32aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特別可変入賞球装置15(開閉板)を開閉するソレノイド16を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技枠に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、盤側に設けられているLEDの表示制御を行う。また、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAM(図示せず)を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号を増幅して盤側に設けられている各LEDに供給する。また、枠側に設けられている枠LED28に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して、トリガセンサ125から、トリガボタン121に対する遊技者の操作を検出したことを示す信号としての操作検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して、プッシュセンサ124から、プッシュボタン120に対する遊技者の操作を検出したことを示す信号としての操作検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して、傾倒方向センサユニット123から、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作を検出したことを示す信号としての操作検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122を振動動作させるために、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数(変動パターン決定用乱数)であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数(ランダム3初期値決定用乱数)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数のとりうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS21〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS21)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32b、大入賞口スイッチ14a、入賞口スイッチ23および入賞口スイッチ29a,32aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS22)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS23)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(2)ランダム2:普通図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(5)ランダム5:当りの種類、具体的には普通可変入賞球装置20の開放パターンを決定する(開放パターン決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、CPU56は、(1)の大当り種別決定用乱数、(3)の普通図柄当り判定用乱数および(5)の開放パターン決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、CPU56によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。この場合、大当り判定用乱数の初期値を決定するためのソフトウェア乱数(大当り判定初期値決定用乱数)を用いて大当り判定用乱数の初期値を変更(更新)するように構成するのが好ましい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口(特別可変入賞球装置15)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10および普通可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、大入賞口スイッチ14aおよび入賞口スイッチ23,29a,32aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、大入賞口スイッチ14aまたは入賞口スイッチ23,29a,32aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS22〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、遊技状態の変化等を説明するための説明図である。
図7(A)に示すように、遊技球が入賞口32Aに入賞するか、またはゲート32Bを通過したことにもとづいて、普通図柄に関する抽選が実行され、抽選結果が当りであることにもとづいて、普通可変入賞球装置20が開放される。なお、図7(A)において(X)で示される時点の遊技状態は低ベース状態であるとすると、高ベース状態の場合と同様に低ベース状態でも高い確率で(具体的には、249/250で)当りになるが、始動口にも相当する普通可変入賞球装置20が開放延長される割合は低いので(図15参照)、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞して特別図柄の関する始動条件(実行条件)が成立する可能性は低い。ただし、始動条件が成立すると、後述するように高い確率で高ベース状態になり(図26,図27参照)、上述したように、その後、普通図柄に関する当りと特別図柄に関する大当りとが連続的に発生することになる。
普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことにもとづいて、特別図柄に関する抽選が実行され、大当りのうちの第1大当り(大当り遊技後に確変状態に移行するか、または確変状態が継続することになる大当り)にすることに決定されると、大当り回数カウンタの値が更新される。具体的には、+1される。大当りのうちの第2大当り(大当り遊技後に通常状態(非確変状態)に移行するか、または通常状態が継続することになる大当り)にすることに決定されると、大当り回数カウンタの値が初期化される。具体的には0にされる。なお、いずれの大当りにすることに決定された場合でも、遊技状態(ベース状態)は高ベース状態に移行されるか、または高ベース状態が継続する。
以上の制御は、大当り回数カウンタの値が所定値(この実施の形態では、29)に達しない場合に実行される。大当り回数カウンタの値が所定値に達した場合には、図7(B)に示すように、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことにもとづいて、特別図柄に関する抽選が実行され、大当りのうちの第2−A大当りにすることに決定されると、大当り遊技後に高ベース状態が継続される。大当りのうちの第2−B大当りにすることに決定されると、大当り遊技後に低ベース状態に移行する。なお、いずれの大当りにすることに決定された場合でも、大当り遊技後に、遊技状態(確変/非確変状態)は非確変状態になる。すなわち、リミッタが作動すると、遊技状態は、確変状態から非確変状態に移行する。また、いずれの大当りにすることに決定された場合でも、大当り回数カウンタの値が初期化される。具体的には0にされる。なお、「リミッタが作動する」とは、特別遊技状態において発生可能な大当りの回数がリミット値になることを意味する。しかし、この実施の形態では、大当りの回数がリミット値になっても、ベース状態は高ベース状態のままである場合がある(具体的には、第2−A大当りが発生した場合)。
また、第1大当りまたは第2大当りが初めて発生した後、リミッタが作動するまで遊技状態は必ず特別遊技状態(具体的には、高ベース状態)であるから、リミッタが作動することになる回数(特別遊技状態において発生可能な大当りの回数がリミット値になることを意味する。)の直前で第2大当りが発生することは遊技者にとって相対的に有利である。特別遊技状態が長期継続した上で大当り回数カウンタの値が0に初期化され、かつ、高ベース状態が維持されるからである。なお、高ベース状態は、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞しやすい状態であり(図15参照)、また、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞した場合(始動領域に遊技球が入賞した場合)にはほぼ100%の割合で大当りになり(図26参照)、かつ、再び特別遊技状態に移行する可能性が高い(図27参照)。なお、特別遊技状態において第1大当り(図27参照)が発生することは遊技者にとってさほど有利なことではない。大当り回数カウンタの値が、遊技状態を非確変状態に移行させることになるリミット値に近づくからである。
また、この実施の形態では、図8に示すように、大当り遊技状態における大入賞口の開放時間は短く、かつ、大入賞口が開放しているときの入賞許容数は少ない(例えば、1個)ので、大当り遊技状態よりも、普通可変入賞球装置20が開放状態(上述したように、普通可変入賞球装置20の開放中に8個の遊技球の入賞が許容される。)になりやすくなっている高ベース状態の方が、遊技者にとってより有利な状態である。
図8は、普通図柄および飾り図柄の可変表示、可変入賞球装置の制御状態、特別図柄の可変表示を説明するための説明図である。
図8に示す例では、遊技球がゲート32Bを通過すると(または、入賞口32Aに入賞すると)、普通図柄の変動を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10および演出表示装置9において普通図柄および飾り図柄の変動が実行される。普通図柄の表示結果が当り図柄である場合には、普通可変入賞球装置20が所定期間(図8に示す例では、5.0秒)開放状態に制御される。普通可変入賞球装置20が開放状態に制御されている間、始動領域に遊技球が入賞可能(通過可能)になり、特別図柄の始動条件が成立することが可能になる。なお、後述するように普通可変入賞球装置20の開放パターンは複数種類あり、普通可変入賞球装置20が5.0秒開放する開放パターンは、そのうちの1つである。
特別図柄表示器8において特別図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄の始動条件の成立(普通可変入賞球装置20への遊技球の入賞)にもとづいて、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が実行される。特別図柄の表示結果が大当り図柄である場合には、大当り遊技が実行される。すなわち、大入賞口(特別可変入賞球装置15)が、所定時間(この実施の形態では、1.0秒)の閉鎖時間を挟んで所定回(例えば、2回)開放状態に制御される。開放時間は、この実施の形態では、1.0秒である。
図8に示すように、普通可変入賞球装置20が開放可能になっている状態(当り遊技が実行されている状態)と大当り遊技状態(特別可変入賞球装置15が開放可能な状態になっている状態)とが重複する場合、普通可変入賞球装置20が最終的に閉鎖状態に変化する時期は、大当り遊技の最終ラウンド(この実施の形態では、第2ラウンド)が終了して特別可変入賞球装置15が最終的に閉鎖状態に変化する時期よりも早い。よって、始動条件を成立させることになる普通可変入賞装置20の有利状態が継続している期間中において所定の数値データの値が初期化された後に始動条件が成立する状況を回避することができる。なお、規定の時間で普通可変入賞球装置20および特別可変入賞球装置15が開放制御されると、特別可変入賞球装置15が最終的に閉鎖状態に変化する時期の方が早くなってしまう場合には、大当り遊技の最終ラウンドの時間が延長される。また、大当り遊技の規定時間(この実施の形態では、1.0秒+1.0秒+1.0秒)を、普通可変入賞球装置20が開放可能になっている状態と特別可変入賞球装置15が開放可能な状態になっている状態とが重複する場合に必ず特別可変入賞球装置15が後に閉鎖するように、この実施の形態における3.0秒よりも長く定めるようにしてもよい。
図9は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、普通図柄の可変表示に同期して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8B00(H),8B01(H)は、普通図柄表示器10における普通図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。すなわち、はずれにするか当りにするかを示す演出制御コマンドである。以下、コマンド8B00(H),8B01(H)を、普通図柄表示結果特定コマンドということがある。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、特別図柄表示器8における特別図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。すなわち、はずれにするか、第1大当りにするか、第2大当りにするか、第2−A大当りにするか、第2−B大当りにするかを示す演出制御コマンドである。以下、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を、表示結果特定コマンドということがある。
コマンド8F00(H)は、普通図柄表示器10における普通図柄の停止を知らせるとともに演出表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド8F01(H)は、特別図柄表示9における特別図柄の変動開始を知らせる演出制御コマンド(特別図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8F02(H)は、特別図柄表示9における特別図柄の変動終了を知らせる演出制御コマンド(特別図柄変動終了指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。CPU56は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、2ラウンドの大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、2ラウンドの大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。
コマンドB0XX(H)は、特別遊技状態における大当りの発生回数を指定するコマンド(大当り回数指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り回数指定コマンドを送信せず、演出制御用マイクロコンピュータ100が、特別遊技状態における大当りの発生回数を計数するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの発生回数がリミット値(例えば、30)になると、リミッタが作動することを示す演出制御コマンドを送信してもよい。その場合、具体的には、大当り回数カウンタの値が29になった後、大当りが発生するときに、リミッタの作動を示す演出制御コマンドを送信する。
コマンドC001(H)およびC002(H)は、通過時判定結果(遊技球のゲート通過または入賞口32Aへの入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(通過時判定結果指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、判定処理が当りであることを示す演出制御コマンドであり、コマンドC002(H)は、判定処理がはずれであることを示す演出制御コマンドである。この実施の形態では、後述するゲートスイッチ通過処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過時に普通図柄当り判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。
コマンドC003(H)は、ゲートスイッチ通過処理において、普通図柄当り判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかの判定を実行しなかったことを示す演出制御コマンド(通過時判定非実行指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)は、XXで示される数のゲート入賞記憶数(普通図柄保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(普通図柄保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC501(H)は、ゲート入賞記憶数の減算(1減らすこと)を指定する演出制御コマンド(普通図柄保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、例えば、図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、LEDの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
次に、CPU56が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図10は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、入賞口スイッチ32aまたはゲートスイッチ32bがオン状態となったこと、すなわち遊技球が入賞口32Aに入賞したかまたはゲート32Bを通過したことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。その後、ステップS100〜S105のいずれかの処理を実行する。
ステップS100〜S105の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値になっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101):普通図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:変動パターンによって変動時間も特定される。)を、遊技球が入賞口32Aに入賞したかまたはゲート32Bを通過したときに抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS103)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS103):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS104):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、普通電動役物(普通可変入賞球装置20)への遊技球の入賞個数をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行する。また、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖して、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物閉鎖時間または次回変動待機時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動閉鎖中処理(ステップS105)を示す値(この例では「5」)に更新する。
普通電動役物閉鎖中処理(ステップS105):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトした場合には、普通可変入賞球装置20の第2回目の開放前であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、普通可変入賞球装置20を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示す値(この例では「4」)に更新する。第2回目の開放後であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図11は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS115)。最大値に達していなければ、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し(ステップS116)、ソフトウェア乱数である変動パターン決定用乱数(ランダム2)および普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)の値を抽出して、すなわち普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタの値を読み出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS117)。また、CPU56は、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす(ステップS118)。また、CPU56は、ゲート通過記憶数(普通図柄保留記憶数)を示す普通図柄保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。なお、ステップS117の処理で変動パターン決定用乱数の値を抽出せず、変動パターン決定用乱数の値を、普通図柄の変動開始時に(例えば、普通図柄変動パターン設定処理において)抽出するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
この実施の形態では、普通図柄の変動を開始するタイミングで、普通図柄通常処理において当りとするか否かを決定するのであるが、遊技球が入賞口32Aに入賞したタイミングまたはゲート32Bを通過したタイミングでも、その通過にもとづく普通図柄の変動表示が開始される前に、ステップS123〜S126の通過時判定処理を実行することによって、あらかじめ普通図柄当り判定用乱数の値が当りの判定値になるかはずれの判定値になるかを確認する。そして、普通図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ当り/はずれを判定し、ゲート通過時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって当りになることを予告するための所定の予告演出を実行する。
CPU56は、まず、遊技状態が高ベース状態であるか否か(具体的には、高ベース状態フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS121)。高ベース状態であれば、通過時判定処理を実行することなくステップS128に移行する。
また、CPU56は、大当り遊技中であるか否か確認する(ステップS122)。大当り遊技中である場合には、通過時判定処理を実行することなくステップS128に移行する。
なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、後述する特別図柄プロセスフラグの値によって確認される。すなわち、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が、図23に示す大当り表示処理(ステップS304)、大入賞口開放前処理(ステップS305)、大入賞口開放中処理(ステップS306)または大当り終了処理(ステップS307)を示す値である場合には、大当り遊技中であると判定する。なお、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が、大入賞口開放前処理(ステップS305)または大入賞口開放中処理(ステップS306)を示す値である場合に、大当り遊技中であると判定してもよい。
また、特別図柄プロセス処理で大当り遊技中であることを示すフラグをセットし、そのフラグによって大当り遊技中であると判定してもよい。その場合、例えば、大当り表示処理の開始時に大当り遊技中であることを示すフラグをセットし、大当り終了処理の終了時に当該フラグをリセットする。または、第1ラウンドの大入賞口開放前処理の開始時に大当り遊技中であることを示すフラグをセットし、第2ラウンド(最終ラウンド)の大入賞口開放中処理終了時に当該フラグをリセットする。
CPU56は、大当り遊技中でないと判定した場合には、ステップS117の処理で抽出された普通図柄当り判定用乱数と普通図柄当り決定テーブルに設定されている判定値とを比較し、遊技球の入賞口32Aへの入賞またはゲート32Bの通過にもとづいて将来開始される普通図柄の変動の表示結果が当り図柄になるかはずれ図柄になるか(すなわち、当りになるかはずれになるか)を判定する(ステップS123)、当りになると判定した場合には、通過時判定当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS124,S125)。はずれになると判定した場合には、通過時判定はずれ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS124,S126)。
ステップS128では、CPU56は、通過時判定処理を実行しなかったことを示す通過時判定非実行指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、以下、通過時判定非実行指定コマンドも、通過時判定結果指定コマンドに含める。
また、この実施の形態では、通過時判定非実行指定コマンドを使用するが、通過時判定非実行指定コマンドを使用せず、通過時判定処理を実行しなかったときには、何等のコマンドも送信しないようにしてもよい。
図12は、普通図柄の当りに関する判定値が設定された普通図柄当り決定テーブルの一例を示す説明図である。図12には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数値がとりうる範囲が0〜249であるのに対して、普通図柄当り決定テーブルに、249個の当りに対応する判定値が設定されている。すなわち、当り確率は、249/250である。
図13は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマ(図20におけるステップS159の処理でセットされる)がタイムアウトしているか否か確認する(ステップS270)。タイムアウトしていない場合には、普通図柄プロセスタイマの値を−1して(ステップS278)、処理を終了する。普通図柄プロセスタイマが既にタイムアウトしている場合には、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS271)。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数および変動パターン決定用乱数を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS272)。
そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS273)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、普通図柄表示器41において点灯している表示器の数を1減らす(ステップS274)。また、ゲート通過記憶数を1減算することを指定する普通図柄保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS275)。なお、普通図柄保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後のゲート通過記憶数を指定するコマンドを送信してもよい。
次いで、CPU56は、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするか決定する普通図柄当り判定処理を実行する(ステップS276)。
図14は、普通図柄当り判定処理を示すフローチャートである。図14に示すように、普通図柄当り判定処理において、CPU56は、ステップS272の処理で読み出した普通図柄当り判定用乱数の値と普通図柄当り決定テーブル(図12参照)に設定されている当り判定値とを比較する(ステップS93)。
CPU56は、ステップS93の処理による比較の結果、当りになる場合(普通図柄当り判定用乱数の値がいずれかの当り判定値と一致した場合)には(ステップS94)、普通図柄当りフラグをセットする(ステップS95)。
また、CPU56は、当りの種類(具体的には、普通可変入賞球装置20の開放パターン)を決定する。すなわち、開放パターン決定用乱数(ランダム5)と当りの種類のそれぞれに対応して当り種類決定テーブルに設定されている判定値とを比較して当りの種類(開放パターン)を決定する(ステップS96)。そして、当りの種類を、RAM55の所定領域に格納する(ステップS97)。
図15は、当りの種類のそれぞれに対応して判定値が設定されている当り種類決定テーブルの一例を示す説明図である。図15に示す例では、当りの種類として、第1当り、第2当り、第3当りの3種類があり、高ベース状態では、当りの種類は、第2当りまたは第3当りに決定される。低ベース状態では、当りの種類は、第1当りまたは第2当りに決定される。すなわち、CPU56は、高ベース状態では、第2当りと第3当りとに判定値が割り当てられたテーブル(図15の左側に示すテーブル)を用い、低ベース状態では、第1当りと第2当りとに判定値が割り当てられたテーブル(図15の右側に示すテーブル)を用いる。なお、低ベース状態において、第2当りに決定される割合は1/150であり、149/150の割合で第1当りに決定される。
なお、遊技状態が低ベース状態のときの普通図柄の当選確率を低くし(例えば、1/250)、遊技状態が高ベース状態である場合に100%に近い割合になるようにしてもよい。その場合には、普通可変入賞球装置20の開放パターンは1種類(開放時間が長い開放パターン)でもよい。換言すれば、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合には常に開放時間が長い開放パターンで普通可変入賞球装置20が開放されるが、遊技状態が低ベース状態のときの普通図柄の当選確率を低くし(例えば、1/250)、遊技状態が高ベース状態である場合に100%に近い割合にしてもよい。
また、高ベース状態と低ベース状態とで異なるテーブルを用いるのではなく、ベース状態に関わらず1つのテーブル(例えば、開放時間が短い開放パターンに対応する判定値と開放時間が長い開放パターンに対応する判定値とが設定されている。)を用いて、開放時間が短い開放パターンが選択されたときに、高ベース状態であれば、使用する開放パターンを、開放時間が長い開放パターンに相当する開放パターンに決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ランダム5は、ステップS96の処理で抽出されるが、図13に示されたゲート通過処理において、ランダム2およびランダム3とともに抽出され、ランダム2およびランダム3と同様に保存領域に保存されてもよい。また、この実施の形態では、普通図柄の変動開始時に普通可変入賞球装置20の開放パターンが決定されるが、開放パターンを、普通可変入賞球装置20の開放開始時に決定するようにしてもよい。その場合、例えば、普通図柄停止時処理において、表示結果が当りの場合に、ランダム5を用いて開放パターンを決定する。
図16は、第1当り、第2当り、第3当りの普通可変入賞球装置20の開放パターンを説明するための説明図である。図16に示す例では、第1当りの場合には、0.2秒の閉鎖期間をおいて、普通可変入賞球装置20は0.1秒で2回開放される(図16(A)参照)。
第2当りの場合には、0.5秒の閉鎖期間をおいて、普通可変入賞球装置20は3.0秒および1.8秒で2回開放される(図16(B)参照)。
第3当りの場合には、普通可変入賞球装置20は5.0秒で1回開放される(図16(C)参照)。
その後、CPU56は、普通図柄通常処理において、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS277)。
図17は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS131)。普通図柄当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認するために高ベース状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS132)。遊技状態が高ベース状態でなく低ベース状態である場合には、低ベース当り変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS133)。
遊技状態が高ベース状態であるとき(高ベース状態フラグがセットされているとき)は、高ベース状態において当りになるときに使用する高ベース当り変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS134)。
図18は、この実施の形態で用いられる変動パターンを示す説明図である。図18において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は普通図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」になる場合には、リーチを伴わない通常変動の変動パターンと、はずれ時ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)の変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンとが使用される。
飾り図柄の停止図柄が「当り図柄」になる場合には、通常変動の変動パターンと、高ベース状態のときにのみ使用される高ベース時通常変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用される当り時ノーマルリーチの変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用されるスーパーリーチの変動パターンとが使用される。
低ベース当り変動パターン決定テーブルには、当りのときに選択される変動パターンのうち、通常変動の変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用される当り時ノーマルリーチの変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用されるスーパーリーチの変動パターン(図18における「01(H)」、「05(H)」,「06(H)」の変動パターン)のそれぞれに対応する複数の判定値が割り当てられている。
高ベース当り変動パターン決定テーブルには、高ベース状態において当りのときにのみ選択される変動パターン(図18における「02(H)」)に対応する判定値のみが設定されている。
普通図柄当りフラグがセットされていないときは、CPU56は、はずれになるときに使用するはずれ用変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS135)。
はずれ用変動パターン決定テーブルには、はずれのときに選択される変動パターン(図18における「01(H)」,「03(H)」,「04(H)」)のそれぞれに対応する複数の判定値が割り当てられている。
そして、CPU56は、乱数格納バッファに格納されている変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS133,S134,S135の処理で選択した変動パターン決定テーブルを用いて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS136)。なお、CPU56は、はずれにする場合に、低ベース状態において、はずれ用変動パターン決定テーブルを選択し、高ベース状態であるときには、変動パターンを「通常変動」の変動パターンに決定する。
また、この実施の形態では、はずれにすることに決定された場合に、変動パターン決定用乱数とはずれ用変動パターン決定テーブルとにもとづいて普通図柄の変動パターンが決定されるが、はずれにすることに決定された場合には、リーチ判定用乱数を使用して、リーチ判定用乱数の値にもとづいてリーチにするか否か決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、「はずれ図柄」になる場合にも「当り図柄」になる場合にも使用される変動パターン(例えば、通常変動、はずれ時ノーマルリーチの変動パターンおよびロングリーチを伴う変動パターン)があるが、変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」になる場合にのみ使用されるはずれ専用の変動パターンと、飾り図柄の停止図柄が「当り図柄」になる場合にのみ使用される当り専用の変動パターンとに区別されていてもよい。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに、変動パターンで特定される普通図柄の変動時間に相当する値をセットする(ステップS137)。また、CPU56は、ステップS136の処理で決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを送信する制御を行う(ステップS138)。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS139)。
図19は、普通図柄変動処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS143)。そして、CPU56は、図柄停止指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS144)。
また、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS145)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS146)。
図20は、普通図柄停止時処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通図柄停止時処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS151)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS152)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS153)。
普通図柄当りフラグがセットされているときは、CPU56は、開放パターンが2回開放の場合には普通可変入賞球装置20の1回目の開放を示す1回目開放フラグをセットする(ステップS154)。また、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(開放時間:図16参照)に相当する値をセットする(ステップS155)。
また、CPU56は、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にし(ステップS156)、入賞個数カウンタの値を0にクリアしておく(ステップS157)。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS158)。
ステップS153において、普通図柄当りフラグがセットされていないと判定ししたときは、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに次回変動待機時間(普通電動役物の閉鎖時から次回の普通図柄の変動を開始するまでの待機時間)に相当する値をセットする(ステップS159)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS160)。
図21は、普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示すフローチャートである。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、ステップS167に移行する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ23がオンしている場合には(ステップS163)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS164)。そして、入賞個数カウンタの値が8になったか否か確認する(ステップS165)。入賞個数カウンタの値が8になった場合には、CPU56は、第1回開放フラグがセットされていたらリセットする(ステップS166)。そして、ステップS167に移行する。
ステップS167では、CPU56は、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20を閉鎖状態にする(ステップS166)。
そして、第1回開放フラグがセットされている場合には(ステップS168)、普通図柄プロセスタイマに閉鎖時間(図16参照)に相当する値をセットする(ステップS169)。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物閉鎖中処理(ステップS105)を示す値(具体的には「5」)に更新する(ステップS171)。
第1回開放フラグがセットされていない場合には、すなわち第2回の開放が行われた場合には、普通図柄プロセスタイマに次回変動待機時間に相当する値をセットする(ステップS170)。そして、ステップS171に移行する。なお、次回変動待機時間が経過すると、CPU56は、普通図柄に関する保留記憶(ゲート通過記憶)が0でないことを条件として、次回の普通図柄の変動を開始する。また、普通電動役物開放中処理において普通図柄プロセスタイマに次回変動待機時間をセット(ステップS170の処理を実行)するのではなく、普通電動役物閉鎖中処理におけるステップS185の処理を実行する前において、普通図柄プロセスタイマに次回変動待機時間をセットするようにしてもよい。その場合には、図13に示されたステップS270の処理で、次回変動待機時間が経過したか否か判定される。
図22は、普通電動役物閉鎖中処理(ステップS105)を示すフローチャートである。普通電動役物閉鎖中処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS181)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、ステップS182に移行する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS190)。また、CPU56は、入賞個数カウンタの値が既に8になっている場合にはステップS195に移行する(ステップS191)。入賞個数カウンタの値が8になっていない場合には、入賞口スイッチ23がオンしている場合には(ステップS192)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS193)。そして、入賞個数カウンタの値が8になったか否か確認する(ステップS194)。入賞個数カウンタの値が8になった場合には、第1回開放フラグがセットされていたら第1回開放フラグをリセットする(ステップS195)。
ステップS182では、CPU56は、第1回開放フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS183)。なお、この実施の形態では、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20が閉鎖する直前に遊技球が入賞し、閉鎖中に入賞口スイッチ23がオンしたことによって入賞個数カウンタの値が8になった場合には(ステップS194で「Y})、普通図柄プロセスタイマの値が0になったらステップS183の処理が実行される(ステップS195の処理が実行された後、ステップS181,S190,S191,S195の処理が、普通図柄プロセスタイマの値が0になるまで繰り返される。)。しかし、ステップS195の処理を実行した後、直ちにステップS183の処理を実行するようにしてもよい。
第1回開放フラグがセットされている場合は、CPU56は、第1回開放フラグをリセットし(ステップS184)、普通図柄プロセスタイマに2回目の普通電動役物作動時間(図16参照)をセットする(ステップS185)。そして、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20を開放状態にし(ステップS186)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS187)。
なお、この実施の形態では、当り遊技中に普通可変入賞球装置20に8個の遊技球が入賞すると当り遊技は終了する。すなわち、2回開放の場合でも、1回目の開放中に普通可変入賞球装置20に8個の遊技球が入賞した場合には、当り遊技は終了する。
次に、特別図柄および大入賞口の制御を説明する。図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。CPU56は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、大当りにするか否か(特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りにする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では「1」)に更新する。
特別図柄変動開始処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示が開始されてから導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)に相当する値を特別図柄プロセスタイマにセットすることによって特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動時間は一定時間(すなわち、特別図柄の変動パターンは1種類)である。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では「2」)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。特別図柄変動開始処理でセットされた変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では「3」)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、大当りフラグがセットされているか否か確認する。大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では「4」)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では「0」)に更新する。
大当り表示処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100が大当りの発生を報知するための制御を行っている時間が経過したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では「5」)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置15を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では「6」)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置15を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では「5」)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや高ベース状態フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では「0」)に更新する。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(例えば「0」)になっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技中でもない場合)には(ステップS51)、入賞口スイッチ23がオンしたか否か確認する(ステップS52)。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動の開始条件(始動条件)の成立を記憶する保留記憶は設けられていない。
CPU56は、入賞口スイッチ23がオン状態であることを確認したら、乱数回路503からランダムR(大当り判定用乱数)となる値を抽出する(ステップS53)。そして、CPU56は、大当り判定処理処理を実行する(ステップS54)。
図25は、大当り判定処理を示すフローチャートである。図25に示すように、大当り判定処理において、CPU56は、まず、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを確認するために確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS81)。
遊技状態が通常状態である場合(確変フラグがセットされていないとき)には、CPU56は、通常状態のときの大当り判定で使用する通常時大当り判定テーブルを選択し(ステップS82)、ステップS53で読み出した大当り判定用乱数の値と通常時大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値とを比較して大当りにするか否か決定する。大当り判定用乱数の値がいずれかの大当り判定値と一致したら大当りにすることに決定する。また、CPU56は、確変フラグがセットされている場合には、確変時大当り判定テーブルを選択し(ステップS84)、ステップS53で読み出した大当り判定用乱数の値と確変時大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値とを比較する(ステップS85)。
大当りにすることに決定した場合には(ステップS86)、大当りフラグをセットする(ステップS87)。
図26(A)は、通常時大当り判定テーブルを示す説明図であり、図26(B)は確変時大当り判定テーブルを示す説明図である。図26(A)に示すように、通常時大当り判定テーブルには、大当り判定値として0〜64225が設定されている。大当り判定用乱数の値がとりうる範囲0〜65535であるから、通常遊技状態のときに大当りに決定される確率(特別図柄の当選確率)は約98%である。
図26(B)に示すように、確変時大当り判定テーブルには、大当り判定値として0〜65535が設定されている。従って、確変状態のときに大当りに決定される確率(特別図柄の当選確率)は100%である。なお、確変状態において常に大当りにするのではなく、高い割合(例えば、99%)で大当りにするようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が通常状態のときは高い確率で大当りになり、遊技状態が確変状態のときは常に(100%の確率で)大当りになる。
なお、この実施の形態では、確変状態のときに大当りに決定される確率(特別図柄の当選確率)は100%であるから、ステップS84,S85の処理を実行しないようにしてもよい。さらに、確変フラグがセットされているときには、直ちに大当りフラグをセットするようにしてもよい。
大当り判定処理を実行した後、CPU56は、大当りフラグがセットされたか否か確認する(ステップS55)。大当りフラグがセットされていない場合、すなわち、はずれに決定された場合には、ステップS63に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、ランダム1:図6参照)を生成するためのカウンタから値(大当り種別決定用乱数)を抽出する。そして、大当り種別決定テーブルを用いて、大当り種別決定処理を実行する(ステップS56)。
図27は、大当り種別決定テーブルを示す説明図である。図27に示すように、大当り種別決定テーブルには、リミッタ非作動時(大当り回数カウンタが所定値に達していないとき)に使用されるテーブル(図27(A)参照)と、リミッタ作動時(具体的には、リミッタが作動することになるとき、すなわち大当り回数カウンタが所定値に達したとき)に使用されるテーブル(図27(B)参照)とがある。
ステップS56の処理で、CPU56は、大当り回数カウンタの値が所定値=[リミット値−1]未満であるときには、図27(A)に示すテーブルを使用し、大当り回数カウンタの値が所定値であるときには、図27(B)に示すテーブルを使用する。この実施の形態では、所定値は29であるから、大当り回数カウンタの値が29未満であるときには図27(A)に示すテーブルを使用し、大当り回数カウンタの値が29であるときには図27(B)に示すテーブルを使用する。
なお、図27(A)に示すテーブルを使用するか図27(B)に示すテーブルを使用するか判定する際に、リミット値(=30)にもとづいて判定するのではなく、所定値=[リミット値−1]であるか否かにより判定するのは、ステップS56の処理が実行されるときには、大当り回数カウンタの値が変更されていないからである。例えば、30回目の大当りが発生するときの特別図柄の変動に関してステップS56の処理が実行されるときの大当り回数カウンタの値は29のままである。
図27(A)に示すリミッタ非作動時に使用されるテーブルにおいて、第1大当り(大当り遊技後に、確変状態(高確率状態)にするとともに高ベース状態にし、リミッタ数の更新を行う(大当り回数カウンタの値を1増やす)ことになる大当り)に対応する判定値として0〜18が設定され、第2大当り(大当り遊技後に、非確変状態(低確率状態:通常状態)にするとともに高ベース状態にし、リミッタ数の初期化を行う(大当り回数カウンタの値を0にする)ことになる大当り)に対応する判定値として19が設定されている。
この実施の形態では、リミッタ非作動時に、確変大当り(第1大当りに対応)と決定される確率(確変決定率)は95%(1/20)である。確変決定率が95%であるということは、通常状態のときに確変大当りになって確変状態に移行される割合が95%であるとともに、確変状態のときに確変大当りになって確変状態が継続される割合も95%であるということである。
また、リミッタ非作動時に、高ベース状態にすると決定される確率は100%である。100%であるということは、低ベース状態のときに大当りになって高ベース状態に移行される割合が100%であるとともに、高ベース状態のときに大当りになって高ベース状態が継続される割合も100%であるということである。
図27(B)に示すリミッタ作動時に使用されるテーブルにおいて、第2−A大当り(大当り遊技後に、非確変状態(低確率状態:通常状態)にするとともに高ベース状態にし、リミッタ数の初期化を行う(大当り回数カウンタの値を0にする)ことになる大当り)に対応する判定値として0〜10および19が設定され、第2−B大当り(大当り遊技後に、非確変状態(低確率状態:通常状態)にするとともに低ベース状態にし、リミッタ数の初期化を行う(大当り回数カウンタの値を0にする)ことになる大当り)に対応する判定値として11〜18が設定されている。
この実施の形態では、リミッタ作動時に、確変大当りと決定される確率(確変決定率)は0%である。確変決定率が0%であるということは、常に、確変状態は終了するということである。
また、リミッタ作動時に、高ベース状態にすると決定される確率は60%(12/20)である。低ベース状態にすると決定される確率は40%(8/20)である。
次に、CPU56は、ステップS56の処理で決定した表示結果(大当り種別)に応じた図柄情報(例えば、特別図柄の停止図柄を特定可能な情報)をRAM55における図柄情報バッファに格納する(ステップS57)。ステップS57の処理は、大当り種別を記憶する処理に相当する。
また、CPU56は、第1大当りとすることに決定した場合には、大当り回数カウンタの値を+1する(ステップS58,S62)。また、第1大当り以外に決定した場合には、大当り回数カウンタの値を0に初期化する(ステップS61)。そして、ステップS63に移行する。なお、リミッタが作動するとき(すなわち、大当り回数カウンタの値が29(そのときに大当りが発生すると大当りの発生回数がリミット値である30になることを意味する。)の場合)には、第2−A大当りまたは第2−B大当りが発生する。なお、CPU56は、ステップS61,S62の処理を、大当り終了処理において実行してもよい。
ステップS63では、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する。ただし、この実施の形態では、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定されている。具体的には、「1」が第1大当り図柄であり、「3」が第2大当り図柄であり、「5」が第2−A大当り図柄であり、「7」が第2−B大当り図柄である。なお、大当り図柄として、大当りの種別に応じて一種類の停止図柄を使用するのではなく、複数種類の図柄から選択するようにしてもよい。
また、はずれ図柄も一種類「0」しか設けられていないので、はずれに決定されたことによって、はずれ図柄も自動的に決定される。
なお、この実施の形態では、まず大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定した後に大当り種別を決定する場合を示したが、大当りとするか否かの決定と大当り種別の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、各々の大当りの種別のそれぞれに判定値が割り当てられたテーブルを用意し、そのテーブルにもとづいて、いずれかの大当りの種別にすることに決定された場合には、大当りとすることに決定されたことにしてもよい。つまり、大当りとするか否かと大当りの種別とを同時に決定してもよい。また、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動開始処理(ステップS301)に対応した値(例えば「1」)に更新する(ステップS64)。そして、処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動開始処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄変動開始処理において、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の変動時間に相当する値を設定する(ステップS211)。この実施の形態では、特別図柄の変動時間は、特別図柄の表示結果(停止図柄)が、はずれであるのか大当りであるかを問わずに一定時間(例えば、0.5秒)である。そして、CPU56は、特別図柄の変動を開始させる(ステップS212)。また、特別図柄変動開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS213)。さらに、表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS214)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(例えば「2」)に更新する(ステップS215)。なお、この実施の形態では、はずれであるか大当りであるかを問わず変動パターンは同じであるが、CPU56は、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS221)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしているか否か確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS222)、タイムアウトしていない場合には、処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を停止させ、停止図柄を導出表示する(ステップS223)。
また、CPU56は、特別図柄変動終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS224)。また、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の停止図柄を停止表示させる期間である図柄停止時間に相当する値をセットする(ステップS225)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(例えば「3」)に更新する(ステップS226)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS231)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしているか否か確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)する(ステップS232)。タイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS233)。大当りフラグがセットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグ、および高ベース状態状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットし(ステップS234)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS235)。また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS236)。また、大入賞口の開放回数を示す開放回数カウンタに2をセットする(ステップS237)。なお、大当り表示処理において開放回数カウンタに開放回数(例えば、2)を設定するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS304)に対応した値(例えば「4」)に更新する(ステップS238)。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(例えば「0」)に更新する(ステップS241)。
図31は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置15)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、開放時間(この実施の形態では、1.0秒)に応じた値を設定する(ステップS406)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値(例えば「6」)に更新する(ステップS407)。
なお、図31に示す処理が第2ラウンドについて実行される場合(開放回数カウンタの値が0である場合)には、ステップS406の処理で、CPU56は、普通図柄の当りにもとづく当り遊技が実行されているときには、その時点から普通可変入賞球装置20が最終的に閉鎖されるまでの時間(残余時間とする。)と大入賞口の開放時間とを比較し、大入賞口の開放時間の方が短いときには、残余時間よりもやや長い(例えば、0.1秒長い)時間に相当する値を、大入賞口制御タイマに設定する。そのような処理を実行することによって、当り遊技が実行されている状態と大当り遊技状態とが重複する場合、普通可変入賞球装置20が最終的に閉鎖状態に変化する時期が、必ず、大当り遊技の最終ラウンド(この実施の形態では、第2ラウンド)が終了して特別可変入賞球装置15が最終的に閉鎖状態に変化する時期よりも早くなる。なお、上述したように、大当り遊技の規定時間(この実施の形態では、1.0秒+1.0秒+1.0秒)を、当り遊技が実行されている状態と大当り遊技状態とが重複する場合に必ず特別可変入賞球装置15が後に閉鎖するように、この実施の形態における3.0秒よりも長く定めるようにしてもよい。例えば、最も長い当り遊技である第3当りにもとづく当り遊技の時間である5秒よりも長い時間にする。また、大当り遊技におけるエンディング演出の規定時間を長くすることによって必ず特別可変入賞球装置15が後に閉鎖するようにしてもよい。
CPU56は、当り遊技が実行されているか否かを、例えば、普通図柄プロセスフラグの値によって確認する。普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物開放中処理に対応する値、または普通電動役物閉鎖中処理に対応する値であって第1回開放フラグがセットされている場合(すなわち、第1回目の開放と第2回目の開放との間の閉鎖期間である場合)には、当り遊技が実行されていると判定する。また、残余時間を、普通可変入賞球装置20の開放時間、普通可変入賞球装置20の閉鎖時間、および普通図柄プロセスタイマの値によって判断する。例えば、その時点が、普通可変入賞球装置20の第1回目の開放と第2回目の開放との間の閉鎖期間である場合には、閉鎖時間と普通図柄プロセスタイマの値との差から閉鎖期間の残りの時間を算出し、算出した時間に第2回目の開放時間を加算した時間が残余時間である。また、当り種別が2回開放が行われる第1当りまたは第2当りであって、その時点が、普通可変入賞球装置20の第1回目の開放中であれば、第1回目の開放時間と普通図柄プロセスタイマの値との差から第1回目の開放期間の残り時間を算出し、算出した時間に閉鎖時間と第2回目の開放時間とを加算した時間が残余時間である。なお、その時点が、普通可変入賞球装置20の第1回目の開放中であるのか第2回目の開放中であるのかを識別するために、例えば、普通電動役物開放回数カウンタを設け、CPU56は、普通可変入賞球装置20を開放する度に普通電動役物開放回数カウンタの値を+1する(初期値は0)。普通電動役物開放回数カウンタの値によって、第1回目の開放中であるのか第2回目の開放中であるのかを識別することができる。
図32および図33は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS430)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS431)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、大入賞口スイッチ14aがオンしたか否か確認し(ステップS432)、大入賞口スイッチ14aがオンしていなければ、処理を終了する。大入賞口スイッチ14aがオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタ(大入賞口入賞個数カウンタ)の値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば、1)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S431とS432の判定順は逆でもよい。また、入賞個数カウンタ(大入賞口入賞個数カウンタ)は、普通図柄プロセス処理で使用される入賞個数カウンタとは別のカウンタである。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置15)を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値を0にクリアする(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値(例えば「5」)に更新する(ステップS441)。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS445)。なお、大当り回数指定コマンドの2バイト目(EXTデータ)には、大当り回数カウンタの値を設定する。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS446)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(例えば「7」)に更新する(ステップS447)。
図34は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否か確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ、処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大当りが第1大当りであったか否か確認する(ステップS473)。
第1大当りであったときは、CPU56は、確変フラグおよび高ベース状態フラグをセットする(ステップS473,S478)。そして、ステップS481に移行する。第2大当りであったときは、CPU56は、高ベース状態フラグをセットする(ステップS474,S475)。第2−A大当りであったときは、CPU56は、高ベース状態フラグをセットする(ステップS476,S477)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新する(ステップS481)。
図34に示すように、ステップS473,S474,S476のいずれの判定でも「N」となった場合、すなわち、大当りの種別が第2−B大当りであった場合には(図27参照)、高ベース状態フラグはセットされない。図30に示されたステップS234の処理で高ベース状態フラグはリセットされているので、遊技状態(ベース状態)は、低ベース状態に移行する。換言すれば、大当り回数カウンタの値が「29」であるときに大当りの種別が第2−A大当りでなかった(すなわち、第2−B大当りであった)ときには、遊技状態は高ベース状態から低ベース状態に移行する。
なお、この実施の形態では、確変状態において30回連続して大当りが発生するとリミッタが作動することになる。大当り回数カウンタの値が所定値である29であるとき(そのときに大当りが発生すると大当りの発生回数がリミット値である30になる状態)に決定される大当りの種別は第2−A大当りまたは第2−B大当りであり、いずれの大当りも、大当り遊技の終了後に確変フラグをセットしないことになる大当りだからである。ただし、リミッタが作動することになる30回は一例であって、リミッタが作動する大当りの回数は30回以外であってもよい。また、その回数を、大当りの種類に応じて異ならせるようにしてもよい。また、例えば乱数を用いた抽選によって回数を決めるようにしてもよい。また、大当りの種別が第2−A大当りであっても第2−B大当りであっても遊技状態は低確率状態に移行するが(図27(B)参照)、ベース状態が高ベース状態であれば(第2−A大当りであった場合)、遊技球が普通可変入賞球装置20に入賞しやすく(すなわち、始動入賞が発生しやすく)、かつ、大当りになる確率は略100%であるから(図25参照)、再び容易に大当りが発生する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図35は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。飾り図柄プロセス処理では、演出表示装置9における飾り図柄の変動制御等を実行する。また、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等を実行する。その後、ステップS702に移行する。
図36および図37は、演出制御処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンド(上記のように、普通図柄の可変表示に同期して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄はずれ指定コマンドであれば(ステップS620)、演出制御用CPU101は、普通図柄はずれ指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS621)。
また、受信した演出制御コマンドが普通図柄当り指定コマンドであれば(ステップS622)、演出制御用CPU101は、普通図柄当り指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、図柄確定指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、その普通図柄保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で示された数の表示を普通図柄保留記憶表示部18dに表示する(ステップS627)。また、RAMの領域である普通図柄保留記憶数カウンタの値を、普通図柄保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータで示された数(値)にする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、普通図柄保留記憶表示部18dの表示を1減らす(ステップS630)。また、RAMの領域である普通図柄保留記憶数カウンタの値を、普通図柄保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータで示された数(値)にする(ステップS631)。
受信した演出制御コマンドが通過時判定結果指定コマンド(通過時判定当り指定コマンドまたは通過時判定はずれ指定コマンドのいずれか)であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、通過時判定結果指定コマンド(通過時判定当り指定コマンド、通過時判定はずれ指定コマンドまたは通過時判定非実行指定コマンド)を受信したことを示す通過時判定結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。また、受信した通過時判定当り指定コマンド、通過時判定はずれ指定コマンドまたは通過時判定非実行指定コマンドに応じた通過時判定結果(当り、はずれ、または非実行)を通過時判定結果記憶バッファに保存する(ステップS643)。
受信した演出制御コマンドが特別図柄変動開始指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、特別図柄変動開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが特別図柄変動終了指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンド(はずれ指定コマンド、第1大当り指定コマンド、第2大当り指定コマンド、第2−A大当り指定コマンド、第2−B大当り指定コマンド)であれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが大当り回数指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、大当り回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で示された数を、RAMにおける大当り回数エリアに保存する(ステップS658)。以下、大当り回数エリアに保存されている値を、大当り回数カウンタの値ということがある。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
なお、演出制御用CPU101は、大当り回数指定コマンドによってリミッタが作動することを把握可能であるが(例えば、2バイト目のデータが「29」である大当り回数指定コマンドを受信した後、2バイト目のデータが「0」である大当り回数指定コマンドを受信したときに、リミッタが作動したとする。)、遊技制御用マイクロコンピュータ560がリミッタの作動を示す演出制御コマンドを送信するように構成されている場合には、そのコマンドでリミッタが作動することを把握する。
図38は、通過時判定結果を保存する領域(通過時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図38に示すように、この実施の形態では、通過時判定結果記憶バッファには、普通図柄保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、この実施の形態では、通過時判定結果記憶バッファには、受信した通過時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。
図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および予告演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
予告決定用乱数SR2は、予告演出(連続予告演出)を実行するか否か決定するための乱数である。
図40は、メイン処理における飾り図柄プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S803のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図41は、図40に示された飾り図柄プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。なお、変動パターンコマンド受信フラグは、ステップS614,S616の処理で、普通図柄の可変表示に同期して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(すなわち、変動パターンコマンド)を受信したことを確認した場合にセットされる。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図42は、図40に示された飾り図柄プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、通過時判定結果記憶バッファに記憶されている1つ目の通過時判定結果(今回実行する変動表示に対応する通過時判定結果)を削除し、通過時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS817)。なお、シフトによって通過時判定結果記憶バッファから押し出される(すなわち、消去される。)通過時判定結果は、これから開始される可変表示(変動)に対応するものである。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行中フラグ(受信した通過時判定結果指定コマンドにもとづいて実行される予告演出を実行していることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS818)。
予告演出実行中フラグは、ステップS6004の処理で(図43参照)、予告演出を実行することに決定されたときにセットされる。従って、既に予告演出を実行中である場合(予告演出を実行することに決定されているが予告演出が開始されていないときも含む。)には、予告演出の決定処理を重ねて実行しないように制御される。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、予告演出決定処理を実行する(ステップS819)。
図43は、予告演出決定処理を示すフローチャートである。予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、通過時判定結果記憶バッファに記憶されているデータの中に「当り」があるか否か判定する(ステップS6001)。「当り」がある場合には、予告演出決定用乱数を抽出し、抽出した予告演出決定用乱数の値を予告演出決定テーブルに設定されている判定値と比較することによって予告演出を実行するか否か決定する(ステップS6002)。そして、予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6003)、予告演出実行中フラグをセットする(ステップS6004)。
また、演出制御用CPU101は、予告対象の保留記憶(ステップS6001の処理で「当り」と判定した通過時判定結果に対応する保留記憶)にもとづく普通図柄および飾り図柄の可変表示(変動)が開始されるまでに実行される変動の回数(普通図柄保留記憶数カウンタの値すなわち普通図柄保留記憶数に相当)を予告回数カウンタにセットする(ステップS6005)。なお、予告回数カウンタにセットされる変動の回数は、予告対象の保留記憶にもとづく変動も含んだ回数である。また、予告回数カウンタにセットされる変動の回数の最大値は「3」である。この時点では、普通図柄保留記憶数カウンタの値から、今回の変動に対応する値(すなわち「1」)が減算されているからである(図36におけるステップS631参照)。
また、ステップS6005の処理では、演出制御用CPU101は、通過時判定結果記憶バッファに複数の「当り」を示す通過時判定結果が記憶されている場合には、「最先」の「当り」を示す通過時判定結果に対応する保留記憶にもとづく変動が開始されるまでに実行される変動の回数を予告回数カウンタにセットする。「最先」とは、通過時判定結果のうち、最も早く、その通過時判定結果に対応する保留記憶にもとづく変動が実行されることになる通過時判定結果のことである。
図44は、予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。図44に示すように、この実施の形態では、1〜100の範囲をとりうる予告演出決定用乱数の値に対して、1〜85の値が予告演出を実行することに対応する判定値である。
図45は、連続予告の演出例を説明するための説明図である。図45に示す例では、ある可変表示中には画像9pが表示され(予告a1が実行され)、次の可変表示中には画像9qが表示され(予告a2が実行され)、さらに次の可変表示中には画像9rが表示される(予告a3が実行される)。つまり、予告a1→予告a2→予告a3の順で予告演出が行われることによって、連続予告が実行される。なお、連続予告において、予告a3は実行されるが、予告a1,a2は実行されない場合がある。予告回数カウンタにセットされる変動の回数が「1」の場合である。また、予告a2および予告a3は実行されるが、予告a1は実行されない場合がある。予告回数カウンタにセットされる変動の回数が「2」の場合である。
なお、この実施の形態では、表示結果を当り図柄にする普通図柄の変動までの1回以上の変動に全てに亘って連続的に予告演出が実行されるが、全ての変動のうちの一部の変動(例えば、3回の変動のうちの1回または2回の変動)において予告演出が実行されるようにしてもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、予告演出を実行すると決定した場合に、所定の乱数(例えば、予告回数決定用乱数)を用いて、実行可能な変動のうちの何回の変動において予告演出を実行するか否か決定する。または、予告演出決定テーブルにおいて、[予告あり+予告回数]に対応する判定値を設定し、演出制御用CPU101が、予告演出を実行するか否決定するときに、予告演出の回数を決定する。
また、この実施の形態では、予告演出の種類は図45に例示された1種類であるが、複数種類の予告演出(例えば、予告a1→予告a2→予告a3の順の連続予告演出とは異なる態様の連続予告演出(一例として、予告b1→予告b2→予告b3の連続予告演出や、予告c1→予告c2→予告c3の連続予告演出))を用いてもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、予告演出を実行すると決定した場合に、所定の乱数(例えば、予告種類決定用乱数)を用いて、いずれの種類の予告演出を実行するのかを決定する。または、予告演出決定テーブルにおいて、[予告あり+予告種類]に対応する判定値を設定し、演出制御用CPU101が、予告演出を実行するか否決定するときに、予告演出の種類を決定する。
また、この実施の形態では、予告演出として、連続予告を使用するが、他の態様の予告演出を使用してもよい。例えば、連続予告に加えて、通常予告(1回のみ実行される予告演出)も用いてもよい。
さらに、連続予告の回数や予告演出の種類を複数のうちから選択するように構成する場合に、遊技状態に応じて選択割合を変えるようにしてもよい。例えば、高ベース状態では特定の回数や種類が選択されやすく、低ベース状態では他の特定の回数や種類が選択されやすいようにする。
また、この実施の形態では、「当り」の通過時判定結果のみを対象にして予告演出が実行されるが、当りの種別(普通可変入賞球装置20の開放パターン)も考慮して予告演出の実行割合を変えるようにしてもよい。例えば、第2当りまたは第3当り(図15参照)になると判定された場合には、第1当りになると判定された場合に比べて、予告演出の実行割合を高くする。そのように制御する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲートスイッチ通過処理(図11参照)において、開放パターン決定用乱数を抽出し、抽出した開放パターン決定用乱数にもとづいて開放パターンも判定する。そして、判定した開放パターンを特定可能な演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
また、この実施の形態では、「当り」の通過時判定結果のみを対象にして予告演出が実行されるが、特に、高ベース状態において当り確率を向上させる場合には、通過時判定結果が「はずれ」の場合でも予告演出が実行されるようにしてもよい。その場合には、予告決定テーブルに、通過時判定結果が「当り」の場合に使用するテーブルと、通過時判定結果が「はずれ」の場合に使用するテーブルとを含める。そして、通過時判定結果が「はずれ」の場合に使用するテーブルに設定される予告演出を実行することになる判定値数を、通過時判定結果が「当り」の場合に使用するテーブルに設定される判定値数よりも少なくする。
連続予告の回数や予告演出の種類を複数のうちから選択するように構成するときに、通過時判定結果が「はずれ」の場合でも予告演出が実行されるように構成する場合に、「はずれ」の場合と「当り」の場合とで、当り/はずれに応じて選択割合を変えるようにしてもよい。例えば、「当り」の場合には特定の回数(比較的多い回数)や特定の種類が選択されやすく、低ベース状態では他の特定の回数や種類が選択されやすいようにする。また、予告演出について当りの種別(普通可変入賞球装置20の開放パターン)も考慮する場合には、開放時間が長い開放パターンであると判定されたときと開放時間が短い開放パターンであると判定されたときとで、連続予告の回数や予告演出の種類の選択割合を変えるようにしてもよい。例えば、開放時間が長い開放パターンである場合には特定の回数(比較的多い回数)や特定の種類が選択されやすく、開放時間が短い開放パターンである場合に他の特定の回数や種類が選択されやすいようにする。
そして、図42に示された飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。また、受信した演出制御コマンド(普通図柄はずれ指定コマンド、普通図柄当り指定コマンド、変動パターンコマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。なお、普通図柄はずれ指定コマンドを受信した場合には普通図柄はずれ指定コマンド受信フラグがセットされ、普通図柄当り指定コマンドを受信した場合には普通図柄当り指定コマンド受信フラグがセットされている(図36参照)。演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。そして、セットされている普通図柄はずれ指定コマンド受信フラグまたは普通図柄当り指定コマンド受信フラグ(普通図柄表示結果特定コマンド)をリセットする(ステップS822)。
図46は、演出表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図46に示す例では、普通図柄の表示結果が当りである場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。ただし、普通図柄の表示結果が当りである場合でも、変動パターンが「通常変動」(図18参照)である場合には、飾り図柄の停止図柄を3図柄が揃った組合せにはせず、少なくとも、左右の飾り図柄が揃わない組合せにする。普通図柄の表示結果がはずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。なお、リーチ演出を伴うか否かは、受信した変動パターンコマンドにもとづいて判定される。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定され、かつ、リーチすることに決定されていない場合、および普通図柄当り指定コマンド受信フラグがセットされているが変動パターンが「通常変動」である場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、当りを想起させるような停止図柄を当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、この実施の形態では、「はずれ図柄」になる場合にも「当り図柄」になる場合にも使用される変動パターン(例えば、通常変動、はずれ時ノーマルリーチの変動パターンおよびロングリーチを伴う変動パターン)があるが、普通図柄の表示結果が当りである場合に使用される変動パターンと普通図柄の表示結果がはずれの場合に使用される変動パターンとが別である場合には、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドによって、普通図柄の表示結果が当りであるははずれであるかを判定することができる。よって、その場合には、普通図柄はずれ指定コマンドおよび普通図柄当り指定コマンドを使用せず、受信した変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定してもよい。
また、この実施の形態では、低ベース状態での当り(普通図柄に関する当り)のときには、通常変動の変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用される当り時ノーマルリーチの変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用されるスーパーリーチの変動パターン(図18における「01(H)」、「05(H)」,「06(H)」の変動パターン)が使用され、上記のように、通常変動の変動パターンによって変動が実行されるときには、飾り図柄の表示結果を「はずれ図柄」にするが、リーチを伴う変動パターンによって変動が実行されるときには、飾り図柄の表示結果を「当り図柄」にした。しかし、低ベース状態において、リーチを伴う変動パターン(ノーマルリーチの変動パターンまたはスーパーリーチの変動パターン)によって変動が実行されるときにも、飾り図柄の表示結果を「はずれ図柄」(この場合には、左右の図柄は揃うが中図柄は左右図柄とは不一致)にしてもよい。なお、この実施の形態では、普通可変入賞球装置20の開放時間が短い第1当り(図15参照)は低ベース状態においてのみ使用されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が当り種類(普通可変入賞球装置20の開放パターン)を特定可能な演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用CPU101は、当り種類が第1当りである場合には、飾り図柄の表示結果を「はずれ図柄」にするようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS829)。
図47は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体(枠LED28等)の点滅を制御する。
図47に示すプロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。
図48は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図48に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の演出が実現される。なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。後述するように、演出制御用CPU101が変動制御タイマがタイムアウトする毎に飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込むことによって、飾り図柄の変動が実現される。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。音声データROM704に格納されている音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりであるから、演出制御用CPU101は、例えば飾り図柄の変動開始時に音番号データを音声出力基板70に出力する。なお、出力済みの音声データにもとづく音出力を中断させたいときには、演出制御用CPU101は、音声出力基板70に、例えば中断を示す音番号データを出力すればよい。
図42に示すステップS829の処理で、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じてプロセステーブルを選択する。
演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS830)。そして、継続演出の実行中でなければ(ステップS831)、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS832)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LED)の制御を実行する(ステップS833,S834)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(飾り図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。
なお、ステップS831の処理によって、継続演出の実行中には、飾り図柄の変動、および飾り図柄の変動に伴う演出は実行されない。なお、演出制御用CPU101は、ステップS831の処理では、演出制御プロセス処理でセットされる継続演出実行中フラグがセットされているか否かによって、継続演出の実行中であるか否か判定する。この実施の形態では、継続演出の実行中には飾り図柄の変動は実行されないが、演出表示装置9の表示画面の一部(例えば、画面のいずれかの端)において飾り図柄の変動が行われるようにしてもよい。
なお、継続演出実行中フラグがセットされていないときすなわち低ベース状態であるときに第1大当りまたは第2大当りが発生すると、いずれの大当りも大当り遊技の終了後に遊技状態が高ベース状態に移行されるとともに、継続演出が開始される。継続演出は、リミッタが作動するまで(具体的には、大当り回数カウンタの値が「29」であるときに第2−B大当りが発生したとき)まで継続して実行される一連の演出(例えば、1つのストーリーを形成するような演出)である。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS835)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS836)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。また、予告演出実行中フラグがセットされている場合には演出開始待ちタイマに、変動開始時から予告演出を開始するタイミングまでの時間に相当する値を設定する(ステップS837)。その後、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS838)。
なお、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図49および図50は、飾り図柄プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出開始待ちタイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ)、演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS840D)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、継続演出実行中でないことを条件に(ステップS844)、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
継続演出実行中である場合には、ステップS845の処理を実行しない。よって、継続演出実行中では、飾り図柄の変動に対応する表示演出は中断される。なお、演出制御用CPU101は、ステップS844の処理では、演出制御プロセス処理でセットされる継続演出実行中フラグがセットされているか否かによって、継続演出実行中であるか否か判定する。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS846)、継続演出の実行中でないことを条件に(ステップS847)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。ステップS848の処理を実行することによって、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
特別図柄の変動中または大当り遊技中である場合には、ステップS848の処理を実行しない。なお、演出制御用CPU101は、ステップS847の処理では、演出制御プロセス処理でセットされる継続演出実行中フラグがセットされているか否かによって、継続演出の実行中であるか否か判定する。特別図柄の変動中または大当り遊技中である場合には、ステップS848の処理が実行されないので、特別図柄の変動中または大当り遊技中では、飾り図柄の変動は中断されることになる。
そして、特別図柄の変動中または大当り遊技中では、演出制御プロセス処理(図52参照)における特別図柄変動中演出処理(ステップS883)やラウンド中処理(ステップS885)等の処理で実行される表示制御にもとづく演出が、演出表示装置9において実行される。
なお、継続演出実行中である場合には、ステップS846〜S849の処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、飾り図柄の変動を実行しないようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は予告演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS850)。予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、ステップS856に移行する。予告演出実行中フラグがセットされている場合には、演出開始待ちタイマが既にタイムアウトしているか否か確認する。すなわち、タイムアウトフラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。演出開始待ちタイマが既にタイムアウトしている場合には、ステップS856に移行する。なお、ステップS851の処理で、ステップS852の処理と同様に演出開始待ちタイマがタイムアウトしたか否か確認し、ステップS851の処理で演出開始待ちタイマがタイムアウトしていないときに、演出開始待ちタイマの値を−1する処理(ステップS840D参照)を実行してもよい。
演出開始待ちタイマがタイムアウトしていることが未だ確認されていない場合には、演出制御用CPU101は、演出開始待ちタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS852)。演出開始待ちタイマがタイムアウトしたことを確認した場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に、予告回数カウンタの値に応じた画像を表示する(ステップS853:図45参照)。
なお、ステップS853の処理では、演出制御用CPU101は、予告回数カウンタの値が3であれば予告a1の演出(図45参照)を実行し、予告回数カウンタの値が2であれば予告a2の演出(図45参照参照)を実行し、予告回数カウンタの値が1であれば予告a3の演出(図45参照参照)を実行する。そして、演出開始待ちタイマがタイムアウトしていることを示すタイムアウトフラグをセットする(ステップS854)。タイムアウトフラグは、例えば、飾り図柄変動停止処理に移行する前にリセットされる。なお、予告回数カウンタの値に応じて別種の演出を実行するのではなく、1つの演出(例えば、予告a1や予告a2)を連続して実行可能であるようにし、1つの演出が連続して実行されるか、各可変表示において別種の演出が実行されるかを、例えば抽選によって決定するようにしてもよい。その場合、予告の対象がはずれのときにも予告演出を実行するように構成されているときには、当りに対する期待度が高い方が、各可変表示において別種の演出が実行されやすい(例えば、予告a1,a2,a3が順次実行されやすい)ようにしてもよい。さらに、1つの演出(例えば、予告a1や予告a2や予告a3)が実行される場合には、予告a1,a2,a3の順に当りに対する期待度が高いようにしてもよい(予告a1が最も当りに対する期待度が高い。)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS856)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、予告演出が実行されていた場合には予告演出に関する画像(例えば、予告演出のためのキャラクタ画像)を演出表示装置9の表示画面から消去し(ステップS858)、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS859)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す図柄確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。
図51は、飾り図柄プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、予告演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップS861)、予告回数カウンタの値を−1する(ステップS862)。そして、予告回数カウンタの値が0になったときには、予告演出実行中フラグをリセットする(ステップS864)。
そして、継続演出の実行中でないことを条件に(ステップS865)、決定されている停止図柄(はずれ図柄または当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS866)。
ステップS866で導出表示された飾り図柄の停止図柄が当り図柄である場合は、普通図柄の停止図柄も当り図柄が導出表示(停止表示)され、可変入賞球装置15の開閉動作が実行される。そこで、この実施の形態では、当り図柄を停止表示した場合には、演出表示装置9に、遊技方法を示唆するための表示を行う(ステップS867)。遊技方法を示唆するための表示は、可変入賞球装置15が設けられている領域(この実施の形態では、遊技領域7における左側の領域を第1領域とし、右側の領域を第2領域とした場合には、第2領域)を狙って遊技球を発射することを報知するための表示であり、一例として、「常に右を狙え」の文字表示を行う。
そして、飾り図柄プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS868)。
図52は、演出制御処理における演出制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、継続演出制御処理を実行した後(ステップS880)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS881〜S888のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、継続演出制御処理については後述する。
演出制御プロセス処理では、発光体、スピーカ27、演出表示装置9等の演出装置を用いて、特別図柄の変動に応じた演出処理を実行可能である。また、特別遊技状態の継続回数を示す大当り回数カウンタの値が0でないときには、演出表示装置9において例えば遊技者によってキャラクタを攻撃可能な演出が継続して実行されるが、そのような演出を開始する制御を行う。なお、「継続して実行される」とは、複数回の変動に亘って一連の演出が実行されることを意味する。なお、一連の演出は、大当り遊技中においても継続して実行される。また、「一連の演出」は、ストーリーが連続しているような演出であり、以下、継続演出ともいう。
ステップS881〜S888の処理は、以下のような処理である。
特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理(ステップS881):遊技制御用マイクロコンピュータ560から特別図柄変動開始指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる特別図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。特別図柄変動開始指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始対応処理(ステップS882)に対応した値に変更する。
特別図柄変動開始対応処理(ステップS882):所定の条件が成立すると、継続演出を開始するための制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動中対応処理(ステップS883)に対応した値に更新する。
特別図柄変動中対応処理(ステップS883):特別図柄の変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動終了対応処理(ステップS884)に対応した値に更新する。
特別図柄変動終了対応処理(ステップS884):大当りの場合には演出制御プロセスフラグの値を、大当り表示対応処理(ステップS885)に対応した値に更新し、はずれの場合には特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)に対応した値に更新する。
大当り表示対応処理(ステップS885):例えば、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中対応処理(ステップS886)に対応した値に更新する。
ラウンド中対応処理(ステップS886):例えば、ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後対応処理(ステップS887)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了対応処理(ステップS888)に対応した値に更新する。
ラウンド後対応処理(ステップS887):例えば、ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中対応処理(ステップS886)に対応した値に更新する。
大当り終了対応処理(ステップS888):例えば、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)に対応した値に更新する。
図53は、図52に示された演出制御プロセス処理における特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)を示すフローチャートである。特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、特別図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS911)。特別図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、特別図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS912)。そして、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始対応処理(ステップS882)に対応した値に更新する(ステップS913)。
図54は、図52に示された演出制御プロセス処理における特別図柄変動開始対応処理(ステップS882)を示すフローチャートである。特別図柄変動開始対応処理において、演出制御用CPU101は、継続演出実行中フラグ(継続演出の実行中であることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS924)。継続演出実行中フラグがセットされている場合には、ステップS932に移行する。
また、演出制御用CPU101は、特別図柄の表示結果を大当りにすることに決定されている場合には(ステップS925)、継続演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS926)。また、継続演出実行中フラグをセットする(ステップS927)。特別図柄の表示結果を大当りにすることに決定されているか否かは、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて判定される(図37におけるステップS655,S656参照)。
なお、継続演出に応じたプロセステーブルが選択された場合には、以後、リミッタが作動するまで(具体的には、大当り回数カウンタの値が「29」であるときに第2−B大当りが発生するまで)、そのプロセステーブルにもとづいて継続した演出が実行される。すなわち、継続演出が実行される。
上述したように、この実施の形態では、継続演出実行中フラグがセットされていないときに発生する大当りは第1大当りまたは第2大当りであるが、いずれの大当りも大当り遊技の終了後に遊技状態を高ベース状態に移行させるので、継続演出は、特別遊技状態に移行することを条件に開始されることになる。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。なお、演出制御プロセス処理で使用されるプロセスタイマは、飾り図柄プロセス処理で使用されるプロセスタイマとは別のタイマである。また、継続演出に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS929)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LED)の制御を実行する(ステップS930,S931)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、特別図柄の変動時間に相当する値を設定し(ステップS932)、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動中対応処理(ステップS883)に対応した値に更新する(ステップS933)。
なお、変動時間タイマに設定される特別図柄の変動時間に相当する値は、1回の特別図柄の変動時間に相当する値である。
また、この実施の形態では、特別図柄の変動に対応する演出は、演出装置(演出表示装置9,LED等の発光体、スピーカ27)において実行されないが、演出装置を用いて、特別図柄の変動に対応する演出を実行してもよい。
図55は、図52に示された演出制御プロセス処理における特別図柄変動中対応処理(ステップS883)を示すフローチャートである。特別図柄変動中対応処理において、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値を−1する(ステップS941)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS942)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動終了対応処理(ステップS884)に応じた値に更新する(ステップS944)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、特別図柄変動終了指定コマンドを受信したことを示す特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS943)、演出制御用CPU101は、ステップS944の処理を実行する。なお、特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグは、特別図柄変動中演出終了処理においてリセットされる。
図56は、図52に示された演出制御プロセス処理における大当り終了対応処理(ステップS888)を示すフローチャートである。大当り終了対応処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了時間タイマが設定されているか否か確認する(ステップS951)。大当り終了時間タイマが設定されている場合には、ステップS956に移行する。大当り終了時間タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS952)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS953)、大当り終了時間タイマに大当り終了時間(遊技制御手段における大当り終了処理に要する時間に相当する時間)に相当する値を設定する(ステップS954)。
演出制御用CPU101は、大当り終了時間タイマが動作中である場合には、大当り終了時間タイマの値を1減算する(ステップS956)。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了時間タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(ステップS957)。経過していない場合には処理を終了する。大当り終了時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、大当りの種類を確認する。なお、大当りの種類は、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドで確認される。
また、第2−B大当りであった場合には、継続演出実行中フラグをリセットする(ステップS958)。第2−B大当り以外の場合には継続演出実行中フラグはリセットされないので継続演出が続行することになる(図54におけるステップS924参照)。第2−B大当りであった場合には、継続演出は終了することになる。すなわち、継続演出を最初から実行することが可能になる。図54に示すステップS924,S925,S926の処理で、あらためて演出用のプロセステーブルが選択されるからである。
また、第1大当りであった場合には、確変中フラグをセットする(ステップS959)。第1大当り以外であった場合には、確変中フラグをリセットする(ステップS960)。なお、確変中フラグがセットされているときに、演出制御用CPU101は、確変状態であることを示唆するような演出を行ってもよい。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンドにもとづいて確変中フラグのセット/リセットを行うが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、確変状態または非確変状態(通常状態)であることを示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2−B大当りであった場合には、高ベース状態フラグをリセットする(ステップS961)。第2−B大当り以外であった場合には、高ベース状態フラグをセットする(ステップS962)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンドにもとづいて高ベース状態フラグのセット/リセットを行うが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、高ベース状態または低ベース状態であることを示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)に応じた値に更新する(ステップS963)。
なお、この実施の形態では、大当り遊技に関して、演出装置(演出表示装置9、発光体、スピーカ27)を用いた演出は実行されないが、大当り遊技中に演出装置を用いた演出を実行するようにしてもよい。
図57〜図61は、継続演出(一連の演出)の一例を示す説明図である。
図57に例示する継続演出では、演出表示装置9の表示画面に、継続演出の趣旨を示す文字に加えて、スティックコントローラ122の操作を促す画像9aが表示される(図57(A)参照)。次いで、照準を示す画像9c、ターゲットを示す画像9d,9e、および大当り回数カウンタの残り回数(リミッタ作動までに発生可能な大当り回数)を示唆するメータ状の画像9bが表示される(図57(B)参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技者によるスティックコントローラ122の操作状況に応じて、画面における照準を示す画像9cを移動させたり(図57(C),(D)参照)、砲弾が発射されたかのような画像を表示する(図57(E)参照)。
なお、継続演出の進行中に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示の実行回数に応じて、メータ状の画像9bの状態を変化させる(図57(B)〜(E)参照)。すなわち、残り回数(発生可能な大当りの回数)を示唆する部分が減っていくように表示制御を行う。
図57(F),(G)に示す例では、ターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示す報知画像9fが表示された後、何らかの価値が遊技者に付与されたことを示す報知画像9gが表示される。報知画像9gが表示されるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータ状の画像9bの残り回数を示唆する部分を100%表示にする。
図57(F),(G)に示された例は、リミッタが作動する前に、第2大当り(リミッタ数の初期化を行う(大当り回数カウンタの値を0にする)ことになる大当り)が発生したときに実行される例である。
図58に例示する継続演出において、図58(A)〜(E)に示す状態は、図57(A)〜(E)に示す状態と同じである。しかし、図58に示す例では、ターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示す報知画像9fが表示された後(図58(F)参照)、何らかの価値が遊技者に付与されたことを示す報知画像9gは表示されない(図58(G)参照)。
図58(F),(G)に示された例は、リミッタが作動する前に、第1大当り(リミッタ数の更新を行う(大当り回数カウンタの値を1増やす)ことになる大当り)が発生したときに実行される例である。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータ状の画像9bの残り回数を示唆する部分を少なくする表示制御を行う(図58(G)参照)。
図59および図60に例示する継続演出において、図59(A)〜(G)に示す状態は、図58(A)〜(G)に示す状態と同じである。しかし、図59および図60に示す例では、特別のターゲットが出現したことを報知する文字(「ボス登場」)の画像9hが、演出表示装置9の表示画面に表示される(図59(H)参照)。
図59(H)に示された例は、もう1回大当りが発生するとリミッタが作動して特別遊技状態(例えば、高ベース状態)が終了する可能性があることを示唆するための演出に相当する。すなわち、図59(H)に示された演出が実行される場合の大当り回数カウンタの値は「29」である。
図59(H)に示された演出に続いて、図60(I)および(J)〜(M)の演出、または図60(I)および(N)〜(Q)の演出が実行される。なお、図60(I)に示す例において、特別のターゲットは画像9eで示されている。
図60(I)および(J)〜(M)の演出では、照準に向かって砲弾が発射されたかのような画像が表示され(図60(J),(K)参照)、ターゲットを示す画像9eに砲弾が命中したことを示す報知画像9fが表示される(図60(L)参照)。その後、メータ状の画像9bの残り回数を示唆する部分を100%表示にする(図60(M)参照)。
また、図60(I)および(N)〜(Q)の演出では、照準に向かって砲弾が発射されたかのような画像が表示され(図60(N),(M)参照)、ターゲットを示す画像9eに砲弾が命中しなかったことを示す報知画像9iが表示される(図60(P)参照)。その後、演出が終了したことを示す画像9jが表示される(図60(Q)参照)。なお、演出が終了したことを示す画像9jは、低ベース状態に移行することを示唆するための画像に相当する。
図60(I)および(J)〜(M)の演出は、リミッタが作動する際に、第2−A大当り(リミッタ数の初期化を行う(大当り回数カウンタの値を0にする)が、高ベース状態にすることになる大当り)が発生したときに実行される演出である。その場合、継続演出実行中フラグはリセットされず、一連の演出は続行される。一例として、図59(C)の状態に戻る。図60(I)および(N)〜(Q)の演出は、リミッタが作動する際に、第2−B大当り(リミッタ数の初期化を行い(大当り回数カウンタの値を0にする)、低ベース状態にすることになる大当り)が発生したときに実行される演出である。
図61に示す継続演出の例は、継続演出が実行されているときに、遊技者がスティックコントローラ122の操作を行わなかった場合の例である。図61(A)〜(E)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータ状の画像9bの残り回数を示唆する部分を徐々に少なくする表示制御を行う。その後、残り回数が0になったときに、演出が終了したことを示す画像9jが表示される(図61(F)参照)。
図62および図63は、図52に示された継続演出制御処理(ステップS880)を示すフローチャートである。継続演出制御処理において、演出制御用CPU101は、継続演出の実行中であることを示す継続演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1000)。継続演出実行中フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。なお、継続演出実行中フラグは、図54に示されたステップS927の処理でセットされる。すなわち。継続演出に応じたプロセステーブルにもとづく継続演出の実行が開始されたときにセットされる。
継続演出に応じたプロセステーブルには、継続演出中のターゲットの画像9d,9eの動きや画面の背景を実現するための演出制御実行データ(図47参照)が設定されている。また、図54に示されたステップS929〜S931の処理によって、継続演出の開始時の演出(図57(A)等参照)が実行される。
継続演出実行中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、大当り回数カウンタの値に応じて、メータ状の画像9bの状態を変化させる(ステップS1002:図57(B)〜(E)等参照)。すなわち、残り回数(発生可能な大当りの回数)を示唆する部分を、大当り回数カウンタの値に応じたサイズになるような表示制御を行う。
また、プロセスタイマの値を−1する(ステップS1003)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS1004)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS1005)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS1006)。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107(図3参照)を介して、スティックコントローラ122の下部に設けられている傾倒方向センサユニット123からの操作検出信号を確認する(ステップS1007)。操作検出信号の状態が変化した場合には、変化後の操作検出信号に応じて、すなわちスティックコントローラ122の傾斜方向に応じて、照準を示す画像9cの位置を変化させる(ステップS1008)。
なお、この実施の形態では、傾倒方向センサユニット123によってスティックコントローラ122が移動されたことを検出するが、スティックコントローラ122を回転可能に設けるとともに、回転を検出するセンサを設け、そのセンサからの信号を併用して、照準を示す画像9cの位置を変化させるようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、大当り回数が、所定数[この例では、(リミット値である30)−1]になったときに、ターゲットの画像9d,9eのうちの一方を特別のターゲットに変更する(ステップS1011,S1012:図59(H)参照)。
演出制御用CPU101は、入力ポート106(図3参照)を介して、スティックコントローラ122のプッシュボタン120の押下がなされたか否か確認する(ステップS1021)。プッシュボタン120の押下がなされていない場合には、ステップS1035に移行する。プッシュボタン120の押下がなされた場合には、状況に応じて、継続演出の内容を変化させる。
すなわち、ステップS1022,S1023の処理で、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンド(図37におけるステップS642参照)が第2大当り指定コマンド(図9参照)である場合には、演出表示装置9においてターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示す報知画像9fを表示した後(図57(E),(F)参照)、何らかの価値が遊技者に付与されたことを示す報知画像9gを表示する(図57(G)参照)。
ステップS1024,S1025の処理で、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドが第1大当り指定コマンド(図9参照)である場合には、演出表示装置9においてターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示す報知画像9fを表示する(図58(E),(F)参照)。
ステップS1031,S1032の処理で、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドが第2−A大当り指定コマンド(図9参照)である場合には、演出表示装置9においてターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示す報知画像9fを表示した後、メータ状の画像9bの残り回数を示唆する部分を100%表示にする(図60(K),(L),(M)参照)。
ステップS1033,S1034の処理で、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドが第2−B大当り指定コマンド(図9参照)である場合には、演出表示装置9においてターゲットを示す画像に砲弾が命中しなかったことを示す報知画像9iを表示した後、演出終了画像(演出が終了したことを示す画像)9jを表示する(図60(O),(P),(Q)参照)。
以上のような制御によって、遊技者がプッシュボタン120を押下したときに、決定されている大当りの種別に応じて、大当り遊技が終了した後の遊技状態を示唆する演出が実現される。
また、遊技者が何等の操作も行わないうちに第2−B大当りになった場合には(ステップS1035)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において演出終了画像9jを表示する(図61(F)参照)
なお、演出制御用CPU101は、遊技者が何等の操作も行わないことを確認するために、例えば、傾倒方向センサユニット123からの操作検出信号の状態が変化したことを検出したりプッシュボタン120が押下されたことを検出したときにフラグをセットし、そのフラグがセットされていない場合に、遊技者が何等の操作も行わなかったと判定する。
図63に示された処理によって図60(Q)や図61(F)に示されたような演出終了画像が表示されるが(ステップS1034,S1036参照)、第2−B大当り(図27参照)になったときに継続演出は終了する(図56におけるステップS958参照)。
なお、図62および図63に示された処理では、プッシュボタン120が押下されたときに、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドに応じた制御が実行されるが(ステップS1022〜S1034参照)、表示結果特定コマンド格納領域には、次に表示結果特定コマンドが受信されるまで前回受信したものが残っているので、実際には、ステップS1022,S1024,S1031,S1033の処理では、例えば、表示結果特定コマンドが受信された時点から所定期間(ただし、所定期間が経過する前に次の表示結果特定コマンドが受信された場合にはその時点まで)において「Y」と判定されるようにする。
また、メータ状の画像9bの残り回数を示唆する部分の表示内容を大当り回数カウンタの値と異ならせるようにしてもよい。例えば、ほとんどの場合には、100%に近い内容表示とし(例えば、80%)、残り回数がある値よりも小さくなったときに、その時点から急激に減少させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技者によってスティックコントローラ122に対する操作がなされたことを条件に、大当りの種類を示唆するための画像(図57に示された第2大当りを示唆するための報知画像9f,報知画像9g、図58に示された第1大当りを示唆するための報知画像9f、図60に示された第2−A大当りを示唆するための報知画像9f)を演出表示装置9に表示したり、リミッタが作動したことを示唆するための画像(図60に示された報知画像9iおよび画像9j)を演出表示装置9に表示するが、遊技者の操作を条件とせずに、それらの画像を表示するようにしてもよい。
その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技者の操作を条件とせずに、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した表示結果特定コマンドで特定される大当りの種別と大当り回数カウンタの値とに応じて、図57に示された第2大当りを示唆するための報知画像9f,報知画像9g、図58に示された第1大当りを示唆するための報知画像9f、図60に示された第2−A大当りを示唆するための報知画像9f、図60に示されたリミッタが作動したことを示唆(第2−B大当りであることの示唆でもある。)するための報知画像9iおよび画像9jを、演出表示装置9に表示する制御を行う。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、特別遊技状態中において第2大当り(大当り遊技終了後に大当り回数カウンタの値を初期化することになる大当り)が発生すると、そのときに、その旨の報知(図58(F),(G)に例示された演出による)を行うようにしたが(ステップS1022,S1023参照)、その報知を、第2大当りとすることに決定した時点よりも後の時点で実行するようにしてもよい。
第2の実施の形態では、第2大当りが発生すると、その後所定回の特別図柄の可変表示が実行された後に第2大当りが発生したことの報知を行う。
図64は、第2の実施の形態におけるコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンドが第2大当り指定コマンドである場合には、報知延期フラグをセットし、延期中変動回数カウンタの値を0に初期化する(ステップS647)。
図65は、第2の実施の形態における特別図柄変動開始対応処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、継続演出中フラグがセットされている場合に(ステップS924)、報知延期フラグがセットされているときには(ステップS935)、延期中変動回数カウンタの値を+1する(ステップS936)。そして、延期中変動回数カウンタの値が所定値(例えば、5)になった場合には、第2大当りを報知するための画面を演出表示装置9に表示する(ステップS938)。また、報知延期フラグをリセットする(ステップS939)。
その他の処理は、第1の実施の形態の処理と同様である。ただし、第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、特別図柄変動終了対応処理において第2大当りを報知するための画面を消去する。また、第2の実施の形態では、図62に示されたステップS1022,S1023の処理を実行しない。
なお、第2大当りを報知するための画面は、例えば、図58(F)に示されたような画面である。
また、第2大当りの発生の報知の遅延に関して、この例では5回の特別図柄の変動が終了するまで遅延されるが、その間に5回の大当りが発生する可能性がある。そして、報知延期フラグをセットしたときの大当り回数カウンタの値がリミット値に近い(例えば、25以上)ときには、第2大当りの発生の報知時期が到来したときに既にリミッタが作動している可能性がある。そのような状況になることを避けるために、大当り回数カウンタの値がリミット値に近い場合には、第2大当りの発生の報知の遅延を行わないようにしたり、リミッタが作動する前に第2大当りの発生の報知が実行されるような値を延期中変動回数カウンタに設定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動中に、第2大当りを報知するための演出を実行したが、大当り遊技中や大当り終了処理において第2大当りを報知するための演出を実行してもよい。また、この実施の形態では、報知延期フラグがセットされているときに所定回の特別図柄の変動が実行されると第2大当りを報知するための演出を実行したが、報知延期フラグがセットされているときに所定回の大当りが発生すると、第2大当りを報知するための演出を実行してもよい。
また、この実施の形態では、常に、第2大当りについての報知を遅らせるようにしたが、抽選によって報知を起こらせるか否か決定したり、遅れの程度を抽選によって決定するようにしてもよい(例えば、何回特別図柄の変動が行われたときに報知するのかを決定)。その場合には、例えば、第2大当り指定コマンドを受信したときに(ステップS647参照)、例えば乱数を用いた抽選によって報知延期フラグをセットするか否か決定したり、例えば乱数を用いた抽選によってステップS937の処理で比較する所定値を決めるようにする。
また、この実施の形態では、第2大当りについての報知を遅らせるようにしたが、第1大当りについても報知(図58(F),(G)に示されたような報知)を遅らせるようにしてもよい。
実施の形態3.
第3の実施の形態では、大当り回数カウンタの値に応じて継続演出の態様を変更する。図66は、第3の実施の形態における継続演出制御処理の一部を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、演出制御用CPU101は、継続演出制御処理において、継続演出の演出態様を変更する演出態様変更処理を実行する(ステップS1001)。
図67は、演出態様変更処理を示すフローチャートである。演出態様変更処理において、演出制御用CPU101は、大当り回数カウンタの値が8未満であれば、90%の割合で演出表示装置9の表示画面を報知A画面に変更し、10%の割合で演出表示装置9の表示画面を報知B画面に変更する(ステップS1041,S1042)。また、大当り回数カウンタの値が25未満であれば、20%の割合で演出表示装置9の表示画面を報知A画面に変更し、80%の割合で演出表示装置9の表示画面を報知B画面に変更する(ステップS1043,S1044)。そして、大当り回数カウンタの値が25以上である場合には、100%の割合で演出表示装置9の表示画面を報知B画面に変更する(ステップS1045)。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同様である。
報知A画面は、例えば、背景色が青系統の画面であり、報知B画面は、例えば、背景色が赤系統の画面である。なお、継続演出の内容は、図57〜図61に例示された内容と同じである。ただし、継続演出の内容を変更することによって、継続演出の演出態様を変更するようにしてもよい。
以上のような制御によって、大当り回数カウンタの値が少ない場合には背景色は青系統になりやすく、大当り回数カウンタの値が中程度の場合には背景色は赤系統になりやすく、大当り回数カウンタの値がリミット値に近い場合には背景色は赤系統になる。
すなわち、継続演出は、複数段階の演出で構成され(背景色が青系統の画面での演出から赤系統の画面での演出に遷移、または背景色が赤系統の画面での演出から青系統の画面での演出に遷移することがある。)、演出制御用CPU101は、複数段階の演出のいずれかの段階の演出を選択する。また、背景色が青系統の画面での演出と背景色が赤系統の画面での演出とを別態様の演出であると捉えた場合には、演出制御用CPU101は、大当り回数カウンタの値に応じて、いずれかの態様の演出を選択することになる。
なお、この実施の形態では、選択されうる態様として、青系統の画面での演出と赤系統の画面での演出との2種類の態様を例示したが、選択されうる態様は、3種類以上であってもよい。
この実施の形態では、遊技者は継続演出の態様によって確変状態が終了するまでに発生可能な大当り回数(残り回数)を予想することが可能になる。例えば、背景色が青系統であれば残り回数が多いと予想でき、背景色が赤系統であれば残り回数が少ないと予想できる。なお、この実施の形態では、演出表示装置9に、大当り回数カウンタの残り回数を示唆するメータ状の画像9bを表示しないようにしてもよい。
また、背景色を変えることによって継続演出の複数種類の演出態様を実現するのではなく、例えば、メータ状の画像9bの残り回数の変化の程度を変えることによって、複数種類の演出態様を実現してもよい。例えば、第1の態様では急激に減少するようにし、第2の態様ではゆるやかに減少するようにする。そのように制御する場合でも、メータ状の画像9bによる残り回数の示唆状況と大当り回数とは厳密には整合しないが、概ねは連動することになる。
なお、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを併用してもよいし、第1の実施の形態と第3の実施の形態とを併用してもよい。また、第1〜第3の実施の形態を併用してもよい。
実施の形態4.
図68は、第4の実施の形態におけるCPU56によるゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1〜第3の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56は、遊技状態が高ベース状態であるとき、および、大当り遊技中であるときに、通過時判定処理を実行しなかった。第4の実施の形態では、図68に示すように、遊技状態が高ベース状態であるときに通過時判定処理を実行せず、大当り遊技中であるときには通過時判定処理を実行する。その他の処理は、第1〜第3の実施の形態の場合と同様である。
実施の形態5.
図69は、第5の実施の形態におけるCPU56によるゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1〜第3の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56は、遊技状態が高ベース状態であるとき、および、大当り遊技中であるときに、通過時判定処理を実行しなかった。第5の実施の形態では、図69に示すように、大当り遊技中であるときに通過時判定処理を実行せず、遊技状態が高ベース状態であるときには通過時判定処理を実行する。その他の処理は、第1〜第3の実施の形態の場合と同様である。
なお、通過時判定処理を実行しない場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56は、通過時判定非実行コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、通過時判定非実行コマンドを受信したことにもとづいて、通過時判定結果バッファに、「非実行」の通過時判定結果を格納する。また、演出制御用CPU101は、図43に示された予告演出決定処理において、通過時判定結果バッファに格納されている「当り」の通過時判定結果に対応する飾り図柄の変動の表示結果を予告対象とする予告演出を実行するか否か決定する。「非実行」の通過時判定結果は予告対象にはならない。このことは、低い割合ではあるが「はずれ」の通過時判定結果についても予告演出を実行する場合も同様である。
つまり、通過時判定処理を実行しないということは、高ベース状態において、もしくは大当り遊技中において、または高ベース状態および大当り遊技中において、通過時判定手段の判定結果にもとづく報知を行わないことを意味する。
実施の形態6.
第1〜第5の実施の形態における制御に加えて、以下のような制御を行ってもよい。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り回数カウンタ(第1の大当り回数カウンタとする。)を初期化することになる第2大当り(図27参照)が発生する度に第2の大当り回数カウンタに初期値としての「1」をセットする。その後、第1大当り(図27参照)が発生する度に第2の大当り回数カウンタの値を+1する。また、第2の大当り回数カウンタの値が「29」になっている(第1の大当り回数カウンタは所定値としての「28」になっている。)ときに大当りが発生すると、演出表示装置9等の演出装置を用いて遊技状態が低確率状態であって低ベース状態になることを報知する演出を実行する(ただし、実際に低確率状態および低ベース状態になるとは限らない。)。そして、第2の大当り回数カウンタの値が「30」になっている(第1の大当り回数カウンタは所定値としての「29」になっている。)ときに大当りが発生すると、その大当りにもとづく大当り遊技後の遊技状態に応じた演出(実際の遊技状態を報知する演出)を実行する。
そのような制御を行う場合には、リミッタの作動に関する遊技の興趣をより向上させることができる。なお、この実施の形態では、第2の大当り回数カウンタを用いるが、第1の大当り回数カウンタのみを用いて上記の制御を実現してもよい。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、遊技球が入賞口32Aに入賞したときおよびゲート32Bを通過したときに抽出された乱数を用いて当りことに決定されるか否か判定する通過時判定処理を実行するように構成された遊技機において、高ベース状態において、もしくは大当り遊技中において、または高ベース状態および大当り遊技中において、通過時判定処理の判定結果にもとづく報知を行わないように制御されている。
また、高ベース状態において通過時判定処理の判定結果にもとづく報知を行わない場合に、上記の実施の形態では、低ベース状態において大当りが発生したときに大当り終了処理(図34参照)において高ベース状態フラグがセットされ、その後、大当り回数カウンタの値が「29」であって第2−B大当り(ベース状態を低ベース状態にすることになる大当り)が発生して大当り遊技状態が終了するときまで、通過時判定処理の判定結果にもとづく報知は行われない。
また、予告演出は、演出表示装置9の表示画面を用いた演出に限られず、スピーカ27による音演出や、LED等の発光体を用いた演出でもよいし、保留記憶の表示態様を変えることによって予告演出を実現してもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、高ベース状態または大当り遊技中においても、通過時判定処理を実行し(すなわち、図11および図68に示されたゲートスイッチ通過処理において、ステップS121の処理を実行しない。)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図43に示された予告演出決定処理において、高ベース状態または大当り遊技中では、ステップS6001〜S6005の処理を実行しないように構成してもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、高ベース状態または大当り遊技中においても、通過時判定処理を実行するが、判定処理の結果を示す通過時判定結果コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、飾り図柄の変動中だけでなく、その他の時点(例えば、大当り遊技中)でも予告演出を実行可能なように構成されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、常に通過時判定処理を実行し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、大当り遊技中では、ステップS6001〜S6005の処理を実行しないように構成してもよい。
上記の実施の形態では、高ベース状態において普通可変入賞球装置20が開放延長される。従って、高ベース状態において当りに対する予告演出(しかも、普通図柄保留記憶にもとづく予告演出)が実行されると、普通可変入賞球装置20が開放するまで遊技者が遊技球の発射を中断することによって遊技機の稼働率が低下することがあるが、上記の各実施の形態の遊技機では、高ベース状態では当りの予告が実行されないようにして、稼働率を低下させないようにすることができる。また、高ベース状態において普通可変入賞球装置20が開放延長されることを知らない遊技者は普通可変入賞球装置20が開放するまで遊技者が遊技球の発射を中断する行為を行わず、高ベース状態における当りに対する予告演出にもとづいて遊技球の発射を中断する遊技者との間で不公平が生ずるが、上記の各実施の形態の遊技機では、そのような不公平を生じさせないようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、大当りになると高い割合で高ベース状態になるので(図27参照)、大当り遊技中に通過時判定処理の判定結果にもとづく報知を行わないようにすることによって、遊技機の稼働率の低下と不公平の発生を防止することができる。
また、通過時判定処理の判定結果にもとづく予告演出を実行する場合には、上記の各実施の形態のように、一般に、演出制御手段が、予告演出を実行するか否か決定する。その場合、普通可変入賞球装置20が開放するまで遊技者が遊技球の発射を中断することが可能になるように、高ベース状態においても予告演出を実行するように構成すると、稼働率の低下および不公平の発生のみならず、遊技機の設計値としての景品獲得率よりも多くの景品が遊技者に獲得されるおそれがある。具体的には、遊技者が遊技球の発射を控えることによって保有球を減らさないようにすることによって、結果として、多くの景品が遊技者に獲得されることになる。すなわち、遊技制御手段による設計値が満足されていても、演出制御手段の制御(すなわち、予告演出の実行)によって、遊技機全体としては、設計値を満足できなくなってしまうおそれがある。しかし、上記の各実施の形態における制御によれば、設計値とのずれが生ずる可能性を低減することができる。
なお、低ベース状態では、当りなっても普通可変入賞球装置20の開放時間は極め短いか、または開放時間が長い開放パターンが選択される割合は極めて小さいので(図15参照)、当りの予告の報知がなされても、遊技者が遊技球の発射を中断することはないと考えられる。
また、上記の各実施の形態では、高ベース状態では、遊技制御手段は、通過時判定処理の判定結果(「当り」または「はずれ」)を示すコマンドを送信せず、かつ、大当り遊技中では、通過時判定処理の判定結果を送信しないようにしたが、2つ特別図柄表示器を備えた遊技機では、以下のような制御を行うこともできる。
すなわち、2つ特別図柄表示器のうちの第1の特別図柄表示器(例えば、開閉状態が変化しない入賞口(可変入賞球装置によらない入賞口)への入賞によって可変表示の開始条件(始動条件)が成立する方の特別図柄表示器)における可変表示に優先して、第2の特別図柄表示器(例えば、可変入賞球装置による入賞口への入賞によって可変表示の開始条件(始動条件)が成立する方の特別図柄表示器)の可変表示が実行されるように構成され、第1の特別図柄表示器の表示結果および第2の特別図柄表示器の表示結果をあらかじめ判定して、判定結果にもとづいて予告演出を実行する遊技機において、第1の特別図柄表示器の表示結果に関する判定結果にもとづく予告演出に関して、高ベース状態および大当り遊技中では、遊技制御手段は判定結果を示すコマンドを送信しないが、第2の特別図柄表示器の表示結果に関する判定結果にもとづく予告演出に関して、常に、遊技制御手段は判定結果を示すコマンドを送信する。
なお、「優先」とは、第2の特別図柄表示器での変動の実行条件を記憶する保留記憶数が0でない場合には、第1の特別図柄表示器での変動の実行条件を記憶する保留記憶数に関わらず、第2の特別図柄表示器での変動を開始することである。また、この場合の判定処理は、変動の実行条件(始動条件)が成立したときに、変動の表示結果(導出図柄)が大当り図柄になるか否かを判定する入賞時判定処理である。
また、遊技機に設けられた役物内に特定領域(いわゆるV領域)が設けられ、V領域への入賞またはV領域の遊技球通過を条件として大当りを発生させたり大当りを継続させたりする遊技機において、時短回数を抽選によって決定するような場合の時短回数(大当り遊技後の時短状態での変動実行可能回数)や大当り遊技のラウンド数(例えば、ラウンド数を抽選によって決定するような遊技機において)、遊技制御手段は、大当り遊技中には、時短回数やラウンド数の入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドを送信しないようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、略全ての場合に大当りにすると決定し、大当り回数カウンタの値が所定値にならないときに、大当りの種別を、大当り回数カウンタの値が更新されるとともに大当り遊技状態の終了後に特別遊技状態への移行条件を成立させることになる第1大当りとするか、大当り回数カウンタの値が初期化されるとともに大当り遊技状態の終了後に特別遊技状態への移行条件を成立させることになる第2大当りとするかを決定し、大当り回数カウンタの値が所定値になるときに、大当りの種別を、大当り回数カウンタの値が初期化されるとともに特別遊技状態の終了条件を成立させることになる第2−B大当りとするか、大当り回数カウンタの値が初期化されるとともに特別遊技状態の終了条件を成立させないことになる第2−A大当りとするかを決定し、大当り遊技状態が終了したときに、特別遊技状態の終了条件を成立させることに決定されている場合には遊技状態を通常状態に移行させ、特別遊技状態の終了条件を成立させないことに決定されている場合には特別遊技状態への移行条件が成立したとして遊技状態を特別遊技状態に移行させるように構成されているので、特別遊技状態の終了条件が成立するまでの間の遊技者の期待感を向上させることができる上に、特別遊技状態の終了条件が成立するときにおける遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り回数カウンタの値が所定値にならないときに、大当りの種別を、大当り種別決定用乱数の値が第1の判定値(図27における判定値0〜10)または第2の判定値(図27における判定値11〜18)と一致する場合に、第1大当りとすることに決定し、大当り種別決定用乱数の値が第3の判定値(図27における判定値19)と一致する場合に、第2大当りとすることに決定し、大当り種別決定用乱数の値が所定値になるときに、大当りの種別を、大当り種別決定用乱数の値が第1の判定値(図27における判定値0〜10)または第3の判定値(図27における判定値19)と一致する場合に第2−A大当りとすることに決定し、大当り種別決定用乱数の値が第2の判定値(図27における判定値11〜18)と一致する場合に第2−B大当りとすることに決定するので、大当り種別決定用乱数の値が第1の判定値または第2の判定値に一致する場合でも、大当り回数カウンタの値が所定値になる前と所定値になるときとで、遊技者にとっての有利/不利の振り分けが異なることになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、遊技状態が通常遊技状態(通常状態)のときの特別図柄の当選確率を98%にしたが、遊技状態が通常状態のときの特別図柄の当選確率を98%にするのではなく、遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかにかかわらず、特別図柄の当選確率を常に100%にしてもよい。その場合には、普通図柄の停止図柄が当り図柄になり普通可変入賞球装置20が開放され始動入賞が発生すれば特別図柄の停止図柄が常に大当りになるので、遊技状態を確認して大当り判定テーブルを切り替える処理や大当りフラグをセットする処理は不要になる。また、大当りフラグによって大当りか否か確認する処理も不要になる。よって、プログラム容量を削減したり処理負担の軽減を実現することができる。
また、特別図柄の当選確率を100%にする場合には、大当り判定用乱数自体をなくすとともに、大当り判定処理もなくしてもよい。その場合には、特別図柄の始動入賞が発生した時点で大当りが確定することになるので、特別図柄の始動入賞が発生した時点で大当りフラグをセットするようにしてもよい。また、特別図柄の変動が終了し特別図柄が停止すると、大当りフラグがセットされたことを確認し、大当りフラグがセットされていたときは、大入賞口開放前処理に移行させる。または、特別図柄の始動入賞が発生した時点で大当りフラグをセットしないようにしてもよい。そして、この場合は、特別図柄の変動が終了し特別図柄が停止すると、自動的に大入賞口開放前処理に移行させる。そのような構成によれば、プログラム容量を削減したり処理負担の軽減を実現することができる。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の変動時間を特定可能な変動パターンを1種類にし、特別図柄の変動時間は一定であったが、特別図柄の変動時間を特定可能な変動パターンを複数種類設け、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動開始処理で大当り判定の結果や大当り種別の結果に応じた変動パターンを選択するようにしてもよい。また、特別図柄変動開始処理で決定された変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動パターンコマンドで特定される変動パターン(変動時間)に応じた演出を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板にして、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御や発光体制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、以下のような遊技機も開示されている。
事前決定手段は、所定の数値データの値が所定値になっていないときに数値データ変更手段により所定の数値データの値が初期化されるとともに特定遊技状態の終了後に所定の移行条件を成立させる特定遊技状態とすることに決定する割合(例えば、95%:図27(A)参照)に比べて、所定の数値データの値が所定値になっているときに数値データ変更手段により所定の数値データの値が初期化されるとともに所定の終了条件を成立させない特定遊技状態と決定する割合(例えば、60%:図27(B)参照)を大きくする遊技機。そのような構成によれば、所定の数値データの値が所定値になる前に所定の数値データの値が初期化されて遊技者にとって有利な遊技状態になる割合よりも、所定の数値データの値が所定値になったときに所定の終了条件が成立しないことによって遊技者にとって有利な遊技状態になる割合が高いので、遊技者に、所定の数値データの値が所定値になるまで期待感を持続させることができる。
遊技機に設けられている演出装置(例えば、演出表示装置9)を用いて一連の演出(例えば、継続演出)を行う演出手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)を備え、演出手段は、特別遊技状態に移行することを条件に一連の演出を開始し(図54におけるステップS924〜S927参照)、所定の終了条件(例えば、高ベース状態を終了させる条件)が成立するまで一連の演出を継続して実行する(図56におけるステップS958参照:第2−B大当りの場合には継続演出実行中フラグがリセットされ演出が継続しないようにされる)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、数値データの値が所定値になるまで演出装置における一連の演出に遊技者を注目させることができ、演出によって、数値データの値が所定値になるまでの遊技者の期待感をより向上させることができる。
一連の演出は、複数段階の演出(例えば、背景色が青系統の画面での演出、赤系統の画面での演出)で構成され、複数段階の演出のいずれかの段階の演出を選択する演出選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS1041〜S1044の処理を実行する部分)を備え、演出選択手段は、所定の数値データの値に応じて、演出を選択する割合を異ならせる(図67参照)ように構成されている遊技機。そのような構成によれば、異なる演出が実行されることによって、数値データの値が所定値になるまでの可変表示の実行可能回数が示唆されることになり、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
遊技機に設けられている演出装置(例えば、演出表示装置9)を用いて所定の演出を行う演出手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)を備え、演出手段は、事前決定手段が、所定の数値データの値が所定値になっていないときに数値データ変更手段により所定の数値データの値が初期化されるとともに特定遊技状態の終了後に所定の移行条件を成立させる特定遊技状態(例えば、第2大当り)とすることに決定した時点よりも後の時点で当該所定の数値データの値を初期化することに決定したことを報知する演出を実行する遅延報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS643,S935〜S938の処理を実行する部分)を含むように構成されている遊技機。そのような構成によれば、数値データの値が初期化されることを報知する時期をずらして、特別遊技状態の継続に対する遊技者の期待感をより向上させることができる。