JP5652351B2 - 有機el照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL照明器具に関し、特に、面状に配列された複数の有機ELパネルを備える有機EL照明器具に関する。
特開2009−164022号公報(特許文献1)に開示されるように、発光素子として複数の有機EL(Organic Electro Luminescence)パネルを備えた照明器具が知られている。このような照明器具においては、複数の有機ELパネルが面状(平面状および曲面状を含む)に配列されることによって、面状の発光部が形成される。
面状の発光部は、面全体が発光するいわゆる面光源を構成する。面光源は、白熱灯およびLED(Light Emitting Diode)のような点光源、ならびに蛍光灯のような線光源とは異なり、輝度を抑えた柔らかな照光を演出することができるため、高品位な用途に適している。また、このような面光源を備えた照明器具は、発光部の厚さを薄く構成することができるため、省スペース化を図ることも可能となっている。
特開2009−164022号公報
本発明は、面状に配列された複数の有機ELパネルを備える有機EL照明器具であって、各々の有機ELパネルにおける長寿命化を図ることが可能な有機EL照明器具を提供することを目的とする。
本発明に基づく有機EL照明器具は、複数の有機ELパネルが平面状または曲面状に配列された発光部を備え、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積と複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積とは、上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルに与えられる熱ストレスが低減されて上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルに与えられる熱ストレスに近くなるように互いに異なっている。
数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積は、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積よりも小さい。
好ましくは、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積と、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積との比は、1:N(Nは2以上の整数)である。
本発明の他の局面に基づく有機EL照明器具は、複数の有機ELパネルが平面状または曲面状に配列された発光部を備え、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積と複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積とは、上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルに与えられる熱ストレスが低減されて上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルに与えられる熱ストレスに近くなるように互いに異なっている。複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積は、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積よりも大きい。
数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の中央側に配置された上記有機ELパネルには、複数の上記有機ELパネルのうちの上記発光部内の外周側に配置された上記有機ELパネルに通電される電流と略同等の電流値を有する電流が通電される。
本発明によれば、面状に配列された複数の有機ELパネルを備える有機EL照明器具であって、各々の有機ELパネルにおける長寿命化を図ることが可能な有機EL照明器具を得ることが可能となる。
実施の形態に関する比較例における有機EL照明器具を示す平面図である。 図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。 実施の形態に関する比較例における有機EL照明器具を所定の時間連続的に点灯させた際の、発光部内における温度分布を示す平面図である。 有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの温度と、有機ELパネルの耐用期間(時間)との相関関係を示す図である。 有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの輝度と、有機ELパネルの耐用期間(時間)との相関関係を示す図である。 実施の形態1における有機EL照明器具を示す平面図である。 実施の形態1における有機EL照明器具の回路構成を示す図である。 実施の形態1における有機EL照明器具の発光時における平均輝度分布を示す平面図である。 実施の形態2における有機EL照明器具を示す平面図である。 実施の形態2における有機EL照明器具の回路構成を示す図である。 実施の形態2における有機EL照明器具の発光時における平均輝度分布を示す平面図である。
[比較例]
本発明に基づいた各実施の形態について説明する前に、本発明に関する比較例について、以下、図面を参照しながら説明する。図1は、本比較例における有機EL照明器具100を示す平面図である。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。
図1および図2に示すように、有機EL照明器具100は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cが面状に配列されることによって構成される発光部10と、複数の有機ELパネル1a,1b,1cを天井(図示せず)または壁面(図示せず)などに固定するための筐体20と、複数の有機ELパネル1a,1b,1cの各々に電流を供給する駆動回路(図示せず)と、を備える。
同一の面積を有する複数の有機ELパネル1a,1b,1cは、6枚×6枚のいわゆるマトリックス状に配列される。具体的には、20枚の有機ELパネル1aが、発光部10内の最外周側において環状に配置される。12枚の有機ELパネル1bが、発光部10内の有機ELパネル1aの1つ内側において環状に配置される。4枚の有機ELパネル1cが、発光部10内の有機ELパネル1bの1つ内側において矩形状に配置される。4枚の有機ELパネル1cは、発光部10内の最中央側に位置している。
複数の有機ELパネル1a,1b,1cは、筐体20に取り付けられる。複数の有機ELパネル1a,1b,1cが発光している際、複数の有機ELパネル1a,1b,1cにおいて発生する熱は、筐体20に伝えられる。筐体20は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cに対して、放熱体として機能する。
筐体20に対して、発光部10の占有面積が相対的に大きくなるように構成される場合がある。外周側に配置された有機ELパネル1aは、周囲に配置される有機ELパネルの数が限られているため、筐体20の放熱作用によって温度上昇しにくい。
一方、中央側に配置された有機ELパネル1cは、その周囲が複数の有機ELパネル1bによって取り囲まれている。筐体20の放熱作用は、有機ELパネル1aの場合に比べて低い。複数の有機ELパネル1a,1b,1c同士の間の間隔が狭くなるように構成される場合、有機ELパネル1cにおける放熱効率は一層低下することとなる。
図3は、有機EL照明器具100を所定の時間連続的に点灯させた際の、発光部10内における温度分布を示す平面図である。図3を参照して、有機EL照明器具100においては、複数の有機ELパネル1a,1b,1c同士の間に放熱効率の差が生じている。この放熱効率の差が原因となって、有機ELパネル1cおよび有機ELパネル1b同士の間の境界線Rc付近においては、周囲の環境温度に対してたとえば+15℃の温度上昇が生じる。
有機ELパネル1bおよび有機ELパネル1a同士の間の境界線Rb付近においては、周囲の環境温度に対してたとえば+10℃の温度上昇が生じる。有機ELパネル1aの外側に位置する境界線Ra付近においては、周囲の環境温度に対してたとえば+5℃の温度上昇が生じる。
このように、有機ELパネル1b付近の放熱効率が有機ELパネル1aの放熱効率よりも低くなり、有機ELパネル1c付近の放熱効率が有機ELパネル1bの放熱効率よりも低くなることによって、発光部10の中央側の温度は、発光部10の外周側の温度よりも高くなる。
有機ELパネルは有機材料から構成され、様々な要因によってこの有機材料は劣化する。一般には、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの温度と有機ELパネルの耐用期間(時間)との間には、次のような相関関係が存在している。
図4は、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの温度と、有機ELパネルの耐用期間(時間)との相関関係L10を示す図である。図4における有機ELパネルの耐用期間(時間)とは、一定の電流を有機ELパネルに通電した際に、初期の状態に比べて所定の輝度(たとえば70%または50%など)にまで低下するまでの時間を意味している。
図4において、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの温度Tの際の耐用期間をL(T)とすると、L(T1)=L1、L(T2)=L2、そして、L(T3)=L3である。T1+5℃=T2であり、T2+5℃=T3であるとすると、たとえば、L1×0.8=L2となり、L2×0.8=L3となる。この場合、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの温度が5℃上昇すると、耐用期間は0.8倍に低下することとなる。
上述のとおり、図3中に示す有機EL照明器具100においては、最外周側に位置する有機ELパネル1aに比べて、その1つ内側に位置する有機ELパネル1bには、+5℃の温度上昇が生じる。その結果、最外周側に位置する有機ELパネル1aに比べて、その1つ内側に位置する有機ELパネル1bは、耐用期間が0.8倍となる。
最外周側に位置する有機ELパネル1aに比べて、その2つ内側(発光部10としては最中央側)に位置する有機ELパネル1cには、+10℃の温度上昇が生じる。その結果、最外周側に位置する有機ELパネル1aに比べて、その2つ内側に位置する有機ELパネル1cは、耐用期間が0.64倍(=0.8倍×0.8倍)となる。このように、中央側に配置された有機ELパネルほど、耐用期間が短くなることになる。
有機EL照明器具100としては、有機ELパネル1a,1b,1cが、筐体20から容易には取り外しできないように構成される場合がある。この場合、有機ELパネル1b,1cが耐用期間の満了に達していないにもかかわらず、有機EL照明器具100の全体としての耐用期間は有機ELパネル1aによって律速されてしまい、有機EL照明器具100の全体としての耐用期間も短くなる。有機ELパネル1a,1b,1cを筐体20から取り外し可能なように有機EL照明器具100が構成される場合であっても、有機ELパネル1aのみを頻繁に交換する必要が生じる。
図5を参照して、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの輝度と、有機ELパネルの耐用期間(時間)との相関関係について説明する。図5は、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの輝度と、有機ELパネルの耐用期間(時間)との相関関係を示す図である。
図5中の線L20に示すように、有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの輝度を高くすると、有機ELパネルの耐用期間(時間)は短くなる。図5の線L20は、両対数グラフ上で直線相関となっている。図5における線L20の傾きは、例示として約−2乗の相関となっている。したがって、たとえば有機ELパネルの動作時における有機ELパネルの輝度が1/2倍になると、有機ELパネルの耐用期間(時間)は4倍となる。
ここで、+5℃の温度上昇によって有機ELパネルの耐用期間が0.8倍になることに対して、有機ELパネルの輝度を下げることで耐用期間を1/0.8倍にして相殺するとする。この場合、有機ELパネルの輝度は、(1/0.8)−1/2≒0.8944、つまり約0.9倍にされる。有機ELパネルの輝度は駆動電流に対して比較的線形な特性を有するため、有機ELパネルの輝度が0.9倍になるようにするためには、有機ELパネルに供給する駆動電流も0.9倍すればよいこととなる。以上のように、有機ELパネルの輝度(有機ELパネルに供給する駆動電流)を、照明器具内における発光部の温度分布に応じて加減することで、複数の有機ELパネルの各々における寿命の均一化を図ることも可能となる。
[実施の形態]
以下、本発明に基づいた各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
[実施の形態1]
図6および図7を参照して、本実施の形態における有機EL照明器具101について説明する。図6は、有機EL照明器具101を示す平面図である。図7は、有機EL照明器具101における回路構成を示す図である。
図6に示すように、有機EL照明器具101は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cが面状に配列されることによって構成される発光部10と、複数の有機ELパネル1a,1b,1cを天井(図示せず)または壁面(図示せず)などに固定するための筐体20と、複数の有機ELパネル1a,1b,1cの各々に電流を供給する駆動回路32と、を備える。
図6においては、駆動回路32、および駆動回路32と複数の有機ELパネル1a,1b,1cとを接続する配線が、それぞれ図示されているが、実際には駆動回路32およびこれらの配線は筐体20等の内部に配置され、外部には露出していない。
図6に示すように、複数の有機ELパネル1a,1b,1cは、6枚×6枚のいわゆるマトリックス状に配列される。具体的には、20枚の有機ELパネル1aが、発光部10内の最外周側において環状に配置される。12枚の有機ELパネル1bが、発光部10内の有機ELパネル1aの1つ内側において環状に配置される。4枚の有機ELパネル1cが、発光部10内の有機ELパネル1bの1つ内側において矩形状に配置される。4枚の有機ELパネル1cは、発光部10内の最中央側に位置している。
ここで、有機ELパネル1bのパネル面積は、有機ELパネル1aのパネル面積よりも小さい。有機ELパネル1cのパネル面積は、有機ELパネル1bのパネル面積よりも小さい。複数の有機ELパネル1a,1b,1cにおけるパネル面積は、互いに異なっている。
本実施の形態においては、有機ELパネル1cのパネル面積と有機ELパネル1bのパネル面積との比は、1:2である。有機ELパネル1bのパネル面積と有機ELパネル1aのパネル面積との比も、1:2である。したがって、有機ELパネル1cのパネル面積と有機ELパネル1aのパネル面積との比は、1:4である。本実施の形態のように、発光部10内の中央側に配置された有機ELパネルのパネル面積と、発光部10内の外周側に配置された有機ELパネルのパネル面積との比は、1:N(Nは2以上の整数)の関係が満足するように構成されているとよい。
複数の有機ELパネル1a,1b,1cは、筐体20に取り付けられる。複数の有機ELパネル1a,1b,1cが発光している際、複数の有機ELパネル1a,1b,1cにおいて発生する熱は、筐体20に伝えられる。筐体20は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cに対して、放熱体として機能する。
図6および図7を参照して、駆動回路32は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cに対して、5つの電気的なストリングスを構成するように接続される。具体的には、駆動回路32は、発光部10内における外周側に配置された複数の有機ELパネル1a同士を互いに直列接続する。一方、駆動回路32は、発光部10内における中央側に配置された複数の有機ELパネル1b,1c同士を互いに並列接続する。
駆動回路32から5つのストリングスにそれぞれ供給される電流I1〜I5は、同一の電流値である。駆動回路32は、5つのストリングスに対して定電流駆動する。電流I1〜I5における電流値のばらつきを抑制するため、必要に応じて電流分配回路(図示せず)が設けられるとよい。
当該構成により、発光部10内における最外周に位置する有機ELパネル1aには、同一の電流値を有する電流が供給される。有機ELパネル1aの1つ内側に位置し、2つに分岐されて並列に接続された有機ELパネル1bは、上述のとおり、有機ELパネル1aの1/2のパネル面積を有している。有機ELパネル1bにおける電流密度(単位面積あたりの電流)は、有機ELパネル1aにおける電流密度と略同等である。
同様に、有機ELパネル1bの1つ内側に位置し、4つに分岐されて並列に接続された有機ELパネル1cは、上述のとおり、有機ELパネル1aの1/4のパネル面積を有している。有機ELパネル1cにおける電流密度は、有機ELパネル1aにおける電流密度と略同等である。本実施の形態においては、有機ELパネル1a,1b,1cにおける電流密度(単位面積あたりの電流)は、いずれも略同等の値である。したがって、有機ELパネル1a,1b,1cにおける発光輝度(単位面積あたりの光度)も、いずれも略同等の値である。
(作用・効果)
以上のように構成される有機EL照明器具101においては、上述のとおり、発光部10内の中央側に配置された有機ELパネルのパネル面積が、発光部10内の外周側に配置された上記有機ELパネルのパネル面積よりも小さい。発光部10内の中央側に配置された有機ELパネル同士の間の配置間隔に余裕ができ、発光部10内の中央側における放熱効率を高めることが可能となる。
結果として、発光部10内の中央側に配置された有機ELパネルに与えられる熱ストレスは低減され、発光部10内の中央側に配置された有機ELパネルに与えられる熱ストレスは、発光部10内の外周側に配置された有機ELパネルに与えられる熱ストレスに近くなる。
したがって本実施の形態における有機EL照明器具101によれば、発光部10の全体としての中央側における発熱が抑制される。各々の有機ELパネル1a,1b,1cにおける耐用期間のばらつきは緩和され、各々の有機ELパネル1a,1b,1cの全体としての長寿命化および寿命の均一化を図ることが可能となる。有機EL照明器具101によれば、薄型の照明器具としての商品価値を損ねることなく、照明器具の全体としての寿命も伸ばすことができる。また、各々の有機ELパネル1a,1b,1cにおける交換頻度を少なくすることも可能となる。
上述のとおり、本実施の形態における有機EL照明器具101においては、互いのパネル面積を整数倍の関係とした複数の有機ELパネル1a,1b,1cが用いられる。有機EL照明器具101としては、多様な電流源を容易しなくてもよい。有機EL照明器具101によれば、複数の有機ELパネル1a,1b,1cに対して電流を並列に分配することで、発光輝度を互いに揃えることが可能である。
図8は、有機EL照明器具101の発光時における平均輝度分布を示す平面図である。図8に示すように、発光部10での局所的な輝度は同じであるが、複数の有機ELパネル1a,1b,1c同士の配置間隔が異なるために、平均輝度は図8に示すような分布となる。具体的には、発光部10内の外周部の領域La付近における平均輝度は2000cd/mであり、1段内側の領域Lb付近におけるの平均輝度は1000cd/mであり、最中央側の領域Lc付近における平均輝度は500cd/mである。有機ELパネル1a,1b,1cの前面に拡散板などを設けて光を拡散ないし集光させ、均一な輝度分布となるように照明機器をデザインしても良い。
また、図6および図7を参照して説明したように、本実施の形態においては電源出力を複数のストリングスとしているが、すべてを1つのストリングとすることも可能である。この場合、電源出力は1つのみとなる。このように配線接続することにより、パネルの輝度を揃えて照明機器としての品位を高める効果が期待される。
[実施の形態2]
図9および図10を参照して、本実施の形態における有機EL照明器具102について説明する。図9は、有機EL照明器具102を示す平面図である。図10は、有機EL照明器具102における回路構成を示す図である。
図9に示すように、有機EL照明器具102は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cが面状に配列されることによって構成される発光部10と、複数の有機ELパネル1a,1b,1cを天井(図示せず)または壁面(図示せず)などに固定するための筐体20と、複数の有機ELパネル1a,1b,1cの各々に電流を供給する駆動回路32と、を備える。
図9においては、駆動回路32、および駆動回路32と複数の有機ELパネル1a,1b,1cとを接続する配線が、それぞれ図示されているが、実際には駆動回路32およびこれらの配線は筐体20等の内部に配置され、外部には露出していない。
図9に示すように、複数の有機ELパネル1a,1b,1cは、ほぼマトリックス状に配列される。具体的には、20枚の有機ELパネル1aが、発光部10内の最外周側において環状に配置される。8枚の有機ELパネル1bが、発光部10内の有機ELパネル1aの1つ内側において環状に配置される。1枚の有機ELパネル1cが、発光部10内の有機ELパネル1bの内側に配置される。有機ELパネル1cは、発光部10内の最中央側に位置している。
有機ELパネル1bおよび有機ELパネル1cのパネル面積は、有機ELパネル1aのパネル面積よりも大きい。有機ELパネル1bのパネル面積と有機ELパネル1cのパネル面積とは略同等である。本実施の形態においても、有機ELパネル1aにおけるパネル面積および有機ELパネル1b,1cにおけるパネル面積は、互いに異なっている。
複数の有機ELパネル1a,1b,1cは、筐体20に取り付けられる。複数の有機ELパネル1a,1b,1cが発光している際、複数の有機ELパネル1a,1b,1cにおいて発生する熱は、筐体20に伝えられる。筐体20は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cに対して、放熱体として機能する。
図9および図10を参照して、駆動回路32は、複数の有機ELパネル1a,1b,1cに対して、5つの電気的なストリングスを構成するように接続される。具体的には、駆動回路32は、電流I1および電流I5を供給するために、発光部10内における外周側に配置される複数の有機ELパネル1a同士を互いに直列接続する。
駆動回路32は、電流I2および電流I4を供給するために、発光部10内における外周側に配置される2つの有機ELパネル1a、および、これら2つの有機ELパネル1aの間に配置される3つの有機ELパネル1b同士を互いに直列接続する。駆動回路32は、電流I3を供給するために、発光部10内における外周側に配置される2つの有機ELパネル1a、これら2つの有機ELパネル1aの間に配置される2つの有機ELパネル1b、および、これら2つの有機ELパネル1bの間に配置される1つの有機ELパネル1c同士を互いに直列接続する。
駆動回路32から5つのストリングスにそれぞれ供給(通電)される電流I1〜I5は、同一の電流値である。駆動回路32は、5つのストリングスに対して定電流駆動する。電流I1〜I5における電流値のばらつきを抑制するため、必要に応じて電流分配回路(図示せず)が設けられるとよい。本実施の形態における有機EL照明器具102としては、以上のように構成される。
(作用・効果)
発光部10内における中央側に配置される有機ELパネル1b,1cは、発光部10内における外周側に配置される有機ELパネル1aに比べて電流密度が小さくなり、発光輝度も低下する。発光部10内の中央側に配置された有機ELパネル1b,1cに与えられる熱ストレスは低減され、発光部10内の中央側に配置された有機ELパネル1b,1cに与えられる熱ストレスは、発光部10内の外周側に配置された有機ELパネル1aに与えられる熱ストレスに近くなる。
結果として、図5を参照して上述したように、発光部10の全体としての中央側における発熱が抑制され、各々の有機ELパネル1a,1b,1cにおける耐用期間のばらつきは緩和され、各々の有機ELパネル1a,1b,1cの全体としての長寿命化および寿命の均一化を図ることが可能となる。有機EL照明器具102によれば、薄型の照明器具としての商品価値を損ねることなく、照明器具の全体としての寿命も伸ばすことができる。また、各々の有機ELパネル1a,1b,1cにおける交換頻度を少なくすることも可能となる。
図11は、有機EL照明器具102の発光時における平均輝度分布を示す平面図である。図11を参照して、発光部10内の外周部の領域La付近における平均輝度は2000cd/mであり、中央側の領域Lb付近におけるの平均輝度は1000cd/mである。発光部10内において発光輝度に分布の差は生じるものの、有機ELパネル間の非発光部を少なくすることができ、照明器具としての品位を高めることができる。上述の実施の形態1の場合には、拡散板などを用いて輝度を平均化することによって本実施の形態と同様の輝度分布を得ることができるが、本実施の形態においては、拡散板を用いなくても平均輝度分布に変化を持たせた照明器具のデザインが可能である。
また、上述の実施の形態1,2においては、いずれも中央側の平均輝度が小さくなるが、たとえば器具の厚みは増すことにはなるものの、光学部材などを用いて有機ELパネルから出力された光を中央側に集めるといったような方法で、全体の輝度を均一にすることも可能であり、要求に応じて照明器具および配光デザインをすればよい。
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a,1b,1c 有機ELパネル、10 発光部、20 筐体、32 駆動回路、100,101,102 有機EL照明器具、I1,I2,I3,I4,I5 電流、La,Lb,Lc 領域、Ra,Rb,Rc 境界線。

Claims (3)

  1. 複数の有機ELパネルが平面状または曲面状に配列された発光部を備え、
    複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積と複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積とは、前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルに与えられる熱ストレスが低減されて前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルに与えられる熱ストレスに近くなるように互いに異なっており、
    複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積は、複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積よりも小さい、
    有機EL照明器具。
  2. 複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積と、複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積との比は、1:N(Nは2以上の整数)である、
    請求項1に記載の有機EL照明器具。
  3. 複数の有機ELパネルが平面状または曲面状に配列された発光部を備え、
    複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積と複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積とは、前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルに与えられる熱ストレスが低減されて前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルに与えられる熱ストレスに近くなるように互いに異なっており、
    複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積は、複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルのパネル面積よりも大きく、
    複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の中央側に配置された前記有機ELパネルには、複数の前記有機ELパネルのうちの前記発光部内の外周側に配置された前記有機ELパネルに通電される電流と略同等の電流値を有する電流が通電される、
    有機EL照明器具。
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