JP5652311B2 - 流体制御弁装置 - Google Patents
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前者のクランプ固定方式の代表例は、図4(a)に示すように、流体制御弁100のスリーブ101(弁ハウジング)の外周に1対の対向溝102を設けておき、流体制御弁100をバルブボディ103の取付穴104に挿入した状態で、バルブボディ103の外側から対向溝102にクランプ105を嵌め込んだ後、このクランプ105を取付ボルト106等でバルブボディ103に固定するものである。
後者のピン固定方式の代表例は、図4(b)に示すように、スリーブ101(弁ハウジング)の外周にピン溝107を設けておき、流体制御弁100をバルブボディ103の取付穴104に挿入した状態で、バルブボディ103に開けられたピン孔108に、ピン溝107を通過するように固定用プレート付きピン109を挿入し、その固定用プレート109aを取付ボルト106等でバルブボディ103に固定するものである。
しかしながら、上記方式のものは、何れも、クランプ、プレート付きピン、取付ボルト等多くの部品と、それら部品の組付スペースや組付工数を要するのみならず、流体制御弁の点検・交換作業も煩雑である等の種々な問題を抱えている。
特に、これらの問題は、車両に搭載する機器への小型・軽量化、低コスト化等の諸要求がますます厳しさを増す現下のニーズに明らかに逆行するものであり、小型・軽量化、低コスト化等の厳しい諸要求に即応した解決策が切望されている。
請求項1の手段を採用する流体制御弁装置によれば、流体供給源からの作動流体が供給される入力ポート、作動流体を流体作動機器へ送出する出力ポート、および軸方向に設けられており、入力ポートと出力ポートとが独立して内周面に開口するバルブ取付穴を有するバルブボディと、バルブ取付穴に挿入されるスリーブ、このスリーブに設けられ、入力ポートおよび出力ポートにそれぞれ常時連通する入口路および出口路、並びにスリーブに収納され、この入口路と出口路との流通面積を制御するスプールを有する流体制御弁とを備える流体制御弁装置であり、スリーブとバルブ取付穴との間に、流体供給源からの作動流体が導入されてスリーブの外周面をバルブ取付穴の内周面に押圧する供給圧印加手段を具備していることを特徴としている。
かかる構成によれば、供給圧印加手段をバルブボディ側のみで完成することができ、流体制御弁を汎用化もしくは共通化することができる。
請求項2の手段を採用する流体制御弁装置によれば、供給圧導入路は、バルブボディ内で入力ポートに連通されていることを特徴としている。
かかる構成によれば、流体供給源からの作動流体の導入路を入力ポートで兼用することができ、配管を簡略化することができる。
ただし、実施例1および3つの変形例のうち、第1変形例は、本発明が適用されているものであるのに対し、実施例1および第2、第3変形例は、本発明が適用されていない参考例である。
本実施例は、自動変速機における油圧制御に多用されている電磁式スプール型流体制御弁装置への適用例を示すものであって、図1および図2に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、主として図1により基本的な構成を説明すると共に、本発明の特徴的な構成を図2に基づいて詳述することとする。
電磁式スプール型流体制御弁装置は、バルブボディ1に、電磁式スプール型流体制御弁(以下、単に制御弁とも略称する。)2が組付けられて構成されるものである。
バルブボディ1は、アルミダイキャスト製で、自動変速機における中枢の油圧システム回路を構成する油圧制御装置の本体ブロックをなすものであるが、本実施例では油圧経路を簡略化して、代表的な4つのポート3〜6のみを図示している。
第1のポート3は入力ポート、第2のポート4は出力ポート、第3のポート5はドレンポートで従来周知のものと同様であるが、第4のポート6が供給圧導入路(後述する本発明の特徴部分の一部)をなす供給圧導入ポートである。以下、上記の4つのポートをそれぞれ入力ポート3、出力ポート4、ドレンポート5、供給圧導入ポート6と呼称する。
入力ポート3の他端側は、油路8を介してオイルポンプ9(流体供給源の一例)に接続されている。オイルポンプ9はエンジンによって駆動され、オイルパン10内の作動油(作動流体)を適宜な圧力に昇圧して制御弁2に供給する。
出力ポート4の他端側は、油路11を介して変速制御用油圧サーボ12(流体作動機器の一例)に接続されており、制御弁2にて制御された作動油が、油圧サーボ12へ送出される。
ドレンポート5の他端側は、油路13を介してオイルパン10に接続され、排出すべき作動油がオイルパン10へ戻される。
供給圧導入ポート6の他端側は、入力ポート3と同様に、油路8を介してオイルポンプ9に接続されている。
スリーブ20には、径方向に貫通して3つのポート23〜25が設けられている。これらのポートは、入口路をなす第1ポート23、出口路をなす第2ポート24、排出路をなす第3ポート25で、ソレノイド22によりスプール21が電磁的に駆動されることにより、このスプール21によって、第1ポート23と第2ポート24との流通面積など各ポート相互間の流通面積を全開から全閉までの領域で変化させ、作動油の圧力や流量を制御する、周知の制御機能が発揮される。
制御弁2のスリーブ20には、本発明の特徴部分である供給圧印加手段Hの一部を構成する溝部26が設けられている。この溝部26は、スリーブ20の外周面の一部を凹状に切欠いて形成されているもので、流体溜め部(供給圧印加室)を構成するものである。
また、溝部26の開口面積は、供給圧導入ポート6の開口面積に比して大きくなっているため、この溝部26によって十分な受圧面積を擁する供給圧印加室をスリーブ20の外周面側に形成することができる。
なお、スリーブ20には、溝部26の反対側に位置して、ドレン用の第3ポート25が形成されている。
制御弁2をバルブボディ1に組付けるに際しては、スリーブ20をバルブ取付穴7に正しい向き(位置)で嵌挿する。つまり、バルブボディ1の入力ポート3、出力ポート4およびドレンポート5と、スリーブ20の第1ポート23、第2ポート24および第3ポート25とが、それぞれ対面して常時連通状態になると共に、バルブボディ1の供給圧導入ポート6と、スリーブ20の溝部26とが、対面して常時連通状態になるように位置合わせして、スリーブ20をバルブ取付穴7に嵌入する。なお、このような組付け作業は簡単な位置決め手法で実施できる。
以上、実施例1について詳述したが、供給圧印加手段Hの具体的構造やその配設位置は、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変更することができるものである。そのいくつかの具体例を図3に基づいて説明する。
図3(a)に示す第1変形例は、流体溜め部(供給圧印加室)を、バルブ取付穴7側に設けたもので、供給圧導入ポート6の開口側端部6aを囲むように、バルブ取付穴7の内周面を凹状に削ることによって円弧状に形成された溝部27を有している。この溝部27は、供給圧導入ポート6の開口側端部6aより大きい開口面積でスリーブ20の外周面に対面している。かかる構成においても、実施例1と同様に、溝部27に導入される作動油の供給圧による反力でスリーブ20の外周面をバルブ取付穴7の内周面に強く押し付けることができる。なお、上記構成によれば、制御弁2に一切加工を要しないため、汎用の制御弁2をそのまま用いることができる、あるいは制御弁2の共通化が可能である。
図3(b)に示す第2変形例は、実施例1において、供給圧導入ポート6の一端側を連通路6bにより直接入力ポート3に接続して、バルブボディ1内において供給圧導入ポート6への作動油導入を完結させたものである。このような構成にすることにより、配管を簡略化できる。もっとも、連通路6bを、バルブボディ1のバルブ取付穴7の内周面に形成することもできる。
図3(c)に示す第3変形例は、入力ポート3で供給圧導入ポート6を兼務させるもので、第1ポート23の周りに、実施例1の溝部26と同様な形状の溝部28を形成したものである。この溝部28は、入力ポート3の開口面積より大きい開口面積でバルブ取付穴7の内周面と対面して、実施例1と同様な流体溜め部(供給圧印加室)としての機能を発揮する。もっとも、入力ポート3の開口側端部3aを囲むように、第1変形例と同様な溝部を設けて、入力ポート3で供給圧導入ポート6を兼務させるようにしても良い。
2 電磁式スプール型流体制御弁(流体制御弁)
3 入力ポート
4 出力ポート
6 供給圧導入ポート(供給圧導入路)
7 バルブ取付穴
9 オイルポンプ(流体供給源)
12 流体作動機器
20 スリーブ
21 スプール
23 第1ポート(入口路)
24 第2ポート(出口路)
26,27,28 溝部(流体溜め部)
H 供給圧印加手段
Claims (2)
- 流体供給源(9)からの作動流体が供給される入力ポート(3)、前記作動流体を流体作動機器(12)へ送出する出力ポート(4)、および軸方向に設けられており、前記入力ポート(3)と前記出力ポート(4)とが独立して内周面に開口するバルブ取付穴(7)を有するバルブボディ(1)と、
前記バルブ取付穴(7)に挿入されるスリーブ(20)、このスリーブ(20)に設けられ、前記入力ポート(3)および前記出力ポート(4)にそれぞれ常時連通する入口路(23)および出口路(24)、並びに前記スリーブ(20)に収納され、前記入口路(23)と前記出口路(24)との流通面積を制御するスプール(21)を有する流体制御弁(2)と、
前記スリーブ(20)と前記バルブ取付穴(7)との間に設けられ、前記流体供給源(9)からの前記作動流体が導入されて前記スリーブ(20)の外周面を前記バルブ取付穴(7)の内周面に押圧する供給圧印加手段(H)と
を備え、
前記供給圧印加手段(H)は、前記バルブボディ(1)に設けられ、前記流体供給源(9)からの前記作動流体を導入する供給圧導入路(6)と、前記バルブ取付穴(7)の内周面に凹状に設けられ、前記供給圧導入路(6)と連通する流体溜め部(27)とを具備しており、前記流体溜め部(27)に導入された前記作動流体によって前記スリーブ(20)の外周面を前記バルブ取付穴(7)の内周面に押圧することを特徴とする流体制御弁装置。 - 請求項1に記載した流体制御弁装置において、
前記供給圧導入路(6)は、前記バルブボディ(1)内で前記入力ポート(3)に連通されており、前記入力ポート(3)を介して前記流体供給源(9)に接続されていることを特徴とする流体制御弁装置。
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