JP5651958B2 - 印刷制御装置、印刷制御システム、印刷装置及び印刷制御方法 - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御システム、印刷装置及び印刷制御方法 Download PDF

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    • B41J11/36Blanking or long feeds; Feeding to a particular line, e.g. by rotation of platen or feed roller
    • B41J11/42Controlling printing material conveyance for accurate alignment of the printing material with the printhead; Print registering

Description

本発明は、印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御システム、印刷装置及び印刷制御方法に関する。
例えば特許文献1には、インクを噴射する記録ヘッド(流体噴射手段)を複数個備えた印刷装置が開示されている。この印刷装置では、キャリッジ上には、複数の印刷ヘッドと、1個以上の所定数の印刷ヘッドにそれぞれ対応して設けられた駆動制御部とが搭載されている。印刷装置の本体には、各駆動制御部にデータを転送する複数のデータ処理部が搭載されている。所定数の印刷ヘッドと1つの駆動制御部と1つのデータ処理部とが主制御部に接続されている。この主制御部はキャリッジを往復移動させる制御も行う。この印刷装置では、所定数の印刷ヘッドにつき1つの駆動制御部と1つのデータ処理部とを1組とする回路セットを複数備える構成なので、データ処理部1つ当たりの処理の負荷が小さくなる。
この場合、1個の主制御部に対して複数のデータ処理部が接続されている構成なので、主制御部が各データ処理部の処理の同期をとればよい。さらに記録ヘッドが多くなると、主制御部自体を二以上の印刷制御装置に分け、二以上の主制御装置により多数の記録ヘッドを分担して制御する構成が考えられる。この場合、記録ヘッドが記録媒体への記録開始準備ができた段階でキャリッジ起動コマンドを送るタイミングや、記録終了後に記録媒体を搬送させる搬送コマンドを送るタイミングは、二以上の印刷制御装置間で同期をとる必要がある。このため、1つの印刷制御装置をマスター(マスター側コントローラー)とし、他の印刷制御装置をスレーブ(スレーブ側コントローラー)とする。そして、マスター側は、スレーブ側から受信したコマンドと、自身のコマンドとが揃った段階で、キャリッジ系及び搬送系の駆動制御手段(メカコントローラー等)へコマンドを送信する構成とすれば、別々のコントローラーにより制御される各記録ヘッドのインク噴射処理と、駆動制御手段により制御される印刷媒体の搬送処理とを適切なタイミングで制御できることになる。
一方、駆動制御手段でエラーが発生した場合、二以上の印刷制御装置間で同期をとってコマンドを再送する必要があるので、そのエラーは二以上の印刷制御装置へ通知されてその二以上の印刷制御装置間で同期をとってコマンドを駆動制御手段へコマンドを再送する仕組みも必要になる。
特開2004−25551号公報
しかしながら、マスター側の印刷制御装置とスレーブ側の印刷制御装置は、マスター側がスレーブ側と同期をとりつつ制御を行う必要があるなど、それらを実現するために、それぞれの機能に応じた異なるプログラムや制御回路(IC等)を設計・製作しなければならないという問題があった。このようにマスター用とスレーブ用とで印刷制御装置を別々に開発することになると、印刷装置の開発の遅延や、その開発コストの増大を招く。このため、なるべくマスター側の印刷制御装置とスレーブ側の印刷制御装置間で、プログラムや制御回路などの構成を共通にできることが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷制御装置が複数設けられる構成において、他の印刷制御装置(スレーブ)との同期をとりつつ駆動制御手段との間で制御上のやりとりをする印刷制御装置(マスター)と、他の印刷制御装置との各構成を、より多くの部分で共通化できる印刷制御装置、印刷制御システム、印刷装置及び印刷制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置であって、当該印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置において、画像データとコマンドとを入力する入力手段と、前記入力手段が入力した画像データとコマンドとを処理する処理手段と、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して前記処理手段からの前記処理手段により処理されたコマンドを送る制御手段と、前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段と、前記制御手段と前記駆動制御手段との間に介在し、前記制御手段から前記処理されたコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記制御手段からの前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信手段とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、通信手段は、制御手段から処理されたコマンドを入力すると、仮想駆動制御手段へ他の印刷制御装置からの処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせる。そして、通信手段は、仮想駆動制御手段から他の印刷制御装置からの処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があるまで待ち、その旨の応答があると、制御手段からの処理されたコマンドを駆動制御手段に出力する。従って、印刷制御装置を複数設け、通信手段を処理されたコマンドで制御すべき制御対象と接続した印刷制御装置(マスター)の仮想駆動制御手段に、他の印刷制御装置(スレーブ)の通信手段を接続することにより、各印刷制御装置に分担した作業間の同期をとったタイミングで印刷制御装置(マスター)の通信手段からコマンドを出力できる。しかも、他の印刷制御装置(スレーブ)との同期をとりつつ駆動制御手段との間で制御上のやりとりをする印刷制御装置(マスター)と、他の印刷制御装置(スレーブ)との各構成を、より多くの部分で共通化できる。
本発明は、他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置であって、当該印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置において、画像データとコマンドとを入力する入力手段と、前記入力手段が入力した画像データとコマンドとを処理する処理手段と、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して前記処理手段からの前記処理手段により処理されたコマンドを送る制御手段と、前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段と、前記制御手段と前記駆動制御手段との間に介在し、前記駆動制御手段から前記処理されたコマンドの再送信を要求するエラー通知を入力すると、前記制御手段と前記仮想駆動制御手段との両方に前記エラー通知を送り、当該エラー通知の送信後、前記制御手段から前記処理されたコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記制御手段からの前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信手段と
を備えたことを要旨とする。
この発明によれば、通信手段は、駆動制御手段から処理されたコマンドの再送信を要求するエラー通知を入力すると、制御手段と仮想駆動制御手段との両方にエラー通知を送り、その後、制御手段から再送用の処理されたコマンドを入力すると、仮想駆動制御手段へ他の印刷制御装置からの処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせる。そして、通信手段は、仮想駆動制御手段から他の印刷制御装置からの処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があるまで待ち、その旨の応答があると、制御手段からの処理されたコマンドを駆動制御手段に出力する。従って、印刷制御装置を複数設け、通信手段を処理されたコマンドで制御すべき制御対象と接続した印刷制御装置(マスター)の仮想駆動制御手段に、他の印刷制御装置(スレーブ)の通信手段を接続することにより、駆動制御手段からのエラー通知を各印刷制御装置へ送信できる。しかも、各印刷制御装置において再送用の処理されたコマンドが揃ったタイミングで、駆動制御手段へ再送用の処理されたコマンドを出力できる。よって、他の印刷制御装置(スレーブ)との同期をとりつつ駆動制御手段との間で制御上のやりとりをする印刷制御装置(マスター)と、他の印刷制御装置(スレーブ)との各構成を、より多くの部分で共通化できる。
本発明は、上記の印刷制御装置と前記他の印刷制御装置とを備えた印刷制御システムであって、前記二つの印刷制御装置のうち一方のマスター側印刷制御装置の通信手段は、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に接続されており、他方のスレーブ側印刷制御装置の通信手段が、前記マスター側印刷制御装置の仮想駆動制御手段に接続されていることが好ましい。この発明によれば、二つの印刷制御装置を同期させつつ一方のマスター側印刷制御装置により駆動制御手段に処理されたコマンドを出力できる。
本発明は、コマンドを入力する入力手段と、コマンドの出力制御を行う制御手段と、コマンドを出力する通信手段と、仮想駆動制御手段とをそれぞれ備えた二つの印刷制御装置を備えた印刷制御システムであって、前記二つの印刷制御装置のうち一方のマスター側印刷制御装置の通信手段は、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に接続されており、他方のスレーブ側印刷制御装置の通信手段が、前記マスター側印刷制御装置の前記仮想駆動制御手段に接続されており、前記スレーブ側印刷制御装置では、前記通信手段は前記制御手段からコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段にコマンド出力許可を問い合わせし、当該仮想駆動制御手段は当該問い合わせに対して直ぐにコマンド送信許可の旨を応答し、当該通信手段は当該応答があるとコマンドを出力し、前記マスター側印刷制御装置では、前記通信手段は前記制御手段からコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段にコマンド送信許可を問い合わせし、当該仮想駆動制御手段は、当該問い合わせと、前記スレーブ側印刷制御装置からのコマンドの受信との両方があった場合に、当該通信手段に対してコマンド送信許可の旨を応答し、当該通信手段は、前記仮想駆動制御手段から前記コマンド送信許可の旨の応答があると、前記制御手段から入力したコマンドを前記駆動制御手段に出力することが好ましい。
この発明によれば、マスター側印刷制御装置では、通信手段が、制御手段からコマンドを入力すると、仮想駆動制御手段へ問い合わせをする。一方、スレーブ側印刷制御装置では、通信手段が、制御手段からコマンドを入力すると、仮想駆動制御手段へ問い合わせをするが、仮想駆動制御手段からコマンド許可の旨の応答を直ぐ受け付けるので、コマンドを直ぐ出力する。マスター側印刷制御装置の仮想駆動制御手段は、スレーブ側からのコマンドを受信すると、マスター側印刷制御装置の通信手段にコマンド送信許可の旨を応答し、この応答を受け付けた通信手段はコマンドを駆動制御手段へ送る。従って、マスター側印刷制御装置とスレーブ側印刷制御装置とに印刷に係る作業を分担させた場合、分担した作業間の同期をとったタイミングで駆動制御手段へコマンドを出力できる。
本発明の印刷制御システムでは、前記二つの印刷制御装置は、印刷装置の起動時にマスターかスレーブかを判別する判別手段をそれぞれ備え、前記仮想駆動制御手段は、マスター実現部とスレーブ実現部とを備え、前記仮想駆動制御手段は、前記マスター実現部とスレーブ実現部のうち前記判別手段の判別結果に応じた一方を起動させ、前記マスター側印刷制御装置は、前記判別手段の判別結果に応じて前記マスター実現部が起動されるように設定され、前記スレーブ側印刷制御装置は、前記判別手段の判別結果に応じて前記スレーブ実現部が起動されるように設定されていることが好ましい。
この発明によれば、判別手段は、印刷装置の起動時にマスターかスレーブかを判別し、仮想駆動制御手段を構成するマスター実現部とスレーブ実現部のうちその判別結果に応じた一方を起動させる。従って、複数の印刷制御装置を、通信手段から駆動制御手段へコマンドを送信するマスター側印刷制御装置に設定したり、通信手段からマスター側印刷制御装置へコマンドを送信するスレーブ側印刷制御装置に設定したりすることができる。
本発明の印刷制御システムでは、記スレーブ側印刷制御装置の前記仮想駆動制御手段は、前記スレーブ実現部が起動されることにより、前記通信手段からの問合せに対して無条件に肯定応答をするダミー仮想駆動制御手段として機能することが好ましい。
この発明によれば、スレーブ側印刷制御装置の仮想駆動制御手段はスレーブ実現部が起動されることによりダミー仮想駆動制御手段として機能し、通信手段からの問合せに対して無条件に肯定応答を返す。従って、スレーブ側印刷制御装置の通信手段はコマンドの出力が可能になるうえ、そのコマンドを直ぐに出力できるので、マスター側の仮想駆動制御手段へのコマンドの入力をさほど待たせることがない。
本発明の印刷制御システムでは、前記スレーブ側印刷制御装置の前記通信手段は、前記マスター側印刷制御装置の前記仮想駆動制御手段と接続されていることが好ましい。
この発明によれば、スレーブ側印刷制御装置の通信手段から出力されたコマンドは、マスター側印刷制御装置の仮想駆動制御手段に入力される。このため、マスター側の仮想駆動制御手段がスレーブ側印刷制御装置からのコマンドの入力がある旨をマスター側の通信手段に応答できる。
本発明の印刷制御システムでは、前記判別手段は、前記印刷制御装置の端子の接続状態に応じた信号レベルに基づき、マスターかスレーブかを判別することが好ましい。この発明によれば、マスターかスレーブかによって接続の仕方が異なる印刷制御装置の端子の接続状態に応じた信号レベルに基づき、比較的簡単にマスターかスレーブかを判別できる。
本発明の印刷制御システムでは、前記マスター側印刷制御装置と前記スレーブ側印刷制御装置とは、前記入力手段が入力した画像データに基づき流体噴射ヘッドを制御するヘッド制御手段をそれぞれ備え、前記マスター側印刷制御装置の前記入力手段と、前記スレーブ側印刷制御装置の前記入力手段とは、前記ヘッド制御手段によって制御される前記流体噴射ヘッドに対応して分配された画像データをそれぞれ入力することが好ましい。
この発明によれば、マスター側印刷制御装置の入力手段と、スレーブ側印刷制御装置の入力手段は、複数の流体噴射ヘッドのうち分担してそれぞれが受け持つ流体噴射ヘッド分の画像データをそれぞれ入力するので、不要な画像処理を回避できる。
本発明の印刷制御システムでは、前記マスター側印刷制御装置と前記スレーブ側印刷制御装置とは、複数のうちそれぞれが分担する前記流体噴射ヘッドに関するデータを取得する制御管理手段と、自身の前記制御管理手段が取得したデータのうち他方の前記制御管理手段が担当するデータを当該他方の制御管理手段へ送信する第2通信手段とを更に備え、前記制御管理手段は、自身が取得したデータのうち前記他方の制御管理手段へ送信しなかったデータと、前記第2通信手段が前記他方の制御管理手段から受信したデータとに基づいて所定処理を行うことが好ましい。
この発明によれば、マスター側印刷制御装置とスレーブ側印刷制御装置とで、各制御管理手段が、それぞれ受け持つ流体噴射ヘッドに関するデータのうち他方の制御管理手段が担当するデータを第2通信手段を通じて互いに送信し合うことができる。よって、マスター側印刷制御装置とスレーブ側印刷制御装置とで流体噴射ヘッドを分担しても、流体噴射ヘッドに関するデータをまとめて管理できる。
本発明の印刷制御システムでは、前記制御管理手段は、前記流体噴射ヘッドへ供給すべき流体を流体種毎に収容する複数の流体収容体を分担して管理する構成であって、分担する前記流体噴射ヘッドで消費された流体消費量を前記データとして演算し、前記制御管理手段は、自身が取得した前記流体消費量のうち前記他方の制御管理手段へ送信しなかった流体消費量と、前記第2通信手段が前記他方の制御管理手段から受信した流体消費量とに基づいて担当する流体収容体の流体消費量又は流体残量を演算することが好ましい。
この発明によれば、マスター側とスレーブ側とで分担する複数の流体噴射手段で消費された流体消費量のうち相手側で管理すべき流体収容体の流体消費量を、第2通信手段で互いに送信し合うので、担当する流体収容体の流体消費量又は液体残量を演算できる。
本発明の印刷制御システムでは、前記制御管理手段は、分担する前記流体噴射ヘッドのノズルを検査する検査制御手段であり、前記検査制御手段は、自身が取得したノズル検査結果のうち他方の検査制御手段へ送信しなかったノズル検査結果と、前記第2通信手段が前記他方の検査制御手段から受信したノズル検査結果とに基づいて前記流体噴射ヘッドのメンテナンスを実施すべきか否かを判定し、メンテナンスを実施すべきと判定した場合は前記制御手段がメンテナンスを指示するコマンドを前記通信手段に送ることが好ましい。
この発明によれば、複数の流体噴射手段のノズル検査が行われるので、ノズルの目詰まりを抑制し易い。また、複数の印刷制御装置間で同一のコマンドを送ることができる。
本発明の印刷制御システムでは、前記仮想駆動制御手段へ問合せをして設定時間を経過しても、前記コマンドを入力した旨の応答がない場合は、印刷制御装置間の通信を行うために前記通信手段とは別に設けられた第2通信手段を介して前記コマンドの再送を要求すべくエラー通知を出力することが好ましい。
この発明によれば、仮想駆動制御手段へ問合せをして設定時間を経過しても、コマンドを入力した旨の応答がない場合は、第2通信手段を介してそのコマンドを出力すべき他の印刷制御装置に対してコマンドの再送を要求すべくエラー通知を出力する。このため、通信手段が設定時間を経過してタイムアウトになっても、双方の印刷制御装置でコマンドを再送することができる。
本発明は、印刷装置であって、上記発明の印刷制御システムと、印刷媒体を搬送する搬送手段と、前記印刷制御装置からのコマンドに基づき前記搬送手段を駆動制御する駆動制御手段と、前記印刷制御装置により駆動制御されるとともに、前記搬送手段により搬送される印刷媒体に流体を噴射して印刷を施す流体噴射ヘッドとを備えたことを要旨とする。この発明によれば、上記印刷制御システムに係る発明と同様の効果を得ることができる。
本発明は、他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置における印刷制御方法であって、画像データとコマンドとを入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力した画像データとコマンドとを処理して前記処理されたコマンドを制御手段へ送る処理ステップと、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して通信手段を介してコマンドを送信可能に構成された制御手段が、前記処理ステップで送られた前記処理されたコマンドを受信して前記通信手段へ送る制御ステップと、前記通信手段が、前記制御手段から前記処理されたコマンドを入力すると、前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信ステップとを備えたことを要旨とする。
本発明は、他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置における印刷制御方法であって、前記駆動制御手段から処理されたコマンドの再送信を要求するエラー通知を通信手段が入力すると、入力したコマンドを処理することが可能に構成された処理手段からの処理されたコマンドをメカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して送ることが可能に構成される制御手段と、前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段との両方に前記エラー通知を送るエラー通知ステップと、前記エラー通知の送信後、前記通信手段が前記制御手段から再送された前記処理されたコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置から前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信ステップとを備えたことを要旨とする。この発明によれば、上記印刷制御装置に係る発明と同様の効果を得ることができる。
一実施形態における印刷システムの模式側面図。 記録ヘッドの模式底面図。 マスター/スレーブの各コントローラーの接続状態を示す模式図。 印刷システムの電気的構成を示すブロック図。 マスター/スレーブの各コントローラーの構成を説明するブロック図。 コマンド送信時の処理の流れを示すブロック図。 マスター/スレーブの各コントローラーのコマンド送信時のシーケンス図。 エラー発生時の処理の流れを示すブロック図。 マスター/スレーブの各コントローラーのエラー発生時のシーケンス図。 通信エラーが発生したときの処理の流れを示すブロック図。 通信エラーが発生した場合において(a)マスター側を起点とする処理の流れ、(b)スレーブ側を起点とする処理の流れをそれぞれ示すブロック図。 マスター/スレーブの各コントローラー間で通信エラーが発生したときのシーケンス図。
以下、本発明をラテラル方式のインクジェット式プリンターの印刷制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1は、ラテラル方式のインクジェット式プリンターを備えた印刷システムの模式図である。図1に示すように、印刷システム100は、画像データを生成する画像生成装置110と、画像生成装置110から受信した画像データを基に印刷データを生成するホスト装置120と、ホスト装置120から受信した印刷データに基づく画像を印刷する印刷装置としてのラテラル方式のインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター11」と称す)とを備えている。
画像生成装置110は、例えばパーソナルコンピューターにより構成され、その本体111内のCPUが画像作成用ソフトウェアを実行することで構築される画像生成部112を備える。ユーザーは、画像生成部112を起動して入力装置113の操作でモニター114上で画像を作成し、入力装置113を操作して画像の印刷を指示する。すると、その画像に係る画像データが所定の通信インターフェイスを介してホスト装置120へ送信される。
ホスト装置120は、例えばパーソナルコンピューターにより構成され、その本体121内のCPUがプリンタードライバー用ソフトウェアを実行することで構築されるプリンタードライバー122を備える。プリンタードライバー122は、画像生成装置110から受信した画像データを基に印刷データを生成し、プリンター11に設けられた制御装置Cへ送信する。制御装置Cは、プリンタードライバー122から受信した印刷データに基づいてプリンター11を制御し、プリンター11に印刷データに基づく画像を印刷させる。なお、モニター123には、プリンター11に制御用設定値を入力設定するためのメニュー画面や印刷対象の画像等が表示される。
次に、図1におけるラテラル方式のインクジェット式プリンターの構成について説明する。なお、以下における明細書中の説明において、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、図1等の図面に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、図1において手前側を前側、奥側を後側とする。
図1に示すように、プリンター11は、直方体状の本体ケース12を備える。本体ケース12内には、長尺状のシート13を繰り出す繰出し部14と、そのシート13にインクの噴射により印刷を施す印刷室15と、その印刷によりインクが付着したシート13に乾燥処理を施す乾燥装置16と、乾燥処理が施されたシート13を巻き取る巻取り部17とが設けられている。
すなわち、本体ケース12内におけるやや上寄りの位置には、本体ケース12内を上下に区画する平板状の基台18が設けられており、この基台18よりも上側の領域が矩形板状のプラテン19を基台18上に支持してなる印刷室15となっている。そして、基台18よりも下側の領域において、シート13の搬送方向で上流側となる左側寄りの位置に、繰出し部14が配設されると共に、下流側となる右側寄りの位置に、乾燥装置16及び巻取り部17が配設されている。
図1に示すように、繰出し部14には、前後方向に延びる巻き軸20が回転自在に設けられ、その巻き軸20に対してシート13が予めロール状に巻かれた状態で一体回転可能に支持されている。すなわち、シート13は、巻き軸20が回転することにより、繰出し部14から繰り出されるようになっている。また、繰出し部14から繰り出されたシート13は、巻き軸20の右側に位置する第1ローラー21に巻き掛けられて上方へ案内される。
一方、プラテン19の左側であって下側の第1ローラー21と上下方向で対応する位置には、第2ローラー22が下側の第1ローラー21と平行な状態で設けられている。そして、第1ローラー21によって搬送方向が鉛直上方向に変換されたシート13は、この第2ローラー22に左側下方から巻き掛けられることにより、その搬送方向が水平右方向に変換されてプラテン19の上面に摺接するようになっている。
また、プラテン19の右側には、左側の第2ローラー22とプラテン19を挟んで対向する第3ローラー23が第2ローラー22と平行な状態で設けられている。なお、第2ローラー22及び第3ローラー23は各々の周面の頂部がプラテン19の上面と同一高さとなるように位置調整されている。
印刷室15内で左側の第2ローラー22により搬送方向が水平右方向に変換されたシート13は、プラテン19の上面に摺接しつつ下流側となる右側に搬送された後、第3ローラー23に右側上方から巻き掛けられることにより搬送方向が鉛直下方向に変換されて基台18よりも下側の乾燥装置16に向けて搬送されるようになっている。そして、乾燥装置16内を通過することにより乾燥処理が施されたシート13は、更に鉛直下方向に搬送された後、第4ローラー24に巻き掛けられて搬送方向を水平右方向に変換され、この第4ローラー24の右側に配設された巻取り部17の巻取り軸25が搬送モーター61(図4参照)の駆動力に基づいて回転することによりロール状に巻き取られる。
図1に示すように、印刷室15内におけるプラテン19の前後両側には、左右方向に延びるガイドレール26(図1では2点鎖線で示す)が対をなすように設けられている。ガイドレール26の上面はプラテン19の上面よりも高くなっており、両ガイドレール26の上面には、矩形状のキャリッジ27がCRモーター62,63(図4参照)の駆動に基づき両ガイドレール26に沿って図1に示す主走査方向X(図1では左右方向)への往復移動が可能な状態で支持されている。そして、このキャリッジ27の下面側には支持板28を介して複数の記録ヘッド29が支持されている。
プラテン19の左端から右端までの一定範囲が印刷領域とされており、この印刷領域単位でシート13は間欠的に搬送されるようになっている。そして、プラテン19上に停止したシート13に対してキャリッジ27の往復移動に伴い記録ヘッド29からインクが噴射されることでシート13に印刷が施される。
なお、印刷時には、プラテン19の下側に設けられた吸引装置30が駆動され、プラテン19の上面に開口する多数の吸引孔に及ぶ負圧による吸引力により、シート13はプラテン19の上面に吸着される。そして、シート13への1回分の印刷が終わると、吸引装置30の負圧が解除され、シート13の搬送が行われるようになっている。
また、印刷室15内において、第3ローラー23よりも右側となる非印刷領域には、非印刷時に記録ヘッド29のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置32が設けられている。メンテナンス装置32は、記録ヘッド29毎にキャップ33と昇降装置34とを備える。各キャップ33は昇降装置34の駆動により、記録ヘッド29のノズル形成面35(図2参照)に当接するキャッピング位置と、ノズル形成面35から離間する退避位置との間を移動する。なお、本実施形態では、キャップ33は、記録ヘッド29のノズル目詰まりの有無を検査するノズル検査部48(図4参照)の一部としても使用される。
また、図1に示すように、本体ケース12内には、異なる色のインクをそれぞれ収容した複数(例えば8個)のインクカートリッジIC1〜IC8が着脱可能に装着されている。そして、各インクカートリッジIC1〜IC8は不図示のインク供給チューブを通じて記録ヘッド29に接続され、各記録ヘッド29は各インクカートリッジIC1〜IC8から供給されたインクを噴射する。このため、本例のプリンター11では、8色のインクを用いたカラー印刷が可能となっている。
8個のインクカートリッジIC1〜IC8は、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等の各インクを収容する。なお、保湿液を収容する保湿液カートリッジが装填される構成も採用できる。もちろん、インクの種類(色数)は適宜設定でき、黒インクだけでモノクロ印刷する構成や、インクを2色としたり、8色以外で3色以上の任意の色数としたりした構成も採用できる。
各インクカートリッジIC1〜IC8は、これらが装着される不図示のカートリッジホルダーを介して制御装置Cと電気的に接続されており、各インクカートリッジIC1〜IC8に実装されたIC素子47(集積回路素子)(図4参照)のメモリーには、対応する色のインク残量の情報が書き込まれるようになっている。
図2はキャリッジの底面を示す模式図である。図2に示すように、キャリッジ27の下面側に支持された支持板28には、複数個(本実施形態では15個)の記録ヘッド29がシート13の搬送方向(図2において白抜き矢印で示す方向)と直交する幅方向(前後方向)に亘って千鳥状の配置パターンで支持されている。そして、各記録ヘッド29の下面となるノズル形成面35には、多数のノズル36が前後方向に沿って1列に配置されてなるノズル列37が主走査方向Xに所定間隔をおいて複数列(本実施形態では8列)形成されている。
図4は、印刷システム100の電気構成を示すブロック図である。図4に示すホスト装置120内のプリンタードライバー122は、画像生成装置110から受信した画像データIDに対して印刷データの生成に必要な画像処理を施す、解像度変換部125、色変換部126及びハーフトーン処理部127を備えている。解像度変換部125は、画像データIDを表示解像度から印刷解像度へ変換する解像度変換処理を行う。色変換部126は、表示用の表色系(例えばRGB表色系やYCbCr表色系)から印刷用の表色系(例えばCMYK表色系)に色変換する色変換処理を行う。さらにハーフトーン処理部127は、表示用の高階調(例えば256階調)の画素データを印刷用の低階調(例えば2階調又は4階調)の画素データに階調変換するハーフトーン処理などを行う。そして、プリンタードライバー122は、これらの画像処理を施した結果生成された印刷画像データPIに、印刷制御コード(例えばEPC/P)で記述されたコマンドを付して印刷ジョブデータ(以下、単に「印刷データPD」と称す)を生成する。
ホスト装置120はデータの転送制御を行う転送制御部128を備える。転送制御部128は、プリンタードライバー122が生成した印刷データPDを所定容量のパケットデータずつプリンター11へ順次シリアル転送する。
一方、プリンター11側の制御装置Cは、ホスト装置120から印刷データPDを受信して記録系の制御をはじめとする各種制御を行うための一対のコントローラー41,42を備えている。これらのコントローラー41,42は、複数個(本例では15個)の記録ヘッド29を所定個数(本例では7個と8個)の2つに分けて分担して制御するために一対設けられている。すなわち、7個の記録ヘッド29Bの制御を受け持つマスター側コントローラー41と、8個の記録ヘッド29Aの制御を受け持つスレーブ側コントローラー42との一対が設けられている。
さらに、制御装置Cは、マスター側コントローラー41の出力側(制御下流側)に通信線SL1を通じて接続されたメカコントローラー43を備えている。メカコントローラー43は主に搬送系及びキャリッジ駆動系を含むメカニカル機構部44の制御を司る。マスター側コントローラー41は、自身が受け持つ7個の記録ヘッド29Bの印刷準備ができ(つまりインク滴噴射制御に使用する印刷画像データが揃っており)、かつスレーブ側コントローラー42が受け持つ8個の記録ヘッド29Aも印刷準備ができた段階でキャリッジ起動コマンドをメカコントローラー43へ送信するようになっている。これにより、コントローラー41,42のうち一方の印刷準備完了前にキャリッジ27が起動されてしまうことに起因し、記録ヘッド29が噴射位置に到達したにも拘わらずインク滴が噴射されない噴射ミスが防止されるようにしている。
また、マスター側コントローラー41は、自身が受け持つ7個の記録ヘッド29Bの印刷を完了し、かつスレーブ側コントローラー42が受け持つ8個の記録ヘッド29Aも印刷を完了した段階で、シート13の搬送を指令する搬送コマンドをメカコントローラー43へ送信するようになっている。これにより、コントローラー41,42のうち一方が印刷完了前の段階でシート13が搬送開始(又はプラテン19上のシートの吸着解除)されてしまうことに起因し、記録ヘッド29から噴射されたインク滴のシート13に対する着弾位置のずれ(印刷位置ずれ)が防止されるようにしている。このようにマスター側コントローラー41は、スレーブ側コントローラー42と進捗の同期をとってコマンドを送信する機能が必要である。このため、両コントローラー41,42は、それぞれ対応する記録ヘッド29に対するヘッド制御機能は同じでも、マスター機能をもつかスレーブ機能をもつかの点でそれぞれの機能が異なる。本実施形態では、このように機能が異なる部分があっても、マスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42とを同じプログラム構成で実現できる点に特徴がある。この特徴部分については後述する。
図4に示すホスト装置120内のプリンタードライバー122は、2つのコントローラー41,42のそれぞれが受け持つ記録ヘッド29の位置に応じて印刷画像データPIを2つに分割し、分割した各印刷画像データに同一のコマンドを付して2つの印刷データPD1,PD2(図5参照)を生成する。
図4に示すように、ホスト装置120は、2つのシリアル通信ポートU1,U2を備えている。また、2つのコントローラー41,42もそれぞれシリアル通信ポートU3,U4を備えている。そして、転送制御部128は、シリアル通信ポートU1,U3間の通信を介してマスター側コントローラー41へ対応する印刷データPD1をシリアル転送すると共に、シリアル通信ポートU2,U3間の通信を介してスレーブ側コントローラー42へ対応する印刷データPD2をシリアル転送するようになっている。本実施形態ではシリアル通信ポートU1〜U4として、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポートを用いている。ホスト装置120は、2つのシリアル通信ポートU1,U2を構成する2つのUSBホストによって2系統でシリアル転送を行って、各コントローラー41,42へ比較的高速に印刷データPD1,PD2を転送する。
但し、2系統であるものの比較的遅いシリアル転送であるため、本実施形態のラテラル式のプリンター11では、1回分(1頁分)の印刷データを全て受信し終わってから印刷を開始するようにしている。これは、例えば1パス分の印刷データ受信完了段階で印刷を開始すると、途中で次パスの印刷データの受信完了を待つ待機時間ができ、このときノズル内インクの増粘による目詰まりを回避すべく、キャリッジ27を非印刷領域内のホーム位置(待機位置)へ一時退避させて、記録ヘッド29をキャップ33でキャッピングする必要が生じるからである。このように1回の印刷途中でキャリッジ27をホーム位置に退避させていると、却って印刷所要時間が長くなってしまうので、1回分(1頁分)の印刷データを全て受信してから、印刷を開始するようにしている。
図4に示すように、2つのコントローラー41,42には、複数個(N個(本例では4個))ずつのヘッド制御ユニット45(以下、単に「HCU45」という)が接続され、各HCU45にはそれ一個につき記録ヘッド29が複数個(M個(本例では2個))ずつ接続されている。
また、2つのコントローラー41,42に接続された各通信回路46には、8個のインクカートリッジIC1〜IC8に実装された8個のIC素子47のうち半分の4個ずつがそれぞれ接続されている。マスター側コントローラー41は4個のインクカートリッジIC1〜IC4に実装されたIC素子47と通信可能であり、スレーブ側コントローラー42は4個のインクカートリッジIC5〜IC8に実装されたIC素子47と通信可能である。IC素子47のメモリーには対応するインクカートリッジのインク残量情報が記憶される。
マスター側コントローラー41は、4個のインクカートリッジIC1〜IC4のインク残量を管理し、一方のスレーブ側コントローラー42は、残り4個のインクカートリッジIC5〜IC8のインク残量を管理する。マスター側コントローラー41は、通信回路46を介してインクカートリッジIC1〜IC4の各IC素子47と通信してそのメモリーに記憶されたインク情報及びインク残量情報の読み出し及びインク残量情報の書込みが可能となっている。同様に、スレーブ側コントローラー42は、通信回路46を介して各インクカートリッジIC5〜IC8に実装されたIC素子47と通信してそのメモリーに記憶されたインク情報及びインク残量情報の読み出し及びインク残量情報の書込みが可能となっている。
各コントローラー41,42は、プリンター11の起動時にIC素子47のメモリーからインク残量を読み出し、管理対象のインクカートリッジで消費されたインク消費量を所定の時期に算出し、各インクカートリッジの現在のインク残量を逐次算出する。そして、各コントローラー41,42は、例えばプリンター11の電源遮断時にその管理している現在のインク残量情報をIC素子47のメモリーに書き込む処理を行う。例えばホスト装置120は、プリンター11の各コントローラー41,42と通信してインク残量情報を取得し、そのモニター123(図1参照)に各インクカートリッジIC1〜IC8のインク残量を表示する。
さらに、プリンター11には、記録ヘッド29毎のノズル目詰まりを検査する複数(本例では15個)のノズル検査部48を有したノズル検査装置が設けられている。図4に示す2つのコントローラー41,42には、検査回路49を介してそれぞれ7個と8個のノズル検査部48がそれぞれ接続されている。本実施形態のノズル検査部48は、メンテナンス装置32に記録ヘッド29と同数備えられたキャップ33毎に設けられている。ノズル検査部48は、ノズルからキャップ33に向けて帯電したインク滴が噴射された際に、その噴射されたインク滴がキャップ33に着弾するまでの過程でキャップ33側の電位の変化を検出することで、その電位の変化に応じた検出信号の信号波形に基づき、ノズルの目詰まりや気泡等の原因でインク滴を適正量噴射できない不良ノズルを検出する。このようにプリンター11に複数個設けられた、記録ヘッド29、IC素子47及びノズル検査部48は2つのコントローラー41,42が分担して制御又は管理する方が負担の軽減が図れて効率的であるので、2つのコントローラー41,42が分担して制御又は管理するようにしている。
図4に示すように、マスター側コントローラー41にはリニアエンコーダー50が接続されている。このリニアエンコーダー50はキャリッジ27の移動経路に沿って設けられ、マスター側コントローラー41には、このリニアエンコーダー50からキャリッジ27の移動距離に比例する数のパルスをもつ検出信号(エンコーダーパルス信号)が入力される。各コントローラー41,42はそれぞれ端子部51,52を備え、マスター側コントローラー41に入力されたエンコーダーパルス信号は、端子部51,52間に接続された信号線SL2を通じてスレーブ側コントローラー42へ伝達されるようになっている。さらにマスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42は、通信線SL3を通じて互いに接続されている。
図4に示すように、各コントローラー41,42は、それぞれCPU53(中央処理装置)、ASIC54(Application Specific IC(特定用途向け集積回路))、RAM55、及び不揮発性メモリー56を備えている。CPU53は、不揮発性メモリー56に記憶されたプログラムを実行することにより、印刷制御に必要な各種タスクを実行する。また、ASIC54は、印刷データの処理など記録系のデータ処理などを行う。ASIC54は、印刷画像データに基づき記録ヘッド29のインク滴噴射回数に相当するドット数を色別に計数し、記録ヘッド毎の各色のドット数を合計して色別のインク消費量も算出する。このとき、マスター側のASIC54は7個の記録ヘッド29Bのインク消費量を色別に算出し、一方のスレーブ側のASIC54は8個の記録ヘッド29Bのインク消費量を色別に算出する。
そして、マスター側コントローラー41は、7個の記録ヘッド29Bが消費した8色分のインク消費量のうち、スレーブ側に接続されたIC素子47に保存すべき4色分のインク消費量をスレーブ側コントローラー42へ送る。一方、スレーブ側コントローラー42は、8個の記録ヘッド29Aが消費した8色分のインク消費量のうち、マスター側に接続されたIC素子47に保存すべき4色分のインク消費量をマスター側コントローラー41へ送る。そして、各コントローラー41,42は、自身のASIC54が算出した未送信の4色分のインク消費量と、相手側のコントローラーから受信した同色の4色分のインク消費量を色別に加算して、自身が受け持つ4個のインクカートリッジICのインク消費量をそれぞれ求める。そして、IC素子47のメモリーに記憶されたそれまでのインク残量から今回求めたインク消費量を減算し、その時々のインク残量を色毎に取得する。
例えばホスト装置120のプリンタードライバー122からインク残量情報の要求を受け付けると、各コントローラー41,42は、互いに相手側管理の4色分のインク残量を相手側に送信する。そして、各コントローラー41,42は、相手側から受信した4色分のインク残量と、自身管理の4色分のインク残量との合計8色分のインク残量情報をホスト装置120のプリンタードライバー122へ送信する。プリンタードライバー122は、各コントローラー41,42のそれぞれから8色分のインク残量情報を受信し、そのうち一方(例えばマスター側)から受信した8色分のインク残量情報に基づいて、モニター123に8色分のインク残量を示すインジケーターを表示する。
一方、メカコントローラー43には、モーター駆動回路60を介してメカニカル機構部44を構成する搬送モーター61、第1キャリッジモーター(以下、「第1CRモーター62」ともいう)及び第2キャリッジモーター(以下、「第2CRモーター63」ともいう)がそれぞれ接続されている。また、メカコントローラー43には、吸引装置30が接続されている。さらにメカコントローラー43には、モーター駆動回路66を介してメンテナンス装置32を構成する昇降モーター67及びポンプモーター68がそれぞれ接続されている。
また、メカコントローラー43には、入力系として、電源スイッチ71、操作部72、エンコーダー73がそれぞれ接続されている。電源スイッチ71の操作に基づく電源オン/オフ信号は、メカコントローラー43から出力されて各コントローラー41,42へ入力される。各コントローラー41,42は、電源スイッチ71のオン信号を入力すると起動する。メカコントローラー43はマスター側コントローラー41から通信線SL1を通じて受信した各種コマンドに従って、各モーター61〜63,67,68及び吸引装置30を駆動制御する。
制御装置Cは、印刷時に、搬送モーター61を駆動してシート13の次の被印刷領域をプラテン19上に配置すべくシート13を搬送する搬送動作と、シート搬送後に次の被印刷領域をプラテン19に吸着させる吸着動作と、記録ヘッド29によるシート13への印刷動作と、1回分(1頁分)の印刷終了後にシート13の吸着を解除する吸着解除動作とを行う。このとき、印刷動作は、キャリッジ27の主走査方向Xへの移動中に記録ヘッド29からインク滴を噴射することにより行われる。この印刷動作は、第1CRモーター62の駆動によるキャリッジ27の主走査方向への移動(1パス動作)と、1パス終了毎に行われるキャリッジ27の副走査方向Yへの移動とを、所定回数繰り返すことにより行われる。
図5は、マスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42の機能構成を説明するブロック図である。図5に示すように、両コントローラー41,42は、互いに対称な構成を有している。なお、対称な構成(ほぼ同じ機能構成)であるので、以下、マスター側コントローラー41の構成を説明し、これと対比してスレーブ側コントローラー42の一部異なる構成を説明する。
図5に示すように、マスター側コントローラー41は、入力手段の一例としてのUSBポートU3、処理手段の一例としての画像処理部81、制御手段の一例としてのメカ制御部82、主制御部83、通信手段の一例としてのメカI/F部84、仮想駆動制御手段の一例としての仮想メカコントローラー85(バーチャルメカコントローラー)を備えている。さらに、マスター側コントローラー41は、電源管理部86、通信I/F部87、画像バッファー88、ヘッド制御部89、タイマー部90、インク管理部91及び検査制御部92を備えている。一方、スレーブ側コントローラー42は、仮想メカコントローラー85に替えて、仮想駆動制御手段の一例としてのダミーメカコントローラー95を備える点が異なるだけで、その他の構成はマスター側コントローラー41と同様である。なお、主制御部83は、各部82,84〜92を統括的に制御する機能を有する。
また、スレーブ側コントローラー42のメカI/F部84は、マスター側コントローラー41の仮想メカコントローラー85と通信線SL3を通じて接続されている。すなわち、マスター側コントローラー41のメカI/F部84が実際のメカコントローラー43に接続されているのに対して、スレーブ側コントローラー42のメカI/F部84はマスター側コントローラー41内に設けられた仮想メカコントローラー85に接続されている。スレーブ側のメカI/F部84はメカコントローラー43へコマンドを出力したつもりで実際は仮想メカコントローラー85へコマンドを送信している。
図5に示すマスター側コントローラー41においてUSBポートU3は、ホスト装置120のプリンタードライバー122(図1、図4参照)から印刷データPD1を入力する。マスター側の画像処理部81は、印刷データPD1の解凍処理、コマンド解析、マイクロウィーブ処理及び縦横変換処理などの画像処理を行う。一方、図5に示すスレーブ側コントローラー42においてUSBポートU4は、ホスト装置120のプリンタードライバー122(図1、図4参照)から印刷データPD2を入力する。スレーブ側の画像処理部81は、印刷データPD2の解凍処理、コマンド解析、マイクロウィーブ処理及び縦横変換処理などの画像処理を行う。
画像処理部81は、解凍後の印刷データを画像バッファー88に一時格納し、画像バッファー88から読み出した印刷データに対してコマンド解析を行う。ここで、印刷データPDは印刷画像データとコマンドとを含む。解凍後の印刷データに対してコマンド解析を行ってコマンドを取得し、その取得したコマンドはメカ制御部82へ送られる。画像処理部81は、コマンドが分離された印刷画像データに対してマイクロウィーブ処理及び縦横変換処理を順次施し、得られた印刷画像データを画像バッファー88に格納する。
ここで、マイクロウィーブ処理とは、記録ヘッド29のノズル位置のばらつきが原因で印刷ドット位置のばらつきが発生することを防止すべく、副走査方向Yに隣り合う印刷ドットを形成する各ノズルが隣接ノズルとならないように使用ノズルを変えることでノズル位置のばらつきの影響を弱めるように画素データを並び替える処理である。また、縦横変換処理とは、画像処理部81が印刷データPDを解凍して得た印刷用画像データ(プレーンデータ)は、表示用の画素の並び順のデータなので、記録ヘッド29のノズル36からインク滴を噴射する噴射順序に合わせて、表示用の横方向(ノズル列の並び方向)の画素の並び順を、縦方向(ノズル列方向)の並び順に変換する処理ある。
ヘッド制御部89は、印刷画像データに画像処理が施されて生成されたヘッド制御データを、画像バッファー88から読み出しつつ記録ヘッド29毎に分割して各HCU45へ逐次転送する。そして、HCU45から記録ヘッド29へヘッド制御データが逐次送信される。記録ヘッド29内の不図示のヘッド駆動回路は、ヘッド制御データに基づきノズル36毎の噴射駆動素子を駆動制御し、ノズル36からインク滴を噴射させる。このとき、ヘッド制御部89は、リニアエンコーダー50から入力されるエンコーダーパルス信号を基に噴射タイミング信号を生成し、ヘッド駆動回路はこの噴射タイミング信号に基づき噴射駆動素子を駆動させる。
図5に示すメカ制御部82は、画像処理部81から受け付けたコマンドをメカI/F部84へ送る。このとき、メカ制御部82は、例えばヘッド制御部89の処理の進捗を監視しており、次パスの印刷に使用するヘッド制御データが揃い印刷準備ができた段階でコマンドをメカI/F部84へ送る。
メカI/F部84は、メカ制御部82からコマンドを受け付けると、仮想メカコントローラー85に問合せをする。そして、メカI/F部84は、仮想メカコントローラー85から問合せの応答としてAck信号(肯定信号)を受信すると、コマンドをメカコントローラー43へ送信する。つまり、メカI/F部84は、仮想メカコントローラー85への問合せの応答としてAck信号を受信しなければ、Ack信号を受信するまで待機し、Ack信号を受信するとコマンドをメカコントローラー43へ送信する。但し、待機時間が予め設定時間に達してタイムアウトとなった場合は、その旨をメカ制御部82を経由して主制御部83へ送信する。
一方のスレーブ側コントローラー42においても画像処理部81、メカ制御部82、メカI/F部84は同様の処理を行う。但し、ダミーメカコントローラー95は、仮想メカコントローラー85と異なる機能をもつ。ダミーメカコントローラー95は、メカI/F部84から問合せを受け付けると、無条件で直ちにAck信号を返す。このため、スレーブ側コントローラー42におけるメカI/F部84は、メカ制御部82からコマンドを受け付けて問合せをすると、ダミーメカコントローラー95から直ぐにAck信号を受信するので、コマンドの受付けからほぼ待ち時間なくそのコマンドを出力できる。
これに対して、マスター側コントローラー41における仮想メカコントローラー85は、メカI/F部84から問合せを受け付けると、通信線SL3に接続された入力ポート(入力端子)(USBポートU3とは異なる入力ポート)で通信線SL3を通じて送られてきたコマンドを受信していることを条件に、メカI/F部84にAck信号を返す。このため、マスター側コントローラー41におけるメカI/F部84は、マスター側とスレーブ側の両メカI/F部84が共にコマンドを受け付けるまで待ち、マスター側とスレーブ側の両方でコマンドが揃ってからメカコントローラー43へコマンドを出力する。このため、マスターとスレーブの両コントローラー41,42間で同期をとってコマンドをメカコントローラー43へ送信できる。
図5に示すように、仮想メカコントローラー85とダミーメカコントローラー95は同じ構成であり、共に仮想メカコン部96とダミーメカコン部97を備える。仮想メカコン部96が起動されると仮想メカコントローラー85として機能し、ダミーメカコン部97が起動されるとダミーメカコントローラー95として機能する。仮想メカコン部96とダミーメカコン部97のうちどちらを起動するかは、主制御部83が、自身がマスターであるかスレーブであるかを判定して決める。主制御部83はマスターであると判定した場合、仮想メカコン部96を有効としこれを起動するとともに、ダミーメカコン部97を無効としこれを起動させない。一方、主制御部83はスレーブであると判定した場合、ダミーメカコン部97を有効としこれを起動するとともに、仮想メカコン部96を無効としこれを起動させない。
電源管理部86には電源スイッチ71からの電源オン/オフ信号が入力される。電源管理部86は電源オン信号を入力した場合に、マスター側コントローラー41に電源電圧の供給を開始することによってこれを起動し、一方、電源オフ信号を入力した場合にマスター側コントローラー41への電源電圧の供給を遮断する。
本実施形態では、主制御部83は電源オン時に端子部51,52(図4参照)の信号レベルの状態に基づき、マスターかスレーブかを判定する。図3は、この判定方法を説明するためのもので、マスター/スレーブの各コントローラー41,42の接続状態を示す模式図である。図3に示すように、端子部51,52は、リニアエンコーダー50の検出信号(エンコーダーパルス信号)を伝送するための配線を、コントローラー41,42間あるいはコントローラー41,42と他の中継回路間に接続するためのものであり、それぞれ入力端子58Aと出力端子58Bとを備える。図3に示す本実施形態の例では、中継回路は介在しておらず、各コントローラー41,42は信号線SL2を通じて直接接続されている。この場合、マスター側が信号出力元でスレーブ側が信号出力先であるので、図3に示すように、マスター側コントローラー41の端子部51の出力端子58Bと、スレーブ側コントローラー42の端子部52の入力端子58Aとを信号線SL2で接続している。このとき、各端子部51,52における入力端子58Aと出力端子58Bとの電圧レベルの組合せが、マスター、スレーブ、中継回路の違いによって異なるので、主制御部83はこの電圧レベルの組合せから自身が所属するコントローラーがマスターかスレーブかを判定する。本例では入力端子58Aと出力端子58Bの電圧レベルは、信号線SL2が接続されている場合にLレベルになり、信号線SL2が接続されていない場合にHレベルになる。よって、主制御部83は、入力端子58Aと出力端子58Bの電圧レベルの組合せ(Vin,Vout)が、(Vin,Vout)=(H,L)であれば「マスター」、(Vin,Vout)=(L,H)であれば「スレーブ」と判定する。そして、主制御部83は、マスターであれば仮想メカコン部96を有効としこれを起動させ、一方、スレーブであればダミーメカコン部97を有効としこれを起動させる。
また、図5に示すマスター側コントローラー41におけるメカI/F部84は、メカコントローラー43でエラーが発生したときに、メカコントローラー43からコマンドの再送を要求する旨のエラー通知(エラーメッセージ)を受信する。メカI/F部84は、エラー通知を受信したときには、仮想メカコントローラー85へエラー通知を送り、仮想メカコントローラー85からその応答としてAck信号(肯定信号)を受け付けると、上位のメカ制御部82へもそのエラー通知を送るようになっている。
仮想メカコントローラー85はメカI/F部84からエラー通知を受け付けると、そのエラー通知を通信線SL3を通じてスレーブ側のメカI/F部84へ送信する。そして、この仮想メカコントローラー85はエラー通知をスレーブ側のメカI/F部84へ送信すると、メカI/F部84へAck信号を応答する。このメカI/F部84は、受信したエラー通知をダミーメカコントローラー95へ送ると共に、ダミーメカコントローラー95からAck信号の応答があると、上位のメカ制御部82にエラー通知を送るようになっている。ダミーメカコントローラー95は、エラー通知を受信した場合それを破棄し無条件でAck信号を応答する。このため、メカコントローラー43からのエラー通知は、マスターとスレーブ共にメカI/F部84からメカ制御部82へ送られ、さらにメカ制御部82から主制御部83へ送られる。主制御部83はエラー通知を受け付けると、メカ制御部82に対してコマンドの再送を指示し、この指示を受け付けたメカ制御部82はコマンドを再送する。この場合、メカ制御部82からコマンドを受け付けたメカI/F部84は仮想メカコントローラー85へコマンドの問合せをし、その応答としてAck信号を受信すると、メカコントローラー43へコマンドを送信する。
ところで、通信線SL3で通信ミスが発生した場合、スレーブ側コントローラー42はコマンドを仮想メカコントローラー85へ送信できない。つまり、通信線SL3で通信ミスが発生した場合、マスター側コントローラー41はスレーブ側コントローラー42からのコマンドを受信できない。この場合、マスター側のメカI/F部84は仮想メカコントローラー85からAck信号を受信できないので、待機時間が設定時間に達してタイムアウトになる。一方、スレーブ側コントローラー42のメカI/F部84も、仮想メカコントローラー85からAck信号を受信できないので、待機時間が設定時間に達して、やはりタイムアウトになる。
メカI/F部84はタイムアウトになると、その旨をメカ制御部82を経由して主制御部83へ通知する。主制御部83は、タイムアウトの旨を受け付けると、コントローラー41,42間で記録系、インク管理系及びノズル検査系の同期をとるために使用される通信I/F部87,87間の通信線SL4を介した通信により、現在の待機状態の処理をリセットしたうえでコマンドを再送するよう指示する。この指示は通信I/F部87,87間の通信を介して互いに相手側の主制御部83へ通知される。両主制御部83は共に待機中の現在の処理を一旦リセットしたうえで、コマンドを再送するようメカ制御部82に指示する。
なお、通信I/F部87は、マスターとスレーブにおける各ヘッド制御部89、各インク管理部91及び各検査制御部92が、処理の同期をとったり、互いの情報を交換し合ったりするための通信を行うために設けられたものである。通信線SL3の通信エラー時にはこの通信I/F部87を利用してコマンド再送要求を行うようにしている。また、タイマー部90は、時間を管理し、待機時間の計時やクリーニング設定時間の計時などのタイマー処理を行う。
図5に示すインク管理部91は、ASIC54内のインク消費量演算部(図示せず)から約半数の記録ヘッド29A(又は29B)が消費した8色分のインク消費量を取得する。そして、インク管理部91は、ホスト装置120のプリンタードライバー122からインク残量情報の要求を受け付けたとき、1回の印刷が終わったとき、電源が遮断されたときなどの所定時期に、相手側管理の4色分のインク消費量情報をメカ制御部82及び通信I/F部87を経由して相手側コントローラーのインク管理部91へ送信する。さらにインク管理部91は、インク残量演算部98を備え、受信した4色分のインク消費量と、自身が受け持つ4色分のインク消費量とを色別に加算して、全ての記録ヘッド29で消費された4色分のインク消費量を算出する。さらにインク残量演算部98は、この4色分のインク消費量を前回のインク残量から減算することで、現在のインク残量を算出する。現在のインク残量情報は、RAM55の所定記憶領域に一時記憶され、例えば電源遮断時などの所定時期に、インク管理部91がRAM55から読み出した現在のインク残量を不揮発性メモリー56に書き込むと共にIC素子47のメモリーに書き込む。
また、プリンタードライバー122からインク残量情報の要求を受け付けたときは、インク管理部91は、RAM55に記憶した現在のインク残量を相手側コントローラーのインク管理部91に送信する。そして、インク管理部91は、自身が受け持つ4色と相手側が受け持つ4色とを合わせた合計8色分のインク残量情報をUSBポートU3,U4を介してプリンタードライバー122へ送信する。このとき、プリンタードライバー122は、マスターとスレーブの両コントローラー41,42からそれぞれ8色分のインク残量情報(同一情報)を受信するが、異なる通信経路で受信した2つのインク残量情報のうち一方のインク残量情報を用いてモニター123へのインク残量表示を行う。但し、2つのインク残量情報が異なる場合は、マスター側コントローラー41から受信したインク残量情報を採用する。
タイマー部90は、メンテナンス装置32が記録ヘッド29のノズルからインクを強制的に吸引するクリーニングの実施終了時点からの経過時間を計時しており、その計時時間がクリーニング設定時間に達する度に主制御部83にその旨を通知する。主制御部83は、この通知を受け付けると、まず検査制御部92に対してノズル検査の実施を指示する。検査制御部92はヘッド制御部89と協働して、記録ヘッド29のノズルから検査用のインク滴を噴射させつつ、ノズル検査部48がこのインク滴の噴射過程におけるキャップ33の電位の変化を検出し、その検出結果に基づき不良ノズルの有無を記録ヘッド29毎に検査する。検査制御部92は、自身管理の記録ヘッド39の検査結果をメカ制御部82及び通信I/F部87を経由して相手側コントローラーの検査制御部92へ送信する。そして、検査制御部92は、受信した相手側管理の記録ヘッド29の検査結果と、自身管理の記録ヘッド29の検査結果とを総合的に判断して、記録ヘッド29に対するクリーニングが必要であるか否かを判断する。検査制御部92は、全ての記録ヘッド29のうち所定個数以上の不良ノズルを有するクリーニング対象とすべき記録ヘッド29が1個でもあれば、その記録ヘッド29を指定して主制御部83に選択クリーニングの実行を要求する。主制御部83は、この要求に基づいて、指定された記録ヘッド29を選択的にクリーニングするようメカ制御部82及びメカI/F部84を介してメカコントローラー43に指示する。なお、クリーニング対象とすべき記録ヘッド29が1個以上あった場合、常に全ての記録ヘッド29をクリーニングする構成でもよい。また、検査制御部92によるノズル検査は、印刷開始時にキャリッジ27がホーム位置から移動を開始する直前に行ってもよい。
次に、プリンター11における各コントローラー41,42の処理の流れを、図6〜図12を用いて説明する。主な処理には、印刷データを受信した各コントローラー41,42の同期をとりつつメカコントローラー43へコマンドを出力する処理(コマンド出力処理)と、メカコントローラー43からエラー通知を受け付けた際にコマンドを再送する処理(コマンド再送処理)とがある。さらに、各コントローラー41,42間の通信線SL3を介した通信が異常で通信エラーが発生した際のコマンド再送処理もある。なお、図6、図8、図10、図11では、仮想メカコントローラー85を単に「仮想メカコン」、ダミーメカコントローラー95を単に「ダミーメカコン」とそれぞれ記しており、以下の説明でもこれらの略称を用いる。
まず、コマンド出力処理について図6及び図7を用いて説明する。図6はコマンド出力処理の流れを示すブロック図、図7は同処理の流れを示すシーケンス図である。図6及び図7に示すように、マスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42のそれぞれ内部で行われる処理の流れ(図中の矢印)が、各図において左右で対称となっている。これは両コントローラー41,42が処理機能の点で同じ構成であることを意味する。
図6及び図7に示すように、各コントローラー41,42では、ホスト装置120から送られてきた印刷データPD1,PD2をそれぞれUSBポートU3,U4が受信する(図中の(1))。印刷データPD1,PD2にそれぞれに含まれる印刷画像データは、受け持つ記録ヘッド29A,29Bに応じて異なるものの、それぞれに含まれるコマンドは同一である。
画像処理部81は、USBポートU3,U4から入力した印刷データPD1,PD2を解凍後、印刷画像データとコマンドに分け、印刷画像データにマイクロウィーブ処理及び縦横変換処理を順次施しつつ得られたヘッド制御データを画像バッファー88に格納すると共に、先に分けたコマンドをメカ制御部82へ送る(図中の(2))。
メカ制御部82は、ヘッド制御部89(図5参照)の進捗を監視しつつ所定の時期にメカI/F部84へコマンドを出力する(図中の(3))。コマンドには、例えば搬送コマンド、吸着コマンド、第1キャリッジ起動コマンド(キャリッジ主走査方向移動コマンド)、第2キャリッジ起動コマンド(キャリッジ副走査方向移動コマンド)、吸着解除コマンドなどがある。これらのコマンドは、メカコントローラー43側の進捗に合わせた適宜なタイミングで送られる。
メカI/F部84は、コマンドを受信すると(図中の(4))、マスター側では仮想メカコン85に問合せをし(図中の(5))、スレーブ側ではダミーメカコン95に問合せをする(図中の(5))。
スレーブ側ではダミーメカコン95は問合せを受け付けると、無条件で直ちにAck信号を応答する(図中の(6))。スレーブ側のメカI/F部84はその応答を受け付けると、コマンドを通信線SL3へ出力する(図中の(7))。スレーブ側のメカI/F部84が出力したコマンドは、通信線SL3を通じてマスター側の仮想メカコン85に送られる。
仮想メカコン85は、マスター側とスレーブ側の両メカI/F部84からコマンドを受け付けると、両コマンドが同一のものであるか否かを判断し、同一のものであれば、マスター側のメカI/F部84に対してAck信号を応答する(図中の(8))。そして、マスター側のメカI/F部84はAck信号の応答を受け付けると、メカコントローラー43へコマンドを送信する(図中の(9))。
そして、メカコントローラー43は受信したコマンドに従ってメカニカル機構部44を駆動制御する。メカコントローラー43は例えば搬送コマンドであれば搬送モーター61を駆動してシート13を搬送し、第1キャリッジ起動コマンドであれば第1CRモーター62を駆動してキャリッジ27を主走査方向Xに移動させる。このキャリッジ27の移動途中で各コントローラー41,42に制御された記録ヘッド29がノズルからインク滴を噴射し、シート13の被印刷領域へ1パス分の印刷が施される。そして、1パス毎に受け付けたコマンドに従って第2CRモーター63の駆動によるキャリッジ27の副走査方向Yへの移動を伴いつつ、キャリッジ27を主走査方向に移動させることで所定パス数の印刷が施される。この結果、1回分の印刷を終了すると、次に受け付ける搬送コマンドに従って搬送モーター61を駆動してシート13を次の印刷位置まで搬送する。
このようにコマンド出力処理は、図6及び図7に示すように、マスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42とで対称な処理の流れで進められる。このため、マスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42とで構成の共通化が可能であり、共通の回路構成及び共通のプログラム構成の採用が可能である。
次に、コマンド再送処理について説明する。まず、通信線SL3を介した各コントローラー41,42間の通信が正常な場合のコマンド再送処理を、図8及び図9を用いて説明する。図8はコマンド再送処理の流れを示すブロック図、図9は同処理の流れを示すシーケンス図である。なお、各図ではマスター側に係る処理の流れを10番台、スレーブ側に係る処理の流れを20番台で示している。
メカコントローラー43はコマンドの受信エラーや制御中のエラーが発生すると、マスター側コントローラー41に対してコマンドの再送を要求すべくエラー通知を送信する(図中の(10))。マスター側のメカI/F部84は、エラー通知を受け付けると、その旨を仮想メカコン85へ通知する(図中の(11))。
仮想メカコン85は、通信線SL3を通じてエラー通知をスレーブ側のメカI/F部84へ送信し(図中の(20))、この送信の後、マスター側のメカI/F部84に対してAck信号を応答する(図中の(12))。Ack信号を受信したメカI/F部84は、メカ制御部82へエラー通知し(図中の(13))、さらにメカ制御部82は主制御部83へエラー通知する(図中の(14))。
一方、スレーブ側では、エラー通知を受信したメカI/F部84はその旨をダミーメカコン95へ通知する(図中の(21))。ダミーメカコン95は、直ぐにメカI/F部84へAck信号を応答する(図中の(22))。Ack信号を受信したメカI/F部84は、メカ制御部82へエラー通知し(図中の(23))、さらにメカ制御部82は主制御部83へエラー通知する(図中の(24))。
マスター側とスレーブ側双方の主制御部83は、エラー通知を受け付けると、メカ制御部82にコマンドの再送(リトライ)を指示する(図中の(15),(25))。メカ制御部82はその指示に従ってコマンドをメカI/F部84へ再送する(図中の(16),(26))。そして、マスター側ではメカI/F部84は再送のコマンドを受け付けると、仮想メカコン85にその再送のコマンドを付けて問合せをし(図中の(17))、一方、スレーブ側ではメカI/F部84が再送のコマンドを受け付けると、ダミーメカコン95にその再送のコマンドを付けて問合せをする(図中の(27))。ダミーメカコン95は問合せに対して無条件で直ちにAck信号を応答し(図中の(28))、そのAck信号を受け付けたメカI/F部84は再送のコマンドを通信線SL3へ出力し、このコマンドは仮想メカコン85が受信する(図中の(29))。仮想メカコン85はマスター側とスレーブ側双方の各メカI/F部84から受信したコマンドが同一のものであるか否かを判断し、同一のものであることを確認すると、メカI/F部84にAck信号を応答する(図中の(18))。そして、その応答を受け付けると、メカI/F部84はメカコントローラー43に対してコマンドを再送する(図中の(19))。
このようにマスター側においてメカI/F部84がエラー通知を受信してから再送のコマンドを出力するまでの処理(10)〜(19)と、スレーブ側においてメカI/F部84がエラー通知を受信してから再送のコマンドを出力するまでの処理(20)〜(29)とは対称になっている。これによりマスター側とスレーブ側で同じ構成のプログラムや処理回路を採用できる。
次に、コマンド出力処理において、各コントローラー41,42間の通信線SL3を介した通信でエラーが発生した際のコマンド再送処理を、図10〜図12を用いて説明する。図10、図11は通信エラー発生時のコマンド再送処理の流れを示すブロック図、図12は同処理の流れを示すシーケンス図である。
図10に示すように、コマンド出力処理において、マスター側では、メカ制御部82からコマンドを受け付けたメカI/F部84が仮想メカコン85にコマンドの問合せをすると(図中の(5))、仮想メカコン85はスレーブ側のメカI/F部84からのコマンドを受信するまで待ち状態になる。
一方、スレーブ側では、メカ制御部82からコマンドを受け付けたメカI/F部84がダミーメカコン95にコマンドの問合せをすると(図中の(5))、ダミーメカコン95から直ぐAck信号の応答を受け付けるので(図中の(6))、マスター側の仮想メカコン85へ通信線SL3を介してコマンドを送信する(図中の(7))。このとき、仮想メカコン85は受信データをチェック(パリティーチェック等)しそのデータ内容にエラーがあると、コマンドの再送を要求するが、これを所定回数繰り返してもコマンドを受信できないと、タイムアウトになる。仮想メカコン85がタイムアウトになると、マスター側のメカI/F部84は仮想メカコン85からAck信号の応答(図中の(8))がないので、同様にタイムアウトになる。一方、スレーブ側のメカI/F部84は通信線SL3を通じて仮想メカコン85へコマンドを送信できないので、同様にタイムアウトになる。
マスター側とスレーブ側双方のメカI/F部84がタイムアウトになった場合、図11及び図12に示す処理が行われる。なお、図11(a)及び図12における30番台及び40番の処理がマスター側からスレーブ側への処理を示し、図11(b)及び図12における50番台及び60番の処理がスレーブ側からマスター側への処理を示す。
図11及び図12に示すように、双方のメカI/F部84はタイムアウトになると、メカ制御部82に対して通信エラーの旨を通知する(図中の(31),(51))。メカ制御部82はさらに主制御部83へその旨を通知する(図中の(32),(52))。主制御部83は通信I/F部87へコマンド再送を指示し(図中の(33),(53))、通信I/F部87,87間の通信線SL4を通じてそれぞれ相手側のコントローラーへコマンド再送の指示を送信する(図中の(34),(54))。
相手側の通信I/F部87はコマンド再送の指示を主制御部83へ送る(図中の(35),(55))。相手側の主制御部83は、コマンド再送の指示を受信すると、メカ制御部82に対してコマンド再送を指示する(図中の(36),(56))。
メカ制御部82は、現在進行中の処理(ヘッド制御部89への制御を含む)を一旦中止し、コマンドの再送を含む処理をもう一度やり直す(図中の(37),(57))。そして、メカ制御部82から再送されたコマンドはメカI/F部84が受信する。
そして、マスター側ではメカI/F部84が再送のコマンドを受け付けると、仮想メカコン85に対してコマンドの問合せをする(図中の(58))。一方、スレーブ側ではメカI/F部84が再送のコマンドを受け付けると、ダミーメカコン95に対してコマンドの問合せをする(図中の(38))。ダミーメカコン95は無条件で直ちにAck信号を応答し(図中の(39))、その応答を受け付けたメカI/F部84は通信線SL3を通じて仮想メカコン85へコマンドを送信する(図中の(40))。
マスター側の仮想メカコン85は、通信線SL3を通じてコマンドを受信し、マスター側のコマンドとスレーブ側のコマンドを共に入力すると、両コマンドが同一のものである否かを判断し、同一のものであればマスター側のメカI/F部84に対してAck信号を応答する(図中の(59))。そして、マスター側のメカI/F部84は仮想メカコン85からAck信号の応答を受け付けると、メカコントローラー43に対して再送のコマンドを送信する(図中の(60))。
このように本実施形態では、通信線SL3を介した通信でエラーが発生しても、通信I/F部87間の通信により通信線SL4を経由して相手側の主制御部83に対してコマンド再送を指示することができる。例えば通信エラーでコマンドをメカコントローラー43へ送信できない場合は、各コントローラー41,42は処理を停止してエラー状態に陥り、この場合、各コントローラー41,42をリセットしなければならない。各コントローラー41,42をリセットすると、ホスト装置120から各コントローラー41,42へ印刷データPD1,PD2を送信する処理からやり直さなければならない。この印刷データPD1,PD2の再送信はシリアル通信のため時間を要し、続きの印刷を開始するまでに比較的長い待ち時間ができる。
しかし、本実施形態では、通信線SL3を介した通信でエラーが生じた場合、通信線SL4を経由して相手側コントローラーの主制御部83へコマンド再送の指示を送ることができるので、コマンドの再送で済ますことができる。このため、リセット時の印刷データPD1,PD2のシリアル通信による再送信が不要になり、印刷の途中で印刷データPD1,PD2の再送信による待ち時間の発生をなるべく回避することができる。
以上詳述したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)マスター側コントローラー41とスレーブ側コントローラー42とでプログラムを同じにすることができるので、マスター用とスレーブ用とで別々のプログラムを設計・作成する必要がなくなる。従って、プリンター11の開発速度を高められるうえ、開発コストも低く抑えることができる。
(2)メカI/F部84はコマンドを受け付けると、仮想メカコン85にコマンドの問合せをし、この問合せに対して仮想メカコン85は、通信線SL3を通じて外部から受け付けたコマンドと、問合せのコマンドとが同一のものであれば、マスター側のメカI/F部84に対してAck信号を応答する。そして、メカI/F部84はメカコントローラー43にコマンドを送信する構成なので、マスター側の制御対象である記録ヘッド29Bとスレーブ側の制御対象である記録ヘッド29Aとの両印刷処理に合わせた同期をとったタイミングでコマンドを送信することができる。
(3)メカコントローラー43からエラー通知を受け付けたときには、メカI/F部84は、仮想メカコン85にその旨を通知し、仮想メカコン85からスレーブ側のメカI/F部84へエラー通知を送信するとともにその送信した旨の応答を受け付けると、メカ制御部82へエラー通知を行う構成とした。そして、スレーブ側のメカI/F部84は、ダミーメカコン95にエラー通知をし、ダミーメカコン95から無条件で応答があると、メカ制御部82へエラー通知を行う。よって、メカコントローラー43からのエラー通知を、マスターとスレーブとの両方の主制御部83,83に通知することができる。そして、両方の主制御部83,83は、それぞれメカ制御部82に対してリトライを指示するので、メカ制御部82はリトライを行ってコマンドを再送することができる。
(4)プリンター11の電源スイッチ71がオン操作された際の電源オン信号を入力すると、主制御部83は、端子部51(又は52)の入力端子58Aと出力端子58Bの電圧レベルの組合せ(Vin,Vout)から、自身が属するコントローラーがマスターであるかスレーブであるかを判別する構成とした。このため、各コントローラー41,42の接続状態から自身がマスターであるかスレーブであるかを容易に判別できる。例えば不揮発性メモリー56にマスター情報又はスレーブ情報を記憶しておき、電源オン時に不揮発性メモリー56の記憶情報に基づき自身がマスターであるかスレーブであるかを判別することも可能ではある。しかし、不揮発性メモリー56が実装された基板(ボード)の交換がなされ、例えばスレーブ側の基板とマスター側の基板とが置き換えられると、各コントローラー41,42の接続状態に関係なく、マスターとスレーブが各コントローラー41,42で入れ替わり、プリンター11が正常に機能しえなくなってしまう。
これに対して本実施形態では、各コントローラー41,42の接続状態に基づきマスターであるかスレーブであるかを判別するので、各コントローラー41,42の接続状態に応じて適切にマスターとスレーブを設定できる。例えば各コントローラー41間で接続状態を逆にしたり、不揮発性メモリー56の基板を交換したりしても、適切にマスターとスレーブを設定できる。
(5)主制御部83がマスターと判別した場合は、仮想メカコントローラーのうち仮想メカコン部96(マスター実現部)を起動させることで仮想メカコントローラー85を構築する。一方、主制御部83がスレーブと判別した場合は、仮想メカコントローラーのうちダミーメカコン部97(スレーブ実現部)を起動させることでダミーメカコントローラー95を構築する。よって、共通の構成である仮想メカコントローラー内の仮想メカコン部96とダミーメカコン部97のうち一方を起動させることにより、コントローラー41,42を、マスターの機能をもつマスター側コントローラー41、又はスレーブの機能をもつスレーブ側コントローラー42に設定することができる。このため、各コントローラー41,42を共通の構成にすることができる。
(6)主制御部83はスレーブとの判別結果に応じてダミーメカコン部97(スレーブ実現部)を起動させることで、コントローラーを、メカI/F部84からの問合せに対して無条件でAck信号を応答する(肯定応答をする)ダミーメカコントローラー95を有するスレーブ側コントローラー42として構築できる。ダミーメカコントローラー95は問合せに対して無条件で肯定応答をするので、スレーブ側からマスター側へ直ちにコマンドを送信することができる。スレーブ側においてメカI/F部84がメカ制御部82からコマンドを受け付けてからそのコマンドを出力するまでの待機時間を極力短くすることができる。
(7)主制御部83はマスターとの判別結果に応じて仮想メカコン部96(マスター実現部)を起動させることで、コントローラーを、メカI/F部84からの問合せに対してスレーブ側からコマンドの入力があると、Ack信号を応答する(肯定応答をする)仮想メカコントローラー85を有するマスター側コントローラー41として構築できる。
(8)仮想メカコントローラー85はコマンドの問合せに対してスレーブ側から受信したコマンドと同一のコマンドであるか否かを判断し、同一のものであると判断できると、マスター側のメカI/F部84へAck信号を応答する(肯定応答をする)。よって、マスター側とスレーブ側とでコマンドが同一である場合に限り、コマンドをメカコントローラー43へ送信できる。例えば、マスター側とスレーブ側でコマンドが異なっていた場合は、仮想メカコントローラー85はAck信号を応答せず否定応答をする。このため、マスター側とスレーブ側でコマンドが異なっている場合におけるメカコントローラー43へのコマンドの送信を防止することができる。
(9)スレーブ側コントローラー42のメカI/F部84の外部出力端子と、マスター側コントローラー41の仮想メカコントローラー85の外部入力端子とを通信線SL3を介して接続した。このため、スレーブ側コントローラー42からのコマンドをマスター側コントローラー41へ送り、マスター側コントローラー41側でスレーブ側コントローラー42との同期をとりつつコマンドをメカコントローラー43へ送信できる。
(10)マスター側コントローラー41のUSBポートU3と、スレーブ側コントローラー42のUSBポートU4は、複数の記録ヘッドのうち分担してそれぞれが受け持つ記録ヘッド29(流体噴射ヘッド)分の画像データをそれぞれ入力するので、不要な画像処理を回避できる。
(11)複数の記録ヘッド29に関するデータとしてのインク消費量情報を取得するインク管理部91(制御管理手段)を備え、相手側管理のインク消費量情報を通信I/F部87(第2通信手段)を介して互いに送信し合う。インク管理部91は、相手側から受信したインク消費量情報と、自身管理のインク消費量情報とに基づいて、インク残量の算出処理(所定処理)を行う。よって、複数個(例えば8個)のインクカートリッジIC1〜IC8のインク残量を各コントローラー41,42が分担して管理できる。
(12)ノズル検査結果を通信I/F部87を介して相手側に送信し合い、各コントローラー41,42の各検査制御部92は、全ての記録ヘッド29に対するノズル検査結果に基づきメンテナンス装置32によるクリーニングを行うべきか否かを判断する。クリーニングを行うべきと判断した場合は、検査制御部92はメカ制御部82に対してクリーニングの実施を指示し、その指示を受け付けたメカ制御部82はクリーニングコマンドをメカI/F部84に送る。よって、マスター側とスレーブ側双方のコントローラー41,42で同一のコマンド(クリーニングコマンド)を送ることができる。従って、クリーニングを実施すべきときにはクリーニングコマンドをメカコントローラー43へ出力でき、クリーニングが不要なときはクリーニングコマンドを出力させないようにすることができる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・不揮発性メモリー56に予め記憶しておいたマスター/スレーブ判別情報に基づき、コントローラー41,42が、自身がマスター側コントローラーかスレーブ側コントローラーかを判別する構成を採用してもよい。
・仮想メカコントローラー85は、両コマンドが同一であるか否かの判断を省略することもできる。例えば、仮想メカコントローラー85は同期をとる目的だけの機能を有し、受け付けたスレーブ側のコマンドをメカI/F部84に応答と共に通知し、メカI/F部84がコマンドが同一であるか否かを判断する構成や、コマンドが1種類だけの装置などであれば何ら問題はない。
・制御管理手段は、インク管理部91と検査制御部92の両方に限定されず、いずれか一方のみでもよい。
・印刷制御装置は二つに限らず、三つ以上の印刷制御装置を接続した構成も採用できる。
・記録ヘッドは1個でもよい。例えばライン記録方式の長尺状の記録ヘッドにおいて全ノズルを複数に分割したヘッド領域を複数に分担して二以上の印刷制御装置により制御し、これらの印刷制御装置を同期させてメカコントローラーにコマンドを出力する構成も採用できる。
・印刷装置はラテラル式のプリンター11に限定されず、シリアルプリンター、ラインプリンター、ページプリンターでもよい。さらにインクジェット式に限定されず、ドットインパクト式の印刷装置にも適用できる。
・前記各実施形態では、印刷装置として、インクジェット式のプリンター11が採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよい。また、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。この場合、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態を言い、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置が挙げられる。さらに、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。また、流体は、トナーなどの粉粒体でもよい。なお、本明細書でいう流体には、気体のみからなるものは含まないものとする。
11…印刷装置としてのプリンター、13…印刷媒体としてのシート、27…キャリッジ、29,29A,29B…流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、32…メンテナンス装置、36…ノズル、41…印刷制御装置、第1印刷制御装置及びマスター側印刷制御装置としてのマスター側コントローラー、42…印刷制御装置、第2印刷制御装置及びスレーブ側印刷制御装置としてのスレーブ側コントローラー、43…駆動制御手段としてのメカコントローラー、44…メカニカル機構部、45…ヘッド制御ユニット(HCU)、46…通信回路、47…IC素子、48…ノズル検査部、49…検査回路、50…リニアエンコーダー、51,52…端子部、53…CPU、54…ASIC、55…RAM、56…不揮発性メモリー、61…搬送手段を構成する搬送モーター、62…第1CRモーター、63…第2CRモーター、71…電源スイッチ、81…処理手段としての画像処理部、82…制御手段としてのメカ制御部、83…判別手段としての主制御部、84…通信手段としてのメカI/F部、85…仮想駆動制御手段としての仮想メカコントローラー、86…電源管理部、87…第2通信手段としても通信I/F部、88…画像バッファー、89…ヘッド制御手段としてのヘッド制御部、90…タイマー部、91…制御管理手段としてのインク管理部、92…制御管理手段及び検査制御手段としての検査制御部、95…仮想駆動制御手段及びダミー仮想駆動制御手段としてのダミーメカコントローラー、96…マスター実現部としての仮想メカコン部、97…スレーブ実現部としてのダミーメカコン部、98…インク残量演算部、100…印刷システム、110…画像生成装置、120…ホスト装置、122…プリンタードライバー、C…制御装置、U3,U4…入力手段としてのシリアル通信ポート(USBポート)、IC1〜IC8…流体収容体としてのインクカートリッジ、SL3…通信線、SL4…通信線。

Claims (15)

  1. 他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置であって、当該印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置において、
    画像データとコマンドとを入力する入力手段と、
    前記入力手段が入力した画像データとコマンドとを処理する処理手段と、
    メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して前記処理手段からの前記処理手段により処理されたコマンドを送る制御手段と、
    前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段と、
    前記制御手段と前記駆動制御手段との間に介在し、前記制御手段から前記処理されたコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記制御手段からの前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信手段と
    を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
  2. 他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置であって、当該印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置において、
    画像データとコマンドとを入力する入力手段と、
    前記入力手段が入力した画像データとコマンドとを処理する処理手段と、
    メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して前記処理手段からの前記処理手段により処理されたコマンドを送る制御手段と、
    前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段と、
    前記制御手段と前記駆動制御手段との間に介在し、前記駆動制御手段から前記処理されたコマンドの再送信を要求するエラー通知を入力すると、前記制御手段と前記仮想駆動制御手段との両方に前記エラー通知を送り、当該エラー通知の送信後、前記制御手段から前記処理されたコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記制御手段からの前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信手段と
    を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の前記印刷制御装置と前記他の印刷制御装置とを備えた印刷制御システムであって、
    前記二つの印刷制御装置のうち一方のマスター側印刷制御装置の通信手段は、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に接続されており、他方のスレーブ側印刷制御装置の通信手段が、前記マスター側印刷制御装置の仮想駆動制御手段に接続されていることを特徴とする印刷制御システム。
  4. コマンドを入力する入力手段と、コマンドの出力制御を行う制御手段と、コマンドを出力する通信手段と、仮想駆動制御手段とをそれぞれ備えた二つの印刷制御装置を備えた印刷制御システムであって
    前記二つの印刷制御装置のうち一方のマスター側印刷制御装置の通信手段は、メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に接続されており、他方のスレーブ側印刷制御装置の通信手段が、前記マスター側印刷制御装置の前記仮想駆動制御手段に接続されており、
    前記スレーブ側印刷制御装置では、前記通信手段は前記制御手段からコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段にコマンド出力許可を問い合わせし、当該仮想駆動制御手段は当該問い合わせに対して直ぐにコマンド送信許可の旨を応答し、当該通信手段は当該応答があるとコマンドを出力し、
    前記マスター側印刷制御装置では、前記通信手段は前記制御手段からコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段にコマンド送信許可を問い合わせし、当該仮想駆動制御手段は、当該問い合わせと、前記スレーブ側印刷制御装置からのコマンドの受信との両方があった場合に、当該通信手段に対してコマンド送信許可の旨を応答し、当該通信手段は、前記仮想駆動制御手段から前記コマンド送信許可の旨の応答があると、前記制御手段から入力したコマンドを前記駆動制御手段に出力することを特徴とする記載の印刷制御システム。
  5. 前記二つの印刷制御装置は、印刷装置の起動時にマスターかスレーブかを判別する判別手段をそれぞれ備え、
    前記仮想駆動制御手段は、マスター実現部とスレーブ実現部とを備え、
    前記仮想駆動制御手段は、前記マスター実現部とスレーブ実現部のうち前記判別手段の判別結果に応じた一方を起動させ
    前記マスター側印刷制御装置は、前記判別手段の判別結果に応じて前記マスター実現部が起動されるように設定され、前記スレーブ側印刷制御装置は、前記判別手段の判別結果に応じて前記スレーブ実現部が起動されるように設定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷制御システム。
  6. 記スレーブ側印刷制御装置の前記仮想駆動制御手段は、前記スレーブ実現部が起動されることにより、前記通信手段からの問合せに対して無条件に肯定応答をするダミー仮想駆動制御手段として機能することを特徴とする請求項5に記載の印刷制御システム。
  7. 前記判別手段は、前記印刷制御装置の端子の接続状態に応じた信号レベルに基づき、マスターかスレーブかを判別することを特徴とする請求項6に記載の印刷制御システム。
  8. 前記マスター側印刷制御装置と前記スレーブ側印刷制御装置とは、前記入力手段が入力した画像データに基づき流体噴射ヘッドを制御するヘッド制御手段をそれぞれ備え、
    前記マスター側印刷制御装置の前記入力手段と、前記スレーブ側印刷制御装置の前記入力手段とは、前記ヘッド制御手段によって制御される前記流体噴射ヘッドに対応して分配された画像データをそれぞれ入力することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の印刷制御システム。
  9. 前記マスター側印刷制御装置と前記スレーブ側印刷制御装置とは、複数のうちそれぞれが分担する前記流体噴射ヘッドに関するデータを取得する制御管理手段と、
    自身の前記制御管理手段が取得したデータのうち他方の前記制御管理手段が担当するデータを当該他方の制御管理手段へ送信する第2通信手段とを更に備え、
    前記制御管理手段は、自身が取得したデータのうち前記他方の制御管理手段へ送信しなかったデータと、前記第2通信手段が前記他方の制御管理手段から受信したデータとに基づいて所定処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御システム。
  10. 前記制御管理手段は、前記流体噴射ヘッドへ供給すべき流体を流体種毎に収容する複数の流体収容体を分担して管理する構成であって、分担する前記流体噴射ヘッドで消費された流体消費量を前記データとして演算し、
    前記制御管理手段は、自身が取得した前記流体消費量のうち前記他方の制御管理手段へ送信しなかった流体消費量と、前記第2通信手段が前記他方の制御管理手段から受信した流体消費量とに基づいて担当する流体収容体の流体消費量又は流体残量を演算することを特徴とする請求項9に記載の印刷制御システム。
  11. 前記制御管理手段は、分担する前記流体噴射ヘッドのノズルを検査する検査制御手段であり、
    前記検査制御手段は、自身が取得したノズル検査結果のうち他方の検査制御手段へ送信しなかったノズル検査結果と、前記第2通信手段が前記他方の検査制御手段から受信したノズル検査結果とに基づいて前記流体噴射ヘッドのメンテナンスを実施すべきか否かを判定し、メンテナンスを実施すべきと判定した場合は前記制御手段がメンテナンスを指示するコマンドを前記通信手段に送ることを特徴とする請求項9に記載の印刷制御システム
  12. 前記仮想駆動制御手段へ問合せをして設定時間を経過しても、前記コマンドを入力した旨の応答がない場合は、印刷制御装置間の通信を行うために前記通信手段とは別に設けられた第2通信手段を介して前記コマンドの再送を要求すべくエラー通知を出力することを特徴とする請求項3乃至11のいずれか一項に記載の印刷制御システム。
  13. 請求項3乃至12のいずれか一項に記載の印刷制御システムと
    印刷媒体を搬送する搬送手段と、
    前記印刷制御装置からのコマンドに基づき前記搬送手段を駆動制御する駆動制御手段と、
    前記印刷制御装置により駆動制御されるとともに、前記搬送手段により搬送される印刷媒体に流体を噴射して印刷を施す流体噴射ヘッドと
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  14. 他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置における印刷制御方法であって、
    画像データとコマンドとを入力する入力ステップと、
    前記入力ステップで入力した画像データとコマンドとを処理して前記処理されたコマンドを制御手段へ送る処理ステップと、
    メカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して通信手段を介してコマンドを送信可能に構成された制御手段が、前記処理ステップで送られた前記処理されたコマンドを受信して前記通信手段へ送る制御ステップと、
    前記通信手段が、前記制御手段から前記処理されたコマンドを入力すると、前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信ステップと
    を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
  15. 他の印刷制御装置と通信可能に接続された印刷制御装置で処理されたコマンドを前記他の印刷制御装置で処理されたコマンドの出力と同期させて駆動制御手段に対して出力する印刷制御装置における印刷制御方法であって、
    前記駆動制御手段から処理されたコマンドの再送信を要求するエラー通知を通信手段が入力すると、入力したコマンドを処理することが可能に構成された処理手段からの処理されたコマンドをメカニカル機構部を駆動制御する駆動制御手段に対して送ることが可能に構成される制御手段と、前記他の印刷制御装置から処理されたコマンドを入力可能に構成される仮想駆動制御手段との両方に前記エラー通知を送るエラー通知ステップと、
    前記エラー通知の送信後、前記通信手段が前記制御手段から再送された前記処理されたコマンドを入力すると、前記仮想駆動制御手段へ前記他の印刷制御装置から前記処理されたコマンドの入力の有無を問い合わせるとともに、前記仮想駆動制御手段から前記他の印刷制御装置からの前記処理されたコマンドの入力が有った旨の応答があると、前記処理されたコマンドを前記駆動制御手段に出力する通信ステップと
    を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
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