JP5649814B2 - 不定根形成に関与する核酸およびタンパク質、並びにこれらの用途 - Google Patents

不定根形成に関与する核酸およびタンパク質、並びにこれらの用途 Download PDF

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Description

本発明は、植物の不定根形成に関与する核酸およびタンパク質、並びにこれらの用途に関する。
植物をクローン増殖させる場合、一般的に挿し木による方法が用いられる。挿し木とは、枝、根または葉を親株(母樹)から切り離し、挿し穂として苗床に挿して発根、発芽させて苗木を作る技術である。このような挿し木技術は、優良な植物から優良な苗木を大量に生産する技術として木本植物の繁殖において一般に行われている。挿し木技術において、対象とする木本性植物で発根が困難な場合は、発根促進剤としてナフタレン酢酸(NAA)、インドール酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)等の植物ホルモン系物質(オーキシン)を切断した枝基部に処理した後、挿し木増殖を行うなどの方法が行われている。
例えば、特許文献1には、クスノキの挿し穂をオーキシンで前処理することにより根の形成を促進する方法が記載されている。しかし、前記方法を用いても樹種および品種によっては発根が困難な樹種もある。これら発根が極めて困難な樹種においては、未だ実用的な発根促進剤の開発あるいは発根方法に至ってない。発明者らは、炭酸ガス濃度を通常の2−5倍に高めることによって発根率を上昇させる方法を開発した(特許文献2)。この方法と前記のオーキシンを添加した方法の組み合わせによって、難発根な樹種で知られるユーカリ・グロビュラス(Eucalyptus globulus)でも発根率の上昇が確認されている。
特開平10−191776号公報 特許第3861542号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の方法でも、発根率が充分とはいえない。
したがって、本発明の目的は、ユーカリ属植物等の植物を挿し木増殖させる場合などにおいて、発根率に優れた系統を選別するために、発根の容易さを判定できる方法を提供することである。
また、本発明の目的は、植物の発根能を向上させ、その発根率を向上させることにより、クローン苗、特に発根能が低い植物種に属するクローン苗の生産性を向上させることを目的する。さらに、クローン苗の大量かつ迅速な生産を可能として、その産業的利用に途を開くことを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、不定根形成に関与すると考えられる新規遺伝子を同定することに成功した。本発明者らはまた、この遺伝子の発現レベルを測定することによって、発根率を予測できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下の(a1)〜(e1)からなる群より選ばれる核酸:
(a1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列からなる核酸;
(b1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列を含む核酸;
(c1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1または数個の塩基の変異を含む塩基配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸;
(d1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸;ならびに
(e1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸。
〔2〕以下の(a2)〜(e2)からなる群より選ばれる核酸:
(a2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列からなる核酸;
(b2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列を含む核酸;
(c2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1または数個の塩基の変異を含む塩基配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸;
(d2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸;ならびに
(e2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸。
〔3〕以下の(A1)〜(E1)からなる群より選ばれるタンパク質:
(A1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(B1)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(C1)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1または数個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与するタンパク質;
(D1)配列番号2に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与するタンパク質;ならびに
(E1)前記(a1)〜(e1)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質。
〔4〕以下の(A2)〜(E2)からなる群より選ばれるタンパク質:
(A2)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(B2)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(C2)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1または数個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与するタンパク質;
(D2)配列番号4に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与するタンパク質;ならびに
(E2)前記(a2)〜(e2)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質。
〔5〕以下の(f1)〜(h1)からなる群より選ばれる物質またはセット:
(f1)前記(a1)〜(e1)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な核酸プローブ;
(g1)前記(a1)〜(e1)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンスプライマー、および前記(a1)〜(e1)からなる群より選ばれる核酸の一部に対して相補的なアンチセンスプライマーのセット;ならびに
(h1)前記(A1)〜(E1)からなる群より選ばれるタンパク質に対する抗体。
〔6〕以下の(f2)〜(h2)からなる群より選ばれる物質またはセット:
(f2)前記(a2)〜(e2)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な核酸プローブ;
(g2)前記(a2)〜(e2)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンスプライマー、および前記(a2)〜(e2)からなる群より選ばれる核酸の一部に対して相補的なアンチセンスプライマーのセット;ならびに
(h2)前記(A2)〜(E2)からなる群より選ばれるタンパク質に対する抗体。
〔7〕以下の(i1)または(j1)の核酸:
(i1)前記(a1)〜(e1)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な塩基配列からなる、アンチセンス核酸;または
(j1)前記(a1)〜(e1)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖を含む、siRNA。
〔8〕以下の(i2)または(j2)の核酸:
(i2)前記(a2)〜(e2)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な塩基配列からなる、アンチセンス核酸;または
(j2)前記(a2)〜(e2)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖を含む、siRNA。
〔9〕植物の組織片において、上記〔1〕または〔2〕の核酸に対応するmRNAの発現量、あるいは上記〔3〕または〔4〕のタンパク質の発現量を測定することを含む、植物の発根能の判定方法。
〔10〕前記植物の組織片が、木本植物の組織片である、上記〔9〕の植物の発根能の判定方法。
〔11〕上記〔1〕および/または〔2〕の核酸を含む発現ベクター。
〔12〕上記〔1〕および/または〔2〕の核酸、あるいは上記〔11〕の発現ベクターが導入された形質転換体。
〔13〕上記〔7〕および/または〔8〕の核酸を含む発現ベクター。
〔14〕上記〔7〕および/または〔8〕の核酸、あるいは上記〔13〕の発現ベクターが導入された形質転換体。
〔15〕前記形質転換体が木本植物である、上記〔12〕または上記〔14〕の形質転換体。
〔16〕上記〔7〕および/または〔8〕の核酸、あるいは上記〔13〕の発現ベクターを植物に導入することを含む、植物の発根能を向上させる方法。
〔17〕上記〔7〕および/または〔8〕の核酸、あるいは上記〔13〕の発現ベクターが導入された形質転換細胞から植物を生育させることを含む、植物の発根能を向上させた植物の作出方法。
本発明の核酸およびタンパク質は、植物の不定根形成に関与しており、その発現量を測定することにより、植物の発根能を判定することが可能となる。これにより、実際に発根試験をすることなく、植物の発根能を迅速に予測することができる。
また、本発明の核酸およびタンパク質は、植物の不定根形成の抑制に関与しており、その発現量を抑制することにより、植物の発根能を向上することが可能となり、クローン苗の生産性を向上させることができる。従って、本発明は、植物の発根能が向上した植物を大量かつ迅速に得ることが可能となり、その産業的利用に途を開くものである。
図1は、ユーカリ・グロビュラス易発根クローンAおよびユーカリ・グロビュラス難発根クローンBのそれぞれにおける、発根処理直後(0d)および処理後4日後(4d)のEglP450−101およびEglP450−121の発現量を示す図である。 図2は、ユーカリ・グロビュラス10系統の発根率と、EglP450−101遺伝子の発現量との相関を示す図である。 図3は、ユーカリ・グロビュラス10系統の発根率と、EglP450−121遺伝子の発現量との相関を示す図である。 図4は、EglP450−101遺伝子の塩基配列(配列番号1における塩基番号46〜832の塩基配列:上段)と、CYP83B1遺伝子の塩基配列(配列番号5における塩基番号1〜766の塩基配列:下段)とのアライメントを示す図である。配列番号1に示されるP450−101遺伝子の塩基配列は、既知の配列のうち、配列番号5に示されるCYP83B1遺伝子の塩基配列に対して、高い同一性(55%の同一性)を示す。 図5は、EglP450−101遺伝子の塩基配列(配列番号1における塩基番号833〜1539の塩基配列:上段)と、CYP83B1遺伝子の塩基配列(配列番号5における塩基番号767〜1500の塩基配列:下段)とのアライメントを示す図である。 図6は、EglP450−121遺伝子の塩基配列(配列番号3における塩基番号346〜1111の塩基配列:上段)と、CYP83B1遺伝子の塩基配列(配列番号5における塩基番号1〜741の塩基配列:下段)とのアライメントを示す図である。配列番号3に示されるEglP450−121遺伝子の塩基配列は、既知の配列のうち、配列番号5に示されるCYP83B1遺伝子の塩基配列に対して、高い同一性(53%の同一性)を示す。 図7は、EglP450−121遺伝子の塩基配列(配列番号3における塩基番号1112〜1839の塩基配列:上段)と、CYP83B1遺伝子の塩基配列(配列番号5における塩基番号742〜1500の塩基配列:下段)とのアライメントを示す図である。
1.植物の不定根形成に関与する核酸およびタンパク質、発現ベクターおよび形質転換体
本発明は、以下の(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸を提供する:
(a)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列、あるいは配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列からなる核酸;
(b)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列、あるいは配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列を含む核酸;
(c)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列、あるいは配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1または数個の塩基の変異を含む塩基配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸;
(d)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列、あるいは配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸;ならびに
(e)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列、あるいは配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与する核酸。
本明細書中で用いられる場合、用語「核酸」とは、DNAまたはRNAを意味する。
本発明の核酸は、P450酵素をコードする。P450遺伝子は、シトクロムP450と呼ばれる酵素をコードし、微生物から植物、動物まで生物界に広く分布する一群のヘムタンパク質であり、還元型で一酸化炭素と結合して450nmに極大を持つ特徴的な吸収スペクトルを示す。P450酵素は、モノオキシゲナーゼ様式の酸素添加酵素活性を有し、触媒する反応の基質特異性が異なる極めて多数の分子種の存在が知られているが、タンパク質の一次構造と高次構造の比較からP450は一つの共通祖先遺伝子から生物進化の過程で分化し、多様化した遺伝子ファミリーであると考えられている。植物においてもP450遺伝子は存在し、ゲノムプロジェクトの終了したシロイヌナズナArabidopsis thalianaで273個存在し、イネOryza sativaでも458個が認められ、線虫Caenorhabditis elegansの83個、ショウジョウバエDrosophyla melanogasterの89個、ヒトHomo sapiensの57個などと比較しても、高等植物のP450の数は際立って多い。P450遺伝子は、植物において、二次代謝、除草剤の代謝の他、成長分化の制御などの多くの機能に関与することが知られている。本発明の核酸は、不定根形成に関与し得るP450酵素をコードする。
一実施形態では、本発明の核酸は、上記(a)の塩基配列において、1または数個の塩基の変異を含む塩基配列を含み得る。1または数個の塩基の変異としては、1〜150個の塩基の変異が挙げられるが、1〜100個の塩基の変異が好ましく、1〜50個、1〜30個、1〜20個または1〜10個の塩基の変異がより好ましい。
塩基の変異としては、欠失、置換、付加および挿入が挙げられる。塩基の変異としては、例えば、植物の科、属、種、品種などの違いによる個体差に基づく変異、人為的な変異が挙げられる。塩基の変異が置換である場合、後述するアミノ酸残基の保存的置換に対応する塩基の置換が好ましい。変異の導入は、Kunkel法、Gapped duplex法などの公知の手法またはこれに準ずる方法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant−K(TAKARA社製)やMutant−G(TAKARA社製)など)を用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesisキットを用いて行うことができる。変異の導入はまた、本発明の核酸における、相対的に重要ではないと推定される領域に導入されてもよい。このような領域は、例えば、本発明の核酸の間で、または本発明の核酸とP450をコードする既知の核酸との間で、塩基配列のアライメント情報を得ることにより決定することができる。
別の実施形態では、本発明の核酸は、上記(a)の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含み得る。本発明の核酸は、上記(a)の塩基配列と、好ましくは約92%以上、より好ましくは約95%以上、さらにより好ましくは約96%以上、最も好ましくは約97%以上、約98%以上又は約99%以上の同一性を有する塩基配列からなる。塩基配列の同一性は、公知の方法により決定できるが、特に断らない場合、MyersおよびMiller(CABIOS,4:11−17(1989))のアルゴリズムに従うLALIGNを利用して、alignment method:global、Scoring matrix:BLOSUM62、Opening gap penalty:−14、Extending gap penalty:−4の設定により算出される。また、塩基配列の同一性は、上記によらずに、当該分野で慣用のプログラム(例えば、BLAST、FASTA等)を初期設定で用いて決定することもできる。別の局面では、同一性(%)は、当該分野で周知のNeedlemanら(J.Mol.Biol.,48:444−453(1970))のアルゴリズムを使用して決定することができる。Needlemanらのアルゴリズムは、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムに組み込まれており、同一性(%)は、例えば、BLOSUM 62 matrix又はPAM250 matrix、並びにgap weight: 16、14、12、10、8、6若しくは4、及びlength weight: 1、2、3、4、5若しくは6のいずれかを使用することによって決定することができる。塩基配列の同一性の算出については、上記の方法のなかで最も低い値を示す方法を採用してもよい。
さらに別の実施形態では、本発明の核酸は、上記(a)の塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含み得る。ストリンジェント条件下でのハイブリダイゼーションの条件は、既報の条件を参考に設定することができる(例、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,6.3.1−6.3.6(1999)参照)。例えば、このような条件としては、6×SSC(sodium chloride/sodium citrate)/45℃でのハイブリダイゼーション、次いで0.2×SSC/0.1%SDS/50〜65℃での1回又は2回以上の洗浄が挙げられる。
本発明の核酸の起源は、特に限定されず、天然由来であってもよいし、または合成されたものであってもよい。したがって、本発明の核酸は、天然物から調製されたものであってもよく、あるいは遺伝子組換え手法により得られる組換え核酸であってもよく、または化学合成により得られる核酸であってもよい。
本発明の核酸はまた、植物に由来する遺伝子をコードし得る。本明細書中で用いられる場合、用語「植物」とは、草本植物、木本植物等の任意の植物をいうが、木本植物が好ましい。木本植物としては、例えば、ユーカリ属植物、マツ属植物、サクラ属植物、アボカド属植物、マンゴー属植物、アカシア属植物、ヤマモモ属植物、クヌギ属植物、ブドウ属植物、リンゴ属植物、バラ属植物、ツバキ属植物、ジャカランダ属植物、ワニナシ属植物などが挙げられるが、好ましくはユーカリ属植物である。ユーカリ属植物としては、例えば、ユーカリ・グロビュラス(Eucalyptus globulus)、ユーカリ・アーチェリ(Eucalyptus archeri)、ユーカリ・アンプリフォリア(Eucalyptus amplifolia)、ユーカリ・カマルドレンシス(Eucalyptus camaludulensis)、ユーカリ・グンニ(Eucalyptus gunni)、ユーカリ・グランディス(Eucalyptus grandis)、ユーカリ・ニテンス(Eucalyptus nitens)、ユーカリ・バクステリ(Eucalyptus baxteri)、ユーカリ・ビコスタータ(Eucalyptus bicostata)、ユーカリ・ブラッケリ(Eucalyptus blakelyi)、ユーカリ・ブリジェシアナ(Eucalyptus bridgesiana)、ユーカリ・ボツリオイデス(Eucalyptus botryoides)、ユーカリ・ユーロフィラ(Eucalyptus urophylla)、ユーカリ・ラジアータ(Eucalyptus radiata)、またはこれらのハイブリッドなどが挙げられる。
本発明の核酸は、植物の不定根形成に関与し得る。具体的には、本発明の核酸は、不定根形成を抑制し得る。不定根の形成は、公知の方法により行なうことができる。例えば、不定根の形成は、植物のシュートを、発根床に挿し付けて、照度、温度、湿度および炭酸ガス濃度を適正に管理した条件下で生育することにより、行うことできる(例えば、実施例を参照)。発根率は、試験に供したシュート数と、不定根が形成したシュート数とから算出することができる。ここで、シュートとは、発根能を有する組織全般をいう。該組織としては、枝、茎、頂芽、腋芽、不定芽、葉、子葉、胚軸、不定胚、苗条原基等が例示される。シュートの由来は特に限定されず、温室や屋外に生育している植物個体から得られたものでもよいし、組織培養法により得られた培養組織であってもよいし、天然の植物体の一部の組織であってもよい。このようなシュートは、例えば、植林地に生育している対象木から枝を採取して、それを接木処理することにより入手することができる。また、伐採した切り株から萌芽してくる幼形葉を有するシュートを利用することもできる。本発明の核酸の発現量は、後述するように、公知の方法により測定できる。
本発明の核酸は、例えば、以下の方法で調製することができる。先ず、植物に由来する組織(例、茎、葉、根、根茎)からtotal RNAを抽出し、次いで、mRNAを得る。逆転写酵素によって一本鎖cDNAを合成した後、一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成する。次いで、得られた二本鎖cDNAに適切なアダプターを付加した後、プラスミドに組み込んで、cDNAライブラリーを作製する。植物P450遺伝子の塩基配列上には、高度に保存されている領域が存在するため、その塩基配列情報に基づいてPCRプライマーを化学合成し、cDNAライブラリーからPCRにより、植物P450遺伝子をコードする核酸を得る。次いで、得られた核酸の塩基配列を決定することにより、所望の塩基配列を有する核酸を得ることができる(詳細については実施例を参照)。また、後述する本発明の核酸プローブを用いて、植物に由来する組織から作製されたcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、所望の塩基配列を有する核酸を得ることができる。また、核酸の塩基配列が判明している場合、本発明の核酸は、人工的に合成することもできる。
本発明はまた、以下の(A)〜(E)からなる群より選ばれるタンパク質を提供する:
(A)配列番号2または配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(B)配列番号2または配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(C)配列番号2または配列番号4に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1または数個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与するタンパク質;
(D)配列番号2または配列番号4に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、植物の不定根形成の抑制に関与するタンパク質;ならびに
(E)上記(a)〜(e)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質。
一実施形態では、本発明のタンパク質は、上記(A)の塩基配列において、1または数個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含み得る。1または数個のアミノ酸残基の変異としては、1〜50個のアミノ酸残基の変異が挙げられるが、1〜30個のアミノ酸残基の変異が好ましく、1〜20個、1〜15個、1〜10個または1〜5個のアミノ酸残基の変異がより好ましい。
アミノ酸残基の変異としては、欠失、置換、付加および挿入が挙げられる。アミノ酸残基の変異としては、例えば、植物の科、属、種、品種などの違いによる個体差に基づく変異、人為的な変異が挙げられる。アミノ酸残基の変異が置換である場合、後述するアミノ酸残基の保存的置換が好ましい。本明細書中で用いられる場合、用語「保存的置換」とは、所定のアミノ酸残基を、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換することをいう。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で周知である。例えば、このようなファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電性極性側鎖を有するアミノ酸(例、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β位分岐側鎖を有するアミノ酸(例、スレオニン、バリン、イソロイシン)、芳香族側鎖を有するアミノ酸(例、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)、ヒドロキシル基(例、アルコール性、フェノール性)含有側鎖を有するアミノ酸(例、セリン、スレオニン、チロシン)、及び硫黄含有側鎖を有するアミノ酸(例、システイン、メチオニン)が挙げられる。好ましくは、アミノ酸の保存的置換は、アスパラギン酸とグルタミン酸との間での置換、アルギニンとリジンとヒスチジンとの間での置換、トリプトファンとフェニルアラニンとの間での置換、フェニルアラニンとバリンとの間での置換、ロイシンとイソロイシンとアラニンとの間での置換、及びグリシンとアラニンとの間での置換であり得る。
変異の導入はまた、本発明のタンパク質における、相対的に重要ではないと推定される領域に導入されてもよい。このような領域は、例えば、本発明のタンパク質の間で、または本発明のタンパク質とP450をコードする既知のタンパク質との間で、アミノ酸配列のアライメント情報を得ることにより決定することができる。
別の実施形態では、本発明のタンパク質は、上記(A)のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。本発明のタンパク質は、上記(A)のアミノ酸配列と、好ましくは約92%以上、より好ましくは約95%以上、さらにより好ましくは約96%以上、最も好ましくは約97%以上、約98%以上又は約99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる。アミノ酸配列の同一性は、上述した塩基配列の同一性の算定と同じ方法により行なわれるが、特に断らない場合、MyersおよびMiller(CABIOS(1989)4:11−17)のアルゴリズムに従うLALIGNを利用して、alignment method:global、Scoring matrix:BLOSUM62、Opening gap penalty:−14、Extending gap penalty:−4の設定により算出される。
本発明のタンパク質の起源は、本発明の核酸の起源と同様である。本発明のタンパク質はまた、上記木本植物に由来し得る。本発明のタンパク質が木本植物の不定根形成に関与し得るかどうかは、本発明の核酸で上述した方法と同様の方法により確認できる。
本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質を発現する植物の組織から、あるいは本発明の発現ベクターが導入された本発明の形質転換体から得ることができる。本発明はまた、このような発現ベクターおよび形質転換体を提供する。本発明の形質転換体としては、形質転換細胞、形質転換植物が挙げられる。本発明のタンパク質の精製は、タンパク質の単離精製法として公知の方法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿法、ゲルクロマトグラフィー法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー法等を、単独で又は適宜組合せることにより行なうことができる。
本発明の発現ベクターは、本発明の核酸を適当な制限酵素にて切断した上で、この核酸を、本発明の目的達成のために必要とされる各種公知の核酸エレメント(例、DNAエレメント)、例えばプロモーター、エンハンサー等のシスエレメント、リボソーム結合配列(SD配列)、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、ターミネーター、選抜マーカー遺伝子などと共に、これらを導入しようとする宿主細胞において複製可能な公知のベクターの制限酵素部位、又はマルチクローニングサイトに連結することにより、作製できる。
なお、プロモーターは、本発明の核酸を発現させることができるものであれば、どのようなものであってもよいが、大腸菌を宿主とする場合には、大腸菌やファージに由来するtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター等の他、これらのプロモーターを人為的に改変して得られた、tacプロモーター等のプロモーターを用いることが好ましい。酵母を宿主とする場合には、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等が好ましい。また、植物細胞を宿主とする場合は、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)に由来する35Sプロモーター、レンゲ萎縮ウイルスに由来するMC8プロモーター、rbcSプロモーター、ユビキチンプロモーター、ノパリン合成酵素(NOS)遺伝子のプロモーター、オクトピン(OCT)合成酵素遺伝子のプロモーター等が好ましい。さらに、動物細胞を宿主とする場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター等が好ましい。動物細胞においては、ヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子プロモーター等を用いることもできる。
本発明の核酸、及び、上記プロモーター等の核酸エレメントを連結するための公知のベクターとしては、例えば、λファージ等のファージや、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119等の大腸菌用プラスミド、pUB110、pTP5等の枯草菌用プラスミド、YEp13、YEp24、YCp50等の酵母用プラスミド、pBI101、pBI121、pBI2113、pBI2113Not、pBI221、pBIG、pGA482、pGAH等のバイナリーベクター系の植物細胞用プラスミド、又はpLGV23Neo、pMON200、pNCAT等の中間ベクター系の植物細胞用プラスミドなどを例示することができる。また、バキュロウイルス等の昆虫ウイルスベクター、レトロウイルス、ワクシニアウイルス等の動物ウイルスベクターも、本発明の核酸を連結するためのベクターとして用いることができる。なお、バイナリーベクター系の植物細胞用プラスミドをベクターとして植物細胞への遺伝子導入を行う場合は、その境界配列LB及びRB間、即ちT−DNA領域に本発明の核酸を連結する必要がある。
本発明の形質転換細胞は、本発明の発現ベクターを宿主細胞に導入することにより、取得できる。この場合において、典型的な宿主細胞としては、例えば、大腸菌(Escherichia coli)Hms174(DE3)株、K12株もしくはDH1株、枯草菌(Bacillus subtilis)MI 114株、207−21株、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens、以下、A.チュメファシエンスと略記する)C58株、LBA4404株、EHA101株、EHA105株もしくはC58C1RifR株、アグロバクテリウム・リゾジェネス(Agrobacterium rhizogenes)又はリゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)等の細菌類、酵母(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Shizosaccharomyces pombe)又はピキア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母類、シロイヌナズナ、タバコ、トウモロコシ、イネ、ニンジン、ペチュニア、ポプラ、ユーカリ、アカシア、スギ又はマツ等の植物細胞、Sf9細胞又はSf21細胞等の昆虫細胞、あるいは、サル細胞COS−7もしくはVero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞、ラットGH3細胞又はヒトFL細胞等の動物細胞を挙げることができる。
また、本発明の核酸を上記宿主細胞に導入するには、上記したように、宿主細胞に応じて選択したプロモーター等の核酸エレメント及びベクターに本発明の核酸を連結して、本発明の遺伝子導入用ベクターを作製し、これを、公知の遺伝子導入法を用いて各宿主細胞に導入すればよい。遺伝子導入法としては、例えば、細菌を宿主細胞とする場合には、カルシウムイオン法(Cohen et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、69:2110−2114、1972)、エレクトロポレーション法(Becker et al.、Methods.Enzymol.、194:182‐187、1990)、凍結融解法、三者接合法(M.Bevan、Nucleic Acids Research、12:8711、1984)等を、酵母を宿主細胞とする場合には、エレクトロポレーション法、エレクトロインジェクション法、プロトプラスト法、スフェロプラスト法(Hinnen et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、75:1929‐1933、1978)、酢酸リチウム法(Itoh、J.Bacteriol.、153:163−168、1983)等を、植物細胞を宿主細胞とする場合には、アグロバクテリウム法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール法(Abel et al.、Plant J.、5:421‐427、1994)、パーティクルガン法、リポソーム法、マイクロインジェクション法等を、動物細胞や昆虫細胞を宿主細胞とする場合には、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を、用いることができる。
例えば、大腸菌や酵母等の微生物を宿主として得られた形質転換細胞を培養する場合は、炭素源、窒素源及び無機塩類等を含有する天然培地又は合成培地を用い、通常は好気的条件下、37℃で6〜24時間、振盪培養又は通気攪拌培養を行えばよい。
この場合において、例えば、炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類を、窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、その他の含窒素化合物、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーを、無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウムを、1種又は2種以上組合わせて用いることができる。また、植物細胞を宿主として得られた形質転換細胞を培養する場合は、チアミン、ピリドキシン等のビタミン類を、動物細胞を宿主として得られた形質転換細胞を培養する場合は、RPMI1640等の血清を、上記成分に加え、必要に応じ適宜添加すればよい。培地のpHは7.0〜7.5に調整・保持することが好ましい。培地のpHは、無機酸もしくは有機酸、及び/又はアルカリ溶液等を用いて調整することができる。また、ペニシリン、テトラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。誘導性プロモーター(例、lacプロモーター)を有する発現ベクターを用いた場合、誘導物質(例、IPTG)を培地に添加してもよい。
本発明の形質転換植物は、植物細胞の染色体に本発明の核酸を導入して得た形質転換細胞を増殖、分化させることにより得ることができる。
植物細胞の染色体に本発明の核酸を導入するにあたっては、上記したように、植物細胞用に選択したプロモーター等の核酸エレメント及びベクターに本発明の核酸を連結して、本発明の遺伝子導入用ベクターを作製し、これを、公知の遺伝子導入法を用いて各宿主細胞に導入すればよい。
核酸エレメントについては、例えば、植物細胞用のプロモーターとして、上記35SRNAプロモーター、MC8プロモーター、rbcSプロモーター、ユビキチンプロモーター、ノパリン合成酵素(NOS)遺伝子のプロモーター、オクトピン(OCT)合成酵素遺伝子のプロモーター等を用いることができる。また、ターミネーターとして、カリフラワーモザイクウイルス由来のターミネーターやノパリン合成酵素遺伝子由来のターミネーター等を、選抜マーカー遺伝子として、カナマイシン耐性遺伝子(NPTII遺伝子)、ハイグロマイシン耐性遺伝子(htp遺伝子)、ビアラホス(bialaphos)に対する抵抗性を付与するホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ(bar)遺伝子等から選ばれる1つ以上の遺伝子を使用することができる。
ベクター、宿主細胞、及び遺伝子導入法については、既に例示したように、ベクターとしては、pBI101、pBI121、pBI2113、pBI2113Not、pBI221、pBIG、pGA482、pGAH、pLGV23Neo、pMON200、pNCAT等を、宿主細胞としては、上記木本植物由来の細胞を、遺伝子導入法としては、アグロバクテリウム法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール法、パーティクルガン法、リポソーム法、マイクロインジェクション法等を用いることができる。なお、上記宿主細胞は、植物のいずれの器官(例えば、葉、花弁、茎、根、根茎、種子等)又は組織(例えば、表皮、師部、柔組織、木部、維管束等)の細胞を用いてもよい。
もっとも、以上の核酸エレメント、ベクター、宿主細胞、遺伝子導入法以外でも、本発明の形質転換細胞を作製でき、更に、この形質転換細胞を増殖、分化させて本発明の形質転換植物を作製できるものであれば、本発明においては何であれ用いることができる。また、選抜マーカー遺伝子は、本発明の核酸と共に単一のベクターに組込んでもよいし、2つ以上のベクターにそれぞれ別個に組み込んでもよい。
遺伝子導入後の宿主細胞は、その植物細胞の増殖・分化に適した公知の培地及び環境条件で培養する。この過程で、本発明の核酸と共に導入した選抜マーカー遺伝子の発現を指標として、形質転換細胞を選抜し、これを増殖・分化させて植物を再分化させれば、本発明の形質転換植物を得ることができる。こうして得られた形質転換植物又はその後代への本発明の核酸の導入は、当該個体の細胞から定法に従って本発明の核酸を抽出し、PCR法やサザンハイブリダイゼーション法等、公知の手法を用いて解析を行うことにより、確認できる。また、本発明の形質転換植物又はその後代の個体における本発明の核酸の発現は、RT−PCR法、ノーザンハイブリダイゼーション法、ウエスタンブロッティング法等の公知の手法によって確認し、評価することができる。一般に、染色体に導入された遺伝子は、その導入位置によって発現レベルが異なるので、上記の手法により解析を行うことで、本発明の核酸がより強く発現している形質転換植物及びその後代を選抜できる。
2.植物の不定根形成に関与する核酸およびタンパク質の測定手段、および植物の発根能の判定方法
本発明はまた、本発明の核酸またはタンパク質の測定に有用であり得る、以下の(f)〜(h)からなる群より選ばれる物質またはセットを提供する:
(f)上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な核酸プローブ;
(g)上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンスプライマー、および上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の一部に対して相補的なアンチセンスプライマーのセット;ならびに
(h)上記(A)〜(E)からなる群より選ばれるタンパク質に対する抗体。
本発明の核酸プローブは、本発明の核酸の検出および定量に有用である。本発明の核酸プローブは、DNAであってもRNAであってもよいし、あるいはDNA/RNAキメラであってもよい。核酸プローブは、天然型のリン酸ジエステル結合を有するものであっても、分解酵素に安定なチオリン酸型(リン酸結合のP=OをP=Sに置換)や2’−O−メチル型等の修飾ヌクレオチドであってもよい。核酸プローブの長さは、少なくとも15個の塩基からなるものである限り特に限定されないが、例えば、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、45個または50個以上の長さであり得る。核酸プローブの長さはまた、上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の全長以下である限り特に限定されないが、例えば、300個以下、200個以下、100個以下、80個以下、60個以下、50個以下、40個以下または30個以下であってもよい。したがって、上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な核酸プローブにおける核酸の「一部」は、このような塩基の個数に対応し得る。本発明の核酸プローブは、サザンブロット、マイクロアレイ等の発現解析に有用である。したがって、本発明の核酸プローブは、基板上に貼り付けられて、マイクロアレイの形態で提供されてもよい。
本発明の核酸を特異的に検出および定量するという観点からは、本発明の核酸プローブとしては、本発明の核酸における特異的な領域にハイブリダイズするものが好ましいが、本発明の核酸の塩基配列は、既知の核酸の塩基配列に対して低い同一性しか示さないため(例えば、図4〜7を参照)、本発明の核酸に対する任意の核酸プローブが、本発明の核酸に対して特異的であり得る。また、本発明の核酸プローブは、配列番号1における塩基番号1〜100、101〜200、201〜300、301〜400、401〜500、501〜600、601〜700、701〜800、801〜900、901〜1000、1001〜1100、1101〜1200、1201〜1300、1301〜1400、1401〜1500、1501〜1600、もしくは1601〜1729の塩基配列からなる部分領域、または複数の当該部分領域からなる領域の全部または一部、あるいは配列番号3における塩基番号1〜100、101〜200、201〜300、301〜400、401〜500、501〜600、601〜700、701〜800、801〜900、901〜1000、1001〜1100、1101〜1200、1201〜1300、1301〜1400、1401〜1500、1501〜1600、1601〜1700、1701〜1800、1801〜1900、もしくは1901〜2020の塩基配列からなる部分領域、または複数の当該部分領域からなる領域の全部または一部に対してハイブリダイズするものであってもよい。
本発明の核酸プローブは、必要に応じて、標識用物質で標識された形態で提供されてもよい。標識用物質としては、例えば、FITC、FAM等の蛍光物質、ルミノール、ルシフェリン、ルシゲニン等の発光物質、H、14C、32P、35S、123I等の放射性同位体、ビオチン、ストレプトアビジン等の親和性物質などが挙げられる。
本発明のセットは、本発明の核酸の検出および定量に有用である。例えば、このような検出および定量は、生体試料からの総RNAの調製後、PCR(例、RT−PCR、リアルタイムPCR、定量的PCR)、LAMP(Loop−mediated isothermal amplification)(例、WO00/28082参照)、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)(例、WO00/56877参照)等の遺伝子増幅法を利用して行うことができる。本発明のセットは、少なくとも1個のセンスプライマー、および少なくとも1個のアンチセンスプライマーを含むが、遺伝子増幅法の種類に応じて必要とされるプライマー数が異なるため、遺伝子増幅法の種類に応じて、さらなるセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーを含んでいてもよい。2以上のプライマーは、予め混合されていても、混合されていなくてもよい。センス及びアンチセンスプライマーはそれぞれ、標的領域を特異的に増幅し得るようなサイズである限り特に限定されないが、少なくとも12個(例、少なくとも15個、好ましくは少なくとも18個、より好ましくは少なくとも20個)の連続する塩基からなる。
本発明の核酸を特異的に検出および定量するという観点からは、本発明のセットとしては、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーのうち少なくとも一方(好ましくは、両方)が、本発明の核酸における上述した特異的な領域にアニーリングするものが好ましい。
本発明の抗体は、本発明の核酸の検出および定量に有用である。例えば、このような検出および定量は、木本植物由来の組織からの抽出液の調製後、又は組織を用いて、免疫学的手法により行なうことができる。このような免疫学的手法としては、例えば、酵素免疫測定法(EIA)(例、直接競合ELISA、間接競合ELISA、サンドイッチELISA)、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、免疫クロマト法、ルミネッセンス免疫測定法、スピン免疫測定法、ウエスタンブロット法、免疫組織化学的染色法が挙げられる。
本発明の抗体は、ポリクローナル抗体(抗血清)、モノクローナル抗体のいずれであってもよく、周知の免疫学的手法により作製することができる。
例えば、ポリクローナル抗体は、上記抗原(必要に応じて、ウシ血清アルブミン、KLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)等のキャリア蛋白質に架橋した複合体とすることもできる)を、市販のアジュバント(例えば、完全又は不完全フロイントアジュバント)とともに、動物の皮下あるいは腹腔内に2〜3週間おきに2〜4回程度投与し(部分採血した血清の抗体価を公知の抗原抗体反応により測定し、その上昇を確認しておく)、最終免疫から約3〜10日後に全血を採取して抗血清を精製することにより取得できる。抗原を投与する動物としては、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ハムスターなどの哺乳動物が挙げられる。
また、モノクローナル抗体は、細胞融合法により作成することができる。例えば、マウスに上記抗原を市販のアジュバントと共に2〜4回皮下あるいは腹腔内に投与し、最終投与の3日後に脾臓あるいはリンパ節を採取し、白血球を採取する。この白血球と骨髄腫細胞(例えば、NS−1,P3X63Ag8)を細胞融合して該因子に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得る。細胞融合はPEG法でも電圧パルス法であってもよい。所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、周知のEIA又はRIA法等を用いて抗原と特異的に結合する抗体を、培養上清中から検出することにより選択できる。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの培養は、インビトロ、又はマウスもしくはラット、好ましくはマウス腹水中等のインビボで行うことができ、抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清及び動物の腹水から取得することができる。
本発明のタンパク質を特異的に検出および定量するという観点からは、本発明の抗体としては、本発明のタンパク質における特異的な領域に結合するものが好ましいが、本発明のタンパク質のアミノ酸配列は、既知のタンパク質のアミノ酸配列に対して低い同一性しか示し得ないため、本発明のタンパク質に対する任意の抗体が、本発明のタンパク質に対して特異的であり得る。また、本発明の抗体は、配列番号2または配列番号4におけるアミノ酸番号1〜30、31〜60、61〜90、91〜120、121〜150、151〜180、181〜210、211〜240、241〜270、271〜300、301〜330、331〜360、361〜390、391〜420、421〜450、451〜480、もしくは481〜489のアミノ酸配列からなる部分領域中のエピトープ、または隣接する当該部分領域からなる領域中のエピトープに対して結合するものであってもよい。
本発明の抗体は、必要に応じて、標識用物質で標識された形態で提供されてもよい。標識用物質としては、上述したものが挙げられる。
本発明はまた、木本植物の発根能の判定方法を提供する。本発明の判定方法は、木本植物に由来する組織において、本発明の核酸に対応するmRNAの発現量、あるいは本発明のタンパク質の発現量を測定することを含む。
本発明の判定方法において、木本植物は、上述したものと同様である。
本発明の判定方法において用いられる木本植物の組織片としては、mRNAまたはタンパク質の発現量を測定でき、かつ木本植物の繁殖のために発根可能な部位である限り特に限定されず、例えば、葉、茎、根、根茎、培養細胞、カルス、が挙げられる。
mRNAまたはタンパク質の発現量の測定は、公知の方法により行なうことができる。mRNAの発現量の測定は、例えば、mRNAの抽出後、本発明の核酸プローブまたはセットを用いて、上述したようなノザンブロット、マイクロアレイまたは遺伝子増幅方法により行なうことができる。タンパク質の発現量の測定は、例えば、タンパク質の抽出後、本発明の抗体を用いて、上述したような免疫学的手法により、または質量分析等の他の周知の方法により行なうことができる。
測定の結果、mRNAまたはタンパク質の発現量が、標準的な発現量に比し、相対的に低い場合、発根率が高いと判定され得る。一方、mRNAまたはタンパク質の発現量が、標準的な発現量に比し、相対的に高い場合、発根率が低いと判定され得る。標準的な発現量としては、予め測定され、決定されていた発現量、または同時に測定された複数サンプルにおける発現量の平均値が採用され得る。本発明の判定方法は、実際に発根試験をすることなく、植物の発根能を迅速に予測することができるため、有用である。
3.本発明の核酸またはタンパク質の発現を抑制する物質、発現ベクターおよび形質転換体、ならびにそれらを用いる方法
本発明は、本発明の核酸またはタンパク質の発現を抑制する物質を提供する。具体的には、このような物質として、以下の(i)または(j)の核酸を提供する:
(i)上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な塩基配列からなる、アンチセンス核酸;または
(j)上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖を含む、siRNA。
本明細書中で用いられる場合、用語「アンチセンス核酸」とは、標的に対するハイブリダイゼーションにより、標的の発現を抑制する機能を有する核酸をいう。例えば、本発明のアンチセンス核酸は、標的遺伝子の転写産物とハイブリダイズして翻訳を阻害することにより、本発明のタンパク質の発現を抑制し得る。本発明のアンチセンス核酸はまた、転写産物とハイブリダイズして翻訳を阻害するだけでなく、二本鎖DNAと結合して三重鎖(トリプレックス)を形成し、mRNAへの転写を阻害し得るものであってもよい。本発明のアンチセンス核酸は、このような作用により、木本植物における不定根形成を向上し得る。
本発明のアンチセンス核酸は、DNAであってもRNAであってもよいし、あるいはDNA/RNAキメラであってもよい。アンチセンス核酸は、天然型のリン酸ジエステル結合を有するものであっても、分解酵素に安定なチオリン酸型(リン酸結合のP=OをP=Sに置換)や2’−O−メチル型等の修飾ヌクレオチドであってもよい。アンチセンス核酸の設計に重要な他の要素として、水溶性及び細胞膜透過性を高めること等が挙げられるが、これらはリポソームやマイクロスフェアを使用するなどの剤形の工夫によっても克服できる。アンチセンス核酸の長さは、上述した本発明の核酸プローブと同様であり得る。アンチセンス核酸は、転写産物とハイブリダイズして翻訳を阻害するだけでなく、二本鎖DNAと結合して三重鎖(トリプレックス)を形成し、mRNAへの転写を阻害し得るものであってもよい。
本発明のタンパク質の発現を特異的に抑制するという観点からは、本発明のアンチセンス核酸としては、本発明の核酸における上述した特異的な領域にハイブリダイズするものが好ましい。
本明細書中で用いられる場合、用語「siRNA」とは、標的に対するRNA干渉により、標的の発現を抑制する機能を有するRNAをいう。本発明のsiRNAは、RNA干渉を引き起こすものである限り特に限定されないが、例えば、上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の一部として、少なくとも18以上の連続する標的mRNAと同一の塩基配列を有するセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖から構成される2本鎖構造のRNAが用いられ得る。2本鎖構造は、異なるストランドで構成されていてもよいし、一つのRNA鎖のステムループ構造によって与えられる2本鎖であってもよい。本発明のsiRNAの長さは、RNAiを誘導できる限り特に制限されないが、例えば18〜27塩基、好ましくは19〜25塩基、より好ましくは20〜24塩基であり得る。本発明のsiRNAはまた、センス鎖及びアンチセンス鎖の一方又は双方の5’末端及び/又は3’末端においてオーバーハングを有していてもよい。オーバーハングは、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の5’末端及び/又は3’末端における1〜数個(例、1、2又は3個)の塩基の付加により形成されたものであり得る。
本発明の核酸についてのRNA干渉を特異的に引き起こすという観点からは、本発明のsiRNAとしては、上記(a)〜(e)の核酸からなる群より選ばれる核酸の一部としての、本発明の核酸における上述した特異的な領域に対応するセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖を含むものが好ましい。
アンチセンス核酸およびsiRNAの発現ベクターとしては、公知の発現ベクター(例、種々の市販されている発現ベクター)が用いられるが、例えば、RNA発現ベクターが用いられる。RNA発現ベクターでは、RNAポリメラーゼIII(PolIII)系によってRNAが転写される。
また、siRNAの発現系としては、一般的に、タンデムタイプとステムループタイプ(ヘアピンタイプ)の2種類が知られている。タンデムタイプは、2つのU6(またはH1)プロモーターを有し、センスRNAとアンチセンスRNAがそれぞれ独立に転写される。転写されたセンス及びアンチセンスRNAは、細胞内でdsRNAを形成し、siRNAとして機能する。一方、ステムループタイプは、1つのプロモーターを有し、その下流にセンス鎖とアンチセンス鎖とをループでつないだ構造を有する。これより転写されたステムループRNA構造を有するRNA(ショートヘアピンRNA:shRNA)が所定のプロセシングを受けることにより、siRNAとして機能する。
RNA発現ベクターのプロモーターとしては、例えば、U6プロモーター、H1プロモーターが挙げられる。siRNA発現ベクターは、必要に応じて、さらなるエレメント、例えば、近位配列エレメント(proximal sequence element)、Staf−結合サイト、遠位配列エレメント(DSE:distal sequence element)、及びTATAボックスを有していてもよい。具体的には、siRNA発現ベクター等のRNA発現ベクターとしては、例えば、pH1、pU6、pBAsi、pSINsiが挙げられる。
本発明はまた、植物の発根能を向上させる方法を提供する。このような方法は、本発明の核酸またはタンパク質の発現を抑制する物質、あるいはその発現ベクターを、細胞に導入することを含む。形質転換細胞の宿主細胞としては、本発明の核酸またはタンパク質を発現する、上述した植物に由来する細胞が挙げられる。このような物質またはその発現ベクターの細胞への導入は、上述した遺伝子導入法により行なうことができる。本方法により、本発明の核酸またはタンパク質の発現を抑制する物質、あるいはその発現ベクターが導入された形質転換体を得ることができる。
本発明はさらに、植物の発根能を向上させた植物の作出方法を提供する。このような方法は、本発明の核酸またはタンパク質の発現を抑制する物質、あるいはその発現ベクターが導入された形質転換細胞から植物を生育させることを含む。本発明はまた、本作出方法により得られる形質転換植物を提供する。本発明のこのような形質転換植物は、公知の方法、例えば、上述した本発明の形質転換植物と同様の方法により行なうことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)ユーカリ・グロビュラスmRNAの単離および精製
種子発芽後、温室で約1ヵ月間生育させたユーカリ・グロビュラスの茎約10gを、液体窒素存在下で粉砕し、Chomcznskiらの方法(Anal.Biochem.,Vol.162,p.156−159)で全RNAを抽出した。この全RNAを二炭酸ジエチルで処理した滅菌水に溶解し、温度65℃で5分間処理した後、当量の2倍のローディング緩衝液(20mM Tris−HCl,pH7.6,0.1M NaCl,1mM EDTA,0.1% SDS)を加え、予め活性化させておいたオリゴdTセルロースカラムにアプライした。次に、カラム容量の5〜10倍のローディング緩衝液で洗浄し、さらに、5倍量の洗浄緩衝液(20mM Tris−HCl,pH7.6,0.1M NaCl,1mM EDTA,0.1% SDS)で洗浄した。さらに、2〜3倍量の溶出緩衝液(10mM Tris−HCl,pH7.6,1mM EDTA,0.05% SDS)でmRNA 10μgを得た。
(2)ユーカリ・グロビュラスcDNAの合成
以上のようにして得られたmRNAから、ZAP 2.1 XR Vector Cloning Kit(Stratagene社製)を用いて、cDNAを合成した。
以下の反応溶液をチューブ中に混合した。
5.0μl 10×1st Strand Buffer (逆転写反応用緩衝液)
3.0μl 10mM 1st Strand Methyl Nucleotide Mix (A, G, C, U混合物)
2.0μl Linker-Primer (リンカー兼プライマー)
1.0μl RNase inhibitor (RNase阻害剤)
H2O (全体を50μlになるように調節する。)
上記の各成分はキットの内容物であり、Linker−PrimerにはXhoIサイトが含まれている。尚、メチル化されたヌクレオチドを用いるのは、後の制限酵素反応でcDNAが切断されないようにするためである。
上記反応液をよく撹拌した後、ポリ(A)+ mRNA 5.0μgを加え、室温で10分放置した。さらに2.5μl M−MuLV RTase(逆転写酵素)を加え(この時に全体が50μlになる)、緩やかに混合した後、軽く遠心して反応液をチューブの底部に落とし、37℃で60分反応させた。
次に、以下の溶液を、順序に従ってチューブ中で混合した。
45.0μl cDNA一次鎖を含む反応液
40.0μl 10×2nd Strand Buffer (ポリメラーゼ反応用緩衝液)
6.0μl 2nd Strand Nucleotide Mixture (A, G, C, T混合物)
302.0μl H2O
更に以下の溶液を添加したが、RNase HとDNAポリメラーゼIが同時に働き出すようにチューブの壁に酵素液を付着させ、その後手早くボルテックスし、遠心して反応液をチューブの底部に落とし、16℃で150分、cDNA二次鎖の合成反応を行った。
0.8μl RNase H (RNA分解酵素)
7.5μl DNAポリメラーゼI (10.0u/μl)
合成反応終了後の溶液に、400μlのフェノール:クロロホルム(1:1)混液を加え、よく撹拌した後、室温で2分遠心した。上清に再度400μlのフェノール:クロロホルムを加え、ボルテックスして室温で2分遠心し、その上清に以下の溶液を加えてcDNAを沈殿させた。
33.3μl 3M 酢酸ナトリウム溶液
867.0μl 100%エタノール
これを−20℃で一晩放置し、室温で60分遠心した後、80%エタノールで緩やかに洗浄し、2分遠心した。上清を除き、ペレットを乾燥させ、43.5μlの滅菌水に溶解した。そのうち39.0μlに以下の溶液を添加し、cDNA末端を平滑化させた。
5.0μl 10×T4 DNA Polymerase Buffer (T4ポリメラーゼ反応用緩衝液)
2.5μl 2.5mM dNTP Mix (A, G, C, T混合物)
3.5μl T4 DNAポリメラーゼ (2.9u/μl)
37℃で30分反応させ、50μlの滅菌水を加えた後100μlのフェノール:クロロホルムを加え、ボルテックスして2分遠心した。上清に100μlのクロロホルムを加え、ボルテックスして2分遠心し、上清に以下の溶液を加えてcDNAを沈殿させた。
7.0μl 3M 酢酸ナトリウム溶液
226μl 100%エタノール
この溶液を氷上に30分以上放置し、4℃で60分遠心した。沈殿を150μlの80%エタノールで洗浄し、2分遠心した後乾燥させた。このcDNAのペレットを7.0μlのEcoRI Adaptor(EcoRIアダプター)溶液に溶解し、更に、以下の溶液を添加して、cDNAの両末端にEcoRIアダプターを連結した。
1.0μl 10×Ligation Buffer (リガーゼ反応用緩衝液)
1.0μl 10mM ATP
1.0μl T4 DNAリガーゼ
この反応液を軽く遠心し4℃に一晩以上放置した。この溶液を70℃で30分処理した後軽く遠心し、5分室温に放置し、以下の溶液を加えて、EcoRIアダプタの5’末端をリン酸化した。
1.0μl 10×Ligation Buffer (リガーゼ反応用緩衝液)
2.0μl 10mM ATP
6.0μl H2O
1.0μl T4核酸キナーゼ (10.0u/μl)
37℃で30分反応させ、70℃で30分処理した後、軽く遠心し室温に5分放置した。
さらに以下の溶液を加え、37℃で90分反応させてXhoIでLinker−Primerによって導入されたXhoIサイトを切断したのち室温に放置した。
28.0μl H Buffer
3.0μl XhoI (45u/μl)
この反応液に5.0μlの10×STE(10mM Tris−HCl(pH8.0),100mM NaCl,1mM EDTA)を加え、ショートフラグメント除去用遠心カラム(Sephacryl Spin Column)に添加し、600gで2分遠心した溶出液を、フラクション1とした。さらにこの操作を3回繰り返し、それぞれフラクション2、3および4とした。
フラクション3、4を合わせ、フェノール:クロロホルム(1:1)を加えよく撹拌し、室温で2分遠心した。上清に等量のクロロホルムを加えよく撹拌し、室温で2分遠心しさらにその上清に2倍の100%エタノールを加え−20℃に一晩放置した。これを4℃で60分遠心した後等量の80%エタノールで洗浄した。さらに4℃で60分遠心し、得られたcDNAのペレットを10μlの滅菌水に懸濁した。
(3)cDNAライブラリーの作製
上記で得られた二本鎖cDNAをλファージ発現ベクターに連結し、組換えベクターを調製した。チューブに以下の溶液を混合し、12℃で一晩反応させ、2時間室温で放置し、cDNAをベクターに連結させた。
2.5μl cDNA溶液
0.5μl 10×Ligation Buffer
0.5μl 10mM ATP
1.0μl HybriZAP 2.1 XR VectorベクターDNA (1μg/μl)
0.5μl T4 DNAリガーゼ (4 Weiss u/μl)
(4)ファージDNAのファージ粒子へのパッケージング
cDNAを挿入したファージベクターを、インビトロ・パッケージングキット(GigapackII Gold packaging extract;Stratagene社製)を用いてファージ粒子にパッケージングした。溶解した直後の凍結−融解エキス(Freeze/Thaw extract)に組換えファージ溶液を加え、氷上に置き、すぐに15μlの超音波処理エキス(Sonic extract)を加え、ピペッティングしてよく混合した。これを軽く遠心して室温(22℃)に2時間放置した。
上記反応液に500μlのファージ希釈緩衝液(Phage Dilution Buffer)を加えさらに20μlのクロロホルムを加え、混合した。ライブラリーのタイターを測定するために、500μlの水相の内2μlを18μlのSM緩衝液(1L中、NaCl 5.8g,MgSO・7HO 2g,1M Tris−HCl(pH7.5)50ml,2%ゼラチン 5ml)で1:10に希釈した。1μlの希釈液と1μlのファージ原液をそれぞれ、OD600が0.5になるまで培養した大腸菌PLK−F’株の培養液200μlと共にプレーティングした。すなわち、大腸菌PLK−F’株とファージ溶液を混合し、37℃で15分培養し、これを2〜3mlのトップアガー(48℃)に加え、直ちに37℃に温めたNZYアガープレートへ重層した。37℃で一晩培養し、出現したプラークを数えてタイターを算出した。その結果、タイターは1.0×10pfu/mlであった。
(5)ライブラリーの増幅
遠心チューブに約50,000の組み換えバクテリオファージを含むパッケージング溶液と、OD600が0.5になるまで培養した大腸菌PLK−F’株の培養液600μlを加え、37℃で15分培養した。この培養液に、溶解後48℃に保っておいた6.5mlのトップアガーを加え、約37℃に温めておいた150mm NZYプレートに重層し、37℃で5〜8時間培養した。各プレートに10mlのSM緩衝液を加え、4℃で一晩ゆっくり振とうさせながら培養した。
各プレート中のSM緩衝液を滅菌したポリプロピレンチューブに集め、更に各プレートを2mlのSM緩衝液でリンスし、これも同チューブに集めた。全量の5%にあたるクロロホルムを加えて混合し、室温で15分放置し、4,000gで5分遠心して菌体を除いた。この上清に、全量の0.3%にあたるクロロホルムを加え、4℃で保存した。
こうして増幅したライブラリーのタイターを前記と同様にして測定した結果、5.0×10pfu/mlであった。
(6)ファージDNAからのプラスミドの切り出し
組換えファージDNAから、プラスミド部分のIn vivo Excisionを行った。50mlのコニカルチューブ中に以下のものを混合し、37℃で15分感染させた。
大腸菌XL1-Blue培養液(OD600=0.1) 200μl
増幅後のファージ溶液 200μl (>;1×105ファージ粒子)
ヘルパーファージR408 1μl (>;1×106pfu/ml)
上記混合液に5mlの2×YT培地を加え、37℃で3時間振とう培養して、70℃で20分熱処理した後4000gで5分遠心した。上清をデカントし、滅菌チューブへ移した。これを遠心し、上清を100倍希釈した溶液20μlとOD600が1.0になるまで培養した大腸菌XL1−Blueの培養液200μlを混合し、37℃で15分感染させた。
1〜100μlの培養液を、アンピシリンを含むLBプレートにプレーティングした後、37℃で一晩培養した。出現したコロニーをランダムに選択して、グリセロールを加えて−80℃で保存した。
(7)プラスミドの調製
プラスミドの調製は、QIAfilter Plasmid Kit Maxi(Qiagen社製)を用いて行った。−80℃で保存しておいたプラスミドを保持する大腸菌の培養液を、5mlの2×LB培地に植菌し、37℃で一晩培養した。これを100mlのLB培地を含む坂口フラスコで37℃で一晩培養した。培養液を15分間遠心(4,000rpm,4℃)して上清をデカントにより除去し、菌体ペレットにTE緩衝液を1ml加えボルテックスした。菌体懸濁液をエッペンドルフチューブに移し、5分間遠心(5,000rpm,4℃)して上清をデカントにより除去した。
菌体ペレットに10mlのP1溶液(細胞懸濁用溶液)を加えよく懸濁し、これを2分間ミキサーで撹拌し、10mlのP2溶液(細胞溶解用溶液)を加え透明になるまで撹拌した。さらに10mlのP3溶液(中和用溶液)を加え、手で振って撹拌した後、10分間遠心(15,000rpm)した。
上記上清を予めQBT溶液(カラム活性化溶液)10mlで活性化したカラムQIAGEN−tip 500にアプライした。このカラムに30mlのQC溶液(カラム洗浄用溶液)を加え二度洗浄した。最後に15mlのQC溶液(カラム溶出溶液)でプラスミドDNAを溶出した。
溶出液をプラスチックチューブに移し、イソプロパノールを10.5ml加えた。これを遠心し(15,000rpm,30分)、上清を捨て、沈殿に70%エタノールを1ml加え、再び遠心した(15,000rpm,3分)。エタノールを完全に取り除き、チューブをデシケーター中でバキュームドライした。沈澱を20μlの滅菌水に良く溶かし、−20℃で保存した。この溶液1μlを取って、サイズマーカーと一緒に電気泳動してプラスミドDNAを定量した。
〔実施例2〕
(8)P450遺伝子のサブクローニング
(7)で調製したcDNAライブラリーを鋳型として、PCR法でDNA断片を増幅させた。増幅には文献1(M.Mizutaniら,cytochrome p450 superfamily in Arabidopsis thaliana:isolation of cDNAs,Differential expression,and RFLP mapping of multiple cytochrome P450.Plant Mol.Biol.37,39−52,1998)に記載の表1に示すフォワードプライマー2種類とリバースプライマー3種類を用いて、6種類の組合せでPCRを行った。PCRは、ABI社製GeneAMP、PCRsystem9700で、タカラバイオ社製のExTaqポリメラーゼを用い、96℃30秒、55℃30秒、72℃1分のサイクルを30回繰り返した。PCRにより増幅したDNA断片は、Invitrogen社製のTOPO TA Cloning Kit for Sequencingによってサブクローニングした。
(9)cDNAの塩基配列の決定
cDNAの塩基配列解析は、DNAオートシーケンサー2000XL(ベックマンコールター社製)を用いて行った。シーケンス反応はSequencingキット(ベックマンコールター社製)によりフォワード(P7)、リバース(P8)プライマーを用いて付属の説明書に従って行った。
(10)遺伝子データベースとのホモロジー検索
決定した塩基配列について、DNA解析ソフトGENETYX‐WIN(ソフトウェア開発株式会社製)のホモロジー検索機能を使って行った。データベースとしては、GenBankを選んだ。ホモロジー検索のアルゴリズムは、調べたい配列を、データベース中の配列に対して1塩基ずつずらしながら比較して行き、6塩基以上連続して塩基の一致している場合にホモロジースコアテーブルに従ってホモロジースコアを計算していくというものである。ホモロジースコアが160ポイント以上のものを候補として取り上げるように設定し、さらにギャップを入れることによってスコアが最大になるように最適化した。その結果、サブクローン化した17種類のヌクレオチド配列はモデル植物であるシロイヌナズナやポプラの既知のP450遺伝子と高い相同性があった。
〔実施例3〕
(11)発現解析による不定根形成に関わるP450遺伝子の同定
次に、サブクローニングした17種類のP450遺伝子を含むDNA断片のヌクレオチド配列の情報を元に、特異的なPCRプライマーを作成した。特異的なPCRプライマーはインターネットで一般に利用できるプライマーデザインのホームページ(http://frodo.wi.mit.edu/primer3/)を利用した。これによって、17種類のフォワードとリバースプライマーを合成した。
不定根形成の指標となるP450遺伝子を同定するために、発根率が90%程度の易発根性クローンAと発根率10%程度の難発根性クローンBの組織培養苗のシュートを材料として発根処理を行った。発根処理は赤色光の下で25℃、湿度80%、炭酸ガス濃度1000ppmの条件下で行った。発根処理を施した直後(0日目)と処理後4日後の茎の基部から全RNAを抽出し、このRNAを鋳型にオリゴdTプライマーによって逆転写反応を行った。さらに、特異的なプライマーで目的のP450遺伝子の発現量を定量的RT−PCR法(Bio−Rad社製、MJ Opticon2)で測定した。試薬としては、インターカレーターとしてサイバーグリーンを含む2xSYBR Green JumpStart Taq Ready Mix(Sigma社製)を用いた。インターナルコントロールとしては、ユーカリのユビキチン遺伝子の構造遺伝子領域を用いて、以下の反応液で定量的RT−PCR(94℃ 20秒,60℃ 20秒,72℃ 30秒,35cycle)を実施した。
10μl 2×PCR試薬
0.5μl 100pmol フォワード&リバースプライマー
3μl 逆転写を実施した一本鎖DNA
4.5μl 滅菌水
定量的RT−PCRで各P450遺伝子の発現量を測定し、内部標準として用いたユビキチンの発現量との相対比で表した。測定は、少なくとも1系統について3サンプルの発現量を見た。その結果、単離した17種類のP450遺伝子のうち、EglP450−101とEglP450−121の2種類が易発根系統Aと難発根系統Bの間で顕著に変化が見られた(図1)。残りの15種類のP450遺伝子においては、系統間の差は見られなかった。以上の結果から、EglP450−101とEglP450−121の2種類の遺伝子発現と不定根形成との間に相関関係があると推測された。
(12)発根率の調査
発根率は、以下の方法で調査した。すなわち、ムラシゲ・スクーグ培地(和光純薬)、BAP 20ppb、ゲランガム0.25%を含むシュート増殖培地に無菌的に腋芽をもつ茎片を挿し付けた。容器(6.5×6.5×10cm)内で、25℃、湿度80%、照度200μmol/m2/s(16時間明所、8時間暗所)で4−5週間培養した。次に、約4−5cmに増殖したシュートを発根に供した。発根は、5倍希釈したガンボーグ培地(和光純薬製)にインドール酪酸2ppmを含む発泡フェノール樹脂(Oasis、Smithers−Oasis社製)に頂芽を含む3cm程度のシュートを挿しつけた。発根容器(9.2×9.2×100cm)内で、温度25℃、湿度80%、照度200μmol/m/s(16時間明所、8時間暗所)、炭酸ガス濃度1000ppmで3週間培養した。その後発根の有無を確認した。
(13)発根率と選抜したP450遺伝子発現との相関
発根率の異なるユーカリ・グロビュラス10系統の発根率と、P450遺伝子EglP450−101およびEglP450−121の遺伝子発現量との相関性を調査した。上記(12)で10系統のユーカリ・グロビュラスクローンの発根率を調査した。また、発根処理に供した茎の部分から全RNAを抽出して、前述の定量的RT−PCRによってP450遺伝子の発現量を測定した。図2、図3に示すように、発根率と2種類のP450遺伝子の発現には負の相関が見られた。従って、この遺伝子の発現量が低下していると発根率が高いことが予想された。

Claims (17)

  1. 以下の(a1)〜(1)からなる群より選ばれる核酸:
    (a1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列からなる核酸;
    (b1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列を含む核酸;
    (c1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸
  2. 以下の(a2)〜(2)からなる群より選ばれる核酸:
    (a2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列からなる核酸;
    (b2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列を含む核酸;
    (c2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸
  3. 以下の(A1)〜(E1)からなる群より選ばれるタンパク質:
    (A1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
    (B1)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
    (C1)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜50個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含むタンパク質であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;
    (D1)配列番号2に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む核酸であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;ならびに
    (E1)以下の(a1)〜(1)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質
    (a1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列からなる核酸;
    (b1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列を含む核酸;
    (c1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸
  4. 以下の(A2)〜(E2)からなる群より選ばれるタンパク質:
    (A2)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
    (B2)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
    (C2)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜50個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含むタンパク質であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;
    (D2)配列番号4に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む核酸であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;ならびに
    (E2)以下の(a2)〜(2)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質
    (a2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列からなる核酸;
    (b2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列を含む核酸;
    (c2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸
  5. 以下の(f1)〜(h1)からなる群より選ばれる物質またはセット:
    (f1)以下の(a1)〜(1)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な核酸プローブ
    (a1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列からなる核酸;
    (b1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列を含む核酸;
    (c1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸
    (g1)前記(a1)〜(1)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンスプライマー、および前記(a1)〜(1)からなる群より選ばれる核酸の一部に対して相補的なアンチセンスプライマーのセット;ならびに
    (h1)以下の(A1)〜(E1)からなる群より選ばれるタンパク質に対する抗体
    (A1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
    (B1)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
    (C1)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜50個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含むタンパク質であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;
    (D1)配列番号2に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む核酸であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;ならびに
    (E1)前記(a1)〜(d1)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質
  6. 以下の(f2)〜(h2)からなる群より選ばれる物質またはセット:
    (f2)以下の(a2)〜(2)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な核酸プローブ
    (a2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列からなる核酸;
    (b2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列を含む核酸;
    (c2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸
    (g2)前記(a2)〜(2)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンスプライマー、および前記(a2)〜(2)からなる群より選ばれる核酸の一部に対して相補的なアンチセンスプライマーのセット;ならびに
    (h2)以下の(A2)〜(E2)からなる群より選ばれるタンパク質に対する抗体
    (A2)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
    (B2)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
    (C2)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、アミノ酸残基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜50個のアミノ酸残基の変異を含むアミノ酸配列を含むタンパク質であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;
    (D2)配列番号4に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む核酸であって、かつ、当該タンパク質の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有するタンパク質;ならびに
    (E2)前記(a2)〜(d2)のいずれかの核酸によりコードされるタンパク質
  7. 以下の(i1)または(j1)の核酸:
    (i1)以下の(a1)〜(1)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な塩基配列からなる、アンチセンス核酸
    (a1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列からなる核酸;
    (b1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列を含む核酸;
    (c1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d1)配列番号1に示される塩基配列、または配列番号1における塩基番号46〜1542の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;または
    (j1)前記(a1)〜(1)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖を含む、siRNA。
  8. 以下の(i2)または(j2)の核酸:
    (i2)以下の(a2)〜(2)からなる群より選ばれる核酸の全部または一部に対して相補的な塩基配列からなる、アンチセンス核酸
    (a2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列からなる核酸;
    (b2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列を含む核酸;
    (c2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列において、塩基の欠失、置換、付加および挿入からなる群より選ばれる、1〜150個の塩基の変異を含む塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;ならびに
    (d2)配列番号3に示される塩基配列、または配列番号3における塩基番号346〜1842の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列を含む核酸であって、かつ、当該核酸の発現がユーカリ属植物の不定根形成と負の相関関係を有する核酸;または
    (j2)前記(a2)〜(2)からなる群より選ばれる核酸の一部であるセンス鎖、および該センス鎖に相補的な核酸配列からなるアンチセンス鎖を含む、siRNA。
  9. ユーカリ属植物の組織片において、請求項1または請求項2に記載の核酸に対応するmRNAの発現量、あるいは請求項3または請求項4に記載のタンパク質の発現量を測定することを含む、ユーカリ属植物の発根能の判定方法。
  10. ユーカリ属植物の組織片において、請求項1または請求項2に記載の核酸に対応するmRNAの発現量、あるいは請求項3または請求項4に記載のタンパク質の発現量を測定することを含む、発根能の高いユーカリ属植物を選抜する方法。
  11. 請求項1および/または請求項2に記載の核酸を含む発現ベクター。
  12. 請求項1および/または請求項2に記載の核酸、あるいは請求項11に記載の発現ベクターが導入された形質転換体。
  13. 請求項7および/または請求項8に記載の核酸を含む発現ベクター。
  14. 請求項7および/または請求項8に記載の核酸、あるいは請求項13に記載の発現ベクターが導入された形質転換体。
  15. 前記形質転換体がユーカリ属植物である、請求項12または請求項14に記載の形質転換体。
  16. 請求項7および/または請求項8に記載の核酸、あるいは請求項13に記載の発現ベクターを植物に導入することを含む、ユーカリ属植物の発根能を向上させる方法。
  17. 請求項7および/または請求項8に記載の核酸、あるいは請求項13に記載の発現ベクターが導入された形質転換細胞から植物を生育させることを含む、ユーカリ属植物の発根能を向上させた植物の作出方法。
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