JP5647852B2 - 濃度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波センサを構成素子とする溶液の濃度を測定する濃度センサに関する。
溶液の濃度を測定する際に、弾性表面波センサを用いて、溶液の比誘電率と導電率とを測定する構成の装置がある(例えば、特許文献1)。
そして、溶液の濃度を測定する溶液センサは、予め物性が分かっている溶液(例えば、純水)で得られる絶対位相と振幅とを初期値(校正データ)とし、測定対象の溶液で得られる、この絶対位相と振幅とからの変化を、溶液の濃度を求めるための位相差と振幅比として検出している。
そして、この得られた位相差と振幅比とを用いて、溶液の電気的特性として導電率及び比誘電率を算出し、この算出した導電率及び比誘電率から溶液の濃度を検出する。
特開2008−309779号公報
また、測定対象の溶液中において溶液センサを長期的に使用する場合、電源投入時に溶液センサの校正が行えないため、溶液中に浸す直前に校正した際の校正データを、記憶しておく必要がある。
しかしながら、弾性表面波センサは、感度が非常に高く経時的変化が起こりやすく、また、測定領域の表面にゴミなどが付着することにより、センサの特性が変化してしまい、初期の校正の状態を維持することができない。
また、しばらく測定を行わずに動作を停止し、時間が経過した後の測定において、測定対象の溶液の濃度が水分の蒸発、あるいは物質の揮発などにより変化した場合、停止前の濃度を基準に測定を行うと、溶液センサが正確な測定値を得ることができず、誤動作することになる。
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、経時的に感度が変化したり、測定領域の表面にゴミなどが付着してセンサの特性が変化しても、正確な濃度を測定することが可能な濃度センサを提供することを目的とする。
本発明の濃度センサは、少なくとも第1の液体及び第2の液体を含む複数の液体が混合した混合液との間における力学的相互作用及び電気的相互作用により検出される弾性表面波の伝搬特性の変化により、前記混合液における第1の液体の濃度を検出する濃度検出装置において、第1検出面が導電体に覆われ、前記混合液と前記第1検出面とが直接に接触させず、前記弾性表面波の位相及び振幅を測定する第1の弾性表面波センサと、前記混合液と第2検出面が直接に接触し、前記弾性表面波の位相及び振幅を測定する第2の弾性表面波センサと、前記第1の弾性表面波センサの第1位相及び第1振幅、前記第2の弾性表面波センサの第2位相及び第2振幅とから前記混合液における前記第1の液体の濃度を算出する濃度算出部とを有し、前記濃度算出部が、前記基準濃度を校正する際、第1の液量における第1濃度と、第1の液量から予め設定された液量差を変化させた第2の液位における第2濃度とを求め、当該第2濃度及び前記第1濃度の濃度差と、前記第2の液量及び前記液量差とから、校正した濃度を求めることを特徴とする。
本発明の濃度センサは、前記濃度算出部が、前記濃度差に前記第1の液量を乗算し、乗算結果を前記液量差により除算し、前記校正された濃度を算出することを特徴とする。
本発明の濃度センサは、容器内の前記混合物に対し、前記液量差の量の前記第2の液体を供給する第2の液体供給部と、前記容器内の前記混合液の液位を測定する液位計と、前記液位計が測定した液位により、前記混合液の液量を求める液量計測部とをさらに有することを特徴とする。
本発明の濃度センサは、前記液量計として、前記第1の弾性表面波センサを用い、前記弾性表面波が伝搬する前記第1検出面を、前記容器の深さ方向に対して平行として、前記第1の弾性表面波センサを配置し、当該第1検出面が前記容器の深さより長いことを特徴とする。
本発明の濃度センサは、前記液量計測部が、前記第1の弾性表面センサが求めた減衰変化量を、予め求められている波長換算した減衰変化量にて除算し、前記液位を求めることを特徴とする。
本発明の濃度センサは、前記第1の液体がアルコール(エタノール、メタノール等)であり、前記第2の液体が水であり、前記混合液がアルコール及び水により生成されるアルコール溶液であることを特徴とする。
この発明によれば、混合液の水量を変化させ、水量の変化前後の濃度の変化量と、水量の変化量とにより、水量変化により補正された水量の変化後の濃度を算出する構成により、算出される濃度の校正を常に行うことができ、経時的に感度が変化したり、測定領域(検出部)の表面にゴミなどが付着してセンサの特性が変化しても、正確な溶液の濃度を測定することが可能となる。
この発明の第1の実施形態による濃度センサの構成例を示す概略ブロック図である。 図1の弾性表面波センサ2の構成例を示す図である。 図1の濃度センサの濃度の校正処理の動作例を示すフローチャートである。 この発明の第2の実施形態による濃度センサの構成例を示す概略ブロック図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態による濃度センサの構成例を示す概略ブロック図である。本実施形態の濃度センサは、複数の種類の液体が混合された混合液におけるいずれかの種類の濃度を検出するものであり、例えば、水(純水)に含まれるアルコール(エタノール、メタノール等)の濃度を検出する。タンク4からアルコール溶液5を燃料としてバルブ10を介して供給し、常に供給するアルコール溶液5の濃度を一定とするため、バルブ8を介して水を供給し、バルブ9を介してアルコールを供給して、濃度制御部による濃度制御が行われる。
濃度制御部は、濃度検出部1と、弾性表面波センサ2から構成されている。ここで、濃度検出部1は、振幅比・位相差検出部11、濃度算出部12、水供給制御部13、燃料供給制御部14及び水位計測部15を有している。弾性表面波センサ2は、第1弾性表面波センサ21と、第2弾性表面波センサ22とから構成されている。
振幅比・位相差検出部11は、第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22から入力される弾性表面波の振幅比及び位相差を検出する。
濃度算出部12は、濃度を算出する際、基準濃度の校正を行わない場合、現在の濃度に対し、供給されるアルコール及び水の量から濃度変化を求める。一方、濃度算出部12は、基準濃度の校正を行う場合、現在の水位にて第1濃度を算出し、次に水位を変化させて第2濃度を検出し、第1濃度と第2濃度とから濃度の変化量aを求め、この変化量aと水位の変化とから、水位変化後の濃度を基準濃度として算出する。
水供給制御部13は、濃度算出部12からの水供給制御信号によりバルブ8の開閉を制御し、タンク4に対して水を供給する。
燃料供給制御部14は、濃度算出部12からの燃料供給制御信号によりバルブ9の開閉を制御し、タンク4に対して燃料(アルコール)を供給する。
水位計測部15は、タンク4に設けられている水位計7の測定する、タンク4内におけるエタノール溶液5の液面6の位置データにより、水位(水面の位置)を示す水位データを検出する。
次に、濃度算出部12の行うアルコール溶液5の具体的な算出は、以下に説明する摂動法による算出式によって行われる。標準液として純水を用いた場合に標準液の複素誘電率をεt、比誘電率をεr、真空の誘電率をε0、導電率をσ、発振器51から出力される信号の励振角周波数をωとすると、
εt=εrε0−jσ/ω…(1)
となる。ここで、標準液では導電率σ=0であるために、式(1)は、
εt=εrε0…(2)
となる。
次に、測定対象であるエタノール溶液5の複素誘電率をεt’、比誘電率をεr’、導電率をσ’とすると次式の関係となる。
εt’=εr’ε0−jσ'/ω…(3)
伝搬速度の速度変化量ΔV/V、減衰変化量Δα/kは、式(4)、式(5)で表される。
ΔV/V=(−Ks2/2)・[(σ'/ω)+ε0(εr’−εr)(εr’ε0+εpT)]/[(σ'/ω)+(εr’ε0+εpT)]…(4)
Δα/k=(Ks2/2)・[(σ'/ω)(εrε0+εpT)]/[(σ'/ω)+(εr’ε0+εpT)]…(5)
ここで、Vは、伝搬路を伝搬する弾性表面波の伝搬速度、ΔVは、標準液に対するアルコール溶液5における弾性表面波の伝搬速度の変化量、αは、弾性表面波の伝搬減衰、Δαは、標準液に対するアルコール溶液5における弾性表面波の伝搬減衰の変化量、kは波数で、k=2π/λであり、εpTは、基板実効誘電率であり、Ks2は電気機械結合係数である。また、λは弾性表面波の波長である。
また、伝搬速度の速度変化量ΔV/V、減衰変化量Δα/kと、振幅比Δamp、位相差Δφとの関係は、伝搬路長の差をWとすると、次式で表される。
ΔV/V=Δφ/kL…(6)
Δα/k=ln(Δamp)/kW…(7)
振幅比・位相差検出部11で検出した出力信号の位相差Δφを式(6)に、振幅比Δampを式(7)に代入して、速度変化量ΔV/V、減衰変化量Δα/kを求め、さらに求めた速度変化量ΔV/Vを式(4)に、減衰変化量Δα/kを式(5)に代入して、式(4)、(5)の連立方程式から測定対象であるアルコール溶液5の比誘電率εr’を求めることができる。なお、アルコール溶液5に対する振幅比・位相差検出部11で検出した出力信号の位相差Δφ、振幅比Δampは、予めアルコール溶液5と同様に標準液について検出した位相差、振幅比に対する変化量として規定化したうえで代入している。
次に、図2は、弾性表面波センサ2の構成例を示す図である。弾性表面波センサ2は、第1弾性表面波センサ21と、第2弾性表面波センサ22とから構成されている。
第1弾性表面波センサ21は、入力電極211及び出力電極212を備え、入力電極211と出力電極212との間には、金属膜214により短絡された(検出部が金属膜214により覆われた)短絡伝搬路213が形成されている。
一方、第2弾性表面波センサ22は、入力電極221及び出力電極222を備え、入力電極221と出力電極222との間には、検出部が金属膜224に開口された開口部225により露出されている開放伝搬路223が形成されている。また、第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22は、圧電基板上に互いに並列になるように配置されている。
入力電極211及び入力電極221は、発振器51から分配器52を介して入力された電気信号によって、弾性表面波を励振させるために櫛形電極で構成されている。また、出力電極212及び出力電極222は、入力電極211、入力電極221で励振され伝搬してきた弾性表面波を受信するために櫛形電極で構成されている。
短絡伝搬路213及び開放伝搬路223は、圧電基板上に蒸着された金属膜214、224で形成され、金属膜214、224は電気的に短絡されて接地されている。開放伝搬路223には、上述したように、金属膜224の一部が剥離され、圧電基板が露出するように開口部225が形成されている。従って、圧電基板が露出している開口部225(開放領域)は電気的に開放状態となっている。なお、圧電基板に金属膜224が蒸着された部分については、第1弾性表面波センサ21と同様に電気的に短絡状態となっている。
次に、図3は、濃度検出部1が行う濃度算出処理の動作例を示すフローチャートである。この図3を用いて、濃度検出部1が行うエタノール溶液5の濃度の算出について説明する。
濃度算出部12は、濃度検出部1が起動されると、水位データを供給するための水位データ要求信号を、水位計測部15へ出力する。
水位データ要求信号が入力されると、水位計測部15は、水位計7から入力される液面6の位置データから、水位データを算出し、算出した水位データを濃度算出部12へ出力する。
そして、濃度算出部12は、入力される水位データと、直前に記憶した直前水位データとが一致するか否かの判定を行う(ステップS1)。
このとき、濃度算出部12は、水位データと直前水位データとが等しい場合、処理をステップS10へ進め、一方、水位データと直前水位データとが異なる場合、処理をステップS2へ進める。
ここで、水位データと直前水位データとが異なる場合は、濃度検出部1の停止から起動までに長い時間が経過しており、エタノール溶液5の水分が蒸発、あるいはアルコールが蒸発し、濃度算出部12が直前に算出した基準濃度と異なっていることが考えられるため、新たな基準濃度の算出を行う。
また、水位データと直前水位データとが等しい場合、停止から起動までに経過した時間が少なく、濃度が変化していないとし、濃度算出部12が直前に算出した基準濃度を基に、溶液の供給量及び燃料の供給量とから濃度の算出を行う(ステップS10)。そして、濃度算出部12は、算出した濃度を新たな基準濃度とし、またその時点の水位データを直前水位データとし、内部の記憶部に記憶する。
そして、振幅比・位相差検出部11は、現在の水位データにおける、第1弾性表面波センサ21と、第2弾性表面波センサ22とから、それぞれの位相及び振幅を入力し、位相差及び振幅比を算出する(ステップS2)。
また、振幅比・位相差検出部11は、算出した位相差及び振幅比を濃度算出部12へ出力する。
次に、濃度算出部12は、現在の水位データにおいて、上述した(1)から(7)式により、比誘電率εr’を求める。
そして、濃度算出部12は、内部の記憶部に記憶されている比誘電率εr’と濃度との対応テーブル(または対応式)により、求めた比誘電率εr’に対応する濃度を読み出し、この算出した濃度を第1濃度として出力する(ステップS3)。
次に、濃度算出部12は、第2濃度を算出する準備として、タンク4内のアルコール溶液5の水位を変化させるため、水位供給部13に対して、水供給制御信号を出力する(ステップS4)。
そして、濃度算出部12は、水位計測部15から逐次水位データを入力し、予め設定した水の供給量となったか否かの判定を行う。ここで、濃度算出部12は、水の供給量を、タンク4の液面6に平行なタンク4の断面積にて除算し、水位変化量を算出する。
次に、濃度算出部12は、入力される水位データと直前水位データとの差分が、算出した水位変化量と一致するか否かを判定することにより、設定水位になったか否かの検出を行う(ステップS5)。
このとき、濃度算出部12は、予め設定した水の供給量が供給されたと判定された場合、ステップS6に処理を進め、一方、予め設定した水の供給量が供給されていないと判定された場合、処理をステップS4へ戻す。
そして、振幅比・位相差検出部11は、水位変更後の水位データにおける、第1弾性表面波センサ21と、第2弾性表面波センサ22とから、それぞれの位相及び振幅を入力し、位相差及び振幅比を算出する(ステップS6)。
また、振幅比・位相差検出部11は、算出した位相差及び振幅比を濃度算出部12へ出力する。
次に、濃度算出部12は、水位変更後の水位データにおいて、上述した(1)式から(7)式により、比誘電率εr’を求める。
そして、濃度算出部12は、内部の記憶部に記憶されている比誘電率εr’と濃度との対応テーブル(または対応式)により、求めた比誘電率εr’に対応する濃度を読み出し、この算出した濃度を第2濃度として出力する(ステップS7)。
次に、濃度算出部12は、第1濃度から第2濃度を減算することにより、濃度変化量aを算出する(ステップS8)。
そして、濃度算出部12は、以下の(8)式により、現在の濃度を算出し、新たな基準濃度として内部記憶部に記憶するとともに、この時点の水位データを直前データとして、内部記憶部に記憶する(ステップS9)。
X=a(H−H)/H …(8)
上記(8)式において、Hが水供給後の水位データであり、Hが供給した供給分の水位データであり、aが濃度変化量であり、Xが水供給後の濃度である。
上述したように、第1の実施形態による濃度センサは、起動された際に、水位が変化して基準濃度が記憶されているものと異なった場合、その水位により第1濃度を測定し、自身により水、または燃料(アルコール)を供給し、混合液の総量を変化させ、第2濃度を測定する。
このため、第1の実施形態による濃度センサは、基準濃度の校正を、第1濃度と第2濃度との差を、水の供給量を用いて(8)式により補正するため、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサの感度が変化したとしても、正確に総量変化後の濃度を求め、基準濃度とすることができる。
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、この発明の第2の実施形態による濃度センサの構成例を示す概略ブロック図である。第2の実施形態は、水位計を必要としない、水位測定を行う弾性表面波を有する、自己校正型弾性表面波センサである。
第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第2の実施形態の濃度センサが第1の実施形態と異なる点は、上述したように、水位計7の代わりに、第1弾性表面波センサ21を水位計として用いている点である。
すなわち、第1の実施形態における弾性表面波センサ2は、図1に示すように、第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22との検出部(センシング領域)を全てエタノール溶液5に浸漬させて、弾性表面波の振幅及び位相の検出を行っている。
第2の実施形態においては、図4に示すように、第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22とを、検出部(短絡伝送路213、開放伝送路223)が弾性表面波の進行方向に平行な長尺方向に全て浸漬させずに、浸漬量を第1弾性表面波センサ21の検出部が浸漬された領域により検出する。
以下に、理論と実験結果とを比較して検討した、水位の検出方法を以下に述べる。
ここで、理論と実験結果を比較し検出方法について検討した。使用した第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22は、LiTaO基板の30MHzのSH−SAW(Shear horizontal type surface acoustic wave)であり、伝搬路長は波長換算で50λである。このため、第1弾性表面波センサ21は、検出部において、エタノール溶液5による力学的変化を検出している。
ここで、第1弾性表面波センサ21において、位相変化は3.056度(波長換算0.061度) であり、減衰変化は0.515dB(波長換算0.0103dB) であった。
一方、第2弾性表面波センサ22は、検出部において、力学的変化と電気的変化とを検出する。このため、第2弾性表面波センサ22において、位相変化は254度(波長換算5.080度)、減衰変化は−4.401dB(波長換算−0.088dB)であった。
第2弾性表面波センサ22における変化は、比誘電率変化が空気の1から水の80.37に変化した変化量である。
この確認実験として、比誘電率2.01のジオキサン100%を用いて水80.37 からの変化を測定した。測定結果において、位相変化は−255.2度(波長換算−5.1度)、減衰変化は2.94dB(波長換算0.061dB)であった。空気から水の変化と水からジオキサンの変化は共に同じ変化をしている。そのため、空気から純水への変化は比誘電率により理論的に得られた結果となる。これらの変化は、周波数やSH−SAWの設計パラメータに依存した変化である。
次に、タンク4内の水位(アルコール溶液5の液面6の位置)の測定方法を以下に示す。ここで、第2弾性表面波センサ22において検出される振幅変化を算出して、エタノール溶液5の浸漬量による変化を変化量として算出する。
第1弾性表面波センサ21において、位相変化はΔφSHであり、減衰変化はΔASHである。また、第2弾性表面波センサ22において、位相変化はΔφOPであり、減衰変化はΔAOPである。また、第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22における純水での位相はφwaterであり、純水での振幅はAwaterである。この減衰変化ΔASHは、空気中における減衰量から、液体に検出部214が部分的あるいは全体が浸された場合の減衰量との差分である。
次に、第1弾性表面波センサ21における純水負荷による力学変動は、波長換算0.0103dBである。
水位計測部15は、以下の(9)式により測定結果ΔASHを用いて、水位(検出部の浸漬量)Dを算出する。
D=ΔASH/0.0103 …(9)
また、アルコール溶液5の濃度の校正を行う場合、以下のように行う。
振幅比・位相差検出部11は、現在の測定した浸漬量Hにおける水が負荷された場合における弾性表面波の振幅及び位相差の変化量を算出する。
また、振幅比・位相差検出部11は、実際に第1弾性表面波センサ21及び第2弾性表面波センサ22で測定された測定結果から、弾性表面波の振幅比及び位相差を算出する。
そして、濃度算出部12は、以下の(10)式から(12)式により、測定結果から求めた位相差と、純水の浸漬量Hとして求めた位相差との差を算出し、速度変化量ΔV/Vを算出する。
φwater=H・(5.08−0.061) …(10)
Δφ=ΔφOP−ΔφSH−φwater
…(11)
ΔV/V=(Δφ・λ)/(360・H) …(12)
また、振幅比・位相差検出部11は、以下の(13)式から(15)式により、測定結果から求めた振幅比と、純水の浸漬量Hとして求めた振幅比との差を算出し、減衰変化量Δα/kを算出する。
water=H・(−0.088−0.013)
…(13)
ΔA=ΔAOP−ΔASH−Awater
…(14)
Δα/k=(ΔA・λ)/(8086・2π・H)
…(15)
次に、濃度算出部12は、以下の(16)式及び(17)式に、速度変化量ΔV/V及び減衰変化量Δα/kを代入し、比誘電率及び導電率の計算を行う。
そして、濃度算出部12は、得られた比誘電率により、第1の実施形態と同様に、浸漬量Hにおける第1濃度を算出する。
(16)式及び(17)式において、標準液として純水を用いた場合に標準液の複素誘電率をεt、比誘電率をεr、真空の誘電率をε0、導電率をσ、発振器51から出力される信号の励振角周波数をω、伝搬路を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV、標準液に対するエタノール溶液5における弾性表面波の伝搬速度の変化量をΔV、弾性表面波の伝搬減衰をα、標準液に対するアルコール溶液5における弾性表面波の伝搬減衰の変化量Δα、波数をk(k=2π/λ)、基板実効誘電率をεp、電気機械結合係数をK とする。
次に、濃度算出部12は、水供給部13に対し、水供給制御信号を出力し、浸漬量Hに対し、供給量H1の純水を追加して、新たに浸漬量Lとする。
そして、濃度算出部12は、上述した濃度算出と同様の計算を行い、供給量H1が増加した後のアルコール溶液5の第2濃度を算出する。
そして、濃度算出部12は、第1濃度から第2濃度を減算し、濃度変化量aを算出する。
そして、濃度算出部12は、第1の実施形態と同様に、上記(8)式により、現在の濃度Xを算出し、新たな基準濃度として内部記憶部に記憶するとともに、この時点の水位データを直前データとして、内部記憶部に記憶する。
上述の構成により、第2の実施形態による濃度センサは、第1の実施形態と同様に、自身で基準濃度を構成することが可能となる効果に加え、アルコール溶液5の液面6を検出する水位計を必要とせず、装置の低価格化と小型化とを実現することが可能な効果を有する。
また、図1及び図4の各々における濃度検出部1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基準濃度の構成処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、図2に示した第2弾性表面波センサ22は、入力電極221と出力電極222との間の伝搬路223には、凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路で構成されてもよい。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…濃度検出部
2…弾性表面波センサ
4…タンク
5…エタノール溶液
6…液面
7…水位計
8、9、10…バルブ
11…振幅比・位相差検出部
12…濃度算出部
13…水供給部
14…燃料供給部
15…水位計測部
21…第1弾性表面波センサ
22…第2弾性表面波センサ
51…発振器
52…分配器
213…短絡伝搬路
223…開放伝搬路
221,221…入力電極
212,222…出力電極
214,224…金属膜
225…開口部

Claims (6)

  1. 少なくとも第1の液体及び第2の液体を含む複数の液体が混合した混合液との間における力学的相互作用及び電気的相互作用により検出される弾性表面波の伝搬特性の変化により、前記混合液における第1の液体の濃度を検出する濃度検出装置において、
    第1検出面が導電体に覆われ、前記混合液と前記第1検出面とが直接に接触させず、前記弾性表面波の位相及び振幅を測定する第1の弾性表面波センサと、
    前記混合液と第2検出面が直接に接触し、前記弾性表面波の位相及び振幅を測定する第2の弾性表面波センサと、
    前記第1の弾性表面波センサの第1位相及び第1振幅、前記第2の弾性表面波センサの第2位相及び第2振幅とから前記混合液における前記第1の液体の濃度を算出する濃度算出部と
    を有し、
    前記濃度算出部が、前記基準濃度を校正する際、第1の液量における第1濃度と、第1の液量から予め設定された液量差を変化させた第2の液位における第2濃度とを求め、当該第2濃度及び前記第1濃度の濃度差と、前記第2の液量及び前記液量差とから、校正した濃度を求める
    ことを特徴とする濃度センサ。
  2. 前記濃度算出部が、
    前記濃度差に前記第1の液量を乗算し、乗算結果を前記液量差により除算し、前記校正された濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の濃度センサ。
  3. 容器内の前記混合物に対し、前記液量差の量の前記第2の液体を供給する第2の液体供給部と、
    前記容器内の前記混合液の液位を測定する液位計と、
    前記液位計が測定した液位により、前記混合液の液量を求める液量計測部と
    をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の濃度センサ。
  4. 前記液量計として、前記第1の弾性表面波センサを用い、前記弾性表面波が伝搬する前記第1検出面を、前記容器の深さ方向に対して平行として、前記第1の弾性表面波センサを配置し、当該第1検出面が前記容器の深さより長いことを特徴とする請求項3に記載の濃度センサ。
  5. 前記液量計測部が、前記第1の弾性表面センサが求めた減衰変化量を、予め求められている波長換算した減衰変化量にて除算し、前記液位を求めることを特徴とする請求項4に記載の濃度センサ。
  6. 前記第1の液体がアルコール(エタノール、メタノール等)であり、前記第2の液体が水であり、前記混合液がアルコール及び水により生成されるアルコール溶液であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の濃度センサ。
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