JP5647231B2 - 両親媒性窒素含有イミダゾリニウム誘導体化合物の調製のための方法 - Google Patents

両親媒性窒素含有イミダゾリニウム誘導体化合物の調製のための方法 Download PDF

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Description

本開示は、窒素含有両親媒性物質を調製するための新しい方法、ならびに遺伝子療法で使用される核酸を含む医薬的物質のリポソームおよび他の脂質含有担体の調製におけるそれらの使用に関する。
リポソームは、生物学的担体として使用される多数の脂質ベースの材料のうちの1つであり、特に、様々な培養細胞株および動物に、薬物、放射線治療薬、酵素、ウイルス、転写因子、および他の細胞ベクターを導入するために、多数の医薬および他の生物学的条件における担体として効果的に使用されている。成功した臨床試験は、リポソーム封入薬物を特定の組織および特定の細胞型に標的化するための、リポソーム媒介薬物送達の有効性を調べた。例えば、米国特許第5,264,618号は、リポソームおよび医薬組成物の調製、ならびに臨床的状況におけるそのような組成物の使用を含む、脂質担体を使用するための多数の技術を記載しており、その開示は、参照により全体として全ての目的のために、本明細書により組み込まれる。リポソーム媒介ベクターを使用するための基本的な方法論が十分に開発されている一方で、担体プロセスの生体適合性の観点および有効性の観点の両方から、当該方法で使用される材料の改善がなおも望ましい。
具体的には、ヒトおよび/または様々な商業上重要な動物における外来遺伝子の発現は、最終的に、多くの重要なヒト疾患の予防および/または治癒、ならびに商業上重要な特徴を有する動物の開発を可能にすることになる。遺伝子は、担体媒介送達が、通常、インビトロあるいはインビボのどちらかでの細胞のDNAトランスフェクションに必要とされる、高分子量のポリアニオン分子である。従って、対象となる組織または細胞中のクローン化した遺伝子の送達および最終的な発現の両方を強化することになる、脂質トランスフェクションベクターを開発することが重要である。場合によっては、治療計画は、遺伝子(または他の医薬品)の反復投与を伴うことになるため、脂質担体が反復投与の後でさえ宿主にとって無害であることも重要である。
1−アシルオキシエチル−2−アルキル(アルケニル)−3−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム誘導体等の両親媒性イミダゾリニウム誘導体、ならびにカチオン両親媒性物質としてのそれらの調製およびそれらの使用のための方法は、米国特許第5,705,655号および第5,830,878号に開示されており、それぞれの開示は、参照することによって、その全体が全ての目的のために本明細書に組み込まれる。これらのカチオン両親媒性物質は、核酸および他の生物学的化合物と複合体を形成し、それらの核酸複合体は、哺乳類細胞を形質転換することが可能である。これらの誘導体の成功により、必要とされるのは、これらの化合物を調製および精製するための改善された方法である。これらの方法は、拡張性があり、かつ、高純度化合物を日常的に生成することが可能である必要がある。
生分解性の両親媒性イミダゾリニウム誘導体の調製のための新しい方法を提供する。こうしたカチオン両親媒性物質は、核酸および他の生物学的化合物と複合体を形成することが可能であり、核酸複合体は、哺乳類細胞を形質転換することが可能である。
従って、一実施形態では、本開示は、式(I):
Figure 0005647231
の化合物を調製するための方法を提供し、該方法は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II):
Figure 0005647231
の化合物を加熱し、式(I)の化合物を生成するものである。式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩である。一実施形態は、2〜5A分子篩(細孔径2〜5Å)の使用を特徴とする。さらなる実施形態は、3〜4A分子篩(細孔径3〜4Å)を特徴とする。別の実施形態は、4A分子篩(細孔径4Å)の使用を特徴とする。
定義
本明細書で使用される略語は、化学分野および生物学分野内でのそれらの従来の意味を有する。
置換基が、左から右に書かれる、それらの従来の化学式によって指定される場合、それらは、右から左に構造を書くことから生じることになるだろう、化学的に同一の置換基を同様に包含し、例えば、−CH2O−は、−OCH2−と同等である。
「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に指定のない限り、直鎖(すなわち非分枝鎖)もしくは分枝鎖、または環状炭化水素ラジカル、またはその組み合わせを意味し、それらは、完全飽和、単不飽和、またはポリ不飽和であってもよく、指定された数の炭素原子を有する、二価ラジカルおよび多価ラジカルを含んでもよい(すなわちC1−C10は、1乃至10個の炭素を意味する)。飽和炭化水素ラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル等の基、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の相同体および異性体が挙げられるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合または三重結合を有する基である。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−プロピニルおよび3−プロピニル、3−ブチニル、ならびに高級な相同体および異性体が挙げられるが、これらに限定されない。炭化水素基に限定されないアルキル基は、「ホモアルキル」と呼ばれる。
「アルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、−CH2CH2CH2CH2−によって例示されるような、しかしこれに限定されない、アルキルから得られる二価ラジカルを意味する。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1乃至24個の炭素原子を有するものとし、10個以下の炭素原子を有するそうした基が好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、概して8個以下の炭素原子を有する、より短鎖のアルキルまたはアルキレン基である。
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、特に指定のない限り、少なくとも1個の炭素原子、ならびにO、N、P、Si、およびSから成る群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子から成る、安定な直鎖もしくは分枝鎖、または環状炭化水素ラジカル、またはその組み合わせを意味し、式中、窒素原子および硫黄原子を随意に酸化することができ、窒素ヘテロ原子を随意に四級化することができる。1つまたは複数のヘテロ原子O、N、P、S、およびSiを、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に、または、アルキル基が分子の残部に結合している位置に配置することができる。例としては、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH33、−CH2−CH=N−OCH3、−CH=CH−N(CH3)−CH3、O−CH3、−O−CH2−CH3、および−CNが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、−CH2−NH−OCH3および−CH2−O−Si(CH33等の、最大で2個のヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−および−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−によって例示されるような、しかしこれらに限定されない、ヘテロアルキルから得られる二価ラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基に関して、ヘテロ原子は、鎖末端(例えば、アルキレンオキソ、アルキレンジオキソ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)のどちらかまたは両方を占有することもできる。なおさらに、アルキレンおよびヘテロアルキレンの連結基に関して、連結基の配向の何れも、当該連結基の式が書かれる方向によって暗示されない。例えば、式−C(O)OR’−は、−C(O)OR’−および−R’OC(O)−の両方を表す。上記のように、本明細書で使用されるようなヘテロアルキル基としては、−C(O)R’、−C(O)NR’、−NR’R’’、−OR’、−SR’、および/または−SO2R’等の、ヘテロ原子を通じて分子の残部に結合する基が挙げられる。「ヘテロアルキル」が記述され、続いて、−NR’R’’等の特定のヘテロアルキル基の記述がある場合に、ヘテロアルキルおよび−NR’R’’という用語は、重複もせず相互に排他的でもないことが理解されることになる。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、明確さを付加するために記述される。従って、「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書において、−NR’R’’等の特定のヘテロアルキル基を除外するものと解釈されるべきではない。
本明細書で使用されるような「アルキルエステリル」は、式R’−C(O)O−R’’を有する部分を指し、式中、R’は、アルキレン部分であり、R’’は、アルキル部分である。
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それら自体で、または他の用語と組み合わせて、特に指定のない限り、それぞれ、「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状型を表す。加えて、ヘテロシクロアルキルに関して、ヘテロ原子は、当該ヘテロ環が分子の残部に結合する位置を占有することができる。シクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルキレン」および「ヘテロシクロアルキレン」という用語は、それぞれ、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルの二価誘導体を指す。
「シクロアルキル」または「シクロアルキルアルキル」という用語は、非置換のアルキレン基を介して分子の残部に結合する、3乃至7員のシクロアルキル基も指す。特定の炭素原子数の記述(例えばC1−C10シクロアルキルアルキル)は、アルキレン基の炭素原子数を指す。
「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクロアルキルアルキル」という用語は、非置換のアルキレン基を介して分子の残部に結合する、3乃至7員のヘテロシクロアルキル基も指す。特定の炭素原子数の記述(例えばC1−C10ヘテロシクロアルキルアルキル)は、アルキレン基の炭素原子数を指す。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、それら自体で、または別の置換基の一部として、特に指定のない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素の原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」等の用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことが意図される。例えば、「ハロ(C1−C4)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル等を含むことが意図されるが、これらに限定されない。
「脂肪族ヒドロカルビル」という句は、概して炭素および水素から成る一価の基を指す。従って、脂肪族ヒドロカルビル基としては、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基(直鎖および分枝鎖形の両方における)、炭素環基(ビシクロオクチルおよびアダマンチル等のポリシクロアルキル基を含む)およびアリール基、ならびにアルキルシクロアルキル、アルキルポリシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、シクロアルキルアリール、およびシクロアルケニルアリール基等の上記の組み合わせが挙げられる。従って、「脂肪族ヒドロカルビル」という句は、パラフィンおよびアルケニル、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、ペンテニル、ブテニル等を含むが、これらに限定されない。脂肪族ヒドロカルビル基の他の例としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アルカジエニル、環基等が挙げられるがこれらに限定されず、全ての非置換、置換、分枝、環状、およびその組み合わせまたは誘導体を含み、それぞれの場合において、1乃至約30個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、脂肪族ヒドロカルビルは、11乃至29個の炭素を有する。
同様に、「脂肪族ヒドロカルビレン」という句は、上記の一価脂肪族ヒドロカルビル基に対応する二価の基を指す。「二価脂肪族ヒドロカルビル」という句は、分子の残部との2つの結合点を有する、脂肪族ヒドロカルビル基を指す。
「アリール」という用語は、特に指定のない限り、単一環、または相互に融合もしくは共有結合する複数環(好ましくは、1個から3個までの環)であってもよい、ポリ不飽和芳香族炭化水素置換基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、N、O、およびSから選択される1個から4個までのヘテロ原子を含有する、アリール基(または環)を指し、式中、窒素原子および硫黄原子は随意に酸化され、1つまたは複数の窒素原子は随意に四級化される。ヘテロアリール基を、炭素またはヘテロ原子を通じて分子の残部に結合することができる。アリールおよびヘテロアリール基の限定されない例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリニル、5−イソキノリニル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリニル、および6−キノリニルが挙げられる。上記のアリール環系およびヘテロアリール環系のそれぞれに対する置換基は、以下に記載される、許容可能な置換基の群から選択される。「アリーレン」および「ヘテロアリーレン」という用語は、それぞれ、アリールおよびヘテロアリールの二価誘導体を指す。
簡潔にするために、他の用語と組み合わせて使用される際の「アリール」という用語(例えば、アリールオキソ、アリールチオキソ、アリールアルキル)は、上記に定義されるようなアリール環およびヘテロアリール環の両方を含む。従って、「アリールアルキル」という用語は、その中で炭素原子(例えば、メチレン基)が、例えば、酸素原子(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル等)によって置換されたそうしたアルキル基を含む、その中でアリール基がアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等)に結合されたそうしたラジカルを含むことが意図される。しかしながら、本明細書で使用されるような「ハロアリール」という用語は、1つ以上のハロゲンで置換されるアリールのみを含むことが意図される。
本明細書で使用されるような「オキソ」という用語は、炭素原子に二重結合される酸素を意味する。
上記の用語のそれぞれ(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、ならびにそれらの二価ラジカル誘導体)は、示されたラジカルの置換型および非置換型の両方を含むことが意図される。
アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルの一価および二価の誘導体ラジカル(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニルとしばしば称される基を含む)に対する置換基は、0から(2m’+1)の範囲の数で、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’,−C(O)NR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)OR’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−CN、および−NO2から成るがこれに限定されない様々な基のうちの1つ以上であってもよく、式中、m’は、そのようなラジカル中の炭素原子の総数である。R’、R’’、R’’’、およびR’’’’は、それぞれ、好ましくは独立して、水素、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール(例えば、1〜3個のハロゲンで置換されるアリール)、置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。例えば、本開示の化合物が2つ以上のR基を含む時、R基のそれぞれは、これらの基のうちの2つ以上が存在する時は、それぞれがR’、R’’、R’’’、およびR’’’’として独立して選択される。R’およびR’’が同じ窒素原子に結合する時、それらを窒素原子と結合して、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むことが意図されるが、これらに限定されない。置換基の上記の考察から、当業者は、「アルキル」という用語が、ハロアルキル(例えば、−CF3および−CH2CF3)、ならびにアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3等)等の水素基以外の基に結合した炭素原子を含む基を含むことが意図されることを理解することになる。
アルキルラジカルに関して記載される置換基と同様に、アリールおよびヘテロアリール基(ならびにそれらの二価誘導体)に対する例示的な置換基は、様々であり、例えば、0から芳香環系上の開放原子価の総数までの範囲で、ハロゲン、−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−C(O)NR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)OR’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−CNおよび−NO2、−R’、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1−C4)アルコキソ、ならびにフルオロ(C1−C4)アルキルから選択され、式中、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’は、好ましくは独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールから選択される。例えば、本開示の化合物が2つ以上のR基を含む時、R基のそれぞれは、これらの基のうちの2つ以上が存在する時は、それぞれがR’、R’’、R’’’、およびR’’’’として独立して選択される。
アリールまたはヘテロアリール環の隣接した原子上の置換基のうちの2つは、随意に、式−T−C(O)−(CRR’)q−U−の環を形成することができ、式中、TおよびUは、独立して、−NR−、−O−、−CRR’−、または単結合であり、qは、0から3までの整数である。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接した原子上の置換基のうちの2つを、随意に、式−A−(CH2r−B−の置換基で置換することができ、式中、AおよびBは、独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−、または単結合であり、rは、1から4までの整数である。このようにして形成される新しい環の単結合のうちの1つを、随意に、二重結合で置換することができる。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接した原子上の置換基のうちの2つを、随意に、式−(CRR’)s−X’−(C’’R’’’)d−の置換基で置換することができ、式中、sおよびdは、独立して、0から3までの整数であり、X’は、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または−S(O)2NR’−である。置換基R、R’、R’’、およびR’’’は、好ましくは独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールから選択される。
本明細書で使用されるような「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)、およびケイ素(Si)を含むことが意図される。
本開示の化合物は、塩として存在することがある。本開示は、そのような塩を含む。適用可能な塩形態の例としては、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むこれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、およびグルタミン酸等のアミノ酸の塩が挙げられる。これらの塩を、当業者にとって既知の方法によって調製することができる。また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩等の塩基付加塩、または同様の塩も含まれる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する時、酸付加塩は、そのような化合物の中性型を十分な量の所望の酸と、未希釈で、あるいは好適な不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。許容可能な酸付加塩の例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸、または亜リン酸等の無機酸から得られるもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の有機酸から得られる塩等が挙げられる。また、アルギネート等のアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸等の有機酸の塩も含まれる。本開示のある特定の化合物は、化合物が塩基付加塩あるいは酸付加塩に変換されることを可能にする、塩基および酸性の官能基の両方を含有する。
化合物の中性型は、好ましくは、塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を従来の方法で単離することによって再生される。親型の化合物は、極性溶剤中での溶解性等のある特定の物理的特性において、様々な塩の形態とは異なる。
本開示のある特定の化合物は、非溶媒和形態および水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般的に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。本開示のある特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在することがある。一般的に、全ての物理的形態は、本開示によって検討される使用に対して同等であり、本開示の範囲内にあることを目的とする。
本開示のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合、すなわち、エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、絶対立体化学の観点から、(R)−もしくは(S)−として、またはアミノ酸に対して(D)−もしくは(L)−として定義することができる立体異性体の形態を有し、個々の異性体は、本開示の範囲内に包含される。本開示の化合物は、不安定過ぎて合成および/または単離することができないと当該技術分野で知られているものを含まない。本開示は、ラセミ形態および光学的に純粋な形態の化合物を含むことが意図される。光学活性(R)−および(S)−、または(D)−および(L)−異性体を、キラルシントンまたはキラル試薬を使用することによって調製することができ、または従来の技術を使用して分割することができる。本明細書に記載されている化合物がオレフィン結合または幾何学的非対称の他の中心を含有する際に、特別の定めのない限り、当該化合物は、EおよびZの幾何異性体の両方を含むことが意図される。
本明細書で使用されるような「互変異性体」という用語は、平衡状態で存在し、1つの異性体の形態から別の形態に容易に変換される、2つ以上の構造異性体のうちの1つを指す。
本開示のある特定の化合物が、互変異性体形態で存在し得、当該化合物のそのような互変異性体形態の全てが本開示の範囲内にあることは、当業者に明らかとなることになる。
特に指定のない限り、本明細書で示される構造は、構造の全ての立体化学形態、すなわち、各不斉中心に対するRおよびS配置も含むことも意図される。従って、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体、およびエナンチオマーおよびジアステレオマー混合物は、本開示の範囲内である。
特に指定のない限り、本明細書で示される構造は、1個以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことも意図される。例えば、重水素または三重水素による水素の置き換え、または13Cまたは14C濃縮炭素による置き換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
本開示の化合物は、そのような化合物を構成する原子のうちの1個以上において、非天然の割合の原子同位体を含有することもある。例えば、当該化合物を、例えば、三重水素(3H)、ヨウ素−125(125I)、または炭素−14(14C)等の放射性同位体で放射性標識することができる。本開示の化合物の全ての同位体変化形は、放射性であるかどうかにかかわらず、本開示の範囲内に包含される。
「医薬として許容可能な塩」という用語は、本明細書に記載する化合物に見られる特定の置換基部分によって、比較的に非毒性の酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことが意図される。本開示の化合物が、比較的酸性の官能基を含有する時、塩基付加塩は、中性型のそのような化合物を十分な量の所望の塩基と、未希釈で、あるいは好適な不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。医薬として許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、または同様の塩が挙げられる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する時、酸付加塩は、そのような化合物の中性型を十分な量の所望の酸と、未希釈で、あるいは好適な不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。医薬として許容可能な酸付加塩の例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸、または亜リン酸等の無機酸から得られるもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の比較的に非毒性の有機酸から得られる塩等が挙げられる。また、アルギネート等のアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸等の有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1−19を参照されたい)。本開示のある特定の化合物は、化合物が塩基付加塩あるいは酸付加塩に変換されることを可能にする、塩基および酸性の官能基の両方を含有する。
塩形態に加えて、本開示は、プロドラッグ形態である化合物に関する。本明細書に記載する化合物のプロドラッグは、本開示の化合物を提供するように、生理学的条件下で容易に化学変化を受ける化合物である。さらに、プロドラッグを、エクスビボ環境での化学的または生化学的方法によって、本開示の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグを、好適な酵素または化学試薬を有する経皮パッチリザーバ中に配置される時に、本開示の化合物にゆっくり変換することができる。
本明細書において置換基の群に関して使用される「一つの」(「a」、「an」、または「a(n)」)という用語は、少なくとも1つを意味する。例えば、化合物が「一つの」アルキルまたはアリールで置換される場合に、当該化合物は、随意に、少なくとも1つのアルキルおよび/または少なくとも1つのアリールで置換される。さらに、一つの部分がR置換基で置換される場合に、当該基は、「R置換」と称されることがある。一つの部分がR置換される場合に、当該部分は、少なくとも1つのR置換基で置換され、各R置換基は、随意に異なる。
本開示の化合物の記載は、当業者に既知の化学結合の原理によって限定される。従って、ある基を多数の置換基のうちの1つ以上によって置換することができる場合に、そのような置換は、化学結合の原理に適合し、かつ本質的には不安定ではない、および/または水性、中性、生理学的条件等の周囲条件下で不安定である可能性があるものとして当業者に知られているだろう化合物を与えるように選択される。
特定の疾病に関連した「治療すること」または「治療」という用語は、疾病の予防を含む。
記号、
Figure 0005647231
は、一つの部分の分子の残部への付着点を表す。
本発明の化合物を、化学合成の分野において一般的に既知の1つ以上の保護基を使用して合成することができる。「保護基」という用語は、保護基が除去されるまで、化合物のいくつかまたは全ての部分を遮断し、かかる部分が化学反応に関与することを防止する化学部分、例えば、Greene,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.John Wiley & Sons(1999)に列挙および記載されているような部分を指す。異なる保護基が採用される場合、各(異なる)保護基が異なる手段で除去可能であることが有利であり得る。完全に異種の反応条件下で開裂される保護基は、かかる保護基の異なる除去を可能にする。例えば、保護基を、酸、塩基、および水素化分解によって除去することができる。トリチル、ジメトキシトリチル、アセチル、およびt−ブチルジメチルシリル等の基を、酸に不安定であり、水素化分解によって除去可能であるCbz基、および塩基に不安定なFmoc基によって保護されるアミノ基の存在下で、カルボキシおよびヒドロキシ反応性部分を保護するために使用することができる。カルボン酸およびヒドロキシ反応性部分を、カルバミン酸t−ブチル等の酸に不安定な基で、または酸および塩基の両方に安定であるが加水分解で除去可能であるカルバミン酸塩で遮断されるアミンの存在下で、メチル、エチル、およびアセチル等であるがこれらに限定されない、塩基に不安定な基で遮断することができる。
カルボン酸およびヒドロキシ反応性部分を、ベンジル基等の加水分解で除去可能な保護基で遮断することもでき、一方で、酸との水素結合が可能なアミン基を、Fmoc等の塩基に不安定な基で遮断することができる。カルボン酸反応性部分を、2,4−ジメトキシベンジル等の酸化的に除去可能な保護基で遮断することができ、一方で、共存アミノ基を、フッ化物に不安定なカルバミン酸シリルで遮断することができる。
アリルブロック基は、酸保護基および塩基保護基の存在下で有用であり、その理由は、アリルブロック基が安定であり、当該基を金属またはπ酸触媒によって後に除去することができるためである。例えば、アリル遮断カルボン酸を、酸に不安定なカルバミン酸t−ブチルまたは塩基に不安定な酢酸アミン保護基の存在下で、パラジウム(0)触媒反応によって脱保護することができる。保護基のさらに別の形態は、それに化合物または中間体を結合することができる樹脂である。残基が樹脂に結合している限り、当該官能基は遮断され、反応することができない。一旦樹脂から遊離されると、当該官能基は、反応することが可能である。
典型的なブロック基または保護基としては、例えば:
Figure 0005647231
が挙げられる。
両親媒性イミダゾリニウム誘導体の調製のための方法
代謝可能な両親媒性イミダゾリニウム誘導体の調製のための新しい方法を提供する。代謝可能な両親媒性イミダゾリニウム誘導体は、細胞形質転換プロセスで使用される抗生物質または核酸等、生物活性分子のための担体として有用である。両親媒性物質を使用して調製される組成物は、本目的に対して特に有効であるため、核酸担体としての両親媒性材料の使用は、詳細に記載されてきた。両親媒性物質は、患者の肺への抗生物質の送達のためのように、標準的な薬物送達計画においても有用である。
カチオンが、1つ以上のアニオン、例えば、水酸化物、塩化物、もしくは臭化物イオン、またはより複雑な有機アニオンもしくは塩基と関連して存在しなければならないことは明らかである。両親媒性物質を生成するための、以下に記載する合成技術は、最初に、カチオン両親媒性物質の水酸化物塩を作る。しかしながら、両親媒性カチオンと関連付けられる特定のアニオンは、両親媒性カチオンの形成および有用性に重要ではなく、組成物の使用中、当該アニオンを他のアニオンと(全体または一部において)交換することができる。あるいは、所望のアニオンを含有する過剰な塩の存在下で、初期に形成された塩(または中間体塩)を溶解すること等によって、アニオンを意図的に交換することができる。従って、開示されている両親媒性化合物は、本明細書において、任意の特定のアニオンに言及することなく、概してカチオンの観点から記載される。アニオンの多数の特定の例、ならびにアニオンの選択に関する一般的ガイダンスが与えられる。ヒト投与に対して、塩化物、臭化物、または酢酸塩、コハク酸塩、およびクエン酸塩を含む他の生理学的に許容可能なアニオンを使用することができる。カチオンは、それ自体は非毒性であるか、および/あるいは、副生成物、例えば、宿主生物に対して非毒性であるか、もしくは宿主生物に対して内因性である、酵素的開裂生成物をもたらす。概して、元の脂質およびそれらの分解生成物の両方は、宿主生物に対して非毒性である。
本開示は、特に、式(I):
Figure 0005647231
の化合物を調製するための新規な方法に関し、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II):
Figure 0005647231
の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成する。式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩である。
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンから始まり、式(II)を有するアミノ保護ジアシル化中間体およびアミノ脱保護ジアシル化中間体を通じて、所望の式(I)の生成物までの転位反応のための新しく、かつ改善された方法を使用して、開示された式(I)の化合物を合成することができる。他の実施形態では、本開示は、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、約1個から約30個まで(1個および30個も含む)の炭素原子を有する。RおよびR1基は、飽和させることができ、または1つ以上のエチレン性不飽和結合を有して不飽和であり、好適には、同一であるか、または相互に異なる。例示的なR1基は、それが結合される−CO−基と合わせて(すなわち、R1−CO−)、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、リノレオイル、エイコサノイル、トリコサノイル、およびノナコサノイル(対応する名前:ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸から得られる)を含む。R1基のみに対して系統名が与えられる場合、ラウリン酸から得られる脂肪族ヒドロカルビル基の対応する名前は、ウンデシルであり、ミリスチン酸は、トリデシルであり、パルミチン酸は、ペンタデシルであり、ステアリン酸は、ヘプタデシルであり、リノール酸は、シス,シス−8,11−ヘプタデシジエニルであり、エイコサン酸は、ノナデシルであり、トリコサン酸は、ジコサニルであり、トリアコンタン酸は、ノナコサニルである。例示的なR基は、それらが概して、同一の脂肪酸から得られるため、列挙されたR1基と同一であってもよい。例示的なカチオンとしては、1−[2−(9−(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8−(Z)−ヘプタデセニル]−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムが挙げられる。上記の式(I)の他の例示的なカチオンは、式ならびにRおよびR1の上記の意味の異なる置換から明らかとなることになる。
一態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および2〜5A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供する。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および3〜4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供する。
さらなる態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供する。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ、
Figure 0005647231
であり、Yは、クロロである。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、トリハロアルキル/アルコール溶媒は、約4:1v/v混合物である。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、トリハロアルキル溶媒は、クロロホルムまたはブロモホルムであり、アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、もしくはイソプロパノール、またはその組み合わせである。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、トリハロアルキル溶媒は、クロロホルムであり、アルコール溶媒は、メタノールである。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、4A分子篩は、約1:1乃至約3:1w/w比の4A分子篩/式(II)の化合物で存在する。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、4A分子篩は、1:2w/w比の4A分子篩/式(II)の化合物で存在する。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式(II)の化合物は、約4〜約24時間にわたって、約55℃まで加熱される。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法であって、シリカゲルクロマトグラフィおよびアセトンからの再結晶化によって、式(I)の化合物を精製することをさらに含む、方法を提供する。一実施形態では、シリカゲルクロマトグラフィを、シリカゲルまたはシリカゲルプレパッケージカートリッジを使用して、当該技術分野で既知の方法によって達成することができる。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式(I)の化合物は、式(III):
Figure 0005647231
を有する。
別の態様では、本開示は、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することによって、式(I)の化合物を調製するための方法によって調製される、式(III)の化合物を提供する。一実施形態では、式(II)の化合物のRおよびR1は、それぞれ、
Figure 0005647231
であり、Yは、クロロである。
式(I)の化合物を調製するための一般的合成方法を以下の反応スキームに示す。
Figure 0005647231
上記のスキームにおいて、Xは、酸加水分解によって(例えば、HCl等の強酸で)除去されることが可能である一方で、ヒドロキシル基の存在下で、第2級アミノ基と反応し、当該基を保護する、任意のアミノ保護基であり、X’は、X保護基の前駆体(例えば、保護基がアシル基である場合、無水物または酸ハロゲン化物)であり、RCOZは、無水物または酸ハロゲン化物であり、式中、Rは、すでに定義されたものと同一のR(またはR’)であり、HYは、強酸(例えば、硫酸もしくはその誘導体のうちの1つ、または塩化水素酸等のハロゲン化水素)または弱酸(例えば、酢酸、コハク酸、もしくはクエン酸等)である。一実施形態では、アミノ保護基Xは、二炭酸ジ−t−ブチルから調製されるt−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、アシル化基は、すでに上記で指定および記載された脂肪酸のうちの1つの酸塩化物であり、脱保護および転移ステップ(単一ステップに組み合わせることができる)のための酸は、HClである。
約30℃から約60℃まで、または約40℃から約60℃まで、または約50℃から約60℃までに及ぶ沸点を有する、溶媒または溶媒の混合物中で、反応物質を還流させることによって、転位反応のための熱を提供することができる。転位反応のために有用な溶媒としては、分子篩の存在下で、それぞれ、クロロホルム、ブロモホルム、またはヨードホルム等のトリハロアルキル溶媒、およびメタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノール等のアルコール溶媒の1:1、2:1、3:1、および4:1v/v混合物等の、トリハロアルキル/アルコール溶媒の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
転位反応は、分子篩の存在下で生じることもある。分子篩は、水を含む気体および液体のための吸着剤として使用される、正確かつ均一なサイズの細孔を含有する材料である。孔を通過するために十分小さい分子は、吸着され、一方で、より大きい分子は、吸着されない。それは、分子レベルで機能するという点で、一般的なフィルタとは異なる。例えば、より大きい分子が通過しない一方で、水分子は、通過するのために十分小さくあり得る。このため、分子篩は、乾燥剤としての機能を果たし得、従って、転位反応を促進するのを補助し得る。分子篩は、それ自体の重量の最大で22%まで水を吸着することができる。分子篩は、アルミノケイ酸塩鉱物、粘土、多孔質ガラス、微孔性木炭、ゼオライト、活性炭、または窒素等の小分子および水が拡散することができる開放構造を有する合成化合物から成ることがある。3A分子篩(細孔径3Å)は、NH3、H2O(C26ではない)を吸着し、4A分子篩は、H2O、CO2、SO2、H2S、C24、C26、C36、およびC25OHを吸着する。いくつかの実施形態では、3Aおよび4A分子篩の混合物を使用することができる。さらなる実施形態では、2〜5A分子篩(細孔径2〜5Å)を使用することができる。一方で、追加の実施形態は、4A分子篩(細孔径4Å)の使用を特徴とする。いくつかの実施形態では、分子篩は、約1:1乃至約3:1w/w比の分子篩/式(II)の化合物で存在する。他の実施形態では、分子篩は、約1:2w/w比の分子篩/式(II)の化合物で存在する。
形成される最初のイミダゾリニウムイオンは、水酸化物塩および/または塩化物塩(HClを酸として使用して調製される場合)であってもよいが、アニオン(対イオン)を、既に記載したように交換によって置き換えることができる。
従って、別の態様では、本開示は、式(I):
Figure 0005647231
の化合物を調製するための方法であって、
a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供するステップと、
Figure 0005647231
b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供するステップと、
Figure 0005647231
c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供するステップと、
Figure 0005647231
及び、
d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成するステップと、
Figure 0005647231
を含む、方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩であり、Zは、OCORまたはOCOR1である。一実施形態では、分子篩は、2〜5A分子篩(細孔径2〜5Å)である。別の実施形態では、分子篩は、3〜4A分子篩(細孔径3〜4Å)である。さらに別の実施形態では、分子篩は、4A分子篩(細孔径4Å)である。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ、
Figure 0005647231
であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、クロロであり、Zは、OCORまたはOCOR1である。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩であり、Zは、OCORまたはOCOR1であり、トリハロアルキル/アルコール溶媒は、約4:1v/v混合物である。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩であり、Zは、OCORまたはOCOR1であり、トリハロアルキル/アルコール溶媒は、約4:1v/v混合物であり、トリハロアルキル溶媒は、クロロホルムまたはブロモホルムであり、アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノールである。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩であり、Zは、OCORまたはOCOR1であり、トリハロアルキル/アルコール溶媒は、約4:1v/v混合物であり、トリハロアルキル溶媒は、クロロホルムであり、アルコール溶媒は、メタノールである。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩であり、Zは、OCORまたはOCOR1であり、4A分子篩は、約1:1乃至約3:1w/w比の4A分子篩/式(II)の化合物で存在する。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式中、RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩であり、Zは、OCORまたはOCOR1であり、4A分子篩は、約1:2w/w比の4A分子篩/式(II)の化合物で存在する。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式(II)の化合物は、約4〜約24時間にわたって、約55℃まで加熱される。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、シリカゲルクロマトグラフィおよびアセトンからの再結晶化によって、式(I)の化合物を精製することをさらに含む。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱して、式(I)の化合物を生成することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、式(I)の化合物は、式(III):
Figure 0005647231
を有する。
別の態様では、本開示は、a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供することと、b)式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供することと、c)式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供することと、d)式(III)の化合物を生成するために、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および4A分子篩の存在下で、約30℃乃至約60℃の間に式(II)の化合物を加熱することとによって、式(I)の化合物を調製するための方法によって調製される、式(III)の化合物を提供する。
転位反応およびその後の全合成は、特定のカチオン両親媒性物質の生成に制限される必要はない。むしろ、それは、式(VII):
Figure 0005647231
のイミダゾリニウム化合物の一般的合成を表し、式中、X1は、示されるような転位反応後のアシル基の残基を表し(Hから複雑な有機基まで)、一方で、X2およびX3は、それぞれ独立して、Hまたは有機基を表す。X2は、初期にR−CO−を表すことがあるが、この基を除去することができ、および/または標準的な化学反応を使用して、異なる有機基によって置き換えることができる。初期生成物中の2つの潜在的なヒドロキシル基のうちの1つがすでに保護されているため、X2およびX3が異なる基を表す化合物の合成を、容易に達成することができる。Wは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩を含むが、これらに限定されない、強酸または弱酸からの任意のアニオンであってもよい。
2およびX3の両方がHを表すイオンは、これらを多数のイミダゾリニウム化合物の合成で使用することができるため、有用である。反応に使用されている加熱条件下での溶解性または反応性によって課される制限以外(それらは、容易に明らかとなることになる)、一般的合成における3つの「X」基の構造の特定の制限はないが、30個以下の炭素を含有するヒドロカルビル基およびそれらの酸素化生成物である有機基(特に、すでに記載したような脂肪酸およびそれらの反応生成物、ならびに15個以下の炭素原子もしくは10個以下の炭素原子を含有する、他のヒドロカルビル基および酸素化生成物、またはヒドロカルビル基の残基がアルキル基、特に、5個以下の炭素のアルキル基から成る、たった1つのフェニル環を含有する、ヒドロカルビル基)。酸素化ヒドロカルビル基から形成される有機基は、1有機基当たりたった1つのそのような官能基を含有する、カルボン酸、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、およびアルデヒドであってもよい。上記のような合成によって(単純な有機反応を使用したヒドロキシル基のさらなる修飾をもって)調製することができるイミダゾリニウムイオンの例としては、1,3−ジヒドロキシ−エチルイミダゾリニウム、1−メトキシエチル−3−ヒドロキシ−エチルイミダゾリニウム、1−ヒドロキシエチル−2−フェニル−3−メチルカルボキシエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメトキシエトキシ−エチルイミダゾリニウム、1,3−ヒドロキシエチル−2−トリデシルイミダゾリニウム、および1−ヒドロキシエチル−2−シス,シス−8,11−ヘプタデシルジエニル−3−オレオイルオキシエチルイミダゾリニウムが挙げられる。
転位反応は、水の除去による自己縮合反応である。しかしながら、溶媒および/または他の反応条件は、反応全体にとって重要であり得る。生成物の収率に影響を及ぼすことなく、反応を促進して完了させる溶媒および/または反応条件は、特に有用である。上記のように、分子篩(3Aまたは4A)の存在下で、中程度の温度(例えば、50℃乃至60℃)のトリハロアルキル/アルコール溶媒の混合物は、特に有用である。酸触媒が反応の進行を加速するために使用される場合、これらのプロトン性溶媒は、より容易なプロトン交換を提供し得る。
開示されたカチオン脂質は、典型的には、抗生物質または核酸等、様々な生物学的分子のための担体として有用である。具体的には、細胞内送達システムで使用するための脂質小胞またはリポソームの調製のために、単独で、または他の脂質製剤と組み合わせて、カチオン脂質を使用することができる。開示されたカチオン脂質に関して考えられる使用は、Lipofectin(商標)等の市販のカチオン脂質調製物を使用するものを含む、両親媒性脂質を使用する、現在既知のものに対応する、トランスフェクション手順、ならびに従来のカチオン脂質技術および方法を使用する、様々な他の公表された技法を含む。開示されたカチオン脂質を、所望の治療効果を実現するために、様々な経路によって、および動物体の様々な部位に治療薬を送達するために、医薬製剤で使用することができる。かかる技術は、当該技術分野で一般的に知られているため、脂質を含有する医薬組成物の調製に関する基礎的な情報および基本的な技術を、本明細書で再現することはない。この基礎的な情報に詳しくない読み手は、多数の治療製剤および方法を詳細に提供する、米国特許第5,264,618号を参照されたく、その開示は、参照することによって、その全体が全ての目的のために、本明細書に組み込まれる。
本組成物を、細胞トランスフェクションのために使用することもできる。細胞トランスフェクションを目的の用途と見なす場合、イミダゾリニウムイオンの遊離ヒドロキシル基は、追加の脂肪酸基でアシル化されるべきではないことが決定されており、その理由は、かかる「トリ脂肪酸」が細胞の形質転換に効果的ではないことがわかっているためである。
以下の実施例を、制限する目的ではなく、一例として提供する。
特許請求の範囲に記載された本発明を制限するためではなく、例示するために、以下の実施例を提供する。本発明の実施形態の調製を以下の実施例に記載する。当業者は、提供される化学反応および合成方法が本発明の他の化合物の多くを調製するように修正することができることを理解することになる。本発明の化合物が例示されていない場合に、当業者は、本明細書に示す合成方法を修正することによって、かつ当該技術分野で既知の合成方法を使用することによって、これらの化合物を調製することができることを認識することになる。
実施例I:
1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(III)の合成。
1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(III)を、以下の4段階の反応順序によって合成した。
Figure 0005647231
Figure 0005647231
ステップ1:N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンの調製
室温で、メタノール中のN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを(BOC)2Oで処理することによって、生成物を調製した。反応混合物を−15℃〜−20℃まで冷却し、生成物を沈殿させた。濾過後、沈殿物を乾燥させ、生成物を得た。
ステップ2:N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステルの調製
室温で、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、およびヘプタンの存在下での、オレイン酸によるN,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンのエステル化、続いて、1,3−ジシクロヘキシル尿素(DCU)を除去するための濾過、および濾液の蒸発によって、粗N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステルを得た。さらなる精製なしで、粗生成物を次のステップに使用した。
ステップ3:N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HClの調製
1,4−ジオキサン中の4.0M HClを使用した、ステップ2からの粗生成物のBOC脱保護、続いて、濾過およびCH2Cl2による濾過ケーキの洗浄によって、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HClを得た。
ステップ4:1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(III)の調製
4A分子篩の存在下での、クロロホルム−メタノール(4:1v/v)中のN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HClの溶液の還流、およびカラムクロマトグラフィによる精製によって、所望の生成物を得た。ドライアイス/アセトン槽を使用したアセトンからの結晶化によって、生成物をさらに精製した。
実施例II:
1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリドの合成のプロセスフローチャート
1.N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンをメタノール中で混合し、次いで、二炭酸ジ−tert−ブチルを添加し、室温で2時間撹拌した。
2.内部温度が約−15℃に達するまで、混合物を冷凍庫で保持し、その後、沈殿物が形成された。
3.沈殿物を濾過し、低温メタノール(約−15℃)で洗浄し、続いて、乾燥(高真空、約45℃で、一晩)させることによって、N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを得た。
4.N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンをオレイン酸、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、および4−ジメチルアミノピリジンと、n−ヘプタン中で、室温で、約4〜5時間混合した。
5.混合物を濾過し、ジシクロヘキシル尿素を除去し、濾過ケーキをn−ヘプタンで洗浄した。濾液を蒸発乾固した。未使用のn−ヘプタンを添加し、混合し、再び濾過した。濾液を淡黄色油に蒸発させ、粗N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミンジオレオイルエステルを得た。
6.粗N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミンジオレオイルエステルを1,4−ジオキサンに溶解し、次いで、ジオキサン中の4M HClを添加した。混合物を約室温で2〜3時間撹拌し、沈殿物を得た。
7.沈殿物を濾過し、1,4−ジオキサンおよびジクロロメタンで洗浄した。固体を室温、高真空下で乾燥させ、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレン−ジアミンジオレオイルエステル・2HClを得た。
8.4A分子篩の存在下で、クロロホルム−メタノール(4:1v/v)中で、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレン−ジアミンジオレオイルエステル・2HClを約50℃まで加熱した。クロロホルム−メタノール混合物を溶離液として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって、反応混合物を精製した。純留分の蒸発によって、所望の生成物:1−[2−(9(Z)−オクタデセノイル−オキシ)エチル]−2−[8−(Z)−ヘプタデセニル]−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(III)を得た。ドライアイス/アセトン槽を使用したアセトンからの結晶化によって、生成物をさらに精製した。
実施例III:
1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリニウムクロリド(III)の調製。
ステップ1:N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンの調製
1.500mlの三つ口丸底フラスコを水槽中に設置し、以下のように装着した:磁気撹拌器、均圧滴下漏斗、乾燥管、および温度計。
2.約60℃の水槽中で(BOC)2O融解させることによって、二炭酸ジ−tert−ブチル、すなわち(BOC)2O溶液を調製し、次いで、164.58g(0.76M)の重量があり、メタノール(72ml)に溶解した。
3.N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(53.3g、0.36M)およびメタノール(172ml)をフラスコに添加した。
4.混合物を約22℃で20分間撹拌した。次いで、混合物は、懸濁液であった。注:温度は、数分間混合した後、約12℃まで低下した。
5.ステップ2からの(BOC)2O溶液をゆっくりと添加し、添加中、温度を30±10℃で制御した。注意:CO2ガスを生成した(発熱反応)。注:添加は、40分かかった。生成物は、約1/3の体積の溶液を添加した後に、沈殿し始めた。
6.(BOC)2O容器をメタノール(25mL)でフラスコの中へと洗浄した。
7.水槽中の水を吸引し、約20〜25℃で2時間撹拌した。
8.反応の進行を薄層クロマトグラフィ(TLC)(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および硫酸−メタノール、1:1v/v、噴霧/炭化)で検査した。TLC試料:100μLの反応混合物を100μLのメタノールで希釈し、TLCプレート上に5μLスポットした。両方の出発物質を同一のTLCプレート上に、基準としてスポットした。出発物質およびモノBOC保護生成物がTLC上で見られない時、反応は完了する。
9.内部温度が約−15℃に達するまで、生成物を冷凍庫で保持した。生成物をこの温度のまま約1〜2時間保持した。注:混合物を、濾過前に約4時間にわたって冷凍庫(−20℃)で保持した。冷凍庫で一晩保持しないこと。一部の不純物が沈殿することになる。
10.生成物を濾過し、低温メタノール(100mL、約−15℃)で洗浄した。注:色は、濾液にとどまった。
11.生成物を約45℃、高真空下で、一晩乾燥させ、白色固体を得た。H1NMRスペクトルによって構造を確認した。収率:106g(84.6%)。生成物の純度は、約98%であり、原点において約1.5%の不純度、および溶媒先端において、<0.5%の不純度を伴った。注:さらなる精製なしで、生成物を次のステップの反応に使用した。それは、メタノールをほとんど含まないはずである。
ステップ2:N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステルの調製
1.2L三つ口丸底フラスコを水槽中に設置し、以下のように装着した:接地圧縮空気駆動式撹拌器、均圧滴下漏斗、温度計、および乾燥管。
2.オレイン酸(182g、0.644M)、N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(102g、0.293M)、DMAP(7.8g、0.0644M)、およびヘプタン(600mL)をフラスコに添加し、室温で優しく撹拌した。
3.ヘプタン(300ml)中DCC(132g、0.64M)の溶液を、約20分間以内にゆっくり添加した。DCC容器をヘプタン(50ml)でフラスコの中へと洗浄した。DCC添加中、温度を30±10℃で維持した。
4.混合物を25±5℃で撹拌し、反応の進行をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、99:1v/v、I2−蒸気、および硫酸−メタノール、1:1v/v、噴霧/炭化)で検査した。注:反応は、約4〜8時間で完了した。
5.反応が完了した時に、ブフナー漏斗中、Whatman#54ペーパーを覆って、ガラスマイクロファイバ濾紙を使用して、生成物を濾過した。残渣をヘプタン(300mL)で洗浄した。注:DCUを約50℃、高真空下で一晩乾燥させ、白色固体(141.38g、98.5%回収)を得た。
6.濾液を40〜45℃、高真空下で蒸発させ、濁った淡黄色油(292.9g)を得た。
7.ヘプタン(500ml)を油に添加し、混合した。さらなるDCUが沈殿した。
8.ブフナー漏斗中、Whatman#54ペーパーを覆って、ガラスマイクロファイバ濾紙を使用して、生成物を濾過し、乾燥後に、1.6gのDCUを得た。全DCU回収は、142.98g(99.6%回収)であった。
9.濾液を40〜45℃の水槽中、高真空下で蒸発させ、透明かつ淡黄色の油(292g、>100%)を得た。純度は、TLCによって約90%であり、主要な不純物として、オレイン酸およびDMAPを伴った。注:粗生成物をステップ3の反応に使用した。
ステップ3:N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HClの調製。
1.3L三つ口丸底フラスコを水槽中に設置し、接地圧縮空気駆動式撹拌器、温度プローブ、および乾燥管を装着した。
2.N,N’−Di−BOC−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル(250g)および1,4−ジオキサン(250ml)をフラスコに添加し、数分間混合させた。
3.撹拌しながら、1,4−ジオキサン中の4M HClを2つの部分(2×250mL)で一度に添加した。注:添加の直後、顕著なCO2ガスは認められなかった。
4.出発物質が残らなくなるまで、混合物を室温で撹拌した。反応の進行をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/または硫酸−メタノール、1:1v/v、噴霧/炭化)で監視した。注:混合物は、6分間の混合後、非常に濁った。20分間の混合後、たくさんの泡が形成された。反応は、通常、2〜3時間で完了した。
5.ブフナー漏斗中、Whatman#54濾紙(直径:150mm)を使用して、4L濾過フラスコの中へと混合物を濾過し、濾過ケーキを1,4−ジオキサン(350mL)で洗浄し、次いで、CH2Cl2(IL)で洗浄した。注:TLCは、主要な不純物、すなわち、オレイン酸/エステルおよびDMAPが濾液にとどまったことを示した。
6.生成物を室温、高真空下で一晩乾燥させ、白色固体(179.34g、95%)を得た。NMR(H1)は、構造と一致していた。生成物の純度は、約98%(Rf0.8)であり、Rf0.4で、1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリニウムクロリド(III))、およびRf0.2で、1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリニウムクロリド(III))の2つのゆっくり移動する不純物を伴った。
ステップ4:1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−[8(Z)−ヘプタデセニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリニウムクロリド(III)の調製
A.2.5gスケール:
1.100mL丸底フラスコに加熱マントル、還流冷却器、および乾燥管を装着した。
2.クロロホルム−メタノール、4:1v/v(25mL)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HCl(2.5g)、および4A分子篩(3.5g)を添加した。
3.混合物を加熱還流させ、反応が≧95%完了するまで還流を継続した。反応の進行をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/または硫酸−メタノール、1:1v/v、噴霧/炭化)で検査した。注:それは、通常、一晩(≧16時間)還流する必要があった。窒素ブランケット下で還流することが勧められる。
4.ブフナー漏斗中、Whatman#54濾紙の頂部で、Whatmanガラスマイクロファイバフィルタを使用して、混合物を濾過し、フラスコおよび濾過ケーキをクロロホルム−メタノール、4:1v/v(25mL)で洗浄した。
5.生成物を35±5℃の水槽中、高真空下で蒸発乾固し、淡黄色油を得た。
6.油をクロロホルム(5mL)に溶解し、Biotageシリカゲルプレパックカートリッジ(Flush 40+M0827−1)に装填した。
7.フラスコをクロロホルムで3回洗浄し(3×2.5mL)、カートリッジに装填した。
8.圧縮モジュールを取り付け、次いで、クロロホルム−メタノール、97.5:2.5v/v(300mL)、95:5(300mL)、92.5:7.5(300mL)、9:1(300mL)、85:15(300mL)、および8:2(300mL)で、約25mL/分の流速で、≦20psi下で溶出した。
9.個々の留分の純度をTLC(シリカゲル、CHCl3−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/またはエタノール中5%の硫酸、噴霧/炭化)で検査した。
10.純度≧99%を有する留分を混合し、淡黄色油に蒸発させた。
11.純生成物をCH2Cl2(10mL)に溶解し、フィルタアセンブリ(250mLの容量)中のMillipore 0.22μm薄膜フィルタ(GV型)を通じて濾過した。
12.生成物をジクロロメタン(10mL)で洗浄した。
13.生成物を30±5℃の水槽中、ハウス真空下で、次いで、高真空下で蒸発させ、淡黄色発泡性半固体(2g、>85%)を得た。NMRは、構造と一致していた。注:あまりに多くの泡が形成された時、真空を放出し、次いで、真空を再び印加した。新しい泡が形成されなくなるまで、手順を数回反復した。
14.生成物を−20℃以下で、冷凍庫で保管した。
B.40gスケール
1.1L三つ口丸底フラスコに加熱マントル、還流冷却器、および乾燥管を装着した。
2.クロロホルム−メタノール、4:1v/v(400mL)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HCl(40.0g)、および4A分子篩(60.0g)を添加した。
3.混合物を加熱還流させ、反応が≧95%完了するまで還流を継続した。反応の進行をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/またはエタノール中5%の硫酸、噴霧/炭化)で検査した。注:それは、通常、一晩(≧16時間)還流する必要があった。窒素ブランケット下で還流することが勧められる。
4.ブフナー漏斗中、Whatman#54濾紙の頂部で、Whatmanガラスマイクロファイバフィルタを使用して、混合物を濾過し、フラスコおよび濾過ケーキをクロロホルム−メタノール、4:1v/v(200mL)で洗浄した。
5.生成物を35±5℃の水槽中、高真空下で蒸発乾固し、淡黄色油(40g)を得た。
6.油をクロロホルム(60mL)に溶解し、乾燥シリカゲルカラム(660g、391484、07708CE)に搭載した。
7.フラスコをクロロホルムで3回洗浄し(3×20mL)、カラムに装填した。
8.カラムをクロロホルム(1L)、クロロホルム−メタノール、97.5:2.5v/v(2L)、95:5(2L)、92.5:7.5(2L)、9:1(2L)、85:15(2L)、および8:2(2L)で溶出した(重力)。注:第1の留分:600mL、第2の留分:550mL、第3の留分:550mL、第4〜第8の留分:400mL、第9〜第73の留分:120ml。所望の生成物は、クロロホルム−メタノール、92.5:7.5 v/vステップにおいて、溶出し始めた。
9.個々の留分の純度をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/またはエタノール中5%の硫酸、噴霧/炭化)で検査した。
10.純度≧99%を有する留分(留分20〜59)を混合し、淡黄色油(約35g、まだあまり乾燥していない)に蒸発させた。
11.純生成物をジクロロメタン(70mL)に溶解し、フィルタアセンブリ(250mLの容量)中のMillipore 0.22μm薄膜フィルタ(GV型)を通じて濾過した。
12.生成物をジクロロメタンで3回洗浄した(3×20mL)。
13.生成物を30±5℃の水槽中、ハウス真空下で、次いで、高真空下で蒸発させ、淡黄色発泡性半固体(30.86g、>85%)を得た。注:あまりに多くの泡が形成された時、真空を放出し、次いで、真空を再び印加した。新しい泡が形成されなくなるまで、手順を数回反復した。
14.生成物をアセトン(300mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン槽中で約2〜3時間冷却した。
15.ドライアイスで予め冷却されたフリットガラス漏斗(Kimax、350mL、約−80℃)を使用して、生成物を濾過した。注:フラスコの壁にくっついた沈殿物をこすり落とすために、スパチュラを使用した。
16.フラスコおよび濾過ケーキをドライアイスで予め冷却されたアセトン(50mL)で洗浄した。注:ステップ14および本ステップからの洗浄からの混合濾液を蒸発させ、淡黄色薄膜(0.38g、1.2%)を得た。TLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気)は、所望の生成物に加えて、残基が上部の不純物および下部の不純物を含有したことを示した。
17.生成物を有するフィルタ漏斗を除去し、清潔な濾過フラスコに移動させた。
18.室温のアセトン(100mL)を添加し、濾過ケーキを溶解させた。注:生成物の溶解を補助するために、スパチュラを使用した。
19.生成物を濾過し、未使用のアセトン(100mL)を添加し、残りの濾過ケーキを溶解させ、濾過した。注:少量の濾過ケーキのみが典型的には残り、その一部は、フィルタ漏斗の上部にくっついた。
20.濾液を混合し、ガラスフィルタアセンブリ中のMillipore 0.22μm薄膜フィルタ(GV型)を通じて濾過した。
21.濾液を500mL丸底フラスコの中へ移した。フィルタフラスコをアセトン(100mL)で洗浄し、500mL丸底フラスコに添加した。
22.混合濾液を蒸発させ、40±5℃の水槽中、高真空下で、泡状半固体に洗浄し、40±5℃の水槽中、高真空下で約2時間乾燥させ続け、淡黄色泡状半固体(30g、85%)を得た。NMR(1H)は、構造と一致していた。生成物は、カール・フィッシャー分析に基づき、2%の水を含有した。
23.生成物を−20℃以下で、冷凍庫で保管した。
80gスケール:手順
A.分子篩の洗浄
1.分子篩(120g)およびクロロホルム−メタノール、4:1v/v(600mL)を適切なサイズのErlenmeyerフラスコに添加する。
2.約3〜5分間渦流混合する。
3.上清を静かに移す。
4.未使用のクロロホルム−メタノール、4:1v/v(600mL)を添加する。
5.約3〜5分間渦流混合する。
6.上清を静かに移す。
7.未使用のクロロホルム−メタノール、4:1v/v(600mL)を添加する。
8.約3〜5分間渦流混合する。
9.上清を静かに移す。
10.洗浄した分子篩を3L三つ口丸底フラスコの中へ移す。
B.反応
1.加熱マントル、還流冷却器、および窒素注入管を装着した、3L三つ口丸底フラスコを設置する。
2.クロロホルム−メタノール、4:1v/v(800mL)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレン−ジアミンジオレオイルエステル−2HCl(80.0g)をフラスコに添加する。
3.加熱還流させ、反応が≧95%完了するまで還流を継続する。反応の進行をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/またはエタノール中5%の硫酸、噴霧/炭化)で検査する。注:それは、通常、一晩(≧16時間)還流する必要がある。
反応の95%完了の判定。
a.4ドラムバイアルを設置する。
b.0.5gのN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジオレオイルエステル・2HCl(J8039)および5mLのクロロホルム−メタノール、4:1v/vを添加する。
c.全ての固体が溶解するまで混合する(溶液#1)。
d.1mLの溶液#1を、ピペットを使用して4ドラムバイアルの中へ移す。
e.9mLのクロロホルム−メタノール、4:1v/vを添加し、混合する(溶液#2)。注:溶液の濃度は、溶液#1の10%である。
f.1mLの溶液#2を4ドラムバイアルに移す。
g.1mLのクロロホルム−メタノール、4:1v/vを添加し、混合する(溶液#3)。注:溶液の濃度は、溶液#1の5%である。
h.シリカゲルTLCプレート上に3μLの反応混合物をスポットし、マイクロキャピラリーピペット1〜5μLを使用して、同一のプレート上に3μLの溶液#2および#3をそれぞれスポットする。
i.TLCプレートを頂部まで1cmに展開する。
j.TLCタンクからTLCプレートを取り外し、乾燥させる。
k.プレートをヨウ素チャンバに1時間配置するか、またはエタノール中5%の硫酸を噴霧し、オーブン(150℃)で1時間炭化させる。
l.反応混合物中に残った出発物質(J8039)の量を、対照溶液#3と比較する。それらが同一のサイズおよび強度である場合、反応は、95%完了していると見なされる。
4.ブフナー漏斗中、Whatman#54濾紙の頂部で、Whatmanガラスマイクロファイバフィルタを使用して濾過し、フラスコおよび濾過ケーキをクロロホルム(400mL)で洗浄する。
5.35±5℃の水槽中、高真空下で蒸発乾固させ、淡黄色油(580g)を得る。
C.シリカゲルカラムの調製
1.シリカゲル(800g、体積=約1.76L)を4Lビーカーに添加する。
2.適切なスパチュラを使用して、スラリーを作製するために十分なクロロホルムを添加し、混合する。注:シリカゲル中に捕捉された気泡がないことを確認する。
3.クロロホルムを空のガラスカラムに添加する。注:ボトムフリットの上方約2〜3インチ。
4.スパチュラを用いてスラリーをカラムに注ぐ。注:シリカゲルの内側に捕捉された気泡がないことを確認する。
5.過剰なクロロホルムを溶出させる。
6.カラムの側面を繰り返し軽く叩き、シリカゲルを詰め、過剰なクロロホルムを溶出させる。
D.カラムクロマトグラフィ
1.ステップB5からの油をクロロホルム(120mL)に溶解し、シリカゲルカラム上に搭載する。
2.溶液表面がシリカゲルの上面に達するまで溶出させる。
3.フラスコをクロロホルムで3回洗浄し(3×40mL)、それぞれをカラムに搭載する。注:各洗浄後、溶液表面をシリカゲルの上面に到達させる。
4.クロロホルム(2L)、クロロホルム−メタノール、97.5:2.5v/v(4L)、95:5(4L)、92.5:7.5(4L)、9:1(4L、85:15(4L)、および8:2(4L)で溶出させる(重力)。2つの4Lの留分を回収する。その後、250mLの留分を回収する。所望の生成物は、クロロホルム−メタノール、92.5:7.5v/vステップにおいて、溶出し始める。
5.個々の留分の純度をTLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール、4:1v/v、I2−蒸気、および/またはエタノール中5%の硫酸、噴霧/炭化)で検査する。注:約3μLをスポットする。
6.純度≧99%を有する留分を、5〜10個の留分毎に混合し、蒸発乾固させる。
5〜10個の純留分(≧99%)を混合し、蒸発乾固させる(残渣#1)。以下のように半定量TLCを行う。
SSスパチュラまたは他の適切なツールを使用して、10〜15mgの残渣#1をバイアル(1ドラムまたは4ドラムバイアル)に移す。

ピペットを使用して、0.5mLのクロロホルムを添加する。
全ての固体が溶解するまで渦流混合する(溶液#1)。
100μLの溶液#1を別個のバイアル(1ドラムまたは4ドラムバイアル)の中へ移す。
900μLのクロロホルムを添加し、混合する(溶液#2)。
マイクロキャピラリーピペット1〜5μLを使用して、TLCプレート上に10μLの溶液#1をスポットする。
マイクロキャピラリーピペット1〜5μLを使用して、同一のTLCプレート上に3μL、2μL、および1μLをスポットする。
クロロホルム−メタノール、4:1v/v(20mL)、およびチャンバの後部に濾紙シートを含有する、TLCチャンバの中に、TLCプレートを配置する。
溶媒先端が頂部まで約1cmに達するまで展開する。チャンバからTLCプレートを取り外す。
プレートを乾燥させる。
プレートをヨウ素チャンバに1時間配置するか、またはエタノール中5%の硫酸を噴霧し、オーブン(150℃)で1時間炭化させる。
不純物または混合不純物を、3μL、2μL、および1μLからのスポットと比較し、純度を推定する。
残渣#2、#3、#4等に対して同じことを行う。
残基をTLC純度≧99%と混合する。
7.純留分を混合し、油に蒸発させる(<80g)。
E.結晶化
1.丸底フラスコ中で、ステップD7からの油をアセトン(800mL)に溶解する。
2.フラスコを密閉し、ドライアイス/アセトン槽中で約2〜3時間冷却する。注:洗浄のために、ドライアイス槽中で約300mLのアセトンを冷却する。
3.適切なスパチュラで、ガラス器の側面にくっついた沈殿物をこすり落とす。
4.グリコール(−10℃〜−15℃)で予め冷却された600mLジャケット付きフリットガラス漏斗を使用して、適切なフラスコ(ボトル)の中へ濾過した。
5.ステップE2からの予め冷却されたアセトンで洗浄する。
6.ジャケット付きフィルタ漏斗をきれいな濾過フラスコを移す。
7.グリコール温度を室温まで上昇させる。
8.アセトン(約200mL)を室温で添加し、濾過ケーキを溶解させる。注:濾過ケーキの溶解を補助するために、スパチュラを使用する。
9.濾過し、次いで、未使用のアセトン(約200mL)を添加し、残りの濾過ケーキを溶解させ、濾過する。
10.濾液を混合し、0.2μmフィルタを通じて濾過する。
11.アセトン(約100mL)で洗浄する。
12.40±5℃、高真空下で、Buchiロータベーパーを使用して、濾液を泡状半固体に蒸発させる。
13.さらに2.5±0.5時間、40±5℃、高真空下で、乾燥を継続する。注:生成物は、室温に近い温度で融解し、吸湿性である。
F.収率、包装、および保管
1.収率を計量および計算する。
2.窒素ブランケット下で、丸底フラスコ中に生成物を保持し、(ポリテトラフルオロ−エチレン)PTFEシーリングリングまたはスリーブを有するガラス栓を使用して密閉し、フラスコにラベルを付ける。
3.−20℃以下で、冷凍庫で保管する。
本明細書で言及される全ての刊行物および特許出願は、あたかもそれぞれ個々の刊行物または特許出願が、参照によって組み込まれることを具体的かつ個々に示されているのと同程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示は今や十分に説明されているが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、本開示に多くの変更および修正を行うことができることが、当業者にとって明らかとなることになる。

Claims (14)

  1. 式(I):
    Figure 0005647231
    の化合物を調製するための方法であって、トリハロアルキル/アルコール溶媒中、および分子篩の存在下で、30℃乃至60℃の間に式(II):
    Figure 0005647231
    の化合物を加熱して、前記式(I)の化合物を生成するステップを含み、
    式中、
    RおよびR1は、それぞれ独立して、C11−C29直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であり、
    Yは、ハロゲン、酢酸塩、コハク酸塩、またはクエン酸塩である、方法。
  2. a)式(IV)の化合物中の第2級アミノ基を保護して、式(V)の化合物を提供し、
    Figure 0005647231
    b)前記式(V)の化合物中の第1級アルコール基を保護して、式(VI)の化合物を提供し、
    Figure 0005647231
    c)前記式(VI)の化合物を脱保護して、式(II)の化合物を提供する
    Figure 0005647231
    工程をさらに含み、
    式中、
    X’は、二炭酸ジ−tert−ブチル((BOC)2O)であり、
    Xは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、
    Zは、OCORまたはOCOR1である、請求項1に記載の方法。
  3. RおよびR1は、それぞれ、
    Figure 0005647231
    であり、
    Yは、クロロである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記トリハロアルキル/アルコール溶媒は、4:1v/v混合物である、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記トリハロアルキル溶媒は、クロロホルムまたはブロモホルムであり、前記アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノールである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記トリハロアルキル溶媒は、クロロホルムであり、前記アルコール溶媒は、メタノールである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記分子篩は、2〜5A分子篩である、請求項1又は2に記載の方法。
  8. 前記分子篩は、3〜4A分子篩である、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 前記分子篩は、4A分子篩である、請求項1又は2に記載の方法。
  10. 前記分子篩は、4A分子篩であり、かつ、1:1乃至3:1w/w比の4A分子篩/式(II)の化合物で存在する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記4A分子篩は、1:2w/w比の4A分子篩/式(II)の化合物で存在する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記式(II)の化合物は、乃至24時間にわたって、55℃まで加熱される、請求項1又は2に記載の方法。
  13. シリカゲルクロマトグラフィおよびアセトンからの再結晶化によって、前記式(I)の化合物を精製することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  14. 前記式(I)の化合物は、式(III):
    Figure 0005647231
    を有する、請求項1又は2に記載の方法。
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