JP5645576B2 - 有機電界発光素子用組成物、並びに、該組成物を用いた膜、発光層、電荷輸送層、有機電界発光素子、発光層の形成方法及び電荷輸送層の形成方法 - Google Patents

有機電界発光素子用組成物、並びに、該組成物を用いた膜、発光層、電荷輸送層、有機電界発光素子、発光層の形成方法及び電荷輸送層の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機電界発光素子用組成物、並びに、該組成物を用いた膜、発光層、電荷輸送層、有機電界発光素子、発光層の形成方法及び電荷輸送層の形成方法に関する。
有機材料を利用したデバイスとして、有機電界発光素子(以下、OLED、有機EL素子ともいう)、有機半導体を利用したトランジスタなどの研究が活発に行われている。特に、有機電界発光素子は、固体発光型の大面積フルカラー表示素子や安価な大面積な面光源としての照明用途としての発展が期待されている。一般に有機電界発光素子は発光層を含む有機層及び該有機層を挟んだ一対の対向電極から構成される。このような有機電界発光素子に電圧を印加すると、有機層に陰極から電子が注入され陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出することにより発光が得られる。
有機EL素子は、発光層及びその他の有機層を、例えば蒸着などの乾式法又は塗布などの湿式法により成膜することで作製することができるが、生産性などの観点から湿式法が注目されている。
しかしながら、塗布などの湿式法による製造工程は通常、大気環境下で行われるので、大気(酸素)により、塗布などの湿式法で用いられる液状体組成物製造時や保存安定時、及び成膜時において物性の変化が生じたり、物性の変化に起因して該組成物を使用して製造される有機EL素子の性能が低下したりする等の問題が生じるようになった。例えば、塗布による有機EL素子の作製において、有機材料を含有する有機EL素子用塗布液を塗布後、160℃において加熱乾燥することにより、該有機材料が酸化し、この酸化に伴い成膜後の膜中の酸素濃度が上昇することが確認されている。
このような問題に対処すべく、例えば特許文献1は有機機能材料と溶媒とを含有する液状体に酸化防止剤を添加することにより、大気(酸素)に起因する物性変化を抑え、液状体組成物の安定性を向上できることを開示している。またこのような液状体組成物を用いて各種素子を製造することにより、信頼性の高い優れた素子を提供することができることが開示されている。
また特許文献2には、発光材料と正孔輸送材料とを同一又は異なる有機層に含有する有機EL素子において、該正孔輸送材料を含有する有機層の少なくとも1層が酸化防止剤及び光安定剤のうち少なくとも1種を含有することにより、輝度の減衰と駆動電圧の上昇が小さく長寿命化の有機EL素子が得られることが開示されている。
しかしながら、特許文献1の発明において使用される酸化防止剤として、具体的に記載されるフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン酸系酸化防止剤、並びに、特許文献2の実施例において使用されるフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及びベンゾフェノン系光安定剤はいずれも、有機EL素子の作製において組成物を成膜する際の加熱によって蒸発若しくは分解するものではないため、これら酸化防止剤及び光安定剤は成膜後の膜中に残存する。これら酸化防止剤及び光安定剤は絶縁体若しくは極めて移動度が低い化合物であり、キャリア移動度に悪影響を与えるため、膜中に残存することで外部量子効率等の有機EL素子性能を低下させることが知られており、改善が求められている。
特開2004−88094号公報 特許第3944274号明細書
特許文献1及び2で具体的に記載又は使用される、酸化防止剤及び光安定剤は有機EL素子の作製において組成物を成膜する際の加熱によって蒸発若しくは分解するものではないため、これら酸化防止剤及び光安定剤が成膜後の膜中に残存することにより、外部量子効率等の有機EL素子性能が低下するという問題があり、その改善が求められていた。
本発明は、上記の問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤を使用し、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、前記酸化防止剤が蒸発若しくは分解して、成膜後の膜中に該酸化防止剤が実質的に残存しないことで、酸化防止剤を使用すること自体による組成物の保存安定性の向上の効果に加え、耐久性や外部量子効率等の有機EL素子性能の低下を防止するという効果を奏する、有機電界発光素子用組成物を提供することを目的とする。また本発明の有機電界発光素子用組成物が発光層形成用の塗布液である場合には、上記の効果に加え、PL(フォトルミネッセンス)量子収率の低下の防止の効果を奏する、有機電界発光素子用組成物を提供することを目的とする。
また本発明の別の目的は、酸化防止剤として適した形状の酸化防止剤(具体的には、液状の酸化防止剤)を選択して用いることで、有機電界発光素子用組成物(塗布液)への混合が容易であり、かつ酸化防止剤の析出による目詰まりが防止可能な有機電界発光素子用組成物を提供することである。
また本発明の更に別の目的は、上記組成物を用いた膜、発光層、電荷輸送層、有機電界発光素子、発光層の形成方法及び電荷輸送層の形成方法を提供することである。
上記状況を鑑み、本発明者らは、鋭意研究を行なったところ、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤を使用し、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、前記酸化防止剤が蒸発若しくは分解して、成膜後の膜中に該酸化防止剤が実質的に残存しないことで、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
〔1〕有機材料(B)と溶媒(C)とを含有する液状体に、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤(A)を添加した、有機電界発光素子用組成物であって、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、前記酸化防止剤(A)が蒸発若しくは分解する、有機電界発光素子用組成物。
〔2〕前記酸化防止剤(A)が、80℃〜220℃の加熱により蒸発若しくは分解する、上記〔1〕に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔3〕前記酸化防止剤(A)が、25℃で液状である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔4〕前記酸化防止剤(A)が、エチレングリコール誘導体である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔5〕前記有機材料(B)として、発光材料及びホスト材料を含有する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔6〕前記発光材料がイリジウム錯体であり、前記ホスト材料がカルバゾール誘導体である、上記〔5〕に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔7〕前記有機材料(B)として、電荷輸送材料を含有する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔8〕前記溶媒(C)として、2−ブタノン、乳酸ブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル及び2−n−ブトキシエタノールからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、上記〔5〕又は〔6〕に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔9〕前記溶媒(C)として、シクロヘキサノンを含有する、上記〔7〕に記載の有機電界発光素子用組成物。
〔10〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された膜。
〔11〕上記〔5〕、〔6〕及び〔8〕のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された発光層。
〔12〕上記〔7〕又は〔9〕に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された電荷輸送層。
〔13〕上記〔11〕に記載の発光層を有する有機電界発光素子。
〔14〕上記〔12〕に記載の電荷輸送層を有する有機電界発光素子。
〔15〕上記〔5〕、〔6〕及び〔8〕のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することを含む、発光層の形成方法。
〔16〕上記〔7〕又は〔9〕に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することを含む、電荷輸送層の形成方法。
本発明によれば、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤を使用し、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、前記酸化防止剤が蒸発若しくは分解して、成膜後の膜中に該酸化防止剤が実質的に残存しないことで、酸化防止剤を使用すること自体による組成物の保存安定性の向上(及び発光層形成用の塗布液である場合には、PL量子収率の低下の防止)といった効果に加え、耐久性や外部量子効率等の有機EL素子性能の低下を防止するという効果を奏する、有機電界発光素子用組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、酸化防止剤として適した形状の酸化防止剤(具体的には、液状の酸化防止剤)を選択して用いることで、有機電界発光素子用組成物(塗布液)への混合が容易であり、かつ酸化防止剤の析出による目詰まりが防止可能な有機電界発光素子用組成物を提供することができる。
更に、本発明によれば、上記組成物を用いた膜、発光層、電荷輸送層、有機電界発光素子、発光層の形成方法及び電荷輸送層の形成方法を提供することができる。
本発明に係る有機電界発光素子の層構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明において、置換基群A及び置換基群Bを以下のように定義する。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基群B)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、シアノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、前記置換基群Bから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Bから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Bから選択される基を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子用組成物(以下単に“組成物”とも言う)は、有機材料と溶媒とを含有する液状体に、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤を添加した、有機電界発光素子用組成物であって、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、前記酸化防止剤が蒸発若しくは分解する。
本発明の組成物の使用が、組成物の保存安定性の向上(及び発光層形成用の塗布液である場合には、PL量子収率の低下の防止)という効果と共に、耐久性や外部量子効率等の有機EL素子性能の低下を防止する効果を奏することができる理由は定かではないが、以下のように推測される。
本発明の組成物は酸化防止剤を含有することで、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱乾燥に伴う有機材料(具体的には、後述の発光材料、ホスト材料、電荷輸送層用材料等)の酸化を防ぐことができる。また本発明の組成物が発光層形成用の塗布液である場合には、燐光発光材料等の発光材料の酸化及び加熱に伴う分解を抑制することができ、PL量子収率の低下を防止することができる。特に、燐光発光材料が後述のアセチルアセトネート(acac)等を配位子として有するイリジウム錯体である場合に、この効果が顕著である。
また本発明に係る酸化防止剤が、有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、蒸発若しくは分解することで、前記酸化防止剤は成膜後の膜中に実質的に残存しなくなる。酸化防止剤は絶縁体若しくは移動度が極めて低い化合物であり、キャリア移動度に悪影響を与えるため、膜中に残存することで外部量子効率等の有機EL素子性能を低下させるが、本発明においては成膜後の膜中に実質的に残存しなくなるので、外部量子効率等の有機EL素子性能の低下が防止できるものと推測される。
ここで、“膜中に実質的に残存しない”とは、酸化防止剤が蒸発することにより膜中に実質的に残存しないこと、又は、酸化防止剤が分解することにより、元の構造を有する酸化防止剤が膜中に実質的に残存しないことを意味する。具体的には、成膜後の膜中において、酸化防止剤(組成物中に含まれていた状態と同じ構造を有するものをいう)が成膜後の膜中の全固形分を基準として、1000ppm以下のみ残存する状態であり、好ましくは残存量が100ppm以下であり、より好ましくは残存量が10ppm以下であり、最も好ましくは0ppm(すなわち、酸化防止剤が膜中に残存しないこと)である。
本発明に係る組成物は、好ましくは有機電界発光素子用組成物であり、より好ましくは発光層又は電荷輸送層形成用組成物であり、更に好ましくは発光層、正孔注入層又は正孔輸送層形成用組成物である。以下、この組成物の構成を説明する。
[1]加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤(A)
本発明の組成物は、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤(以下、“酸化防止剤(A)”ともいう)を含有する。酸化防止剤(A)は、有機電界発光素子の作製において本発明の組成物を成膜する際の加熱により、蒸発若しくは分解するものであり、この条件を満たす公知の酸化防止剤が使用可能である。なお有機電界発光素子の作製において組成物を成膜する際の加熱の温度は、一般的に有機電界発光素子の性能に悪影響を与えない温度範囲であり、具体的には25℃〜220℃が好ましく、より好ましくは80℃〜220℃であり、更に好ましくは150℃〜220℃である。
酸化防止剤(A)は、上記で説明したような有機電界発光素子の作製において組成物を成膜する際の加熱の温度において蒸発若しくは分解するものである。酸化防止剤(A)は、大気圧下、80℃〜220℃の加熱により蒸発若しくは分解することが好ましく、より好ましくは150℃〜220℃であり、更に好ましくは180℃〜220℃である。
酸化防止剤(A)としては、25℃(室温)で液状である酸化防止剤を用いることが好ましい。液状の酸化防止剤を用いることにより、有機電界発光素子用組成物(塗布液)への混合が容易となり、かつ酸化防止剤の析出による目詰まりを防止することが可能となる。
液状の酸化防止剤としては、25℃(室温)における粘度が、送液性の観点から、0.5〜30mPa・sであることが好ましく、1〜25mPa・sであることがより好ましく、3〜20mPa・sであることが更に好ましい。粘度はB型回転粘度計によって測定可能である。
酸化防止剤(A)は、[1−1]加熱により蒸発が可能な酸化防止剤(以下、“酸化防止剤(A−1)”ともいう)であるか、又は、[1−2]加熱により分解が可能な酸化防止剤(以下、“酸化防止剤(A−2)”ともいう)である。以下にそれぞれについて説明する。なお、市販の酸化防止剤については、酸化防止剤ハンドブック(大成社発刊)に記載さいている。
[1−1]加熱により蒸発が可能な酸化防止剤(A−1)
酸化防止剤(A−1)は、25℃(室温)で液状である。酸化防止剤(A−1)の好ましい粘度範囲は、前述の酸化防止剤(A)が液状である場合の好ましい粘度範囲と同様である。また酸化防止剤(A−1)は、大気圧下、80℃〜220℃の加熱により蒸発することが好ましく、より好ましくは150℃〜220℃であり、更に好ましくは180℃〜220℃である。
酸化防止剤(A−1)としては、エチレングリコール誘導体、プロピレングリコール誘導体等のアルキレングリコール誘導体、アミノアルコール誘導体等が挙げられ、好ましくはアルキレングリコール誘導体、より好ましくはエチレングリコール誘導体である。
エチレングリコール誘導体は、−(CHO−で表される部分構造を有する化合物であり、下記一般式(EG)で表されることが好ましい。
Figure 0005645576
上記一般式(EG)中、
EG及びREG’はそれぞれ独立に、アルキル基を表す。
EGは、1以上の整数を表す。
EG及びREG’で表されるアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、直鎖であることが好ましい。REG及びREG’で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜6であり、最も好ましくはメチル基である。
EGは、1以上の整数である。沸点の観点から、nEGは、1〜3の整数であることが好ましい。
上記一般式(EG)で表される、酸化防止剤(A−1)としてのエチレングリコール誘導体としては、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等が挙げられ、好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルである。
プロピレングリコール誘導体としては、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられ、好ましくは、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルである。
アミノアルコール誘導体としては、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンジブチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等が挙げられ、好ましくは、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミである。
[1−2]加熱により分解が可能な酸化防止剤(A−2)
酸化防止剤(A−2)は、加熱により生成する分解物が有機電界発光素子に悪影響を与えない酸化防止剤である。酸化防止剤は分解することにより、低分子化合物として揮発することとなるので、酸化防止剤の分解物は素子に悪影響を与えない。酸化防止剤(A−2)は、25℃(室温)で液状であっても、固体状であってもよい。酸化防止剤(A−2)が液状である場合の好ましい粘度範囲は、前述の酸化防止剤(A)が液状である場合の好ましい粘度範囲と同様である。また酸化防止剤(A−2)は、大気圧下、80℃〜220℃の加熱により分解することが好ましく、より好ましくは150℃〜220℃であり、更に好ましくは180℃〜220℃である。
酸化防止剤(A−2)としては、シュウ酸が挙げられる。
酸化防止剤(A)が固体状である場合、本発明の組成物において、前記酸化防止剤(A)の溶解パラメーターは7.0〜13.0であることが好ましい。これによれば、酸化防止剤(A)は溶媒に対して十分な溶解性を有するので、有機材料と相溶し、十分に分散され、成膜後においても相分離が生じない。そして、有機材料が発光材料を含む場合には、酸化防止剤(A)が十分に分散されることによって発光ムラが生じるのを抑えることができる。
ここで、有機材料が正孔注入材料又は正孔輸送材料(正孔注入層形成用材料又は正孔輸送層形成用材料)である場合には、溶解パラメーターが7.0〜13.0であることが好ましく、より好ましくは8.5〜13.0である酸化防止剤(A)を用いることが望ましい。一方、有機材料が発光材料(発光層形成用材料)を含む場合には、溶解パラメーターが7.0〜13.0であることが好ましく、より好ましくは7.5〜10.5である酸化防止剤(A)を用いることが望ましい。
酸化防止剤(A)が固体状である場合、本発明の組成物において、前記酸化防止剤(A)の後述の溶媒に対する溶解度は0.001%以上であることが好ましい。これによれば、酸化防止剤(A)は溶媒に対して十分な溶解性を有するので、有機材料と相溶し、十分に分散され、成膜後においても相分離が生じない。そして、有機材料が発光材料を含む場合には、酸化防止剤(A)が十分に分散されることによって発光ムラが生じるのを抑えることができる。
ここで、有機材料が正孔注入材料又は正孔輸送材料である場合には、溶媒に対する溶解度が0.001%以上好ましくは5%以上である酸化防止剤(A)を用いることが望ましい。また、有機材料が発光材料を含む場合にも、溶媒に対する溶解度が0.001%以上好ましくは5%以上である酸化防止剤(A)を用いることが望ましい。
本発明において、酸化防止剤(A)は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤(A)の組成物中の含有量は、酸化防止剤(A)が固体状である場合には、組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.2〜3質量%である。
酸化防止剤(A)が液状体である場合には、酸化防止剤(A)の組成物中の濃度は、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
[2]有機材料(B)
本発明の組成物は、有機材料(以下、“有機材料(B)”ともいう)を含有する。有機材料(B)としては、有機電界発光素子において機能する有機材料であれば公知の有機材料が使用可能である。
本発明の一態様として、本発明の組成物は、有機材料(B)として発光材料及びホスト材料を含有することが好ましい。これにより、良好な保存安定性を有すると共に、PL量子収率及び外部量子効率に優れた素子を提供可能な組成物が得られる。なお、EL素子の耐久性、効率の観点から、前記発光材料が後述のイリジウム(Ir)錯体であり、前記ホスト材料が後述のカルバゾール誘導体であることがより好ましい。
また本発明の別の一態様として、本発明の組成物は、有機材料(B)として電荷輸送材料を含有することが好ましい。これにより、良好な保存安定性を有すると共に、外部量子効率に優れた素子を提供可能な組成物が得られる。
以下、有機材料(B)として使用される、発光材料、ホスト材料及び電荷輸送材料について説明する。
[2−1]発光材料
有機材料(B)として使用される、発光材料としては、蛍光発光材料や燐光発光材料が挙げられ、これらは例えば、特開2008−270736号公報の段落番号[0100]〜[0164]、特開2007−266458号公報の段落番号[0088]〜[0090]に詳述されており、これら公報の記載の事項を本発明に適用することができる。
本発明に使用できる燐光発光材料としては、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、WO05/19373A2、特開2001−247859、特開2002−302671、特開2002−117978、特開2003−133074、特開2002−235076、特開2003−123982、特開2002−170684、EP1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特開2004−357791、特開2006−256999、特開2007−19462、特開2007−84635、特開2007−96259等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光材料としては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、及びCe錯体等の燐光発光性金属錯体化合物が挙げられる。特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、又はRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、Ir錯体、Pt錯体が特に好ましく、Ir錯体が最も好ましい。
本発明における燐光発光材料としては、以下に示す一般式(E−1)で表されるイリジウム錯体、又は以下の一般式(C−1)で表される白金錯体を用いることが好ましい。
一般式(E−1)について説明する。
Figure 0005645576
一般式(E−1)中、Z及びZはそれぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。
はZと窒素原子と共に5又は6員のヘテロ環を形成する原子群を表す。
はZと炭素原子と共に5又は6員環を形成する原子群を表す。
(X−Y)はモノアニオン性の二座配位子を表す。
E1は1〜3の整数を表す。
E1は1〜3の整数を表し、好ましくは2又は3である。
及びZはそれぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。Z及びZとして好ましくは炭素原子である。
はZと窒素原子と共に5又は6員のヘテロ環を形成する原子群を表す。A、Z及び窒素原子を含む5又は6員のヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環などが挙げられる。
錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点から、A、Z及び窒素原子で形成される5又は6員のヘテロ環として好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、より好ましくはピリジン環、イミダゾール環、ピラジン環であり、更に好ましくはピリジン環、イミダゾール環であり、最も好ましくはピリジン環である。
前記A、Z及び窒素原子で形成される5又は6員のヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素上の置換基として好ましくはアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、フッ素原子である。
置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、短波長化させる場合には電子供与性基、フッ素原子、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、フッ素原子、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また長波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばシアノ基、ペルフルオロアルキル基などが選択される。
窒素上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。
前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。これら形成される環は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の炭素原子上の置換基、窒素原子上の置換基が挙げられる。
はZと炭素原子を含む5又は6員環を表す。B、Z及び炭素原子で形成される5又は6員環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点からB、Z及び炭素原子で形成される5又は6員環として好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラゾール環であり、更に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。
前記B、Z及び炭素原子で形成される5又は6員環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素上の置換基として好ましくはアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、フッ素原子である。
置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、長波長化させる場合には電子供与性基、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また短波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばフッ素原子、シアノ基、ペルフルオロアルキル基などが選択される。
窒素上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。これら形成される環は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の炭素原子上の置換基、窒素原子上の置換基が挙げられる。
また前記A、Z及び窒素原子で形成される5又は6員のヘテロ環の置換基と、前記B、Z及び炭素原子で形成される5又は6員環の置換基とが連結して、前述と同様の縮合環を形成していてもよい。
(X−Y)で表される配位子としては、従来公知の金属錯体に用いられる種々の公知の配位子があるが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社 山本明夫著 1982年発行等に記載の配位子(例えば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロアリール配位子(例えば、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)が挙げられる。
(X−Y)で表される配位子としては下記一般式(l−1)〜(l−14)が好ましいが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005645576
*は一般式(E−1)におけるイリジウムへの配位位置を表す。Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
Rx、Ry及びRzが置換基を表す場合、該置換基としては前記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。好ましくは、Rx、Rzはそれぞれ独立にアルキル基、ペルフルオロアルキル基、フッ素原子、アリール基のいずれかであり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、フッ素原子、置換されていても良いフェニル基であり、最も好ましくはメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、フェニル基である。Ryは好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、フッ素原子、アリール基のいずれかであり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換されていても良いフェニル基であり、最も好ましくは水素原子、メチル基のいずれかである。これら配位子は素子中で電荷を輸送したり励起によって電子が集中する部位ではないと考えられるため、Rx、Ry、Rzは化学的に安定な置換基であれば良く、本発明の効果にも影響を及ぼさない。錯体合成が容易であるため好ましくは(I−1)、(I−4)、(I−5)であり、最も好ましくは(I−1)である。これらの配位子を有する錯体は、対応する配位子前駆体を用いることで公知の合成例と同様に合成できる。例えば国際公開2009−073245号46ページに記載の方法と同様に、市販のジフルオロアセチルアセトンを用いて以下に示す方法で合成する事ができる。
(X−Y)で表される配位子として好ましくは、ジケトン類あるいはピコリン酸誘導体であり、錯体の安定性と高い発光効率が得られる観点から以下に示されるアセチルアセトネート(acac)であることが最も好ましい。
Figure 0005645576
*はイリジウムへの配位位置を表す。
一般式(E−1)で表されるIr錯体の好ましい態様は、一般式(E−2)で表されるIr錯体である。
Figure 0005645576
一般式(E−2)中、AE1〜AE8はそれぞれ独立に、窒素原子又はC−Rを表す。
は水素原子又は置換基を表す。
(X−Y)はモノアニオン性の二座配位子を表す。
E2は1〜3の整数を表す。
E1〜AE8はそれぞれ独立に、窒素原子又はC−Rを表す。Rは水素原子又は置換基を表し、R同士が互いに連結して環を形成していてもよい。形成される環としては、前述の一般式(E−1)において述べた縮合環と同様のものが挙げられる。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
E1〜AE4として好ましくはC−Rであり、AE1〜AE4がC−Rである場合に、AE3のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、又はシアノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はフッ素原子であり、特に好ましく水素原子、又はフッ素原子であり、AE1、AE2及びAE4のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、又はシアノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はフッ素原子であり、特に好ましく水素原子である。
E5〜AE8として好ましくはC−Rであり、AE5〜AE8がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、又はフッ素原子であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、又はフッ素原子であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して縮環構造を形成してもよい。発光波長を短波長側にシフトさせる場合、AE6が窒素原子であることが好ましい。
(X−Y)、及びnE2は一般式(E−1)における(X−Y)、及びnE1と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(E−2)で表される化合物のより好ましい形態は、下記一般式(E−3)で表される化合物である。
Figure 0005645576
一般式(E−3)中、RT1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6及びRT7は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
AはCR’又は窒素原子を表し、R’は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
T1〜RT7、及びR’は、任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。これらのうち、RT1とRT7、又はRT5とRT6で縮環してベンゼン環を形成する場合が好ましく、RT5とRT6で縮環してベンゼン環を形成する場合が特に好ましい。
置換基Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R”、−OR”、−N(R”)、−SR”、−C(O)R”、−C(O)OR”、−C(O)N(R”)、−CN、−NO、−SO、−SOR”、−SOR”、又は−SOR”を表し、R”はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、モノアニオン性の二座配位子を表す。nE3は1〜3の整数を表す。
アルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。RT1〜RT7、及びR’で表されるアルキル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基、t−ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。RT1〜RT7、及びR’で表されるシクロアルキル基として、好ましくは環員数4〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数5〜6のシクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
T1〜RT7、及びR’で表されるアルケニル基としては好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
T1〜RT7、及びR’で表されるアルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
T1〜RT7、及びR’で表されるペルフルオロアルキル基は、前述のアルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置き換えられたものが挙げられる。
T1〜RT7、及びR’で表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
T1〜RT7、及びR’で表されるヘテロアリール基としては、好ましくは、炭素数5〜8のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、7ピリドインドリル基などが挙げられる。好ましい例としては、ピリジル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、チエニル基であり、より好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基である。
T1〜RT7、及びR’として好ましくは、水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロアルキル基、ジアルキルアミノ基、フルオロ基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロ基、アリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。置換基Zとしては、アルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
T1〜RT7、及びR’は任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。形成されるシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールの定義及び好ましい範囲はRT1〜RT7、及びR’で定義したシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基と同じである。
またAがCR’を表すと共に、RT1〜RT7、及びR’のうち、0〜2つがアルキル基又はフェニル基で、残りが全て水素原子である場合が特に好ましく、RT1〜RT7、及びR’のうち、0〜2つがアルキル基で、残りが全て水素原子である場合が特に好ましい。
E3は2又は3であることが好ましい。錯体中の配位子の種類は1〜2種類から構成されることが好ましく、更に好ましくは1種類である。錯体分子内に反応性基を導入する際には合成容易性という観点から配位子が2種類からなることも好ましい。
(X−Y)は、一般式(E−1)における(X−Y)と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(E−3)で表される化合物の好ましい形態の一つは、下記一般式(E−4)で表される化合物である。
Figure 0005645576
一般式(E−4)におけるRT1〜RT4、A、(X−Y)及びnE4は、一般式(E−3)におけるRT1〜RT4、A、(X−Y)及びnE3と同義であり、好ましい範囲も同様である。R’〜R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
’〜R’は、任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R”、−OR”、−N(R”)、−SR”、−C(O)R”、−C(O)OR”、−C(O)N(R”)、−CN、−NO、−SO、−SOR”、−SOR”、又は−SOR”を表し、R”はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
また、R’〜R’における好ましい範囲は、一般式(E−3)におけるRT1〜RT7、R’と同様である。またAがCR’を表すと共に、RT1〜RT4、R’、及びR’〜R’のうち、0〜2つがアルキル基又はフェニル基で残りが全て水素原子である場合が特に好ましく、RT1〜RT4、R’、及びR’〜R’のうち、0〜2つがアルキル基で残りが全て水素原子である場合が更に好ましい。
前記一般式(E−3)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(E−5)で表される化合物である。
Figure 0005645576
一般式(E−5)におけるRT2〜RT6、A、(X−Y)及びnE5は、一般式(E−3)におけるRT2〜RT6、A、(X−Y)及びnE3と同義であり、好ましい範囲も同様である。R’〜R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
T5、RT6、R’〜R’は、任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R”、−OR”、−N(R”)、−SR”、−C(O)R”、−C(O)OR”、−C(O)N(R”)、−CN、−NO、−SO、−SOR”、−SOR”、又は−SOR”を表し、R”はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
また、R’〜R’における好ましい範囲は、一般式(E−3)におけるRT1〜RT7、R’と同様である。またAがCR’を表すと共に、RT2〜RT6、R’、及びR’〜R’のうち、0〜2つがアルキル基又はフェニル基で残りが全て水素原子である場合が特に好ましく、RT2〜RT6、R’、及びR’〜R’のうち、0〜2つがアルキル基で残りが全て水素原子である場合が更に好ましい。
一般式(E−1)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(E−6)で表される場合である。
Figure 0005645576
一般式(E−6)中、R1a〜R1kは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
1a〜R1kは、任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R”、−OR”、−N(R”)、−SR”、−C(O)R”、−C(O)OR”、−C(O)N(R”)、−CN、−NO、−SO、−SOR”、−SOR”、又は−SOR”を表し、R”はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、モノアニオン性の二座配位子を表す。
E6は1〜3の整数を表す。
一般式(E−6)において、R1a〜R1kの好ましい範囲は、一般式(E−3)におけるRT1〜RT7、R’におけるものと同様である。またR1a〜R1kのうち、0〜2つがアルキル基又はフェニル基で残りが全て水素原子である場合が特に好ましく、R1a〜R1kのうち、0〜2つがアルキル基で残りが全て水素原子である場合が更に好ましい。
1jとR1kとが連結し単結合を形成する場合が特に好ましい。
(X−Y)、及びnE6の好ましい範囲は、一般式(E−3)における(X−Y)、及びnE3と同様である。
一般式(E−6)で表される化合物のより好ましい形態は、下記一般式(E−7)で表される場合である。
Figure 0005645576
一般式(E−7)中、R1a〜R1iは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
1a〜R1iは、任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R”、−OR”、−N(R”)、−SR”、−C(O)R”、−C(O)OR”、−C(O)N(R”)、−CN、−NO、−SO、−SOR”、−SOR”、又は−SOR”を表し、R”はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、モノアニオン性の二座配位子を表す。
E7は1〜3の整数を表す。
一般式(E−7)中、R1a〜R1iの定義や好ましい範囲は一般式(E−6)におけるR1a〜R1iと同様である。またR1a〜R1iのうち、0〜2つがアルキル基又はアリール基で残りが全て水素原子である場合が特に好ましい。(X−Y)、及びnE7の定義や好ましい範囲は一般式(E−3)における(X−Y)、及びnE3と同様である。
一般式(E−1)で表される化合物の好ましい具体例を以下に列挙するが、以下に限定されるものではない。
Figure 0005645576
Figure 0005645576
Figure 0005645576
上記一般式(E−1)で表される化合物として例示した化合物は、特開2009−99783号公報に記載の方法や、米国特許7279232号等に記載の種々の方法で合成できる。合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
本発明において、有機材料(B)としてのイリジウム錯体は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記有機材料(B)としてのイリジウム錯体の組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、2〜30質量%が好ましく、より好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%である。
燐光発光材料として用いることができる白金錯体として好ましくは、下記一般式(C−1)で表される白金錯体である。
Figure 0005645576
(式中、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、L及びLはそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−1)について説明する。Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。この時、Q、Q、Q及びQとPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。Q、Q、Q及びQ中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、Q、Q、Q及びQ中のPtに結合する原子の内、少なくとも一つが炭素原子であることが好ましく、二つが炭素原子であることがより好ましく、二つが炭素原子で、二つが窒素原子であることが特に好ましい。
炭素原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、アニオン性の配位子でも中性の配位子でもよく、アニオン性の配位子としてはビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントレン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。中性の配位子としてはカルベン配位子が挙げられる。
窒素原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としては含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサゾール配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))、アミン配位子、ニトリル配位子、イミン配位子が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アミノ配位子、イミノ配位子、含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピロール配位子、イミダゾール配位子、トリアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えはインドール配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))が挙げられる。
酸素原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはエーテル配位子、ケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子、含酸素ヘテロ環配位子(フラン配位子、オキサゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾオキサゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子などが挙げられる。
硫黄原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはチオエーテル配位子、チオケトン配位子、チオエステル配位子、チオアミド配位子、含硫黄ヘテロ環配位子(チオフェン配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子などが挙げられる。
リン原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
、Q、Q及びQで表される基は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い(QとQが連結した場合、環状四座配位子のPt錯体になる)。
、Q、Q及びQで表される基として好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、より好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アリールオキシ配位子であり、更に好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子である。
、L及びLは、単結合又は二価の連結基を表す。L、L及びLで表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。ここで、R及びR’は各々独立して水素原子又は置換基を表し、水素原子、アルキル基又はアリール基を表すことが好ましい。これらの連結基は、更に置換基を有していてもよい。
錯体の安定性及び発光量子収率の観点から、L、L及びLとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、更に好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、更に好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、更に好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、更に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基である。
は特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基であり、最も好ましくはジメチルメチレン基である。
及びLとして最も好ましくは単結合である。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましくは下記一般式(C−2)で表される白金錯体である。
Figure 0005645576
(式中、L21は単結合又は二価の連結基を表す。A21、A22はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。Z21、Z22はそれぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z23、Z24はそれぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。)
一般式(C−2)について説明する。L21は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
21、A22はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。A21、A22の内、少なくとも一方は炭素原子であることが好ましく、A21、A22が共に炭素原子であることが、錯体の安定性の観点及び錯体の発光量子収率の観点から好ましい。
21、Z22は、それぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z21、Z22で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点から、Z21、Z22で表される環として好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、より好ましくはピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、更に好ましくはピリジン環、ピラゾール環であり、特に好ましくはピリジン環である。
前記Z21、Z22で表される含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素原子上の置換基として好ましくはアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、フッ素原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、短波長化させる場合には電子供与性基、フッ素原子、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、フッ素原子、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また長波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばシアノ基、ペルフルオロアルキル基などが選択される。窒素原子上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
23、Z24は、それぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。Z23、Z24で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点からZ23、Z24で表される環として好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラゾール環であり、更に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。
前記Z23、Z24で表されるベンゼン環、含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素上の置換基として好ましくはアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、フッ素原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、長波長化させる場合には電子供与性基、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また短波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばフッ素原子、シアノ基、ペルフルオロアルキル基などが選択される。窒素原子上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−4)で表される白金錯体である。
Figure 0005645576
(一般式(C−4)中、A401〜A414はそれぞれ独立にC−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L41は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−4)について説明する。
401〜A414はそれぞれ独立にC−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。
Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
401〜A406として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。A401〜A406がC−Rである場合に、A402、A405のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子である。A401、A403、A404、A406のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子であり、特に好ましく水素原子である。
41は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
407〜A414としては、A407〜A410とA411〜A414のそれぞれにおいて、N(窒素原子)の数は、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。発光波長を短波長側にシフトさせる場合、A408及びA412のいずれかが窒素原子であることが好ましく、A408とA412が共に窒素原子であることが更に好ましい。
407〜A414がC−Rを表す場合に、A408、A412のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ペルフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素原子、シアノ基であり、特に好ましくは、水素原子、フェニル基、ペルフルオロアルキル基、シアノ基である。A407、A409、A411、A413のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ペルフルオロアルキル基、フッ素原子、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フェニル基、フッ素原子である。A410、A414のRとして好ましくは水素原子、フッ素原子であり、より好ましくは水素原子である。A407〜A409、A411〜A413のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−5)で表される白金錯体である。
Figure 0005645576
(一般式(C−5)中、A501〜A512は、それぞれ独立に、C−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L51は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−5)について説明する。A501〜A506及びL51は、前記一般式(C−4)におけるA401〜A406及びL41と同義であり、好ましい範囲も同様である。
507、A508及びA509とA510、A511及びA512は、及びそれぞれ独立に、C−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。A507、A508及びA509とA510、A511及びA512がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、フッ素原子であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フッ素原子、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して、縮環構造を形成してもよい。A507、A508及びA509とA510、A511及びA512のうち少なくとも一つは窒素原子であることが好ましく、特にA510又はA507が窒素原子であることが好ましい。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましい別の態様は下記一般式(C−6)で表される白金錯体である。
Figure 0005645576
(式中、L61は単結合又は二価の連結基を表す。A61はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。Z61、Z62はそれぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z63はそれぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。)
一般式(C−6)について説明する。L61は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
61は炭素原子又は窒素原子を表す。錯体の安定性の観点及び錯体の発光量子収率の観点からA61は炭素原子であることが好ましい。
61、Z62は、それぞれ前記一般式(C−2)におけるZ21、Z22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Z63は、前記一般式(C−2)におけるZ23と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。非環状配位子とはPtに結合する原子が配位子の状態で環を形成していないものである。Y中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、窒素原子、酸素原子がより好ましく、酸素原子が最も好ましい。
炭素原子でPtに結合するYとしてはビニル配位子が挙げられる。窒素原子でPtに結合するYとしてはアミノ配位子、イミノ配位子が挙げられる。酸素原子でPtに結合するYとしては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子、カルボキシル配位子、リン酸配位子、スルホン酸配位子などが挙げられる。硫黄原子でPtに結合するYとしては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子、チオカルボン酸配位子などが挙げられる。
Yで表される配位子は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い。
Yで表される配位子として好ましくは酸素原子でPtに結合する配位子であり、より好ましくはアシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、更に好ましくはアシルオキシ配位子である。
一般式(C−6)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−7)で表される白金錯体である。
Figure 0005645576
(式中、A701〜A710は、それぞれ独立に、C−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L71は単結合又は二価の連結基を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。)
一般式(C−7)について説明する。L71は、前記一般式(C−6)中のL61と同義であり、また好ましい範囲も同様である。A701〜A710は一般式(C−4)におけるA401〜A410と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Yは一般式(C−6)におけるYと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(C−1)で表される白金錯体として具体的には、特開2005−310733号公報の〔0143〕〜〔0152〕、〔0157〕〜〔0158〕、〔0162〕〜〔0168〕に記載の化合物、特開2006−256999号公報の〔0065〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−73891号公報の〔0063〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2007−324309号公報の〔0079〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−96255号公報の〔0055〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2006−313796号公報の〔0043〕〜〔0046〕が挙げられ、その他以下に例示する白金錯体が挙げられる。
Figure 0005645576
Figure 0005645576
Figure 0005645576
一般式(C−1)で表される白金錯体化合物は、例えば、Journal of Organic Chemistry 53,786,(1988)、G.R.Newkome et al.)の、789頁、左段53行〜右段7行に記載の方法、790頁、左段18行〜38行に記載の方法、790頁、右段19行〜30行に記載の方法及びその組み合わせ、Chemische Berichte 113,2749(1980)、H.Lexyほか)の、2752頁、26行〜35行に記載の方法等、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、又はその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、若しくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、若しくは、塩基非存在下、室温以下、若しくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明において、有機材料(B)としての白金錯体は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記有機材料(B)としての白金錯体の組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、2〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。
[2−2]ホスト材料
ホスト材料とは、その励起状態から発光材料へエネルギー移動が起こり、その結果、該発光材料を発光させる化合物である。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール等を配位子とする金属錯体、ポリシラン化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。ホスト化合物は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
このうち、耐久性の観点から、ホスト材料としてはカルバゾール誘導体であることが好ましい。
〔カルバゾール誘導体〕
前記カルバゾール誘導体としては、下記一般式(V)で表されるカルバゾール誘導体であることが好ましい。
Figure 0005645576
(一般式(V)中、R51〜R58は水素原子、重水素原子、若しくは、置換基であり、R51〜R58は隣接する置換基どうしで縮合環を形成しても良い。Aは連結基を表し、n51は2〜6の整数を表す。)
51〜R58で表される置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基などが挙げられる。これらの置換基は、更に他の置換基によって置換されてもよく、また、これらの置換基同士が結合し、環を形成していてもよい。
51〜R58として好ましくは水素原子、重水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、シアノ基、シリル基であり、より好ましくは水素原子、重水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、シアノ基、シリル基であり、特に好ましくは水素原子、重水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、シリル基である。R51〜R58は、更に他の置換基によって置換されてもよく、また、これらの置換基同士が結合し、環を形成していてもよい。
51〜R58のアルキル基として好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−オクチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル、トリフルオロメチルであり、より好ましくはメチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル、トリフルオロメチルであり、特に好ましくはtert−ブチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル、トリフルオロメチルである。これらの置換基は、更に他の置換基によって置換されてもよく、また、これらの置換基同士が結合し、環を形成していてもよい。
51〜R58のヘテロアリール基として好ましくはイミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリニル、ピロリル、インドリル、フリル、チエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニルであり、より好ましくはイミダゾリル、ピラゾリル、キノリル、インドリル、フリル、チエニル、ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、アゼピニルであり、特に好ましくはインドリル、フリル、チエニル、ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、アゼピニルである。これらの置換基は、更に他の置換基によって置換されてもよく、縮環構造を形成していてもよく、また、これらの置換基同士が結合し、環を形成していてもよい。
51〜R58のシリル基として好ましくはトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、メチルジフェニルシリル、ジメチル−tert−ブチルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジフェニル−tert−ブチルシリル、トリフェニルシリルであり、より好ましくはトリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチル‐tert−ブチルシリル、ジフェニル−tert−ブチルシリル、トリフェニルシリルであり、特に好ましくはトリメチルシリル、ジメチル−tert−ブチルシリル、トリフェニルシリルである。これらの置換基は、更に他の置換基によって置換されてもよく、また、これらの置換基同士が結合し、環を形成していてもよい。
51として好ましくは、2〜4であり、より好ましくは、2〜3であり、特に好ましくは2である。
Aで表される連結基としては、好ましくは、アルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、シリレンであり、より好ましくは、アリーレン、ヘテロアリーレンであり、特に好ましくは、アリーレンであり、これらの連結基は、例えば、前述のR51〜R58で表される置換基により、更に置換されていても良い。
アリーレンとして好ましくは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ターフェニレンであり、より好ましくは、フェニレン、ビフェニレンであり、特に好ましくは、フェニレンである。
フェニレンとして好ましくは、1,2,3,4,5,6‐六置換フェニレン、1,2,4,5‐四置換フェニレン、1,3,5‐三置換フェニレン、1,2‐二置換フェニレン、1,3‐二置換フェニレン、1,4‐二置換フェニレンであり、より好ましくは、1,2‐二置換フェニレン、1,3‐二置換フェニレン、1,4‐二置換フェニレンであり、特に好ましくは、1,3‐二置換フェニレン、1,4‐二置換フェニレンである。
ヘテロアリーレンとして好ましくは、二置換ピリジレン、二置換N−フェニルカルバゾリレンであり、より好ましくは、2,6−二置換ピリジレン、3,5−二置換ピリジレン、3,6−二置換N−フェニルカルバゾリレンであり、特に好ましくは、3,6−二置換N−フェニルカルバゾリレンである。
カルバゾール基を有する化合物としては、例えば以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 0005645576
前記カルバゾール誘導体としては、下記一般式(Acz)で表される非対称構造のカルバゾール誘導体であることも好ましい。
Figure 0005645576
一般式(ACz)中、RAsはtert−ブチル基、tert−アミル基、又はトリメチルシリル基を表す。
本発明において、ホスト材料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ホスト材料の組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、50〜95質量%が好ましく、より好ましくは60〜95質量%、更に好ましくは70〜95質量%である。
[2−3]電荷輸送材料
電荷輸送材料としては、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料、励起子ブロック材料、正孔ブロック材料、電子ブロック材料等が挙げられる。
電荷輸送材料としては、ポリアリールアミン、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール等が挙げられ、このうち、素子耐久性の観点から、ポリアリールアミン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾールが好ましく、ポリアリールアミン、ポリフルオレンがより好ましい。
ポリアリールアミンの具体例としては、下記構造式で表されるPTPDES(nは括弧内の構造の繰り返し数を意味し、整数である。)、PTPDES−2、PTTPDBA、PTPAES(ケミプロ化成商品名)等が挙げられる。
Figure 0005645576
電荷輸送材料としては、少なくとも一つの重合性基を有するアリールアミン誘導体(以下、“アリールアミン誘導体(B)”ともいう)も好ましい。アリールアミン誘導体(B)としては、アリール基を置換基として有するアミン化合物であって、更に少なくとも一つの重合性基を有するものであれば、公知の化合物が使用可能である。アリールアミン誘導体(B)が有する重合性基としては、特に限定されず、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基などが挙げられる。より具体的には、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基などのカチオン重合性基や、アルケニル基、アルキニル基、アクリル酸エステル(アクリロイル基)、メタクリル酸エステル(メタクリロイル基)、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステルなどのラジカル重合性基が好ましい。なかでも、合成が容易であり、重合反応が良好に進行する点から、ラジカル重合性基が好ましく、アルケニル基又はアルキニル基がより好ましい。
なお、アルケニル基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ケイ素原子含有基の任意の位置に2重結合を有する基が挙げられる。なかでも、炭素数2〜12が好ましく、更に炭素数2〜6が好ましい。例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられ、重合制御性の容易さ、機械強度の観点から、ビニル基が好ましい。
アルキニル基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ケイ素原子含有基の任意の位置に3重結合を有する基が挙げられる。なかでも、炭素数2〜12が好ましく、更に炭素数2〜6が好ましい。重合制御性の容易さの観点から、エチニル基が好ましい。
なかでも、反応性の観点から、アリールアミン誘導体(B)が有する重合性基は、ビニル基及びアリル基のいずれかであることが好ましく、ビニル基であることが最も好ましい。
アリールアミン誘導体(B)は、膜硬度や耐溶剤性の観点から、少なくとも二つの重合性基を有することが好ましい。
アリールアミン誘導体(B)は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表わされる化合物であることが、素子の耐久性の観点で好ましい。
Figure 0005645576
(式中、R及びR’は、それぞれ独立に重合性基を表す。R及びR’は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。)
Figure 0005645576
(式中、R及びR’は、それぞれ独立に重合性基を表す。)
上記一般式(1)中のR及びR’で表される重合性基、並びに、上記一般式(2)中のR及びR’で表される重合性基の具体例及び好ましい範囲は、アリールアミン誘導体(B)が有する重合性基について説明したものと同様である。
R及びR’で表される重合性基は、ベンゼン環の3位又は5位に置換することが、外部量子効率の観点から好ましい。
及びR’は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R及びR’で表される置換基としては、炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ケイ素原子含有基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
及びR’は、水素原子であることが高移動度の観点で好ましい。
次にラジカル重合性基を有するアリールアミン誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005645576
Figure 0005645576
また本発明に係る組成物は、イリジウム(Ir)錯体を含む正孔注入層上に塗布され、電荷輸送層を形成することが、効率、耐久性の観点で好ましい。また該イリジウム(Ir)錯体は重合性基を有することが効率の観点でより好ましい。重合性基としては、アリールアミン誘導体(B)で説明したものの他に、アルコキシシランが挙げられる。正孔注入層に含まれるIr錯体の具体例としては、以下に記載するIr錯体が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005645576
Figure 0005645576
Figure 0005645576
本発明に係る電荷輸送層を、Ir錯体を含む正孔注入層上に形成することで、発光効率と素子耐久性の向上に寄与する。
本発明において、電荷輸送材料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送材料の組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、90〜100質量%が好ましく、より好ましくは95〜100質量%、更に好ましくは98〜100質量%である。
[3]溶媒(C)
前記各成分を溶解させて組成物を調製する際に使用することができる溶媒(以下、“溶媒(C)”ともいう)としては、例えば、芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒等の公知の有機溶媒を挙げることができる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、クメンエチルベンゼン、メチルプロピルベンゼン、メチルイソプロピルベンゼン等が挙げられ、トルエン、キシレン、クメン、トリメチルベンゼンがより好ましい。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、2−n−ブトキシエタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられ、2−n−ブトキシエタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールがより好ましい
ケトン系溶媒としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、2−ブタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、NMP(N−メチルピロリドン)等が挙げられ、2−ブタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネート、NMP(N−メチルピロリドン)が好ましい。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等が挙げられ、オクタン、デカンが好ましい。
アミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、乳酸アミル、乳酸イソアミル等が挙げられ、乳酸ブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミルが好ましい。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の組成物が、有機材料(B)として発光材料及びホスト材料を含有する場合、溶媒(C)としては、上述のアルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエステル系溶媒からなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましく、2−ブタノン、乳酸ブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル及び2−n−ブトキシエタノールからなる群より選択される少なくとも一種を含有することがより好ましい。これら溶媒(C)を酸化防止剤(A)と共に使用することにより、本来は保存安定性に優れない溶媒(例えば、乳酸ブチル、乳酸イソアミル等)を使用した場合においても、本発明の組成物の保存安定性が向上する。
また本発明の組成物が、有機材料(B)として電荷輸送材料を含有する場合、外部量子効率等の有機EL素子性能の低下を防止する観点から、溶媒(C)としては、上述のケトン系溶媒を含有することが好ましく、シクロヘキサノン、NMP(N−メチルピロリドン)を含有することがより好ましく、シクロヘキサノンを含有することが更に好ましい。外部量子効率の低下を防止する効果は、シクロヘキサノン(bp=155℃)、NMP(N−メチルピロリドン)(bp=202℃)等の高沸点溶媒を使用した際の乾燥時に有効である。
[4]膜の形成
本発明は、本発明の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された膜にも関する。
本発明の組成物が、有機材料(B)として発光材料及びホスト材料を含有する場合、本発明は、前記組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された発光層にも関する。更に本発明は、本発明の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することを含む、発光層の形成方法にも関する。
また本発明の組成物が、有機材料(B)として電荷輸送材料を含有する場合、本発明は、前記組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された電荷輸送層にも関する。更に本発明は、本発明の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することを含む、電荷輸送層の形成方法にも関する。
発光層としては、膜厚10〜200nmで使用されることが好ましく、膜厚20〜80nmで使用されることがより好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、成膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
電荷輸送層としては、膜厚5〜50nmで使用されることが好ましく、膜厚5〜40nmで使用されることがより好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、成膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
電荷輸送層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、励起子ブロック層、正孔ブロック層、電子ブロック層であることが好ましく、より好ましくは正孔注入層、正孔輸送層である。
本発明の組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは2〜10質量%である。
本発明の組成物中の粘度は、一般的には1〜30mPa・s、より好ましくは1.5〜20mPa・s、更に好ましくは1.5〜15mPa・sである。
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶媒に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体又は層上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは2.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
本発明の組成物の塗布方法は特に限定されず、従来公知のいかなる塗布方法によっても形成可能である。例えば、インクジェット法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、転写法、印刷法等が挙げられる。
塗布後の加熱温度は一般的に80℃〜220℃であり、より好ましくは100℃〜200℃であり、更に好ましくは100℃〜180℃である。加熱時間は一般的に1分〜60分であり、好ましくは2分〜30分が好ましく、より好ましくは5分〜30分である。
[5]有機電界発光素子
本発明における有機電界発光素子について詳細に説明する。
本発明における有機電界発光素子は、本発明の組成物から形成される発光層又は電荷輸送層を有する。
より具体的には、本発明における有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極を含む一対の電極と、該電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、該少なくとも一層の有機層として本発明の組成物から形成される発光層又は電荷輸送層を有する。
本発明の有機電界発光素子において、発光層又は電荷輸送層以外にも更に有機層を有していてもよい。
発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示している。
図1に示される本発明に係る有機電界発光素子10は、支持基板2上において、陽極3と陰極9との間に発光層6が挟まれている。具体的には、陽極3と陰極9との間に正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7、及び電子輸送層8がこの順に積層されている。
<有機層の構成>
前記有機層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/励起子ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
<基板>
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
<陽極>
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
<陰極>
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
基板、陽極、陰極については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0070〕〜〔0089〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
<有機層>
本発明における有機層について説明する。
〔有機層の形成〕
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタリング法等の乾式成膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法、インクジェット法、スプレー法等の溶液塗布プロセスのいずれによっても好適に形成することができる。
本発明の組成物から形成される発光層又は電荷輸送層の他、有機層のいずれか一層は湿式法により成膜することが特に好ましい。また、他の層については乾式法又は湿式法を適宜選択して成膜することができる。湿式法を用いると有機層を容易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優れた発光素子が低コストで効率よく得られ、好ましい。乾式法としては蒸着法、スパッタリング法等が使用でき、湿式法としてはディッピング法、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法、インクジェット法等が使用可能である。これらの成膜法は有機層の材料に応じて適宜選択できる。湿式法により製膜した場合は製膜した後に乾燥してよい。乾燥は塗布層が損傷しないように温度、圧力等の条件を選択して行う。
上記湿式製膜法(塗布プロセス)で用いる塗布液は通常、有機層の材料と、それを溶解又は分散するための溶剤からなる。溶剤は特に限定されず、有機層に用いる材料に応じて選択すればよい。溶剤の具体例としては、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、ケトン系溶剤(アセトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、芳香族系溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸ジエチル等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ジメチルスルホキシド、アルコール系溶剤(メタノール、プロパノール、ブタノールなど)、水等が挙げられる。
なお、塗布液中の溶剤に対する固形分量は特に制限はなく、塗布液の粘度も製膜方法に応じて任意に選択することができる。
〔発光層〕
本発明の有機電界発光素子において、発光層は上述の発光材料を含有するが、その他の発光材料として、燐光発光性化合物を更に含有してもよい。燐光発光性化合物は、三重項励起子から発光することができる化合物であれば特に限定されることはない。燐光発光性化合物としては、オルトメタル化錯体又はポルフィリン錯体を用いるのが好ましく、オルトメタル化錯体を用いるのがより好ましい。ポルフィリン錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。燐光発光性化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明でいうオルトメタル化錯体とは、山本明夫著「有機金属化学 基礎と応用」,150頁及び232頁,裳華房社(1982年)、H. Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」,71〜77頁及び135〜146頁,Springer−Verlag社(1987年)等に記載されている化合物群の総称である。オルトメタル化錯体を形成する配位子は特に限定されないが、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体又は2−フェニルキノリン誘導体であるのが好ましい。これら誘導体は置換基を有してもよい。また、これらのオルトメタル化錯体形成に必須の配位子以外に他の配位子を有していてもよい。オルトメタル化錯体を形成する中心金属としては、遷移金属であればいずれも使用可能であり、本発明ではロジウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等を好ましく用いることができる。中でもイリジウムが特に好ましい。このようなオルトメタル化錯体を含む有機層は、発光輝度及び発光効率に優れている。オルトメタル化錯体については、特願2000−254171号の段落番号0152〜0180にもその具体例が記載されている。
本発明で用いるオルトメタル化錯体は、Inorg.Chem.,30,1685,1991、Inorg.Chem.,27,3464,1988、Inorg.Chem.,33,545,1994、Inorg.Chim.Acta,181,245,1991、J.Organomet.Chem.,335,293,1987、J.Am.Chem.Soc.,107,1431,1985等に記載の公知の手法で合成することができる。
発光層中の上述の発光材料及び燐光発光性化合物の含有量は特に制限されないが、例えば0.1〜70質量%であり、1〜20質量%であるのが好ましい。上述の発光材料及び燐光発光性化合物の含有量が0.1質量%未満であるか、又は70質量%を超えると、その効果が十分に発揮されない場合がある。
本発明において、発光層は上述のホスト材料を含有するが、必要に応じて更にホスト化合物を含有してもよい。
上記ホスト化合物とは、その励起状態から燐光発光性化合物へエネルギー移動が起こり、その結果、該燐光発光性化合物を発光させる化合物である。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール等を配位子とする金属錯体、ポリシラン化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。ホスト化合物は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
発光層の厚みは10〜200nmとするのが好ましく、20〜80nmとするのがより好ましい。厚みが200nmを超えると駆動電圧が上昇する場合があり、10nm未満であると発光素子が短絡する場合がある。
(正孔注入層、正孔輸送層)
本発明の有機電界発光素子は、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方を有することが好ましい。正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層及び正孔輸送層は、有機材料(B)として正孔注入材料及び正孔輸送材料をそれぞれ含有する本発明の組成物から形成されることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層については、例えば、特開2008−270736、特開2007−266458に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
(電子注入層、電子輸送層)
本発明の有機電界発光素子は、電子注入層、及び電子輸送層を有してもよい。電子注入層、及び電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
電子注入層、電子輸送層については、例えば、特開2008−270736、特開2007−266458に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
(正孔ブロック層)
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノレート(Aluminum(III)bis(2−methyl−8−quinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン誘導体、トリフェニレン誘導体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(電子ブロック層)
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(励起子ブロック層の説明)
励起子ブロック層は、発光層と正孔輸送層の界面、若しくは発光層と電子輸送層の界面のいずれか一方、又は両方に形成する層であり、発光層中で生成した励起子が正孔輸送層や電子輸送層へ拡散し、発光することなく失活するのを防止する層のことである。励起子ブロック層としては、カルバゾール誘導体からなることが好ましい。
〔その他の有機層〕
本発明の有機電界発光素子は、特開平7−85974号、同7−192866号、同8−22891号、同10−275682号、同10−106746号等に記載の保護層を有していてもよい。保護層は発光素子の最上面に形成する。ここで最上面とは、基材、透明電極、有機層及び背面電極をこの順に積層する場合には背面電極の外側表面を指し、基材、背面電極、有機層及び透明電極をこの順に積層する場合には透明電極の外側表面を指す。保護層の形状、大きさ、厚み等は特に限定されない。保護層をなす材料は、水分や酸素等の発光素子を劣化させ得るものが素子内に侵入又は透過するのを抑制する機能を有しているものであれば特に限定されず、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム等が使用できる。
保護層の形成方法は特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子センエピタキシ法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等が適用できる。
〔封止〕
また、有機電界発光素子には水分や酸素の侵入を防止するための封止層を設けるのが好ましい。封止層を形成する材料としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとの共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン又はジクロロジフルオロエチレンと他のコモノマーとの共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、金属(In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Tl、Ni等)、金属酸化物(MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等)、金属フッ化物(MgF、LiF、AlF、CaF等)、液状フッ素化炭素(パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等)、該液状フッ素化炭素に水分や酸素の吸着剤を分散させたもの等が使用可能である。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(発光層塗布液への酸化防止剤の添加)
<PL量子収率の測定>
1.1mmの厚み、25mm角の石英ガラス基板上をアルカリ洗浄し、リンスしたのち、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このガラス上に以下の実施例1−1、2−1及び比較例1−1で調整した発光層塗布液を用い、実施例1−1に記載の方法で発光層単膜を形成した。
絶対PL量子収率測定装置C9920−02(浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、形成した発光層単膜のPL量子収率を測定した。なお、リファレンスとしては、成膜されていない石英ガラスを用いた。
(実施例1−1)
電子工業用2−ブタノン80質量部に、酸化防止剤:1,2−ジメトキシエタン(沸点85℃)20質量部を溶解させた混合溶媒Aを調製した。混合溶媒A98質量部と、下記構造式H−1のカルバゾールホスト1.8質量部と、下記構造式E−1のIr錯体0.2質量部とを溶解し、発光層塗布液Aを調製した。
発光層塗布液Aをモレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ3A 1/16、和光純薬株式会社製)を添加し、グローブボックス中で孔径0.22μmのシリンジフィルターを用いて濾過して調製した発光層塗布液を、グローブボックス(露点−60℃、酸素濃度10ppm)中でスピンコートし、120℃で30分間乾燥と160℃で10分アニール処理をして、厚み50nmの発光層単膜をガラス基板上に形成した。
Figure 0005645576
(実施例2−1)
実施例1−1に記載の酸化防止剤:1,2−ジメトキシエタンをビス(2−メトキシエチル)エーテル(沸点162℃)に、かつアニール温度を165度に変更した以外には、発光層塗布液Bを調製した以外には、実施例1−1と同様に発光層単膜を形成した。
(比較例1−1)
実施例1−1に記載の酸化防止剤を添加せずに、発光層塗布液Cを調製した以外には、実施例1−1と同様に発光層単膜を形成した。
<有機電界発光素子の作製>
0.7mmの厚み、25mm角のガラス基板上に陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタリング蒸着したのち、エッチング及び洗浄した。ITOを成膜した基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このガラス基板上に以下の各層を形成した。
なお、スピンコートと乾燥、アニール処理は、グローブボックス(露点−60℃、酸素濃度10ppm)内で行った。
次に、陽極(ITO)上に、前記構造式で表されるPTPDES(ケミプロ化成製、重量平均分子量=13000。nは括弧内の構造の繰り返し数を意味し、整数である。)2質量部を、電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)98質量部に溶解又は分散させた正孔注入層塗布液をスピンコートした後、120℃で10分間乾燥し、160℃で60分間アニール処理することで、厚み40nmの正孔注入層を形成した。
(実施例1−2)
形成した正孔注入層上に、実施例1−1と同様に発光層塗布液Aからなる発光層を形成した。
(実施例2−2)
形成した正孔注入層上に、実施例2−1と同様に発光層塗布液Bからなる発光層を形成した。
(比較例1−2)
形成した正孔注入層上に、比較例1−1と同様に発光層塗布液Cからなる発光層を形成した。
(電子輸送層/陰極/封止)
次に、発光層上に、BAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−(phenyl−phenolate)−aluminium−(III))を真空蒸着法にて蒸着して、厚み40nmの電子輸送層を形成した。
Figure 0005645576
次に、電子輸送層上にフッ化リチウム(LiF)を蒸着して、厚み1nmの電子注入層を形成した。
次に、電子注入層上に金属アルミニウムを蒸着し、厚み70nmの陰極を形成した。
作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止した。
(素子性能の評価)
<外部量子効率の測定>
東陽テクニカ株式会社製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。発光スペクトル及び輝度はトプコン社製スペクトルアナライザーSR−3を用いて測定し、これらの数値をもとに電流が10mA/cmにおける外部量子効率を輝度換算法により算出した。
実施例1−1、2−1及び比較例1−1で測定したPL量子収率の結果と、実施例1−2、2−2及び比較例1−2で作成した素子について測定した外部量子効率の結果を、実施例1、2及び比較例1にそれぞれ記載した。
Figure 0005645576
表1の結果から明らかのように、本発明に係る酸化防止剤を添加しない発光層塗布液を使用した比較例1に対し、本発明に係る酸化防止剤を添加した発光層塗布液を使用した実施例1及び2は、PL量子収率及び外部量子効率の両方に優れていた。
(発光層塗布液の保存安定性)
(実施例3)
乳酸ブチル48質量部、2−n−ブトキシエタノール32質量部、及び酸化防止剤:ビス(2−メトキシエチル)エーテル20質量部を溶解させた混合溶媒Dを調製した。混合溶媒D98質量部と、上記構造式H−1のカルバゾールホスト1.8質量部と、下記構造式E−2のIr錯体0.2質量部とを溶解し、発光層塗布液Dを調製した。
Figure 0005645576
(比較例2)
乳酸ブチル60質量部、2−n−ブトキシエタノール40質量部を溶解させた混合溶媒Eを調製した以外には、実施例3と同様に発光層塗布液Eを調製した。
<保存安定性試験>
各塗布液を調液後、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ3A 1/16、和光純薬株式会社製)を添加し、グローブボックス中で孔径0.22μmのシリンジフィルターを用いて濾過して調製した発光層塗布液を、グローブボックス中でスピンコートし、120℃で30分間乾燥と200℃で10分アニール処理をして、厚み50nmの発光層単膜をガラス基板上に形成した。
塗布液D及びEを遮光された瓶を用い、酸素濃度10ppm以下、露点−60℃以下のグローブボックス中で3ヵ月間保管を行った。再度、グローブボックス中で孔径0.22μmのシリンジフィルターを用いて濾過して、グローブボックス中でスピンコートし、120℃で30分間乾燥と200℃で10分アニール処理をして、厚み50nmの発光層単膜をガラス基板上に形成した。
発光層塗布液の調液後に形成した発光層単膜、及び調液から3ヶ月間保管後の発光層塗布液により形成した発光層単膜について、実施例1−1、2−1及び比較例1−1と同様にPL量子収率を測定した。結果を、調液後のものを“初期”、3ヶ月間保管後のものを“3ヶ月”及び“初期”の値に対する“3ヶ月”の値の割合を“残存率”として表2に示した。
Figure 0005645576
表2の結果から明らかのように、本発明に係る酸化防止剤を添加しない発光層塗布液を使用した比較例2に対し、本発明に係る酸化防止剤を添加した発光層塗布液を使用した実施例3は、保存安定性に優れていた。
(IJ吐出試験)
ダイマティックス・マテリアルプリンター:DMP−2831(富士フイルム株式会社製)に発光層塗布液Dを充填し、IJ吐出試験を行った。
その結果、メンテナンス(パージ処理)することなく、ノズルより液滴が吐出できるのを確認できた。
(実施例4>
<有機電界発光素子の作製>
0.7mmの厚み、25mm角のガラス基板上に陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタリング蒸着したのち、エッチング及び洗浄した。ITOを成膜した基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このガラス基板上に以下の各層を形成した。
なお、スピンコートと乾燥、アニール処理は、グローブボックス(露点−60℃、酸素濃度10ppm)内で行った。
次に、陽極(ITO)上に、前記構造式で表されるPTPDES(ケミプロ化成製、重量平均分子量=13000。nは括弧内の構造の繰り返し数を意味し、整数である。)2質量部を、電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)80質量部、及びビス(2−メトキシエチル)エーテル18質量部に溶解又は分散させた正孔注入層塗布液をスピンコートした後、120℃で10分間乾燥し、160℃で60分間アニール処理することで、厚み40nmの正孔注入層を形成した。
次に、発光層として、上記ホスト化合物H−1と、下記構造式E−3のIr錯体とを質量比95:5で、厚さ30nmを真空蒸着により形成した。
Figure 0005645576
(電子輸送層/陰極/封止)
次に、発光層上に、上記構造のBAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−(phenyl−phenolate)−aluminium−(III))を真空蒸着法にて蒸着して、厚み40nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上にフッ化リチウム(LiF)を蒸着して、厚み1nmの電子注入層を形成した。
次に、電子注入層上に金属アルミニウムを蒸着し、厚み70nmの陰極を形成した。
作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止した。
(比較例3)
ビス(2−メトキシエチル)エーテルを添加しない以外には、実施例4と同様に有機電界発光素子を作製した。
(素子耐久性の評価)
<外部量子効率の測定>
実施例4及び比較例3で作製した素子について、実施例1−2、2−2及び比較例1−2と同様に外部量子効率を測定した。
<駆動耐久性>
輝度500cd/mになるように電流密度を調整し、輝度が半減するまでの時間(hour)を測定した。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0005645576
表3の結果から明らかのように、本発明に係る酸化防止剤を添加しない正孔注入層塗布液を使用した比較例3に対し、本発明に係る酸化防止剤を添加した正孔注入層塗布液を使用した実施例4は、外部量子効率及び耐久性の両方に優れていた。
2・・・基板
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子

Claims (16)

  1. 有機材料(B)と溶媒(C)とを含有する液状体に、加熱により蒸発若しくは分解が可能な酸化防止剤(A)を添加した、有機電界発光素子用組成物であって、
    前記酸化防止剤(A)が、エチレングリコール誘導体またはプロピレングリコール誘導体であり、
    有機電界発光素子の作製において該組成物を成膜する際の加熱により、前記酸化防止剤(A)が蒸発若しくは分解する、有機電界発光素子用組成物。
  2. 前記酸化防止剤(A)が、80℃〜220℃の加熱により蒸発若しくは分解する、請求項1に記載の有機電界発光素子用組成物。
  3. 前記酸化防止剤(A)が、25℃で液状である、請求項1又は2に記載の有機電界発光素子用組成物。
  4. 前記酸化防止剤(A)が、エチレングリコール誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用組成物。
  5. 前記有機材料(B)として、発光材料及びホスト材料を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用組成物。
  6. 前記発光材料がイリジウム錯体であり、前記ホスト材料がカルバゾール誘導体である、請求項5に記載の有機電界発光素子用組成物。
  7. 前記有機材料(B)として、電荷輸送材料を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用組成物。
  8. 前記溶媒(C)として、2−ブタノン、乳酸ブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル及び2−n−ブトキシエタノールからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、請求項5又は6に記載の有機電界発光素子用組成物。
  9. 前記溶媒(C)として、シクロヘキサノンを含有する、請求項7に記載の有機電界発光素子用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された膜。
  11. 請求項5、6及び8のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された発光層。
  12. 請求項7又は9に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することにより形成された電荷輸送層。
  13. 請求項11に記載の発光層を有する有機電界発光素子。
  14. 請求項12に記載の電荷輸送層を有する有機電界発光素子。
  15. 請求項5、6及び8のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することを含む、発光層の形成方法。
  16. 請求項7又は9に記載の組成物を塗布し、塗布された該組成物を加熱することを含む、電荷輸送層の形成方法。
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