JP5645219B2 - 湿気硬化型接着剤の硬化方法 - Google Patents

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本発明は、例えば保冷車の床材として、ポリプロピレン樹脂製のフロアロアパネルとステンレス鋼製のフロアアッパパネルとを湿気硬化型接着剤で接着するための湿気硬化型接着剤の硬化方法に関する。
従来、自動車用のガラスにモール、ブラケット等の部材を接着する場合、空気中の水分で硬化するウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤等の湿気硬化型接着剤が用いられている。この湿気硬化型接着剤には一液型と二液型とがあり、ポリウレタンやシリコーンを主成分とし、可塑剤、顔料等の添加成分が配合されて構成されている。そして、この湿気硬化型接着剤は、空気中の水分により架橋反応が進行し、硬化して被着体が接着されるようになっている。
この種の湿気硬化型接着剤による接着方法として、特許文献1に記載された方法が知られている。すなわち、その接着方法は、水分の保持及び供給機能を有する水分保持供給材を湿気硬化型接着剤に接触させた状態で接着を行い、接着を促進させるものである。水分保持供給材は、水分の保持及び供給機能を有するシート状繊維集合体、具体的にはガーゼである。
この特許文献1の実施例1においては、ポリブチレンテレフタレート樹脂製のサイドウィンド締結用ホルダーのガラス挿入凹部に一液湿気硬化型ウレタン接着剤を注入し、その上に水分を含ませたガーゼを置き、ガラスをガーゼごとガラス挿入凹部に押し込むことにより、ガラスがホルダーに接着される。また、実施例2では、アルミニウム製のインナーミラー取付用ブラケットに一液湿気硬化型ウレタン接着剤を吐出し、その上に水分を含ませたガーゼを載せ、強化ガラスに押し付けることにより、強化ガラスがブラケットに接着されるようになっている。
特開2005−146126号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来構成の接着方法においては、ガラスと合成樹脂及びガラスとアルミニウムとの接着方法が具体的に開示され、ガーゼの吸湿量(ガーゼの質量に対する水分の質量の比)が2.1倍又は1.5倍に設定されている。この場合、ガーゼの適切な吸湿量は、被着体の材質、接着面積、接着部分の形状等によって大きな影響を受ける。例えば、被着体の接着面積が小さい場合には空気中の水分が被着体の端部から中央部まで短時間で到達する一方、被着体の接着面積が大きい場合には空気中の水分が被着体の端部から中央部へ到達するまでに長時間を要する。
このため、被着体がポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製のものとステンレス鋼等の金属製のものに変わり、被着体の接着面積、接着部分の形状等が変化したとき、ガーゼの吸湿量をどのような範囲に設定すべきかは当業者が簡単に予測することはできない。
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、合成樹脂製の被着体と金属製の被着体との接着に際して湿気硬化型接着剤に十分な水分を補給することができ、湿気硬化型接着剤の湿気硬化性を被着体の全面に亘って向上させることができる湿気硬化型接着剤の硬化方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法は、湿気硬化型接着剤を硬化させて合成樹脂製の第1被着体と金属製の第2被着体とを接着する湿気硬化型接着剤の硬化方法であって、前記第1被着体及び第2被着体は保冷車の床材であり、第1被着体上に第2被着体が接着されるよう前記第1被着体と第2被着体との間に、10〜35g/mの吸湿量を有する吸湿材を介在した状態で湿気硬化型接着剤により第1被着体と第2被着体とを接着することを特徴とする。
請求項2に記載の発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法は、請求項1に係る発明において、前記第1被着体上に湿気硬化型接着剤を塗工し、その上に吸湿材を載せた後、さらに湿気硬化型接着剤を塗工して第2被着体を接着することを特徴とする。
請求項3に記載の発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記湿気硬化型接着剤は、変性シリコーンを主成分とするものであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記吸湿材はガーゼであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、前記第1被着体はポリプロピレン樹脂製であり、第2被着体はステンレス鋼製であることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法においては、第1被着体及び第2被着体は保冷車の床材であり、合成樹脂製の第1被着体上に金属製の第2被着体が接着されるよう前記第1被着体と第2被着体との間に10〜35g/mの吸湿量を有する吸湿材を介在した状態で湿気硬化型接着剤により第1被着体と第2被着体とを接着する。このため、湿気硬化型接着剤と吸湿材を介在した状態で、第1被着体と第2被着体を重ね合わせたとき、それら被着体の中央部にも十分に水分を介在させることができ、湿気硬化型接着剤の接着硬化を第1被着体と第2被着体との全体に亘って促進させることができる。また、保冷車の床材が冷気に耐え得るとともに、床材としての強度を維持することができる。
従って、本発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法によれば、合成樹脂製の被着体と金属製の被着体との接着に際して湿気硬化型接着剤に十分な水分を補給することができ、湿気硬化型接着剤の湿気硬化性を被着体の全面に亘って向上させることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態における第1被着体と第2被着体とを湿気硬化型接着剤及び吸湿したガーゼを介して接着した状態を示す断面図。 (a)は第1被着体上に湿気硬化型接着剤を塗工した状態を示す断面図、(b)は(a)の状態の湿気硬化型接着剤上に吸湿したガーゼを載せた状態を示す断面図、(c)は(b)の状態のガーゼ上に湿気硬化型接着剤を塗工した状態を示す断面図。 保冷車の床材としてのフロアロアパネル上にフロアアッパパネルを配置した状態を示す分解斜視図。 保冷車の荷台に設置された保冷容器を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、保冷車の荷台に搭載されている保冷容器の床材を構成する第1被着体としてのフロアロアパネルと第2被着体としてのフロアアッパパネルとの接着方法について説明する。
図4に示すように、直方体状に形成された保冷容器11内には間仕切りパネル12が立設され、保冷容器11内が前室13と後室14とに区画形成されている。前室13内には前後方向に延びる仕切り板15が設けられ、前室13が右室と左室とに仕切られている。保冷容器11の側壁には側部窓16及び側部扉17が開閉可能に設けられるとともに、後壁には後部扉18が開閉できるように設置されている。
図3に示すように、保冷容器11の底部にはガルバニウム鋼板(アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板)製の床板19が敷設され、その上には断熱性の良いポリスチレン発泡体よりなる支持体20が配置されている。前室13において、前記支持体20上には床材を構成する第1被着体としてポリプロピレン樹脂製のフロアロアパネル21が接合されている。このフロアロアパネル21を形成するポリプロピレン樹脂は、保冷性に優れる一方、水分保持性又は水分透過性を有していない。後室14において、前記支持体20上には耐水合板製のロアプレート22が接合されている。
前室13において、フロアロアパネル21上には床材を構成する第2被着体としてステンレス鋼製のフロアアッパパネル23が接着されるようになっている。このフロアアッパパネル23は、四角枠状をなす枠板23aと底壁23bとにより有底四角筒状に形成されている。フロアアッパパネル23を形成するステンレス鋼は防錆性がよく、剛性も高い一方、水分保持性又は水分透過性を有していない。後室14において、ロアプレート22上にはリアアッパパネル24が接合されている。このリアアッパパネル24は底板24bとその周囲に立設された側板24aとにより構成されている。前記フロアアッパパネル23の枠板23a及びリアアッパパネル24の側板24aにはそれぞれ多数の挿通孔25が透設され、リベット26が挿通されて前記間仕切りパネル12や保冷容器11の側壁等に接合され、フロアアッパパネル23及びリアアッパパネル24の剛性が高められている。
図1に示すように、前記フロアロアパネル21上には湿気硬化型接着剤による第1接着剤層27a、吸湿材としての水分を含むガーゼ28及び湿気硬化型接着剤による第2接着剤層27bを有する接着剤層27を介してフロアアッパパネル23が接着されている。ガーゼ28は綿糸を織り成して形成され、高い吸水性を有している。このガーゼ28に含まれる水分は湿気硬化型接着剤の硬化反応を促進する。ガーゼ28の吸湿量は10〜35g/mであり、20〜35g/mであることが好ましい。ガーゼ28の吸湿量が10g/mを下回る場合には、湿気硬化型接着剤の硬化の進行が遅く、未硬化の部分が生じて所期の接着強度が得られない。その一方、ガーゼ28の吸湿量が35g/mを上回る場合には、過剰の水分によって湿気硬化型接着剤の硬化むらが生じ、安定した接着強度が得られなくなる。
湿気硬化型接着剤は、水分によって硬化反応(架橋反応)が進行し、第1被着体と第2被着体を接着するものであり、その主成分としてシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が使用される。シリコーン樹脂としては、分子内にシラノール基又は加水分解性アルコキシシリル基を有する変性シリコーンが用いられる。また、ウレタン樹脂としては、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンが用いられる。これらのうち、第1被着体としての合成樹脂と第2被着体としての金属との接着性が良く、硬化性に優れている点から、変性シリコーンが好ましい。
この変性シリコーンについて説明する。
該変性シリコーンは、水の存在下にシラノール基又はアルコキシシリル基が反応してシロキサン結合を形成し、架橋、硬化してポリシロキサンが形成される。このシラノール基を有する変性シリコーンとしては、次の化学式(1)で表される末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。この末端シラノール基オルガノポリシロキサンは単独又は2種以上を組合せて使用することができる。
Figure 0005645219
但し、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、nは25℃における粘度が0.06〜100Pa・sとなるような整数である。
Rとしては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、及びこれらの官能基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素等のハロゲン原子、アミノ基、シアノ基等で置換された基などが挙げられる。これらの基のうち、メチル基が好ましい。また、nは25℃における粘度が0.07〜50Pa・sとなるような整数であることが好ましい。
また、前記アルコキシシリル基(加水分解性)を有する変性シリコーン(アルコキシシラン)としては、下記の化学式(2)で表される化合物が好ましい。
Si(OX)4−m ・・・(2)
但し、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xはアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、mは0、1又は2である。
Rとしては、前記化学式(1)におけるRと同様の官能基が挙げられる。Xとしては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシブチル基等が挙げられる。Xとして、好ましくはメチル基である。
すなわち、このアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が例示される。また、これらアルコキシシランの部分加水分解縮合物を用いることもできる。さらに、これらのアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物は、各々単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
前記末端シラノール基オルガノポリシロキサン或いはアルコキシシリル基を有するアルコキシシランは、それぞれ単独で使用することができるほか、適宜混合して使用することもできる。
次いで、前述の末端にイソシアネート基を有するポリウレタンについて説明する。
このポリウレタンは、水の存在によりイソシアネート基がウレタン結合を形成しながら架橋、硬化して高分子を形成するものである。該ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアネートとを、末端にイソシアネート基が残るように反応させることによって形成される。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はポリマーポリオールが用いられる。ポリエーテルポリオールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを複数個の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物である。複数個の活性水素を有する化合物としては、多価アルコール、アルカノールアミン等が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多塩基性カルボン酸の縮合物、多価アルコールとヒドロキシカルボン酸の縮合物等である。多価アルコールとしては、上記ポリエーテルポリオールの項で挙げた化合物が用いられる。多塩基性カルボン酸としては、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸等が用いられる。
ポリマーポリオールは、前記ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたものである。ポリマーポリオールの重量平均分子量は、100〜10000程度のものが好ましい。これらのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリマーポリオールは、それぞれ単独又は適宜組合せて使用することができる。
一方、ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、及びこれらに水素添加した化合物等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独又は2種以上を併用することができる。
湿気硬化型接着剤は、前述した主成分のほか、充填剤、顔料、分散剤、酸化防止剤、可塑剤、シランカップリング剤等の添加成分を常法に従って配合することができる。
本発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法は、水分保持性又は水分透過性を有しない第1被着体と第2被着体との接着であって、好ましくは50cm四方、さらに好ましくは1m四方の広い接着面積を有する被着体の接着に好適に適用される。
次に、第1被着体としてのフロアロアパネル21に第2被着体としてのフロアアッパパネル23を接着する方法について説明する。
図2(a)に示すように、まずフロアロアパネル21上に湿気硬化型接着剤を塗工して第1接着剤層27aを形成する。続いて、図2(b)に示すように、その第1接着剤層27a上に所定の吸湿量を有するガーゼ28を載せる。次いで、図2(c)に示すように、ガーゼ28上に再び湿気硬化型接着剤を塗工して第2接着剤層27bを形成する。このように、湿気硬化型接着剤を2度塗りする理由は、湿気硬化型接着剤がガーゼ28の網目を通過し難く、ガーゼ28と第2被着体との間に湿気硬化型接着剤が介在され難いからである。
その状態で、図1に示すように、第2接着剤層27b上にフロアアッパパネル23を載せて押圧し、接着する。このような順に接着操作を行うことにより、第1接着剤層27aと第2接着剤層27bとよりなる湿気硬化型の接着剤層27は、ガーゼ28に含まれる水分及びフロアロアパネル21とフロアアッパパネル23との間の隙間の外周部から吸湿される水分によって硬化反応が進行する。
このとき、第1接着剤層27aと第2接着剤層27bとの間に介在されるガーゼ28の吸湿量が10〜35g/mに設定されていることから、フロアロアパネル21とフロアアッパパネル23との間の外周部のみならず、中心部においても十分な吸湿量が得られる。従って、フロアロアパネル21とフロアアッパパネル23との間の接着をむらなく行うことができ、接着強度を全面に亘ってほぼ均一に発現させることができる。
以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
(1)この実施形態における湿気硬化型接着剤の硬化方法においては、合成樹脂製のフロアロアパネル21と金属製のフロアアッパパネル23との間に10〜35g/mの吸湿量をもつガーゼを介在した状態で、湿気硬化型接着剤によりフロアロアパネル21とフロアアッパパネル23とを接着する。このため、水分を含むガーゼを介在した状態で、フロアロアパネル21にフロアアッパパネル23を重ね合わせたとき、それら被着体の中央部にも十分に水分を行き渡らせることができ、湿気硬化型接着剤の接着硬化をフロアロアパネル21とフロアアッパパネル23との全面に亘って促進させることができる。
従って、この実施形態における湿気硬化型接着剤の硬化方法によれば、合成樹脂製のフロアロアパネル21と金属製のフロアアッパパネル23との接着に際して湿気硬化型接着剤に十分な水分を補給することができ、湿気硬化型接着剤の湿気硬化性を被着体の全面に亘って向上させることができるという効果を発揮する。加えて、第1接着剤層27aと第2接着剤層27bとの間に存在するガーゼ28により、接着剤層27の接着補強効果を発揮することができる。
(2)前記フロアロアパネル21とフロアアッパパネル23を接着する場合には、フロアロアパネル21上に湿気硬化型接着剤を塗工し、その上に吸湿したガーゼ28を載せた後、さらに湿気硬化型接着剤を塗工してフロアアッパパネル23が接着される。このように、湿気硬化型接着剤を2度塗りすることにより、ガーゼ28を介在した状態でもフロアロアパネル21とフロアアッパパネル23との接着強度を十分に向上させることができる。
(3)前記湿気硬化型接着剤は変性シリコーンを主成分とするものであることにより、接着剤層27は柔軟性のある架橋構造を形成することが可能であり、フロアロアパネル21とフロアアッパパネル23との接着強度の向上を図ることができる。
(4)前記吸湿材がガーゼ28であることにより、そのガーゼ28に十分な水分を保持させることができ、湿気硬化型接着剤の硬化促進を図ることができる。
(5)前記フロアロアパネル21はポリプロピレン樹脂製であり、フロアアッパパネル23はステンレス鋼製である。このため、ポリプロピレン樹脂によって保冷性を良好にできるとともに、ステンレス鋼によって錆の発生を防止しつつ剛性を高めることができる。
(6)前記フロアロアパネル21及びフロアアッパパネル23は保冷車の床材であり、フロアロアパネル21上にフロアアッパパネル23が接着されるように構成されている。従って、保冷車の床材が冷気に耐え得るとともに、床材としての強度を維持することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜3及び比較例1,2)
第1被着体として縦500mm、横500mmのポリプロピレン樹脂製の板材を使用し、第2被着体として同じく縦500mm、横500mmのステンレス鋼製の板材を使用した。第1被着体としてのポリプロピレン樹脂製の板材には、常法に従ってコロナ放電により前処理を施し、接着性の向上を図った。湿気硬化型接着剤としては、変性シリコーンを主成分とする湿気硬化型接着剤〔横浜ゴム(株)製、ハマタイトYN−86〕を用いた。また、ガーゼとしては、下記に示す吸湿量を有するガーゼ〔日本薬局方、縦500mm、横500mm、質量33g/m〕を使用した。
そして、図2(a)に示すように、第1被着体上に湿気硬化型接着剤を塗工して第1接着剤層27aを形成し、図2(b)に示すように、その第1接着剤層27a上に表1に示す吸湿量を有するガーゼ28を載せた。次いで、図2(c)に示すように、ガーゼ28上に再び湿気硬化型接着剤を塗工して第2接着剤層27bを形成した。その状態で、図1に示すように、第2接着剤層27b上に第2被着体を載せて押圧し、第2被着体を第1被着体に接着した。
得られた接着物について、接着状態を目視で観察するとともに、常法に従って引張強度を測定した。そして、引張強度が50N/cm以上の場合に湿気硬化型接着剤が完全硬化したと判断した。これらの結果を表1に示した。
Figure 0005645219
表1に示した結果より、ガーゼ28の吸湿量が25g/mの実施例2及び吸湿量が30g/mの実施例3においては、湿気硬化型接着剤は3日で完全に硬化した。また、ガーゼ28の吸湿量が10g/mの実施例1では、湿気硬化型接着剤は2週間で完全硬化した。一方、ガーゼ28の吸湿量が5g/mの比較例1では、湿気硬化型接着剤は2週間経過しても未硬化状態であった。さらに、ガーゼ28の吸湿量が40g/mの比較例4では、湿気硬化型接着剤は硬化むらがあり、部分的に硬化している状態であった。
なお、前記各実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記ガーゼ28の織り目を湿気硬化型接着剤が通過できる程度に粗くしたガーゼ28を使用し、湿気硬化型接着剤を1度塗りにすることも可能である。
・ ガーゼ28の吸湿量を第1被着体と第2被着体の接着面の外周部で少なくし、中央部で多くするように設定することも可能である。この場合、空気中の水分が到達し難い接着面の中央部でも湿気硬化型接着剤の硬化を十分に促進させることができる。
・ 前記吸湿材として、不織布等を使用することもできる。
・ 本発明の湿気硬化型接着剤の硬化方法を、浴室の二重扉を構成する被着体の接着に適用したりすることも可能である。
21…第1被着体としてのフロアロアパネル、23…第2被着体としてのフロアアッパパネル、27…接着剤層、27a…第1接着剤層、27b…第2接着剤層、28…吸湿材としてのガーゼ。

Claims (5)

  1. 湿気硬化型接着剤を硬化させて合成樹脂製の第1被着体と金属製の第2被着体とを接着する湿気硬化型接着剤の硬化方法であって、
    前記第1被着体及び第2被着体は保冷車の床材であり、第1被着体上に第2被着体が接着されるよう前記第1被着体と第2被着体との間に、10〜35g/mの吸湿量を有する吸湿材を介在した状態で湿気硬化型接着剤により第1被着体と第2被着体とを接着することを特徴とする湿気硬化型接着剤の硬化方法。
  2. 前記第1被着体上に湿気硬化型接着剤を塗工し、その上に吸湿材を載せた後、さらに湿気硬化型接着剤を塗工して第2被着体を接着することを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型接着剤の硬化方法。
  3. 前記湿気硬化型接着剤は、変性シリコーンを主成分とするものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の湿気硬化型接着剤の硬化方法。
  4. 前記吸湿材はガーゼであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の湿気硬化型接着剤の硬化方法。
  5. 前記第1被着体はポリプロピレン樹脂製であり、第2被着体はステンレス鋼製であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の湿気硬化型接着剤の硬化方法
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