JP5643587B2 - 入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラム - Google Patents

入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、系への入力に起因する当該系からの出力に基づいて前記系への入力を推定するための技術に関する。
系への入力に起因する当該系からの出力に基づいて前記系への入力を推定する従来の技術としては、例えば、測定対象物の加速度に基づいて変位を推定する方法がある(特許文献1)。この変位推定方法は、測定対象物の加速度を計測し、計測された加速度を2回積分することによって変位相当パラメータを演算し、当該変位相当パラメータに含まれるドリフト成分が単調に増加或いは減少することに基づいて変位相当パラメータの演算結果から当該変位相当パラメータに含まれているドリフト成分を推定し、変位相当パラメータから推定されたドリフト成分を除去して測定対象物の変位信号を演算するものである。
特開2003−130629号
しかしながら、特許文献1の変位推定方法では、測定対象物の変位を推定するための変位相当パラメータに含まれているドリフト成分を推定する際に、当該ドリフト成分が単調に増加或いは減少することを前提としており、具体的には加速度信号を2回積分して得られる変位信号がゼロからほぼ単調的に増加又は減少することに着目して直線近似によってドリフト成分を推定するようにしており、系の入力と出力とが共に一変数(言い換えると、一次元の物理量)であって両者に線形関係が成立している系においては出力に基づいて系への入力を推定することはできても、系の入力と出力とが共に多変数(言い換えると、多元・多次元の物理量)である場合に系への入力を推定することはできない。このため、推定方法としての汎用性が高いとは言い難い。
そこで、本発明は、系への入力と系からの出力とがどちらも多変数(多元・多次元の物理量)である場合に系からの出力に基づいて前記系への入力を推定することができる入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の入力物理量推定方法は、4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して16個の出力物理量種類が前記系から出力される場合に16個の出力物理量種類に基づいて4つの入力物理量成分を推定する際に、4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(1〜4の整数))と16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式1−1から数式1−4までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(それぞれ1〜5の整数))を算定する処理と、推定対象とした入力物理量成分について、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式2−1から数式2−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,ECを算定する第一近似係数算定処理と、数式2−4に第一近似係数Am1,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,ECを算出する処理と、4つずつの推定入力物理量VE,1,ECから出力物理量種類毎に1個を選定する処理と、出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,avを算出して当該平均VE,avを推定対象とした入力物理量成分についての推定入力物理量VE,VNとする処理と、数式3に第一近似係数Am1,EC及び推定入力物理量の平均VE,avを代入して推定出力物理量CE,ECを算出する処理と、数式4に推定出力物理量CE,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,ECを算出する処理とを有し、16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類において残差CR,ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して第一近似係数算定処理に戻り、終了条件を満たした場合には推定処理を終了するようにしている。
(数1−1)
S,EC=A'1,EC・(V1)4+A'2,EC・(V1)3+A'3,EC・(V1)2+A'4,EC・(V1)
+A'5,EC
(数1−2)
A'm1,EC=B'm1,1,EC・(V2)4+B'm1,2,EC・(V2)3+B'm1,3,EC・(V2)2
+B'm1,4,EC・(V2)+B'm1,5,EC
(数1−3)
B'm1,m2,EC=C'm1,m2,1,EC・(V3)4+C'm1,m2,2,EC・(V3)3
+C'm1,m2,3,EC・(V3)2+C'm1,m2,4,EC・(V3)+C'm1,m2,5,EC
(数1−4)
C'm1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(V4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(V4)3
+Dm1,m2,m3,3,EC・(V4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(V4)
+Dm1,m2,m3,5,EC
(数2−1)
m1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(VE,4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(VE,4)3
+Dm1,m2,m3,3,EC・(VE,4)2 +Dm1,m2,m3,4,EC・(VE,4)
+Dm1,m2,m3,5,EC
(数2−2)
m1,m2,EC=Cm1,m2,1,EC・(VE,3)4+Cm1,m2,2,EC・(VE,3)3
+Cm1,m2,3,EC・(VE,3)2+Cm1,m2,4,EC・(VE,3)+Cm1,m2,5,EC
(数2−3)
m1,EC=Bm1,1,EC・(VE,2)4+Bm1,2,EC・(VE,2)3+Bm1,3,EC・(VE,2)2
+Bm1,4,EC・(VE,2)+Bm1,5,EC
(数2−4)
0=A1,EC・(VE,1,EC)4+A2,EC・(VE,1,EC)3+A3,EC・(VE,1,EC)2
+A4,EC・(VE,1,EC)+A5,EC−CM,EC
(数3)
E,EC=A1,EC・(VE,av)4+A2,EC・(VE,av)3+A3,EC・(VE,av)2
+A4,EC・(VE,av)+A5,EC
(数4)
R,EC=CM,EC−CE,EC
また、請求項2記載の入力物理量推定装置は、4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して前記系から出力された16個の出力物理量種類のデータが保管されている記憶部を有する若しくは前記データが保管されている記憶装置と接続された装置であって、16個の出力物理量種類に基づいて4つの入力物理量成分を推定するために、4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(1〜4の整数))と16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式1−1から数式1−4までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(それぞれ1〜5の整数))を算定する手段と、推定対象とした入力物理量成分について、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式2−1から数式2−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,ECを算定する第一近似係数算定手段と、数式2−4に第一近似係数Am1,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,ECを算出する手段と、4つずつの推定入力物理量VE,1,ECから出力物理量種類毎に1個を選定する手段と、出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,avを算出して当該平均VE,avを推定対象とした入力物理量成分についての推定入力物理量VE,VNとする手段と、数式3に第一近似係数Am1,EC及び推定入力物理量の平均VE,avを代入して推定出力物理量CE,ECを算出する手段と、数式4に推定出力物理量CE,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,ECを算出する手段とを有し、16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類において残差CR,ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して第一近似係数算定手段が第一近似係数 m1,EC 算定する処理に戻り、終了条件を満たした場合には推定処理を終了するようにしている。
また、請求項3記載の入力物理量推定プログラムは、4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して前記系から出力された16個の出力物理量種類のデータが保管されている記憶部を有する若しくは前記データが保管されている記憶装置と接続されたコンピュータを、16個の出力物理量種類に基づいて4つの入力物理量成分を推定する際に、4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(1〜4の整数))と16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式1−1から数式1−4までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(それぞれ1〜5の整数))を算定する手段、推定対象とした入力物理量成分について、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式2−1から数式2−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,ECを算定する第一近似係数算定手段、数式2−4に第一近似係数Am1,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,ECを算出する手段、4つずつの推定入力物理量VE,1,ECから出力物理量種類毎に1個を選定する手段、出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,avを算出して当該平均VE,avを推定対象とした入力物理量成分についての推定入力物理量VE,VNとする手段、数式3に第一近似係数Am1,EC及び推定入力物理量の平均VE,avを代入して推定出力物理量CE,ECを算出する手段、数式4に推定出力物理量CE,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,ECを算出する手段として機能させると共に、16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類において残差CR,ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して第一近似係数 m1,EC 算定する処理に戻り、終了条件を満たした場合には推定処理を終了するようにしている。
これらの入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラムによると、系への入力と系からの出力との間の関係を近似式で表すようにすると共に当該近似式の近似係数を近似式を用いて算定するようにすることにより、系への入力と系からの出力とがどちらも多変数(多元・多次元の物理量)である場合でも系からの出力に基づいて前記系への入力が推定される。
本発明の入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラムによれば、系への入力と系からの出力とがどちらも多変数(多元・多次元の物理量)である場合に系からの出力に基づいて前記系への入力を推定することができるので、推定方法としての汎用性の向上を図ることが可能になる。
本発明の入力物理量推定方法並びに入力物理量推定プログラムの実施形態の一例を説明するフローチャートである。 実施形態の入力物理量推定プログラムを実行することによってコンピュータによって実現される入力物理量推定装置の機能ブロック図である。 本発明の系の一例として挙げたセンサの構造を示す図である。 図3に示すセンサへの入力とセンサからの出力とを説明する図である。(A)は入力としての変位を説明する図である。(B)は出力としての静電容量を計測する電極の組み合わせを説明する図である。 本発明の入力物理量推定方法の流れを説明する図である。 本発明の入力物理量推定方法の概要を説明する図である。(A)は推定の概要を説明する図である。(B)は判定の概要を説明する図である。 近似係数の関係を説明する図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1から図7に、本発明の入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラムの実施形態の一例を示す。本実施形態では、4つの物理量によって表される系への入力に起因して16個の物理量が前記系から出力される場合に、当該16個の物理量に基づいて前記入力を表す4つの物理量を推定する場合を例に挙げる。なお、本実施形態が対象とする入力は4自由度を有する物理量であると言える。また、本発明が対象とする入力及び出力に関する物理量は実数で表されるものであると共に、増減変化をし得るものである。
なお、4つの物理量によって表される系への入力に起因して16個の物理量が前記系から出力される場合としては、具体的には例えば図3に示すように、電気的絶縁性と力学的弾性とを有する直方体の基材1aの対向する一対の面の一方の面1bに4つの電極A,B,C,Dを備えると共に前記一対の面の他方の面1b'にも前記4つの電極A,B,C,Dのそれぞれと正対する位置に4つの電極A',B',C',D'を備えるセンサ1を系とし、当該センサ1に力が加えられて変形(言い換えると、これによる各電極の変位)が入力として与えられた場合にセンサ1から電極間の静電容量が出力される場合が挙げられる。
系としてのセンサ1への入力としての変形(変位)は、図4(A)に示すように、水平X方向のずれ変位(X),水平Y方向のずれ変位(Y),垂直Z方向の圧縮変位(Z),垂直Z方向軸周りの回転変位(Θ)の4つの変位(言い換えると、4自由度の変位成分)によって表される。
また、センサ1には、基材1aの対向する一対の面の一方の面1bの電極A,B,C,Dのうちの一つと前記一対の面の他方の面1b'の電極A',B',C',D'のうちの一つとを組み合わせることによって16組の電極の組み合わせができる(図4(B)参照)。
そして、上述のセンサ1では、面1bと面1b'とは力学的弾性を有する基材1aを挟んで対向しているので、センサ1に力が加えられた場合には基材1aが変形し各電極間の相対位置関係が変化して16組の各電極間の静電容量が変化する。このため、センサ1を系とし、力が加えられたことによるセンサ1の変形(変位)を入力と見立てると共に当該変形に起因する各電極間の静電容量の変化を出力と見立てることができ、4つの物理量(即ち変位)によって表される系への入力に起因して16個の物理量(即ち電極間の静電容量)が前記系から出力されるものであると言える。
本実施形態では、系への入力を表す4つの物理量をVVN(ただし、添字VN=1,2,3,4;また、Vの内容を識別するために他の添字が適宜付される)とすると共に、系から出力される16個の物理量をCEC(ただし、添字EC=1,2,3,…,16;また、Cの内容を識別するために他の添字が適宜付される)とする。ここで、以下においては、系への入力に関する物理量を入力物理量ともいい、系からの出力に関する物理量を出力物理量ともいう。また、入力を表す4つの物理量の個々のものを成分や入力物理量成分ともいう。さらに、これら4つの成分・入力物理量成分をX成分,Y成分,Z成分,Θ成分とも表す。また、出力される16個の物理量の個々のものを種類や出力物理量種類ともいう。
まず、本発明の入力物理量推定方法における出力物理量に基づく入力物理量の推定原理を説明する。なお、本発明は、実際に取得された出力物理量(以下、取得出力物理量或いは取得出力物理量種類ともいう)を入力とし、推定した入力物理量(以下、推定入力物理量或いは推定入力物理量成分ともいう)を出力するものであると言える。
本発明では、出力物理量と入力物理量との間の関係を表す近似式を利用して系からの出力物理量に基づいて前記系への入力物理量を推定する。なお、本実施形態では、近似式として4次多項式を用いる。また、出力物理量及び入力物理量については、物理量としての値をそのまま用いるようにしても良いし、例えば基準とする状態からの差分値(言い換えると変化量)を用いるようにしても良い。
本発明の入力物理量推定方法は、推定と判定とから構成され、推定と判定とを繰り返し行なって実際の入力に近いであろう入力物理量を求める。また、本発明では、近似式によって出力物理量種類と入力物理量成分とを関係づけることで推定を行う。そして、図5に示すように、1回の推定では4つの入力物理量成分のうちの一つ(図5ではZ成分)について入力物理量を推定し、判定では次に推定を行う入力物理量成分の決定と推定処理の打ち切り判定とを行い、これら推定と判定とを繰り返し行う。
入力物理量推定方法の概要を図6に示す。図6は、16個の出力物理量種類のうちの特定の一つの出力物理量CM,ECと、4つの入力物理量成分のうちのZ成分である入力物理量zM,ECとの間の関係を表す。なお、添字Mは、現実の、或いは、計測などによって実際に取得されたものであることを表す。また、添字Eは推定に関するものであることを表す。
図6(A)は推定の概要を表す。或る入力物理量に対して16個の出力物理量種類CM,EC(ただし、添字EC=1〜16)が取得(具体的には例えば計測)される。本発明の入力物理量推定方法では、この16個の取得出力物理量種類CM,ECから前記或る入力物理量を表す4つの入力物理量成分(本実施形態ではX成分,Y成分,Z成分,Θ成分の4つ)を独立に個々に推定する(図6ではZ成分)。推定回数n回における推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n')(添字1は推定対象の成分であることを表す)は、16個の取得出力物理量種類を用いて16元の近似式を解き、これによって解として得られる16個のVE,1,(n,VE1=n'),EC(ただし、添字EC=1〜16)の平均値とする。ここで、nは推定全体の推定回数を表し、n'は入力物理量成分VE,VN(ただし、添字VN=1〜4)毎の推定回数を表す。したがって、添字(n,VE1=n')は、全体推定回数がn回であると共に成分VE,1の推定回数がn'回であることを表す。
推定には、出力物理量と入力物理量との間の関係を表す近似式fE,(n,VE1=n'),EC(前述の通り4次多項式である)を用いる。取得された出力物理量CM,ECを近似式fE,(n,VE1=n'),ECに代入することで推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを得る。近似式fE,(n,VE1=n'),ECは各入力物理量成分及び各出力物理量種類に対して異なる近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECを有する。近似係数Aの添字m1は近似式中の係数の識別番号であり、4次多項式近似においては1近似式あたり5個の係数を有するので添字m1は1,2,…,5の値をとる。近似係数は出力物理量と入力物理量との間の関係の全体を計算的に網羅し得るものとして、言い換えると連続的に補間し得るものとして算定する。そうすることにより、取得された出力物理量CM,ECから入力物理量を推定することができる。
近似式は1つの入力物理量成分との間の関係を表す。近似係数Aを4つの入力物理量成分に対応させるため、推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n')を除く他の3つの推定入力物理量成分VE,2,(n,VE2=n2)(添字2は成分の識別子であり、n2は当該成分の推定回数を表す),VE,3,(n,VE3=n3)(添字3は成分の識別子であり、n3は当該成分の推定回数を表す),VE,4,(n,VE4=n4)(添字4は成分の識別子であり、n4は当該成分の推定回数を表す)を用いて近似係数Aの決定を行う。なお、推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n')ではない他の入力物理量成分VE,2,VE,3,VE,4については全体推定回数(n−1)回までの推定入力物理量の値を用いる。
そして、本発明では、近似係数Aの決定にも近似式を用いる。具体的には、推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n'),ECの近似式fE,(n,VE1=n'),ECの近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECの決定は推定入力物理量成分VE,2と近似係数Bとによる第二近似式によって行い、近似係数Bの決定は推定入力物理量成分VE,3と近似係数Cとによる第三近似式によって行い、近似係数Cの決定は推定入力物理量成分VE,4と近似係数Dとによる第四近似式によって行う。出力物理量と推定対象の入力物理量成分との間の関係を表した近似式は第一近似式とする。近似係数Dは予め算定しておき、毎推定回において使用する近似係数Aの計算を行う。4種類の近似式の関係を図7に示す。
推定入力物理量VE,VNは添字VNによって識別する。毎推定回において更新される第一近似係数Aを用いることにより、近似式は特定の入力物理量成分(例えばZ成分)の推定回数n'=1においてfE,(n,Z=1),EC,推定回数n'=2においてfE,(n+a,Z=2),EC,推定回数n'=3においてfE,(n+b,Z=3),ECとなり(a,bは推定全体の推定回数を表すための数)、推定点は取得点に近づいていく。この操作を繰り返し、確からしい推定点を求める。推定点が取得点を中心とした許容範囲内に達した場合に入力物理量の推定処理は終了する(図6(B)参照)。
そして、上述の原理に基づいて出力物理量から入力物理量を推定するため、本発明の入力物理量推定方法は、4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して16個の出力物理量種類が前記系から出力される場合に16個の出力物理量種類に基づいて4つの入力物理量成分を推定する際に、4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(具体的には1〜4の整数))と16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(具体的には1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式6から数式9までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(具体的にはそれぞれ1〜5の整数))を算定する処理(S1−1)と、全体推定回数n回の処理として、推定対象とした入力物理量成分について、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式5−1から数式5−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECを算定する第一近似係数算定処理(S1−2)と、数式5−4に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを算出する処理(S2)と、4つずつの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECから出力物理量種類毎に1個を選定する処理(S3)と、出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,1,(n,VE1=n')を算出して当該平均VE,1,(n,VE1=n')を推定対象とした入力物理量成分についての推定入力物理量VE,VNとする処理(S4)と、数式10に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC及び推定入力物理量の平均VE,1,(n,VE1=n')を代入して推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECを算出する処理(S5)と、数式11に推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,(n,VE1=n'),ECを算出する処理(S6)とを有し、16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類においてCR,(n,VE1=n'),ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし(S9)、当該終了条件を満たしていない場合(S9:No)には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して第一近似係数算定処理に戻り、終了条件を満たした場合(S9:Yes)には推定処理を終了するようにしている。
また、上記入力物理量推定方法は、本発明の入力物理量推定装置として実現される。この入力物理量推定装置は、4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して前記系から出力された16個の出力物理量種類のデータが保管されている記憶部を有する若しくは前記データが保管されている記憶装置と接続された装置であって、16個の出力物理量種類に基づいて4つの入力物理量成分を推定するために、4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(具体的には1〜4の整数))と16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(具体的には1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式6から数式9までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(具体的にはそれぞれ1〜5の整数))を算定する手段と、全体推定回数n回の処理として、推定対象とした入力物理量成分について、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式5−1から数式5−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECを算定する第一近似係数算定処理を行う手段と、数式5−4に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを算出する手段と、4つずつの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECから出力物理量種類毎に1個を選定する手段と、出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,1,(n,VE1=n')を算出して当該平均VE,1,(n,VE1=n')を推定対象とした入力物理量成分についての推定入力物理量VE,VNとする手段と、数式10に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC及び推定入力物理量の平均VE,1,(n,VE1=n')を代入して推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECを算出する手段と、数式11に推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,(n,VE1=n'),ECを算出する手段とを有し、16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類においてCR,(n,VE1=n'),ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して第一近似係数算定処理に戻り、終了条件を満たした場合には推定処理を終了するようにしている。
上述の入力物理量推定方法及び入力物理量推定装置は、本発明の入力物理量推定プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現される。本実施形態では、入力物理量推定プログラムをコンピュータ上で実行する場合を例に挙げて説明する。
入力物理量推定プログラム17を実行するためのコンピュータ10(即ち入力物理量推定装置10)の全体構成を図2に示す。この入力物理量推定装置10は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14及びメモリ15を備え相互にバス等の信号回線により接続されている。また、入力物理量推定装置10にはデータサーバ16がバス等の信号回線により接続されており、その信号回線を介して相互にデータや制御指令等の信号の送受信(即ち入出力)が行われる。
本実施形態では、第四近似係数算定用サンプルデータが第四近似係数算定用データベース18として、また、系から出力されて取得された出力物理量が取得出力物理量データベース19として、さらに、推定処理において推定された入力物理量が推定入力物理量データベース20としてデータサーバ16に蓄積される。
制御部11は記憶部12に記憶されている入力物理量推定プログラム17によって入力物理量推定装置10全体の制御並びに出力物理量に基づく入力物理量の推定等に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部12は少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
メモリ15は制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
入力部13は少なくとも作業者の命令を制御部11に与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。
表示部14は制御部11の制御により文字や図形等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
そして、4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して前記系から出力された16個の出力物理量種類のデータが保管されている記憶装置としてのデータサーバ16にアクセス可能なコンピュータである入力物理量推定装置10の制御部11には、入力物理量推定プログラム17を実行することにより、16個の出力物理量種類に基づいて4つの入力物理量成分を推定するために、4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(具体的には1〜4の整数))と16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(具体的には1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式6から数式9までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(具体的にはそれぞれ1〜5の整数))を算定する手段としての第四近似係数算定部11a、全体推定回数n回の処理として、推定対象とした入力物理量成分について、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式5−1から数式5−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECを算定する第一近似係数算定処理を行う手段としての第一近似係数算定部11b、数式5−4に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを算出する手段としての推定入力物理量算出部11c、4つずつの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECから出力物理量種類毎に1個を選定する手段としての有効判定部11d、出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,1,(n,VE1=n')を算出して当該平均VE,1,(n,VE1=n')を推定対象とした入力物理量成分についての推定入力物理量VE,VNとする手段としての推定入力物理量決定部11e、数式10に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC及び推定入力物理量の平均VE,1,(n,VE1=n')を代入して推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECを算出する手段としての推定出力物理量算出部11f、数式11に推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,(n,VE1=n'),ECを算出する手段としての残差算出部11gが構成される。
本実施形態の入力物理量推定方法の実行にあたっては、まず、推定の処理(S1〜S4)を行う。はじめに、各出力物理量種類CM,ECにおける第一近似式を作るために第一近似係数Am1,ECを算定する(S1)。
第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECの算定には、前述の通り、全体推定回数n回の推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n')を除く他の3つの推定入力物理量成分VE,2,(n,VE2=n2),VE,3,(n,VE3=n3),VE,4,(n,VE4=n4)を用いた近似式を使用する(図7参照)。そして、これら3つの推定入力物理量成分VE,2,(n,VE2=n2),VE,3,(n,VE3=n3),VE,4,(n,VE4=n4)は全体推定回数(n−1)回までの推定によって得られた値を用いる。ただし、未推定の入力物理量成分はVE,VN=0とする。
入力物理量VE,VNが表す推定入力物理量成分の組み合わせは、表1に示すように、推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n')としての成分の種別によって変わる。
そして、数式5−1,5−2,5−3の3つの近似式を経て第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECが算定される。なお、添字m1,m2,m3はいずれも1,2,…,5の値をとる。
(数5)
(数5−1):第四近似式
m1,m2,m3,(n,VE1=n'),EC=Dm1,m2,m3,1,(n,VE1=n'),EC・(VE,4,(n,VE1=n'))4
+Dm1,m2,m3,2,(n,VE1=n'),EC・(VE,4,(n,VE1=n'))3
+Dm1,m2,m3,3,(n,VE1=n'),EC・(VE,4,(n,VE1=n'))2
+Dm1,m2,m3,4,(n,VE1=n'),EC・(VE,4,(n,VE1=n'))
+Dm1,m2,m3,5,(n,VE1=n'),EC
(数5−2):第三近似式
m1,m2,(n,VE1=n'),EC=Cm1,m2,1,(n,VE1=n'),EC・(VE,3,(n,VE1=n'))4
+Cm1,m2,2,(n,VE1=n'),EC・(VE,3,(n,VE1=n'))3
+Cm1,m2,3,(n,VE1=n'),EC・(VE,3,(n,VE1=n'))2
+Cm1,m2,4,(n,VE1=n'),EC・(VE,3,(n,VE1=n'))
+Cm1,m2,5,(n,VE1=n'),EC
(数5−3):第二近似式
m1,(n,VE1=n'),EC=Bm1,1,(n,VE1=n'),EC・(VE,2,(n,VE1=n'))4
+Bm1,2,(n,VE1=n'),EC・(VE,2,(n,VE1=n'))3
+Bm1,3,(n,VE1=n'),EC・(VE,2,(n,VE1=n'))2
+Bm1,4,(n,VE1=n'),EC・(VE,2,(n,VE1=n'))
+Bm1,5,(n,VE1=n'),EC
(数5−4):第一近似式
0=A1,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'),EC)4
+A2,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'),EC)3
+A3,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'),EC)2
+A4,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'),EC)
+A5,(n,VE1=n'),EC−CM,EC
第一近似式(数式5−4)は取得出力物理量CM,ECと推定入力物理量VEの1成分との間の関係式である。第一近似式の推定入力物理量VEが全体推定回数n回における推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n'),ECとなる。そして、第一近似式を、推定対象の入力物理量成分ではない他の3つの入力物理量成分と関連づけるために合計4種類の近似式を用いる。
推定対象の入力物理量成分ではない他の3つの入力物理量成分VE,2,(n,VE2=n2),VE,3,(n,VE3=n3),VE,4,(n,VE4=n4)の近似式がそれぞれ第二近似式(数式5−3),第三近似式(数式5−2),第四近似式(数式5−1)である。VE,2,(n,VE2=n2)(数式5−3ではVE,2,(n,VE1=n')と表記;推定対象成分VE,1の推定回数がn'回時の成分VE,2の値という意味),VE,3,(n,VE3=n3)(数式5−2ではVE,3,(n,VE1=n')と表記;推定対象成分VE,1の推定回数がn'回時の成分VE,3の値という意味),VE,4,(n,VE4=n4)(数式5−1ではVE,4,(n,VE1=n')と表記;推定対象成分VE,1の推定回数がn'回時の成分VE,4の値という意味)のそれぞれに全体推定回数(n−1)回までの推定入力物理量を代入することで、第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),EC(ただし、添字m1=1〜5)の更新が行われる(図7参照)。なお、未推定の入力物理量成分VE,2,VE,3,VE,4はゼロとする。
更新は毎推定回において3つの入力物理量成分の近似式(数式5−1〜数式5−3)によってなされ、4段階近似式によって推定が行われる。第四近似式は第三近似係数Cを、第三近似式は第二近似係数Bを、第二近似式は第一近似係数Aをそれぞれ算定する。第一近似式のみでは1つの入力物理量成分、第二近似式まで用いると2つの入力物理量成分、そして第四近似式まで用いると4つの入力物理量成分を考慮した推定方法となる。
なお、本実施形態では、各近似式として4次多項式を用いるので、一つの近似式あたり5個の係数を有する。当該係数の識別番号をmとし、第一〜第四近似式のそれぞれについてm1〜m4(いずれも1,2,…,5の値をとる)とする。そうすると、一つの出力物理量種類CM,ECにおける1回の推定で必要な近似係数は、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,(n,VE1=n'),ECはm1×m2×m3×m4=5×5×5×5=625個,第三近似係数Cm1,m2,m3,(n,VE1=n'),ECはm1×m2×m3=5×5×5=125個,第二近似係数Bm1,m2,(n,VE1=n'),ECはm1×m2=5×5=25個,第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECはm1=5個になる。
近似係数のうち第一〜第三近似係数A,B,Cは推定回毎に算定される。一方、第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,(n,VE1=n'),ECは以下の方法によって予め算定される(S1−1)。
第一近似式の意味するところは、出力物理量と入力物理量との間の特性(言い換えると、系の特性)の補間である。4つの入力物理量成分が任意の状態になった場合の出力物理量の推定が4段階近似式によって可能ならば、出力物理量から入力物理量のマッピングが可能である。そのため、第一近似式は、第四近似係数算定用として離散的にサンプリングして予め取得する入力物理量と出力物理量との間の関係から両者の関係の全体を連続的に補間する役割を有する。
ここで、第四近似係数算定用として予め取得する入力物理量と出力物理量との組み合わせデータをサンプルデータと呼ぶ。サンプルデータは、具体的には、或る入力物理量(4成分)と、当該入力物理量を系に与えた時に取得される当該系からの出力物理量(16種類)との組み合わせデータである。
近似式は入力物理量と出力物理量との間の関係の全体を表現し得るものであることが必要であるので、サンプルデータ(の集合)は、系の状態の全体を補間し得るものである必要があり、系への入力物理量として想定される若しくは許容される範囲全体を偏りなくカバーするものであることが望ましい。具体的には例えば、各入力物理量成分について想定される若しくは許容される物理量の範囲(以下、想定・許容範囲という)の上限値,下限値,当該上限値と下限値との間を四等分する値(即ち3つ)の合計5つをサンプル点とし、これら4成分それぞれの5サンプル点のうちの一つずつによって構成される全ての組み合わせをサンプルデータの入力物理量とすることが考えられる。
なお、想定・許容範囲よりも狭い範囲をサンプルデータの入力物理量の上限値,下限値とするようにしても良い。また、或る入力物理量成分が正の範囲(若しくは負の範囲)に変化したときには正と負とのどちらか特定の範囲のみで変化する入力物理量成分については物理量の範囲を限定するなどのように、各入力物理量成分の変化範囲の組み合わせを具体的に想定した場合に考え得る範囲にして想定・許容範囲を個別に調整(具体的には限定)するようにしても良い。また、想定・許容範囲(若しくはそれよりも狭い範囲)の等分数は、四に限られるものではなく、望まれる推定精度や計算時間などを考慮して四より小さくしても良いし大きくしても良い。ただし、サンプルデータ全体の個数としては、数式6から数式9までを用いて求める未知係数の個数が考慮される。
第四近似係数Dの算定は、具体的には、入力物理量の推定時とは逆に、第四近似係数算定用の第一近似係数A'の算定から行う。第四近似係数算定用の第一近似係数A'は、第四近似係数算定用サンプルデータの取得出力物理量CS,ECと入力物理量成分のうちの一つの成分V1との間の関係(数式6:近似係数の第一近似式)から得られる。具体的には、出力物理量種類(EC)毎に、第四近似係数算定用サンプルデータの入力物理量成分V1と出力物理量CS,ECとの組み合わせデータを数式6に代入し、例えば最小二乗法を用いて第四近似係数算定用の第一近似係数A'1,EC〜A'5,ECを求める。
(数6)
S,EC=A'1,EC・(V1)4+A'2,EC・(V1)3+A'3,EC・(V1)2+A'4,EC・(V1)
+A'5,EC
次に、第四近似係数算定用の第一近似係数A'の二つ目の入力物理量成分V2による変化を表したものが第四近似係数算定用の第二近似係数B'になる(数式7:近似係数の第二近似式)。そして、出力物理量種類(EC)毎,係数番号(m1)毎に、第四近似係数算定用サンプルデータの入力物理量成分V2と第一近似係数A'm1,ECとの組み合わせデータを数式7に代入し、例えば最小二乗法を用いて第四近似係数算定用の第二近似係数B'm1,1,EC〜B'm1,5,ECを求める。
(数7)
A'm1,EC=B'm1,1,EC・(V2)4+B'm1,2,EC・(V2)3+B'm1,3,EC・(V2)2
+B'm1,4,EC・(V2)+B'm1,5,EC
同様に、第四近似係数算定用の第二近似係数B'の三つ目の入力物理量成分V3による変化を表したものが第四近似係数算定用の第三近似係数C'になり(数式8:近似係数の第三近似式)、第四近似係数算定用の第三近似係数C'の四つ目の入力物理量成分V4による変化を表したものが第四近似係数Dになる(数式9:近似係数の第四近似式)。そして、出力物理量種類(EC)毎,係数番号(m1,m2)毎に、第四近似係数算定用サンプルデータの入力物理量成分V3と第二近似係数B'm1,m2,ECとの組み合わせデータを数式8に代入し、例えば最小二乗法を用いて第四近似係数算定用の第三近似係数C'm1,m2,1,EC〜C'm1,m2,5,ECを求め、さらに、出力物理量種類(EC)毎,係数番号(m1,m2,m3)毎に、第四近似係数算定用サンプルデータの入力物理量成分V4と第三近似係数C'm1,m2,m3,ECとの組み合わせデータを数式9に代入し、例えば最小二乗法を用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,1,EC〜Dm1,m2,m3,5,ECを求める。
(数8)
B'm1,m2,EC=C'm1,m2,1,EC・(V3)4+C'm1,m2,2,EC・(V3)3
+C'm1,m2,3,EC・(V3)2+C'm1,m2,4,EC・(V3)+C'm1,m2,5,EC
(数9)
C'm1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(V4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(V4)3
+Dm1,m2,m3,3,EC・(V4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(V4)
+Dm1,m2,m3,5,EC
以上の、数式6から数式9までを順に用いる処理によって第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,ECが算定される。
ここで、系の特性である出力物理量と入力物理量との間の特性は、出力物理量の各種類に対して異なる特性を有し得る。したがって、近似係数は出力物理量の各種類(EC)によって異なる値になり得る。また、表1に示すように、全体推定回数n回において、4つの入力物理量成分のうちのいずれの入力物理量成分の推定を行うのか(言い換えると、推定対象の入力物理量成分VE,1,(n,VE1=n'),ECが何か)によって数式5−1,5−2,5−3のVE,2,VE,3,VE,4として使用する推定入力物理量成分VE,VNが変化する。
このことは、出力物理量の種類だけでなく、推定対象の入力物理量成分VE,1の種別(成分)によっても異なる近似係数を有することを表す。したがって、第四近似係数D群は、VE,1=Z成分に対応する群,VE,1=X成分に対応する群,VE,1=Y成分に対応する群,VE,1=Θ成分に対応する群に分けられる。
本実施形態では、制御部11の第四近似係数算定部11aが上述の処理を行うことによって第四近似係数Dが算定される。なお、本実施形態では、第四近似係数算定用サンプルデータとしての入力物理量と出力物理量との組み合わせデータはデータサーバ16内の第四近似係数算定用データベース18に蓄積されており、第四近似係数算定部11aが当該データベース18からサンプルデータを読み込むと共に数式6から数式9までを順に用いる上述の処理を行うことによって入力物理量成分の種別(成分)毎に第四近似係数Dを算定する。また、数式6〜数式9は入力物理量推定プログラム17内に予め規定される。
そして、第四近似係数算定部11aは、入力物理量成分の種別(Z成分,X成分,Y成分,Θ成分)毎に算定した第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4=1,2,…,5;添字EC=1,2,…,16)の値をメモリ15に記憶させる。
続いて、S1−1の処理によって算定された第四近似係数Dを用い、上述の数式5−1から数式5−3までを順に用いる処理によって第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECが算定される(S1−2)。
なお、全体推定回数1回において推定対象とする入力物理量成分は、任意に選択されるようにして良く、入力物理量推定プログラム17内に予め規定されるようにしても良いし、全体推定回数1回におけるS1−2の処理の段階で入力部13を介して指定されるようにしても良い。
本実施形態では、制御部11の第一近似係数算定部11bが、S1−1の処理においてメモリ15に記憶された入力物理量成分の種別毎の第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,ECのうち推定対象の入力物理量成分に対応する第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,ECの値をメモリ15から読み込むと共に、上述の数式5−1から数式5−3までを順に用いることによって第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECを算定する。なお、本実施形態では、推定入力物理量VE,VNはデータサーバ16内の推定入力物理量データベース20に蓄積されており、第一近似係数算定部11bが当該データベース20から入力物理量成分毎に全体推定回数(n−1)回までの推定入力物理量VE,VNの値を読み込んで上述の処理を行う。また、数式5−1〜数式5−3は入力物理量推定プログラム17内に予め規定される。
そして、第一近似係数算定部11bは、算定した第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15に記憶させる。
次に、近似式を用いて推定入力物理量を算出する(S2)。
具体的には、S1−2の処理によって算定された第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECは取得出力物理量CM,ECと推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECとの間の関係を表すものであるので、数式5−4に第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECと取得出力物理量CM,ECとを代入して推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを算出する。
近似式は出力物理量の各種類(EC)に対して成り立っている。さらに,4次多項式の解であるため、第一近似式から4個の推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECが得られる。したがって、算出される推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECの数は,出力物理量16種類合計で64個になる。
本実施形態では、制御部11の推定入力物理量算出部11cが、S1−2の処理においてメモリ15に記憶された第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15から読み込むと共に、数式5−4を用いて推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを算出する。なお、本実施形態では、取得出力物理量CM,ECはデータサーバ16内の取得出力物理量データベース19に蓄積されており、推定入力物理量算出部11cが当該データベース19から取得出力物理量CM,ECを読み込んで上述の処理を行う。また、数式5−4は入力物理量推定プログラム17内に予め規定される。
そして、推定入力物理量算出部11cは、取得出力物理量の16種類毎に4個ずつ算出した推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15に記憶させる。
次に、推定入力物理量の有効判定を行う(S3)。
S2の処理により、出力物理量の16種類毎にそれぞれ4個の推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECが算出される。S3の処理では、これら推定入力物理量の有効判定を行って推定入力物理量を選定する。
有効判定の条件を以下に示す。
1)実数解である
2)全体推定回数(n−1)回における次推定入力物理量成分の判定(S5〜S8)での推定方向指示及びVE,1,(n,VE1=n'),EC入力物理量成分における推定入力物理量の結果を考慮した有効範囲内になっている
次推定入力物理量成分の判定(S5〜S8)では、全体推定次回において推定対象とする入力物理量成分を決定する。このとき、推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを増加すべきか減少すべきかという推定方向指示も行う。そこで、全体推定回数n回における推定結果が全体推定回数(n−1)回での推定方向指示に合致していることを有効判定の条件とする。有効範囲は、全体推定回数n回におけるVE,1,(n,VE1=n'),EC入力物理量成分について、過去の推定結果を考慮するために行う。
すなわち、S3の処理の判定としては、まず、実数解であることを条件とし、その上で、全体推定前回の増減方向指示に合致していると共に想定・許容範囲内にある推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECのみが選定される。なお、全体推定回数1回においては全体推定前回の増減方向指示はないので当然考慮しない。
判定に合格した推定入力物理量を有効とし、以降の推定に用いる。ここで、出力物理量の一つの種類について複数の推定入力物理量が有効と判定された場合は、他の出力物理量種類の推定入力物理量の平均に近い値を有効とする。このように、出力物理量の一つの種類に対して1個の推定入力物理量を選定する。
本実施形態では、制御部11の有効判定部11dが、S2の処理においてメモリ15に記憶された推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15から読み込み、上述の考え方に従って出力物理量の16種類毎に推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECを1個選定する。
そして、有効判定部11dは、出力物理量の16種類毎に1個選定した推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15に記憶させる。
次に、推定入力物理量の決定を行う(S4)。
S3までの処理により、出力物理量の16種類毎に1個ずつで合計16個の推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECが得られる。そして、これら16個の値の平均を、全体推定回数n回の推定対象になっている入力物理量成分の推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n')とする。
本実施形態では、制御部11の推定入力物理量決定部11eが、S3の処理においてメモリ15に記憶された16個の推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15から読み込み、これら16個の値の平均(VE,1,(n,VE1=n'))を算出する。
そして、推定入力物理量決定部11eは、算出した平均値(VE,1,(n,VE1=n'))をメモリ15に記憶させると共に、推定対象になっている入力物理量成分の全体推定回数n回までの推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n')の値としてデータサーバ16内の推定入力物理量データベース20に蓄積する。
続いて、判定の処理(S5〜S9)を行う。なお、判定の処理のうち、S5〜S8の処理は次推定入力物理量成分判定のための操作であり、S9の処理は打ち切り判定の操作である。
次推定入力物理量成分判定の処理として、まず、推定出力物理量CEを算出する(S5)。
数式5−4を変形すると数式10が得られる。
(数10)
E,(n,VE1=n'),EC=A1,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'))4
+A2,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'))3
+A3,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'))2
+A4,(n,VE1=n'),EC・(VE,1,(n,VE1=n'))
+A5,(n,VE1=n'),EC
S1−2の処理によって算定された第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECとS4の処理によって算出された推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n')とを数式10に代入し、出力物理量種類(EC)毎に推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECを算出する。
本実施形態では、制御部11の推定出力物理量算出部11fが、S1−2の処理においてメモリ15に記憶された第一近似係数Am1,(n,VE1=n'),ECの値とS4の処理においてメモリ15に記憶された推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n')の値とをメモリ15から読み込むと共に、数式10を用いて推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECを算出する。
そして、推定出力物理量算出部11fは、算出した推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15に記憶させる。
次に、残差CRを算出する(S6)。
具体的には、S5の処理によって算出された推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECについて、出力物理量種類(EC)毎に数式11によって残差CR,(n,VE1=n'),ECを算出する。
(数11) 残差CR,(n,VE1=n'),EC=取得出力物理量CM,EC−推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),EC
さらに、数式12によって残差CR,(n,VE1=n'),ECの値を正・負の二値化する。
(数12)
R,(n,VE1=n'),EC<0 ならば CBR,(n,VE1=n'),EC=0
R,(n,VE1=n'),EC>0 ならば CBR,(n,VE1=n'),EC=1
本実施形態では、制御部11の残差算出部11gが、データサーバ16内の取得出力物理量データベース19から取得出力物理量CM,ECを読み込むと共にS5の処理においてメモリ15に記憶された推定出力物理量CE,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15から読み込み、数式11によって残差CR,(n,VE1=n'),ECを算出すると共に数式12によって残差CR,(n,VE1=n'),ECの値を二値化してCBR,(n,VE1=n'),ECの値を決定する。
そして、残差算出部11gは、算出した残差CR,(n,VE1=n'),ECの値並びに残差二値化CBR,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15に記憶させる。
次に、残差二値化CBRと増減表VBとの比較を行う(S7)。
増減表VBとは、入力物理量がゼロから変化したときの各出力物理量種類の変化(全ての入力物理量成分がゼロの状態からの変化)の傾向を増・減で二値化した表である。増減表VBは、入力物理量の4つの成分それぞれの2方向(増加(+),減少(−))で全8成分方向(具体的には、Z(+),Z(−),X(+),X(−),Y(+),Y(−),Θ(+),Θ(−)の8成分方向)のうち、4つの成分それぞれから一つずつを選択して組み合わせた条件(全16パターン;以下、成分方向パターンという)について、例えば実際に計測したり理論的に考えられるものとして整理したりするなどによって予め作成しておく。なお、4つの成分を組み合わせることで4自由度の変化に対応し得る。また、成分方向パターンのそれぞれに対応する各増減表VBは出力物理量種類(EC)毎の16個の増減表要素vB,ECによって構成される。増減表要素vB,ECの値としては、出力物理量種類の変化の傾向が、増加の場合には「1」が与えられ、減少の場合には「0」が与えられる。
そして、S6の処理によって得られた残差二値化CBR,(n,VE1=n'),ECと増減表VBとを比較することで、全体推定回数n回の時点で推定入力物理量にはどの成分が足りないのかを確認する。
比較は、出力物理量の16種類を1セットとして行い、数式13に示すように、残差二値化CBR,(n,VE1=n'),ECと増減表要素vB,ECとが一致している出力物理量種類には比較結果値Rn,ECとして「1」が与えられ、一致していない出力物理量種類には比較結果値Rn,ECとして「0」が与えられる。
(数13)
BR,(n,VE1=n'),EC≠vB,EC ならば Rn,EC=0
BR,(n,VE1=n'),EC=vB,EC ならば Rn,EC=1
そして、成分方向パターンのそれぞれについて「1」の個数の総数をパターン点数とする。当該パターン点数を全16の成分方向パターンにおける各成分方向の点数とする。そして、4成分2方向の8成分方向毎のパターン点数の合計点数を求める。具体的には例えば、8成分方向のうちのZ(+)についての合計点数は、16の成分方向パターンのうちZ(+)が含まれる8パターンのパターン点数の合計として算出する。
本実施形態では、制御部11の比較部11hが、S6の処理においてメモリ15に記憶された残差二値化CBR,(n,VE1=n'),ECの値をメモリ15から読み込み、成分方向パターン毎に数式13によって出力物理量種類毎に比較結果値Rn,ECを決定すると共にパターン点数を算出する。なお、増減表VB(具体的には、出力物理量種類(EC)毎の増減表要素vB,ECの値)は、例えば、入力物理量推定プログラム17中に予め規定されるようにしても良いし、制御部11が参照可能な増減表データファイルとして記憶部12に記憶されるようにしても良い。
そして、比較部11hは、成分方向パターン毎のパターン点数を用いて8成分方向毎のパターン点数の合計点数を算出し、当該合計点数をメモリ15に記憶させる。
次に、次推定入力物理量成分を決定する(S8)。
具体的には、次推定入力物理量成分の決定は、前出の4成分2方向の8成分方向における点数によって行う。決定に使用する点数は以下の三つである。
1)残差点数
2)成分推定回数点数
3)禁止点数
まず、残差点数としてはS7の処理によって算出された8成分方向毎のパターン点数の合計点数を用いる。
また、成分推定回数点数は、或る入力物理量成分のみ多く推定されることを緩和するための点数であり、4つの入力物理量成分(増減の方向は考慮しない)に対して数式14によって与えられる。なお、数式14中のn'maxは、入力物理量成分毎の推定回数の最大値であり、特定の値に限られるものではなく、例えば10程度の値に適宜設定される。
(数14) (成分推定回数点数)=n'max−(各入力物理量成分の推定回数)
なお、4成分として扱う理由は、全体推定回数n,n+1,n+2,…回において同じ入力物理量成分を推定入力物理量VE,1とすることができないためである。これは、近似係数の更新の仕組みから、数式5−1,5−2,5−3に用いる推定入力物理量VE,2,VE,3,VE,4が変化しなければ、近似係数は変化しないためである。
さらに、禁止点数は、全体推定回数n,n+1,n+2,…回において連続で同じ入力物理量成分が推定入力物理量VE,1となることを防ぐための点数である。禁止点数としては、全体推定回数n回において推定入力物理量VE,1,(n,VE1=n')になった(即ち、推定対象になった)入力物理量成分には「−1」が与えられ、それ以外には「0」が与えられる。なお、成分推定回数点数と同様に4つの入力物理量成分(増減の方向は考慮しない)に対しての点数である。
以上の三つの点数によって次推定入力物理量成分の決定を行う。残差点数において8成分方向中で点数が最大の成分を第一位優位入力物理量成分群,二番目に大きい成分を第二位優位入力物理量成分群とする。点数は第一位優位及び第二位優位入力物理量成分群に含まれる成分のみに数式15によって与えられる。
(数15) (残差点数)+(成分推定回数点数)+(禁止点数)
数式15によって算出される点数が大きいほど、全体推定回数n回の時点で推定入力物理量に不足している成分である。なお、8成分方向の中から優位のものを決定するので、当該処理において次推定入力物理量成分と共に推定方向も決定されることになる。
本実施形態では、制御部11の次推定成分決定部11iが第一位優位入力物理量成分群と第二位優位入力物理量成分群との特定をすると共にこれら成分に含まれる成分について数式15によって点数を算出する。さらに、次推定成分決定部11iは、算出された点数が最も大きい入力物理量成分を次に推定を行う成分として特定する。
そして、次推定成分決定部11iは特定された入力物理量の方向成分を次推定入力物理量成分及び推定方向指示としてメモリ15に記憶させる。
次に、打ち切り判定を行う(S9)。
打ち切り判定は、数式16によって算出される出力物理量種類毎の残差CR,(n,VE1=n'),ECの絶対値の大きさに基づいて行う。
(数16) |CR,(n,VE1=n'),EC|=|CM,(n,VE1=n'),EC−CE,(n,VE1=n'),EC|
残差CR,(n,VE1=n'),ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になった場合にその出力物理量の種類を「合格(1)」とする。なお、打ち切り判定閾値は、特定の値に限られるものではなく、推定対象の系における出力物理量の大きさや望まれる推定精度などを考慮して適宜設定される。具体的には例えば、推定対象の系への入力物理量の或る成分を下限から上限まで変化させた場合の出力物理量の種類毎の変化量の1%や数%に設定することが考えられる。
そして、16個の出力物理量種類のうちK個が「合格」になった時点で入力物理量の推定処理を終了する。なお、Kの値は、特定の値に限られるものではなく、望まれる推定精度などを考慮して適宜設定される。具体的には例えば、13や14程度に設定することが考えられる。以上より、16個の出力物理量種類のうちK個の出力物理量種類において残差CR,(n,VE1=n'),ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを推定処理の終了条件とする。
本実施形態では、制御部11の打ち切り判定部11jが数式16によって算出される残差CR,(n,VE1=n'),ECの絶対値に基づいて打ち切り判定を行う。なお、打ち切り判定閾値は本実施形態では入力物理量推定プログラム17内に規定される。
そして、終了条件を満たしておらず推定処理の続行を決定した場合には(S9:No)、制御部11は、入力物理量の推定処理をS1−2の処理に戻し、全体推定回数nに1を加えてS9までの処理を繰り返す。
一方、終了条件を満たして打ち切りを決定した場合には(S9:Yes)、打ち切り判定部11jは、当該時点においてデータサーバ16内の推定入力物理量データベース20に蓄積されている入力物理量成分(VN)毎の全体推定回数n回までの(言い換えると、最新の)推定入力物理量VE,VNを最終の推定結果として、表示部14に表示したり、推定結果ファイルとして記憶部12に記録したりする。そして、制御部11は入力物理量の推定処理を終了する(END)。
以上のように構成された本発明の入力物理量推定方法、推定装置並びに推定プログラムによれば、系への入力と系からの出力とがどちらも多変数(多元・多次元の物理量)である場合に系からの出力に基づいて前記系への入力を推定することができるので、推定方法としての汎用性の向上を図ることが可能になる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、4つの物理量によって表される系への入力に起因して16個の物理量が前記系から出力される場合に、当該16個の物理量に基づいて前記入力を表す4つの物理量を推定する場合を例に挙げたが、入力物理量の成分の数や出力物理量の種類の数はこれらには限られない。なお、入力物理量の成分の数によって、上述の実施形態では数式5−1〜数式5−4として表した近似式の個数及び数式6〜数式9として表した近似係数算定用の近似式の個数が変わる。具体的には例えば、入力物理量の成分の数が3つの場合には、数式5−2〜数式5−4までの近似式を用いることになり、数式5−2の第三近似式の第三近似係数Cの値を数式6〜数式8までの近似係数算定用の近似式を用いて予め算定することになる。或いは、入力物理量の成分の数が5つの場合には、数式5−1〜数式5−4に加えて数式17として表される第五近似式も用いるようにし、当該第五近似式の第五近似係数Eの値を数式6〜数式9に加えて数式18も用いて予め算定する。一方、出力物理量の種類の数を変化させる場合は、各変数の添字ECの取り得る値の範囲を調整すれば良い。
(数17)
m1,m2,m3,m4,(n,VE1=n'),EC
=Em1,m2,m3,m4,1,(n,VE1=n'),EC・(VE,5,(n,VE1=n'))4
+Em1,m2,m3,m4,2,(n,VE1=n'),EC・(VE,5,(n,VE1=n'))3
+Em1,m2,m3,m4,3,(n,VE1=n'),EC・(VE,5,(n,VE1=n'))2
+Em1,m2,m3,m4,4,(n,VE1=n'),EC・(VE,5,(n,VE1=n'))
+Em1,m2,m3,m4,5,(n,VE1=n'),EC
(数18)
m1,m2,m3,m4,EC=Em1,m2,m3,m4,1,EC・(V5)4+Em1,m2,m3,m4,2,EC・(V5)3
+Em1,m2,m3,m4,3,EC・(V5)2+Em1,m2,m3,m4,4,EC・(V5)
+Em1,m2,m3,m4,5,EC
また、上述の実施形態では、数式5−1〜数式5−4によって表される近似式として4次多項式を用いるようにしているが、これら近似式の次数は4次には限られない。4次より少ない次数でも良いし、4次より大きい次数でも良い。
また、上述の実施形態においては、第四近似係数算定用データベース18,取得出力物理量データベース19,推定入力物理量データベース20を格納する記憶手段としてデータサーバ16を用いるようにしているが、各種データベースを格納・記憶する手段はデータサーバに限られるものではなく、例えば記憶部12や種々の記憶媒体など他の記憶手段を用いるようにしても良い。
また、上述の実施形態においては、入力物理量VE,VNが表す推定入力物理量成分の組み合わせを表1に示すものにしているが、当該組み合わせは表1に示すものに限られるものではなく、一つの組み合わせ中の成分が全て異なっていれば任意に設定して良い。
また、上述の実施形態においては、次推定入力物理量成分の決定の操作としてS7及びS8の処理を行うようにしているが、これらS7及びS8の判定処理を行わず、入力物理量成分を予め決めた順番に従って推定対象の入力物理量成分とするようにしても良い。すなわち、S7及びS8の処理は、推定処理を効率的に行うようにして処理時間を短縮することができる点で好ましい操作ではあるものの本発明に必須の操作ではない。したがって、上述の実施形態の例であれば、例えばZ成分→X成分→Y成分→Θ成分→Z成分→X成分→(以降同様に繰り返し)のように推定対象とする入力物理量成分の順番を決めておき、S6の処理の後にS9の処理を行い、推定処理続行の場合(S9:No)には前記順番に従って推定対象とする入力物理量成分を新たに決定してS1−2の処理に戻るようにしても良い。なお、S7及びS8の処理を行わない場合にはS3の処理において推定方向指示を考慮しない。
10 入力物理量推定装置
17 入力物理量推定プログラム

Claims (3)

  1. 4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して16個の出力物理量種類が前記系から出力される場合に前記16個の出力物理量種類に基づいて前記4つの入力物理量成分を推定する際に、
    前記4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した前記4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(1〜4の整数))と前記16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式1−1から数式1−4までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(それぞれ1〜5の整数))を算定する処理と、
    推定対象とした入力物理量成分について、前記第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式2−1から数式2−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,ECを算定する第一近似係数算定処理と、数式2−4に前記第一近似係数Am1,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して前記16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,ECを算出する処理と、前記4つずつの推定入力物理量VE,1,ECから前記出力物理量種類毎に1個を選定する処理と、前記出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,avを算出して当該平均VE,avを前記推定対象とした入力物理量成分についての前記推定入力物理量VE,VNとする処理と、数式3に前記第一近似係数Am1,EC及び前記推定入力物理量の平均VE,avを代入して推定出力物理量CE,ECを算出する処理と、数式4に前記推定出力物理量CE,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,ECを算出する処理とを有し、
    前記16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類において前記残差CR,ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して前記第一近似係数算定処理に戻り、前記終了条件を満たした場合には推定処理を終了することを特徴とする入力物理量推定方法。
    (数1−1)
    S,EC=A'1,EC・(V1)4+A'2,EC・(V1)3+A'3,EC・(V1)2+A'4,EC・(V1)
    +A'5,EC
    (数1−2)
    A'm1,EC=B'm1,1,EC・(V2)4+B'm1,2,EC・(V2)3+B'm1,3,EC・(V2)2
    +B'm1,4,EC・(V2)+B'm1,5,EC
    (数1−3)
    B'm1,m2,EC=C'm1,m2,1,EC・(V3)4+C'm1,m2,2,EC・(V3)3
    +C'm1,m2,3,EC・(V3)2+C'm1,m2,4,EC・(V3)+C'm1,m2,5,EC
    (数1−4)
    C'm1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(V4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(V4)3
    +Dm1,m2,m3,3,EC・(V4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(V4)
    +Dm1,m2,m3,5,EC
    (数2−1)
    m1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(VE,4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(VE,4)3
    +Dm1,m2,m3,3,EC・(VE,4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(VE,4)
    +Dm1,m2,m3,5,EC
    (数2−2)
    m1,m2,EC=Cm1,m2,1,EC・(VE,3)4+Cm1,m2,2,EC・(VE,3)3
    +Cm1,m2,3,EC・(VE,3)2+Cm1,m2,4,EC・(VE,3)+Cm1,m2,5,EC
    (数2−3)
    m1,EC=Bm1,1,EC・(VE,2)4+Bm1,2,EC・(VE,2)3+Bm1,3,EC・(VE,2)2
    +Bm1,4,EC・(VE,2)+Bm1,5,EC
    (数2−4)
    0=A1,EC・(VE,1,EC)4+A2,EC・(VE,1,EC)3+A3,EC・(VE,1,EC)2
    +A4,EC・(VE,1,EC)+A5,EC−CM,EC
    (数3)
    E,EC=A1,EC・(VE,av)4+A2,EC・(VE,av)3+A3,EC・(VE,av)2
    +A4,EC・(VE,av)+A5,EC
    (数4)
    R,EC=CM,EC−CE,EC
  2. 4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して前記系から出力された16個の出力物理量種類のデータが保管されている記憶部を有する若しくは前記データが保管されている記憶装置と接続された装置であって、前記16個の出力物理量種類に基づいて前記4つの入力物理量成分を推定するために、
    前記4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した前記4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(1〜4の整数))と前記16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式1−1から数式1−4までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(それぞれ1〜5の整数))を算定する手段と、
    推定対象とした入力物理量成分について、前記第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式2−1から数式2−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,ECを算定する第一近似係数算定手段と、数式2−4に前記第一近似係数Am1,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して前記16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,ECを算出する手段と、前記4つずつの推定入力物理量VE,1,ECから前記出力物理量種類毎に1個を選定する手段と、前記出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,avを算出して当該平均VE,avを前記推定対象とした入力物理量成分についての前記推定入力物理量VE,VNとする手段と、数式3に前記第一近似係数Am1,EC及び前記推定入力物理量の平均VE,avを代入して推定出力物理量CE,ECを算出する手段と、数式4に前記推定出力物理量CE,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,ECを算出する手段とを有し、
    前記16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類において前記残差CR,ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して前記第一近似係数算定手段が前記第一近似係数 m1,EC 算定する処理に戻り、前記終了条件を満たした場合には推定処理を終了することを特徴とする入力物理量推定装置。
    (数1−1)
    S,EC=A'1,EC・(V1)4+A'2,EC・(V1)3+A'3,EC・(V1)2+A'4,EC・(V1)
    +A'5,EC
    (数1−2)
    A'm1,EC=B'm1,1,EC・(V2)4+B'm1,2,EC・(V2)3+B'm1,3,EC・(V2)2
    +B'm1,4,EC・(V2)+B'm1,5,EC
    (数1−3)
    B'm1,m2,EC=C'm1,m2,1,EC・(V3)4+C'm1,m2,2,EC・(V3)3
    +C'm1,m2,3,EC・(V3)2+C'm1,m2,4,EC・(V3)+C'm1,m2,5,EC
    (数1−4)
    C'm1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(V4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(V4)3
    +Dm1,m2,m3,3,EC・(V4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(V4)
    +Dm1,m2,m3,5,EC
    (数2−1)
    m1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(VE,4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(VE,4)3
    +Dm1,m2,m3,3,EC・(VE,4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(VE,4)
    +Dm1,m2,m3,5,EC
    (数2−2)
    m1,m2,EC=Cm1,m2,1,EC・(VE,3)4+Cm1,m2,2,EC・(VE,3)3
    +Cm1,m2,3,EC・(VE,3)2+Cm1,m2,4,EC・(VE,3)+Cm1,m2,5,EC
    (数2−3)
    m1,EC=Bm1,1,EC・(VE,2)4+Bm1,2,EC・(VE,2)3+Bm1,3,EC・(VE,2)2
    +Bm1,4,EC・(VE,2)+Bm1,5,EC
    (数2−4)
    0=A1,EC・(VE,1,EC)4+A2,EC・(VE,1,EC)3+A3,EC・(VE,1,EC)2
    +A4,EC・(VE,1,EC)+A5,EC−CM,EC
    (数3)
    E,EC=A1,EC・(VE,av)4+A2,EC・(VE,av)3+A3,EC・(VE,av)2
    +A4,EC・(VE,av)+A5,EC
    (数4)
    R,EC=CM,EC−CE,EC
  3. 4つの入力物理量成分によって表される系への入力に起因して前記系から出力された16個の出力物理量種類のデータが保管されている記憶部を有する若しくは前記データが保管されている記憶装置と接続されたコンピュータを、前記16個の出力物理量種類に基づいて前記4つの入力物理量成分を推定する際に、
    前記4つの入力物理量成分毎に、予めサンプルとして取得した前記4つの入力物理量成分別の入力物理量VVN(ただし、添字VN:入力物理量成分の識別番号(1〜4の整数))と前記16個の出力物理量種類別の出力物理量CS,EC(ただし、添字EC:出力物理量種類の識別番号(1〜16の整数))との組み合わせデータ及び数式1−1から数式1−4までを順番に用いて第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC(ただし、添字m1,m2,m3,m4:係数の識別番号(それぞれ1〜5の整数))を算定する手段、
    推定対象とした入力物理量成分について、前記第四近似係数Dm1,m2,m3,m4,EC及び推定入力物理量成分VE,VN並びに数式2−1から数式2−3までを順番に用いて第一近似係数Am1,ECを算定する第一近似係数算定手段、数式2−4に前記第一近似係数Am1,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECとを代入して前記16個の出力物理量種類毎に4つずつの推定入力物理量VE,1,ECを算出する手段、前記4つずつの推定入力物理量VE,1,ECから前記出力物理量種類毎に1個を選定する手段、前記出力物理量種類毎に1個選定された推定入力物理量の平均VE,avを算出して当該平均VE,avを前記推定対象とした入力物理量成分についての前記推定入力物理量VE,VNとする手段、数式3に前記第一近似係数Am1,EC及び前記推定入力物理量の平均VE,avを代入して推定出力物理量CE,ECを算出する手段、数式4に前記推定出力物理量CE,EC及び前記系から取得された出力物理量CM,ECを代入して残差CR,ECを算出する手段として機能させると共に、
    前記16個の出力物理量種類のうち予め定めた個数の出力物理量種類において前記残差CR,ECの絶対値の大きさが予め定めた打ち切り判定閾値以下になることを終了条件とし、当該終了条件を満たしていない場合には推定対象とする入力物理量成分を新たに決定して前記第一近似係数 m1,EC 算定する処理に戻り、前記終了条件を満たした場合には推定処理を終了するように機能させるための入力物理量推定プログラム。
    (数1−1)
    S,EC=A'1,EC・(V1)4+A'2,EC・(V1)3+A'3,EC・(V1)2+A'4,EC・(V1)
    +A'5,EC
    (数1−2)
    A'm1,EC=B'm1,1,EC・(V2)4+B'm1,2,EC・(V2)3+B'm1,3,EC・(V2)2
    +B'm1,4,EC・(V2)+B'm1,5,EC
    (数1−3)
    B'm1,m2,EC=C'm1,m2,1,EC・(V3)4+C'm1,m2,2,EC・(V3)3
    +C'm1,m2,3,EC・(V3)2+C'm1,m2,4,EC・(V3)+C'm1,m2,5,EC
    (数1−4)
    C'm1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(V4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(V4)3
    +Dm1,m2,m3,3,EC・(V4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(V4)
    +Dm1,m2,m3,5,EC
    (数2−1)
    m1,m2,m3,EC=Dm1,m2,m3,1,EC・(VE,4)4+Dm1,m2,m3,2,EC・(VE,4)3
    +Dm1,m2,m3,3,EC・(VE,4)2+Dm1,m2,m3,4,EC・(VE,4)
    +Dm1,m2,m3,5,EC
    (数2−2)
    m1,m2,EC=Cm1,m2,1,EC・(VE,3)4+Cm1,m2,2,EC・(VE,3)3
    +Cm1,m2,3,EC・(VE,3)2+Cm1,m2,4,EC・(VE,3)+Cm1,m2,5,EC
    (数2−3)
    m1,EC=Bm1,1,EC・(VE,2)4+Bm1,2,EC・(VE,2)3+Bm1,3,EC・(VE,2)2
    +Bm1,4,EC・(VE,2)+Bm1,5,EC
    (数2−4)
    0=A1,EC・(VE,1,EC)4+A2,EC・(VE,1,EC)3+A3,EC・(VE,1,EC)2
    +A4,EC・(VE,1,EC)+A5,EC−CM,EC
    (数3)
    E,EC=A1,EC・(VE,av)4+A2,EC・(VE,av)3+A3,EC・(VE,av)2
    +A4,EC・(VE,av)+A5,EC
    (数4)
    R,EC=CM,EC−CE,EC
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