JP5642090B2 - 印象用トレー、および口腔内または人体における構造、配置または形状を捉える方法 - Google Patents

印象用トレー、および口腔内または人体における構造、配置または形状を捉える方法 Download PDF

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Description

本発明は、歯科印象用トレーなどの印象用トレーに関する。また本発明は、構造、配置または形状を捉える方法、好ましくは口腔内の歯の構造、配置または形状、あるいは人体における構造、配置または形状を捉える方法などに関する。本発明の重要な応用分野は歯学分野であり、患者の口腔内の歯科構造を捉えることにあるが、他の医学分野においても、例えばスプリント、補綴物または他の人工装具(例えば骨プレートなど)を作製するために、体表(例えば腕など)や骨格の寸法、配置および形状を測定する目的で使用できる。補綴物および人工装具の使用において重要な点は、精度の高さはもちろんのこと、対応装具が患者に使用できる状態になるまでにかかる製作時間、医師が型取りやフィッティングを行う上での取り扱い易さ、および型取りからフィッティングまでの作業でかかる患者へのストレスである。特に歯学分野においては(歯学分野に限定されないが)、診断を受けるための最初の診察予約から処置の完了までの一連の作業にかかるコストも非常に重要である。
例えば歯学分野において、実歯の印象およびその印象から手作業で作製された石膏模型を用いて、必要な補綴物を再度手作業で製作することが今日でも通常行われている。一連の作業が長い時間を要し、それに応じた高いコストがかかる上、精度に限度があって往々にして不十分であるため、面倒でコストの嵩む作業を再度行うことが必要となる。
その一方で、コンピュータ支援の手法を用いて歯のデータおよび/または構造を患者の口腔内で測定できる方法が見本市などで知られるようになっている。このような診療から知られている方法および技術は、コンピュータ支援の歯学ともいわれているが、患者の口腔内の歯科構造を捉えるためのこのような方法および技術は、患者の治療に意義があるレベルにまで確立されていない。これは、この方法および技術に関連する欠点に起因する。
診療から知られているこの方法および技術を使用する場合、まず、歯科印象用トレーとして知られているものに弾性のある慣用の印象用組成物を充填し、これを用いて患者の口腔内の歯または歯科構造の印象を採得する。次いで、この印象を用いて石膏模型を作製し、この模型を機械的に、光学的にまたはその他の方法でスキャンして、患者の歯または歯科構造の3次元データを得る。この3次元データにより補綴物を自動で作製することができる。この方法により、高い精度で比較的迅速に作製することが可能となり、また再加工や再作製も容易になるが、以下のような欠点もある。
−石膏模型の作製は、ほとんど自動化できていないため、時代遅れでいまだ労働集約型であり、したがってコストもいまだに非常に高い。
−ネガ型印象を使用して石膏模型を作らなければならないが、印象採得の段階で精度が損なわれており、さらにその精度がその後の補綴物の精度を決定する。
−弾性印象材を硬化させて、練和(不可逆的変形)可能な状態から弾性的変形(可逆的変形)のみ可能な状態へと変化させなければならないので、患者にとって印象が採得されている間の待ち時間は不快なものである。
−印象用組成物はいったん使用すると「失われる」ものである。これは、印象用組成物が弾性的変形(可逆的変形)のみ可能な状態へと硬化しており、石膏模型のための鋳型として技工室行きとなるためである。このような素材の消費は、作製した印象を廃棄することから、環境にも影響を与えることになる。
−印象を技工室へ移動させることは、時間を要するだけでなく、印象の破折や紛失といったリスクを伴う。
−使用される印象用組成物は、歯科手術において十分な量を保存しておく必要があるが、あまりに長い間保存すると乾燥してしまう恐れがある。
−石膏模型からデジタルデータを生成する時、石膏模型または印象を基礎とする必要があり、患者自身の状態を参考にすることができない。そのため、同じ患者の別の印象を歯科医が手間暇かけて採得する以外に、異常を明らかにする方法はない。一方、既にさらなる治療(例えば、歯を削ってクラウンのための支台歯をつくるなど)が通常は既に行われているため、周辺の歯の領域を前/後の状態で比較検討することは不可能である。
−コンピュータ支援の領域(デジタルデータ)では、作製のためにさらなる処理を行うことはできない。
これらの欠点に対処するために、患者の口腔内で直接使用される光学ビデオシステムまたは光学スキャナーシステムが開発されている。これらのシステムは、例えば見本市などで知られるようになったが、これらもまた、実際の治療に使えるところまでは進歩していない。なぜなら、石膏模型のデータを取得する技術および手順の欠点の一部を理論上克服しているものの、これらのシステムに固有の以下のような欠点を容認することが必要となるからである。
−患者の口腔内に導入する小型の装置を用いた場合、例えば歯列全体を正確に捉えることなどができず、取り扱いが極めて難しい。
−床置き型の装置は、画像が記録されている間は常に頭と顎を特定の位置に保つ必要があり、患者はこれに合わせなければならない。そのため、患者はかなりの不快感に耐えることを要求される。
−割に合う努力により採得できるのは光学2次元画像のみである。これは、機械的なスキャン操作を行うには、膨大な時間が要求されるからである。
−労力や時間をかけて作業員を訓練する必要があり、また、「不器用」から生じるエラーは排除するのが難しい。
−唾液や影による明確な誤差が生じる、スキャンや画像において基準が欠けているか不正確である、およびさらなる処理によって費用が増大するなどの問題がある。
−センサー/レンズ上の沈着などの装置の欠陥や作業員の技能不足または集中力の欠如などが原因で起こった歪みに気付かないまま作業が進行し、作製した補綴物が使用不可となることがあり、また補綴物が作製された後に発覚する場合もある。
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服する、または少なくともそれらを減じることであり、本発明によりこれを達成する。
この目的のため本発明は、歯科印象用トレーなどの印象用トレーを提供する。該印象用トレーは変形可能な印象用組成物を保持し、具体的には人の体内または体表、好ましくは口腔内の配置、形状および/または寸法の印象、さらに好ましくは歯または歯科構造の少なくとも一部の印象を作製することができる。前記印象用トレーは、さらにセンサー装置を有し、該装置により、印象作製時に印象用組成物の少なくとも1つの物理的性質および/または変数の変化を空間分解された状態で捉えて電子情報処理に適した形で提供することができる。
「印象用トレー」とは、印象用組成物のための担体要素の代表的なものであり、よって本発明は、トレーの形態をした担体要素の使用、または従来の意味での歯科印象用トレーに基づく構成に限定されるものではない。むしろ、当業者には明らかなように、担体要素の形態、形状および寸法は、意図した用途によって決まるため、本発明の知識を持った当業者が独創力を行使しなくても実施できるものである。
本発明により、容易で、信頼性高く、正確な方法で、口腔内の歯の構造、配置または形状、あるいは人の体表または体内の構造、配置または形状を3次元デジタルデータの形で取得することが可能になる。
センサー装置は、印象用組成物における、
−放射線透過性および/または放射線吸収の変化、具体的には光透過性および/または光吸収の変化、
−導電率の変化、
−圧力の変化、具体的には圧力変化の結果として起こる導電率の変化、
−変形、
−横断面の変化または厚さの変化、
−電気抵抗の変化、および/または
−異種原子の密度変化および/または分布変化、いずれの場合も、具体的には異種原子の密度変化および/または分布変化の結果として起こる導電率または光学伝導率の変化
を空間分解された状態で捉えるよう設計されているのが好ましい。
さらに好ましくは、インターフェース装置がセンサー装置の出力側に連結されており、該インターフェース装置により、センサー装置で生成されたデータを電子情報処理に適した形で転送することができる。前記インターフェース装置は、USBインターフェース装置を含むのが好ましい。
またメモリー装置、具体的には着脱可能なメモリー装置が、好ましくはチップカードやメモリースティックとしてインターフェース装置の下流に配置されているのが好ましい。
また接続装置、具体的には無線通信接続装置が、好ましくはブルートゥースデバイス、赤外線デバイスおよび/または無線通信デバイスとしてインターフェース装置の下流に配置されているのが好ましい。
本発明の印象用組成物は、具体的には均質な組成物である。印象用組成物を、慣用の印象用組成物と同様に、歯科印象用トレー、一般には印象用トレーの対応する構成に充填し、次いで印象用トレーを、慣用の方法と同様の方法で患者の口腔内に配置して歯に圧接する。例えば、印象用組成物は毎回使用後に殺菌して再利用してもよい。また印象用組成物が有する好ましい特性としては、
−光透過性
−導電性
−圧力による導電率の変化
−変形による測定
−横断面の変化
−抵抗の増大
−導電率を決定する異種原子の密度および分布
が挙げられる。
人体における歯またはそれ以外の構造に圧接した時の組成物の変化およびその特性に応じたデータが、印象用トレー、具体的には歯科印象用トレーの表面および内面のセンサー装置に送られる。このようにして得られたデータは、具体的には歯科印象用トレーなどの印象用トレーに直接保存されてもよく、または該データをさらなる処理のために利用できる中央のPCにケーブル、USBまたは無線通信を介して送信されてもよい。
さらなる処理のために歯科技工室へデータをオンラインで直接送信できるのがさらに有利である。
本発明の別の好ましい発展においては、印象用トレーが、X線フィルムホルダー用の担体として設置されているかまたは機能する。さらにこの場合、印象用トレーの素材は、少なくとも測定部位または処置部位で使用される領域または部分ではX線を透過させないようなものであってよい。
さらに好ましくは、時間計測装置が印象用トレーと一体化されており、具体的には、該時間計測装置は、光学信号および/もしくは音響信号の伝送装置、ならびに/または表示装置としての機能を担う。
本発明の別の好ましい構成においては、一体型蓄電池を備えており、具体的には、できればUSBポートを介してチャージすることが可能な蓄電池である。
人間工学的に適した形のハンドルを備えているのがさらに有利である。
さらなる好ましい実施形態において、ベースプレート、フレーム、内部境界面およびセンサー装置を有する撮像ユニットおよび記録ユニットを備えている。さらにこの場合、撮像ユニットおよび記録ユニットは、具体的にはU字型の保持プレートによりハンドル(10)に着脱可能な状態で接続されているのが好ましく、かつ/または印象用トレーの表面、または少なくともベースプレート、フレーム、内部境界面およびセンサー装置の表面は、表面に細菌が付着しないようなまたは表面の細菌が自動的に死滅するようなコーティングまたは最終加工がなされていてもよく、かつ/または少なくともベースプレート、フレーム、内部境界面および/またはセンサー装置の大きさは調整可能である。
さらに、加温装置を備えていることが好ましく、これは具体的には印象用組成物(14)の流動性を変化させるためまたはトレー自体を殺菌する機能を提供するためである。
さらなる好ましい実施形態において、印象用トレーの下側に、対顎の噛み合わせ位置を決めるための見当標があり、かつ/または印象用トレーが、上顎と下顎の印象を同時に採得するのに使用できるよう設計されている。
また印象用トレーにおいて、使用される印象用組成物、具体的には透明なプラスチックなどが、研磨によって、同時に光学レンズとしても使用できることも好ましい。
光波に対して特定の方法でのみ反応するか、特定の光波にのみ反応する1以上の物質を含む印象用組成物に、センサー装置が反応するように設計されているのも有利である。この場合、センサー装置、撮像ユニットおよび/または記録ユニットが光波を提供するよう設計されている、かつ/または物体が印象用組成物に押し付けられるときにセンサー装置が印象用組成物内で変化する伝搬または反射の挙動を測定できるよう設計されているのが好ましい。
また印象用組成物は、透過性ポリエーテル、好ましくは親水性の高い透過性ポリエーテルであるか、ポリエーテル、A−シリコーン、C−シリコーン親水コロイド、多硫化物および/またはアルギン酸塩をベースとした印象用組成物であることが好ましい。
別の好ましい実施形態において、印象用組成物は再利用可能である。
印象を採得した後、噴霧剤、液剤などの薬剤を適用すると該薬剤に反応してデータ転送および/またはデータ保存をもたらす印象用組成物も好ましい。
さらなる好ましい実施形態において、印象用組成物は、供給される電気エネルギーによって粘稠度が変化するように選択される。
さらに印象用組成物は、形状記憶効果を有する形状記憶組成物であって、活性化された後また原形に戻るような性質のものであることも好ましい。
さらなる好ましい実施形態において、画面もしくは表示部および/または例えばキーなどの入力装置を備えていてもよい。
フィルムを備えていることも好ましく、印象採得前に該フィルムで印象用組成物を覆うことにより、唾液や口腔組織/皮膚との接触を防ぎかつ/または変形によりデータを送信できる。
印象用トレー内にまたは印象用トレー上にカメラが備えられていることがさらに好ましく、これにより、患者または少なくとも基準点の画像を記録し、顎/歯の決定されたデータに付加することができる。
また本発明は、構造、配置または形状を捉える方法、好ましくは口腔内の歯の構造、配置または形状、あるいは人体における構造、配置または形状を捉える方法なども提供する。該方法において、変形可能な印象用組成物を口腔内または体内に導入すると、印象作製時に印象用組成物の少なくとも1つの物理的性質および/または変数の変化が空間分解された状態でセンサー装置に直接伝えられて、それがセンサー装置で捉えられ、さらに電子情報処理に適した形で提供される。
この方法により、容易で、信頼性高く、正確な方法で、口腔内の歯の構造、配置または形状、あるいは人体における構造、配置または形状を3次元デジタルデータの形で取得することが可能になる。
センサー装置は、印象用組成物における、
−放射線透過性および/または放射線吸収の変化、具体的には光透過性および/または光吸収の変化、
−導電率の変化、
−圧力の変化、具体的には圧力変化の結果として起こる導電率の変化、
−変形、
−横断面の変化または厚さの変化、
−電気抵抗の変化、および/または
−異種原子の密度変化および/または分布変化、いずれの場合も、具体的には異種原子の密度変化および/または分布変化の結果として起こる導電率または光学伝導率の変化
を捉えるのが好ましい。
さらに好ましくは、インターフェース装置がセンサー装置の出力側に連結されており、該インターフェース装置により、センサー装置で生成されたデータを電子情報処理に適した形で転送することができる。前記インターフェース装置は、USBインターフェース装置を含むのが好ましい。
またメモリー装置、具体的には着脱可能なメモリー装置が、好ましくはチップカードやメモリースティックとしてインターフェース装置の下流に配置されているのが好ましい。
さらに接続装置、具体的には無線通信接続装置が、好ましくはブルートゥースデバイス、赤外線デバイスおよび/または無線通信デバイスとしてインターフェース装置の下流に配置されているのが好ましい。
人体における歯またはそれ以外の構造に圧接した時の組成物の変化およびその特性に応じたデータが、印象用トレー、具体的には歯科印象用トレーの表面および内面のセンサー装置に送られてもよい。
このようにして得られたデータは、印象用トレー、具体的には歯科印象用トレーに直接保存されるか、または該データをさらなる処理のために利用できる中央のPCにケーブル、USBまたは無線通信を介して送信されるのが好ましく、かつ/または該データは、さらなる処理のために歯科技工室へオンラインで直接送信されてもよい。
さらなる好ましい方法の変化形態においては、まず、第1の印象を第1の印象材を用いて作製し、次いで、第2の印象を、例えば、低粘度の印象材を追加的にまたは代替的に用いて作製し、該低粘度の印象材との併用により第1の印象材に情報を伝えることができる。この場合、この2つの印象材をそれぞれ異なる印象用トレーで使用するのがさらに好ましい。
また印象用組成物は、互いに混じり合わない、色、伝搬特性および/または反射特性の異なる3種の印象材で構成されていてもよく、積層された複数のフィルム、具体的には色の異なるフィルムで構成されていてもよい。
さらなる好ましい実施形態において、一部の歯全体、歯科構造、個々の歯および歯の一部に対する補綴物を作製するために、まず、処置前の現在の状態の印象を作製してそれに対応するデータを決定し;例えば病的な歯を削るなどの処置を行った後、新しい状態において印象をもう一度作製してそれに対応するデータを決定し;次いで、採得されたこの2つの印象より得られたデータから、マッチング法および/または差分法を用いて、内外の形状や寸法が正確なクラウンまたはブリッジなどの補綴物を作製する。
また本発明は、人または動物の身体、具体的には1本または複数の歯の3次元構造を捉えるための装置に関する。該装置は、
印象用組成物のための担体、
前記担体上に配置された印象用組成物、
前記印象用組成物に対して光を放出するよう設計されている少なくとも1つの照射ユニット、および
前記印象用組成物より発せられる光を検出し、該光から空間分解された生データを生成するよう設計されている少なくとも1つのセンサーユニット
を含む。
印象用組成物より発せられセンサーユニットで検出される光は、印象用組成物と照射光との相互作用に起因する光、測定対象の構造により反射される光、またはこれらの現象の組み合わせに起因する光であってよい。
本発明の一実施形態において、印象用組成物は、蛍光物質、燐光物質、光拡散物質および光反射物質からなる群より選択される少なくとも1つの物質を含む。
上記の測定の一実施形態において、印象用組成物は、蛍光物質および燐光物質からなる群より選択される少なくとも1つの物質を含み、前記少なくとも1つの照射ユニットは、蛍光物質および/または燐光物質の励起領域にある波長の光を放出するよう設計されている。
本発明の一実施形態において、印象用組成物は、少なくとも1つの波長領域の光に対して透過性を有するものである。
上記の測定の一実施形態において、照射ユニットは、印象用組成物が光透過性を有する波長領域にある光を放出する。
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの照射ユニットは、LED、RGB−LED、OLEDおよびレーザーLEDからなる群より選択される光源を含む。
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの照射ユニットは、印象用組成物にパターンを投影するよう設計されている。
本発明の一実施形態において、印象用組成物は、該組成物自体に適用されたパターンおよび/または組み込まれたパターンを含む。
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの照射ユニットは、パルス光を放出するよう設計されている。
上記の測定の一実施形態において、前記生データは、空間分解された光通過時間データを含む。
本発明の一実施形態において、前記生データは、空間分解された光度データを含む。
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つのセンサーユニットは、複数のガラス繊維、および少なくとも1つの光学センサーを含み、前記ガラス繊維の片方の端部は、それぞれ印象用組成物と連携しており、前記ガラス繊維の第2の端部は、それぞれ前記少なくとも1つの光学センサーと連携している。
上記の測定の一実施形態において、前記少なくとも1つの光学センサーは、CCDチップおよびCMOSチップからなる群より選択される。
本発明の一実施形態において、前記装置は、前記少なくとも1つのセンサーユニットにより生成された生データを保存するためのメモリーユニットをさらに含む。
本発明の一実施形態において、前記装置は、前記少なくとも1つのセンサーユニットにより生成された生データからイメージデータを生成するための演算器をさらに含む。
本発明の一実施形態において、前記装置は、前記少なくとも1つのセンサーユニットにより生成された生データ、または前記演算器により生成されたイメージデータをデータ処理ユニットに送信するためのインターフェースをさらに含む。
本発明のさらなる好ましいかつ/または有利な実施形態は、請求項およびそれらの組み合わせ、ならびに本出願文書全体、具体的には明細書および図面における例示的な実施形態の説明および表示により得られる。装置および方法の特徴も、方法および装置に関してそれぞれ明記された特徴を類似した形で実施したものから理解される。
以下に、例示的な実施形態に基づき、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明するが、これらの実施形態は単に例示目的で示される。
本発明を説明するための上顎全体の概略図である。 撮像ユニット、記録ユニット、USBスティック、無線通信ユニットおよび記憶メディアを有する歯科印象用トレーの形態をした印象用トレー全体の概略図である。 印象用組成物を充填した、歯科印象用トレーの形態をした図2の印象用トレー全体の概略図である。 印象を採得する直前の歯科印象用トレーの形態をした図3の印象用トレーと上顎との概略正面図である。 歯科印象用トレーの形態をした図3の印象用トレーにおいて、印象を採得した後の印象用組成物に取られた上顎のネガ型印象の概略平面図である。 印象を採得した後の印象用組成物の概略断面図である。 歯科印象用トレーの形態をした図3の印象用トレーにおいて、印象を採得した後の印象用組成物の別の概略断面図である。 歯科印象用トレーの形態をした図3の印象用トレーにおいて、印象を採得した後の印象用組成物に取られた上顎のネガ型印象の概略平面図(図5に示したもの)である。 PCにおけるデータの概略図である。 PC制御のCAMを用いてフライス盤、具体的にはCNCフライス盤などの作製機により作られたモデルの概略図である。 測定、取得および処理したデータに基づいて、特にほぼ全自動で作られた完成モデルの全体の概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態の全体の概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーの図12に示したさらなる例示的な実施形態の全体の概略図を、さらなる細部を加えて示す。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態の全体の概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーの別の例示的な実施形態の細部についての概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態の概略側面図である。 歯科印象用トレーの形態をした図16の印象用トレーを下から見た概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーの別の例示的な実施形態のさらなる細部についての概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態の全体の概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態の全体の概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態について、患者に使用している際の全体の概略図である。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーの図21に記載した例示的な実施形態の全体の概略図である。 印象用組成物が配置されている印象用組成物のための担体である。 印象を採得する前、採得中および採得後のそれぞれにおける、パターンが施された印象用組成物をa〜cに示す。 歯科印象用トレーの形態をした印象用トレーのさらなる例示的な実施形態の全体の概略図である。 図25の印象用トレー全体の概略図である。 図25の印象用トレーで利用できる幾何学的測定方法の概略図をa〜bに示す。 図25の印象用トレーで利用できる幾何学的測定方法の別の概略図である。
以下および図面に記載する例示的な実施形態および使用例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、これらの例示的な実施形態および使用例は単に例示目的で、本発明はこれらに限定されない。また本発明は、例示的な各実施形態および各使用例に示される特徴の個々の組み合わせに限定されるものでもない。方法および装置の特徴も、各装置および各方法の記述になぞらえて理解される。
実際の例示的な実施形態に関して明記および/または説明される特徴は、対応する例示的な実施形態に限定されず、また対応する例示的な実施形態における他の特徴との組み合わせ方に限定されるものでもない。技術的に実現可能であれば、本発明書において個別の取り扱いがなくとも、前記特徴は、そのいかなる変化形態、具体的には他の例示的な実施形態の特徴および構成と組み合わせてもよい。
図面の各図解において同じ参照番号が付してあるものは、同じ要素または類似した要素を示しているか、またはそれらの要素が同一または類似した機能を持つことを示す。図面は、後に説明するか否かにかかわらず、参照番号を付していない特徴も明確に開示している。一方、本願明細書に包含されるものの、図面に記載されていないまたは見えていない特徴については、当業者が容易に理解できるものである。
装置および方法の特徴も、方法および装置の図解および説明からそれぞれ理解される。
図1に、本発明を説明するための歯2のついた人の上顎1の全体の概略図を示す。この図は、本発明をより明解にするために、本発明の多くの用途の一例を示す図として提供される。
図2に、歯科印象用トレー4の形態をした印象用トレー3の全体の概略図を示す。印象用トレー3は、撮像ユニット5および記録ユニット6として機能し、その目的のために、センサー装置7とUSBポート9を有する伸長部8とを含む。USBポート9により、取得したデータを直接PC(図示せず)などに送信することができる。USBポート9と共に、またはその代わりとして、一体型もしくは接続可能な無線通信ユニット(図示せず)、または一体型もしくは接続可能なブルートゥースデバイスまたは赤外線デバイス(図示せず)などによってデータ伝送が達成できてもよい。無線通信ユニットとブルートゥースデバイスは、いずれか一方または双方が伸長部8に含まれていてもよい。さらにまた、交換可能な記憶メディア(図示せず)を用いることによって、データ伝送が達成されてもよい。該記憶メディアは、伸長部8として形成されるか、伸長部8に含まれているか、または伸長部8もしくは別の何らかの方法で印象用トレー3に形成された適当なポート(図示せず)に接続できるものであってもよい。例えば慣用のUSBスティック(図示せず)、チップカード(図示せず)などが挙げられる。さらに、伸長部8は同時にハンドル10としても機能し、これによって印象用トレー3を握って人の口腔内へ導入し、全体としてまたは部分的に撮像するべき顎、例えば図1の上顎1に対して該トレーの位置調整や配置を行うことができる。したがって、印象用トレー3の取り扱いが容易になり、使用する部材の数も最小限にすることができる。さらに、伸長部8は印象用トレー3から取り外し可能であってもよい。
歯科印象用トレー4の形態をした印象用トレー3は、ベースプレート11、フレーム12および内部境界面13を含む。また、センサー装置7が、ベースプレート11、フレーム12および/または内部境界面13に配置されているが、その配置は実際の構成における設計や動作モードの種類に応じて決定される。これについては、後でより詳細に説明する。ここまでは、歯科印象用トレー4は慣用の歯科印象用トレーに非常によく似ており、慣れた方法で取り扱うことができるので有利である。結果的に、ベースプレート11、フレーム12および内部境界面13は、口腔内(非表示)に導入して使用するのに好適で、上顎1に合った形をしている。
図3に、適当な印象用組成物14、例えば、既存の印象採得手法で用いられる弾性のある慣用の印象用組成物を通常の方法で充填した、歯科印象用トレー4の形態をした図2の印象用トレー3の全体の概略図を示す。
印象用トレー3、すなわち本発明の例示においては歯科印象用トレー4、の特別な特徴は、変形可能な印象用組成物14とセンサー装置7とを組み合わせることである。この組み合わせは、例えば図1の上顎1または少なくとも1つの歯2の印象作製時に印象用組成物14の少なくとも1つの物理的性質および/または変数の変化をセンサー装置7が空間分解された状態で捉えられるように選択され、しかも、例えば図1の上顎1または少なくとも1つの歯の3次元データを決定できるデータを得るために電子情報処理に適した形で提供されるように選択される。得られた3次元データは、次いで、コンピュータ支援による補綴物の作製に使用される。
センサー装置7は、印象用組成物14における、
−放射線透過性および/または放射線吸収の変化、具体的には光透過性および/または光吸収の変化、
−導電率の変化、
−圧力の変化、具体的には圧力変化の結果として起こる導電率の変化、
−変形、
−横断面の変化または厚さの変化、
−電気抵抗の変化、および/または
−異種原子の密度変化および/または分布変化、いずれの場合も、具体的には異種原子の密度変化および/または分布変化の結果として起こる導電率または光学伝導率の変化
を捉えるのが好ましい。
図4に、印象を採得する直前の歯科印象用トレー4の形態をした図3の印象用トレー3と上顎1との概略正面図を示す。印象採得は、以前から行われている慣用の印象作製と同様の方法で行われる。上顎1の印象採得の場合、印象用トレー3を上顎1に下から圧接することによって、上顎1の歯2が印象用組成物14に押し付けられる。また慣用の印象用組成物の場合、少なくとも印象作製の初期段階においては十分な流動性が保証されているため、歯2が組成物に押し付けられる際に、印象用組成物が間隙(非表示)にも入り込む。この十分な流動性は、本発明の印象用組成物14にも適応されることが好ましい。しかし、慣用の印象用組成物は、印象用トレー3と共に上顎1から外して撤去できるように、その前に硬化している必要がある。これは、慣用の印象用組成物で採得した上顎1の歯2の鋳型の形を保持し、この鋳型により、先行技術において慣例である、上顎1の歯2の石膏模型を作製できるようにするためである。
図5に、歯科印象用トレー4の形態をした図3の印象用トレー3において印象を採得した後の印象用組成物14に取られた上顎1のネガ型印象を概略平面図で示す。この図において、印象を採得した上顎1の歯2に一致する空洞15が印象用組成物14に生じている。図6に、印象を採得した後の印象用組成物14、すなわち、印象を採得した上顎1の歯2に一致する空洞15が模られた印象用組成物14の概略断面図を示す。図7は、図1の上顎1の一部の印象を、歯科印象用トレー4の形態をした図3の印象用トレー3において印象を採得した後の印象用組成物14のさらなる概略断面図で示す。図7において、印象用組成物14内の歪みを曲線16で示す。この歪みは、印象採得時に上顎1の歯2が押し付けられた結果、印象用組成物14が変形して生じるもので、この歪みは、印象用組成物14の(または印象用組成物内の)物理的性質および/または変数の変化につながる。次いで、この変化がセンサー装置7で捉えられ、それによって撮像ユニット5および記録ユニット6としての、印象用組成物14と組み合わせたセンサー装置7の機能は達成される。曲線16は、必ずしも歪みを表すものではなく、印象用組成物14とセンサー装置7との組み合わせの種類に応じて、かつ上顎1の歯2が押し付けられることにより印象用組成物14で利用されセンサー装置7で捉えられる効果に応じて、それぞれ圧力の範囲、透過性の範囲、伝導率の範囲、濃度の範囲などを表すものとして理解してもよい。
図5と同様に、図8に、歯科印象用トレー4の形態をした図3の印象用トレー3において印象を採得した後の印象用組成物14に取られた上顎1のネガ型印象の概略平面図を示す。印象用組成物14と組み合わせたセンサー装置7で得られたデータは、図1の上顎1の3次元データの概略図が示すように、その後適当なソフトウェアによりPC17で表示、編集、および処理することが可能である。印象採得によって得られたこの3次元データを、図9のPC17の画面18に編集した画像として示す。印象用組成物14と組み合わせたセンサー装置7で取得され決定されたデータ、すなわち撮像ユニット5および記録ユニット6から得られたデータを編集および処理したものを元に、実物モデル19として示されるものが3次元フライス盤20または類似の装置(図示せず)を用いて最終的に作られる。モデルの作製は、例えば、PC17制御のCAMを用いたCNCフライス盤により行われるのが好ましい。これにより、図1の上顎1の完成モデル19が、図11の概略図に従ってほぼ全自動で、特に完全に全自動で作製される。慣用の方法では印象採得後に技工室での手作業が必要とされるが、これらを行わずして、測定、取得および処理されたデータに基づき完成モデルが作製される。
本発明によれば、患者の口腔内(一般的には補綴物が作製される実際の部位)で、上顎1のモデル19の自動作製に必要な3次元データを直接得ることができる。この点において、撮像ユニット5および記録ユニット6としての印象用組成物14と組み合わせたセンサー装置7により、データが一般的な3次元データとして既に提供されていてもよく、あるいは、得られたデータのデータフォーマットを変換して、例えば、USBリンク、無線通信、ブルートゥース、赤外線などによってPC17に転送した後にPC17が必要な計算能力を容易に提供できるような、さらなる利用に適した実用的な3次元データにしてもよく、いずれかを適切に選択する必要がある。PC17は、歯科手術または顎整形外科手術の現場で印象用トレー3から取得したデータをさらに処理する、または処理する能力を有するものであってもよく、あるいは、印象用トレー3から取得したデータを単に記録し、別のコンピュータ、例えば技工室の別のPC17などに転送するものであってもよい。データの転送はオンラインで容易に行うことができる。いずれにしても、モデルの作製に必要なデータが技工室に届き、モデル19の作製が短時間で、低コストで、信頼性高く行われる。これを、図8から図9への「データが技工室へ」によって示す。
しかし、印象用トレー3から取得したデータのさらなる処理からモデル19の完成までは、歯科手術または顎整形外科手術において前もって予約をしていなくても、分散して実施される可能性がある。その結果、作製されたモデル19、正確に言えば補綴物が、患者に即座に提供される。コンピュータ支援のデータ取得から自動作製までの工程を、図9と図10の間の「データがさらなる処理へ」によって示す。図10から図11への「完成品」は、完成モデル19(作製対象の補綴物を表すもの)を示し、それは撮像から作製までの過程の終点である。
本発明に記載の印象用トレー3を用いた上記の手法により、顎全体のモデルまたは補綴物を、先行技術全体と比較して極めて容易にかつ短時間で作製できることだけでなく、具体的には、例えばブリッジやクラウンなどの、個々の歯および歯の一部の補綴物または個々の歯および歯の一部のグルーピング(groupings)の補綴物を作製することも可能であることが容易に理解されるだろう。これらの用途は、例えば歯科分野において最も頻度の高いものであり、使用において非常に大きな可能性があると考えられる。
方法の観点から見ると、一部の歯全体、歯科構造、個々の歯および歯の一部に対する補綴物を作製するために、まず、処置前の現在の状態の印象を作製する、すなわちそれに対応するデータを決定する。その後、例えば病的な歯を削るなどの処置が行われる。次いで、新しい状態において印象をもう一度作製する、すなわち新しい状態における対応するデータを決定する。採得されたこの2つの印象より得られたデータから、慣用で公知のマッチング法および差分法を用いて、内外の形状や寸法が正確なクラウンまたはブリッジなどの補綴物を作製できる。
本発明のさらなる発展として、例えば印象用トレー3をX線フィルムホルダー用の担体として使用してもよい。この場合、印象用トレー3の素材は、少なくとも測定部位または処置部位にある領域または部分ではX線を透過させないようなものであってよい。
印象採得時に時間に関連するまたは時間の制約があるイベントを容易にモニタリングするために、印象用トレー3は、一体型時間計測装置(図示せず)を備えていてもよい。該時間計測装置は、光学信号および/もしくは音響信号の伝送装置、ならびに/または表示装置(図示せず)としての機能を担う。このような電動デバイスなどのために、印象用トレー3がUSBポート9を有するのは有利である。これは、USBポートにより、例えば、電動デバイスを作動させるのに好ましく用いられる蓄電池に容易にチャージすることもできるからである。
印象採得過程は複数の段階からなっていてもよい。例えば、まず、第1の印象を、「概形印象材」としての第1の印象材を用いて作製し、次いで、第2の印象を、例えば、低粘度の印象材を追加的にまたは代替的に用いて作製してもよく、該低粘度の印象材との併用により第1の印象材に情報が伝えられ精密なデータが記録される。このような手法は採得される印象当たりのデータ量を減らす上で有利かもしれない。また、最終的に得られる3次元データがより容易に短時間で、しかも一部の状況下ではより正確に生成される。この2つの印象材をそれぞれ異なる印象用トレー3で使用してもよい。この点で、「印象用組成物14」は、同時にまたは順次使用されてもよい1以上の物質を表す。また印象用組成物14は、例えば、互いに混じり合わない、色、伝搬特性および/または反射特性の異なる3種の印象材で構成されていてもよく、それにより、各印象材からそれぞれ特定のデータおよび情報が得られる。この場合、印象用組成物14は、積層された複数のフィルム、例えば色の異なるフィルムで構成されていてもよい。
図12および図13に、さらなる設計の印象用トレーを示す。ここでは、人間工学的に適した形のハンドル10を有することが重要であると考えられている。図12と図13を比べると明らかなように、この印象用トレー3の場合、ベースプレート11、フレーム12、内部境界面13およびセンサー装置7を有する撮像ユニット5および記録ユニット6は、好ましくはU字型の保持プレート21によりハンドル10に着脱可能な状態で接続している。したがって、患者の口腔に接触する技術要素はすべて、印象用トレー3の残り部分から取り外すことが可能で、それぞれ洗浄や殺菌をすることもできる。図14のコーティング22で示されるように、印象用トレー3の表面、または少なくともベースプレート11、フレーム12、内部境界面13およびセンサー装置7の表面は、表面に細菌が付着しないようなまたは表面の細菌が自動的に死滅するようなコーティングまたは最終加工がなされていてもよい。
図15に示す別の例示的な実施形態によれば、矢印A、BおよびCで示されるように、印象用トレー3は、少なくともベースプレート11、フレーム12、内部境界面13および/またはセンサー装置7の大きさが調整できるように設計されていてもよい。これにより、患者一人一人の状況に合わせて最適化できる。
また印象用トレー3は、印象用組成物14の流動性を変化させるためにまたはトレー自体を殺菌する機能を提供するために、加熱可能であってもよい。
印象用トレー3の下側に、対顎の噛み合わせ位置を決めるための見当標があってもよい。これにより、PCで取得したデータを後に処理する際に、両顎を対応させることができる。また、図16および図17に示すように、印象用トレー3は、上顎と下顎の印象を同時に採得するのに使用できるよう設計されていてもよい。
また印象用トレー3は、使用される透明なプラスチックなどの印象用組成物14が、研磨によって、同時に光学レンズとしても使用できるように設計されていてもよい。そのようなレンズ23、24および25は、図18の幾つかの変化形態で例示されており、レンズ23と同様、識別するものの上に、例えば縞柄のパターンを投影または表示するように設計されていてもよい。この場合、接続されていない自由端部を削ってレンズ24またはレンズ25を得るようにしたガラス繊維を使用することも可能である。レンズ24は、傾斜をつけた光放出部を有することで向きを変えると異なる領域を捉えることができ、レンズ25は、ビームを拡大する効果がある。
印象用組成物14は、光波に対して特定の方法でのみ反応するか、特定の光波にのみ反応する1以上の物質を含んでいてもよい。該光波は、センサー装置7、一般には撮像ユニット5および/または記録ユニット6によって提供される。上記物質を含むことによって、上顎1の歯2が印象用組成物14に押し付けられるときに印象用組成物14内で変化する伝搬または反射の挙動を、本発明で示されるような空間分解された状態で測定できる。上記の補助剤を含まない異なった印象用組成物14が使用されると、センサー装置7はデータを決定することができない、すなわちセンサー装置によって決定できるデータはない。
印象用組成物14は、透過性ポリエーテルであってよく、好ましくは親水性の高い透過性ポリエーテルがよい。また印象用組成物14は、ポリエーテル、A−シリコーン、C−シリコーン親水コロイド、多硫化物および/またはアルギン酸塩をベースにしてもよい。印象用組成物14は、センサー装置7で捉える効果に合った透過性を有することが好ましく、光屈折、透過度または特定波長に対する透過性を利用することができる。
印象用組成物14は、さらなる使用のために洗浄や殺菌ができるように構成されていてもよいが、必ずしも再利用可能である必要はない。
印象を採得した後、噴霧剤、液剤などの薬剤を適用すると該薬剤に反応してデータ転送および/またはデータ保存をもたらす印象用組成物14を使用してもよい。印象用組成物14は、供給される電気エネルギーによって粘稠度が変化するように選択されてもよい。また印象用組成物14は、形状記憶効果を有する形状記憶組成物であって、活性化された後また原形に戻るような性質のものであってよい。
したがって、センサー装置7に印象用組成物14の変化を検知させるために利用できる効果は多数存在し、それらの効果はそれぞれ単独でまたは組み合わせて用いることができる。同時に、印象用組成物を用いて印象をできるだけ容易に、短時間でかつ正確に採得できるように、印象用組成物14のさらなる特性を考慮してもよい。
図19から明らかなように、印象用トレー3自体が、アプリケーションの確認や支援のために、画面26または表示部と、キー27などの入力装置とを備えていてもよい。
さらに、図20に示す例示的な実施形態によれば、フィルム28を備えていてもよい。印象採得前に該フィルムで印象用組成物14を覆うことにより、唾液や口腔組織/皮膚との接触を防ぎかつ/または変形によりデータを送信できる。
さらに、印象用トレー3内にまたは印象用トレー3上にカメラ29が備えられていてもよい。これにより、図21および図22に示すように、患者または少なくとも基準点の画像を記録し、顎/歯の決定されたデータに付加することができ、得られたデータを患者の頭部全体に関連付けて割り当てることも可能になる。
以上の記述は、歯科治療用途における本発明の印象用トレー3の使用について主に言及したものであるが、本発明の技術は上記用途に限定されず、本発明の知識をもってすれば独創力を必要とすることなく、本発明の技術により、動物、植物、目に見える身体部分、内耳などの空洞、および機械部品の印象を採得することで有利にデータを取得できる。
明細書および図面において、本発明は例示的な実施形態に基づいて提示されているが、これらの実施形態は単に例示目的で、本発明はこれらに限定されるものではない。むしろ本発明は、当業者が本出願文書から想到できる、具体的には例示的な実施形態の記述およびそれらの図面における表示、ならびに請求項および本明細書の導入部における一般的な説明の範囲から想到できる変更、修正、置換および組み合わせをすべて含む。また本発明は、当業者が有する当該技術および先行技術に関する知識、具体的には本明細書の冒頭に明記した先行技術の出版物の開示内容と組み合わせることができる。具体的には、本発明の個々の特徴および構成上の可能性と、それらを具体化できる様々な方法とを組み合わせることができる。
本発明のさらなる主題は、非硬化性印象用組成物である。
歯科業務において、保存用の顎整形外科用補綴物のフィッティングの精度を評価、診断、設計およびモニタリングするための歯および顎部分の解剖模型を作製する上で、印象材を使用することは一般的である。この場合、顎や歯の概形を、解剖学的なスナップ写真、いわゆる解剖印象と呼ばれるものの採得によって捉える。歯科医は、この解剖印象に石膏の懸濁液を注入し、研究用模型、診断用模型、記録用模型、作業用模型、および設計用模型と呼ばれるものを得る。より広範囲な補綴物の場合には、対顎を表示するために、いわゆる対顎模型も作製される。これはアルギン酸塩を用いた印象採得により得られる。
歯科用印象材の1種として、付加架橋性シリコーンが挙げられる。付加架橋性シリコーンは、義歯製作用の極めて精密な作業用模型を作製するのに適した精密印象材として現在使用されている。このような化合物からなる組成物の特性は、例えばISO規格4823およびADA規格19に記載されている。付加架橋性シリコーンは、例えば米国特許出願公開A−4 035 453に記載されている。
市販の付加架橋性シリコーン印象用組成物は、一般に、2つの部分、すなわちベースペーストと触媒ペーストから構成されており、この2つの反応成分は、安定性の面から、空間的に離されている。この2つのペーストを既定の割合(容量)で正確に混合すると印象材が硬化する。
また、縮合架橋性シリコーン、いわゆるC−シリコーンも使用される。
反応性の印象用組成物の欠点は、一般に、使用前に2つの成分を混合する必要があり、その際、正確な計量が必要となることである。歯科手術時に必ず行わなければならない混合や硬化時間は、歯科医の業務の妨げになる。
他に広く使用されている歯科用印象用組成物は、反応性ポリエーテルをベースにしたものである。この種の印象用組成物は、例えばDE19753456 A1およびEP0865784 A2に記載されている。また、ゲル化によって硬化するアルギン酸塩や寒天などの天然ポリマーを含む印象用組成物も使用されている。
これまで使用されてきた歯科用印象用組成物は、すべて硬化性組成物であるが、これらは管理上不便である。しかも、反応性組成物の貯蔵可能期間は短い。
本発明の目的は、代替となる印象材および印象採得方法を提供することである。
この目的は、反応基を持たない物質を含む印象用組成物、または触媒の添加がないために使用条件下で硬化しない印象用組成物により達成された。
この種の印象用組成物は、程度の差はあるが粘性を持つ液相をベースにしており、該印象用組成物は、反応基を有する物質を含まないか、またはその組成上、使用条件下で架橋反応が起こらない物質を含む。この印象用組成物は、架橋反応または硬化反応のための触媒を含有せず、一般に、液体シリコーン(有機ポリシロキサン)、ポリエーテル、炭化水素(例えば油)、植物油または液体混合物など、室温で液体である物質をベースにしている。以下、これを液相という。液相には、対応する固形物または他の固形物が溶解していてもよい。
液体シリコーンとしては、例えば、非反応性の直鎖状ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン油が挙げられる。
ポリエーテルとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたは混合ポリエーテル(例えば、テトラヒドロフラン構造単位、およびエチレンオキシド構造単位および/またはプロピレンオキシド構造単位から構成される混合ポリエーテル)が挙げられる。液相において、例えば、固体ポリエーテルを混合した液体ポリエーテルを用いてもよい。
好適な炭化水素は、直鎖状または分岐状で、好ましくは飽和した、不揮発性の液化炭化水素であって、例えば流動パラフィン、ノルマルパラフィン、イソパラフィンが挙げられる。固体と液体の炭化水素からなる軟膏状の混合物であるワセリンを、液相として用いてもよい。
液相は、不活性の希釈剤を含むのが有利である。不活性の希釈剤として、ポリプロピレングリコール、またはテトラヒドロフラン構造単位および/またはエチレンオキシド構造単位および/またはプロピレンオキシド構造単位を含む混合ポリエーテルオールなどのポリエーテルポリオール;ポリカプロラクトンジオールおよびポリカプロラクトントリオールなどのポリエステルポリオール;ポリカーボネートジオール;脂肪族エステル;油;脂肪;ワックス;脂肪族炭化水素;芳香族脂肪族炭化水素;および一塩基酸または多塩基酸(例えばフタル酸またはクエン酸など)の単官能エステルまたは多官能エステル、またはアルキルスルホン酸およびアリールスルホン酸のエステルまたはアミドが使用される。
本発明の印象用組成物は、一般に、液相と1以上の充填剤とを含み、さらなる補助剤、助剤および色素または顔料を含んでもよい。
液相の基体および充填剤は、光透過性であることが好ましく、例えば200〜700nmまたは300〜700nmの範囲の広い波長領域において光透過性であることが有利である。特定の放射線に対する透過性または部分透過性は、特定の用途、特に印象を3次元撮像するために光学的手法を組み合わせた用途において有利である。特定の放射線とは、例えば、紫外領域の放射線、可視光線領域(可視領域)の放射線、または紫外/可視領域の放射線、赤外線領域(赤外領域)の放射線、近赤外線領域の放射線、さらにX線などが挙げられる。
特定の印象用組成物またはその基本組成は、シリコーン油、流動パラフィンなどの不活性液体、および沈降性シリカ、ヒュームドシリカなどの無色の金属酸化物から構成される。これらは光学センサーを用いる用途に適している。
本発明のシリコーンベースの印象用組成物は、例えば、
(a)1以上の有機ポリシロキサン、好ましくは反応基を持たない有機ポリシロキサン、
(b)充填剤、
(c)任意でさらなる補助剤、助剤および色素、ならびに
(d)任意で親水化剤
を含み、該印象用組成物は、架橋反応のための触媒を含有していない。
成分(a)の量は、印象材の全質量に対して、一般に30〜80重量%、好ましくは60〜80重量%である。印象材の成分やその量は、印象用組成物として共通して、DIN53505に従って測定されるショアA硬度が45未満、好ましくは40未満、かつISO4823に従って測定される粘稠度が31〜39mmとなるように選択される。
成分(a)としては、末端にトリオルガノシロキシ基を有するジオルガノポリシロキサンが好ましい。
ポリマーの25℃の粘度は、好ましくは200〜200,000mPa.s、より好ましくは1000〜10,000mPa.sである。
上記の粘度範囲にある直鎖状ポリジメチルシロキサンまたはその混合物が特に好ましい。
好適な成分(a)は、反応性置換基を持たないオルガノシロキサンのポリマーである。中でも、ケイ素原子がすべて、酸素原子または1価の炭化水素基に囲まれた直鎖状、分岐状または環状の有機ポリシロキサンが好ましく、該炭化水素基は置換されていてもいなくてもよい。
炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、C2−C10脂肪族基、トリフルオロプロピル基および芳香族C6−C12置換基が挙げられる。
成分(a)として特に好ましいのは、比較的高粘度(例えば25℃の粘度が1000〜10,000mPa.s)であるシリコーンと、比較的低粘度(例えば25℃の粘度が50〜1000mPa.s)であるシリコーンとの混合物である。低粘度シリコーンとしては、例えばトリメチルシロキシ末端基を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。低粘度シリコーンの量は、成分(a)の全質量に対して、例えば1〜40重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは15〜30重量%である。
親水性の印象用組成物を生成するために、親水性を付与する薬剤(すなわち親水化剤)である成分(d)を添加することは有利である。それにより、湿った口内環境において組成物全体がより良好な湿潤性を得ることができ、その結果ペースト状になった組成物がより良好な流動性を得ることができる。親水化剤は、反応基を持たない。好適な親水化剤としては、WO87/03001およびEP−B−0 231 420に記載の親水性シリコーン油からなる群より選択される、主成分の構造等に組み込まれない湿潤剤が好ましく、本発明に関連するこの開示は、参照により本明細書に援用される。さらに、EP−B−0 480 238に記載のエトキシ化脂肪族アルコールも好ましい。好ましい親水化剤としては、WO96/08230により公知のポリエーテルカルボシランも挙げられる。WO87/03001に記載のパーフルオロアルキル化非イオン性界面活性物質も好ましい。同様に、EP−B−0 268 347に記載の非イオン性界面活性物質(すなわちノニルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ソルビタンエステル、ならびにポリエチレングリコールモノエーテルおよびジエーテル)も好ましい。親水化剤の使用量は、すべての成分の全重量に対して、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜2重量%、より好ましくは0.3〜1重量%である。
成分(b)として使用できる充填剤としては、BET表面積が50m/g以下の非強化充填剤が挙げられ、具体的には石英、クリストバライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ベントナイトなどのモンモリロナイト、ケイ酸アルミニウムナトリウムなどのモレキュラーシーブを含むゼオライト、酸化アルミニウム、酸化亜鉛またはそれらの混合酸化物などの金属酸化物粉体、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、ガラス粉および粉末プラスチックなどが挙げられる。使用可能な充填剤としては、表面積が50m/gを超える強化充填剤も挙げられ、例えば、大きなBET表面積を持つヒュームドシリカまたは沈降性シリカ、および二酸化ケイ素−酸化アルミニウム混合物が挙げられる。上記充填剤は、例えばオルガノシランおよび/またはオルガノシロキサンを用いた処理、または水酸基をアルコキシ基に変換するエーテル化によって、疎水化されていてもよい。1種の充填剤を使用してもよく、少なくとも2種の充填剤の混合物を使用してもよい。粒度分布は、充填剤の粒度が50μmを超えないように選択するのが好ましい。(b)充填剤の合計量は、10〜80%の範囲、好ましくは30〜60%の範囲であり、印象用組成物のショアA硬度が45未満になるように選択される。
強化充填剤と非強化充填剤との組み合わせが、特に好ましい。この場合、強化充填剤の量は、1〜10重量%、特に2〜5重量%の範囲である。上述した合計量から求められる残量、すなわち9〜70重量%、特に28〜55重量%が、非強化充填剤の量である。
強化充填剤として、火成性の高分散シリカ(好ましくは表面処理により疎水性を付与されているもの)が好ましい。表面処理は、例えば、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルシクロテトラシロキサンまたはポリメチルシロキサンを用いて行ってもよい。好適なヒュームドシリカの表面積は、50m/gより大きいのが好ましく、特に80〜150m/gが好ましい。表面処理したヒュームドシリカにより、ペーストの粘稠度の調節や耐タレ性の改善が可能である。一般に、1重量%未満の量では、耐タレ性に対する顕著な効果は見られず、また10重量%を超える量では、ペーストの粘度が高くなりすぎ、十分な流動性が得られなくなる。好適な製品は、例えば、Degussa、すなわち現Evonik Degussa社のパンフレット(Aerosil products, pigments text series, No. 11, 第5版, 1991, 79ページ)、およびCabot社のパンフレット(Cabosil products, ”CAB−O−SIL Fumed” silica in Adhesives and Sealants, Cabot, 1990)に記載されている。
特に好ましい非強化充填剤は、石英、クリストバライトおよびケイ酸アルミニウムナトリウムであり、これらは表面処理されていてもよい。表面処理は、原則として、強化充填剤の場合と同様の方法で行うことができる。
さらなる充填剤は、珪藻土(キーザルガー)である。珪藻土は、真水または塩水に生息する単細胞性の微細藻類(珪藻)が有する多種多様なシリカ骨格からなる。このような物質は、通常、採掘により抽出され、滴虫土、マウンテンアース(mountain earth)またはバチリアース(bacilli earth)ともいわれる。好ましく使用される珪藻土は、焼成された形態である。好ましい珪藻土の例としては、例えば、商品名「Celatom」(例えばChemag社から販売されている)、Johns−Manville社の製品「Cellite 219」、「Cellite 499」、「Cellite 263 LD」、「Cellite 281」および「Cellite 281 SS」、Dicallite社の製品「Diatomite 104」、「Diatomite CA−3」、「Diatomite IG−33」、「Diatomite 143」、「Diatomite SA−3」および「Diatomite 183」、Ceca社の製品「Clarcel」などが挙げられる。
さらに、本発明の印象用組成物は、成分(c)として色素、好ましくは蛍光色素、顔料または金属微粉を含み、さらに酸化防止剤、防腐剤、離型剤を含むのが有利である。本発明の組成物は、このような補助剤を、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0.1〜1重量%含む。
本発明の印象用組成物は、クロラミンT、クロルヘキシジン、細かい粒度分布の銅または銀などの殺菌剤または消毒剤を含むのが有利である。DE19814133 A1に、自己消毒性物質が記載されており、この文献は参照により本明細書に援用される。印象用組成物における消毒剤の量は、例えば、3〜7重量%である。
本発明の印象用組成物は着色剤を含むのが有利である。着色剤には、色素、蛍光色素、燐光物質、顔料、発光系、具体的には化学発光系、および発色団を有する物質またはポリマーが含まれる。狭義には、色素は液相に溶解するものであり、溶解しない色素を顔料という。
本発明の印象用組成物における着色剤は、光学センサーシステムと共に使用されるのが有利である。着色剤が印象用組成物の全体に分布する場合、着色剤は印象用組成物の透光性が維持される量で使用される。すなわち、着色剤を含有する印象用組成物は、光学系測定システムで使用される測定放射線に対して、例えばそのビーム路程が1cmとなるような良好な伝搬を示す必要がある。着色剤が印象用組成物のコーティングにおいて使用される場合、着色剤は極めて高い密度でも使用される。印象用組成物における着色剤の量は、例えば、1〜5重量%である。
色素の例としては、例えば、インディゴ、インディゴチン、ベタニン(betanoin)、クロロフィルa、クロロフィルb、クロロフィルc1、クロロフィルc2、クロロフィルd、グリーンS、パテントブルーV(Na塩)、パテントブルーV(Ca塩)、ブリリアントブルーFCF、ブリリアントブラックBN、ブラウンHT、リボフラビン、ゼアキサンチン、タルトラジン、キノリンイエローS、イエローオレンジS、カロチン、クルクミン、ルテイン、アナットー、カンタキサンチン、カプサンシン、リコピン、リソールルビン、アゾルビン、アマランサス、アルラレッドなどが挙げられる。印象用組成物における色素の量は、例えば、1〜5重量%である。
蛍光色素の例としては、例えば、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、ベルベリン、chini、DAPI、ナイルレッド、アロフィコシアニン、インドシアニングリーン、スチルベン、ポルフィリン(ヘム、クロロフィルなど)、特にルミノール、ペリレン、セレンテラジン、ラチアルシフェリン、lucioptery、ホタルルシフェリン、フルオレセイン、エオシンYなどが挙げられる。印象用組成物における蛍光色素の量は、例えば、5〜20重量%である。
燐光物質はそのほとんどが、結晶の格子構造を崩壊させる外来物質が低レベルで混合されている結晶である。通常、第2族の金属の硫化物または亜鉛の硫化物が用いられ、これに少量の重金属塩が混合されている(例えば、微量の重金属塩を含む硫化亜鉛)。
使用される顔料としては、例えば、液相に不溶性の有機色素、金属塩、エフェクト顔料、金属微粉(例えばCu、Ag、Au)などが挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化鉄(黄)、酸化鉄(赤)、酸化鉄(黒)などが挙げられる。
印象用組成物における顔料の量は、例えば、1〜5重量%である。
着色剤は、発色団を有するポリマーであってもよい。このようなポリマーとしては、例えば、変性シリコーンまたは変性ポリエーテルなどが挙げられる。
化学発光とは、化学反応により、熱に由来しない可視領域の電磁放射線が放出される過程である。最もよく知られている化学発光系は、例えば、鉄イオンまたはマンガンイオンの存在下における過酸化水素によるルミノールの酸化、ペルオキシオキサラートの化学発光、および1,2−ジオキセタンの化学発光である。化学発光系は、印象用組成物または印象体の感圧性コーティングに存在するのが好ましく、反応成分は、例えば、マイクロカプセル内に内包されている。例えば、化学発光系の極めて少量の成分は、マイクロカプセル化の常法により、ワックスなどの慣用の物質により覆われている。マイクロカプセルは、例えば、印象体または薄膜の表面に薄層として直接(例えば接着結合、付着、静電気などによって)固定されていてもよく、またはコーティング剤(例えば印象用組成物)に混合されていてもよい。圧を加えると、具体的には印象採得の過程において圧が加わると、化学発光系の成分が遊離し、印象部分で化学発光反応が起こる。化学発光反応において放出される光は、センサーシステムで検出することができる。
感圧性の層、コーティングまたはフィルム(例えば被覆フィルム)は、一般に、マイクロカプセル化された着色剤または発色(例えばpH値の変化による変色)用試薬を含んでいてもよい。系のすべての成分をマイクロカプセル化する必要はない。例えば、1つの成分を層中または印象用組成物中に遊離した状態で存在させることも可能である。印象体をコーティングするために、フィルム形成ポリマーを含む組成物を使用することが有利である。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリアリールスルホンおよびそれらの共重合体がフィルム形成ポリマーとして機能する。
フィルム形成ポリマーは、例えば、溶解した状態、または分散液として使用される。「フィルム形成ポリマー」とは、ポリマー単独またはフィルム形成助剤の存在下で、基質上に一続きの付着性フィルムを形成できるポリマーである。基質は、フィルムであっても、印象用組成物または印象体の層の表面であってもよい。フィルム形成ポリマーとしては、例えば、ポリウレタンポリマーが挙げられる。フィルム形成ポリマーおよびフィルム形成組成物は、例えば、DE60105246 T2、DE69736168 T2およびEP0447964 B1に記載されており、この文献は参照により本明細書に援用される。組成物は、例えば、1以上の着色剤、1以上の放射線吸収ポリマー(発色団を有するポリマー)、導電性粒子、磁気微粒子またはマイクロカプセル化された物質(特に試薬)を含んでもいてもよい。
液相の異なる印象用組成物も同様に生成される。
本発明の印象用組成物は、透光性を有することが好ましい。これは、印象の光学撮像にとって重要である。このような用途においては、印象用組成物は、十分な光透過性を有する必要があり、300〜700nmの波長領域における透過性を有することが好ましい。
本発明の印象用組成物は、滅菌可能であって200℃以下における温度安定性を有することが好ましい。
本発明の印象用組成物の利点としては、化学的に安定していること、取扱が容易であること、コスト効率の良さ、および再利用可能であることが挙げられる。
1以上の印象用組成物を用いて印象体を作製する。印象体は、1以上の印象用組成物を含む成形された構築物であり、付加的な部分を有していてもよく、修飾が施されていてもよい。印象体は、一般に、担体を有するか、担体に保持されるものとして提供される。担体は、例えば皿型をしている。
歯科分野において、印象用組成物および印象体は、例えば印象用トレーで使用される。印象体において、性質や特性の異なる印象用組成物を組み合わせて用いるのが有利である。例えば、軟かい印象用組成物とそれよりは硬い印象用組成物とを組み合わせて用いることによって、外側は硬く、印象部分は軟らかくすることができる(図23において、印象用組成物14’の方がより硬く、印象用組成物14の方が軟らかい)。
印象用組成物が層状になっていてもよく、例えば薄い色と濃い色(交互に)といった異なる色の層が水平に重なっていてもよい。
印象体の層の間に、グリッドパターンなどのパターンが施されたフィルムを設けてもよい。
印象体において、カバーフィルム、具体的にはグリッド線などのパターンが施されたカバーフィルムを使用することは有利である。これを図24に示す。図24aは、印象を採得する前の、印象用組成物14とグリッド線パターンが施されたカバーフィルム28とを有する印象体を示す。図24bに印象取得の途中の段階を、図24cに完成した印象を示す。印象部分におけるグリッド線パターンの変化は、印象を3次元撮像する際に補助的な役割を果たしてもよい。
好適なカバーフィルムとしては、鮮度保持フィルムに使用されるポリエチレン−LDおよびPVC製の弾性フィルム、ならびにポリウレタン製のフィルムなどが挙げられる。
パターンは、印象体の表面に直接プリントされていてもよい。
以下に、本発明の撮像システムについて説明する。
本発明の撮像システムとしては、音、具体的には超音波、または放射線、具体的には光を用いて、印象の3次元形状を決定する撮像システムが好ましい。この撮像システムは、音や放射線によるレーダー測定、幾何学的測定および放射線吸収などの様々な作動原理や測定原理に基づいたものであってよい。これらの測定原理から2つまたはすべてを組み合わせるのが有利である。レーダー測定は、例えば、放射線パルス、具体的には光パルスの、印象体または物体の表面からの反射を利用する(反射ビームまたは反射音の通過時間による距離測定)。幾何学的測定は、一束の光ファイバーに入射する放射線の放射錐(例えば入射光の光錐)のサイズが距離に依存していることを利用する。吸収測定では、反射光ビームの媒体への吸収量がビーム路程に依存することが評価に利用される。撮像システムは、計測点を2点以上、好ましくは3点以上含み、特に好ましくは空間的に分散した多数の計測点を含む。このような撮像システムは、少なくとも1つのエネルギー源(例えば放射線源、音源、具体的には超音波源)、少なくとも1つのエネルギーセンサーまたはエネルギーレシーバー(例えばイメージセンサー、複数のセンサーまたはレシーバーからなるアレイ)、および制御・評価ユニットを含む。特に好ましくは、光学撮像システムである。光学撮像システムの場合は、1以上のイメージセンサーと共に光ファイバーが有利に利用される。光ファイバーは、一般にイメージセンサーに接続されており、1本の光ファイバーをイメージセンサーの1つのピクセルまたは1つのピクセル群に割り当てるのが特に有利である。なお、光ファイバーの端部は、前記1つのピクセルまたは1つのピクセル群に直接接している。撮像システムは、印象用組成物のための担体を1つまたは2つ以上含むか、または1以上の該担体に連結しているのが好ましい。光ファイバーのもう1つの端部、すなわちイメージセンサーから遠い方の端部は、担体部分に配置されるのが好ましい。また、1以上のイメージセンサーが担体部分に直接配置されていてもよい。計測点は、例えば、担体部分にある光ファイバーの端部またはイメージセンサーのピクセルである。
担体は、例えば、樋型または皿型であり、特に歯科用途の場合にはU字型である。このような担体としては、例えば印象用トレーとして公知のものが挙げられる。
ガラス繊維やポリマーファイバー(POF)は、光ファイバーとして機能する。光ファイバーは、一般に複数を束ねて用いられる。ソートされた光ファイバーが好ましく用いられる。またガラス繊維は、石英からなるファイバーコアを有する光ファイバーを含む。ポリマーファイバーとしては、例えば、PMA/PMMAファイバーが挙げられる。特に柔軟性があるのはポリウレタン繊維である。
イメージセンサーとして、例えば、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話に用いられるようなCCDセンサーまたはCMOSセンサーが用いられる。例えば、1ピクセルの大きさが5μmで600万ピクセルの解像度を有するCMOSセンサーチップ(寸法:12.5×12.5mm)が用いられる。一般に、一束の光ファイバーが前記センサーに直接連結されている。1本の光ファイバーを1ピクセルに割り当てるのが好ましく、このときすべてのセンサーピクセルが使用されていても、その一部のみが使用されていてもよい。ファイバーの束は、プラグイン方式によりセンサーチップに連結されているのが有利である。イメージセンサーは、一般にはピクセルの前にカラーフィルターを配置せずに用いられ、すなわち、一般には単色で作動する。
X線を検出して捉えるために、蛍光フィルムまたは類似の補助材(蛍光物質または燐光物質を有する)を、担体と印象用組成物または印象体との間の、担体上のイメージセンサーまたは光ファイバーの前に配置してもよい。
複数の放射線源を用いるのが好ましく、異なる放射線源を用いるのも有利である。光学撮像システムの場合は、例えば、発光ダイオード(LED)が放射線源として用いられる。紫外領域、可視領域または赤外領域(例えば200〜900nmの波長領域)の光を放出するLEDが用いられる。領域または波長の異なる複数のLEDを組み合わせるのが有利である。LEDは、パルス方式またはクロック方式で駆動するのが好ましい。波長の異なる光パルスを用いて測定するのが特に有利であり、このとき、波長の異なる光パルスは、同時にまたは連続的に放出される。レーザー光線(例えばレーザーダイオード)、具体的には制御可能なマイクロミラーにより偏向されたレーザー光線も、放射線として使用できる。この場合、マイクロミラーは、可動性の必要上、印象用組成物には配置できない。異なる放射線源(例えばLED)の放射線パルスは、異なる場所から同時に放出されてもよく、連続的に放出されてもよい。このような放出は、一般に、ある特別なプログラムに従って起こり、放射線源はそれに対応するように制御装置によって制御される。
放射線パルスは、直接的に放出されてもよく、間接的に放出されてもよい。放射線が直接的に放出される場合は、制御可能なミラー、具体的にはマイクロミラーにより放射線ビームが偏向されてもよい。この目的には、Texas Instruments社のDLP技術(DLP:デジタルマイクロミラー装置)として公知のものが特に適している。放射線源(例えばLED)は、印象用組成物または印象体のための担体、例えば印象用トレーに直接配置してもよい。また、例えば光ファイバーまたはミラーを介して、放射線が印象用組成物または印象体に向けられるようにしてもよい。好ましい実施形態においては、同一または異なる複数のLEDが、印象用トレーの下部に、例えば一列に、または細長い領域内に並ぶような形で、担体全体に配置される。放射線源は、印象用組成物または印象体の下に直接配置されるのが好ましく、この場合、下から上方に向けて照射される。
1以上の放射線源を用いることにより、印象用組成物または印象体の表面(印象採得により圧力をかけられた表面を含む)にパターン(例えばグリッド線、グリッド点)を投影でき、有利である。特別な配列で設置したLEDを用いて、パターンの投影を行ってもよい。
好ましい光学センサーシステムは、放射線、具体的には放射線パルスすなわちパルス放射線の反射を利用する。これにより、正確で原寸通りの3次元モデルを作製するために、印象用組成物または印象体に写し取られた身体の印象の輪郭を、正確に捉えることができる。
印象が形成される間、すなわち印象採得中および/または印象採得後、すなわち印象形成体の存在下または撤去後に、撮像が行われてもよい。物体または身体の輪郭を捉えるために、印象形成のすべての段階を利用することができる。すなわち印象採得の開始から印象完成までの一連の流れが記録されてもよい。イメージセンサーによって、例えば、最大毎秒500画像が記録されてもよい。
測定値をもとに、評価ユニットにより擬塑性のコントラスト画像が作成され、それによって、3次元レリーフも同時に決定される。このシステムにより、具体的には歯科治療に必要な義歯を、完全にコンピュータ支援の方法を利用して作製することができる。
光学センサーシステムは、一般に、一部または全体が透過性の印象用組成物と共に用いられる。身体の印象が必要でない場合は、印象用組成物の代わりに液体(例えば水、油、シリコーン油またはポリエーテル)を用いてもよく、それにより身体の3次元像が直接捉えられる。この印象採得方法は、歯科用途においてより有利である。なぜなら、印象用組成物を用いると、多少歯肉が押しのけられるからである。
吸収測定の場合、印象用組成物に、液相に溶解する着色剤が含まれるのが有利であり、液相に溶解する色素または蛍光色素が含まれるのが特に有利である。着色剤や放射線は、着色剤によって放射線が吸収されるよう選択される。色素の場合、ビームは媒体に吸収され、ビーム路程に応じて減弱する。印象用組成物の境界面で反射されたビームは、印象部分では印象採得前よりも印象採得後の経路のほうが短くなる。従って、ビーム路程は、印象によって局所的に変化し、その結果吸収も変化する。この吸収測定の結果を、距離または厚さを測定するレーダー測定と共に、またはその代替として用いてもよい。同様に、局所的なビーム路程の変化の尺度として、蛍光の変化を捉えてもよい。異なるビーム(例えば波長の異なる光)、設置場所の異なる放射線源、異なる色素や着色剤、およびパルス幅変調を用いることにより、3次元撮像に利用できる豊富なデータが得られる。
評価において、上記のシステムによる測定結果を、印象採得中または印象採得後と印象採得前とで比較する。システムの校正は、正確な位置および寸法が既知である物体を用いて行うのが有利である。印象体表面(例えば印象採得前および印象採得中における被膜としてのグリッド線を施したフィルム)の定点または補助的な構造は、撮像だけでなく、校正にも利用できる。
人または動物の身体、具体的には1本または複数の歯の3次元構造を捉えるためのシステムにおけるさらなる例およびその機能を図25〜図28に基づき以下に説明する。このシステムは、
印象用組成物のための担体、
前記担体上に配置された印象用組成物、
前記印象用組成物に対して光を放出するよう設計されている少なくとも1つの照射ユニット、および
前記印象用組成物より発せられる光を検出し、該光から空間分解された生データを生成するよう設計されている少なくとも1つのセンサーユニット
を含む。
全体を分かりやすくするため、印象用組成物は図25に示していない。
前記システムにおいて、印象用組成物は、蛍光物質、燐光物質、光拡散物質および光反射物質からなる群より選択される少なくとも1つの物質を含んでいてもよい。
前記システムにおいて、印象用組成物は、蛍光物質および燐光物質からなる群より選択される少なくとも1つの物質を含んでいてもよく、前記少なくとも1つの照射ユニットは、蛍光物質および/または燐光物質の励起領域にある波長の光を放出するよう設計されている。
前記システムにおいて、印象用組成物は、少なくとも1つの波長領域の光に対して透過性を有するものであってよい。
前記システムにおいて、照射ユニットは、印象用組成物が光透過性を有する波長領域にある光を放出してもよい。
前記システムにおいて、前記少なくとも1つの照射ユニットは、LED、RGB−LED、OLEDおよびレーザーLEDからなる群より選択される光源を含んでもよい。
前記システムにおいて、前記少なくとも1つの照射ユニットは、印象用組成物にパターンを投影するよう設計されていてもよい。
前記システムにおいて、印象用組成物は、該組成物自体に適用されたパターンおよび/または組み込まれたパターンを含んでいてもよい。
前記システムにおいて、前記少なくとも1つの照射ユニットは、パルス光を放出するよう設計されていてもよい。
前記システムにおいて、前記生データは、空間分解された光通過時間データを含んでいてもよい。
前記システムにおいて、前記生データは、空間分解された光度データを含んでいてもよい。
前記システムにおいて、前記少なくとも1つのセンサーユニットは、複数のガラス繊維、および少なくとも1つの光学センサーを含んでいてもよく、前記ガラス繊維の片方の端部は、それぞれ印象用組成物と連携しており、前記ガラス繊維の第2の端部は、それぞれ前記少なくとも1つの光学センサーと連携している。
前記システムにおいて、前記少なくとも1つの光学センサーは、CCDチップおよびCMOSチップからなる群より選択されてもよい。
前記システムにおいて、前記装置は、前記少なくとも1つのセンサーユニットにより生成された生データを保存するためのメモリーユニットをさらに含んでもよい。
前記システムにおいて、前記装置は、前記少なくとも1つのセンサーユニットにより生成された生データからイメージデータを生成するための演算器をさらに含んでもよい。
前記システムにおいて、前記装置は、前記少なくとも1つのセンサーユニットにより生成された生データ、または前記演算器により生成されたイメージデータをデータ処理ユニットに送信するためのインターフェースをさらに含んでもよい。
図25は、撮像ユニット5とハンドル10とを有する歯科印象用トレー4の一例を示す。光導波路30、例えば多数のコア(各ファイバーにつき、例えば9000コア)を有するガラス繊維導光管は、ひとまとめにされてガラス繊維束31になっており、ガラス繊維31には、1束あたり、例えば300本のガラス繊維30が含まれる。各コアはそれぞれ計測点に相当する。計測点(ガラス繊維コアの端部)は、内部境界面13を有する皿型担体の内面に配置され分布している。ガラス繊維束31は、コネクター33を用いたプラグイン連結によりイメージセンサー32(例えばCMOSセンサー)に連結されている。ガラス繊維の各コアは、定義された方法でイメージセンサーの各ピクセルに割り当てられている。各コアの光学情報(光強度)は、測定中、イメージセンサー32によって取得される。測定値は、メモリーチップ35を有する制御・メモリー装置34によって保存され、その後USBインターフェースを介して評価用のPCに転送することができる。このような計測点を有する担体を撮像ユニット5という。撮像ユニット5、光導波路30または一束の光導波路31、記録用電子部品を備えたイメージセンサー33および制御・メモリー装置34は、全体で撮像システムを表す。光パルスを放出するための放射線源または光源は、列状に配置されたLEDから構成され、LEDは、担体(ベースプレート)のくぼみの下部に配置されているが、図25には示していない。同様に、担体のくぼみの内側部分にある印象用組成物または印象体も示していない。
図26は、光学撮像システムのための放射線源としてLED36を有する図25の撮像ユニット5を示す。LED36は、図26では14個示されており、担体の下部に配置され、担体の内側部分、すなわち印象用組成物または印象体に対して光を放出する。
図27および図28において、幾何学的測定の原理を説明する。
図27aに、歯2、ガラス繊維30および担体壁37の配置を概略的かつ極めて単純化した形で示す。担体壁37と歯2との間に、印象用組成物14がある。ガラス繊維30における入射光の光錐38は、ガラス繊維の端部の形状および仕上げによって異なる。例えば、固定入射角が45°であるガラス繊維30を使用する(図27b)。ガラス繊維30の端部は、あらゆる側面から歯または印象の輪郭を可能な限り十分に捉えるために、担体壁37に異なる向きで配置される。
図28では、物体39(例えば歯2)からの距離が遠くなるにつれて、ガラス繊維30(例えば各ファイバーは直径約1mmで600コアを有する)における入射光の光錐38が大きくなる様子を示している。これは、入射光の光錐38のサイズが物体39までの距離の尺度となることを意味する。光錐が大きくなるほど、物体39に対する撮像領域は広くなり、ガラス繊維30により回収される光量も増大する。
1 上顎
2 歯
3 印象用トレー
4 歯科印象用トレー
5 撮像ユニット
6 記録ユニット
7 センサー装置
8 伸長部
9 USBポート
10 ハンドル
11 ベースプレート
12 フレーム
13 内部境界面
14 印象用組成物
15 空洞
16 曲線
17 PC
18 PC画面
19 完成モデル
20 フライス盤
21 保持プレート
22 コーティング
23 レンズ
24 レンズ
25 レンズ
26 スクリーン
27 キー
28 フィルム
29 カメラ
A 矢印
B 矢印
C 矢印

Claims (12)

  1. 配置、形状および/または寸法の印象を作製するために変形可能な印象用組成物(14)を保持する歯科印象用トレー(3)であって、エネルギー源と少なくとも3つのセンサー装置を用いて、印象作製時に印象用組成物(14)の少なくとも1つの物理的性質および/又は変数の変化である厚さの変化を3次元で捉えてデジタルデータの形で提供する歯科印象用トレー()において、上記センサーは構造、配置および/または形状を3次元デジタルデータの形で取得することが可能であり、上記印象用組成物(14)は少なくとも光透過性と導電性を有し、上記印象用組成物は供給される電気エネルギーによって粘稠度が変化する口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  2. センサー装置(7)が、印象用組成物(14)における、
    放射線透過性または放射線吸収の変化、
    導電率の変化、
    圧力の変化、
    変形、
    横断面の変化または厚さの変化、
    電気抵抗の変化および
    異種原子の密度変化または分布変化
    のうち少なくとも1つを3次元で捉えるよう設計されている請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  3. センサー装置(7)で生成されたデータをデジタルデータの形で転送するために、インターフェース装置がセンサー装置(7)の出力側に連結されている請求項1に記載の 口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  4. 印象用組成物(14)が歯科印象用トレー(3)の対応する構成に充填される請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  5. 歯科印象用トレー(3)が、X線フィルムホルダー用の担体として設置されている請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  6. 加温装置を備えている請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  7. 使用される印象用組成物(14)が研磨によって、同時に光学レンズとしても使用できる請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  8. 光波に対して特定の方法でのみ反応するか、特定の光波にのみ反応する1以上の物質を含む印象用組成物(14)に、センサー装置(7)が反応するように設計されている請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  9. 印象用組成物(14)が、透過性ポリエーテルであるか、またはポリエーテル、A−シリコーン、C−シリコーン親水コロイド、多硫化物および/またはアルギン酸塩をベースとした印象用組成物である請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  10. 印象用組成物(14)が、形状記憶効果を有する形状記憶組成物であって、活性化された後また原形に戻るような性質のものである請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  11. フィルム(28)を備えており、印象採得前に該フィルムで印象用組成物(14)を覆うことにより、唾液や口腔組織/皮膚との接触を防ぎかつ/または変形によりデータを送信できる請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
  12. 患者または少なくとも基準点の外側の画像を記録して顎/歯の決定されたデータに付加するために、歯科印象用トレー(3)内にまたは歯科印象用トレー(3)上にカメラ(29)が備えられている請求項1に記載の口腔内の歯科印象用トレー(3)。
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