上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を以下のようなパチンコ機(弾球遊技機)に適用した実施例について説明する。
A.第1実施例 :
A−1.パチンコ機の装置構成 :
A−1−1.装置前面側の構成 :
図1は、第1実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には円形状の窓部4aが形成されている。この窓部4aにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。前面枠4の下方には上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図6参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。上皿部5の左部にはスピーカー5yが設けられている。また、上皿5の前面側には演出ボタンBTが設けられている。この演出ボタンBTに対する遊技者の操作を受け付けることによって、該操作に対応した遊技演出を行うことが可能となっている。
下皿部6には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−1−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。上述した発射装置ユニット12から発射された遊技球は、外レール14と内レール15との間を通って遊技領域11に放出され、遊技領域11の上方から下方に向かって流下する。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられている。中央装置26のほぼ中央には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上では、識別図柄や背景画像などの種々の演出図柄を変動表示した後に停止表示することが可能となっている。演出表示装置27の表示画面上で表示される各種の演出図柄については後述する。
演出表示装置27の左斜め下方には第1図柄表示装置28が設けられ、演出表示装置27の右斜め下方には第2図柄表示装置32が設けられている。このうち、演出表示装置27の左下方に設けられた第1図柄表示装置28では、普通図柄や第1特別図柄を変動表示することが可能となっており、演出表示装置27の右下方に設けられた第2図柄表示装置32では、第2特別図柄を変動表示することが可能となっている。第1図柄表示装置28や、第2図柄表示装置32の詳細な構成については後述する。尚、以下では、第1特別図柄を単に「第1特図」と略記し、第2特別図柄を単に「第2特図」と略記することがあるものとする。
遊技領域11において中央装置26の左方には、普通図柄作動ゲート36が設けられており、普通図柄作動ゲート36の内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36sが設けられている。更に、普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には、ランプ風車24が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
遊技領域11において中央装置26の下方には、始動口ユニット17が設けられている。後述するように始動口ユニット17は、2つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第1始動口17aは、遊技球の入球を許容する遊技球受入口の大きさが不変(一定)で、遊技球が常時入球可能となっている固定式(非可変式)の入球口であり、下側に設けられた第2始動口17bは、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成された可変式の入球口となっている。始動口ユニット17の詳細な構成については、別図を用いて後述する。
遊技領域11において始動口ユニット17の下方には、第1大入賞装置60が設けられている。この第1大入賞装置60は、略長方形状に大きく開放する第1大入賞口60dや、第1大入賞口60dを開閉させる開閉部材60e、開閉部材60eを動作させる第1大入賞口ソレノイド60m(図6参照)などから構成されている。後述する所定の条件が成立すると、第1大入賞装置60が作動を開始して第1大入賞口ソレノイド60mにより開閉部材60eが開動作され、第1大入賞口60dが開放状態となる。この結果、遊技球が高い確率で第1大入賞口60dに入球することとなって、遊技者にとって有利な小当り遊技または大当り遊技が実行される。また、第1大入賞口60dの内部には第1大入賞口スイッチ60sが設けられており、第1大入賞口60dに入球した遊技球を検出することが可能である。
また、第1大入賞口60dの下方、且つ、遊技盤の奥側には、第1大入賞口60dに入球した遊技球が案内される「振分領域70」が形成されている。振分領域70には、振分領域70に進入した遊技球を「特定領域71」または「非特定領域72」の何れかに振り分けるための構成が設けられている。また、遊技盤10において、振分領域70の位置に対応する部分は、無色プラスチック板等の透明板で形成されている。したがって、遊技者から振分領域70が視認可能となっている。振分領域70の詳細な構成については、別図を用いて後述する。
遊技領域11において中央装置26の右方には、第2大入賞装置80が設けられている。この第2大入賞装置80は、略長方形状に大きく開放する第2大入賞口80dや、第2大入賞口80dを開閉させる開閉部材80e、開閉部材80eを動作させる第2大入賞口ソレノイド80m(図6参照)などから構成されている。後述する所定の条件が成立すると、第2大入賞装置80が作動を開始して第2大入賞口ソレノイド80mにより開閉部材80eが開動作され、第2大入賞口80dが開放状態となる。この結果、遊技球が高い確率で第2大入賞口80dに入球することとなって、遊技者にとって有利な大当り遊技が実行される。また、第2大入賞口80dの内部には第2大入賞口スイッチ80sが設けられており、第2大入賞口80dに入球した遊技球を検出することが可能である。
遊技領域11の下部にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
図3は、第1実施例のパチンコ機1に搭載された第1図柄表示装置28および第2図柄表示装置32の構成を示す説明図である。図3(a)は第1図柄表示装置28を表しており、図3(b)は第2図柄表示装置32を表している。まず、第1図柄表示装置28の構成について説明する。図3(a)示されているように、第1実施例の第1図柄表示装置28は、略矩形の領域内に12個の小さな発光ダイオード(LED)が組み込まれて構成されている。これら12個のLEDのうちの、3個のLEDは普通図柄表示部29を構成しており、残りの9個のLEDは第1特別図柄表示部30を構成している。更に、普通図柄表示部29は、普通図柄を表示するための1個のLED(以下、普通図柄LED29aと呼ぶ)と、普通図柄の保留数を表示するための2個のLED(以下、普図保留表示LED29bと呼ぶ)とから構成されている。また、第1特別図柄表示部30は、第1特別図柄を表示するための7個のLED(以下、第1特別図柄LED30aと呼ぶ)と、第1特別図柄の保留数を表示するための2個のLED(以下、第1特図保留表示LED30bと呼ぶ)とから構成されている。尚、以下では、第1特別図柄(第1特図)の保留を「第1特図保留」とも称し、第1特図の保留数を「第1特図保留数」とも称する。
図3(b)に示した第2図柄表示装置32は、上述した第1図柄表示装置28に対して普通図柄表示部29を取り除いた構成となっている。すなわち、第2図柄表示装置32には、9個のLEDから構成される第2特別図柄表示部33が設けられており、そのほぼ中央に設けられた7個のLEDは、第2特別図柄を表示するためのLED(以下、第2特別図柄LED33aと呼ぶ)であり、残りの2個のLEDは、第2特別図柄の保留数を表示するためのLED(以下、第2特図保留表示LED33bと呼ぶ)となっている。尚、以下では、第2特別図柄(第2特図)の保留を「第2特図保留」とも称し、第2特図の保留数を「第2特図保留数」とも称する。また、特に区別する必要がない場合は「第1特図保留」と「第2特図保留」とを、まとめて単に「特図保留」とも称する。
図4は、第1実施例のパチンコ機1に搭載された演出表示装置27の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は液晶表示器を用いて構成されており、その表示画面上には、3つの識別図柄27a,27b,27cと、その背景の背景画像27dが表示されている。3つの識別図柄27a,27b,27cは、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33における特別図柄の変動表示の開始タイミングと同期して変動表示を開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄27a,27b,27cの変動表示が終了する。
図5は、第1実施例のパチンコ機1に搭載された始動口ユニット17の構成を示す説明図である。前述したように始動口ユニット17には、第1始動口17aと、第2始動口17bとが設けられている。上側に設けられた第1始動口17aは、遊技球受入口の大きさが一定の非可変式(ポケット式)の入球口(一般始動口)として構成され、下側に設けられた第2始動口17bは、一対の翼片17wを備えた可変式の入球口(可変始動口)として構成されている。一対の翼片17wは、ほぼ直立した閉鎖状態(図5(a)参照)と、外側に向かって回転した開放状態(図5(b)参照)との2つの状態を取ることが可能である。図5(a)に示すように、一対の翼片17wがほぼ直立した第2始動口17bの閉鎖状態は、遊技球は第2始動口17bに入球することができず、専ら第1始動口17aに入球する状態である。これに対して、図5(b)に示すように、一対の翼片17wが外側に開いた第2始動口17bの開放状態は、第2始動口17bにも遊技球が入球し得る状態である。尚、第1実施例の始動口ユニット17では、第2始動口17bが開放状態となると、第1始動口17aよりも第2始動口17bの方が、遊技球が入球し易くなる。
第1始動口17aあるいは第2始動口17bに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤10の裏面側に導かれる。第1始動口17aの内部の通路の途中には第1始動口スイッチ17sが設けられ、第2始動口17bの内部の通路の途中には第2始動口スイッチ17tが設けられており、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに入球した遊技球はそれぞれ第1始動口スイッチ17sあるいは第2始動口スイッチ17tによって検出されるようになっている。
A−1−3.制御回路の構成 :
次に、第1実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図6は、第1実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、演出図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御の下で画像の表示や音声の出力を行う画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御の下で各種LED,ランプ4b〜4fを駆動する装飾駆動基板226と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAMなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200は、第1始動口スイッチ17sや、第2始動口スイッチ17t、第1大入賞口スイッチ60s、第2大入賞口スイッチ80s、特定領域検出スイッチ71s、非特定領域検出スイッチ72s、ゲートスイッチ36sなどから遊技球の検出信号の入力があると、その検出信号の入力のあったスイッチに応じて定められる各種動作を指令するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって送信する。また、主制御基板200には、第2始動口17bに設けられた一対の翼片部17wを開閉させるための始動口ソレノイド17mや、第1大入賞口60dを開閉させるための第1大入賞口ソレノイド60m、第2大入賞口80dを開閉させるための第2大入賞口ソレノイド80m、更には、第1図柄表示装置28、第2図柄表示装置32などが中継端子板(図示略)を介して接続されており、これら各種ソレノイド17m,60m,80m、第1図柄表示装置28、第2図柄表示装置32に向かって駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御も行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228が接続されている。サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対して表示内容および音声内容を指定するコマンドを送信したり、装飾駆動基板226に各種LED、ランプ4b〜4fの駆動信号を送信したりすることにより、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板220は、演出ボタン基板228を介して演出ボタンBTに対する遊技者の操作を検出すると、該操作に対応する演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用するデータ(例えば、演出図柄やキャラクタ画像を表示するためのスプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成して、演出表示装置27の表示画面に出力する。また、CPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介してスピーカー5yから出力する。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板(図示略)を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータを通信しながら、貸球の払い出しを行う。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板240が受信して、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
A−2.遊技の概要 :
第1実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が行われる。まず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左右に設けられた普通図柄作動ゲート36を通過すると、演出表示装置27の左下方に設けられた第1図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図4を用いて前述したように、第1図柄表示装置28には普通図柄表示部29が設けられており、普通図柄表示部29には、普通図柄LED29aおよび普図保留表示LED29bが搭載されている。このうち、普通図柄LED29aを用いて普通図柄の変動表示を行う。
図7(a)は、普通図柄が変動表示する様子を概念的に示した説明図である。第1実施例のパチンコ機1では、普通図柄LED29aの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図7では、普通図柄LED29aが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、予め定められた時間だけ点滅を繰り返した後、普通図柄LED29aが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、第2始動口17b(始動口ユニット17の下側の始動口)が所定の開放時間だけ開放状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、第2始動口17bが開放することはない。また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が普通図柄の保留(普図保留)としてRAM203の記憶領域(普図保留記憶領域)に記憶され、現在の普通図柄の変動表示が終了した後に、その普図保留に基づき変動表示が行われる。普図保留は最大4個まで記憶可能となっており、記憶されている普通図柄の保留数(普図保留数)は、普図保留表示LED29bによって表示される。
図7(b)は、第1図柄表示装置28に設けられた普図保留表示LED29bによって普図保留数が表示される様子を示した説明図である。普図保留が無い場合(すなわち、普図保留が0個の場合)は、2個の普図保留表示LED29bは何れも消灯している。普図保留が1個の場合は、向かって左側の普図保留表示LED29bは消灯したままで、右側の普図保留表示LED29bが点灯する。普図保留が2個になると、右側の普図保留表示LED29bに加えて左側の普図保留表示LED29bが点灯する。次いで、普図保留が3個になると、右側の普図保留表示LED29bが点滅し、左側の普図保留表示LED29bが点灯する。更に普図保留が増加して上限値である4個になると、左右の普図保留表示LED29bが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部29では、2個の普図保留表示LED29bを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、0個から4個までの普図保留数を表示することができる。
また、図3(a)を用いて前述したように、第1図柄表示装置28には、第1特別図柄表示部30が設けられており、第1特別図柄(第1特図)を変動表示可能となっている。更に、図3(b)に示したように、第2図柄表示装置32に設けられた第2特別図柄表示部33では、第2特別図柄(第2特図)を変動表示可能となっている。このうち、第1特別図柄は第1始動口17aに対応し、第2特別図柄は第2始動口17bに対応しており、第1特別図柄あるいは第2特別図柄は、それぞれ対応する始動口に遊技球が入球すると変動表示を開始する。また、前述したように第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33は、何れも同様な構成をしており、従って、第1特別図柄も第2特別図柄も同様な態様で変動表示を行う。
第1特別図柄および第2特別図柄は、所定の変動時間が経過するまで変動表示した後、当り判定の結果に応じて大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れかで停止表示される。そして、停止表示された図柄を確定させるべく、特別図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。第1実施例では、停止表示される図柄(停止図柄)として、第1特別図柄および第2特別図柄の各々について、100種類の大当り図柄と、20種類の小当り図柄と、1種類の外れ図柄が設けられている。図3を用いて前述したように、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33の何れも7個のLEDによって構成されており、各図柄は、点灯させるLEDの組合せを互いに異ならせて設定されている。第1図柄表示装置28および第2図柄表示装置32では、それぞれ7個のLED(第1特別図柄LED30aおよび第2特別図柄LED33a)を所定の変動時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、その変動時間が経過すると、所定の組合せのLEDを点灯させることで何れかの図柄を停止表示する。
そして、何れかの大当り図柄が停止表示されると、第1大入賞口60dおよび第2大入賞口80dが所定の割合で長時間(例えば30秒×15回)開放状態となる大当り遊技が開始される(大当りが発生する)。大当り遊技中は、第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dに遊技球が入球することを契機として遊技球が払い出される。
ここで、第1実施例のパチンコ機1では、100種類(100個)の大当り図柄のうち50種類(50個)の大当り図柄の何れかが停止表示(確定表示)されると、第2大入賞口80dが開放状態となる第2ラウンド遊技が先に14回行われ、その後に第1大入賞口60dが開放状態となる第1ラウンド遊技が1回行われる大当り遊技(以下「直当りの15R大当り遊技」ともいう)が実行される。また、100種類(100個)の大当り図柄のうち残りの50種類(50個)の大当り図柄の何れかが停止表示されると、第1ラウンド遊技が先に3回行われ、その後に第2ラウンド遊技が1回行われる大当り遊技(以下「直当りの4R大当り遊技」ともいう)が実行される。
尚、以下では、「直当りの15R大当り遊技」の実行契機となる大当り図柄を「15R大当り図柄」とも称し、「直当りの4R大当り遊技」の実行契機となる大当り図柄を「4R大当り図柄」とも称する。また、「直当りの15R大当り遊技」と「直当りの4R大当り遊技」とを特に区別しない場合は、まとめて「直当りの大当り遊技」とも称する。また、第1ラウンド遊技と第2ラウンド遊技とを特に区別しない場合は、まとめて「ラウンド遊技」とも称する。
一方、何れかの小当り図柄が停止表示されると、第1大入賞口60dが大当り遊技中より短い時間(例えば、2秒×2回)開放状態となる小当り遊技が開始される(小当りが発生する)。小当り遊技中は、第1大入賞口60dに遊技球が入球することを契機として遊技球が払い出される。また、小当り遊技中に第1大入賞口60dに入球した遊技球が振分領域70の特定領域71を通過した場合も、第1大入賞口60dおよび第2大入賞口80dが所定の割合で長時間(例えば30秒×15回)開放状態となる大当り遊技が開始される。
ここで、第1実施例のパチンコ機1では、20種類(20個)の小当り図柄のうち10種類(10個)の小当り図柄の何れかが停止表示されることで開始された小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過すると、第2ラウンド遊技が先に14回行われ、その後に第1ラウンド遊技が1回行われる大当り遊技(以下「小当り経由の15R大当り遊技」ともいう)が実行される。また、20種類(20個)の小当り図柄のうち残りの10種類(10個)の小当り図柄の何れかが停止表示されることで開始された小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過すると、第1ラウンド遊技が先に3回行われ、その後に第2ラウンド遊技が1回行われる大当り遊技(以下「小当り経由の4R大当り遊技」ともいう)が実行される。
尚、以下では、「小当り経由の15R大当り遊技」の実行契機となる小当り図柄を「15R小当り図柄」とも称し、「小当り経由の4R大当り遊技」の実行契機となる小当り図柄を「4R小当り図柄」とも称する。また、「小当り経由の15R大当り遊技」と「小当り経由の4R大当り遊技」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「小当り経由の大当り遊技」とも称する。また、「直当りの15R大当り遊技」と「小当り経由の15R大当り遊技」とは大当り遊技が開始されるまでの過程が異なるだけであり、大当り遊技中は同様のラウンド遊技が行われる。したがって、「直当りの15R大当り遊技」と「小当り経由の15R大当り遊技」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「15R大当り遊技」とも称する。また、「直当りの4R大当り遊技」と「小当り経由の4R大当り遊技」とも大当り遊技が開始されるまでの過程が異なるだけであり、大当り遊技中は同様のラウンド遊技が行われる。したがって、「直当りの4R大当り遊技」と「小当り経由の4R大当り遊技」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「4R大当り遊技」とも称する。
このように第1実施例のパチンコ機1では、「特別図柄として大当り図柄が停止表示された場合」に「直当りの大当り遊技」が開始され、「特別図柄として小当り図柄が停止表示されて小当り遊技が開始された後、該小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過した場合」に「小当り経由の大当り遊技」が開始される。
尚、以下では、特別図柄を変動表示させてから大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れかを確定表示するまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
第1始動口17aあるいは第2始動口17bへの遊技球の入球は、該入球を契機とする特別図柄の変動表示が開始されるまで、第1特別図柄の保留(第1特図保留)あるいは第2特別図柄の保留(第2特図保留)としてRAM203の記憶領域(特図保留記憶領域)に記憶される。第1特図保留および第2特図保留は、それぞれ最大4個まで記憶可能となっており、第1特図保留の個数(第1特図保留数)については第1特図保留表示LED30bに表示され、第2特図保留の個数(第2特図保留数)については第2特図保留表示LED33bに表示される。第1特図保留表示LED30bあるいは第2特図保留表示LED33bに特別図柄の保留数を表示する態様は、図7(a)に示した普図保留表示LED29bによる普通図柄の保留数表示と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第1特別図柄あるいは第2特別図柄の図柄変動遊技に対応して、演出表示装置27では演出図柄(識別図柄27a,27b,27cなど)を用いた各種の演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。図8は、演出表示装置27で行われる図柄変動演出の一態様を例示した説明図である。演出表示装置27を構成する液晶表示器の表示画面には、左識別図柄27aが表示される左図柄表示領域と、中識別図柄27bが表示される中図柄表示領域と、右識別図柄27cが表示される右図柄表示領域が形成され、これらの表示領域を用いて3つの識別図柄27a,27b,27cが表示される。第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32の何れかで特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置27においても3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。第1実施例では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
図8(a)には、3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄27cが停止表示され、最後に中識別図柄27bが停止表示される。これら演出表示装置27で停止表示される3つの識別図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で停止表示される特別図柄(第1特別図柄あるいは第2特別図柄)の停止表示態様と連動するように構成されている。例えば、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が「大当り図柄」で停止する場合は、演出表示装置27の3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄となる図柄組合せ(ゾロ目)で停止表示される。また、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が「小当り図柄」または「外れ図柄」で停止する場合は、3つの識別図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(バラケ目)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄27a、27b、27cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる。
このように、第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つの識別図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の第1特別図柄あるいは第2特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄27a,27b,27cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、演出表示装置27は、第1図柄表示装置28や第2図柄表示装置32よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら図柄変動遊技を行わせることが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄27aと、続いて停止表示される右識別図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄27bも同じ図柄で停止して、「直当りの大当り遊技」が開始されるのではないかと、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
A−3.遊技機の制御内容 :
A−3−1.遊技制御処理 :
図9は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。
図9に示すように、遊技制御処理では、「賞球関連処理」「普通図柄遊技処理」「第2始動口閉鎖処理」「特図保留関連処理」「特別図柄遊技処理」「小当り遊技処理」「大当り遊技処理」などの各処理が繰り返し実行されている。主制御基板200のCPU201は、所定周期毎に発生するタイマ割り込みに基づき遊技制御処理を行うように構成されており、第1実施例では、4msec毎にタイマ割り込みが発生するものとなっている。つまり、図9に示す遊技制御処理は、CPU201における4msec毎のタイマ割り込み処理として実行される。そして、遊技制御処理中に、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板200から各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機1全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
CPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。この処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチのうち、遊技球の入賞に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ17sや、第2始動口スイッチ17t、第1大入賞口スイッチ60s、第2大入賞口スイッチ80sなど)について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向かって賞球数指定コマンドを送信する。払出制御基板240は、主制御基板200から送信された賞球数指定コマンドを受信するとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置(図示せず)に搭載された払出モータ109mに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球関連処理(S50)に続いて、普通図柄遊技処理を行うか否かを判断する(S100)。この判断は、第2始動口17bが開放状態であるか否かを検出することによって行う。第2始動口17bが開放状態でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し(S100:yes)、第2始動口17bが開放状態であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する(S100:no)。そして、普通図柄遊技処理を行うと判断した場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S150)。これに対して、普通図柄遊技処理を行わないと判断した場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理(S150)は省略する。
普通図柄遊技処理(S150)では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留(普図保留)が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、普図保留が存在する場合には普通図柄の当り判定を行う。ここで、普図保留は、遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過することにより取得される普図当り判定乱数の値を示す情報を記憶するものであり、第1実施例では、その記憶数(保留数)の上限値を「4」としている。そして、普通図柄の当り判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄(図7(a)参照)で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。続いて、普通図柄の変動時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始し、その後、変動時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させる。このとき、普通図柄の当り図柄が停止表示されると、第2始動口ソレノイド18mを作動させて、第2始動口17bに設けられた翼片17wを両側に回動させることにより、第2始動口17bを開放状態とする(図5(b)参照)。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、第2始動口17bが開放状態であるか否かを判断する(S190)。そして、開放状態である場合は(S190:yes)、第2始動口17bを開放状態から閉鎖状態にするための処理(第2始動口閉鎖処理)を行う(S200)。一方、第2始動口17bが開放状態でない場合は(S190:no)、第2始動口閉鎖処理を行う必要はないので省略する。
第2始動口閉鎖処理(S200)では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、第2始動口17bの開放時間が経過したか、若しくは、第2始動口17bに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立したか否かを判断し、何れかの条件(始動口開放終了条件)が成立した場合に、開放状態の第2始動口17bを閉鎖状態にする処理を行う。一方、第2始動口17bの開放時間が経過しておらず、第2始動口17bへの入球数も規定数に達していない場合(始動口開放終了条件が成立していない場合)は、第2始動口17bを開放状態としたまま、第2始動口閉鎖処理(S200)を終了する。
A−3−2.特図保留関連処理 :
図10は、特図保留関連処理を示すフローチャートである。特図保留関連処理(S250)では、先ず初めに、第1始動口17aに遊技球が入球したか否かを判断する(S252)。その結果、第1始動口17aに遊技球が入球した場合は(S252:yes)、第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)が上限値(第1実施例では「4」)に達しているか否かを判断する(S254)。そして、第1特図保留数が上限値に達していなければ(S254:no)、判定乱数を取得する(S256)。ここで、判定乱数としては、後述する当り判定を行うために用いられる当り判定乱数や、大当りまたは小当り発生時に第1図柄表示装置28(あるいは第2図柄表示装置32)で停止表示する図柄を決定するために用いられる当り図柄決定乱数、図柄が停止表示するまでの変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定乱数などの乱数を取得する。続いて、取得した判定乱数の値を示す情報を、主制御基板200に搭載されたRAM203(特図保留記憶領域)に第1特図保留として記憶する(S258)。第1特図保留を記憶したら(S258)、第1特図保留数に「1」を加算する(S260)。こうして、第1特図保留数に「1」を加算したら、第1保留発生コマンドを主制御基板200からサブ制御基板220に向かって送信する(S262)。第1保留発生コマンドには、第1特図保留が記憶された(発生した)ことを示す情報、今回記憶した第1特図保留を含む現在の第1特図保留数を示す情報が含まれている。サブ制御基板220のCPU221は、受信した第1保留発生コマンドに基づき、第1特図保留数を判断する。尚、第1保留発生コマンドに含まれる各情報を、それぞれ別のコマンドで送信するようにしてもよい。また、第1始動口17aに遊技球が入球していない場合や(S252:no)、第1特図保留数が上限値(ここでは「4」)に達していた場合は(S254:yes)、S256〜S262の処理は省略する。
以上のようにして、第1特図保留に関する処理を終了したら、続いて第2特図保留に関する処理を開始する。第2特図保留に関する処理は、第1始動口17aに対して行った上述の第1特図保留に関する処理を、第2始動口17bに対して行う処理である。以下、簡単に説明すると、先ず初めに、第2始動口17bに遊技球が入球したか否かを判断し(S272)、第2始動口17bに遊技球が入球していれば(S272:yes)、第2特図保留数が上限値(第1実施例では「4」)に達しているか否かを判断する(S274)。その結果、第2特図保留数が上限値に達していなければ(S274:no)、判定乱数(当り判定乱数、当り図柄決定乱数、変動パターン決定乱数など)を取得して(S276)、取得した判定乱数の値を示す情報を、主制御基板200に搭載されたRAM203(特図保留記憶領域)に第2特図保留として記憶する(S278)。そして、第2特図保留数に「1」を加算する(S280)。こうして、第2特図保留数に「1」を加算したら、第2保留発生コマンドを主制御基板200からサブ制御基板220に向かって送信する(S282)。サブ制御基板220のCPU221は、受信した第2保留発生コマンドに基づき、第2特図保留数を判断する。尚、第2保留発生コマンドに含まれる各情報を、それぞれ別のコマンドで送信するようにしてもよい。また、第2始動口17bに遊技球が入球していない場合や(S272:no)、第2特図保留数が上限値(ここでは「4」)に達していた場合は(S274:yes)、S276〜S282の処理は省略する。
以上のようにして、第1特図保留および第2特図保留に関する処理を終了したら、図10に示した特図保留関連処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。そして、特図保留関連処理から復帰すると、遊技制御処理では、以下に説明する特別図柄遊技処理(S300)を開始する。
A−3−3.特別図柄遊技処理 :
図11および図12は、第1実施例の特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、特別図柄遊技処理を開始すると、小当り遊技中であるか否かを判断する(S301)。そして、小当り遊技中である場合は(S301:yes)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。小当り遊技中でない場合は(S301:no)、今度は、大当り遊技中であるか否かを判断する(S302)。そして、大当り遊技中である場合は(S302:yes)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。これに対して、大当り遊技中でもない場合(S302:no)、すなわち、小当り遊技中および大当り遊技中の何れでもない場合は、第1特図または第2特図の何れかが変動表示中であるか否かを判断する(S304)。
第1特図または第2特図の何れも変動表示中でない場合は(S304:no)、第1特図または第2特図が確定表示中であるか否かが判断される(S306)。前述したように、第1特図および第2特図の何れであっても、変動表示が終了してから所定の時間が経過するまでは、変動表示の終了に伴い停止表示された特別図柄を確定させるべく、特別図柄が停止表示された状態を維持する表示(確定表示)を行う。S306の処理では、この「確定表示」の実行中であるか否かが判断される。その結果、第1特図および第2特図が変動表示中でも確定表示中でもない場合は(S304:no、S306:no)、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)を開始するための処理(特図変動表示処理)を開始する(S310)。
図13および図14は、第1実施例の特図変動表示処理を示すフローチャートである。図示されるように、特図変動表示処理では、先ず、第2特図保留数が「0」であるか否かを判断する(S3100)。その結果、第2特図保留数が「0」でなければ(第2特図保留数≧1)(S3100:no)、記憶されている第2特図保留の中から最も古くに記憶された第2特図保留を読み出す(S3102)。このS3102の処理では、第2特図保留として記憶されている各種の判定乱数の値を読み出す。
これに対して、第2特図保留数が「0」である場合は(S3100:yes)、第1特図保留数が「0」であるか否かを判断する(S3104)。その結果、第1特図保留数が「0」でなければ(第1特図保留数≧1)(S3104:no)、記憶されている第1特図保留の中から最も古くに記憶された第1特図保留を読み出す(S3106)。このS3106の処理では、前述のS3102の処理と同様に、第1特図保留として記憶されている各種の判定乱数の値を読み出す。これに対して、第1特図保留数が「0」である場合は(S3104:yes)、既に第2特図保留数も「0」と判断されていることから、第1特図保留および第2特図保留の何れも記憶されていないと判断されるので、後述の当り判定や第1特図あるいは第2特図の変動表示を開始する必要はない。そこで、図13および図14の特図変動表示処理を終了して、図11および図12に示した特別図柄遊技処理に復帰する。
尚、上述したように特図変動表示処理では、先ず初めに第2特図保留が記憶されているか否かを判断し(S3100)、第2特図保留が記憶されてない場合にだけ(S3100:yes)、第1特図保留が記憶されているか否かを判断している。従って、第1特図保留と第2特図保留とが両方とも記憶されている場合には、常に第2特図保留が第1特図保留に優先して読み出されることとなり(第2特図保留を優先消化することとなり)、第1特図保留が読み出されるのは、第2特図保留が記憶されていない場合に限られる。
以上のようにして、第1特図保留または第2特図保留の何れかを読み出したら(S3102またはS3106)、当り判定テーブルを選択する(S3120)。当り判定テーブルとは、当り判定乱数の値に対応付けて「大当り」「小当り」「外れ」の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
図15は、第1実施例の当り判定テーブルを概念的に示す説明図である。図15に示すように、当り判定テーブルには、「0〜599」(600個)の当り判定乱数の値のうち「13〜72」(60個)の値に対して「小当り」の判定結果が設定されており、「73〜74」(2個)の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。したがって、第1特図保留または第2特図保留として取得された当り判定乱数に基づき当り判定が行われると、100分の1の確率で判定結果が「小当り」となり、300分の1の確率で判定結果が「大当り」となる。
図14の特図変動表示処理では、S3120の処理で選択した当り判定テーブルを参照して、第1特図保留または第2特図保留として読み出した当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値(大当り値)か否かを判断する(S3124)。つまり、今回の当り判定の結果が大当りであるか否かを判断する。
その結果、今回の当り判定の結果が大当りでない場合は(S3124:no)、今度は、第1特図保留または第2特図保留として読み出した当り判定乱数の値が「小当り」に対応する値(小当り値)か否かを判断する(S3132)。つまり、今回の当り判定の結果が小当りであるか否かを判断する。その結果、今回の当り判定の結果が小当りでもない場合(S3132:no)、すなわち、今回の当り判定の結果が外れである場合は、外れ変動パターン選択処理を行う(S3140)。外れ変動パターン選択処理では、第1図柄表示装置28または第2図柄表示装置32で特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、外れ図柄で停止表示させる際の変動パターン(外れ変動パターン)を選択する処理が行われる。具体的には、先ず、遊技状態に応じた外れ変動パターンテーブルを選択する。
図16には、第1実施例の変動パターンテーブルの一例として、当り判定の結果が外れである場合に選択される変動パターンテーブル(外れ変動パターンテーブル)が概念的に示されている。図16に示すように、変動パターンテーブルは、特図保留として取得される変動パターン決定乱数に対応させて変動パターンが設定されたデータテーブルであり、変動パターンとして特別図柄の変動時間が記憶されている。また、各変動パターンには該変動パターンの種類を識別するための変動パターン識別情報が付されている。
変動パターンが選択されて特別図柄の変動表示が開始されると、該特別図柄は、その選択された変動パターンに従って(変動時間が経過するまで)変動表示された後に停止表示される。また、変動パターンが選択されると、その選択された変動パターンの変動パターン識別情報は、変動パターン指定コマンドとしてサブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、そのコマンド(変動パターン識別情報)に対応する図柄変動演出を実行する。すなわち、所定の変動パターンに基づき図柄変動遊技が行われる場合は、該変動パターンに対応する図柄変動演出が実行される。図16に示す外れ変動パターンテーブルは、当り判定の結果が外れである場合に選択される変動パターンテーブルであることから、該変動パターンテーブルに設定されている変動パターンに基づき図柄変動遊技が行われる場合は、外れ図柄が停止表示される図柄変動遊技に対応する図柄変動演出として「識別図柄27a,27b,27cが外れ態様で停止表示される図柄変動演出」が実行される。尚、変動パターンテーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
外れ変動パターン選択処理では(S3140)、外れ変動パターンテーブルを選択するとともに、図13のS3102またはS3106で第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数に対応する外れ変動パターンを、選択した外れ変動パターンテーブルを参照して選択する。
こうして、外れ変動パターン選択処理において外れ変動パターンを選択したら(S3140)、停止表示させる図柄(停止図柄)として外れ図柄をRAM203の記憶領域(停止図柄記憶領域)に記憶する(S3142)。
一方、今回の当り判定の結果が大当りであると判断された場合には(S3124:yes)、大当り図柄を選択するための処理(大当り図柄選択処理)を行う。この処理では、図13のS3102またはS3106で第1特図保留または第2特図保留として読み出した判定乱数のうち当り図柄決定乱数に対応する大当り図柄を、大当り図柄決定テーブル(図示省略)を参照して選択(決定)する(S3126)。
第1実施例では、当り図柄決定乱数として「0〜99」の100個の値が設定され、この当り図柄決定乱数の各値に対して大当り図柄が設定されている。つまり、100種類(100個)の大当り図柄が設定されている。そして、大当り図柄決定テーブルには、「当り図柄乱決定数の値」と「大当り図柄」との対応関係が設定されている。S3126の処理では、このような大当り図柄決定テーブルを参照して、S3102またはS3106で読み出した当り図柄決定乱数に対応する大当り図柄を選択する。こうして大当り図柄を選択したら(S3126)、その選択した大当り図柄を停止図柄としてRAM203の記憶領域(停止図柄記憶領域)に記憶する(S3128)。
図14のS3128の処理で停止図柄記憶領域に大当り図柄を記憶したら、大当り変動パターンを選択する処理(大当り変動パターン選択処理)を行う(S3130)。大当り変動パターン選択処理では、第1図柄表示装置28または第2図柄表示装置32で特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、大当り図柄で停止表示させる際の変動パターン(大当り変動パターン)を選択する処理が行われる。具体的には、先ず、大当り変動パターンが設定された変動パターンテーブル(大当り変動パターンテーブル)を選択する。続いて、選択した大当り変動パターンテーブルを参照して、図13のS3102またはS3106で第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数に対応する大当り変動パターンを選択する。
一方、今回の当り判定の結果が小当りであると判断された場合には(S3132:yes)、小当り図柄を選択するための処理(小当り図柄選択処理)を行う。この処理では、先ず、S3102またはS3106で第1特図保留または第2特図保留として読み出した判定乱数のうち当り図柄決定乱数を用いて、その当り図柄決定乱数に対応する小当り図柄を、小当り図柄決定テーブル(図示省略)を参照して選択(決定)する(S3136)。
小当り図柄決定テーブルには、「当り図柄決定乱数の値」(100個)と「小当り図柄」(20個)との対応関係が設定されている。S3136の処理では、このような小当り図柄決定テーブルを参照して、S3102またはS3106で読み出した当り図柄決定乱数に対応する小当り図柄を選択する。こうして小当り図柄を選択したら(S3136)、その選択した大当り図柄を停止図柄としてRAM203の記憶領域(停止図柄記憶領域)に記憶する(S3138)。
停止図柄記憶領域に小当り図柄を記憶したら(S3138)、小当り変動パターンを選択する処理(小当り変動パターン選択処理)を行う(S3139)。小当り変動パターン選択処理では、第1図柄表示装置28または第2図柄表示装置32で特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、小当り図柄で停止表示させる際の変動パターン(小当り変動パターン)を選択する処理が行われる。具体的には、先ず、小当り変動パターンが設定された変動パターンテーブル(小当り変動パターンテーブル)を選択する。続いて、選択した小当り変動パターンテーブルを参照して、図13のS3102またはS3106で第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数に対応する小当り変動パターンを選択する。
こうして、停止表示する図柄を停止図柄記憶領域に記憶するとともに(S3128、S3138、S3142)変動パターンを選択したら(S3130、S3139、S3140)、先に行われた当り判定が、第2特図保留に基づいて行われたものであるか否かを判断する(S3152)。その結果、第2特図保留に基づいて行われたものであった場合は(S3152:yes)、選択した変動パターンに従って、第2図柄表示装置32で特別図柄(第2特図)の変動表示を開始した後(S3154)、第2特図保留数から「1」を減算する(S3156)。一方、当り判定が第2特図保留に基づいて行われたものではなかった場合、すなわち第1特図保留に基づいて行われたものである場合は(S3152:no)、選択した変動パターンに従って、第1図柄表示装置28で特別図柄(第1特図)の変動表示を開始した後(S3158)、第1特図保留数から「1」を減算する(S3160)。
こうして、停止表示する図柄を記憶するとともに変動パターンを選択したら、先に行われた当り判定が、第2特図保留に基づいて行われたものであるか否かを判断する(S3152)。その結果、第2特図保留に基づいて行われたものであった場合は(S3152:yes)、選択した変動パターンに従って、第2図柄表示装置32で特別図柄(第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)を開始した後(S3154)、第2特図保留数から「1」を減算する(S3156)。一方、当り判定が第2特図保留に基づいて行われたものではなかった場合、すなわち第1特図保留に基づいて行われたものである場合は(S3152:no)、選択した変動パターンに従って、第1図柄表示装置28で特別図柄(第1特図)の変動表示(図柄変動遊技)を開始した後(S3158)、第1特図保留数から「1」を減算する(S3160)。
こうして第2特図保留数または第1特図保留数から「1」を減算したら(S3156またはS3160)、今回、変動表示を開始した第1特図または第2特図の変動パターンの種類を指定する(変動パターン識別情報を含む)変動パターン指定コマンドや、変動表示を経て停止表示される特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、変動開始時コマンドとしてサブ制御基板220に向けて送信する(S3162)。
ここで、サブ制御基板220に搭載されたCPU221は、上述の変動開始時コマンド(停止図柄指定コマンド)を受信すると、図柄変動遊技の終了に伴って演出表示装置27で識別図柄27a,27b,27cとして停止表示する図柄を決定する。すなわち、停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄が小当り図柄または外れ図柄である場合は、数字が揃わずに(バラケ目で)識別図柄27a,27b,27cが停止表示するように図柄を決定する。また、停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄が大当り図柄である場合は、数字が揃って(ゾロ目で)識別図柄27a,27b,27cが停止表示するように図柄を決定する。
また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221は、上述の変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンド)を受信すると、今回の図柄変動遊技の開始から終了までの演出パターン、すなわち、識別図柄27a,27b,27cの変動表示を開始してから、それら3つの識別図柄を停止表示するまでの演出パターンを選択する。そして、サブ制御基板220のCPU221は、選択された演出パターンにしたがって演出表示装置27の表示画面上で図柄変動演出を実行し、識別図柄27a,27b,27cを決定した図柄で停止表示する。
こうして変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンド)を、サブ制御基板220に向けて送信したら(S3162)、図13および図14に示した特図変動表示処理を終了して、図11および図12の特別図柄遊技処理に復帰する。
以上では、特別図柄遊技処理の実行に際して小当り遊技中でも大当り遊技中でもなく(S301:no、S302:no)、第1特図および第2特図の何れも変動表示していない(S304:no)と判断された場合の処理について説明した。これに対して、小当り遊技中でも大当り遊技中でもないが(S301:no、S302:no)、第1特図または第2特図の何れかが変動表示中であると判断された場合は(S304:yes)、既に、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動パターンと停止図柄とが決定されて、第1特図または第2特図の変動表示が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する(S312)。第1特図または第2特図の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、第1特図または第2特図の変動を開始すると同時に所定のタイマ(変動時間計測タイマ)に変動時間を設定することにより、所定の変動時間が経過したかを判断することができる(変動時間計測手段)。その結果、未だ変動時間が経過していない場合は(S312:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S312:yes)、変動表示中の特別図柄を予め設定しておいた図柄(図14のS3128、S3142)で停止表示させることで確定表示を行い(S314)、変動表示中の特別図柄を停止表示させたことを示すコマンド(図柄停止コマンド)をサブ制御基板220に向かって送信する(S316)。そして、確定表示時間を設定した後(S318)、設定した確定表示時間が経過したか否かを判断する(S320)。その結果、確定表示時間が経過していない場合は(S320:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図9に示す遊技制御処理に復帰する。
こうして第1特図あるいは第2特図が確定表示された状態で、図9の遊技制御処理に復帰した後、再び図11および図12の特別図柄遊技処理が開始されると、第1特図および第2特図が変動表示中ではないと判断され(S304:no)、続いて、特別図柄の確定表示中であるか否かの判断では、確定表示中と判断されるので(S306:yes)、再び確定表示時間が経過したか否かを判断する(S320)。このような判断を繰り返しているうちに確定表示時間が経過したと判断されると(S320:yes)、停止表示(確定表示)された特別図柄(第1特図あるいは第2特図)が「小当り図柄」であるか否かを判断する(図12のS322)。その結果、停止表示された特別図柄が「小当り図柄」である場合は(S322:yes)、小当り遊技中の第1大入賞口60dの開放パターンを設定する(S324)。具体的には、第1大入賞口60dを2秒間ずつ2回開放状態とする開放パターンを設定する。
こうして、第1大入賞口60dの開放パターンを設定すると、小当り遊技を開始すべく、小当りフラグをONに設定する(S326)。小当りフラグとは、小当り遊技中であることを示すフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定のアドレスが小当りフラグの記憶領域として確保されている。主制御基板200のCPU201は、小当りフラグの設定状態に応じて、小当り遊技の実行中であるか否かを判断する。
続いて、小当り遊技を開始することを示すコマンド(小当り遊技開始コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S328)。サブ制御基板220のCPU221は、小当り遊技開始コマンドを受信すると、小当り遊技に対応する演出を実行する。小当り遊技開始コマンドを送信したら(S328)、図11および図12に示す特別図柄遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。
一方、停止表示された特別図柄が「小当り図柄」でない場合は(S322:no)、停止表示(確定表示)された特別図柄が「大当り図柄」であるか否かを判断する(図12のS330)。その結果、停止表示された特別図柄が「大当り図柄」であった場合は(S330:yes)、大当り遊技中の第1大入賞口60dおよび第2大入賞口80dの開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する(S332)。すなわち、大当り図柄として「15R大当り図柄」が停止表示された場合は「直当りの15R大当り遊技」を実行することから、第2大入賞口60dを14回開放状態とした後に第1大入賞口80dを1回開放状態とする開放パターンを設定し、大当り図柄として「4R大当り図柄」が停止表示された場合は「直当りの4R大当り遊技」を実行することから、第1大入賞口60dを3回開放状態とした後に第2大入賞口80dを1回開放状態とする開放パターンを設定する。
こうして、第1大入賞口60dおよび第2大入賞口80dの開放パターンを設定すると、大当り遊技を開始すべく、大当りフラグをONに設定する(S334)。大当りフラグとは、大当り遊技が実行されている(大当り遊技中である)ことを示すフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定のアドレスが大当りフラグの記憶領域として確保されている。主制御基板200のCPU201は、大当りフラグの設定状態に応じて、大当り遊技の実行中であるか否かを判断する。
続いて、大当り遊技を開始することを示すコマンド(大当り遊技開始コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S336)。サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技に対応する演出を実行する。大当り遊技開始コマンドを送信したら(S336)、図11および図12に示す特別図柄遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。尚、停止表示された特別図柄が小当り図柄でも大当り図柄でもない場合は(S330:no)、そのまま図11および図12に示す特別図柄遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。
図9に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、小当りフラグがONに設定されているか否かを判断する(S400)。前述したように小当りフラグは、小当り遊技中であることを示すフラグである。そこで、主制御基板200のCPU201は、小当りフラグがONに設定されている場合は(S400:yes)、以下に説明する小当り遊技処理を開始する(S500)。
A−3−4.小当り遊技処理 :
図17は、本実施例の小当り遊技処理を示すフローチャートである。この小当り遊技処理が実行されることによって、小当り遊技が行われる。以下、図17を参照しながら小当り遊技処理について説明する。
小当り遊技処理(S500)を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、第1大入賞口60dが開放中であるか(開放状態にあるか)否かを判断する(S502)。上述した特別図柄遊技処理によって小当り遊技が開始された直後は、図11および図12を用いて前述した特別図柄遊技処理のS326において、小当りフラグがONに設定されただけであり、第1大入賞口60dは未だ開放状態となっていないから、S502では「no」と判断される。続いて、小当り遊技の終了条件が成立したか否か、すなわち、設定された開放パターンに応じて定まる回数(第1実施例では2回)だけ第1大入賞口60dが開放したか否かを判断する(S508)。図17の小当り遊技処理が開始された直後は、当然ながら、小当り遊技の終了条件は成立していないから、S508では「no」と判断され、次に、第1大入賞口60dの閉鎖時間が経過したか否かが判断される(S510)。ここで、閉鎖時間とは、第1大入賞口60dを複数回開放状態とする場合に、第1大入賞口60dを閉鎖してから次に開口するまでの(閉鎖状態とする)時間である。図17の小当り遊技処理が開始された直後は、閉鎖時間が経過したと判断されて(S510:yes)、第1大入賞口60dを開放状態とする(S512)。こうして第1大入賞口60dを開放状態としたら、図17に示す小当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、小当り遊技処理を開始した際に、第1大入賞口60dが開放状態である判断されると(S502:yes)、今度は、第1大入賞口60dの開放時間が経過したか否かを判断する(S504)。ここで、第1大入賞口60dの開放時間とは、小当り遊技中における第1大入賞口60dの1回の開放につき、該第1大入賞口60dを開放状態とする時間(第1実施例では2秒)である。この開放時間は、特別図柄遊技処理のS324(図12)で、小当り遊技開始時に開放パターンとして設定される。第1大入賞口60dの開放時間が経過していない場合は(S504:no)、第1大入賞口60dに入球して振分領域70に案内された遊技球が、特定領域71を通過したか否かを判断する(S536)。すなわち、図2を用いて前述したように第1大入賞口60dに入球した遊技球は振分領域70に案内されるところ、S536の判断処理では、この振分領域70に案内された遊技球が特定領域71を通過したか否かを判断する。ここで、振分領域70について説明する。
図18は、第1実施例の振分領域を示す説明図である。図18(a)に示すように、振分領域70は、上側振分領域73と下側振分領域74とから構成される。第1大入賞口60dに入球した遊技球は、まず、上側振分領域73の上部に形成された上側振分領域進入口73eを介して上側振分領域73に進入する。そして、上側振分領域73に進入した遊技球は、振分部材75によって進入先を振り分けられる。
振分部材75には、図18(b)に示すように、落下する遊技球を受け止め可能な球受け部75tが左右に形成されている。また、振分部材75は、回動軸75jを支点に左右に回動可能に設けられている。この振分部材75の回動角度は、止め部材76によって、「一方の球受け部75tに受け止められた遊技球を下方に落下させるとともに、上方から落下する遊技球を他方の球受け部75tに受け止めることが可能な角度」に制限されている。すなわち、振分部材75は、一方の球受け部75tで遊技球を受け止めると、遊技球から受ける力により該球受け部75t側に回動して、該球受け部75tに受け止められた遊技球を該球受け部側の下方に落下させるとともに、他方の球受け部75tが新たに上方から落下する遊技球を受け止めることが可能な状態となる。このように、振分部材75は、上方から落下する遊技球を左右に交互に落下させる機能を有する。
図18(a)に示すように、上側振分領域73において、上側振分領域進入口73eの下方に振分部材75が設けられている。また、この振分部材75の下方には左右にそれぞれ「下側振分領域74の上部に形成された下側振分領域進入口74e」と「非特定領域72」(上側の非特定領域72)が設けられている。したがって、上側振分領域進入口73eから上側振分領域73に進入した遊技球は、進入した順序で、下側振分領域進入口74eと非特定領域72とに交互に振り分けられる。非特定領域72には非特定領域検出スイッチ72sが設けられており、非特定領域72に進入した(を通過した)遊技球は非特定領域検出スイッチ72sで検出されるようになっている。
これに対して、上側振分領域73において振分部材75に振り分けられることで、下側振分領域進入口74eを介して下側振分領域74に進入した遊技球は、下側振分領域74に設けられた振分部材75によって更に進入先を振り分けられる。具体的には、下側振分領域74において、下側振分領域進入口74eの下方には振分部材75が設けられており、この振分部材75の下方には左右にそれぞれ「特定領域71」と「非特定領域72」(下側の非特定領域72)が設けられている。したがって、下側振分領域進入口74eから下側振分領域74に進入した遊技球は、進入した順序で、特定領域71と非特定領域72とに交互に振り分けられる。特定領域71には特定領域検出スイッチ71sが設けられており、特定領域71に進入した(を通過した)遊技球は特定領域検出スイッチ71sで検出されるようになっている。
以上のように、第1大入賞口60dに入球した遊技球は振分領域70の上側振分領域73に進入する。そして、上側振分領域73に進入した遊技球は、進入した順序で「下側振分領域74」と「非特定領域72」とに交互に振り分けられる。また、上側振分領域73で下側振分領域74に振り分けられた遊技球は、進入した順序で「特定領域71」と「非特定領域72」とに交互に振り分けられる。
図19は、第1実施例の振分領域70において遊技球が振り分けられる様子を示す説明図である。図19(a)に示すように、上側振分領域73の振分部材75が下側振分領域74側に回動しており、下側振分領域74の振分部材75が特定領域71側に回動した状態(以下「第1振分状態」ともいう)にあるときに、遊技球が振分領域70に進入すると、遊技球は上側振分領域73の振分部材75に受け止められる。このとき、上側振分領域73の振分部材75は遊技球から力を受けることにより、非特定領域72側に回動し、遊技球は非特定領域72に振り分けられる。この結果、上側振分領域73の振分部材75が非特定領域72側に回動しており、下側振分領域74の振分部材75が特定領域71側に回動した状態(以下「第2振分状態」ともいう)となる。
図19(b)に示すように、振分部材75が「第2振分状態」にあるときに、遊技球が振分領域70に進入すると、遊技球は上側振分領域73の振分部材75に受け止められる。このとき、上側振分領域73の振分部材75は遊技球から力を受けることにより、下側振分領域74側に回動し、遊技球は下側振分領域74に振り分けられる。そして、下側振分領域74に振り分けられた遊技球は、下側振分領域74の振分部材75に受け止められる。このとき、下側振分領域74の振分部材75は遊技球から力を受けることにより、非特定領域72側に回動し、遊技球は非特定領域72に振り分けられる。この結果、上側振分領域73の振分部材75が下側振分領域74側に回動しており、下側振分領域74の振分部材75が非特定領域72側に回動した状態(以下「第3振分状態」ともいう)となる。
図19(c)に示すように、振分部材75が「第3振分状態」にあるときに、遊技球が振分領域70に進入すると、遊技球は上側振分領域73の振分部材75に受け止められる。このとき、上側振分領域73の振分部材75は遊技球から力を受けることにより、非特定領域72側に回動し、遊技球は非特定領域72に振り分けられる。この結果、上側振分領域73の振分部材75が非特定領域72側に回動しており、下側振分領域74の振分部材75が非特定領域72側に回動した状態(以下「第4振分状態」ともいう)となる。
図19(d)に示すように、振分部材75が「第4振分状態」にあるときに、遊技球が振分領域70に進入すると、遊技球は上側振分領域73の振分部材75に受け止められる。このとき、上側振分領域73の振分部材75は遊技球から力を受けることにより、下側振分領域74側に回動し、遊技球は下側振分領域74に振り分けられる。そして、下側振分領域74に振り分けられた遊技球は、下側振分領域74の振分部材75に受け止められる。このとき、下側振分領域74の振分部材75は遊技球から力を受けることにより、特定領域71側に回動し、遊技球は特定領域71に振り分けられる。この結果、振分部材75は「第1振分状態」に戻る。このように、「第4振分状態」は、振分領域70に遊技球が進入すると該遊技球を特定領域71に振り分ける状態である。
以上のように、振分部材75は、遊技球が振分領域70に進入するたびに(第1大入賞口60dに入球するたびに)、「第1振分状態」「第2振分状態」「第3振分状態」「第4振分状態」と順に遷移し、その後は「第1振分状態」以降の状態を繰り返す。したがって、遊技球が振分領域70に4個進入するたびに(第1大入賞口60dに4個入球するたびに)、「第4振分状態」(遊技球が進入すると該遊技球を特定領域71に振り分ける状態)となり、次に、遊技球が振分領域70に進入すると(第1大入賞口60dに入球すると)、該遊技球は特定領域71を通過することとなる。換言すると、遊技球は、振分領域70に4個進入するたびに(第1大入賞口60dに4個入球するたびに)、1個が特定領域71を通過することとなる。
図17のS536の判断処理では、第1大入賞口60dから振分領域70に案内された遊技球が特定領域71を通過したか否かを判断する。この判断処理は、特定領域検出スイッチ71sで遊技球が検出されたか否かに基づいて行われる。この結果、遊技球が特定領域71を通過した場合は(S536:yes)、その旨を示す特定フラグをONに設定する(S538)。これに対して、遊技球が特定領域71を通過していない場合は(S536:no)、特定フラグをOFFに設定されたままにする。こうして、遊技球が特定領域71を通過したか否かを監視する処理を行ったら(S536〜S538)、図17に示す小当り遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。そして、図9に示す一連の処理を行った後、再び図17の小当り遊技処理を開始して、第1大入賞口60dの開放時間が経過したか否かを判断する(S504)。こうした処理を繰り返しているうちに、やがて第1大入賞口60dの開放時間が経過したと判断されたら(S504:yes)、第1大入賞口60dを閉鎖状態とする(S506)。
続いて、小当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S508)。すなわち、設定された開放パターンの開放回数(2回)に、第1大入賞口60dの開放回数が到達したか否かを判断する。第1大入賞口60dを閉鎖状態とした段階(S506)で、小当り遊技の終了条件が成立していないと判断された場合は(S508:no)、第1大入賞口60dの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S510)。そして、閉鎖時間が経過していないものと判断された場合は(S510:no)、図17に示す小当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。一方、第1大入賞口60dの閉鎖時間が経過したと判断された場合は(S510:yes)、第1大入賞口60dを開放させる(S512)。その後、図17に示す小当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
このような処理を繰り返しているうちに、やがて、小当り遊技の終了条件が成立したと判断されるので(S508:yes)、小当り遊技を終了するべく、小当りフラグをOFFに設定するとともに(S514)、小当り遊技の終了を指定する小当り終了コマンドを、サブ制御基板220に向かって出力する(S515)。
続いて、特定フラグがONに設定されているか否か、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過したか否かを判断する(S522)。その結果、小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過しなかった場合は、そのまま図17に示す小当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過した場合は(S522:yes)、大当り遊技を開始するための処理を行う。すなわち、前述したように、本実施例のパチンコ機1では、小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過すると大当り遊技(「小当り経由の15R大当り遊技」または「小当り経由の4R大当り遊技」)を開始することから、該大当り遊技を開始するための処理を行う。具体的には、特別図柄として大当り図柄が停止表示した場合に「直当りの15R大当り遊技」または「直当りの4R大当り遊技」を開始する処理(図12のS332〜S336)と同様に、第1大入賞口60dおよび第2大入賞口80dの開放パターンを設定するとともに(S524)、大当りフラグをONに設定して(S528)、大当り遊技開始コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S532)。そして、次回の小当り遊技(小当り遊技中に特定領域71を遊技球が通過したか否かの監視)に備えて、特定フラグをOFFに設定する(S534)。その後、図17に示す小当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
図9に示すように、遊技制御処理では、小当り遊技処理から復帰すると、大当りフラグがONに設定されているか否かを判断する(S600)。前述したように大当りフラグは、遊技状態が大当り遊技であることを表すフラグである。そこで、主制御基板200のCPU201は、大当りフラグがONに設定されている場合は(S600:yes)、以下に説明する大当り遊技処理を開始する(S700)。
A−3−5.大当り遊技処理 :
図20は、第1実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。この大当り遊技処理が実行されることによって、大当り遊技が行われる。以下、図20を参照しながら大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dの何れかが開放状態であるか否かを判断する(S702)。大当り遊技処理が開始された直後は、大当りフラグがONに設定されているだけで第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dの何れもまだ開放していないから、S702では「no」と判断されて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S708)。
第1実施例のパチンコ機1では、大当り遊技の終了条件としては、所定回数のラウンド遊技の終了が設定されている。具体的には、実行中の大当り遊技が「直当りの15R大当り遊技」または「小当り経由の15R大当り遊技」である場合は「14回の第2ラウンド遊技の終了および1回の第1ラウンド遊技の終了」が大当り遊技の終了条件として設定されている。また、実行中の大当り遊技が「直当りの4R大当り遊技」または「小当り経由の4R大当り遊技」である場合は「3回の第1ラウンド遊技の終了および1回の第2ラウンド遊技の終了」が大当り遊技の終了条件として設定されている。S708の処理では、これらの大当り終了条件が成立したか否かが判断される。
大当り遊技を開始した直後は、当然ながら大当り遊技の終了条件は成立していないので、S708では「no」と判断され、続いて、第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80d(以下、特に区別しない場合は、まとめて「大入賞口」とも称する)の閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S710)。ここで大入賞口の閉鎖時間とは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間で、大入賞口を閉鎖しておく時間である。大当り遊技を開始した直後は、当然ながら、閉鎖時間は経過したものと判断される(S710:yes)。そして、この場合は、第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dの何れを開放状態とするか(すなわち、第1ラウンド遊技または第2ラウンド遊技の何れを実行するか)を判断する(S712)。すなわち、第1実施例のパチンコ機1は、第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dの何れかを開放状態とすることでラウンド遊技(第1ラウンド遊技または第2ラウンド遊技)を行うので、大当り遊技開始時に設定された開放パターンに基づき、第1大入賞口60dまたは大入賞口80dの何れを開放状態とするかを判断する。そして、この判断処理(S712)の結果に応じて、第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dの何れかを開放状態とする(S714、S716)。こうして、大入賞口を開放状態としたら(S714、S716)、図20に示す大当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
次に図20の大当り遊技処理を開始した際には、S702において、大入賞口が開放状態であると判断され(S702:yes)、今度は、ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S704)。本実施例のパチンコ機1では、ラウンド遊技の終了条件としては、「大入賞口の開放時間の所定時間(第1実施例では30秒)到達」または「大入賞口への入球数の所定数(第1実施例では10個)到達」が設定されている。当然ながら、大入賞口が開放状態となった直後は、ラウンド遊技の終了条件は成立していないから(S704:no)、図20に示す大当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。そして、再び大当り遊技処理を開始すると、大入賞口が開放状態であるか否か(S702)、およびラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判断し(S704)、未だラウンド遊技の終了条件が成立していなければ(S704:no)、図20に示す大当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。このような処理を繰り返しているうちに、やがてラウンド遊技の終了条件が成立したと判断されるので(S704:yes)、開放状態の大入賞口を閉鎖状態とする(S706)。
こうして大入賞口を閉鎖状態としたら(S706)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S708)。そして、大当り遊技の終了条件が成立していない場合は(S708:no)、大入賞口の閉鎖時間が経過したか否かを判断し(S710)、閉鎖時間が経過していなければ(S710:no)、図20に示す大当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口の閉鎖時間が経過したと判断されたら(S710:yes)、開放パターンに基づき第1大入賞口60dまたは第2大入賞口80dの何れかを開放状態とする(S714、S716)。その後、図20に示す大当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
このように、大入賞口を閉鎖状態にする処理(S706)と開放状態にする処理(S714、S716)とを繰り返しているうちに、やがて、予め定められた回数のラウンド遊技が行われて、大当り遊技の終了条件が成立したと判断されると(S708:yes)、大当り遊技を終了すべく、大当りフラグをOFFに設定するとともに(S718)、大当り遊技の終了を示すコマンド(大当り終了コマンド)をサブ制御基板220に出力する(S720)。その後、図20に示す大当り遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
ここで、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に第1大入賞口60dに入球した遊技球は、小当り遊技中と同様に、振分領域70に進入する。したがって、第1ラウンド遊技中であっても、遊技球が第1大入賞口60dに入球するたびに(振分領域70に進入するたびに)、振分部材75は「第1振分状態」「第2振分状態」「第3振分状態」「第4振分状態」と遷移する。
A−4.第1実施例のパチンコ機1によって得られる効果 :
図21は、第1実施例のパチンコ機1によって得られる効果を説明するための説明図である。図21(a)に示すように、第1実施例のパチンコ機1では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されると(ev.1)、第1大入賞口60dが開放状態となる第1ラウンド遊技、および、第2大入賞口80dが開放状態となる第2ラウンド遊技が行われる大当り遊技(「直当りの15R大当り遊技」または「直当りの4R大当り遊技」)が実行される(ev.2)。
また、特別図柄が小当り図柄で停止表示されると(ev.3)、第1大入賞口60dが開放状態となる小当り遊技が実行される(ev.4)。そして、小当り遊技中に第1大入賞口60dに入球した遊技球が特定領域71を通過すると(ev.5)、第1大入賞口60dが開放状態となる第1ラウンド遊技、および、第2大入賞口80dが開放状態となる第2ラウンド遊技が行われる大当り遊技(「小当り経由の15R大当り遊技」または「小当り経由の4R大当り遊技」)が実行される(ev.2)。尚、小当り遊技が実行されても特定領域500を遊技球が通過しない場合は(ev.6)、大当り遊技は開始されない(ev.8)。また、特別図柄が外れ図柄で停止表示された場合は(ev.7)、小当り遊技および大当り遊技の何れも開始されない(ev.8)。
以上のように、第1実施例のパチンコ機1は、小当り遊技中に第1大入賞口60dに入球した遊技球が振分領域70の特定領域71を通過すると「小当り経由の15R大当り遊技」または「小当り経由の4R大当り遊技」を実行することから、小当り遊技中は遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させる。
ここで、図19を用いて前述したように、振分領域70において、振分部材75は「第1振分状態」「第2振分状態」「第3振分状態」「第4振分状態」と遷移する。そして、これらの状態のうち「第4振分状態」は、振分領域70に遊技球が進入すると該遊技球を特定領域71に振り分ける状態である。したがって、小当り遊技中は、振分部材75が「第4振分状態」である場合に振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球が進入することで、該遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させる。もちろん、小当り遊技の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、まずは、振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球が進入することで振分部材75が「第4振分状態」に遷移することを遊技者に期待させ、その後に、振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球が進入することで該遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させることとなる。
このように小当り遊技の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、振分部材75を「第4振分状態」に遷移させて、その後に、振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球を進入させて特定領域71を通過させる必要があるので、複数の遊技球を第1大入賞口60dに入球させる必要がある。したがって、小当り遊技の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、小当り遊技の開始時に振分部材75が「第4振分状態」ある場合と比較して、小当り遊技中に遊技球を特定領域71に通過させることが困難である。また、小当り遊技中の第1大入賞口60dの開放時間は、大当り遊技中よりも短いので、小当り遊技中に遊技球を特定領域71に通過させることが更に困難である。
この点、第1実施例のパチンコ機1では、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)であっても、遊技球が第1大入賞口60dに入球するたびに(振分領域70に進入するたびに)、振分部材75は「第1振分状態」「第2振分状態」「第3振分状態」「第4振分状態」と遷移する。したがって、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に遊技球を第1大入賞口60dに入球させることで(振分領域70に進入させることで)、小当り遊技の開始に備えて、振分部材75が「第4振分状態」に近い状態に遷移すること(ひいては「第4振分状態」に遷移すること)を遊技者に期待させることとなる。
したがって、第1実施例のパチンコ機1は、図21(b)に示すように、遊技球が特定領域71を通過しても特典の付与されない大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)は、「遊技球が特定領域71を通過することで特典(小当り経由の大当り遊技の開始)の付与される小当り遊技」の開始に備えて、振分部材75を「第4振分状態」に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては「第4振分状態」に遷移させる遊技性)を実現できる。そして、小当り遊技の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、「振分部材75を第4振分状態に遷移させるとともに遊技球に特定領域71を通過させる遊技性」を実現でき、小当り遊技の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にある場合は「遊技球に特定領域71を通過させる遊技性」を実現できる。これらの結果、大当り遊技中および小当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に、振分部材75が「第4振分状態」になった後は、「第1大入賞口60dに遊技球を入球させずに振分部材75を第4振分状態のまま維持するか」、「振分部材75が第4振分状態から他の状態に遷移してしまうことを甘受してでも、第1大入賞口60dに遊技球を入球させることで遊技球の払い出しを受けるか」を選択させる遊技性を実現できる。この結果、大当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、小当り遊技中は、遊技球が特定領域71を通過することで特典(小当り経由の大当り遊技の開始)を付与することが決定した後であっても、次の小当り遊技の開始に備えて、振分部材75を「第4振分状態」に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては「第4振分状態」に遷移させる遊技性)を実現できる。すなわち、小当り遊技中における遊技性を、「遊技球に特定領域71を通過させる遊技性」から「振分部材75を第4振分状態に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては第4振分状態に遷移させる遊技性)」に変更することができ、小当り遊技中の遊技興趣を高く保つことが可能となる。
また、第1実施例のパチンコ機1は、大当り遊技中は、第1ラウンド遊技に加えて第2ラウンド遊技を実行する。第2ラウンド遊技は、特定領域71を有さない第2大入賞口80dを開放状態とするので、第2ラウンド遊技中は「振分部材75の振分状態にかかわらず第2大入賞口80dに遊技球を入球させて遊技球の払い出しを受ける遊技性」を実現することができる。この結果、小当り遊技と大当り遊技との遊技性の差異を大きくすることができるとともに、大当り遊技中においては第1ラウンド遊技と第2ラウンド遊技との遊技性の差異を大きくすることができる。この結果、大当り遊技中および小当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1実施例のパチンコ機1は、第1ラウンド遊技および第2ラウンド遊技の割合が異なる複数の大当り遊技(15R大当り遊技、4R大当り遊技)を実行する。したがって、複数の大当り遊技間で、「振分部材75の振分状態にかかわらず第2大入賞口80dに遊技球を入球させて遊技球の払い出しを受ける機会」と「振分部材75を第4振分状態に近い状態に遷移させる機会(ひいては第4振分状態に遷移させる機会)」との割合を多様にすることができる。この結果、大当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、主制御基板200のCPU201は、第1始動口17aまたは第2始動口17b(始動口)への遊技球の入球を契機に取得される特図保留(入球情報)に基づいて当り判定(当否判定)を行う。したがって、主制御基板200のCPU201は、本発明における「当否判定手段」に対応している。また、第1大入賞口60dは、遊技球が入球不能な閉鎖状態(入球不能状態)と遊技球が入球可能な開放状態(入球可能状態)とに変化可能であり、第1大入賞口60dに入球した遊技球が特定領域71と非特定領域72とを通過可能である(内部に特定領域と非特定領域とを有する)。したがって、第1大入賞口60dは、本発明における「大入賞口」に対応している。また、振分領域70に設けられた2つの振分部材75は、第1大入賞口60d(大入賞口)に入球した遊技球を、第1大入賞口60dへの入球順序(所定の入球順序)にしたがって、特定領域71または非特定領域72に振り分ける。したがって、振分領域70に設けられた2つの振分部材75は、本発明における「振分手段」に対応している。また、本実施例のパチンコ機1では、第1大入賞口60d(大入賞口)が閉鎖状態(入球不能状態)になるときの振分部材75(振分手段)の振分状態と、次に第1大入賞口60d(大入賞口)が開放状態(入球可能状態)になるときの振分部材75(振分手段)の振分状態とを同じにする。
また、第1実施例において、主制御基板200のCPU201は、当り判定(当否判定)の結果が小当り(当り)の場合に、第1大入賞口60d(大入賞口)が開放状態(入球可能状態)となる小当り遊技(特定遊技)を実行する。
また、当り判定(当否判定)の結果が大当り(当り)の場合に、第1大入賞口60d(大入賞口)が開放状態(入球可能状態)となる直当りの大当り遊技(特定遊技)を実行する。また、小当り遊技(特定遊技)中に遊技球が特定領域71を通過して小当り経由の大当り遊技が開始された(特定遊技が継続した)場合には、該小当り経由の大当り遊技(継続した前記特定遊技)中にも、第1大入賞口60d(大入賞口)を開放状態(入球可能状態)にし、振分部材75(振分手段)の振分状態を変更可能にする。また、小当り遊技(特定遊技)中に遊技球が特定領域71を通過して小当り経由の大当り遊技が開始された(特定遊技が継続した)場合には、「小当り経由の15R大当り遊技」または「小当り経由の4R大当り遊技」を実行する(該継続した前記特定遊技中における前記入球可能状態の発生パターンを複数パターンの何れかに設定する)。したがって、主制御基板200のCPU201は、本発明における「特定遊技実行手段」に対応している。
また、第1実施例において、主制御基板200のCPU201は、小当り遊技中(特定遊技中)に遊技球が特定領域71を通過することに基づき、「小当り経由の大当り遊技」を開始する(所定の遊技利益を付与する)。また、遊技球が特定領域71を通過すると、遊技利益として、小当り経由の大当り遊技を実行する(特定遊技を継続させる)。したがって、主制御基板200のCPU201は、本発明における「利益付与手段」に対応している。
B.第2実施例 :
次に、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例のパチンコ機は、主に小当り遊技処理および大当り遊技処理が第1実施例のパチンコ機1と異なる。
B−1.小当り遊技処理 :
第2実施例の小当り遊技処理としては、図17に示す第1実施例の小当り遊技処理からS516〜S532の処理を省略した処理が実行される。したがって、第2実施例のパチンコ機では、「小当り遊技」は実行されるものの、小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過しても「小当り経由の大当り遊技」(「小当り経由の15R大当り遊技」または「小当り経由の4R大当り遊技」)は実行されない。換言すると、第2実施例のパチンコ機では、大当り遊技として、「小当り経由の大当り遊技」は実行されず、「直当りの大当り遊技」(「直当りの15R大当り遊技」または「直当りの4R大当り遊技」)が実行される。
また、第1実施例の小当り遊技は「第1大入賞口60dが2秒間ずつ2回開放状態となる小当り遊技」であったが、この小当り遊技よりも第1大入賞口60dが開放状態となる時間の長い小当り遊技が実行される。すなわち、第2実施例の小当り遊技としては、「大入賞口60dが30秒間ずつ2回開放状態となる小当り遊技」が実行される。
B−2.大当り遊技処理 :
図22は、第2実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。図22に示す第2実施例の大当り遊技処理において、S802〜S820の処理は、図20に示す第1実施例の大当り遊技処理のS702〜S720の処理と同様である。第2実施例の大当り遊技処理では、大当り遊技中に特定領域71を遊技球が通過したか否かを監視する(S840)。
ここで、上述したように第2実施例のパチンコ機では、大当り遊技として、「直当りの15R大当り遊技」および「直当りの4R大当り遊技」を実行するものの、これらの大当り遊技の内容が第1実施例のパチンコ機1と異なる。すなわち、第1実施例の「直当りの15R大当り遊技」では、「第2大入賞口80dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第2ラウンド遊技」を先に14回行った後、「第1大入賞口60dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第1ラウンド遊技」を1回行った。これに対して、第2実施例の「直当りの15R大当り遊技」では、「第1大入賞口60dを2秒間開放状態とする第1ラウンド遊技」を先に1回行った後、「第2大入賞口80dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第2ラウンド遊技」を14回行う。すなわち、「第1大入賞口60dを開放状態とする時間が第1実施例の第1ラウンド遊技より短い第1ラウンド遊技」を最初に1回行なった後、第1実施例と同様の第2ラウンド遊技を14回行う。
また、第1実施例の「直当りの4R大当り遊技」では、「第1大入賞口60dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)とする第1ラウンド遊技」を先に3回行った後、「第2大入賞口80dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第2ラウンド遊技」を1回行った。これに対して、第2実施例の「直当りの4R大当り遊技」では、「第1大入賞口60dを2秒間開放状態とする第1ラウンド遊技」を先に3回行った後、「第2大入賞口80dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第2ラウンド遊技」を1回行う。すなわち、「第1大入賞口60dを開放状態とする時間が第1実施例の第1ラウンド遊技より短い第1ラウンド遊技」を最初に3回行なった後、第1実施例と同様の第2ラウンド遊技を1回行う。
第2実施例のパチンコ機では、以上のような「直当りの15R大当り遊技」および「直当りの4R大当り遊技」が実行されるので、図22のS840の処理では、「直当りの15R大当り遊技」を終了する場合は、大当り遊技が開始されてから1回目のラウンド遊技(第1ラウンド遊技)中に特定領域71を遊技球が通過したか否かが判断(監視)される。また、「直当りの4R大当り遊技」を終了する場合は、大当り遊技が開始されてから1〜3回目のラウンド遊技(第1ラウンド遊技)中に特定領域71を遊技球が通過したか否かが判断(監視)される。そして、第1ラウンド遊技中に特定領域71を遊技球が通過したら(S840:yes)、その旨を示す特定フラグをONに設定する(S842)。
そして、大当り遊技を終了するに際して、特定フラグがONに設定されているか否か、すなわち、第1ラウンド遊技中に特定領域71を遊技球が通過したか否かを判断する(S830)。その結果、第1ラウンド遊技中に遊技球が特定領域71を通過しなかった場合は(S830:no)、そのまま図22に示す大当り遊技処理を終了する。これに対して、第1ラウンド遊技中に遊技球が特定領域71を通過した場合は(S830:yes)、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONに設定するとともに(S832)、高確率フラグをONに設定する(S834)。
ここで、第2実施例のパチンコ機1の遊技状態は、第2始動口17bが開放状態になる際の開放時間の設定状況と、当り判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)の設定状況とに基づき決定される。このうち、第2始動口17bの開放時間の設定状況に基づく遊技状態としては「開放延長状態」と「非開放延長状態」の何れかに設定される。「開放延長状態」は「非開放延長状態」に比べ、前述の普通図柄の当り判定の結果が「当り」となる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、第2始動口17bの開放時間が長く設定される。したがって、開放延長状態は、非開放延長状態と比較して、第2始動口17bが頻繁に開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口17bへの遊技球の入球可能性が高くなる。
このような構成を実現するために、第2実施例のパチンコ機では、遊技状態が「開放延長状態」に設定されている場合は「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」がONに設定され、遊技状態が「非開放延長状態」に設定されている場合はこれらのフラグがOFFに設定される。そして、主制御基板200のCPU201は、「変動短縮フラグ」がONに設定されていることに基づき、普図当り確率を高確率(例えば「99/100」)、普図変動時間を短時間(例えば「1秒」)にそれぞれ設定し、「開放延長フラグ」がONに設定されていることに基づき、第2始動口17bの開放時間を長時間(例えば「1.5秒×3回開放=4.5秒」)に設定する。一方、主制御基板200のCPU201は、変動短縮フラグがOFFに設定されていることに基づき、普図当り確率を低確率(例えば「2/100」)、普図変動時間を長時間(例えば「20秒」)にそれぞれ設定し、開放延長フラグがOFFに設定されていることに基づき、第2始動口17bの開放時間を短時間(例えば「0.1秒×3回開放=0.3秒」)に設定する。尚、変動短縮フラグおよび開放延長フラグは、同じタイミングでONあるいはOFFに設定されるので、何れか一方のフラグのみを設定して、該一方のフラグを他方のフラグに代えて利用する構成としてもよい。
また、当り判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)の設定状況に基づく遊技状態としては「高確率状態」と「低確率状態」の何れかに設定される。「高確率状態」は、「低確率状態」と比較して、大当り確率が高く設定される。このような構成を実現するために、第2実施例のパチンコ機では、遊技状態が「高確率状態」に設定されている場合は「高確率フラグ」がONに設定され、遊技状態が「低確率状態」に設定されている場合は「高確率フラグ」がOFFに設定される。そして、主制御基板200のCPU201は、「高確率フラグ」がOFFに設定されている場合は、図15を用いて前述した当り判定テーブルを参照して当り判定を実行し(「1/300」の確率で当り判定の結果を「大当り」とし)、「高確率フラグ」がONに設定されている場合は、この当り判定テーブルより多くの乱数に「大当り」の当り判定結果が設定された当り判定テーブルを参照して当り判定を実行する(例えば「1/30」の確率で当り判定の結果を「大当り」とする)。
第2実施例のパチンコ機では、大当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過した場合に(S830:yes)、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONに設定するとともに(S832)、高確率フラグをONに設定する(S834)。すなわち、大当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過した場合に、上述したように遊技状態が「開放延長状態」且つ「高確率状態」に設定する。続いて、変動短縮カウンタの値を「70」に設定する(S836)。変動短縮カウンタは、遊技状態が「開放延長状態」且つ「高確率状態」に設定された期間が終了するまでの図柄変動遊技の回数を示すカウンタであり、遊技状態が「開放延長状態」且つ「高確率状態」に設定されてから図柄変動遊技が1回実行されるたびに「1」減算される。そして、変動短縮カウンタの値が「0」になったら、変動短縮フラグおよび開放延長フラグがOFFに設定されるとともに、高確率フラグがOFFに設定される。すなわち、遊技状態が「開放延長状態」且つ「高確率状態」に設定されてから70回の図柄変動遊技が行われると、遊技状態が「非開放延長状態」且つ「低確率状態」に設定される。尚、大当り遊技が開始される際も、変動短縮フラグ、開放延長フラグ、高確率フラグがOFFに設定される。
こうして、遊技状態を「開放延長状態」且つ「高確率状態」に設定するための処理を行ったら(S832〜S836)、次回の大当り遊技(第1ラウンド遊技中に特定領域71を遊技球が通過したか否かの監視)に備えて、特定フラグをOFFに設定する(S838)。その後、図22に示す大当り遊技処理を終了する。
以上のように、第2実施例のパチンコ機は、大当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過すると、遊技状態が遊技者に有利な「開放延長状態」且つ「高確率状態」に設定される。この結果、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)は遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
B−3.第2実施例のパチンコ機によって得られる効果 :
図23は、第2実施例のパチンコ機によって得られる効果を説明するための説明図である。図23(a)に示すように、第2実施例のパチンコ機では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されると(ev.11)、第1大入賞口60dが開放状態となる第1ラウンド遊技、および、第2大入賞口80dが開放状態となる第2ラウンド遊技が行われる大当り遊技(「直当りの15R大当り遊技」または「直当りの4R大当り遊技」)が実行される(ev.12)。ここで、第2実施例の「直当りの15R大当り遊技」は第1実施例のそれと異なっており、「第1大入賞口60dを2秒間開放状態とする第1ラウンド遊技」を先に1回行った後、「第2大入賞口80dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第2ラウンド遊技」を14回行う。また、第2実施例の「直当りの4R大当り遊技」も第1実施例のそれと異なっており、「第1大入賞口60dを2秒間開放状態とする第1ラウンド遊技」を先に3回行った後、「第2大入賞口80dを30秒間(または遊技球が10個入球するまで)開放状態とする第2ラウンド遊技」を1回行う。
大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に遊技球が特定領域71を通過すると(ev.13)、該大当り遊技終了後の遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定される(ev.14)。これに対して、大当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過しないと(ev.15)、該大当り終了後の遊技状態が非開放延長状態且つ低確率状態に設定される(ev.16)。
また、特別図柄が小当り図柄で停止表示されると(ev.17)、第1大入賞口60dが開放状態となる小当り遊技が実行される(ev.18)。ここで、第2実施例の小当り遊技は第1実施例のそれと異なっており、大入賞口60dが30秒間ずつ2回開放状態となる。また、第2実施例の小当り遊技中に遊技球が特定領域71を通過しても「小当り経由の大当り遊技」は実行されない。尚、特別図柄が外れ図柄で停止表示された場合は(ev.19)、小当り遊技および大当り遊技の何れも開始されない(ev.20)。
以上のように、第2実施例のパチンコ機は、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に第1大入賞口60dに入球した遊技球が振分領域70の特定領域71を通過すると、該大当り遊技終了後の遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されることから、大当り遊技中は遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させる。
ここで、図19を用いて前述したように、振分領域70において、振分部材75は「第1振分状態」「第2振分状態」「第3振分状態」「第4振分状態」と遷移する。そして、これらの状態のうち「第4振分状態」は、振分領域70に遊技球が進入すると該遊技球を特定領域71に振り分ける状態である。したがって、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)は、振分部材75が「第4振分状態」にある場合に振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球が進入することで、該遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させる。もちろん、大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、まずは、振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球が進入することで振分部材75が「第4振分状態」に遷移することを遊技者に期待させ、その後に、振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球が進入することで該遊技球が特定領域71を通過することを遊技者に期待させることとなる。
このように大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、振分部材75を「第4振分状態」に遷移させて、その後に、振分領域70(第1大入賞口60d)に遊技球を進入させて特定領域71を通過させる必要があるので、複数の遊技球を第1大入賞口60dに入球させる必要がある。したがって、大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始時に振分部材75が「第4振分状態」ある場合と比較して、大当り遊技(第1ラウンド遊技)中に遊技球を特定領域71に通過させることが困難である。また、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)の第1大入賞口60dの開放時間は、小当り遊技中よりも短いので、大当り遊技(第1ラウンド遊技)中に遊技球を特定領域71に通過させることが更に困難である。
この点、第2実施例のパチンコ機では、小当り遊技中であっても、遊技球が第1大入賞口60dに入球するたびに(振分領域70に進入するたびに)、振分部材75は「第1振分状態」「第2振分状態」「第3振分状態」「第4振分状態」と遷移する。したがって、小当り遊技中に遊技球を第1大入賞口60dに入球させることで(振分領域70に進入させることで)、大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始に備えて、振分部材75が「第4振分状態」に近い状態に遷移すること(ひいては「第4振分状態」に遷移すること)を遊技者に期待させることとなる。
したがって、第1実施例のパチンコ機1は、図21(b)に示すように、遊技球が特定領域71を通過しても特典の付与されない小当り遊技中は、「遊技球が特定領域71を通過することで特典(遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されること)の付与される大当り遊技」の開始に備えて、振分部材75を「第4振分状態」に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては「第4振分状態」に遷移させる遊技性)を実現できる。そして、大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にない場合は、「振分部材75を第4振分状態に遷移させるとともに遊技球に特定領域71を通過させる遊技性」を実現でき、大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始時に振分部材75が「第4振分状態」にある場合は「遊技球に特定領域71を通過させる遊技性」を実現できる。これらの結果、大当り遊技中および小当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、小当り遊技中に、振分部材75が「第4振分状態」になった後は、「第1大入賞口60dに遊技球を入球させずに振分部材75を第4振分状態のまま維持するか」、「振分部材75が第4振分状態から他の状態に遷移してしまうことを甘受してでも第1大入賞口60dに遊技球を入球させることで遊技球の払い出しを受けるか」を選択させる遊技性を実現できる。この結果、小当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)は、遊技球が特定領域71を通過することで特典(遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されること)が付与されることが決定した後であっても、次の大当り遊技(第1ラウンド遊技)の開始に備えて、振分部材75を「第4振分状態」に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては「第4振分状態」に遷移させる遊技性)を実現できる。すなわち、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)における遊技性を、「遊技球に特定領域71を通過させる遊技性」から「振分部材75を第4振分状態に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては第4振分状態に遷移させる遊技性)」に変更することができ、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)の遊技興趣を高く保つことが可能となる。
また、第2実施例のパチンコ機は、大当り遊技中は、第1ラウンド遊技に加えて第2ラウンド遊技を実行する。第2ラウンド遊技は、特定領域71を有さない第2大入賞口80dを開放状態とするので、第2ラウンド遊技中は「振分部材75の振分状態にかかわらず第2大入賞口80dに遊技球を入球させて遊技球の払い出しを受ける遊技性」を実現することができる。この結果、小当り遊技と大当り遊技との遊技性の差異を大きくすることができるとともに、大当り遊技中においては第1ラウンド遊技と第2ラウンド遊技との遊技性の差異を大きくすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例のパチンコ機は、第1ラウンド遊技および第2ラウンド遊技の割合が異なる複数の大当り遊技(15R大当り遊技、4R大当り遊技)を実行する。したがって、複数の大当り遊技間で、「振分部材75の振分状態にかかわらず第2大入賞口80dに遊技球を入球させて遊技球の払い出しを受ける機会」と「遊技球に特定領域71を通過させる機会」との割合を多様にすることができる。この結果、大当り遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例のパチンコ機は、「直当りの15R大当り遊技」中は遊技球に特定領域71を通過させることが可能な第1ラウンド遊技が1回行われ、「直当りの4R大当り遊技」中は該第1ラウンド遊技が3回行われる。この結果、遊技球が特定領域71を通過することで遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されることに対する遊技者の期待度を、「直当りの15R大当り遊技」と「直当りの4R大当り遊技」との間で変化させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例のパチンコ機は、大当り遊技が実行される確率よりも小当り遊技が実行される確率が高い。したがって、小当り遊技中における「遊技球が特定領域71を通過することで特典(遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されること)の付与される大当り遊技」の開始に備えて、振分部材75を「第4振分状態」に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては「第4振分状態」に遷移させる遊技性)をさらに際立たせることができる。この結果、遊技興趣を一層高めることが可能となる。
また、第2実施例のパチンコ機は、小当り遊技の発生頻度は、低確率状態より、開放延長状態が併せて設定されることにより第2始動口17bへの入球頻度が高まった高確率状態の方が高い。したがって、小当り遊技中における「遊技球が特定領域71を通過することで特典(遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されること)の付与される大当り遊技」の開始に備えて、振分部材75を「第4振分状態」に近い状態に遷移させる遊技性(ひいては「第4振分状態」に遷移させる遊技性)を、高確率状態においてさらに際立たせることができる。この結果、遊技興趣を一層高めることが可能となる。
尚、第2実施例において、主制御基板200のCPU201は、当り判定(当否判定)の結果が大当り(当り)の場合に、第1大入賞口60d(大入賞口)が開放状態(入球可能状態)となる大当り遊技(特定遊技)を実行する。また、当り判定(当否判定)の結果が小当り(当り)の場合に、第1大入賞口60d(大入賞口)が開放状態(入球可能状態)となる小当り遊技(特定遊技)を実行する。したがって、主制御基板200のCPU201は、本発明における「特定遊技実行手段」に対応している。
また、第2実施例において、主制御基板200のCPU201は、大当り遊技中(特定遊技中)に遊技球が特定領域71を通過することに基づき、遊技状態を開放延長状態且つ高確率状態に設定する(所定の遊技利益を付与する)。したがって、主制御基板200のCPU201は、本発明における「利益付与手段」に対応している。
以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、振分領域70が遊技者から視認可能な構成としたが、振分領域の一部または全部を遊技者から視認不能な構成としてもよい。こうすると、遊技者に振分部材75の振分状態を推測させる遊技性を実現することが可能となる。
また、振分手段の振分状態を検出する振分状態検出手段と、振分状態検出手段が検出した振分手段の振分状態に対応する状態対応演出を行う状態対応演出実行手段とを備える構成としてもよい。こうすると、振分手段の振分状態を遊技者に対して明確に報知することができるので、上述した種々の遊技性をさらに際立たせることが可能となる。「振分状態検出手段」としては、振分部材75(振分手段)の振分状態を位置検出センサ等で検出する構成や、直前に遊技球が通過した領域(特定領域または非特定領域)に基づき、現在の振分部材75(振分手段)の振分状態を特定(推定)する構成などが例示できる。また、「状態対応演出」としては、振分部材75(振分手段)の振分状態に対応する態様の画像(キャラクタ画像)や音声を、大当り遊技中や、小当り遊技中、図柄変動演出中に出力する構成が例示できる。
また、上述した第1実施例では、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合は大当り遊技を実行せず、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合は大当り遊技を実行する構成とした。この他にも、小当り遊技中に遊技球が非特定領域を通過した場合は第1確率で大当り遊技を実行し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合は第1確率よりも高い第2確率で大当り遊技を実行する構成としてもよい。
また、上述した第2実施例では、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に遊技球が特定領域を通過しなかった場合は、該大当り遊技終了後の遊技状態を開放延長状態且つ高確率状態に設定せず、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に遊技球が特定領域を通過した場合は、該大当り遊技終了後の遊技状態を開放延長状態且つ高確率状態に設定する構成とした。この他にも、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に遊技球が非特定領域を通過した場合は、第3確率で該大当り遊技終了後の遊技状態を開放延長状態且つ高確率状態に設定し、大当り遊技中(第1ラウンド遊技中)に遊技球が特定領域を通過した場合は、第3確率よりも高い第4確率で該大当り遊技終了後の遊技状態を開放延長状態且つ高確率状態に設定する構成としてもよい。
また、上述した実施例では、第1大入賞口60dに遊技球が4個入球するたびに1個が特定領域71に振り分けられる構成(第1大入賞口60dに第1数量(2以上)の遊技球が入球するたびに、第1数量より少ない第2数量の遊技球が特定領域71に振り分けられる構成)としたが、第1大入賞口60dに一の遊技球が入球するたびに遊技球が特定領域71と非特定領域72に交互に振り分けられる構成であってもよいし、第1大入賞口60dに第1数量の遊技球が入球するたびに、第1数量より多い第2数量(2以上)の遊技球が特定領域71に振り分けられる構成であってもよい。
また、上述した実施例では、振分部材75を上下に配置することで振分領域70に進入した遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける構成としたが、振分部材は、「振分領域70に進入した遊技球が特定領域に振り分けられる状態となるまでに必要な入球数を遊技者が推測(認識)できる構成」(第1大入賞口60dへの入球順序に基づき、特定領域71または非特定領域72に振り分ける構成)であればよく、種々の構成を採用することが可能である。例えば、平歯車状の部材に歯間に遊技球を受け止めるとともに該部材が回転することで特定領域71と非特定領域72に振り分ける構成であってもよい。
また、上述した実施例では、2つの振分部材75を配置する構成としたが、振分部材の数を1個であっても複数であってもよい。振分部材の数を複数にする場合には、少なくとも1つの振分部材が遊技球から受ける力により動作するものであればよく、他の振分部材はモータやソレノイド等の電動式の駆動源により駆動されるものであってもよい。こうすると、振分状態が必ずしも大入賞口に入球する遊技球の数に依存するものではなくなり、すなわち、「遊技球が特定領域に振り分けられる状態」に必ずしも遊技者が調整できるものではなくなる。この結果、「遊技者が調整することにより遊技球が特定領域に振り分けられる可能性を高める遊技性」を実現することが可能となる。
また、当然ながら、本発明の「振分手段」の構成は上述した各実施例の態様に限定されず、本発明の目的を達成することができるのであれば、振分部材の個数や、形状、材質、動作態様等は何れであってもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口17a、第2始動口17b、第1大入賞口60d、第2大入賞口80d等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技価値を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する遊技価値の量(大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技価値を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技価値をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。