JP5640519B2 - 自立性容器の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらのスタンディングパウチは長期にわたる陳列や、内容物を使用して充填した中身が少なくなった場合に、袋自体の腰砕けにより自立性が保てなくなることや、中身の開け替え時に両手で保持する必要がある等の問題を有している。
また長期間保存された場合に、内部の気体が構成材料であるフィルムを透過することによって徐々に抜けて、内部の圧力が低下し、支持構造としての能力が低下するという問題もあった。
084%を超える窒素と20.946%未満の酸素からなる気体が封入されている自立袋が提案されている。体積比として大気(空気)よりも窒素比率が多く、かつ酸素比率が小さい混合ガスを封入したことにより、エアバック内部と外部との間に生じる分圧差を利用したものである。
しかしながら、空隙内部を陽圧のままシールしなければならないため、シール時のエア漏れによって内圧が低下するなどの不都合が生じていた。
また、気温が下がったり、冷蔵品などの低温保存容器に使用する場合などは、内圧が低下して自立性が損なわれるなどの不都合が生じていた。
すなわち、従来の製造方法においては、空隙部にエアーを吹き込んでエアーの内圧による空隙部の形状保持力で自立性や取り扱い易さを実現する形態の容器においては、空隙部の形成は内容物充填後または充填機への空容器供給前に行うことが必要であった。
て容器内にエアーを吹き込み開口部を開口させると同時に空隙部をシールする工程(空隙部完成)と内容物を充填、開口部をシールする工程のみで内容物の充填された自立性容器が完成する。
容器内に内容物を充填する前段階として容器内にエアーを吹き込み開口部を開口させると同時に内側サイドシールと空隙部上部とをシールして空隙部を形成する工程と開口部から内容物を充填して、該開口部をシールする工程とを含むことを特徴とする自立性容器の製造方法である。
従来の製造方法すなわち、空隙部にエアーを充填、シールする工程、容器内に内容物を充填する前段階として容器内へエアーを吹き込み開口部を開口させる工程と内容物を充填、シールする工程が必須であった方法に対して、
空隙部を形成する部分の開口部と内容物充填のための開口部とを含む開口部全体から容器内にエアーを吹き込み、容器内の内容物充填予定空間と空隙部形成予定空間の両方を膨張させた状態で内側サイドシールと空隙部上部とのみをシールすることにより、内圧によって膨張した空隙部を形成すると同時に内容物充填のための容器の膨張した状態と開口状態を形成して充填準備も行うことが出来る。
これによって従来の製造方法で分かれていた空隙部の形成工程と開口部の開口工程を一つの工程とすることが出来、製造工程数を減らして生産効率のアップに貢献することが可能となった。
図1は、本発明に係る自立性容器の実施形態の一例であり、内容物を充填する前の状態の空パウチを示した模式図である。
この自立性容器は、一般にスタンディングパウチと呼ばれる形態の容器であり、本体を構成する表裏2枚のフィルム(本体フィルム(1))と底面を構成する底テープ(2)とをシール部分で熱圧接着して形成する。シール部分は、左右側面のシールであるサイドシールと底面のシールであるボトムシール(6)から成っている。
この段階では片側のサイドシールは、外側サイドシール(4)から成り、空隙部を形成するための内側のサイドシール(3)はまだ形成されていない。次の図2ではこの2本のサイドシールの間に、トップシールによって封止される空隙部(5)が形成された状態が示されている。
なお、以下の説明は、図1から図4に示したスタンディングパウチについて説明するが、本発明に係る自立性容器の製造方法は、スタンディングパウチのみに限定されるものではない。
図2では、図1で示した自立性容器の開口部(7)を開口すると同時に開口部からエアーを吹き込んで底テープ(2)の折り込まれている部分を広げて内容物収納空間を形成するとともに、シールバーを用いて、陽圧になっている空隙部(5)の上部(8)と内側サイドシール部(3)をシールして空隙部(5)にエアーの封入された独立したエアバッグ部(10)を形成した状態を示している。
内容物収納空間上部のトップシール(13)と同時に空隙部上部(8)のエアバッグ部の下部に追加の空隙部上部シール(11)を必要であればさらに追加の空隙部上部シール(12)を行うことが出来る。この追加シールによって工程を増やすことなしにエアバッグ部の容積を減少させて内部の気体の内圧を高めエアバッグ部の強度を増して容器の自立性と取り扱いやすさを増大させることが出来る。
これらを積層する方法としては、ドライラミネート法、溶融押し出しラミネート法など
公知の技術が使用可能である。
また、必要に応じて、最外層の基材層と最内層のシーラント層との層間に中間層を設けても構わない。尚、印刷層と接着層は、必須の層ではなく、適宜必要に応じて設けられる層である。
また、基材層の厚さは、加工性を考慮すると、10〜50μmの範囲内であることが好ましく、10〜30μmの範囲内がより好ましい。
また、シーラント層の厚さは、シール強度、物性面、加工性、を考慮すると、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、30〜70μmの範囲内がより好ましい。
前記ドライラミネーション方法に使用する接着剤は、一般的に、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネート用接着剤を使用することができる。
前記の機能としては、ガスバリア性、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性などであり、包装容器として要求されるこれらの機能を中間層を設けることで達成するものである。
前記ガスバリア層には、ガスバリア樹脂フィルムや基材フィルムにガスバリア層を設けたガスバリアフィルムあるいはアルミニウム箔等の金属箔が用いられる。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)ケン化物などのフィルム、或いはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)などのフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルム、無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けたフィルムやまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層フィルムを使用することができるが、これらの中でも、電子レンジで加熱ができ、廃棄処分が容易な無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けたガスバリアフィルムが好ましい。
<実施例1>
延伸ポリプロピレンフィルム(OPP、20μm)と直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE、50μm)とをドライラミネートにより積層した積層体を本体フィルムとして用い、LLDPE面を内側にして表裏に重ねて、底部の表裏フィルム間に折り曲げた同じ本体フィルムを挟んで、サイドシール及びボトムシールをヒートシール法により行い、図1にその断面を示すような開口部がシールされていない空パウチを作製した。
(1)空パウチ供給部:積み重ねられた空パウチを一枚づつ取出して搬送部に仮固定。
(2)スタンプ印字部:仮固定された空パウチの表面に日付等の情報をスタンプ印字。
(3)パウチ開口部:空パウチ表裏を吸引で離し底テープと開口部を開いて充填準備。
同時にエアーを吹き込んで内容物収納スペースを広げるとともに内側サイドシール(3)及び空隙部上部シール(8)を行い、エアバッグ部(10)を形成する(図2)。
(4)固体充填部:開いた開口部から固形物を注入。
(5)液体充填部:開いた開口部から液体たとえば水150mlを注入。
(6)充填口開閉部:充填完了したパウチの開口部(7)(充填口)を閉める。
(7)充填口第一シール部:充填口(7)をヒートシールして密閉する。
同時にエアバッグ部上部の下の領域をヒートシールして空隙部内部のエアーの量を変えずに体積を減らすことにより内圧を高めて持ちやすくする。
(8)充填口第二シール部:充填口をヒートシールして密閉する。
同時にエアバッグ部上部の下の領域をヒートシールして空隙部内部のエアーの量を変えずに体積を減らすことにより内圧をさらに高めて持ちやすくする(図3)。
(9)冷却、排出部:シール部分を冷却シールバーで冷やし、安定してから排出する。図4はその外観を示す説明図である。
実施例1の延伸ポリプロピレンフィルム(OPP、20μm)を延伸ポリアミドフィルム(ONy、15μm)に代えた他は実施例1と同様にして図3、図4に示す包装体を作製した。
実施例1の第8ステップ(充填口第二シール部)を省略した他は実施例1と同様にして図3、図4に示す包装体を作製した。
実施例1のステップ3のうちで内側サイドシール(3)及び空隙部上部シール(8)を行なわずエアバッグ部を形成しなかったことと、ステップ7、ステップ8のうちでエアバッグ部上部の下の領域をヒートシールしなかったことの他は実施例1と同様にして包装体を作製した。
一方、比較例1の包装体は、エアバック部がないために自立性がなく腰砕け状態になり取り扱いもし難かった。
本発明の自立性容器の製造方法により製造された包装体は、充填装置の更新等の大掛かりな変更なしに従来の装置の設定変更程度の軽微な変更により、取り扱いやすく自立性を保つことが可能となることが示された。
2…底テープ
3…内側サイドシール
4…外側サイドシール
5…空隙部
6…ボトムシール
7…開口部
8…空隙部上部
9…気体
10…エアバッグ
11…空隙部上部シール
12…空隙部上部シール
13…トップシール
Claims (2)
- プラスチックフィルムまたはプラスチックフィルム積層体よりなる包装体容器を構成する貼り合わせ箇所の一部に外部サイドシールと内側サイドシールと空隙部上部とで囲まれた空隙部を形成し、該空隙部に気体封入を行い、自立性を持たせた容器の製造において、
容器内に内容物を充填する前段階として容器内にエアーを吹き込み開口部を開口させると同時に内側サイドシールと空隙部上部とをシールして空隙部を形成する工程と開口部から内容物を充填して、該開口部をシールする工程とを含むことを特徴とする自立性容器の製造方法。 - 形成された前記空隙部の一部をシールして潰す工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の自立性容器の製造方法。
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