JP5639713B2 - セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法 - Google Patents

セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生を促進させることができるセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法に関する。特に、本発明は、特定微生物を利用し、食品加工業等の副産物である大豆残渣を培地の主原料として用いることで、皮膚のセラミド/グルコシルセラミド産生を促進させることができる、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法に関する。
皮膚はセラミド(ceramide)及びグルコシルセラミド(glucosylceramide)を産生する能力を有する。皮膚では、特に表皮角質層において、表皮細胞によって合成分泌されたセラミドが集積しており、細胞間脂質の主成分となっている。スフィンゴ脂質の一つであるセラミドは皮膚の角質層に存在し、角質層中で細胞間脂質の約50%を占めている。スフィンゴ脂質(sphingolipid)とは、スフィンゴシン骨格を含む複合脂質の総称である。また、グルコシルセラミドは、セラミドにグルコースが結合したスフィンゴ脂質の一種である。皮膚表皮細胞で合成されたセラミドは一旦グルコシルセラミドまたはスフィンゴミエリン(sphingomyelin)の形で蓄えられたあと、細胞外へ排出されて、βグルコセレブロシダーゼ(glucocerebrosidase)とスフィンゴミエリナーゼ(sphingomyelinase)の作用を受けて、再びセラミドとなり、細胞間脂質として機能する。皮膚におけるセラミド及びグルコシルセラミドは、皮膚の保湿機能及び皮膚のバリヤ機能を向上させるなどの生理作用を有する。
従来、セラミド、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等のスフィンゴ脂質は、角質層の水分保持能力を亢進し、肌荒れの改善に効果があることが知られている(特許文献1〜2)。また、皮膚はセラミド/グルコシルセラミドを産生する能力を有するが、近来、環境、気候等の影響によって、皮膚が乾燥になりやすい。従って、皮膚自らのセラミド等の産生により皮膚の保湿機能を向上させる能力が十分ではなくなる。
従って、外部から皮膚にセラミドを補充する方法が考えられる。例えば、特許文献3には、キャンディダ(Candida)属に属するキャンディダ トロピカリス(Candida tropicalis)JPCCY0004株(NITE P−570)を培養してグルコシルセラミドを製造する方法が記載されている。当該グルコシルセラミドをヒトの乾燥性の皮膚へ塗布することによって皮膚の保湿機能を向上できる。しかし、その方法はセラミド/グルコシルセラミド産生促進剤に関与せず、培養後の菌体中に多く存在するグルコシルセラミドを直接に取得する方法に過ぎないので、その方法で合成されたグルコシルセラミドのセラミド骨格は、2重結合が2箇所に存在し、且つ、分岐を有するため、ヒト生体中に存在するセラミド類のセラミド骨格と異なる。よって、このような、微生物の体内から直接に取得されたグルコシルセラミドを人の皮膚へ塗布すると、皮膚に適応できず、使用上の安全性に関する問題を生じる恐れがある。
また、外部から皮膚にセラミドを補充する方法は、従来から用いられていた保湿剤などと同様に、保湿効果の持続性の点で不十分であるという問題もある。また、皮膚の状態によって、外部から補充されたセラミド等を吸収することが不十分であり、保湿効果が十分発揮されない場合がある。
一方、皮膚自らのセラミド又はグルコシルセラミド産生能力を増強または促進させることができれば、外からセラミド又はグルコシルセラミドを補充する必要がなく、皮膚自身がセラミド及び/又はグルコシルセラミドを産生することで皮膚のバリヤ機能、水分保持機能を向上させることが可能であると考えられている。さらに、このように得られたセラミド及び/又はグルコシルセラミドは皮膚自身から産生されたものであるため、通常の皮膚が有する構造のセラミドなどが合成され、皮膚への適応性がよくない等の安全性問題が無くなると考えられる。
そこで、最近では、皮膚の角質層において、表皮セラミドの生成の促進を目的とした物質を生産する研究が活発に進められている。ここでセラミドの生成を促進し得る物質としては、マンネンタケ、ビーポーレン(Bee Pollen)、センキュウなどの抽出物を有効成分とするセラミド産生促進剤が報告されている(特許文献4〜6)。しかし、これらのセラミド産生促進剤はいずれも植物性原料から抽出したものであり、この抽出操作には長時間を要し、天然資源の利用可能性には制限があるため、製造コストは高い。
また、特許文献7には、皮膚表層内部で表皮細胞自身のセラミド合成を活発化させ得る、ニコチン酸および/またはニコチンアミドを含む菌培養物を有効成分とするセラミド合成促進剤であって、当該菌培養物は乳酸菌培養物、ビフィズス菌培養物、きのこ菌体培養物または酵母菌培養物であってもよいことが開示されている。しかし、特許文献7の実施例からみれば、ニコチン酸および/またはニコチンアミドを含まない乳酸菌培養物または酵母菌培養物(比較例1〜4)のセラミド産生量はコントロールに比べて、著しい変化がないことが分かる。そのため、当該セラミド合成促進剤は、ニコチン酸および/またはニコチンアミドを実質的な有効成分として含み、そのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果が十分と言えないため、改善する余地がある。また、そのセラミド合成促進剤を調製するために用いられる培地は、実質的にニコチン酸および/またはニコチンアミドを有効成分とするため、製造コストが高いと言える。
酵母菌は、自然界に広く分布している単細胞の真菌であり、主に湿った糖分を含む酸性環境で育ち、酸素欠乏環境下の中で生き残ることができる。酵母菌は、醸造の製造に用いられることができる。従来、1000種類以上の酵母が知られており、Schizosaccharomyces属の酵母、Pichia属の酵母、Candida属の酵母、Debaryomyces属の酵母、Cryptococcus属の酵母、Hansenula属の酵母、Bullera属の酵母、Rhodotorula属の酵母、Sporobolomyces属の酵母、Brettanomyces属の酵母、及びYarrowia属の酵母が挙げられる。
シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)は発酵によりアルコールを生じ、食品の加工に古くから利用されており、また生物学の研究材料としても用いられている。
また、Pichia属の酵母は以下のような性質、用途などを具備する。
Pichia属の酵母の細胞が、球形、楕円形、長形を呈し、時折錐の形を呈し、ただ尖頂を形成しない。無性繁殖方式は多辺の芽のために殖やして、ある種類は節胞子を形成可能である。一般に、個々の子嚢は1〜4個の子嚢胞子を含み、時折4個より多い子嚢胞子を含む。胞子は、帽子状、半球の形又は角を有する球形を呈す。子嚢成熟以後は、通常裂けて、少数は裂けなくて、接合又は接合せず子嚢を形成する。接合は、雌の細胞と芽体の間に、又は、2個の独立細胞間に発生している。菌糸と擬菌糸が何れも子嚢とするが、それらの形態は大きくなりあるいは紡錘の形になることがなく、一門あるいは異なった門で配合する。Pichia属の酵母は硝酸塩を同化でき、DBBの反応で陰性を呈す。
Pichiaの類別に関する位置は、Ascomycota―Hemiascomycetes―Saccharomycetales―Saccharomycetaceae―Pichiaである。
Pichia属の酵母の用途としては、例えば、メタノールを利用して抗生物質、生物蛋白などの有用な物質を生じること;あるいは遺伝子工学の菌として利用することが可能である。ピキアパストリスが還元型グルタチオンの生産に用いられ、Pichia属の酵母の他の一部が特定のタンパク質/酵素の生産に用いられる。
また、キャンディダ(Candida)属に属する微生物は、以下のような用途があることが知られている。例えば、キャンディダ・バリダ(Candida valida)はリパーゼの生産に用いられる。キャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)、キャンディダ・ユティリス(Candida utilis)などは醸酒、グリセリン、食用酵母、有機酸及び酵素剤などの生産、並びに飼料工業にも用いることができる。また、キャンディダ(Candida)属に属する微生物は、工業・農業副産物加工業における廃棄物の処理、食用蛋白の生産に有用である。
また、デバリオマイセス(Debaryomyces)に属する微生物は、一般的な工業上の用途では、例えば、ブドウ糖を発酵してD-アラビトールを生産できること、あるいはキシロースをキシリトールに変換できることが知られている。
また、Cryptococcus属の微生物に対する研究がされている。例えば、変異型クリプトコッカスがβ-ガラクトシダーゼを生産することが報告されている。さらに、Cryptococcus laurentiiが、Geotrichum citri-aurantiiのストレージに対する抑制作用を示す。
また、ハンセヌラ(Hansenula)属に属する微生物の大部分が酢酸エチルを産生して、製造物の香りを高めることができるため、通常、酒の醸造や食品工業に利用されることが知られている。
また、ブレラ(Bullera)属に属する微生物が発酵食品、例えば、発酵ソーセージなどに、一般に使用されていることが知られている。
また、Rhodotorula属の微生物に対する研究がされている。例えば、Rhodotorula属のいくつかの種が炭化水素に対して弱く酸化できるという作用を有し、且つβ-カロチンを合成できる。例えば、Rhodotorula glutinis がアルカンを酸化して乾燥バイオマスの50〜60%の量の脂肪を生成できる。特定の条件下で、α-アラニンとグルタミン酸を生成することができ、メチオニン生産能力は強いで、産生量が乾燥バイオマスの1%にすることができる。
また、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属に属する微生物は、コエンザイムQ10を菌体内に蓄積するなど産業上有用な酵母であることが知られている。また、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属に属する微生物はこの他にもカロテノイド類やL-カルニチンなどの有用物質の生産菌としても注目されている。
また、ブレタノマイセス(Brettanomyces)属に属する微生物は、酵母の一種で、自然界に広く存在する。樽貯蔵中に増殖してエチルフェノールを生産することが良く知られている。一般的に醸酒上、ビールやワインの香りに悪い影響を与えるものとして嫌われている。
また、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)等のヤロウィア(Yarrowia)属に属する微生物は、多価不飽和脂肪酸「PUFA」の生成にとって特に有用なものであることが良く知られている。
しかし、従来、酵母菌(特に、上記の各属の酵母)によって、セラミド又はグルコシルセラミドを産生促進剤を製造することはまだ報告されていない。
特開昭61−260008号公報 特開昭61−271205号公報 特開2010−22217号公報 特開2005−194240号公報 特開2010−70499号公報 特開2010−150237号公報 特開平9−194383号公報
本発明は、上記従来技術のある課題を解決するためになされたものであり、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、大豆残渣および糖類を含有する培地中で酵母を培養して、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で酵母を培養し、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を得る、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法を提供する。
また、本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で酵母を培養して得られる、大豆残渣の発酵エキスのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進のための使用に関する。
また、本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で酵母を培養して得られる、大豆残渣の発酵エキスのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としての使用に関する。
また、本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で酵母を培養して得られる、大豆残渣の発酵エキスのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造のための使用に関する。
本発明では、酵母は、Schizosaccharomyces属の酵母、Pichia属の酵母、Candida属の酵母、Debaryomyces属の酵母、Cryptococcus属の酵母、Hansenula属の酵母、Bullera属の酵母、Rhodotorula属の酵母、Sporobolomyces属の酵母、Brettanomyces属の酵母、及びYarrowia属の酵母から選ばれる少なくとも何れか一種のものであってもよい。
本発明に係る製造方法によれば、特定微生物を利用し大豆残渣のような入手が容易であるものを培地の主原料として用いることで、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く得ることができる。当該促進剤は、皮膚の持つセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能力を効率的に向上させることができるため、皮膚の保湿機能を有効に向上させることもできる。
本発明の製造方法は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で酵母を培養し、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を得ることである。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造に使用できる微生物)
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造に使用され得る微生物としては、Schizosaccharomyces属の酵母、Pichia属の酵母、Candida属の酵母、Debaryomyces属の酵母、Cryptococcus属の酵母、Hansenula属の酵母、Bullera属の酵母、Rhodotorula属の酵母、Sporobolomyces属の酵母、Brettanomyces属の酵母、及びYarrowia属の酵母から選ばれる少なくとも何れか一種のものであってもよい。
本発明に使用できるSchizosaccharomyces属に属する微生物としては、食品工業分野に一般的に使われる、Schizosaccharomyces octoporus、Schizosaccharomyces pombe等が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。
このうち、得られる製造物がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Schizosaccharomyces octoporusが好ましい。
本発明に使用できるPichia属に属する微生物としては、食品工業分野に一般的に使われる、Pichia anomala、Pichia guilliermondii、Pichia norvegensis、Pichia membranifaciens、Pichia burtonii、Pichia farinose、Pichia Kluyveri等が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。
このうち、得られる製造物がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Pichia anomala、Pichia guilliermondii、Pichia norvegensis、Pichia membranifaciens、Pichia burtoniiが好ましい。
また、Pichia membranifaciensは、Pichia membranaefaciens、Pichia alcoholophila 、Pichia hyalospora 、 Pichia scaptomyzae、 Willia belgica又は Zygopichia guilliermondiiとも言われる。
また、Pichia burtoniiは、Candida fibrae、 Dematium chodati 、 Endomycopsis chodati 、 Hyphopichia burtonii 又はTrichosporon behrendiiとも言われる。
本発明に使用できるキャンディダ(Candida)属に属する微生物としては、食品分野に使われる、キャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii)、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・ステアトリチカ(Candida steatolytica)、キャンディダ・ブチリ(Candida butyri)、キャンディダ・ラギー(Candida rhagii)、キャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)、キャンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、キャンディダ・ホルミイ(Candida holmii)、またはキャンディダ・バリダ(Candida valida)から選択される少なくとも1種の微生物が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、好ましくはキャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii)、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・ステアトリチカ(Candida steatolytica)(異名:Candida hellenical)、キャンディダ・ブチリ(Candida butyri)、キャンディダ・ラギー(Candida rhagii)又はキャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)である。
本発明に使用できるデバリオマイセス(Debaryomyces)属に属する微生物としては、食品分野に使われる、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)、デバリオマイセス・ポリモファス(Debaryomyces polymorphus)、またはデバリオマイセス・バンリジエ(Debaryomyces vanrijiae)等から選択される少なくとも1種の微生物が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有することから、好ましくはデバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)またはデバリオマイセス・バンリジエ(Debaryomyces vanrijiae)である。
本発明に使用できるCryptococcus属に属する微生物としては、食品工業分野に一般的に使われる、Cryptococcus laurentii、Cryptococcus hungaricus 、Cryptococcus terreus等が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。
なかでは、得られる製造物がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Cryptococcus laurentii 、Cryptococcus hungaricusが好ましい。
本発明に使用できるハンセヌラ(Hansenula)属に属する微生物としては、食品分野に使われる、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ハンセヌラ・シフェリイ(Hansenula ciferrii)、ハンセヌラ・サブペリクローサ(Hansenula subpelliculosa)、ハンセヌラ・サターナス(Hansenula saturnus)、ハンセヌラ・アノマラ(Hansenula anomala)等から選択される少なくとも1種の微生物が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有することから、好ましくはハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(異名:ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ハンセヌラ・アングスタ(Hansenula angusta)、オガタエア・ポリモルファ(Ogataea polymorpha))、又はハンセヌラ・シフェリイ(Hansenula ciferrii)である。
本発明に使用できるブレラ(Bullera)属に属する微生物としては、食品分野に使われる、ブレラ・ツガエ(Bullera tsugae)、ブレラ・バリアビリス(Bullera variabilis)、ブレラ・アルバス(Bullera albus)等から選択される少なくとも1種の微生物が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有することから、好ましくはブレラ・ツガエ(Bullera tsugae)(異名:スポロボロミセス・ツガエ(Sporobolomyces tsugae))である。
本発明に使用できるRhodotorula属に属する微生物としては、Rhodotorula mucilaginosa、Rhodotorula glutinis、Rhodotorula minuta、Rhodotorula pallida、Rhodotorula rubra等が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。
なかでは、得られる製造物がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Rhodotorula mucilaginosa、Rhodotorula glutinisが好ましい。
本発明に使用できるスポロボロミセス(Sporobolomyces)属に属する微生物としては、食品分野に使われる、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)、スポロボロミセス・サルモニカラー(Sporobolomyces salmonicolor)又はスポロボロミセス・ルバー(Sporobolomyces ruber)等から選択される少なくとも1種の微生物が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有することから、好ましくはスポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)である。
本発明に使用されるブレタノマイセス(Brettanomyces)属に属する微生物としては、食品分野に使われ、ブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)又はブレタノマイセス・アノマラス(Brettanomyces anomalus)等から選択される少なくとも1種の微生物が挙げられる。また、これらの微生物を常法に基づき得られた変異株も包含する。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有することから、好ましくはブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)である。
本発明に使用できるヤロウィア(Yarrowia)属に属する微生物としては、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)等又は、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)等の微生物を常法に基づき得られた変異株が挙げられる。前記微生物は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で培養することで、培養上清から、表皮細胞のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能を向上させる剤が得られる作用を示す。その中でも、本発明で得られる剤が、よりセラミド産生促進効果及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有することから、好ましくはヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)(異名:キャンディダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、キャンディダ・パラリポリティカ(Candida paralipolytica)、サッカロマイコプ シス・リポリティカ(Saccharomycopsis lipolytica)、エンドマイコプシス・リポリティカ(Endomycopsis lipolytica)、Pseudomonilia deformans)である。
本発明にかかる微生物(酵母)は、何れも、中国普通微生物保蔵管理中心(CGMCC)及び中国典型培養物保蔵中心(CCTCC)、江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIM)などの商業ルートで購入できるものである。
また、本発明の製造方法においては、上記微生物(酵母)を1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法)
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法は、酵母を、大豆残渣および糖類を含有する培地で培養することで、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を得る。該方法の詳細を以下に記載する。
<培地>
本発明では、上記の微生物の少なくとも1種又は2種以上を、液体培地中で培養することが望ましい。
本発明において用いる培地としては、大豆残渣と糖類とを主成分として含有するものである。大豆残渣も糖類も入手やすい原料であるため、本発明の培地が従来より安価上で優れた利点を有する。また、その他には、例えば、1%のペプトン、0.5%の酵母粉等を適宜添加してもよい。
その中では、大豆残渣とは、大豆を水に浸漬し、水を十分に吸収させて、粉砕、濾過を経て、水を除去して、乾燥して、得られたものである。食品産業において豆乳を搾り取ったという大豆製品を製造する工程で残した大豆残渣を用いることも可能である。
糖類としては、例えば葡萄糖、麦芽糖、蔗糖などが挙げられる。また、それらの、いずれかを単独、または混合して使用できる。発酵生産性及び利用性を高める観点、並びにセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を向上させるという観点から、葡萄糖を好適に用いることができる。
本発明においては、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を高めるという観点から、培地は、大豆残渣、葡萄糖及び水からなるのが好ましい。その中に大豆残渣を5〜20%(w/v)、より好ましくは8〜12%(w/v)、葡萄糖を0.2〜2%(w/v)、より好ましくは0.8〜1.2%(w/v)含有することが好ましい。
<培養条件>
前記微生物の菌体を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地に直接接種することにより行う。セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造するための培養条件としては、酵母微生物の生理的な特性、酵母微生物の成長に必要な温度・時間の最適化、並びにセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を高める観点から、20〜40℃、好ましくは27〜35℃の培養温度で、1〜7日、好ましくは48〜96時間、より好ましくは68〜76時間で培養するのが好ましい。
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の回収、精製>
製造物の純度を高める観点から、前記培養により得られた培養液を精製して、上清を得る。精製の方法としては、ろ過、遠心分離、イオン交換または吸着クロマトグラフィー、溶媒抽出、結晶化などの通常用いられる操作を必要に応じて適宜組み合わせて行われてもよい。また、遠心分離により上清を得ることが好ましい。遠心分離の回転数は、2000〜4000rpmが好ましく、2500〜3500rpmがより好ましい。遠心分離の時間は、0〜20分が好ましく、5〜15分がより好ましい。
具体的には、遠心分離して得られた上記上清にエタノールを加えて殺菌し、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としてもよい。
また、遠心分離して培養液から菌体を除去し、次いで超音波処理し、遠心分離して上清を回収する。再び、回収した上清をろ過して夾雑物などを除き、さらに真空で乾燥処理して本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としてもよい。
本発明の酵母を培養し、培養上清から得た大豆残渣の発酵エキスは、正常ヒト角化細胞において、セラミド及び/又はグルコシルセラミドの量を増加させる作用を有する。
従って、本発明の酵母を培養し、培養上清から得られた大豆残渣の発酵エキスは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進のための治療目的又は非治療目的の使用ができ、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としての治療目的又は非治療目的の使用もできる。非治療目的の使用には、美容目的の使用や、健康状態の維持のための使用などが含まれる。また、上記の治療目的の使用と、非治療目的の使用は、分けて行うこともできる。
また、本発明の酵母を培養し、培養上清から得た大豆残渣の発酵エキスは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造するために使用できる。
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、角質層中のセラミド及び/又はグルコシルセラミドを増加させ、皮膚のバリア機能及び保湿機能を回復及び向上するための医薬品、医薬部外品、化粧品等としても使用できる。また、当該セラミド又はグルコシルセラミド産生促進剤は、セラミド又はグルコシルセラミド産生促進をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した医薬部外品、化粧品として使用することもできる。
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の使用形態としては、培養細胞へ添加するための添加剤とすることができ、皮膚洗浄剤、メイクアップ化粧料などの皮膚外用剤へ配合することもできる。例えば、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の形態で提供することができる。外用剤の基剤としては、公知の外用基剤でよく、特に限定されない。このような種々の皮膚外用剤を調製するには、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を単独で、又は、皮膚洗浄剤、メイクアップ化粧料などの皮膚外用剤に配合する、通常の油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬効成分、香料、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を、培養表皮細胞系へ添加してセラミド及び/又はグルコシルセラミド合成を促進する場合の添加量は、促進剤の乾燥物として、0.0001〜10w/v%、さらに0.001〜5w/v%が好ましい。添加量が0.0001w/v%以上であると、産生促進の効果を十分にすることになる。添加量が10w/v%以下であると、表皮細胞への刺激が少ないという点で好ましい。
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の皮膚外用剤への配合量は、大豆残渣の発酵エキスの乾燥物として、セラミド及び/又はグルコシルセラミド合成を十分に促進しして皮膚の保湿能力を効率的に高め、しかも培養物の色や臭いが出にくいことから、全皮膚外用剤の0.01〜20w/v%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10w/v%である。
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実施例1-1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造(発酵液の処理)>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Schizosaccharomyces octoporus(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0123として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1-A、1-Bとし、さらに、試料1-A、1-Bをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料1-A、1-B)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)をそれぞれ当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
(セラミド/グルコシルセラミド促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
(1)セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量に供した。
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表1に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミド量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表1に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
表1から明らかなように、本発明品1-A、1-Bは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が確認された。
Figure 0005639713
なお、試料1-A〜1-Bについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例1-1と同様にした。その結果は、試料1-A〜1-Bの何れかにもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
これから、本発明の製造物自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製造物が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用いることができる。
(実施例2−1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造(発酵液の処理)>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Pichia anomala(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号360−20−3として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤(試料2-A)とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製造物(試料2-A)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)を当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
(セラミド/グルコシルセラミド促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)の溶媒を加え攪拌し、次に、20分間振動した。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
(1)セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)の溶媒を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量に供した。
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表2−1〜表2−3に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表2に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
表2−1〜表2−3から明らかなように、本発明品2-Aは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(実施例2−2)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomalaを Pichia guilliermondii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号422-19-3として受託されている。)に替え、また、大豆残渣の発酵後に得られた上清に2.5倍体積のEtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。乾燥の試料を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤2-B、2-Cとし、さらに、乾燥の試料2-B、2-Cを50v/v%EtOHで溶解し、それぞれ1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。上記以外は、実施例2-1と同様にして、試料2-B、2-Cのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の効果を評価した。結果は表2−1〜表2−3に示す。
表2−1〜表2−3から明らかなように、本発明品2-B、2-Cは、セラミド産生促進効果が確認された。
(実施例2−3)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomalaをPichia norvegensis(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0151として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Dとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-E、2-Fとし、さらに、試料2-E、2-Fをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-D、2-E、2-Fのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−3の試料2-D、2-E、2-Fは、セラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−4)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia anomala(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0297として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Gとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Hとし、さらに、試料2-Hを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-G、2-Hのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−4の試料2-G、2-Hは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−5)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia anomala(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0349として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Iとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-J,2-Kとし、さらに、試料2-J,2-Kをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-I、2-J、2-Kのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−5の試料2-I、2-J、2-Kは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−6)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia membranifaciens(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0360として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Lとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-M、2-Nとし、さらに、試料2-M、2-Nをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-L、2-M、2-Nのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−6の試料2-L、2-M、2-Nは、セラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−7)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia anomala(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0420として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Oとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-P、2-Qとし、さらに、試料2-P、2-Qをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-O、2-P、2-Qのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−7の試料2-O、2-P、2-Qは、セラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−8)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia anomala(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0421として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Rとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-S、2-Tとし、さらに、試料2-S、2-Tをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-R、2-S、2-Tのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−8の試料2-R、2-S、2-Tは、セラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−9)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia burtonii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0424として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Uとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Vとし、さらに、試料2-Vを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-U、2-Vのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−9の試料2-U、2-Vは、セラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−10)
実施例2に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia guilliermondii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0440として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Wとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
実施例2−1と同様にして、試料2-Wのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−10の試料2-Wは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−11)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia guilliermondii(江南大学工業微生物資源および情報センターCICIMに番号CICIM Y0326として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Xとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Yとし、さらに、試料2-Yを50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-X、2-Yのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−11の試料2-X、2-Yは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−12)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia guilliermondii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0329として受託されている。)に替えた以外、実施例2-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-Zとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-aとし、さらに、試料2-aを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2−1と同様にして、試料2-Z、2-aのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2−12の試料2-Z、2-aは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例2−13)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Pichia anomala(番号360-20-3)をPichia guilliermondii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0414として受託されている。)に替えた以外、実施例2−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2-bとし、さらに、試料2-bを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例2-1と同様にして、試料2-bのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2−1〜表2−3に示した。
表2−1〜表2−3から明らかなように、実施例2-13の試料2-bは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
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なお、試料2-A〜2-Z及び2-a、2-bについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例2-1と同様にした。その結果は、試料2-A〜2-Z及び2-a、2-bの何れかにもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
これから、本発明の製造物自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製造物が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることができる。
(実施例3-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号472-20-1)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物(本発明品3-A−1)とした。
さらに、その粗抽出物を、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度(本発明品3-A−2)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-2)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号406-20-1)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-B−1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-B−2)及び0.1v/v%(本発明品3-B−3)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-3)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号514-20-3)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-C−1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度(本発明品3-C−2)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-4)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号525-20-2)を使用し、実施例3-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-D−1)及び0.1v/v%(本発明品3-D−2)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-5)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号510-19-3)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-E−1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-E−2)及び0.1v/v%(本発明品3-E−3)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-6)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0314)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-F-1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-F-2)及び0.1v/v%(本発明品3-F-3)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-7)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0322)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-G-1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-G-2)及び0.1v/v%(本発明品3-G-3)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-8)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0366)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-H-1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度(本発明品3-H-2)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-9)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0439)を使用し、実施例3-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-I−1)及び0.1v/v%(本発明品3-I−2)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-10)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0443)を使用し、実施例3-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-J−1)及び0.1v/v%(本発明品3-J−2)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-11)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0184)を使用し、実施例3-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-K−1)及び0.1v/v%(本発明品3-K−2)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-12)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0207)を使用し、実施例3-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%(本発明品3-L−1)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-13)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ステアトリチカ(Candida steatolytica)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0221)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-M-1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とし、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-14)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ブチリ(Candida butyri)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0233)を使用し、実施例3-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-N−1)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-15)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ラギー(Candida rhagii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0248)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-O−1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-O−2)及び0.1v/v%(本発明品3-O−3)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-16)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0428)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-P−1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-P−2)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例3-17)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0325)を使用し、実施例3-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物を得た(本発明品3-Q−1)。さらに、その粗抽出物を精製して得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品3-Q−2)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)の培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、それぞれ上述実施例3-1〜3-17で得たの大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とう混合した。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃の水浴で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動混合し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表3−1〜表3−2に示した。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
Figure 0005639713
表3−1〜表3−2に示すように、実施例3-1、実施例3-6、3-7及び実施例3-17で得た本発明品はセラミド産生促進効果及びグルコシルセラミド産生促進効果を示した。また、実施例3-2、実施例3-9〜3-13及び実施例3-15で得た本発明品は著しいグルコシルセラミド産生促進効果を示した。実施例3-3〜3-5、実施例3-8、実施例3-14及び実施例3-16で得た本発明品は著しいセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、そのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例3-1〜3-17で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。
(実施例4-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号476-20-1)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、さらに、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-2)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、原始番号514-20-4)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-3)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0356)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-4)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0286)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-5)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0287)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-6)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0289)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-7)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0290)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-8)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・バンリジエ(Debaryomyces vanrijiae)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0198)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、0.1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例4-9)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0351)を使用し、実施例4-1と同様の方法で得た大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、それぞれ上述実施例4-1〜4-9の1%w/v含有量の大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表4に示した。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
表4に示すように、実施例4-1及び実施例4-9で得た本発明品はセラミド産生促進効果及びグルコシルセラミド産生促進効果を示した。また、実施例4-2及び実施例4-4〜4-7で得た本発明品は著しいセラミド産生促進効果を示したが、実施例4-3及び実施例4-8で得た本発明品は著しいグルコシルセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例4-1〜4-9で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。
(実施例5-1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造(発酵液の処理)>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Cryptococcus laurentii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0232として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-Aとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-B、5-Cとし、さらに、試料5-B、5-Cをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料5-A、5-B、5-C)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)をそれぞれ当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
(セラミド/グルコシルセラミド促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
(1)セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量に供した。
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表5に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表5に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
表5から明らかなように、本発明品5-A、5-B、5-Cは、セラミド産生促進効果が確認された。
(実施例5-2)
実施例5-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Cryptococcus laurentii(番号CICIM Y0232)をCryptococcus hungaricus(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0203として受託されている。)に替えた以外、実施例5-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-Dとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-E、5-Fとし、さらに、試料5-E、5-Fをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例5-1と同様にして、試料5-D、5-E、5-Fのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
表5から明らかなように、実施例5-2の試料5-D、5-E、5-Fは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例5-3)
実施例5-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Cryptococcus laurentii(番号CICIM Y0232)をCryptococcus laurentii(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0218として受託されている。)に替えた以外、実施例5-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-Gとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-Hとし、さらに、試料Hを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例5-1と同様にして、試料5-G、5-Hのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
表5から明らかなように、実施例5-3の試料5-G、5-Hは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例5-4)
実施例5-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Cryptococcus laurentii(番号CICIM Y0232)をCryptococcus hungaricus(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0219として受託されている。)に替えた以外、実施例5-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-Iとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料5-Jとし、さらに、試料5-Jを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例5-1と同様にして、試料5-I、5-Jのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
表5から明らかなように、実施例5-4の試料5-I、5-Jは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
Figure 0005639713
なお、試料5-A〜5-Jについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例5-1と同様にした。その結果は、試料5-A〜5-Jの何れかにもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
これから、本発明の製品自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製品が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが分かる。
(実施例6-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0234)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、さらに、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、0.1%(本発明品6-A−1)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例6-2)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0205)を使用して、実施例6-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得て、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤(本発明品6-B−1)とし、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例6-3)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0257)を使用して、実施例6-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得て、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%の濃度(本発明品6-C-1)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例6-4)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0122)を使用して、実施例6-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得て、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤(本発明品6-D-1)とした。さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品6-D−2)及び0.1v/v%(本発明品6-D−3)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例6-5)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0135)を使用して、実施例6-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得て、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤(本発明品6-E−1)とし、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例6-6)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・シフェリイ(Hansenula ciferrii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0150)を使用して、実施例6-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得て、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度(本発明品6-F-1)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例6-7)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0197)を使用して、実施例6-1と同様の方法で大豆残渣の発酵エキスを得て、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤(本発明品6-G-1)とした。さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品6-G−2)及び0.1v/v%(本発明品6-G−3)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、それぞれ上述実施例6-1〜6-7で得たの大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表6に示した。
Figure 0005639713
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表6に示すように、実施例6-2で得た本発明品はセラミド産生促進効果及びグルコシルセラミド産生促進効果を示した。また、実施例6-1、実施例6-3及び実施例6-6で得た本発明品は著しいセラミド産生促進効果を示したが、実施例6-4及び実施例6-7で得た本発明品は著しいグルコシルセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例6-1〜6-7で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。
(実施例7-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ブレラ・ツガエ(Bullera tsugae)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0259)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤含有の粗抽出物(本発明品7-A)とした。
さらに、その粗抽出物を、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%(本発明品7-B)及び0.1v/v%(本発明品7-C)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、上述実施例7-1で得たの大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液(本発明品7-A〜7-C)を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表7に示した。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
表7に示すように、実施例7-1で得た本発明品7-A〜7-Cのいずれは著しいセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例7-1で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。
(実施例8-1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造(発酵液の処理)>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Rhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0250として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Aとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-B、8-Cとし、さらに、試料8-B、8-Cをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料8-A、8-B、8-C)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)をそれぞれ当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
(セラミド/グルコシルセラミド促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
(1)セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量に供した。
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表8に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表8−1〜表8−2に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
表8−1〜表8−2から明らかなように、本発明品8-A、8-B、8-Cは、セラミド産生促進効果が確認された。
(実施例8-2)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0433として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Dとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-E、8-Fとし、さらに、試料8-E、8-Fをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例8-1と同様にして、試料8-D、8-E、8-Fのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-2の試料8-E、8-Fは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-3)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0430として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Gとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
実施例8-1と同様にして、試料8-Gのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-3の試料8-Gは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-4)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula glutinis(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0148として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Hとし、さらに、試料8-Hを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例8-1と同様にして、試料8-Hのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-4の試料8-Hは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-5)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0324として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-I、8-Jとし、さらに、試料8-I、8-Jをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例8-1と同様にして、試料8-I、8-Jのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-5の試料8-I、8-Jは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-6)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0337として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Kとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
実施例8-1と同様にして、試料Kのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-6の試料8-Kは、グルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-7)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0394として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Lとし、さらに、試料8-Lを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例8-1と同様にして、試料8-Lのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-7の試料8-Lは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-8)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM Y0418として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Mとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-N、8-Oとし、さらに、試料8-N、8-Oをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例8-1と同様にして、試料8-M、8-N、8-Oのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-8の試料8-M、8-N、8-Oは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
(実施例8-9)
実施例8-1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Rhodotorula mucilaginosa(江南大学工業微生物資源および情報センター(番号CICIM Y0250)をRhodotorula mucilaginosa(CICIMに番号CICIM Y0423として受託されている。)に替えた以外、実施例8-1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料8-Pとし、さらに、試料8-Pを50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例8-1と同様にして、試料8-Pのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8−1〜表8−2に示した。
表8−1〜表8−2から明らかなように、実施例8-9の試料8-Pは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を示すことが確認された。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
なお、試料8-A〜8-Pについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例8-1と同様にした。その結果は、試料8-A〜8-Pの何れかにもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
これから、本発明の製造物自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製造物が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが分かる。
(実施例9-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0247)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の粗抽出物(本発明品9-A)を得た。さらに、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例9-2)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0193)を使用し、実施例9-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の粗抽出物を得た。さらに、その粗抽出物を、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%(本発明品9-B)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例9-3)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0132)を使用し、実施例9-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の粗抽出物を得た(本発明品9-C)。さらに、その粗抽出物を、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度(本発明品9-D)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)の培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、それぞれ上述実施例9-1〜9-3で得たの大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とう混合した。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃の水浴で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動混合し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表9に示した。
Figure 0005639713
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表9に示すように、実施例9-1及び実施例9-3で得た本発明品は著しいグルコシルセラミド産生促進効果を示した。実施例9-2で得た本発明品は著しいセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、そのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例9-1〜9-3で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。
(実施例10-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0125)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、さらに、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度(本発明品10-A)に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例10-2)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0251)を使用し、実施例10-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%(本発明品10-B)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(実施例10-3)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、受託番号CICIM Y0127)を使用し、実施例10-1と同様の方法で本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として大豆残渣の発酵エキスを得た。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、それぞれ1v/v%(本発明品10-C)及び0.1v/v%(本発明品10-D)の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)の培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、それぞれ上述実施例10-1〜10-3で得たの大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とう混合した。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃の水浴で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動混合し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表10に示した。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
表10に示すように、実施例10-1で得た本発明品はセラミド産生促進効果及びグルコシルセラミド産生促進効果を示した。また、実施例10-2及び実施例10-3で得た本発明品は著しいグルコシルセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、そのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例10-1〜10-3で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。
(実施例11-1)
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造)
大豆残渣からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造する微生物として、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)(江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託され、委託番号CICIM Y0311)を使用した。
YPD培地(Yeast Extract Peptone Dextrose Medium)で30℃培養して得られたの上記菌株を、セラミド/グルコシルセラミド産生促進剤製造培地(10w/v%大豆残渣、1w/v%葡萄糖)100mLを含む300mL容三角フラスコに接種し、30℃で72時間培養した。その中、大豆残渣は大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させて、水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、乾燥を経て調製した。
得られた培養液中からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を精製するために、3000rpm、10mins遠心分離で菌体を除き、回収した培養上清に対して、2.5倍体積の無水EtOHを加え、さらに、超音波処理装置(Branson社製)で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で(40℃以下)乾燥処理して一定の重さになった大豆残渣の発酵エキスを、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤とした。
さらに、その大豆残渣の発酵エキスを50v/v%EtOHで溶解し、1%の濃度に調製後、4℃で保存して、次のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験に供する。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進試験)
<角化細胞(Keratinocytes)の培養>
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。さらに12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更して、それぞれ上述実施例11-1で得たの大豆残渣の発酵エキスのエタノール溶液を20μl/Wellずつ添加した。なお、コントロールとしてエタノールのみ(セラミド及びグルコシルセラミド産生促進剤無添加)を添加した。同じ条件で72時間培養した。72時間培養した後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の解析用の試料とした。
<脂質抽出>
脂質抽出は、Bligh & Dyer法を用いて行った。具体的には、前記回収した細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5mL:1.25mL)加え攪拌し、次に、20分間振とう混合した。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清Aと沈殿Bを取り分けて、その上清Aをセラミド量及びグルコシルセラミド量解析に供し、沈殿Bを次のタンパク量解析に供する。
<タンパク量解析>
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量解析を行った。回収した沈殿Bに、900μl SDS溶液を入れ、混合し、60℃の水浴で2時間加熱した後、タンパク質を変性・分解させるように冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法によりタンパク量(μg/mL)を測定した。
<セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析>
残った上清AにPBS:クロロホルム(1.25mL:1.25mL)を入れ、20分間振動混合し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収したクロロホルム層を30℃、窒素還流下で乾固させて乾燥品を得た。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド及びグルコシルセラミドの定量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を行った。
乾燥のTLC板を利用して、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を噴霧し、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量を解析した。
その後、下式1より、得られた値を各々のタンパク量で割り、Cer/ProとGlyCer/Proが得られる。前記コントロールのそれぞれCer/ProとGlyCer/Proを1として、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100として、wellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(それぞれをCer/Well及びGlyCer/Wellとし、コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表11に示した。
Figure 0005639713
Figure 0005639713
表11に示すように、実施例11-1で得た本発明品は著しいグルコシルセラミド産生促進効果を示した。
従って、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、そのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
(セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤にセラミド及び/又はグルコシルセラミドが存在しないことを証明する試験)
上記細胞培養を行わなく、TLC法のみで上記実施例11-1で得たのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を解析して、その結果として、本発明品の中にはセラミド/グルコシルセラミドは存在しないことを示した。
このことから、本発明品自体には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有し、さらに、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用い得ることが確認された。

Claims (31)

  1. 大豆残渣および糖類を含有する培地中で、Schizosaccharomyces属の酵母、Pichia属の酵母、Candida属の酵母、Debaryomyces属の酵母、Cryptococcus属の酵母、Hansenula属の酵母、Bullera属の酵母、Rhodotorula属の酵母、Sporobolomyces属の酵母、Brettanomyces属の酵母、及びYarrowia属の酵母から選ばれる少なくとも何れかの一種の酵母を培養し、得られた培養上清にエタノールを加えて、皮膚におけるセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を得る、皮膚におけるセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  2. 前記Schizosaccharomyces属の酵母が、Schizosaccharomyces octoporusである、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  3. 前記Pichia属の酵母が、Pichia anomala、Pichia guilliermondii、Pichia norvegensis、Pichia membranifaciens又はPichia burtoniiである、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  4. 前記キャンディダ(Candida)属の酵母が、キャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii)、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・ステアトリチカ(Candida steatolytica)、キャンディダ・ブチリ(Candida butyri)、キャンディダ・ラギー(Candida rhagii)又はキャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  5. 前記デバリオマイセス(Debaryomyces)属の酵母が、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)またはデバリオマイセス・バンリジエ(Debaryomyces vanrijiae)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  6. 前記Cryptococcus属の酵母が、Cryptococcus laurentii又はCryptococcus hungaricusである、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  7. 前記ハンセヌラ(Hansenula)属の酵母が、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)又はハンセヌラ・シフェリイ(Hansenula ciferrii)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  8. 前記ブレラ(Bullera)属の酵母が、ブレラ・ツガエ(Bullera tsugae)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  9. 前記Rhodotorula属の酵母が、Rhodotorula mucilaginosa又はRhodotorula glutinis である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  10. 前記スポロボロミセス(Sporobolomyces)属の酵母が、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラ
    ミド産生促進剤の製造方法。
  11. 前記ブレタノマイセス(Brettanomyces)属の酵母が、ブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  12. 前記ヤロウィア(Yarrowia)属の酵母が、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)である、請求項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  13. 前記糖類は葡萄糖である、請求項1〜12の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  14. 前記培地は、大豆残渣、葡萄糖及び水からなるものである、請求項13に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  15. 前記培地の中に前記大豆残渣を8〜12w/v%、前記糖類を0.8〜1.2w/v%含有する、請求項14に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  16. 前記培養の温度は27〜35℃である、請求項1〜15の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  17. 前記培養時間は1〜7日間である、請求項1〜16の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  18. 前記培養して得られた培養液を遠心分離により、前記上清を得る、請求項1〜17の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  19. 上記エタノールを加えたものを、さらに、超音波処理、遠心分離、ろ過、真空乾燥処理で精製して、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として得る、請求項1〜18の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
  20. 大豆残渣および糖類を含有する培地中で、Schizosaccharomyces属の酵母、Pichia属の酵母、Candida属の酵母、Debaryomyces属の酵母、Cryptococcus属の酵母、Hansenula属の酵母、Bullera属の酵母、Rhodotorula属の酵母、Sporobolomyces属の酵母、Brettanomyces属の酵母、及びYarrowia属の酵母から選ばれる少なくとも何れかの一種の酵母を培養し、得られた培養上清にエタノールを加えて得られる大豆残渣の発酵エキスの皮膚におけるセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進のための非治療目的の使用。
  21. 前記Schizosaccharomyces属の酵母が、Schizosaccharomyces octoporusである、請求項20に記載の使用。
  22. 前記Pichia属の酵母が、Pichia anomala、Pichia guilliermondii、Pichia norvegensis、Pichia membranifaciens又はPichia burtoniiである、請求項20に記載の使用。
  23. 前記キャンディダ(Candida)属の酵母が、キャンディダ・ジラノイデス(Candida zeylanoides)、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii)、キャンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・ステアトリチカ(Candida steatolytica)、キャンディダ・ブチリ(Candida butyri)、キャンディダ・ラギー(Candida rhagii)又はキャンディダ・メタプシローシス(Candida metapsilosis)である、請求項20に記載の使用。
  24. 前記デバリオマイセス(Debaryomyces)属の酵母が、デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)またはデバリオマイセス・バンリジエ(Debaryomyces vanrijiae)である、請求項20に記載の使用。
  25. 前記Cryptococcus属の酵母が、Cryptococcus laurentii又はCryptococcus hungaricus である、請求項20に記載の使用。
  26. 前記ハンセヌラ(Hansenula)属の酵母が、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)又はハンセヌラ・シフェリイ(Hansenula ciferrii)である、請求項20に記載の使用。
  27. 前記ブレラ(Bullera)属の酵母が、ブレラ・ツガエ(Bullera tsugae)である、請求項20に記載の使用。
  28. 前記Rhodotorula属の酵母が、Rhodotorula mucilaginosa又はRhodotorula glutinis である、請求項20に記載の使用。
  29. 前記スポロボロミセス(Sporobolomyces)属の酵母が、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)である、請求項20に記載の使用。
  30. 前記ブレタノマイセス(Brettanomyces)属の酵母が、ブレタノマイセス・クラウセニィ(Brettanomyces claussenii)である、請求項20に記載の使用。
  31. 前記ヤロウィア(Yarrowia)属の酵母が、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)である、請求項20に記載の使用。
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