JP5638366B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パッシベーション膜に覆われた半導体基板の側面に不純物領域を有する光電変換装置を製造する方法に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載のように、半導体基板の裏面に二種類の不純物領域が形成されて該不純物領域にて光を電力に変換する、いわゆるバックコンタクト型の光電変換装置が知られている。一般に、このような不純物領域の形成される基板の表面は、該表面を機械的及び化学的に保護するためのパッシベーション膜によって覆われている。こうした光電変換装置は、図6(a)〜(f)に示す工程によって製造される。図6(a)〜(f)は、半導体基板の一例としてシリコン基板が用いられる光電変換装置の製造工程の一部を示す工程図であって、パッシベーション膜と不純物領域とを形成する工程を示す図である。
図6(a)に示されるように、まず、シリコン基板111の受光面111a及び裏面111bに、パッシベーション膜112が形成される。なお、このようなパッシベーション膜112は、シリコン基板111の表面を外部から保護することの可能な膜であればよく、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜やシリコン窒化膜が利用される。次いで、パッシベーション膜112が形成されると、図6(b)に示されるように、上記裏面111bのパッシベーション膜112の一部を貫通する貫通孔112hが、フォトリソグラフィ等によって形成される。その後、図6(c)に示されるように、N型の不純物元素を含有するN型不純物含有膜113が、裏面111b側のパッシベーション膜112を覆うように形成され、これによって、N型不純物含有膜113が、上記貫通孔112hに充填される。
また、図6(d)に示されるように、パッシベーション膜112の一部とN型不純物含有膜113の一部とを共に貫通する貫通孔113hが、フォトリソグラフィ等により形成される。その後、図6(e)に示されるように、上記貫通孔113hの内部も含め、上記裏面111b側のパッシベーション膜112及びN型不純物含有膜113の上面が、P型不純物含有膜114によって覆われる。そして、N型不純物含有膜113及びP型不純物含有膜114が貫通孔112h,113hを介してシリコン基板111に直接接した状態でアニール処理が行われる。これにより、図6(f)に示されるように、N型不純物含有膜113とシリコン基板111とが貫通孔112hを介して接する領域には、N型不純物領域111nが形成される。他方、同図6(f)に示されるように、P型不純物含有膜114とシリコン基板111とが貫通孔113hを介して接する領域には、P型不純物領域111pが形成される。
上述のような製造工程を経ることによって、互いに異なる二種類の不純物領域111n,111pが一つの裏面111bに形成される。このような構成によれば、各不純物領域に接続される電極、及び該電極に接続される配線が、光電変換装置の裏面111bに集約されるようになる。それゆえに、受光面111aにおける受光効率を高めることができることから、光電変換素子の光電変換効率を高めることができる。
特開2006−332273号公報
ところで、上述したように、シリコン基板111の裏面111bに不純物領域を形成する場合には、上記貫通孔112hと貫通孔113hとを形成するための工程が、各別に必要となる。そのため、パッシベーション膜112にこうした加工が施されない構成と比較して、光電変換装置の製造工程が煩雑化することを免れ得ない。しかも、該貫通孔112h,113hの形成を、上記フォトリソグラフィによって行うとなれば、貫通孔112h,113hを形成するためのマスクの形成や該マスクを形成するための露光装置やエッチング装置が別途必要となる。そして、1回のフォトリソグラフィ工程にて、レジストの塗布、レジストのパターニング、及びレジストの除去を行うことも必須となる。それゆえに、上記光電変換装置の量産化を可能とする上では、より簡易な製造工程によって同等の構成を有した光電変換素子の製造を可能とすることが強く望まれている。
なお、こうした問題は、上記シリコン基板111を有する光電変換素子の製造に限らず、他の半導体基板、例えばガリウムヒ素(GaAs)基板、硫化カドミウム(CdS)基板等の化合物半導体基板を有する光電変換装置の製造においても概ね共通するものである。また、該問題は、上記裏面側のみに電極を有するバックコンタクト型の光電変換装置の製造のみならず、パッシベーション膜に覆われた半導体基板の一側面に不純物領域を有する光電変換装置の製造において、概ね共通するものである。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パッシベーション膜で覆われた半導体基板の側面に不純物領域を有する光電変換装置の製造工程数を少なくすることの可能な光電変換装置の製造方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、光を受ける受光面を有した半導体基板を備えるとともに、前記受光面に対向する裏面が第一導電型の第一不純物領域を有してパッシベーション膜で覆われる光電変換装置の製造方法であって、前記受光面の一部と前記裏面に前記パッシベーション膜を形成する工程と、前記パッシベーション膜上から前記裏面に向けて前記第一導電型の不純物元素のイオンビームを照射して前記裏面に前記第一不純物領域を形成する工程と、前記パッシベーション膜上から前記裏面に向けて前記第一導電型とは異なる第二導電型の不純物元素のイオンビームを照射して前記裏面に第二不純物領域を形成する工程と、を備え、前記パッシベーション膜は、前記裏面にて相対的に薄いことを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、第一導電型の不純物元素が第一パッシベーション膜を通して半導体基板の裏面に注入される。それゆえに、不純物元素を半導体基板に拡散させるための貫通孔を別途第一パッシベーション膜に形成すること、また不純物元素を含有して該不純物元素を拡散させるための膜を別途形成すること、それらの必要がない。そのため、第一パッシベーション膜に貫通孔を形成する方法と比較して、光電変換装置を製造するための工程数を少なくすることが可能である。
また、請求項に記載の発明によれば、第一導電型の不純物元素と第二導電型の不純物元素とがパッシベーション膜を通して半導体基板の裏面に注入される。それゆえに、第一導電型の不純物元素を拡散させるための膜を形成することの他、第二導電型の不純物元素を拡散させるための膜を形成する必要もない。そのため、光電変換装置の製造工程数を少なくするという上述した効果が、さらに顕著なものとなる。
パッシベーション膜の膜厚は、通常、半導体基板の外表面を保護するために、所定の膜厚以上が必要とされている。一方、このようなパッシベーション膜の膜厚が大きくなるほど、該パッシベーション膜を通した不純物元素の注入には、大きな加速電圧が必要とされる。そして、半導体基板の表面に不純物元素を到達させるための加速電圧が大きくなり過ぎると、半導体基板の表面において結晶欠陥等のダメージが発生しやすくなる。
この点、請求項1に記載の発明によれば、少なくとも半導体基板の裏面と受光面の一部にパッシベーション膜が形成される一方、不純物元素が注入される裏面では、そのパッシベーション膜の膜厚が相対的に薄くなる。その結果、不純物元素の注入に必要とされる不純物元素の加速電圧が、他の部位と比較して低いものになるとともに、半導体基板の表面においては、裏面よりも相対的に厚いパッシベーション膜による半導体基板の保護機能が
確実なものとなる。そして、パッシベーション膜に孔を形成するためには、該孔以外の領域が薄くなることを抑えるためのマスクの形成工程やパッシベーション膜に孔を形成する工程のように、少なくとも二つ以上の工程が必要になる。この点、半導体基板の裏面におけるパッシベーション膜を相対的に薄くする方法では、半導体基板の全体にパッシベーション膜を形成した後、半導体基板の受光面にさらにパッシベーション膜を積層する方法であれ、半導体基板の裏面にパッシベーション膜を形成した後、該パッシベーション膜の厚さを減少させる方法であれ、新たな工程が単に一つだけ増えるのみである。そのため、パッシベーション膜に孔を形成する方法と比較して、光電変換装置の製造に必要な工程数を少なくすることは可能である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法において、前記パッシベーション膜を形成する工程では、前記パッシベーション膜を構成する第一パッシベーション膜を形成した後に前記パッシベーション膜を構成する第二パッシベーション膜を前記半導体基板に形成することを要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、第二パッシベーション膜の形成部位が受光面であれ、また、第二パッシベーション膜の形成部位が裏面であれ、さらには、第二パッシベーション膜の形成部位が半導体基板の全体であれ、第二パッシベーション膜が形成される部位では、第一パッシベーション膜のみを形成する場合と比較して、パッシベーション膜による半導体基板の保護効果が高められることになる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光電変換装置の製造方法において、前記パッシベーション膜が、前記半導体基板の全体に形成される膜であことを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光電変換装置の製造方法において、前記第一不純物領域を形成する前に、前記半導体基板の全体に前記第一パッシベーション膜を形成して前記第二パッシベーション膜を前記受光面側のみに積層することを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の光電変換装置の製造方法において、前記第一不純物領域を形成する前に、前記半導体基板の全体に前記パッシベーション膜を形成して該パッシベーション膜の前記裏面側の厚さを減少させることを要旨とする。
パッシベーション膜の膜厚を裏面にて相対的に薄くする方法としては、パッシベーション膜の成膜速度を裏面側で遅くする方法がある。ただし、このような方法では、成膜材料の供給量を受光面側と裏面側とで互いに異なるものとする必要があるため、パッシベーション膜を成膜する装置の構成が複雑なものとなってしまう。この点、請求項に記載の発明によれば、他のパッシベーション膜が受光面側に積層されることによって、パッシベーション膜の膜厚が裏面にて相対的に薄くなる。また、請求項に記載の発明によれば、裏面側のパッシベーション膜の厚さを減少させることによって、パッシベーション膜の膜厚が該裏面にて相対的に薄くなる。それゆえに、これらの方法によれば、パッシベーション膜を成膜する装置の構成を複雑なものとすることがない。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の光電変換装置の製造方法において、前記裏面における前記パッシベーション膜の膜厚が5nm以上50nm以下であることを要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、裏面に形成されるパッシベーション膜の膜厚が、5nm以上50nm以下であって、半導体基板の受光面側に光の反射を抑制する目的で一般に形成される膜の厚さと比較して相対的に薄いことから、パッシベーション膜を通した半導体基板への不純物元素の注入が、より確実にできるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光電変換装置の製造方法において、前記半導体基板が、シリコン基板であり、前記パッシベーション膜を構成する前記第一パッシベーション膜と前記第二パッシベーション膜とのうち少なくとも前記第一パッシベーション膜がシリコン酸化膜であることを要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、シリコン基板を熱酸化する等の簡易な方法で、該シリコン基板への不純物の侵入を抑制することのできるパッシベーション膜を形成することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光電変換装置の製造方法において、前記半導体基板が、シリコン基板であり、前記パッシベーション膜を構成する前記第一パッシベーション膜と前記第二パッシベーション膜とのうち少なくとも前記第二パッシベーション膜がシリコン窒化膜であることを要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、シリコン基板を窒素雰囲気で熱酸化する等の簡易な方法で、該シリコン基板への不純物の侵入を抑制することのできるパッシベーション膜を形成することができる。
本発明の一実施形態における光電変換装置の製造方法によって製造される光電変換装置の断面構造を示す斜視図。 図1のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。 (a)(b)(c)(d)(e)(f)同実施形態における光電変換装置の製造方法を工程順に示す図。 (a)(b)(c)同実施形態における光電変換装置の製造方法を工程順に示す図。 (a)(b)(c)変形例の光電変換装置の製造方法によって製造される光電変換装置の断面構造を示す図。 (a)(b)(c)(d)(e)(f)従来の光電変換装置の製造方法を工程順に示す図。
以下、本発明の光電変換装置の製造方法を太陽電池の製造方法として具現化した一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態の太陽電池の製造方法によって製造される太陽電池の構造を説明する。なお、図1においては、太陽電池の全体構造を説明する便宜上、太陽電池の外表面に形成されている凹凸形状のテクスチャー、及び太陽電池の受光面とこれに対向する裏面以外の側面を覆う膜を割愛している。図1に示されるように、太陽電池10は、半導体基板としての矩形板状のシリコン基板11における裏面11bに、外部に接続される電極12が接続された、いわゆるバックコンタクト型の太陽電池である。
より詳しくは、図2に示されるように、太陽電池10の備えるシリコン基板11には、太陽光の受光面11aと、該受光面11aと対向する裏面11bとに、凹凸形状のテクスチャーが形成されている。このようなシリコン基板11は、単結晶シリコンからなる基板と、多結晶シリコンからなる基板とのいずれであってもよい。
シリコン基板11の裏面11bには、該裏面11bからシリコン基板11の厚さ方向に所定の深さだけ不純物元素の拡散した領域であるP型不純物領域11p及びN型不純物領域11nが、交互に隣接して形成されている。P型不純物領域11pは、第一導電型の不純物元素であるホウ素(B)、アンチモン(Sb)、及びビスマス(Bi)等の元素を含む。他方、N型不純物領域11nは、第二導電型の不純物元素であるリン(P)、及びヒ素(As)等の元素を含む。P型不純物領域11p及びN型不純物領域11nには、アルミニウムや銀等からなる電極12が、シリコン基板11の裏面11bから突出するかたちに形成されている。P型不純物領域11p及びN型不純物領域11nでは、シリコン基板11の受光面11aにて入射した光が電力に変換される。そして、該電力は、各不純物領域11p,11nに接続された電極12から外部の負荷や蓄電装置へ取り出される。
上記シリコン基板11の全体は、少なくとも電極12の突出面12aを露出させるようにシリコン酸化膜13と、該シリコン酸化膜13を覆うシリコン窒化膜14とによって覆われている。シリコン窒化膜14の受光面11a側は、裏面11b側よりも膜厚が厚く、受光面11a側にて光の反射を抑える反射抑制部14aとして機能する。そして、太陽電池10の表面側に照射される光は、反射抑制部14aの反射抑制機能によってシリコン基板11内に取り込まれやすくなる。また、シリコン基板11内に取り込まれた光は、受光面11a及び裏面11bに形成されるテクスチャーによって閉じ込められやすくなる。そして、シリコン基板11内に取り込まれた光や閉じ込められた光は、P型不純物領域11p及びN型不純物領域11nでの光電変換作用によって電力に変換される。また、この反射抑制部14aを含めて、上記シリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とによって、シリコン基板11への水分等の不純物の侵入やシリコン基板11の外表面における機械的な損傷等を抑えるパッシベーション膜が構成されている。
次に、図3及び図4を参照して、上記太陽電池10の製造方法を説明する。なお、図3及び図4における各図は、それに対応する製造工程での上記図2に相当する断面構造を示している。また、パッシベーション膜、P型不純物領域11p、及びN型不純物領域11nが形成される方法を主に説明する便宜上、これらに対応する製造工程での断面構造を主に示している。
太陽電池10の製造工程では、まず、図3(a)に示されるように、シリコン基板11の受光面11a及び裏面11bが、各別に例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液21等のウェットエッチング用のエッチング溶液に浸される。これにより、シリコン基板11の受光面11a及び裏面11bに凹凸形状のテクスチャーが形成される。次いで、図3(b)に示されるように、シリコン基板11は、アニール炉にて酸素雰囲気で加熱される。こうした酸素雰囲気での加熱により、10nmのシリコン酸化膜13が、シリコン基板11の外表面の全体を覆うように形成される。なお、シリコン酸化膜13は、その全体にわたり略同一の膜厚である。そして、図3(c)に示されるように、シリコン酸化膜13の形成されたシリコン基板11は、アニール炉にて窒素雰囲気で加熱される。これにより、20nmのシリコン窒化膜14が、シリコン酸化膜13の外表面の全体を覆うように形成される。なお、シリコン窒化膜14は、上記シリコン酸化膜13と同様、その全体にわたり略同一の膜厚である。
次いで、図3(d)に示されるように、シリコン基板11の受光面11a側が、シリコン窒化膜14を形成可能なプラズマ22に曝される。これにより、先のシリコン窒化膜14上のうちでシリコン基板11の受光面11a側にのみ、シリコン窒化物が積層されて上述した反射抑制部14aが形成される。なお、反射抑制部14aにおけるシリコン窒化物の膜厚は、外部から入射する太陽光の反射をシリコン窒化物の表面にて抑制する膜厚であって、70nm〜80nmである。
上述のように反射抑制部14aが形成されると、シリコン基板11は、イオン注入装置に搬入される。そして、図3(e)に示されるように、イオン注入装置の備えるN型用マスク23の開口部23hを介して、第一導電型の第一不純物領域であるN型不純物領域11nを形成する位置に、N型不純物元素のイオンビーム23aが照射される。N型用マスク23は、炭素、アルミニウム、及びケイ素等のイオンビーム23aを吸収する材料からなる板であって、N型不純物領域11nと向い合う位置に機械加工によって形成された開口部23hを有している。イオンビーム23aは、パッシベーション膜であるシリコン窒化膜14とシリコン酸化膜13との上からシリコン基板11に向けて照射され、それを構成する不純物元素のイオンがこれら膜13,14を貫通してシリコン基板11に到達するように加速電圧が設定されている。
なお、N型不純物元素がリンであるときには、イオンビーム23aの原料ガスの一例として、PHガス、PFガス、PFガス、PClガス、PClガス、及びPOClガスが用いられる。この際、イオンビーム23aの加速電圧は、1keV〜50kevである。加速電圧が1keVより小さくなると、N型不純物元素のイオンは、シリコン基板11に到達することなく、パッシベーション膜をスパッタするようになる。他方、加速電圧が50keVを超えると、イオンビーム23aによるシリコン基板11のダメージが、太陽電池10の変換効率を下げる程度にまで大きくなってしまう。
ちなみに、上述したイオンビーム23aとは、その生成過程において、所定の質量のイオンのみが所定の軌道で加速されるビームではなく、原料ガスの分解によって生成される全ての質量のイオンが同じ軌道で加速されるビームである。一般に、イオンビームによる結晶欠陥等のダメージが結晶基板に現れる場合には、該イオンビームの加速電圧を下げることがその解決手段として挙げられる。そのため、パッシベーション膜が薄いことに起因してダメージが発生する場合には、イオンビームの加速電圧を下げることが求められる。この点、上述した方式で出力されるイオンビーム23aによれば、所定の質量を有したイオンのみを出力する方式と比較して、より低い加速電圧でイオンビームの出力を安定させることが可能である。それゆえに、上述したダメージを抑えるための加速電圧の範囲を広げることが可能であって、ひいてはシリコン基板11に発生するダメージを抑えることが可能である。
上述のようにイオンビーム23aが照射されると、図3(f)に示されるように、イオン注入装置の備えるP型用マスク24の開口部24hを介して、第二導電型の第二不純物領域であるP型不純物領域11pを形成する位置に、P型不純物元素のイオンビーム24aが照射される。P型用マスク24は、上記N型用マスクと同様に、炭素、アルミニウム、及びケイ素等のイオンビーム24aを吸収する材料からなる板であって、P型不純物領域11pと向かい合う位置に機械加工によって形成された開口部24hを有している。イオンビーム24aは、これもイオンビーム23aと同様、パッシベーション膜であるシリコン窒化膜14とシリコン酸化膜13との上からシリコン基板11に向けて照射される。また、イオンビーム24aでは、それを構成する不純物元素のイオンがこれら膜13,14を貫通してシリコン基板11に到達するように加速電圧が設定されている。
なお、P型不純物元素がホウ素であるときには、イオンビーム24aの原料ガスの一例として、BHガス、BFガス、BClガス、BBrガスが用いられる。この際、イオンビーム24aの加速電圧は、1keV〜50kevである。加速電圧が1keVより小さくなると、P型不純物元素のイオンは、シリコン基板11に到達することなく、パッシベーション膜をスパッタするようになる。他方、加速電圧が50keVを超えると、イオンビーム24aによるシリコン基板11へのダメージが、太陽電池10の変換効率を下げる程度にまで大きくなってしまう。ちなみに、イオンビーム24aも、イオンビーム23aと同じく、その生成過程において、所定の質量のイオンのみが所定の軌道で加速されるビームではなく、原料ガスの分解によって生成される全ての質量のイオンが同じ軌道で加速されるビームである。
このようにイオンビーム23a,24aの照射が行われると、図4(a)に示されるように、シリコン基板11は、アニール炉にて希ガス雰囲気で加熱される。こうした熱処理により、各不純物領域11n,11p中の不純物元素が活性化される。また、イオンビーム23a,24aの照射によるシリコン基板11のダメージ、例えば結晶欠陥が修復される。次いで、図4(b)に示されるように、シリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とを介して上記各不純物領域11n,11pと対向する位置に、公知のスクリーン印刷法を用いて電極12を形成する。より詳しくは、シリコン基板11における電極12の形成される位置に応じた開口部25hを有した印刷用マスク25を用いて、アルミニウムや銀等からなる電極12を印刷する。そして、図4(c)に示されるように、電極12の印刷されたシリコン基板11に対して、上述のようなアニール炉での加熱処理、いわゆるファイアスルー処理が行われる。これにより、シリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14との外側に形成された電極12が、これらシリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14を突き破る。それゆえに、上記P型不純物領域11p及びN型不純物領域11nが、対応する電極12と接続されることで、先の図1及び図2に示される太陽電池10が製造される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)N型の不純物元素とP型の不純物元素とをシリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とを通してシリコン基板11の裏面11bに注入するようにした。それゆえに、不純物元素をシリコン基板11に拡散させるための貫通孔を別途シリコン酸化膜13やシリコン窒化膜14に形成する必要がない。そのため、シリコン酸化膜13及びシリコン窒化膜14に貫通孔を形成する方法と比較して、太陽電池10を製造するための工程数を少なくすることが可能である。
(2)シリコン基板11の全体にシリコン酸化膜13及びシリコン窒化膜14が形成される一方、不純物元素の注入される裏面11bでは、シリコン窒化物の膜厚を相対的に薄くすることによって、パッシベーション膜の膜厚を相対的に薄くするようにした。そのため、不純物元素の注入に必要とされる加速電圧を低くすることができるとともに、シリコン基板11の受光面11aにおいては、パッシベーション膜の機能を確実に発現させることが可能である。
(3)シリコン基板11の外表面の全体にシリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とを形成した後、さらに受光面11a側のみにシリコン窒化物を積層することによって、パッシベーション膜の膜厚を裏面11bにて相対的に薄くするようにした。ここで、不純物を拡散させるための貫通孔をパッシベーション膜に形成するためには、貫通孔以外の領域が薄くなることを抑えるマスクを形成する工程と、パッシベーション膜に貫通孔を形成する工程とのように、少なくとも2つ以上の工程が必要になる。これに対して、パッシベーション膜の形成工程が反射抑制部14aを含む上述のような方法であっても、単にパッシベーション膜の形成工程が増えるのみである。それゆえに、上述した方法であっても、貫通孔をパッシベーション膜に形成する方法と比較して、製造工程数を少なくすることは可能である。
(4)裏面11bに形成されるシリコン酸化膜13の膜厚とシリコン窒化膜14の膜厚との和を30nmとした。そのため、シリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とを通したシリコン基板11への不純物元素の注入が、より確実にできるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記裏面11b側のパッシベーション膜の厚さ、つまり、シリコン酸化膜13の厚さとシリコン窒化膜14の厚さとの和を、30nmとした。これに限らず、裏面11b側のパッシベーション膜の厚さは、5nm以上50nm以下とすることが好ましい。また、裏面11bにおけるパッシベーション膜の厚さは、5nm以上20nm以下とすることが特に好ましい。裏面11bにおけるパッシベーション膜の厚さがこうした範囲にあれば、裏面11bに対して機械的及び化学的な最低限の保護、つまり太陽電池10としての十分な変換効率が維持されるだけ裏面11bを保護することができる。加えて、イオンビーム23a,24aによりイオン注入を受けるパッシベーション膜の厚さを好ましい膜厚範囲の中で相対的に薄くできるため、シリコン基板11へのイオン注入量を相対的に多くすることができる。これにより、より短いイオン注入処理の時間で、十分なイオン注入量を確保できることから、太陽電池10の製造に要するタクトタイムを短縮することができる。そして、パッシベーション膜の厚さを、20nmを超える厚さとすれば、裏面11bを機械的及び化学的により確実に保護することができる。加えて、パッシベーション膜の厚さを50nm以下とすれば、イオンビーム23a,24aの照射によるシリコン基板11へのダメージが、太陽電池10の変換効率に影響を及ぼす程度に大きくなることをより確実に抑制できる。
なお、裏面11bに対する機械的及び化学的な保護が光電変換装置における裏面11b側の他の構成によって得られるのであれば、上述したパッシベーション膜は5nm未満であってもよい。また、イオンビーム23a,24aによるダメージがイオン注入後のアニール等によって軽減できるものであれば、上述したパッシベーション膜は50nmを超える厚さであってもよい。
・シリコン基板11の受光面11a側に別途シリコン窒化物を積層することによって、シリコン基板11の全体にて裏面11b側の厚さを相対的に薄くした。これに限らず、受光面11a側に必要とされる膜厚でシリコン酸化膜13の全体にシリコン窒化膜14を形成した後に、裏面11b側のシリコン窒化膜14の全面をエッチングによって削り、これによって、裏面11b側のシリコン窒化膜14の厚さを薄くするようにしてもよい。あるいは、受光面11a側に必要とされる膜厚でシリコン基板11の全体にシリコン酸化膜13を形成した後に、裏面11b側のシリコン酸化膜13の全体をエッチングによって削り、これによって、裏面11b側のシリコン酸化膜13の厚さを薄くするようにしてもよい。さらには、受光面11a側に必要とされる膜厚でシリコン酸化膜13及びシリコン窒化膜14を形成した後に、裏面11b側のシリコン窒化膜14の全体及びシリコン酸化膜13をエッチングによって削り、これによって、裏面11b側のパッシベーションの厚さを薄くするようにしてもよい。つまり、裏面側に形成されたパッシベーション膜の厚さを減少させるようにすればよい。こうした方法によれば、以下の効果が得られるようになる。
(5)パッシベーション膜の膜厚を裏面11bにて相対的に薄くする方法としては、パッシベーション膜の成膜速度を裏面側で遅くする方法がある。ただし、このような方法では、成膜材料の供給量を受光面11a側と裏面11b側とで互いに異なるものとする必要があるため、パッシベーション膜を成膜する装置の構成が複雑なものとなってしまう。上述した方法によれば、シリコン酸化膜13及びシリコン窒化膜14を成膜する装置の構成を複雑なものとすることがない。
・シリコン酸化膜13を形成する工程が割愛される方法であってもよく、また、シリコン窒化膜14を形成する工程が割愛される方法であってもよい。シリコン酸化膜13を形成する工程が割愛される方法であれば、シリコン基板を熱窒化するという一つの工程によって、パッシベーション膜を形成することができる。また、シリコン窒化膜14が割愛される構成であれば、シリコン基板を熱酸化するという一つの工程によって、パッシベーション膜を形成することができる。
また、裏面11b側のシリコン酸化膜13のみが割愛される構成であってもよく、また、裏面11b側のシリコン窒化膜14のみが割愛される構成であってもよい。裏面11b側のシリコン酸化膜13のみが割愛される構成であれば、これに伴って、裏面11b側のパッシベーション膜の膜厚を相対的に薄くすることが可能でもある。また、裏面11b側のシリコン窒化膜14のみが割愛される構成であれば、これに伴って、裏面11b側のパッシベーション膜の膜厚を相対的に薄くすることも可能である。なお、受光面11aにパッシベーション膜を成膜しつつ、裏面11b側にパッシベーション膜を成膜しない、あるいは裏面11b側のパッシベーション膜を薄くする方法の一例としては、以下の方法が挙げられる。例えば、シリコン基板11の受光面11a側と裏面11b側とで、成膜に必要とされるガスの供給量や成膜時間を互いに異なるものとする。あるいは、シリコン基板11の裏面11b側を遮蔽物によって覆いつつ、シリコン基板11の全体に成膜に必要とされるガスを供給する。
具体的には、図5(a)に示されるように、シリコン基板31の全体にシリコン酸化膜33を有し、該シリコン基板31の受光面31a側にのみ反射抑制部34aとしても機能するシリコン窒化膜34を形成するようにしてもよい。この場合、シリコン基板31の全体にシリコン酸化膜33を形成した後に、シリコン基板31の受光面31a側にのみシリコン窒化膜34を形成した上で、各不純物領域31n,31pを形成するようにすればよい。なお、N型不純物領域31n、P型不純物領域31p、及び電極32は、上記実施形態と同等の構造である。これによれば、以下の効果が得られる。
(6)受光面31a側にシリコン酸化膜33にシリコン窒化膜34が積層されることによって、パッシベーション膜の膜厚が裏面にて相対的に薄くすることができ、シリコン基板31の裏面31bにおける不純物元素の注入が容易なものとなるとともに、シリコン基板31の表面においては、パッシベーション膜としての機能がより確実に発現される。
また、図5(b)に示されるように、シリコン基板41の全体にシリコン窒化膜43を形成するとともに、裏面41b側のシリコン窒化膜43の膜厚を、反射抑制部43aとして機能する受光面41a側のシリコン窒化膜43と比較して相対的に薄くするようにしてもよい。この場合、上記実施形態におけるシリコン酸化膜13の形成工程を割愛すればよい、つまり、窒素雰囲気での加熱によりシリコン基板11の全体にシリコン窒化膜14を形成した後に、プラズマを用いて該シリコン基板11側にシリコン窒化膜14を形成した上で、各不純物領域41n,41pを形成すればよい。なお、各不純物領域41n,41p及び電極42は、上記実施形態と同等の構造である。
また、図5(c)に示されるように、上記パッシベーション膜として、シリコン基板51の受光面51a側半分に反射抑制部54aとしても機能するシリコン窒化膜54を形成するとともに、該シリコン基板51の裏面51b側半分にシリコン酸化膜53を形成するようにしてもよい。この場合、上記実施形態でのシリコン酸化膜の形成工程において、まず、シリコン基板51の裏面51b側のみにシリコン酸化膜53を形成するとともに、同実施形態でのシリコン窒化膜の形成工程において、シリコン基板51の受光面51a側のみにシリコン窒化膜54を形成した後に、各不純物領域51n,51pを形成すればよい。なお、シリコン窒化膜54を形成した後に、シリコン酸化膜53を形成するようにしてもよい。また、各不純物領域51n,51p及び電極52は、上記実施形態と同等の構造である。
・先の図5(a)に示される太陽電池を形成するときには、シリコン酸化膜33をシリコン基板の全体にわたり形成した後に、各不純物領域31n,31pを形成し、次いで、シリコン基板31の受光面31a側にのみシリコン窒化膜34を形成するようにしてもよい。
・先の図5(b)に示される太陽電池を形成するときには、シリコン基板41の全体にシリコン窒化膜43を形成した後、各不純物領域41n,41pを形成するようにし、次いで、プラズマを用いてシリコン基板41の受光面41a側にのみシリコン窒化膜14を形成するようにしてもよい。
・先の図5(c)に示される太陽電池を形成するときには、シリコン基板51の裏面51b側のみにシリコン酸化膜53を形成した後に、各不純物領域51n,51pを形成した上で、シリコン基板51の受光面51a側のみにシリコン窒化膜54を形成するようにしてもよい。
・また、シリコン基板11の裏面11b側に形成されたパッシベーション膜を削ることによって、該裏面11b側でのパッシベーション膜の厚さを減少させるとともに、シリコン基板11の受光面11a側には、パッシベーション膜の成膜を2回実施することによって、裏面11b側のパッシベーション膜の厚さを相対的に薄くするようにしてもよい。
・シリコン基板11の受光面11a及び裏面11bのテクスチャーを、水酸化カリウム水溶液21によるウェットエッチングで形成するようにした。これに限らず、シリコン基板11をウェットエッチングすることができる他の溶液を用いるようにしてもよい。また、ウェットエッチング以外の方法で上記テクスチャーを形成するようにしてもよい。
・シリコン基板11の全体に対するシリコン酸化膜13及びシリコン窒化膜14の形成を熱CVD法で行うようにした。これに限らず、シリコン酸化膜13及びシリコン窒化膜14は、例えばプラズマCVD法等、他の成膜方法によって形成するようにしてもよい。
・シリコン基板11の受光面11a側のみに対するシリコン窒化膜14の形成をプラズマCVD法によって形成するようにした。これに限らず、他の成膜方法、例えば熱CVD法、スパッタ法等によって形成するようにしてもよい。
・N型の不純物元素として、例えばAsを用いる場合、イオンビームの原料ガスとしては、AsHガス、AsFガス、AsFガス、AsClガス、及びAsClガス等を用いるようにすればよい。
・上記イオンビーム23a,24aの生成時には、質量分離を行って、特定の質量を有したイオンのみからなるイオンビームを生成するようにしてもよい。
・上記シリコン基板11に代えて、ガリウムヒ素(GaAs)基板、硫化カドミウム(CdS)基板、カドミウムテルル(CdTe)基板、セレン化銅インジウム(CuInSe)基板等の化合物半導体基板や、有機半導体基板を用いるようにしてもよい。
・上記実施形態では、シリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とをシリコン基板11の全体に形成した後に、N型不純物領域11nとP型不純物領域11pとを形成するようにした。これに限らず、パッシベーション膜としてのシリコン酸化膜13の形成に次いで、上記各不純物領域11n,11pの形成を行った後に、他のパッシベーション膜としてのシリコン窒化膜14を形成するようにしてもよい。これによれば、以下の効果が得られる。
(7)パッシベーション膜の形成工程が不純物領域の形成工程によって複数に分割されるため、不純物領域を形成する際のパッシベーション膜の膜厚が自ずと薄くなる。その結果、本来必要とされるパッシベーション膜の膜厚にかかわらず、パッシベーション膜を通してシリコン基板11の裏面11bも不純物元素を注入することが容易なものとなる。
・パッシベーション膜としてのシリコン酸化膜13とシリコン窒化膜14とをシリコン基板11の全体にわたり形成するようにした。これに限らず、少なくともシリコン基板11の裏面11bがパッシベーション膜によって覆われているようにすればよい。
10…太陽電池、11,31,41,51,111…シリコン基板、11a,31a,41a,51a,111a…受光面、11b,31b,41b,51b,111b…裏面、11p,31p,41p,51p,111p…P型不純物領域、11n,31n,41n,51n,111n…N型不純物領域、12,32,42,52…電極、12a…突出面、13,33,53…シリコン酸化膜、14,34,43,54…シリコン窒化膜、14a34a,43a,54a…反射抑制部、21…水酸化カリウム水溶液、22…プラズマ、23…N型用マスク、23h,24h,25h…開口部、23a,24a…イオンビーム、24…P型用マスク、25…印刷用マスク、112…パッシベーション膜、112h,113h…貫通孔、113…P型不純物含有膜、114…N型不純物含有膜。

Claims (8)

  1. 光を受ける受光面を有した半導体基板を備えるとともに、前記受光面に対向する裏面が第一導電型の第一不純物領域を有してパッシベーション膜で覆われる光電変換装置の製造方法であって、
    前記受光面の一部と前記裏面に前記パッシベーション膜を形成する工程と、
    記パッシベーション膜上から前記裏面に向けて前記第一導電型の不純物元素のイオンビームを照射して前記裏面に前記第一不純物領域を形成する工程と
    前記パッシベーション膜上から前記裏面に向けて前記第一導電型とは異なる第二導電型の不純物元素のイオンビームを照射して前記裏面に第二不純物領域を形成する工程と、
    を備え
    前記パッシベーション膜は、前記裏面にて相対的に薄い光電変換装置の製造方法。
  2. 前記パッシベーション膜を形成する工程では、前記パッシベーション膜を構成する第一パッシベーション膜を形成した後に前記パッシベーション膜を構成する第二パッシベーション膜を前記半導体基板に形成する
    請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記パッシベーション膜が、前記半導体基板の全体に形成される膜であ
    請求項1又は2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第一不純物領域を形成する前に、前記半導体基板の全体に前記第一パッシベーション膜を形成して前記第二パッシベーション膜を前記受光面側のみに積層する
    請求項に記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記第一不純物領域を形成する前に、前記半導体基板の全体に前記パッシベーション膜を形成して該パッシベーション膜の前記裏面側の厚さを減少させる
    請求項1から4のいずれか一項に記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記裏面における前記パッシベーション膜の膜厚が5nm以上50nm以下である
    請求項1〜のいずれか一項に記載の光電変換装置の製造方法。
  7. 前記半導体基板が、シリコン基板であり、
    前記パッシベーション膜を構成する前記第一パッシベーション膜と前記第二パッシベーション膜とのうち少なくとも前記第一パッシベーション膜がシリコン酸化膜である
    請求項に記載の光電変換装置の製造方法。
  8. 前記半導体基板が、シリコン基板であり、
    前記パッシベーション膜を構成する前記第一パッシベーション膜と前記第二パッシベーション膜とのうち少なくとも前記第二パッシベーション膜がシリコン窒化膜である
    請求項に記載の光電変換装置の製造方法。
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