JP5637601B2 - 窒化物単結晶の育成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物単結晶を育成する装置に関するものである。
現在青色レーザー用基板として使用されているGaNウエハはHVPE法により作製されているが、HVPE法で作製されるGaNウェハは転位密度が大きく、レーザーの歩留まりを下げる一因になっている。また、同法では原料利用効率が5〜10%程度と低く、メンテナンスコストも大きいことから、ウェハ価格が高止まりしており、青色レーザー普及の妨げになっている。
HVPE法にかわるGaNウェハの製法として、Naフラックス法が期待されている。Naフラックス法で作製されるGaN結晶は転位密度が小さく、レーザー歩留まりの向上が期待される。また、同法は70%以上の原料利用率が可能であることから、低コスト製法としての期待も大きい。
Naフラックス法による低コスト化の手段として、これまでに単結晶の成長速度を向上させるために、融液の液位を制御したり(特許文献1)、多数枚のウェハを同時に育成する技術(特許文献2)を提案してきた。
WO2009/157347 WO2007/122867 特許第2534341号
これまでに報告されているNaフラックス法による窒化物単結晶成長方法は、すべてバッチ式で行われている。したがって、炉内温度が上がる昇温工程、炉の温度を下げる冷却工程、結晶の取り出し工程、炉内に付着した不純物を除去するベイキング工程、原料設置工程、炉体に付着した不純物を除去する真空引き工程など、実際に結晶育成にかかる時間以外の工程に多くの時間がかかっており、生産性を上げることができない。例えば、1mm厚さのGaN単結晶育成にかかる実時間は例えば約100時間であるが、結晶を成長させる以外の前記工程にさらに50時間以上を費やしていた。
この無駄な時間を削減するため、我々は、連続的な結晶成長の可能性を検討した。すなわち、種々のバルク単結晶成長技術について調査したが、バルク単結晶成長は基本的にバッチ式であり、前記したような単結晶育成以外にかかる時間を削減するという観点からは、我々の要求を満たす単結晶成長方法は見つからなかった。
水平方向に原料を移動させながら単結晶を育成する方法としては、水平ブリッジマン法がある。化合物半導体結晶の作製に使用する水平ブリッジマン炉には高圧容器を備えるものもある(特許文献3)。しかし、この装置もバッチ型の密閉炉であり、連続的に窒化物単結晶を育成できる装置ではない。
本発明の課題は、育成容器内で窒化物単結晶を育成するのに際して、単結晶成長に直接必要な時間以外の時間を削減し、単結晶を効率よく育成できる単結晶育成装置を提供することである。
本発明窒化物単結晶の育成装置は、育成容器内で加圧および加熱された雰囲気下にナトリウムフラックス法によって窒化物単結晶を育成する装置であって、
予熱ゾーン、結晶育成ゾーンおよび冷却ゾーンを備えている主部、
予熱ゾーンの上流側に設けられた第一の圧力調整室、
予熱ゾーンと第一の圧力調整室との間に設けられた第一の耐圧仕切り弁、
冷却ゾーンの下流側に設けられた第二の圧力調整室、
冷却ゾーンと第二の圧力調整室との間に設けられた第二の耐圧仕切り弁、
主部内を加熱するマルチゾーンヒーター、および
第一の圧力調整室から主部を通って第二の圧力調整室まで育成容器を移送する移送機構を備えていることを特徴とする。
本発明者は、予熱部と育成部と冷却部とがつながっている、いわゆるトンネル炉を用いて窒化物単結晶を連続的に育成することを試みた。この装置であれば、育成部の温度と圧力とは一定に保持でき、予熱部で加熱を行い、冷却部で冷却を行い、更に原料の調製や取り出しは別途行うので、バッチ炉のように昇降温に要する無駄な時間がなくなる。したがって、窒化物単結晶を量産できるものと考えた。
しかし、本発明者が、トンネル炉方式の単結晶育成技術への適用を検討したところ、二つの大きな問題に直面した。
一つ目の問題点は、炉内外に大きな圧力差があることである。いわゆるトンネル炉は、大気圧で使用されるため、炉の入り口と出口は耐圧構造を備えていない。したがって、加圧雰囲気を必要とする窒化物単結晶の育成には適用できない。
二つめは、高圧雰囲気下では、水平方向の温度分布制御が難しいという問題である。高圧のガスは熱移動が大きくなるため、開放型の炉の場合、僅かな隙間から熱が漏れて温度分布が崩れやすい。
本発明者は、これらの問題点を解決して窒化物単結晶育成への適用を可能とするため、種々実験を行った結果、予熱ゾーンの上流側に第一の圧力調整室を設け、予熱ゾーンと第一の圧力調整室との間を耐圧仕切り弁で仕切るのと共に、冷却ゾーンの下流側に第二の圧力調整室を設け、冷却ゾーンと第二の圧力調整室との間も耐圧仕切り弁で仕切ることによって、炉の入口側と出口側との双方で雰囲気圧力を段階的に制御することを想到した。
この方式によれば、育成容器に単結晶原料を投入した後、第一の圧力調整室に育成容器を収容し、圧力調整室内の圧力を上昇させて主部の圧力と同等とする。この後で耐圧仕切り弁を開いて育成容器を予熱ゾーンに収容して加熱し、予熱ゾーン内を移送しながら育成ゾーンと同程度の温度とし、続いて育成ゾーンを移送する間に単結晶を成長させる。次いで、冷却ゾーンで徐々に冷却した後、第二の耐圧仕切り弁を開いて育成容器を第二の圧力調整室に移送し、圧力調整室内の圧力を低下させ、次いで育成容器を外部へと取り出すことができる。
本発明によれば、育成炉内外の圧力差を段階的に調節することで、加圧雰囲気を必要とする窒化物単結晶の連続的な育成に対して適用可能となる。その上、耐圧仕切り弁の内側に予熱ゾーンと冷却ゾーンとを設け、予熱ゾーンおよび冷却ゾーンの双方を耐圧仕切り弁によって各圧力調整室と仕切ることで、高圧雰囲気下での熱の漏れによる温度分布を抑制できる。
(a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る窒化物単結晶育成装置10A、10Bを模式的に示す側面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る窒化物単結晶育成装置10C、10Dを模式的に示す上面図である。 (a)は、結晶育成ゾーン4を模式的に示す縦断面図であり,(b)は、結晶育成ゾーン4を模式的に示す横断面図である。 (a)は、育成ゾーン4中に、原料を封入したコンテナを設置した状態を示す横断面図であり、(b)は、同じく縦断面図である。 (a)は、結晶育成ゾーン4を模式的に示す縦断面図であり,(b)は、結晶育成ゾーン4を模式的に示す横断面図であり、それぞれ移送路面に凹凸が設けられている。
図1(a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る窒化物単結晶育成装置10A、10Bを模式的に示す側面図であり、各ゾーンが直線的に並んでいる。また、図2(a)、(b)は、それぞれ、他の実施形態に係る窒化物単結晶育成装置10C、10Dを模式的に示す上面図であり、各ソーンが円形に並んでいる。
本例では、まず、原料調製室1を不活性雰囲気に保持し、調製室1内で、育成容器内に矢印Aのように原料を収容する。次いで、第三の仕切り弁8Aを開き、育成容器を矢印Bのように、第一の圧力調整室2A内へと移送する。この段階では、原料調製室1と圧力調整室2Aとの双方は常圧の不活性雰囲気に満たされており、とくに加圧されていない。次いで、第三の仕切り弁8Aを閉じ、圧力調整室2Aに、図示しないバルブを通じ外部からガスを注入することにより、圧力調整室2Aを加圧する。調整室2Aの圧力と主部21の圧力とが同じになった時点で、第二の仕切り弁9Aを開き、育成容器を矢印Cのように予熱ゾーン3へと移送する。
予熱ゾーン3では、入り口から育成ゾーン4へと向かって温度勾配が設けられている。育成容器は、予熱ゾーン3を移送される間に、徐々に加熱され、育成ゾーン4に入る時点で結晶育成温度に到達している。この時点で、育成容器内の原料は溶融し、結晶成長が始まる。次いで、育成容器は、矢印Dのように育成ゾーン4内を移送される。育成ゾーン4内の圧力および温度は結晶成長条件で保持されている。
冷却ゾーン5は、出口へと向かって温度勾配が設けられている。育成容器は、冷却ゾーン5内を移送される間に徐々に冷却され、所定温度に達する。次いで,第二の耐圧仕切り弁9Bを開き、育成容器を矢印Eのように第二の圧力調整室2B内へと移送する。この時点で、圧力調整室2Bの圧力は、主部21内の圧力と同程度となっている。次いで、仕切り弁9Bを閉じ、圧力調整室2B内のガスを外部に逃がすことにより、圧力を常圧まで減圧する。次いで、第四の仕切り弁8Bを開き、育成容器を矢印Fのように結晶取り出し室6へと移送する。そして、結晶取り出し室6から矢印Gのように結晶の取り出しを行う。結晶取り出し室6はグローブボックスになっており、フラックス分離などの各種作業が可能である。ここで回収されたフラックス、ルツボ、金属容器、移送用台車などは、いったん装置の外に出された後、原料調整室1に運ばれ、再利用される。
圧力調整室2Aと圧力調整室2Bをガス配管で連結し、圧力調整室2Aと2Bとの間で相互にガスを移動させることによって、一方を高圧としたとき他方を常圧に制御するように運用できる。これによって、ガスの使用量を節約することが可能である。
なお、図1(a)の装置10Aでは、主部内において移送路は平坦である。一方、図1(b)の装置10Bでは、予熱ゾーン3では移送路が若干上昇しており、育成ゾーン4では移送路が平坦であり、冷却ゾーンでは移送路が若干下降している。このように、育成ゾーンを予熱ゾーンおよび冷却ゾーンよりも高い位置に設けることによって、最も温度の高い育成ゾーンからゾーン3、5へと熱が逃げるのを抑制し、温度勾配による結晶品質低下を防止できる。
また、図2(a)の装置10Cでは、原料調製室1と結晶取り出し室6とが隣りに設けられており、各ゾーンが環状をなしてつながっている。また、図2(b)の装置10Dでは、原料調製室7から結晶の取り出しも行えるようにしている。
このように、原料調製室と結晶取り出し室とをつなげたり、あるいは一体化し、装置全体を環状とすることによって、圧力調製室から取り出した育成容器を、外気に触れさせることなく、次の原料調製に再利用することができるので、育成容器の酸化を防止でき、また生産性が向上する。
図3(a)は、本発明で適用可能な結晶育成部の形態を模式的に示す断面図である(ハッチングは省略)。筒状の耐圧容器11の内側に炉心管13が設置されており、炉心管13内に育成空間14が形成されている。育成空間14下には移送路13aが設置されており、移送路13a上を、図示しない移送手段が移動する。炉心管13の周囲にはマルチゾーンヒーター12が設置されている。
移送手段としては、図4(a)、(b)に示すようなコンテナ16を用いることが好ましい。コンテナ16には駆動装置19が取り付けられており、コンテナ16を所定速度で駆動することができる。各コンテナ16には遮蔽板17が取り付けられており、隣接するコンテナ間での加熱雰囲気の流通を妨げる働きをしている。コンテナ16上には育成容器21が設置されている。コンテナ16が結晶育成部4内を移送されている間に結晶成長が進行する。
本例におけるように、主部内、特に結晶育成ゾーン内に遮蔽板17を設けることによって、主部内における熱雰囲気の移動による温度分布を防止し、結晶品質を改善し、生産性を更に向上させることができる。特に遮蔽板を各コンテナに取り付けることによって、各育成容器の温度を更に正確に制御できる。
好適な実施形態においては、コンテナが主部を移送されている間に、コンテナ内の原料融液が攪拌されるようにする。例えば、好適な実施形態においては、少なくとも結晶育成ゾーンにおいて、移送路に高低差ないし凹凸を設けることができる。図5(a)の例では、上流側から下流側へと向かって、炉心管13Aの移送路13b、13cが平坦ではなく、移送路13bは上昇し、移送路13cは下降している。上昇する移送路13bと下降する移送路13cとは交互に形成されている。したがって、育成容器は、移送路13bでは矢印Hのように上昇し、移送路13cでは矢印Iのように下降する。このように、育成容器が主部内を進行するのにしたがって、育成容器の上昇と下降とが交互に生ずるので、育成容器内部の融液が攪拌され、結晶成長が促進される。
また、図5(b)の例では、炉心管の移送路が、育成容器の進行方向Dに対する横方向Mに向かって分割されている。すなわち、移送路の一方の側では、高さの低い部分13dと高い部分13eとが交互に形成されており、他方の側では、高い部分13eと低い部分13dとが交互に形成されている。そして、横方向Mに見たとき、低い部分13dと高い部分13eとが隣接するように設計されている。
この実施形態では、育成容器が矢印D方向へと進むのにつれて、左右で上昇と下降とを繰り返し、かつ左右で上昇と下降の周期が正反対になる。すなわち、育成容器が低い部分13d上にあるときには、矢印Jのように下降し、高い部分13e上にあるときには、矢印Lのように上昇するので、育成容器は横方向Mへと傾斜し、かつ傾斜方向が左右で周期的に反転する。これによって、育成容器内部の融液が攪拌され、結晶成長が促進される。
好適な実施形態においては、移送機構が、コンテナを水平方向に回動させる機構を備えている。これによって、育成容器が結晶育成ゾーンを進む間に、コンテナの回動によって育成容器内部の融液が攪拌され、結晶成長が促進される。コンテナを水平方向に回動させる機構としては、モーターによって駆動される回転軸上に台車を搭載することが考えられる。
また、育成ゾーン内では、融液の攪拌のために、一時的に進行方向と逆方向に台車を移動させることも可能である。特に、台車の前進と後退とを繰り返すことによって、育成容器内の原料融液が揺動し、効果的に攪拌される。特に短時間で台車の前進と後退とを反復すると、容器内の融液が揺動し、攪拌される。また、高低差のある移送路上で、台車の前進と後退とを反復することによって、台車の傾斜方向を変化させ、融液を効果的に攪拌することができる。
本発明をアルカリ金属,アルカリ土類金属を含有するフラックスに適用する場合には、炉心管、遮蔽版、治具の材質はステンレス、インコネル、ニッケル合金等の金属、アルミナ、イットリア、カルシア、等の酸化物セラミックス、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドなどの炭化物セラミックス、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の窒化物セラミックスを使用できる。また、他の材質からなる固形物の表面を、上述したような、ナトリウム蒸気と反応しない材質によって被覆することもできる。
融液を生成するためのナトリウム含有フラックスは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属またはその合金を含んで良い。この金属としては、例えば、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが例示でき、リチウム、カルシウムが特に好ましい。
また、ナトリウムと合金を形成する物質としては、以下の金属を例示できる。
ガリウム、アルミニウム、インジウム、ホウ素、亜鉛、ケイ素、錫、アンチモン、ビスマス。
本発明の育成方法によって、例えば以下の単結晶を好適に育成できる。
GaN、AlN、InN、これらの混晶(AlGaInN)、BN。
育成ゾーンにおける加熱温度、圧力は、単結晶の種類によって選択するので特に限定されない。加熱温度は例えば800〜1500℃とすることができる。好ましくは800〜1200℃であり、更に好ましくは800〜1100℃である。圧力も特に限定されないが、圧力は1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることが更に好ましい。圧力の上限は特に規定しないが、例えば200MPa以下とすることができ、100MPa以下が好ましく、10MPa以下が更に好ましい。
予熱ゾーン、冷却ゾーンの圧力は、育成ゾーンと同じにすることが好ましく、これによって各ゾーン間の仕切りが不要になる。
予熱ゾーン、冷却ゾーンでは、育成ゾーンから耐圧仕切り弁へと向かって温度勾配を設ける。各ソーンの仕切り弁側末端の温度は、圧力調整室の温度と近くすることが好ましく、この温度差は50℃以下であることが好ましい。
反応を行なうための育成容器の材質は特に限定されず、目的とする加熱および加圧条件において耐久性のある材料であればよい。こうした材料としては、金属タンタル、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、アルミナ、サファイア、イットリア、YAGなどの酸化物、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素などの窒化物セラミックス、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドなどの高融点金属の炭化物、p−BN(パイロリティックBN)、p−Gr(パイロリティックグラファイト)などの熱分解生成体が挙げられる。
本発明を利用し、少なくともナトリウム金属を含むフラックスを使用して窒化ガリウム単結晶を育成できる。このフラックスには、ガリウム原料物質を溶解させる。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
このフラックスには、ナトリウム以外の金属、例えばリチウムを含有させることができる。ガリウム原料物質とナトリウムなどのフラックス原料物質との使用割合は、適宜であってよいが、一般的には、ナトリウム過剰量を用いることが考慮される。もちろん、このことは限定的ではない。
この実施形態においては、窒素ガスを含む混合ガスからなる雰囲気下で、全圧1MPa以上、200MPa以下の圧力下で窒化ガリウム単結晶を育成する。全圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、更に好ましくは850℃以上の高温領域において、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。
好適な実施形態においては、育成時雰囲気中の窒素分圧を1MPa以上、200MPa以下とする。この窒素分圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、フラックス中への窒素の溶解を促進し、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。この観点からは、雰囲気の窒素分圧を2MPa以上とすることが更に好ましい。また、窒素分圧は実用的には100MPa以下とすることが好ましく、育成装置の製造コストを下げるためには、10MPa以下とすることが更に好ましい。
雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。窒素以外のガスの分圧は、全圧から窒素ガス分圧を除いた値である。
好適な実施形態においては、窒化ガリウム単結晶の育成温度は、800℃以上であり、850℃以上とすることが更に好ましい。このような高温領域においても良質な窒化ガリウム単結晶が育成可能である。また、高温・高圧での育成により、生産性を向上させ得る可能性がある。
窒化ガリウム単結晶の育成温度の上限は特にないが、育成温度が高すぎると結晶が成長しにくくなるので、1500℃以下とすることが好ましく、この観点からは、1200℃以下とすることが更に好ましい。
育成用基板の材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、GaN自立基板、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO2、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また、SCAM(ScAlMgO)も使用できる。ここで、テンプレートとは、下地基板の上に所望の物質の薄膜単結晶を形成した基板のことであり、例えば、GaNテンプレートは、下地基板であるサファイアウエハ上に気相法で1〜30μmの単結晶GaNを形成した基板である。
(実施例1)
図1(b)、図3、図4を参照しつつ説明した結晶育成装置を作製した。原料調整室1はグローブボックスになっており、原料秤量などの各種作業が可能である。原料調整室1で、原料の秤量作業を行った。具体的には、直径70mm、高さ50mmのアルミナルツボ21内に、種結晶(口径2インチのサファイアウエハ上にMOCVD法により厚さ5μmのGaN薄膜を形成したもの)と育成原料(金属Ga40g、金属Na40g)を入れ、アルミナ製のフタをしてから、金属Naの蒸散を防止するためのステンレス容器22に封入した。秤量済み原料を入れた容器22は、ここで全長0.2mのコンテナ台車16に乗せられ、圧力調整室に送り込んだ。台車16は前後に対流抑制用の遮蔽版17を備えている。この遮蔽版は、結晶育成室の内寸より一回り小さい形状を持つ。圧力調整室は、長さ0.4mで、圧力調整用のガス導入バルブを備えており、主部に向かって傾斜しており、台車16が自重で移動できるようになっている。
主部21の全長は5mあり、1mの予熱ゾーン3、2mの育成ゾーン4、2mの冷却ゾーン5からなる。各ゾーンには0.2mから0.5mの長さを持つゾーンヒーター12が配置され、所望の温度分布が形成できるように、個別の温度制御がなされている。炉床には移動用の移送用治具が設置されており、原料容器を載せた台車16を所定の速度で、連続あるいは間欠的に、各ゾーン内を移動させることが可能である。圧力調整室に接続されたガスバルブから窒素ガスを導入し、主部内の圧力と同じ3.6MPaまで昇圧した。圧力を確認した後、結晶育成室につながる耐圧仕切り弁9Aを開放すると、台車は自重でレール上を移動し、主部に移動した。
結晶育成室の各ゾーンのヒーターは、育成ゾーンの温度が870℃になるように制御した。予熱ゾーン3の温度勾配は平均8.5℃/cm、冷却ゾーン5の平均温度勾配は4.3℃/cmである。今回は台車の移送は間欠的とし、4時間ごとに、200mmの移動を行ったが、連続的に移送することも可能である。
冷却ゾーン5の末端は圧力調整室2B側が下っており、台車16は自重で移動が可能になっている。圧力調整室2は長さ0.4mで、圧力調整用のバルブを備えている。床面は結晶取り出し室6に向けて下っている。台車を主部21に移動させてから100時間後、冷却ゾーン5の端部で、台車を室温付近まで冷却した後、圧力調整室2Bへの仕切り弁9Bを開いた。台車は自重により、圧力調整室2Bに移動した。仕切り弁を閉じた後、圧力調整室2B内部を大気圧まで減圧し、結晶取り出し室6側の仕切り弁8Bを開いて、台車を結晶取り出し室に移動させた。
結晶取り出し室にて、Na蒸散防止用金属容器を開封し、ルツボを取り出した。ふたを開けて内部を観察したところ、金属光沢を持つフラックスが見られた。ルツボ内周の気液界面近傍に、わずかに黒色の微結晶が発生していた。ルツボを120℃に加熱して、未反応のGaとフラックスを除去し、ルツボ内に残ったフラックスをエタノールと反応させて取り除いた。種基板の全面に、厚さ約1mmで成長したGaN単結晶が回収された。
(実施例2)
実施例1と同様な操炉を実施した。今回は、4時間ごとに、6バッチの原料を秤量し、結晶育成を実施した。最初のバッチを投入してから100時間後に最初のバッチが回収され、以後4時間おきに6バッチを回収した。いずれのバッチでも、約1mm成長した結晶が回収され、育成炉を一定の温度で運転したまま、連続的な結晶育成が可能であることが示された。
このように、実施例1、2では、単結晶の生産性が著しく向上した。例えば、連続可動時には、バッチ毎の投入間隔を4時間として、一月に180バッチの生産が可能であった。これに対して、従来のバッチ炉では、1バッチの生産に150時間必要であり、一月に4.8バッチ程度の生産性である。

Claims (11)

  1. 育成容器内で加圧および加熱された雰囲気下にナトリウムフラックス法によって窒化物単結晶を育成する装置であって、
    予熱ゾーン、結晶育成ゾーンおよび冷却ゾーンを備えている主部、
    前記予熱ゾーンの上流側に設けられた第一の圧力調整室、
    前記予熱ゾーンと前記第一の圧力調整室との間に設けられた第一の耐圧仕切り弁、
    前記冷却ゾーンの下流側に設けられた第二の圧力調整室、
    前記冷却ゾーンと前記第二の圧力調整室との間に設けられた第二の耐圧仕切り弁、
    前記主部内を加熱するマルチゾーンヒーター、および
    前記第一の圧力調整室から前記主部を通って前記第二の圧力調整室まで前記育成容器を移送する移送機構を備えていることを特徴とする、窒化物単結晶の育成装置。
  2. 前記第一の圧力調整室の上流側に設けられた、雰囲気調整可能な原料調製室、
    前記原料調製室と前記第一の圧力調整室との間に設けられた第三の耐圧仕切り弁、
    前記第二の圧力調整室の下流側に設けられた、前記窒化物単結晶の取り出し室、および
    前記第二の圧力調整室と前記取り出し室との間に設けられた第四の耐圧仕切り弁を備えていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 前記第一の圧力調整室の上流側に設けられた、雰囲気調整可能な原料調製室、
    前記原料調製室と前記第一の圧力調整室との間に設けられた第三の耐圧仕切り弁、および
    前記第二の圧力調整室と前記原料調整室との間に設けられた第四の耐圧仕切り弁を備えており、前記第二の圧力調整室から前記原料調整室に移送されてきた前記窒化物単結晶を前記原料調整室から取り出すことを特徴とする、請求項1記載の装置。
  4. 前記主部内において前記雰囲気の流れを妨げる遮蔽板を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  5. 前記移送機構が前記育成容器を搭載するコンテナを備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  6. 前記遮蔽板が前記コンテナに取り付けられていることを特徴とする、請求項5記載の装置。
  7. 前記コンテナを移送する間に前記コンテナに搭載された前記育成容器内の原料融液を攪拌することを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
  8. 前記移送機構が、前記コンテナを移送する間に前記コンテナを水平面に対して揺動させる機構を備えていることを特徴とする、請求項7記載の装置。
  9. 前記移送機構が前記コンテナの移送路を備えており、前記移送路に高低差が設けられており、前記コンテナを移送する間に前記高低差によって前記原料融液を揺動させることを特徴とする、請求項8記載の装置。
  10. 前記コンテナの前進と後退とを行うことによって前記原料融液を攪拌することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  11. 前記移送機構が、前記コンテナを水平方向に回動させる機構を備えていることを特徴とする、請求項7記載の装置。
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