JP5637416B1 - ハイトパターン対策センサ - Google Patents
ハイトパターン対策センサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5637416B1 JP5637416B1 JP2014060684A JP2014060684A JP5637416B1 JP 5637416 B1 JP5637416 B1 JP 5637416B1 JP 2014060684 A JP2014060684 A JP 2014060684A JP 2014060684 A JP2014060684 A JP 2014060684A JP 5637416 B1 JP5637416 B1 JP 5637416B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reflector
- reflected wave
- receiving unit
- detection
- distance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Abstract
Description
この侵入物検知装置は、電波の送信および受信を行う送受信手段を有するレーダと、該レーダから送信された電波を同レーダに向けて反射する反射手段と、を備え、前記レーダと前記反射手段の間を伝搬している電波のビームからなり、前記レーダ近傍の送信波および前記反射手段近傍の反射波のビーム断面積を、検知対象から除外すべき所定の非検知対象物が遮蔽し得るビーム断面積よりも大きくしている。
ここで、環境の変化とは、例えば、積雪によって送受信手段の雪面(地面側)からの高さが変わった場合、道路(幹線道路等)を通行する車両や新たな建造物(本来、侵入物ありと検知すべきではないもの)が存在した場合など、地面側からの反射波や、車両や建造物からの反射波の位相が反転することなどを言い、これらの環境の変化により、特許文献1の侵入物検知装置では、受信強度が低下して、誤検知を招く。
図1で詳解すれば、積雪や、通行車両、新たな建造物など環境が変化した場合には、リフレクタ3から直接反射してきた反射波(以下、「直接反射波R1」)の位相に対して、地面や車両、建物等からの反射波(以下、「間接反射波R2」)の位相が反転して(電波Wの半波長分ずれて)、直接反射波R1と間接反射波R2が互いに打ち消し合うことが起こり得る。
この直接反射波R1と間接反射波R2の打消し合いによって、複数の受信部4のうち、ある1つの受信部4における受信強度Eは低下したとしても、本発明の物体検知装置1は、その他の受信部4の中に、物体Uの正しい検知が可能な受信強度Eの受信部4を必ず存在させることが出来る。
ここで、複数の受信部4の部間距離αが低下間隔の整数倍に近接している場合(つまり、複数の受信部4同士が近過ぎる場合)には、隣接する受信部4の受信強度Eが、共に低いことが起こり得る。
複数の受信部4の部間距離αが低下間隔の略1/2の奇数倍に近接している場合には、隣接する受信部4のうち、一方の受信部4では、物体Uの正しい検知が可能な受信強度Eを確保できても、他方の受信部4では、直接反射波R1と間接反射波R2が打ち消し合って受信強度Eが低下する。つまり、受信部4を複数設置したにも関わらず、積雪などが年に数回の地域の場合は、普段(通常時)は、そのうちの一部しか用いることが出来ず、年に数回しか複数設置の良さが出せないとも言え、又、積雪時でも、通常時に用いていた受信部4が逆に使えなくなる場面が有り得る。
このような部間距離αが低下間隔の整数倍や略1/2の奇数倍に近接している場合と比べて、部間距離αを、低下間隔の略1/4の奇数倍とすれば、隣接する受信部4の受信強度Eが共に低くなる状況を回避でき、且つ、通常時も複数の受信部4の何れもを用いることが出来る適度な部間距離αとなり、検知精度が更に向上され、誤検知の低減をより図ることが出来る。
従って、積雪や、通行車両、新たな建造物などの環境の変化によらず、物体Uの検知精度が向上し、誤検知を低減できる。
又、本発明における「略1/4」とは、略4分の1との意味であり、本発明における「略1/2」とは、略2分の1との意味である。
<全体構成>
図1〜3には、本発明に係る物体検知装置1が示されている。
この物体検知装置1は、検知領域K内の物体Uの存在(未検知の物体Uの有無や、物体Uから物体検知装置1までの距離など)が判定できるのであれば、何れの方式・構成であっても良く、例えば、FMCW(周波数変調連続波)レーダ装置をはじめ、2周波数連続波レーダ装置や、ドップラーレーダ装置、定在波(定常波)レーダ装置などの連続波レーダ装置、パルスレーダ装置など、電波を利用したその他のセンサであっても構わない。
これらの各部2〜5のうち、物体検知装置1は、受信部4を複数有しており、これらの複数の受信部4は、互いに、所定の部間距離αをあけて、配置されている。
尚、複数の受信部4のうち、一部(1つ)が、送信部2と一体に構成されていても良い(図1、3参照)。
ここで、物体検知装置1が検知する検知領域Kとは、送信部2から電波Wが送信(照射)される領域であると共に、定反射波R等が通過する領域である。
検知領域Kは、送信部2及び受信部4と、リフレクタ3との間に存在する領域(送信部2及び受信部4と、リフレクタ3との間を通過する電波Wの経路の束が占める領域)であり、その形状は、送信部2及び受信部4と、リフレクタ3との中間点に近づくほど半径が大きくなる略ラグビーボール状となる(検知領域Kは、フレネルゾーン(第1フレネルゾーン)とも呼ばれる)。
又、物体検知装置1は、検知領域Kの一端側に送信部2と受信部4が設置され、検知領域Kの他端側にリフレクタ3が設置されていると言える。
同様に、リフレクタ3は、検知領域Kと想定する領域の他端側で且つ当該領域を通過した送信部2からの電波Wを反射可能な位置に設置され、受信部4は、検知領域Kと想定する領域の一端側で且つ当該領域を通過したリフレクタ3からの定反射波R(電波W)や、当該領域(検知領域K)内の物体Uで反射した物反射波R’(電波W)を受信可能な位置に設置されている。
又、各種施設において、積雪や車両の通行、建物の建造等が起こり得る屋外だけでなく、上述した発電所等や、工場、倉庫などの内部設備のレイアウトを変える等で環境の変化が起こり得る屋内に設定されていても構わない。
よって、侵入者等の検知精度を上げるためにも、設置した環境の変化による誤検知を低減する必要がある。
図1〜3に示されたように、送信部2は、検知領域Kへ、所定の周波数f(波長λ=光速c÷周波数f)の電波Wを送信するものである。
送信する電波Wは、上述したレーダ装置の送信方式ごとに、周波数fやその変化の有無、送信タイミングなどが決まるが、以下からは、例示として、物体検知装置1がFMCWレーダ装置である場合の送信部2、リフレクタ3、受信部4及び処理部5について詳解する。
送信部2は、発生させる信号(基礎信号M)の周波数fを任意に変調可能な変調信号発生器21と、この変調信号発生器21からの基礎信号Mを検知領域Kへ送信する送信アンテナ22と、基礎信号Mを複数の受信部4へ出力する基礎出力路(同期路)23を備えている。
又、送信部2は、変調信号発生器21からの信号を増幅させる送信増幅器を備えていたり、基礎信号Mを複数の受信部4へ出力しつつ電波Wの送信を停止することも出来る構成であっても良い。
送信される電波Wの周波数f(波長λ)も、何れの値であっても構わないが、例えば、24.05GHz以上24.25GHz以下であっても良く、この場合、物体検知装置1を、特定小電力無線局の移動体検知センサとして用いることが出来る。
電波Wの送信範囲・角度(指向性)としては、特に限定はないが、例えば、水平面に沿った方向(左右方向)に約6°、垂直面に沿った方向(上下方向)に約15°の送信角度としたり、左右方向に約20°、上下方向に約20°の送信角度としても良い。
電波Wの送信範囲は、上述のように、左右方向よりも上下方向の送信角度を広くとって送信したり、上下方向、左右方向の送信角度が略同一であっても良く、その他、上下方向よりも左右方向の送信角度を広くとって送信しても構わない。
尚、電波Wは、電界が送信(進行)方向に向かって左又は右に回転する円偏波(左旋円偏波、又は、右旋円偏波)や、楕円偏波であっても良く、この場合、例えば、右旋円偏波の電波Wを送信部2が送信したのであれば、リフレクタ3で反射(鏡面反射)する際に、回転方向も逆になるため、受信部4は、左旋円偏波を受信することとなる。これによっても、環境の変化による影響を低減しても良い。
図1〜3に示された如く、リフレクタ3は、送信部2から送信されて検知領域Kを通過した電波Wを反射するものである。
このリフレクタ3で反射された電波Wを、定反射波Rとする。
尚、直接反射波R1と間接反射波R2の経路差ΔLについては、おって、詳解する。
図1〜3に示されたように、受信部4は、リフレクタ3で反射して検知領域Kを通過した定反射波R(直接反射波R1や間接反射波R2)を受信するものであり、複数設置されている。
これら複数の受信部4の具体的な数は、2つ以上であれば、特に限定はないが、以下では、まず、受信部4(後述の上受信部4a、下受信部4b)が、縦に2つ設置された場合を、第1実施形態として例示する。
この第1実施形態において、各受信部4は、送信部2からの電波Wが検知領域K内の物体Uで反射した反射波である物反射波R’も受信可能である。
尚、一般的に、送信アンテナ22と受信アンテナ24を分けずに、一つのアンテナ(パッチアンテナ等)として構成を簡単にしても良い。
図3に示したように、2つの受信部4は、所定の部間距離αをあけて、配設されておりこの部間距離αは、定反射波Rの受信強度E(単位:dBm)が低下する低下間隔δの略1/4の奇数倍である。
そこで、まず、この低下間隔δについて、以下の式(1)〜(6)を用いて述べる。
図3における直接反射波(リフレクタ3から、直接、受信部4まで届く反射波)R1と間接反射波(リフレクタ3から、一旦地面で反射して、受信部4まで届く反射波)R2では、間接反射波R2の方が、地面まで到達してから受信部4に届いている分だけ長く、直接反射波R1と間接反射波R2の経路差ΔLは、間接反射波R2の経路長さr2と直接反射波R1の経路長さr1の差となる。
この図3は、側面視における経路差ΔLを示しているが、間接反射波R2が反射する反射面を、地面ではなく、通行車両の外側面や新たな建造物の壁面等と捉えた平面視においける経路差ΔLは、後述の第2実施形態で述べる。
又、地面で反射した間接反射波R2は、縦間接反射波R2とも言え、このときの低下間隔δは、縦低下間隔δとも言える。
又、図3において、2つの受信部4は、送信部2と一体化されたもの(送信アンテナ22と受信アンテナ24が一体化されたもの)と、その下方のもので示されているが、以下、上方で送信部2と一体化されたものを1つめの受信部4(上受信部4a)とし、この上受信部4aの下方のものを2つめの受信部4(下受信部4b)とする。
互いに打ち消し合うときに、受信強度Eが低下した(最も弱くなった)直接反射波R1と間接反射波R2の合成波(定反射波R)が、受信部4(図3中では、上受信部4a)に届くこととなる。
以下、これと同様に、経路差ΔL=(λ/2)×3のときの上受信高さx2、経路差ΔL=(λ/2)×5のときの上受信高さx3・・・で、受信強度Eが低下する。
これらの上受信高さx1、x2、x3・・・から、低下間隔δを求めた式(6)を以下に述べる。
同様に、式(4)、(6)による検知距離Dが2倍になったときの受信強度Eと、受信(上受信)高さxの関係を図5に示す。
又、図5からは、検知距離Dが2倍になると、低下間隔δも2倍になることがわかる。
これに対して、周波数fやリフレクタ高さHは同様とし、検知距離Dを2倍の200mとした場合には、式(6)から、低下間隔δ=1.236890926・・・≒1.237mと、検知距離D=100mのときの2倍になる。
図4、5には、受信強度Eが、地面から低下間隔δごとに最も高く(強く)なっている(ハイトパターンとも言える)ことが示されている。
従って、低下間隔δの1以上の略整数倍の高さに、複数の受信部4のうち、何れかを設置すれば、積雪がない等の通常時には、受信強度Eが強い状態で、物体Uの検知が出来、検知精度の向上、誤検知の低減が図れる。
よって、以下の式(7)で示すように、何れかの受信部4の受信高さ(例えば、上受信部4aの上受信高さx)を、低下間隔δの略整数倍とすることが好ましい。
ここで、受信強度Eが高くなる低下間隔δの略整数倍の高さでは、経路差ΔLが、丁度、電波Wの波長λの整数倍(つまり、同位相)となり、直接反射波R1と間接反射波R2が互いに高め合うため、間接反射波R2がない場合よりも、かえって、受信強度Eが上がるとも言える。
よって、このx≒Hと、上述の式(7)から、低下間隔δに影響するリフレクタ高さHは、以下の式(8)ように決めることも出来る。
ここで、n=1の場合とは、地面から低下間隔δ略1つ分で受信強度Eが強くなる高さ位置に、上受信部4aを設置する(x≒δ)と共に、リフレクタ3も、同じく、地面から低下間隔δ略1つ分の高さ位置に設置する(H≒δ)ことを意味する。
以下、同様に、n=2の場合とは、地面から低下間隔δ略2つ分の高さ位置に、上受信部4aとリフレクタ3を設置する(x≒H≒2δ)ことを意味し、以降、n=3、4、5、6・・・の場合とは、地面から低下間隔δ略3つ、4つ、5つ、6つ・・・分の高さ位置に、上受信部4aとリフレクタ3を設置する(x≒H≒3δ、4δ、5δ、6δ・・・)ことを意味する。
以下同様に、n=2の場合、リフレクタ高さH≒1.57mで、低下間隔δ≒H/2≒0.786mであり、n=3の場合、リフレクタ高さH≒1.93mで、低下間隔δ≒H/3≒0.642mであり、n=4の場合、リフレクタ高さH≒2.22mで、低下間隔δ≒H/4≒0.556mであり、n=5の場合、リフレクタ高さH≒2.49mで、低下間隔δ≒H/5≒0.497mであり、n=6の場合、リフレクタ高さH≒2.72mで、低下間隔δ≒H/5≒0.454mである。
図6は、上受信部4aを、地面から低下間隔δ略4つ分の高さ位置に設置した場合(n=4の場合、つまり、x≒4×δ)を例示しており、このときの具体的な設置高さは、上述した波長λ、検知距離Dの値で、例えば、n=4の場合には、既に示したように、上受信高さx≒2.22mとなる。
一方、上受信高さxと略同じであることが好ましいリフレクタ高さHも、当然、H≒2.22や2.49mなど、ある程度の高さに設置した方が好ましい。
送信部2の上下方向の送信角度が約15°の場合を詳解すれば、例えば、送信部2から20mの距離で検知領域K(フレネルゾーン)の上下長さは約5m、以下、40mの距離で上下長さは約10m、60mの距離で上下長さは約16m、80mの距離で上下長さは約21m、100mの距離で上下長さは約26mとなり、送信部2が、たとえ2.49mなどの高さに設置されていても、検知領域Kの下を潜り抜ける等は出来ず、検知洩れが抑制されている。
定反射波Rも、同様に、上下方向に所定の反射角度を有していることから、検知洩れの抑制が図られている。
リフレクタ3と送信部2の間についても、受信部4とリフレクタ3の間と同様で、送信部2を、リフレクタ3と略同じ高さに設置して、真正面から電波Wを送信した方が、リフレクタ3で反射する定反射波Rの受信強度Eも向上することから、送信部2の地面からの送信高さXとリフレクタ高さHも、略等しくする(X≒H)ことが好ましい。
よって、上受信高さxとリフレクタ高さHと送信高さXの3つの高さは、略等しくする(x≒H≒X)ことが好ましい。又、送信高さXも、X≒2.22mなど、ある程度の高さに設置した方が好ましい点は、上受信高さxやリフレクタ高さHと同様である。
電波Wの受信強度E’の低下間隔ρは、式(6)におけるリフレクタ高さHの代わりに、送信高さXを用いるものであるから、以下の式(9)となる。
従って、受信部4側かリフレクタ3側で、受信強度E、E’が強い状態となる高さを見つけ、その高さに、上受信高さxと、リフレクタ高さH、送信高さXを合わせることで、受信部4側とリフレクタ3側の両方で、受信強度E、E’の強い状態を確保でき、検知精度の向上と誤検知の低減が図れる。
又、上受信部4aの上受信高さxをはじめ、下受信部4bの地面からの下受信高さx’やリフレクタ3のリフレクタ高さH、送信部2の送信高さXは、上述したx≒n×δや、x≒H≒Xに限定されず、物体検知装置1を実際に設置する際の現場に応じて、最も受信強度Eが高くなる各高さx、x’、H、Xに、上下受信部4a、4b、リフレクタ3、送信部2を設置しても構わない。
図6で示したように、物体検知装置1が設置された環境において、積雪があった(積雪深さS)場合、雪面(地面側)からリフレクタ3までの高さ(雪リフレクタ高さ)H’は、普段(通常時)のリフレクタ高さHと積雪深さSの差、つまり、H’=H−Sとなる。
従って、積雪深さSの場合における低下間隔(雪低下間隔δ’)は、以下の式(10)となる。
又、式(10)は、逆に積雪量が少ない(積雪深さSがリフレクタ高さHに比べて十分に小さい)場合であれば、H’=H−S≒Hとみなさるため、低下間隔δの大きさは、ほぼ変わらない(つまり、δ≒δ’)であることを示している。
従って、図6で示したように、上受信高さxに設置された上受信部4aは、積雪がない通常時(図6中の実線)では、受信強度Eの最も高い地点(受信強度Eの山)に位置しているが、深さSの積雪時(図6中の点線)では、受信強度Eの最も低い地点(受信強度Eの谷)に位置してしまう場合もある。
そこで、図7に示した如く、受信部4として、上受信部4aと、この上受信部4aから所定の部間距離α(低下間隔δの略1/4を奇数倍した長さ)をあけて下受信部4bを設置する。
つまり、上受信部4aと下受信部4bとの間の部間距離αが、低下間隔δの略1/4の奇数倍の長さに等しい(α≒(1/4)×δ、(3/4)×δ、(5/4)×δ・・・)。
尚、図7は、側面視における環境の変化を示しているが、間接反射波R2が反射する反射面を、地面ではなく、通行車両の外側面や新たな建造物の壁面等と捉えた平面視においても、以下に示す図7(a)〜(c)の状態や、通常時の状態に変わりはない。
図7(a)〜(c)中の実線は、積雪のない通常時に、上受信部4aの上受信高さxを、低下間隔δの略4つ分(x≒4×δ)とし、下受信部4bの下受信高さx’を、低下間隔δの略4つ分から部間間隔αを引いた高さ(x’≒4×δ−α)としていることを示している。
そこで、図7では、下受信高さx’が略(15/4)×δである(x’≒(15/4)×δ)時の下受信部(1/4下受信部)を4bとし、下受信高さx’が略(13/4)×δである(x’≒(13/4)×δ)時の下受信部(3/4下受信部)を4b’とし、下受信高さx’が略(11/4)×δである(x’≒(11/4)×δ)時の下受信部(5/4下受信部)を4b”として、下受信部を、4bか4b’か4b”などの何れかに設けているとする。
このような受信部(上受信部4aや、下受信部4b〜4b”)を有する物体検知装置1が設置された環境において、積雪深さSが低下間隔δの略1/4である(S≒(1/4)×δ)状態(時)を、図7(a)中の点線で示す。
このように、深さS≒(1/4)×δの積雪時では、通常時に受信強度Eが最も高かった上受信部4aは、やや下がるものの、検知に十分な受信強度Eを確保できる。
又、3/4下受信部4b’は、S≒(1/4)×δの積雪時では、受信強度Eは逆に最も高くなり、通常時の受信強度Eは検知に十分であることから、少々の積雪時や通常時には、この3/4下受信部4b’と上受信部4aの両方を同時に使用でき、検知精度の向上、誤検知の低減が図れる。
これは、この5/4下受信部4b”や1/4下受信部4bのほか、上受信部4aからの部間距離αが(9/4)×δ、(13/4)×δ、(17/4)×δ・・・の受信部も、同様である。
これに加えて、上述した3/4下受信部4b’のほか、上受信部4aからの部間距離αが(7/4)×δ、(11/4)×δ、(15/4)×δ・・・である受信部(つまり、α≒(1/4)×δ×(4i−1(iは1以上の整数))となる受信部)は、通常時だけでなく、少々の積雪時でも、上受信部4aとの同時使用が出来、検知精度の向上、誤検知の低減が図れる。
続いて、深さS≒(1/2)×δの積雪時を述べる。
図7(b)中の点線は、物体検知装置1が設置された環境において、積雪深さSが低下間隔δの略1/2である(S≒(1/2)×δ)状態(時)を示す。
すなわち、ある1つの受信部4における受信強度Eは低下したとしても、その他の受信部4の中に、物体Uの正しい検知が可能な受信強度Eの受信部4を必ず存在させることが出来る。
これは、3/4下受信部4b’、5/4下受信部4b”をはじめ、上受信部4aからの部間距離αが低下間隔δの略1/4の奇数倍の長さに等しい受信部であれば、同様である。
更に、深さS≒(3/4)×δの積雪時についても述べる。
図7(c)中の点線は、物体検知装置1が設置された環境において、積雪深さSが低下間隔δの略3/4である(S≒(3/4)×δ)状態(時)を示す。
上受信部4aは、深さS≒(3/4)×δの積雪時では、深さS≒(1/4)×δの積雪時と同様に、受信強度Eはやや下がるものの、検知に十分な受信強度Eを確保できる。
これは、この1/4下受信部4bや5/4下受信部4b”をはじめ、α≒(1/4)×δ×(4i−3(iは1以上の整数))となる受信部は、同様である。
これは、この3/4下受信部4b’をはじめ、α≒(1/4)×δ×(4i−1(iは1以上の整数))となる受信部は、同様である。
尚、深さS≒δの積雪時では、上受信部4a及び下受信部4b〜4b”と、低下間隔δごとに繰り返される受信強度Eの強弱(上下)との相対位置は、積雪がない通常時と略同じ状態となる。
従って、深さS≒δの積雪時における上受信部4a及び下受信部4b〜4b”の受信強度Eは、通常時と略同じ値となる。
又、積雪深さSがδを越えた(S>δ)時における上受信部4a及び下受信部4b〜4b”の受信強度Eは、積雪深さSが略1/4δずつ増えるごとに、図7(a)の状態→図7(b)の状態→図7(c)の状態→通常時と略同じ状態を、繰り返すこととなる。
詳解すれば、積雪などで環境が変化した場合には、直接反射波R1の位相に対して、間接反射波R2の位相が反転して(電波Wの半波長分ずれて)、直接反射波R1と間接反射波R2が互いに打ち消し合って、複数の受信部4のうち、ある1つの受信部4における受信強度Eは低下したとしても、本発明の物体検知装置1は、その他の受信部4の中に、物体Uの正しい検知が可能な受信強度Eの受信部4を必ず存在させることが出来る。
従って、積雪等による環境の変化によらず、誤検知を低減できる。
ここまでは、1つめの受信部4(上受信部4a)の下方に、2つめの受信部4(下受信部4b等)を設置した場合を述べたが、部間距離αが低下間隔δの略1/4の奇数倍の長さに等しいのであれば、1つめの受信部4(送信部2と一体化した受信部4など)の上方に、2つめの受信部4を設置しても良い。
この場合の2つめの受信部4は、言わば、1/4上受信部、3/4上受信部、5/4上受信部・・・となる。
尚、この場合における低下間隔(前後低下間隔δ”)は、下記の式(11)で求められる。
ここで、検知距離D(例えば、100mや200m等)が、部間距離α(低下間隔δの略1/4の奇数倍であって、例えば、0.139mや0.417m等)より十分に大きいことから、D’=D−α≒Dとみなさるため、前後低下間隔δ”は、低下間隔δの大きさは、ほぼ変わらない(つまり、δ”≒δ)であることを示している。
よって、上述した部間距離α上下方向にあけた2つの受信部4であれば、互いに前後方向にずれて設置されていても、本発明の物体検知装置1に含まれるものとする。
又、リフレクタ3は、縦や横、斜め、略三角形状などに、複数設置しても良い。
図1(c)には、本発明の第2実施形態の受信部4が示されている。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、受信部4が、横に2つ設置されている点である。
このように、受信部4を横に2つ設置することで、地面側からの間接反射波R2(言わば、縦間接反射波R2)ではなく、通行車両の外面や、建造物(当初からの建造物、又は、新たな建造物)の壁面等の反射面からの反射波(いわば、横間接反射波R2)があった場合の影響に対応できる。
図1(c)における直接反射波R1と横間接反射波R2では、図3に示しているように、横間接反射波R2の方が、通行車両の外面等の反射面まで到達してから受信部4に届いている分だけ長く、直接反射波R1と横間接反射波R2の経路差ΔLは、横間接反射波R2の経路長さr2と直接反射波R1の経路長さr1の差となる。
第2実施形態での経路差ΔLは、第1実施形態の式(1)〜(6)におけるリフレクタ3の地面からのリフレクタ高さHを、リフレクタ3の通行車両の外面等の反射面からのリフレクタ距離Pに置き換え、上受信部4aの地面からの上受信高さxを、上受信部4aの反射面からの上受信距離yに置き換え、定反射波Rの受信強度Eが低下する縦低下間隔δを、定反射波Rの受信強度Eが低下する横低下間隔εに置き換えると、以下の式(12)により導出できる。
尚、リフレクタ距離Pや上受信距離yが、幹線道路からの距離である場合には、最も大きくなる距離(例えば、リフレクタ3、受信部4から最も遠い車線を通行する車両の外面からの距離など)を、リフレクタ距離P、上受信距離yとしても良い。
つまり、上受信部4aにおける定反射波Rの受信強度Eが、反射面から横低下間隔εごとに最も高く(強く)なる(マルチパスやワイドパターンとも言える)。
上述した横低下間隔εから、この横低下間隔εの1以上の略整数倍の距離に、複数の受信部4のうち、何れかを設置すれば(例えば、上受信部4aであれば、y≒n×ε)、横間接反射波R2の発生時でも、受信強度Eが強い状態で、物体Uの検知が出来、検知精度の向上、誤検知の低減が図れる。
尚、上受信部4aの上受信距離yや、リフレクタ3のリフレクタ距離Pと共に、送信部2の通行車両の外面等の反射面からの送信距離Yの大きさに関わらず、電波Wや定反射波Rは、左右方向に所定の角度を有すると共に、上下方向に所定の角度(約15°や約20°)を有している(つまり、検知領域Kは地面から上方へ延びる所定高さの見えない壁状に形成されている)ことから、侵入者等の物体Uは、検知領域Kの下を潜り抜ける等は出来ず、第1実施形態と同様に、検知洩れの抑制がされている。
但し、上受信部4aの上受信距離y、右受信部4cの右受信距離y’、リフレクタ3のリフレクタ距離P、送信部2の送信距離Yは、上述したy≒n×εや、y≒P≒Yに限定されず、物体検知装置1を実際に設置する際の現場に応じて、最も受信強度Eが高くなる各距離y、y’、P、Yに、上受信部4a、右受信部4c、リフレクタ3、送信部2を設置しても構わない。
図1(c)で示したように、物体検知装置1が設置された環境において、検知領域Kに隣接する道路における何れかの車線を車両が通行する場合や、建物等が新たに建造された場合等には、通行車両の外面や新たな建物等の壁面からリフレクタ3までの距離(変化リフレクタ距離)P’は、普段(通常時)のリフレクタ距離Pが所定の距離(環境変化距離G)だけ変化した、つまり、P’=P−Gとなる。
従って、環境変化距離Gの場合における低下間隔(変化横低下間隔)ε’は、式(10)における雪リフレクタ高さH’やリフレクタ高さH、積雪深さSの代わりに、変化リフレクタ距離P’やリフレクタ距離P、環境変化距離Gを用いるものであるから、以下の式(14)となる。
そこで、図7に示した如く、受信部4として、上受信部4aと、この上受信部4aから所定の部間距離α(低下間隔δの略1/4を奇数倍した長さ)をあけて右受信部4cを設置する。
つまり、上受信部4aと右受信部4cとの間の部間距離αが、低下間隔ε(横低下間隔ε)の略1/4の奇数倍の長さに等しい(α≒(1/4)×ε、(3/4)×ε、(5/4)×ε・・・)。
このように、受信部4を低下間隔εの略1/4を奇数倍した部間距離αをあけて複数設置することで、仮に、通行車両や新たな建造物等により、それらの外面や壁面等から受信部4までの距離が変わった場合であっても、物体Uの検知精度を確保し、誤検知を低減できる。
その他の受信部4の構成、作用効果及び使用態様は、第1実施形態と同様である。
この第3実施形態における第1、2実施形態との相違点は、受信部4が、略三角形状に3つ設置されている点である。
これら略三角形状に3つ設置された受信部4は、例えば、送信部2と一体化されたもの(送信アンテナ22と受信アンテナ24が一体化されたもの)を、1つめの受信部4(上受信部4a)とし、この上受信部4aの下方のものを、2つめの受信部4(下受信部4b)とし、上受信部4aの右方のものを、3つめの受信部4(右受信部4c)とする。
このように、3つの受信部4a〜4cを、略直角三角形状に設置しても良い。
尚、3つの受信部4の部間距離αは、上受信部4aと下受信部4bとの間の部間間隔αは、縦低下間隔δの略1/4の奇数倍の長さであり、上受信部4aと右受信部4cとの間の部間間隔αは、横低下間隔εの略1/4の奇数倍の長さである。
その他の受信部4の構成、作用効果及び使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
更に、第4実施形態における第1〜3実施形態との相違点は、受信部4が、斜めに2つ設置されている点である。
これら斜めに2つ設置された受信部4は、例えば、送信部2と一体化されたもの(送信アンテナ22と受信アンテナ24が一体化されたもの)を、1つめの受信部4(上受信部4a)とし、この上受信部4aの右下方のもの(上受信部4aからリフレクタ3に向かって右下方)のものを、2つめの受信部4(右下受信部4d)とする。
尚、2つめの受信部4は、当然、上受信部4aの左下方をはじめ、右上方や左上方に設置されていても良い。
尚、2つの受信部4の部間距離αは、側面視においては、上受信部4aと右下受信部4dとの間の縦部間間隔α’が、縦低下間隔δの略1/4を奇数倍した長さであり、平面視においては、上受信部4aと右下受信部4dとの間の横部間間隔α”が、横低下間隔εの略1/4を奇数倍した長さである。
その他の受信部4の構成、作用効果及び使用態様は、第1〜3実施形態と同様である。
図1、2に示されたように、処理部5は、検知領域K内の物体Uを検知するものである。
送信部2と同様に、以下は例示として、物体検知装置1がFMCWレーダ装置である場合の処理部5について詳解する。
尚、処理部5は、その内部に、バンドパスフィルタや、A/D変換器を備えていたり、物体Uまでの距離算出を妨げる波(干渉波)の判定器や、検知領域K内の物体Uを検知したことを外部へ出力する構成(物体検知信号Vの出力)等を備えていても良い。
この距離算出を、より具体的に示せば、例えば、掃引時間がΔT、周波数変動幅がΔfで、ビート信号Bの周波数が(F1−F2)で、算出する距離がZであり、光の速さをcとした場合を、以下の式(17)で示す。
この他、掃引時間や周波数変動幅を、ΔT=512μSec 、周波数変動幅Δf=90MHzのように変えたとしても、ビート信号Bの周波数が(F1−F2)≒117kHzであれば、距離はZ≒100mと算出できる。
そのため、一般的には、以下の式(18)に示すフーリエの変換公式を適用することで、ビート信号Bの周波数スペクトルが得られ、そのスペクトルにおいて振幅又はエネルギーのピークを示す周波数成分を、ビート信号Bの周波数とし、距離Z(物体Uまでの距離Qや、検知距離D)を算出することとなる。
尚、ビート信号Bの周波数スペクトルは、距離スペクトルとも言え、この距離スペクトルは、複数の受信部4それぞれから得られる。
このように算出した距離Zや、ビート信号Bの周波数スペクトル(距離スペクトル)を用いて、処理部5は、検知領域K内の物体Uを検知できるのであれば、どのような判断処理をしても良く、例えば、一定時間Tごとに、物体Uの有無だけを判断する処理でも構わない。
この処理であれば、検知領域K内の物体Uの有無という最も必要な判断を出来ると共に、距離Zまでを計算する必要はないため、処理負担の軽減、処理速度の向上が図れる。
図8(a)は、検知領域K内に物体Uが無い(検知領域K内へ物体Uが侵入していない)ときの距離スペクトルを示すが、距離Zが約140mのところで、所定のレベル(所定値の振幅やエネルギー)γを越えたピークを迎えている。
このピークは、リフレクタ3で反射した定反射波Rを受信部4が受信することで発生しており、送信部2及び受信部4から約140m離れた地点にリフレクタ3があることを示していることから、リフレクタピーク3’とも言える。
受信部4に近い1つめのピークは、距離Zが約60mでの所定のレベルγを越えるピークであって、物体Uで反射した物反射波R’を受信部4が受信することで発生し、送信部2及び受信部4から約60m離れた地点に物体Uがあることを示していることから、物体ピークU’とも言える。
リフレクタピーク3’は、物体Uの侵入がなく且つ積雪や通行車両等の環境の変化もない場合には、定反射波Rを受信し続ける(つまり、検知領域K内(リフレクタ3より受信部4に近い位置)に物体Uが侵入しない)限り、所定のレベルγを越えるレベルを保つ。
つまり、何れの距離Zに生じるかわからない物体ピークU’を探すよりも、処理負担が軽減され、処理速度が向上する。
又、このリフレクタピーク3’や物体ピークU’を有する距離スペクトルは、複数の受信部4それぞれの定反射波Rの受信強度Eに応じて、各ピーク3’、U’の状況が異なり得るが、逆に、リフレクタピーク3’のレベルによって、処理部5は、物体Uの検知に用いる受信部4を選択できる。
この選択の分かれ目は、物体Uの侵入がなく且つ環境の変化もない場合に、リフレクタピーク3’のレベルが所定のレベルγを越えているか否かであって、処理部5は、複数の受信部4から、所定のレベルγを越えている受信部4を、物体Uの検知で用いる受信部4として選択する。
尚、ここで選択される受信部4は1つとは限らず、複数の受信部4のうち、2つ以上や全てを選択しても良い。又、ここまで述べたように、定反射波Rの受信強度Eが低下する低下間隔の略1/4の奇数倍とする部間間隔αをあけて、複数の受信部4を設置すれば、積雪等の環境変化がない通常時には、検知に十分な受信強度Eの受信部4を、2つ以上存在させられる。
このように、処理部5で、定反射波Rに基づいて用いる受信部4を選択することで、複数の受信部4のうち、受信強度Eが高い受信部4を用いたり、所定の受信強度Eを確保した受信部4を複数同時に用いることも出来ることから、更なる検知精度の向上が図れる。
更に、リフレクタピーク3’からは、以下の点も読み取れる。
それは、処理部5が、リフレクタピーク3’のレベルだけを見ておけば、その変化スピードによって、物体Uの侵入等によるものか、それとも、積雪によるものかを判断できる点である。
すなわち、リフレクタピーク3’のレベルが、所定のレベルγより低下したとしても、そのレベルの低下(変化)が、所定の時間(しきい時間)τを越えて、ゆっくり低下した場合は、積雪のように、ゆっくりした環境の変化が原因であり、物体Uの侵入とは区別できる。
尚、リフレクタピーク3’のレベル低下は、当然、受信部4での定反射波Rの受信強度Eが低下(変化)していることが原因であることから、「リフレクタピーク3’のレベルが、所定のレベルγより低下した」とは、「定反射波Rの受信強度Eが、所定のしきい強度βを越えて変化した」ことを意味すると言える。
これら物体Uの侵入か、通行車両などの環境変化かの区別は、複数の受信部4が同時に、所定のレベルγより低下したかで判断できる。
一方、通行車両などの環境変化が原因であれば、環境変化距離Gだけ、定反射波Rの受信強度Eの低下間隔(横低下間隔ε等)の略1/4の奇数倍である部間間隔αをあけて、複数の受信部4を設置しているので、上述したように、複数の受信部4のうち、ある1つの受信部4におけるリフレクタピーク3’のレベルが所定のレベルγより低下しても、その他の受信部4の中に、リフレクタピーク3’のレベルが所定のレベルγを越えている((物体Uの正しい検知が可能な受信強度Eを持つ)受信部4を必ず存在する。
よって、物体Uの侵入による受信強度Eの低下か、積雪等による受信強度Eの低下かを区別することが出来、誤検知の更なる防止が可能となる。
物体U有無の判断処理としては、距離スペクトルから算出した距離Zを用いて、処理部5は、検知領域K内の物体Uを検知しても良く、この場合、一定時間Tごとに、距離Zを算出し、その距離Zが検知距離D以外(Z≠D)であれば、検知領域K内の物体Uの存在を検知する。
この判断処理であれば、物体Uの有無だけでなく、物体Uまでの距離Qも判明し、物体Uが、どんなにゆっくり侵入したとしても、本来のリフレクタ3が設置された位置よりも近い位置に、ピークが立つため、上述したような選択した受信部4すべてについて距離スペクトルを得ずとも良く、又、より精度の高い物体Uの検知が可能となる。
又、この判断処理においても、リフレクタピーク3’のレベルが所定のレベルγを越えている受信部4を物体Uの検知で用いる受信部4として、1又は2以上を選択したり、しきい時間τ内に所定のレベルγより低下したかで積雪か否かを区別したり、選択した受信部4全てが同時に所定のレベルγより低下したかで物体Uの侵入か、通行車両等かを区別しても良い。
図9(a)のフローチャートで示した本発明の実施例1は、以下のステップを有する。
実施例1は、物体Uの検知をスタート(ステップS0)した後、処理部5から掃引制御信号Cを送信部2に出す(ステップS1)。
次に、物体Uの有無判断を行い(ステップS2)、判断の結果、物体U無しと判断されれば、一定時間T後に、掃引制御信号Cを出力するステップS1に戻り、物体U有りと判断されれば、物体検知信号Vを出力する(ステップS3)。
尚、この実施例1は、受信部4の選択は行わない(複数の受信部4全て用いることとしても良い)。
図9(b)のフローチャートで示した本発明の実施例2は、実施例1と異なり、受信部4の選択を行う。
実施例2は、掃引制御信号Cを出力するステップS1と、物体Uの有無判断を行うステップS2との間に、複数の受信部4から、物体Uの正しい検知が可能な受信強度Eである(リフレクタピーク3’のレベルが所定のレベルγを越えている)受信部4を選択するステップS1’を有している。
その他の構成、作用効果及び使用態様は、実施例1と同様である。
図9(c)のフローチャートで示した本発明の実施例3は、実施例1、2と異なり、受信強度Eの変化スピードも考慮する。
実施例3は、実施例2における物体Uの有無判断を行うステップS2の代わりに、受信強度E(リフレクタピーク3’のレベル)の変化スピードを考慮しつつ、物体Uの有無判断を行うステップS2’を有する。
その他の構成、作用効果及び使用態様は、実施例1、2と同様である。
図10〜12には、物体検知装置1の外観が例示されている。
このうち、図10、11で示された送信部2及び2つの受信部4は、一方の受信部4(上受信部4a)と送信部2が一体となったもの(送受信部2、4)であり、この送受信部2、4と、もう1つの受信部4(下受信部4b)との部間距離αを、物体検知装置1の設置時に、最適値に容易に調整できる機構(調整機構)11を備えている。
この調整機構11を介して、送受信部2、4と下受信部4bは、地面から立設した送受信ポール15に支持されている。
この長孔12aの左右周縁沿いには、低下間隔(縦低下間隔δ)に基づいた目盛12b、12cが設けられている(図11(b)参照)。
これらの目盛12b、12cは、送受信部2、4や下受信部4bの筐体における送信アンテナ22や受信アンテナ24の位置・形状・大きさも考慮して、設けられている。
従って、設置者は、25%目盛12bの何れかに受信部取付具14(下受信部4b)を合わせるだけで、電波Wの波長λ、検知距離D、リフレクタ高さHに基づく低下間隔(縦低下間隔δ)の略1/4を奇数倍した部間距離αに、2つの受信部4を配置できる。
このような調整機構11により、構造の簡素化と共に、屋外などで天日や風雨にさらされても、耐久性を十分に確保できる。
リフレクタ3は、図示しないリフレクタ取付具によって、リフレクタポール16に取り付けられ、送信部2及び受信部4から、検知距離Dだけ離れた地点に設置される。
尚、調整機構11は、受信部4の数や配置に応じて、目盛板12や受信部取付部14の数、形状を変更し得るが、複数の受信部4を、低下間隔の略1/4を奇数倍した部間距離αをあけて設置できるのであれば、何れの構成であっても良い。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。物体検知装置1の各構成又は全体の構造、デザイン形状、寸法、重量などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
物体検知装置1は、検知領域K内の物体Uの存在(有無や、装置1までの距離)が判定できるのであれば、FMCWレーダ装置に限定されず、電波を利用したその他のセンサであっても良い。
この場合、環境変化への対応度が更に増し、検知精度の向上、誤検知の低減に繋がる。
2 送信部
3 リフレクタ
4 受信部
5 処理部
K 検知領域
U 物体
W 電波
R 定反射波
R’ 物反射波
α 部間距離
E 受信強度
τ しきい時間
β しきい強度
Claims (3)
- 検知領域(K)内の物体(U)を検知する物体検知装置であって、
前記検知領域(K)へ電波(W)を送信する送信部(2)と、この送信部(2)からの電波(W)を反射するリフレクタ(3)と、このリフレクタ(3)からの定反射波(R)と前記検知領域(K)内の物体(U)で反射された電波(W)の物反射波(R’)を受信可能な受信部(4)が設置され、
少なくとも前記定反射波(R)に基づいて前記検知領域(K)内への物体(U)の侵入を検知する処理部(5)を有し、
前記受信部(4)は、所定の部間距離(α)をあけて複数設置されていると共に、
この部間距離(α)は、前記定反射波(R)の受信強度(E)が低下する低下間隔の略1/4の奇数倍であり、
前記処理部(5)は、前記定反射波(R)に基づいて前記複数の受信部(4)のうち前記物体(U)の侵入検知で用いる受信部(4)を選択していることを特徴とする物体検知装置。 - 前記処理部(5)は、前記選択した受信部(4)が受信した反射波のうち少なくとも定反射波(R)の受信強度(E)が、所定のしきい時間(τ)内に、所定のしきい強度(β)を越えて変化した場合に、前記検知領域(K)内へ物体(U)が侵入したと判断していることを特徴とする請求項1に記載の物体検知装置。
- 検知領域(K)内の物体(U)を検知する物体検知装置であって、
前記検知領域(K)へ電波(W)を送信する送信部(2)と、この送信部(2)からの電波(W)を反射するリフレクタ(3)と、このリフレクタ(3)からの定反射波(R)と前記検知領域(K)内の物体(U)で反射された電波(W)の物反射波(R’)を受信可能な受信部(4)が設置され、
少なくとも前記定反射波(R)に基づいて前記検知領域(K)内の物体(U)を検知する処理部(5)を有し、
前記受信部(4)は、所定の部間距離(α)をあけて複数設置されていると共に、
この部間距離(α)は、前記定反射波(R)の受信強度(E)が低下する低下間隔の略1/4の奇数倍であり、
前記処理部(5)は、前記定反射波(R)に基づいて前記複数の受信部(4)のうち前記物体(U)の検知で用いる受信部(4)を選択していることを特徴とする物体検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014060684A JP5637416B1 (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | ハイトパターン対策センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014060684A JP5637416B1 (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | ハイトパターン対策センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5637416B1 true JP5637416B1 (ja) | 2014-12-10 |
JP2015184133A JP2015184133A (ja) | 2015-10-22 |
Family
ID=52145630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014060684A Active JP5637416B1 (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | ハイトパターン対策センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5637416B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106199738A (zh) * | 2015-02-15 | 2016-12-07 | 鲍星合 | 物体存在检测装置及方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6718651B2 (ja) * | 2017-08-21 | 2020-07-08 | 株式会社パル技研 | 環境変化対応センサ |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003139845A (ja) * | 2001-11-02 | 2003-05-14 | Omron Corp | 侵入物検知装置および電波反射器 |
JP2004233157A (ja) * | 2003-01-29 | 2004-08-19 | Omron Corp | レーダ環境判定方法、物体判定方法及びレーダ環境判定システム |
JP2013196018A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-30 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | マルチリフレクタを用いて干渉対策をしたfmcw対向センサシステム |
-
2014
- 2014-03-24 JP JP2014060684A patent/JP5637416B1/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003139845A (ja) * | 2001-11-02 | 2003-05-14 | Omron Corp | 侵入物検知装置および電波反射器 |
JP2004233157A (ja) * | 2003-01-29 | 2004-08-19 | Omron Corp | レーダ環境判定方法、物体判定方法及びレーダ環境判定システム |
JP2013196018A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-30 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | マルチリフレクタを用いて干渉対策をしたfmcw対向センサシステム |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106199738A (zh) * | 2015-02-15 | 2016-12-07 | 鲍星合 | 物体存在检测装置及方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015184133A (ja) | 2015-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105474041B (zh) | 气象信息处理装置、气象雷达系统及气象信息处理方法 | |
JP2721486B2 (ja) | 津波・海象監視予測装置 | |
JP4045043B2 (ja) | レーダ装置 | |
US8134692B2 (en) | Fog detector and method of placing detector in vehicle | |
US9121934B2 (en) | Radar system and detection method | |
US20090085797A1 (en) | Configurable radar sensor | |
US7830302B1 (en) | Remote sensing of wave heights using a narrowband radar arrangement | |
CN101876705A (zh) | 基于单频连续波雷达的频域车辆检测方法 | |
AU2012203252B2 (en) | Method and apparatus for detecting wheels | |
US7808426B1 (en) | Remote sensing of wave heights using a broadband radar arrangement | |
JP2017166985A (ja) | レーダ装置および目標物体検出方法 | |
JP5637416B1 (ja) | ハイトパターン対策センサ | |
EP2583116B1 (en) | Radar system and detection method | |
JP2013196018A (ja) | マルチリフレクタを用いて干渉対策をしたfmcw対向センサシステム | |
JP5678692B2 (ja) | レーダ装置 | |
JP2018165654A (ja) | 走行路情報推定装置および走行路情報推定方法 | |
JP2016200455A (ja) | 軸ズレ判定装置 | |
US10809369B2 (en) | Radar signal processing apparatus and radar signal processing method | |
JP6745489B2 (ja) | 検知装置 | |
JP6718651B2 (ja) | 環境変化対応センサ | |
Teague et al. | Canal and river tests of a RiverSonde streamflow measurement system | |
RU2339971C2 (ru) | Способ радиотехнического обнаружения смерча | |
JP5837293B2 (ja) | 踏切障害物検知装置、及び障害物検知方法 | |
JP7276709B2 (ja) | 生体情報検出装置 | |
US11885909B2 (en) | Object shape detection apparatus, vehicle including the same, and object shape detection method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141006 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141008 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5637416 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |