JP5637311B2 - 三連四重極型質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の質量電荷比m/zを有するイオンを衝突誘起解離(CID=Collision-Induced Dissociation)により開裂させ、これにより生成されるプロダクトイオン(フラグメントイオン)の質量分析を行う三連四重極型質量分析装置に関し、特に、ガスクロマトグラフの検出器として好適な三連四重極型質量分析装置に関する。
分子量が大きな物質の同定やその構造の解析を行うために、質量分析の1つの手法として、MS/MS分析(タンデム分析とも呼ばれる)という手法が知られている。典型的なMS/MS型質量分析装置として三連四重極型質量分析装置がある。
図3は一般的な三連四重極型質量分析装置の概略構成図である。三連四重極型質量分析装置は、内部に四重極型又はそれ以上の多重極型のイオンガイド15を備えたコリジョンセル14を挟んで、その前段と後段とにそれぞれ、イオンを質量電荷比m/zに応じて分離する四重極マスフィルタ13、18を備える。イオン源11で生成された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有する目的イオンのみが前段の四重極マスフィルタ13において選別されコリジョンセル14内に導入されると、該イオンはコリジョンセル14内でCIDガスと衝突し、開裂を生じて各種のプロダクトイオンが生成される。この開裂の態様は様々であるため、通常、一種のプリカーサイオンから質量電荷比の異なる複数種のプロダクトイオンが生成される。これら各種のプロダクトイオンが後段の四重極マスフィルタ18に導入され、特定の質量電荷比を有するプロダクトイオンのみが選別されて検出器19に到達する。
四重極マスフィルタ13、18を通過し得るイオンの質量電荷比は、該マスフィルタ13、18を構成するロッド電極に印加される高周波電圧及び直流電圧の電圧値に依存する。したがって、前段又は後段のいずれか一方の四重極マスフィルタ13又は18を通過するイオンの質量電荷比を固定し、他方の四重極マスフィルタ18又は13を通過し得るイオンの質量電荷比を走査することで、特定のプロダクトイオンを生成する全てのプリカーサイオンを探索するプリカーサイオンスキャンや、逆に、特定のプリカーサイオンから生成される全てのプロダクトイオンを探索するプロダクトイオンスキャンを行うことができる。また、選択されるイオンの質量電荷比差が一定になるように両方の四重極マスフィルタ13、18を通過し得るイオンの質量電荷比を走査することで、特定の部分構造が脱離する全てのプリカーサイオンを検索するニュートラルロススキャンを行うことができる。
上記三連四重極型質量分析装置を始めとする質量分析装置は、試料中の各種成分を時間方向に分離するガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)の検出器としてよく用いられる。ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置とを組み合わせたGC/MSでは、質量分析装置のイオン源11に導入される試料ガスの大部分はGCに用いられたキャリアガスである。キャリアガスとしては一般にHe等の希ガスが用いられるが、特にHeは電子イオン化法によるイオン源でエネルギーを受け取って準安定状態原子(分子)となり易い。以下、準安定状態のヘリウムをHe*と記述する。
He*は電気的には中性であるが、安定状態であるHeに比べて高い励起エネルギーを持つ。そのため、He*がイオン源11から出射してイオンと同様に進行すると、周囲の各種原子・分子との相互作用によってHe*自身がイオン化したり逆に周囲の原子・分子を二次的にイオン化したりする。そうしたイオンはバックグラウンドノイズの大きな要因となり、S/Nの低下をもたらす。そこで、上記のようなHe*(又はそれ以外の準安定状態の希ガス原子・分子)に起因するノイズを減少させるために、従来、様々な構成の質量分析装置が提案されている。
例えば特許文献1に記載の質量分析装置では、湾曲形状のイオンガイドを用い、分析対象であるイオンを湾曲形状のイオン光軸に沿って進行させる一方、電気的に中性であるHe*は直進させてイオン光軸上から逸脱させる。これにより、イオンガイドの後段に配置された質量分析器や検出器へのHe*の侵入を防止している。
また、特許文献2、特許文献3に記載の質量分析装置では、質量分析器の手前においてHe*をN2等の不活性ガスを導入した衝突室内に通過させ、He*とN2とを接触させてNをイオン化する一方、He*を安定状態のHeにする。それによって、準安定状態であるHe*が質量分析器に導入されることを防止することができる。
しかしながら、上記のような従来の手法にはいずれも問題がある。即ち、イオンを輸送するためのイオンガイドは一般に四重極以上の多重極ロッドから構成されるが、湾曲形状の多重極ロッドを高い寸法精度を維持しながら組み立てようとすると、コストがかなり高いものとなる。また、十分な機械的精度が確保できないと、分析対象であるイオンの通過効率が下がって感度の低下に繋がる。
一方、He*をN2ガス等に接触させて除去する方法では、分析対象のイオン自体も同じガス領域中を通過するためにやはりイオンの通過効率が下がってしまい、検出器における信号レベルが下がるためにノイズを低減したとしてもS/Nが必ずしも改善されるとは限らない。また、He*をHeにするためにはかなり高い密度のN2ガス領域を形成する必要があり、真空室内を高真空に維持するためには真空排気能力を上げなければならないという問題もある。
米国特許第3410997号公報 特開2006−189298号公報 特開2009−180731号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、三連四重極型質量分析装置において、特殊な形状、構造のイオン光学素子等の部材を用いることなく、且つ、四重極マスフィルタ等が配設される真空室内の真空度を低下させることなく、試料ガスに含まれる希ガスの原子(分子)から生成される準安定状態原子(分子)に起因するノイズを良好に抑制することを主たる目的としている。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料成分をイオン化するイオン源と、該イオン源で生成された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する前段四重極マスフィルタと、その内部に高周波電場によりイオンを収束させつつ輸送するイオンガイドが配設され、前記プリカーサイオンを所定ガスと衝突させることにより該イオンを開裂させるためのコリジョンセルと、前記プリカーサイオンの開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する後段四重極マスフィルタと、該後段四重極マスフィルタで選別されたプロダクトイオンを検出する検出器と、を具備する三連四重極型質量分析装置であって、
前記前段四重極マスフィルタにおける直線状のイオン光軸と前記イオンガイドにおける直線状のイオン光軸とが前記前段四重極マスフィルタと前記コリジョンセルとの間の空間で斜めに交差して折れ線状になり、該イオンガイドにおける直線状のイオン光軸と前記後段四重極マスフィルタにおける直線状のイオン光軸とが一直線状となるように、前記前段四重極マスフィルタ、前記イオンガイド、及び前記後段四重極マスフィルタが配置され、
前記前段四重極マスフィルタを通過して来たイオンが前記折れ線状のイオン光軸に沿って屈曲される直流電場が形成されるように、前記コリジョンセルの入口に設けられたイオンレンズに直流電圧を印加する電圧印加手段を備えることを特徴としている。
本発明に係る三連四重極型質量分析装置において、好ましくは、前記前段四重極マスフィルタの入口に設けられたイオンレンズの開口を通して該前段四重極マスフィルタの内部を見通したとき前記コリジョンセルからのイオン出口開口が見えない状態となるように、前記前段四重極マスフィルタにおける直線状のイオン光軸と前記イオンガイドにおける直線状のイオン光軸とが交差する角度が定められている構成とするとよい。
本発明に係る三連四重極型質量分析装置では、試料成分と共にイオン源に導入されたヘリウム等の希ガス原子(分子)から準安定状態原子が生成され前段四重極マスフィルタに導入されると、前段四重極マスフィルタによる電場の影響を受けずに準安定状態原子の多くは前段四重極マスフィルタを通り抜ける。一方、イオン源で生成された各種イオン(上記希ガス原子(分子)由来のイオン含む)が前段四重極マスフィルタに導入されると、該四重極マスフィルタによる高周波電場及び直流電場の影響を受けて振動し、特定の質量電荷比を持つイオンのみが該四重極マスフィルタを通り抜ける。前段四重極マスフィルタを通り抜けたイオンは、コリジョンセル入口に設けられたイオンレンズに印加される直流電圧によって形成される直流電場の作用で、その進行方向が全体的に折れ線状のイオン光軸に沿うように曲げられる。この直流電場はイオンに運動エネルギーを与える作用も有し、この運動エネルギーに依存するコリジョンエネルギーによってイオンはコリジョンセル内で解離する。そのため、適切な運動エネルギーをイオンに与えるためにコリジョンセル入口のイオンレンズにより形成される直流電場は強い。また、前段四重極マスフィルタを通過して来るイオンは、該フィルタ内空間における電場の作用で振動が抑えられイオン光軸付近に収束しているので、比較的平行性が高い(イオン光軸に平行に近い)イオン束としてイオンレンズによる直流電場に到達する。それ故に、簡単な構造のイオンレンズであっても、前段四重極マスフィルタを通過して来たイオンを折れ線状のイオン光軸に沿うように適切に曲げることができる。
一方、前段四重極マスフィルタを通り抜けて来た準安定状態原子は、上記直流電場の影響を受けないため、該直流電場に達する前の進行軌道を維持する。その結果、準安定状態原子は折れ線状のイオン光軸に沿わず、イオンガイドにおける直線状のイオン光軸に対して大きな角度を有する方向に進行する。そのため、コリジョンセル内に準安定状態原子が入射しても、途中でイオンガイドに接触したりコリジョンセルの内壁面に接触したりして消滅する。特に上記好ましい構成であれば、イオン源から前段四重極マスフィルタの内部空間に直進した準安定状態原子の殆どは、コリジョンセルのイオン出口開口に達することなく消滅する。したがって、準安定状態原子が後段四重極マスフィルタに入射することを確実に防止することができる。準安定状態原子が後段四重極マスフィルタに入射すると、該四重極マスフィルタを通り抜けない場合であっても不所望の2次イオンの発生を引き起こすため、ノイズ発生の大きな要因となる。これに対し、後段四重極マスフィルタへの準安定状態原子の入射を回避することで、準安定状態原子に起因するノイズを大幅に抑えることができる。
なお、準安定状態原子を除去するために前後のイオン光軸を斜めに交差させる部位を、前段四重極マスフィルタとコリジョンセルとの間ではなくコリジョンセルと後段四重極マスフィルタとの間にすることも考えられるが、そうすると、準安定状態原子が後段四重極マスフィルタに入射して、そのフィルタ内空間で2次イオンを発生させるおそれがある。こうした後段四重極マスフィルタ内空間で発生したイオンは十分に除去されずに検出器に到達するおそれがある。したがって、準安定状態原子に起因するノイズを確実に軽減するためには、イオン光軸の交差部位はコリジョンセルよりも前方(イオン源側)であることが望ましい。
一方、準安定状態原子を除去するために前後のイオン光軸を斜めに交差させる部位を、前段四重極マスフィルタとコリジョンセルとの間ではなくイオン源と前段四重極マスフィルタとの間にすることも考えられるが、その場合、各種のイオンを折れ線状のイオン光軸に沿うように曲げることは困難である。その理由は次の通りである。一般にイオン源から発したイオンの進行方向のばらつきは大きく、前段四重極マスフィルタの前に配置されているイオンレンズに導入されるイオン束の平行性は低い。イオンレンズは或る程度の非平行性を以て入射してきたイオンを前段四重極マスフィルタの入射端面(イオン受け容れ可能な入射面)に収束させる機能は持つが、イオン束の平行性を高めるような収束作用は殆ど持たないため、様々な角度を有して入射して来たイオンの軌道を曲げて低損失で四重極マスフィルタに送り込むことは困難である。その結果、イオン源と前段四重極マスフィルタとの間でイオンを曲げようとしても、前段四重極マスフィルタへのイオンの導入効率は低くなってしまい、分析精度や分析感度の低下をもたらすことになる。
こうしたことから、準安定状態原子を除去するために前後のイオン光軸を斜めに交差させる部位を前段四重極マスフィルタとコリジョンセルとの間に設けることは、ノイズを確実に防止しつつ、分析対象であるイオンを効率良く輸送して分析精度や分析感度の低下を抑えるという点から、最適な選択であるということができる。
また、本発明に係る三連四重極型質量分析装置は、イオン源において準安定状態原子が生成され易い場合に特に有用であるから、前述したように、試料ガスの主要成分がヘリウムである場合、具体的には、ガスクロマトグラフのカラムから流出する試料ガス中の成分を検出する検出器として本発明に係る三連四重極型質量分析装置が用いられる場合に有効である。
本発明に係る三連四重極型質量分析装置によれば、湾曲形状イオンガイドなどの特殊な形状や構造のイオン光学素子を用いることなく、構造的には、四重極マスフィルタ、コリジョンセル、イオンガイドといった既存の要素の配置を工夫することによって、後段四重極マスフィルタへの準安定状態原子の入射を防止することができる。それによって、大きなコスト増加をもたらすことなく、準安定状態原子に起因するノイズを軽減し、S/Nを改善することができる。また、準安定状態原子を除去する目的で真空室内に多量のガスを導入する必要もないので、真空排気能力を高める必要もない。
本発明の一実施例による三連四重極型質量分析装置の概略構成図。 本実施例の三連四重極型質量分析装置におけるイオン光軸斜交部付近の拡大図。 一般的な三連四重極型質量分析装置の全体構成図。
以下、本発明に係る三連四重極型質量分析装置の一実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例の三連四重極型質量分析装置の概略構成図、図2は本実施例の三連四重極型質量分析装置におけるイオン光軸斜交部付近の拡大図である。なお、既に説明した従来の構成と同じ構成要素には、同一符号を付している。
本実施例の三連四重極型質量分析装置では、イオン源11と前段四重極マスフィルタ(Q1)13との間には第1イオンレンズ12が設けられ、この第1イオンレンズ12には第1イオンレンズ電圧印加部21から直流電圧が印加される。この直流電圧によって、第1イオンレンズ12の開口部付近には、イオン源11から出射された各種イオンを収束させて前段四重極マスフィルタ13に導入するための直流電場が形成される。前段四重極マスフィルタ13を構成する各ロッド電極にはQ1電圧印加部22から直流電圧と高周波電圧とを合成した電圧が印加され、この電圧に応じた質量電荷比のイオンが前段四重極マスフィルタ13を通り抜ける。イオン源11、第1イオンレンズ12、及び前段四重極マスフィルタ13のイオン光軸C1は略一直線状である。
多重極型のイオンガイド15が内装されたコリジョンセル14の入口には入口側イオンレンズ16が配置され、出口には出口側イオンレンズ17が配置されている。入口側イオンレンズ16の開口がコリジョンセル14へのイオン入射開口、出口側イオンレンズ17の開口がコリジョンセル14からのイオン出射開口である。入口側イオンレンズ16及び出口側イオンレンズ17にはそれぞれCCイオンレンズ電圧印加部23からそれぞれ直流電圧が印加される。また、イオンガイド15を構成する各ロッド電極にはq2電圧印加部24から高周波電圧が印加され、この電圧によってプリカーサイオンやプロダクトイオンは収束されつつ輸送される。さらに、後段四重極マスフィルタ18を構成する各ロッド電極にはQ3電圧印加部25から直流電圧と高周波電圧とを合成した電圧が印加され、この電圧に応じた質量電荷比のイオンが後段四重極マスフィルタ18を通り抜ける。
入口側イオンレンズ16、イオンガイド15、出口側イオンレンズ17及び後段四重極マスフィルタ18のイオン光軸C2は略一直線状である。そして、前半のイオン光軸C1と後半のイオン光軸C2とは、前段四重極マスフィルタ13とコリジョンセル14との間の空間で角度αを以て斜めに交差しており、全体は折れ線状のイオン光軸を形成している。即ち、前半のイオン光軸C1と後半のイオン光軸C2との関係がこのようになるように、真空排気される分析室10内の各要素の配置が定められている。
入口側イオンレンズ16に印加される直流電圧により形成される直流電場の作用の1つは、イオンに運動エネルギーを与えてコリジョンセル14内に送り込み、CIDガスとの衝突によりイオンの開裂を促進させることである。また、同直流電場の他の作用の1つは、前半のイオン光軸C1に沿って到来したイオンの軌道を曲げて後半のイオン光軸C2に沿ってコリジョンセル14内に送り込むことである。
図2に示すように、前半のイオン光軸C1と後半のイオン光軸C2との交差の角度はαである。このときの角度αは、第1イオンレンズ12の開口を通して前段四重極マスフィルタ13の内部を見たときに、コリジョンセル14のイオン出射開口(出口側イオンレンズ17の開口)が見通せないような角度に決められている。したがって、角度αは、第1イオンレンズ12の開口径、前段四重極マスフィルタ13の長さ、入口側イオンレンズ16の開口径、出口側イオンレンズ17の開口径、コリジョンセル14又はイオンガイド15の長さなどに依存するが、これら各要素のサイズや配置が決まれば角度αは一義的に決まる。このような条件が満たされれば、図2中にA1、A2などで示されるように、第1イオンレンズ12の開口を通して様々な角度で前段四重極マスフィルタ13に入射し、そのあと直進する粒子はコリジョンセル14内に入ってもコリジョンセル14の出射開口には到達しない。
本実施例の三連四重極型質量分析装置における分析動作を説明する。図示しないガスクロマトグラフのカラム出口からキャリアガスに乗って試料成分を含むガスが電子イオン化法によるイオン源11に導入される。イオン源11において試料成分は熱電子の作用によりイオン化されるが、同時にキャリアガスであるヘリウムもイオン化される。また、イオンにはならずに単にエネルギーを受け取って準安定状態のHe*も発生する。ヘリウムの量は試料成分量に比べて格段に多いので、ヘリウムイオンやHe*も多量に発生する。イオン源11で生成されたイオンは電場の作用によりイオン源11から引き出され、第1イオンレンズ12で収束されて前段四重極マスフィルタ13に送り込まれる。制御部20の制御の下に、Q1電圧印加部22から前段四重極マスフィルタ13には所定の電圧が印加され、該電圧に応じた質量電荷比のイオンのみが前段四重極マスフィルタ13を通り抜ける。一般に、ヘリウムイオンはこの段階で除去される。
一方、電気的に中性であるHe*は前段四重極マスフィルタ13内の電場の影響を受けずに、前段四重極マスフィルタ13に入射したときの方向にほぼ直進する。したがって、一部は前段四重極マスフィルタ13に接触して消滅するが、多くは前段四重極マスフィルタ13を通り抜ける。その後、He*は入口側イオンレンズ16による直流電場の影響を受けないからほぼ直進する。図2中にA1、A2などで示されるように、前段四重極マスフィルタ13を通り抜けるHe*の軌道は様々であり、入口側イオンレンズ16に衝突して消滅するものもあるが、一部は入口側イオンレンズ16の開口を経てコリジョンセル14内に侵入する。しかしながら、前述したように直進したHe*はコリジョンセル14の出射開口に達しないため、イオンガイド15や出口側イオンレンズ17に衝突して消滅する。
前段四重極マスフィルタ13を通り抜けた特定質量電荷比のイオン(プリカーサイオン)はイオン光軸C1に沿って進み、入口側イオンレンズ16付近に達すると該イオンレンズ16により形成される直流電場の影響を受けてその軌道が曲げられ、またその際に運動エネルギーを受ける。前段四重極マスフィルタ13から出射されるイオンは振動しているが、該マスフィルタ13を通過する際に振幅は抑えられるので、イオンの方向はかなり揃っており、例えば円環状のイオンレンズにより形成される直流電場によっても効率良くイオンの軌道を曲げることができる。その結果、該プリカーサイオンは効率良くコリジョンセル14内に導入され、コリジョンセル14内でCIDガスに接触して開裂を生じ、各種プロダクトイオンが生成される。プロダクトイオンはイオンガイド15により形成される高周波電場により拘束されつつイオン光軸C2に沿って進み、コリジョンセル14から出て後段四重極マスフィルタ18に導入される。したがって、後段四重極マスフィルタ18に達するまでにHe*は確実に除去され、他方、プロダクトイオンは後段四重極マスフィルタ18に効率良く導入されて質量分析に供される。
また、コリジョンセル14内でHe*がイオンガイド15や出口側イオンレンズ17に衝突した際にヘリウムイオンや他の2次イオンが生成されることがあるが、これらイオンは後段四重極マスフィルタ18で除去されるため検出器19には到達しない。
以上のように、本実施例の三連四重極型質量分析装置では、イオンレンズやイオンガイド等のイオン光学素子自体は従来と同様の構造のものを用いながら、それらを含めて全体の配置を工夫するとともに、必要に応じてコリジョンセル14の入口に設けたイオンレンズに印加する直流電圧を適宜に調整することにより、ノイズの要因となるHe*を除去しつつ目的とするプリカーサイオン由来のプロダクトイオンを高い感度で測定することができる。
なお、上記実施例は本発明の一例であるから、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
10…分析室
11…イオン源
12…第1イオンレンズ
13…前段四重極マスフィルタ
14…コリジョンセル
15…イオンガイド
16…入口側イオンレンズ
17…出口側イオンレンズ
18…後段四重極マスフィルタ
19…検出器
20…制御部
21…第1イオンレンズ電圧印加部
22…Q1電圧印加部
23…CCイオンレンズ電圧印加部
24…q2電圧印加部
25…Q3電圧印加部
C1…前半のイオン光軸
C2…後半のイオン光軸

Claims (3)

  1. 試料成分をイオン化するイオン源と、該イオン源で生成された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する前段四重極マスフィルタと、その内部に高周波電場によりイオンを収束させつつ輸送するイオンガイドが配設され、前記プリカーサイオンを所定ガスと衝突させることにより該イオンを開裂させるためのコリジョンセルと、前記プリカーサイオンの開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する後段四重極マスフィルタと、該後段四重極マスフィルタで選別されたプロダクトイオンを検出する検出器と、を具備する三連四重極型質量分析装置であって、
    前記前段四重極マスフィルタにおける直線状のイオン光軸と前記イオンガイドにおける直線状のイオン光軸とが前記前段四重極マスフィルタと前記コリジョンセルとの間の空間で斜めに交差して折れ線状になり、該イオンガイドにおける直線状のイオン光軸と前記後段四重極マスフィルタにおける直線状のイオン光軸とが一直線状となるように、前記前段四重極マスフィルタ、前記イオンガイド、及び前記後段四重極マスフィルタが配置され、
    前記前段四重極マスフィルタを通過して来たイオンが前記折れ線状のイオン光軸に沿って屈曲される直流電場が形成されるように、前記コリジョンセルの入口に設けられたイオンレンズに直流電圧を印加する電圧印加手段を備えることを特徴とする三連四重極型質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の三連四重極型質量分析装置であって、
    前記前段四重極マスフィルタの入口に設けられたイオンレンズの開口を通して該前段四重極マスフィルタの内部を見通したとき前記コリジョンセルからのイオン出口開口が見えない状態となるように、前記前段四重極マスフィルタにおける直線状のイオン光軸と前記イオンガイドにおける直線状のイオン光軸とが交差する角度が定められていることを特徴とする三連四重極型質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の三連四重極型質量分析装置であって、
    ガスクロマトグラフのカラムから流出する試料ガス中の成分を検出する検出器であることを特徴とする三連四重極型質量分析装置。
JP2013522388A 2011-06-28 2011-06-28 三連四重極型質量分析装置 Active JP5637311B2 (ja)

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