JP5635943B2 - 携帯端末及びその障害検出システム - Google Patents
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Description
従来の携帯機器における加速度センサ技術としては、既に様々なものが知られている。例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などにおいては、落下(無重力)を検出し、HDDの磁気ヘッドの固定エリア退避を行なうことが知られている。また、他の加速度センサの用途としては、耐タンパ性を有する高セキュリティ装置において、衝撃あるいは高加速度を検出し、装置を破壊しようとした試みを検出するものがある。更に、カメラ手振れ防止のために、加速度センサで振動を検出したり、ゲームコントローラにおいて、移動、方向検出、端末上下検出などを行なうものも知られている。
・故障返却された装置を調べても、落下衝撃の位置、方向、頻度等の詳細情報が記録されていないため、落下した根本原因の調査において破損状態の外観確認に頼ることとなり、調査に長時間を要している。
・小さな衝撃の蓄積による疲労は、外観に痕跡が残りにくく、障害原因が断定できないことがあった。
・大規模運用において、複数端末で問題が発生しても、リアルタイムの改善対策ができなかった。
(1)-1予め携帯端末を様々な方向・高さから落下させたり、衝撃、振動を与え、加速度とその時間変化を衝撃パターンとしてデータベース化して保持する(衝撃DB)。
(1)-2 上記の衝撃DBを携帯端末またはサーバに搭載し、端末の加速度を記録して衝撃DBと比較することで、落下故障時の衝撃の原因を速やかに特定する。
(2) 複数の端末の衝撃検出情報をサーバに集約し、同一の故障原因の発生が複数見られた場合に、リアルタイムに全端末に改善指示を発することで、故障の予防を図る。
従来の衝撃分析は、障害発生装置の外観調査等により、衝撃原因の特定まで数時間を要していたが、本実施形態によれば、衝撃DBのパターン比較により、リアルタイムで衝撃原因を特定することが可能となる。
また、複数の携帯端末の運用において、リアルタイムに故障の予防を図ることが可能となる。
本実施形態のスタンドアローン型携帯端末9では、衝撃DB15を内蔵する。メモリ12は、携帯端末9を動作させるOS等が格納されており、CPU11がこれを実行することにより、携帯端末9を動作させる。操作部13は、携帯端末9のユーザからの入力を受け付ける。操作部13からの入力は、CPU11によって処理され、表示部10に表示される。表示部10は、商品の決済処理において発生する情報を表示する。携帯端末9には、加速度センサ14が搭載され、検出した加速度とその時間変化を衝撃パターンとして、メモリ12に格納する。データベース(衝撃DB)15には、予め携帯端末9の設計・開発時に、テストとして、様々な衝撃や振動を与えたときの加速度とその時間変化が衝撃パターンとして予め格納されている。
店員はそれぞれ1つずつ携帯端末20を保持する。携帯端末20は、アクセスポイント25を介して、ネットワーク26に接続されたサーバ21にアクセスする。この場合、衝撃DB15は、携帯端末20あるいはサーバ21に設けられる。ここでは、衝撃DB15は、サーバ21に設けられるものとして説明する。携帯端末20は、内蔵の加速度センサが検出した衝撃パターンをサーバ21に送信し、サーバ21において、検出された衝撃パターンと衝撃DBに格納された衝撃パターンの照合が行なわれる。
図3において、図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。
携帯端末20は、衝撃DB15を備えず、その代わりに、通信部22を備える。通信部22は、ネットワークを介して、サーバ21にアクセスする。サーバ21は、通信部23を用いて、携帯端末20と通信を行う。サーバ21は、携帯端末20から送られてくる、検出された衝撃パターンを受け取り、衝撃DB15内の衝撃パターンと照合し、一致するものがあるか否かを検出する。サーバ21は、オペレータによって監視されており、携帯端末20から送られてきた衝撃パターンと、衝撃DB15内の衝撃パターンとの一致が得られた場合には、オペレータにその旨の表示を行なう。
衝撃DBには、衝撃パターンとその衝撃パターンが得られた際の落下・振動条件とを警告メッセージと対応付けたデータが格納される。落下・振動条件は、携帯端末にどのような加速度、振動が加えられたかを記述するものである。このような落下・振動条件において、加速度センサが検出した衝撃パターンが、対応付けられて格納される。衝撃パターンは、携帯端末を基準にした、x、y、z軸方向の加速度とその時間変化である。そして、そのような衝撃パターンを受けた際に、ユーザに取り扱い上の注意を促すための警告メッセージが格納される。
携帯端末30の本体は、表示画面32、入力キー33が表面に配置されており、裏面には、不図示であるが、カード読み取り器や、バーコード読み取り器などが配置されている。クレードル31は、携帯端末30を保持する筐体で、携帯端末30を使用しない場合には、携帯端末30をクレードル31に取り付けて保管する。なお、クレードル31には、携帯端末30を保持する以外に、充電機能を持っても良い。
衝撃検出を開始すると、ステップS10において、現在の加速度値を収集する。ステップS11において、加速度値をメモリに書き込む。ステップS12において、過去X回(Xは設計者が適宜決定するものとする)の加速度ベクタ(x成分、y成分、z成分の組からなる加速度値を加速度ベクタと呼んでいる)を含む衝撃パターンと衝撃DBの衝撃パターンをパターンマッチングする。ステップS13において、一致パターンがあるか否かを判断する。ステップS13の判断がNoの場合には、ステップS10に戻り、ステップS13の判断がYesの場合には、ステップS14に進む。ステップS14においては、衝撃DBに格納されている一致した衝撃パターンの警告メッセージを携帯端末に表示して処理を終了する。
この構成例では、携帯端末20は、アクセスポイント25にアクセスし、ネットワーク26を介してサーバ21に、衝撃パターンを送信する。サーバ21は、受信した衝撃パターンと内蔵の衝撃DBの衝撃パターンとを比較し、一致するかを判断する。そして、一致した場合には、どの携帯端末からの衝撃パターンが、所定時間内に、衝撃DBのどの衝撃パターンと何回一致したかをメモリに格納する。そして、例えば、異なる携帯端末からの衝撃パターンが、衝撃DBの同じ衝撃パターンと所定回一致した場合には、そのような状況がその他の携帯端末にも生じうると判断して、全携帯端末に警告メッセージを表示させる。このようにすることにより、多くの携帯端末で発生しがちな障害を発生する状況をいち早く検知し、全携帯端末に警告を送り、障害発生を未然に防ぐことが出来る。
図8において、図3と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。
サーバメモリのデータには、衝撃パターンの発生時刻と、衝撃パターンを送信してきた携帯端末の識別子と、一致した衝撃パターンの識別子と、一致回数と、全携帯端末への警告を行なったか否かの情報が対応付けられて格納される。
以上の処理により、複数の携帯端末で同様な障害が発生する状況を避けるように、ユーザに予め警告をすることが出来るので、複数の携帯端末が同じ原因により故障するということを防止することが出来る。
ステップS20において、携帯端末から衝撃パターンのデータを受信する。このデータを、ステップS21において、サーバメモリに書き込む。ステップS22において、過去の全てまたは指定時間内の衝撃パターンに同一パターンがあるか否かを検索する。ここで、過去の指定時間内の衝撃パターンについてのみ同一パターンの検索を行なうのは、同様の衝撃パターンが発生しても問題にならないよう既に運用改善される場合があるからである。指定時間としては、一週間とか、一ヶ月とか、店舗の売り上げの回転率などを考えて、オペレータが設定するようにする。
衝撃パターンの作成を開始すると、ステップS30において、現在の時刻、及び加速度を最終記録として保存しておく。ステップS31において、衝撃が発生すると、加速度の測定期間内であるか否かを判断する。ステップS31の判断がYesの場合には、ステップS32において、ステップS30で記録された最終記録の加速度と現在の加速度の差を比較し、ステップS33において、当該差が閾値を超えているか否かを判断する。この閾値は、測定の誤差や、問題とならない加速度の変化を取り除くためのものである。閾値の値は、設計者が予め決定しておく。ステップS33の判断がNoの場合には、ステップS31に戻る。ステップS33の判断がYesの場合には、ステップS34において、最終記録と現在の時間差、加速度を1組としてメモリに追加する。ステップS35において、現在の時刻、加速度を最終記録として保存し、ステップS31に戻る。
上記処理は、衝撃DBの衝撃パターンのデータを予め蓄積しておくためのものであったが、リアルタイムに順次衝撃パターンを蓄積することも可能である。
図12の処理においては、特に、携帯端末がローカルに衝撃DBを持っていて、ローカルな衝撃DBに衝撃パターンをリアルタイムに格納する場合を示す。
図13の場合は、サーバに衝撃DBが設けられている場合である。
図14(a)は、加速度データのフォーマットである。加速度のx、y、z成分のいずれかが閾値aを超えて変化した場合に、前回の送信したときからの経過時間と、x方向加速度値、y方向加速度値、z方向加速度値を1レコードのデータとして生成する。
装置が落下したときは、前回の衝撃時からかなり時間が経っているので、前回送信からの時間は例として「99999」としている。このとき、落下によって加速度値が0となる方向が発生している。その後、落下の衝撃により、前回送信からの時間が「450」のとき、x方向加速度値が大きな値を示している。その後、前回送信からの時間が「3」のとき、空中に装置が跳ね上がり、x方向加速度値が「0」となっている。前回送信からの時間が「91」のとき、再び衝撃が発生し、y方向加速度値が大きな値を示している。前回送信からの時間が「2」のとき、再び空中に装置が跳ね上がり、y方向加速度値が「0」となり、前回送信からの時間が「20」のとき、装置が床に付いて、x方向加速度値が大きな値となっている。
サーバ型障害検出システムの場合、携帯端末がサーバ接続時には、図14(a)のようなフォーマットのデータがリアルタイムにサーバに通知される。
図15において、発生した衝撃パターンが衝撃DBのどのパターンと一致するかは、パターンマッチングにより、最も類似度の高いパターンを抽出し、そのパターンの類似度が閾値を超えているかどうかで判定する。
10、32 表示部
11 CPU
12、40 メモリ
13 操作部
14 加速度センサ
15 衝撃データベース
21 サーバ
22、23 通信部
25 アクセスポイント
26 ネットワーク
31 クレードル
33 入力キー
Claims (6)
- 携帯端末と通信することによって障害が発生する状況を検出する障害検出システムであって、
メッセージを表示する表示部と、衝撃や振動や落下の際の加速度の時間変化を検出する加速度センサとを備える携帯端末と、
所定の状況の下での加速度の時間変化のパターンを衝撃パターンとして格納する衝撃データベースと、該加速度センサが検出した加速度の時間変化が、該衝撃データベースの衝撃パターンと一致した場合に、警告メッセージを該携帯端末の該表示部に表示させる、該携帯端末とネットワークにより接続されたサーバと、
を備え、
前記サーバは、複数の携帯端末とネットワークにより接続され、
異なる携帯端末の加速度センサが検出した加速度の時間変化が、所定時間内に所定回数、同じ衝撃パターンに一致した場合には、該サーバに接続されている該複数の携帯端末の全てに警告メッセージを表示させることを特徴とする障害検出システム。 - 前記衝撃データベースは、前記携帯端末に設けられることを特徴とする請求項1に記載の障害検出システム。
- 前記衝撃データベースは、前記サーバに設けられることを特徴とする請求項1に記載の障害検出システム。
- 前記衝撃データベースは、事前に作成されることを特徴とする請求項1に記載の障害検出システム。
- 前記衝撃データベースは、前記携帯端末が新たに加速度の変化を検出するごとに、エントリが追加されることを特徴とする請求項1に記載の障害検出システム。
- 複数の携帯端末とサーバがネットワークを介して通信することによって障害が発生する状況を検出する障害検出システムの処理方法であって、
該携帯端末に設けられた加速度センサが検出する、衝撃や振動や落下の際の加速度の時間変化を、衝撃データベースに格納された、所定の状況の下での加速度の時間変化のパターンを衝撃パターンと比較し、
前記複数の携帯端末のうちの1つの携帯端末の加速度センサが検出した加速度の時間変化が、所定時間内に所定回数、同じ衝撃パターンに一致した場合には、該サーバに接続されている該複数の携帯端末の全ての表示部に警告メッセージを表示させる、
ことを特徴とする処理方法。
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