JP5635771B2 - 抗炎症性及び抗アレルギー性環状ペプチド - Google Patents

抗炎症性及び抗アレルギー性環状ペプチド Download PDF

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Description

本発明は、その主なる構造において、13個のL−アミノ酸の配列を有し、抗炎症、及び、抗アレルギー効果を示す合成環状(サイクリック)ペプチドに関する。このような合成サイクリックペプチドは、急性又は慢性アレルギー性喘息、及び/又は、急性、又は、慢性炎症、及び/又は、アレルギー性疾患を治療するのに有用である。本発明は、前記ペプチドを含む医薬組成物、その使用、及び、急性、及び/又は、慢性炎症、及び/又は、アレルギー疾患の治療、又は、予防方法に関する。
炎症は、宿主が受けた様々な攻撃の結果として起こる動的かつ保護的恒常性反応(protective homeostatic response)である。炎症における急性相(acute phase)は、血管系における異変または変化を特徴とする。その結果、血流が増加し、微小循環(microcirculation)における構造的な変化が起こる。それにより、循環系から血漿タンパク質や白血球が流出される。これは、恒常性回復を目的とした細胞、及び、組織における一連の現象を伴う。
組織における現象について、この相においては、白血球は損傷を被った箇所(即ち、炎症部位、又は、損傷部位)に集まる。最初の段階において、主に流入されるのは、好中球である。その後を単核球(mononuclear cell)がつぐ。このような流入が、炎症プロセスを解決し、攻撃してきた物質(aggressor agent)を除去し、組織の恒常性を取り戻す役割をする。
好中球は、病変部位に最初に現れる細胞であり、組織の損傷における急性相においてその数だけから見ると、もっとも多い。これらの好中球は、原因となる物質の分解、及び、食作用によって、生命体の防衛機構における重大な役割を果たす。また、好中球は、内皮細胞及び組織に常在するマクロファージによって産生されるサイトカインによって活性化され得る。
いったん血中単核球が循環系から損傷部位(「炎症部位」とも呼ぶ。)に入ると、これらはマクロファージに分化する。このマクロファージは、炎症反応における最後のエフェクター細胞である。このマクロファージは、異物の食作用を行うと共に、一酸化窒素のような反応性酸素の合成を通じて前記異物を破壊させる役割を果たす。その後、活性化されたマクロファージが、細胞の破片を除去して、抗原を取り除き、そして、炎症反応を解消(resolution)させることによって適応免疫反応を開始する、といった、作用を行う。
細胞に起こる現象を別の観点から捉えると、損傷部位に集まる白血球は、親炎症性(pro-inflammatory)、又は、“警告”サイトカイン(IL−1,TNF−α、及び、IL−6)の分泌プロセスを開始する。これらのサイトカインは、炎症部位だけでなく遠距離において、体液、及び、細胞反応の一連の鎖を開始する。
サイトカインによるストロマ細胞の活性化は、化学走性ケモカインの分泌を促す。この化学走性ケモカインは、単核性細胞及び好中球に対して作用する。炎症部位において、先ず後毛細管細静脈(post-capillary venule)の血管拡張が起こり、血流における変化(血流の減少)が起こる。その結果、血管内皮及び白血球の辺縁趨向(margination)、つまり、セレクチン(selectin)、及び、そのリガンドにより媒体されるプロセスが行われる。ここで、セレクチン、及び、そのリガンドには、炭化水素が大量に含まれている。
その活性化後、白血球は、転がり(rolling)を止めて、内皮に堅く付着(「接着」とも呼ぶ。)する。このことは、白血球に発現された(expressed)インテグリンβ1、及びβ2の、内皮(ICAM−1,ICAM−2,及び、VCAM−1)に発現された免疫グロブリンスーパーファミリに属する様々なタイプへの結合の結果である。最終的に、白血球は、根尖端部(apical area)における内皮細胞の間を移動して、血管外空間方向にある基底面(血管外遊出)に向かう。それに続く血管外組織を通しての内皮下の移動(sub-endothelial migration)は、ケモカインの勾配(gradient)、化学走性のケモカイン、及び、細胞外マトリックスとの接着的相互作用(adhesive interaction)などによる。最終的に、炎症病巣(inflammatory focus)において、白血球はその細胞毒作用(cytotoxic function)を増強させ、酸化剤(oxidizing agent)、たんぱく質分解酵素、及び、その他の産物(例えば、サイトカイン、及び、成長因子)を放出する。好酸球は、好中球とは違って、組織において長期間にわたって生存できるが、それは、微細環境に存在するサイトカインの量などによる。
このプロセスに関与するサイトカインについて、単核球、マクロファージ、活性化されたNK細胞、及び、T−リンパ球によって産生される親炎症性サイトカインTNF−αは、内皮細胞の接着分子(adhesive molecule)の発現を増加させ;マクロファージを刺激して、IL−1,IL−6,及び、IL−8などを産生させ;MHCクラスIの発現を増大させ;視床下部によるプロスタグランジン類の合成を増大させ;血漿アミロイドたんぱく質の産生の際に肝細胞に対して作用し;延髄(meculla)における細胞の分化(division)を抑え;(心筋収縮による)組織の還流(perfusion)を減らし;血管平滑筋の緊張(tonus)を和らげ;そして、血管内血栓症を進行させる。
マクロファージ、内皮細胞、及び、上皮細胞によって産生されるサイトカインIL−6は、Bリンパ球の分化、及び、T−リンパ球によるIL−2に合成を促し;プロスタグランジンの合成を増大させ;T及びBリンパ球の増殖を増加させ;マクロファージに作用して、IL−1,IL−6,TNF−,IL−8の合成を引き起こし;たんぱく質の急性相合成を促し;悪液質;そして、延髄における細胞の分化を増加させる。
マクロファージ、内皮細胞、及び、Tリンパ球によって産生されるサイトカインIL−6は、肝細胞に作用して、フィブリノーゲン、及び、活性化されたBリンパ球に対する成長因子を産生させ、そして、延髄における細胞の分化を増加させる。
これらの細胞及び組織における現象は、炎症が続いている間に、損傷部位に近傍における痛み、発熱、紅斑、浮腫、及び、機能喪失(loss of function)を特徴とする効果をもたらす。炎症のプロセスの制御・調節に失敗した場合、上皮、内皮、又は、筋肉細胞が破壊されるだけでなく、その影響を受けた臓器、又は、細胞レベルにおける機能不全が起こり得る。
例えば、喘息は、気管支収縮といった現象、及び、好酸性肺炎症(eosinophilic pulmonary inflammation)を特徴とする肺における慢性炎症性疾患である。急性相において、気管支収縮は、マスト細胞によって放出された薬理学的媒介物質によって引き起こされ、この表面にあるアレルゲン特異的IgE分子に対するアレルゲンの結合によって活性化され、そして、後期(late phase)気管支反応性は深刻な好酸性肺炎症に関連する。Tリンパ球、主にサブタイプTh2は、最大の効果を上げるように、遺伝子的に制御されたIL−4,IL−5,IL−9、及び、IL−13などといったサイトカインの産生によってこれらの反応を組織化(調整)する。
成熟した肺樹状細胞による抗原の提示は、アレルギー患者、又は、空気によって運ばれたアレルゲンに露出された動物に起こるTh2感作プロセス(Th2 sensitization)に基づくものである。
喘息における炎症の証拠は当初、死を招きそうな喘息を患っている患者の肺にT CD4+リンパ球、タイプTh2、マスト細胞、及び、マクロファージが大量蓄積されているという知見から導き出された。後期相の反応(late phase reaction)が起こっている喘息患者の気管支細胞の洗浄液を分析した結果、T CD4+リンパ球、及び、好酸球が増加していることが分かった。
活性化されたT CD4+細胞は、アレルギー性肺炎症反応(通常、Th2)の発生を担うサイトカイン(IL−4,IL−5,IL−9,及び、IL−13)の主な発生源である。このようなアレルギー性肺炎症反応は、多量のIgEの産生、及び、好酸性浸潤物(eosinophilic infiltrate)を特徴とする。好酸球は、サイトカイン、及び、ケモカインのような様々なファクタの作用に基づいて、肺のほうに集まっていく。ここで、ケモカイン、及び、サイトカインは、走化性を増強させ、血管内皮、及び、細胞表面における接着分子(adhesive molecule)の発現、活性化、及び、遊出(transmigration)を増加させる。
いったん活性化されると、好酸球は、その顆粒を放出する。この顆粒は、主に、基本たんぱく質、好酸球からの神経毒、好酸球からのカチオン性たんぱく質、及び、好酸球により産生されたペルオキシダーゼを含む。また、この顆粒は、寄生虫、及び、細菌に毒性を示すだけでなく、気管支平滑筋系(musculature)を直接刺激して、収縮を引き起こすと共に、コリン作動性媒介物質に対する反応性を増加させる。
以前に確立された肺炎症の理論によれば、好酸球は、親炎症性サイトカインの限局性産生に基づいて、反応を増幅し、新細胞を呼び寄せる(「補充する」とも呼ぶ。)ことができる。慢性好酸性炎症、及び、IgE抗体は、喘息の深刻さに直接関係するものとされていた。
喘息における慢性炎症は、肺の反応亢進(非特異的刺激に対する気管支収縮の程度が増加する。)、及び、空気路における構造変化を伴う。5才未満の子供における喘息の主な原因は、パラインフルエンザウイルス(PIV),シンシチウム呼吸性ウイルス(VSR)、ライノウイルス、及び、エンテロウイルスによって引き起こされたウイルス感染症である。
敏感な喘息患者は、エアロゾル形態のアレルゲンに露出されたときに、5〜10分以内に症状が現れる。このような喘息の即時相(immediate phase)では、以下の症状が見られる:気管支平滑筋系の収縮、限局性浮腫、上皮気管支腺による粘液分泌の増加、及び、細胞浸潤の微細な増加。これらの特徴は、ヒスタミン、プロスタグランジンD2(PGD2)、ロイコトリエンC4(LTC4)、血小板(PAF)、並びに、IgEアレルゲン−特異的抗体によって活性化されたマスト細胞によって放出されたサイトカインTNF−α,及び、IL−1のような媒介物質の作用をもって説明することができる。
疾病制御予防センターの国立健康統計センターの推測によれば(NCHS-CDC, 2005, Hyattsville, MD)、米国には約2220万人が喘息を患っており、そのうち650万人が18才未満である。米国だけで、毎日11人近くが喘息で生命を失っている。ブラジルにおいては、人口の約10%に喘息症状が見られ、毎年2500人が生命を失っている。ユニバーサルヘルスケアーシステム(SUS)に登録された4番目の死亡原因となっている。喘息患者のうち60%では、その制御が困難である。
現に、炎症及び喘息の治療には、2つのカテゴリの薬剤が用いられる:
1)迅速に作用するβ2アゴニスト;4級アンモニウム抗コリン薬であり臭化イプラトロピウム;及び、細気管支の平滑筋を弛緩させるキサンチン誘導体であるアミノフィリンで代表される、急性症候(喘息患者の60%)を改善するための薬剤、及び
2)吸入投与される全身性コスチコステロイドで代表される、喘息の症候を予防するために用いられるメンテナンス薬。
しかしながら、これらの薬剤の使用(特に、長期にわたっての、又は、繰り返しての使用)は、それらの非特異的作用、及び、その結果起こる副作用に起因して、限られているのが現状である。さらに、現に使用されている抗炎症剤では、喘息にかかわる肺機能不全を有意に防ぐことができない。
副作用のリスクを最小化することができる炎症治療剤、及び、より特異的薬剤が現在に至るまでに盛んに研究がなされている。以下にいくつかの例を挙げる。
特許出願WO03/070194は、α−アミノ酸を有するコルチコステロイドをエステル化し、それにより、特に吸入によって、鼻炎や喘息の治療に有用なプロドラック、並びに、局所投与によって、炎症の治療に有用なプロドラックとして機能させることが記載されている。しかしながら、上記提案された治療法は依然としてコルチコステロイドに依存するので、それらのプロドラックによってもたらされる利点は明確でない。
特許公開公報WO2004/068928の明細書には、カエル(Bombina maxima)の皮膚の防衛的な分泌液から単離されたペプチドが記載されている。このペプチドは、心血管疾病、炎症、喘息、アレルギー性鼻炎、痛み、血管新生といったブラジキニンに関連した疾病を治療、及び/または、予防するために用いられるB2ブラジキニン受容体のアゴニストである。
その他の特許文献として、US2003/0152564には、インビトロにおいて白血球エラスターゼ(leucocitary elastase)、及び/または、ヒトカテプシンGを阻害することができるヒトC−反応性たんぱく質の配列のうち第62〜71番の位置に相当するペプチドが記載されている。これらのペプチドは、リウマチ関節炎、肺気腫、膵臓繊維症、気管支炎、喘息のような慢性炎症状態、及び、呼吸障害といったその他の急性症候群の治療にかかわる可能性が示唆された。
特許公開公報US2007/0123455には、ヒトたんぱく質S100A8,及び/又は、S100A9を含む組成物が記載されている。この組成物は、アレルギー、喘息、アテローム硬化、自己免疫疾病、感染などの炎症を治療するのに適している。
米国特許US5,290、762には、1種以上のセリンプロテアーゼの阻害剤を所定量だけ損傷箇所に投与することを含む患者における炎症性疾病の治療、及び、予防方法が記載されている。この特許文献のクレームには、セリンプロテアーゼとして、白血球プロテアーゼ、C−反応性たんぱく質、血清アミロイドたんぱく質A、アルファ−2−マクログロブリン、又は、アルファ−2−抗プラスミンの分泌阻害剤が記載されている。
炎症の治療にセリンプロテアーゼの阻害が関与していることは広く研究されている。例えば、ヒトトリプターゼは、鼻炎、結膜炎、及び、喘息といった一連のアレルギーの、及び、炎症の病状(pathology)の媒介物質である。したがって、このようなセリンプロテアーゼ阻害剤は、アレルギー性疾病や呼吸疾病の治療に効果的に使うことができるだろう。
セリンプロテアーゼのうち、最も研究されているのは、バウマン(Bowman)の文献[Proc. Soc. Expd. Med. 1946 63:547]、及び、ビルク(Birk)らの文献[Bull. Res. Council Israel, Sec A 1962 11:48; Biochem. Biophys. Acta 1963 67:326]に記載されたペプチドである。ここで、BBIという名称は、バウマン−ビルク阻害剤(Bowman Birk Inhibitor)に由来する。このBBIは、双子葉類、及び、単子葉植物に大量に存在する物質である。これらのうち、いわゆるSFTI−1(sunflower trypsin inhibitor-1)が注目されている。この阻害剤は、14個のアミノ酸からなる2環状ペプチドであり、現に知られているBBI類のうち最も小さくて最も強力な天然BBIである。SFTI−1は、病原体、及び、昆虫に耐性を有するトランスジェニック植物に用いられてきたが、腫瘍、デング熱、並びに、その他の炎症及びアレルギー性疾病の予防にも用いることもできるとされている。
植物によって産生され得る薬理学的活性ペプチドに加えて、動物によって産生された物質、例えば、毒液(「毒素」とも呼ぶ。)がまた研究されている。動物の毒液は、特異的、かつ、選択的に標的に届き、生理的反応を阻害、又は、刺激することができる天然の分子と考えることができる。
特に、ナテリン(natterine)と呼ばれるたんぱく質が注目されている。このナテリンは、ブラジルで発見された魚(Thalassophryne nattereri)の毒液から単離されたものである。これらのたんぱく質は、約38kDaの分子量を有する毒素科(family of toxin)を形成する。これらの配列は互いに高度の相同性を有し、かつ、浮腫、及び、痛覚のような数え切れない生物学的活動を誘発することができる。
このナテリン類を出発点として用いる場合に、ボウマン−ビルクペプチド(Bowman-Birk peptide)に構造的に類似しているが、公知の天然毒液の精製によっては得られないアミノ酸の配列が見つかった。ナテリン類からこのようなアミノ酸を単離するという試みは、ほぼ挫折されていた。なぜならば、極小量の不純なペプチド断片を得るのに時間と手間が非常にかかるからである。しかも、このように得られたペプチド断片は、正確に言うと、本願発明が目的とするペプチドに相当するものではない。これは、これらのペプチドの産業上利用可能な生産を妨げる主な原因となっていた。
WO03/070194 WO2004/068928 US2003/0152564 US5、290、762 US2007/0123455
本発明は、その主たる構造(即ち、一次構造)において、13個のL−アミノ酸の配列を有し、抗炎症、及び、抗アレルギー効果を示す合成環状(サイクリック)ペプチドに関する。このような合成サイクリックペプチドは、急性又は慢性アレルギー性喘息、及び/又は、急性、又は、慢性炎症、及び/又は、アレルギーを治療するのに有用である。本発明は、前記ペプチドを含む医薬組成物、その使用、及び、急性、及び/又は、慢性炎症、及び/又は、アレルギー疾患の治療又は予防方法に関する。
本発明は、その1次構造において13個のL−アミノ酸の配列を有する、人工ペプチド合成法によって得られた環状ペプチドに関する。この配列において、システインアミノ酸は、ペプチド鎖の第4番、及び、第13番位置に存在し、そして、リシンアミノ酸は、ペプチド鎖の第11番位置に存在している。この配列は、第4番及び第13番のシステイン残基にあるチオール基間のジスルフィド結合(disulfide bridge)によって環状ペプチドを形成することを特徴とする。前記合成環状ペプチドは、抗炎症、及び、抗アレルギー活性を有し、特に、急性、及び/又は、慢性喘息の治療に使用され得る。
本発明の合成環状ペプチドは、抗炎症、及び、抗アレルギー活性を有し、特に、急性、及び/又は、慢性喘息の治療に使用され得る。本発明に係る配列番号1,2,3,4,5,6,7,8、及び、9の環状ペプチドを単独で、又は、組み合わせられた形態(これらのペプチドのうち2以上のペプチドを含む。)で哺乳類に投与することによって、喘息(特に、気管支喘息)、鼻炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、免疫系における機能不全、免疫応答の際のリンパ球の機能不全、腫瘍、細胞接着、及び/又は、寄生虫性疾病の発症(発現)のような急性又は慢性の炎症、及び/又は、アレルギー性疾患を治療又は予防することができる。
図1は、トリプシンの触媒活動による基質Abz-FRSSRQ-EDDnpの加水分解に対して得たミハエリス‐メンテン式である。 図2は、微小循環においてLPSによって誘発された白血球の転がり(leucocyte rolling)に対し、様々なタイプの配列が及ぼす影響を示したものである。LPSグループに対して、* p < 0.05であった。 図3は、微小循環においてLPS(リポ多糖類)によって誘発された白血球の転がりに対し、配列番号7、及び、ModLys/Alaにおける必修アミノ酸における変化(change)が及ぼす影響を示すものである。LPSグループに対して、* p < 0.05であった。 図4は、LPSによって誘発された腹腔炎を配列番号7によって予防することを示すものである。マウスに対し、配列番号7(4又は40nM)を腹腔内投与してから30分後にLPS(10 (g/mL)を投与した。この図は、24時間後腹腔を洗浄したときの総細胞数(A),好中球の数(B)、及び、マクロファージの数(C)を示す。この結果を、平均値±SEMで表した。LPSグループに対して、* p < 0.05であった。 急性喘息の場合に、気管支肺胞(brochoalveolar lavage)における白血球、及び、好酸球の補充(recruitment)に対する配列番号7の影響を示すものである。マウスの気管支肺胞を利用して、総細胞数(A)、及び、好酸球の数(B)を計数した。この結果を、6匹の動物/グループの平均値±SEMで表した。喘息グループに対して、* p < 0.001であった。 図6は、慢性喘息の場合に、気管支肺胞における白血球、及び、好酸球の補充に対する配列番号7の影響を示すものである。マウスの気管支肺胞を利用して、総細胞数(A)、及び、好酸球の数(B)を計数した。この結果は、6匹の動物/グループの平均値±SEMで表した。喘息グループに対して、* p < 0.001であった。
本発明は、一次構造において、13個のL−アミノ酸からなる配列を有する合成環状ペプチドに関する。このペプチドは、ペプチドの一方の末端、又は、両方の末端にある化学的保護基(chemical protecting group)を有することが好ましい。このペプチドは、抗炎症、及び、抗アレルギー活性を示す。
本発明のペプチドは、ペプチド鎖の第4番、及び、第13番にシステイン(cysteine)を、そして、ペプチド鎖の第11番にリシン(lysine)を有することが好ましい。
さらに、本発明に含まれるペプチドは、その塩基配列の第1番アミノ酸としてバリン(valine)、ロイシン(leucine)、又は、イソロイシン(isoleucine)、或いは、その他の疎水性の中性アミノ酸を有する。
さらに、本発明に含まれるペプチドは、その塩基配列の第3番にアルギニン(arginine)、グルタミン(glutamine)、又は、その他の親水性の極性アミノ酸を有することが好ましい。これらのアミノ酸は正電荷(positive charge)を有し得る。
さらに、本発明に含まれるペプチドは、その塩基配列の第5番にアルギニン(arginine)、トレオニン(threonine)、セリン(serine)、アスパラギン酸(aspartate)、又は、その他の親水性の極性アミノ酸を有することが好ましい。
さらに、本発明に含まれるペプチドは、その塩基配列の第7番に、メチオニン(methionine)、イソロイシン(isoleucine)、ロイシン(leucine)、又は、その他の親水性の中性アミノ酸を有することが好ましい。
さらに、本発明に含まれるペプチドは、その塩基配列の第9番にグリシン(glycine)、又は、アスパラギン酸塩(aspartate)を有することが好ましい。
特に、本発明のペプチドは、第4番及びだい13番のシステイン残基にあるチオール基間に形成されたジスルフィド結合(よって、環状ペプチドを形成する)を含むことを特徴とする。
ペプチド分子の化学的保護(chemical protection)は、ペプチドのカルボキシ末端、または、ペプチドのアミノ末端に対し、化学的保護基を付加することによって行うことができる。その他、分子の両末端を保護することも可能である。分子の保護は、本発明のペプチドの第13番に存在するアミノ酸(即ち、システイン)のカルボキシル基のアミド化、又は、ペプチド鎖の第1番にあるアミノ酸残基のアセチル化、又は、アミノ末端、および、カルボキシ末端(両方)の保護によって行うことが好ましい。
本発明の実施例によれば、ペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、及び9で同定されるアミノ酸の配列を特徴とする。また、本発明の技術的範囲には、前記配列の誘導体(derivative)、相同体(homologue)、類似体(analogue)、及び/又は、模倣体(mimetic)も含まれる。
本発明の技術的範囲には、前記ペプチドにおけるアミノ酸配列の置換(substitution)、欠失(deletion)、又は、変更(modification)も含まれる。なぜならば、かかる事項は、ここに記載されたペプチドから当業者にとって自明だからである。
このような変更(「改質」又は「修飾」とも呼ぶ。)の非制限的例として、ヒドロキシプロリン(hydroxyproline)によるプロリン(proline)残基の個別的(individual)、交互の(alternate)、又は、組み合わせられた置換(combined substitution);酸化型メチオニン(oxidized form of methionine)によるメチオニン(methionine)残基の個別的、交互の、又は、組み合わせられた置換、及び、D−アミノ酸によるL−アミノ酸の個別的、交互の、又は、組み合わせられた置換がある。
また、本発明の技術的範囲には、その塩基配列において、ここに記載したアミノ酸の配列を含むより大きいペプチドも含まれる。同様に、前述したように、第1、2、及び3番のアミノ酸が欠失したペプチドであっても、第4〜13番のアミノ酸からなる環状構造がそのまま維持される限り、当該ペプチドは本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に含まれる環状ペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上を含む。)で、実験室でテストされた哺乳類において、白血球の接着(adhesion)、及び、転がり(rolling)を阻害する活性を示す。白血球の接着、及び、転がりを阻害する以外に、本発明の一実施例に係るペプチドで治療を行ったときに、炎症剤(inflammatory agent)LPS(リポ多糖類)を注射した実験用哺乳類の腹腔(peritoneal cavity)において、白血球、特に、好中球、及び、マクロファージの補充(recruiting)が減少され、かつ、妨げられる。
マウスの急性喘息を発現させるオバルブミン(OVA)で免疫化された(challenged)哺乳類において、本発明に係る環状ペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上を含む。)で筋肉内、鼻腔内、および、経口投与されたときに、肺胞に向かって総白血球数(total number of leukocyte)の補充を阻害することができた。このような減少(即ち、白血球の補充が妨げること)は、特に気管支肺胞における好酸球の不在を特徴とする。
本発明に係る環状ペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上のペプチドを含む。)で、肺胞に補充される総白血球数を減らすことができる。また、動物における慢性喘息の発症(発現)に係る従来の実験型(conventional experimental model)において、好酸球が減少された。
これまで関連した特徴に照らせば、本発明に係る環状ペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上のペプチドを含む。)で、哺乳類における関節炎、免疫系における不全、免疫応答の際のリンパ球の機能不全、腫瘍、細胞接着、及び/又は、寄生虫性疾病の発症(発現)のような病理学的症状又は症候のほか、喘息、気管支炎、関節炎、及び、皮膚炎のような、好酸球の内向き流(influx)が見られる炎症症候、病理学的アレルギー症候を阻害することができる。喘息に対して得られた結果を、デキサメサゾン(dexamethasone)を用いる従来の療法に比較してみると、本発明に係るペプチドは、それと同等な効果を有することが分かった。
さらに、本発明の環状ペプチドは、トリプシンによる消化に耐性を有することが分かった。したがって、本発明に係る環状ペプチドは、経口投与され得る。本発明に係るペプチドは、経口投与に限られず、例えば、鼻腔内、筋肉内、及び、静脈内投与され得る。
酵素トリプシンの作用に耐性を示すほか、本発明に係るペプチドはまたトリプシンのたんぱく質分解作用を阻害することができる。それをKiで表した場合、その範囲は、20〜63.6nMである。本発明に係るペプチドのこのような特性に基づいて、(トリプシンがセリンプロテアーゼ類を代表する重要な酵素であるとすれば)これらのペプチドは、セリンプロテアーゼ(serine protease)の阻害剤に分類することができる。ヒトトリプターゼがマスト細胞(トリプシンに非常に類似している。)に見られるセリンプロテアーゼであること、及び、その阻害が呼吸性疾患、及び、アレルギー性疾患の治療に効果的であることから、前述した本発明にかかるペプチドの立証された活性が、セリンプロテアーゼの阻害に関連する可能性が示唆される。
本発明に係るペプチドは、マクロファージに対しては何ら細胞毒効果(cytotoxic effect)を有しないし、実験動物の精巣挙筋(cremaster muscle)における筋繊維、又は、微小循環に対しても何ら悪影響を及ぼさない。
さらに、本発明に係るペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態で、免疫源性(immunogenicity)を示さない。それは、特異的抗体の合成を誘発しないし、(これまでに)死を招く症例もまったくなかったからだ。
本発明の一実施例によれば、環状ペプチド、配列番号1,2,3,4,5,6,7,8、及び、9はペプチドの合成に関して周知の技術を用いて得ることができる。このような周知技術の例を挙げると、固相、または、液相における古典的な化学合成、酵素合成、または、組み換えDNAを用いる手法などがある。
本発明の環状ペプチドの化学合成は、固相において行われることが好ましい。反応に存在するアルファ−アミノ基を保護するためには、FMOC(9-Fluorenylmethoxycarbonyl)手法を用いることが好ましい。
合成ペプチドの精製は、当業者によく知られているクロマトグラフィー技術を用いて行うことができる。液相クロマトグラフィーを用い、そして、ペプチドの純度及び同一性(同定)は質量分析によって確認することが好ましい。
前述の通りペプチドを合成・精製した後、ジスルフィド結合をそれぞれのペプチドに導入する必要がある。ジスルフィド結合は、かかるペプチドにおける第4番、及び、第13番のシステイン残基の間に形成される。具体的に、空中での還元(reduction in air)によって、例えば、ジスルフィド結合が完全に形成されるまで、攪拌しながら0.01〜0.5Mの重炭酸アンモニウム溶液に前記ペプチドを0.05〜0.15mg/ml(の濃度)で溶かすことによって行う。ペプチドは、凍結乾燥によって分離(単離)され、分取液体クロマトグラフィーによって精製され得る。
本発明に係る別の実施例は、希釈剤(diluent)、賦形剤(excipient)、又は、医薬的に許容される溶媒(solvent)から選ばれた1以上の媒体に、配列番号1,2,3,4,5,6,7,8、及び、9のペプチド、その誘導体、相同体、類似体、および/又は、模倣体を含有する医薬組成物に関する。この医薬組成物において、前記ペプチドは、医薬的に許容される塩の形態であっても良い。また、前記ペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上のペプチドを含む。)であり得る。
本発明の更なる別の実施例は、配列番号1,2,3,4,5,6,7,8、及び、9の環状ペプチドを単独で、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上のペプチドを含む。)で、又は、それを含む医薬組成物の形態で哺乳類に投与することによる、例えば、喘息(特に、気管支喘息)、鼻炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、免疫系における機能不全、免疫応答の際のリンパ球の機能不全、腫瘍、細胞接着、及び/又は、寄生虫性疾病の発症(発現)のような急性又は慢性の炎症性、及び/又は、アレルギー性疾患の治療又は予防方法である。
本発明の更なる別の実施例は、配列番号1,2,3,4,5,6,7,8、及び、9の環状ペプチドを単独で、又は、組み合わせられた形態(前記ペプチドのうち2以上のペプチドを含む。)で、例えば、哺乳類における喘息(特に、気管支喘息)、鼻炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、免疫系における機能不全、免疫応答の際のリンパ球の機能不全、腫瘍、細胞接着、及び/又は、寄生虫性疾病の発症(発現)のような急性又は慢性の炎症性、及び/又は、アレルギー性疾患の治療又は予防に使用される医薬の製造に用いること(つまり、医薬の製造における使用)である。この実施例によれば、本発明の合成環状ペプチドは、単独で、又は、組み合わせられた形態で使用することによって、哺乳類におけるアレルギー性状態、及び/又は、炎症状態の発症(development)を阻害することができるプロドラック、又は、医薬(薬剤)を得ることができる。
本発明の環状ペプチド、又は、それを含む医薬組成物は、例えば、筋肉内、鼻腔内、静脈内、又は、経口投与され得る。これらのうち経口投与のほうがより好ましい。
以下の実施例は、あくまでも本発明に係るいくつかの実施形態を具体的に説明するために示したものであり、それに基づいて本願発明の技術的範囲を限定解釈することはできないものと解する。
トリプシンの阻害
配列番号1を用いたトリプシンの阻害についての研究を行い、図1に示したような,簡単な競合阻害(competitive inhibition)を得ると共に、10μMないし 0.1 nMのKi値を得た。基質として、純度が95%(単一ピーク)超となるまでに、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製したブラジキニンの蛍光性類似体(fluorescent analog)、Abz-Phe-Arg-Ser-Ser-Arg-Gln-EDDnpが用いられた。
テスト
a)Km and kcatを決定するための酵素反応
基質溶液の濃度は、トリプシンによる完全な加水分解後に形成された産物Abzに対し蛍光定量分析を行うことによって、決定した。加水分解反応は、日立製のF−2000蛍光光度計によって行われた。ここで、励起(excitation)、及び、発光スリット(emission slit)は、それぞれ10nm、及び20nmに設定され、そして、励起、及び、発光波長はそれぞれ320nm、及び、420nmに設定された。反応キュベット(cuvette)の温度は、サーモスタットで調節されたコンパートメントにおいて37℃で維持された。
トリプシン(0.5〜5nm)の酵素活性は、50mMのTris−HCCl緩衝液(pH8.0)で測定された。前記Tris−HCl緩衝液は、37℃で20mNのNaClを含有していた。蛍光光度系において、蛍光の増加が5分間続いた。必要に応じて、文献[Araujo et. al., Biochemistry 25; 8519, 2000]に記載された経験的方程式(empiric equation)を用いて、蛍光読みの修正を行った。最初の加水分解(基質消費(量)は10%未満である。)から動力学的データ(kinetic data)を決定(測定)した。また、ウインドー3.0プログラムに対するGRAFITによって遂行されたミハエリス‐メンテン式を用いて、動力学的パラメータ(Km、Vmax、及びkcat)に関連した計算を行った。
b)阻害常数(Ki)の測定
本発明のペプチドを用いてトリプシンの阻害動力学(inhibition kinetics)を決定(測定)するために、以下のような3つの異なる基質濃度を用いた:a) Km値の半分に当たる濃度(0.8 μM); b) Km値に当たる濃度(1.6 μM);及び c) Km値の2倍を若干超える濃度(3.5 μM). 濃度3.0nmの酵素を用い、各基質の濃度を異ならせることに加えて、3つの異なる濃度(10nM,100nM、及び、1μM)の阻害剤(配列番号1〜9)を用いた。ここで、基質の消費(量)は、最初の濃度の10%未満であった。37℃のTris−HCl緩衝液(pH8.0、37℃で20mMのNaClを含有する。)でインキュベートを行った。酵素阻害の特性付けのために、ラインウィーバァー-ブルクプロット(lineweaver-burk plot)を用いた(1/V対1/S)。また、見掛け阻害常数(Ki(app))と、基質のKm値との関係からKi値を決定することができた。
Figure 0005635771
ここで、[I]は阻害剤の濃度(inhibitor concentration)で;(v0/vi)は阻害剤の存在、及び、不在下における加水分解速度の比(率)である。Km/[S]は、基質のKmと基質の濃度間の比(率)である。
その結果を以下の表1に示す。
Figure 0005635771
インビボにおける白血球の接着及び転がりの阻害
a)本発明のペプチドに対する白血球の転がり(rolling)
白血球の接着及び転がりを証明するためのテストは、マウス(3匹/グループ)を対象に行った。マウスを、ペンとバルビタールナトリウム(HypnolR, 50 mg/Kg)で麻酔させ、温度調節されたプレート(37℃)においた。陰嚢(scrotal sac)に対し外科手術を行い、挙睾筋(cremaster muscle)を露出させた。その挙睾筋を前記プレートの透明な領域を囲むように(around)固定させた。これを、局所微小循環(local microcirculation)のインビボ視覚化(in vivo visualization)を可能にするために、光学顕微鏡のキャリオット(chariot)上に載せた。0.15MのPBS(燐酸塩緩衝液)で灌注(irrigation)することによって、暖かくて湿っている状態を保持した。濃度1μg/mLの炎症剤LPS(リポ多糖類)を20μLとなるように希釈し、その希釈した炎症剤を前記挙睾筋に局所的に塗布(適用)した。後毛細血管静脈(post-capillary venule)の特徴(aspect)を、LPS(リポ多糖類)の塗布前後に登録しておいた。LPSを塗布してから15分後、ペプチド(配列番号1〜9)(1μM)を局所塗布した。その後30分間にわたって、前及び後毛細血管静脈(pre and post capillary venule)、細動脈(arteriole)、筋繊維における変化を観察した。白血球における転がり、確実な接着、及び、後毛細血管静脈における漏れ(直径20〜40μm)が見られ、そして、それを10分間1分単位で定量化された。移住(transmigration)は、100μm程度のセグメント上に存在する血管外の組織における白血球の数として定義される。挙睾(cremaster)の微小循環は、スペランジノ(Sperandio)らの文献[J. Exp. Med., 19; 197(10): 1355-1363, 2003]に記載されたような生体内蛍光顕微鏡(ドイツのカルゼリスに所在するアクシオイメゼルエイ・アイ社製)を用いる落射法(epi−illumination)によって分析された。
テストされたペプチドによって、マウスの挙睾筋の後毛細血管静脈における白血球の転がりが50〜90%まで減少された。その結果を図2に示す。
b)改質されたペプチド(modified peptide)を使用したときの白血球の転がり:第1、2、及び、3番のアミノ酸の欠失
次のように第1,2、及び3番のアミノ酸を除去した改質ペプチド(modified peptide)(Mod-3)(表2参照)を用いて上記テストを繰り返し行った。
Figure 0005635771
この改質は、本発明のペプチドの抗炎症活性に、第4番及び第13番のシステイン残基に存在するチオール基間におけるジスルフィド結合から得られた環状構造が必要であるかどうかを知るために行ったものである。前記アミノ酸が除去されたペプチドは、図2に示した通り、本発明に記載したペプチドに比べても、白血球の転がりに関する阻害活性を維持していた。
c)本発明のペプチドの活性に対する第11番のリシン(Lys)置換の効果
本発明のペプチドの活性におけるLys11残基の必要性を知るために、本発明のペプチドのうち1つのペプチドの第11番アミノ酸であるリシンをアラニンに置き換えた改質ペプチド(ModLys/Ala、以下の表を参照)を対象にし、実施例2と同様の白血球の転がりテストを繰り返し行った。
Figure 0005635771
改質ペプチド(ModLys/Ala)は、配列番号7のペプチドに比べて、白血球の転がりを効果的に阻害することができなかった。その結果を図3に示した。その結果から、Lys11の存在は薬理的効果を維持するに重要であることが分かった。
LPSによって誘発された腹膜炎の予防
滅菌食塩水500μLに溶かした配列番号7で同定されたペプチド4nmol又は40nmolの溶液をマウスの腹腔内に注射した。それから30分後、滅菌食塩水500μLで希釈したLPS(O55:BR 20 (g/mL, Sigma社製)をマウスに腹腔内投与した。食塩水だけを注射した動物を対照群とみなした。LPSを注射してから24時間後、高容量の抱水クローラルで動物を致死させ、腹腔の洗浄液(washing)を得た。その洗浄液に含まれた(A)細胞数、(B)好中球の数、及び、(C)マクロファージの数を数えた。腹膜(peritoneum)から除去された物質を4℃にて1500rpmで遠心分離を行った。上清(supernatant)を分離し、今後の分析のために−20℃で凍結させた。細胞を含有する残留物質をPBS0.1%BSAに再び懸濁させた。ノイバウアー(Neubauer)チャンバで計数(total count)を行った。白血球百分率(differential count)のために、細胞の縣濁液のアリコート(aliquot)をスライド上に載せて、遠心分離(Citospin)を行い、ヘマ(Hema)3で染色し、そして、光学顕微鏡下での観察を行った。その結果、総細胞数は300個であった。各細胞集団の絶対数(absolute number)は、サンプル体積(sample volume)において見つかった総細胞数に前記百分率をかけることによって求めた。
テストされた双方ペプチド濃度(4nmol、及び、40nmol)において、LPSを注射したマウスの腹腔における白血球の補充(recruitment)が50%近く妨げられた。図4に示したように、前記ペプチドが、好中球、及び、マクロファージの補充を防止することが分かった。
急性及び慢性アレルギー性肺反応(疾患)、並びに、炎症反応の阻害7週齢のオスBALB/cマウスにおいて急性肺喘息を誘発させた。前記マウスに対しては、0日、及び7日において、水酸化アルミニウム1.6mg上に吸着させた1%オバルブミン(OVA等級V,10μg、シグマ社製)で免疫化させた。14日後、前記動物に週3回、1%OVAエアロゾルを抗原投与(challenge)した。免疫化された動物、及び、PBS(燐酸塩緩衝液)だけを抗原投与した動物を対照群とみなした。慢性喘息を誘発するために、前記動物に対し3週間続けて(週3回)抗原投与行った。エアロゾル抗原投与(aerosol challenge)を行うために、超音波ネブライザで適合された閉プラスチックボックス(closed plastic box)内に動物を入れて、食塩水に溶かしたオバルブミン(等級V、シグマ社製)の1%溶液2mLを約20分かけて吸入させた。最終的にエアロゾル抗原投与を行ってから24時間後、高容量の抱水クローラルで動物を致死させ、抹消血、気管支肺胞洗浄液(Broncho-Alveolar Lavage;BAL)、及び、肺組織を得た。それらから、好酸球、及び、白血球の総数を数えた。
動物のグループに対し、各抗原投与に先立って(30分前)、配列番号7で同定されたペプチド4nmol又は40nmolを鼻腔内、及び、腹腔内投与し、そして、各抗原投与に先立って(1時間前)経口投与した。慢性喘息を患う動物のグループに対し、各抗原投与に先立って(30分前)配列番号7のペプチド4nmol又は40nmolを腹腔投与した。
BALを得るために、両方のグループの動物(OVA処理されたグループ、又は、コントロール)を10%抱水クローラルで致死させ、血液を除去し、そして、気管にカニューレを設置した。大気空間(aerial space)をHBSS(ハンクス液)+EDTA(エチレンジアミン4酢酸)からなる1mLのアリコートで3回洗浄した。収集が終わったら直ちに、BALに対し800rpmでの遠心分離(10分間)を行った。上清を捨て、細胞のボタン(button)を1mLのHBSS+0.1%BSA(ウシ血清アルブミン)に再び懸濁させて、細胞を計数した。ノイバウアーチャンバで計数を行った。細胞数5 x 105を含むアリコートを、細胞遠心分離機を用いて、ガラススライド上で遠心分離(5h準、600rpm)を行った。異なる細胞集団の百分率を決定するために、前記スライドをヘマ(Hema)3で染色すると、ランダムに選択された領域において300個の細胞が存在していた。各細胞集団の絶対数は、サンプル体積(sample volume)において見つかった総細胞数に前記百分率をかけることによって求めた。
急性喘息を示す動物に対し、テストされるペプチド4nmol又は40nmolを、すべての投与経路で投与することによって、肺胞腔に補充される総白血球数における減少が見られた。この減少は、好酸球の不在を特徴とするものであった(図5参照)。肺への細胞の補充に対してのテストされたペプチドの効果(影響)は、0.3mg/Kgのデキサメタソンを経口投与したときに得られる効果に匹敵するものであった。
慢性喘息を示す動物に対し、テストされるペプチド4nmol又は40nmolを腹腔内投与することによって、肺胞腔に補充される総白血球数における減少、及び、好酸球における減少が見られた(図6参照)。肺への細胞の補充に対してのテストされたペプチドの効果(影響)は、0.3mg/Kgのデキサメタソンを経口投与したときに得られる効果に匹敵するものであった。

Claims (9)

  1. 13個のアミノ酸からなる抗炎症性、及び/又は、抗アレルギー性合成環状ペプチドであって、
    第4番、及び、第13番にシステインを有し、
    第1番にバリン、ロイシン、又は、イソロイシンを有し、
    第3番にアルギニン、又は、グルタミンを有し、
    第5番にアルギニン、トレオニン、セリン、又は、アスパラギン酸塩を有し、
    第7番にメチオニン、又は、イソロイシンを有し、
    第9番にグリシン、又は、アスパラギン酸塩を有し、
    第11番にリシンを有し、そして、
    前記第4番及び前記13番のシステイン残基間のジスルフィド結合によって前記環状の構造が形成されている
    ことを特徴とする合成環状ペプチド。
  2. 13個のアミノ酸からなる抗炎症性、及び/又は、抗アレルギー性合成環状ペプチドで
    あって、
    第4番、及び、第13番にシステインを有し、
    第11番にリシンを有し、
    前記第4番及び前記13番のシステイン残基間のジスルフィド結合によって前記環状の
    構造が形成され、そして、
    以下に示す配列からなる群から選ばれるアミノ酸配列を有する
    ことを特徴とする合成環状ペプチド:
    Ile1-Pro2-Arg3-Cys4-Arg5-Lys6-Met7-Pro8-Gly9-Val10-Lys11-Met12-Cys13(配列番号
    1);
    Val1-Glu2-Gln3-Cys4-Thr5-Ile6-Ile7-Gly8-Asp9-Glu10-Lys11-Asp12-Cys13(配列番号
    2);
    Val1-Glu2-Gln3-Cys4-Thr5-Ile6-Ile7-Gly8-Asp9-Ala10-Lys11-Asp12-Cys13(配列番号
    3);
    Val1-Gln2-Gln3-Cys4-Ser5-Glu6-Ile7-Ala8-Gly9-Ala10-Lys11-Pro12-Cys13(配列番号
    4);
    Leu1-His2-Arg3-Cys4-Asp5-Lys6-Ile7-Ala8-Asp9-Ala10-Lys11-Pro12-Cys13(配列番号
    5);
    Ile1-Pro2-Arg3-Cys4-Arg5-Ala6-Met7-Pro8-Gly9-Val10-Lys11-Met12-Cys13(配列番号
    6);
    Ile1-Pro2-Arg3-Cys4-Arg5-Lys6-Met7-Pro8-Gly9-Val10-Lys11-Met12-Cys13NH2(配列番
    号7);
    Ac-Ile1-Pro2-Arg3-Cys4-Arg5-Lys6-Met7-Pro8-Gly9-Val10-Lys11-Met12-Cys13(配列番
    );及び、
    Ac-Ile1-Pro2-Arg3-Cys4-Arg5-Lys6-Met7-Pro8-Gly9-Val10-Lys11-Met12-Cys13NH2(配
    列番号9)。
  3. 前記プロリン残基が、ヒドロキシプロリン残基によって置き換えられていることを特徴
    とする請求項2に記載の合成環状ペプチド。
  4. 前記メチオニン残基が、酸化型メチオニン残基によって置き換えられていることを特徴
    とする請求項2に記載の合成環状ペプチド。
  5. 前記ペプチドが、抗喘息性を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成
    環状ペプチド。
  6. 前記ペプチドが、トリプシンの阻害剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    合成環状ペプチド。
  7. 急性、及び/又は、慢性の炎症性、及び/又は、アレルギー性疾患を治療するのに有効
    量の請求項1又は2に記載のペプチド、又は、2以上の前記ペプチドからなる組み合わせ
    、或いは、医薬的に許容されるそれらの塩、及び、1以上の医薬的に許容される賦形剤を
    含有することを特徴とする医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物が、経口投与、鼻腔内投与、筋肉内投与、又は、静脈内投与用に供され
    るものであることを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 喘息、鼻炎、関節炎、及び、アトピー性皮膚炎からなる群から選択される、急性、及び
    /又は、慢性の炎症、及び/又は、アレルギー性疾患の治療又は予防に使用される医薬の
    製造のための請求項1又は2に記載のペプチドの使用。
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