JP5634208B2 - Atc装置を備えた工作機械の工具脱着機構 - Google Patents

Atc装置を備えた工作機械の工具脱着機構 Download PDF

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本発明は、オートツールチェンジャ(ATC装置)を備えた工作機械に係り、特に、その工具脱着機構に関するものである。
従来、この種の機構として油圧シリンダを駆動して工具ホルダのクランプ・アンクランプ動作を行うものが知られている(特許文献1,2)。特許文献1の装置は、図8(A)に示す様に、主軸と同軸に備えた油圧シリンダによって中空主軸内に挿通されたドローバーを前後動させる構成となっている。特許文献2の装置は、図8(B)に示す様に、油圧シリンダを主軸と平行に側方へシフトさせ、揺動レバーと受け部材とを備えたものとなっている。
また、ドローバーの前後動をエアシリンダで実行する様にしたものも知られている(特許文献3〜5)。特許文献3の装置は、図9(A)に示す様に、エアシリンダと、円筒カムと、端面カムとを備え、エアシリンダを駆動して円筒カムを回転させ、端面カムの作用によってドローバーを前後動させる構成となっている。特許文献4の装置は、図9(B)に示す様に、クサビ駆動装置及びクサビ係合部を設けることでドローバー駆動装置もエアシリンダとしている。特許文献5の装置は、図9(C)に示す様に、てこ部を設けることでドローバー駆動装置をエアシリンダとしている。
また、主軸の後退動作を利用してドローバーを押し出す様にしたものも知られている(特許文献6〜8)。特許文献6は、図10(A)に示す様に、主軸頭のW軸のストロークを利用して、ドローバーの上端をW軸ベース上部の当接部と係合させ、ドローバーを押し下げ、工具のアンクランプを行なわせるようにしている。特許文献7の装置は、図10(B)に示す様に、主軸ヘッドの上昇移動経路中に設置された板カムにアンクランプレバーを乗り上げさせてドローバーを押し出す様にしている。特許文献8の装置は、図10(C)に示す様に、特許文献7の装置と同様であるが、プッシュロッドを介してアンクランプレバーを動作させる様にしている。
特開昭62−130145(第4図) 実公平7−1210(第1図) 特公平7−36961(第1図) 特開2004−202659(図1,2,4,5) 特開2004−216536(図1〜3) 特開平5−277812(図1,4) 特開平11−33805(図1〜3) 特開平11−42505(図1〜3)
特許文献1,2の装置の様に油圧シリンダをドローバー駆動装置として用いると、油圧配管等が必要となって主軸の構造が複雑化したり、圧油の温度が主軸ヘッドに伝達してしまうなどの問題がある。
特許文献3〜5の装置の様にエアシリンダをドローバー駆動装置として用いる場合、油圧シリンダほどの出力が得られないのをカバーするためのカム機構や、クサビ係合部、てこ部などを設ける必要があり、主軸部分の構造が複雑化するという問題がある。
特許文献6〜8の装置の様に主軸の後退動作を利用する方法は、油圧シリンダやエアシリンダを用いないで工具のアンクランプ動作を実行できる利点がある。しかし、特許文献6の装置の当接部や、特許文献7,8の装置の板カムは、主軸の鉛直方向のガイド部材と一体に取り付けられているため、主軸の鉛直方向の加工ストロークが制限されるという問題がある。
そこで、本発明は、油圧レスで工具のクランプ・アンクランプ動作を実行することができ、しかも、機構を複雑にしたり、主軸の加工動作の範囲を制限することのない装置を提供することを目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明のATC装置を備えた工作機械の工具脱着機構は、主軸ヘッドの先端に工具を保持するクランプ爪を備え、前記主軸ヘッドの後退動作に伴って主軸内に備えられたドローバーをバネ部材の付勢力に抗して相対的に前進動作させることにより前記クランプ爪を開き、前記主軸ヘッドの前進動作に伴って前記バネ部材の付勢力で前記ドローバーを相対的に後退させてクランプ爪を閉じ、ATC装置による工具の脱着を行う様に構成されると共に、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(11)主軸ヘッドをZ軸方向に進退動作可能に備えると共に、該主軸ヘッドを前記Z軸と直交するX軸方向及びY軸方向にも横移動させるガイド機構を備え、該ガイド機構によって許容されるXYZ空間内の移動可能範囲の任意の位置へと前記主軸ヘッドを移動させることができる様に構成されていること。
(12)前記主軸ヘッドのZ軸方向の進退動作をガイドする部材のZ軸方向後端側に、前記主軸ヘッドの後退時に前記ドローバーの後端と一端が当接し、他端をZ軸方向前方へ向かって回動させるアーム部材が取り付けられていること。
(13)前記アーム部材の前記他端の回動範囲内において、Z軸方向前側から該アーム部材の他端に対して当接し得る当接部材を、機枠の所定位置に取り付けてあること。
(14)前記当接部材の取り付け位置を、前記ATC装置による工具の脱着を行うATCポジションに対応させ、XY方向については、前記ATC装置による工具の脱着を行う際に前記主軸ヘッドをZ軸方向へ進退動作させるXY方向位置とし、Z方向については、前記主軸ヘッドの先端部が前記ATC装置による工具の脱着を行う際のATCアームの旋回範囲に達するZ方向位置において前記ドローバーをクランプ爪開放位置まで押し出した状態とする様に前記アーム部材の前記他端の回動を阻止する位置としたこと。
本発明のATC装置を備えた工作機械の工具脱着機構によれば、主軸ヘッドをATCポジションに対応するXY方向位置でZ軸方向に後退させるとき以外は、Z軸方向に後退したとしてもアーム部材は当接部材には当たることなく空振りの回動動作となる。よって、ATCポジション以外では、Z軸方向の移動量に何らの制限も生じない。そして、所定のATCポジションへとXY方向に主軸ヘッドを移動させた後にZ軸方向へ後退させると、アーム部材が当接部材に邪魔されて回動することができなくなり、ドローバーが相対的に押し出された状態となり、クランプ爪が開く。この様に、空振りの回動動作を実行させることにより、主軸ヘッドのZ軸方向ストロークに対する制約を設けることなく、ATC装置を作動させるべきときにだけ、「クランプ→アンクランプ」及び「アンクランプ→クランプ」を的確に実行することができる。
より具体的な本発明のATC装置を備えた工作機械の工具脱着機構は、主軸ヘッドの先端に工具を保持するクランプ爪を備え、前記主軸ヘッドの後退動作に伴って主軸内に備えられたドローバーをバネ部材の付勢力に抗して相対的に前進動作させることにより前記クランプ爪を開き、前記主軸ヘッドの前進動作に伴って前記バネ部材の付勢力で前記ドローバーを相対的に後退させてクランプ爪を閉じ、ATC装置による工具の脱着を行う様に構成されると共に、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(21)機枠に対して固定されたX軸ガイドと、該X軸ガイドに対してスライド可能に嵌合されたX軸ベースと、該X軸ベースから垂直方向に立設されたコラムと、該コラムに取り付けられたY軸ガイドと、該Y軸ガイドに対してスライド可能に嵌合されたY軸ベースと、該Y軸ベースに取り付けられたZ軸ガイドと、該Z軸ガイドに対してスライド可能に嵌合されたZ軸ベースとを備え、該Z軸ベースに対してZ軸方向に軸心を合わせて主軸ヘッドが取り付けられ、該主軸ヘッドは、X軸モータ、Y軸モータ及びZ軸モータを駆動することにより、前記X軸ガイド、Y軸ガイド及びZ軸ガイドによってガイドされる最大移動範囲で規定されるXYZ空間内の任意の位置へと工具を移動させることができる様に構成されていること。
(22)前記主軸ヘッドの先端部には、クランプ爪を備えた工具ホルダが備えられ、該クランプ爪は、前記主軸ヘッドの軸心と軸を一致させる様に主軸ヘッドに内蔵されバネ部材によってZ軸の奥へ向かって付勢されているドローバーのZ軸方向の進退動作により開閉される機構となっていること。
(23)前記主軸ヘッドに対して工具の脱着を行うためのATC装置を備え、該ATC装置は、ワーク加工時にはワーク加工に支障のない待機位置へと移動しており、工具交換時にATCポジションへと移動する様に構成されていること。
(24)前記ATCポジションは、前記ATC装置による工具の脱着を行う際に前記主軸ヘッドをZ軸方向へ進退動作させるXY方向位置に対応して設定され、該ATCポジションに移動した主軸ヘッドの軸線のY軸高さ位置に重なる様に、機枠に対してアンクランプステーションが取り付けられていること。
(25)前記アンクランプステーションは、機枠に固定されたブロックのZ軸方向奥側にアーム当接部を備えた構成となっていること。
(26)前記Y軸ベースのZ軸方向奥端には、リンクアーム装置が設置されていること。
(27)前記リンクアーム装置は、前記Y軸ベースのZ軸方向奥端に取り付けられたベースプレートから後方に伸びる様に取り付けられたアーム支持プレートに対して回動可能に取り付けられたアームプレートの機枠と反対側の端部に回動可能に取り付けられると共に軸受けを介して前記ベースプレートにZ軸方向に沿ってスライド可能に支持されたスライドバーの前端部分に、前記主軸ヘッドの軸心と一致する様にドローバー当接部を備えた構成となっていること。
(28)前記アームプレートは、前記主軸ヘッドがATCポジションにあるときに、その機枠側端部が前記アンクランプステーションのアーム当接部に後方から当接し得ると共に、その反対側の端部のスライドバーの前端部分に備えられたドローバー当接部が前記ドローバーの軸線上に位置する長さとされていること。
この具体的な構成の本発明装置によれば、主軸ヘッドは、X軸モータ、Y軸モータ及びZ軸モータを駆動することにより、X軸ガイド、Y軸ガイド及びZ軸ガイドによってガイドされる最大移動範囲で規定されるXYZ空間内の任意の位置へと工具を移動させてワークに対する各種加工を実行することができる。このワーク加工の最中には、ATC装置は、待機位置へと移動している。そして、工具交換をする時には、X軸モータ、Y軸モータ及びZ軸モータを駆動して、主軸ヘッドをZ軸方向に前進した状態でXY方向所定位置へと移動させてからZ軸方向の後退動作を実行させる。このとき、ATC装置は、交換用の工具をATCアームの一端に保持した状態で待機位置からATCポジションへと移動される。そして、主軸ヘッドがZ軸方向のATCポジションへと後退するタイミングにおいてATCアームを旋回させて空いている方のアーム端で主軸ヘッドから工具を抜き取り、次の工具への交換動作を実行する。そして、ATC装置のよる工具交換動作が完了するタイミングに合わせてATC装置を待機位置へと戻すと共に主軸ヘッドをZ軸方向前進動作させる。
このATCポジションにおける主軸ヘッドの後退動作時には、ドローバー後端部がリンクアーム装置のドローバー当接部に当たり、さらに後退しようとするとアームプレートの機枠側の端部がアンクランプステーションのアーム当接部によって回動を阻止される結果、ドローバーが相対的に前方へ押し出される状態となってクランプ爪が開放状態となる。そして、主軸ヘッドをZ軸方向前進させると、ドローバーがドローバー当接部から離脱し、内蔵されているバネ部材の付勢力で相対的に後方へ押し戻される結果、クランプ爪が閉じる。
ATCポジション以外における主軸ヘッドのZ軸方向後退動作の際にもドローバーの後端部とドローバー当接部とが当接するが、この場合は、アームプレートの機枠側端部が回動を阻止されないので、バネ部材による付勢力が消されることはなく、クランプ爪は閉じたままの状態となる。
ここで、この具体的構成からなる本発明装置においては、さらに、以下の構成をも備えてるとよい。
(31)前記アンクランプステーションのアーム当接部は、前記ブロックに螺合されたボルトの頭部によって構成されていること。
(32)前記リンクアーム装置は、前記アーム支持プレート、前記アームプレート及び前記スライドバーを平行な位置に対で備え、該アームプレート同士の機枠側の端部を連結する連結ブロックを備え、前記スライドバー同士の前端部には連結プレートが取り付けられ、前記ドローバー当接部は前記連結プレートに螺合されたボルトの頭部によって構成されていること。
アームプレートを二股とすることで、主軸中心部に対するクーラントの供給等を配管を複雑化することなく実施することができる。また、当接部をボルトで構成することにより、その螺合量を調整することで、ATCポジションにおける最適なクランプ・アンクランプ動作タイミングを容易に達成することができる。
これら本発明装置のそれぞれは、さらに、以下の構成をも備えてるとよい。
(41)前記ATCポジションは、X軸又はY軸の少なくとも一方について、当該軸の端部位置としたこと。
ATCポジションを、X軸又はY軸の少なくとも一方の軸端とすることにより、主軸ヘッドのワーク加工動作の可能な範囲をより広く確保することができるからである。
本発明によれば、油圧レスで工具のクランプ・アンクランプ動作を実行することができ、しかも、機構を複雑にしたり、主軸の加工動作の範囲を制限することがない。
実施例1のマシニングセンタの要部の斜視図である。 実施例1のマシニングセンタの要部の右側面図である。 実施例1のマシニングセンタの要部の平面図である。 実施例1のマシニングセンタの要部の正面図である。 実施例1のマシニングセンタの要部の背面図である。 実施例1のマシニングセンタにおけるZ軸方向後退動作時の作用を示し、(A)はATCポジションにない場合の動作の模式図、(B)はATCポジションにおける動作の模式図である。 実施例1のマシニングセンタが、Y軸方向はアンクランプステーションと重なっているがX軸方向は原点から移動している場合におけるZ軸後退動作における空振りの様子を示す模式図である。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。
以下、主軸ヘッドの先端に工具を保持するクランプ爪を備え、前記主軸ヘッドの後退動作に伴って主軸内に備えられたドローバーをバネ部材の付勢力に抗して相対的に前進動作させることにより前記クランプ爪を開き、前記主軸ヘッドの前進動作に伴って前記バネ部材の付勢力で前記ドローバーを相対的に後退させてクランプ爪を閉じ、ATC装置による工具の脱着を行う様に構成された本発明のATC装置を備えた工作機械の工具脱着機構の実施形態について実施例1で具体的に説明する。
実施例1のマシニングセンタ10においては、図1〜図5に示す様に、機枠(図示略)に対して平行に水平方向に伸びる様に固定された2本のX軸ガイドレール11,11と、これらX軸ガイドレール11,11に対してスライドブロックを介して嵌合されたX軸ベース12と、X軸ベース12から垂直方向に平行に2本立設されたコラム13,13と、これらコラム13,13のそれぞれに取り付けられたY軸ガイドレール14,14と、これらY軸ガイドレール14,14に対してスライドブロックを介して嵌合されたY軸ベース15,15と、このY軸ベース15,15に取り付けられたZ軸ガイドレール16,16と、これらZ軸ガイド16,16に対してスライドブロックを介して嵌合されたZ軸ベース17とを備え、このZ軸ベース16に対してZ軸方向に軸心を合わせて主軸ヘッド20が取り付けられている。
この主軸ヘッド20は、X軸モータM1、Y軸モータM2及びZ軸モータM3を駆動することにより、X軸、Y軸及びZ軸の最大移動範囲によって規定されるXYZ空間内の任意の位置へと工具を移動させることができる。なお、主軸ヘッド20の先端部には、クランプ爪を備えた工具ホルダ21が備えられている。この工具ホルダ21は、主軸ヘッド20に内蔵された主軸モータによって回転駆動される。
工具ホルダ21のクランプ爪は、主軸ヘッド20の軸心と軸を一致させる様に主軸ヘッドに内蔵されたドローバーの前後動作によって開閉される構造となっている。このドローバーは、多数の皿バネ状コイルスプリングによってZ軸の奥へ向かって付勢されていて、常時は、クランプ爪を閉じる様に作用している。クランプ爪は、ドローバーを皿バネ状コイルスプリングの付勢力に抗してZ軸前進方向へと移動させることによって開放される。なお、ドローバーは中空パイプ構造となっていて、パイプ孔を介して主軸ヘッド先端部へとクーラントや潤滑油などを送り込む配管の役目も兼ねている。
本実施例のマシニングセンタ10は、主軸ヘッド20に対して工具の脱着を行うためのATC装置30を備えている。このATC装置30は、ATCモータ31によって旋回されるATCアーム32を備えている。また、このATCアーム32に対して装着すべき各種工具をストックした工具ストッカー33も備えている。ATCアーム32は、ATC軸34と共にZ軸方向にも移動し、工具ストッカー33から工具を脱着する位置と、主軸ヘッド20から工具を脱着する位置との間を移動することができる機構となっている。また、工具ストッカー33は、それ自身が回転することによって、工具の取り出し位置・収納位置の切り換えを行う様に構成されている。なお、ATC装置30のATCアーム32は、ワーク加工時にはワーク加工に支障のない待機位置へと移動しており、工具交換時にATCポジションへと移動する様に構成されている。
ATCポジションは、図2,図3に示す様に、主軸ヘッド20がX軸方向原点位置にあると共にY軸方向中間の位置において、Z軸方向へ所定量後退した位置となる様に設定してある。そして、ATCポジションに移動した主軸ヘッド20の軸線のY軸高さ位置に重なる様に、機枠に対してアンクランプステーション40が取り付けられている。
このアンクランプステーション40は、機枠に固定されるベースプレート41と、このベースプレート41から垂直に立設された2枚のブラケット42,42と、これらブラケット42,42の間に固定されたブロック43と、このブロック43のZ軸方向奥側の中心に螺合された当接ボルト44とを備えている。
またY軸ベース15,15のZ軸方向奥端には、リンクアーム装置50が設置されている。このリンクアーム装置50は、Y軸ベース15,15のZ軸方向奥端を連結するベースプレート51と、このベースプレート51から後方に伸びる様に取り付けられた2枚の平行なアーム支持プレート52,52と、これらアーム支持プレート52,52のそれぞれに対して回動可能に取り付けられた2枚のアームプレート53,53と、これらアームプレート53,53の機枠側の端部を連結する連結ブロック54と、アームプレート53,53の機枠と反対側の端部に回動可能に取り付けられた2本の平行なスライドバー55,55とを備えている。これらスライドバー55,55は、軸受けを介してベースプレート51にZ軸方向に沿ってスライド可能に支持されている。また、スライドバー55,55の正面側端部には連結プレート56が取り付けられている。そして、この連結プレート56に対して主軸ヘッド20の軸心と一致する様に当接ボルト57が螺合されている。なお、アームプレート53,53は、機枠と反対側の端部も孔明きプレート58で連結されており、全体が枠体状に構成されている。また、連結プレート56の後面側中心に前端を固定され、後端側がベースプレート51に対してスライド可能に支持された中心ロッド59の外周にコイルバネ(図示略)が装着され、このコイルバネの作用により、当接ボルト57が押圧されていないときには連結プレート56を前方へ押し戻して自動的に復帰させることができる様に構成されている。なお、中心ロッド59に装着されたコイルバネは、ドローバーを前方へ付勢する皿バネ状コイルスプリングよりも十分に弱いバネとなっている。
アームプレート53,53は、主軸ヘッド20がATCポジションにあるときに、その機枠側端部に取り付けられた連結ブロック54が、アンクランプステーション40の当接ボルト44の頭に当接し得ると共に、その反対側の端部に取り付けられた当接ボルト57がドローバーの軸線上に位置する長さとされている。
このため、主軸ヘッド20がZ軸方向へ所定量だけ後退すると、ドローバーの後端はリンクアーム装置50の当接ボルト57に必ず当接することになる。しかし、図6(A)に示す様に、ATCポジション以外であれば、スライドバー55,55が後方へ押し出されてもアームプレート53,53が空振りをするだけであるため、ドローバーを後方へ向かって付勢している皿バネ状コイルスプリングが縮むことはなく、クランプ爪は開かない。
一方、ATCポジションにおいては、図6(B)に示す様に、主軸ヘッド20がZ軸方向へ所定量だけ後退してドローバーの後端がリンクアーム装置50の当接ボルト57に当接した後は、アームプレート53,53の機枠側端部に取り付けられた連結ブロック54がアンクランプステーション40の当接ボルト44の頭に当接してアームプレート53,53の回動を妨げる。この結果、ドローバーが前方へ押し出されることとなり、皿バネ状コイルスプリングに抗してクランプ爪が開き、工具ホルダ21の工具がアンクランプ状態となる。
このタイミングに合わせて、ATC装置30を作動させ、ATC軸34の伸縮動作とATCアーム32の旋回動作とを実行することによって、主軸ヘッド20の工具ホルダ21からアンクランプ状態の工具を抜き取り、工具ストッカー33から取り出した次の工具を工具ホルダ21へと挿入する。
そして、次の工具が工具ホルダ21へ挿入されるタイミングにおいて、主軸ヘッド20をZ軸方向へ前進動作させることにより、ドローバーに対するリンクアーム装置50による押圧力が解除され、皿バネ状コイルスプリングの作用によってクランプ爪が閉じて工具をしっかりとクランプした状態となる。
このATC装置30による工具交換のタイミングは、ATCアーム32は、主軸ヘッド20が後退しきる前に旋回を開始し、主軸に装着されている工具の外周に形成されたATC用の溝にATCアーム32の工具ホールド部が嵌合するタイミングも主軸ヘッド20が後退しきる前のタイミングに同期させ、工具がATCアーム32にホールドされた後も主軸ヘッド20がさらに後退することによって工具が確実にクランプ爪から外れる様に設定されている。
そして、主軸ヘッド20が後退しきった後に、工具を確実に抜き取る位置までATC軸34を移動させ、次にATCアーム32を旋回させて新しい工具を主軸ヘッド20のクランプ爪の中心に位置させ、ATC軸34を主軸ヘッド20に近づく方向に移動させる。そして、主軸ヘッド20を前進させ、クランプ爪によるクランプができる位置まで前進するよりも少し前のタイミングでATCアーム32の旋回を開始する。これにより、ATCアーム32が主軸ヘッド20の動作と干渉することなく、新しい工具のホールド溝との嵌合状態から抜け出し、新しい工具が主軸ヘッド20に確実に装着される。ATC軸34は、ATCアームの180度旋回が完了したら主軸ヘッド20から離れる方向へ移動し、抜き取った工具をストッカーに戻す動作が実行される。
なお、図7(A)に示す様に、Y軸方向位置がアンクランプステーション40と重なっていてもX軸方向にATCポジションからずれていれば、同図(B)に示す様に、アームプレート53,53は空振りとなり、クランプ爪は開かない。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内での種々なる変形実施が可能であることはいうまでもない。
主軸ヘッドの工具クランプ・アンクランプ動作を油圧レスで実行する工作機械に適用することができる。
10・・・マシニングセンタ
11・・・X軸ガイドレール
12・・・X軸ベース
13・・・コラム
14・・・Y軸ガイドレール
15・・・Y軸ベース
16・・・Z軸ガイドレール
17・・・Z軸ベース
20・・・主軸ヘッド
21・・・工具ホルダ
30・・・ATC装置
31・・・ATCモータ
32・・・ATCアーム
33・・・工具ストッカー
34・・・ATC軸
40・・・アンクランプステーション
41・・・ベースプレート
42・・・ブラケット
43・・・ブロック
44・・・当接ボルト
50・・・リンクアーム装置
51・・・ベースプレート
52・・・アーム支持プレート
53・・・アームプレート
54・・・連結ブロック
55・・・スライドバー
56・・・連結プレート
57・・・当接ボルト
58・・・孔明きプレート
59・・・中心ロッド
M1・・・X軸モータ
M2・・・Y軸モータ
M3・・・Z軸モータ

Claims (2)

  1. 主軸ヘッドの先端に工具を保持するクランプ爪を備え、前記主軸ヘッドの後退動作に伴って主軸内に備えられたドローバーをバネ部材の付勢力に抗して相対的に前進動作させることにより前記クランプ爪を開き、前記主軸ヘッドの前進動作に伴って前記バネ部材の付勢力で前記ドローバーを相対的に後退させてクランプ爪を閉じ、ATC装置による工具の脱着を行う様に構成されると共に、以下の(11)〜(14)の全ての構成を備えていることを特徴とするATC装置を備えた工作機械の工具脱着機構。
    (11)主軸ヘッドをZ軸方向に進退動作可能に備えると共に、該主軸ヘッドを前記Z軸と直交するX軸方向及びY軸方向にも横移動させるガイド機構を備え、該ガイド機構によって許容されるXYZ空間内の移動可能範囲の任意の位置へと前記主軸ヘッドを移動させることができる様に構成されていること。
    (12)前記主軸ヘッドのZ軸方向の進退動作をガイドする部材のZ軸方向後端側に、前記主軸ヘッドの後退時に前記ドローバーの後端と一端が当接し、他端をZ軸方向前方へ向かって回動させるアーム部材が取り付けられていること。
    (13)前記アーム部材の前記他端の回動範囲内において、Z軸方向前側から該アーム部材の他端に対して当接し得る当接部材を、機枠の所定位置に取り付けてあること。
    (14)前記当接部材の取り付け位置を、前記ATC装置による工具の脱着を行うATCポジションに対応させ、XY方向については、前記ATC装置による工具の脱着を行う際に前記主軸ヘッドをZ軸方向へ進退動作させるXY方向位置とし、Z方向については、前記主軸ヘッドの先端部が前記ATC装置による工具の脱着を行う際のATCアームの旋回範囲に達するZ方向位置において前記ドローバーをクランプ爪開放位置まで押し出した状態とする様に前記アーム部材の前記他端の回動を阻止する位置としたこと。
  2. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1に記載のATC装置を備えた工作機械の工具脱着機構。
    (41)前記ATCポジションは、X軸又はY軸の少なくとも一方について、当該軸の端部位置としたこと。
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