JP5634076B2 - センサ電圧処理回路 - Google Patents

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Description

本発明は、センサ電圧を処理する回路に関する。特に、低速度で変動するとともに電源の電圧の変動にも追従して変動する直流電圧(オフセット電圧)に、高速度で変動する信号電圧が重畳しているセンサ電圧から、信号電圧を取り出して増幅する処理を行う回路に係るものである。
本出願人によって出願された特許文献1に、内燃機関の燃焼室に設置されている燃焼圧センサが出力するセンサ電圧を処理する回路が開示されている。燃焼圧センサには、抵抗値が圧力によって変動するピエゾ抵抗効果を利用する検知部が組み込まれている。燃焼圧センサが出力するセンサ電圧は、検知部の温度に依存して変動する電圧に、燃焼圧の変化に依存して変動する電圧が重畳したものとなる。検知部の温度は低速度で変化することから、検知部の温度に依存する電圧は低速度で変動し、燃焼圧は高速度で変化することから、燃焼圧に依存する電圧は高速度で変動する。検知部の温度に依存して低速度で変動する直流電圧の値は、電源の電圧の変動にも追従して変動する。
燃焼圧を検知するためには、検知部の温度に依存する電圧に燃焼圧に依存する電圧が重畳しているセンサ電圧から、検知部の温度に依存する電圧を除去して燃焼圧に依存する信号電圧を取り出し、それを増幅する必要がある。
上記は一例であり、低速度で変動するとともに電源の電圧の変動にも追従して変動する直流電圧に高速度で変動する信号電圧が重畳しているセンサ電圧から、信号電圧を取り出して増幅する必要が多くの場合に存在する。
低速度で変動する直流電圧に高速度で変動する信号電圧が重畳しているセンサ電圧のボトム電圧を補足すれば、そのボトム電圧が低速度で変動する直流電圧に対応することになる。センサ電圧からボトム電圧を減算すれば信号電圧を取り出すことができ、信号電圧を増幅することが可能となる。
特許文献1には、センサ電圧を入力してボトム電圧を保存するボトムホールド回路と、センサ電圧とボトムホールド回路に保存されている保存電圧を入力して両者の電圧差を増幅した電圧を出力するオペアンプを備えているセンサ電圧の処理回路が示されている。
図2を参照して、特許文献1のセンサ電圧処理回路の処理動作を説明する。図2(a)の細い実線はセンサ電圧V1を示しており、太い実線はゆるやかに変化する直流電圧V2を示しており、破線は保存電圧Vkを示している。また、図2(b)の実線は信号電圧V3を示している。
図2に示すように、センサ電圧V1がボトム値となる時期Aでは、センサ電圧V1には信号電圧V3が含まれず(ゼロであり)、センサ電圧V1は直流電圧V2の値を示している。ボトムホールド回路は、このときのセンサ電圧V1を保存電圧Vkとして保存する。センサ電圧V1がボトム値となる毎に保存電圧Vkを更新していくと、その保存電圧Vkはゆるやかに変化する直流電圧V2によく一致する。オペアンプは、センサ電圧V1から保存電圧Vkを減算し、両者の電圧差を増幅して出力する。これが信号電圧V3を増幅した増幅電圧となる。(V1−Vk)で算出される信号電圧V3が図2(b)に示されている。オペアンプは、図2(b)の信号電圧V3を増幅した電圧を出力する。
時期Aで増大し始めた信号電圧V3はその後に減少に転じ、時期Cで再びゼロとなる。時期Cにおいて、センサ電圧V1が再びボトム値なる。同様に、時期Eでも、センサ電圧V1が再びボトム値なる。ゆるやかに変化する直流電圧V2によく一致するように保存電圧Vkを更新していくためには、センサ電圧V1がボトム値となるたびに保存電圧Vkを更新していく必要がある。
時期Cでは、それ以前のボトム値よりもボトム値が減少しており、通常のボトムホールド回路で、時期C以降には時期Cにおけるボトム値を保存しておくことができる。それに対して時期Eでは、それ以前のボトム値よりもボトム値が増大しており、通常のボトムホールド回路では、時期Eにおいて時期Eのボトム値に更新することができない。時期E以降もそれ以前のボトム値(この場合時期Cにおけるボトム値)を保存し続けてしまう。
そこで、特許文献1のボトムホールド回路では、図2(a)の破線に示すように、保存電圧Vkが低速度で上昇するようにする。具体的には電圧を保存しているコンデンサを低速度で放電させる回路を設けることによって、保存電圧Vkが低速度で上昇するようにする。保存電圧Vkの上昇速度は、低速度で変化する直流電圧の変化速度よりもわずかに速い関係に設定されている。
保存電圧Vkの上昇速度が直流電圧の変化速度よりもわずかに速ければ、時期Cから時期Eの期間のように直流電圧が増大してボトム値が上昇する場合にも、時期Eよりも前に、保存電圧Vkがセンサ電圧に一致する時期が得られることになる。この関係が得られれば、保存電圧Vkがセンサ電圧に一致する時期D以降は、ボトムホールド回路に保存される保存電圧Vkがセンサ電圧の低下に追従して低下し、時期E以降は時期Eにおける電圧を保持することができる。保存電圧Vkの上昇速度を直流電圧の変化速度よりも速くしておけば、新たなボトム値がそれ以前のボトム値よりも増大している場合でも、ボトムホールド回路に保存している電圧を新たなボトム値に更新することができる。ただし、ボトムホールド回路はボトム値を保存しておく回路であり、ボトムホールド回路に保存している電圧が急速に上昇すると、ボトム値を保存しておくことができなくなる。特許文献1の回路では、保存電圧Vkの上昇速度が直流電圧の変化速度よりもわずかに速い関係に設定することによって、ボトムホールド回路がボトム値を保存しておくこと(その意味では保存電圧Vkの上昇速度が遅く設定されている)と、新たなボトム値がそれ以前のボトム値よりも増大している場合でもボトムホールド回路によって新たなボトム値に更新すること(その意味では保存電圧Vkの上昇速度が速く設定されている)とを両立させている。
特開2004−108896号公報
センサが車両に搭載される場合、補機類へ電力が供給されたり、その電力供給が停止されることによって、センサに給電している電源の電圧が急激に変動する場合がある。この場合、センサ電圧は電源の電圧の変動に比例して変動する。図2は、時期Gにおいて電源の電圧が急に上昇した場合を例示している。この場合、低速度で変動する直流電圧V2も上昇すれば、急速度に変動する信号電圧V3も上昇する。ここでいう直流電圧V2も上昇するという意味は、センサの環境温度等が一定でも直流電圧V2の値が上昇するという意味であり、信号電圧V3の振幅が上昇すると言う意味は、圧力等の検知対象事象の値が一定でも信号電圧V3の値が上昇すると言う意味である。電源の電圧が上昇すると、圧力等の検知対象事象の変動幅が一定でも、信号電圧V3の振幅が上昇してしまう。
上記したように、特許文献1のボトムホールド回路は、センサの環境温度等が上昇して直流電圧V2が上昇する局面(従ってボトム値が上昇していく局面)でも、保存電圧Vkを更新していくことができる。しかしながら、前記したように、保存電圧Vkを急速度に上昇させるとボトム値を保存できないことから、保存電圧Vkの上昇速度は、低速度に変動する直流電圧V2の変化速度をわずかに上回る関係に設定されている。そのために、電源の電圧が急に上昇したためにボトム値が急激に上昇するような場合には、ボトムホールド回路の保存電圧Vkを電源の電圧上昇後のボトム電圧に更新することができない。電源の電圧上昇後のボトム電圧に更新できるようにするためには、ボトムホールド回路で保存している電圧の上昇速度を急速度に設定しなければならないが、それではボトム電圧を保存することができない。従って図2の(a)に示すように、時期Gで電源の電圧が上昇すると、それ以降にボトムホールド回路に保存される保存電圧は一点鎖線で示す電圧Vk’となり、電源の電圧上昇前のボトム値のままとされ、電源の電圧上昇後のボトム値に更新されない。そのため、オペアンプで、センサ電圧V1から保存電圧Vk’を減算しても、真に必要な信号電圧V3は取り出されず、図2(b)の一点鎖線で示すように、真の信号電圧に電源の電圧の変動に起因して生じた直流電圧の上昇分ΔVが加算された値V3’が取り出されることとなる。オペアンプの出力電圧は真の信号電圧を増幅したものとならず、真の信号電圧に前記ΔVを加算した電圧を増幅したものとなってしまう。
上記では、真の信号電圧を取り出すために、センサ電圧=ボトム電圧+信号電圧の関係を利用している。これに対して、センサ電圧=ピーク電圧−信号電圧の関係にあるということもいえ、この関係を利用して信号電圧を取り出すこともできる。この方式では、ピークホールド回路を利用する。ピークホールド回路を利用する場合、電源の電圧の下降時には電源の電圧低下後のピーク電圧に更新することができず、電源の電圧低下前のピーク電圧を保存し続けてしまうことになる。
本明細書で開示される技術は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ボトムホールド回路やピークホールド回路といった電圧保存回路を利用することによって低速度で変動する直流電圧を補足し、それをセンサ電圧から減算することによって急速度で変動する信号電圧を取り出すにあたって、電源の電圧変動に起因して直流電圧が変動する場合には、電圧保存回路が保存している電圧が電源の電圧変動に追従して変化する回路を提供し、もって電源の電圧変動に抗して真の信号電圧を適切に取り出すことができる電圧処理回路を提供することにある。
本明細書に開示されている技術は、低速度で変動するとともに電源の電圧変動にも追従して変動する直流電圧に高速度で変動する信号電圧が重畳しているセンサ電圧から信号電圧を取り出して増幅するセンサ電圧処理回路に関する。この回路は、第1コンデンサと第2コンデンサと第1オペアンプと第2オペアンプと逆流防止素子とを備えている。第1オペアンプと第1コンデンサと第2コンデンサは、電圧を保存するともに、保存している電圧を電源電圧の変動に追従して変化させる電圧保存回路を構成する。
第1コンデンサの一方の電極は、接地されている。第2コンデンサは、一方の電極がセンサに給電する電源電圧に接続されている。第1コンデンサと第2コンデンサの他方の電極同士は接続されており、その配線に電圧が保存される。第1コンデンサと第2コンデンサの他方の電極同士を接続する配線は、電圧保存配線と言うことができる。電圧保存配線に保存されている電圧を保存電圧とし、センサを使用した場合に想定される保存電圧の変動範囲のほぼ中間値を基準保存電圧とする。この場合、第1コンデンサと第2コンデンサとの容量比が、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比となるように設定されている。第1オペアンプの一方の入力端子は、電圧保存配線に接続されている。第1オペアンプの他方の入力端子は、センサ電圧の出力線に接続されている。第1オペアンプは、電圧保存配線に保存されている保存電圧と、センサ電圧の出力線に出力されている電圧の大小関係に依存して変化する電圧を出力端子に出力する。たとえばセンサ電圧が保存電圧よりも高い間はハイ電圧を出力し、センサ電圧が保存電圧に等しくなるとロー電圧を出力する。逆流防止素子は、電圧保存配線と第1オペアンプの出力端子の間に接続されており、一方向に向かう電流の流れのみを許容する。逆流禁止方向は、電圧保存配線に保存する電圧がボトム値かピーク値かによって切り替えられる。第2オペアンプの一方の入力端子は、電圧保存配線に接続されている。第2オペアンプの他方の入力端子は、センサ電圧の出力線に接続されている。第2オペアンプは、電圧保存配線に保存されている保存電圧とセンサ電圧の電圧差を増幅した電圧を出力端子に出力する。
上記構成によると、第1オペアンプと逆流防止素子と第1コンデンサと第2コンデンサによって電圧保存回路が構成され、センサ電圧のボトム電圧またはピーク電圧が電圧保存配線に保存される。たとえば、センサ電圧が保存電圧よりも高い間は逆流防止素子によって第1コンデンサと第2コンデンサの充電及び放電を禁止して電圧を保存する一方において、センサ電圧が保存電圧に一致すると第1コンデンサと第2コンデンサが充電又は放電するようにすることによって、ボトムホールド回路が構成される。センサ電圧が保存電圧よりも低い間は逆流防止素子によって第1コンデンサと第2コンデンサの充電及び放電を禁止して電圧を保存する一方において、センサ電圧が保存電圧に一致すると第1コンデンサと第2コンデンサが充電又は放電されるようにすることによって、ピークホールド回路が構成される。
電源と接地点の間に第1コンデンサと第2コンデンサが直列に接続され、第1コンデンサと第2コンデンサとの容量比が、基準保存電圧と電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧の比に設定されていると、電圧保存配線に保存されている保存電圧は、電源の電圧変動にも追従して変動する。
第2オペアンプは、電源の電圧変動にも追従して変動する保存電圧とセンサ電圧との電圧差を増幅した電圧を出力する。このようにして、本回路によると、電源の電圧変動にも追従して変動する保存電圧を用いて信号電圧を取り出すことから、電源の電圧が変動した場合であっても真の信号電圧を増幅した電圧を出力することができる。
本明細書に開示される技術の一つの態様では、センサ電圧が保存電圧よりも高い時には出力端子に高電圧を出力し、センサ電圧が保存電圧以下の時には出力端子に低電圧を出力する第1オペアンプを用いる。この場合、逆流防止素子は、電圧保存配線から第1オペアンプの出力端子に向かって電流が通過することを許容し、第1オペアンプの出力端子から電圧保存回路に向かって電流が流れることを禁止する向きに挿入する。
上記構成では、センサ電圧が保存電圧よりも高い場合には、第1オペアンプの出力端子に保存電圧以上の電圧が出力されるものの、逆流防止素子が第1コンデンサと第2コンデンサに充電することを禁止する。第1オペアンプの出力端子に保存電圧以上の電圧が出力されているので、第1コンデンサと第2コンデンサが充電及び放電することがない。センサ電圧が保存電圧よりも高い場合には、電圧保存配線の電圧が一定に維持される。
センサ電圧が保存電圧以下の場合には、第1オペアンプの出力端子に保存電圧よりも低い電圧が出力される。したがって、第1コンデンサと第2コンデンサが充電又は放電し、電圧保存配線の電圧はセンサ電圧に等しい電圧に低下する。センサ電圧が保存電圧よりも低下する場合には、電圧保存配線の電圧がセンサ電圧の低下に追従して低下する。
上記構成によると、センサ電圧のボトム値を保存することができる。電源と接地点の間に第1コンデンサと第2コンデンサが直列に接続され、第1コンデンサと第2コンデンサとの容量比が、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比になるように設定されているために、電圧保存配線に保存されている保存電圧は、電源電圧の変動にも追従して変動する。
本明細書に開示される技術の一つの態様では、センサ電圧が保存電圧以上の時には出力端子に高電圧を出力し、センサ電圧が保存電圧未満の時には出力端子に低電圧を出力する第1オペアンプを用いる。この場合、逆流防止素子は、電圧保存配線から第1オペアンプの出力端子に向かって電流が通過することを禁止し、第1オペアンプの出力端子から電圧保存回路に向かって電流が流れることを許容する向きに挿入する。
上記構成では、センサ電圧が保存電圧以上の場合には、第1オペアンプの出力端子に保存電圧以上の電圧が出力され、第1コンデンサと第2コンデンサが放電又は充電される。電圧保存配線の電圧はセンサ電圧に等しい電圧に上昇する。センサ電圧が保存電圧よりも上昇する場合には、電圧保存配線の電圧がセンサ電圧の上昇に追従して上昇する。
センサ電圧が保存電圧未満の場合には、第1オペアンプの出力端子に保存電圧よりも低い電圧が出力される。しかしながら、逆流防止素子によって第1コンデンサと第2コンデンサが放電及び充電することが禁止され、電圧保存配線の電圧は一定電圧に維持される。
上記構成によると、センサ電圧のピーク値を保存することができる。電源と接地点の間に第1コンデンサと第2コンデンサが直列に接続され、第1コンデンサと第2コンデンサとの容量比が、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比となるように設定されているために、電圧保存配線に保存されている保存電圧は、電源電圧の変動にも追従して変動する。
また、本明細書に開示される技術は、直流電圧は、センサの温度に追従して変動するものである。このような場合、センサでは、信号電圧を含む電圧を出力するためのセンサ素子と、そのセンサ素子とは逆向きの温度特性を有する逆特性素子とが直列に接続されていることが好ましい。また、このような逆特性素子としては、ダイオードを用いることができる。
上記構成によれば、センサ電圧に含まれる直流電圧の温度依存性を小さくすることができるため、保存電圧の変動が小さくなる。したがって、保存電圧と基準保存電圧とのずれを小さくすることができるため、信号電圧を増幅した電圧をより適切に出力することができる。
本明細書に開示される技術によれば、電源電圧の変動に起因して生じる直流電圧の変動分を反映した電圧を保存ことができ、電源電圧が変動した場合であっても、大きな誤動作をすることなく、ほぼ真の信号電圧を取り出して増幅することができる。
実施例1の燃焼圧計測装置を示す模式図。 実施例1の燃焼圧計測装置で処理する電圧波形と、信号電圧に基づいて生成される機関制御用のフラグを示すタイミングチャート。 実施例2の燃焼圧計測装置を示す模式図。 実施例3の燃焼圧計測装置を示す模式図。 実施例4の燃焼圧計測装置を示す模式図。 実施例4の温度に対する素子の電圧波形を示すグラフ。 実施例4の変形例の燃焼圧計測装置を示す模式図。
以下に本発明の実施例の特徴を説明する。
(特徴1)第2オペアンプから出力される増幅電圧が閾値電圧以上であるか否かによって信号電圧が示す物理量が基準値以上であるか否かを判定する。その閾値電圧を電源の電圧に応じて変動させる。これにより、電源の電圧が変動した場合であっても、監視対象の物理量が基準値以上であるか否かを適切に判定することができる。
本明細書に開示されるセンサ電圧処理回路を、車載内燃機関の燃焼圧計測装置に適用した実施例1について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、燃焼圧計測装置10は、燃焼圧センサ20と、燃焼圧センサ20が出力するセンサ電圧V1を処理するセンサ電圧処理回路30とを備えている。
燃焼圧センサ20は、図示を省略するが、内燃機関の燃焼室を臨むようにして配置されている。燃焼圧センサ20では、ピエゾ抵抗素子23に、図示しないダイアフラムが連結されている。ダイアフラムが燃焼室内の圧力の変動によりたわむことによって、ピエゾ抵抗素子23に圧縮応力が作用し、この圧縮応力に応じてピエゾ抵抗素子23の抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗素子23の抵抗値は環境温度によっても変化する。
ピエゾ抵抗素子23は、定電流源22を介して図示しない電源に接続されている。この電源は、車両のバッテリから給電されており、通常は、その電圧値が所定の定格電圧に維持されているが、バッテリから他の補機類へ電力が供給又は遮断されること等により、一時的に、その電圧値が定格電圧が増減することがある。定電流源22は、ピエゾ抵抗素子23の抵抗値等と無関係に一定の電流を供給するが、その一定の電流の電流値は電源の電圧に比例する。定電流源22は、後記するレシオ動作するように設計されている。燃焼圧センサ20は、ピエゾ抵抗素子23の上端側の電圧(センサ電圧)V1をセンサ電圧処理回路30に出力する。
センサ電圧V1は、ピエゾ抵抗素子23の抵抗値と、通電電流値によって決まり、次の特性を備えている。
(1)ピエゾ抵抗素子23の環境温度に依存して変化する。
(2)ピエゾ抵抗素子23に作用する圧力に依存して変化する。
(3)ピエゾ抵抗素子23の環境温度は低速度に変化することから、前記(1)の電圧V2は低速度に変化する。
(4)ピエゾ抵抗素子23に作用する圧力は高速度に変化することから、前記(2)の電圧V3は高速度に変化する。
(5)ピエゾ抵抗素子23の通電量は電源の電圧に比例する。
以上のことから、センサ電圧V1は、低速度で変動するとともに電源の電圧変動にも追従して変動する直流電圧V2に、高速度で変動するとともに電源の電圧変動にも追従して変動する信号電圧V3が重畳している電圧であるということができる。
電源の電圧は、通常は定格電圧に維持されているが、上記したように一時的に増減することがある。例えば、電源の電圧がα%上昇した場合は、定電流源22は、ピエゾ抵抗素子23に通電する電流Iをα%上昇させる。したがって、燃焼室内の温度や圧力が変化しなくても、温度に依存する直流電圧V2がα%上昇し、燃焼圧に依存する信号電圧V3がα%上昇し、燃焼圧センサ20が出力するセンサ電圧V1もα%上昇する。
各種の電圧が電源の電圧に比例して変動することをレシオ動作という。センサ類には、レシオ動作することが求められている。本実施例の処理回路は、レシオ動作するセンサ電圧V1から、低速度に変化する直流電圧V2を減じて、レシオ動作する信号電圧V3を取り出す。従来の技術のように、保存しているボトム電圧またはピーク電圧が電源の電圧の変化に抗して一定に維持されると、保存しておいた電圧を利用して信号電圧V3を取り出しても、取り出された信号電圧V3はレシオ動作しない。
センサ電圧処理回路30は、センサ電圧V1から温度と電源の電圧に依存して変動する直流電圧V2を除去し、燃焼圧に依存して変動する信号電圧V3を取り出して増幅する。センサ電圧処理回路30は、ボトムホールド回路31と第2オペアンプ40を備えている。
ボトムホールド回路31は、センサ電圧V1のボトム値を、センサ電圧V1が再びボトム値となるまでの間、保存電圧Vkとして保存する。上記したように、センサ電圧V1は、温度等に依存する直流電圧V2に燃焼圧に依存する信号電圧V3が重畳したものとなっているため、信号電圧V3がゼロになるときには、センサ電圧V1の値がボトム値になるとともに、その時期におけるセンサ電圧V1は直流電圧V2に等しい。直流電圧V2は低速度で変動することから、センサ電圧V1がボトムとなるたびに更新した保存電圧Vkは、環境温度に依存して低速度で変動する直流電圧V2にほぼ等しい。
ボトムホールド回路31は、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33と第1オペアンプ38と逆流防止素子としてのダイオード39とを備えている。第1コンデンサ32の一方の電極(図1の紙面において下側の電極)は接地されている。第2コンデンサ33の一方の電極(図1の紙面において上側の電極)は定電圧源34に接続されている。第1コンデンサ32の他方の電極(図1の紙面において上側の電極)と第2コンデンサ33の他方の電極(図1の紙面において下側の電極)は、電圧保存配線37によって接続されている。電圧保存配線37では、後述するように保存電圧Vkが保存される。燃焼圧センサ20を使用した場合に想定される保存電圧Vkの変動範囲のほぼ中間値を基準保存電圧とすると、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33との容量比は、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比となるように設定されている。定電圧源34は、電源に接続されており、定電圧源34の供給電圧は電源の電圧と等しい。したがって、電源の供給電圧がα%上昇した場合には、定電圧源34の電圧もα%上昇し、定電圧源34はレシオ動作する。第2コンデンサ33には、抵抗35が並列に接続されている。
燃焼圧センサ20の出力線25は2つに分岐しており、一方が第1オペアンプ38の非反転入力端子に接続されている。第1オペアンプ38の反転入力端子は、配線を介して電圧保存配線37が接続されている。ダイオード39は、アノード端子が電圧保存配線37に接続されているとともに、カソード端子が第1オペアンプ38の出力端子に接続されている。第1オペアンプ38は、コンパレータとして機能し、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、出力端子に高電圧VHを出力する。高電圧VHは定電圧源34の電圧に等しく、保存電圧Vkよりも高い。センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも低いか等しい場合、第1オペアンプ38は、出力端子に低電圧VLを出力する。低電圧VLは保存電圧Vkよりも低い。第1オペアンプ38の出力端子の電圧Voは、高電圧VHか低電圧VLのいずれかである。
電圧保存配線37は、保存電圧Vkの出力線36を介して第2オペアンプ40の反転入力端子に接続されている。また、燃焼圧センサ20の出力線25から分岐した配線は、第2オペアンプ40の非反転入力端子に接続されている。第2オペアンプ40は、非反転入力端子に入力された燃焼圧センサ20のセンサ電圧V1と、ボトムホールド回路31の保存電圧Vkとの差を所定の増幅度で増幅し、その増幅結果を信号電圧V3として出力端子41に出力する。出力端子41の出力電圧V3は、燃焼室内温度の影響を受けず、燃焼室内の圧力に応じて増減する。なお、第2オペアンプ40には、ベース電圧Vbbの設定用端子42が設けられている。
次に、ボトムホールド回路31でセンサ電圧のボトム値(直流電圧V2)を保存電圧Vkとして保存する処理動作について、図1及び図2を参照して説明する。
ボトムホールド回路31では、センサ電圧V1が保存電圧Vkを上回っている場合(V1>Vk)と、センサ電圧V1が保存電圧Vkに等しい場合(V1=Vk)とで、第1オペアンプ38の出力電圧Voとダイオード39の通電状態が異なる。
第1オペアンプ38はコンパレータとして機能し、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、第1オペアンプ38の出力電圧Voが高電圧VHとなる。高電圧VHは保存電圧Vkよりも高いので、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33が放電又は充電することがない。また、ダイオード39が第1オペアンプ38の出力端子から電圧保存線37に向けて電流が流れることを禁止する向きに挿入されているので、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33が放電又は充電されることもない。センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33の充放電が禁止され、電圧保存線37の電圧は保存電圧Vkに維持される。
センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、実際には第2コンデンサ33の帯電電荷が抵抗35を介して低速度で放電される。この結果、電圧保存線37の保存電圧が緩やかに上昇する。これは、図2の(a)において保存電圧Vkが緩やかに上昇する現象を引き起こす。この緩やかな上昇は、ボトム電圧が低速度で上昇する場合にボトム電圧を更新するためのものであり、基本的にはボトム電圧を保存しているといえる程度に低速度である。電源の電圧変動によってボトム電圧が急激に上昇する場合の速度よりも低速度である。
図2(a)に示すように、時期C以降では、ボトムホールド回路31の保存電圧Vkが少しずつ大きくなる。そのために、時期Eに示すように、次のボトム電圧が上昇する場合でも、それに先立って、センサ電圧V1と保存電圧Vkとが一致する時期Dが到来する。
保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、第1オペアンプ38の出力電圧Voは、低電圧VLに切り替えられる。低電圧VLは保存電圧Vkよりも低いので、保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33はダイオード39を介して充電及び放電を行う。この結果、第1オペアンプ38を含む回路はボルテージフォロワとして機能する。保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、それ以降は、保存電圧Vk=センサ電圧V1の関係が維持される。保存電圧Vk=センサ電圧V1となった時期D以降は、センサ電圧V1が低下するのに追従して保存電圧Vkも低下していく。
図2(a)の時期Eを過ぎ、センサ電圧V1がボトム値から再び上昇し始めると、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも高くなるため、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33の充放電が禁止され、電圧保存線37の電圧は保存電圧Vkに維持される。このようにして、ボトムホールド回路31は、燃焼圧センサ20の出力電圧V1にボトム値が出現する毎に、保存電圧Vkを新たなボトム値に更新し、新たな保存電圧Vkとして保持する。
このようにして保存された保存電圧Vkが、第2オペアンプ40の反転入力端子に入力される。そして、第2オペアンプ40において、センサ電圧V1から保存電圧Vkを減算した信号電圧V3(=V1−Vk)を増幅した電圧が取り出される。これにより、燃焼圧センサ20のセンサ電圧V1に含まれる温度依存性の直流電圧V2の影響が排除された信号電圧V3を得ることができる。図2(b)は、このようにして取り出された信号電圧V3を示している。
図2(c)は、燃焼室内の圧力が基準圧力Pよりも高いか低いかを示すフラグであり、図2(b)の信号電圧V3が閾値電圧よりも高いか低いかを判定することにより設定される。なお、時期G以前では、閾値電圧は図2(b)に示すように電圧Vbである。このフラグは、信号電圧V3が閾値電圧Vbよりも高い場合には、燃焼圧が基準圧力Pよりも高いことを示す「1」が設定され、信号電圧V3が閾値電圧Vb1よりも低い場合には、燃焼圧が基準圧力Pよりも低いことを示す「0」が設定される。内燃機関では、このフラグに基づいて機関制御を実行するようにしている。
図2(a)は、時期Gの後に電源の電圧が上昇し、定電流源22からの供給電流Iが上昇し、定電圧源34の電圧Vpが上昇した場合を例示している。この場合、抵抗35によってボトムホールド回路31の保存電圧Vkが低速度で大きくなるように設定されていても、それを上回る速度でボトム電圧が上昇する。したがって、従来の技術のようにボトムホールド回路31の保存電圧Vkが電源の電圧上昇に追従しない技術によると、電源の電圧上昇後に、センサ電圧V1が再びボトム値となっても、ボトムホールド回路31の保存電圧を新たなボトム電圧に更新することができない。
本実施例では、以下に説明するように、電源の電圧が上昇すればそれに追従して保存電圧Vkも上昇する。そのために、電源の電圧の上昇に起因してセンサ電圧V1のボトム値が上昇する場合でも、センサ電圧V1がボトムとなったときに、ボトムホールド回路31の保存電圧を新たなボトム電圧に更新することができる。
たとえば時期Gの前後において、電源の電圧がα%増大したとする。この場合、表1に示すように、定電圧源34の電圧もα%増大し、定電流源22の電流もα%増大し、センサ電圧V1もα%増大する。第1コンデンサ32と第2コンデンサ33の容量比が上記のように設定されているため、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33の各々の電圧もほぼα%増大する。第1コンデンサ32の電圧が保存電圧Vkであることから、保存電圧Vkもほぼα%増大する。すなわち、全てがほぼレシオ動作する。
Figure 0005634076
以上では、センサ電圧V1と保存電圧Vkとが一致しており、ダイオード39を介して放電している状態で電源の電圧が上昇した場合について説明したが、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きく、第1コンデンサ32と第2コンデンサ33の充放電が禁止されている状態で電源の電圧が上昇した場合でも、保存電圧Vkは定電圧源34の電圧上昇にほぼ比例して上昇する。以上のようにして、本実施例では、電源の電圧上昇に起因してセンサ電圧V1が上昇した場合、電圧保存配線37に保存されている保存電圧Vkもほぼ同じ比率で上昇する。
なお、電源の電圧が低下した場合には、センサ電圧V1も低くなる。ボトムホールド回路31の電圧保存配線37に保存されている保存電圧Vkも同じ比率で低下する。電源の電圧が上昇しても下降しても、保存電圧Vkはほぼレシオ動作する。
電源の電圧が変動すると、定電流源22が供給する電流が変動し、センサ電圧V1が変動する。直流電圧V2と信号電圧V3の双方が、センサ電圧V1の変動比率と同じ比率で変動する。それと同時に、保存電圧Vkが電源の電圧変動に追従して変動する。結果として、保存電圧Vkが、センサ電圧V1と直流電圧V2と信号電圧V3の変動比率とほぼ同じ比率で変動する。電源の電圧に追従して変動する保存電圧Vkは、電源の電圧に追従して変動する直流電圧V2にほぼ等しくなる。第2オペアンプ40は、電源の電圧の変動に追従して変動する保存電圧Vkと電源電圧の変動に追従して変動するセンサ電圧V1との電圧差を増幅して信号電圧V3として出力する。その結果、電源電圧の変動した場合であっても、取り出される信号電圧V3は,実際の信号電圧とほぼ同じ値となり、直流成分を含まない信号電圧V3と適切に取り出すことができる。
たとえば図2の時期G以降では、信号電圧V3もα%上昇している。したがって、図2(c)のフラグを設定するための閾値電圧も、時期G以降ではそれ以前よりもα%だけ上昇させ(1+α/100)Vbとする。これにより、時期G以降においても、図2(c)のフラグが、燃焼圧が所定圧力Pよりも高いか低いかを示すこととなる。したがって、電源から定電流源22への供給電圧が変動したとしても、図2(c)のフラグは、燃焼室内の圧力が基準圧力Pよりも高いか否かを適切に示すことができるため、機関制御を適切に行うことができる。閾値電圧がレシオを動作すれば、信号電圧V3とそれを増幅した電圧もレシオ動作することから、電源の電圧の変動に抗して、基準圧力Pを超え変化したタイミングを正しく検出することができる。
次に、実施例2について図3を参照して説明する。実施例2のセンサ電圧処理回路50は、車載内燃機関の燃焼圧計測装置11の電圧処理回路である。
実施例1のセンサ電圧処理回路30は、ボトムホールド回路31を有していたが、本実施例のセンサ電圧処理回路50は、センサ電圧V1のピーク値を保存するピークホールド回路51を有しており、この点が上記実施例1と異なっている。また、第2オペアンプ60は、(ピーク電圧−センサ電圧)を増幅することで、信号電圧を増幅した電圧を得る。得られた増幅電圧は信号電圧の大小関係を反転したものとなるが、信号電圧に1:1に関係している。増幅電圧を処理することで、信号電圧に依存した処理を実施することが可能となっている。
燃焼圧計測装置11は、燃焼圧センサ20と、燃焼圧センサ20が出力するセンサ電圧V1を処理するセンサ電圧処理回路50とを備えている。本実施例では、電源と同じ大きさの電圧を供給する電圧源24に接続されたピエゾ抵抗素子23が、定電流源22を介して接地(図示略)されている。
センサ電圧処理回路50は、ピークホールド回路51と第2オペアンプ60とを備えている。ピークホールド回路51は、センサ電圧V1のピーク値を保存電圧Vkとして保存するための回路である。燃焼圧センサ20のセンサ電圧V1は、温度等に依存する直流電圧V2に、燃焼圧に依存する信号電圧V3が重畳したものとなっている。信号電圧V3が最大となるときには、センサ電圧V1の値がピーク値となるため、ピーク値とセンサ電圧V1との差分から、信号電圧V3の変動分を把握することができる。したがって、本実施例では、センサ電圧V1から信号電圧V3を取り出すために、ピーク値とセンサ電圧V1との差分を求めるようにしている。
ピークホールド回路51は、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53と第1オペアンプ58と逆流防止素子としてのダイオード59とを備えている。第1コンデンサ52と第2コンデンサ53とは、電圧保存配線57によって接続されている。第1コンデンサ52は、接地されている。第2コンデンサ53は、定電圧源54に接続されている。電圧保存配線57には、保存電圧Vkが保存される。燃焼圧センサ20を実際に使用した場合に想定される保存電圧Vkの変動範囲のほぼ中間値を基準保存電圧とすると、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53との容量比が、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比となるように設定されている。定電圧源54は、電源に接続されており、定電圧源54の供給電圧は電源の供給電圧と等しい。したがって、電源の供給電圧がα%低下した場合には、定電圧源54の電圧もα%低下する。第1コンデンサ52には、抵抗55が並列に接続されている。
燃焼圧センサ20の出力線25は2つに分岐しており、一方が第1オペアンプ58の非反転入力端子に接続されている。第1オペアンプ58の反転入力端子は、配線を介して電圧保存配線57に接続されている。ダイオード59は、カソード端子が配線を介して電圧保存配線57に接続されるとともに、アノード端子が配線を介して第1オペアンプ58の出力端子に接続されている。
電圧保存配線57は、保存電圧Vkの出力線56を介して第2オペアンプ60の非反転入力端子に接続されている。燃焼圧センサ20の出力線25から分岐した他方は、第2オペアンプ60の反転入力端子に接続されている。第2オペアンプ60は、非反転入力端子に入力された燃焼圧センサ20のピークホールド回路51の保存電圧Vkとセンサ電圧V1との差を所定の増幅度で増幅し、その増幅結果を端子61に信号電圧V3に対応する電圧として出力する。端子61の出力電圧V3は、燃焼室内温度の影響を受けず、燃焼室内の圧力に応じて増減する。なお、第2オペアンプ60には、ベース電圧Vbbの設定用端子62が設けられている。
次に、ピークホールド回路51でセンサ電圧V1のピーク値を保存電圧Vkとして保存する処理動作について説明する。
ピークホールド回路51では、センサ電圧V1が保存電圧Vkを下回っている場合(V1<Vk)と、センサ電圧V1が保存電圧Vkに等しい場合(V1=Vk)とで、第1オペアンプ58の出力電圧Voとダイオード39の通電状態が異なる。
第1オペアンプ58はコンパレータとして機能し、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも小さい場合、第1オペアンプ58の出力電圧Voが低電圧VLとなる。低電圧VLは保存電圧Vkよりも小さいので、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53が充電又は放電することがない。また、ダイオード59が電圧保存線57から第1オペアンプ58の出力端子に向けて電流が流れることを禁止する向きに挿入されているので、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53が充電又は放電されることもない。センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも小さい場合、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53の充放電が禁止され、電圧保存線57の電圧は保存電圧Vkに維持される。
センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、実際には第1コンデンサ52の帯電電荷が抵抗55を介して低速度で放電される。この結果、電圧保存線57の保存電圧が緩やかに低下する。この緩やかな低下は、ピーク電圧が低速度で低下する場合にピーク電圧を更新するためのものであり、基本的にはピーク電圧を保存しているといえる程度に低速度である。電源の電圧変動によってピーク電圧が急激に上昇する場合の速度よりも低速度である。
保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、第1オペアンプ58の出力電圧Voは、高電圧VHに切り替えられる。高電圧VHは保存電圧Vkよりも高いので、保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53はダイオード59を介して放電及び充電を行う。この結果、第1オペアンプ58を含む回路はボルテージフォロワとして機能する。保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、それ以降は、保存電圧Vk=センサ電圧V1の関係が維持される。保存電圧Vk=センサ電圧V1となった時期以降は、センサ電圧V1が低下するのに追従して保存電圧Vkも上昇していく。
センサ電圧V1がピーク値から再び低下し始めると、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも低くなるため、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53の充放電が禁止され、電圧保存線57の電圧は保存電圧Vkに維持される。このようにして、ピークホールド回路51は、燃焼圧センサ20の出力電圧V1にピーク値が出現する毎に、保存電圧Vkを新たなピーク値に更新し、新たな保存電圧Vkとして保持する。
このようにして保存された保存電圧Vkが、第2オペアンプ40の非反転入力端子に入力される。そして、第2オペアンプ40において、保存電圧Vkからセンサ電圧V1を減算した電圧(=Vk−V1)を増幅した電圧が取り出される。この電圧は信号電圧V3の変動に対応しているため、燃焼圧センサ20のセンサ電圧V1に含まれる温度依存性の直流電圧V2の影響が排除された信号電圧V3を得ることができる。
電源の電圧が低下すると、定電流源22からの供給電流Iが低下し、定電圧源54の電圧Vpが低下する。この場合、抵抗55によってピークホールド回路51の保存電圧Vkが低速度で小さくなるように設定されていても、それを上回る速度でピーク電圧が低下する。
本実施例では、以下に説明するように、電源の電圧が低下すればそれに追従して保存電圧Vkも低下する。そのために、電源の電圧低下に起因してセンサ電圧V1のピーク値が低下する場合でも、センサ電圧V1がピークとなったときに、ピークホールド回路51の保存電圧を新たなピーク電圧に更新することができる。
電源の電圧がα%低下したとする。この場合、定電圧源54の電圧もα%低下し、定電流源22の電流もα%低下し、センサ電圧V1もα%低下する。第1コンデンサ52と第2コンデンサ53とは、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧の比となるように設定されているため、第1コンデンサ52と第2コンデンサ53の各々の電圧もほぼα%低下する。第1コンデンサ52の電圧が保存電圧Vkであることから、保存電圧Vkもほぼα%低下する。すなわち、全てがほぼレシオ動作する。
なお、電源の電圧が上昇した場合には、センサ電圧V1も高くなる。ピークホールド回路51の電圧保存配線57に保存されている保存電圧Vkもほぼ同じ比率で上昇する。電源の電圧が上昇しても下降しても、保存電圧Vkはほぼレシオ動作する。
電源の電圧が変動すると、定電流源22が供給する電流が変動し、センサ電圧V1が変動する。直流電圧V2と信号電圧V3の双方が、センサ電圧V1の変動比率と同じ比率で変動する。それと同時に、保存電圧Vkが電源の電圧が変動に追従して変動する。結果として、保存電圧Vkが、センサ電圧V1と直流電圧V2と信号電圧V3とほぼ同じ比率で変動する。電源電圧に追従して変動する保存電圧Vkは、電源の電圧変動に追従して変動する直流電圧V2の影響を受ける。第2オペアンプ60は、電源の電圧変動に追従して変動する保存電圧Vkと電源の電圧変動に追従して変動するセンサ電圧V1との電圧差を増幅した電圧を出力するため、この電圧は直流成分を含まない信号電圧V3にほぼ対応した値となる。
本実施例においても、取り出された電圧が閾値電圧以下であるか否かであるかによって、機関制御に利用する燃焼圧が所定圧力Pよりも高いか低いかを示すフラグを設定する。この場合、閾値電圧も、電源の電圧変動に追従して変動させる。なお、その他の構成及び作用効果は実施例1と同じである。
なお、本実施例の変形例として、図示は省略するが、第2オペアンプ60の反転入力端子と非反転入力端子とを入れ変えてもよい。
次に、実施例3について図4を参照して説明する。実施例3のセンサ電圧処理回路70は、車載内燃機関の燃焼圧計測装置12の電圧処理回路である。
図4に示すように、燃焼圧計測装置12は、燃焼圧センサ20と、燃焼圧センサ20が出力するセンサ電圧V1を処理するセンサ電圧処理回路70とを備えている。本実施例のセンサ電圧処理回路70は、ボトムホールド回路71と第2オペアンプ90とを備えている。本実施例のボトムホールド回路71の構成は、実施例1のボトムホールド回路31と異なる。燃焼圧センサ20及び燃焼圧センサ20に電力を供給するための定電流源22は実施例1と同じである。
ボトムホールド回路71は、直流電圧V2を示すセンサ電圧V1のボトム値を保存電圧Vkとして保存する。ボトムホールド回路71は、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73と第1オペアンプ78と逆流防止素子としてのMOSトランジスタ79と第3オペアンプ80とを備えている。第1コンデンサ72と第2コンデンサ73とは電圧保存配線77によって接続されている。第1コンデンサ72は接地されている。第2コンデンサ73は、定電圧源74に接続されている。電圧保存配線77には、保存電圧Vkが保存される。燃焼圧センサ20を実際に使用した場合に想定される保存電圧Vkの変動範囲のほぼ中間値を基準保存電圧とすると、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73の容量の大きさは、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧の比となるように設定されている。定電圧源74は、電源に接続されており、電源の電圧変動に対してレシオ動作する。第2コンデンサ73には、抵抗75が並列に接続されている。
燃焼圧センサ20の出力線25は2つに分岐しており、一方が第1オペアンプ78の非反転入力端子に接続されている。第1オペアンプ78の反転入力端子は、配線を介して電圧保存配線77に接続されている。MOSトランジスタ79は、n型のMOSトランジスタであり、ゲート端子とソース端子とが配線を介して電圧保存配線77に接続されているとともに、ドレイン端子が第1オペアンプ78の出力端子に接続されている。
電圧保存配線77は、保存電圧Vkの出力線76を介して第3オペアンプ80の非反転入力端子に接続されている。第3オペアンプ80の出力端子は2つに分岐しており、一方が第3オペアンプの反転入力端子に接続されており、他方が第2オペアンプ90の反転入力端子に接続されている。また、燃焼圧センサ20の出力線25から分岐した他方は、第2オペアンプの非反転入力端子に接続されている。第2オペアンプ90は、非反転入力端子に入力された燃焼圧センサ20のセンサ電圧V1と、ボトムホールド回路71の保存電圧Vkとの差を所定の増幅度で増幅し、その増幅結果を端子91に信号電圧V3として出力する。なお、第2オペアンプ90には、ベース電圧Vbbの設定用端子92が設けられている。本実施例の第2オペアンプ90は、上記実施例1及び2の第2オペアンプ40,60よりもインピーダンスが低いため、電圧保存配線77と第2オペアンプ90との間に高インピーダンス素子として機能する第3オペアンプ80を介在させている。これにより、電圧保存配線77で保存電圧Vkを保持するようにしている。
ボトムホールド回路71では、センサ電圧V1が保存電圧Vkを上回っている場合(V1>Vk)と、センサ電圧V1が保存電圧Vkに等しい場合(V1=Vk)とで、第1オペアンプ78と出力電圧とMOSトランジスタ79の通電状態が異なる。
第1オペアンプ78はコンパレータとして機能し、センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、第1オペアンプ78の出力電圧Voが高電圧VHとなる。高電圧VHは保存電圧Vkよりも高いので、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73が放電又は充電することがない。また、MOSトランジスタ79が第1オペアンプ78の出力端子から電圧保存線77に向けて電流が流れることを禁止する向きに挿入されているので、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73が放電又は充電されることもない。センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73の充放電が禁止され、電圧保存線77の電圧は保存電圧Vkに維持される。
センサ電圧V1が保存電圧Vkよりも大きい場合、実際には第2コンデンサ73の帯電電荷が抵抗75を介して低速度で放電される。この結果、電圧保存線77の保存電圧が緩やかに上昇する。この緩やかな上昇は、ボトム電圧が低速度で上昇する場合にボトム電圧を更新するためのものであり、基本的にはボトム電圧を保存しているといえる程度に低速度である。電源の電圧変動によってボトム電圧が急激に上昇する場合の速度よりも低速度である。
保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、第1オペアンプ78の出力電圧Voは、低電圧VLに切り替えられる。低電圧VLは保存電圧Vkよりも低いので、保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73はMOSトランジスタ79を介して充電及び放電を行う。この結果、第1オペアンプ78を含む回路はボルテージフォロワとして機能する。保存電圧Vk=センサ電圧V1となると、それ以降は、保存電圧Vk=センサ電圧V1の関係が維持される。保存電圧Vk=センサ電圧V1となった時期D以降は、センサ電圧V1が低下するのに追従して保存電圧Vkも低下していく。
これにより、ボトムホールド回路71は、燃焼圧センサ20の出力電圧V1にボトム値が出現する毎に、保存電圧Vkを新たなボトム値に更新し、更新された保存電圧Vkを保持する。また、上記したように、保存電圧Vkは保存している間に緩やかに上昇しているため、ボトム値が前回のボトム値よりも高くなった場合であっても、保存電圧Vkを高く更新することができる。また、次のボトム値が低下すれば保存電圧Vkは低く更新される。
このようにして保存された保存電圧Vkが、第3オペアンプ80を通じて第2オペアンプ90の反転入力端子に入力される。そして、第2オペアンプ90において、センサ電圧V1から保存電圧Vkを減算した電圧(V1−Vk)が信号電圧V3として取り出される。なお、第2オペアンプ90では、この信号電圧V3を増幅して出力する。これにより、燃焼圧センサ20のセンサ電圧V1に含まれる温度依存の直流電圧V2の影響が排除された信号電圧V3を得ることができる。
電源の電圧が上昇すると、定電流源22からの供給電流Iが上昇し、定電圧源74の電圧Vpが上昇する。この場合、抵抗75によってボトムホールド回路71の保存電圧Vkが低速度で大きくなるように設定されていても、それを上回る速度でボトム電圧が上昇する。
本実施例では、以下に説明するように、電源の電圧が上昇すればそれに追従して保存電圧Vkも上昇する。そのために、電源の電圧の上昇に起因してセンサ電圧V1のボトム値が上昇する場合でも、センサ電圧V1がピークとなったときに、ボトムホールド回路71の保存電圧を新たなボトム電圧に更新することができる。
電源の電圧がα%上昇したとする。この場合、定電圧源74の電圧もα%上昇し、定電流源22の電流もα%上昇し、センサ電圧V1もα%上昇する。第1コンデンサ72と第2コンデンサ73の容量比が、基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比となるように設定されているため、第1コンデンサ72と第2コンデンサ73の各々の電圧もほぼα%上昇する。第1コンデンサ72の電圧が保存電圧Vkであることから、保存電圧Vkもほぼα%上昇する。すなわち、全てがほぼレシオ動作する。
なお、電源の電圧が低下した場合には、センサ電圧V1も低くなる。ボトムホールド回路71の電圧保存配線77に保存されている保存電圧Vkもほぼ同じ比率で低下する。電源の電圧が上昇しても下降しても、保存電圧Vkはほぼレシオ動作する。
電源の電圧が変動すると、定電流源22が供給する電流が変動し、センサ電圧V1が変動する。直流電圧V2と信号電圧V3との双方が、センサ電圧V1の変動比率と同じ比率で変動する。それと同時に、保存電圧Vkが電源電圧の変動に追従して変動する。結果として、保存電圧Vkは、センサ電圧V1と直流電圧V2と信号電圧V3とほぼ同じ比率で変動する。電源の電圧に追従して変動する保存電圧Vkは、電源の電圧に追従して変動する直流電圧V2の影響を受ける。第2オペアンプ90は、電源の電圧変動に追従して変動するセンサ電圧V1と電源の電圧変動に追従して変動する保存電圧Vkとの電圧差を増幅した電圧を出力するため、この電圧は直流成分を含まない信号電圧V3にほぼ等しくなる。
本実施例においても、取り出された信号電圧V3が閾値電圧以下であるか否かであるかによって、機関制御に利用する燃焼圧が所定圧力Pよりも高いか低いかを示すフラグを設定する。この場合、閾値電圧も、電源の電圧変動に追従して変動させる。なお、その他の構成及び作用効果は実施例1と同じである。
次に、実施例4について図5及び図6を参照して説明する。図5に示すように、本実施例の燃焼圧計測装置13では、センサ電圧処理回路30に接続している燃焼圧センサ26が上記実施例1と異なっている。なお、本実施例のセンサ電圧処理回路30は、実施例1のセンサ電圧処理回路30と同じであるため、図5では、図示を省略している。
本実施例の燃焼圧センサ26は、センサ素子であるピエゾ抵抗素子23と、逆向きの温度特性を有する逆特性素子であるダイオード27とが直列に接続されている。ダイオード27は、アノード端子がピエゾ抵抗素子23に接続され、カソード端子側が接地されている。
図5は、ピエゾ抵抗素子23及びダイオード27の両端間の電圧の温度特性を示している。図5に示すように、ピエゾ抵抗素子23の両端間の電圧のうち温度依存性の電圧Vxは、ピエゾ抵抗素子23の温度が高いほど高くなる。実施例1では、この電圧Vxを、センサ電圧V1のうちの直流電圧V2としている。また、ダイオード27の両端間にかかる温度依存性の電圧Vyは、温度が高いほど低くなる。このようにして、ピエゾ抵抗素子23に、ピエゾ抵抗素子23とは逆の温度特性を有するダイオード27を直列に接続している。
本実施例では、図5に示すように、センサ電圧V1に含まれる直流電圧V2が、ピエゾ抵抗素子23の両端間にかかる温度依存性の電圧Vxとダイオード27の両端間にかかる温度依存性の電圧Vyとを加算した値となる。そのため、直流電圧V2の温度に対する変動幅が、ピエゾ抵抗素子23の温度依存性の電圧Vxの温度に対する変動幅よりも小さくなる。したがって、燃焼圧センサ20がダイオード27を有していることによって、実施例1と比較して、温度変化に伴う直流電圧V2の変動を小さくすることができる。そのため、保存電圧Vkの変動が小さくなることから、保存電圧Vkと基準保存電圧とのずれを小さくすることができる。これにより、電源の電圧が変動した場合には、第1コンデンサ32及び第2コンデンサがより高精度にレシオ動作し、保存電圧Vkもより高精度にレシオ動作させることができる。その結果、センサ電圧処理回路30では、信号電圧V3をより適切に取り出すことができる。
なお、直流電圧V2の変動を小さくしてほぼ一定とすることができれば、ボトム電圧を保存する必要がなく、センサ電圧V1から一定の直流電圧V2を減算して信号電圧V3を取り出すことができるとも考えられる。しかしながら、燃焼圧センサ26の製造過程で生じるばらつきや、燃焼圧センサ26の経年劣化等により、直流電圧V2を一定に維持することは困難である。したがって、実施例1で記載したボトムホールド回路31によって直流電圧V2を示すセンサ電圧V1のボトム値を更新することは必要である。すなわち、ボトムホールド回路31と本実施例の燃焼圧センサ26とを用いることによって、信号電圧V3をより適切に取り出すことができる。
なお、このような燃焼圧センサ26を実施例2及び実施例3の燃焼圧センサ20の代わりに用いるようにしてもよい。
(実施例4の変形例)
実施例4では、ダイオード27のアノード端子側をピエゾ抵抗素子23に接続し、カソード端子側が接地するようにしている。しかしながら、図7に示すように、燃焼圧計測装置14の燃焼圧センサ28では、ダイオード27のアノード側が定電流源22に接続されており、カソード側がピエゾ抵抗素子23に接続されていてもよい。このような場合でも、実施例4と同等の効果を得ることができる。
また、ピエゾ抵抗素子23と逆の温度特性を有する逆特性素子として、マンガン・コバルト・ニッケルなどの金属酸化物からなる抵抗などを用いるようにしてもよい。
(その他の実施例)
上記実施例3のセンサ電圧処理回路70は、逆流防止素子としてMOSトランジスタ79を有するボトムホールド回路71を備えているが、本明細書に開示される発明を、逆流防止素子としてMOSトランジスタを有するピークホールド回路を備えるセンサ電圧処理回路に適用してもよい。その場合、MOSトランジスタのゲート端子及びソース端子を第1オペアンプの出力端子に接続するとともに、ドレイン端子を電圧保存配線に接続するようにし、接地される第1コンデンサと並列に抵抗を接続するなど、実施例2のように回路構成を適宜変更する。
また、上記各実施例の構成に加えて保存電圧Vkを取り出す出力端子を設け、直流電圧V2が反映された保存電圧Vkを取り出すことにようにしてもよい。これにより、ピエゾ抵抗素子の温度を検出することができる。
上記各実施例では、センサ電圧処理回路を内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する燃焼圧センサの処理回路に適用しているが、この他のセンサの出力値を処理する回路に適用してもよい。
以上、本明細書に開示される技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10,11,12,13,14:燃焼圧計測装置
20,26,28:燃焼圧センサ
22:定電流源
23:ピエゾ抵抗素子
25:出力線
30,50,70:センサ電圧処理回路
31,71:ボトムホールド回路
32,52,72:第1コンデンサ
33,53,73:第2コンデンサ
34,54,74:定電圧源
35,55,75:抵抗
37,57,77:電圧保存配線
38,58,78:第1オペアンプ
39,59:ダイオード
40,60,90:第2オペアンプ
41,61,91:端子
51:ピークホールド回路
79:MOSトランジスタ
80:第3オペアンプ

Claims (5)

  1. 低速度で変動するとともに電源の電圧変動にも追従して変動する直流電圧に、高速度で変動する信号電圧が重畳しているセンサ電圧から前記信号電圧を取り出して増幅する回路であって、
    一方の電極が接地されている第1コンデンサと、
    一方の電極がセンサに給電する電源に接続されている第2コンデンサと、
    前記第1コンデンサと前記第2コンデンサの他方の電極同士を接続している電圧保存配線と、
    第1コンデンサと第2コンデンサのいずれかの一方に並列に接続されている抵抗と、
    一方の入力端子が前記電圧保存配線に接続されているとともに、他方の入力端子が前記センサ電圧の出力線に接続されており、前記電圧保存配線に保存されている保存電圧とセンサ電圧との大小関係に依存して変化する電圧を出力端子に出力する第1オペアンプと、
    一端が前記電圧保存配線に接続されているとともに、他端が前記第1オペアンプの出力端子に接続されており、一方向に向かう電流のみを許容する逆流防止素子と、
    一方の入力端子が前記センサ電圧の出力線に接続されているとともに、他方の入力端子が前記電圧保存配線に接続されており、前記センサ電圧と前記保存電圧との電圧差を増幅した電圧を出力端子に出力する第2オペアンプとを備えており、
    前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの容量比が、保存電圧の想定される変動範囲のほぼ中間値である基準保存電圧と、電源の定格電圧から基準保存電圧を減算した電圧との比となるように設定されており、
    前記抵抗の抵抗値が、「抵抗を介して放電することに起因する電圧保存配線の電圧の変化速度<電源電圧の変動に起因するセンサ電圧の変化速度」の関係を実現する値に設定されていることを特徴とするセンサ電圧処理回路。
  2. 前記第1オペアンプは、前記センサ電圧が前記保存電圧よりも高い時には出力端子に高電圧を出力し、前記センサ電圧が前記保存電圧以下の時には出力端子に低電圧を出力し、
    前記逆流防止素子は、前記電圧保存配線から前記第1オペアンプの出力端子に向かう電流を許容する向きに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ電圧処理回路。
  3. 前記第1オペアンプは、前記センサ電圧が前記保存電圧以上の時には出力端子に高電圧を出力し、前記センサ電圧が前記保存電圧未満の時には出力端子に低電圧を出力し、

    前記逆流防止素子は、前記第1オペアンプの出力端子から前記電圧保存配線に向かう電流を許容する向きに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ電圧処理回路。
  4. 前記直流電圧は、前記センサの温度に追従して変動するものであり、
    前記センサでは、信号電圧を含む電圧を出力するためのセンサ素子と、そのセンサ素子とは逆向きの温度特性を有する逆特性素子とが直列に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ電圧処理回路。
  5. 前記逆特性素子は、ダイオードであることを特徴とする請求項4に記載のセンサ電圧処理回路。
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