図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には 音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路316(この回路には2つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
乱数値生成回路316は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路316における乱数値の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数値として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数値の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数値として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数値として導出する。乱数値生成回路316では、各種センサ318からセンサ回路S320に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路316は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数値の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110の光学式センサ、リール111の光学式センサ、リール112の光学式センサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110の光学式センサ、リール111の光学式センサ、および、リール112の光学式センサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
図4(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
<図柄配列>
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図4(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。 「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
<主制御部メイン処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップSA01で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。ステップSA03ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップSA05へ進む。
ステップSA05では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップSA07では乱数値生成回路316で発生させた乱数値を取得する。ステップSA09では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップSA07で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップSA11では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップSA13では全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップSA15では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップSA11で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップSA17へ進む。ステップSA17では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップSA19では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップSA21では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップSA03へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部300タイマ割込処理>
図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップSB01では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップSB03では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップSB05では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップSB07では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップSB09では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップSB11では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップSB13では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップSB15では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップSB05において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ336、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップSB17では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップSB21に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップSB19に進む。
ステップSB19では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップSB01で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップSB21では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図7を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図7(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図7(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図7(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図7(a)のステップSC01では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップSC01で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップSC03では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップSC05の処理に移行する。
ステップSC05では、タイマ変数に0を代入する。
ステップSC07では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップSC09では、演出制御処理を行う。例えば、ステップSC07で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップSC11では、ステップC09の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップSC09で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップSC13では、ステップC09の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップSC09で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップSC15では、ステップSC09の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップSC09読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップSC17では、ステップSC09の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップSC09で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップSC03へ戻る。
次に、図7(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップSD01では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図7(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップSE01では、図7(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップSC03において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップSC03において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップSE03では、ステップSC17で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部500の処理>
図8を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図8(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図8(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図8(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図8(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図8(a)のステップSF01では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップSF01で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップSF03では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップSF05の処理に移行する。
ステップSF05では、タイマ変数に0を代入する。
ステップSF07では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップSF09では、演出制御処理を行う。例えば、ステップSF07で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップSF11では、ステップSF09の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップSF09で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップSF03へ戻る。
次に、図8(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップSG01では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図8(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップSH01では、図8(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップSF03において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップSF03において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップSH03では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図8(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップSF13の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップSI01では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップSI03では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップSI05に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップSI05では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップSI01でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップSI07では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップSI09では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップSI11に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップSI11では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<演出画像表示装置による表示>
図9から図43を参照して、本発明の第1の実施形態としてスロットマシン100を例に、演出画像表示装置157による演出画像の表示の一例について説明する。本実施形態のスロットマシン100は、演出画像表示装置157の表示領域に遊技背景画像700が表示されている場合に、当該遊技背景画像700に重ねて、特定画像702が表示されるものであり、以下、この表示例について説明する。
まず図9は、演出画像表示装置157による表示の概要を示した概略図である。図9(a)、図9(b)は遊技背景画像700の表示例を示し、図9(c)は特定画像702の表示例を示す。
遊技背景画像700は、特定の期間、演出画像表示装置157の表示領域(図9では破線で示す)に表示される。特定の期間とは例えば、前回の遊技終了後(今回の遊技のための遊技媒体の受付)から、他の画像(例えば、前回遊技結果(内部当選役)に基づいた画像)が表示されるまでの期間、あるいは次回の遊技のための遊技媒体の受付までの期間である。また、特定の期間とは例えば、特定の遊技状態が設定されている期間であり、特定の遊技状態とは例えば、通常遊技状態が設定されている期間であり、この場合に遊技背景画像700は、第2副制御部500により演出画像表示装置157に通常遊技状態が設定されている期間に表示される画像である。
本実施形態の遊技背景画像700は、一例として、図示の如く全体の画像サイズが表示領域より大きく、その一部を、所定の位置変更態様により変更させながら、複数の表示位置で演出画像表示装置157の表示領域に表示される。例えば、表示領域よりも横幅が広い遊技背景画像700の場合には、時間経過に伴い、左右にスライドするように表示位置が変更される。具体的には、図9(a)に示す遊技背景画像700の最右端の表示位置(卓球のラケットを持つ男子学生が完全に表示され、女子学生の一部がわずかに表示される位置)と、図9(b)に示す遊技背景画像700の最左端の表示位置(卓球のラケットを持つ女子学生が完全に表示され、男子学生の一部がわずかに表示される位置)の間で、複数の表示位置に移動しながら遊技背景画像700の全体(卓球のラケットを持つ男子学生と女子学生が、卓球台を挟んで対面する画像)が視認可能となる。なお、この場合の遊技背景画像700の表示位置とは表示座標のことである。
そして、遊技背景画像700の表示期間中の一部期間に、所定の表示条件が成立した場合に図9(c)に示す特定画像702が表示される。特定画像702は、例えばステップSA09の入賞役内部抽選処理による抽選結果を示唆する画像であり、抽選の結果、所定の役(例えば、小役(ベル))に内部当選した場合に表示される。また特定画像702は、遊技背景画像700で表示されるシーンに関連して所定の演出を付加する画像(ここでは、ピンポン球が飛ぶ演出を付加する画像)であって、遊技背景画像700に重畳させて表示される、ピンポン玉が卓球台の上で弾んでいるシーンとなる。
本実施形態の第2副制御部500は、遊技背景画像700を演出画像表示装置157に移動可能に表示し、特定画像702を表示するに際しては遊技背景画像700を基準となる位置(以下これを、基準表示位置Sと称する。)で表示したのち、遊技背景画像700の基準表示位置Sに基づく予め定めた表示位置に、特定画像702を表示するよう演出画像表示装置157を制御する。
図10を参照して具体的に説明する。図10は、遊技者によるスロットマシン100の操作のタイミングと、演出画像表示装置157の表示のタイミングの概要を説明する図である。図10(a)がタイミングを説明する図であり、図10(b)〜(d)が各タイミングにおける遊技背景画像700および特定画像702の態様を示す図である。また図10(e)は、本実施形態の比較例を示す図である。
遊技背景画像700は、例えばスライド表示などその表示位置が時間経過に伴い変更されるものである。遊技背景画像700は、スタートレバー135が操作され、遊技開始の受付時には図10(b)に示す最右端の表示位置(卓球のラケットを持つ男子学生が完全に表示され、女子学生の一部がわずかに表示される位置)で表示されている。
遊技開始受付後、ストップボタン137〜139の操作が有効になるまでの間に、内部抽選、および演出抽選が行われ、これらの結果に応じた演出が開始される。この場合、例えば、遊技開始後の内部抽選で小役(ベル)に内部当選したとすると、遊技背景画像700の表示位置は、図10(c)の如く基準表示位置S(例えば、卓球のラケットを持つ女子学生が完全に表示にされ、男子学生の持つラケットと、男子学生が半分程度表示される位置)に移動される。そしてその状態で(基準表示位置Sを基準として)、例えば黄色のピンポン球が女子学生のラケットに当たって左から右へ移動する特定画像702が表示される(図10(d))。
遊技開始の受付後、所定時間が経過すると、ストップボタン137〜139の操作が有効になり、遊技者は、内部当選等が示唆された演出(特定画像702の表示等)に基づき、ストップボタン137〜139を操作することができる。
本実施形態の特定画像702は、遊技背景画像700が表現するシーンに所定の演出を付加する画像であり、これを遊技背景画像700に重畳させて表示する場合、遊技背景画像700に対して予め決められた所定の位置に表示することが望ましい。
しかし、一定の速度で、例えば左右にスライドするように表示位置が移動する遊技背景画像700に対して、特定画像702は内部当選のタイミング(遊技者の任意のストップボタン押下のタイミング)で表示されるものである。つまり、両者の同期をとらずに重ねて表示すると、図10(e)の如く遊技背景画像700'に対して特定画像702'がずれて表示されるような場合があり、遊技背景画像700'の表現(世界観)を壊したり、遊技者の興趣をそぐなどの問題がある。
本実施形態の第2副制御部500は、特定画像702を表示する際に、遊技背景画像700を基準表示位置Sで表示し、その後当該基準表示位置Sに基づいて予め決められた所定位置で特定画像702を表示するよう、装飾図柄表示手段208を制御する。
これにより、例えばラケットに当たったピンポン球が卓球台でバウンドする様子を示す特定画像702(図9(c)参照)が、任意のタイミングで表示されるものであっても、常に、図10(c)の如くピンポン球の移動行程を表す白線の左端部を女子学生の持つラケットに当接する位置に表示させることが可能となる。このような構成により、遊技背景画像700の表現(世界観)を壊すことなく、また遊技者の興趣をそぐことなく、期待感を高める演出表示が可能となる。
<遊技背景画像の位置変更態様>
図11から図15を参照して、遊技背景画像を基準表示位置Sに移動する位置変更態様について説明する。まず図11は、演出画像表示装置157の表示領域で表示される遊技背景画像700の概要と基準表示位置Sを説明するための図である。
図11を参照して、遊技背景画像700は、演出画像表示装置157の破線で示す表示領域に、例えば同図(a)から同図(h)の複数種類の表示位置で表示される。なお、破線の外の遊技背景画像700は、演出画像表示装置157に表示されないので、破線の外の遊技背景画像700をVRAM518内で生成しないようにしてもよい。その場合、破線の外の遊技背景画像700の生成に係わる処理が削減できることから、例えば、特定画像702を表示する際に生じ得る処理落ちによる画像の乱れの発生を抑えることができる場合がある。すなわち第2副制御部500は、複数の表示座標で遊技背景画像700を表示するように、演出画像表示装置157を制御する。そして複数種類の表示位置には、少なくとも一つの基準表示位置Sを含む。基準表示位置Sとは例えば、図11(a)、図11(e)の如く、表示領域の幅方向の中心線Cと遊技背景画像700の全領域における幅方向の中心線とが一致するように遊技背景画像を表示する位置である。図示の如く遊技背景画像700が左右にスライド表示(水平方向に往復移動するように表示)される場合には、基準表示位置S(図11(a))から、遊技背景画像700の最右端を表示し(図11(c))、最左端を表示して(図11(g))元の基準表示位置S(図11(a))に戻るまでを1周期とすると、当該1周期には2つの基準表示位置S(図11(a)と図11(e)が含まれる。ここでは基準表示位置Sが2つの場合を例に説明するが、1周期における基準表示位置Sは1つであてもよいし、3つ以上であってもよい。
図12は、図11に対応した第1の実施形態の位置変更態様における遊技背景画像700の表示の具体例である。遊技背景画像700は、図12の上図のように、女子学生と男子学生がそれぞれ卓球のラケットを持ち、卓球台を挟んで向かい合う様子が表現されている。遊技者が遊技中に視認できる領域は、破線で示す表示領域内の画像となる。つまり、破線の領域の内側の画像が視認されるときは、破線の領域の外側の画像は、視認不可となる。
図12の下図において、図12(a)および図12(e)は、基準表示位置Sにある場合に表示される画像例であり、表示領域のほぼ中央に卓球台の中央(ネット)が位置し、女子学生のラケットを除く全体像と男子学生の背中部分を除くほぼ全体像とが表示される。
例えば、演出画像表示装置157の表示領域の左角部Aの位置が、遊技背景画像700の描画を指示する座標であるとすると、所定時間の経過により、基準表示位置Sから遊技背景画像700の表示座標(x座標)が増加する方向に位置が変更され、女子学生が徐々に表示領域から視認不可となり、男子学生及びその背後が視認可能となる。遊技背景画像700の最右端を表示する状態(図12(c))では、女子学生は左手の一部を除き、視認不可となる。その後は、遊技背景画像700の表示座標(x座標)が減少する方向に位置が変更され、再び基準表示位置S(図12(e))に戻る。更に遊技背景画像700の表示座標(x座標)が減少する方向に位置が変更され、女子学生とその背後が徐々に視認可能となる一方、男子学生が徐々に視認不可となり、最左端を表示する位置(図12(g))ではラケットと帽子のつばを除き、男子学生は視認不可となる。その後再び、遊技背景画像700の表示座標(x座標)が増加する方向に位置が変更され、基準表示位置S(図12(a))に戻る。基準表示位置Sで表示される画像(図12(a)および図12(e))はここではいずれも同じ画像である。
図13は、ROM506等で保持する表示データテーブル720の一例を示す。表示データテーブル720には、遊技背景画像700の複数の表示位置を表す座標データ番号と、実際の表示座標とが個々に対応づけられている。すなわち、表示データテーブル720の座標データ番号は、表示領域に表示される遊技背景画像700の相対的な位置を表している。
例えば1周期の表示に396フレームの遊技背景画像700を使用する場合、座標データ番号1に対応付けられる表示座標が、1フレーム目として基準表示位置S(図12(a))に遊技背景画像700を表示する座標であり、座標データ番号の増加に伴い、対応する表示位置が例えば右方向に移動するように描画を指示するx座標の数値が増加し、座標データ番号100に対応付けられる表示座標が100フレーム目として遊技背景画像700の最右端(図12(c))を表示する座標となる。その後座標データ番号の増加に伴い、対応する表示位置が例えば左方向に移動するように描画を指示するx座標の数値が減少し、座標データ番号199に対応付けられる座標が199フレーム目として基準表示位置S(図12(e))に遊技背景画像700を表示する座標となる。座標データ番号200〜396はその逆であり、座標データ番号298に対応付けられる表示座標が298フレーム目として遊技背景画像700の最左端(図12(g))を表示する座標となる。
なお、ここでは遊技背景画像700が1つの場合を例に説明するが、遊技背景画像700は複数の画像から構成されてもよく、その場合には全ての遊技背景画像700に図13のような表示データテーブル720が対応づけされている。
遊技背景画像700の表示は、常に基準表示位置S(座標データ番号1または座標データ番号199の座標(位置))から開始するものとするが、その理由については後述する。
座標データ番号1〜396までに対応する座標での表示は、特定の期間、繰り返し実行される。つまり、第2副制御部500は、各遊技背景画像700を1フレームあたり33msで表示し、座標データ番号1から座標データ番号396まで(すなわち1周期)をこの順に約12秒(100フレームあたり約3秒)かけて表示するように制御する。以下、このような表示態様(遊技背景画像700の位置変更態様)を、通常の移動(スライド)表示、あるいは第1の位置変更態様と称する。
一方で、特定画像702を表示する所定の表示条件が成立(例えば、入賞役の内部当選)した場合には、第2副制御部500はその時点で直近の基準表示位置S(座標データ番号1または199の位置)まで、上記の第1の位置変更態様と異なる第2の位置変更態様により移動して表示するよう、制御を行う。
図14は、スタートレバー135が操作されてから内部当選役の示唆を開始するまでの概要を示す図であり、図13(a)がスロットマシン100による処理のタイミングを説明する図であり、図13(b)が、演出画像表示装置157に表示される画像の概要図である。
主制御部300は、スロットマシン100にメダルが投入され、あるいはベットボタン130〜132のいずれか押下され、スタートレバー135が操作されると、遊技の開始を受け付け、各リール110〜112を回転させる。第2副制御部500は、メダル投入受付以前においては、演出画像表示装置157の表示領域に、前回遊技結果(内部当選役)に基づいた画像(画像X、同図(1))を表示させ、あるいは、前回遊技としての遊技背景画像700(同図(2))をスライド表示させる。主制御部300によってメダル(あるいはクレジット、以下同様)の投入受付が検出されると、第2副制御部500は、前回遊技としての遊技背景画像700(同図(2))を引き続きスライド表示させ、あるいは、前回遊技としての遊技背景画像700(同図(1))と今回遊技としての遊技背景画像700(同図(2))が異なる遊技背景画像700である場合は、今回遊技としての遊技背景画像700(同図(2))を表示させる。主制御部300によって内部抽選が実行されると、第2副制御部500は、遊技背景画像700(同図(2))を基準表示位置Sで表示領域に表示するよう遊技背景画像700の位置の移動を開始し、基準表示位置Sに移動した後、内部抽選の結果に応じて特定画像702が表示される(同図(3))。なお、第2副制御部500は、内部抽選の結果に応じた特定画像702の表示をする場合に遊技背景画像700(同図(2))を基準表示位置Sで表示領域に表示するよう遊技背景画像700の位置の移動を開始することとしたが、これに限るものではなく、例えば、内部抽選の結果に応じた特定画像702の表示をしない場合に遊技背景画像700(同図(2))を基準表示位置Sで表示領域に表示するよう遊技背景画像700の位置の移動を開始してもよい。これにより遊技者に何かしらの内部当選を期待させることができる場合があり、さらに、内部抽選の結果に応じた特定画像702が表示された場合の達成感を高めることができる場合がある。
スロットマシン100では、スタートレバー135の操作による遊技開始受付(各リール110〜112の回転開始)から各リール110〜112が所定の回転速度で回転し、ストップボタン137〜139の操作が有効になるまで所定時間(例えば、最短で0.8秒)の経過を要することとしている。なお、前回遊技の各リール110〜112の回転開始から次回遊技の各リール110〜112の回転開始まで、遊技間規制時間(例えば、4.1秒)が経過していない場合は、次回遊技においてスタートレバー135の操作は受け付けられるが、各リール110〜112の回転開始(ストップボタン137〜139の操作受付)は、4.1秒を超えるまで待機される。
そして、スタートレバー135を操作して(遊技開始受付)から、ストップボタン137〜139の操作が有効になるまでの間に、主制御部300によって入賞役の内部抽選処理(ステップSA09)が行われ、第1副制御部400の演出制御処理(ステップSC09)によって、演出の抽選が行われ、これらの結果に応じた演出が開始される。
つまり第2副制御部500は、後述の位置変更決定処理により、ストップボタン137〜139の操作が有効になる以前に、より詳細にはスタートレバー135の操作による遊技開始受付から最短で0.8秒経過する以前に、スライド表示されている遊技背景画像700(同図(2))を、基準表示位置Sで演出画像表示装置157の表示領域に表示し、特定画像702が表示されるよう、演出画像表示装置157を制御する。つまり、スタートレバー135操作時に基準表示位置Sとは異なる位置で遊技背景画像700が表示されている場合には、直近の基準表示位置Sに戻して表示させ、基準表示位置Sで表示されている場合には、その位置での表示を維持する。
その後、所定の入賞役(例えば、小役「ベル」)に当選している場合は、第2副制御部500は、遊技背景画像700に重畳させて、内部当選結果を示唆する特定画像702(小役「ベル」の当選を示唆する画像)を表示するよう、演出画像表示装置157を制御する。
これにより、特定画像702は遊技背景画像700(の基準表示位置S)に基づいて予め決められた位置で、遊技背景画像700と重畳され、両画像を組み合わせた演出画像(同図(3))が表示領域に表示される。したがって、遊技背景画像700で表現されるシーンに関連する特定画像702を適切な位置に表示でき、ストップボタン137〜139の操作が有効になる前に(遊技者がストップボタン137〜139の操作をする前に)効果的に遊技者の注意を引く演出を付加することができる。
このように、遊技背景画像700は、メダルの投入受付で、基準表示位置Sから表示が開始され、その表示位置を刻々と変化させながら例えばスライド表示される。そして、スタートレバー135操作受付時に基準表示位置Sと異なる位置で表示されている場合は、当該操作受付から0.8秒以内に基準表示位置Sに表示され、かつ、特定画像702が適切な位置に表示されるよう、第2副制御部500によって表示位置の移動が制御される。
遊技者にもよるが、メダル投入受付(現在の遊技における遊技背景画像700の最初の表示)から抽選まで(スタートレバー135の操作により基準表示位置Sへ向かう移動を開始するまで)、通常はわずかな時間である。したがって、メダル投入受付時に遊技背景画像700を(前回遊技で既に表示されている場合にも改めて)基準表示位置Sから表示開始することで、スタートレバー135操作時の表示位置から直近の基準表示位置Sへ移動するまでの時間を短縮でき、遊技者に与える違和感を少なくすることができる。
<基準表示位置への位置変更態様(第2の位置変更態様)>
以上説明したように、第2副制御部500は、遊技開始からスタートレバー135の操作前までは、主制御部300によってスタートレバー135の操作が検出されてから0.8秒以内に、遊技背景画像700を直近の基準表示位置Sに早期に移動させ、かつ、特定画像702を表示する。以下、その基準表示位置Sに早期に移動するための位置変更態様(第2の位置変更態様)について説明する。
図15は、遊技背景画像700の第2の位置変更態様の一例を示す概要図であり、表示位置(表示座標)が異なる遊技背景画像700をそれぞれ矩形で示す。矩形の内部の番号は、図13の表示データテーブル720の座標データ番号である。
第2副制御部500は、第1の位置変更態様と第2の位置変更態様で遊技背景画像700の表示位置を変更しながら演出画像表示装置200に表示するよう、制御する。一遊技においてスタートレバー135操作受付までの表示態様が第1の位置変更態様であり、スタートレバー操作受付後、特定画像702の表示までの表示態様が第2の位置変更態様である。第1の位置変更態様は、第1の速度(例えば33ms毎に1フレームを表示する速度)で表示データテーブル720のそれぞれの位置で順次連続表示する位置変更態様であり、第2の位置変更態様は、第1の速度より大きい第2の速度で複数のフレームを表示する位置変更態様である。ここでは、第2の位置変更態様として、現在の表示位置(スタートレバー135操作受付時に表示される遊技背景画像700の位置、以下同様)から座標データ番号を10毎に変動させた位置で遊技背景画像700を表示しながら、基準表示位置Sに移動させる場合を例に説明する。
図14(a)の如く、現在の表示位置が座標データ番号Xに対応する座標である場合、第2副制御部500は次のフレームとして、座標データ番号Y(Y=X±10)に対応する位置で遊技背景画像700を表示するよう、制御する。これはすなわち、座標データ番号に対応する遊技背景画像700の(絶対)座標を、例えば10画素(ドット)ずつ変化させて表示することを意味する。
このように座標データ番号として10ずつ変動(増加または減少)させた位置で遊技背景画像700を表示し(10以下の端数が出た場合は、最後で調整して)、基準表示位置S(座標データ番号1または199の座標)まで移動することで、通常のスライド表示の場合より早期に(早送り表示または早戻し表示で)基準表示位置Sに移動させることができる。
図14(b)(c)は位置変更態様の具体例を示す図であり、図14(b)は現在の表示位置が座標データ番号2〜198の場合の位置変更の例であり、図14(c)は現在の表示位置が、座標データ番号200〜396の場合の位置変更の例である。なお、現在の表示位置が基準表示位置S(座標データ番号1または座標データ番号199の位置)である場合は、位置の変更は行わず、その位置での表示を維持する。
図14(b)の例1を参照して、現在の表示位置が座標データ番号100(最右端を表示する座標)に対応する座標の場合、座標データ番号90、80、70・・・の位置で、それぞれ遊技背景画像700を表示し、基準表示位置S(座標データ番号1の位置)まで移動させる。
また同図の例2を参照して、現在の表示位置が座標データ番号177に対応する座標の場合、座標データ番号187、177、167・・・の位置で、それぞれ遊技背景画像700を表示し、基準表示位置S(座標データ番号199の位置)まで移動させる。
図14(c)の例3を参照して、現在の表示位置が座標データ番号280に対応する座標の場合、座標データ番号270、260・・・の位置で、それぞれ遊技背景画像700を表示し、基準表示位置S(座標データ番号199の位置)まで移動させる。
また同図の例4を参照して、現在の表示位置が座標データ番号300に対応する座標の場合、座標データ番号310、300・・・の位置で、それぞれ遊技背景画像700を表示し、変動(ここでは増加)させた座標データ番号が396を超えた時点で基準表示位置S(座標データ番号1の位置)まで移動させる。
このように、スタートレバー135の操作を受け付けて遊技背景画像700を基準表示位置Sまで移動させる場合は、通常のスライド表示の位置変更順序のように座標データ番号を昇順に変更する移動に限らず、例1、例3のごとく、逆方向の位置変更順序(座標データ番号を降順に変更する移動)も採用され、現在の表示位置から直近の座標データ番号1または199に対応する座標まで昇順または降順で位置を変更し、移動する。
これにより図14(a)の例1を参照して、現在の表示位置が、基準表示位置Sから最も離間している場合(座標データ番号100の位置)であっても、9フレームの表示で基準表示位置S(座標データ番号1)で遊技背景画像700を表示できる。本実施形態では1フレームあたりの表示に必要な時間は33msであり、9フレームを297msで表示できる。つまり、基準表示位置Sまでの移動時間は最大で297(33×9)msであり、スタートレバー135の操作受付からストップボタンが有効になるまでの最短時間(0.8秒)に十分間に合わせることができる。
このように、現在の表示位置の座標データ番号から同じ変動量(10毎の変動)で表示座標の位置を変更することで、現在の表示位置がどの位置であっても、基準表示位置Sに移動する移動速度は同じ(第2の速度)であるので、遊技者にとって移動の様子が見やすくなる。なお、変動量(10毎の変動)は、スタートレバー135の操作受付からストップボタンが有効になるまでの最短時間(0.8秒)より、基準表示位置Sまでの移動時間のうち最大となる時間(297ms)が、短い時間となるように設定されている。
なお、基準表示位置Sに移動する位置変更態様は、現在の表示位置に応じて、複数あってもよい。例えば、上記の例では位置変更態様は、通常の移動表示(第1の速度の第1の位置変更態様)と早送りまたは早戻し表示(第2の速度の第2の位置変更態様)であるが、これに加え、第2の速度より大きい第3の速度で位置を変更する第3の位置変更態様を含んでもよい。第3の位置変更態様は例えば、座標データ番号を20ずつ変動させて基準表示位置Sまで移動する早送りまたは早戻し表示である。この場合、現在の表示位置と基準表示位置Sとの距離(表示座標の距離)が所定の閾値(例えば10cm)を超えて離間している場合には、第3の位置変更態様で位置を移動し、所定の閾値以下であれば、第2の位置変更態様で位置を移動するように制御することができる。上記の実施形態では、基準表示位置Sから最も離間した最左端または最右端であっても、0.8秒以内に基準表示位置Sに移動すること(遊技者によるストップボタン操作が有効になる以前に特定画像702を表示すること)は可能であるが、現在位置が基準表示位置Sから遠い場合には、より早期に(第3の速度で)早送りまたは早戻し表示をすることで、基準表示位置Sまでの移動時間を短縮でき、より早期に遊技者に特定画像702の表示を視認させることが可能となる。
なお、第1の位置変更態様も、基準表示位置Sへ向かって表示の位置が変更される(移動される)態様を含むが、第1の位置変更態様より早期に位置が変更される位置変更態様が、本実施形態の第2の位置変更態様または第3の位置変更態様である。
<特定画像>
図16は、第1の実施形態の特定画像702の表示の一例である。特定画像702は、演出画像表示装置157の表示領域(破線の領域)に表示される態様を異ならせた複数の画像(図16(a)〜図16(c))からなり、所定の表示条件が成立した場合(例えば、小役「ベル」の内部当選した場合)にはこれらが1フレームずつ表示されることで図示のごとくピンポン球が左から右へ移動するように表示される。
図17は、例えばROM506などで保持される特定画像情報テーブル730の一例である。特定画像情報テーブル730は、特定画像702の表示を開始した時点からの特定画像702を表示するフレーム番号(図15では上段)と、VDP516内のフレームバッファに表示する特定画像702の表示座標(同図、下段)とを対応づけしたテーブルである。なお、特定画像702の各フレームと遊技背景画像700の各フレームは同じタイミングで表示される。
特定画像情報テーブル730上段のフレーム番号1は、特定画像702の表示開始後の1フレーム目の特定画像702であることを示す。つまり上段のフレーム番号は、特定画像702の表示開始後に、演出画像表示装置157に表示される遊技背景画像700のフレームに対応している。つまりフレーム番号1は、第2の位置変更態様で基準表示位置Sへの移動が開始された遊技背景画像700の1つ目のフレーム(早送り表示の1つめのフレーム)に対応(同期)している。以下、早送り表示を例に説明するが、歯や戻し表示も同様である。
フレーム番号1では、VDP516内のフレームバッファに表示する表示座標が指定されていない。つまり、1フレーム目において特定画像702は、VDP516内のワークエリアに生成(展開)されているが、フレームバッファに表示する表示座標の指定がなく描画がされないため、演出画像表示装置157の表示領域には表示されない。
このように、図15の特定画像情報テーブル730は、特定画像表示設定処理の開始時点において、特定画像702はワークエリア内に展開され表示の準備は開始されているが、実際の表示領域への表示は待機されていることを表している。
特定画像702は、フレーム番号10(特定画像表示設定処理開始から10フレーム目)まで表示座標の指定がなく、フレーム番号11から表示座標が指定されている。つまり、特定画像表示設定処理開始から10フレームを表示する時間(例えば330ms)が経過した後、特定画像702の最初の画像が表示領域に表示される。
上述の如く遊技背景画像700は、スタートレバー135の操作受付があったのち、第2の移動変更態様で基準表示位置Sに移動する処理が開始し、遊技背景画像700は表示位置を変更しながら最大で9フレーム(早送りで)表示された後、基準表示位置Sで表示される。つまり、特定画像情報テーブル730のフレーム番号9の表示のタイミングで、遊技背景画像700は基準表示位置Sで表示されており、ここまでの経過時間は297msである。
特定画像情報テーブル730によって、第2副制御部500は、更に1フレーム分(33ms)待機した後、フレーム番号11(特定画像表示設定処理開始から11フレーム目)から特定画像702を表示するよう、制御を行う。フレーム番号11からフレーム番号20までは、特定画像702の表示座標が指定されており、これによって、遊技背景画像700が基準表示位置Sに移動した後(297ms以上経過した後)、特定画像702が表示領域に表示される。フレーム番号11からフレーム番号20で表示される特定画像20は複数種類の画像(図16(a)〜図16(c))からなる。これにより例えばピンポン球が表示領域の左から右へ移動するような動画として表示領域に表示される。なお、フレーム番号はここでは20を最大としているが、この数に限らない。
特定画像情報テーブル730で指定される特定画像702の表示座標は、基準表示位置Sで表示される遊技背景画像700を基準として予め用意された表示位置の座標となっている。スライド表示されている遊技背景画像700に特定画像702を表示する場合には、特定画像の表示の基準の位置も移動するため、遊技背景画像700の位置に合わせた適切な位置に特定画像702を表示するには同期をとる必要があり処理が複雑になる。これに対し、本実施形態では特定画像702の表示の基準となる位置は固定されているため、遊技背景画像700で表現されるシーンに演出を付加する特定画像702を、同期をとるための複雑な処理を行うことなく、適切な位置で表示することができる。
図18は、特定画像702を表示する所定の表示条件が成立した場合の、表示例を示す図であり、遊技背景画像700を第2の位置変更態様で、基準表示位置Sまで移動した後の、表示例である。
本実施形態の特定画像702は、表示領域の左から右に、ピンポン球が勢いよく移動する様子を表現する複数の画像で構成されている。
第2副制御部500のCPU504は、第2副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップSF11)において、それぞれの画像の座標情報に基づき、遊技背景画像700と特定画像702を描画するようにVDP516に指示する。具体的には、CPU504は、図18(a)に示すように遊技背景画像700を特定の期間(例えば、基準表示位置Sに移動した後10フレームの期間)、基準表示位置Sで描画するように、VDP516に指示する。VDP516は、CPU504の指示に基づいて演出画像表示装置157に表示する画像を描画(生成)し、演出画像表示装置157に表示する。
その後、遊技背景画像700の11フレーム目の描画と共に、特定画像702を構成する図16(a)の画像を、遊技背景画像700を基準とした所定の座標に描画するようにVDP516に指示する。VDP516は、CPU504の指示に基づいて演出画像表示装置157に表示する画像(図18(b))を描画(生成)し、演出画像表示装置157に表示する。
同様に、遊技背景画像700の12フレーム目の描画と共に、特定画像702を構成する図16(b)の画像を、遊技背景画像700を基準とした所定の座標に描画するようにVDP516に指示し、VDP516は、画像(図18(c))を描画(生成)し、演出画像表示装置157に表示する。
更に、遊技背景画像700の13フレーム目の描画と共に、特定画像702を構成する図16(c)の画像を、遊技背景画像700を基準とした所定の座標に描画するようにVDP516に指示し、VDP516は、画像(図18(d))を描画(生成)し、演出画像表示装置157に表示する。
これにより、女子学生の持つラケットに当たったピンポン球が時間経過とともに、男子学生の方へ移動する演出が可能となる。このように本実施形態によれば、特定画像702が動画として表示される場合であっても遊技背景画像700と容易に同期させることができ(遊技背景画像700に対して適切な位置に特定画像702を表示でき)、遊技背景画像700で表現されるシーンに、効果的に演出を付加することができる。
図19および図20を参照して、本実施形態の特定画像702について更に説明する。特定画像702は、遊技背景画像700の表示されている期間の一部期間に、表示が開始され、複数フレームが表示された後、表現された画像(例えばピンポン球)の位置が変更され、表示が終了するものである。また特定画像702は上述したように、遊技背景画像700に対して適切な位置で表示する必要があり、このため遊技背景画像700を基準表示位置Sに移動している。
このように、特定画像702は、表示開始位置、表示終了位置、または表示位置の変更位置(例えば、左から右に向かう方向に移動した画像が、下から上に向かう方向に移動方向を変更する位置)、などの視認態様の変更位置が、基準表示位置Sで表示される遊技背景画像700によって決定される画像である。より詳細には、特定画像702は、視認態様の変更位置が、基準表示位置Sで表示される遊技背景画像700に含まれる一部画像を区画する境界があることによって決定される画像である。
具体的には、図18(b)〜図18(d)を参照して、遊技背景画像700には、女子学生の持つ卓球のラケットが描画されているが、ラケットはその外形を表す描画線あるいは付された色彩を境界として他の領域と区画され、遊技者に「ラケット」として視認される。特定画像702(ここでは、ピンポン球)は、ラケットで打ち返される演出を付加する画像であって、ラケットの表示位置によってピンポン球の表示位置が決定される。つまりピンポン球の表示開始位置、表示終了位置、あるいは表示位置の変更位置は、基準表示位置Sで表示されるラケットの表面を基準に決定されている。つまりこの場合における「ラケット」が上述の遊技背景画像700に含まれる一部画像である。そして一部画像は、描画線、あるいはそれに付された色彩によって、他の領域から区画され、つまり他の領域と境界を有することによって「ラケット」として認識される画像であり、境界は例えばラケットの表面である。また一部画像が例えば卓球台の場合は卓球台の表面などが境界となる。
特定画像702の視認態様の変更位置は、一部画像の外形の描画線によって決定されてもよいし、当該描画線の内側の領域で決定されてもよい。
図19は、遊技背景画像700に含まれる一部画像704で決定される特定画像702の視認態様の変更位置の一例を示す、表示領域の概略図である。
図19(a)は、特定画像702の表示開始位置が、一部画像704によって決定する場合を示す。特定画像702は、一部画像704(の境界)に接する位置から表示開始され、所定のフレーム数の表示により他の位置へ移動して表示終了する。図10に示す特定画像702の視認態様の変更位置も、この例に相当する。表示開始時の特定画像702は例えば透過率を高めたり、遊技背景画像700と同一色彩とするなどにより特定画像702が一部画像704から飛び出すような表現も可能となる。
図19(b)は、特定画像702の表示終了位置が、一部画像704によって決定する場合を示す。特定画像702は、一部画像704から離間した位置で表示が開始され、境界に接する位置に移動して表示終了する。特定画像702が一部画像704にぶつかって消えるような表現が可能となる。
図19(c)は、特定画像702の表示位置の変更位置が、一部画像704によって決定する場合を示す。特定画像702は、一部画像704から離間した位置で表示が開始され、所定のフレーム数の表示により一部画像704に接近する方向に進み、一部画像704に接する位置でこれから離間するように進行方向を変えて表示終了する。特定画像702が一部画像704に衝突して進行方向を変えるような表現が可能となる。
なお図19(c)の下図には、一部画像704の外形を表わす描画線の内部に境界が存在する場合を示している。
図19(d)は、特定画像702の拡大の起点が、一部画像704の境界(描画線)によって決定する場合を示す。特定画像702は、一部画像704の境界に接する位置を基準として拡大する。風船などが大きく膨らむような表現が可能となる。
図19(e)は、特定画像702の縮小の起点が、一部画像704の境界(描画線)によって決定する場合を示す。特定画像702は、一部画像704の境界に接する位置を基準として縮小する。風船などが小さくしぼむような表現が可能となる。
図19(f)は、特定画像702の色彩(色素)が、一部画像704の境界(描画線)によって決定する場合を示す。特定画像702は、一部画像704の境界に接する位置を基準としてその色彩を変化させる。当初、遊技背景画像700と同一色彩とした特定画像702を他の色彩に変化させることで突然出現するような表現も可能となる。
図20は、本実施形態の特定画像702に含まれない画像を示す一例である。図24(a)の如く、遊技背景画像700と重畳して表示される画像706であっても、一部画像704の境界とは無関係の任意の位置から表示開始され、一部画像704の境界とは無関係の任意の位置で表示終了するような画像706は、本実施形態の特定画像702に含まれない。
また、図20(b)の如く、一部画像704の境界とは無関係の任意の位置に単に表示される(消滅する)画像706も、本実施形態の特定画像702に含まれない。更に図示は省略するが、一部画像704が存在しない場合に、ある期間に表示される画像706も本実施形態の特定画像702に含まれない。つまり、遊技背景画像700を基準表示位置Sに移動した後に表示した場合と、遊技背景画像700を基準表示位置Sに移動せずに表示した場合とで見栄えの印象が何ら変わらない画像は、本実施形態の特定画像702に含まれる画像ではない。
<位置変更態様決定処理>
図21〜図24を参照して、遊技背景画像700の第2の位置変更態様の決定処理についてさらに説明する。図21は、図8(a)に示す第2副制御部メイン処理の演出制御処理SF09で実行される、位置変更態様決定処理および特定画像表示設定処理のフローチャートである。図22から図24は、遊技背景画像700の表示座標生成処理のフローチャートである。
ステップSJ01では、特定画像702の表示指示があるか否か、すなわち図5のステップSA09で示す入賞役内部抽選処理の結果、内部当選のフラグが立っているか否かを判定する。表示指示がある場合はステップSJ02に進み、そうでない場合はステップSJ08に進む。
ステップSJ02では、演出画像表示装置157に遊技背景画像700のみが表示されているか(特定画像702が表示されていないか)否かを判定し、遊技背景画像700のみが表示されている場合はステップSJ03に進み、そうでない場合はステップSJ08に進む。
ステップSJ03では、遊技背景画像700の現在の表示位置の座標(表示座標)を取得し、図12に示す表示データテーブル720と照合して対応する座標データ番号を取得する。現在の座標データ番号は、RAM508などの所定の領域に記憶する。
ステップSJ04では、取得した遊技背景画像700の座標データ番号が基準表示位置Sの座標であるか(座標データ番号が1または199であるか)否かを判定し、基準表示位置Sの座標でない場合は、ステップSJ05に進み、そうでない場合はステップSJ07に進む。
ステップSJ05では、遊技背景画像700の表示座標生成を行う。これについては後述する。
ステップSJ06では、生成した座標によっての表示設定を行う。生成した座標は、遊技背景画像700を構成する画像データの情報として、ステップSI01でCPU504からVDP516に指示される。また、表示設定には、位置変更態様決定処理における遊技背景画像のフレーム番号(何フレーム目の遊技背景画像700を表示するか)、も含まれる。
ステップSJ07では、特定画像表示設定処理を行う。図17に示す特定画像表示データテーブル730から表示座標を取得する。特定画像情報テーブル730のフレーム番号と表示座標は特定画像702を構成する画像データの情報として、ステップSI01でCPU504からVDP516に指示され、所定の表示条件の成立によって遊技背景画像700と重畳するように(同期をとって)表示領域に表示される。なお、本実施形態では、図17の如く、特定画像702のフレーム番号1から10は表示座標の指定がないので、その期間は、本ステップで表示の設定はされるが、演出画像表示装置157への表示はなされない。
ステップSJ08では、他の画像(例えば、前回遊技結果(内部当選役)に基づいた画像X等)の表示設定を行う。
図22のフローチャートを参照して遊技背景画像の表示座標生成処理について説明する。
ステップSK01では、現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号2〜99である場合は、ステップSK02の表示座標生成1処理に進み、そうでない場合はステップSK03に進む。
ステップSK03では、現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号100〜198である場合は、ステップSK04の表示座標生成2処理に進み、そうでない場合はステップSK05に進む。
ステップSK05では、現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号200〜297である場合は、ステップSK06の表示座標生成3処理に進み、そうでない場合はステップSK07に進む。
ステップSK07では、現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号298〜396である場合は、ステップSK08の表示座標生成4処理に進み、そうでない場合は処理を終了する。
図23(a)のフローチャートを参照して表示座標生成1処理について説明する。
ステップSL01では、RAM508等の所定の記憶領域に記憶された現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号2〜11である場合は、ステップSL04に進み、そうでない場合はステップSL02に進む。
ステップSL02では、現在の座標データ番号から所定数を増加または減少させ(ここでは「現在の座標データ番号−10」)、算出した新たな座標データ番号を、RAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示する。
ステップSL03では、ステップSL02で生成した新たな座標データ番号を判定し、座標データ番号2〜11である場合は、ステップSL04に進み、そうでない場合はステップSL02に進む。
ステップSL04では、座標データ番号1をRAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示し、処理を終了する。
図23(b)のフローチャートを参照して表示座標生成2処理について説明する。
ステップSM01では、RAM508等の所定の記憶領域に記憶された現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号189〜198である場合は、ステップSM04に進み、そうでない場合はステップSM02に進む。
ステップSM02では、現在の座標データ番号から所定数を増減し(ここでは「現在の座標データ番号+10」)、新たな座標データ番号を、RAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示する。
ステップSM03では、ステップSM02で生成した新たな座標データ番号を判定し、座標データ番号189〜198である場合は、ステップSM04に進み、そうでない場合はステップSM02に進む。
ステップSM04では、座標データ番号199をRAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示し、処理を終了する。
図24(a)のフローチャートを参照して表示座標生成3処理について説明する。
ステップSN01では、RAM508等の所定の記憶領域に記憶された現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号200〜209である場合は、ステップSN04に進み、そうでない場合はステップSN02に進む。
ステップSN02では、現在の座標データ番号から所定数を増減し(ここでは「現在の座標データ番号−10」)、新たな座標データ番号を、RAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示する。
ステップSN03では、ステップSN02で生成した新たな座標データ番号を判定し、座標データ番号200〜209である場合は、ステップSN04に進み、そうでない場合はステップSN02に進む。
ステップSN04では、座標データ番号199をRAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示し、処理を終了する。
図24(b)のフローチャートを参照して表示座標生成4処理について説明する。
ステップSO01では、RAM508等の所定の記憶領域に記憶された現在の座標データ番号を判定し、座標データ番号387〜396である場合は、ステップSO04に進み、そうでない場合はステップSO02に進む。
ステップSO02では、現在の座標データ番号から所定数を増減し(ここでは「現在の座標データ番号−10」)、新たな座標データ番号を、RAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示する。
ステップSO03では、ステップSO02で生成した新たな座標データ番号を判定し、座標データ番号387〜396である場合は、ステップSO04に進み、そうでない場合はステップSO02に進む。
ステップSO04では、座標データ番号1をRAM508等の所定の記憶領域に記憶し、その座標データ番号に基づく表示座標をVDP516に指示し、処理を終了する。
<位置変更態様決定処理の変形例>
図25を参照して、遊技背景画像700の位置変更態様決定処理の他の形態について説明する。図25は、図8(a)に示す第2副制御部メイン処理の演出制御処理SF09で実行される、位置変更態様決定処理および特定画像表示設定処理のフローチャートである。
ステップSP01では、特定画像702の表示指示があるか否かを判定する。表示指示がある場合はステップSP02に進み、そうでない場合はステップSP08に進む。
ステップSP02では、演出画像表示装置157に遊技背景画像700のみが表示されているか(特定画像702が表示されていないか)否かを判定し、遊技背景画像700のみが表示されている場合はステップSP03に進み、そうでない場合はステップSP08に進む。
ステップSP03では、遊技背景画像700の現在の表示位置の座標(表示座標)を取得し、図12に示す表示データテーブル720と照合して対応する座標データ番号を取得する。
ステップSJ04では、取得した遊技背景画像700の座標データ番号が基準表示位置Sの座標であるか(座標データ番号が1または199であるか)否かを判定し、基準表示位置Sの座標でない場合は、ステップSP05に進み、そうでない場合はステップSP07に進む。
ステップSP05では、遊技背景画像700の表示座標生成を行う。この処理は図17から図19のフローチャートで示す処理と同様であり、説明は省略する。
ステップSP06では、生成した座標によっての表示設定を行う。
ステップSP07では、特定画像表示設定予約処理を行う。RAMなどに設けた特定画像表示予約カウンタに、予約を示すフラグを設定する。当該カウンタは、第1副制御部500の初期化処理で初期化されている。
ステップSP08では、特定画像表示予約カウンタのフラグを参照し、特定画像表示予約中であるか否かを判定する。予約中である場合は。ステップSP09にすすみ、そうでない場合は、ステップSP11に進む。
ステップSP09では、生成座標による遊技背景画像700の表示が終了したか否か(基準表示位置Sに移動が完了したか否か)を判定する。表示が終了(移動が完了)している場合は、ステップSP10に進み、そうでない場合はステップSP11に進む。
ステップSP10は、特定画像表示設定処理を行う。この処理は、図16のステップSJ07の処理と同様であるので説明は省略するが、参照する特定画像情報テーブルが異なる。すなわち、本ステップで参照する特定画像情報テーブルは、特定画像702のフレーム番号1(1フレーム目)から、特定画像の表示座標が設定されているものである。
ステップSP11では、他の画像(例えば、前回遊技結果(内部当選役)に基づいた画像X等)の表示設定を行う。
遊技背景画像700の表示座標生成処理のフローチャートは、図17から図19に示すものと同様であるので、説明は省略する。
このような構成とすることで、遊技背景画像700が基準開始位置Sに移動した後直ちに、特定画像702を表示することができ、遊技者に早いタイミングで内部当選を示唆することができる。
<遊技背景画像の位置変更態様の変形例>
図26は、第1の実施形態の遊技背景画像700の位置変更態様の他の形態を説明する図である。内部当選時に表示する基準表示位置Sは、第1の位置変更態様において、表示領域(破線の領域)に表示される範囲(領域)に含まれない位置であってもよい。
内部当選示唆の演出実行時以外の遊技背景画像700は、第1の位置変更態様によって、図26(a)と図26(b)に示す範囲で左右に往復移動するように、表示されている。この場合、図26(b)の表示領域(破線の領域)の、右外側の遊技背景画像700の最右端付近の領域αは、遊技者に視認されない。
一方、所定の入賞役に内部当選した場合は、第2の位置変更態様によって、図26(c)の如く遊技背景画像700の最右端が視認可能となる位置まで、遊技背景画像700の表示位置が変更される。つまりこの位置が、基準表示位置Sとなる。そして視認可能となった、最右端付近の領域αに表示された一部画像704(例えば、星の画像)に基づき、特定画像702が表示される。つまりこの実施形態では、通常の(内部当選示唆の演出実行時以外の)遊技背景画像700の表示位置には基準表示位置Sが含まれず、内部当選示唆の演出実行時のみ基準表示位置Sに移動して、特定画像702が表示される。
このような構成とすることで、内部当選時には通常の遊技背景画像700と異なる遊技背景画像700が表示された上で、当該遊技背景画像700に関連した特定画像702が表示されるので、遊技者の注意を引き付けやすくなり、効果的に内部当選を示唆することが可能となる。
図27は、第1の実施形態の遊技背景画像700の位置変更態様の他の形態を説明する図である。上述の実施形態では、演出画像表示装置157の表示領域に対して左右方向に往復移動して表示する位置変更態様について説明したが、これに限らず、一例として以下のような位置変更態様が挙げられる。
例えば、図27(a)は、表示領域(破線の領域)に対して上下方向のサイズが大きい遊技背景画像700を上下方向に往復移動して表示する位置変形態様である。
図27(b)は、表示領域(破線の領域)に対して上下方向および左右方向のサイズが大きい遊技背景画像700を円移動して表示する位置変形態様である。円移動の中心点は1つでもよいし、異なる複数の点であってもよい。また、表示領域の対角線方向などの斜め方向の移動であってもよい。
図27(c)は、表示領域より大きいサイズの遊技背景画像700と、表示領域と同程度の遊技背景画像700を拡縮させて表示する位置変更態様である。
<遊技背景画像および位置変更態様の変形例>
図28は、第1の実施形態の遊技背景画像700、およびの位置変更態様の他の形態を説明する図である。遊技背景画像700は、図28(a)の如く、第1の遊技背景画像700A、第2の遊技背景画像700B、第3の遊技背景画像700Cなど複数種類の画像からなり、同時に(重畳して)表示されるものであってもよい。そしてこの場合の第1の位置変更態様としては、一例として以下の態様が挙げられる。
図28(b)は、第1の遊技背景画像700A、第2の遊技背景画像700Bおよび第3の遊技背景画像700Cの相対的な位置は変わらず、時間経過(t1、t2、t3)に伴って各画像が同じ距離で移動する態様である。
図28(c)は、第1の遊技背景画像700A、第2の遊技背景画像700Bおよび第3の遊技背景画像700Cの相対的な位置が変化するものであり、時間経過(t1、t2、t3)に伴って例えば、第1の遊技背景画像700Aが左右に移動し、第2の遊技背景画像700Bおよび第3の遊技背景画像700Cがそれぞれ上下に移動する態様である。第2の遊技背景画像700Bおよび第3の遊技背景画像700Cの移動する距離は異なってもよく、これらの移動方向が異なってもよい。また、図示は省略するが、各画像の少なくとも1つの位置を図27のように変更して表示する態様であってもよい。
また、同時に表示される遊技背景画像700は3枚に限らず、2枚や4枚以上であってもよく、第2の遊技背景画像700Bおよび第3の遊技背景画像700Cの大きさは異なってもよい。さらに、ある期間(t1〜t2の期間)では第1の遊技背景画像700Aと第2の遊技背景画像700Bが表示され、他の期間(t2以降t3までの期間)では第1の遊技背景画像700Aと第3の遊技背景画像700Cが表示される態様であってもよい。
このような構成とすることで、変化に富んだ遊技背景画像700を提供することができる。また同じ画像を使用する場合であっても、例えば、内部当選役に応じて図28(b)と図28(c)の位置変更態様を使い分けてもよく、遊技背景画像700の興趣を高めることができる。
<遊技背景画像の変形例1>
図29は、第1の実施形態の遊技背景画像の他の形態を示す図であり、遊技背景画像に動画を採用する場合の一例を示す。
図29(a)は、ムービー動画またはスプライト動画で構成した遊技背景画像700Mを示す概要図である。
ムービー動画の動画データは、MPEGやMJPEG(モーションJPEG)のような圧縮動画データ形式により表現され例えばROM506に格納しておき、CPU504の制御に応じてVDP516が画像データ展開を行ない、VRAM518に画像フレームデータとして展開する。
ムービー動画は、複数の動画データ(画像A、B、C・・・)から構成され、各フレームf1、f2、f3・・・の画像を生成する際にそのフレーム生成に必要な動画データ(画像A、B、C・・・)がそれぞれVDP516に対してパラメータ指定される。
スプライト動画は、ムービー動画と異なる、ビットマップ形式、JPEGやTIFFなどのイメージデータ形式により表現された動画である。
スプライト動画は複数種類のスプライト画像(画像A、B、C・・・)がROM506に用意され、1フレームの画像を生成する際にその画像フレームの生成に必要なスプライト画像がVDP516に対してパラメータ指定される。
遊技背景画像700Mをムービー動画で構成した場合には、遊技背景画像700Mを構成する個々の画像の表示座標は変化させないで、遊技背景画像700Mを構成する個々の画像を表示領域(破線の領域)に表示される範囲(領域)に表示させるが、例えば、遊技背景画像700Mに表現された、あるイメージ(例えば「木」等の画像)が、所定の位置変更態様(例えば左右に移動する態様)により、複数の表示位置で表示されるので、遊技者には所定の位置変更態様(例えば左右に移動する態様)で見せることができる。
図29(b)は、遊技背景画像700Mをスプライト動画の第1の遊技背景画像700MAとムービー動画の第2の遊技背景画像700MBにより構成する場合を示す。スプライト動画は、例えば背景画像SBとキャラクタ等を表現した複数の異なるスプライト画像Sa、Sb、Scで構成される。スプライト画像Sa、Sb、ScはROM506に用意され、1フレームの画像を生成する際にその画像フレームの生成に必要なスプライト画像Sa、Sb、Sc、がVDP516に対してパラメータ指定される。
例えば、スプライト動画の背景画像SBは、その表示位置(座標)が所定の位置変更態様により変更され、例えば左右に移動する。この場合、表示領域では移動する背景画像SBに重畳するスプライト画像Sa、Sb、Scがアニメーションとして表現され、さらにムービー動画が表示領域の所定位置に重畳して表示され、遊技背景画像700Mが構成される。図29(b)ではスプライト動画の表示サイズをムービー動画の表示サイズより大きいものとしたが、これらを入れ替えてもよい。
このようにすることで、遊技背景画像700Mにリアルな動きを与えることができ、遊技者の注意を引く演出が可能となる。
<遊技背景画像の変形例2>
図30は、第1の実施形態の遊技背景画像700Mの他の変形例を示す図である。遊技背景画像700Mは、リアルタイムに生成された画像を含んでいてもよい。
図30(a)は3D動画における仮想空間の一例を示した斜視図であり、仮想空間には、設定された地平面600の上方に特定3Dオブジェクト601と、2つの3Dオブジェクト602、603が配置されると共に、仮想カメラ610が配置されている。ここで、特定3Dオブジェクト601とは、視認者(遊技者)に特に注目させたいオブジェクトのことである。これらのオブジェクト601〜603は、CPU504がROM506に記憶された3Dデータ(3次元のモデルを作成する場合のポリゴンデータなど)に基づいて、RAM513内に生成した3D空間にポリゴンなどで形成される。仮想カメラ610の相対的な移動に伴い、該3D空間から所定のレンダリング処理により2次元の複数の画像A1、A2、A3・・・(図30(b))を生成する。これらの画像A1、A2、A3・・・は、スケーラ(不図示)によって拡大された後に、トランスミッタ(不図示)を介して演出画像表示装置157に出力され、第1の遊技背景画像700MAを構成する。また、遊技背景第1の遊技背景画像700MAに加えてムービー動画やスプライト動画などの遊技背景画像700MBを組み合わせて構成されてもよい(図30(d))。
このようにすることで、遊技背景画像として多数の画像データを準備する必要がなく、また立体感のある遊技背景画像700Mを提供できる。
<遊技背景画像(動画)の位置変更態様>
図31および図32を参照して、遊技背景画像700Mをムービー動画で構成した場合の、位置変更態様について説明する。
遊技背景画像700Mをムービー動画で構成した場合、位置変更態において各フレームの画像を表示する座標は変わらず、内部当選の演出期間以外の第1の位置変更態様では、フレームf1、f2、f3・・・を順次表示する。そしてスタートレバー135の操作が受け付けられたのち、基準表示位置Sの画像を表示する際、第2の位置変更態様で移動する。
ROM506には、遊技背景画像700Mを構成するムービーデータ(動画データ)のストリームが予め記憶されている。ストリームは、1つのファイルヘッダと、フレーム数分のフレームヘッダおよびフレームデータ(圧縮データ)と、によって構成される。図31には、ムービーデータの一例として400フレーム分のフレームデータを例示している。
また、ROM506の表示制御データの記憶領域にはムービーデータの展開用情報(例えば、展開期間、展開領域など)、表示サイズ、表示位置、表示期間などの制御データがさらに関連付けされて記憶されている。
本実施形態のフレームデータは、Iフレームと、Pフレームと、Bフレームの3種類に分類することができる。Iフレームは他の種類のフレームを参照しないでデコードされる圧縮データ(画面内符号化フレーム、前後のフレームとは独立して画像データがそのまま圧縮されたフレーム)であり、Pフレームは、過去のIフレームまたはPフレームを参照してデコードされる圧縮データであり、Bフレームは、過去のIフレームまたはPフレーム、もしくは未来のIフレームまたはPフレームを参照してデコードされる圧縮データである。
第2副制御部500が備えるVDP516は、CPU504からの指示に従って、ROM506に記憶されたストリームを1フレーム毎にデコードし、デコード後のフレームをVRAM518のワークエリアに展開する。
図31(a)はフレームのデコード順と再生順(表示順)を示した図であり、上段がデコード順であり、下段が表示順である。
例えば、図31(a)のに示すように、Iフレームの1番(I1)は、他のフレームを参照しないでデコードすることができるため、最初に単独でデコードされた後、最初に再生(展開)される。続いて、Iフレームの1番(I1)の次に再生されるBフレームの1番(B1)は、Iフレームの1番(I1)とPフレームの1番(P1)を参照してデコードする必要があるため、Bフレームの1番(B1)の前にPフレームの1番(P1)がデコードされる。続いて、デコード済みのIフレームの1番(I1)とPフレームの1番(P1)を参照してBフレームの1番(B1)がデコードされた後、Iフレームの1番(I1)の次にBフレームの1番(B1)が再生(展開)される。以下、同様の手順で、VDP516は、図中の上段に示す順番でフレームのデコードを行いながら、図中の下段に示す順番でデコード済みのフレームを再生(展開)する。
図31(b)は、本実施形態のムービーデータの詳細を示す図である。ここでは、遊技背景画像700Mはムービー動画であるため、フレームf1からフレームf400までを繰り返し表示する。したがって、例えばムービーデータ中の最初(フレームf1)の画像と、中間(フレームf201)の画像を基準表示位置Sの画像とし、これらの間の少なくとも1つのフレームをIフレームの画像とする。ここでは一例として、最初のフレームf1、最右端画像のフレームf101、中間のフレームf201、最左端画像のフレームf301と、これらの間の10フレーム毎にIフレームの画像を再生する場合を示す。すなわち、例えば10フレーム毎にIフレームが再生されるように、デコードデータ(ムービーデータ)が設定されている。
尚、最後のフレームf400は、連続して最初のフレームf1が再生されるため、基準位置Sの画像が2フレーム連続して表示されることを回避するため、Iフレームとしていない。
そして、上述の位置変更態様決定処理において、基準表示位置Sの画像に移動する場合には、Iフレームの画像を表示(再生)することで、10フレーム毎の間欠的な表示が可能となり、基準表示位置Sの画像まで早期に移動する(早送り表示または早戻し表示する)ことが可能となる。既述の如くIフレームは、他のフレームを参照しないでデコードすることができるため、基準表示位置Sの画像まで早送り表示をする場合であっても、複雑なデコードが不要となる。
図32は、現在の表示位置(フレーム)から基準表示位置S(フレーム)の画像までの再生順の一例を説明する図である。各図において矢印の左側が現在の表示フレームを示し、右側が基準表示位置Sの画像までの再生順である。位置変更態様決定処理において、基準表示位置Sの画像に移動する場合には、通常のムービー再生の順番(フレームf1→フレームf2→・・fフレームf400)によらず、合理的に(最短で)直近の基準表示位置Sのフレームに移動する。
図32(a)は、現在の表示位置がフレームf2〜f100の場合である。例えば、現在の表示位置がフレームf88の場合、直近の基準表示位置Sの画像はフレームf1であり、10フレーム毎に設けられたIフレーム(f81、f71・・・)を通常の再生順とは逆順で(戻す方向に)再生し(巻き戻し再生し)、フレームf1を表示する。
図32(b)は、現在の表示位置がフレームf101〜f200の場合である。例えば、現在の表示位置がフレームf125の場合、直近の基準表示位置Sの画像はフレームf201であり、10フレーム毎に設けられたIフレーム(f131、f141・・・)を通常の再生順で(進む方向に)再生し(早送り再生し)、フレームf201を表示する。
図32(c)は、現在の表示位置がフレームf201〜f300の場合である。例えば、現在の表示位置がフレームf254の場合、直近の基準表示位置Sの画像はフレームf201であり、10フレーム毎に設けられたIフレーム(f251、f241・・・)を通常の再生順とは逆順で(戻す方向に)再生し(巻き戻し再生し)、フレームf201を表示する。
図32(d)は、現在の表示位置がフレームf301〜f400の場合である。例えば、現在の表示位置がフレームf378の場合、直近の基準表示位置Sの画像はフレームf1であり、10フレーム毎に設けられたIフレーム(f381、f391)を通常の再生順で(進む方向に)再生し(早送り再生し)、フレームf1を表示する。
このように、現在の表示位置に応じて、ムービー動画の早戻しまたは早送りを選択することで、表示時間のロスを防ぐことができる。なお、図示は省略するが、現在の表示位置がフレームf1またはフレームf201の場合、当該フレームの画像の表示を維持する。
<遊技背景画像(動画)の変形例>
図33を参照して、本実施形態の遊技背景画像700Mの他の変形例を説明する。遊技背景画像700Mとして、図32で説明したムービー動画の画像700MAと他の動画の画像700MBを組み合わせて構成してもよい。
ムービー動画の画像700MAは、基準表示位置Sの画像に移動した後から特定画像702が表示されている間は、同じ画像のフレームf1(またはf201)が所定期間表示され続け、背景が静止した印象となる。そこで、第1の遊技背景画像700MAでフレームf1(またはf201)を表示したのち、新たなムービー動画(第2の遊技背景画像700MBのフレームf001、f002・・・)を再生する。この場合の第2の遊技背景画像700MBは、第1の遊技背景画像700MAのシーンに連続するシーンを再生するものである。例えば、第1の遊技背景画像700MAがフレームf1の連続再生となり、図18(a)に示すように女子学生がラケットを構えるシーンで静止した状態となっている場合、特定画像702の表示開始に伴って、歯を食いしばる、あるいは笑顔になるように表情が変化する動画(例えばムービー動画、スプライト動画)の第2の遊技背景画像700MBを表示する。
<遊技背景画像(動画)および特定画像の変形例1>
図34は、他の変形例として図33で説明した遊技背景画像700Mの変形例に、動画の特定画像702Mを表示する一例を示す。
特定画像702Mは、ムービーデータで構成されてもよく、図34(a)では、第2の位置変更態様にて基準表示位置S(フレームf1)の画像で表示された遊技背景画像(ムービーデータ)700MAに、新たな遊技背景画像(ムービーデータ)700MBを重ねて表示し、更にムービーデータで構成された特定画像702Mを重ねて表示するものである。特定画像702Mは、例えば表示領域の左から右へ勢いよく移動するピンポン球のムービー動画である。
第1の遊技背景画像700MAが基準表示位置S(フレームf1)の画像に移動した後、第1の遊技背景画像700MAはフレームf1の画像を連続して再生しているが、第2の遊技背景画像700MBはフレームf001からフレームf002・・・と順次再生を開始する。同時に、特定画像702Mもフレームf101からフレームf102・・・と順次再生が開始され、内部当選を示唆する演出を行う。第2の遊技背景画像700MBおよび特定画像702Mは、最後のフレームまで再生されると、それぞれ第1のフレームf001、f101に戻り、所定の期間、繰り返し再生される。
新たな第2の遊技背景画像700MBを再生する場合であっても、特定画像702Mの表示位置は、連続再生される同じフレームf1の画像に含まれる一部画像によって決定されるので、第1の遊技背景画像700MA、700MBと特定画像702Mを容易に同期させることができる。
図34(b)は、第1の遊技背景画像700MAの基準表示位置Sの画像がフレームf201の場合であり、演出実行時にフレームf201が連続再生される以外は、上記の図34(a)と同様であるので、説明は省略する。
この変形例では第1の遊技背景画像700MAが基準表示位置Sの画像に移動した直後に、第2の遊技背景画像700MBと特定画像702Mの再生が同時に開始される。第2の遊技背景画像700MBは、特定画像702Mが表示される領域と重畳しない表示領域の一部に表示することもできる(図34(c))。
<遊技背景画像(動画)および特定画像(動画)の変形例2>
図35は、第1の遊技背景画像700MA、700MBおよび特定画像702Mの他の形態を示す図である。
図35に示す変形例は、第1の遊技背景画像700MAが基準表示位置Sの画像で表示され、特定画像702Mが所定期間表示された後に、新たな動画の第2の遊技背景画像700MBを表示するものである。
図35(a)の上段の図では、第1の遊技背景画像700MAが基準表示位置Sの画像のフレームf1を表示開始すると同時に、特定画像702Mをフレームf101、f102・・・と順次再生を開始する。そして所定の時間が経過した後、特定画像702Mの再生を終了し、第1の遊技背景画像700MAに重ねて新たな動画の第2の遊技背景画像700MBについてフレームf001、f002・・と順次再生を開始する。
この例では、静止して見える第1の遊技背景画像700MAと特定画像702Mとが表示される時間(遊技者が内部当選の示唆を視認可能な時間)を確保するものであり、遊技者が内部当選役の示唆が視認可能な時間(例えば約2秒(66フレーム)の間)は、新たな第2の遊技背景画像700MBの再生を待機することで、第2の遊技背景画像700MBの動画に遊技者の注意が向くことを防ぎ、内部当選をわかりやすく示唆することができる。
この場合、内部当選役を示唆する所定時間は担保されているので、新たな第2の遊技背景画像700MBは、特定画像702Mの表示領域に重なるように表示されるものであってもよい。
図35(a)の下段は、第1の遊技背景画像700MAの基準表示位置Sの画像がフレームf201の場合であり、演出実行時にフレームf201が連続再生される以外は、上記の図37(a)と同様であるので、説明は省略する。
図35(b)は、図35(a)の変形例において、特定画像702Mを所定時間経過後も連続再生する例を示す。
第1の遊技背景画像700MAは、基準表示位置Sの画像に移動後、フレームf1を連続再生し、同時に特定画像702Mはフレームf101、f102・・と順次再生を開始する。第1の遊技背景画像700MAは、遊技者が内部当選の示唆を視認可能な所定時間(例えば、時間で2秒、66フレーム分)経過した後、新たな第2の遊技背景画像700MBをフレームf001から順次再生開始する。
特定画像702Mは1回の演出示唆の動画が例えば40フレーム(約1.2秒)で構成されており、フレームf101からフレームf140で再生を終了したのでは、技者が内部当選の示唆を視認可能な所定時間(2秒、66フレーム)より短く、遊技者が視認できない恐れがある。このような場合(特定画像702Mの1回の演出示唆の時間が、遊技者が視認可能な時間より短い場合)は、特定画像702Mを繰り返し再生することで、遊技者が視認可能な時間を確保するとよい。その時間(2秒)が経過した後は、第2の遊技背景画像700MBの再生と重ねて特定画像702Mを繰り返し再生してもよいし、特定画像702Mの再生を終了してもよい。
この場合も第2の遊技背景画像700MBは、特定画像702Mの表示領域に重なるように表示されるものであってもよい。
<遊技背景画像および特定画像の変形例3>
図36は、遊技背景画像700Mおよび特定画像702Mの他の形態を示す図である。
図36(a)を参照して、ムービー動画の第1の遊技背景画像700MAを基準表示位置Sの画像(フレームf1またはフレームf201)に戻した後、これに重ねて、第1の遊技背景画像700MAの表示領域と同じ大きさの表示領域で第2の遊技背景画像700MBを再生し、同時にムービー動画の特定画像702Mを再生するものであってもよい。
図34に示す変形例では、第1の遊技背景画像700MAのシーンの一部(例えば女子学生の表情のみ)を変化させるような第2の遊技背景画像700MBを重ねて表示するものであるが、本変形例3では、第1の遊技背景画像700MAのほとんどの領域を変化させるような演出が可能である。
第2の遊技背景画像700MBはフレームf001、f002・・と順次再生され、表示される画像が変化する動画であるが、フレームf1(フレームf201)を連続再生する第1の遊技背景画像700MAを背面に表示しているので、第1の遊技背景画像700MAに含まれる一部画像によって特定画像702Mの表示位置を決定することができ、同期が容易となる。
この場合、図36(b)のごとく、特定画像702Mの1回の演出の時間(フレーム数)が短い(例えば40フレーム)場合には、特定画像702Mを繰り返し再生するものとしてもよい。
図37は、図36の変形例3の表示の一例を示す図である。
図37(a)では第1の遊技背景画像700MAを基準表示位置Sの画像(フレームf1、f201)で表示したのち、図37(b)の如く、女子学生と男子学生のいずれの視認態様も異なるようにムービー動画の第2の遊技背景画像700MBを再生するとともに、特定画像702M(ピンポン球が移動する動画)を再生している。
これにより、図37(a)では遊技者側に顔を見せる女子学生と両手を下す男子学生が卓球台を挟んで向かい合う様子が表示されている状態(第1の遊技背景画像700MAの連続再生)から、図37(b)のように、女子学生が後ろ向きになり、男子学生が右手を挙げてピンポン球をよける動画表示(第2の遊技背景画像700MBの再生)と、女子学生が打ったピンポン球が卓球台で跳ね返り、男子学生に当たる動画表示(特定画像702Mの再生)が可能となり、遊技背景画像700Mのシーンの印象を大きく変えることなく、動きのある遊技背景画像700Mにすることができるので、遊技者の注意を引き付けることが可能となる。
<遊技背景画像および特定画像の変形例4>
図38を参照して、遊技背景画像700Mおよび特定画像702Mの他の形態を示す。
図38(a)は変形例4で表示される画像とフレームを示す図であり、図38(b)は表示のタイミングを説明する図である。
図38(a)を参照して、遊技背景画像700Mは、第1の遊技背景画像700MAと第2の遊技背景画像700MBに加えて第3の遊技背景画像700MCを含んでもよい。
第1の遊技背景画像700MAは、基準表示位置Sの画像としてフレームf1またはフレームf201の画像を連続再生するムービー動画の画像である。第2の遊技背景画像700MBは、いわゆるカットインで別のシーンなどを表示するムービー動画の画像である。この変形例では、第2の遊技背景画像700MBをフレームf001、f002・・と順次再生し、再生が終了した後、第3の遊技背景画像700MCをフレームf201、f202・・と順次再生を開始する。そして第3の遊技背景画像700MCと重畳させて、ムービー動画の特定画像702Mをフレームf101、f102・・と順次再生する。特定画像702Mは、背後に表示されている、第1の遊技背景画像700MAの一部画像によって、その表示位置が決定される。
図38(b)を参照して、第2副制御部500の処理と表示のタイミングについて説明する。
第1の遊技背景画像700MAは、演出抽選が開始されるまでの間(i)、演出画像表示装置157に表示される。第2副制御部500の演出制御処理(ステップSC09)において演出抽選が開始(入賞役の内部当選あり)されると、カットイン動画として別のシーンを表現する第2の遊技背景画像700MBが再生される(2)。内部当選役の入賞があると、第3の遊技背景画像700MCが再生開始され、同時にこれに関連した演出を付与する特定画像702M(内部当選役の画像)の再生が開始される(3)(4)。一遊技が終了し、メダル投入受付が開始されると、第1の遊技背景画像700MAが再び、再生開始される。
この構成によれば、第1の遊技背景画像700MAが基準表示位置Sの画像に移動後、所定時間経過後に特定画像702Mを再生する場合に、待機時間中に動画(第2の遊技背景画像700MB)を再生できるので、第1の遊技背景画像700MAが静止したような印象を遊技者に与えることを回避できる。
<遊技背景画像および特定画像の変形例5>
図39を参照して、遊技背景画像700Mおよび特定画像702Mの他の変形例を説明する。
ムービー動画の遊技背景画像700Mは、例えば1つのムービーデータとして800フレーム(f1〜f800)で構成される。そして、特定画像702Mを表示する演出の開始前では、フレームf1からフレームf400を繰り返し再生する(同図(a))。
内部当選があると、基準表示位置Sの画像であるフレームf1を表示し(同図(b))、その後、フレームf401を再生する(同図(c)。フレームf401〜f800は、演出実行時にのみ再生される画像である。フレームf401から所定期間が経過した後(例えばフレームf430再生時)に、ムービー動画の特定画像702Mをフレームf101から再生を開始する(同図(d))。この場合、フレームf430も基準表示位置Sの画像であり、フレームf401〜f800は、フレームf1〜f400とシーンとしては関連する(連続するような)動画であり、特定画像702Mは、フレーム401〜f800のシーンに関連した演出を付加する動画である。
遊技背景画像700Mの最後のフレームf800が再生される以前に(例えばフレームf780再生後に)特定画像702Mの再生が終了した場合は、遊技背景画像700Mはフレームf800の再生後、フレームf1に戻り、繰り返し再生される(同図(e))。
図33から図38で説明した変形例の場合は、遊技背景画像700Aと遊技背景画像700Bの少なくとも2つのムービー動画(ムービーデータ)が必要であり、例えばプログラミング時に参照するデータとしては2つのデータが存在することになる。しかし、本変形例によれば、参照するデータを1つにでき、管理上のデータ容量を削減できる。
<遊技背景画像および特定画像の変形例6>
図40は、本実施形態における遊技背景画像700Mおよび特定画像702Mの他の形態を示す図である。
遊技背景画像700Mは、第1の遊技背景画像700MA,第2の遊技背景画像700MB,第3の遊技背景画像700Cから構成される。
第1の遊技背景画像700MAおよび第2の遊技背景画像700MBは、フレームf1からフレームf400までのムービー動画であり、演出画像表示装置157の表示領域を上下に二分するように再生される。第1の遊技背景画像700MAは例えば空に雲が流れていく様子を表す動画であり、第2の遊技背景画像700MBは浜辺で遊ぶ人々が表される動画である。第3遊技背景画像700Cは例えば、1つのフレームF1で表示される画像であり、第3の遊技背景画像700Cは例えば、空と雲を表示した静止画である(同図(a))。
演出表示が開始される以前では、上段の第1の遊技背景画像700MAと下段の第2の遊技背景画像700MBが同期してループ再生される。両者は同じ位置変形態様により(あたかも一つの画面として同時に)移動するように再生される(同図(b)。
内部抽選の結果に応じた特定画像702の表示をする場合に、上段の第1の遊技背景画像700MAに変えて第3遊技背景画像700Cが基準表示位置Sで表示される。このとき、下段の第2の遊技背景画像700MBのループ再生は継続しており、動画の再生が継続しているが、第3の遊技背景画像700Cは移動しない(すなわち常に基準表示位置Sで表示されている)。
そして、内部当選に応じて、特定画像702が表示される。特定画像702は、第3の遊技背景画像700Cに含まれる一部画像(ここでは不図示)によりその視認態様の変更位置が決定される。
上述の実施形態(各変形例)では、遊技背景画像700(700A、700B、700C,700MA、700MB、700MC)を基準表示位置S(の画像)に移動する映像が違和感のある画像になる可能性がある(例えば、逆方向に再生されたり、早送り(早戻し)のために視認させるはずの画像が視認不可となる、など)。そこで、1種類の画像を停止表示する(基準表示位置Sで表示する)第3の遊技背景画像700Cを準備し、演出実行前に当該画像700Cを表示したのち、特定画像702を表示する。第3の遊技背景画像700Cは、第1の遊技背景画像700MAのシーンに連続し、かつ、表示位置の変更が分かりにくい(例えば、空のみなどの単純な画像)とすることで、基準表示位置Sへの移動を遊技者に認識しにくくすることができる。
<特定画像の変形例1>
図41は、第1の実施形態の特定画像702の他の形態を示す図である。特定画像702は、複数の表示条件(複数の内部当選役)にそれぞれ対応して、異なる種類の特定画像702(702A,702B,702C)として視認可能な複数種類の図柄を含んでいてもよい。
具体的に、図41(a)では、小役「ベル」の内部当選を示唆する特定画像702Aとしてピンポン球の色を黄色とし、図41(b)では、再遊技役の内部当選を示唆する特定画像702Bとしてピンポン球の色を青色として、その直径を図41(a)の場合より小さくし、図41(c)では、ボーナス役の内部当選を示唆する特定画像702Cとして、ピンポン球の色を金色として、その直径を図41(a)の場合より大きくする、などである。図41(a)から図41(c)の各演出は、実行時間は同一であり、視認態様のみ異ならせている。
このようにすることで、遊技者に複数の入賞役の内部当選を示唆することができ、遊技者の期待感を高めることができる。
<特定画像の変形例2>
図42および図43を参照して、第1の実施形態の特定画像702の他の形態について説明する。
特定画像702は、例えば内部当選役に応じて、複数種類の演出が可能なように、内部当選役毎に複数種類の画像が記憶されていてもよい。
例えば、図16に示す特定画像702(第1の特定画像)は、所定の表示条件が成立した場合(例えば、小役「ベル」の内部当選した場合)に表示される画像(表示領域の左から右に勢いよく移動するピンポン球を表現する画像)であったが、所定の表示条件が成立した場合(例えば、小役「ベル」の内部当選した場合)に表示される画像(第2の特定画像702B)に例えば、図42(a)〜(c)の如く、第1の特定画像とは異なる演出の、例えば表示領域の右から左に小さく転がるピンポン球を表現する(複数の)画像が記憶されている。
図43を参照して、第2の特定画像702Bは、第1の特定画像702とは異なる一部画像によって表示位置が決定される。具体的には、第1の特定画像702は、遊技背景画像700に含まれる、第1の基準の位置となる一部画像(女子学生のラケットの位置)によって表示位置が決定されるが、第2の特定画像702Bは、遊技背景画像700に含まれる、第1の基準の位置と異なる第2の基準の位置となる一部画像(例えば男子学生の手の位置)によってその表示位置が決定される。
この場合、第2の特定画像702Bが遊技者に視認可能となるように、遊技背景画像700には、第2の基準の位置となる一部画像が含まれる他の基準表示位置S2が含まれるようにしてもよい。
図43を参照して具体的に説明する。基準表示位置には、ラケットを持つ女子学生の全体が完全に視認可能となり、男子学生は一部のみ視認可能となる第1の基準表示位置S(図18参照)と、本図に示すように、ラケットを持つ男子学生の全体が完全に視認可能となり、女子学生は一部のみ視認可能となる第2の基準表示位置S2を含む。
第1の基準表示位置Sに含まれる一部画像(第1の特定画像702を表示するための第1の基準の位置)は、女子学生の持つラケットであり、第2の基準表示位置S2に含まれる一部画像704B(第2の特定画像702Bを表示するための第2の基準の位置)は、男子学生の左手である。
第1の入賞役(例えば、小役「ベル」)に内部当選した場合は、第1の特定画像702を表示するか、第2の特定画像702Bを表示するか、を抽選等により決定し、第1の特定画像702の表示が決定しされた場合には、遊技背景画像700を、第1の基準表示位置Sに移動した後、第1の特定画像702が表示され、第2の特定画像702Bの表示が決定された場合には、遊技背景画像700を、第2の基準表示位置Sに移動した後、第2の特定画像702Bが表示される。つまり、小役「ベル」に内部当選した場合であって第2の特定画像702Bの表示が決定された場合には、図43(a)の如く第2の基準表示位置S2に移動して遊技背景画像700が表示され、その後、図43(b)〜図43(d)の如く第2の特定画像702Bによって男子学生の手元からピンポン球がこぼれ落ちるような演出が開始され、遊技者に小役「ベル」の内部当選を示唆する。
このように、複数種類の特定画像が記憶され、特定画像のそれぞれに対応する基準表示位置が記憶され、複数種類の特定画像のうち何れかの特定画像の表示が決定した場合に、決定した特定画像に対応する基準表示位置に通常背景画像を表示してもよい。さらには、第1の入賞役(例えば、小役「ベル」)に内部当選した場合は、第1の基準表示位置Sに移動した後、第1の特定画像702が表示され、第2の入賞役(例えば、小役「スイカ」)に内部当選した場合は、第2の基準表示位置S2に移動した後、第2の特定画像702Bが表示される。つまり、小役「スイカ」に内部当選した場合は、図43(a)の如く第2の基準表示位置S2に移動して遊技背景画像700が表示され、その後、図43(b)〜図43(d)の如く第2の特定画像702Bによって男子学生の手元からピンポン球がこぼれ落ちるような演出が開始され、遊技者に小役「スイカ」の内部当選を示唆するようにしてもよい。
このようにすることで、複数の入賞役の内部当選を遊技者に示唆することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
尚、第2の特定画像702Bは、第1の特定画像702と同じ一部画像(例えば、女子学生のラケット)によって表示位置が決定されてもよい。
以上、第1の実施形態では、内部当選役を示唆する演出の際に、遊技背景画像700の前面(前景)に特定画像702を表示する場合を例に説明したがこれに限らず、例えば、遊技背景画像700後面(背後)に特定画像702を表示するものであってもよい。
例えば、遊技背景画像700の一部を非表示にし、その非表示部分に特定画像702を表示することで、特定画像702を視認可能としたり、また例えば、遊技背景画像700の一部の透過率を高くし、その一部の透過率を高くした部分に特定画像702を表示することで、特定画像702を視認可能とするものであってもよい。
このように、本発明に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、画像を表示する画像表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、画像表示手段に表示される画像を制御する画像制御手段(例えば、第2副制御部500)と、を備え、画像制御手段は、特定の期間、画像表示手段に遊技背景画像(例えば、遊技背景画像700)を表示し、特定の期間の一部期間、遊技背景画像の前景に特定画像(例えば、特定画像702)を表示し、さらに、遊技背景画像を、所定の位置変更態様により複数種類の表示位置のうち一の表示位置で表示し、特定画像を、予め定めた一の表示位置で表示し、特定画像の表示を行う所定の表示条件が成立した場合、遊技背景画像を複数種類の表示位置のうち表示基準とする一の基準位置(例えば、基準表示位置S)で表示するように表示位置を変更し、遊技背景画像の表示が一の基準位置で表示されたあとに、特定画像の表示を行うものである。
次に、図44から図48を参照して、本発明の第2の実施形態としてパチンコ機1100を例に説明する。
本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機1100は、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する装飾図柄表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、装飾図柄表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するパチンコ機である。さらに、このパチンコ機は、遊技の進行を制御する主制御部と、この主制御部から情報を受信し遊技の演出を制御する副制御部を備えている。副制御部は、VDPを制御することにより演出画像等の表示処理を行う。
まず、図44を用いて、本発明の実施形態2に係るパチンコ機1100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1100は、外部的構造として、外枠1102と、本体1104と、前面枠扉1106と、球貯留皿付扉1108と、発射装置1110と、遊技盤1200と、をその前面に備える。
球貯留皿付扉1108は、パチンコ機1100の前面において本体1104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1126と、上皿1126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1128と、遊技者の操作によって発射装置1110へと案内された遊技球を遊技盤1200の遊技領域1124へと打ち出す球発射ハンドル1134とを備える。
発射装置1110は、本体1104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1146と、遊技球を発射杆1146の先端で打突する発射槌1148と、を備える。
遊技盤1200は、前面に遊技領域1124を有し、本体1104の空間部1114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1124は、遊技盤1200を本体1104に装着した後、開口部から観察することができる。
図45は、遊技盤1200を正面から見た略示正面図である。
遊技領域1124の略中央には、略中央に装飾図柄表示装置1208を配設している。 装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置1208は、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cおよび演出表示領域1208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208bおよび右図柄表示領域1208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1208dは演出に用いる画像(ここでは、遊技背景画像1700および特定画像1702)を表示する。さらに、各表示領域1208a、1208b、1208c、1208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
装飾図柄表示装置1208の周囲には、普通図柄表示装置1210と、第1特別図柄表示装置1212と、第2特別図柄表示装置1214と、を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
また、装飾図柄表示装置1208の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口1226と、普図始動口1228と、第1特図始動口1230と、第2特図始動口1232と、可変入賞口1234を配設している。
一般入賞口1226に入賞した場合、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として排出される。
普図始動口1228を球が通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、普図表示装置1210によりその表示を変動させる普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口1230に入賞した場合、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として排出するとともに、第1特図表示装置1212によりその表示を変動させる特図変動遊技を開始する。
第2特図始動口1232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、左右に開閉自在な羽根部材1232aを備え、羽根部材1232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材1232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置(不図示)を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第2特図表示装置1214の表示を変動させる特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1232に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、開閉自在な扉部材1234aを備える。扉部材1234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材1234aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。可変入賞口1234へ入賞すると、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として排出する。
このパチンコ機1100は、遊技者が上皿(不図示)に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆(不図示)および発射槌(不図示)によって外レール1202、内レール1204を通過させて遊技領域1124に打ち出す。そして、遊技領域1124の上部に到達した球は、打球方向変換部材1236や遊技釘1238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1226、可変入賞口1234)や始動口(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1228を通過するのみでアウト口1240に到達し、パチンコ機1100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
遊技球が第1特図始動口1230または第2特図始動口に入球すると、主制御部(不図示)にて抽選を行い、抽選結果が当りであるか否かを判定する。例えば、この抽選で大当たりに当選すると、副制御部(不図示)により装飾図柄表示装置1208が大当たりに対応する特定の図柄による組合せを表示するように制御され、大当たり状態に移行する。すなわち、装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄表示装置1208の左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cの各図柄表示領域に、複数の総称図柄を順次切り替えて表示する「装飾図柄の変動表示」を行うよう、制御される。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域1208a〜1208cに大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せを停止表示するよう、副制御部によって制御される。大当たり状態では、大入賞口が、例えば、所定の時間又は所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。また、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄)が、確率変動を伴う大当たり図柄(確変図柄)である場合には、次に大当たりとなる確率が高くなり、遊技者にとってさらに有利な状態が実現されるようになっている。
また装飾図柄表示装置1208は、また、第1特図始動口1230または第2特図始動口1232に球が入賞したことを条件にして、遊技者に期待感を与える演出する表示(期待演出表示)を行う。期待演出表示では、装飾図柄表示装置1208は、右図柄表示領域1208a、および左図柄表示領域1208cの装飾図柄が遊技者に視認可能に一旦停止した際、左右の装飾図柄が同じ図柄となるように表示する。
<装飾図柄表示装置の表示例>
図46は、第2の実施形態の装飾図柄表示装置1208の表示領域の表示の一例を示す。図46(a)は装飾図柄が変動していない状態(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232に入球していない状態)の表示領域であり、図46(b)が大当たりの可能性が高まった状態となった場合の表示領域である。
図46(a)の如く、第1特図始動口1230または、第2特図始動口1232に入球する以前は、右図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、左図柄表示領域1208cの装飾図柄は停止しており、演出表示領域1208dの遊技背景画像1700は、第1の実施形態の遊技背景画像700と同様に、副制御部によって例えば左右にスライド表示されている。
第1特図始動口1230または、第2特図始動口1232に入球すると、右図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、左図柄表示領域1208cの装飾図柄の変動表示が開始される。
第1特図始動口1230または、第2特図始動口1232への入賞に基づく抽選の結果に応じて遊技者に(大当たりなどの)期待感を与える演出する表示(リーチ当り)を行う判定となった場合、副制御部は図51(b)の如く、右図柄表示領域1208a、および左図柄表示領域1208cの装飾図柄が遊技者に視認可能に一旦停止した際、左右の装飾図柄が同じ図柄を表示するように、装飾図柄表示装置1208を制御する(リーチ状態とする)。そして、リーチ状態となった場合に、副制御部は、演出表示領域1208dの遊技背景画像1700を基準表示位置Sで表示するよう、装飾図柄表示装置1208を制御する。
第1特図始動口1230または、第2特図始動口1232の入賞判定の結果、期待感を与える演出する判定(リーチ当たり)となった場合、副制御部は、中図柄表示領域1208bが停止する以前に、特定画像(ピンポン球が女子学生の持つラケットから勢いよく男子学生側に移動する図柄)1702を表示するよう、装飾図柄表示装置1208を制御する。リーチ状態においては、中図柄表示領域1208bの変動停止で大当たりの当否が視認可能となるので、これが変動停止する以前に特定画像1702を表示することで、より大当たりの期待感を高めることができる。
なお、この場合も特定画像1702の表示位置は、基準表示位置Sで表示される遊技背景画像1700に含まれる一部画像(女子学生の卓球のラケット)によって決定される。
特定画像1702の表示によって、大当りに当選する可能性が高まったことが示唆され、遊技者の期待感を高めることができる。
図47は、装飾図柄の変動開始時に、遊技者にとって有利な状態となっていることを示唆する演出(期待演出)を実行する場合の装飾図柄表示装置1208の表示の一例である。
図47(a)が装飾図柄が変動していない状態(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232に入球していない状態)の表示領域であり、図52(b)(c)が装飾図柄の変動状態となった場合の表示領域である。
図47(a)の如く、第1特図始動口1230または、第2特図始動口1232に入球する以前は、右図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、左図柄表示領域1208cの装飾図柄は停止しており、演出表示領域1208dの演出背景図柄1700は、第1の実施形態の遊技背景画像700と同様に、例えば左右にスライド表示されている。
いずれかの入賞口に入球すると、右図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、左図柄表示領域1208cの装飾図柄の変動表示が開始される(同図b)。
装飾図柄表示の演出抽選の結果や、入賞判定の結果に応じて、遊技者にとって有利な状態(大当りに当選)となっている場合には、遊技背景画像1700を基準表示位置Sで表示した後、特定画像(ピンポン球が左から右に移動する画像)を表示する。ここでは図柄表示領域の変動図柄は、変動を続けている。
特定画像1702の表示によって、遊技者にとって有利な状態となっていることが示唆され、遊技者の期待感を高めることができる。
図48は、装飾図柄が変動されている場合に装飾図柄表示装置1208において期待演出表示を行う場合の他の形態を示す図である。
装飾図柄表示装置1208による期待演出表示の実行の際に、遊技背景画像1700が基準表示位置Sで表示され特定画像1702が表示されて(図48(a))、期待演出が終了した後(同図(b))、再び、遊技背景画像1700をスライド表示する(同図(c))するものとしてもよい。
特定画像1702が表示される期間(期待演出)の期間を短時間とし、その後は、遊技背景画像1702を通常のスライド表示に戻すことで、装飾図柄変動中の遊技者の注意を引くことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、表示を行う表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段(例えば、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記表示制御手段は、第一の表示条件が成立した場合(例えば、メダルの投入受付があった場合)、第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)から他の表示位置に移動させる第一の表示態様(例えば、基準表示位置Sから表示を開始して表示領域の最右端の表示位置に移動させる表示態様)により第一の表示(例えば、遊技背景画像700)を前記表示手段に表示させる制御を行うものであり、第二の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)が成立した場合、前記第一の表示位置に移動させる第二の表示態様(例えば、第二の表示条件の成立したときの表示位置から基準表示位置Sに移動させる表示態様)により前記第一の表示を前記表示手段に表示させる制御を行うものであり、第三の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)が成立した場合、第二の表示(例えば、特定画像702)を前記表示手段に表示させる制御を行うものであり、前記第一の表示位置に表示させた前記第一の表示に重ねて前記第二の表示を表示させる制御を行うものであり、前記第二の表示の表示位置は、予め定められた第二の表示位置である、ことを特徴とする、遊技台である。
本実施形態に係るスロットマシンによれば、第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)に表示させた第一の表示(例えば、遊技背景画像700)と、これに重ねて、第二の表示位置に表示させる第二の表示が同じタイミングで表示を開始することがあった場合に、両者を違和感のない表示にすることができる場合がある。すなわち、メダル投入受付(現在の遊技における遊技背景画像700の最初の表示)から抽選まで(スタートレバー135の操作により基準表示位置Sへ向かう移動を開始するまで)、通常はわずかな時間である。したがって、第一の表示条件が成立した場合(メダル投入受付時)に遊技背景画像700を(前回遊技で既に表示されている場合にも改めて)基準表示位置Sから表示開始することで、第二の表示条件が成立した場合(スタートレバー135操作による入賞役の内部当選時)の表示位置から直近の基準表示位置Sへ移動するまでの時間を短縮できる。直近の基準表示位置Sへ移動するまでに時間がかかると、第一の表示(例えば、遊技背景画像700)と、これに重ねて、第二の表示位置に表示させる第二の表示が同じタイミングで表示を開始した場合、第一の表示と第二の表示がずれて表示されるなど適切な位置に表示できず、遊技者に違和感を与える恐れがある。しかし、本実施形態によれば、第一の表示(例えば、遊技背景画像700)と、これに重ねて、第二の表示位置に表示させる第二の表示が同じタイミングで表示を開始することがあった場合であっても遊技者に与える違和感を少なくすることができる場合がある。
また、前記表示制御手段(例えば、第2副制御部500)は、前記第二の表示(例えば、特定画像702)の表示を終了させた後に、前記第一の表示態様(例えば、基準表示位置Sから表示を開始して表示領域の最右端の表示位置に移動させる表示態様)により前記第一の表示(例えば、遊技背景画像700)を前記表示手段(例えば、演出画像表示装置157)に表示させる制御を行うものであってもよい。
このような構成によれば、第二の表示の表示終了後に再び第二の表示条件が成立した場合(スタートレバー135操作による入賞役の内部当選時)に、その表示位置から直近の基準表示位置Sへ移動するまでの時間を短縮できる場合がある。
また、前記表示制御手段(例えば、第2副制御部500)は、前記第二の表示(例えば、特定画像702)を表示させる期間、前記第二の表示を前記第一の表示位置に基づく位置で表示させる制御を行うものとするものであってもよい。
このような構成によれば、特定画像702の表示の基準となる位置が固定されるため、遊技背景画像700で表現されるシーンに演出を付加する特定画像702を、同期をとるための複雑な処理を行うことなく、適切な位置で表示することができる場合がある。
また、前記表示制御手段(例えば、第2副制御部500)は、前記第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)を含む複数種類の表示位置に前記第一の表示(例えば、遊技背景画像700)を表示させる制御を行うものであり、前記第一の表示を前記第一の表示位置で表示させていた場合に前記第二の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)が成立したときは、前記第二の表示態様(例えば、第二の表示条件の成立したときの表示位置から基準表示位置Sに移動させる表示態様)により前記第一の表示を表示させる制御を行わないものとしてもよい。
このような構成とすることで、第二の表示条件の成立時に第一の表示が第一の表示位置にある場合には、無駄な処理(第二の表示態様による第一の表示の制御)を行うことなく、画像制御手段の制御負担を軽くすることができる場合がある。
また、前記第二の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)は、前記第三の表示条件と同じ表示条件である、ものとしてもよい。
このような構成とすることで、第一の表示と第二の表示が同じタイミングで表示を開始することがあった場合に、両者を違和感のない表示にすることができる場合がある。
また、前記第一の表示(例えば、例えば、遊技背景画像700)および前記第二の表示(例えば、特定画像702)のうち少なくとも1つの表示は、複数種類の表示からなるムービーとしてもよい。
このような構成にすることで、遊技者の興趣をより高めることができる場合がある。
また、本実施形態のプログラムは、表示手段(例えば、演出画像表示装置157)に遊技に関する第一の制御対象(例えば、遊技背景画像700)および第二の制御対象(例えば、特定画像702)を含む複数の制御対象を表示し、前記複数の制御対象を制御する処理を遊技台のコンピュータに実行させる遊技台用のプログラムであって、前記プログラムは、第一の表示条件(例えば、メダルの投入受付の有無)を判定する処理と、該第一の表示条件が成立した場合に、第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)から他の表示位置に移動する第一の表示態様(例えば、基準表示位置Sから表示を開始して表示領域の最右端の表示位置に移動させる表示態様)により第一の制御対象を前記表示手段に表示する処理と、第二の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)を判定する処理と、該第二の表示条件が成立した場合、前記第一の表示位置に移動する第二の表示態様(例えば、第二の表示条件の成立したときの表示位置から基準表示位置Sに移動させる表示態様)により前記第一の制御対象を前記表示手段に表示する処理と、第三の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)を判定する処理と、該第三の表示条件が成立した場合、前記第一の表示位置に表示した前記第一の制御対象に重ねて、予め定められた第二の表示位置で前記第二の制御対象を前記表示手段に表示する処理と、を前記遊技台のコンピュータに実行させる、ことを特徴とする、プログラムである。
本実施形態に係るプログラムによれば、第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)に表示させた第一の表示(例えば、遊技背景画像700)と、これに重ねて、第二の表示位置に表示させる第二の表示が同じタイミングで表示を開始することがあった場合に、両者を違和感のない表示にすることができる場合がある。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、画像を表示する画像表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、前記画像を前記画像表示手段に表示する制御を行う画像制御手段(例えば、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記画像制御手段は、少なくとも一の基準表示位置(例えば、基準表示位置S)を含む複数種類の表示位置で表示可能な遊技背景画像(例えば、遊技背景画像700)をいずれか一の前記表示位置で前記画像表示手段に表示し、特定の期間(例えば、メダルの受付からストップボタンが有効になるまでの期間)には、前記複数種類の表示位置のうち少なくとも二以上の位置の間を所定の位置変更態様(例えば、第1の位置変更態様)により変更させて、前記遊技背景画像を前記画像表示手段に表示し、前記特定の期間中に所定の表示条件が成立(例えば、入賞役の内部当選)した場合には、前記遊技背景画像を前記一の基準表示位置で前記画像表示手段に表示し、前記特定の期間の一部期間には、前記一の基準表示位置に基づく予め定めた表示位置に前記遊技背景画像と重畳させて特定画像を前記画像表示手段に表示する、ことを特徴とする、遊技台である。
このような構成とすれば、入賞役に内部当選した場合などには、早期に特定画像702を表示することができ、遊技者にとって有利な情報を示唆することができる場合がある。これにより遊技者の射幸心を高めることができる場合がある。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、表示を行う表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、前記表示手段に表示させる制御を実行可能な表示制御手段(例えば、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記表示制御手段は、第一の表示条件が成立した場合(例えば、メダルの投入受付があった場合)、第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)から他の表示位置に移動させる第一の表示態様(例えば、基準表示位置Sから表示を開始して表示領域の最右端の表示位置に移動させる表示態様)により第一の表示(例えば、遊技背景画像700)を前記表示手段に表示させる制御を実行可能な手段であり、第二の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)が成立した場合、前記第一の表示位置に移動させる第二の表示態様(例えば、第二の表示条件の成立したときの表示位置から基準表示位置Sに移動させる表示態様)により前記第一の表示を前記表示手段に表示させる制御を実行可能な手段であり、第三の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)が成立した場合、第二の表示(例えば、特定画像702)を前記表示手段に表示させる制御を実行可能な手段であり、前記第一の表示位置に表示させた前記第一の表示に重ねて前記第二の表示を表示させる制御を実行可能な手段であり、前記第二の表示の表示位置は、予め定められた第二の表示位置であり、前記表示制御手段は、前記第一の表示を前記第一の表示位置で表示させていた場合に前記第二の表示条件の成立があると、前記第二の表示態様により前記第一の表示を表示させる制御を実行しない手段である、ことを特徴とする遊技台である。
また、前記表示制御手段は、前記第二の表示の表示を終了させた後に、前記第一の表示態様により前記第一の表示を前記表示手段に表示させる制御を実行可能な手段であってもよい。
また、前記表示制御手段は、前記第二の表示を表示させる期間、前記第二の表示を前記第一の表示位置に基づく位置で表示させる制御を実行可能な手段であってもよい。
また、前記第二の表示条件は、前記第三の表示条件と同じ表示条件であってもよい。
また、前記第一の表示および前記第二の表示のうち少なくとも1つの表示は、複数種類の表示からなるムービーであってもよい。
また、本実施形態のプログラムは、表示手段(例えば、演出画像表示装置157)に遊技に関する第一の制御対象(例えば、遊技背景画像700)および第二の制御対象(例えば、特定画像702)を含む複数の制御対象を表示し、前記複数の制御対象を制御する処理を遊技台のコンピュータに実行させる遊技台用のプログラムであって、前記プログラムは、第一の表示条件(例えば、メダルの投入受付の有無)を判定する処理と、該第一の表示条件が成立した場合に、第一の表示位置(例えば、基準表示位置S)から他の表示位置に移動する第一の表示態様(例えば、基準表示位置Sから表示を開始して表示領域の最右端の表示位置に移動させる表示態様)により前記第一の制御対象を前記表示手段に表示する処理と、第二の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)を判定する処理と、該第二の表示条件が成立した場合、前記第一の表示位置に移動する第二の表示態様(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)により前記第一の制御対象を前記表示手段に表示する処理と、第三の表示条件(例えば、スタートレバー135操作による入賞役の内部当選)を判定する処理と、該第三の表示条件が成立した場合、前記第一の表示位置に表示した前記第一の制御対象に重ねて、予め定められた第二の表示位置で前記第二の制御対象を前記表示手段に表示する処理と、前記第一の制御対象を前記第一の表示位置で表示させていた場合に前記第二の表示条件の成立があると、前記第二の表示態様により前記第一の制御対象を表示しない処理と、を前記遊技台のコンピュータに実行させる、ことを特徴とする、プログラムである。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、画像(例えば、遊技背景画像700)を表示する画像表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、前記画像を前記画像表示手段に表示する制御を行う画像制御手段(例えば、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記画像制御手段は、少なくとも一つの基準表示位置(例えば、基準表示位置S)を含む複数種類の表示位置で表示可能な遊技背景画像(例えば、遊技背景画像700)をいずれか一の前記表示位置で前記画像表示手段に表示し、特定の期間(例えば、メダルの受付からストップボタンが有効になるまでの期間)には、前記複数の表示位置のうち少なくとも二以上の位置の間を所定の位置変更態様(例えば、第1の位置変更態様、第2の位置変更態様)により、変更させて前記画像表示手段に遊技背景画像を表示し、前記特定の期間中に所定の表示条件が成立(例えば、入賞役の内部当選)した場合には、前記遊技背景画像を一の前記基準表示位置で表示し、前記特定の期間の一部期間(例えば、遊技背景画像700を一の基準表示位置Sに移動した後からストップボタンが有効になるまでの期間)、前記遊技背景画像の前記基準表示位置に基づく予め定めた表示位置に前記遊技背景画像と重畳させて特定画像(例えば、特定画像702)を表示するよう前記画像表示手段を制御する、ことを特徴とする遊技台である。
このような構成とすれば、特定画像702は遊技背景画像700の基準表示位置Sに基づいて予め決められた位置で遊技背景画像700と重畳され、両画像を組み合わせた演出画像を演出画像表示装置157に表示することができる。したがって、所定の位置変更態様で移動する遊技背景画像700に、当該遊技背景画像700で表現されるシーンと関連する特定画像702を重畳して表示する場合であっても、複雑な同期の処理を採用することなく、適切な位置に表示できる場合がある。これにより、遊技背景画像で表現される世界観を損なうことなく、遊技者の注意を引く演出を付加することができる場合がある。
また、前記画像制御手段(演出画像表示装置157)は、前記所定の表示条件が成立(例えば、入賞役の内部当選)した場合には、前記遊技背景画像(例えば、遊技背景画像700)を前記一の基準表示位置(例えば、基準表示位置S)で表示したのちに、前記遊技背景画像の前景に前記特定画像を表示するよう前記画像表示手段を制御するものとしてもよい。
このような構成とすれば、遊技背景画像700の表示を維持したまま、当該遊技背景画像700に表現されるシーンと関連する特定画像702を付加的に表示できるので、遊技背景画像700で表現されている世界観を維持しつつ、遊技者の注意を引く効果的な演出を付加することができ、遊技者の興趣を高めることができる場合がある。
また、前記位置変更態様は、第一の速度で位置が変更される第一の位置変更態様と、前記第一の速度より大きい第二の速度で位置が変更される第二の位置変更態様を含み、前記画像制御手段(演出画像表示装置157)は、前記所定の表示条件が成立(例えば、入賞役の内部当選)した場合には、前記第一の位置変更態様により前記複数種類の表示位置を移動する前記遊技背景画像(例えば、遊技背景画像700)を、前記第二の位置変更態様により前記一の基準表示位置(例えば、基準表示位置S)に移動して前記画像表示手段に表示するものとしてもよい。
このような構成とすれば、入賞役に内部当選した場合などには、早期に特定画像702を表示することができ、遊技者にとって有利な情報を示唆することができる場合がある。これにより遊技者の射幸心を高めることができる場合がある。
また、遊技に関連する抽選を行う抽選手段(例えば、入賞役内部抽選処理)を備え、前記特定画像(例えば、特定画像702)は、前記抽選手段の抽選結果(例えば、入賞役の内部当選)を示唆する画像としてもよい。
このような構成にすることで、遊技者に当選の期待感を与えることができ、以降の遊技に対する興味をより抱かせることができる場合がある。
また、前記特定画像(例えば、特定画像702)は、前記一の基準表示位置(例えば、基準表示位置S)で表示される前記遊技背景画像(例えば、遊技背景画像700)が表現するシーンに所定の演出を付加する画像としてもよい。
このような構成とすることにより、遊技背景画像700で表現される世界観を損なうことなく、当該世界観にさらなる広がりや、動きを与える演出を付加することができる場合があり、遊技者の興趣を高めることができる場合がある。
また、前記スロットマシン100は、複数種類の図柄が施された複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチ(例えば、スタートレバー135)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ(例えば、ストップボタン137〜139)と、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(例えば、入賞役内部抽選処理)と、停止時の前記複数のリールにより表示された図柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段(入賞判定処理)と、を備えたスロットマシンであり、前記特定画像(例えば、特定画像702)は、前記入賞役の内部当選を示唆する画像で複数種類準備され、前記画像制御手段(例えば、演出画像表示装置157)は、前記ストップスイッチの操作が有効になる以前に、前記特定画像を前記画像表示手段に表示する制御を行うものであってもよい。
これにより、遊技媒体をベットした後、ストップボタン137〜139の操作が有効になる以前に、入賞役に内部当選していた場合には、それを示唆する画像を遊技者が視認できる。したがって、遊技者の射幸心を高めることができ、それ以降の遊技(ストップボタン137〜139の操作)に対する興味を沸かせることができる場合がある。
また、前記遊技台は、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、前記発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口(例えば、第1特図始動口1230等)と、前記入賞口に入球した球を検知する検知手段(例えば、球検出センサ)と、を有するパチンコ機(例えば、パチンコ機1100)であって、前記画像表示手段(例えば、装飾図柄表示装置1208)は、所定の図柄(例えば、装飾図柄)を変動表示する複数の図柄表示領域(例えば、左図柄表示領域1208a等)を有し、前記画像制御手段(例えば、副制御部)は、前記入賞口に遊技球が入球することを契機として、前記図柄を前記図柄表示領域に変動表示し、前記特定画像(例えば、特定画像1702)は、前記入賞口に遊技球が入球することのよる当選を示唆する画像で複数種類準備され、前記画像制御手段は、前記図柄の変動表示が停止する以前に、前記特定画像を前記画像表示手段に表示する制御を行うものとしてもよい。
このような構成とすることで、パチンコ機1100においても複雑な同期の処理を採用することなく、所定の位置変更態様で移動する遊技背景画像1700に対して適切な位置に、特定画像1702を表示できる場合がある。
これにより、遊技背景画像1700で表現される世界観を損なうことなく、遊技者の注意を引く演出を付加することができる場合がある。また、リーチ状態においては、中図柄表示領域1208bの変動停止で大当たりの当否が視認可能となるので、これが変動停止する以前に特定画像1702を表示することで、より大当たりの期待感を高めることができる場合がある。
なお、上記実施形態においては、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシン100の例を示したが、これに限るものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンにも適用可能である。
なお、スロットマシンは、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合、遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。
また、本発明を、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、ピンボールマシン、に適用してもよい。また、本発明を、遊技媒体の投入を契機として遊技可能となる遊技機(例えば、カジノマシン、ビデオゲームマシン、封入式のパチンコ遊技機)、遊技媒体自体を遊技に使用する遊技機(例えば、メダル落としゲーム機)に適用してもよい。ここで、「遊技媒体の投入」とは「賭ける」を意味し、「ベット」とも同意である。「遊技媒体の投入」は、「通貨の投入」や「電子マネーの投入」を含む。カジノマシンとは、通貨の投入により遊技が開始可能となり、抽選結果が当選の場合に、該当選結果に対応付けられて設定された図柄が停止し、遊技者に特典となる払出しを行う、カジノマシンである。
また、本発明の遊技台は、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等の弾球遊技機に適用可能である。
なお、パチンコ機は、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機であってもよい。
また、本発明に係る遊技台は、封入式遊技機に適用することもできる。ここで、「封入式遊技機」は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用するものである。封入式遊技機は、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施形態に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。