JP6375560B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
パチンコ遊技機には、画像表示装置に表示される画像の一部を他の画像に切換えてアニメーションを表示するものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平7−255918号公報
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機は、画像表示装置に表示される画像が動画であった場合、動画である画像の一部を切り替えて表示すると動画の動きが不自然になる等動画の表現に支障をきたす虞があり、好適な画像表現を実現できない場合があった。
本発明は、好適な画像表現を実現する遊技機を提供することを目的とする。
本発明の遊技機は、(1)表示手段(例えば、画像表示装置5等)を備え、所定の遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、ベース背景(例えば、図35に示す、511a等のオブジェクトがその上を移動する、木等の背景となる領域)と該ベース背景上を移動する移動オブジェクト(例えば、図35に示す、511a等の花びらの画像)からなる背景画像(例えば、図35に示す、画像表示装置5に表示される画像)と、前記ベース背景のうちで部分領域として設定される領域(例えば、図38に示す、部分領域A1、部分領域B1等)に表示される部分背景画像(例えば、図38に示す、部分背景画像A2、部分背景画像B2等)とを記憶する記憶手段(例えば、CGROM126等)と、所定の表示条件(例えば、図25に示すステップS124、図26に示すステップS183、図15に示すステップS403等)が成立したときに、前記部分領域の前面に前記部分背景画像を重ねて表示する(例えば、図38に示す、部分領域A1に部分背景画像A2を表示し、部分領域B1に部分背景画像B2を表示する等)重畳表示手段(例えば、演出制御用CPU120等)とを備え、前記部分背景画像は、前記ベース背景における前記部分領域の周囲の領域と連なる部分背景と該部分背景上に表示される特定オブジェクトとからなる画像であり、前記背景画像において、前記部分背景画像を重ねて表示しているか否かにかかわらず、前記部分領域と前記部分領域以外の領域との領域間を前記移動オブジェクトが移動しないように表示する(例えば、図35に示す、オブジェクトが、図36に示す部分領域を移動しないように表示する)。
このような構成によれば、好適な画像表現を実現することができる。
(2)上記(1)の遊技機において、前記部分領域は、前記背景領域における複数個所(例えば、図38に示す、部分領域A1及び部分領域B1)に設定され、前記記憶手段は、複数箇所の前記部分領域に夫々対応する複数種類の部分背景画像(例えば、図38に示す、部分背景画像A2及び部分背景画像B2)を記憶し、複数個所の前記部分領域の夫々について、該部分領域に対応する部分背景画像を重ねて表示する(例えば、図38に示す、部分領域A1に部分背景画像A2を表示し、部分領域B1に部分背景画像B2を表示する等)。
このような構成によれば、多様な画像表現を実現することができる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、前記所定の表示条件は、遊技者にとって有利な特定価値が遊技者に付与されるとき(図15に示すステップS403で大当たり判定がされたとき、ステップS412で所定の変動カテゴリが決定されたとき等)に成立する。
このような構成によれば、興趣を向上させることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一の遊技機において、前記部分背景画像は、矩形領域の画像(例えば、図36に示す部分背景画像A2に相当する画像)を基にして前記部分領域(図39の境界線DLで囲まれた部分)以外の領域が透過領域とされた画像(例えば、図39に示す部分背景画像A3)である。
このような構成によれば、好適な画像表現を実現することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一の遊技機において、前記部分背景画像は、少なくとも一の境界(例えば、図40に示す部分背景画像A4の矩形のいずれか1辺)において、部分領域外(例えば、図40に示す、部分領域A1の図示外側)に向けて画像の透過率が徐々に高くなる(例えば、図40に示す、距離0〜l、距離m〜nの透過率の変化等)ように設定された透過領域(例えば、図40に示す透過領域Ap等)と接する。
このような構成によれば、好適な画像表現を実現することができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一の遊技機において、前記部分背景画像の透過率を時間の経過とともに変更して表示する(例えば、図42に示す、透過率の時間的な変更等)。
このような構成によれば、好適な画像表現を実現することができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一の遊技機において、前記オブジェクトの透過率を時間の経過とともに変更して表示する(例えば、図42に示す、透過率の時間的な変更等)。
このような構成によれば、好適な画像表現を実現することができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。 演出制御コマンドの内容の一例等を示す説明図である。 主基板の側にてカウントされる遊技用乱数を例示する説明図である。 変動カテゴリ及び変動パターンを例示する説明図である。 特図表示結果の決定割合を例示する説明図である。 大当り種別の決定割合を例示する説明図である。 遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 演出制御パターンの構成例等を示す図である。 演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞時処理の一例を示すフローチャートである。 入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートなどである。 変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。 変動カテゴリの決定割合を例示する説明図である。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターン決定テーブルの選択例を示す図である。 変動パターンの決定割合を例示する説明図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 モード演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 擬似連演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 煽り演出実行判定テーブルの構成例を示す図である。 煽り演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 擬似連モード演出実行判定テーブルの構成例を示す図である。 演出画面の一例を示す図である。 演出の移行の一例を説明するための図である。 他の実施の形態における演出の移行の一例を説明するための図である。 他の実施の形態における演出のタイミングチャートを示す図である。 変動カテゴリの決定割合の他の例を示す図である。 背景画像におけるオブジェクトの移動の一例を示す図である。 部分領域と、オブジェクトの表示位置との関係を例示する説明図である。 部分領域と、オブジェクトの表示位置との関係を例示する説明図である。 部分領域と、オブジェクトの表示位置との関係を例示する説明図である。 矩形領域の画像を基にして部分領域以外の領域が透過領域とされる部分背景画像の一例を示す図である。 (a)部分背景画像と透過領域の配置の一例を示す図、(b)透過領域の透過率の位置的な推移の一例を示すグラフである。 透過率が時間の経過とともに変更されて表示される部分背景画像の一例を示す図である。 部分背景画像A4と透過領域Apの透過率の時間推移を示す一例を示すグラフである。
以下の説明においては、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
1.この実施の形態におけるパチンコ遊技機
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(Light Emitting Diode)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付されていればよい。「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下においては、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域においては、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば、3つといった複数の可変表示手段となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示は、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域においては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば、8種類の図柄によって構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対しては、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は、8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等、適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hにおいては、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときには、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態においては、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とする。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示とは、表示態様を異ならせてもよい。
図1に示す例においては、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、始動領域としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。または、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば、第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過し易い拡大開放状態と、遊技球が通過し難い、又は通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7においては、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7においては、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、又は閉鎖状態の他には、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となった場合には、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となった場合には、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口としては、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。更に、遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手によって把持した状態において、所定の操作指によって押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば、上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的又は電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1においては、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームにおいては、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば、「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示された場合には、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば、「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示された場合には、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応しては、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいては、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このときには、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示された場合には、「ハズレ」となる。
特図ゲームにおいての可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームにおいての可変表示結果が「小当り」となった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間が経過するまでの期間、又は所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これによっては、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立によっては、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄となる。「5」の数字を示す特別図柄は、短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1の期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、又は所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態においては、各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となる。なお、短期開放大当り状態においては、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。または、短期開放大当り状態においては、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態においては、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数の出玉が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は、第2期間であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は、実質的には出玉が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば、大入賞口の開放期間は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態においては大入賞口を開放状態とする上限回数が通常開放ラウンド特定遊技状態においての上限回数に比べて少なくなるものであってもよい。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドにおいて大入賞口を遊技球が通過し易い第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態においては、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。即ち、小当り遊技状態においては、例えば、特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」、の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間においては、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、或いは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
また、リーチ状態となったことに対応しては、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることによって、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作は、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様においては、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性は、異ならせることができる。
一例として、この実施の形態においては、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。具体的には、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側において変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側において決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側において実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出においては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図画柄表示エリアのうち所定数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出においては、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出においては、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動させる演出表示を、所定回行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。「擬似連」の可変表示演出においては、擬似連変動が1回〜3回行われることにより、第1開始条件又は第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、各種の演出動作が実行されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出、又は「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば、所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報等に基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。なお、特図ゲームが1回実行される間に、飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該飾り図柄を再び変動させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の可変表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の可変表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する予告演出も連続予告演出に含まれる。
また、この実施の形態においては、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組み合わせのうち、所定の通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組み合わせを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、通常大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」の可変表示態様と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態等とは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組み合わせのうち、所定の確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組み合わせを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組み合わせであるか確変大当り組み合わせであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御と共に確率変動制御が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数の特図ゲームが実行されたときには、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始される毎に実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定が成されたときには、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くして第2始動条件が成立する可能性を高めることによって遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入し易くして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し易くなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることによって、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間は、短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいう。この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御が共に行われる遊技状態は、時短状態又は高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態又は高確状態ともいう。確変制御と共に時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御が行われる遊技状態は、確変制御と共に時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベースとも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベースとも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組み合わせのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出等が実行された後等に、所定のリーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」の可変表示態様と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御と共に確変制御が行われればよい。なお、大当り種別「確変」と大当り種別「突確」とを区別して説明するときには(このように短期開放大当り状態について説明するときや、例えば後述する図7や図16を説明するときには)、大当り種別「確変」に該当する「確変」は、大当り種別「突確」に該当する「確変(実質出玉無の確変)」以外の確変(出玉有の確変)である。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。但し、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組み合わせを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「確変」であることに基づき通常開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り遊技状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれかに制御されることにも対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組み合わせや確変大当り組み合わせとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出においては、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組み合わせとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組み合わせとなる飾り図柄と、通常大当り組み合わせとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示させる。
通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間等にて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中等にて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出は、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
2.パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間において伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯、消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯、消灯、発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯、消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯、消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えば、センサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
3.演出制御コマンドの内容
図3(A)は、この実施の形態において用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは、必ず「1」とされる。EXTデータの先頭ビットは、「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は、一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例においては、制御コマンドが2つの制御信号によって構成されることになる。しかしながら、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドにおいては、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドにおいては、例えば、図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の変動停止を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドにおいては、例えば、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドにおいては、例えば、可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。または、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドにおいては、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドにおいては、例えば、通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
この実施の形態においては、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞口指定コマンドを送信すると共に、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときには、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンドを送信するようにしてもよい。一方、保留記憶数が減少したときには、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えては、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数通知コマンドは、合計保留記憶数の増加を通知するために用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン決定用の乱数値がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態においては、入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
4.主基板の側にてカウントされる遊技用乱数
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する。図4に示すように、本実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれる。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
5.変動カテゴリ及び変動パターン
図5は、本実施の形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−3」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−3」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−3」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−3」が属している。変動カテゴリ「PC1」は、突確・小当り変動カテゴリである。変動カテゴリ「PC1」には、変動パターン「PC1−1」〜「PC1−3」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、非リーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、ノーマルリーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、スーパーリーチα(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、スーパーリーチβ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、ノーマルリーチ(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、スーパーリーチα(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、スーパーリーチβ(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC1」に属する変動パターン「PC1−1」は、ノーマルリーチ(突確・小当り)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(突確・小当り)変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、スーパーリーチα(突確・小当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(突確・小当り)変動パターンである。変動パターン「PC1−3」は、特殊出目停止演出が実行される(突確・小当り)変動パターンである。なお、特殊出目停止とは、例えば、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの有効ライン上に「3」「5」「7」が停止表示されるものや、特殊なデザインの飾り図柄が、有効ライン上の一部(例えば、飾り図柄表示エリア5Cなど)、又は、有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)などが記憶されている。
特図ゲームの特図表示結果(可変表示結果)は、当該特図ゲームの特図表示結果である確定特別図柄が導出表示される以前に、ROM101に記憶されている特図表示結果決定テーブルと、特図表示結果決定用の乱数値MR1とに基づいて決定される。本実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに参照される第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブル、並びに、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに参照される第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブルがROM101に記憶されている。夫々の特図表示結果決定テーブルには、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果に割り当てられている。
6.特図表示結果の決定割合
図6は、特図表示結果の決定割合を例示する。図6(A)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)である場合における、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)の特図表示結果の決定割合を表している。図6(B)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)である場合における、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)の特図表示結果の決定割合を表している。図6(C)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)である場合における、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの特図表示結果の決定割合を表している。図6(D)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)である場合における、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの特図表示結果の決定割合を表している。
即ち、通常状態又は時短状態の第1特図ゲームにおいては、図6(A)に示すように、512個(例えば、「0」〜「511」など)の決定値が特図表示結果「大当り」に割り当てられているため、「大当り」の決定割合は約0.8%(512÷65536)である。また、256個(例えば、「512」〜「767」など)の決定値が特図表示結果「小当り」に割り当てられているため、「小当り」の決定割合は約0.4%(256÷65536)である。また、64768個(例えば、「768」〜「65535」など)の決定値が特図表示結果「ハズレ」に割り当てられているため、「ハズレ」の決定割合は約98.8%(64768÷65536)である。また、通常状態又は時短状態の第2特図ゲームにおいては、図6(B)に示すように、512個(例えば、「0」〜「511」など)の決定値が特図表示結果「大当り」に割り当てられているため、「大当り」の決定割合は約0.8%(512÷65536)である。また、65024個(例えば、「512」〜「65535」など)の決定値が特図表示結果「ハズレ」に割り当てられているため、「ハズレ」の決定割合は約99.2%(65024÷65536)である。また、確変状態の第1特図ゲームにおける決定値の割り当て個数や決定割合は、図6(C)に示す通りである。また、確変状態の第2特図ゲームにおける決定値の割り当て個数や決定割合は、図6(D)に示す通りである。
図6(A)及び図6(C)に示すように、第1特図ゲームにおける「大当り」の決定割合は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときには、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも高くしている。同様に、図6(B)及び図6(D)に示すように、第2特図ゲームにおける「大当り」の決定割合は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときには、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも高くしている。
また、図6(A)〜図6(D)に示すように、第1特図ゲームでは「小当り」が決定され得るが、第2特図ゲームでは「小当り」が決定されないようにしている。これにより、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「小当り」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止している。なお、第2特図ゲームにおいて「小当り」が決定され得るが、第2特図ゲームにおける「小当り」の決定割合を、第1特図ゲームにおける「小当り」の決定割合に比べて低くしてもよい。
また、特図表示結果「大当り」が決定された場合には、確定特別図柄が導出表示される以前に、ROM101に記憶されている大当り種別決定テーブルと、大当り種別決定用の乱数値MR2とに基づいて、大当り種別が決定される。本実施の形態では、大当り種別決定テーブルとして、第1特図ゲームにおいて参照される大当り種別決定テーブルと、第2特図ゲームにおいて参照される大当り種別決定テーブルとがROM101に記憶されている。夫々の大当り種別決定テーブルには、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別に割り当てられている。
7.大当り種別の決定割合
図7は、大当り種別の決定割合を例示する。図7(A)は、第1特図ゲームの特図表示結果を「大当り」とする場合、即ち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図であって特図表示結果を「大当り」とする場合における、大当り種別の決定割合を表している。図7(B)は、第2特図ゲームの特図表示結果を「大当り」とする場合、即ち、変動特図が第2特図であって特図表示結果を「大当り」とする場合における、大当り種別の決定割合を表している。即ち、第1特図ゲームにおいて「大当り」となる場合においては、図7(A)に示すように、36個(例えば、「0」〜「35」など)の決定値が大当り種別「非確変」に割り当てられているため、「非確変」の決定割合は36%(36÷100)である。また、46個(例えば、「36」〜「81」など)の決定値が大当り種別「確変」に割り当てられているため、「確変」の決定割合は46%(46÷100)である。また、18個(例えば、「82」〜「99」など)の決定値が大当り種別「突確」に割り当てられているため、「突確」の決定割合は18%(18÷100)である。また、第2特図ゲームにおいて「大当り」となる場合においては、図7(B)に示すように、36個(例えば、「0」〜「35」など)の決定値が大当り種別「非確変」に割り当てられているため、「非確変」の決定割合は36%(36÷100)である。また、64個(例えば、「36」〜「99」など)の決定値が大当り種別「確変」に割り当てられているため、「確変」の決定割合は64%(64÷100)である。
図7(A)及び図7(B)に示すように、第1特図ゲームでは「突確」が決定され得るが、第2特図ゲームでは「突確」が決定されないようにしている。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「突確」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止している。なお、第2特図ゲームにおいて「突確」が決定され得るが、第2特図ゲームにおける「突確」の決定割合を、第1特図ゲームにおける「突確」の決定割合に比べて低くしてもよい。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、特図表示結果と保留記憶数とに応じた複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。つまり、変動カテゴリは、ROM101に記憶されている、特図表示結果と保留記憶数とに応じた変動カテゴリ決定テーブルと、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて決定される。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、変動カテゴリに応じた複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。つまり、変動パターンは、ROM101に記憶されている、変動カテゴリに応じた変動パターン決定テーブルと、変動パターン決定用の乱数値MR5とに基づいて決定される。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、全部の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
8.遊技制御用データ保持エリア
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、画像データ等を記憶するCGROM(Character Generator ROM)126とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、又はCGROM126は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM121には、先読予告演出の実行有無を決定するために参照される先読予告演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、1種類の先読予告演出実行有無決定テーブルが記憶されている。つまり、先読予告演出の実行有無は、ROM121に記憶されている、先読予告演出実行有無決定テーブルと、先読予告演出実行有無決定用の乱数値MR6(非図示)とに基づいて決定される。
また、ROM121には、先読予告演出の演出実行態様(演出内容や実行開始タイミングや連続実行回数など)を示す先読予告演出パターンを決定するために参照される先読予告演出パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、変動カテゴリに応じた複数の先読予告演出パターン決定テーブルが記憶されている。つまり、先読予告演出パターンは、ROM121に記憶されている、変動カテゴリに応じた先読予告演出パターン決定テーブルと、先読予告演出パターン決定用の乱数値MR7(非図示)とに基づいて決定される。なお、複数の先読予告演出パターン決定テーブルに代えて、全部の先読予告演出パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな先読予告演出パターン決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、入賞時の保留表示の表示態様(入賞時保留表示態様とも称する)を決定するために参照される入賞時保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、変動カテゴリに応じた複数の入賞時保留表示態様決定テーブルが記憶されている。つまり、入賞時保留表示態様は、ROM121に記憶されている、変動カテゴリに応じた入賞時保留表示態様決定テーブルと、入賞時保留表示態様決定用の乱数値MR8(非図示)とに基づいて決定される。なお、複数の入賞時保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の入賞時保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな入賞時保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加した後の保留表示の表示態様の変化の有無を決定するために参照される保留表示態様変化有無決定テーブルが記憶されている。つまり、上記変化の有無は、ROM121に記憶されている、保留表示態様変化有無決定テーブルと、保留表示態様変化有無決定用の乱数値MR9(非図示)とに基づいて決定される。
また、ROM121には、保留表示態様を変化させる場所(保留表示態様を変化させるタイミング)を決定するために参照される保留表示態様変化場所決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、保留記憶数(第1特図保留記憶数)と入賞時保留表示態様とに応じた複数の保留表示態様変化場所決定テーブルが記憶されている。つまり、保留表示態様を変化させる場所は、ROM121に記憶されている、保留記憶数と入賞時保留表示態様とに応じた保留表示態様変化場所決定テーブルと、保留表示態様変化場所決定用の乱数値MR10(非図示)とに基づいて決定される。なお、複数の保留表示態様変化場所決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様変化場所決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様変化場所決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
なお、説明の便宜上、先読予告演出実行有無決定用の乱数値MR6等の各乱数値の取り得る個数は、大当り種別決定用の乱数値MR2などと同じく100個(「0」〜「99」)であるものとする。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたCGROM126には、各種の画像データを記憶することができる。CGROM126に記憶された画像データは、例えば、演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123によって読み出されて画像表示装置5に表示される。
なお、本実施形態における演出制御基板12は、CGROM126とROM121とを搭載する場合を例示した。しかし、CGROM126に記憶する画像データをROM121に記憶してCGROM126の搭載を省略してもよい。
CGROM126には、画像表示装置5に表示される、背景画像と背景画像に重ねて表示される部分背景画像とを記憶することができる。CGROM126には、複数種類の背景画像、又は複数種類の部分背景画像を記憶してもよい。背景画像と部分背景画像の詳細は後述する。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
9.演出制御パターン
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、遊技効果ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP(Video Display Processor)等がその指令に示される画像データをCGROM126等の画像データメモリから読み出してVRAM(Video RAM)に一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
10.演出制御用データ保持エリア
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされ、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。例えば、図10(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」〜「4」の夫々に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「1」〜「3」に夫々シフトされ、また、図10(B)に示す格納状態において第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「3」「4」の夫々に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」「3」に夫々シフトされる。
また、本実施の形態では、図10(C)に示すような先読予告バッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。先読予告バッファ194Bには、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。即ち、先読予告バッファ194Bには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「8」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
11.遊技制御用タイマ割込み処理
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
12.特別図柄プロセス処理
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14は、始動入賞時処理として、図13のステップS208、ステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のステップS220にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
13.特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理
図13に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;Yes)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS203;Yes)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS209)、ステップS203の処理に進む。ステップS210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
14.始動入賞時処理
CPU103は、始動入賞時処理(ステップS208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(図14のステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
15.入賞時乱数値判定処理
CPU103は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(図15(A)のステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、複数の特図表示結果決定テーブルのなかから、遊技状態と変動特図とに応じた特図表示結果決定テーブルを選択する(ステップS402)。例えば、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であって、始動口バッファ値が「1」である場合には、図6(A)の第1特図表示結果決定テーブルを選択する。また例えば、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であって、始動口バッファ値が「2」である場合には、図6(B)の第2特図表示結果決定テーブルを選択する。
ステップS402の処理に続いて、CPU103は、ステップS401において選択した特図表示結果決定テーブルと、図14のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データとに基づいて、特図表示結果を「大当り」とするか否かを判定する。具体的には、ステップS402において選択した特図表示結果決定テーブルにおける所定の大当り判定範囲(特図表示結果「大当り」に割り当てた数値の範囲)内に、上述の特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データがあるか否かを判定する(ステップS403)。なお、CPU103は、大当り判定範囲の最小値(下限値)や最大値(上限値)と上述の数値データとを比較して上記判定を行ってもよいし、大当り判定範囲内の各数値と上述の数値データとを比較して上記判定を行ってもよい。特図表示結果を「小当り」とするか否かの判定や大当り種別の判定など他の判定においても同様である。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、ステップS403の処理と同様、特図表示結果を「小当り」とするか否かを判定する。即ち、ステップS402において選択した特図表示結果決定テーブルにおける所定の小当り判定範囲(特図表示結果「小当り」に割り当てた数値の範囲)内に、上述の特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データがあるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。なお、ステップS401にて選択した特図表示結果決定テーブルに小当り判定範囲が存在しない場合も、小当り判定範囲内ではないと判定される。ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別を判定する(ステップS409)。即ち、CPU103は、複数の大当り種別決定テーブルのなかから、変動特図に応じた大当り種別決定テーブルを選択し、選択した大当り種別決定テーブルにおける何れの大当り種別の判定範囲内に、図14のステップS217にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データがあるかを判定する。続いて、ステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS410)。
ステップS405、S407、S410の処理の何れかを実行した後には、変動カテゴリを判定する(ステップS412)。即ち、CPU103は、複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから、特図表示結果(例えば、ステップS403やステップS404の判定結果など)と保留記憶数とに応じた変動カテゴリ決定テーブルを選択し、選択した変動カテゴリ決定テーブルにおける何れの変動カテゴリの判定範囲内に、図14のステップS217にて抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データがあるかを判定する。
16.変動カテゴリ決定テーブル
図16は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す。なお、ROM101には、特図表示結果「ハズレ」、特図表示結果「非確変・確変」又は特図表示結果「突確・小当り」に対応する変動カテゴリ(「PA1」「PA2」「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」「PC1」)を決定する変動カテゴリ決定テーブルとして、5種類の変動カテゴリ決定テーブル(「C−TBL1」〜「C−TBL5」)が記憶されているものとする。図16は、ROM101に記憶されている5種類の変動カテゴリ決定テーブル(「C−TBL1」〜「C−TBL5」)のなかから何れかを選択する選択例である。
17.変動カテゴリの決定割合
図17(A)〜図17(E)は、夫々の変動カテゴリ決定テーブル(「C−TBL1」〜「C−TBL5」)による、変動カテゴリの決定割合を表している。なお、図4に示すように、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3の取り得る個数は100個(「0」〜「99」)である。従って、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される決定値の夫々の変動カテゴリに対する割り当て個数と、夫々の変動カテゴリの決定割合とを、図7の如く一方から他方(割り当て個数から決定割合、又は、決定割合から割り当て個数)が直ちに把握できるため、簡略化などのため、図17の説明図においては、割り当て個数と決定割合とを纏めて同一の欄(列)にて示している。以降の決定割合を例示する説明図においても同様である。
図16及び図17によれば、特図表示結果が「非確変・確変」であるときには、特図表示結果が「ハズレ」であるときに比べて、スーパーリーチαの変動カテゴリ(「PA4」又は「PB4」)や、スーパーリーチβの変動カテゴリ(「PA5」又は「PB5」)が決定され易くなっている。例えば、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「1」であるとき(保留1個目の第1始動入賞について特図表示結果が「ハズレ」であると判定されているとき)には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」に示すように変動カテゴリ「PA5(スーパーリーチβ(ハズレ))」の決定割合は2%、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「2」又は「3」であるとき(保留2個目又は保留3個目の第1始動入賞について特図表示結果が「ハズレ」であると判定されているとき)には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」に示すように変動カテゴリ「PA5」の決定割合は1%、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「4」であるとき(保留4個目の第1始動入賞について特図表示結果が「ハズレ」であると判定されているとき)には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」に示すように変動カテゴリ「PA5」の決定割合は1%となっているのに対し、特図表示結果が「非確変・確変」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」に示すように変動カテゴリ「PB5(スーパーリーチβ(大当り))」の決定割合は40%となっている。
また、例えば、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「4」であるときには、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「2」又は「3」であるときや、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「1」であるときに比べて、変動カテゴリ「PA1(短縮・非リーチハズレ)」が決定され易くなっている。具体的には、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「1」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」に示すように変動カテゴリ「PA1」の決定割合は0%、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「2」又は「3」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」に示すように変動カテゴリ「PA1」の決定割合は4%となっているのに対して、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「4」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」に示すように変動カテゴリ「PA1」の決定割合は64%となっている。
その後、ステップS412の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」又は「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
18.特別図柄通常処理
図18は、特別図柄通常処理として、図12のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、複数の特図表示結果決定テーブルのなかから、遊技状態と変動特図とに応じた特図表示結果決定テーブルを選択する(ステップS239)。なお、図15(A)に示すステップS402の処理では、変動特図を示すものとして、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を用いたが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を用いる。例えば、ステップS239の処理では、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であって、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図6(A)の第1特図表示結果決定テーブルを選択し、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図6(B)の第2特図表示結果決定テーブルを選択する。ステップS239の処理に続いて、特図表示結果を決定する(ステップS240)。例えば、ステップS239の処理において選択した特図表示結果決定テーブルにおける何れの特図表示結果の判定範囲内に、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ(ステップS232において読み出され、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)があるかを判定し、特図表示結果を決定すればよい。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。ステップS242の処理に続いて、複数の大当り種別決定テーブルのなかから、変動特図に応じた大当り種別決定テーブルを選択する(ステップS243)。なお、図15(A)に示すステップS409の処理では、変動特図を示すものとして、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を用いたが、ステップS243の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を用いる。ステップS243の処理に続いて、大当り種別を決定する(ステップS244)。例えば、ステップS242の処理において選択した大当り種別決定テーブルにおける何れの大当り種別の判定範囲内に、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ(ステップS232において読み出され、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ)があるかを判定し、大当り種別を決定すればよい。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、ステップS240の処理にて決定された特図表示結果や、大当りの場合にステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理では、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。なお、当該変動に関する変動カテゴリ決定用の乱数値MR3は、始動入賞時処理において既に抽出され、第1特図保留記憶部151A(又は第2特図保留記憶部151B)に保留データとして記憶されているが、当該変動パターン設定処理では、第1特図保留記憶部151A(又は第2特図保留記憶部151B)に記憶されている変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を使用しないで、新たな変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出する。
続いて、CPU103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、図15(A)に示すステップS412と同様、変動カテゴリを判定する。続いて、CPU103は、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから、上述の判定結果である変動カテゴリに応じた変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、選択された変動パターン決定テーブルと、上述の変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動パターンのなかから何れかの変動パターンを決定する。
19.変動パターン決定テーブル
図19は、変動パターン決定テーブルの選択例を示す。なお、ROM101には、変動カテゴリ「PA1」〜「PA5」「PB3」〜「PB5」「PC1」に対応する変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルとして、9種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図19は、ROM101に記憶されている9種類の変動パターン決定テーブルの中からいずれかを選択する選択例である。
20.変動パターンの決定割合
図20は、変動パターンの決定割合を例示する。なお、ROM101には、特図表示結果「ハズレ」、特図表示結果「非確変・確変」又は特図表示結果「突確・小当り」に対応する変動カテゴリ(「PA1」「PA2」「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」「PC1」)に応じた変動パターン決定テーブルとして、9種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図20(A)〜図20(I)は、夫々の変動パターン決定テーブル(「P−TBL1」〜「P−TBL9」)による、変動パターンの決定割合を表している。
なお、図5、図16、図17および図20によれば、特図表示結果が「大当り」となる場合には「ハズレ」となる場合に比べ、スーパーリーチαに係る変動パターン(変動パターン「PA4−1」〜変動パターン「PA4−3」、変動パターン「PB4−1」〜変動パターン「PB4−3」)や、スーパーリーチβに係る変動パターン(変動パターン「PA5−1」〜変動パターン「PA5−3」、変動パターン「PB5−1」〜変動パターン「PB5−3」)の決定割合が高い。換言すれば、スーパーリーチαに係る変動パターンや、スーパーリーチβに係る変動パターンが実行される場合には、他の変動パターン(例えば、ノーマルリーチに係る変動パターン(変動パターン「PA3−1」、「PA3−2」、「PB3−1」、「PB3−2」))などが実行される場合に比べて大当り期待度は高くなっている。より詳細には、スーパーリーチβに係る変動パターン>スーパーリーチαに係る変動パターン>ノーマルリーチに係る変動パターンの順に大当り期待度は高くなっている(スーパーリーチβに係る変動パターン>スーパーリーチαに係る変動パターン>ノーマルリーチに係る変動パターンの順に大当りになり易い)。
以上のように、主基板11では、ステップS101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS219)、ステップS403、S404、S409などにおいて判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS405、S407、S410)、ステップS412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS413)、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(ステップS221)。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。また、主基板11では、ステップS110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、ステップS111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5などを用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。更に、ステップS111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS110)にて特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(ステップS111)にて飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)により、「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。
21.演出制御メイン処理
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図21のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図21に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、遊技効果ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
22.コマンド解析処理
図22は、コマンド解析処理として、図21のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、保留記憶数通知コマンドや始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
23.演出制御プロセス処理
図23は、演出制御プロセス処理として、図21のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する始動入賞判定処理を実行する(ステップS150)。
図23に示すステップS150にて始動入賞判定処理を実行した後には、例えば、演出制御フラグ設定部191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後は、例えば、特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、又は主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにする場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側において自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものである場合には、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理においては、例えば、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、小当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後は、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理においては、例えば、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後は、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
24.可変表示開始設定処理
図24は、可変表示開始設定処理として、図23のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS701)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS701;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図5の「PA1−1」「PA2−1」「PA2−2」「PA2−3」)であるか否かを判定する(ステップS702)。
ステップS702にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS702;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS703)。一例として、ステップS703の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS703の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS703にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS703;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS704)。一例として、ステップS704の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS701にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS701;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS705)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(ステップS705;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS706)。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS705にて「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(ステップS705;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS707)。一例として、ステップS707の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうち何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄又は確変図柄のうちから何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せ又は確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS703、S704、S706、S707の処理の何れかを実行した後、演出制御用CPU120は、モード演出の設定を行う(ステップS708)。ここで、モード演出とは、あらかじめ複数種類の背景画像等を用意(記憶)しておき、いずれかの背景画像等の表示することによる演出である。例えば、パチンコ遊技機1が、あるアニメーションAを題材にしたものであるときは、アニメーションAの典型的な場面の背景画像や特殊な演出に対応する背景画像などを用意しておけばよい。なお、モード演出は、背景画像を表示することによる演出であるので、飾り図柄による可変表示演出とは同時に実行可能である。また、飾り図柄による可変表示演出の場合には、連続先読み演出などの一部の態様を除いて1回の変動毎(1回の特図ゲーム毎)に個々が独立した演出となるが、モード演出の場合には、複数回の変動に亘って同一の演出(同一のモード演出)を実行することができる。すなわち、1回の変動で他のモード演出に切り替わるモード演出も存在し得るが、複数回の変動に亘って他のモード演出に切り替わらないモード演出も存在し得る。あるモード演出(ある背景画像等)から他のモード演出(ある背景画像等)へは、所定の条件が成立した場合に(例えば、当該モード演出の実行回数が上限値に達した場合に)、切り替わる。なお、背景画像等の表示自体をモード演出と称する場合の他、背景画像等の表示を切り替えることによる演出をモード演出と称する場合もある。
25.モード演出設定処理
図25は、モード演出の設定を行う処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す処理において、演出制御用CPU120は、まず、モード演出の実行回数が所定の上限値であるか否かを判定する(ステップS121)。ここで、モード演出は、他の種類のモード演出に変更されるまで、複数回の可変表示ゲームにわたって実行される。したがって、モード演出の実行回数は、モード演出が実行されている間に実行された可変表示ゲームの実行回数と同じ回数となる。モード演出の実行回数は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値として記憶されればよい。その場合、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値を読み取ることにより、モード演出の実行回数を特定できればよい。
ステップS121にてモード演出の実行回数が上限値である場合(ステップS121;YES)、演出制御用CPU120は、モード演出の実行回数をリセットする(ステップS122)。演出制御用CPU120は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値を、“0”に更新すればよい。
ステップS122の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191等に設けられたモード演出フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在のモード演出の状態を特定する(ステップS123)。ここで、本実施形態においては、モード演出1とモード演出2の2種類のモード演出のうち、いずれか一方のモード演出が実行されるものとする。その場合、演出制御用CPU120は、例えば、モード演出フラグがオンであるときにはモード演出1の状態であることを特定し、モード演出フラグがオフであるときにはモード演出2の状態であることを特定すればよい。
ステップS122の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS122にて特定された現在のモード演出がモード演出1であるか否かを判定する(ステップS123)。
ステップS121にて現在のモード演出がモード演出1である場合(ステップS124;YES)、演出制御用CPU120は、モード演出2を実行するためのモード演出制御パターンを設定して(ステップS125)、モード演出フラグの値をオフに更新する。
ステップS121にて現在のモード演出がモード演出2である場合(ステップS124;NO)、演出制御用CPU120は、モード演出1を実行するためのモード演出制御パターンを設定して(ステップS126)、モード演出フラグの値をオンに更新する。
ステップS125の処理を実行した後、ステップS126の処理を実行した後、又はステップS121にてモード演出の実行回数が上限値ではない場合(ステップS121;NO)、演出制御用CPU120は、モード演出の実行回数を1加算して(ステップS127)、モード演出設定処理を終了する。なお、ステップS126の処理において加算されるモード演出の1回分の実行回数は、これから可変表示ゲームが実行されることに対応する。演出制御用CPU120は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値を、1加算するように更新すればよい。
図24に戻り、ステップS708の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、擬似連演出の設定を行う(ステップS709)。
26.擬似連演出設定処理
図26は、擬似連演出の設定を行う処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが「擬似連」の可変表示演出を実行する場合に対応した擬似連変動パターンであるか否かを判定する(ステップS181)。ステップS181においては、演出制御用CPU120は、変動パターンが、図5に示す、変動パターンPA2−3、PA3−2、PA4−2、PA4−3、PA5−2、PA5−3、PB3−2、PB4−2、PB4−3、PB5−2、PB5−3のいずれかであるかを判定すればよい。
ステップS181にて擬似連変動パターンでないと判定された場合(ステップS181;NO)、演出制御用CPU120は、擬似連演出設定処理を終了する。
一方、ステップS181にて擬似連変動パターンであると判定された場合(ステップS181;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191等に設けられたモード演出フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在のモード演出の状態を特定する(ステップS182)。
ステップS182の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS182にて特定された現在のモード演出がモード演出1であるか否かを判定する(ステップS183)。
ステップS183にて現在のモード演出がモード演出1である場合(ステップS183;YES)、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、図27に示す擬似連モード演出実行判定テーブル1又は2をセットする(ステップS184)。ここで、例えば、現在の遊技状態が通常状態又は時短状態である場合、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出実行判定テーブル1をセットすればよい。また、例えば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出実行判定テーブル2をセットすればよい。
一方、ステップS183にて現在のモード演出がモード演出2である場合(ステップS183;NO)、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、図27に示す擬似連モード演出実行判定テーブル3又は4をセットする(ステップS185)。ここで、例えば、現在の遊技状態が通常状態又は時短状態である場合、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出実行判定テーブル3をセットすればよい。また、例えば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出実行判定テーブル4をセットすればよい。
ステップS184の処理を実行した後、又はステップS185の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等から、擬似連モード演出決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する(ステップS186)。
ステップS186の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、抽出した乱数値SR2を示す数値データに基づき、擬似連モード演出実行判定テーブルを参照することにより、擬似連モード演出の有無を決定する(ステップS187)。
27.擬似連モード演出実行判定テーブル
図27は、ROM121に記憶される擬似連モード演出実行判定テーブルの構成例を示している。擬似連モード演出実行判定テーブルは、特図表示結果が「大当り」又は「ハズレ、小当り」である場合に、擬似連モード演出を実行するか否かを、擬似連モード演出決定用の乱数値SR2に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。擬似連モード演出実行判定テーブルにおいては、特図表示結果が「大当り」及び「ハズレ、小当り」のいずれであるかに応じて、擬似連モード演出決定用の乱数値SR2と比較される数値が、擬似連モード演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられている。
擬似連モード演出実行判定テーブルの設定は、現在のモード演出がモード演出2である場合よりも、現在のモード演出がモード演出1である方が、擬似連モード演出が実行されたときに特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が高くなるように設定される。ここで、特図表示結果が「大当り」となる確率をT1、特図表示結果が「ハズレ」又は「小当り」となる確率をT2、特図表示結果が「大当り」となるときに擬似連モード演出が実行される確率をG1、特図表示結果が「ハズレ」又は「小当り」となるときに擬似連モード演出が実行される確率をG2とすると、擬似連モード演出が実行されたときに特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度Kは、K=(T1×G1/(T1×G1+T2×G2))×100となる。例えば、図27に示す例においては、現在のモード演出がモード演出1の場合、遊技状態が「通常状態又は時短状態」、「確変状態」のいずれの場合にも、擬似連モード演出が実行されたときに特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が約40(%)となるように設定されている。また、図27に示す例においては、現在のモード演出がモード演出2の場合、遊技状態が「通常状態又は時短状態」、「確変状態」のいずれの場合にも、擬似連モード演出が実行されたときに特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が約3.9(%)となるように設定されている。
ステップS187にて「擬似連モード演出あり」とする決定結果であれば(ステップS188;YES)、演出制御用CPU120は、擬似連モード演出を実行するための擬似連モード演出制御パターンを設定する(ステップS189)。
一方、ステップS187にて「擬似連モード演出なし」とする決定結果であれば(ステップS188;NO)、演出制御用CPU120は、擬似連演出を実行するための擬似連演出制御パターンを設定する(ステップS190)。ここで、擬似連演出とは、現在のモード演出における背景画像等の状態のまま、擬似連変動を実行する演出である。
ステップS189の処理を実行した後、又はステップS190の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、「擬似連」の可変表示演出における仮停止図柄を決定して(ステップS191)、擬似連演出設定処理を終了する。
図24に戻り、ステップS709の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、示唆演出としての煽り演出の設定を行う(ステップS710)。ここで、煽り演出とは、所定演出としての擬似連モード演出が実行されるまでの間に、擬似連モード演出が実行されるか否かにかかわらず、擬似連モード演出が実行されることを煽る演出である。擬似連モード演出とは、例えば、特別な背景画像等にて擬似連変動を実行する演出や、擬似連モード演出であることを示すテロップを表示する等、擬似連変動中のみに実行される専用の演出である。
28.煽り演出設定処理
図28は、煽り演出の設定を行う処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、演出制御フラグ設定部191等に設けられたモード演出フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在のモード演出の状態を特定する(ステップS131)。
ステップS131の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS131にて特定された現在のモード演出がモード演出1であるか否かを判定する(ステップS132)。
ステップS132にて現在のモード演出がモード演出1である場合(ステップS132;YES)、演出制御用CPU120は、煽り演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、図29に示す煽り演出実行判定テーブル1又は2をセットする(ステップS133)。ここで、例えば、現在の遊技状態が通常状態又は時短状態である場合、演出制御用CPU120は、煽り演出実行判定テーブル1をセットすればよい。また、例えば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU120は、煽り演出実行判定テーブル2をセットすればよい。
一方、ステップS132にて現在のモード演出がモード演出2である場合(ステップS132;NO)、演出制御用CPU120は、煽り演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、図29に示す煽り演出実行判定テーブル3又は4をセットする(ステップS134)。ここで、例えば、現在の遊技状態が通常状態又は時短状態である場合、演出制御用CPU120は、煽り演出実行判定テーブル3をセットすればよい。また、例えば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU120は、煽り演出実行判定テーブル4をセットすればよい。
ステップS133の処理を実行した後、又はステップS134の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等から、煽り演出決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS135)。
ステップS135の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、抽出した乱数値SR1を示す数値データに基づき、煽り演出実行判定テーブルを参照することにより、煽り演出の有無を決定する(ステップS136)。
29.煽り演出実行判定テーブル
図29は、ROM121に記憶される煽り演出実行判定テーブルの構成例を示している。煽り演出実行判定テーブルは、擬似連モード演出が「あり」又は「なし」である場合に、煽り演出を実行するか否かを、煽り演出実行決定用の乱数値SR1に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。煽り演出実行判定テーブルにおいては、擬似連モード演出が「あり」及び「なし」のいずれであるかに応じて、煽り演出決定用の乱数値SR1と比較される数値が、煽り演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられている。
煽り演出実行判定テーブルの設定は、現在のモード演出が「モード演出2」である場合よりも、現在のモード演出が「モード演出1」である方が、煽り演出が実行される割合が高くなるように設定される。ここで、特図表示結果が「大当り」となる確率をT1、特図表示結果が「ハズレ」又は「小当り」となる確率をT2、特図表示結果が「大当り」となるときに擬似連モード演出が実行される確率をG1、特図表示結果が「ハズレ」又は「小当り」となるときに擬似連モード演出が実行される確率をG2、特図表示結果が「大当り」となるときに擬似連モード演出が実行されない確率をG3、特図表示結果が「ハズレ」又は「小当り」となるときに擬似連モード演出が実行されない確率をG4、擬似連モード演出が実行されるときに煽り演出が実行される確率をA1、擬似連モード演出が実行されないときに煽り演出が実行される確率をA2、擬似連モード演出が実行されるときに煽り演出が実行されない確率をA3、擬似連モード演出が実行されないときに煽り演出が実行されない確率をA4とすると、煽り演出を実行する割合Wは、W=T1×G1×A1+T1×G3×A2+T2×G2×A1+T2×G4×A2となる。例えば、図29に示す例においては、現在のモード演出がモード演出1の場合、遊技状態が「通常状態又は時短状態」、「確変状態」のいずれの場合にも、煽り演出が実行される割合が約20(%)となるように設定されている。また、図29に示す例においては、現在のモード演出がモード演出2の場合、遊技状態が「通常状態又は時短状態」、「確変状態」のいずれの場合にも、煽り演出が実行される割合が約10(%)となるように設定されている。
ステップS133にて「煽り演出なし」とする決定結果であれば(ステップS134;NO)、演出制御用CPU120は、煽り演出設定処理を終了する。一方、ステップS133にて「煽り演出あり」とする決定結果であれば(ステップS134;YES)、演出制御用CPU120は、煽り演出を実行するための煽り演出制御パターンを設定して(ステップS135)、煽り演出設定処理を終了する。
図24に戻り、ステップS710の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて演出制御パターンを設定する(ステップS711)。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。なお、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンが複数用意されている場合には、何れかを選択して使用パターンとしてセットする。
ステップS711の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS712)。具体的には、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端に表示されている保留表示を今回表示エリアにシフトさせるとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときは当該他の保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる。より詳細には、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端に表示されている保留表示を今回表示エリアにシフトさせる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときは当該他の保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる演出制御パターンを使用パターンとしてセットし、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端に表示されている保留表示を今回表示エリアにシフトさせるとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときには当該他の保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる。なお、今回表示エリアの保留表示は、当該可変表示の開始時や実行中や終了時などに消去すればよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、保留消化処理(ステップS712)において、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端から今回表示エリアにシフトさせる保留表示について表示態様を変化させる旨の情報が先読予告バッファ194Bに記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には今回表示エリアへシフトする際に表示態様を変化させる。また、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときには、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる夫々の保留表示について表示態様を変化させる旨の情報が先読予告バッファ194Bに記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトする際に表示態様を変化させる。
保留消化処理(ステップS712)を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS713)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(ステップS714)。例えば、ステップS708のモード演出設定処理、ステップS709の擬似連演出設定処理、ステップS710の煽り演出設定処理、ステップS711の演出制御パターンの決定処理の各処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板13に伝送することなどによりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送させることなどにより遊技効果ランプ9における発光を開始させるための設定を行う。
ステップS714の処理を実行した後には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドを消化する(ステップS715)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)を、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときも同様である。また、ステップS715の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる先読予告バッファ194Bに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS716)、可変表示開始設定処理を終了する。
30.演出画面
図30は、演出画面の一例を示す図である。図30(A)は、モード演出1の演出画面の一例を示す図である。また、図30(B)は、モード演出2の演出画面の一例を示す図である。モード演出1においては、例えば、図30(A)に示すように、「山」を表現した背景画像が表示される。一方、モード演出2においては、例えば、図30(B)に示すように、「街」を表現したモードの背景画像が表示される。このように、各モード演出においては、例えば、それぞれ異なる場面を表現した背景画像等が表示される。
図30(C)は、モード演出1が実行されている場合における、煽り演出の演出画面の一例を示す図である。また、図30(D)は、モード演出2が実行されている場合における、煽り演出の演出画面の一例を示す図である。モード演出1が実行されている場合には、例えば、図30(C)に示すように、「山」を表現した背景画像が表示されると共に、「桜の花びら」が舞い落ちるような煽り演出が実行される。一方、モード演出2が実行されている場合には、例えば、図30(D)に示すように、「街」を表現した背景画像が表示されると共に、「桜の花びら」が舞い落ちるような煽り演出が実行される。
図30(E)は、モード演出1が実行されている場合における、擬似連演出の一例を示す図である。図30(F)は、モード演出2が実行されている場合における、擬似連演出の一例を示す図である。モード演出1が実行されているときに擬似連モード演出が実行されない場合には、例えば、図30(E)に示すように、「山」を表現した背景画像が表示されると共に、特図ゲームが1回実行される間に、飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該飾り図柄を再び変動させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の可変表示が実行されているかのように見せる擬似連の可変表示演出が実行される。一方、モード演出2が実行されているときに擬似連モード演出が実行されない場合には、例えば、図30(F)に示すように、「街」を表現した背景画像が表示されると共に、特図ゲームが1回実行される間に、飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該飾り図柄を再び変動させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の可変表示が実行されているかのように見せる擬似連の可変表示演出が実行される。
図30(G)は、擬似連モード演出の一例を示す図である。擬似連モード演出においては、例えば、図30(G)に示すように、「桜柄」の背景画像が表示されて、擬似連演出と同様の飾り図柄の可変表示演出が実行される。ここで、図30(C)、(D)に示すように、煽り演出として背景画像等を「桜の花びら」が舞い落ちるような演出を実行し、図30(G)に示すように、擬似連モード演出として「桜柄」の背景画像を表示すれば、即ち、煽り演出にて実行される演出を、擬似連モードの背景画像を連想させるようなものとすれば、煽り演出は、擬似連モード演出が実行されることを示唆するものとなる。なお、モード演出から擬似連モード演出への切り替えは、例えば、最初に飾り図柄が仮停止表示されたときや、飾り図柄の再変動の開始時に実行されるようにすればよい。
31.演出の移行
図31は、演出の移行を説明するための図である。図31(A)に示すように、擬似連変動実行前のモード演出において、モード演出1が実行されている場合には、20%の割合で「煽り演出」を実行し、その後「擬似連モード演出」、「擬似連演出」又は「その他の可変表示演出」に移行する。「擬似連モード演出」に移行した場合には、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が40.0%となる。一方、図31(B)に示すように、擬似連変動実行前のモード演出において、モード演出2が実行されている場合には、10%の割合で「煽り演出」を実行し、その後「擬似連モード演出」、「擬似連演出」又は「その他の可変表示演出」に移行する。「擬似連モード演出」に移行した場合には、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が3.9%となる。このように、この実施の形態においては、擬似連モード演出が実行される前にいずれのモード演出が実行されていたかにより、擬似連モード演出が実行されたときの特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が異なると共に、煽り演出の実行割合が異なる。このような構成によれば、モード演出に注目を惹けるので、擬似連モード演出への移行に対する期待感を、より向上させることができる。
32.他の実施の形態における演出の移行
33.他の実施の形態における演出のタイミングチャート
図32は、他の実施の形態における演出の移行を説明するための図である。図33は、他の実施の形態における演出のタイミングチャートを示す図である。上記実施の形態においては、複数種類のモード演出を移行する態様として、モード演出の実行回数に応じてモード演出を他のモード演出に移行する例を示したが、これは一例である。
モード演出の移行の他の態様としては、擬似連モード演出を実行するか否かは当該変動の開始時に決定するが、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるか否かを先読みし、擬似連モード演出が実行されるより前の可変表示演出が実行されるときのモード演出を、可変表示結果の先読み時に他のモード演出に移行するようにしてもよい。
また、モード演出の移行の他の態様としては、擬似連変動を先読みし、擬似連変動であるときに擬似連モード演出を実行するか否かを判定した上で、擬似連モード演出を実行するときに、それ以前の可変表示演出が実行されるときのモード演出を、擬似連変動の先読み時に他のモード演出に移行するようにしてもよい。擬似連変動を先読みする場合には、例えば、擬似連変動が確定するカテゴリを設けておけばよい。このような態様の場合には、擬似連モード演出が実行される可変表示演出より前の可変表示演出が実行されるときに、煽り演出を実行するようにしてもよい。また、このような態様の場合には、先読みで擬似連モード演出を実行すると判定した場合、必ず煽り演出が実行されるようにしてもよい。
例えば、可変表示結果を先読みしたときにモード演出1を実行している場合には、先読みした可変表示結果が「ハズレ、小当り」であれば、モード演出をモード演出2に移行する割合が高くなるようにする。このような設定によっては、図32(A)に示すように、可変表示結果を先読みし(例えば、図33に示す入賞のタイミングA)、先読みした可変表示結果が「大当り」であれば、モード演出がモード演出1のまま維持され易くなり、モード演出2に移行されずに擬似連モード演出が実行されれば、その期待度は40.0%となる。また、このような設定によっては、図32(A)に示すように、可変表示結果を先読みし(例えば、図33に示す入賞のタイミング)、先読みした可変表示結果が「ハズレ、小当り」であれば、先読みした可変表示が実行されるよりも前に(例えば、図33に示すモード演出の移行タイミングB)、モード演出がモード演出2に移行され易くなり、モード演出2に移行されて擬似連モード演出が実行されれば、その期待度は3.9%となる。
一方、可変表示結果を先読みしたときにモード演出2を実行している場合には、先読みした可変表示結果が「大当り」であれば、モード演出をモード演出1に移行する割合が高くなるようにする。このような設定によっては、図32(B)に示すように、可変表示結果を先読みし(例えば、図33に示す入賞のタイミングA)、先読みした可変表示結果が「ハズレ、小当り」であれば、モード演出がモード演出2のまま維持され易くなり、モード演出1に移行されずに擬似連モード演出が実行されれば、その期待度は3.9%となる。また、このような設定によっては、図32(B)に示すように、可変表示結果を先読みし(例えば、図33に示す入賞のタイミングA)、先読みした可変表示結果が「大当り」であれば、先読みした可変表示が実行されるよりも前に(例えば、図33に示すモード演出の移行タイミングB)、モード演出がモード演出1に移行され易くなり、モード演出1に移行されて擬似連モード演出が実行されれば、その期待度は40.0%となる。このような構成によれば、モード演出を、実際の期待度に応じて変更させる制御が容易になる。
34.変動カテゴリの決定割合
図34は、変動カテゴリの決定割合の他の例を示す。擬似連変動を先読みする実施の形態の場合、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値のうち、擬似連変動を伴う変動カテゴリが決定される数値の少なくとも一部については、保留数にかかわらず共通の値をとるようにする。例えば、図34に示す例においては、保留記憶数が0個〜1個の場合と、保留記憶数が2個〜4個の場合との双方において、擬似連変動を伴う変動カテゴリが決定される数値として、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値0〜198のうち、148〜198の値が、保留数にかかわらず共通の値として割り当てられている。このような設定によっては、モード演出の移行の制御と、実際の可変表示の内容とに乖離が生じることを防止することができる。なお、先読み時に他のモード演出に移行する実施の形態の場合には、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が、このような共通の値となるときに、モード移行等の制御が実行されるようにすればよい。また、保留数によって振り分けを変えるのは、保留が多いときに、変動時間を短くして、保留が消化される時間を短縮するためである。
上記の構成においては、複数種類の識別情報(例えば、特別図柄等)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5等)に導出表示された識別情報の可変表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組み合わせとなる確定飾り図柄等)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、複数種類のモード演出(例えば、モード演出1やモード演出2等)のうちいずれかのモード演出を実行するモード演出実行手段(例えば、ステップS708の処理にて設定したモード演出制御パターンに従った演出を実行する演出制御用CPU120等)と、所定演出を所定回実行する所定演出実行手段(例えば、ステップS709の処理にて設定した擬似連モード演出制御パターンに従った演出を実行する演出制御用CPU120等)と、前記所定演出が実行されるか否かにかかわらず前記所定演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えば、ステップS710の処理にて設定した煽り演出制御パターンに従った演出を実行する演出制御用CPU120等)とを備え、前記所定演出が実行される前にいずれの前記モード演出が実行されていたかにより、前記所定演出が実行されたときの前記特定遊技状態となる期待度が異なる(例えば、図29に示す擬似連モード演出実行判定テーブルの設定によっては、現在のモード演出がモード演出2である場合よりも、現在のモード演出がモード演出1である方が、擬似連モード演出が実行されたときの特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる期待度が高くなること等)と共に、いずれの前記モード演出が実行されているかにより前記示唆演出の実行割合が異なる(例えば、図27に示す煽り演出実行判定テーブルの設定によっては、現在のモード演出が「モード演出2」である場合よりも、現在のモード演出が「モード演出1」である方が、煽り演出を実行する旨の判定が高い割合で成されること等)ことを特徴とする。
このような構成によれば、モード演出に注目を惹けるので、所定演出への移行に対する期待感を、より向上させることができる。
次に、図35〜図38を用いて、背景領域と背景領域上を移動するオブジェクトとからなる背景画像と、背景画像の背景領域の一部の領域である部分領域に部分背景画像を重ねて表示することについて説明する。
35.背景画像におけるオブジェクトの移動
図35は、背景画像におけるオブジェクトの移動の一例を示す図である。図35は、画像表示装置5に表示される背景画像の変化を示している。具体的には、図35は、背景画像が、図35(a)→図35(b)→図35(c)の順に時系列に変化する様子を示している。
図35に例示する「背景画像」は、画像表示装置5に表示される「背景領域」と「オブジェクト」とを有する。背景領域は、画像表示装置5の全画面(表示画面の全部)に表示される背景の領域であり、図35では背景領域に、木、地面、及び空(以下、「木等」と言う)の画像が表示されている。オブジェクトは、背景領域の画像上を移動する画像であり、図35では舞い落ちる花びらの画像である。つまり、図35(a)〜図35(c)は、背景領域に表示された木等の画像の上をオブジェクトである花びらの画像が移動する様子を示している。
図35(a)は、ある時刻の背景画像の表示例である。図35(a)において、画像表示装置5には、オブジェクト511a〜515aが表示されている。なお、図35において、画像表示装置5には、オブジェクト511a〜515a以外のオブジェクトも表示されているが、図35では、オブジェクト511a〜515aに注目するものとする。
図35(b)は、図35(a)が表示されてから所定の時間が経過したときの背景画像の表示例である。オブジェクト511bは、図35(a)に示したオブジェクト511aに対応するオブジェクトである。具体的には、オブジェクト511bは、図35(a)の表示を表示した時刻から所定の時間が経過した後のオブジェクト511aを示している。つまり、あるオブジェクトが、所定の時間内に、511aの表示位置から511bの表示位置に移動したことを示している。同様に、オブジェクト512b〜514bは、夫々、オブジェクト512a〜514aに対応するオブジェクトである。図35(a)に示したオブジェクト515aは、図35(b)において背景領域の外に移動している。
なお、夫々のオブジェクトの移動の様子を明らかにするために、図35(b)において、図35(a)における夫々の表示位置にオブジェクト511a〜515aを点線で示している(実際には、図35(b)においてオブジェクト511a〜515aは表示されていない)。
図35(c)は、図35(b)が表示されてから所定の時間が経過したときの表示である。オブジェクト511cは、図35(b)に示したオブジェクト511bに対応するオブジェクトである。具体的には、オブジェクト511cは、図35(b)の時刻から所定の時間が経過した後のオブジェクト511bを示している。つまり、あるオブジェクトが、所定の時間内に、511bの表示位置から511cの表示位置に移動したことを示している。同様に、オブジェクト512c〜514cは、夫々、オブジェクト512b〜514bに対応するオブジェクトである。なお、図35(c)において、オブジェクト512cは、背景領域の外に移動しかけている。
なお、夫々のオブジェクトの移動の様子を明らかにするために、図35(c)において、図35(b)における夫々の表示位置にオブジェクト511b〜514bを点線で示している(実際には、図35(c)においてオブジェクト511b〜514bは表示されていない)。
図35では、時間の経過とともにオブジェクトの表示位置を変えることにより、オブジェクトの移動、具体的には、舞い落ちる花びらを表現している。なお、図35では、説明の便宜上、3つの時刻に対応する3つの図(図35(a)、図35(b)、及び図35(c))を用いたが、各オブジェクトは、図35(a)で示した表示位置と図35(b)で示した表示位置の間(図35(b)で示した表示位置と図35(c)で示した表示位置の間も同様)の表示位置に、1回以上表示されてもよい。つまり、オブジェクトの動き(例えば、オブジェクト511a→オブジェクト511b→オブジェクト511cの移動)、または、移動するオブジェクトの軌跡を遊技者が認識できるようになっていればよい。なお、画像表示装置5に表示される背景画像は、例えば1秒間に所定のフレーム数(表示枚数)で表示されてもよい。
なお、オブジェクトの表示は、オブジェクトが所定の軌道を移動するオブジェクトの動画を予め用意しておき、その動画を再生することにより実現してもよい。オブジェクトの動画を繰り返し再生することにより、オブジェクトが移動を続ける背景画像を表示することができる。
また、本実施形態では、オブジェクトとして花びらをモチーフにした画像を例示したが、オブジェクトは背景画像内を移動するものであれば他の画像であってもよい。例えば、オブジェクトとして、人、動物、昆虫、雨粒、雪玉などをモチーフにした画像を用いることができる。
また、本実施形態では、花びらをモチーフにした同一種類のモチーフのオブジェクトを複数表示する場合を例示したが、複数表示されるオブジェクトのモチーフは異なる種類であってもよい。例えば、人をモチーフにした画像と動物をモチーフにした画像とをオブジェクトとすることができる。
以上のように、図35では、時間の経過とともにオブジェクト(花びらの画像)の表示位置を変えることにより舞い落ちる花びらを表現している。花びらの画像の表示位置を時間の経過とともに巧く変化させることにより、舞い落ちる花びらを好適(自然に、違和感なく)に表現することができる。
しかし、舞い落ちる花びらを好適に表現することができなくなる場合がある。例えば、今まで表示されていた花びらが、唐突に不自然な消失(背景領域の外に移動して消える場合や木等の背面に隠れて消える場合などの自然な消失に該当しない消失)をしたり、又は、今まで表示されていない花びらが、唐突に不自然な出現(背景領域の外から移動して現れる場合や木等の背面から現れる場合などの自然な出現に該当しない出現)をしたりすると、舞い落ちる花びらを好適に表現することができなくなる。
上述した様に、本実施形態では、背景画像に部分背景画像を重ねて表示する場合があるが、部分背景画像を重ねる部分領域と、舞い落ちる花びらの表示位置(舞い落ちる軌跡)との関係によっては、舞い落ちる花びらを好適に表現することができなくなる虞がある。例えば、舞い落ちている花びらが部分領域以外の領域から部分領域に移動した場合には、当該花びらは部分領域に重ねられている部分背景画像の背面に突然隠れるので、不自然な消失をしたように見える。また、舞い落ちている花びらが部分領域から部分領域以外の領域に移動した場合には、当該花びらは部分領域に重ねられている部分背景画像の背面から突然現れるので、不自然な出現をしたように見える。つまり、部分背景画像を重ねる部分領域と、オブジェクトの表示位置(移動の軌跡)との干渉(つまり、部分背景画像と、移動するオブジェクトとの干渉)が問題となる。以下、図36〜図38を用いて、背景画像に部分背景画像を重ねて表示する場合において、舞い落ちる花びらを例に、移動するオブジェクトを好適に表現する方法について説明する。
36.部分領域と、オブジェクトの表示位置との関係
図36(a)は、A1及びB1で図示する矩形の領域は、画像表示装置5に表示される領域である「背景領域」の一部の領域である「部分領域」を示している。部分領域A1及び部分領域B1には、「部分背景画像」を重ねて表示することができる。
なお、本実施形態では部分領域が矩形の場合を説明するが、部分領域は矩形以外でもよい。例えば、部分領域は円形、楕円形、三角形であってもよい。また、図39で説明する部分領域は、矩形の一部を切り取った様な形状である。
また、本実施形態では、部分領域の形状と部分背景画像の形状が同一である場合を説明するが、部分領域の一部に部分背景画像を表示してもよい。図40で説明する部分領域には、部分背景画像と透過領域とが表示される。
また、図36(a)においては、背景領域に2つの部分領域(部分領域A1、部分領域B1)を設定した例を示しているが、背景領域には1つ又は3つ以上の部分領域を設定してもよい。なお、図37(a)、図38(a)は、図36(a)と同一である。
図36(b)は、部分領域A1に部分背景画像A2を重ねて表示している様子を示している。部分背景画像A2は、部分領域A1に重ねて表示するための画像である。図36(b)に示すように、部分背景画像A2は、部分領域A1にあたかも蓋をするように表示される。
図37(b)は、部分領域B1に部分背景画像B2を重ねて表示している様子を示している。部分背景画像B2は、部分領域B1に重ねて表示するための画像である。図37(b)に示すように、部分背景画像B2は、部分領域B1にあたかも蓋をするように表示される。
図38(b)は、部分領域A1に部分背景画像A2を重ねて表示し、かつ、部分領域B1に部分背景画像B2を重ねて表示している様子を示している。図38(b)に示すように、部分背景画像A2は、部分領域A1にあたかも蓋をするように表示され、部分背景画像B2は、部分領域B1にあたかも蓋をするように表示される。
なお、部分領域A1に部分背景画像A2を重ねて表示している時間と、部分領域B1に部分背景画像B2を重ねて表示している時間とは、一致していても一致していなくてもよい。例えば、部分領域A1に部分背景画像A2を重ねて表示した後に、部分領域B1に部分背景画像B2を重ねて表示してもよい。すなわち、表示開始時刻に、時間差を設けてもよい。また、部分背景画像A2の表示を終了した後に、部分背景画像B2の表示を終了してもよい。すなわち、表示終了時刻に、時間差を設けてもよい。なお、一方の部分背景画像を表示している間に、他方の部分背景画像の表示を開始し、かつ、表示を終了してもよい。
部分背景画像A2は、オブジェクトに関係する画像であってもよい。例えば、図36(b)や図38(b)に示した部分背景画像A2は、複数の花びらが集合して渦を巻いている画像である。また、部分背景画像A2は、動画、又は静止画のいずれであってもよい。部分背景画像B2についても同様である。
部分背景画像A2又は部分背景画像B2、若しくは部分背景画像A2及び部分背景画像B2は、例えば、所定の表示条件が成立したときに表示される。上記所定の表示条件が成立したときについて説明する。所定の表示条件が成立したときとは、例えば、演出制御基板12によるモード演出の判定である、図25に示すステップS124が成立したとき、又は図26に示すステップS183が成立したときである。また、所定の表示条件が成立したときとは、上記に代えて、又は加えて、主基板11による乱数の大当たり判定であるステップS403において乱数が大当たり判定の範囲内であると判断されたときであってもよい。また、所定の表示条件が成立したときとは、上記に代えて、又は加えて、主基板11による変動カテゴリの判定であるステップS412において所定の変動カテゴリと判定されたときできであってもよい。つまり、所定の表示条件は、演出制御基板12における処理において成立するものであってもよいし、主基板11における処理において成立するものであってもよい。
なお、上述のステップS403において大当たり判定がされたとき、又は、ステップS412において所定の変動カテゴリとして変動カテゴリ「PB3」〜変動カテゴリ「PB5」が判定されたときには、遊技者にとって有利な特定価値(大当り)が遊技者に付与されることになる。換言すれば、所定の表示条件は、遊技者にとって有利な特定価値が遊技者に付与されるときに成立するものであってもよい。
また、所定の表示条件は、上述の予告演出が実行される条件、リーチ演出が実行される条件、又は擬似連モード演出が実行される条件であってもよい。
また、所定の表示条件は、演出制御基板12や主基板11における乱数を用いた判定処理において成立するものでなくてもよい。例えば、所定の表示条件は、所定回数の特図ゲームが消化される毎に成立するものであってもよいし、遊技者がプッシュボタン31Bを押下した場合に成立するものであってもよい。
なお、背景画像に部分背景画像を重ねて表示する処理は、演出制御用CPU120における処理である。従って、所定の表示条件が、主基板11における処理において成立するものであるときには(主基板11において成立を捕捉するものであるときには)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から送信される演出制御コマンドによって所定の表示条件が成立したか否かを判断し、所定の表示条件が成立したときに、背景画像に部分背景画像を重ねて表示するようすればよい。
ここで、移動するオブジェクトは、部分背景画像が重ねて表示されているか否かにかかわらず、部分領域A1及び部分領域B1には表示されない。換言すれば、部分領域A1及び部分領域B1は、部分背景画像A2や部分背景画像B2が重ねて表示されているか否かにかかわらず、オブジェクトが移動しないように表示される領域(オブジェクトが避ける領域)である。
例えば、部分領域A1は、部分背景画像A2が重ねて表示されているか否かにかかわらず、図35、図36(b)及び図38(b)に示すように、オブジェクト514a、オブジェクト512c、又はオブジェクト513c等の移動するオブジェクトが該領域内に移動しないように表示されている。また、部分領域B1は、部分背景画像B2が重ねて表示されているか否かにかかわらず、図35、図37(b)及び図38(b)に示すように、オブジェクト511bやオブジェクト511cなどの移動するオブジェクトが該領域内に移動しないように表示されている。従って、任意のタイミングで部分領域に部分背景画像を重ねて表示しても、部分背景画像と、移動するオブジェクトとの干渉は生じない。
なお、上述した様に、部分領域A1や部分領域B1に、オブジェクトが移動しないようにすれば、部分背景画像と、移動するオブジェクトとの干渉は生じなくなる、オブジェクトの移動を、部分領域A1内(部分領域B1内も同様)に限定するようにしても、同様に、部分背景画像と、移動するオブジェクトとの干渉は生じなくなる。つまり、少なくとも、部分領域と部分領域以外の領域との領域間をオブジェクトが移動(行き来)しないように、オブジェクトを表示すればよい。
例えば、図35で説明したオブジェクト511a〜オブジェクト515aなどの移動するオブジェクトは、常に、部分領域(部分領域A、部分領域B)以外の領域に表示され、部分領域に表示されることはないが、移動するオブジェクトのなかには、常に、部分領域に表示され、部分領域以外の領域に表示されることはないものがあってもよい。なお、背景領域における部分領域の位置は、オブジェクトの表示位置(移動の軌跡)を考慮して設定することができる。また、オブジェクトの表示位置は、部分領域の位置を考慮して設定することができる。
なお、図35〜図38では、「背景領域」は、画像表示装置5の全画面(表示画面の全部)に表示される背景の領域であると説明したが、「背景領域」は、画像表示装置5の全画面に表示されるものに限定されない。例えば、画像表示装置5の全画面の一部に表示されるものが「背景領域」であってもよい。例えば、画像表示装置5の一部の領域(例えば、上端部、下端部、左端部、右端部の何れか1つ又は2以上)は、何らかの遊技に関する情報(キャラクタやキャラクタのレベルなどに関する情報など)の表示領域として確保されている場合に、一部の領域以外の領域を「背景領域」と称してもよい。
39.矩形領域の画像を基にして部分領域以外の領域を透過領域とする部分背景画像
図39は、矩形領域の画像を基にして部分領域以外の領域が透過領域とされる部分背景画像の一例を示す図である。
図39において、部分領域は境界線DLで囲まれた部分であり、部分領域が矩形以外の形状である場合を例示している。
部分背景画像A3は、矩形領域として例示する部分背景画像A2に相当する画像を基にして、部分領域の形状以外の領域を透過領域としたものである。つまり、部分背景画像A3は、矩形の画像を部分領域の形状で切り取った様な画像である。部分背景画像A3は、図39で図示する左端と上端は、元の矩形の外形の辺の一部分を残している。一方、部分背景画像A3は、それ以外の部分については、境界線DLで図示する木の図形と渦巻き状の図形の外周部に合わせて切り取られている。
境界線DLを図形に合わせて設定することにより、部分背景画像A3を背景画像に重ねたときに部分背景画像A3と背景画像との境界を目立たなくすることができる。また、透過領域を元の矩形の一部に設定することにより、部分背景画像を重ねたときであっても背景画像の中で表示したい部分を設定することができる。例えば、背景画像の中で表示したい画像がある場合、表示したい画像の部分を透過領域に設定することにより、透過領域が重ねられた部分の背景画像の表示をすることができる。これにより、好適な画像表現を実現することが可能となる。
例えば、図35で説明したオブジェクトの表示位置(移動の軌跡)と部分背景画像とが接近して矩形の部分背景画像とオブジェクトの表示位置とが干渉してしまう場合であっても、オブジェクトの表示位置に合わせて透過領域を設定することにより、部分背景画像とオブジェクトとの干渉を防ぐことができる。
矩形の画像に設定する透過領域の位置、形状、サイズ、個数などは、図39で例示したものには限定されない。また、設定する透過領域の透過率も任意に設定してもよい。なお、透過率についての説明は次に説明する。
40.部分領域外に向けて透過率を徐々に高くした部分背景画像
次に、図40を用いて、部分背景画像に所定の透過率を有する透過領域を加えて部分領域に重ねて表示する場合を説明する。図40は、(a)部分背景画像と透過領域の配置の一例を示す図、(b)透過領域の透過率の位置的な推移の一例を示すグラフである。
図40(a)において、部分領域A1には、部分背景画像A4と透過領域Apが表示される。本実施形態では、部分領域の形状と部分背景画像の形状とが異なる場合を例示している。
透過領域Apは、部分背景画像A4を囲むように隣接して、部分背景画像A4の画像と連続した画像を表示する。透過領域Apの透過率は、部分背景画像A4に接する位置から部分領域A1の外側に向けて、画像の位置的な推移に応じて徐々に高くなる。従って、画像表示装置5に表示される透過領域Apと部分背景画像A4の境界は目立たない。
図40(b)は、部分領域A1のx−x’線における透過率の位置的な推移を示す。図40(a)のx−x´線において、部分領域A1の図示左端の位置を位置0とすると、位置0から距離lまでは透過領域Apであり、距離lから距離mまでは部分背景画像A4であり、さらに距離mから距離nまでは、再び透過領域Apである。
図40(b)のx軸は、部分領域A1の位置0からの距離である。ここで透過率が100%とは、画像が透明であることを意味する。従って、部分領域A1に透過率100%の画像を重ねた場合、部分領域A1における背景画像がそのまま表示される。一方、透過率が0%とは、画像が不透明であることを意味する。従って、部分領域A1に透過率0%の画像を重ねた場合、重ねた画像によって部分領域A1における背景画像は隠される。
図40(b)のx軸が0からlの間は、距離の推移に応じて透過率が100%から0%に徐々に下がる。また、x軸がmからnの間は、距離の推移に応じて透過率が0%から100%に徐々に上がる。本実施形態では、透過領域Apは部分背景画像A4を囲むように配置されているため、透過領域Apは、部分背景画像A4から部分領域外に向けて画像の透過率が徐々に高くなる。
x軸がlからmの間は、透過率は0%であり、部分背景画像A4を重ねた位置においては、背景画像は隠される。本実施形態では、透過領域Apの部分背景画像A4に接する位置における透過率を0%として、透過率が0%である部分背景画像A4と、透過率においても連続させている。従って、透過領域Apと部分背景画像A4の境界を目視することはできない。
本実施形態では、部分背景画像A4に透過率が推移する透過領域Apを隣接させている。このため、例えば、部分領域A1の外側から部分背景画像A4の範囲にオブジェクトが移動する場合、部分領域A1の透過率が徐々に下がるので、移動するオブジェクトはフェードアウトするように(じわっと)消滅する。一方、部分背景画像A4の範囲から部分領域A1の外側にオブジェクトが移動する場合、部分領域A1の透過率が徐々に上がるので、移動するオブジェクトはフェードインするように(じわっと)出現する。従って、部分背景画像の重ね合わせによりオブジェクトと干渉する場合であっても、オブジェクトの消滅及び出現において不自然さが緩和され、好適な画像表現を実現することが可能となる。
なお、本実施形態では透過領域Apの透過率の推移は位置の推移に対して直線的に増減する場合を説明した。しかし、透過率の推移は、位置の推移に対して曲線的に増減するようにしてもよい。また、透過領域の一部の領域についてのみ透過率を推移させるようにしてもよい。例えば、オブジェクトの表示位置が予めわかっている場合に、オブジェクトの表示位置について透過率が推移する透過領域を設けてもよい。
41.透過率が時間の経過とともに変更されて表示される部分背景画像
次に、図41を用いて、部分背景画像を画像表示装置5にフェードイン表示又はフェードアウト表示する場合を説明する。図41(a)〜(c)は、部分背景画像の透過率を時間の経過とともに変更して表示する一例を示す図であり、部分領域A1に部分背景画像A2をフェードイン表示する場合を例示している。
図41(a)において、部分領域A1には部分背景画像A2が透過率100%の状態で重ねて表示されている。透過率100%の状態とは、部分背景画像A2が透明な状態であり、背景画像がそのまま表示されている。なお、図41(a)で説明する部分領域A1は、図39(a)で説明した部分領域A1と同じである。
図41(b)は、図41(a)を表示した後、所定の時間が経過したときの表示である。図41(b)において、部分領域A1には部分背景画像A2が透過率50%の状態で重ねて表示されている。部分背景画像A2の透過率は、図41(a)の表示の後100%から時間の経過とともに下がり、50%となる。部分背景画像A2は、透過率の低下とともに部分領域A1に徐々に出現し、フェードイン表示がされることになる。
図41(c)は、図41(b)を表示した後、所定の時間が経過したときの表示である。図41(c)において、部分領域A1には部分背景画像A2が透過率0%の状態で重ねて表示されている。透過率0%の状態とは、部分背景画像A2が不透明な状態であり、背景画像の上に部分背景画像A2が表示され、背景画像は部分背景画像A2によって隠される。部分背景画像A2の透過率は、図41(b)の表示の後50%から時間の経過とともに下がり、0%となる。フェードインされた部分背景画像A2は透過率が0%になることにより背景画像に代わって表示されこととなる。換言すれば、部分背景画像A2がフェードイン表示されることにより背景画像はフェードアウト表示されることになる。
本実施形態では、部分背景画像A2の透過率を時間の経過とともに下げることにより、部分背景画像A2によって背景画像が隠される場合であっても背景画像の消滅において不自然さが緩和され、好適な画像表現を実現することが可能となる。例えば、部分領域A1の外側から内側にオブジェクトが移動する場合、重ねて表示される部分背景画像A2がフェードイン表示されるため、オブジェクトはフェードアウト表示され、オブジェクトの消滅によるオブジェクトの動きに不自然さがなくなり、好適な画像表現を実現することが可能となる。
なお、本実施形態では、部分背景画像をフェードイン表示する場合を例示したが、部分背景画像をフェードアウト表示してもよい。部分背景画像をフェードアウト表示した場合、背景画像はフェードイン表示されるため、背景画像の出現によるオブジェクトの動きに不自然さがなくなり、好適な画像表現を実現することが可能となる。
また、本実施形態ではフェードイン表示又はフェードアウト表示の対象を部分背景画像としたが、オブジェクトをフェードイン表示又はフェードアウト表示の対象としてもよい。
例えば、図35で説明した、オブジェクトの動画を繰り返し再生することにより、オブジェクトが移動を続ける背景画像を表示する場合、動画の冒頭でオブジェクトが唐突に出現したり、動画の最後でオブジェクトが唐突に消失したりすると、動画の最後と冒頭とのつなぎ目でオブジェクトが不自然な表示となる。オブジェクトをフェードイン表示又はフェードアウト表示することにより、オブジェクトの動画を繰り返し再生した場合であっても、オブジェクトを好適に表現することが可能となる。
42.部分背景画像の透過率の時間的推移
次に、図42を用いて、図40で説明した部分背景画像A4と透過領域Apの透過率が時間の経過とともに推移することについて説明する。図42は、部分背景画像A4と透過領域Apの透過率の時間推移を示す一例を示すグラフである。
図42において、部分背景画像A4は、時間0からt1にかけて透過率が100%から0%に時間の経過とともに低くなり、フェードイン表示される。部分背景画像A4は、時間t1からt2においては透過率0%を維持し、部分背景画像A4が不透明で表示される。さらに部分背景画像A4は、時間t2からt3にかけて透過率が0%から100%に時間の経過とともに高くなり、フェードアウト表示される。
一方、部分背景画像A4の周囲に隣接する透過領域Apは、時間0からt1にかけて透過率が100%から50%に時間の経過とともに低くなり、フェードイン表示される。透過領域Apは、時間t1からt2においては透過率50%を維持し、透過領域Apが重ねられた部分において、背景画像が透過率50%で透過されて表示される。さらに透過領域Apは、時間t2からt3にかけて透過率は50%から100%に時間の経過とともに高くなり、フェードアウト表示される。
本実施形態では、部分背景画像A4がフェードイン表示又はフェードアウト表示されるのみではなく、部分背景画像A4に隣接する透過領域Apもフェードイン表示又はフェードアウト表示される場合を説明した。部分背景画像A4と透過領域Apとがフェードイン表示又はフェードアウト表示されることにより、透過率は、透過領域Apにおいて位置的に推移するおとともに、部分背景画像A4及び透過領域Apにおいて時間的にも推移することになる。
例えば、部分背景画像A4又は透過領域Apを重ねる位置から動かない背景画像については、透過率の時間的な推移によってフェードイン表示又はフェードアウト表示の効果が得られる。また、部分領域A1の外側と中側とを移動するオブジェクトに対しては、透過率の時間的推移及び位置的推移によってフェードイン表示又はフェードアウト表示の効果が得られる。つまり、本実施形態では、様々な背景画像の動きや位置に対応して、背景画像の出願や消滅に不自然さがなくなり、好適な画像表現を実現することが可能となる。
なお、本実施形態では、フェードイン表示又はフェードアウト表示をさせる画像の透過率を、部分背景画像A4と透過領域Apの2種類に分けて変える場合を例示した。しかし、例えば、透過率を背景画像の位置に応じて3種類以上に分けて変えてもよい。
また、本実施形態は背景画像の位置による透過率を同じ経過時間内で増減させたが、例えば、背景画像の位置によって透過率を増減させるタイミングにタイムラグを与えて表示させてもよい。
なお、透過領域の設定方法(透過領域であることを示す情報の記憶方法)は特に限定しない。一例として、透過領域となる画素(ピクセル)単位に、透過率を設定してもよい。つまり、透過領域となる各画素について、画素値を示す情報(例えば、RGB等)の他に、透過率を示す情報が記憶されていればよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
上記実施形態においては、遊技機は、表示手段を備え、所定の遊技が可能な遊技機であって、背景領域と背景領域上を移動するオブジェクトからなる背景画像と、背景画像の背景領域のうちで部分領域として設定される領域に表示される部分背景画像とを記憶する記憶手段と、所定の表示条件が成立したときに、部分領域に部分背景画像を重ねて表示することにより、部分領域を特定の態様とする重畳表示手段と、を備え、背景画像において、部分背景画像を重ねて表示しているか否かにかかわらず、部分領域と部分領域以外の領域との領域間をオブジェクトが移動しないように表示する例を示したが、これは一例である。
例えば、本実施形態では背景領域の画像を木等の静止画で説明したが、背景領域の画像は、動画やアニメーションであってもよい。
また、背景画像に部分背景画像を重ねて表示する方法としては、例えば背景画像と部分画像の表示レイヤを別にして、部分画像のレイヤを手前にしてもよい。また、背景画像の部分領域の画像の代わりに部分背景画像を入れてもよい。
また、背景画像において、部分領域と部分領域以外の領域との領域間をオブジェクトが移動しないように表示する例を示したが、特定のオブジェクト以外のオブジェクトは、部分領域と部分領域以外の領域との領域間を移動するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、部分領域は、背景領域における複数個所に設定され、記憶手段は、複数箇所の部分領域に夫々対応する複数種類の部分背景画像を記憶し、複数個所の部分領域の夫々について、部分領域に対応する部分背景画像を重ねて表示する例を示したが、これは一例である。
例えば、記憶手段は、複数箇所の部分領域にランダムに対応する複数種類の部分背景画像を記憶して、複数個所の部分領域について、部分領域にランダムに対応する部分背景画像を重ねて表示してもよい。
また、上記実施形態においては、所定の表示条件は、遊技者にとって有利な特定価値が遊技者に付与されるときに成立する例を示したが、これは一例である。
例えば、遊技者にとって有利な特定価値が遊技者に付与されない場合(例えば、ステップS404によってハズレ判定がされた場合等)所定の表示条件を成立させてもよい。
また、上記実施形態においては、部分背景画像は、矩形領域の画像を基にして部分領域以外の領域が透過領域とされた画像である例を示したが、これは一例である。
例えば、部分領域に中でオブジェクトが移動する部分に透過領域を設定してもよい、オブジェクトが移動する部分を透過領域とすることにより、部分背景画像を重ねた場合でもオブジェクトを隠してしまうことを防止することができる。
また、上記実施形態においては、部分背景画像は、少なくとも一の境界において、部分領域外に向けて画像の透過率が徐々に高くなるように設定された透過領域に接する例を示したが、これは一例である。
例えば、部分背景画像の特定の領域に透過率が位置の推移で徐々に変化する(変更される)部分を設けてもよい。
また、上記実施形態においては、部分背景画像の透過率を時間の経過とともに変更して表示する例を示したが、これは一例である。
例えば、部分背景画像の一部のみの透過率を時間の経過とともに変更して表示してもよい。
また、上記実施形態においては、オブジェクトの透過率を時間の経過とともに変更して表示する例を示したが、これは一例である。
例えば、オブジェクト一部のみの透過率を時間の経過とともに変更して表示してもよい。
上記説明では、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている、と説明したが、上記データは、必ずしもテーブル形式(例えば、構造体、配列など)で記憶されている必要はない。例えば、図6(A)に示した決定割合になるように、夫々の特図表示結果(「大当り」「小当り」「ハズレ」)と、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)とをテーブル形式にてROM101に格納してもよいが、図6(A)に示すような決定割合で特図表示結果を決定するための情報(例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値を入力した場合に何れかの特図表示結果を出力する数式やプログラムなど)をROM101に格納してもよい。また、上記データは、ROM101に必ずしも纏まって格納されていなくてもよい。即ち、上述の構造体、配列、数式、プログラムなどは、ROM101の複数個所に分散(点在)して格納されていてもよい。また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている、と説明したが、ROM121の上記データについても、ROM101の上記データと同様である。
上記実施の形態においては、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、パチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、パチスロ遊技機等、他の遊技機にも適用することができる。
スロットマシンにおいては、遊技媒体としてメダル等を用いた所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能とする。なお、遊技媒体としては、メダルを用いるものに限定されず、メダルの枚数に対応する点数を使用して、所定の遊技を実行可能とするものであってもよい。
例えば、スロットマシンの筐体前面における所定位置に設けられた所定の投入口から投入したメダルの枚数や、データとして蓄積したクレジット等に応じては、賭け数を設定する。所定のスタートスイッチが、遊技者によるスタートレバーに対する押下等、所定操作を検知したことに基づいては、図柄表示装置の左、中、右の各リールが回転を開始し、図柄の可変表示を開始する。
スタートレバーの操作を検知して可変表示を開始するときには、乱数回路等によって更新する遊技用乱数の一部又は全部を抽出する。抽出する遊技用乱数には、所定の入賞役が発生することを許容するか否かを決定するために用いる内部抽選用の乱数値等を含む。
抽出した内部抽選用の乱数値や現在の遊技状態等に基づいては、所定の当選判定用テーブルを参照することによって、内部抽選を行う。内部抽選に当選した場合には、当選した役に対応した当選フラグを遊技制御用マイクロコンピュータにおけるRAMの所定領域に設定する。
役の種類には、大別して、メダルや得点の付与を伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能とする再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役を予め定めておく。
各役のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選したゲームにおいてのみ有効である。しかしながら、特別役の当選は、その内部抽選により発生を許容した役が揃うまで有効となる。即ち、特別役の入賞を一度許容すると、たとえ各ゲームにおいて特別役の入賞が成立しなかった場合でも、その当選は、次のゲームへ持ち越すことになる。但し、レギュラーボーナス等、所定の遊技状態中におけるボーナスゲームにおいては、特別役の当選を次のゲームへ持ち越さないようにしてもよい。
各リールの回転動作による図柄の可変表示を開始した後には、左、中、右の各ストップスイッチを、遊技者が押入する等、所定操作を検知したことに基づいて、対応するリールの回転を停止し、入賞ライン上に図柄を停止表示する。
スロットマシンの図柄表示装置においては、例えば、5本、4本等のように、複数の入賞ラインを予め定めておき、賭け数の設定等に応じて所定数の入賞ラインを有効化する。全てのリールの回転を停止することによっては、1ゲームが終了し、有効化したいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせ等により、入賞が発生し得る。
スロットマシンにおける遊技状態には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態等がある。レギュラーボーナスの遊技状態においては、JAC、チェリー、スイカ及びベル等の小役を、入賞となる役として定めておき、内部抽選においての抽選対象とする。
通常遊技状態においては、チェリー、スイカ及びベル等の小役、リプレイ等の再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等の特別役を、入賞となる役として定めておき、各ゲームにおける内部抽選においての抽選対象とする。
通常遊技状態においては、ビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームとして所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合に終了する。
通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいては、レギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、いずれかの役によって8ゲーム入賞した場合のいずれか早い方で終了する。
通常遊技状態時のレギュラーボーナスにおいては、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了するようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスと共に当該レギュラーボーナスも終了する。
なお、スロットマシンは、景品遊技媒体であるメダルを直接に付与するものであってもよいし、景品遊技媒体であるメダルの枚数に対応した得点等を付与するものであってもよい。
スロットマシンにおいては、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナス等の特別遊技状態に移行した場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
なお、特別遊技状態は、レギュラーボーナスやビッグボーナス等に限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。
通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、停止順や停止タイミング等、リールの導出条件を満たすことを条件に発生し、報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順を報知するアシストタイムや、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することによって、ストップスイッチを操作した際に表示した図柄が停止し易いように制御し、遊技者が目押しを行うことによって入賞図柄の組み合わせを導出することが可能となるチャレンジタイムや、リプレイ入賞やシングルボーナス入賞等、特定の入賞の発生を許容する確率が高まる遊技状態等があり、これらを組み合わせた遊技状態もある。
スロットマシンにおいて遊技媒体として用いるメダルや、その枚数に対応して付与する得点の記録情報は、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な価値を有するものであればよい。また、これらのメダルや得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、スロットマシンにおいて再度の遊技に使用可能な価値を有するものであってもよい。
また、スロットマシンにおいて付与可能となる遊技価値は、景品遊技媒体となるメダルの付与や得点の付与に限定されず、レギュラーボーナスやビッグボーナス等、他の特別遊技状態に制御すること、特別遊技状態において実行可能な可変表示の上限回数を多くすること等、遊技者にとって有利な遊技状態となることを含む。
例えば、スロットマシンの前面扉には、各種の演出画像を表示可能な画像表示装置を有する。また、スロットマシンの上部左右には、効果音を出力する2つのスピーカを有する。更に、スロットマシンの前面扉における所定位置には、遊技効果ランプを有する。
スロットマシンが備える画像表示装置、スピーカ、遊技効果ランプ等による演出動作には、モード演出、所定演出、示唆演出を含み、所定演出が実行される前にいずれのモード演出が実行されていたかにより、所定演出が実行されたときの特別遊技状態となる期待度が異なると共に、いずれのモード演出が実行されているかにより示唆演出の実行割合が異なるようにすればよい。
つまり、本実施形態における遊技機は、表示手段(画像表示装置等)を備え、所定の遊技が可能な遊技機(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシン等)であって、背景領域と該背景領域上を移動するオブジェクトからなる背景画像(例えば、画像表示装置等に表示される画像)と、前記背景画像の背景領域のうちで部分領域として設定される領域に表示される部分背景画像(例えば、画像表示装置等に表示される部分背景画像)とを記憶する記憶手段(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシンのROM等)と、所定の表示条件(例えば、レギュラーボーナスやビッグボーナスなどの当選や入賞等や、スタートレバーの押下や各ストップスイッチの押入などの遊技者による操作の検知等)が成立したときに、前記部分領域に前記部分背景画像を重ねて表示することにより、前記部分領域を特定の態様とする重畳表示手段と、を備え、前記背景画像において、前記部分背景画像を重ねて表示しているか否かにかかわらず、前記部分領域と前記部分領域以外の領域との領域間を前記オブジェクトが移動しないように表示する遊技機(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシン等)であってもよい。また、本実施形態においてパチンコ遊技機1について説明した変形例などは、上述のようなゲームを行うスロットマシン等にも適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間、及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドにおいては擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドにおいてはリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは、2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方においては、2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知するようにしてもよい。その場合、それぞれのタイミングにおいて実行される具体的な変動態様については、演出制御マイクロコンピュータの方において選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合には、同一のタイマ割込内において2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドによって示される変動態様は、この例に限定されるわけではない。また、送信する順序は、適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることによっては、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「実行割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートによって示した処理等を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1等に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
3 遊技機用枠
4A、4B 特別図柄表示装置
5 画像表示装置
5H 始動入賞記憶表示エリア
6A 普通入賞球装置
6B 普通可変入賞球装置
7 特別可変入賞球装置
8 スピーカ
9 遊技効果ランプ
11 主基板
12 演出制御基板
13 音声制御基板
14 ランプ制御基板
15 中継基板
20 普通図柄表示器
21 ゲートスイッチ
22A 第1始動口スイッチ
22B 第2始動口スイッチ
23 カウントスイッチ
31A スティックコントローラ
31B プッシュボタン
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 ROM
102、122 RAM
103 CPU
104、124 乱数回路
105、125 I/O
120 演出制御用CPU
123 表示制御部
126 CGROM

Claims (1)

  1. 表示手段を備え、所定の遊技が可能な遊技機であって、
    ベース背景と該ベース背景上を移動する移動オブジェクトからなる背景画像と、前記ベース背景のうちで部分領域として設定される領域に表示される部分背景画像とを記憶する記憶手段と、
    所定の表示条件が成立したときに、前記部分領域の前面に前記部分背景画像を重ねて表示する重畳表示手段と
    を備え、
    前記部分背景画像は、前記ベース背景における前記部分領域の周囲の領域と連なる部分背景と該部分背景上に表示される特定オブジェクトとからなる画像であり、
    前記背景画像において、前記部分背景画像を重ねて表示しているか否かにかかわらず、前記部分領域と前記部分領域以外の領域との領域間を前記移動オブジェクトが移動しないように表示する
    ことを特徴とする遊技機。
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