JP5632987B2 - コンクリート部材の結合方法、コンクリート部材の結合構造、及び結合コンクリート構造物 - Google Patents

コンクリート部材の結合方法、コンクリート部材の結合構造、及び結合コンクリート構造物 Download PDF

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この発明は、例えば建築や土木工事で使用される構造用コンクリートブロックのようなコンクリート部材を結合させる結合方法、コンクリート部材を結合させる結合構造、及びコンクリート部材を当該結合構造で結合させた結合コンクリート構造物に関する。
従来、PC部材(プレキャストコンクリート部材)を接続させる場合、一般的には、突き合わせ部に生じる目地部にコンクリート、モルタル又は合成樹脂系接着剤(主としてエポキシ樹脂)が施されており、引っ張り強度を向上させようとするときには必要に応じて更に緊張鋼材による締付けがなされている。こうした接続構造においては、目地材だけで接続したものは引っ張りに弱く、緊張鋼材を用いる接続の場合には、施工が煩雑で且つ大がかりな作業を要するという問題がある。
また、従来、鉄筋コンクリート構造用のPC部材には、製品自体に用心目的のための最小鉄筋量や組立鉄筋等のように、本来不要な部位にも引っ張り応力鉄筋が多用されており、不経済となっている。一方、軽量盛土工法や調整池に活用されているポカラ等に代表される圧縮用PC空洞ブロック材は、断面形状が華奢であるにも関わらず、引っ張り鋼材の使用量が少ない。したがって、脱型・架設・運搬の際、或いは設置後において、圧縮用PC空洞ブロック材に不測の引っ張り応力が作用する場合には、強度不足になるおそれがあるという不安要因を残している。また、PC空洞ブロック材同士を簡易的に連結する場合には、本体の構造性能を上回る連結方式が確立しているとは言えない。更に大型部材では、分割搬入後の一体化組立工法に多くの時間と多額な費用とを費やしている。
そこで、本発明者らは、PC部材の簡単でしかも確実な接続方法として、接続されるPC部材の端部にそれぞれ、端面に開口する短尺のシースを埋設するとともに、該シース内に開口する孔を穿設し、接続されるPC部材の端面を当接して対応するシースを連通させるとともに、この連通したシース内に接続鐵筋を入れ、この状態で前記孔を通して連通したシース内に二液反応型硬化樹脂を注入して硬化させて成る接続方法を提案している(特許文献1)。
また、本発明者らは、同様に別の接続方法として、接続される一方のPC部材では端部に、端面に開口する短尺のシースを埋設するとともに、該シースに開口する孔を穿設し、また、接続される他方のPC部材では端面から埋設鐵筋の端部を突出させ、これらPC部材の端面を当接して、一方のPC部材のシース内に対応する埋設鐵筋の突出端部を入れ、この状態で前記孔を通してシース内に二液反応型硬化樹脂を注入して硬化させる接続方法を提案している。
これらの接続方法によれば、樹脂液は接続鐵筋を包み込むようにしてシース内に充満した状態で硬化し、この硬化した樹脂液と、接続鐵筋又は埋設鐵筋の突出端部と、シースとを介してPC部材が強固に接続される。
また、本発明者らは、中空ブロックのコーナー部に欠き込みを設け、従来工法と同じく密着して配列した後、欠き込みに二液混合硬化剤を充填するか、十字連結ブロックを介して施工し、欠き込みに二液混合硬化剤を充填するコンクリート構造体の結合方法を提案している(特許文献2)。接続個所で隙間が狭い接合面の場合、応力伝達に適した場所で、かつ比較的肉厚部の安定的断面の個所の一部をPC製品の製造過程で欠き込みを形成し、部材同士を設置した後に、漏れ防止の養生手段を施したうえで、二液混合硬化剤を充填している。本工法は施工時点では液体の注入なので、狭い場所にも複雑な形状にも対応することができ、充填効率も高いので空隙存在の不安も解消できる。また、水平力を伝達するのに必要な圧縮強度等は使用材料や混合比によりコントロールできるので、目的に応じた選択が可能である。
しかしながら、コンクリート部材については、より複雑で且つより高い強度が求められつつあり、より大きな結合力で結合することについてニーズがある。また、中空ブロックを縦横に敷き詰めるあるいは積み重ねる場合、多数の中空ブロックを用意する必要があるが、中空ブロックの製造については、中子を用いた型枠にコンクリートを注入して製造するため、非常に製作上の手間とコストがかかっている。更に、製造された中空ブロックの保管には、実際に施工されるスペース以上の保管スペースを用意しておく必要があり流通・保管上、多大な経費がかかるのが常である。
特開2003−3572号公報(段落0006〜0014、図 1〜図2 ) 特開2001−182171号公報(段落0042〜0043、図3)
そこで、結合すべきコンクリート部材に埋設されたシース内に引張り強度を補強する連結部材を装填し、シース内に充填材を充填・固化して行うコンクリート部材の結合において、コンクリート部材におけるシースの埋設構造、及び固化された充填材と連結部材との係合状態に工夫を施して、一層高い結合状態を得る点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、結合すべきコンクリート部材に埋設されたシース内に連結部材を装填し、連結部材が装填されたシース内に充填材を充填・固化して行うコンクリート部材の結合において、コンクリート部材におけるシースの埋設構造、及び固化された充填材と連結部材との係合状態に工夫を施して、より高い結合状態を得ることができるコンクリート部材の結合方法、コンクリート部材の結合構造、及び結合コンクリート構造物を提供することである。
構造用PC空洞ブロックは、大型になると、運送やストックヤードの確保等が困難になるケースが多いので、当該ブロックを分割して対処できることが望ましい。しかしながら、分割されたブロックを現場施工で一体化する際には、簡便で且つ安全性に優れた工法であることが求められる。また、部材同士を連結することで相乗効果的に安定性が向上し、且つ必要不可欠な箇所だけで連結・補強が合理的に完結し、しかも経済的に優れた工法が求められている。
上記の課題を解決するため、この発明によるコンクリート部材の結合構造は、互いに結合されるコンクリート部材のそれぞれに、端部の開口部が開く状態に埋設されているシースと、前記両開口部同士が突き合わせ状態になるように前記両コンクリート部材を対向配置させることで連続状態になった前記両シース内に渡って装填される連結部材と、前記開口部を通して前記シース内に充填・固化される充填材と、を備えており、前記シースは、少なくとも外周面に長手方向に並ぶ複数の凹凸を有していて、前記凹凸間にコンクリートが流れ込むことで前記コンクリート部材に埋設されており、前記連結部材は、引っ張り強度に優れた複数本の撚られた連結用線材から構成され、前記各連結用線材間に外部から前記充填材が入り込むことができる空隙が存在し、前記充填材は二液性混合硬化剤であり、前記充填材が固化して前記シースと前記連結用線材とを一体化することにより前記両コンクリート部材が結合されることを特徴としている。
また、この発明によるコンクリート部材の結合方法によれば、互いに結合されるコンクリート部材のそれぞれに、端部の開口部が開く状態にシースを埋設し、前記両開口部同士が突き合わせ状態になるように前記両コンクリート部材を対向配置させて連続状態になった前記両シース内に渡って連結部材を装填し、前記開口部を通して前記シース内に充填材を充填・固化することから成っており、前記シースは、少なくとも外周面に長手方向に並ぶ複数の凹凸を有していて、前記凹凸間にコンクリートが流れ込むことで前記コンクリート部材に埋設されており、前記連結部材は、引っ張り強度に優れた複数本の撚られた連結用線材から構成され、前記各連結用線材間に外部から前記充填材が入り込むことができる空隙が存在し、前記充填材は二液性混合硬化剤であり、前記充填材が固化して前記シースと前記連結用線材とを一体化することにより前記両コンクリート部材が結合されることを特徴としている。
更に、この発明による結合コンクリート構造物は、複数のコンクリート部材を本発明による結合構造で順次互いに結合して構成することができる。この場合、複数のコンクリート部材を結合させることにより、平面状に敷きつめられた一層構造又は上下にも積層された積層構造に構成することができる。
この結合コンクリート構造物において、前記コンクリート部材は、一層構造の場合には、上下に延びる柱部と前記柱部の上下端部から二方〜四方の横方に延びる腕部とを有する単位コンクリート部材であり、前記結合構造は、横方に隣合う前記単位コンクリート部材の突き合わせられる前記両腕部間に適用することができる。また、この結合コンクリート構造物において、前記コンクリート部材は、積層構造の場合には、コア柱部と、前記コア部から上下及び前後左右に延びる腕部とを有する単位コンクリート部材であり、前記結合構造は、上下及び横方に隣合う前記単位コンクリート部材の突き合わせられる前記両腕部間に適用することができる
単位コンクリート部材を、本体部と腕部とから成るブロック体のような分割された物として製造し、且つ単位コンクリート部材同士を直接に、また突き合わせた腕部で結合していくことにより、立体枠状PC製品を、作業条件に応じて諸作業場や設置現場にて簡易に連続・連結する組立が可能である。
この発明によるコンクリート部材の結合方法、コンクリート部材の結合構造、及び結合コンクリート構造物は、上記のように構成されているので、コンクリート部材に埋設され且つ内部に連結部材が装填されているシース内に充填材を充填し、一体化された充填材と連結部材との間には高摩擦係数状態が維持される。したがって、コンクリート部材同士を強固に結合させることができ、構造物としての性能が向上するとともに、大型部材の分割・組立が可能となり、材料や製造費用が削減でき、運搬制限への対応やストック場の対応が可能となり、更には工事工程調整が楽になる等の効果を奏することができる。
この発明による結合コンクリート構造物の一実施形態を示す側面配置図である。 図1のA部を拡大して示すとともに、この発明によるコンクリート部材の結合構造の一実施形態を示す拡大断面図である。 図2のB部を拡大して示す、この発明によるコンクリート部材の結合構造の一実施形態の更なるを拡大断面図である。 図4は、この発明による結合コンクリート構造物の実施例を示す図である。 図5は、本発明による結合コンクリート構造物を形成する単位コンクリート部材の一例を示す斜視図である。 図6は、本発明による結合コンクリート構造物を形成する単位コンクリート部材の別の例を示す斜視図である。
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるコンクリート部材の結合方法、コンクリート部材の結合構造及び結合コンクリート構造物の実施形態を説明する。図1はこの発明による結合コンクリート構造物の一実施形態を示す側面配置図である。図1に示す結合コンクリート構造物1は、一般的には、それぞれ隣合うPC(コンクリートプレキャスト)ブロック体2,2同士を互いに結合し、かかる結合を順次繰り返すことで複数のブロック体2,2…が横方向に並べた状態で結合配置されている。
各PCブロック体2は、中心に配置されている縦方向に延びる柱部3と、柱部3の上下端部3a,3bにおいて隣接するPCブロック体2に向かって横方向に延びる腕部4,4…とが一体に形成されたコンクリート部材である。図1では腕部4,4は、左右横方向に延びるように描かれているが、結合配置された三次元的なコンクリート構造物としては、腕部4は前後に延びていてもよい(詳細は後述)。各PCブロック体2の柱部3はコンクリートのみからなり補強筋不要部5であり、側方に突き出る隣合う腕部4,4…同士が連結用線材による補強連結部6となっており、補強連結部6が本発明によって互いに結合された結合構造部となっている。結合された隣り合うPCブロック体2の間(柱部3の周囲)のスペースは、空所となっており、それぞれの用途で利用される。
図2は、図1のA部、即ち補強連結部6を拡大して示す断面図である。PCブロック体2,2の対向される腕部4,4には、予め、シース7,7が埋設されている。シース7,7は、少なくとも外周面、好ましくは内外筒面とも長手方向に並ぶ複数の凹凸を有している。シース7の凹凸は、シース7の周面において周方向に延びるリブ、即ち、環状又は螺旋状に延びるリブ8によって形成されている。こうしたリブ8の構造によって、シース7は、外観、薄肉節付きとされている。コンクリートを打設するときに、シース7の凹凸状のリブ8間にコンクリートが入り込む状態で固化する。これにより、シース7はPCブロック体2に埋設されて一体化された状態では、PCブロック体2と高摩擦係数状態に係合し、PCブロック体2,2と強固に連結された状態となる。
シース7,7の埋設位置は、互いに結合されるPCブロック体2,2のそれぞれに、端部の開口部が開く状態に埋設される位置とされている。PCブロック体2,2の腕部4,4を対向配置するときに、シース7,7の開口部9,9同士は突き合わせ状態になるように互いに整合し、シース7,7の内部が一連に繋がった穴10となる。連続状態に繋がった穴10内に、高引張り強度補強材として働く連結部材11が配置される。連結部材11とシース7,7の内面との間には、広い空隙は形成されていなくても良い。また仮に隙間が形成されるとしても厚みは薄くするほうが、充填材の使用量を少なくするとともにコンクリート躯体断面を可及的に広くすることができるので好ましい。連結部材11は、シース7,7の内面に一部接触しても、シース7,7及び連結部材11自体に連続的な凹凸空隙が存在するため、注入充填硬化剤は隅々迄いき亙り均質な断面形状が保持できる。
PCブロック体2,2の対向される腕部4,4の対向面間は接続部となっており、露出防止目的のパッキング13が設けられている。隙間12は、シース7,7の開口部9,9から一連に繋がった穴10に繋がっている。図示しないポンプによって注入兼吐出口16,16(ビニールの空気抜きパイプ等)より圧送又は負圧吸引されることによって、充填材が隙間12を経由して開口部9,9を通って筒状隙間の穴10内に注入され、固化される。充填材は二液性混合硬化剤であり、シース7,7内に注入された状態で硬化する。
図3は、図2に示したこの発明によるコンクリート部材の結合構造の一実施形態を、そのB部について更に拡大して示す拡大断面図である。連結部材11は、例えば、図3に示すように、引張り強度に優れた複数本の連結用線材14,14…から構成されている。連結用線材14は、引張り強度が非常に優れたPC鋼撚り線とされている。複数本のPC鋼撚り線を用いることにより、充填材との接触面積を広く確保して、固化した充填材との結合力を高めることができる。また、複数本の束の内部においては、捩じれているがそれぞれ繋がっており、各連結用線材14間に外部から充填材が入り込むことができる空隙15,15が存在するため、固化した充填材と連結用線材14との結合力を高めることができる。
図3に示した例では、連結部材11はPC鋼撚り線から構成されているとしたが、材質については、これに代えてカーボンファイバー等の繊維束材とすることもできる。カーボンファイバー等の繊維束材は軽量で、必要な引っ張り強度を得ることができる。PC鋼撚り線やカーボンファイバー等の繊維束材から成る連結部材11の表層面は、充填材の広い接触面積と、長手方向に凹凸を繰り返す粗面形状の作用で摩擦係数が大きいこととの相乗作用で、固化した充填材との結合力が高められる。また、シース7,7の筒状内面にも、周方向に延びる凹凸状のリブが形成されているので、固化した充填材とシース7,7との間にも高い結合力が確保できる。したがって、結合すべき両コンクリート部材は、シース7,7、充填材及び連結部材11を介して、互いに強固に結合される。充填硬化剤については、接合完了後の圧縮強度と引っ張り強度が母材コンクリートの構造強度以上となる材料も選択可能である。また、定着筋の付着強度性能は、通常配筋される鉄筋の破断強度以上であることが実物載試験の結果で証明されている。したがって、接合補強筋として、鉄筋の数倍の引っ張り強度性能材を活用し、且つ、撚り線形状で付着面積が増加する本工法では接続部での各種破壊性能強度を格段に向上させることができる。
また、複数本の連結用線材14については、撚り線材とする必要はなく、ストレートな線材としてもよい。この場合にも、撚り線材の場合と同様にして、各連結用線材14間に外部から充填材が入り込むそれぞれ繋がった十分な内部空間としての空隙が形成され、この空隙に浸入して固化し且つ周囲の充填材とも連続して固化した充填材と連結用線材14との結合力を従来では達成できなかったレベルにまで高めることができる。更にまた、連結用線材14は、必ずしも複数本である必要はなく、単数本であってもよい、この場合、連結用線材14の外面には凹凸(長手方向に凹凸を繰り返す複数のリブ)を形成して、固化した充填材との結合力を高めることが好ましい。外面への凹凸の形成は、ストレートな単数本の場合以外の連結用線材14にも適用可能である。
また、連続自立型の構造体を敷き並べる構造に対して、本発明のように、複数のコンクリート部材を結合させた連続型構造体の方が構造性能面で相乗効果が発揮される。構造的に弱点となりやすい場所の華奢な断面形状において分割・連結しても、接合状態では高強度鋼材等のような連結部材によって補強して接合できるので安全性の向上も図ることができる。また、断面形状が十分に大きく構造的に安定している場所で、ひび割れの恐れがない部位では、不要な引っ張り鋼材の削減を推進することができる。更に、空隙が僅かであっても、2液混合硬化剤は浸透注入効果に優れるので、PCコンクリート部材間も含めて完全充填が達成でき、止水・防錆対策面でも優れた効果を発揮できる。
図4は、この発明による結合コンクリート構造物の実施例を示す図であり、図5は、本発明による結合コンクリート構造物を形成する単位コンクリート部材の一例を示す斜視図である。図4に示す結合コンクリート構造物は、図1に示すように複数のコンクリート部材を本発明による結合構造で順次互いに結合して得られた結合コンクリート構造物1の平面図である。コンクリート部材は、図5に示す単位コンクリート部材21を平面状に敷きつめられた一層構造に構成されている。
単位コンクリート部材21は、上下に延びる柱部22と、柱部22から上下に延びる上端部23及び下端部24とから成っている。上端部23及び下端部24は、それぞれ四方の横方に延びる腕部25〜25を備えている。上端部23の上面と下端部24の下面とはそれぞれ平坦に形成されている。本発明による結合構造は、横方に隣合う単位コンクリート部材21の突き合わせられる両腕部25,25間に適用されている。結合コンクリート構造物1によれば、柱部22と上端部23及び下端部24との間は滑らかな曲面で繋がれており、結合した状態では周囲の単位コンクリート部材21との間に球状の空洞が形成される。空洞空間の利用については、液体の貯蔵等、各種の用途に供することができる。
図1及び図4の例では、複数の単位コンクリート部材21が四方周囲に隣り合う単位コンクリート部材21と結合されて平面状に敷きつめられた一層構造を構成している。単位コンクリート部材21を適宜に固定するなどして、上下にも積層された積層構造に構成することもできる。一層構造の周囲の辺部及び角部では、隣り合う単位コンクリート部材21の数が減少しているので、それに応じて、中心を通る平面で分割して、単位コンクリート部材21を半分構造或いは四分の一構造とすることで対応することができる。図4の実施例では、6×4の球状空洞を形成しており、コンクリート構造物1の全体が、その周囲においてコンクリートの四角枠構造26で囲まれている。球状空洞の周りの各柱は、従来では4つの単位コンクリート部材が集まって形成していたが、この実施例では、一つの単位コンクリート部材21が備える柱部22がその役割を担っている。
図6は、本発明による結合コンクリート構造物を形成する単位コンクリート部材の別の例を示す斜視図である。図6に示す単位コンクリート部材31は、コア柱部32と、コア柱部32から上下、前後又は左右に延びる腕部35とを有するコンクリート部材である。本発明による結合構造は、上下、前後又は左右に隣合う単位コンクリート部材31の突き合わせられる両腕部35,35間に適用される。この単位コンクリート部材31によれば、上下左右に数を制限されることなく結合可能であるので、一層構造でなく、多層構造に適している。単位コンクリート部材21の場合と同様、結合コンクリート構造物の上下左右縦横の端面に位置するコンクリート部材、辺となる部分に位置するコンクリート部材、及び角となる部分に位置するコンクリート部材は、隣り合う単位コンクリート部材21の数が減少しているので、それぞれの位置に応じて、中心を通る平面で分割して、二分の一、四分の一、又は八分の一の構造とすることができる。
1 結合コンクリート構造物 2 PCブロック体
3 柱部 3a,3b 上下端部
4 腕部
5 補強筋不要部 6 補強連結部
7 シース 8 リブ
9 開口部 10 穴
11 連結部材 12 間隙
13 パッキング 14 連結用線材
15 空隙 16 注入兼吐出口
21 単位コンクリート部材 22 柱部
23 上端部 24 下端部
25 腕部
31 単位コンクリート部材 32 コア柱部
35 腕部

Claims (12)

  1. 互いに結合されるコンクリート部材のそれぞれに、端部の開口部が開く状態に埋設されているシースと、
    前記両開口部同士が突き合わせ状態になるように前記両コンクリート部材を対向配置させることで連続状態になった前記両シース内に渡って装填される連結部材と、
    前記開口部を通して前記シース内に充填・固化される充填材と、を備えており、
    前記シースは、少なくとも外周面に長手方向に並ぶ複数の凹凸を有していて、前記凹凸間にコンクリートが流れ込むことで前記コンクリート部材に埋設されており、
    前記連結部材は、引っ張り強度に優れた複数本の撚られた連結用線材から構成され、前記各連結用線材間に外部から前記充填材が入り込むことができる空隙が存在し、
    前記充填材は二液性混合硬化剤であり、前記充填材が固化して前記シースと前記連結用線材とを結合することにより前記両コンクリート部材が結合されることを特徴とするコンクリート部材の結合構造。
  2. 前記シースの前記凹凸は前記外周面において周方向又は螺旋状に延びているリブによって形成されており、前記シースは、前記リブ間の隙間を埋める前記コンクリートによって埋設されることにより前記コンクリート部材と高摩擦係数状態に係合していることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート部材の結合構造。
  3. 前記連結用線材は、PC鋼線材又はカーボンファイバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート部材の結合構造。
  4. 前記充填材は、ポンプによって前記シース内に吸引注入又は圧入注入によって充填されることから成る請求項1〜のいずれか一項に記載のコンクリート部材の結合構造。
  5. 互いに結合されるコンクリート部材のそれぞれに、端部の開口部が開く状態にシースを埋設し、
    前記両開口部同士が突き合わせ状態になるように前記両コンクリート部材を対向配置させて連続状態になった前記両シース内に渡って連結部材を装填し、
    前記開口部を通して前記シース内に充填材を充填・固化することから成っており、
    前記シースは、少なくとも外周面に長手方向に並ぶ複数の凹凸を有していて、前記凹凸間にコンクリートが流れ込むことで前記コンクリート部材に埋設されており、
    前記連結部材は、引っ張り強度に優れた複数本の撚られた連結用線材から構成され、前記各連結用線材間に外部から前記充填材が入り込むことができる空隙が存在し、
    前記充填材は二液性混合硬化剤であり、前記充填材が固化して前記シースと前記連結用線材とを結合することにより前記両コンクリート部材が結合されることを特徴とするコンクリート部材の結合方法
  6. 前記シースの前記凹凸は前記外周面において周方向又は螺旋状に延びているリブによって形成されており、前記シースは、前記リブ間の隙間を埋める前記コンクリートによって埋設されることにより前記コンクリート部材と高摩擦係数状態に係合していることを特徴とする請求項に記載のコンクリート部材の結合方法
  7. 前記連結用線材は、PC鋼線材又はカーボンファイバーであることを特徴とする請求項5又は6に記載のコンクリート部材の結合方法。
  8. 前記充填材は、ポンプによって前記シース内に吸引注入又は圧入注入によって充填されることから成る請求項5〜7のいずれか一項に記載のコンクリート部材の結合方法。
  9. 複数のコンクリート部材を請求項1〜4のいずれか一項に記載の結合構造で順次互いに結合したことを特徴とする結合コンクリート構造物
  10. 複数のコンクリート部材を結合させることにより、平面状に敷きつめられた一層構造又は上下にも積層された積層構造に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の結合コンクリート構造物
  11. 前記コンクリート部材は、上下に延びる柱部と前記柱部の上下端部から二方〜四方の横方に延びる腕部とを有する単位コンクリート部材であり、前記結合構造は、横方に隣合う前記単位コンクリート部材の突き合わせられる前記両腕部間に適用されることを特徴とする請求項9又は10に記載の結合コンクリート構造物
  12. 前記コンクリート部材は、コア柱部と、前記コア柱部から上下、前後又は左右に延びる腕部とを有する単位コンクリート部材であり、前記結合構造は、上下、前後又は左右に隣合う前記単位コンクリート部材の突き合わせられる前記両腕部間に適用されることを特徴とする請求項9又は10に記載の結合コンクリート構造物
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