JP5632837B2 - 成形品を製造する方法および成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融樹脂により成形品を製造する方法、および成形装置に関するものである。
日本国特許公開公報2009−68656号には、回転伝達機構や装置に使用される合成樹脂歯車が開示されている。この合成樹脂歯車は、外周部に歯部が一体に形成された円環状のリム及びリムの内周面から半径方向内側に突設された円環状のウェブを有する外周部材と、歯車中心軸をなす軸部を有する内周部材からなる。この合成樹脂歯車においては、軸部はウェブの内周面の内側に配置され、軸部又はウェブの一方には、半径方向に延在する複数の溝が設けられ、軸部又はウェブの他方には、半径方向に延在し、溝に対し半径方向にスライド可能なように嵌合された複数の回転規制部が設けられている。また、軸部又はウェブの一方には、半径方向に延在し、回転規制部よりも薄肉かつ湾曲した形状に形成された弾発部が、その先端部が軸部又はウェブの他方に押し当てられるように設けられている。
合成樹脂製の歯車を、印刷、製本などを行うプリンター、コピー機、複合機の紙送り機構の回転伝達機構、その他の様々な回転伝達機構に使用することが検討されている。回転機構(輪列)に弾性変形可能な歯車を含めることにより、かみ合いの精度を改善できる。このため、コスト高の高精度歯車の使用数を抑制でき、低コストで回転伝達機構の精度を向上できる。回転伝達機構の精度を向上することにより幾つかのメリットが得られる。たとえば、プリンターなどにおいては、印刷ずれを抑制して印刷出力の品質を向上できる可能性がある。また、回転伝達機構のかみ合い音や振動の発生を抑制できる。また、回転機構に使用される歯車の耐久性も向上できる。
ゴムや、ゴムとエンジニアリングプラスチックの中間領域をカバーするような柔軟性に富んだ素材などのようなゴム状の弾性(ゴム弾性)を備えた材料はエラストマー(elastomer)と称されることがある。熱可塑性エラストマー(TPE、Thermoplastic Elastomer)は、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る性質をもつ。したがって、射出成形などの方法により成型加工を行うことができる。このため、熱可塑性エラストマーは、回転伝達機構の精度向上、騒音防止、耐久性向上に寄与する弾性変形可能な歯車を製造するための素材として有望視されている。
熱可塑性エラストマーのような柔軟性に富んだ素材を射出成形により成型する場合、射出圧力が高いと成形収縮率が小さくなり、ひけ、ボイドは改善される。しかしながら、成形収縮率が小さくなるので、離型しにくくなり、金型からの脱型性は低下する。また、エラストマーは変形しやすいので、金型に1〜2%程度の抜き勾配を設けることが推奨される。さらに、エラストマーは金型との粘着力も大きいため、突き出しのための面積を大きくすることが推奨される。柔らかいグレードの熱可塑性エラストマーほど、上記のような要因により脱型性が低下する。
柔らかいグレードの熱可塑性エラストマーは、成形後(成形品)の特性を考慮すると弾性変形可能な歯車を製造するのに適している。しかしながら、柔らかいグレードの熱可塑性エラストマーにより成形された製品の脱型性を確保しようとすると、高精度の歯車を成形することは非常に難しい。すなわち、歯車の精度を高めるためには、射出圧力を高くして成形収縮率を低くすることが望ましいが、脱型性は低下し、脱型性を確保するために抜き勾配を設けることは歯車の精度を低下させる要因となる。
さらに、溶融樹脂を成形型に高圧で注入した場合、柔らかいグレードの熱可塑性エラストマー樹脂により成形された製品(成形品)が成形型に密着し(貼り付いて)、押し出し(突き出し)ピンで押した程度では、成形品を成形型から良好に外すことができないことがある。したがって、溶融樹脂を成形型に高圧で注入しても、歯車などの成形品を成形型から良好に外すことができる製造方法および成形装置が求められている。
本発明の1つの態様は、第1の型と第2の型とを含む成形型により成形品を製造する方法である。第1の型および第2の型は、溶融樹脂を注入するキャビティの少なくとも一部を形成し、成形品を脱型する際に分離される。第2の型は、さらに、ベースとなる第3の型と、成形品の外周面を規定する第4の型とを含む。第4の型は、成形品を脱型する際、第3の型に対し移動可能である。成形品は歯車であり、第4の型は歯車の歯の部分を形成する部材である。
当該方法は、以下の工程を含む。
(a)キャビティ内に溶融樹脂を注入すること(溶融樹脂を注入する工程)。
(b)第1の型と第2の型とを分離した後、成形品とともに第4の型を第3の型から離すこと(第4の型を離す工程)。
(c)成形品を第4の型から取り出すこと(成形品を取り出す工程)。
この方法では、第2の型から成形品を取り出す(脱型する)際に、まず、ベースとなる第3の型から第4の型を成形品とともに離す。その後、成形品を第4の型から取り出す。すなわち、成形品は、いったん、成形品の外周面を規定する第4の型とともに第3の型から離型される。したがって、第3の型から成形品を離型させる際に、成形品の代わりに、あるいは成形品とともに第4の型に力を加えることができる。このため、成形品と第3の型との粘着性が強い場合であっても、より確実に成形品を第3の型から分離できる。その後、成形品を第4の型から取り出すことができる。
当該方法において、第4の型を第3の型から離すこと(第4の型を離す工程)は、以下の工程を含むことが望ましい。
(b1)第3の型と第4の型との間に流体を圧入すること。流体の典型的なものは空気であるが、不活性気体や、液体であってもよい。
この方法では、第2の型から成形品を取り出す際に、第3の型と、第4の型との間に流体を圧入しながら第4の型を成形品とともに第3の型から離す。その後、成形品を第4の型から取り出す。成形品は、成形品の外周面を規定する第4の型とともに、流体の圧力により第3の型から離型される。第3の型と第4の型との間に流体を圧入することにより、第3の型と第4の型との間に形成される微小な隙間であって、溶融樹脂が実質的に流入しないような隙間に、より確実に流体を入れ、第3の型と第4の型との分離を促進できる。このため、成形品が第3の型に密着あるいは貼りついた状態でも、第3の型と第4の型との間に作用する流体の圧力を、第4の型とともに成形品を、第3の型から分離する力に利用できる。
流体の圧力により、いったん第4の型が第3の型から離れはじめると、成形品も第4の型に密着した状態で第3の型から離れ易い。脱型性の低い(脱型しにくい)、柔らかいグレードの熱可塑性エラストマー(熱可塑性エラストマー樹脂)は冷却後も金型との密着性が高い。また、第4の型は、成形品の外周面を規定するものである。このため、第4の型が第3の型から離れると成形品と第3の型との接合部が現れ、第4の型に成形品が引っ張られるので、成形品と第3の型との間に隙間が形成されやすい。いったん成形品と第3の型との間に隙間が形成されると、そこに流体が流れ込む。このため、第3の型と成形品との間に作用する流体の圧力を、成形品を第3の型から分離するための力に利用できる。したがって、成形品が第3の型に密着していたとしても、成形品を第3の型から分離(離型)させやすい。
第3の型に第4の型を収納する凹部を設け、第4の型を、凹部に収納された状態から第3の型に対し予め規定された範囲だけ移動するように第3の型に取り付けられておくことが望ましい。
また、成形品を第4の型から取り出すこと(成形品を取り出す工程)は、以下の工程を含むことが好ましい。
(c1)第3の型の凹部と成形品との間に流体を圧入すること。
第3の型と第4の型との間に流体を圧入することにより第3の型から第4の型が分離した後、流体を圧入し続ける。第4の型は、第3の型に対し規定された範囲だけ移動する。したがって、第3の型の凹部と成形品との間の流体圧力が増大し、流体により成形品の第3の型に面した部分が強く押される。この流体による力(圧力)は、第4の型から成形品を離脱させる力、または離脱を補助する力となる。この流体による力は、突き出し(押し出し)ピンを用いて成形品を脱型(離型)させるときよりも、成形品の広い面積に作用する。このため、より強い力で確実に成形品を第4の型から離すことができる。また、柔軟な成形品であっても、脱型の際の変形も抑制でき、成形品を第4の型から良好に外すことができる。
なお、第4の型を第3の型から離す工程および/または成形品を第4の型から取り出す工程において、押し出し(突き出し)ピンなどを併用することも可能である。
この方法は、柔らかい熱可塑性樹脂であっても脱型性を向上できるので、射出圧力を高めることができる。このため、高弾性な樹脂により、いっそう精度の高い成形品を製造できる。したがって、この方法は、成形品として、より精度が高く、弾性変形しやすい歯車を製造するのに適している。そのような歯車を製造するのに適した典型的な溶融樹脂は、熱可塑性エラストマー樹脂(熱可塑性エラストマー樹脂の溶融物)である。
本発明の他の態様の1つは、上記の方法により得られる成形品である。当該成形品の1つの形態は、歯車の歯の部分を含み、少なくとも歯の部分は、熱可塑性エラストマー樹脂であり、歯の部分が第4の型により成形されているものである。
本発明の他の態様の1つは、キャビティ内に溶融樹脂を注入し、成形品を製造する成形装置である。この成形装置は、キャビティの少なくとも一部を形成し、成形品を脱型する際に分離される第1の型および第2の型を有する。第2の型は、ベースとなる第3の型と、成形品の外周面を規定する第4の型とを含む。第4の型は、第1の型と第2の型とが分離された後、成形品とともに第3の型に対し移動可能である。典型的には第4の型は、移動可能なように第3の型に取り付けられている。第4の型は、例えば、第1の型の方向に移動可能である。この成形装置は、成形品を第4の型とともに第3の型から離型できる。このため、柔軟で粘着力が強い素材を用いた成形品を離型しやすい。
この成形装置は、さらに、第3の型と第4の型との間に流体を圧入する流体経路を有することが好ましい。第3の型と第4の型との間に圧入した流体の圧力を利用して成形品とともに第4の型を第3の型から分離できる。さらに、流体の圧力を利用して第4の型から成形品を脱型できる。
流体経路は、第4の型と第3の型とが接触する部分に流体を供給する経路であることが好ましい。また、第4の型の外周方向から流体を供給するものであることが好ましい。さらに、第4の型が第3の型に接触する(当たる)部分、および第3の型が第4の型に接触する部分の少なくとも一方の部分の縁は面取りされた部分を含むことが好ましい。流体経路に面取りされた部分が含まれ、面取りされた部分を介して第3の型と第4の型とが接触した部分(面接触した部分)に流体が注入される。したがって、流体の圧力を利用して第3の型から、第4の型を成形品とともに、分離しやすい。
第4の型は、第3の型に対し予め規定された範囲だけ移動可能なように第3の型に取り付けられていることが好ましい。成形品を第4の型とともに第3の型から離型した後、さらに流体により圧力を加えると、第4の型が第3の型に取り付けられているので、成形品に加えられた圧力により第4の型から成形品を離型できる。したがって、この成形装置は、第3の型と第4の型とを含む第2の型から、複数の段階を経て成形品を脱型する装置を含む。
第4の型は第3の型の凹部に収納されていることが好ましい。第3の型から第4の型を成形品とともに離した後、第3の型の凹部と成形品との間に圧入される流体の圧力を利用して第4の型から成形品を取り外すことができる。
成形装置の一形態は、歯車の製造装置である。この成形装置を用いることにより、弾性変形する歯車であって、精度の高い歯車を製造できる。また、第4の型は、例えば、歯車の歯(外歯)の部分を形成するための部材、たとえばコマなどと称される環状の部材であってもよい。
本発明のさらに異なる態様の1つは、キャビティ内に注入される溶融樹脂により成形品を製造する成形型である。この成形型は、キャビティの少なくとも一部を形成し、成形品を脱型する際に分離される第1の型および第2の型を有し、第2の型は、ベースとなる第3の型と、成形品の外周面を規定する第4の型であって、第1の型と第2の型とが分離された後に第3の型に対し移動可能な第4の型と、第3の型と第4の型との間に流体を圧入する流体経路とを含む。
本発明の一実施形態にかかる成形装置を示す断面図。 図1の成形装置において、第1の型と第2の型とを分離した状態を示す断面図。 図1の成形装置の一部であって、成形品および第4の型を、第3の型から離した状態を示す断面図。 図1の成形装置の一部であって、成形品を第4の型から取り出した状態を示す断面図。 図5(a)は図2の一部(第4の型の第3の型への接続部)を拡大して示す断面図。図5(b)は図3の一部(第4の型の第3の型への接続部)を拡大して示す断面図。 本発明の一実施形態にかかる成形品の製造方法の一例を説明するためのフローチャート。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態にかかる成形装置を示す断面図である。それぞれの図は、成形品を製造する過程の典型的な状態を示す。これらの図には、成形装置の典型的な部分を説明するために、それらの部分を断面および端面などにより模式的に示している。図5においても同様である。
この成形装置1は、キャビティ25内に溶融樹脂31を注入し、成形品80を製造する装置(射出成形装置)である。成形装置1は、キャビティ25を形成する成形型10を含む。成形型10は、製造する成形品80の種類、サイズなどにより、適宜、変更可能である。本例の成形型10は、高精度の歯車を成形品(製品)80として製造できる。
成形型10は、キャビティ25を形成する第1の型11および第2の型12を有する。本例の成形型10は、第1の型11が上型、第2の型12が下型であり、実質的に上下2分割の金型である。以下、第1の型11を上型、第2の型12を下型と称する。上型11は、成形装置1の可動ベース(上部ベース)5とともに軸方向(上下方向)に移動可能な複数のプレートまたはパーツにより構成される。上型11は、溶融樹脂31を成形装置1のノズル2からキャビティ25に注入するための樹脂通路21を含む。下型12は、成形装置1の固定ベース(下部ベース)6に固定ボルト7などにより実質的に固定または動きが制限された状態で保持された複数のプレートまたはパーツにより構成される。成形装置1のベース5および6は相対的に上下方向に移動するものであればよく、上部ベース5が固定ベース、下部ベース6が可動ベースであってもよい。この場合、下型12が可動し、上型11が固定される。
上型11は、上下に伸びたシャフト91に沿って上下に可動する。上型11は、下方に動いて下型12に結合されるとキャビティ25を形成する。成形品を脱型する際は、上型11は、上方に動いて下型12から分離される。シャフト91は、上型11と下型12とが閉じられる(連結される)際に、それらの位置を合わせる機能を含む。さらに、シャフト91は、上型11および下型12が連結された状態では、歯車(成形品)80を成形する際の中子体を兼ねる。
本例では、成形品(歯車)80は、その中心にリング状の部材(リング、インサート)32が埋設された状態で成形される。この成形品80は中心のリング32とともにシャフト91に沿って脱型される。中心のリング32は成形品80から取り外されるようにしてもよく、成形品(製品)80である歯車の補強部材として使用されてもよい。また、成形品80の外側の下型12(実際には後述するギア駒14)との境界部分81は、歯車の歯の部分を示している。
下型12は、成形品(歯車)80の外周面を規定し、歯の部分81を形成する可動式の部材(ギア型、ギア駒、ギアピース、第4の型)14を含む。すなわち、下型12は、可動式のギア駒14に対してベースとなる第3の型13と、成形品80の外周面を規定する第4の型であるギア駒14とを含む。以下では第3の型13をベース型(ベースピース)、第4の型14をギア駒(ギアピース)と称する。
ベース型13は、中心のシャフト91に沿って凹んだ凹部13aを含む。ギア駒14は、成形品(歯車)80の外周面(歯の部分)81を規定するリング状の部材(型)であり、ベース型13の凹部13aに収納されている。また、ギア駒14は、成形品80を脱型するために上型11を取り外すと(分離すると)、その上面14dが露出し、上型11を下型12(ベース型13)から分離した後にベース型13に対し規定された範囲だけ移動可能なようにベース型13に取り付けられている。
より具体的には、ギア駒14はリング状で、内周面(内周側)14cが歯車80の歯81を規定する部分であり、ギア駒14の本体(周辺部分、外周部分)14eを貫通するように複数のスタッド93(図面では2本のスタッドを図示)がベース型13から立脚している。これらのスタッド93は下部がベース型13に固定され、上部にギア駒14の動きを規制するストッパ93aが設けられている。ギア駒14は、ベース型13の凹部13aの内部で、これらのスタッド93に沿って上下方向にスライド可能となっている。したがって、ギア駒14は、これらスタッド93を介して、ストッパ93aにより許容される範囲で移動(スライド)するようにベース型13に取り付けられている。
上型11の下部の下型12に対向(対面)する側には、複数のスタッド93のそれぞれ対応する位置であってギア駒14の本体14eに当たる位置に複数の凹部11aが設けられている。上型11と下型12とが接触している(連結している、閉じている、すなわち、成形型10が閉じている)ときは、スタッド93の下型12から突き出た部分、すなわち、ギア駒14から突き出た部分は、凹部11a内にそれぞれ収納される。したがって、これらのスタッド93は、上型11と下型12とが閉じることを妨げない。ギア駒14を下型12(ベース型13)に対して移動可能に取り付ける方法は本例に限定されない。たとえば、スタッド93がギア駒14に固定されており、スタッド93がベース型13に対してギア駒14とともに移動してもよい。
図1に示すように、この成形装置1においては、上型11が下型12と接触してキャビティ25が形成され、溶融樹脂31が注入される段階では、ギア駒14はベース型13の凹部13aに収まり、ギア駒14は移動しない。ギア駒14のベース型13に対する位置(下型12の中における位置)は、ギア駒14とスタッド93の接触および/またはギア駒14の外周面14fと凹部13aの内周面との接触により精度よく維持される。したがって、ベース型13およびギア駒14により精度の高い歯車80を成形するための金型(下型)12が構成される。
図2に示すように、上型11が下型12から外れ(成形型が開かれ)ると、ギア駒14の上面14dが現れる。その後、スタッド93をスライダとして、ギア駒14は、上型11の方向(上方)に移動可能となる。したがって、図3および図4に示すように、ギア駒14は、ベース型13に接触する第1の位置(図1および図2に示した位置)から、ストッパ(留め金具)93aに接触する第2の位置(図3および図4に示した位置)までスタッド93に沿って動かされる。
成形装置1は、下型12を貫通して成形品80の下面に当たる複数の押し出し(突き出し)ピン(図面では4本の押し出しピンを図示)95を含む。これらの押し出しピン95は、ベース型13からギア駒14を成形品80とともに分離する際、および/または、ギア駒14から成形品80を取り出す際に、以下に説明する流体70と協働するように用いられる。
可動式のギア駒14を備えた成形型10を用いる成形装置1においては、押し出しピン95を省略したり、ピン95の本数を削減することは有効である。歯車80の押し出しピン95が当たる位置は押し出しピン95の圧力に耐えられる構造や厚みを備えた形状が要求される。押し出しピン95を省略したり、本数を少なくすることにより、歯車80を設計する際に、押し出しピン95に対応した形状を採用する必要がなくなる。したがって、成形装置1により製造可能な歯車80の形状の選択範囲が広がる。
この成形装置1に用いられる成形型10は、さらに、下型12のベース型13の内部を通り、ベース型13とギア駒14との間に流体70を圧入(注入)してベース型13からギア駒14を分離するための流体経路22を有する。流体経路22を通じて圧入する流体70は、気体、特に、空気であることが好ましい。流体70は、窒素あるいはアルゴンなどの不活性気体であってもよい。流体70は液体であってもよい。
流体経路22は、ベース型13の内部を通り、ギア駒14の外周部14f、すなわち、ギア駒14とベース型13とが接触する部分まで延びている。より具体的には、流体経路22は、ベース型13の凹部13aの底まで延びており、凹部13aの底または底近傍に流体70の吐出口22aが設けられている。本例の流体経路22は、この吐出口22aから水平方向に下型12(ベース型13)を貫通し、下型12の外側に延びている。したがって、流体経路22を介して、下型12の外側から流体70を供給し、ギア駒14の下面14bとベース型13との境界部分に、ギア駒14の外周方向から流体70を注入できる。
なお、流体経路22は、ギア駒14とベース型13との接触部分に流体70を圧入できるように形成されればよく、本例に限定されない。ギア駒14の周方向から流体70を注入させる代わりに、ギア駒14の下側から流体70を注入してもよい。この場合、流体経路22の吐出口は、例えば、ベース型13の凹部13aの下面(底面)に設けることができる。
流体経路22の吐出口22aをギア駒14とベース型13との接続部分(接触部分)に設けることにより、吐出口22aを成形品80から離すことができる。このため、吐出口22aが樹脂により塞がれることを抑制できる。したがって、成形品80を脱型する際に、確実に流体70をギア駒14とベース型13との接触部分に流入でき、流体70により、ギア駒14を成形品80とともにベース型13から分離するための力が得られる。特に、吐出口22aをギア駒14の外周部14fまたはその近傍に設けることにより、吐出口22aと成形品80との間に十分な距離を確保できる。
図5(a)および図5(b)に拡大して示すように、ギア駒14がベース型13に当たる(接触する)下面14bの外縁14aは面取りされている。流体経路22は、ギア駒14の外周方向から流体70をギア駒14とベース型13とが面接触した部分、すなわち、ギア駒14の下面14bに注入するようにアレンジされている。ギア駒14の下面14bの外縁14aは凹部13aの中で流体経路22に面しており、外縁14aを面取りしておくことにより、ベース型13とギア駒14との間、すなわち、ベース型13とギア駒14とが接触した(面接触した)部分に流体70が流入しやすい。ギア駒14の下面14bの外縁14aの代わりに、あるいはそれとともに、下面14bと接触する凹部13aの底面の外縁を面取りしてもよい。
ギア駒14とベース型13(ベース型13の凹部13a)との接触面、すなわち、ギア駒14の下面14bと凹部13aの底面とは適度な面粗さに調整される。特に、密着性の高い樹脂を成型する場合、金型の面は適度な面粗さを持つように仕上げられる。したがって、ギア駒14とベース型13との接触部分には、流体70が流入する程度な微小な隙間が形成される。さらに、脱型するために上型11が下型12から分離された状態になると、型締め力は成形型10には作用しない。このため、脱型する際に、可動タイプのギア駒14には型締め力は作用せず、ギア駒14はベース型13に押し付けられていない状態となる。したがって、ギア駒14とベース型13との接触部分(合わせ面)に流体70が流入しやすい。
また、この可動タイプのギア駒14において、溶融樹脂31が流入し、流動性が低い状態になるまで(低温になるまで)は、ギア駒14とベース型13との接触部分(合わせ面)に型締め力が作用するのでギア駒14とベース型13との合わせ面に溶融樹脂31が流入することは実質的にはない。さらに、合わせ面となるギア駒14の底面14bの面積は十分に大きく、ギア駒14とベース型13との接触部分(合わせ面)の外周部に至るまで樹脂31が流れ込むことは阻止される。したがって、ギア駒14の周囲から空気などの流動性の非常に高い流体70を供給することにより、ギア駒14とベース型13との接触部分に流体70を流入させることができ、その圧力によりギア駒14とベース型13とを分離できる。
ギア駒14の外周面14fと下面14bのコーナー部である外縁14aが面取りされていると、流体経路22の内部の流体70の圧力が上昇したときに、まず、面取りされた外縁14aにギア駒14を押し上げる力が働く。このため、流体70の圧力によりギア駒14の下面14bの外周部分をベース型13から離すことができる。次に、ベース型13から離れた下面14bの外周部分に流体70が流入し、その圧力でギア駒14とベース型13との隙間が広がる。このように、ギア駒14とベース型13との接触部分に流体70を容易に流入させることができる。したがって、短時間に、また、確実に、成形品80をギア駒14とともにベース型13から分離できる。
図6は、成形品80を製造する方法の一例を説明するフローチャートである。なお、以下では成形装置1を用いて製造方法100を説明しているが、本発明に含まれる製造方法は、必ずしも成形装置1を用いて行うものでなくてもよい。
この製造方法100においては、まず、ステップ101において、ノズル2から樹脂通路21を介してキャビティ25内に、加熱された溶融状態の樹脂(溶融樹脂)を注入する(図1参照)。溶融樹脂が冷却され、固化(硬化)された後、または低温(常温、成形品80の使用温度)状態に戻った後、ステップ102において、上型(第1の型)11および下型(第2の型)12を相対的に動かして上型11と下型12とを分離し、上型11を成形品80から取り外す(図2参照)。成形装置1では、上型11を上方に移動し、下型12から取り外す。この段階では、可動ベース5および固定ベース6により、上型11および下型12を分離するために十分な力を得ることができる。したがって、粘着性の高い樹脂31を用いた成形品80であっても上型11を成形品80から離型できる。
次に、ステップ103において、ベース型(第3の型)13とギア駒(第4の型)14との間に流体(空気)70を圧入し、成形品80とともにギア駒14をベース型13から離す(図3参照)。本例の成形型10においては、ギア駒14の底面14bの外周部分のコーナー部(外縁)14aが面取りされている。空気経路22の圧力を上昇させ、空気経路22を介して圧縮空気70を注入すると、面取りされた外縁14aに圧縮空気70が先ず作用し、ギア駒14を上昇させる力を発揮する。したがって、ベース型13とギア駒14との間に流体70が良好に入り込む(図5(a)および図5(b)参照)。
一旦、ベース型13とギア駒14との間に流体70が入り込むと、ベース型13とギア駒14との間に加速度的に流体70が流入し、ギア駒14の下面14bに、ギア駒14をベース型13から離す方向(上方)に力が作用する。ギア駒14は、成形品80である歯車80の外周面(歯の部分)81を規定する型であり、成形品80の外周に沿って十分な大きさのリング状の部材にすることができる。したがって、流体70が作用する下面14bの面積を十分に確保でき、流体70により成形品80をギア駒14とともに、ベース型13から離型するための力を得ることができる。
成形品80はギア駒14と密着している。このため、流体70の圧力によりギア駒14がベース型13から離れて上方へ移動すると、ギア駒14とともに成形品80も上方へ移動する。特に、成形品80が歯車である場合、成形品80の外周の歯の部分81と、ギア駒14の内周の歯を成形する部分14cとの接触面積は広く、成形品80はギア駒14に密着し、成形品80はギア駒14とともに移動しやすい。さらに、樹脂31がエラストマーなどの柔軟で密着性の高い樹脂であると、成形品80はさらにギア駒14に密着し、ともにベース型13から離型されやすい。
ギア駒14に引っ張られて成形品80がベース型13から離れ始めると成形品80とベース型13との間に隙間が生じる。その隙間に流体70が流入することにより、流体70により成形品80自体にベース型13から離れる力が作用する。したがって、この成形型(金型)10は、圧縮空気などの流体70により、成形品80をギア駒14とともにベース型13から離型するための十分な力を得やすい。
ギア駒14および成形品80に作用する流体70の力により、成形品80はギア駒14とともにベース型13から離れると、成形品80およびギア駒14は、凹部13aの内部でギア駒14がスタッド93のストッパ93aに接触するまで上方に移動する。この際、流体経路22の流体70の圧力を上昇させて流体70を流入するとともに、押し出しピン95により成形品80を上方に押してもよい。押し出しピン95により成形品80をベース型13から離型するための力を増強できる。
ステップ104において、さらに成形品80を押すことにより、ギア駒14から取り出す(図4参照)。この成形型10においては、ギア駒14は、スタッド93およびストッパ93aによりベース型13に対して移動できる範囲が制限されている。したがって、流体経路22を介して流体70をベース型13の凹部13aに圧入して成形品80を流体70によりさらに上方へ押すことにより、ギア駒14から成形品80を上方へ押しだすことができる。成形品80に流体(圧縮空気)70を良好に作用させるためには、ギア駒14がストッパ93aにより停止した状態で、ギア駒14の外周面14fが凹部13aの周面に接触していることが好ましい。この際、押し出しピン95により、成形品80を上方に押すことにより、成形品80をギア駒14から取り出すための力を増強してもよい。
成形品80が歯車である場合、特に、平たい歯車(平歯)である場合、歯を含む外周部分81の面積に対しては、本体部分82の下面の面積は十分に大きい。したがって、本体部分82の下面に作用する流体70により、外周部分81をギア駒14の内周部分14cから離型するための力を得やすい。さらに、この成形型10においては、成形品80が、本体部分82がスポーク状になった歯車である場合よりも、本体部分82が板状の歯車の方が離型するための力が得やすい。樹脂31がエラストマーの場合、歯車としての強度を確保するためには本体部分82が板状で、均一な厚みであることが望ましい。したがって、この成形型10は、そのような歯車を成形品80として製造するのに適している。
このように、この成形型10および成形装置1を用いた製造方法100においては、下型12から成形品80をワンステップで脱型するのではなく、まず、成形品80をギア駒14とともにベース型13から離型し、その後、成形品80をギア駒14から離型することにより、成形品80の脱型が完了する。ギア駒14は、多段の歯車を形成するために多段階に分かれていてもよく、この場合は、さらに多段階の離型するステップを用いることにより成形品80を脱型できる。また、成形品80は、平歯に限らず、べベルギアなどの種々の歯車であってもよく、また、歯車以外で外周面を所定の形状に成形される部品あるいは製品であってもよい。
熱可塑性エラストマー樹脂(TPE)は、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る性質を持つエラストマーである。したがって、キャビティ25の内部で冷却されると、熱可塑性エラストマー樹脂はゴム状弾性体に戻り、成形品80になった状態でも粘着性が強い。この成形装置1および製造方法100は、粘性が強く、密着性の高い成形品80であっても良好に成形装置1から脱型できる。
(実施例)
上記の成形装置1および成形品80の製造方法100は、弾性変形可能な樹脂性の歯車、特に、柔らかいグレードの樹脂により歯車を成形するのに適している。本例では、溶融樹脂31として、熱可塑性エラストマー樹脂(TPE)の溶融物を用い、かつ、溶融樹脂31を成形型10に高圧で注入して、精度の高い歯車を製造した。熱可塑性エラストマー樹脂には、ポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂であるハイトレル(登録商標)4047(東レ・デュポン社製)を使用した。東レ・デュポン社製のハイトレル(登録商標)は、熱可塑性エラストマー樹脂の中でも低温から高温まで広い使用温度範囲で高強度およびゴム弾性を示すエンジニアリングエラストマーの一例である。特に、ポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂であるハイトレル(登録商標)4047は、最も柔軟性に富む(たとえば、曲げ弾性が100MPa以下)素材であり、成型可能なエラストマー素材として注目されている。反面、成形品80の脱型が比較的困難であることは、例えば、日本国特許公開公報2008−31408号などに記載されている。
従来の金型、すなわち、可動タイプのギア駒を有しない金型では、溶融樹脂がハイトレル(登録商標)4047であると、射出圧力が70MPa以上になると離型(脱型)性が不足し、金型から脱型することが難しかった。本例の成形装置1および金型(成形型)10を用い、図6に示した製造方法を実施すると、ハイトレル(登録商標)4047であっても、射出圧力が130MPaで離型(脱型)させることができ、成形時の収縮率を小さくできた。したがって、柔軟性が高い樹脂により高精度の歯車を製造できた。
以上のように、成形装置1および製造方法100によれば、エラストマー樹脂を高圧で注入しても成形品80を良好に脱型することができる。したがって、高精度・高剛性の歯車80を得ることができる。また、成形装置1および製造方法100によれば、成形品80を良好に脱型することができる。このため、成形品80に抜き勾配や凹凸(リブ)などを設けてもよいが、成形品80に抜き勾配や凹凸(リブ)などを設けなくてもよい。したがって、成形装置1および製造方法100によれば、歯車のように抜き勾配を設けることが難しい、あるいは、抜き勾配や凹凸(リブ)を設けることにより剛性が低下する成形品80であっても、剛性を低下させることなく、良好に形成することができる。
また、成形装置1においては、キャビティ25の周囲にギア駒14が設けられている。このため、流体70の吐出口22aはキャビティ25には直接露出していない。したがって、高圧で溶融樹脂を注入したとしても、吐出口22aが樹脂で閉塞されることはない。このため、製造時にキャビティ25へ高圧で溶融樹脂を注入でき、脱型時にはベース型13とギア駒14との間に確実に流体70を注入(流入、圧入)でき、成形品80とともにギア駒14をベース型13から離し、さらに成形品80を良好な状態で脱型できる。
なお、上記の成形装置1および製造方法100は、本発明の一例であり、これらに限定されない。本例の成形装置1においては、第1の型11と第2の型12とによりキャビティ25を形成しているが、第1の型11と第2の型12とは、キャビティ25の少なくとも一部を形成するものであればよい。すなわち、キャビティ25を形成する成形型10は、第1の型11および第2の型12以外の型あるいはパーツを含むものであってもよい。また、上記の成形装置1においては、上型(第1の型)11と下型(第2の型)12とに分割された成形型10を有するものであるが、成形型10は、上下2分割のものに限定されるものではない。
空気などの流体70によりギア駒14を押し上げる方法は、成形品80より一回り大きくなるギア駒14のサイズ的なメリットを活かし、簡単に離型するための力を得ることができるので好ましい。空気などの流体70によりギア駒14を押し上げる代わりに、ギア駒14を押し出し(突き出し)ピンなどの機械的な方法により押し上げて、ギア駒14と成形品80とを一体でベース型13から離型してもよい。
また、本発明の成形装置および製造方法で製造される成形品は、歯車に限定されるものではなく、外周囲が第4の型で規定できるような構造を有するものは、本発明の成形装置および製造方法において好適に製造できる。

Claims (13)

  1. 第1の型と第2の型とを含む成形型により成形品を製造する方法であって、
    前記第1の型および前記第2の型は、溶融樹脂を注入するキャビティの少なくとも一部を形成し、前記成形品を脱型する際に分離され、さらに、前記第2の型は、ベースとなる第3の型と、前記成形品の外周面を規定する第4の型であって、前記成形品を脱型する際に前記第3の型に対し移動可能な第4の型とを含み、前記第4の型は前記第3の型の凹部に収納され、前記凹部の内部で前記第3の型に対し予め規定された範囲だけ移動するように前記第3の型に取り付けられ、前記成形品は歯車であり、前記第4の型は前記歯車の歯の部分を形成する部材であり、
    当該方法は、
    前記キャビティ内に溶融樹脂を注入することと、
    前記第1の型と前記第2の型とを分離した後、前記成形品とともに前記第4の型を前記凹部の内部で移動して前記第3の型から離すことと、
    前記第3の型の前記凹部の内部で移動した状態の前記第4の型から前記成形品を取り出すこととを有する方法。
  2. 請求項1において、
    前記第4の型を前記第3の型から離すことは、前記第3の型と前記第4の型との間に流体を圧入することを含む、方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第4の型から前記成形品を取り出すことは、前記第4の型とともに移動した前記成形品と前記第3の型の前記凹部との間に形成された隙間に流体を圧入することを含む、方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記第4の型を前記第3の型から離すことは、前記第4の型を前記第1の型の方向に移動することを含む、方法。
  5. 請求項1において、
    前記溶融樹脂は、熱可塑性エラストマー樹脂の溶融物である、方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法により得られる成形品。
  7. 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法により得られる成形品であって、少なくとも前記歯の部分は、熱可塑性エラストマー樹脂である、成形品。
  8. キャビティ内に溶融樹脂を注入し、成形品を製造する成形装置であって、
    前記キャビティの少なくとも一部を形成し、前記成形品を脱型する際に分離される第1の型および第2の型を有し、
    前記第2の型は、
    ベースとなる第3の型と、
    前記成形品の外周面を規定する第4の型であって、前記第1の型と前記第2の型とが分離された後、前記第3の型に対し前記成形品とともに移動可能な第4の型とを含み、前記第4の型は前記第3の型の凹部に収納され、前記第4の型は、前記凹部の内部で前記第3の型に対し規定された範囲だけ移動するように前記第3の型に取り付けられており、前記成形品は歯車で、前記第4の型は前記歯車の歯の部分を形成する部材である、成形装置。
  9. 請求項において、
    さらに、前記第3の型と前記第4の型との間に流体を圧入する流体経路を有する、成形装置。
  10. 請求項8において、
    前記第4の型は前記第1の型の方向に移動する、成形装置。
  11. キャビティ内に溶融樹脂を注入し、成形品を製造する成形装置であって、
    前記キャビティの少なくとも一部を形成し、前記成形品を脱型する際に分離される第1の型および第2の型を有し、
    前記第2の型は、
    ベースとなる第3の型と、
    前記成形品の外周面を規定する第4の型であって、前記第1の型と前記第2の型とが分離された後、前記第3の型に対し前記成形品とともに移動可能な第4の型と、
    前記第3の型と前記第4の型との間に流体を圧入する流体経路とを含み、
    前記流体経路は、前記第4の型と前記第3の型とが接触する部分に流体を供給する経路であり、
    前記第4の型が前記第3の型に接触する部分、および前記第3の型が前記第4の型に接触する部分の少なくとも一方の部分の縁は、面取りされた部分を含む、成形装置。
  12. キャビティ内に注入される溶融樹脂により成形品を製造する成形型であって、
    前記キャビティの少なくとも一部を形成し、前記成形品を脱型する際に分離される第1の型および第2の型を有し、
    前記第2の型は、
    ベースとなる第3の型と、
    前記成形品の外周面を規定する第4の型であって、前記第1の型と前記第2の型とが分離された後、前記第3の型に対し前記成形品とともに移動可能な第4の型とを含み、前記第4の型は前記第3の型の凹部に収納され、前記第4の型は、前記凹部の内部で前記第3の型に対し規定された範囲だけ移動するように前記第3の型に取り付けられており、前記成形品は歯車で、前記第4の型は前記歯車の歯の部分を形成する部材である、成形型。
  13. 請求項1において、
    前記第3の型と前記第4の型との間に流体を圧入する流体経路をさらに有する成形型。
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