JP5632433B2 - シミュレーション装置、シミュレーション方法およびプログラム - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法およびプログラム Download PDF

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本発明は、粉体を金型に詰めて圧縮成型する加工法を数値シミュレーションする技術に関し、特に、DEM法とSPH法を弱連成させ、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型過程において粉体が潰され、大きく塑性変形する現象をシミュレーションするシミュレーション装置、シミュレーション方法およびプログラムに関する。
近年、電気機器、電子機器の小型化が一層進み、これらに用いられる部品に対しても小型化の要求は留まるところがないのが実情である。このような背景において、電気機器、電子機器に用いられる重要な部品であるインダクタについても、小型化、高効率化の要求が、ますます高まっている。
また、インダクタの構造には種々のものがあり、高効率化を目的としてコイルの周囲に閉磁路を構成する磁芯を配置した構造のものが多用されている。このようなインダクタに用いられる磁芯には、一般的にフェライトの焼結体からなるフェライト磁芯、アモルファス合金薄帯や高珪素鋼などの板材を積層した積層磁芯、アモルファス鉄粉、Fe−Si粉末、Fe−Cr−Si粉末、Fe−Si−Al粉末などの磁性金属の粉末を、結合材を用いて圧縮成型した圧粉磁芯が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、上記の圧縮成型は、成型の過程で、成型体の破壊を生じる可能性があるため、成型体の内部密度分布、残留応力分布、残留ひずみ分布によって、成型体の破壊の生じる確率、破壊の生じる場所を知る上で重要な情報でありこれを求める解析技術が求められている。
特開2006−294733号公報
また、解析技術として有限要素法、DEM法を用いた手法があるが、これらの手法では必要な情報が得られないという問題がある。例えば、有限要素法は、粉体の挙動が正確に表現できないため、求められた結果は実際と合わない場合が多く、DEM法では、残留応力分布、残留密度分布が求めることができない。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、粒径分布を持つ鉄粉や鉄合金粉などの圧縮成型時に大変形を生じる粉体成型の機構を解明し、その密度分布、残留応力分布、残留ひずみ分布を精度良く求めることができるシミュレーション装置、シミュレーション方法およびプログラムを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
(1)本発明は、粉体の圧縮成型をシミュレーションするシミュレーション装置であって、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型を実行する圧縮成型手段(例えば、図1の圧縮成型部100に相当)と、DEM法に基づいて解析処理を実行する第1の解析処理手段(例えば、図1の第1の解析処理部200に相当)と、SPH法に基づいて解析処理を実行する第2の解析処理手段(例えば、図1の第2の解析処理部300に相当)と、前記第1の解析処理手段と前記第2の解析処理手段とを弱連成させるように、処理を制御する制御手段(例えば、図1の制御部600に相当)と、を備えたことを特徴とするシミュレーション装置を提案している。
この発明によれば、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型をDEM法とSPH法とを弱連成、すなわち、別々の支配方程式で表される複数の現象を、互いに関係する情報を交換しながら、交互あるいは別々に並行して解いていくことにより、精度の良い残留応力、残留ひずみ分布を求めることができる。
(2)本発明は、(1)のシミュレーション装置について、前記DEM法において、粉体をバネ―ダッシュポットモデルで表現し、前記SPH法において、粉体を複数の粒子を弾塑性のばね力で結合した粉体モデルで表現したことを特徴とするシミュレーション装置を提案している。
この発明によれば、DEM法において、粉体をバネ―ダッシュポットモデルで表現し、SPH法において、粉体を複数の粒子を弾塑性のばね力で結合した粉体モデルで表現することにより、多粒子から構成される粉体モデルにおいて、圧縮成型のシミュレーションを実行することができる。
(3)本発明は、(1)または(2)のシミュレーション装置について、前記制御手段は、初期の粒子同士が完全接触をしたときに、非連続体から連続体への境界条件が成立したと判定することを特徴とするシミュレーション装置を提案している。
この発明によれば、初期の粒子同士が完全接触をしたときに、非連続体から連続体への境界条件が成立したと判定することから非連続体については、DEM法による解析を行い、連続体については、SPH法による解析を行うことによって、全体の圧縮成型のシミュレーションを実行することができる。
(4)本発明は、(1)から(3)のシミュレーション装置について、前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行する補間手段(例えば、図1の補間部400に相当)を備えたことを特徴とするシミュレーション装置を提案している。
この発明によれば、DEM法とSPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行することにより、大きな圧縮をうけて密度が変化し連続体に近い状態となった部分と、まだ圧縮が加わらない粉体部分での粒子の分布に差に起因する境界での物理量の補間誤差を補正することができる。
(5)本発明は、(1)から(4)のシミュレーション装置について、前記粉体の圧縮成型のシミュレーションを磁芯一体型構造のインダクタに適用することを特徴とするシミュレーション装置を提案している。
この発明によれば、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型をDEM法とSPH法とを弱連成、すなわち、別々の支配方程式で表される複数の現象を、互いに関係する情報を交換しながら、交互あるいは別々に並行して解いていくことにより、精度の良い残留応力、残留ひずみ分布を求めることができるため、特に、磁芯一体型構造のインダクタの圧縮成型のシミュレーションに用いることが好ましい。
(6)本発明は、粉体の圧縮成型をシミュレーションするシミュレーション装置におけるシミュレーション方法であって、DEM法およびSPH法における粉体のモデルを定義する第1のステップ(例えば、図10のステップS100に相当)と、複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行うとともに、その過程において、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度を演算する第2のステップ(例えば、図10のステップS200に相当)と、初期の粒子同士が完全接触をしたときに、前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行して補間する第3のステップ(例えば、図10のステップS300に相当)と、複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行い、予め定めた粉体密度に達するまで、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度の演算を実行する第4のステップ(例えば、図10のステップS400に相当)と、を備えたことを特徴とするシミュレーション方法を提案している。
この発明によれば、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型をDEM法とSPH法とを弱連成、すなわち、別々の支配方程式で表される複数の現象を、互いに関係する情報を交換しながら、交互あるいは別々に並行して解いていくことにより、精度の良い残留応力、残留ひずみ分布を求めることができる。
(7)本発明は、粉体の圧縮成型をシミュレーションするシミュレーション装置におけるシミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、DEM法およびSPH法における粉体のモデルを定義する第1のステップ(例えば、図10のステップS100に相当)と、複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行うとともに、その過程において、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度を演算する第2のステップ(例えば、図10のステップS200に相当)と、初期の粒子同士が完全接触をしたときに、前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行して補間する第3のステップ(例えば、図10のステップS300に相当)と、複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行い、予め定めた粉体密度に達するまで、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度の演算を実行する第4のステップ(例えば、図10のステップS400に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
この発明によれば、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型をDEM法とSPH法とを弱連成、すなわち、別々の支配方程式で表される複数の現象を、互いに関係する情報を交換しながら、交互あるいは別々に並行して解いていくことにより、精度の良い残留応力、残留ひずみ分布を求めることができる。
本発明によれば、粉体が大きく変形しながら押しつぶされていくプロセスにおいて、粉体の変形、密度分布の変化、ひずみ分布の変化が求められるという効果がある。また、シミュレーションによって求められる結果から、破壊しにくく精度のよい成型物を得る条件を知ることができるという効果がある。さらに、粉体成型シミュレーションを必要とする各分野に対して、今までにない全く新しい解析方法を提供することができ、各分野における技術課題を解決し、新製品の創出機会を生み出すことができるという効果がある。
本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るDEM法によるシミュレーションモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係る圧縮成型の過程を示す図である。 本発明の実施形態に係るSPH法によるシミュレーションモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係る離散モデルから連続体モデルへの移行過程を示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の処理を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<実施形態>
以下、図1から図9を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<シミュレーション装置の構成>
図1を用いて、本実施形態に係るシミュレーション装置の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るシミュレーション装置は、圧縮成型部100と、第1の解析処理部200と、第2の解析処理部300と、補間部400と、表示部500と、制御部600とから構成されている。
圧縮成型部100は、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型を実行する。第1の解析処理部200は、DEM法に基づいて解析処理を実行する。第2の解析処理部300は、SPH法に基づいて解析処理を実行する。補間部400は、DEM法とSPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行する。表示部500は、シミュレーション過程やシミュレーション結果をディスプレイ等の表示器に表示する。
制御部600は、ROM(Read Only Memory)等に予め格納した制御プログラムにしたがって、圧縮成型部100、第1の解析処理部200、第2の解析処理部300、補間部400、表示部500の動作を制御する。本実施形態によれば、特に、第1の解析処理部200と第2の解析処理部300とを弱連成させるように、処理を制御する。
<モデルの定義とシミュレーションの概要>
本発明は、粉体粒子の大変形や塑性挙動をシミュレーションするために、図2に示すように、1個の粉体を複数の粒子により構成されるものとして、シミュレーションを行う。
つまり、1粉体を多数の基本粒子を用いてモデル化する。基本粒子はすべて同一の寸法の球状の粒子であるとする。基本粒子と基本粒子はそれぞれバネによって結合されて全体の形状を作っている。図2は、基本粒子とそれを複数組み合わせて作成される1粉体(これを以下粉体粒子と呼ぶ)を示している。基本粒子の組み合わせは自由であり、自由な形状の粉体粒子をモデル化することができる。基本粒子と基本粒子を結びつけるバネは弾塑性変形をする。この粉体モデルを多数組み合わせて、金型の中に配置する。粉体粒子の配置は、粉体粒子同士が軽く接触している状態に設定する。
粉体粒子の圧縮解析は、DEM理論を用いておこなう。本発明で用いる基本粒子はDEM理論におけるDEM粒子に対応している。DEM理論ではDEM粒子の運動方程式をもとめて粒子の運動を時間経過にしたがって求めるが、本発明ではその運動方程式にDEM粒子(基本粒子)同士を結びつけるバネ力が導入された新しい運動方程式を解く。
図3にDEM粒子(基本粒子)の概念図を示す。また、この要素の運動は、質量m、慣性モーメントIとして、次の並進運動と回転運動を表す運動方程式である数1で表現される。
ここで、Fは、要素に働く外力、Mは、要素に働く合モーメント、Cは、減衰定数、μは、要素の変位ベクトル、Dは、要素の回転変位(2次元の場合はスカラー、3次元の場合はベクトル)であり、変位ベクトルμと回転変位φは、数1を時刻歴で数値積分することによって求められる。
DEM圧縮計算によって粉体粒子が徐々に圧縮される。この圧縮過程において粉体粒子は徐々に大きく変形する。その様子を図4に示す。従来の手法では基本粒子のみを用いた計算であったため、粉体の変形を求めることができなかった。本手法では任意の形状の粉体が周囲の粉体から圧力を受けて大きく変形する様子を求めることができる。
金型内部の粉体の相対密度分布を求める。相対密度分布計算は基本粒子の密度を求める。相対密度は、一定の体積においてその中を占める物体の体積の比率でもとめる。相対密度が1とはその体積がすべて物質で占められた状態であり、0とは物質が存在しない空の状態を示している。
相対密度は圧縮が進むにつれて上昇する。そして粉体粒子が周囲の粉体粒子と密着して相互の運動が一体化してくる。さらにその相対密度がある値を超えると、粉体同士は合体して、以後は一体化した運動をおこすようになる。この粉体同士の一体化が広い範囲で進展すると、それまで個々の粉体の運動を求めていたDEM理論は適用できなくなる。
粉体粒子同士が一体化するとひとつの連続した固体(連続体)に近い状態とみなすことができる。この連続体の運動を表すにはDEM理論は使えなくなりSPH理論を用いることになる。SPH理論は1枚の金属の変形を扱う場合などに使用され連続体力学と呼ばれる分野の解法である。SPH理論を用いて、粉体が極めて強固な1個の成型物になる状態における応力、ひずみの分布をもとめる。応力分布とひずみ分布はDEM理論では求められず、SPH法によらなければならない。
図5にSPH粒子の基本概念図を示す。図5に示すように、SPH法においては、粉体を複数の粒子を弾塑性のばね力で結合した粉体モデルで表現できる。このモデルによって、図6に示すように、任意の形状の粉が表現できることになる。したがって粒子寸法が小さな粉と大きな粉がモデル化される。また、図7に示すように、表面弧状に沿って粒子を配置しモデル化すると、その初期形状が表現できる。この初期形状を維持したまま最終成型に至る解析も可能である。
SPH法は、影響半径の概念をもとに重み関数Wを用いてある関数f(x)の空間1階微分あるいは2階微分(ラプラシアン)を離散的にもとめる1種の補間法である。図8に示した影響半径と呼ばれる円形内部の他の粒子が持つ物理量を、重み関数の1回微分量を用いて空間1階微分については、数2に、
また、2の偏微分に対しては、数3にもとづいて、離散的に補間値を求める。
また、弾性解析の範囲では、1階の偏微分式のみを用いる粒子の弾性運動は、Newtonの運動方程式にしたがい、数4のようになる。
ここで、aは加速度、ρは密度、σはCauchy応力テンソルである。数5を数6に適用すると粒子Iの加速度を計算できる。
ここで、mは質量、Iは補間値を求める中心位置の粒子、Jはその影響半径内部にある他粒子である。
数6により,粒子iが粒子jに及ぼす力が、粒子jが粒子iに及ぼす力に等しいことが導かれ、粒子i、j間で運動量保存則が成り立つことがわかる。この加速度値から陽解法で通常用いられる、時間履歴に関するCrank−Nicolsonの差分式などから、粒子速度、さらに粒子の変位が増分的に求められる。また、粒子のもつ応力値は求められる変位増分をもとに、FEM解析における応力―ひずみマトリクスを用いて求めることができる。
本シミュレーションでは、粒子の運動を離散モデル(DEM)により、おこなっている。そして、粒子が密に詰まってきて、ほぼ連続体的な挙動を示し始めた場合、その粒子群の物理的な評価(応力・ひずみ)をSPH理論によりおこなう。したがって、非連続体から連続体への移行を判定する基準を設けなければならない。本シミュレーションでは粒子密度を、SPHの影響半径の概念を用いて判定している。すなわち、図9に示すように、初期の球状粒子が完全接触を実現した場合、連続体化したと考える(境界条件の判定)。
また、大きな圧縮をうけて密度が変化し連続体に近い状態となった部分(SPH)と、まだ圧縮が加わらない粉体部分(DEM)では粒子の分布に差が現われる。そのため、両者の境界では物理量の補間に関して誤差が生じやすくなる。これを補正するために両者の境界部分において移動最小自乗近似を用いた処理をおこなう。この手法で補間関数をもとめるには、影響半径内部の補間点の物理量を用いて、数7のように、記述される。
ただし、hはSPH法におけるsmoothing lengthに対応し、接点の影響半径の大きさはkhとなる。また、Wは重み関数、多項式基底ベクトルは、数8に示されるモーメントマトリックス、pはMLS形状関数である。MLS近似に用いる関数w(x、h)として3次スプライン関数(k=2)を用いることが多い。また、2次元の多項式基底ベクトルとしてさらに、数9とすると、MLS近似によるx方向の微分値は、数10のように、記述される。この微分式をもとにSPHとDEM境界における補間をおこない補間精度をあげる。
<シミュレーション装置の処理>
図10を用いて、本実施形態に係るシミュレーション装置の処理について説明する。
まず、DEM法およびSPH法における粉体のモデルを定義し(ステップS100)、複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行うとともに、その過程において、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度を演算する(ステップS200)。そして、初期の粒子同士が完全接触をしたときに、前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行して補間し(ステップS300)、複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行い、予め定めた粉体密度に達するまで、DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度の演算を実行する(ステップS400)。
以上、説明したように、本実施形態によれば、粒径分布を持つ粉体の圧縮成型をDEM法とSPH法とを弱連成、すなわち、別々の支配方程式で表される複数の現象を、互いに関係する情報を交換しながら、交互あるいは別々に並行して解いていくことにより、精度の良い残留応力、残留ひずみ分布を求めることができる。
なお、シミュレーション装置の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをシミュレーション装置に読み込ませ、実行することによって本発明のシミュレーション装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
100;圧縮成型部
200;第1の解析処理部
300;第2の解析処理部
400;補間部
500;表示部
600;制御部

Claims (6)

  1. 粉体の圧縮成型をシミュレーションするシミュレーション装置であって、
    粒径分布を持つ粉体の圧縮成型を実行する圧縮成型手段と、
    DEM法に基づいて解析処理を実行する第1の解析処理手段と、
    SPH法に基づいて解析処理を実行する第2の解析処理手段と、
    前記第1の解析処理手段と前記第2の解析処理手段とを弱連成させるように、処理を制御する制御手段と、
    を備え
    前記DEM法において、粉体をバネ−ダッシュポットモデルで表現し、前記SPH法において、粉体を複数の粒子を弾塑性のばね力で結合した粉体モデルで表現したことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記制御手段は、初期の粒子同士が完全接触をしたときに、非連続体から連続体への境界条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行する補間手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記粉体の圧縮成型のシミュレーションを磁芯一体型構造のインダクタに適用することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  5. 粉体の圧縮成型をシミュレーションするシミュレーション装置におけるシミュレーション方法であって、
    DEM法およびSPH法における粉体のモデルを、前記DEM法において、粉体をバネ―ダッシュポットモデルで表現し、前記SPH法において、粉体を複数の粒子を弾塑性のばね力で結合した粉体モデルで定義する第1のステップと、
    複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行うとともに、その過程において、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度を演算する第2のステップと、
    初期の粒子同士が完全接触をしたときに、前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行して補間する第3のステップと、
    複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行い、予め定めた粉体密度に達するまで、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度の演算を実行する第4のステップと、
    を備えたことを特徴とするシミュレーション方法。
  6. 粉体の圧縮成型をシミュレーションするシミュレーション装置におけるシミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    DEM法およびSPH法における粉体のモデルを、前記DEM法において、粉体をバネ―ダッシュポットモデルで表現し、前記SPH法において、粉体を複数の粒子を弾塑性のばね力で結合した粉体モデルで定義する第1のステップと、
    複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行うとともに、その過程において、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度を演算する第2のステップと、
    初期の粒子同士が完全接触をしたときに、前記DEM法と前記SPH法との弱連成時の境界処理を移動最小自乗近似により実行して補間する第3のステップと、
    複数の粉体に圧力をかけ、圧縮成型を行い、予め定めた粉体密度に達するまで、前記DEM法とSPH法とを弱連成させて、粉体密度の演算を実行する第4のステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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