JP5630295B2 - 自動利得制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信の受信信号を増幅する可変利得増幅器の利得を制御する自動利得制御装置に関する。
従来、無線通信機においては、受信信号の信号レベルを、A/Dコンバータのダイナミックレンジ内に抑えるために、受信信号を増幅する際に自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control )が行われている。具体的には、AGCを機能させた状態で信号(パケット)の到来を待ち、信号の到来を検知すると、その到来した信号のレベルに応じてゲインを固定し、固定したゲインでパケットを受信する。
ところで、一般的な通信機のRF回路は、復調に用いるI信号(受信信号の同相成分),Q信号(受信信号の直交成分)とは別に、受信電力レベルを表すRSSI(受信信号強度表示信号)を生成するように構成されており、AGCには、このRSSIが用いられている。但し、RSSIを生成する回路の規模は、I,Q信号を生成する回路の規模と同程度であり、RF回路の規模を増大させる要因となっている。
これに対して、I,Q信号の振幅から換算した受信電力レベルを用いてAGCを行うことによって、RF回路からRSSIを生成する回路を省略することが可能な自動利得制御回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方では、高度道路交通システム(ITS)の一つとして、ドライバーから直接見ることのできない情報を、道路に設置された通信インフラや他の車両等から無線通信によって受信し、ドライバーに知らせることで安全運転の支援や事故防止につなげるインフラ協調による安全運転支援システム(以下「インフラ協調システム」という)の検討がなされている。
このインフラ協調システムでは、2011年の地上テレビ放送デジタル化完了に伴い、アナログテレビ放送では使用されていたが、デジタルテレビ放送では使用されない周波数帯(700MHz帯:715MHz〜725MHz)を使用して、車車間や路車間の無線通信を行うことが検討されている。但し、700MHz帯は、従来この種の用途に使用されていた5.8GHz帯と比較してノイズ環境が悪いことが知られている。
特許第2968954号公報
ところで、I,Q信号のサンプリング値を用いてAGCを実行することを考えた場合、安定したAGCを行うためには、サンプリング値から換算した受信電力レベルをそのまま使用することはできず、ローパスフィルタに相当する処理(例えば、移動平均)を施した値を用いる必要がある。
このため、AGCによって利得を変化させた場合に、その影響が受信電力レベルに反映されるまでに時間(例えば、移動平均期間分の時間)を要するため、利得を変化させる毎に、処理を中断して待機する必要がある。
そして、ノイズ環境が悪い場合、パケットの到来を待つ待機状態にて、AGCを常時機能させておくと、ノイズに追従してAGCが行われ、利得の変更に伴う処理の中断が頻発することになり、パケットの受信に失敗してしまう可能性が高くなるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、RSSIを用いることなく利得制御を行う自動利得制御装置において、パケットの到来を的確に検知し、且つノイズに追従した不必要な制御が頻発することを防止することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の自動利得制御装置では、到来検知手段が、I,Q信号に基づいてパケットの到来を検知すると共に、換算値算出手段が、I,Q信号から受信信号の受信電力レベルを表す換算値を求め、利得制御手段が、換算値算出手段にて算出された換算値に基づいて、可変利得増幅器の利得を制御する。
また、利得制御手段では、まず初期化手段が、可変利得増幅器の利得を予め設定された初期利得に設定する。そして、粗調整手段が、I,Q信号の振幅値又は換算値からなる調整対象値が予め設定された上限閾値以上である場合に、可変利得増幅器の利得をベース利得単位で減少させ、その調整対象値が上限閾値より小さな値に設定された下限閾値より小さい場合に、可変利得増幅器の利得をベース利得単位で増加させる。なお、ベース利得とは、可変利得増幅器の利得制御範囲内に、初期利得を最大値として含むように設定された複数段の利得である。
更に、利得制御手段では、到来検知手段がパケットの到来を検知すると、設定手段が、I,Q信号の復調処理を行う復調部での処理が可能な処理可能レベル範囲内の予め設定された目標レベルと換算値とが一致するように、可変利得増幅器の利得を設定して保持し、その後、パケットの受信が終了すると、再初期化手段が、可変利得増幅器の利得を初期利得に戻す。
なお、初期利得は、復調可能とすべき最低限の受信電力レベルを有する受信信号が受信回路に入力された時に、換算値算出手段にて算出される換算値が処理可能レベル範囲の下限レベル以上となる大きさに設定されている。
このように構成された自動利得制御装置では、最初は、初期利得、即ち、復調可能とすべき最低限の受信電力レベルのパケットの受信が可能な、利得の高い状態で待機することになる。
但し、調整対象値が上限閾値,下限閾値で規定される範囲から外れている場合は、この範囲内に調整対象値が納まるように、可変利得増幅器の利得はベース利得単位で粗調整される。
つまり、ノイズフロアが上昇することによって調整対象値が上限閾値を超えると、粗調整手段が動作することによって、上記範囲内に調整対象値が納まるように可変利得増幅器の利得を下げる調整が行われる。これにより、ノイズによる粗調整手段の起動が抑制されることになる。逆に、ノイズフロアが下降することによって調整対象値が下限閾値を超えると、粗調整手段が動作することによって、可変利得増幅器の利得を上げる調整が行われる。これにより、ノイズフロアよりわずかに大きい受信電力レベルを有する信号でも、後段の処理で必要なレベルまで増幅されることになる。
このように、本発明の可変利得制御装置では、粗調整手段による利得調整(粗調整)、即ち、ノイズフロアの状態に適した利得調整が行われた状態において、パケット到来を検知した場合にだけ、設定手段による利得調整(微調整)、即ち、換算値を目標レベルと一致させる利得制御が行われる。
従って、本発明の可変利得制御装置によれば、突発的なノイズに追従した不要な利得制御が行われることを抑制することができると共に、ノイズの状態に適した利得に設定された状態でパケットの到来を待つことができ、パケットの到来を的確に検知することができる。
また、本発明の可変利得制御装置によれば、利得制御を、RSSIを用いることなく行っているため、当該装置を組み込んだ無線通信装置では、RF回路にRSSIの生成回路を設ける必要がなく、無線通信装置を小型化することができる。
なお、本発明において、設定手段は、到来検知手段がパケットの到来を検知した時だけでなく、粗調整手段により利得を減少させる調整が行われた時にも、可変利得増幅器の利得を設定して保持するようにしてもよい。
つまり、粗調整手段によって利得を減少させる調整が行われたということは、十分な大きさを有する何等かの信号を受信している可能性があるため、可変利得増幅器の利得を粗調整した後、パケットの到来検知を待つことなく、続けて微調整を行うことで、パケットの到来に備えてもよい。
ところで、本発明の可変利得制御装置では、ノイズフロアの状態(ノイズレベル)に応じて粗調整手段が待機時の利得を変化させることで、不要な利得調整が頻発することを防止しているが、ノイズによって到来検知手段がパケットの到来を誤検出したり、高電力のインパルスノイズによって粗調整手段が利得を減少させる調整を行ったりすることにより、設定手段が誤作動する可能性がある。
そして、その設定手段の誤作動により可変利得増幅器の利得が保持されてしまうと、到来したパケットに基づく信号を、復調部での処理が可能な処理可能レベル範囲内の大きさとすることができず、正しく復調することができない可能性があるという問題があった。
そこで、本発明の可変利得制御装置において、利得制御手段は、設定手段により可変利得増幅器の利得が保持されている時に、到来検知手段にてパケットの到来が検知されると、利得の保持を解除して該利得の再設定を可能とする第1保持解除手段を備えていてもよい。
このように構成された本発明の可変利得制御装置によれば、設定手段によって可変利得増幅器の利得が保持された状態の時でも、到来検出手段によってパケットの到来が検知されるか、或いは粗調整手段によって利得を減少させる調整が行われると、利得の保持が解除され、利得を再設定することが可能となる。
そして、第1保持解除手段は、可変利得増幅器の利得を、設定手段が利得を保持する前に粗調整手段によって設定されたベース利得単位の値に再設定するようにしてもよい。
つまり、この場合、ノイズ等によって設定手段が誤作動し利得が設定,保持されたものと考えられるため、初期利得に戻すのではなく、現設定を反映させた利得、即ち、現在のノイズ状態に適したノイズ反映利得に再設定することによって、以後のノイズによる誤作動を低減することができる
また、本発明の可変利得制御装置において、粗調整手段は、例えば、調整対象値として、上限閾値との比較には、I,Q信号の振幅値を用い、下限閾値との比較には、換算値を用いるように構成してもよい。
即ち、IQ信号が歪んだ状態では、正確な受信電力レベル(換算値)が得られないため、上限閾値は、通常、IQ信号が歪まない(可変利得増幅器の出力が飽和しない)ように設定されることになる。従って、受信電力レベルの適正範囲内に納まっているか否かの判定を、特にその上限については、I,Q信号を用いても正しく判断することができる。更に、調整対象値として、I,Q信号の振幅値を用いた場合、算出処理が必要な換算値を用いる場合と比較して、粗調整が必要な状態であるか否かをより速やかに判断することもできる。
また、到来検知手段は、互いに異なる手法でパケットを検知する第1検知手段及び第2検知手段からなり、設定手段が、第1及び第2検知手段のうち一方がパケットの到来を検知した場合に動作(利得の微調整を実行)するように構成してもよい。この場合、予め設定された許容期間内に、第1及び第2検知手段の両方がパケットの到来を検知した場合に、I,Q信号を復調する復調回路に対して復調を許可する許可手段を設けることが望ましい。
つまり、より短期間での検知が可能な一方の検知手段での検知により設定手段を動作させることによって、制御の迅速性を確保しつつ、両方の検知手段での検知により復調を許可することによって、検知手段での誤検知に基づく不必要な復調処理が実行されてしまうことを防止することができる。
この場合、更に、利得制御手段は、第1及び第2検知手段のうち一方にてパケットの到来が検知され、許容期間内に他方にてパケットの到来が検知されなかった場合、即ち、検知手段が誤検知をした場合は、設定手段による前記可変増幅器の利得の保持を解除して該利得の再設定を可能とする第2保持解除手段を備えていてもよい。
更に、第2保持解除手段は、第1保持解除手段と同様に、可変利得増幅器の利得を、設定手段が利得を保持する前に粗調整手段によって設定されたベース利得単位の値に再設定するようにしてもよい。
つまり、一方の検知手段が誤検知したということは、誤検知を起こさせるようなノイズが発生しているということである。従って、この場合は、初期利得に戻すのではなく、現設定を反映させた利得、即ち、現在のノイズの状態に適したノイズ反映利得に再設定することによって、ノイズによる誤作動を低減することができる
ところで、第1検知手段は、例えば、I,Q信号と、該I,Q信号を遅延させた遅延信号との自己相関を求めることにより、無線通信フレームの先頭に付与されたプリアンブルに表れる繰り返しパターンを検出する自己相関器により構成し、第2検知手段は、例えば、I,Q信号と、予め用意された特定パターンとの相互相関を求めることにより、プリアンブルに表れる特定パターンを検出する相互相関器により構成してもよい。
つまり、例えば、インフラ協調システム等で使用される無線通信フレームのプリアンブルには、所定周期の信号パターンの繰り返しであるSTS(Short Training Symbol)、が含まれており、上記2つの検知手段によってSTSを検知することが考えられる。
また、換算値算出手段は、例えば、I信号及びQ信号の振幅の二乗和を移動平均することで換算値を求めるように構成することが望ましい。
即ち、I,Q信号に、ローパスフィルタに相当する処理を施すことによって、換算値の算出精度、ひいては自動利得制御の精度を向上させることができる。
また、初期化手段において、パケットの受信終了の判断は、I,Q信号の振幅や換算値に基づいて行う他、例えば、I,Q信号を復調,復号化することで得られるパケット長情報と、受信シンボル数のカウント値とで行うように構成することが考えられる。
無線通信装置の全体構成を示すブロック図。 第1実施形態におけるゲイン設定処理の内容を示すフローチャート。 パケット先頭検出時のゲイン制御例を示す説明図。 クリップ検出時のゲイン制御例を示す説明図。 可変利得増幅器の特性、及び可変利得増幅器に関する設定を示す説明図。 ベースゲインの設定例を示す説明図。 高電力ノイズ発生時の動作を示すタイミング図。 第2実施形態におけるゲイン設定処理の内容を示すフローチャート。 高電力ノイズを契機とするゲイン微調整後にクリップを検出した時の動作を示すタイミング図。 高電力ノイズを契機とするゲイン微調整後にパケットの先頭を検出した時の動作を示すタイミング図。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された無線通信装置(但し、受信部のみ)1の構成を示すブロック図である。
なお、無線通信装置1は、各種車両に搭載され、車車間、路車間でパケット通信を行う無線通信システムの構築、特に、ARIB STD−T71で規定された通信フレームを、700MHz帯(715MHz〜725MHz)を使用して送受する、いわゆるインフラ協調システムを構築するために用いられる。
また、通信フレームの先頭に設定されるプリアンブルは、所定周期(例えば1.6μs)の信号パターンの繰り返しであるSTS(Short Training Symbol)を含んだ周知の構成を有する。
<全体構成>
図1に示すように、無線通信装置1は、無線信号を受信するアンテナ2と、アンテナ2を介して受信した受信信号を可変利得増幅器31によって増幅すると共に、増幅した受信信号からその同相成分を表すI信号、直交成分を表すQ信号(以下「アナログ信号Ia,Qa」ともいう)を生成する受信回路3と、受信回路3で生成されたアナログ信号Ia,QaをサンプリングするA/D変換器4と、A/D変換器4にてサンプリングされたI信号及びQ信号(以下「デジタル信号Id,Qd」ともいう)に基づいて、可変利得増幅器31のゲイン(利得)を設定するAGC回路5と、デジタル信号Id,Qdに基づいて、パケット先頭検出信号PD、同期信号SYNを生成する同期回路6と、同期回路6を介して供給されるデジタル信号Id,Qdを復調,復号化して受信データ列を生成する復調・復号回路7とを備えている。
<可変利得増幅器>
受信回路3を構成する可変利得増幅器31は、ゲインの異なる三種類のローノイズアンプ(LNA)と、LNAのいずれか一つと直列に接続され、一定の範囲内(例えば0〜60dB)でゲイン(利得)を連続的に変化させることが可能なプログラマブルゲインアンプ(PGA)とで構成されている。
以下では、LNAのうち、最も高いゲイン(例えば、30dB)を有するものをLNA_H、2番目に高いゲイン(例えば、15dB)を有するものをLNA_M、最も低いゲイン(例えば1dB)を有するものをLNA_Lで示す。
図5は、可変利得増幅器31の特性を、模式的に表したグラフである。図中のグラフの横軸がゲイン、縦軸が変調精度(EVM)を表し、グラフ中の三つの曲線は、三つのLNAのいずれかを選択して、PGAを変化させた時の特性を示すものである。
なお、可変利得増幅器31のゲイン設定は、EVMができるだけ低くなるように設定することが望ましく、即ち、ゲインを55dB以上とする場合はLNA_Hを用い、ゲインを30dB以下とする場合はLNA_Lを用い、その中間とする場合はLNA_Mを用いて設定することが望ましい。
このことを考慮して、本実施形態では、4種類のベースゲインBase[n](n=1,2,3,4)が用意されている。具体的には、Base[1]は、LNA_H=30dBとPGA=50dBを用いた80dBの設定、Base[2]は、LNA_H=30dBとPGA=40dBを用いた70dBの設定、Base[3]は、LNA_M=15dBとPGA=30dBを用いた45dBの設定、Base[4]は、LNA_L=1dBとPGA=19dBを用いた20dBの設定である。なお、ベースゲインの設定は、nの値が小さいほど上段であるとする。
また、本実施形態では、各ベースゲインBase[n]から±15dBの範囲を、PGAによる微調整範囲とする。
なお、Base[1]は、復調可能とすべき最低限の受信電力レベルを有する受信信号が受信回路3に入力された時に、後述する受信電力換算部52にて算出される換算値IQMAGが、復調・復号回路7での処理が可能となるデジタル信号Id,Qdを得られる範囲として予め設定された処理可能レベル範囲の下限レベル以上となる大きさに設定されている。
また、ベースゲインは、図6に示すように、PGAによる微調整範囲を考慮して簡単に決めることも可能である。例えば、最低受信レベルを95dBとした場合、微調整可能範囲が±15dBであることからBase[1]を80dBと設定できる。Base[1]での微調整可能範囲は−65dBまでであることから、次のBase[2]は50dBに設定できる。同様にして、Base[3]も20dBに設定でき、その結果、3つのBaseで5〜95dBまでのゲイン設定が可能となる。
<同期回路>
同期回路6は、デジタル信号Id,Qdとその遅延信号との相関(自己相関)を求める自己相関器からなるプリアンブル検出部61、デジタル信号Id,Qdと予め記憶されている比較パターンとの相関(相互相関)を求める相互相関器からなるシンボルタイミング同期部62とを備えている。
なお、プリアンブル検出部61で用いる遅延信号は、デジタル信号Id,Qdを、プリアンブルにおけるSTSのパターン繰り返し周期(1.6μs)だけ遅延させたものである。そして、プリアンブル検出部61では、自己相関器の出力から相関ありと判定した時には、パケット先頭検出信号PDをアクティブレベルにする。また、シンボルタイミング同期部62で用いる比較パターンは、プリアンブルにおけるSTSのパターンである。そして、シンボルタイミング同期部62では、相互相関器の出力から相関ありと判定した時には、シンボルタイミング検出信号SDをアクティブレベルにする。
また、同期回路6は、パケット先頭検出信号PDがアクティブレベルに変化してから予め設定された許容時間(例えば、プリアンブルの継続時間)内に、シンボルタイミング検出信号SDがアクティブレベルに変化すると、同期信号SYNを出力すると共に、デジタル信号Id,Qdを復調・復号回路7に対してデジタル信号Id,Qdを供給する同期信号制御部63を備えている。
なお、パケット先頭検出信号PD、及び同期信号SYNは、AGC回路5にも供給されるように構成されている。
<復調・復号回路>
復調・復号回路7は、デジタル信号Id,Qdを復調,復号して受信データ列を生成するだけでなく、復号したデータから、パケット長情報PLを抽出して、これをAGC回路5に供給するように構成されている。
<AGC回路>
AGC回路5は、デジタル信号Id,Qdに基づいて、受信電力レベルの変動を検出する電力変動検出部51と、デジタル信号Id,Qdに基づいて、受信電力レベルを表す換算値IQMAGを算出する受信電力換算部52と、受信電力換算部52で算出された換算値IQMAG、及び復調・復号回路7にて抽出されたパケット長情報PLに基づいて、パケットの受信終了を判定するパケット終了判定部53と、電力変動検出部51からのクリップ検出信号DC、受信電力換算部52からの換算値IQMAG、パケット終了判定部53からのパケット終了信号PE、同期回路6からのパケット先頭検出信号PD、同期信号SYNに基づいて、可変利得増幅器31のゲインを制御するゲイン制御部54とを備えている。
電力変動検出部51は、デジタル信号Id,Qdのうち少なくとも一方の信号レベルが、予め設定された飽和閾値(アナログ信号Ia,Qaの波形が飽和した時の信号レベル)以上である場合にクリップ検出信号DCをアクティブレベルにする。また、受信電力換算部52は、デジタル信号Id,Qdの振幅をId,Qdで表すものとして、換算値IQMAGを(1)式を用いて算出する。
Figure 0005630295
パケット終了判定部53は、同期信号SYNが入力された時の換算値IQMAGを記憶し、その後、換算値IQMAGが記憶値から予め設定された許容値以上低下した場合、又は、同期信号SYNのタイミングに基づいて受信シンボル数をカウントし、カウント値が復調・復号回路7にて抽出されたパケット長情報が示す値と一致した場合に、パケット終了であると判断して、パケット終了信号PEを出力する。
ゲイン制御部54は、可変利得増幅器31のゲインGを設定するゲイン設定処理を実行する。
なお、ゲイン制御部54内には記録媒体(例えばROM)があり、そこにはベースゲインと、そのベースゲインを実現するための制御値(LNAの選択,PGAの設定値)との対応関係を表す粗調整テーブルと、ベースゲイン毎に設定され、受信電力換算部52にて算出される換算値IQMAGと、ベースゲインを固定したまま換算値IQMAGを予め設定された目標レベルに一致させるために必要なPGAの微調整値ΔGとの対応関係を表す微調整テーブルとが少なくとも記憶されている。なお、目標レベルは、例えば、下限閾値と、I,Q信号がクリップするレベルとの中間値に設定される。
<ゲイン設定処理>
ここで、ゲイン制御部54のゲイン設定処理を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理が起動すると、まず、可変利得増幅器31のゲインGを、Base[1](初期利得に相当)に初期設定すると共に、このベースゲインの設定をRAMの所定エリアに記憶する(S110)。以下では、このRAMに記憶されているベースゲインを設定ベースゲインという。また、ゲインGの具体的な設定(LNA,PGA)は、粗調整テーブルを用いて行い、以下、ベースゲイン単位で、ゲインGを設定する場合は同様である。
次に、設定したゲインGの影響が、受信電力換算部52で算出される換算値IQMAGに反映されるまでに要する待機時間だけ待機し(S120)、ゲインGの影響が換算値IQMAGに反映されると、換算値IQMAGが予め設定された下限閾値THwより小さいか否かを判断する(S130)。
なお、待機時間は、ゲインGを変更した影響がアナログ信号Ia,Qaに反映されるまでに要する受信回路3の回路特性に基づく待ち時間T1、A/D変換器4での処理時間T2、受信電力換算部52での処理時間(移動平均の算出時間)T3を加算した大きさに設定される。以下では、時間T1,T2を加算した時間を反映待時間、時間T3を平均化待時間ともいう。
換算値IQMAGが下限閾値THwより小さい場合(S130−Y)、可変利得増幅器31のゲインGを、設定ベースゲイン(Base[n])より1段階高いベースゲインに設定(G←Base[n−1])すると共に、RAMに記憶されている設定ベースゲインを更新して(S140)、S120に戻る。但し、設定ベースゲインが既に最上段のベースゲイン(Base[1])である場合は、そのままS120に戻る。
一方、換算値IQMAGが下限閾値以上である場合(S130−N)、電力変動検出部51からのクリップ検出信号DCに基づいてI,Q信号がクリップしているか否かを判断し(S150)、クリップしていると判断した場合(S150−Y)は、可変利得増幅器31のゲインGを、設定ベースゲイン(Base[n])より1段階低いベースゲインに設定(G←Base[n+1])すると共に、設定ベースゲインを更新する(S160)。
その後、反映待時間だけ待機し(S170)、再度、クリップ検出信号DCに基づいてI,Q信号がクリップしているか否かを判断し(S180)、クリップしていると判断した場合(S180−Y)は、S160に戻る。
一方、S180にて、I,Q信号はクリップしていないと判断した場合(S180−N)は、反映待時間の経過後、更に、平均化待時間だけ経過したか否かを判断し(S190)、経過していなければ(S190−N)、S180に戻る。
つまり、ゲインGの設定後、待機時間(=反映時間+平均化待時間)が経過する前、即ち、ゲインGの変更が換算値IQMAGに反映される前にクリップが検出された場合には、ゲインGを再設定(ベースゲイン単位の粗調整)する。
S190にて平均化待時間だけ経過したと判断した場合(S190−Y)は、変更されたゲインGの影響が換算値IQMAGに反映されているものとして、その換算値IQMAGが目標レベルと一致しているか否かを判断する(S195)。
そして、換算値IQMAGが目標レベルと一致していなければ(S195−N)、目標レベルと一致するように、ゲインGの微調整を実行し(S200)、一致していれば(S195−Y)、微調整のステップは省略して次ステップに進む。なお、微調整は、微調整テーブルを用い、可変利得増幅器31のLNAの設定を保持したまま、PGAの設定のみを変更することによって行う。
その後、パケット先頭検出信号PDを参照して、パケットの先頭が検出されたか否かを判断し(S210)、許容時間内にパケットの先頭が検出された場合(S210−Y)は、後述するS235に移行する。一方、パケットの先頭が検出されない場合(S210−N)は、最後にクリップが検出されてから、予め設定された許容時間(例えば、プリアンブルの継続時間)が経過したか否かを判断する(S215)。
許容時間が経過していなければ(S215−N)、S210に戻り、許容時間が経過していれば(S215−Y)、可変利得増幅器31のゲインG(Base[n]+ΔG)を、設定ベースゲイン(Base[n])に再設定(G←Base[n])すると共に、設定ベースゲインを更新して(S220)、S120に戻る。
つまり、クリップが生じたのは、パケットの受信が原因ではなく、ノイズが原因である可能性が高いため、初期ベースゲインBase[1]に戻すのではなく、ノイズのレベルが反映された設定ベースゲインBase[n]に戻している。
先のS150にてI,Q信号がクリップしていないと判断した場合(S150−N)、パケット先頭検出信号PDを参照して、パケットの先頭が検出されたか否かを判断し(S230)、先頭が検出されなかった場合(S230−N)は、そのままS130に戻る。
一方、先頭が検出された場合(S230−Y)は、先のS195,S200と同様に、換算値IQMAGが目標レベルと一致しているか否かを判断し(S235)、一致していなければ(S235−N)、目標レベルと一致するように、ゲインGの微調整を実行し(S240)、一致していれば(S235−Y)、微調整のステップは省略して次ステップに進む。
その後、同期信号SYNを参照して、同期検出されたか否かを判断し(S250)、同期が検出された場合(S250−Y)は、パケット終了判定部53からのパケット終了信号PEによって、パケットの受信終了が検出されるまで待機し(S260)、パケットの受信終了が検出されると、ゲインGを初期ベースゲインBase[1]に設定して(S270)、S120に戻る。
一方、S250にて同期が検出されなかった場合(S250−N)は、最後にパケットの先頭が検出されてから、予め設定された同期待時間(例えば、プリアンブル継続時間)が経過したか否かを判断し(S275)、同期待時間が経過していなければ(S275−N)、S250に戻り、同期待時間が経過していれば(S275−Y)、先のS220と同様に、ゲインGを、設定ベースゲイン(Base[n])に設定(G←Base[n])すると共に、設定ベースゲインを更新して(S280)、S120に戻る。
<動作>
図3は、待機時のゲインGが受信信号に対して適正な値であった場合の動作を示すタイミング図である。なお、適正な値とは、受信回路3から供給されるI,Q信号がクリップしないような値のことである。
可変利得増幅器31のゲインGが、Base[1](=80dB)に設定された状態で、何等かの信号入力があると(t1)、I,Q信号の振幅と、換算値IQMAGは、その入力された受信レベルに応じた大きさに変化する。但し、換算値IQMAGは、移動平均の算出に要する時間だけ遅延して徐々に変化する。その換算値IQMAGが下限閾値THw以上かつI,Q信号がクリップ状態ではない場合、即ち、粗調整によってベースゲインが適正に設定されている状態で、パケットの先頭を検出すると、その検出タイミング(t2)で、換算値IQMAGが目標レベルとなるように(ひいては、I,Q信号がセットポイントレベル内の振幅を有するように)、ゲインGが微調整(ここでは−10dB)される。そして、この微調整されたゲインGが、同期待時間内に同期信号SYNが検出される(t3)まで保持され、同期信号SYNが検出されると、更に、パケットの受信が終了するまで保持(固定)されることになる。
図4は、待機時のゲインGが受信信号に対して適当な値ではなかった場合(ここでは大き過ぎた場合)の動作を示すタイミング図である。
可変利得増幅器31のゲインGが、Base[1](=80dB)に設定された状態で、何等かの信号入力があり、I,Q信号のクリップが検出されると、その時点(t11)でゲインGを、現在の設定より1段階だけ低下させたベースゲイン(Base[2]=60dB)に設定する粗調整が行われる。その後、設定を変更した影響がI,Q信号(デジタル信号Id,Qd)に反映されるのに要する反映待時間だけ待機した後、再度クリップの有無を判断し、クリップ状態が継続している場合(t12,t13)は、ゲインGを更に1段階だけ低下させたベースゲイン(Base[3]=40dB,Base[4]=20dB)に設定する粗調整が行われる。この粗調整を、クリップが検出されている間繰り返し、クリップが検出されなかった場合は(t14)、粗調整よってベースゲインが適正に設定されたものとして、更に、設定を変更した影響が換算値IQMAGに反映されるのに要する平均化待時間だけクリップの有無を検出しつつ待機する。つまり、最後に粗調整が行われてからクリップが検出されることなく待機時間(=反映待時間+平均化待時間)だけ経過した時点(t15)で、換算値IQMAGが目標レベルとなるように、ゲインGが微調整(ここでは+10dB)される。そして、この微調整されたゲインGが、同期待時間内に同期信号SYNが検出される(t16)まで保持され、同期信号SYNが検出されると、更に、パケットの受信が終了するまで保持(固定)されることになる。
図7は、I,Q信号がクリップするような高電力のノイズが発生した場合の動作を示すタイミング図である。
可変利得増幅器31のゲインGが、Base[1](=80dB)に設定された状態で、高電力ノイズの入力があり、I,Q信号のクリップが検出されると、その時点(t21)でゲインGを、現在の設定より1段階だけ低下させたベースゲイン(Base[2]=60dB)に設定する粗調整が行われる。その後、設定を変更した影響がI,Q信号(デジタル信号Id,Qd)に反映されるのに要する反映待時間だけ待機した後、再度クリップの有無を判断し、クリップ状態が継続している場合(t22)は、ゲインGを更に1段階だけ低下させたベースゲイン(Base[3]=40dB)に設定する粗調整が行われる。この粗調整を、クリップが検出されている間繰り返し、クリップが検出されなかった場合は(t23)、粗調整よってベースゲインが適正に設定されたものとして、更に、設定を変更した影響が換算値IQMAGに反映されるのに要する平均化待時間だけクリップの有無を検出しつつ待機する。つまり、最後に粗調整が行われてからクリップが検出されることなく待機時間(=反映待時間+平均化待時間)だけ経過した時点(t24)で、換算値IQMAGが目標レベルとなるように、ゲインGが微調整(ここでは+10dB)される。その後、この微調整されたゲインGで、同期信号SYNの到来を待つが、この例では、ノイズによってゲイン調整が開始されたため、同期信号SYNが検出されることはないため、最後にクリップが検出されてからの経過時間が許容時間に達すると(t25)、ゲインGは、微調整前のベースゲイン(Base[3]=40dB)、即ち、ノイズの影響が反映されたゲインに再設定され、新たなクリップの検出、又はパケット先頭の検出を粗調整を繰り返しながら待つことになる。
[効果]
以上説明したように、無線通信装置1では、可変利得増幅器31のゲインGを、初期ベースゲインBase[1]に設定して、ゲインの高い状態で、パケットの到来を待ち受けると共に、I,Q信号のクリップ状態や換算値IQMAGから特定される受信電力レベルが、復調・復号回路7での処理が可能な処理可能レベル範囲から外れている場合には、ゲインGをベースゲイン単位で変化させる粗調整を行うようにされている。
また、無線通信装置1では、粗調整によってノイズフロアの状態や受信信号の受信レベルに適したゲイン調整が行われた状態で、パケットの先頭を検出した場合に、ゲインGを微調整して、所望の受信電力レベルを有したI,Q信号(ひいてはデジタル信号Id,Qd)が得られるようにされている。
従って、無線通信装置1によれば、ノイズの状態に適したゲインG(ベースゲイン)に設定された状態でパケットの到来を待つことができるため、パケットの到来を的確に検知することができると共に、ノイズに追従した不必要なゲイン制御が頻発することを防止することができる。
また、無線通信装置1では、ゲインGの制御を、RSSIを用いることなく行っているため、受信回路3にRSSIの生成回路を設ける必要がなく、当該装置1を小型化することができる。
<発明との対応>
なお、本実施形態において、プリアンブル検出部61が第1検知手段、シンボルタイミング同期部62が第2検知手段、両部61,62を合わせたものが到来検知手段、受信電力換算部52が換算値算出手段、ゲイン制御部54が利得制御手段、同期信号制御部63が許可手段、第1検知手段、第2検知手段、S110が初期化手段、S120〜S190が粗調整手段、S200,S240が設定手段、S260〜S270が再初期化手段、S220,S280が第2保持解除手段に相当する。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
本実施形態では、ゲイン制御部54が実行するゲイン設定処理の内容が一部異なるだけであるため、この異なる点を中心に説明する。
なお、本実施形態は、第1実施形態においてI,Q信号をクリップさせるような高電力ノイズが入力された場合(図7参照)、ゲインの微調整(t24)後、最後のクリップ検出からの経過時間が許容時間に達する(t25)までの間に、検出すべき信号の到来によってI,Q信号がクリップしても、これを無視してしまい、パケットを受信することができないが、このような場合でもパケットを受信できるようにしたものである。
<ゲイン設定処理>
図8は、ゲイン設定処理の内容を示すフローチャートである。
図8のフローチャートでは、図2のフローチャートと比較して、S165,S205,S245が追加されている。
即ち、本実施形態では、クリップが検出され(S150−Y)、換算値IQMAGが目標レベルと一致するように調整(S160〜S200)された後、許容時間が経過する(S215−Y)までの間、パケットの先頭が検出されたか否かの判断(S210)と共に、クリップが検出されたか否かの判断(S205)を繰り返し実行する。
また、パケットの先頭が検出され(S210−YまたはS230−Y)、換算値IQMAGが目標レベルと一致するように調整(S235〜240)された後も、同期待時間が経過する(S275−Y)までの間、同期が検出されたか否かの判断(S250)と共に、クリップが検出されたか否かの判断(S245)を繰り返し実行する。
そして、クリップが検出されると(S205−YまたはS245−Y)、可変利得増幅器31のゲインG(Base[n]+ΔG)を、設定ベースゲイン(Base[n])に再設定(G←Base[n])する(即ち微調整前のゲインに戻す)と共に、設定ベースゲインを更新して(S165)、S170に移行する。
<動作>
図9は、高電力ノイズによってゲインの微調整が行われた後、許容時間が経過する前に、I,Q信号をクリップさせるような信号を受信した場合の動作を示すタイミング図である。
なお、時刻t31〜t34の動作については、図7に示した時刻t21〜t24の動作と同様であるため、説明を省略する。
最後のクリップ検出(t32)から許容時間が経過する前に、クリップが検出されると(t35)、可変利得増幅器31のゲインGが、微調整前のベースゲインBase[3](=40dB)に設定される。その後、反映待時間だけ待機した後、再度クリップの有無を判断し、クリップ状態が継続している場合(t36)は、ゲインGを1段階だけ低下させたベースゲインBase[4](=20dB)に設定する粗調整が行われる。この粗調整を、クリップが検出されている間繰り返し、クリップが検出されなかった場合は(t37)、粗調整よってベースゲインが適正に設定されたものとして、更に、平均化待時間だけクリップの有無を検出しつつ待機する。つまり、最後に粗調整が行われてからクリップが検出されることなく待機時間(=反映待時間+平均化待時間)だけ経過した時点(t38)で、換算値IQMAGが目標レベルとなるように、ゲインGが微調整(ここでは+10dB)される。そして、この微調整されたゲインGは、許容時間が経過するまで保持され、その許容時間が経過する前に同期信号SYNが検出されると(t39)、そのゲインGは、更にパケットの受信が終了するまで保持(固定)されることになる。
図10は、高電力ノイズによってゲインの微調整が行われた後、許容時間が経過する前に、信号がクリップすることなくパケットの先頭が検出された場合の動作を示すタイミング図である。
なお、時刻t41〜t44の動作については、図7に示した時刻t21〜t24の動作と同様であるため、説明を省略する。
最後のクリップ検出(t42)からの経過時間が許容時間に達する前に、信号がクリップしないレベルの信号が到来した場合(t45)、微調整されたゲインGを保持する状態が継続する。その後、前記経過時間が許容時間に達するまえに、パケットの先頭PDが検出されると(t46)、換算値IQMAGが目標レベルとなるように、ゲインが微調整(ここでは−15dB)される。この微調整されたゲインGは、パケットの先頭PDが検出されてから同期待時間が経過するまで保持され、その同期待時間が経過する前に同期信号SYNが検出されると(t47)、更に、そのゲインGは、パケットの受信が終了するまで保持(固定)されることになる。
<効果>
以上、説明したように、本実施形態の無線通信装置1では、ゲインが微調整された後であっても、I,Q信号のクリップを検出した場合には、ゲインを再調整するようにされているため、I,Q信号をクリップさせるような高電力ノイズが入力され、ゲインが微調整された後に、検出すべきパケットが到来した場合に、これを受信することができる。
<発明との対応>
なお、本実施形態において、S165,S205,S245が第1保持解除手段に相当する。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施可能である。
例えば、上記実施形態では、換算値IQMAGを(1)式を用いて算出しているが、これに限るものではなく、受信電力レベルに相当する値が得られればよい。
上記実施形態では、クリップ検出信号DC及び換算値IQMAGに基づいて粗調整を行っているが、換算値IQMAGだけ、又は、デジタル信号Id,Qdの振幅だけに基づいて粗調整を行うように構成してもよい。
上記実施形態では、パケット終了判定部53は、換算値IQMAGのレベル又は受信シンボルのカウント値の両方を用いてパケットの終了を判定しているが、いずれか一方だけを用いてもよい。
1…無線通信装置 2…アンテナ 3…受信回路 4…A/D変換器 5…AGC回路 6…同期回路 7…復調・復号回路 31…可変利得増幅器 51…電力変動検出部 52…受信電力換算部 53…パケット終了判定部 54…ゲイン制御部 61…プリアンブル検出部 62…シンボルタイミング同期部 63…同期信号制御部

Claims (6)

  1. 無線パケット通信の受信信号を可変利得増幅器によって増幅し、該受信信号の同相成分を表すI信号、直交成分を表すQ信号を生成する受信回路と共に用いられ、前記可変利得増幅器の利得を制御する自動利得制御装置であって、
    前記I,Q信号に基づいてパケットの到来を検知する到来検知手段と、
    前記I,Q信号から前記受信信号の受信電力レベルを表す換算値を求める換算値算出手段と、
    前記換算値算出手段にて算出された換算値に基づいて、前記可変利得増幅器の利得を制御する利得制御手段と、
    を備え、
    前記利得制御手段は、
    前記可変利得増幅器の利得を予め設定された初期利得に設定する初期化手段と、
    前記可変利得増幅器の利得制御範囲内に、前記初期利得を最大値として含む複数段のベース利得を設定し、前記I,Q信号の振幅値又は前記換算値からなる調整対象値が予め設定された上限閾値以上である場合に、前記可変利得増幅器の利得を前記ベース利得単位で減少させ、前記調整対象値が前記上限閾値より小さな値に設定された下限閾値より小さい場合に、前記可変利得増幅器の利得を前記ベース利得単位で増加させる粗調整手段と、
    前記到来検知手段がパケットの到来を検知した場合、または前記粗調整手段により利得を減少させる調整が行われた場合に、前記I,Q信号の復調処理を行う復調部での処理が可能な処理可能レベル範囲内の予め設定された目標レベルと前記換算値とが一致するように、前記可変利得増幅器の利得を設定して保持する前記可変利得増幅器の利得を設定して保持する設定手段と、
    前記パケットの受信が終了すると、前記可変利得増幅器の利得を前記初期利得に戻す再初期化手段と、
    前記設定手段により、前記可変利得増幅器の利得が保持されている時に、前記到来検知手段にてパケットの到来が検知されると、利得の保持を解除して該利得の再設定を可能とする第1保持解除手段と、
    を有し、
    前記初期利得は、復調可能とすべき最低限の受信電力レベルを有する受信信号が前記受信回路に入力された時に、前記換算値算出手段にて算出される換算値が前記処理可能レベル範囲の下限レベル以上となる大きさに設定され、
    前記第1保持解除手段は、前記可変利得増幅器の利得を、前記設定手段が利得を保持する前に前記粗調整手段によって設定された前記ベース利得単位の値に再設定することを特徴とする自動利得制御装置。
  2. 無線パケット通信の受信信号を可変利得増幅器によって増幅し、該受信信号の同相成分を表すI信号、直交成分を表すQ信号を生成する受信回路と共に用いられ、前記可変利得増幅器の利得を制御する自動利得制御装置であって、
    前記I,Q信号に基づき互いに異なる手法でパケットの到来を検知する第1検知手段及び第2検出手段からなる到来検知手段と、
    予め設定された許容期間内に、前記第1及び第2検知手段の両方がパケットの到来を検知した場合に、前記I,Q信号を復調する復調回路に対して復調を許可する許可手段と、
    前記I,Q信号から前記受信信号の受信電力レベルを表す換算値を求める換算値算出手段と、
    前記換算値算出手段にて算出された換算値に基づいて、前記可変利得増幅器の利得を制御する利得制御手段と、
    を備え、
    前記利得制御手段は、
    前記可変利得増幅器の利得を予め設定された初期利得に設定する初期化手段と、
    前記可変利得増幅器の利得制御範囲内に、前記初期利得を最大値として含む複数段のベース利得を設定し、前記I,Q信号の振幅値又は前記換算値からなる調整対象値が予め設定された上限閾値以上である場合に、前記可変利得増幅器の利得を前記ベース利得単位で減少させ、前記調整対象値が前記上限閾値より小さな値に設定された下限閾値より小さい場合に、前記可変利得増幅器の利得を前記ベース利得単位で増加させる粗調整手段と、
    前記第1及び第2検知手段のうち一方がパケットの到来を検知すると、前記I,Q信号の復調処理を行う復調部での処理が可能な処理可能レベル範囲内の予め設定された目標レベルと前記換算値とが一致するように、前記可変利得増幅器の利得を設定して保持する設定手段と、
    前記パケットの受信が終了すると、前記可変利得増幅器の利得を前記初期利得に戻す再初期化手段と、
    前記第1及び第2検知手段のうち一方にてパケットの到来が検知され、前記許容期間内に他方にてパケットの到来が検知されなかった場合、前記設定手段による前記可変利得増幅器の利得の保持を解除して該利得の再設定を可能とする第2保持解除手段と、
    を有し、
    前記初期利得は、復調可能とすべき最低限の受信電力レベルを有する受信信号が前記受信回路に入力された時に、前記換算値算出手段にて算出される換算値が前記処理可能レベル範囲の下限レベル以上となる大きさに設定され、
    前記第2保持解除手段は、前記可変利得増幅器の利得を、前記設定手段が利得を保持する前に前記粗調整手段によって設定された前記ベース利得単位の値に再設定することを特徴とする自動利得制御装置。
  3. 前記第1検知手段は、前記I,Q信号と、該I,Q信号を遅延させた遅延信号との自己相関を求めることにより、無線通信フレームの先頭に付与されたプリアンブルに表れる繰り返しパターンを検出する自己相関器からなり、
    前記第2検知手段は、前記I,Q信号と、予め用意された特定パターンとの相互相関を求めることにより、前記プリアンブルに表れる特定パターンを検出する相互相関器からなることを特徴とする請求項2に記載の自動利得制御装置。
  4. 前記粗調整手段は、前記調整対象値として、前記上限閾値との比較には、前記I,Q信号の振幅値を用い、前記下限閾値との比較には、前記換算値を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動利得制御装置。
  5. 前記換算値算出手段は、前記I信号及びQ信号の振幅の二乗和を移動平均することで前記換算値を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の自動利得制御装置。
  6. 前記再初期化手段は、前記I,Q信号を復調,復号化することで得られるパケット長情報と、受信シンボル数のカウント値とから、前記パケットの受信終了を判断することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の自動利得制御装置。
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