JP5629519B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、特に、大型のダンプカー等の建設用車両に用いられ、走行によるトレッド摩耗状態に応じて前輪用から後輪用へと入れ替えて使用する空気入りタイヤに関する。
従来、大型のダンプカー等の建設用車両に用いられる空気入りタイヤは、トレッドの摩耗状態に応じて前輪用から後輪用へと入れ替えて使用する方法、即ち、使用始めである新品時から使用が進んで溝深さが新品時の2/3程度になる迄を前輪(フロント軸)で使用し、その後、後輪(リア軸)で使用するのが、一般的であった。特に、建設用車両の主な走行路となる滑り易い路面での使用に際しては、前輪では操舵のためにタイヤ幅方向に滑らないようにリブ方向の溝が求められ、後輪では駆動のためにタイヤ周方向に滑らないようにラグ方向の溝が求められる。
そこで、トレッドパターンとして、前輪での使用と後輪での使用の両方の要求を満たして、前輪使用と後輪使用の両使用形態に適合するように、リブラグ系のパターンやブロック系のパターンを採用してきた。
タイヤのトレッドパターンにブロック系のパターンを採用したものとして、例えば、「空気入りタイヤ」(特許文献1参照)があり、この従来の「空気入りタイヤ」には、複数の周方向溝及び幅方向溝により形成されるブロックに、隠れ溝を配置することが開示されている。
特開2001−187516号公報
しかしながら、従来の「空気入りタイヤ」のように、トレッドにブロックパターンを採用していた場合、トレッド剛性の低下や、トレッド表面積における溝比率であるネガティブ比率の増大が避けられず、耐摩耗性能の低下を招いていた。
この発明の目的は、トレッドの摩耗状態に応じて前輪用から後輪用へと入れ替えて使用する際に、前輪装着時と後輪装着時にそれぞれ最適なトレッドパターンとして耐摩耗性能と操縦性能を両立させた空気入りタイヤを提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る空気入りタイヤは、トレッドに、トレッド表面に開口するタイヤ周方向溝と、前記タイヤ周方向溝よりタイヤ径方向内側に位置させた、前記トレッドの摩耗による前記タイヤ周方向溝の消滅後に前記トレッド表面に開口するタイヤ幅方向溝となる、タイヤ幅方向に延び前記トレッドの側面に開口部を有する溝孔と、を形成し、前記トレッドの摩耗が進むことにより、前記タイヤ周方向溝からなるリブパターンが消滅し前記タイヤ幅方向溝からなるラグパターンにトレッドパターンが切り替わる。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤは、前記タイヤ周方向溝と前記タイヤ幅方向溝がタイヤ径方向で重なり合うオーバラップ部を有している。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤは、前記トレッドのタイヤ幅方向中央部に、タイヤ周方向に沿って延び、溝底が前記タイヤ幅方向溝の溝底に達する深さの細溝を有している。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤは、前記細溝を前記タイヤ幅方向溝に連通させる連通溝を有している。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤは、前記細溝の溝幅中心に位置する中心溝底の曲率を1/Raとして、前記中心溝底から前記溝幅中心を通る直線に沿って曲率半径Raだけ離れた点を通る直線と前記溝幅中心を通る直線の成す角が45°から90°の範囲の周辺溝底の曲率を1/Rbとした場合、曲率半径Rbは、8mm以上で20mm未満としている。
この発明に係る空気入りタイヤによれば、トレッドに、トレッド表面に開口するタイヤ周方向溝と、タイヤ周方向溝よりタイヤ径方向内側に位置させた、トレッドの摩耗によるタイヤ周方向溝の消滅後にトレッド表面に開口するタイヤ幅方向溝となる、タイヤ幅方向に延びトレッドの側面に開口部を有する溝孔と、を形成し、トレッドの摩耗が進むことにより、タイヤ周方向溝からなるリブパターンが消滅しタイヤ幅方向溝からなるラグパターンにトレッドパターンが切り替わるので、空気入りタイヤをトレッドの摩耗状態に応じて前輪用から後輪用へと入れ替えて使用する際に、前輪装着時と後輪装着時にそれぞれ最適なトレッドパターンとして耐摩耗性能と操縦性能を両立させることができる。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤによれば、オーバラップ部によりタイヤ周方向溝とタイヤ幅方向溝がタイヤ径方向で重なり合うので、トレッド表面の摩耗が進展したとき、トレッド表面にタイヤ周方向溝或いはタイヤ幅方向溝の何れの溝も存在しない状態が生じてしまうのを防止することができる。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤによれば、トレッドのタイヤ幅方向中央部に、タイヤ周方向に沿って延び、溝底がタイヤ幅方向溝の溝底に達する深さの細溝を有しているので、空気入りタイヤを装着した車両の走行時に発生する走行風による放熱作用によって、トレッドのタイヤ幅方向中央部における発熱を効果的に抑制することを可能にする。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤによれば、細溝をタイヤ幅方向溝に連通させる連通溝を有するので、車両の走行中にトレッド表面に当たる走行風を、タイヤ幅方向溝へと流れ込ませてトレッドの側面から送り出すことが可能になり、走行風による冷却効果を増大させることができる。
また、この発明の他の態様に係る空気入りタイヤによれば、細溝の溝幅中心に位置する中心溝底の曲率を1/Raとして、中心溝底から溝幅中心を通る直線に沿って曲率半径Raだけ離れた点を通る直線と溝幅中心を通る直線の成す角が45°から90°の範囲の周辺溝底の曲率を1/Rbとした場合、曲率半径Rbは、8mm以上で20mm未満としているので、クラックが発生し易い溝底における応力集中の度合いを小さくして、クラックの発生を抑制することが可能になる。
この発明の第1実施の形態に係る空気入りタイヤの構造を示す斜視説明図である。 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。 図1の空気入りタイヤにおけるオーバラップ部形成状態を示し、(a)はオーバーラップ部(その1)の説明図、(b)はオーバーラップ部(その2)の説明図である。 この発明の第2実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。 図4の溝の断面形状を示す説明図である。 この発明の第3実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。 この発明の第4実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターン(その1)を示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。 この発明の第4実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターン(その2)を示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係る空気入りタイヤの構造を示す斜視説明図である。図2は、図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、タイヤ接地面となるトレッド表面11aを形成するトレッド11に、トレッド表面11aに開口するタイヤ周方向溝12と、タイヤ周方向溝12の溝底12aよりタイヤ径方向内側、即ち、トレッド11の内部に位置するタイヤ幅方向溝13とを有している。タイヤ幅方向溝13は、トレッド表面11aの摩耗によりトレッド11からタイヤ周方向溝12が消滅するのに伴って、タイヤ周方向溝12が消滅した後のトレッド表面11aに開口する。
この空気入りタイヤ10は、滑り易い泥濘地等も走行する、例えば、大型のダンプカー等の建設用車両に用いられるものであり、タイヤの扁平率が90%以下(例えば、タイヤサイズ:53/80R63)、また、TRA(The Tire and Rim Association,Inc.)に規定されているタイヤの荷重負荷能力対応数の最高速度に応じた係数が1.4以上である。
図2に示すように、タイヤ周方向溝12は、トレッド表面11aのタイヤ幅方向中央を通るタイヤ赤道の両側略対称位置に、2本ずつ計4本がタイヤ周方向、即ち、タイヤ転動方向に沿って略並行に延びるリブパターンとして設けられている。タイヤ幅方向溝13は、トレッド11のタイヤ幅方向の中央部を除く両側に、タイヤ転動方向に略等間隔離間して配置され、タイヤ幅方向、即ち、タイヤ転動方向に略直交する方向に沿って延びるラグパターンとして設けられている。
つまり、空気入りタイヤ10のトレッド11は、空気入りタイヤ10を前輪に装着したときには、横滑りがし難く操縦性が良いリブパターン(図2(a)参照)であるが、空気入りタイヤ10を後輪に装着したときには、駆動力及び制動力を得やすいラグパターン(図2(b)参照)となる。
トレッド表面11aに開口するタイヤ周方向溝12は、トレッド表面11aから、トレッド11のタイヤ径方向距離であるトレッド11の厚みの略1/3の深さに形成されており、タイヤ幅方向溝13は、タイヤ周方向溝12との間に僅かな厚みのトレッド11を介在させて、タイヤ周方向溝12のタイヤ径方向内側、即ち、トレッド表面11aからの深さがタイヤ周方向溝12よりも深い位置に形成されている。
従って、空気入りタイヤ10は、新品状態で前輪への装着後、タイヤ周方向溝12からなるリブパターンによる使用に伴ってトレッド表面11aの摩耗が進み、トレッド11の厚みが、トレッド表面11aが摩耗していない新品時の略2/3の厚みになった時点で、前輪から後輪へと入れ替える。前輪から後輪へと入れ替えられた空気入りタイヤ10は、以後、後輪においてタイヤ幅方向溝13からなるラグパターンによる使用状態となる。
タイヤ幅方向溝13がトレッド表面11aに開口するのは、トレッド表面11aの摩耗によりタイヤ周方向溝12が消滅した後であるが、トレッド11の厚みが新品時の略2/3の厚みになった時点で、タイヤ周方向溝12は略消滅する。
図3は、図1の空気入りタイヤにおけるオーバラップ部形成状態を示し、(a)はオーバーラップ部(その1)の説明図、(b)はオーバーラップ部(その2)の説明図である。図3に示すように、タイヤ周方向溝12とタイヤ幅方向溝13は、互いに略直交して配置されると共に、トレッド表面11aからのタイヤ径方向dの距離が異なって形成されているが、タイヤ周方向溝12とタイヤ幅方向溝13が交差する部分において、タイヤ周方向溝12とタイヤ幅方向溝13のタイヤ径方向dの位置が重なり合うオーバラップ部14を有している。
このオーバラップ部14は、タイヤ周方向溝12が形成されていないトレッド11に、タイヤ幅方向溝13の開口部13aの一部をタイヤ径方向d(図中矢印参照)の外側に広げて食い込ませ、タイヤ幅方向溝13の開口部13aが、タイヤ周方向溝12の溝底12aを越えて溝底12aよりタイヤ径方向dの外側に位置するように((a)参照)形成し、或いはタイヤ周方向溝12の溝底12aがタイヤ幅方向溝13の内部に入り込むように((b)参照)形成しても良い。
このようなオーバラップ部14を、少なくとも1本のタイヤ周方向溝12に、或いはタイヤ幅方向溝13の少なくとも一箇所に設けることより、トレッド表面11aの摩耗が進展したとき、トレッド表面11aにタイヤ周方向溝12或いはタイヤ幅方向溝13の何れの溝も存在しない状態が生じてしまうのを防止することができる。
(第2実施の形態)
図4は、この発明の第2実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。図4に示すように、空気入りタイヤ20は、トレッド11のタイヤ幅方向中央部に、空気入りタイヤ20を装着した車両の走行時に発生する走行風による放熱効果を得ることができる、タイヤ周方向に沿って延びる溝(細溝)15が形成されている。
この溝15は、トレッド表面11aに開口して、溝底(図5参照)が、タイヤ幅方向溝13の溝底(図3参照)に達する溝深さを有すると共に、溝幅は、5〜20mmの細溝とすることが好ましい。
トレッド11のタイヤ幅方向中央部にタイヤ周方向に沿って延びる溝15を形成するのは、以下の理由による。
上述したように、空気入りタイヤ20は、トレッド表面11aの摩耗が進むに連れてトレッドパターンを変化させる、トレッド表面11aに開口するタイヤ周方向溝12からなるリブパターン(図4(a)参照)とタイヤ径方向内側にタイヤ幅方向溝13からなるラグパターン(図4(b)参照)を設けたことで、トレッド表面11aの耐摩耗性能は、トレッド表面11aにリブパターンとラグパターンの二種類のパターンを有する従来の空気入りタイヤに比べ陸部面積が増加することで向上させることが可能になるが、更に、摩耗有効体積(ボリューム)の増大を狙って深溝化を実施しようとした場合、トレッドにおける発熱量の増大を招くことになる。この発熱温度は、特に、トレッドのタイヤ幅方向中央部において上昇することが確認されている。
そこで、発熱温度の上昇が大きいトレッド11のタイヤ幅方向中央部に溝15を設けることで、摩耗有効体積の減少を最小限に抑えると共に放熱面積を増大させることにより、空気入りタイヤ20を装着した車両の走行時に発生する走行風による放熱作用によって、トレッド11のタイヤ幅方向中央部における発熱を効果的に抑制することを可能にする。
また、溝15を溝幅が5〜20mmの細溝とするのは、溝幅が5mm未満である場合、走行風がトレッド面11aに開口する溝15の溝底に届き難くなって、走行風による冷却効果が減少してしまう傾向があるからであり、溝幅が20mmを超える場合、溝15の特徴である、トレッド11の接地時にトレッドゴムの潰れにより溝15が閉じてタイヤ転動時にトレッドゴムに働く剪断力をバランス良く受け持って耐摩耗性能を向上させる作用を、発揮することができなくなるからである。
図5は、図4の溝の断面形状を示す説明図である。図5に示すように、溝15は、溝縦断面の中心線が通る溝底(即ち、溝幅中心に位置する中心溝底)15aの曲率を1/Raとして、溝底15aから中心線(即ち、溝幅中心を通る直線)に沿って曲率半径Raだけ離れた点Cを通る直線と、中心線の成す角(θ)が、45°から90°の範囲(45°<θ<90°)の溝底(周辺溝底)15bの曲率を1/Rbと定義する。
そして、溝底15bの曲率半径Rbは、8mm以上で20mm未満(8mm≦Rb<20mm)にすることが好ましい。曲率1/Rbで規定される溝底15bは、溝底クラックが発生し易い場所であるが、経験的に曲率半径Rbを8mm以上にすることによって応力集中の度合いが小さくなり、クラックの発生を抑制することが可能になる。また、細溝としての溝15の溝幅を考えたとき、実質的に曲率半径Rbを20mm以上にすることが難しい。
(第3実施の形態)
図6は、この発明の第3実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。図6に示すように、空気入りタイヤ30は、トレッド11のタイヤ幅方向中央部に設けた溝15を、連通溝16により、ラグパターンを形成するタイヤ幅方向溝13に連通させている。この連通溝16は、溝15に対応した細溝により形成されていることが好ましい。
トレッド11のタイヤ幅方向中央部にタイヤ周方向に沿って延びる溝15を、トレッド表面11aに開口するタイヤ周方向溝12からなるリブパターン((a)参照)がトレッド表面11aの摩耗が進むに連れて消滅した後、トレッド表面11aに表れるラグパターンを形成するタイヤ幅方向溝13((b)参照)に、連通溝16により連通させたのは、以下の理由による。
上述したように、溝15を形成することで、摩耗有効体積の減少を最小限に抑えると共に放熱面積を増大させ、走行風による放熱作用によってトレッド11のタイヤ幅方向中央部における発熱を効果的に抑制することを可能にするが、その上、溝15を、連通溝16でラグパターンを形成するタイヤ幅方向溝13に連通することにより、車両の走行中にトレッド表面11aに当たる走行風を、タイヤ幅方向溝13へと流れ込ませてトレッド11の側面から送り出すことが可能になるので、走行風による冷却効果を増大させることができる。
(第4実施の形態)
図7は、この発明の第4実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターン(その1)を示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。図8は、この発明の第4実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターン(その2)を示し、(a)は前輪使用時のパターン説明図、(b)は後輪使用時のパターン説明図である。
図7に示すように、空気入りタイヤ40は、トレッド11の溝15の両側それぞれに、トレッド表面11aに開口する1本のタイヤ周方向溝12に加えて、タイヤ周方向溝12の外側に、タイヤ転動方向に略等間隔離間して、トレッド表面11aに開口するタイヤ幅方向溝17が設けられており、トレッド表面11aには、タイヤ周方向溝12からなるリブパターンとタイヤ幅方向溝17からなるラグパターンが一緒に設けられたリブラグパターンが形成されている((a)参照)。その他の構成及び作用は、空気入りタイヤ30と同様である。
また、図8に示すように、空気入りタイヤ41は、トレッド11の溝15の一方の側に、タイヤ幅方向溝17を設けず、トレッド表面11aに開口する2本のタイヤ周方向溝12を並列に設けており、トレッド表面11aには、溝15を挟んで一方の側に、タイヤ周方向溝12とタイヤ幅方向溝17からなるリブラグパターンが形成され、他方の側に、タイヤ周方向溝12からなるリブパターンが形成されている((a)参照)。その他の構成及び作用は、空気入りタイヤ40と同様である。
トレッド表面11aに、リブラグパターンが形成されていることにより、空気入りタイヤ40,41の前輪使用時にも、操縦性能に加えて駆動・制動性能を得ることができる。
このように、この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド表面11aの摩耗が進むに連れてトレッドパターンが変化するので、前輪用から後輪用へと入れ替えて使用することにより、求められる性能が異なる前輪装着時と後輪装着時にそれぞれ最適なトレッドパターンとして操縦性能の確保と耐摩耗性能の確保を両立させることができる。
つまり、例えば、滑り易い路面を走行する場合、前輪では操舵のためにタイヤ幅方向に滑らないようにリブ方向の溝が求められ、後輪では駆動・制動のためにタイヤ周方向に滑らないようにラグ方向の溝が求められることから、トレッドパターンがリブ系の新品時には前輪に使用し、使用に連れて摩耗が進みトレッドパターンがラグ系に変化する頃に、前輪から後輪に入れ替えることで、前輪と後輪それぞれの使用状態において機能的に必要としない無駄な溝を取り除くことが可能になり、操縦性能と耐摩耗性能を高次元で両立することが可能になる。
次に、この発明に係る空気入りタイヤを使用した前輪(F)摩耗試験と後輪(R)摩耗試験の試験結果を、表1に示す。
この試験は、扁平率80%の空気入りタイヤ(タイヤサイズ:53/80R63)をTRAに規定された正規リムに組み付けてTRAに規定された正規内圧のもと、実施した。
Figure 0005629519
基準タイヤとして用いた従来の空気入りタイヤ(従来のタイヤ)は、トレッド表面に、複数のラグ溝(タイヤ幅方向溝)とリブ溝(タイヤ周方向溝)がそれぞれ所定間隔を有して配置された、所謂リブラグパターンを有している。
実施例1と実施例2に示すこの発明に係るタイヤは、溝幅が20mm以下の溝15及び連通溝16を有する空気入りタイヤ30(図6参照)であり、溝深さが36mmのタイヤ周方向溝12からなるリブパターンと、溝深さが72mmのタイヤ幅方向溝13からなるラグパターンを加えた主溝深さが、従来の空気入りタイヤのリブラグパターンからなる主溝深さと同様に108mmに形成されている。この発明に係るタイヤ(実施例1,2)と従来の空気入りタイヤの何れも、新品時に前輪として使用し、使用によりトレッド表面11aが摩耗してトレッド11の厚みが新品時の略2/3の厚みになった時点で、前輪から後輪へと入れ替えた。
試験項目の前輪(F)平均舵角及び後輪(R)平均スリップ率は、それぞれのタイヤをTRA正規リムに組み付け、正規荷重、正規内圧のもと、320トンダンプカーに装着し、速度を略10km/hに維持して1000時間走行した後に、計算した値である。前輪平均舵角は、操舵角の時間積分を時間で割った値であり、後輪平均スリップ率は、タイヤ回転数と転がり半径から求めた距離をGPS(Global Positioning System)から測定した総走行距離で割った値である。
24時間後の温度は、TRA正規リムに組み付けて正規荷重、正規内圧のもと24時間走行後、トレッドのブロック(陸部)中央部に予め設けておいた細穴から熱電対を挿入して最外層上5mmの温度を測定したものであり、タイヤ周面上6箇所の平均値である。
そして、前輪(F)摩耗試験結果及び後輪(R)摩耗試験結果は、この発明に係るタイヤと従来の空気入りタイヤの何れも、TRA正規リムに組み付けて正規荷重、正規内圧のもと、320トンダンプカーに装着し、速度を略10km/hに維持して1000時間走行した後、トレッドをタイヤ幅方向で8分割した各位置での残溝測定により、走行に伴って減ったトレッド厚みの平均値を摩耗量として算出し、この摩耗量を走行時間で割った値を耐摩耗値として指数により評価したものである。
その結果、従来の空気入りタイヤを基準、即ち、指数値を100とした場合、この発明に係る空気入りタイヤは、前輪摩耗試験結果及び後輪摩耗試験結果から、前輪使用に際しては従来に比べ20%以上の耐摩耗性能の向上が確認され、後輪使用に際しては従来に比べ5%の耐摩耗性能の向上が確認された。
この発明によれば、空気入りタイヤをトレッドの摩耗状態に応じて前輪用から後輪用へと入れ替えて使用する際に、前輪装着時と後輪装着時にそれぞれ最適なトレッドパターンとして耐摩耗性能と操縦性能を両立させることができるので、大型のダンプカー等の建設用車両に用いられ、走行によるトレッド摩耗状態に応じて前輪用から後輪用へと入れ替えて使用する空気入りタイヤに最適である。
10,20,30,40,41 空気入りタイヤ
11 トレッド
11a トレッド表面
12 タイヤ周方向溝
12a 溝底
13,17 タイヤ幅方向溝
13a 開口部
14 オーバラップ部
15 溝
15a,15b 溝底
16 連通溝
1/Rb 曲率
Ra 曲率半径
d タイヤ径方向

Claims (5)

  1. トレッドに、
    トレッド表面に開口するタイヤ周方向溝と、
    前記タイヤ周方向溝よりタイヤ径方向内側に位置させた、前記トレッドの摩耗による前記タイヤ周方向溝の消滅後に前記トレッド表面に開口するタイヤ幅方向溝となる、タイヤ幅方向に延び前記トレッドの側面に開口部を有する溝孔と、を形成し、
    前記トレッドの摩耗が進むことにより、前記タイヤ周方向溝からなるリブパターンが消滅し前記タイヤ幅方向溝からなるラグパターンにトレッドパターンが切り替わる空気入りタイヤ。
  2. 前記タイヤ周方向溝と前記タイヤ幅方向溝がタイヤ径方向で重なり合うオーバラップ部を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッドのタイヤ幅方向中央部に、タイヤ周方向に沿って延び、溝底が前記タイヤ幅方向溝の溝底に達する深さの細溝を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記細溝を前記タイヤ幅方向溝に連通させる連通溝を有する請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記細溝の溝幅中心に位置する中心溝底の曲率を1/Raとして、前記中心溝底から前記溝幅中心を通る直線に沿って曲率半径Raだけ離れた点を通る直線と前記溝幅中心を通る直線の成す角が45°から90°の範囲の周辺溝底の曲率を1/Rbとした場合、曲率半径Rbは、8mm以上で20mm未満である請求項3または4に記載の空気入りタイヤ。
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